内閣委員会

2022-04-21 参議院 全80発言

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会議録情報#0
令和四年四月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任   
     小沼  巧君     塩村あやか君
     福島みずほ君     杉尾 秀哉君
 四月二十日
    辞任         補欠選任   
     宮島 喜文君     有村 治子君
     塩村あやか君     熊谷 裕人君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         徳茂 雅之君
    理 事
                太田 房江君
                上月 良祐君
                江崎  孝君
                浜田 昌良君
                礒崎 哲史君
    委 員
                赤池 誠章君
                有村 治子君
                磯崎 仁彦君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                石川 大我君
                熊谷 裕人君
                杉尾 秀哉君
                高瀬 弘美君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                市田 忠義君
                田村 智子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   参考人
       公立大学法人熊
       本県立大学理事
       長        白石  隆君
       一般社団法人日
       本経済団体連合
       会常務理事    原  一郎君
       名古屋経済大学
       名誉教授     坂本 雅子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○経済施策を一体的に講ずることによる安全保障
 の確保の推進に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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徳茂雅之#1
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、小沼巧君、福島みずほ君及び宮島喜文君が委員を辞任され、その補欠として杉尾秀哉君、有村治子君及び熊谷裕人君が選任されました。
    ─────────────
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徳茂雅之#2
○委員長(徳茂雅之君) 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、公立大学法人熊本県立大学理事長白石隆君、一般社団法人日本経済団体連合会常務理事原一郎君及び名古屋経済大学名誉教授坂本雅子君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、白石参考人、原参考人、坂本参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず白石参考人からお願いいたします。白石参考人。
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白石隆#3
○参考人(白石隆君) 今日は、お招きいただきまして、ありがとうございます。
 大きく三点申し上げたいと思います。一つは、経済安全保障というのはどういうことかと。それから二つ目に、なぜ経済安全保障というのは重要なのか。それから三つ目に、私、衆議院、参議院での議事録を全て拝見いたしましたけれども、非常に実質的な議論が行われておりまして、先生方に本当に敬意を表しますが、同時に、私として、もっと強調をされてしかるべきではないかという点について申し上げたいと思います。
 まず最初に、経済安全保障ということはどういうことなのかということでございますが、ごく簡単に申しますと、経済安全保障の目的というのは、経済的手段によって国家と国民の安全を守るということと、国民経済に極めて重要な機微情報・技術、ここで一つ言葉落ちておりますけれども、産業を守るということ。それから三つ目に、いわゆる自由主義的な国際秩序、これが第二次大戦以降の日本の安全と繁栄、それから自由を保障してきたわけですけれども、この自由主義的な国際秩序を守るために信頼できる国々と連携する。この三つが私は経済安全保障の目的だというふうに考えております。
 英語では特に定訳はございませんが、経済的な手段によって国策を達成すること、時に、ですから経済国策という訳が最近使われておりますが、そういう意味でエコノミック・ステートクラフトという言葉が使われますけれども、これよりは随分範囲の狭い言葉として経済安全保障という概念が使われているというふうに考えております。
 当然のことながら、経済安全保障に関わる政策というのはいろいろございます。ですから、現在、先生方が議論されて、審議されておられる経済安全保障推進法案というのはそういう政策手段の一つであって、私の理解では、日本の経済安全保障を確保するための政策の手段、これ私は道具箱というふうに言っておりますけれども、この道具箱を充実させるためのものだと。それ以外にも、エネルギー外交だとか食料外交、あるいはエネルギー安全保障、食料安全保障、あるいは外為法にあります安全保障貿易管理、さらには安全保障上の政策的なインプリケーションを持った国際開発協力プロジェクト、こういうものも実は全て経済安全保障に関わる政策ですが、その中で今まで余り注目されていなかったところを今回は経済安全保障推進法案という形で道具をもう一つ充実させていくというのが今回の狙いであろうと私は理解しております。
 それでは、なぜそういう意味での経済安全保障への関心が高まっているかと。これはもう先生方よく御存じだと思いますけれども、やはりこの十五年ぐらいでしょうか、経済制裁ということが多用されるようになってきて、それがちょうどグローバル主義が力を失っていくのと軌を一にしているということだろうと思います。
 例えば、これは日本が経験し、オーストラリアが現在も、二〇二〇年以来経験していることですけれども、中国あるいは中華人民共和国は、ウイン・ウインの経済協力といいながら、この経済協力はいつでも経済制裁になり得るというのがこれ現状でございますし、アメリカも、もうこれは随分長い間、エコノミック・ステートクラフトということで経済制裁を使っております。
 ですから、こういうことを全部合わせまして、現在、特にアメリカの政治学、国際政治学のあるいは政治経済学の分野では、これまではエコノミック・ステートクラフトという概念を使っておりましたけれども、概念として、私はこれは日本発だと考えておりますけれども、エコノミックセキュリティーという概念も使われるようになってきておりまして、その場合、特に明確に定義について合意があるとは思いませんけれども、一般的に申しますと、経済、科学技術における安全保障上の外部性をコントロールすること、ちょっと難しい言い方になりますけれども、経済、科学技術の安全保障上の意味合いが非常に大きいものについて、それをコントロールすることをもってエコノミックセキュリティーと言っているというふうに私は理解しております。
 それでは、なぜ経済安全保障が重要なのか。第二点目のポイントでございますけれども、ごく一般的に申しますと、安全保障というのは、平和と安全、人権と民主主義、自由と公正、生命と健康、こういうこと全てに関わりますけれども、ネットワーク中心の世界が生まれることで戦争と平和の境界が非常に二十一世紀になって曖昧になっているというのがやはり一番大きな理由ではないかと思います。
 これがいつから始まったのかというのは、これはなかなか言い難いことでございますけれども、例えば、新しい戦争ということが生まれたのは、これは一九九一年の湾岸戦争でございまして、このときに初めてネットワーク中心の戦争ということが言われ、それで二十一世紀に入りますと日本でもソサエティー五・〇のようなことが言われるようになり、現在では全てのものがネットワークにつながっているというのは、これはもうごく当たり前のことになっている、これが一つ大きい理由だと思います。
 もう一つは、先端技術あるいは先端新興技術が二十一世紀の安全と繁栄の鍵だということが世界的に広く理解されるようになったということだろうと思います。
 実際、アメリカも欧州諸国も日本も中国も、あるいはオーストラリアもインドも、先端新興技術について非常に大きな投資をやっておりますけれども、その分野がどこかということを見ますと、ほぼ全て一致しております。ですから、その上、その意味では、世界のあらゆるところで投資の能力のある国はあるいは企業は、こういう先端新興技術のところに投資していると。理由は、当たり前のことながら、これからの安全と繁栄、そして、ビジネスの場合にはその成功の鍵はこれにあるからだということだろうと思います。
 二十世紀と比べますと、幾つか非常に大きな変化がございます。
 一つは、基礎研究から技術開発までの時間が非常に短くなっていると。場合によったら、科学技術的な知見がそのまま技術になるという時代に来ております。
 二つ目に、先端新興科学技術におきましては、いわゆるデュアルユースという概念がもう既に妥当でなくなっていると。つまり、あらゆるものが事実上デュアルユースに、両用になっておりまして、しかも、誰かが、あるいはある企業が、科学技術を開発しているのとは全然関係ないところでその技術を見て、何かそれの、例えば元々は民用の技術を開発していても、それをほかの人たちが見てそれを軍用に使うなんということはごく当たり前のことになっております。
 という意味で、実はエンドユースとエンドユーザーというのが分からなくなってきていると。技術の分野で考えても、なかなかこれがどう使われるか分からないというか、何にでも使われると。しかも、技術のレベルを考えても、どのレベルでコントロールすればいいのかも分からなくなってきている。そうすると何をするかというと、エンドユース、ユーザーのところで、ひょっとするとこれは危険なところで使われるかもしれないという企業あるいは団体をコントロールするということが一つの考え方としてあります。それが、例えばアメリカ政府が現在多用しておりますエンティティーリストでございます。
 三つ目に、これは日本だとかアメリカだとか欧州の場合で、中国は違いますけれども、科学技術開発のイニシアティブが国の研究所から大学と企業に大きく移ったということでございます。例えばアメリカの例ですと、国防産業が使う技術開発の額とGAFAが使う額だと一桁違います。GAFAの方が大きい額を使っております。
 四番目に、これは、いわゆるグローバル化の中で研究者も学生もお金もサプライチェーンも全部国境を越えて広がりましたけれども、これを国によっては自国の軍事、産業、技術力の強化に使う国が出てきたと。そういう国が自由主義的な国際秩序に挑戦しているということもございます。また、その中で、非国家主体、テロリストグループのようなものがやはり登場して、本当に新興技術を自分たちのための目的に使うということも起こっていると。
 それから最後に、こういう先端新興技術の、あるいは産業の頭脳には基盤がございます。その基盤というのは例えば半導体でございまして、半導体がなければその新興科学技術というのはそもそも動かないということになっております。
 こういう中で、政策的には、当然のことながら、これ二枚目に移ります、先端新興技術産業の基盤を守るということが非常に重要になります。私は、今回の法案でサプライチェーンを守るといったときに常に半導体、電池が出てくるというのは、そういう意味で非常に適切なことであろうというふうに考えております。
 それから二点目に、現に存在するネットワーク中心のインフラを守るという、これも当然のことでございまして、恐らく戦争においても、仮に何かあのウクライナのような状況がアジアで起こった場合にも、まず最初に起こるのはインフラのどっかが動かなくなるということだろうと思いますので、これを守っておくというのが極めて重要だろうと考えております。
 それから三番目に、当然のことながら、先端新興技術が重要になりますと、あるいは二十一世紀の安全と繁栄の鍵になりますと、それに投資をする必要がございます。これが言わば産業政策と科学技術政策を結合した二十一世紀の新しい産業政策だろうというふうに私は考えております。
 それから四つ目に、当然のことながら、そうやって投資してつくった、あるいは得た知見、あるいはその技術というのは守らなければいけない。これが、私は基本的にこの経済安全保障推進法案の組立ての基礎にある考え方ではないかと理解しております。
 最後に、それじゃ、これを、経済安全保障政策をこれから考えていくわけで、重要なのは何かと。四点だけ、もう大分時間来ましたので急いで申し上げますと、一つ目は、やはり道具箱というのはこれで全部そろったというわけではございませんので、これから先また必要になればどんどんつくっていただきたいというのがこれ第一点です。
 それから二点目に、先ほども、これ繰り返しになりますけれども、先端新興技術というのはエンドユース、エンドユーザーの分からない技術でございまして、重要なことは、使う側、これは多くの場合起業家ですけれども、使う側の想像力の問題なんだと。こんなものはできないかなというふうに考えてつくったら、それが勝ちなんですね。ですから、その意味で、科学技術政策では時々シーズとニーズのマッチングという言い方しますけど、でも実はニーズがまだ分かっていないんだと。分かっていないようなものをどうやって言わば種をまき、育てていくかというのが重要なんだということでございます。
 それから三番目に、鍵になるのは、これは、自由主義、国際秩序というのを守る上で鍵になるのは信頼という言葉だということでございまして、サプライチェーンの再編におきましても、信頼の上に新しいサプライチェーンをつくると。ほかの国からの投資だとか技術導入する場合にも、信頼できる国、信頼できる企業から導入する。共同研究も、信頼できる国の研究チームと一緒にやるということが重要だろうと思います。
 それから最後に、特にこの議事録を拝見しておりますと、経済安全保障における、知る、守る、育てるということでシンクタンクの役割ということがよく触れられておりますけれども、私自身は、シンクタンクについては二つ違うタイプのものが要るんではないだろうかと考えております。
 知るは、当然のことでございまして、先端新興技術に関わる技術者あるいは研究チームがどういう機関あるいはどういう企業にいて、どんな研究をどこの誰と一緒にやっているかと。それのデータベースを作って、ネットワークがどういうふうにできているかということを見付けるのは間違いなく重要ですが、それを守るためには、こういう技術あるいは経済の安全保障上のインプリケーションをきちっと理解するシンクタンクが要ります。
 同時に、育てる、つまり人材を育成し、科学技術を振興する、そこで日本がこれから伸ばせるだろうところを見付けて投資するという、そういうシンクタンクも要ると考えております。
 これが、今日、私が申し上げたいことでございます。
 少し時間を超過しましたけれども、どうもありがとうございました。
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徳茂雅之#4
○委員長(徳茂雅之君) ありがとうございました。
 次に、原参考人にお願いいたします。ヤジ挙手をお願いします。
 原参考人。
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原一郎#5
○参考人(原一郎君) 今日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。
 お手元に、二月九日付けの経団連のロゴマークが入った私どもの意見が配られているかと思いますが、これは二月の一日に公表されました政府の方の有識者会議の提言を受けてまとめたものでございます。経団連の提言、したがいまして、法案の閣議決定前に公表したものでございますので、この提言内で法案への言及はございませんけれども、適宜口頭で補足しながら説明をいたします。
 一枚めくっていただきまして、目次が出てまいりますが、この目次のローマ数字のⅠの部分、今次法制化に関する意見というところを中心に御説明申し上げます。この中身は、今回の法案に盛り込まれました四分野、これについてそれぞれ意見を申し述べておりますので、これを目で追いながらお聞き取りをいただければというふうに思います。
 まず一ページ目でございますけれども、最初のパラグラフにございますように、法案の必要性に関することが書かれております。経団連の認識といたしましても、経済と安全保障、これを切り離して考えることはもはや不可能になっていると考えております。
 第二パラグラフでございますが、政府は既存の法律に基づいてできることは既に着手されているわけでございますけれども、我々の認識といたしましては、急ぎ法制上の手当てが必要な事項を盛り込んだのが今回の法案であって、それが今次国会に提出されたということであります。その方針を経団連としても支持いたします。
 次のパラグラフは、有識者会議の提言について書いてございます。全体として、経済活動の自由あるいは国際ルールとの整合性に配慮した内容になっていると考えております。この提言を踏まえまして法案が閣議決定されましたわけですから、したがいまして、法案につきましても全体として経済界の重視している点に配慮した内容になっていると考えております。
 法案全体を通じて、政令以下の下位法令あるいは政府としての基本方針、四分野それぞれの基本指針で決定される部分がありますので、それぞれについては経済界の意見を申し述べる機会をいただきたいというお願いをしております。
 ここまでが全体を通じた基本的な認識でございます。
 以下、四分野ごとに基本的な考え方と留意すべき点を申し上げたいと思います。
 二ページを御覧いただければと思います。特定重要物資の安定的な供給の確保、すなわちサプライチェーンの強靱化でございます。
 サプライチェーンは、企業が経済合理性の観点から構築しているものであります。その強靱化も、一義的には企業自ら主体的に取り組むべきものと考えます。したがいまして、安全保障の観点から強靱化に取り組むに当たりましても、規制的な手法ではなく、企業の主体的な取組を後押しするような形を基本とすべきと考えます。企業がまずサプライチェーンを自己点検し、その結果、ある対応を取ろうとしているのを政府にインセンティブで後押しいただきたい、そういう考え方でございます。
 この考え方に立てば、政府による支援の対象となる物資は、国民の生命を脅かすおそれが大きく、また国民生活及び経済活動に多大な影響を及ぼす重要物資全てを対象とするのではなく、重要物資のうち、生産拠点が特定の国、地域に集中している、あるいは調達先が特定の企業に限定されている、あるいはそもそも生産量が限られているために供給途絶リスクが高い物資に限定する必要があると考えます。法案ではそうした物資は政令で指定することになっておりますが、その際も十分に絞り込むことが求められます。法案ではこの点十分配慮されていると考えておりまして、すなわち、まず先ほどの考え方で重要物資を整理した上で、その中で特定重要物資ということで供給途絶リスクも勘案しながら決めていくということになっています。
 そのような形で決定された特定重要物資につきましては、調達先、生産拠点の多元化を基本とすべきと考えます。ただし、多元化だけでは回避できないリスクがあると思いますので、その場合には国内生産基盤を整備、強化する、あるいは供給の途絶が一刻も許されないような場合は、国が備蓄するといった幾つかの選択肢の中で考えていくべきだと考えます。この点、法案を拝見しますと、まず国内生産ありきということではなく、多様な選択肢が考えられていると評価しております。
 最後に、このサプライチェーンを強靱化するに当たって政府が調査を行うということになっておりますが、先ほど申し上げた重要物資あるいは特定重要物資を絞り込むに当たり、政府による調査を行うことになっております。法案でいえば、報告徴収ということになります。法案においては、政府の調査権限についてきちっと規定されています。法的な権限が曖昧な形で調査をされても企業としては対応に困りますので、そこは我々の意見どおりになっているかと思います。
 事業者の応答につきましては、我々としては、義務付けということではなく、調査対象をできる限り絞り込むことによりまして、調査される側が調査の目的、意義を十分認識できることが、形が望ましいと申し上げてまいりました。法案では努力義務という形になっております。実際の調査の範囲が現時点では決まっておりませんので、できるだけ我々の意見に沿った形で調査が行われるよう、今後も注視をしていきたいと考えております。
 企業のサプライチェーンは、非常に広く複雑化しているのが現状でございます。また、秘密保持契約が結ばれている場合などでは、情報を出したくても出せないといった現状がございます。そういった点も勘案していただければ幸いでございます。
 次、四ページを御覧ください。特定社会基盤役務の安定的な提供の確保、すなわち基幹インフラの安全性、信頼性の確保です。
 率直に申し上げまして、四分野の中で一番規制が強い制度だと思っております。規制色が強い制度だと思っております。これは、サイバー攻撃等々のリスクを事前に排除するということで事前規制が導入されておりますが、我々からするとやむを得ないと考えております。
 今回規制を入れることによりまして、一定期間の後に知見が積まれてくると思いますので、その暁には、水際で管理することがあってもよいのではないかと考えております。先ほどの白石先生のワードをお借りすれば、信頼できる相手あるいは信頼できる設備というのはどういうものかというものが分かってきますとこういったことが可能になるのではないかと思っておりまして、これは今後の課題になると思います。要は、できるだけ、規制する側、規制される側のコストを最小限にするという趣旨であります。
 制度の対象につきましては、基幹インフラの事業、事業者、重要設備が今後指定されることになっております。法案成立の暁にはということでございます。
 事業については、法案で十四分野の外縁が示されております。どの事業者、設備が対象になるかはそれぞれの業所管省庁が省令などで定めることになっております。この内容がどうなるかは今後も注視していきたいと思っております。
 特に重要設備、すなわち、どの設備を規制の対象にするかは非常に重要な問題でございまして、所管省庁と事業者の対話が非常に重要であると思っております。下位法令の規定ぶりを注視していきたいと思っておりますし、できるだけ必要最小限の規制ということで、政府として統一した対応を行っていただきたいと考えております。
 サプライチェーンあるいは再委託先の情報も事前に届け出る、計画書の中に盛り込むことになっております。繰り返しになりますが、どこまで情報として出せばよいのか、出せる情報の限度の問題もございます。事業者の負担にも配慮した形で運用がなされていることを今後も注視していきたいと考えております。
 次に、ページでいきますと五ページになりますが、特定重要技術の開発支援の点でございます。
 実際にどう運用されるかをこれも見ていきたいと考えております。そのときに肝になりますのは、産学官のエコシステムをうまく形成できるか、この点にあると考えております。
 支援対象となります先端的な重要技術については、限られた財政資源を有効活用する観点から、十分に絞り込む、分野を選び集中投資することが重要だと思っておりますし、社会実装に重きを置いた形で取り組む必要があると考えます。
 プロジェクトごとに設置されます官民の協議会では、政府から安全保障上の具体的なニーズに係る情報が産学との間で共有されることが期待されます。ただし、その際の守秘義務が課される範囲が余り広過ぎますと、産業界としては参加しにくくなるのではないかと考えます。
 また、シンクタンクにつきましては、既存の政府機関や企業等が何らかの形で関与するなどして、我が国としての知見を集約することを期待しております。
 最後に、特許出願の非公開についてでございます。これは、ページになりますと七ページになります。
 我が国では、特許は年間三十万件程度出願されていると聞いております。企業はこの制度を前提にビジネスを行ってまいりました。今回、この制度に変更が加わることになります。制度の必要性につきましては、機微な発明の流出防止の観点から十分理解できると考えております。非公開によって、安全保障上の観点から特許出願を諦めざるを得なかった発明者が過去にいたとすれば、今回、新しい制度により、特許法上の権利を得る道を開くことにもなるかと考えております。
 非公開の対象となる発明、あるいは八ページにございますような外国出願の制限の対象につきましては、できるだけ絞り込んでいただきたいと考えております。特にデュアルユースにつきましては、言葉どおりに軍事利用ではない民生利用ができる技術でございますので、それが幅広く非公開化の対象となりますと、産業活動に制約が及びます。また、外国出願も制限されますので、この範囲をできるだけ絞っていただきたいと考えております。法案も基本的にはそういう考え方に基づきまして成り立っているものと考えております。
 審査のプロセスも迅速に行っていただきたいと考えております。特許につきましては、迅速化の努力が今まで行われてきました。そういった努力が無駄にならないように迅速なプロセスを維持していただきたいと考えます。一次審査は三か月以内とされておりますので、この点は評価をしております。また、外国出願ができない期間は十か月とされていますが、できるだけ迅速に早めていただきたいと考えております。
 非公開となった対象の実施につきましては、許可制になることはやむを得ないと考えますが、安全保障上問題がない限り、最大限活用できるような形でお認めいただきたいと考えております。
 補償につきましては、通常生ずべき損失が適正に補償されるよう、これも具体的な制度設計を注視していきたいと考えます。
 以上が法案に関する我々の基本的な考え方、あるいは今後留意すべき点でございます。
 ありがとうございました。
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徳茂雅之#6
○委員長(徳茂雅之君) ありがとうございました。
 次に、坂本参考人にお願いいたします。坂本参考人。
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坂本雅子#7
○参考人(坂本雅子君) 坂本です。よろしくお願いいたします。
 ちょっと報告が長いものですから、大急ぎで読みます。ただ、ⅡとⅢは少しはしょりながら読ませていただきます。目次に書いてありますように、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳといった順で御報告したいと思います。
 Ⅰ、経済安保は、軍事的な安全保障政策と一体。
 (1)、本法律案は四つの柱、すなわち、①重要物資の安定的な供給の確保に関する制度、サプライチェーンの強靱化、②基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に関する制度、基幹インフラの安全性、信頼性の確保、③先端的な重要技術の開発支援に関する制度、先端的な技術分野の官民協力、④特許出願の非公開に関する制度、特許の非公開から成る。
 (2)、本法案は、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律というその正式名称のとおり、単なる経済成長戦略や国内の技術、生産の発展政策ではない。経済の安全保障政策である。軍事的な安全保障政策と同じく、外から日本を襲う危機、外敵から日本経済を防衛しつつ発展を展望しようというもので、軍事的な安保政策と一体不可分のものである。
 (3)、今回の経済安保法案は、軍事面での日本の安全保障政策が新たな段階に入ったこと、その根本には、日本の重要な同盟国米国が軍事面と経済面で新しい戦略、中国との対抗を軸に据えた世界戦略を展開しつつあることと一体で浮上したものである。
 本日は詳しくは申し上げませんが、米国は二〇一〇年代後半から中国を主敵に据える国防文書を次々出しています。特に二〇一八年のトランプ政権では、中国との戦争すら前提として、そのときの作戦文書まで、機密ですけれども、出しております。米国の世界戦略と一体で浮上したと。
 それを宣言したのが菅・バイデン大統領の日米首脳共同声明、二〇二一年四月十六日であり、日米はここで軍事面での新たな安保政策と一体となった経済安保の必要性と日米の連携を公式に宣言した。
 共同声明の経済安保に関わる部分としては、第五世代無線ネットワーク、5Gの安全性及び開放性へのコミットメントを確認し、信頼に足る事業者に依拠することの重要性につき一致したとする箇所がまず挙げられる。
 この部分は今回の法案で、②基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に関する制度、基幹インフラの安全性、信頼性の確保、これは二ページに入ります、の項目につながる。信頼に足る事業者に依拠するとの真の意味は、米国が国防権限法、二〇一九年、の八百八十九条で、米国の情報インフラからファーウェイなど中国の通信関連事業者五社を指名、名指しで排除したことを指しており、日本もそれに同調することを表明したものである。
 次の星印。日米両国はまた、両国の安全及び繁栄に不可欠な重要技術を育成、保護しつつ、半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携するとの箇所。
 今回の法案では、①重要物資の安定的な供給の確保に関する制度、サプライチェーンの強靱化の項目につながる。米国は二〇二一年六月に米技術革新・競争法を成立させ、重要物資の脱中国を前面に出したサプライチェーンの強靱化策を開始したが、日本もこれに歩調を合わせ連携することを表明したものである。この合意と連動して、日本政府は台湾企業、TSMCの半導体工場の熊本誘致の検討も開始した。
 情報技術面でも日米連携を宣言し、より緊密な防衛協力の基礎的な要素である両国間のサイバーセキュリティー及び情報保全強化並びに両国の技術的優位を守ることの重要性も強調した。
 今回の法案では、③先端的な重要技術の開発支援に関する制度と、④特許出願の非公開に関する制度の双方につながる。米国は、中国への機微技術の流出を防ぐための法律を制定する一方で、二〇二一年六月、米技術革新・競争法で重要技術開発への官民一体となった援助を行うこととした。③、④は、米国のこうした法律と歩調を合わせ、日米が重要とする分野、特に情報技術の研究開発を援助、推進する。情報技術はこれからの経済発展の趨勢を決めるものだが、新しい技術やサイバー戦にとっても枢要である。
 しかも、実はその多くの分野で中国は技術面で先行、凌駕しており、これは図三、図四、図五と書いてありますが、最後の、八ページに、例えば三です。
 日米中の特許出願件数順位ということで、その下にあるようなこういう先端十分野についてどこの国の一位が何個あるかということを日経新聞が出したものですが、二〇一七年では中国がここの十分野中九分野で一位です。遡って二〇〇三年は実は日本が十分野中六分野で一位を占めていたんですが、二〇一三年以降はゼロになり、米国は二〇〇四年に六分野で一位だったのが、二〇一七年には一分野のみとなっています。
 その次の四図の量子暗号、量子通信。まあ量子コンピューターというのもありますけど、軍事的には量子暗号、量子通信の方が重要なんですが、そこでも中国の物すごい急速なスピードがお分かりと思います。それで、その次の五図でも、AIでやっぱり中国が物すごい勢いで日米を追い上げていると。
 御承知のように、中国はもう既に日本のGDPの三倍に、十年ちょっと、十数年でなったわけですね。そういう量的な拡大のみならず、技術的にも異例の速度で成長していると。やっぱり米国は、自らの経済的、軍事的覇権のためにやっぱりここで中国をたたくという方針に出たわけであります。
 元のレジュメに戻りまして、三図、四図、五図参照の後ですが、米国は徹底した中国企業排除、分離と同時に、新技術開発に乗り出した。軍事面でも、これからの戦争は言わば情報技術戦となり、衛星網からの情報によって宇宙でも地上でも、衛星コンステレーション、地上でも自走するミサイル合戦というような新しい技術による未来戦争となる。どんな戦争になるか、そこで勝利できるかは今後の技術開発に懸かっているのだ。
 共同声明は、軍事的な安全保障政策でも新段階に入ったこと、すなわち日米が共同で中国に反対することも表明した。米国は、日米安全保障条約第五条が尖閣に適用されることを再確認し、核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日本の防衛を宣言したと。また、東シナ海、南シナ海での中国による既存の国際秩序と合致しない行動を日米共同で反対するとともに、台湾問題にも踏み込んだということです。日米首脳の共同文書に台湾が記されるのは一九六九年以来で、五十二年ぶり、三ページに、ぶりです。
 米国は、中国が台湾に軍事侵攻する台湾有事を想定し、それに向けた日米の共同軍事訓練まで開始する。有事の際には、米軍は、第一列島線、これはまた表の一図を参考していただければいいんですが、に沿う日本の沖縄、南西諸島、日本の南西諸島が、沖縄、小笠原、いや、小笠原じゃない、沖縄、奄美、宮古、そうした南西諸島、二百の南西諸島がこの第一列島線に連なっているんですが、その日本も、第一列島線に沿う日本の沖縄等の南西諸島に地上移動式ミサイルを無数に配備し、中国に向けて撃ち込むと。これは、先ほどちょっと申しましたトランプ政権時代のインド太平洋における米国の戦略を詳しく論じた米国の戦略的枠組みという文書で論じられているんですが、もう米中戦争、台湾をめぐる米中戦争の勃発を想定し、そこから、日本の南西諸島からミサイルを中国に撃ち込むと。それぞれ五百から七百人以上のミサイル部隊をこの日本の自衛隊もそこに配備しているということです。
 台湾有事の際には、日本の国土の島々から日米が共同して対中国ミサイル戦を展開する。日米だけでなく、英、米、仏、独の艦隊、軍隊も台湾有事を想定した共同軍事演習に参加するようになっており、日本近海や南西諸島で頻繁に行われるようになった。この図、二図は十、十一月だけに限っています。その前後については、いっぱいやっているんですけど、ここに私の論文があります。そこを御参考ください。
 (5)、経済安保の根底にはこのような米国の世界戦略の大転換がある。それは、軍事、経済、情報戦を一体化して、中国との対峙と脱中国を図るものである。ただし、日本の法案では、米国のように中国への技術流出を防止するとか中国由来の物資を排除するといった文言がないため、極めて分かりにくいものになっている。
 Ⅱ、先行する米国の経済安保、数年前から本格始動。これはちょっと飛ばしながら行きます。
 二〇一八年八月にトランプ政権で経済安保の本格始動しまして、国防権限法八百八十九条、外国投資リスク審査近代化法、輸出管理改革法の三法が成立と。米国はこれらの法律によって、米国経済から中国企業と中国由来の重要物資、そして中国資本による対米投資と対中国重要物資の輸出を排除する法整備、規制を本格化。
 ①から③の法律は国防権限法で成立しまして、国防権限法では、政府の、まず最初に政府と取引することを禁じたわけです。中国五社、ファーウェイとかZTE、ハイクビジョンというようなその五社を指定しまして、一九年八月に第一弾の規制を開始し、政府調達においてこれら五社の利用を禁止すると。政府調達ではもう納入させないということです。そして、翌八月に第二弾の規制。五社とその関連企業の製品を使う企業が米政府と取引することも、それを使う企業がアメリカ政府とも取引してはならないということです。米政府と取引ある企業は三十九万社に上るとされ、それら全てが中国の五社の排除に乗り出さねばならないと。中国製機器を使うと企業や国家の機密が抜き取られるというのが、まあ本当、うそ、別にして、彼らが言っている理由です。
 ②外国投資リスク審査近代化法は、外国企業による対米投資を厳しく審査すると。たとえ支配権は握れない少額投資であっても、重要技術、個人データにアクセスできる投資やインフラに関わる投資も、軍事施設に近い不動産も、次、四ページ行きます、取得も審査の対象になる。これも中国企業の対米投資を主なターゲットとすると。
 ③輸出管理改革法は、輸出管理の対象を新興技術、基盤技術までに拡大する。その対象として、米商務省は、AI、バイオテクノロジー、測位技術、マイクロプロセッサー、先進コンピューティング、データ技術、量子コンピューティングというふうな先進技術ですね、それを例示します。この分野は②の投資規制にも対象にされるということです。従来のようにテロ支援国家への武器や軍事転用の可能性のあるものということでなく、幅広い先端技術の分野の製品を対象にしたということです。
 (2)、二〇二一年六月、バイデン政権下で④米技術革新・競争法が上院を通過。補助金による先端技術の開発、育成を支援。同時に、中国からの重要物資の輸入をやめ、国内生産増を図ると。総額日本円で二十七兆円も充てて開発や生産増に当たるということです。
 (3)、米国政府は、日本の企業、政府に対して上記の法律に同調することを、もうやった途端に公式、非公式に要求してきています。
 例えば、国防権限法第二弾の開始の数日前の八月六日にクラック国務次官はテレビ会議で、日本企業六社、NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天、富士通を呼び出して、中国五社の製品の利用を排除しろというふうに命令します。同時に、日本政府に対して、ファーウェイやZTEを使わないというコミットメントを出すように説得してほしいと言うんですね。ちょうどそのクラックが電話で呼び出したその前日にポンペオ国務長官が、クリーンネットワーク、つまりネットワークから中国企業を排除する、これを全米に呼びかけたばかりだった。で、翌日には日本企業に働きかけた。
 例二、米技術革新・競争法が上院を通過した六月八日、バイデン大統領はサプライチェーン見直し等に関する報告書を公表。そこでは、脱中国のために、国内生産強化だけでなく他国と協力すること、特に半導体では日本や韓国と最近の成功を生かすと明記していると。最近の成功とは、韓国に対しては、米国内でサムスン電子の新工場新設を表明させたこと、日本に対しては、菅・バイデン首脳会談で半導体を含む製品供給網の強化で合意し、日本はTSMCの工場の熊本誘致も開始したこと、これを指しています。これはもうアメリカの議会で得々と成果だというふうに言っているわけです。だから、それはもうアメリカの戦略がもちろん元々そうだと。
 例三、米国の中国企業排除策は、施行直後から日本企業でも部分的に適用されたと。国防権限法も日本企業八百社が対象になると。それから、NTTデータは、そのためにもう、米政府と取引がある子会社があるため世界中で他社製品に変更したと。
 Ⅲです。あと何分。
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徳茂雅之#8
○委員長(徳茂雅之君) 坂本参考人に申し上げます。
 そろそろ発言の方、おまとめいただけますでしょうか。
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坂本雅子#9
○参考人(坂本雅子君) はい。
 それで、Ⅲは、日本の経済安全保障推進法は米国の上記の法律に呼応、連動したものということで、それぞれ①、②、③、どのように連動しているかを書いております。
 六ページに入りまして、Ⅳのあるべき日本の経済安保政策とはと。
 日本企業にとっては、中国排除を根本的に据えた、しかもそれを明言していない経済安保は分かりにくいだけではなく、過大な負担を強いるものだろう。日本の経済と企業にとっては、中国の持つ重みは米国の経済、企業とは大きく異なっている。脱中国や中国排除は、将来の日本経済と企業に大きな負担、足かせとなる危険性がある。
 経済界の危惧。経団連の十倉雅和会長は本年一月の会見で、経済安保の必要性は理解しつつも、中国との経済関係は維持したい、世界は中国はなしにはやっていけないと述べ、片野坂副会長は二月に同法に対する意見を提出し、企業が内外を問わず自由に活動できる環境が重要だと訴え、二〇二〇年十月に既に中西宏明前会長が、米国と中国の間で、さあどっちにすると踏み絵を踏まされても困ると記者会見で語っています。
 (2)、日本経済にとって中国に重み。例えば、輸出にしても最大の輸出先は中国。輸出総額の四分の一を占める。米国のように輸出における中国の比重が一〇%を割る国とは事情が違う。対中輸出では機械類が大きな比重を占めていると。
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徳茂雅之#10
○委員長(徳茂雅之君) 坂本参考人に申し上げます。
 時間が経過しておりますので、おまとめください。
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坂本雅子#11
○参考人(坂本雅子君) はい、分かりました。
 それでは、(3)、七ページ、六ページの最後。日本の進路は、米国と中国双方との対等の経済関係を維持しつつ、軍事面でも台湾有事のような他国の問題に日本が米国と一体で軍事介入し対中ミサイル攻撃を行うようなことをするのではなく、自主性と中立、平和を守ることを前提にするべきである。
 経済安保も、あくまでも日本経済の空洞化を克服し、重要品の国内生産を取り戻しつつ、かつてのように日本独自で官民一体となった先進技術開発に乗り出すことを中心に据えたものにすべきである。
 世界ではこれから大きな激動と分断が始まることが予想されるが、どこか一国を排除して対立したり過度に追随することを避けることこそ日本が今何としても堅持するべき道と考える。
 以上です。遅くなりました。
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徳茂雅之#12
○委員長(徳茂雅之君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古賀友一郎#13
○古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎と申します。三名の参考人の方々、貴重なお話ありがとうございました。
 各参考人の方々のお考えは事前に資料もいただいて拝読いたしましたので、それを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。
 今回のこの経済安保法案というのは特定の国を想定したものではないというのがこれは政府の立場なんですけれども、白石参考人も、それから坂本参考人も、基本的に中国を想定したというところは共通していらっしゃるかのように私も受け止めました。米中対立の中で我が国はその最前線に位置しているというのも恐らくこれは共通認識ではないかと、こういうふうに思うわけであります。
 ただ、そこから先の我が国の対応となりますといろいろと分かれてくるということだろうと思いますが、まず白石参考人にお伺いしたいんですけれども、これ坂本参考人の資料の中にありましたけれども、この中国と我が国がどういうふうに向き合っていくかということについて、我が国の輸出入共に最大の貿易相手国が中国であるということはもうこれは事実であるということを踏まえた上で、どういうふうに中国との関係をつくっていくか、対応していくか、そういう観点から白石参考人はどういうふうにお考えであるか。できれば、当面のこの短期的な対応、あるいはそれから先の中長期的な、将来的な対応に分けて御教示いただければ幸いですけれども、そのお考えをまずはお伺いしたいと思います。
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白石隆#14
○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。
 まず最初に、少し念のために申し上げておきますと、米中対立が激化したのは、決してアメリカ政府がトランプ政権下で対中政策を変更したんでは私はないと考えております。トウ小平の時代から中国は常に韜光養晦というふうに言っておりますけれども、これは要するに能力を隠してできる限り何もしないということから、特に二〇〇八年の国際金融危機以降、だんだんと自己主張を強めてきたと。それに対する言わば最終的な政策転換が二〇一八年のアメリカの新しい安全保障戦略であったと。ですから、そこのところであたかもアメリカの方に米中対立激化の責任があるというのは私は誤りだと考えております。
 その上で、日本政府の対応ですが、私は、長期的には、安全保障については一切妥協することなく、私は自助と共助というふうに言っておりますけれども、自助を充実する、つまり、日本の防衛力、さらにはその基盤にございます技術、産業力等を強化すると同時に、日米同盟をもっと強固なものにしていくというのがこれが安全保障で、同時に、経済におきましては相互に利益のあるところでは中国ともお付き合いしていくという、これが基本的な私は考え方だろうと思います。
 ただ、現在のように、非常に中国、特に習近平政権が、今年後半、恐らく十一月だと思いますけれども、の党大会を目指して非常に国粋主義的になっているときには、それは経済的な面でも特に経済制裁のようなもののリスクは私は高まっていると考えておりますんで、そういうことがあったときには、日本としてはもっとしっかりと断固としてそれに対応するというのが基本だろうと考えます。
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古賀友一郎#15
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 あわせて、坂本参考人にもお伺いしたいんですけれども、坂本参考人は、今の我が国と中国の経済関係を踏まえて、中国を排除すれば我が国の経済が破壊的ダメージを受けるんだと、こういうことで米国寄りのスタンスを改めるべきと、こういうふうな主張だと思うんですけれども、中国が世界経済の覇権を目指して取り組んでいる、このことに対して坂本参考人はどういうふうに評価をしておられるのか、この点をちょっとお伺いしたいと思います。ヤジ
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徳茂雅之#16
○委員長(徳茂雅之君) 挙手の上、発言願います。
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坂本雅子#17
○参考人(坂本雅子君) 中国が世界経済の覇権を目指しているかどうかは分かりませんけれども、例えば、一帯一路という中国が各国にインフラ援助をして中国の友好関係を強めつつ経済圏を拡大していくというようなことでは、今はもう参加国は百三十九か国ぐらいになっていると思います。だから、一帯一路を排除する日米の方が、排除する勢力の方がむしろ少数派になっているということですね。それを中国の覇権であり、と言うべきかどうか、それは分かりません。そうしたらアメリカもやっぱり覇権なのかという。それは、もし中国が覇権を目指し、アメリカも覇権目指したとする、だから米中はいずれ対立するんだろうとは思います。
 ただ、そこに日本が無批判に無条件に乗っかっていいんだろうか。日米同盟があるから、中国ともアメリカが対立したら日本も対立するという短絡的な、それを私は追随ではないかと思うんですけれども、もっと、今こそ、こういう激動の時代こそ、日本は自主的に外交、そして安保、そして経済政策をやっていかないと物すごく大変なことになる。それこそ、中国が突然日本にミサイル撃ち込むことはないでしょうけれども、南西諸島、日本の領土から中国にミサイル撃ち込んだら、中国は当然日本に雨あられとミサイルを撃ち込みます。だから、ある意味、日本がウクライナ化する危険性だってあるわけですね。台湾問題という他国のことで何で日本がウクライナに、アジア太平洋のウクライナにならなきゃいけないのかと。
 だから、日本、今こそ私は、経済面でも安全保障面でも、今までの追随も、アメリカに従っていれば全て安泰だと、どっちに付かなきゃいけないんだったら、米国か中国かどっちかに付かなきゃいけないんだったら、米国の方がそりゃ安全でしょうというだけのあれで思考を放棄してしまう、そういう政策はやっぱり物すごい危険、今後の世界情勢の中で物すごい危険性をはらんでいると私は思います。
 だから、中国がいいとか悪いとかそれは別にして、中国とも日本なりの政策、経済政策で対応する、米国とももちろん協力できるところはやりますけれども、一定のラインを引かなきゃいけないところはやっぱりきちんとラインを引くということが大事だと私は思っております。
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古賀友一郎#18
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 では、続いて、原参考人にお伺いをいたします。
 経済安保の推進には、当然のことながら、我が国の民間企業の協力が不可欠というわけでありますけれども、おとといも我が党の青山議員がこの中国資本による中小企業の買収問題を取り上げておられましたし、それ以外にも、例えば外国による技術者の引き抜きの問題であるとか、あるいはこの日本企業が持つ技術を軍事転用、悪用されると、こういった問題などなど、非常に幅広い難しい場面に各企業は直面するということがあろうかと思いますが、そういったときでもしっかりと適切な企業行動を取ってもらう必要があるというわけでありまして、この問題というのは、経済合理性とこの企業倫理といいますか、法律への対応といいますか、大変シビアな場面になると思うんです。
 ともすれば、そういうことで総論賛成各論反対にもなりがちな部分をはらんでいると思うんですけれども、経済界のお立場から、民間企業がきちんとそういった行動を取ってもらうためには国はどういう施策を講じなければいけないのか、その点についてお考えをお聞かせください。
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原一郎#19
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
 今の御質問に関しましては、多分個々に、事例ごとに議論していかないといけないんだろうと思っておりますけれども、それ、その時間もございませんし、また私にそこまでの知見ございませんので、総論的にお答えするとしますと、多分、今先生御指摘のとおり、非常に各論において厳しい状況に置かれる、既に置かれておりますし、それに適切に対応するべく各企業も努力しておりますし、そのための情報提供などに経団連として努めているところでございますけれども、多分一個一個の事例においてきちっと折り合いを付けていくことが、どれが正しくてどれが正しくないか、あるいはどれをやるべきでやるべきでないかという折り合いを付けていくことが非常に重要だと思っておりまして、それの積み重ねが日本全体の経済安全保障にもつながっていくんだろうと思います。
 それに当たっては、政府に期待することは、できれば、何をやってよくて何をやってはいけないのかという、いわゆるレッドラインですね、これをできるだけ明確に示していただくことが、企業がコンプライアンスを高め、結果的に経済安全保障に貢献することにもなろうかというふうに考えております。
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古賀友一郎#20
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 デッドラインですね、大変難しい問題だと思います。
 それに関連して、もう一回白石参考人にお伺いしたいんですけれども、白石参考人が御指摘された、この先端新興技術についてはこのエンドユースとエンドユーザーが分からないと、私もこれ大変シビアな問題だと思うんです。今、原参考人がおっしゃった、このデッドラインを見極めていくという上でもこの問題って非常に私は難しい問題だと思うんですが、この経済安保と経済的自由、これをどうバランスを取っていくか、このエンドユース、エンドユーザーの問題に絡めて我が国がどういうふうにその整理をして対応していくべきなのか、白石参考人のお考えをお聞かせいただければと思います。
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白石隆#21
○参考人(白石隆君) これは非常に難しい問題だというふうに考えますが、基本的に、安全と自由というのは、これはトレードオフの関係にございますんで、どちらかを最初から優先するというのは適当な選択の仕方ではないというふうに考えております。
 ちょっと、ウクライナではなくて、まずコロナについての各国の対応を考えてみますと、実は、日本というのは自由で安全で豊かな社会というのを私はずっと戦後追求してきたと考えておりますが、このバランスをどう取るかということの試行錯誤が、これまでの二年半、二年以上にわたる日本政府の政策だったろうというふうに考えております。ですから、まず最初は安全を非常に強調しましたけれども、次第次第にやはり豊かさが大事だということを考え、今では自由というものの価値をもう一度私は認識しているんではないかと。
 だけれども、これは、例えばアメリカでは違います。アメリカでは、安全というのはこれは自己責任だという考え方が少なくともアメリカの国民の半分近くの人たちには共有されておりまして、自由と豊かさが強調されて、安全については国民の間でかなり大きな対立があると。中国の場合には、自由はほとんど私は重視されていないと。むしろ安全、しかも支配エリートの安全、次いで豊かさで、自由は無視される、これが中国の言わば現在の国柄だろうというふうに考えております。
 ですから、私は、やはりこの安全と自由のバランスを考える場合には、我々がこういう三つの基本的な価値の間の言わばバランスをどう取るのか、どう取ると国民的に一番納得されるのか、これをやはり考える、私はそれは政治の責任だというふうに考えております。
 なお、最後にウクライナについてでございますが、いろいろありますけれども、私はやはり、半導体だとかセンサーをロシアに輸出しないというのは、これは極めて適切な政策だと考えております。そもそも、私がこれは仄聞するところですと、ロシアの武器というのは、日本、ましてやアメリカから見ますと一世代遅れているというふうによく言われますけれども、それはやはり半導体だとかセンサーのところの違いだろうというのが私の理解でございます。
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古賀友一郎#22
○古賀友一郎君 時間が来たので終わります。
 参考人の方々、ありがとうございました。
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石川大我#23
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。どうぞ本日はよろしくお願いをいたします。
 大変な貴重なお話を三名の参考人の皆様にお聞かせいただきまして、心より感謝を申し上げます。
 本法案、経済安全保障推進法案に関しましては、本委員会にて、ちょうど一週間前の四月十四日に小林担当大臣に質問する機会を私いただきました。五十分の質疑だったんですけれども、とにかく分かりづらいということで、様々具体的な話も交えながらお話をさせていただいたんですが、今日はまたさらに、三名の参考人の皆様にお話をいただければというふうに思っております。
 まず、白石参考人にお伺いしたいんですが、いただきましたレジュメの最初の部分ですね、経済安全保障の目的ということで、経済的手段によって国家と国民の安全を守る、そして国民経済に極めて重要な機微情報・技術、そして産業を守るというようなお話がありました。
 こういった目的を達成するためには、先ほどから信頼というお話が出ておりますけれども、やっぱり信頼に足りる日本国政府というものが必要なんじゃないかなというふうに考えております。
 つまり、今回の法案で、多くの企業秘密を含む情報を政府が把握することになります。様々な計画を立てて、それを政府として、お互いやり取りをしながら、こうした方がいいんじゃないか、ああした方がいいんじゃないかというようなこともあるわけでして、そのためにはやはり日本政府がそもそも信頼されなければならないんじゃないかというふうに思うわけですが、その信頼をどう得ていくか、あるいは担保していくかということについてのお話をひとつ聞かせていただきたいのと、そんなことを考えておりましたら、三枚目のところで信頼を鍵とする国際連携の重要性というようなお話も出てきまして、そのとおりだというふうにも思うわけですけれども、この信頼という言葉は非常に難しいと思うんですね。
 つまり、私はこの人を信頼するといっても、ほかの人はその人を信頼していなかったりすることもあるわけで、その信頼というものを、何を根拠に信頼ということを判断していくのか、そういった基準についてもお聞かせいただければというふうに思います。
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白石隆#24
○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。
 なかなか難しい質問だったと思いますが、まず最初に、企業活動あるいは研究における自由を大原則にして、その中で日本の国と国民の安全を守るために安全保障上の非常に意味合いの大きいものについて政府として把握しておくというのは、これは政府として当然やるべきことではないかというふうに私は考えております。
 ただ、それを直接どこか日本の、私は日本にはイギリス、ましてやアメリカのような情報機関はないと残念ながら思っておりますけれども、そういうものをつくれば済むという話ではなくて、いろんなところに実は日本の例えば研究あるいは企業活動についての情報というのはもう既にございます。そういうものをうまく使いながら、安全保障上の意味合いの非常に大きいもの、あるいは将来の日本の安全と繁栄にとって非常に重要な研究開発あるいは企業についての情報を集めておくというのは、これは十分できるんではないかと。だから、一元的ですけれども、同時に日本の非常に分散的なシステムというのを前提にしてこういう政府としての情報の把握を図ることというのは、私はできると考えております。
 二つ目に、信頼の基盤というのは何かと。
 私は、国際秩序の基本にはやはり幾つかの非常に重要な価値があると思います。私は、自由というのは非常に重要な価値だと考えておりまして、これがなければ、私は、いかに民主主義だといっても、そんな民主主義というのは全く意味がないというふうに考えております。また、先ほど申しましたように、安全というのも非常に重要な価値ですが、それは、我々の場合には、日本の場合には国と国民の安全ということでございます。それから、最後に豊かさ、これも我々は第二次大戦以降ずっと享受してきたわけですけれども、これも、世界的に見て豊かさの価値というのは共有されておりますけれども、それをどういう政治経済システムの下で実現するのかということについては、特に自由と安全というのをどう考えるかによって相当違いはあるというふうに考えております。
 ちょっと、これ非常に抽象的な話なんで、お答えになっているかどうか分かりませんが、改めて申しますと、信頼の基盤には幾つか非常に重要な価値があるということは間違いないんではないかと思います。
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石川大我#25
○石川大我君 ありがとうございます。
 私個人の話をしますと、人権問題に関するNPO出身だったりするものですから、そういう意味では、この自由、安全、豊かさというところにやはりしっかり普遍的な人権が守られているのかと、制度がですね、そういったことの視点もあるんじゃないかなと思うんですが、その辺りいかがでしょうか。ヤジ
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徳茂雅之#26
○委員長(徳茂雅之君) 挙手の上、発言願います。
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白石隆#27
○参考人(白石隆君) ごめんなさい。
 人権というのは、ある意味では、こういう自由とかあるいは安全だとか豊かさが奪われたときに発生することが人権侵害というのは多いわけでございまして、私は、人権というのは、国連憲章にもありますし、日本国民が共有しておりますように、そもそも人としての権利だというふうに考えておりますけれども、これは、やはりある幾つかの共通の価値の上に立てられた国際秩序があって初めてこれに取り組み始めることができると。決して今実現されているとは申しませんけれども、そういう国際秩序の存在がなければ、そもそも人権については語ることすらできないんではないだろうかと考えます。
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石川大我#28
○石川大我君 ありがとうございました。
 続きまして、原参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
 新聞記事を基に少しお話をしたいというふうに思っているんですが、今年の二月十七日の毎日新聞が、「経済安保「対策」は天下り?」という新聞記事です。「大手企業に経産幹部OB続々」というような記事が出まして、経済産業省の幹部OBが三菱電機、富士通、デンソー、NEC、パナソニックといった大企業に天下りをしていた実態があったということで、この件、四月六日の衆議院の内閣委員会の方でも質問がされているんですが、その際、小林大臣は、政省令の策定に当たっては、パブリックコメントの実施など、客観性、公平性の担保に配慮しており、癒着につながるような判断が行われることはないと考えるというような答弁をしていたりとか、政省令の策定に当たって客観性、公平性の担保に配慮するのは当然です。政省令の策定に当たって客観性とか公平性の担保に配慮するというふうにおっしゃっているわけですが、もうこれは当然だというふうに思います。
 そして一方、実際にこうした事案が発生しておりまして、先ほど御紹介しました五つの大手企業なんですけれども、本法案を担当する担当部署、まあ準備室のようなセクションができていて、経産省のOBがトップを務められているというような実態もあるようなんですね。
 それで、大臣、続けて衆議院の委員会では、それぞれの企業でやられていることなので、私の方からコメントすることは控えたいというようなお話も出ているんですけれども、やっぱり、実際にやっぱりこういった状況が生まれていて、それは分かりづらさというところからもあるんだと思うんですけれども、こうした省庁の官僚、省庁の人間や官僚のノウハウとか人脈が求められている状況の中で、原参考人にお伺いしたいんですが、企業としてこういった動きの中でやっぱり経済的な負担だったりとか不安といったものがあると思うんですが、その辺り、どのようにお考えになっているのかというところと、実際にこうした動きがかなり、まあこの五社だけじゃなくて広がっているのかという実態も含めて、もしお分かりになっていることがあればお聞かせいただきたいと思います。
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徳茂雅之#29
○委員長(徳茂雅之君) 挙手の上、発言願います。
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