農林水産委員会

2020-03-31 衆議院 全207発言

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会議録情報#0
令和二年三月三十一日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 吉野 正芳君
   理事 池田 道孝君 理事 齋藤  健君
   理事 谷  公一君 理事 野中  厚君
   理事 細田 健一君 理事 石川 香織君
   理事 近藤 和也君 理事 濱村  進君
      泉田 裕彦君    稲田 朋美君
      今枝宗一郎君    上杉謙太郎君
      金子 俊平君    神谷  昇君
      木村 次郎君    小寺 裕雄君
      坂本 哲志君    笹川 博義君
      鈴木 憲和君    高鳥 修一君
      永岡 桂子君    西田 昭二君
      福山  守君    古川  康君
      宮腰 光寛君    宮路 拓馬君
      簗  和生君    青山 大人君
      大串 博志君    神谷  裕君
      亀井亜紀子君    佐々木隆博君
      佐藤 公治君    櫻井  周君
      長谷川嘉一君    広田  一君
      緑川 貴士君    石田 祝稔君
      佐藤 英道君    田村 貴昭君
      森  夏枝君
    …………………………………
   農林水産大臣       江藤  拓君
   農林水産副大臣      伊東 良孝君
   農林水産大臣政務官    河野 義博君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 山名 規雄君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            岩濱 洋海君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           新井ゆたか君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  水田 正和君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  横山  紳君
   政府参考人
   (国土交通省航空局安全部長)           川上 光男君
   農林水産委員会専門員   梶原  武君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三十一日
 辞任         補欠選任
  亀井亜紀子君     櫻井  周君
  石田 祝稔君     佐藤 英道君
同日
 辞任         補欠選任
  櫻井  周君     亀井亜紀子君
  佐藤 英道君     石田 祝稔君
    ―――――――――――――
三月三十日
 種苗法改定に関する請願(小川淳也君紹介)(第四三四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 家畜改良増殖法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
 家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律案(内閣提出第三六号)
     ――――◇―――――
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吉野正芳#1
○吉野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、家畜改良増殖法の一部を改正する法律案及び家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官岩濱洋海君、消費・安全局長新井ゆたか君、生産局長水田正和君、経営局長横山紳君、財務省大臣官房審議官山名規雄君及び国土交通省航空局安全部長川上光男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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吉野正芳#2
○吉野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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吉野正芳#3
○吉野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。広田一君。
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広田一#4
○広田委員 おはようございます。立国社の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 法案の質問に入ります前に、農林水産省における新型コロナウイルス対策について何点か質問をさせていただきます。
 この新型コロナウイルス対策につきましては、農林水産省の皆さん、江藤大臣を先頭に、昼夜を問わず御尽力されておりますことに、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 去る三月二十六日なんですけれども、安倍内閣は、新型インフルエンザ等特措法第十五条第一項に基づきまして、対策本部を設置をいたしました。それに基づき、基本方針の作成に着手をしたところでございます。また、三月二十八日には、今後、大型の補正予算を十日以内に策定をすることを表明をしました。遅きに失したとはいえ、ぜひとも一日も早く決定をしていただきたいと思います。
 こういった中、高知県を始めとする各地方自治体も緊急要望をしているところでございまして、例えば、一次産業への影響対策としては、卒業式を始めとする各種イベントの中止や外食需要の落ち込みにより、農畜産物や花卉並びに水産物の価格や売上げが減少しているので、影響を大きく受けている品目の生産者に対して早急な経営安定対策を実施すべき、このように訴えております。
 こういったことを踏まえますと、これも誰しもが言っておりますけれども、前例にとらわれず、そして今までにやったことのないことも含めて、本気の、思い切った対策というものが求められていると思います。
 そこで、農林水産省におかれましては、これは江藤大臣もかねてよりこの補正予算の検討をするようにと指示をしているところでございます、取り組まれているというふうに理解をするところでございますが、今般の補正予算の編成に関する農林水産省としての検討状況と江藤大臣の決意をお伺いをいたします。
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江藤拓#5
○江藤国務大臣 今先生からお話をいただいたように、二十八日に正式に指示がありましたので、十日間をめどということでありますから、その日のうちに、もうその前から実はやっておりますけれども、省内においては、各局ごとに、水産も、それから林業も、そして農業の部門は畜産とか、もうたくさん、分野は分かれておりますから、お花もありますし、それぞれの各局各課において詳細な検討をするように、そして思い切ったものを上げるように、特に若手に、こんなことまで要求したらちょっとむちゃなんじゃないかということも、一応考えたものは全て上げてくれというようなやり方で検討させております。
 先生おっしゃるように、品目ごとに生産者の影響緩和対策をしなければならないと思っております。総理からも、前例にとらわれず、そして強大な対策を考えるようにということでありますから、そのお言葉に見合ったものを考えておりますが、現実に、各局各課、もう財務と当たり始めておりますけれども、やはり緊急にやらなきゃいけない部分、それから、ある程度落ちついてからやる部分はきちっと峻別してやらなければならない部分があるのだろうと思います。
 外食についても、特に首都圏においては外食等については控えてほしいということでありますから、そういうこともありますけれども、地方においてはまだまだそういうところのないところもあります。
 ですけれども、内容については、申しわけないんですけれども、詳しいことは申し上げられませんけれども、とにかく、強くて大きくて、生産者の方々に、ポイントを得たなという内容にしたいと思っておりますので、きょうの夕方には、スカイプを使いまして、水産、林業、畜産、それから花とか、いろいろな分野の方々、本省とつないで、直接生産者の方々からも御意見をいただく機会をきょうの夕方持つように考えております。
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広田一#6
○広田委員 大臣の方から基本的な御認識をいただいたところでございます。詳しくは申し上げられないということは理解をするところではありますけれども、大臣、せっかくの委員会での質疑であるわけでございますので、江藤大臣らしい、これは前例にとらわれていない、これはなかなか俺じゃないとできないぞというような緊急な対策、これについて、五つとか十とか挙げろとは言いませんけれども、一つ二つお示しいただければなと思いますが、いかがでしょうか。
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江藤拓#7
○江藤国務大臣 ここでぶち上げたらそのまま通るということであれば、ぜひそうさせていただきたいと思いますが、財政民主主義の原則がございますので、やはり国会で御議論いただいた上で予算は執行されるべきものであるということは御理解いただかなきゃいけないと思っております。
 ただ、記者会見等で申し上げておりますように、和牛については大変在庫が積み上がっております。このままの状態になると、いわゆる屠畜場で制限をする、出荷制限という言い方もできますけれども、割ることができない。肉の保存倉庫がない以前の段階で、屠畜場としてこれ以上、成牛であっても受け入れることはできませんという状況になる可能性もあります。そうなれば、当然牛舎もあきませんから、子牛を買う必要がない。そうなると、繁殖農家のところで、本来であればもう出荷の予定のものが、下手すると三十カ月になってもまだ牛舎につながれている。しかし、繁殖農家はそういうところで飼うことは想定しておりませんので、当然場所もありませんし、お年寄りが肥育している場合もありますので、その場合は大変危険なこともある。そういうことについては、緊急に、やはり流通をもう一度回復させるような施策というものは早く求められると思っております。
 花なんかについてはなかなか、花も肉のように一元管理がされておりませんし、時期もばらばらですし、米ともまた性格が違いますけれども、次の年度についてまた意欲を持って生産に取り組んでいただけるような何か施策を考えなきゃいけないと考えております。
 水産についても、これも、大衆魚については下がっていない、高級な魚については下がっている。いろいろな、ばらばらな部分がありますけれども、これを一括でやるということは難しいかもしれませんが、例えば積立ぷらすの運用をどうするのかとか、そういうようなことも俎上に上ってくるのかもしれません。
 林業についても、原木輸出が中国等で大変とまっている現状もありますが、国内でそれを消費しようと思っても、国内経済もとまってきておりますから、林業についてはどういう施策が必要なのか、それについても考えておりますけれども、なかなか先生の御期待に応えられるような、五つ六つ具体的に、ああします、こうしますということは、ちょっときょうの段階ではお許しをいただければというふうに思います。
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広田一#8
○広田委員 ぜひとも前例にとらわれない対応をしていただければなと思います。
 アメリカの場合は、本当に財政規模は全く違いますけれども、農業関係等に二兆五千億円予算を投じた、こういうふうな報道もあるわけでございます。規模感も含めて、ぜひとも取り組んでいただければなというふうに思います。
 そういった中で、先ほど大臣の方から畜産関係についてのお話がございました。先週末、この関係で非常に話題となったのがいわゆるお肉券等についてでございます。
 これは、自民党の農林部会の皆さんが、去る二十六日の会合の中で、新型コロナウイルス感染対策を受けた経済対策の一つとして、需要が大きく減少している国産牛肉の消費喚起のためにお肉券の発行を盛り込んだわけであります。
 確かに、訪日の外国人の激減、また国内でも外出の自粛拡大によって需要が大きく落ち込んでいるわけであります。それに伴って、全国の屠畜場の倉庫に牛肉の在庫が積み上がっている。そうすると屠畜はできない、また成牛になっても肉にできない、肥育農家は非常に大変になる、そうすると子牛も売れない、こういった悪循環になるわけでございまして、そこをやはり何とかしなければいけないということは大臣も先ほど述べられたわけであります。
 やはり、歯を食いしばって頑張っている地元の農家の皆さんのこの悲痛な声を踏まえれば、こういったお肉券を出すべきだというふうな話、私も一定よくわかるところでございます。何よりも、先人たちが築き上げてきた和牛文化、この土台が本当に崩れてしまうんじゃないか、こういった危機感から出てきたものであるというふうに思うわけであります。
 ただ一方で、私も週末、高知県の畜産農家の方と意見交換することがありましたけれども、こういった取組について、非常にありがたい、ありがたいんだけれども、もっと一次産業全体を見て、それを応援するような使い方もあるのじゃないか、こういうふうな意見もあったところでございます。
 確かに、同じ肉を考えましても、牛肉ほどではありませんが、需要が減少している影響はまだ少ないとは言われておりますけれども、豚があったり鳥があったりもするわけでありますし、野菜や果実、そしてなかなか支援策もない花卉もあるわけでございますので。加えて、今は、外食、飲食店を応援しようにも、外出について自粛をしてくれというふうに政府を挙げて呼びかけている中でありますので、タイミングとしてはどうかなというふうにも思うわけであります。
 木を見て森を見ずの状況にならないようにしていただければなというふうに思いますが、農林水産省として、大臣も先週の記者会見で一定御見解を述べられておりますけれども、このお肉券等についての御所見をお伺いできればと思います。
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江藤拓#9
○江藤国務大臣 各党でそれぞれ、けんけんがくがくの御議論をいただいて、御提案、政策提言がなされることについては、いいことだと思います。
 その一方、報道等でも私も承知はいたしておりますが、農林水産省としてこの実施について決めたということはございませんので、私、自民党の議員でありますけれども、今、一応農林水産省の人間でありますので、これについて評価する、コメントするというのはちょっと違うのかなというふうに思います。
 ですけれども、今先生言われましたように、国民の御理解をいただけなければなかなか財政の執行はやはり難しいんだろうと思います。いろいろな御議論をこの委員会でもさせていただきましたけれども、今後の農林水産政策を遂行するに当たって、国民の御理解をいただいた上でやっていきたいんだということを何度も私は申し上げてきました。
 今回のコロナ対策についても、前例のない、そして強大なものを目指さなければなりませんが、しかし、まあ、多少無理筋ではあるけれども、でもわかるよねというところをやはり狙っていくことは、そういう努力は必要だと思いますので、いろいろな党の方々の御提言もいただき、また、自民党の与党の先生方、公明党の先生方の御提言、御意見も伺いながら、しっかりとしたものをまとめていきたいというふうに考えております。
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広田一#10
○広田委員 ぜひしっかりと、慎重な上にも積極的に議論をして対応していただければなというふうに思います。
 新型コロナウイルス対策については最後の質問になるんですけれども、緊急事態宣言を想定した上での備えについてお伺いをいたします。
 これについては、先般も大臣とは若干議論もさせていただいたところなんですけれども、東京を含めて、都市封鎖というのが現実味を帯びているわけであります。現状を踏まえれば、来月には政府として緊急事態宣言が出される可能性といったものがこれまで以上に高くなっている、そういう現状であります。そのときに混乱、困惑、影響が出ないように、緊急事態が出された場合の対応について、あらかじめ農林水産省としては準備をしておく必要があるのではないか、こういう問題意識を私は持っております。
 具体的には、農林水産省の新型インフルエンザ等対策行動計画、これは平成三十年に策定されているんですけれども、その中にも、業務継続への取組だとか、サービス水準に係る国民への呼びかけ、食品等の緊急物資の輸送、食料品の価格・流通の安定対策などなど、非常に、緊急事態宣言がなされた場合に備えなければならないことが多々あるわけでございます。
 これは、出されたときにそれから準備するというわけにはいかない性質のものでありますので、農林水産省として緊急事態宣言への備えをしてあるのかどうか、このことも含めて江藤大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
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江藤拓#11
○江藤国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、十三日に改正法が成立したことを踏まえまして、農林水産省においても、食料の安定供給とか経済対策の検討、これはもう始めているところでございます。
 これが出るかどうかはわかりませんけれども、新型インフルエンザ等対策特措法における緊急事態宣言条文一覧表、これを見ますと、農林水産省に当たるところは多分、第一節の四十二条の職員の派遣の要請、これはかかってくると思います。これは具体的に、人選も含めて、出たらどの人間をどの部署に配置するかということは、もう既に省内では検討済みでございます。
 それから、土地の利用等も、第三節の四十九条あたりもかかってくるかもしれませんが、これについては、そのときの状況によって、農林水産省の管轄する中で、どの土地、施設を管轄するかについてはまだ今のところわかりませんので、個々の状況によって判断することになると思います。
 それから、第四節の五十九条の生活関連物資等の価格の安定等、これは先生も今明示をしていただきましたけれども、これについては、二十五日に東京都の方から外出自粛要請を受けて、一時的な欠品が出ました。そのときに、食品メーカーの方々にお願いをしまして、土曜、日曜の配送、それから、土曜、日曜も工場を稼働させて、供給体制も一・二倍から三倍に上げていただくような要請を行っておりますので、これについては、緊急事態宣言が出たとしても同じだろうと思いますが、これ以上の供給力増加はなかなか難しいという現実もありますし、そして、これだけの供給体制を組んでおけば、ほぼほぼ欠品は出ない。
 現状を若干説明いたしますと、一部ではまだ、カップ麺というよりも即席麺が足りないようなところはあります。米がなくなったところも一時的には、二十八日ごろありましたけれども、今の段階ではほぼほぼ解消いたしておりますので、緊急事態が出た後の状況についても、省内では随時検討させていただいているところであります。
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広田一#12
○広田委員 検討されているというふうなことでございますので、これをしっかりと、備えあれば憂いなしでございますので、更に取り組んでいただければなというふうに思います。
 もちろん緊急事態宣言を出すこと自体は慎重であるべきだし、出せば、これは経済危機の引き金にもなりかねないわけでありますから、この点は慎重であるべきではありますけれども、しかし、いざなった場合に迅速に対応できるように、備え万端、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、法案の中身について質問させていただきます。
 私たちは両法案については賛成でありますし、この後、専門家の皆さんがるる具体的な質問をされると思いますので、私の方からは何点か、確認の意味で質問をしたいというふうに思います。
 まずは、家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に係る法律案についてお伺いをいたします。
 この新法は、平成三十年に改正されました不正競争防止法の限定提供データの不正取得などに関する規定を参考にいたしております。これは本当に、何か、よく考えられたな、これは誰が見つけてきたのかなというふうな感じで、非常に感心をしているところでございますけれども、これについて、まず、新法の提案理由のポイントについて江藤大臣にお伺いいたします。
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江藤拓#13
○江藤国務大臣 三十年の六月に、受精卵と精液が大量に中国に持ち出されそうになった、しかも、日本でとめられずに中国のところでとまったという事案が発生して、国民的にも、特に生産者団体の間には、これは大変だという機運が高まりました。ですから、自民党はもちろんですけれども、各党において、これについて何とかしなきゃいけないという検討が始まったところでございます。
 それについて、私も自民党のPTのメンバーでやらせていただきましたけれども、種苗法の中でやるとか、いろいろな工夫はありました。関税法でやるかとかいろいろな議論はやりましたが、なかなか難しいというところで、この不正競争防止という法律を参考にする。というのは、知的財産的という、知的財産という言い切りじゃなく、知的財産的という若干遊びを持たせている状況になっておりますが、しかし、これで何とかいけるということで、この知恵を、皆さん方のおかげで出すことができたと思っております。
 何といいましても、これは、長年、先人がつくり出した、まさに私たちにとっては、的ではなくて、知的財産ですから、これをしっかり守って、これから、やはり、中山間地域とかは特にそうですけれども、畜産をやりながら山をやる、小さい面積の農地を守りながら地域で暮らしていく、条件の悪いところほど実は畜産が果たしている役割はとても地域に対して大きいという側面がありますので、こういった日本の強さを失わないためにも、この不正競争防止法を参考にしてこの知的財産を守っていこうということが本法案を提出した趣旨でございます。
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広田一#14
○広田委員 大臣の方から御答弁があったように、この家畜遺伝資源というのは知的財産としての価値を有しているんだ、ですから、その知的財産としての価値の保護を強化すべきというのは、本当に、御紹介があった事件以降、より一層社会的要請が高まっている、こういったのが今回新法を提案した理由であります。言うまでもなく、キーワードは知的財産の保護というふうなことになるんだろうというふうに思います。
 その一方で、新法の第一条の「目的」には、「家畜遺伝資源の生産事業者間の公正な競争を確保する」、こういうふうに書いてあるわけであります。確かにこの規定というのは、この新法の参考となりました不正競争防止法の第一条の目的にも同趣旨の規定があり、これは理解するところでありますが、しかしながら一方で、提案理由の肝であり、それこそ公正な競争を確保しなければならない、何で公正な競争を確保しなければならないのかは、先ほど大臣が御答弁あった、この根本が知的財産保護であるわけなんですけれども、しかしながら、この新法の第一の目的に、知的財産保護の知の字も書いていないんです。これは一体どうしてなのか。これでは、新法の提案理由と新法の目的規定が一致していないのじゃないかと考えますけれども、江藤大臣の御所見をお伺いします。
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江藤拓#15
○江藤国務大臣 確かに、目的のところには、家畜遺伝資源に係る不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置を講ずるということでありますので、これを読んでいただければ、その前に、家畜遺伝資源の生産事業者間の公正な競争を確保するためということでありますから、知的財産であるからこそ、保護しなければならないのだ、確保しなければならないのだということでありますので、この目的規定の第一条で私は読み取っていただけるのではないかというふうに思います。
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広田一#16
○広田委員 読み取っていただけるということなんですけれども、しかしながら、大臣、知的財産を保護するという文言を第一条の目的にしっかりと明記できなかったのにはやはり何らかの理由があるんじゃないかなと。
 百歩譲っても、先ほど、何か知的財産的価値というふうな、知的財産的価値みたいな言い方もされていましたけれども、これはやはり何か法制局とのやりとりがいろいろあったのかどうかわかりませんけれども、しかしながら、私は、今回なぜ、この法案を、非常に知恵を出して、不正競争防止法というところの改正に目をつけてつくった、ある意味画期的な法案だというふうに認識をしているところでありますが、であればこそ、やはり知的財産保護という規定が本来あってしかるべきではなかったのかなというふうに思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
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江藤拓#17
○江藤国務大臣 真正面からがつんとやれればそれが一番よかったんだろうと思います。先ほども答弁で、知的財産的という言葉をあえて使わせていただきました。
 例えば関税法で縛るということであれば、関税の場合は外形的にはっきりわかるという、いわゆる家畜というものはずっと改良の歴史があって、同一性、均一性が確保できない。ということであれば、知的財産としての確立をなかなか外形的に担保するのは難しいという性質がありますから、ですから、法制局ともいろいろな議論を重ね、党内でもいろいろな議論を重ねた上で、ぎりぎりのところでこの法律を書かせていただいたので、先生の御指摘はお気持ちとしてよくわかりますが、踏み込めるところまで踏み込んで書いたのがこの内容だと御理解いただければと思います。
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広田一#18
○広田委員 大臣の方から御答弁があったように、本当は盛り込みたかったんだけれども、今言った理由でなかなかかなわなかったのかな、そういうふうにも理解を……(江藤国務大臣「ガットがありますから」と呼ぶ)はい、わかりました。
 それでは、次に、和牛遺伝資源の流通管理のあり方についての中間取りまとめに関連してお伺いをいたします。
 この中で、和牛遺伝資源の知的財産的価値の保護強化のための制度の検討について見解が述べられておりますけれども、そのポイントについてお伺いをいたします。
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水田正和#19
○水田政府参考人 お答えいたします。
 農林水産省に設置いたしました和牛遺伝資源の流通管理に関する検討会、昨年七月に中間取りまとめを出しております。
 「和牛遺伝資源の流通管理のあり方について」という中間取りまとめを出しておりますが、この中で、和牛遺伝資源の知的財産的価値の保護強化のための制度の検討、この部分では、和牛遺伝資源の知的財産的価値の保護強化のために、利用許諾契約のような契約の普及、定着に加え、契約当事者ではない第三者にも効力が及ぶ制度を創設すること、そのような制度創設のため、現場における保護の努力など立法事実を丁寧に積み上げること、和牛改良関係者のみならず、関係省庁、法曹実務家、知的財産に関する専門家等を交え議論し、検討することなどについて御提言をいただいたところでございます。
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広田一#20
○広田委員 御答弁にございましたように、和牛遺伝資源の知的財産的価値の保護強化のためには、利用許諾契約のような契約の普及、定着に加え、第三者にも効力が及ぶような制度的仕組みの創設などが考えられると。
 そしてまた、先週二十五日の当委員会での質疑の中でも、精液等の利用を日本国内に限定する旨明示した契約、いわゆるこれが利用許諾契約に当たるんですけれども、これを全国に普及した上で、新法におきまして、家畜遺伝資源の生産事業者との契約に違反して譲渡を行った農家や、これを譲り受けたブローカーに対して差止め請求を可能とする旨の答弁があったわけでありますけれども。
 そう考えますと、新法が有効に機能し、不正流通への抑止力を高めて再発防止に資するためには、いわゆるこの利用許諾契約の普及、定着が必要不可欠、大前提だというふうに考えますけれども、この点についての江藤大臣のお考えをお聞きします。
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江藤拓#21
○江藤国務大臣 これは、今やっている県が十七ぐらいありますけれども、基本的に義務にはなっていないということでございます。任意なんですね。ですから、これは確かに問題の点だと思います。
 ですから、生産者の方々、和牛生産にかかわる方々の意識を高く持っていただくことが、非常に、この法律の成立と同時に求められると思います。契約を結べば、先生がおっしゃったように、契約違反ですから、これは告発ができますけれども、契約をしないということであれば、契約の外だからという言い逃れができないこともありません。ですから、大前提であってもらいたいと思います。
 ですから、この法律が成立することによって、生産者の方々も、それから家畜人工授精所を開設している方々も、高く意識を持っていただいて、その方々が渡すときには国内利用に限るんだよということを契約の中にしっかり書いてもらった上で、そして、海外に持っていった場合は、もうそれは刑事罰を科されることも十二分に考えられるということをこの法律を通じて御理解いただくことによって、抑止力が働くことになるのではないかというふうに考えております。
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広田一#22
○広田委員 今御答弁あったわけであります。また、江藤大臣の御地元の宮崎含めて、今この利用許諾契約をしているのが十七県というお話があったところでございます。これが多いかどうかは別にいたしまして、この利用許諾契約が全国展開で普及、定着しないと、この法律の目的にあります、家畜遺伝資源の生産事業者間の公正な競争を確保するということがやはり困難になるんですよね。あくまで任意契約なので、うちはしませんよというふうになれば、この法律が使えないわけであります。ですから、この普及、定着というのは極めて大事になります。
 そこでお伺いしたいのが、こういった利用許諾契約の普及、定着を図る、推進するということを、これは何らか法的に担保した方が、私は、今回のこの新法というものが安定すると考えますし、何より、家畜遺伝資源について不正な取得などの不正競争を防止し、家畜遺伝資源事業者の利益の保護がより一層図られるのではないかというふうに考えますけれども、この点についての江藤大臣の御所見をいただければと思います。
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江藤拓#23
○江藤国務大臣 法律で担保するというのはなかなか難しいと思いますが、契約をすれば生じる義務と責任が出るということは申し上げたとおりでございます。
 そして、今、全国的に、この法律を成立させる前の段階で、家畜人工授精所の数は、今数字は手元にございませんけれども、かなり大きく伸びております。今までは、そういう資格を持っていなくても、横の取引とかいろいろな譲渡とか売買を行っていた事例が残念ながら見られましたけれども、例えば、家畜の競り場で、おまえ、あれ持っていない、じゃ、俺、売ってあげるよみたいな、友達間のやりとりも実際にはあったということでありますが、しかし、今度は、人工授精所を開設しているということの許諾を得なければこれはできませんので、そのことも大きくこのことには影響すると思います。
 そして、今後、この法律に基づいていろいろな経費等が発生いたします。例えばストローとか、それとか、いろいろなデジタル技術を使って登録することになりますので、そういったシステムを導入することについては国が予算措置によってこれを担保いたしますので、そういうことであれば、国の支援を得る上でも、そういう許諾契約を結ぶということが基本になっていくということが、少しずつ、少しずつではいかぬですけれども、しっかり定着していくのではないかというふうに考えております。
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広田一#24
○広田委員 これを法律に書き込むことはなかなか難しいというところ、もう少し、ちょっと議論も深掘りをしたいところでもあるんですけれども、いずれにしましても、やはりこの画期的な新法が機能的に使われるためにも、利用許諾契約が使われることは大変重要でありますので、この点についての普及啓発、よろしくまたお願いをいたします。
 それで、家畜改良増殖法の改正案についてちょっと最後にお伺いしたいと思いますけれども、この安全性及び品質の適正な管理のための措置の強化などについてなんですが、これは第十二条第二項では、家畜人工授精所以外の場所での家畜人工授精用の精液、受精卵の保存の禁止、また第十四条三項では、家畜人工授精所で保存していない家畜人工授精用精液、受精卵の譲渡禁止、この保存と譲渡の禁止を規定しているわけでありますけれども、この禁止規定の狙いは何なのか、これについてお伺いをしたいと思います。
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江藤拓#25
○江藤国務大臣 今までは、例えば、決して悪気はないんですけれども、名前の通っている精液を自分のところでずっと持っていたい、それで、直接つける気持ちはないけれども、もったいないから、数も少なくなったから、ずっととっておこうと。人によっては、たくさん持っているというような方もおられます。その人たちは、家畜人工授精所の登録なんかは今まで全く行っておりませんでした。そういった方が流通させることはまずやめてほしいということはあります。
 ですから、この現行の法律のもとでは、そういういわゆるちょっと緩いところがございましたので、畜産農家間は非常に仲がいいということもありますので、今回は、まず、そういう管理するところでなければ管理してはいけない、保管することもそういうところでなきゃ保管してはいけない、流通についても家畜人工授精所の登録をしているところでなければ行ってはいけないという縛りをこれでしっかりかけさせていただくということでございます。
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広田一#26
○広田委員 これは最後の質問になるとは思うんですけれども、確かに、大臣が御答弁されたとおりの目的があると思うんですが、しかしながら、これはただし書きがあって、ただし書きでは、例えば十二条二項では、「自己の飼養する雌の家畜に注入し、又は移植するためにする場合その他農林水産省令で定める場合は、この限りでない。」と例外規定が設けられているわけでございます。
 この例外規定によって何が生じるかというと、畜産農家の方がみずから精液等を調達して自分で人工授精等をする場合、これは、明らかないわゆる管理規定といったものがなかったら、余った精液等がブローカーの手に渡る可能性が出てくるんじゃないか、そういうふうなちょっと抜け道になってしまう可能性があるのじゃないかなというふうに思いますので、この点のただし書きをされた意味、そして、それによって、先ほど指摘したような懸念があるんじゃないかと思いますけれども、この点についての御所見をいただければと思います。
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江藤拓#27
○江藤国務大臣 自家増殖については、基本的に、繁殖農家があり一貫経営があり、畜産農家の経営上も多彩でありますので、自分のところでやる分については、これは良識の範囲内で認めるということになっております。
 それを、余った分、確かに一本のストローで何頭分も授精させることは可能ということであれば、悪意を持って見れば、そこで余った分がブローカーに流れるということもあるのかもしれません。それは人のすることですから、完璧にこの法律が通ったからといって管理することは難しいかもしれませんが、しかし、この法律が通ったことによって、先ほどから申し上げているように、畜産農家自体の意識が大きく変わると思います。
 今も大変変わってきています。この数字の、昨年の九月で家畜人工授精所の許可を得ているところが千五百七十七カ所でしたが、ことしの一月には二千百十二カ所までふえております。これも現場の意識のあらわれでありますので、この法律と、それから現場の皆さん方の意識の向上によって、そういうようなブローカーへの流れという流れをとめていきたいというふうに考えております。
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広田一#28
○広田委員 これはもう答弁は結構でございますけれども、私は、今回の法律の目的に沿うのであれば、国内における不正流通のリスク低減に資するためには、例えば、今回、せっかく法の第三十二条の二第一項で、いわゆる特定家畜人工授精用の精液等、いわゆる和牛精液について更に規制を強化しているわけですから、例えばその範囲については限定していくというふうな形をとる方が、より未然防止効果が上がるんじゃないかなといったところを指摘をさせていただいて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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吉野正芳#29
○吉野委員長 次に、青山大人君。
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