内閣委員会
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会
会議録情報#0
令和五年四月十三日(木曜日)
午前十時三分開会
─────────────
委員の異動
四月十一日
辞任 補欠選任
天畠 大輔君 大島九州男君
四月十二日
辞任 補欠選任
柴 愼一君 杉尾 秀哉君
四月十三日
辞任 補欠選任
磯崎 仁彦君 神谷 政幸君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 古賀友一郎君
理 事
上月 良祐君
森屋 宏君
山田 太郎君
小沼 巧君
塩田 博昭君
委 員
有村 治子君
磯崎 仁彦君
衛藤 晟一君
神谷 政幸君
自見はなこ君
広瀬めぐみ君
三宅 伸吾君
山谷えり子君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
水野 素子君
三浦 信祐君
柴田 巧君
高木かおり君
上田 清司君
井上 哲士君
大島九州男君
国務大臣
国務大臣 後藤 茂之君
副大臣
文部科学副大臣 簗 和生君
厚生労働副大臣 伊佐 進一君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 鈴木 英敬君
財務大臣政務官 宮本 周司君
厚生労働大臣政
務官 本田 顕子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 菊池 善信君
内閣官房内閣審
議官 岩松 潤君
内閣官房内閣審
議官 小池 信之君
内閣官房内閣審
議官 田中 仁志君
内閣官房新型コ
ロナウイルス等
感染症対策推進
室次長 柳樂 晃洋君
内閣府大臣官房
審議官 吉岡 秀弥君
消防庁審議官 鈴木 建一君
文部科学省大臣
官房審議官 安彦 広斉君
厚生労働省大臣
官房危機管理・
医務技術総括審
議官 浅沼 一成君
厚生労働省大臣
官房医薬産業振
興・医療情報審
議官 城 克文君
厚生労働省大臣
官房生活衛生・
食品安全審議官 佐々木昌弘君
厚生労働省大臣
官房審議官 大坪 寛子君
厚生労働省大臣
官房審議官 鳥井 陽一君
厚生労働省大臣
官房審議官 山本 史君
厚生労働省大臣
官房審議官 青山 桂子君
厚生労働省大臣
官房審議官 宮本 悦子君
農林水産省大臣
官房審議官 伏見 啓二君
経済産業省商務
情報政策局商務
・サービス政策
統括調整官 田中 一成君
参考人
国立感染症研究
所感染症危機管
理研究センター
長 齋藤 智也君
学校法人昭和大
学医学部内科学
講座臨床感染症
学部門客員教授 二木 芳人君
21世紀・老人福
祉の向上をめざ
す施設連絡会事
務局長 井上ひろみ君
─────────────
本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣
法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
─────────────
この発言だけを見る →午前十時三分開会
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委員の異動
四月十一日
辞任 補欠選任
天畠 大輔君 大島九州男君
四月十二日
辞任 補欠選任
柴 愼一君 杉尾 秀哉君
四月十三日
辞任 補欠選任
磯崎 仁彦君 神谷 政幸君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 古賀友一郎君
理 事
上月 良祐君
森屋 宏君
山田 太郎君
小沼 巧君
塩田 博昭君
委 員
有村 治子君
磯崎 仁彦君
衛藤 晟一君
神谷 政幸君
自見はなこ君
広瀬めぐみ君
三宅 伸吾君
山谷えり子君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
水野 素子君
三浦 信祐君
柴田 巧君
高木かおり君
上田 清司君
井上 哲士君
大島九州男君
国務大臣
国務大臣 後藤 茂之君
副大臣
文部科学副大臣 簗 和生君
厚生労働副大臣 伊佐 進一君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 鈴木 英敬君
財務大臣政務官 宮本 周司君
厚生労働大臣政
務官 本田 顕子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 菊池 善信君
内閣官房内閣審
議官 岩松 潤君
内閣官房内閣審
議官 小池 信之君
内閣官房内閣審
議官 田中 仁志君
内閣官房新型コ
ロナウイルス等
感染症対策推進
室次長 柳樂 晃洋君
内閣府大臣官房
審議官 吉岡 秀弥君
消防庁審議官 鈴木 建一君
文部科学省大臣
官房審議官 安彦 広斉君
厚生労働省大臣
官房危機管理・
医務技術総括審
議官 浅沼 一成君
厚生労働省大臣
官房医薬産業振
興・医療情報審
議官 城 克文君
厚生労働省大臣
官房生活衛生・
食品安全審議官 佐々木昌弘君
厚生労働省大臣
官房審議官 大坪 寛子君
厚生労働省大臣
官房審議官 鳥井 陽一君
厚生労働省大臣
官房審議官 山本 史君
厚生労働省大臣
官房審議官 青山 桂子君
厚生労働省大臣
官房審議官 宮本 悦子君
農林水産省大臣
官房審議官 伏見 啓二君
経済産業省商務
情報政策局商務
・サービス政策
統括調整官 田中 一成君
参考人
国立感染症研究
所感染症危機管
理研究センター
長 齋藤 智也君
学校法人昭和大
学医学部内科学
講座臨床感染症
学部門客員教授 二木 芳人君
21世紀・老人福
祉の向上をめざ
す施設連絡会事
務局長 井上ひろみ君
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本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣
法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
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古
古賀友一郎#1
○委員長(古賀友一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、天畠大輔君及び柴愼一君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君及び杉尾秀哉君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、天畠大輔君及び柴愼一君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君及び杉尾秀哉君が選任されました。
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古
古賀友一郎#2
○委員長(古賀友一郎君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会からの連合審査会開会の申入れがあった場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会からの連合審査会開会の申入れがあった場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
古
古賀友一郎#3
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
古
古
古賀友一郎#5
○委員長(古賀友一郎君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
古
古
古賀友一郎#7
○委員長(古賀友一郎君) 新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、国立感染症研究所感染症危機管理研究センター長齋藤智也さん、学校法人昭和大学医学部内科学講座臨床感染症学部門客員教授二木芳人さん及び21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会事務局長井上ひろみさんでございます。
この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、大変お忙しいところ当委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、本法案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、齋藤参考人、二木参考人、井上参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただきまして、その都度委員長の指名を受けた上で御発言するということになっておりますので、御承知おき願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず齋藤参考人からお願いいたします。齋藤参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、国立感染症研究所感染症危機管理研究センター長齋藤智也さん、学校法人昭和大学医学部内科学講座臨床感染症学部門客員教授二木芳人さん及び21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会事務局長井上ひろみさんでございます。
この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、大変お忙しいところ当委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、本法案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、齋藤参考人、二木参考人、井上参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただきまして、その都度委員長の指名を受けた上で御発言するということになっておりますので、御承知おき願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず齋藤参考人からお願いいたします。齋藤参考人。
齋
齋藤智也#8
○参考人(齋藤智也君) この度は、このような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
私、国立感染症研究所、通称感染研と呼ばれておりますが、ここに二〇二〇年四月に新たに設立されました感染症危機管理研究センター、こちらのセンター長を務めております齋藤智也と申します。
私は、感染研に二〇二一年一月に着任しておりますが、それまでは国立保健医療科学院という機関におりまして、新興感染症対策、特にパンデミック対策ほか健康危機管理、いわゆる感染症に限らず様々な原因による健康危機に対処する概念でございますけれども、そのような分野を専門として取り組んでまいりました。その以前には、行政で三年ほど危機管理あるいは感染症対策というものに取り組んでいたこともございます。現在は、所属先の名前のとおり、健康危機管理の中でも感染症分野の危機管理に取り組んでおります。
この度、内閣感染症危機管理統括庁の設置に係る法案審議ということですけれども、まさにこの感染症分野の危機管理体制の向上に向けて我が国の重要なターニングポイントになるものと考えております。
危機管理のフェーズ、これを大きく三つに分けると、いわゆる発災、災害や感染症が起きるその前の予防のフェーズ、予防をする、未然に防ぐ、あるいはそれを事前に早く察知する、あるいは素早く起きたことを検知する、その発災前のフェーズ、そして、発災してから終息するまで、その対応に当たってできるだけ被害の軽減を目指していくフェーズ、そして、終息後に、次に備えて対応の振り返りを行ったり、演習や訓練を行ったり、計画を立て直したり、あるいは物品などの備蓄を行ったりという事前準備、英語でプリペアドネスと呼んでいるフェーズがあります。この三つのフェーズ、予防、対応、事前準備、このサイクルの中でやはり一番目立ってくるのは対応をしているフェーズです。
新型コロナ対応は、まさにこの対応の部分を三年以上もやることになってしまうほどの大事件だったわけですけれども、もっと長い目で見ますと、実はこの危機管理のサイクルの中で対応をしているフェーズというのは実は非常に僅かな時間で、実際には事前準備という活動に費やしている時間がほとんどであります。
しかしながら、この長い長い事前準備の時間というのは非常に苦しい時間でもあります。残念ながら人は、喉元過ぎれば熱さを忘れるという言葉のとおりで、あっという間に危機でさんざん苦労したことを忘れてしまいます。事前準備、プリペアドネスの活動のために人もお金も費やす時間もあっという間に減っていってしまうというのが現実でございます。いかに次の危機に備えるためのモチベーション、すなわち、人、物、金を維持できるか、これをどれだけできるかというのが次のパンデミックの対応につながっていきます。
特措法は、計画策定や訓練の実施、備蓄の構築等を行うことを定める法律であり、この事前準備のモチベーションを維持する重要な役割をこれまでも果たしてきたと考えております。さらに、そこに、総理、内閣官房長官直下に統括庁という形で明確な国のリーダーシップが定まることで、長い年月にわたる事前準備、プリペアドネスの継続的な推進力となることをまずは期待したいと考えております。
続いて、この事前準備、プリペアドネスの具体的な在り方についてお話しさせていただきたいと思います。
これまで、この新型コロナの度々の波を経験する中で、感染症法、特措法等の法改正が行われてきました。当初は、すぐこの目の前に迫りつつある次の波をいかに乗り越えるかということで、その対応面での強化の議論が進んでいたかと思います。そして、徐々に次のパンデミックを見込んだ事前準備、プリペアドネスの強化に議論が移ってきたところではないかと思います。
この新型コロナの反省を踏まえて、これまで決められていなかったけれども、実際にやることになったことをしっかりと法的に次にはきちんとできるように位置付けていく、あるいはこれまでできなかったことをできるようにする、継続的な準備や計画的な準備を行う体制をつくる、あるいは病床など、ある一定数を緊急時に確保できるような体制をつくる、こういった取組が進められてきているところかと思います。
こういった何かを準備するためには、常に何かしらの想定というものが必要になってきます。多くの場合、これまでの新型コロナでの経験を基に、その準備の目標数や対応というのが定められつつあるところです。これだけ社会に未曽有のインパクトを起こしてきた事態というのを経験してきたわけですから、再度このような事態が起きても対応できるように備える、これは自然な流れでもありますし、一つの妥当な考え方であります。直近の事例というのは、誰にも非常に分かりやすいシナリオでもあると思います。
一方で、このような備えを行うときに気を付けておいていただきたいということは、いろいろなところで同じことを申し上げているんですが、危機管理は過去のシナリオ、いわゆる過去問にとらわれてはいけないということでございます。次の危機はまたコロナのようなことが起こるのか。きっとそうではない。全く同じことというのは決して起こらないんです。常に、次に起こり得ること、あるいはこれから起こり得ることは何だろうかというのを問いかけながら前に進んでいくことが大切だと考えております。
人は、なかなかこれまで経験してきたことがないシナリオを考え付かないし、受け入れられないものです。実際、この新型コロナの発生以前もそうでした。新型コロナのようなシナリオはとても考え付かなかったし、考え付いたとしても、それを受け入れられなかったんではないかというふうに思います。事前準備というものには、想像力を存分に働かせて、将来起こり得るリスクのランドスケープ、全体像というのをしっかり考えていくことが大切であると思います。
一方で、実際に何か備えるとなったときに、このリソースですね、人、物、金というものが無限にあるわけではやはりありませんので、何かしら目標値というのを定めていくことが必要です。例えば、備蓄量であるとか病床の確保数であるとか新しい組織の人数とか、その準備のレベルは、まあまずは新型コロナの経験を一つの目安として決めようと、これは結構なことなんですけれども、そうしているうちに、ついついまた新型コロナが来たときのためにという考えに陥っていってしまいがちです。我々は、来る次の新型コロナに備えているわけではなくて、あくまで新型コロナを一つの目安として我々のパンデミックの備えの土台をつくっていこうとしているのだということを改めて考えておかなければなりません。
そうして、その先に危機が実際発生したときに、恐らく想像していたとおりのこととは違うことが起きてしまうだろうというふうに思います。そのときに、これまで備えてきたツール、土台というのをどのように使っていくかを柔軟に考えるトレーニングをしておくということが非常に重要です。過去はあくまで備えのための一つの参考であって、常に前向きに、応用問題を解くためのトレーニングをしていくというのが事前準備では重要であります。
今回、新型コロナを一つの目安として土台をつくっていく、これがきちんとできれば非常に大きなパンデミック対策の土台となりますし、この土台の大きさというのがいざというときの選択肢を増やしてくれると思います。このような基盤となる能力を徐々に高めつつ、いざ新しいことが起きたときにそれをどのように応用していくかというところに思いを至らせるような未来志向の危機管理、これを統括庁はリードしていただきたいと、そう思っております。
さて、この統括庁の設置、いわゆる司令塔機能の強化という点について、全く賛成ではございますが、この先、いかにこの司令塔を司令塔たらしめるかと。今回、法案で大枠はできたとしても、それが司令塔として実際に役割を果たすためには、言わば魂を吹き込む作業というのが重要になってくると考えております。
この統括庁のオペレーションをどのように回していくのか。特にパンデミックになり得る事態の発生といった有事を想定してということになりますが、まずは拡張可能なメカニズムというのを有していることが大事です。危機のときには応援職員が多数入って体制を大幅に拡張するというわけですが、そのようなときに、急に顔を合わせた人たちがすぐに協調して対応できるメカニズムというのを準備しておく必要があります。これは、災害対応で培われた考え方というのが参考になるだろうと思います。
加えて、内部のスタッフや幹部も含めて、この危機管理オペレーションの基本的な考え方を理解している必要があります。基本的な考え方について、幹部を含めて全て研修や訓練を受けて、緊急事態のオペレーションのメカニズムに習熟している必要があります。また、危機発生時に増員されたり併任されて危機管理組織に組み込まれる方も全て基本的なトレーニングを受けている必要があります。
それから、そのようなオペレーションをする場所というのも重要です。司令塔には感染症発生に関する様々な情報、知見が入ってきます。そして、各省庁の対応、こういったものも全て共有、統合して迅速な意思決定を行っていく。これを効率的に進めていくためには、共同作業がしやすい物理的な場所の整備というのも非常に重要です。各省庁からの人に限らず、外部からの応援が入っても共同作業が可能な環境整備が重要です。我々も感染研で、エマージェンシー・オペレーションズ・センター、略してEOCと呼ばれる場所を一番大きな、感染研の中にあった一番大きな会議室を改装して整備いたしました。人材を有効活用し、最大限の機能を発揮するためにも、重要な物理的な施設設備というのも御検討いただきたいところであります。
一方で、今回の新たな統括庁の司令塔機能というものは一体どのようなものなのか、何をどこまでするところなのかというところを関係機関が、連携する関係機関がきちんと理解していることというのも重要だと考えます。これらを実現するために演習、訓練というものが重要になってまいります。
演習、訓練というのはよく混同されて使われておりますが、詳しく申し上げれば、演習というのは、例えば、計画や手順というのを作っていく過程で、実際に試してみて検証していくプロセスをいいます。一方、訓練というのは、作った計画や手順に習熟することを主な目的とします。
まずは、訓練を行う前に演習を繰り返しつつ、例えば、対応手順、計画の案を作って、演習で試して、その結果をフィードバックして手順や計画をブラッシュアップしていくことが重要になります。その過程で、関係機関などとの合同演習なども繰り返していく中で、統括庁の司令塔機能とは何なのか、何をしてくれるところなのかというのが周りの関係機関に実感されてくることで、役割分担なども理解され、実際のオペレーションが回り出すようになっていくのではないかと思っております。できれば、統括庁には訓練、演習の専門部署もあるとよいのではないかと思っております。
さて、この国における統括庁の司令塔機能とリーダーシップは非常に重要なんですけれども、そこで決められることが余りに事細か過ぎてもいけないと考えております。感染症、特にパンデミックは、確かに各都道府県や地域が大方針に基づいて協調して対応することが非常に重要です。
一方で、流行状況やその地域的背景、例えば医療提供であったり人口構成、これがそれぞれ異なる中で、地域の状況に合った適切な判断というのが求められるところがあります。それには、各地域で情報収集し、分析し、対策を判断する能力というのが必要です。統括庁で全てを事細かに意思決定するという形を取っていくと、そのような地域での分析や判断能力は徐々に失われ、迅速な判断や対応ができなくなっていきます。また、そのようなことができる専門人材も育たなくなってしまいます。結果として、地域の感染症危機管理機能は低下してしまいます。
そのようなことがないよう、国は大方針を明確に示し、進捗管理をしつつ、地方は、その中でそれぞれの地域で状況を見極めて、考えて判断していける体制をつくっておくことが本当に強い国全体の感染症危機管理体制につながっていくのではないかと考えております。
最後に、今後の感染症危機管理の人材育成について一言申し上げたいと思います。
感染症危機管理という分野の専門家をどのように育てていくかですが、非常にこれ新しい分野だと思っています。そして、領域横断的な専門性を有します。単に研修等を提供して関連する知識を得る機会を増やせばよいという単純な話ではありません。職能として確立し、様々なところにその職能を生かすポジションがあり、ステップアップしていけるキャリアパスが社会に形成されるところまで行かなければ人材育成とは言えないのではないかと考えています。
元々、感染症分野というのはそんなにたくさん人材がいたわけではありません。感染症危機管理というのは様々な科学的知見の上に成り立つゆえ、まずはベースとなる学問分野である微生物学、臨床微生物学、感染症疫学、実地疫学、数理疫学、感染症臨床、感染管理、臨床研究、そして公衆衛生、こういったそれぞれの既存の専門分野の人材層を厚くするところからまずは始めなければいけないところです。その上で、危機管理という考え方を学んだ人を増やしていくことが必要です。特に、感染症対策は行政が関与するところが大きいので、行政事務を知る機会を設け、法の運用であるとか行政という感染症統治機構を運用する能力を知ることが重要な要素であると考えます。行政の考え方を知る専門家が増えることで、対策に直結する科学的助言の精度も高まっていくものと考えます。
こういった領域横断的な知識を有する専門家が国レベルでも県レベルでも地域レベルでも育ってきて、地域のステークホルダーとなる行政専門機関、医療機関、アカデミア、これらを横断的につないでいける人材となっていくことが感染症危機管理の強化につながっていくものと考えています。それが職能として、専門性として確立し、キャリアパスとして育っていくことが望ましいと考えています。
この過程の中では、これまでの人材育成体系とは異なった様々な分野、立場をクロスオーバーして経験する人材が生まれてきます。これまで専門人材はその専門性を論文の数などで評価されてきたわけですが、専門性に実務の要素を加えた、これまでの評価軸とは異なる人材の評価体系、評価軸というのが必要になっていくと考えております。
以上、最後に、感染症危機管理の人材育成について、このようなステップを提案させていただきました。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →私、国立感染症研究所、通称感染研と呼ばれておりますが、ここに二〇二〇年四月に新たに設立されました感染症危機管理研究センター、こちらのセンター長を務めております齋藤智也と申します。
私は、感染研に二〇二一年一月に着任しておりますが、それまでは国立保健医療科学院という機関におりまして、新興感染症対策、特にパンデミック対策ほか健康危機管理、いわゆる感染症に限らず様々な原因による健康危機に対処する概念でございますけれども、そのような分野を専門として取り組んでまいりました。その以前には、行政で三年ほど危機管理あるいは感染症対策というものに取り組んでいたこともございます。現在は、所属先の名前のとおり、健康危機管理の中でも感染症分野の危機管理に取り組んでおります。
この度、内閣感染症危機管理統括庁の設置に係る法案審議ということですけれども、まさにこの感染症分野の危機管理体制の向上に向けて我が国の重要なターニングポイントになるものと考えております。
危機管理のフェーズ、これを大きく三つに分けると、いわゆる発災、災害や感染症が起きるその前の予防のフェーズ、予防をする、未然に防ぐ、あるいはそれを事前に早く察知する、あるいは素早く起きたことを検知する、その発災前のフェーズ、そして、発災してから終息するまで、その対応に当たってできるだけ被害の軽減を目指していくフェーズ、そして、終息後に、次に備えて対応の振り返りを行ったり、演習や訓練を行ったり、計画を立て直したり、あるいは物品などの備蓄を行ったりという事前準備、英語でプリペアドネスと呼んでいるフェーズがあります。この三つのフェーズ、予防、対応、事前準備、このサイクルの中でやはり一番目立ってくるのは対応をしているフェーズです。
新型コロナ対応は、まさにこの対応の部分を三年以上もやることになってしまうほどの大事件だったわけですけれども、もっと長い目で見ますと、実はこの危機管理のサイクルの中で対応をしているフェーズというのは実は非常に僅かな時間で、実際には事前準備という活動に費やしている時間がほとんどであります。
しかしながら、この長い長い事前準備の時間というのは非常に苦しい時間でもあります。残念ながら人は、喉元過ぎれば熱さを忘れるという言葉のとおりで、あっという間に危機でさんざん苦労したことを忘れてしまいます。事前準備、プリペアドネスの活動のために人もお金も費やす時間もあっという間に減っていってしまうというのが現実でございます。いかに次の危機に備えるためのモチベーション、すなわち、人、物、金を維持できるか、これをどれだけできるかというのが次のパンデミックの対応につながっていきます。
特措法は、計画策定や訓練の実施、備蓄の構築等を行うことを定める法律であり、この事前準備のモチベーションを維持する重要な役割をこれまでも果たしてきたと考えております。さらに、そこに、総理、内閣官房長官直下に統括庁という形で明確な国のリーダーシップが定まることで、長い年月にわたる事前準備、プリペアドネスの継続的な推進力となることをまずは期待したいと考えております。
続いて、この事前準備、プリペアドネスの具体的な在り方についてお話しさせていただきたいと思います。
これまで、この新型コロナの度々の波を経験する中で、感染症法、特措法等の法改正が行われてきました。当初は、すぐこの目の前に迫りつつある次の波をいかに乗り越えるかということで、その対応面での強化の議論が進んでいたかと思います。そして、徐々に次のパンデミックを見込んだ事前準備、プリペアドネスの強化に議論が移ってきたところではないかと思います。
この新型コロナの反省を踏まえて、これまで決められていなかったけれども、実際にやることになったことをしっかりと法的に次にはきちんとできるように位置付けていく、あるいはこれまでできなかったことをできるようにする、継続的な準備や計画的な準備を行う体制をつくる、あるいは病床など、ある一定数を緊急時に確保できるような体制をつくる、こういった取組が進められてきているところかと思います。
こういった何かを準備するためには、常に何かしらの想定というものが必要になってきます。多くの場合、これまでの新型コロナでの経験を基に、その準備の目標数や対応というのが定められつつあるところです。これだけ社会に未曽有のインパクトを起こしてきた事態というのを経験してきたわけですから、再度このような事態が起きても対応できるように備える、これは自然な流れでもありますし、一つの妥当な考え方であります。直近の事例というのは、誰にも非常に分かりやすいシナリオでもあると思います。
一方で、このような備えを行うときに気を付けておいていただきたいということは、いろいろなところで同じことを申し上げているんですが、危機管理は過去のシナリオ、いわゆる過去問にとらわれてはいけないということでございます。次の危機はまたコロナのようなことが起こるのか。きっとそうではない。全く同じことというのは決して起こらないんです。常に、次に起こり得ること、あるいはこれから起こり得ることは何だろうかというのを問いかけながら前に進んでいくことが大切だと考えております。
人は、なかなかこれまで経験してきたことがないシナリオを考え付かないし、受け入れられないものです。実際、この新型コロナの発生以前もそうでした。新型コロナのようなシナリオはとても考え付かなかったし、考え付いたとしても、それを受け入れられなかったんではないかというふうに思います。事前準備というものには、想像力を存分に働かせて、将来起こり得るリスクのランドスケープ、全体像というのをしっかり考えていくことが大切であると思います。
一方で、実際に何か備えるとなったときに、このリソースですね、人、物、金というものが無限にあるわけではやはりありませんので、何かしら目標値というのを定めていくことが必要です。例えば、備蓄量であるとか病床の確保数であるとか新しい組織の人数とか、その準備のレベルは、まあまずは新型コロナの経験を一つの目安として決めようと、これは結構なことなんですけれども、そうしているうちに、ついついまた新型コロナが来たときのためにという考えに陥っていってしまいがちです。我々は、来る次の新型コロナに備えているわけではなくて、あくまで新型コロナを一つの目安として我々のパンデミックの備えの土台をつくっていこうとしているのだということを改めて考えておかなければなりません。
そうして、その先に危機が実際発生したときに、恐らく想像していたとおりのこととは違うことが起きてしまうだろうというふうに思います。そのときに、これまで備えてきたツール、土台というのをどのように使っていくかを柔軟に考えるトレーニングをしておくということが非常に重要です。過去はあくまで備えのための一つの参考であって、常に前向きに、応用問題を解くためのトレーニングをしていくというのが事前準備では重要であります。
今回、新型コロナを一つの目安として土台をつくっていく、これがきちんとできれば非常に大きなパンデミック対策の土台となりますし、この土台の大きさというのがいざというときの選択肢を増やしてくれると思います。このような基盤となる能力を徐々に高めつつ、いざ新しいことが起きたときにそれをどのように応用していくかというところに思いを至らせるような未来志向の危機管理、これを統括庁はリードしていただきたいと、そう思っております。
さて、この統括庁の設置、いわゆる司令塔機能の強化という点について、全く賛成ではございますが、この先、いかにこの司令塔を司令塔たらしめるかと。今回、法案で大枠はできたとしても、それが司令塔として実際に役割を果たすためには、言わば魂を吹き込む作業というのが重要になってくると考えております。
この統括庁のオペレーションをどのように回していくのか。特にパンデミックになり得る事態の発生といった有事を想定してということになりますが、まずは拡張可能なメカニズムというのを有していることが大事です。危機のときには応援職員が多数入って体制を大幅に拡張するというわけですが、そのようなときに、急に顔を合わせた人たちがすぐに協調して対応できるメカニズムというのを準備しておく必要があります。これは、災害対応で培われた考え方というのが参考になるだろうと思います。
加えて、内部のスタッフや幹部も含めて、この危機管理オペレーションの基本的な考え方を理解している必要があります。基本的な考え方について、幹部を含めて全て研修や訓練を受けて、緊急事態のオペレーションのメカニズムに習熟している必要があります。また、危機発生時に増員されたり併任されて危機管理組織に組み込まれる方も全て基本的なトレーニングを受けている必要があります。
それから、そのようなオペレーションをする場所というのも重要です。司令塔には感染症発生に関する様々な情報、知見が入ってきます。そして、各省庁の対応、こういったものも全て共有、統合して迅速な意思決定を行っていく。これを効率的に進めていくためには、共同作業がしやすい物理的な場所の整備というのも非常に重要です。各省庁からの人に限らず、外部からの応援が入っても共同作業が可能な環境整備が重要です。我々も感染研で、エマージェンシー・オペレーションズ・センター、略してEOCと呼ばれる場所を一番大きな、感染研の中にあった一番大きな会議室を改装して整備いたしました。人材を有効活用し、最大限の機能を発揮するためにも、重要な物理的な施設設備というのも御検討いただきたいところであります。
一方で、今回の新たな統括庁の司令塔機能というものは一体どのようなものなのか、何をどこまでするところなのかというところを関係機関が、連携する関係機関がきちんと理解していることというのも重要だと考えます。これらを実現するために演習、訓練というものが重要になってまいります。
演習、訓練というのはよく混同されて使われておりますが、詳しく申し上げれば、演習というのは、例えば、計画や手順というのを作っていく過程で、実際に試してみて検証していくプロセスをいいます。一方、訓練というのは、作った計画や手順に習熟することを主な目的とします。
まずは、訓練を行う前に演習を繰り返しつつ、例えば、対応手順、計画の案を作って、演習で試して、その結果をフィードバックして手順や計画をブラッシュアップしていくことが重要になります。その過程で、関係機関などとの合同演習なども繰り返していく中で、統括庁の司令塔機能とは何なのか、何をしてくれるところなのかというのが周りの関係機関に実感されてくることで、役割分担なども理解され、実際のオペレーションが回り出すようになっていくのではないかと思っております。できれば、統括庁には訓練、演習の専門部署もあるとよいのではないかと思っております。
さて、この国における統括庁の司令塔機能とリーダーシップは非常に重要なんですけれども、そこで決められることが余りに事細か過ぎてもいけないと考えております。感染症、特にパンデミックは、確かに各都道府県や地域が大方針に基づいて協調して対応することが非常に重要です。
一方で、流行状況やその地域的背景、例えば医療提供であったり人口構成、これがそれぞれ異なる中で、地域の状況に合った適切な判断というのが求められるところがあります。それには、各地域で情報収集し、分析し、対策を判断する能力というのが必要です。統括庁で全てを事細かに意思決定するという形を取っていくと、そのような地域での分析や判断能力は徐々に失われ、迅速な判断や対応ができなくなっていきます。また、そのようなことができる専門人材も育たなくなってしまいます。結果として、地域の感染症危機管理機能は低下してしまいます。
そのようなことがないよう、国は大方針を明確に示し、進捗管理をしつつ、地方は、その中でそれぞれの地域で状況を見極めて、考えて判断していける体制をつくっておくことが本当に強い国全体の感染症危機管理体制につながっていくのではないかと考えております。
最後に、今後の感染症危機管理の人材育成について一言申し上げたいと思います。
感染症危機管理という分野の専門家をどのように育てていくかですが、非常にこれ新しい分野だと思っています。そして、領域横断的な専門性を有します。単に研修等を提供して関連する知識を得る機会を増やせばよいという単純な話ではありません。職能として確立し、様々なところにその職能を生かすポジションがあり、ステップアップしていけるキャリアパスが社会に形成されるところまで行かなければ人材育成とは言えないのではないかと考えています。
元々、感染症分野というのはそんなにたくさん人材がいたわけではありません。感染症危機管理というのは様々な科学的知見の上に成り立つゆえ、まずはベースとなる学問分野である微生物学、臨床微生物学、感染症疫学、実地疫学、数理疫学、感染症臨床、感染管理、臨床研究、そして公衆衛生、こういったそれぞれの既存の専門分野の人材層を厚くするところからまずは始めなければいけないところです。その上で、危機管理という考え方を学んだ人を増やしていくことが必要です。特に、感染症対策は行政が関与するところが大きいので、行政事務を知る機会を設け、法の運用であるとか行政という感染症統治機構を運用する能力を知ることが重要な要素であると考えます。行政の考え方を知る専門家が増えることで、対策に直結する科学的助言の精度も高まっていくものと考えます。
こういった領域横断的な知識を有する専門家が国レベルでも県レベルでも地域レベルでも育ってきて、地域のステークホルダーとなる行政専門機関、医療機関、アカデミア、これらを横断的につないでいける人材となっていくことが感染症危機管理の強化につながっていくものと考えています。それが職能として、専門性として確立し、キャリアパスとして育っていくことが望ましいと考えています。
この過程の中では、これまでの人材育成体系とは異なった様々な分野、立場をクロスオーバーして経験する人材が生まれてきます。これまで専門人材はその専門性を論文の数などで評価されてきたわけですが、専門性に実務の要素を加えた、これまでの評価軸とは異なる人材の評価体系、評価軸というのが必要になっていくと考えております。
以上、最後に、感染症危機管理の人材育成について、このようなステップを提案させていただきました。
どうもありがとうございました。
古
二
二木芳人#10
○参考人(二木芳人君) 昭和大学医学部で客員教授を務めております二木芳人と申します。
本日は、このような場を与えていただき、誠にありがとうございます。
ただいま、齋藤参考人の方から非常にシステマティックなレクチャーをいただきまして、危機管理がどういうものであるかということを私も大変勉強させていただきました。
ただ、私は、立場として、二〇二〇年の三月に昭和大学医学部の内科学講座の特任教授を退職して、その後は客員教授として昭和大学にお世話になっております。ごく初期に、僅かな感染症パンデミックの始まりに患者さんを診させてはいただきましたけれども、基本的には現場の最前線でこの感染症パンデミックと闘ってきた立場にはありません。また、公的な組織や会議のメンバーとして参加することもありませんでしたので、ほかの参考人の方々とはかなり違った立場あるいは目線でこの感染症と三年半付き合ってまいりました。
特に、パンデミックの当初より、テレビ、新聞、雑誌などの各種メディアに頻繁に感染症専門家としてお招きをいただきまして、新型コロナウイルス感染症の現状ですとか今後の予測などを解説する機会というのがたくさんございました。
メディアに出演するいわゆる専門家の務めとしては、一般の視聴者や読者がいかに正確な情報を得るかということをお手伝いすることが大切であり、膨大な情報が日々集積されてくると、特にテレビ局などでは、毎朝、局に参りますと、膨大な情報が出てまいりまして、その中から今日はこれを取り上げたいというふうな提案があります。それに対しまして、その是非ですとか正確性というふうなものを評価した上で番組の中で解説をするというようなことをするわけでありまして、これは大変神経を使うもので、私の長い人生の中でこんなにたくさん日々論文を読んで勉強したことはないんじゃないかなと思うぐらい頑張って仕事をしてまいりました。おかげさまで、そのかいあって、間違った情報を発信することは余りなかったのではないかなというふうには自負しております。
そんな中で、私がこの新型コロナウイルス感染症対応で感じたこと、そして、この度は、新しい法案をお考えいただく上で是非反映していただきたいというふうなことを今日は三点ほどお話ししたいというふうに思います。
まず一点ですけれども、やはりこれは情報伝達と、それから政府方針の発信の在り方だというふうに思っております。
パンデミックの初期から感じたことは、ほかの参考人の方もよその委員会でお話をされておられましたようですけれども、二〇〇九年に我々は新型インフルエンザのパンデミックを経験いたしております。当時は、私も現場の最前線で指揮を執っておりましたのでいろいろと苦労したわけですけれども、その際に、二〇一〇年の六月にパンデミックが終了した後、対策総括会議の報告書というようなものが出されまして、その中で提言として示されていることの多くが今回のパンデミックが始まったときに課題のままで残っていたというふうに考えたことです。
この中には、感染症危機管理に関わる体制の強化、それから迅速、合理的な意思決定システムと、そして法整備なども冒頭でうたわれております。その必要性は三年半のパンデミック期間中に常に感じていたことで、今回、それらがようやく法案として議論され、整備されることは大変喜ばしいことですし、必要なことだろうというふうに思っております。
それに対する課題だということですけれども、このパンデミック初期は、このウイルスがどのようなものか皆目見当も付かない状況で、日々、主に中国から寄せられる情報はまさに恐怖をあおるようなものばかりで、実際に令和二年一月から始まった国内の第一波では感染者の死亡率も五%を超えると、医療現場も大混乱に陥る状況でした。まさに未知のウイルスとの出会いですし、仕方がなかったんじゃないかなとは思いますが、その後の第二、第三波までは、政府や自治体の対応もおぼつかず、最も困惑したのは、政府や行政からのメッセージが明確に国民に届かなかったことではないかというふうに思っております。
そして、大きな問題として、医療衛生物品ですとか、例えばマスクやガウン、消毒薬などが深刻な不足に陥りまして、検査件数も全く増えないというふうな状況が続いておりました。これもよく議論されましたけれども、政府からは明らかなメッセージがなく、コメントに窮した記憶が私自身がございます。まあ、ないならないで、そういう状況は仕方がないので、明確にその理由と今後の見通しを述べるべきだったんではないかなというふうに思っております。
第四波、第五波の折にも、政府のメッセージは余り明確に聞こえてまいりませんでした。特に東京オリンピック問題が絡んで、より政府の国民へのメッセージが不明瞭になりました。ようやくメッセージが届くようになったのは、ワクチン接種が開始される前後からではないでしょうか。菅総理が、毎日、ワクチンと飲み薬がゲームチェンジャーだというふうに連呼されていたのも記憶しています。
そして、この感染症との闘いを明確、闘い方を明確にお示しいただいたのが、現在の岸田総理が令和三年の十月に就任後の記者会見で方針を明らかにされた頃だと思います。それまでの対応の中から、この感染症に対する問題点あるいは行うべきことが明確になったのでメッセージも出しやすくなったものと感じています。決して岸田さんがそれ以前の総理に比べて優れているということではなくて、状況がそういうような形をつくったのだろうというふうに思っております。
しかしながら、その後のオミクロン株による第六波以降も、政府対策本部で決議された取組の全体像は国民に明確にされることがなく、第七波、第八波での対応が行われました。この間、水際対策や行動制限、営業自粛、マスクの着用などの規制緩和が次々と行われましたが、それぞれの担当大臣や官房長官からは方針の公表はあるものの、メッセージとしては弱く、また対象者が曖昧で、つまり若い人たちへのメッセージと高齢者や有病者などの感染弱者へのメッセージの区別が明確でなく、国民はこういうことなんだろうなと推し量ることが多かったように思います。私もそのような解説をいたしておりました。経済優先にかじを切った結果、感染者数と死者数が増加することは当然の結果だったと思います。その説明が欠落していたのではないでしょうか。やはりキーパーソンは恐らく今回は総理だったと思いますが、からの国民に向けての強い明確な包み隠しのないメッセージが必要だと考えました。
海外では、パンデミック当初に、米国のNIAIDの所長、現在は大統領首席医療顧問のアンソニー・ファウチ氏ですとか、それから台湾で感染初期に感染対策のデジタル化で名をはせたオードリー・タン氏と、それから国民に毎晩語りかけて有名になられたニュージーランドのアーダーン前首相など、カリスマ性があり、かつメッセージが明確で説得力のある、すなわちエビデンスのある、エビデンスの伴った説明をスポークスマンが我々の国には不在ではなかったかなというふうに思っております。
長々とお話ししてきましたけれども、つまるところ、新しい統括庁ができて、その運用が仮に順調に行われたとしても、その内容や政府方針をいかに国民に伝えるかは極めて重要で、明快なメッセージを専任のスポークスマンか、あるいは総理クラスのキーパーソンが常に国民に伝え続けることが重要なように思います。国民が、我が国の国民が他の国民に比して政府方針を理解し受け入れやすい気質を持っておればこそ、このような国民とのやり取りは重要なように思います。
特に、結論に至る経過が不明確で根拠が曖昧と思われるような場面が多かったように思います。本来、科学的な根拠に基づき政策が決定されることは理想的ですが、時にはそれをも超えた政治判断が必要な場面もあると思います。それを伝えられる範囲で明確に伝えてほしかったように思います。専門家組織との意見のそごの問題や、メディアやSNSでの誤った情報拡散や政府方針に対する批判なども、この点を徹底すればかなり抑制できるような気がします。この点を含めて、統括庁のリスクコミュニケーション、情報伝達の確実性を徹底していただければなというふうに思っております。
二番目の問題は、ワクチンと治療薬の研究開発と承認についてお話ししたいと思います。
今一つ感じていることですけれども、新型コロナウイルス感染症へのワクチンや治療薬の開発、もうこれは、欧米の製薬企業のワクチン戦略あるいは抗ウイルス開発、ウイルス薬の開発というものと比べてみると、歴史上非常に長いものに、長い経過の上に成り立っているということが分かります。
例えば、ファイザー社などは、随分以前、もう十数年以上前から、今後の感染症への対応は治療薬よりワクチンが中心だと公言しております。長い研究と開発の歴史の上に今回のメッセンジャーRNAワクチンの成功があるんです。
また、ワクチン開発、すなわち感染予防は、多くの欧米の国々が国家戦略として、国防の一つとして取り組んできているので、やはり長い歴史があります。
我が国は、ワクチン開発に関してはようやく最近になってその必要性が認識されるようになって活用が進み始めていますが、国内企業の実力は遠く海外には及ばないようです。したがって、次のパンデミックに向けて国産のワクチン開発を望むならば、相当の覚悟と投資が必要です。
抗ウイルス薬も同様で、我が国の多くの製薬企業の感染症領域にはもう見切りを付けて、がん領域や中枢神経領域などへその研究方針を向けています。その背景には、かつては感染症領域も我が国では多くの治療薬が開発されて世界に冠たるものであったわけですけれども、医療費抑制政策のあおりと、そういうようなものも受けて、昨今の我が国の製薬企業の業績は振るわず、その結果、研究開発に向ける予算も減少し、新薬開発力の低下も顕著であります。無論、研究開発には人材も必要ですが、そこも枯渇しつつある状況です。危機対応の統括庁の取組ではないかもしれませんが、平時にこの点を解決しておかなければ、危機対応もおぼつかないように思います。
そして、今回、特例承認や緊急承認、これは新しい仕組みができて、早速、経口治療薬が、我が国の経口治療薬が適用され、承認されたようですが、ここにも不安があります。特に特例承認で国内使用が認められた治療薬は、やはり有効性や安全性の検証は不十分です。承認や適用の見直しが頻繁に行われる必要があるのではないかと思っています。特に抗体薬などはウイルスが変異すればたちまち効果が損なわれます。
米国では、エマージェンシー・ユーズ・オーソライゼーション、EUAと、緊急承認で認められた薬剤が頻繁に承認取消しなどが行われています。EUでも、治療薬やワクチンの承認の見直しはしばしば行われており、我が国で現在使用中の治療薬の承認取消しなども昨今ありました。
我が国では、一度承認された薬剤が膨大な買い置きがなされたためということもあるのでしょうか、承認の見直しや有効性再評価がほとんどありません。特に経口薬は国民の安心に結び付くものと考えられている部分もあるようで、まあ最近薬価も付けられたようですが、現在の運用は経済的効果も含めて適正でしょうか。国民に広く使用するものです。緊急事態が過ぎれば、科学的な再評価が望まれると思っています。
このような部分は、むしろ新しくできる国立健康危機管理研究機構の業務かもしれませんが、やはり統括庁で平時から指導管理されるべき項目であるように思います。先ほど齋藤参考人の方から、やはりその準備期間の大切さというお話がありました。緊急事態が起こる前にいろいろと取り組まなければいけないテーマがあるように思っております。
最後に、医療提供体制の強化と運用について少しお話ししておきたいと思います。
もう一点、医療提供体制の強化ですが、今回のパンデミックで問題となった医療提供体制の様々な課題は、実は感染症法が変わって、その中で多くが解決の方向に向けられ整備が進んでいるように思います。ただ、特にこの領域で感ずることは、組織を変えて仕組みが変わっても、大切なのは運用をスムースに行うことですので、もう繰り返し、これも先ほど齋藤参考人の方からお話がありましたけれども、演習や実地トレーニングを行うことが重要だと考えています。
二〇〇九年の新型インフルエンザのパンデミックが起こった折には、実は今回と違って、事前に、そろそろ新型インフルエンザ、それも強毒性の鳥インフルエンザがヒト型となって襲来するのではと言われて、数年前から準備をしていたのです。いろいろ取り決めておりましたけれども、実際にパンデミックが起こると現場は混乱いたしました。ですので、そういう意味では、事前の準備と同時に、そういうようなものを徹底するトレーニング、演習が必要だというふうに思っております。
平時から準備をすることが非常に大事ということを最後にお話をさせていただきまして、危機対応もより確実にするために備えることを考えていただければというふうに思っております。
以上で私の話はおしまいであります。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、このような場を与えていただき、誠にありがとうございます。
ただいま、齋藤参考人の方から非常にシステマティックなレクチャーをいただきまして、危機管理がどういうものであるかということを私も大変勉強させていただきました。
ただ、私は、立場として、二〇二〇年の三月に昭和大学医学部の内科学講座の特任教授を退職して、その後は客員教授として昭和大学にお世話になっております。ごく初期に、僅かな感染症パンデミックの始まりに患者さんを診させてはいただきましたけれども、基本的には現場の最前線でこの感染症パンデミックと闘ってきた立場にはありません。また、公的な組織や会議のメンバーとして参加することもありませんでしたので、ほかの参考人の方々とはかなり違った立場あるいは目線でこの感染症と三年半付き合ってまいりました。
特に、パンデミックの当初より、テレビ、新聞、雑誌などの各種メディアに頻繁に感染症専門家としてお招きをいただきまして、新型コロナウイルス感染症の現状ですとか今後の予測などを解説する機会というのがたくさんございました。
メディアに出演するいわゆる専門家の務めとしては、一般の視聴者や読者がいかに正確な情報を得るかということをお手伝いすることが大切であり、膨大な情報が日々集積されてくると、特にテレビ局などでは、毎朝、局に参りますと、膨大な情報が出てまいりまして、その中から今日はこれを取り上げたいというふうな提案があります。それに対しまして、その是非ですとか正確性というふうなものを評価した上で番組の中で解説をするというようなことをするわけでありまして、これは大変神経を使うもので、私の長い人生の中でこんなにたくさん日々論文を読んで勉強したことはないんじゃないかなと思うぐらい頑張って仕事をしてまいりました。おかげさまで、そのかいあって、間違った情報を発信することは余りなかったのではないかなというふうには自負しております。
そんな中で、私がこの新型コロナウイルス感染症対応で感じたこと、そして、この度は、新しい法案をお考えいただく上で是非反映していただきたいというふうなことを今日は三点ほどお話ししたいというふうに思います。
まず一点ですけれども、やはりこれは情報伝達と、それから政府方針の発信の在り方だというふうに思っております。
パンデミックの初期から感じたことは、ほかの参考人の方もよその委員会でお話をされておられましたようですけれども、二〇〇九年に我々は新型インフルエンザのパンデミックを経験いたしております。当時は、私も現場の最前線で指揮を執っておりましたのでいろいろと苦労したわけですけれども、その際に、二〇一〇年の六月にパンデミックが終了した後、対策総括会議の報告書というようなものが出されまして、その中で提言として示されていることの多くが今回のパンデミックが始まったときに課題のままで残っていたというふうに考えたことです。
この中には、感染症危機管理に関わる体制の強化、それから迅速、合理的な意思決定システムと、そして法整備なども冒頭でうたわれております。その必要性は三年半のパンデミック期間中に常に感じていたことで、今回、それらがようやく法案として議論され、整備されることは大変喜ばしいことですし、必要なことだろうというふうに思っております。
それに対する課題だということですけれども、このパンデミック初期は、このウイルスがどのようなものか皆目見当も付かない状況で、日々、主に中国から寄せられる情報はまさに恐怖をあおるようなものばかりで、実際に令和二年一月から始まった国内の第一波では感染者の死亡率も五%を超えると、医療現場も大混乱に陥る状況でした。まさに未知のウイルスとの出会いですし、仕方がなかったんじゃないかなとは思いますが、その後の第二、第三波までは、政府や自治体の対応もおぼつかず、最も困惑したのは、政府や行政からのメッセージが明確に国民に届かなかったことではないかというふうに思っております。
そして、大きな問題として、医療衛生物品ですとか、例えばマスクやガウン、消毒薬などが深刻な不足に陥りまして、検査件数も全く増えないというふうな状況が続いておりました。これもよく議論されましたけれども、政府からは明らかなメッセージがなく、コメントに窮した記憶が私自身がございます。まあ、ないならないで、そういう状況は仕方がないので、明確にその理由と今後の見通しを述べるべきだったんではないかなというふうに思っております。
第四波、第五波の折にも、政府のメッセージは余り明確に聞こえてまいりませんでした。特に東京オリンピック問題が絡んで、より政府の国民へのメッセージが不明瞭になりました。ようやくメッセージが届くようになったのは、ワクチン接種が開始される前後からではないでしょうか。菅総理が、毎日、ワクチンと飲み薬がゲームチェンジャーだというふうに連呼されていたのも記憶しています。
そして、この感染症との闘いを明確、闘い方を明確にお示しいただいたのが、現在の岸田総理が令和三年の十月に就任後の記者会見で方針を明らかにされた頃だと思います。それまでの対応の中から、この感染症に対する問題点あるいは行うべきことが明確になったのでメッセージも出しやすくなったものと感じています。決して岸田さんがそれ以前の総理に比べて優れているということではなくて、状況がそういうような形をつくったのだろうというふうに思っております。
しかしながら、その後のオミクロン株による第六波以降も、政府対策本部で決議された取組の全体像は国民に明確にされることがなく、第七波、第八波での対応が行われました。この間、水際対策や行動制限、営業自粛、マスクの着用などの規制緩和が次々と行われましたが、それぞれの担当大臣や官房長官からは方針の公表はあるものの、メッセージとしては弱く、また対象者が曖昧で、つまり若い人たちへのメッセージと高齢者や有病者などの感染弱者へのメッセージの区別が明確でなく、国民はこういうことなんだろうなと推し量ることが多かったように思います。私もそのような解説をいたしておりました。経済優先にかじを切った結果、感染者数と死者数が増加することは当然の結果だったと思います。その説明が欠落していたのではないでしょうか。やはりキーパーソンは恐らく今回は総理だったと思いますが、からの国民に向けての強い明確な包み隠しのないメッセージが必要だと考えました。
海外では、パンデミック当初に、米国のNIAIDの所長、現在は大統領首席医療顧問のアンソニー・ファウチ氏ですとか、それから台湾で感染初期に感染対策のデジタル化で名をはせたオードリー・タン氏と、それから国民に毎晩語りかけて有名になられたニュージーランドのアーダーン前首相など、カリスマ性があり、かつメッセージが明確で説得力のある、すなわちエビデンスのある、エビデンスの伴った説明をスポークスマンが我々の国には不在ではなかったかなというふうに思っております。
長々とお話ししてきましたけれども、つまるところ、新しい統括庁ができて、その運用が仮に順調に行われたとしても、その内容や政府方針をいかに国民に伝えるかは極めて重要で、明快なメッセージを専任のスポークスマンか、あるいは総理クラスのキーパーソンが常に国民に伝え続けることが重要なように思います。国民が、我が国の国民が他の国民に比して政府方針を理解し受け入れやすい気質を持っておればこそ、このような国民とのやり取りは重要なように思います。
特に、結論に至る経過が不明確で根拠が曖昧と思われるような場面が多かったように思います。本来、科学的な根拠に基づき政策が決定されることは理想的ですが、時にはそれをも超えた政治判断が必要な場面もあると思います。それを伝えられる範囲で明確に伝えてほしかったように思います。専門家組織との意見のそごの問題や、メディアやSNSでの誤った情報拡散や政府方針に対する批判なども、この点を徹底すればかなり抑制できるような気がします。この点を含めて、統括庁のリスクコミュニケーション、情報伝達の確実性を徹底していただければなというふうに思っております。
二番目の問題は、ワクチンと治療薬の研究開発と承認についてお話ししたいと思います。
今一つ感じていることですけれども、新型コロナウイルス感染症へのワクチンや治療薬の開発、もうこれは、欧米の製薬企業のワクチン戦略あるいは抗ウイルス開発、ウイルス薬の開発というものと比べてみると、歴史上非常に長いものに、長い経過の上に成り立っているということが分かります。
例えば、ファイザー社などは、随分以前、もう十数年以上前から、今後の感染症への対応は治療薬よりワクチンが中心だと公言しております。長い研究と開発の歴史の上に今回のメッセンジャーRNAワクチンの成功があるんです。
また、ワクチン開発、すなわち感染予防は、多くの欧米の国々が国家戦略として、国防の一つとして取り組んできているので、やはり長い歴史があります。
我が国は、ワクチン開発に関してはようやく最近になってその必要性が認識されるようになって活用が進み始めていますが、国内企業の実力は遠く海外には及ばないようです。したがって、次のパンデミックに向けて国産のワクチン開発を望むならば、相当の覚悟と投資が必要です。
抗ウイルス薬も同様で、我が国の多くの製薬企業の感染症領域にはもう見切りを付けて、がん領域や中枢神経領域などへその研究方針を向けています。その背景には、かつては感染症領域も我が国では多くの治療薬が開発されて世界に冠たるものであったわけですけれども、医療費抑制政策のあおりと、そういうようなものも受けて、昨今の我が国の製薬企業の業績は振るわず、その結果、研究開発に向ける予算も減少し、新薬開発力の低下も顕著であります。無論、研究開発には人材も必要ですが、そこも枯渇しつつある状況です。危機対応の統括庁の取組ではないかもしれませんが、平時にこの点を解決しておかなければ、危機対応もおぼつかないように思います。
そして、今回、特例承認や緊急承認、これは新しい仕組みができて、早速、経口治療薬が、我が国の経口治療薬が適用され、承認されたようですが、ここにも不安があります。特に特例承認で国内使用が認められた治療薬は、やはり有効性や安全性の検証は不十分です。承認や適用の見直しが頻繁に行われる必要があるのではないかと思っています。特に抗体薬などはウイルスが変異すればたちまち効果が損なわれます。
米国では、エマージェンシー・ユーズ・オーソライゼーション、EUAと、緊急承認で認められた薬剤が頻繁に承認取消しなどが行われています。EUでも、治療薬やワクチンの承認の見直しはしばしば行われており、我が国で現在使用中の治療薬の承認取消しなども昨今ありました。
我が国では、一度承認された薬剤が膨大な買い置きがなされたためということもあるのでしょうか、承認の見直しや有効性再評価がほとんどありません。特に経口薬は国民の安心に結び付くものと考えられている部分もあるようで、まあ最近薬価も付けられたようですが、現在の運用は経済的効果も含めて適正でしょうか。国民に広く使用するものです。緊急事態が過ぎれば、科学的な再評価が望まれると思っています。
このような部分は、むしろ新しくできる国立健康危機管理研究機構の業務かもしれませんが、やはり統括庁で平時から指導管理されるべき項目であるように思います。先ほど齋藤参考人の方から、やはりその準備期間の大切さというお話がありました。緊急事態が起こる前にいろいろと取り組まなければいけないテーマがあるように思っております。
最後に、医療提供体制の強化と運用について少しお話ししておきたいと思います。
もう一点、医療提供体制の強化ですが、今回のパンデミックで問題となった医療提供体制の様々な課題は、実は感染症法が変わって、その中で多くが解決の方向に向けられ整備が進んでいるように思います。ただ、特にこの領域で感ずることは、組織を変えて仕組みが変わっても、大切なのは運用をスムースに行うことですので、もう繰り返し、これも先ほど齋藤参考人の方からお話がありましたけれども、演習や実地トレーニングを行うことが重要だと考えています。
二〇〇九年の新型インフルエンザのパンデミックが起こった折には、実は今回と違って、事前に、そろそろ新型インフルエンザ、それも強毒性の鳥インフルエンザがヒト型となって襲来するのではと言われて、数年前から準備をしていたのです。いろいろ取り決めておりましたけれども、実際にパンデミックが起こると現場は混乱いたしました。ですので、そういう意味では、事前の準備と同時に、そういうようなものを徹底するトレーニング、演習が必要だというふうに思っております。
平時から準備をすることが非常に大事ということを最後にお話をさせていただきまして、危機対応もより確実にするために備えることを考えていただければというふうに思っております。
以上で私の話はおしまいであります。どうもありがとうございました。
古
井
井上ひろみ#12
○参考人(井上ひろみ君) お願いいたします。
私は、21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会、略称21・老福連の事務局長をしております井上ひろみと申します。
本日は、このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。
当会は、老人福祉の向上を目指して活動している老人福祉施設関係者の全国連絡会です。私は、当会で昨年度二回実施いたしました全国アンケートの結果から、また、高齢者施設などを運営する社会福祉法人の理事長の立場から意見を述べさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
御承知のように、コロナ禍、特に第六波、第八波では高齢者施設のクラスターが急増いたしました。六波は三千二百件、七波は六千六百件、八波は八千九百件と増加しています。また、八波では高齢者の死亡者数が急増いたしました。
二月に変更されました基本的対処方針には、社会経済活動を維持しながら、高齢者等を守ることに重点を置いて感染拡大防止策を講じるとあります。私は、この対処方針の具体化を進めるとき、高齢者施設クラスターの多発と高齢死亡者の増加の要因を現場の実態に即して把握いただき、新たな指揮命令の仕組みや、組織によって感染拡大の状況に応じて迅速で的確な対応がなされることが非常に重要と考えております。
そのような点から、高齢者施設でのクラスター発生と施設内療養の実際についてお伝えしたいと思います。
初めに、高齢者施設について簡単に説明させていただきますが、高齢者施設は、経済的理由や疾病、障害で自宅生活が困難な方、身体介護や認知症など介護や見守りが必要な方の入所施設です。人権と尊厳を守って介護や生活支援を行い、食事は日常は一緒にする、行事や交流をするなど、入居者同士や地域との交流を大切にしている施設です。二百人定員の大規模な施設もあれば、九人で家庭的に生活するグループホームのような場所もあります。このような施設でクラスターが多発いたしました。
資料をお配りしておりますので、資料の二ページを御覧ください。
令和四年九月の新型コロナ感染対策分科会では、七波での高齢者クラスター多発の要因として、ゾーニング、換気、陽性者対応時の感染防護が不十分であるということ、そして利用者のマスク着用困難や職員の感染持込みが要因として挙げられています。したがって、施設への感染を持ち込ませない対策が重要であるということを指摘されながら、ただ、感染対策を徹底しても、それでもクラスターが生じる場合があるとも指摘しています。
東京都の老人福祉施設協議会が老人ホームなどを対象に実施いたしました七波の調査では、クラスターが発生しやすい理由として、感染対策が困難という入所者特性、一緒に食事をするなどの施設の特性のほか、感染した利用者が入院できずに施設にいるからとの回答が八六%を占めています。その結果としての施設内療養で職員の負担が過大となり、感染防止、拡大防止が不十分になりやすかったと九割の施設が回答しています。
資料の三ページを御覧ください。
七波に行った私どもの21・老福連の調査では、全国の特別養護老人ホーム、養護老人ホーム二千十施設の七五%が陽性入居者は全員入院を徹底するべきと回答しています。その理由は、病状悪化したときに対応ができない、施設ではコロナの適切な治療ができないが多数です。また、施設内療養すべきの回答は一七%ありますが、回答施設の半数以上が受入れ医療機関がないからとの理由を選択しており、やむを得ないとの受け止めであることも分かります。
次に、施設内療養の実際についてです。資料の四ページを御覧ください。
21・老福連の八波の調査では、回答施設の半数以上でクラスターが発生し、その九八%が施設内療養を実施しています。陽性者の九割以上が施設内療養となった施設が半数を超え、陽性者全員が施設療養したところは三割もございました。陽性となった入居者の八七・四%が施設内で療養し、一施設当たり平均十七名の陽性者に対し、介護職が感染防護をして身体介護や認知症の方へのケア、そして病状の観察を行ったことになります。
同じページの下の表に入院できなかった理由というのがありますが、入院できなかった理由の多くが病床の逼迫、国や自治体の入院基準を満たさなかったです。病床逼迫はもとより深刻ですが、高齢者は原則入院であるはずなのですが、それ以外の入院基準により入院できない事例も相当数あったということです。
京都府の保険医協会が行った七波以降に障害者施設も含めて行った調査では、陽性者の八〇%が施設内療養。東京都の先ほどの調査でも、八三%が施設内療養になったと報告されています。どの調査でも八〇%以上ですから、もはや原則施設内療養であったというのが現場の実態です。
続いて、クラスター発生や施設内療養の中で入院や適時適切な医療にアクセスできずに入居者が亡くなられている現状についてお話しします。資料の五ページを御覧ください。
七波のアンケートでは、二千施設のうち百三施設が施設内で亡くなった方がおられると回答しました。二回通院しても入院できず、ようやく決まった入院前日に急変して救急搬送したが、病院にも入れずそのまま亡くなった、保健所に入院しても助かる見込みはないと言われ、施設でみとったなどの回答がありました。
また、八波のアンケートでは、療養期間中に感染により施設や入院先で亡くなった方は陽性入居者の三・五%でした。アドバイザリーボードで示されています七波での八十歳以上の致死率は一・六九%、この二倍です。感染の影響で亡くなった方を含めると六・五%です。十五人に一人が亡くなっています。高齢者の命が見捨てられているように感じてならないとの記述もありました。
感染や感染の影響で亡くなられた方、御家族はどれほど無念だったことかと思います。施設職員は、施設で感染されたこと、適切な医療につなげられなかったことに責任を感じ、本当に苦悩しています。同時に、事実上原則となった施設内療養が施設入居者の死亡者を増やしているのではないかとの懸念もあります。
資料の六ページを御覧ください。
八波のアンケートでの入院率と死亡者数をグラフにしています。入院率五〇%以上の施設では施設内で亡くなった方はおられません。入院率が高ければ施設内で亡くなる人は少ないのではないかと思わせる結果です。けれど、少ないデータですので、もっと大きなデータで是非検証いただきたいと思っています。
ある高齢者施設の例ですが、施設クラスターの中で感染した基礎疾患のある七十五歳の方が抗ウイルス薬を服用しても病状が悪化し、保健所に入院相談をしました。けれど、入院調整を行うセンターが入院は不可と判断しているとの返答でした。理由は、その方が心肺停止時の蘇生処置を拒否していること、施設で点滴や酸素吸入、病院のような酸素吸入ではありませんが、酸素吸入、投薬ができることでした。入院ができないまま数日が経過し、血中酸素飽和度が急激に下がり、救急車を要請し、救急車が到着したものの、入院調整を行うセンターからは、病院でできる対応と施設でできることは変わらないので入院は不可と言われました。施設職員が、このままでは亡くなってしまうと食い下がりましたが、それでも病院ではそれは同じだとの回答でした。その後、救急隊員も酸素投与量を二倍以上に増やして、何とか改善の見込みがあるということを証明し、交渉の上、何とか入院ができました。この方は、治療の後に施設に再入所され、御自分で歩き、施設で毎日の日課である新聞を読むなど穏やかに生活しておられるそうです。施設職員は、この方の元気な姿を見るたびに、あのとき諦めていたらと胸が苦しくなると話しています。
この事例から分かるのは、さきのアンケートで、このままみとってくださいと医療機関で診察が受けられずに亡くなった方の中には、入院加療をすれば、又は重症化する前に適時適切な医療が受けられれば回復された方があるかもしれないということです。高齢であっても施設入居者であっても、新型コロナの治療を受ける権利を奪うことは決してあってはならないことだと思っています。
高齢者施設クラスターを起こさないためには、感染の施設への持込みを防ぐこと、五類移行後も感染対策や集中的検査が非常に重要であることは間違いありません。現場の私たちも、引き続き対策を継続していきたいと思います。同時に、医療にアクセスできずに施設入居者が亡くなる事態を起こさないためには、陽性者の原則入院を徹底して施設内療養をなくしていくこと、万一クラスターが発生しても最小限に抑えられるようにすること、重症化防止のための治療と、そして重症化した場合に確実に入院加療できるようにすることが今最も必要なことです。
資料の七ページを御覧ください。
今後も、地域で感染が拡大すれば施設への持込みや感染拡大リスクは高まります。三月十日に出された感染症法上の位置付け変更に伴う医療体制及び公費支援の見直しでは、地域包括ケア病棟などでの陽性者の入院受入れの促進も出されましたが、本当に受入れが進むのかと非常に不安です。また、入院が必要な人が確実に入院できるようにするためには、施設と医療機関の連携強化に任せてしまうだけではなくて、保健所や都道府県による入院調整がやはり必要です。
五類移行に当たっては、私たちの連絡会だけではなく、全国の老人福祉施設の協議会は施設入所者の陽性者は必ず入院と求めていますし、老人保健施設の協会も、施設医師が重症化リスクが高いと判断すれば重症度にかかわらず原則入院を求めています。入院が必要な高齢者が必ず入院できるよう、そういったことを日本の隅々で行えるように切にお願いいたします。
最後に、高齢者施設や介護現場で今後感染が拡大しても高齢者に必要なサービス提供を続けるために必要なことについてです。
八ページを御覧ください。
クラスター発生や感染により困ったことや苦労したことで最も多かったのは、職員の感染により勤務体制が組めなくなったことです。職員が次々に陽性となり二十四時間のシフトが組めない、疲れ果てて精神状態が保てない、虐待してしまいそうだと職員が訴えた、このほか、保健所からは駄目だと言われたが、職員の少ないグループホームでは、陽陽介護、陽性者が陽性者を介護するということをせざるを得なかったなどの回答であふれました。
私の法人の特別養護老人ホームでは、二十人から二十四人の要介護ほぼ三以上の入居者の方を夜間は一人で介護しています。介護保険の基準の一・五倍の職員配置でこの状態です。平時から極めて少ない人数で介護しているところ、感染発生によって職員が休業し、さらに感染防護をしての介護ですので、過酷を極めています。職員体制が組めなくなることで、感染していないフロアや感染していない入居者の介護にも大きく影響し、感染していない方の入浴も全てストップしたという回答も出されました。感染症蔓延時にも福祉・介護サービスを継続するには、平時から余裕のある職員配置基準への見直しや担い手不足への対策を是非ともお願いしたいと思います。
また、事業の休止による大幅な減収、掛かり増し経費や施設内療養補助の事務手続も苦労したということが挙がっていました。
資料九ページを御覧ください。
五類移行後も継続すべき対策、対応としては、入院受入れ医療機関の拡充のほかに、ワクチンの無料接種の継続、掛かり増し経費の継続が多数を占めました。ワクチン無料接種は令和五年度は継続されると伺っていますが、高齢者と同様に、施設従事者も、そして在宅サービスの従事者の接種も必ず進めていただきたいと思っています。
また、アンケートでは、九四%が掛かり増し経費かそれ以上の経営への補助が必要と回答しています。病床逼迫で入院ができないために施設内での療養となり、応援体制を取るため、また陽性者を分離するためにデイサービスやショートステイを休業しています。この場合、感染発生がしていないこと、事業を休止しているということでデイサービスやショートステイは掛かり増し費用や介護報酬の特例からは対象外となり、何も補償されません。
これは高齢ではないんですが、ある障害者施設では、こういった休業によって八千万円の損失となったなど、事業継続そのものが危ぶまれるという状態です。高齢者や障害者の日常生活に不可欠な福祉サービスを安定して提供するには、事業を継続するというための支援が必要です。是非御検討いただきたいと思います。
最後の資料です。
これまで主に七波、八波での高齢者施設の現状をお伝えいたしました。その上で、今回の新型インフルエンザ特措法等の改正については、これまでの新型コロナ対策を踏まえていただきたい、検証していただきたいというふうに思っています。高齢者施設の実態や入院加療できずに亡くなった施設・自宅療養者について調査し、改善する対策を是非ともお願いします。そして、高齢者の死亡者の増加は国民生活に甚大な影響を及ぼす事態だというふうに認識いただいて、高齢者を置き去りにしないことに重点を置いて、新たな組織や司令塔が迅速で的確な措置を講じていただきたいというふうに願っております。
以上で私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会、略称21・老福連の事務局長をしております井上ひろみと申します。
本日は、このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。
当会は、老人福祉の向上を目指して活動している老人福祉施設関係者の全国連絡会です。私は、当会で昨年度二回実施いたしました全国アンケートの結果から、また、高齢者施設などを運営する社会福祉法人の理事長の立場から意見を述べさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
御承知のように、コロナ禍、特に第六波、第八波では高齢者施設のクラスターが急増いたしました。六波は三千二百件、七波は六千六百件、八波は八千九百件と増加しています。また、八波では高齢者の死亡者数が急増いたしました。
二月に変更されました基本的対処方針には、社会経済活動を維持しながら、高齢者等を守ることに重点を置いて感染拡大防止策を講じるとあります。私は、この対処方針の具体化を進めるとき、高齢者施設クラスターの多発と高齢死亡者の増加の要因を現場の実態に即して把握いただき、新たな指揮命令の仕組みや、組織によって感染拡大の状況に応じて迅速で的確な対応がなされることが非常に重要と考えております。
そのような点から、高齢者施設でのクラスター発生と施設内療養の実際についてお伝えしたいと思います。
初めに、高齢者施設について簡単に説明させていただきますが、高齢者施設は、経済的理由や疾病、障害で自宅生活が困難な方、身体介護や認知症など介護や見守りが必要な方の入所施設です。人権と尊厳を守って介護や生活支援を行い、食事は日常は一緒にする、行事や交流をするなど、入居者同士や地域との交流を大切にしている施設です。二百人定員の大規模な施設もあれば、九人で家庭的に生活するグループホームのような場所もあります。このような施設でクラスターが多発いたしました。
資料をお配りしておりますので、資料の二ページを御覧ください。
令和四年九月の新型コロナ感染対策分科会では、七波での高齢者クラスター多発の要因として、ゾーニング、換気、陽性者対応時の感染防護が不十分であるということ、そして利用者のマスク着用困難や職員の感染持込みが要因として挙げられています。したがって、施設への感染を持ち込ませない対策が重要であるということを指摘されながら、ただ、感染対策を徹底しても、それでもクラスターが生じる場合があるとも指摘しています。
東京都の老人福祉施設協議会が老人ホームなどを対象に実施いたしました七波の調査では、クラスターが発生しやすい理由として、感染対策が困難という入所者特性、一緒に食事をするなどの施設の特性のほか、感染した利用者が入院できずに施設にいるからとの回答が八六%を占めています。その結果としての施設内療養で職員の負担が過大となり、感染防止、拡大防止が不十分になりやすかったと九割の施設が回答しています。
資料の三ページを御覧ください。
七波に行った私どもの21・老福連の調査では、全国の特別養護老人ホーム、養護老人ホーム二千十施設の七五%が陽性入居者は全員入院を徹底するべきと回答しています。その理由は、病状悪化したときに対応ができない、施設ではコロナの適切な治療ができないが多数です。また、施設内療養すべきの回答は一七%ありますが、回答施設の半数以上が受入れ医療機関がないからとの理由を選択しており、やむを得ないとの受け止めであることも分かります。
次に、施設内療養の実際についてです。資料の四ページを御覧ください。
21・老福連の八波の調査では、回答施設の半数以上でクラスターが発生し、その九八%が施設内療養を実施しています。陽性者の九割以上が施設内療養となった施設が半数を超え、陽性者全員が施設療養したところは三割もございました。陽性となった入居者の八七・四%が施設内で療養し、一施設当たり平均十七名の陽性者に対し、介護職が感染防護をして身体介護や認知症の方へのケア、そして病状の観察を行ったことになります。
同じページの下の表に入院できなかった理由というのがありますが、入院できなかった理由の多くが病床の逼迫、国や自治体の入院基準を満たさなかったです。病床逼迫はもとより深刻ですが、高齢者は原則入院であるはずなのですが、それ以外の入院基準により入院できない事例も相当数あったということです。
京都府の保険医協会が行った七波以降に障害者施設も含めて行った調査では、陽性者の八〇%が施設内療養。東京都の先ほどの調査でも、八三%が施設内療養になったと報告されています。どの調査でも八〇%以上ですから、もはや原則施設内療養であったというのが現場の実態です。
続いて、クラスター発生や施設内療養の中で入院や適時適切な医療にアクセスできずに入居者が亡くなられている現状についてお話しします。資料の五ページを御覧ください。
七波のアンケートでは、二千施設のうち百三施設が施設内で亡くなった方がおられると回答しました。二回通院しても入院できず、ようやく決まった入院前日に急変して救急搬送したが、病院にも入れずそのまま亡くなった、保健所に入院しても助かる見込みはないと言われ、施設でみとったなどの回答がありました。
また、八波のアンケートでは、療養期間中に感染により施設や入院先で亡くなった方は陽性入居者の三・五%でした。アドバイザリーボードで示されています七波での八十歳以上の致死率は一・六九%、この二倍です。感染の影響で亡くなった方を含めると六・五%です。十五人に一人が亡くなっています。高齢者の命が見捨てられているように感じてならないとの記述もありました。
感染や感染の影響で亡くなられた方、御家族はどれほど無念だったことかと思います。施設職員は、施設で感染されたこと、適切な医療につなげられなかったことに責任を感じ、本当に苦悩しています。同時に、事実上原則となった施設内療養が施設入居者の死亡者を増やしているのではないかとの懸念もあります。
資料の六ページを御覧ください。
八波のアンケートでの入院率と死亡者数をグラフにしています。入院率五〇%以上の施設では施設内で亡くなった方はおられません。入院率が高ければ施設内で亡くなる人は少ないのではないかと思わせる結果です。けれど、少ないデータですので、もっと大きなデータで是非検証いただきたいと思っています。
ある高齢者施設の例ですが、施設クラスターの中で感染した基礎疾患のある七十五歳の方が抗ウイルス薬を服用しても病状が悪化し、保健所に入院相談をしました。けれど、入院調整を行うセンターが入院は不可と判断しているとの返答でした。理由は、その方が心肺停止時の蘇生処置を拒否していること、施設で点滴や酸素吸入、病院のような酸素吸入ではありませんが、酸素吸入、投薬ができることでした。入院ができないまま数日が経過し、血中酸素飽和度が急激に下がり、救急車を要請し、救急車が到着したものの、入院調整を行うセンターからは、病院でできる対応と施設でできることは変わらないので入院は不可と言われました。施設職員が、このままでは亡くなってしまうと食い下がりましたが、それでも病院ではそれは同じだとの回答でした。その後、救急隊員も酸素投与量を二倍以上に増やして、何とか改善の見込みがあるということを証明し、交渉の上、何とか入院ができました。この方は、治療の後に施設に再入所され、御自分で歩き、施設で毎日の日課である新聞を読むなど穏やかに生活しておられるそうです。施設職員は、この方の元気な姿を見るたびに、あのとき諦めていたらと胸が苦しくなると話しています。
この事例から分かるのは、さきのアンケートで、このままみとってくださいと医療機関で診察が受けられずに亡くなった方の中には、入院加療をすれば、又は重症化する前に適時適切な医療が受けられれば回復された方があるかもしれないということです。高齢であっても施設入居者であっても、新型コロナの治療を受ける権利を奪うことは決してあってはならないことだと思っています。
高齢者施設クラスターを起こさないためには、感染の施設への持込みを防ぐこと、五類移行後も感染対策や集中的検査が非常に重要であることは間違いありません。現場の私たちも、引き続き対策を継続していきたいと思います。同時に、医療にアクセスできずに施設入居者が亡くなる事態を起こさないためには、陽性者の原則入院を徹底して施設内療養をなくしていくこと、万一クラスターが発生しても最小限に抑えられるようにすること、重症化防止のための治療と、そして重症化した場合に確実に入院加療できるようにすることが今最も必要なことです。
資料の七ページを御覧ください。
今後も、地域で感染が拡大すれば施設への持込みや感染拡大リスクは高まります。三月十日に出された感染症法上の位置付け変更に伴う医療体制及び公費支援の見直しでは、地域包括ケア病棟などでの陽性者の入院受入れの促進も出されましたが、本当に受入れが進むのかと非常に不安です。また、入院が必要な人が確実に入院できるようにするためには、施設と医療機関の連携強化に任せてしまうだけではなくて、保健所や都道府県による入院調整がやはり必要です。
五類移行に当たっては、私たちの連絡会だけではなく、全国の老人福祉施設の協議会は施設入所者の陽性者は必ず入院と求めていますし、老人保健施設の協会も、施設医師が重症化リスクが高いと判断すれば重症度にかかわらず原則入院を求めています。入院が必要な高齢者が必ず入院できるよう、そういったことを日本の隅々で行えるように切にお願いいたします。
最後に、高齢者施設や介護現場で今後感染が拡大しても高齢者に必要なサービス提供を続けるために必要なことについてです。
八ページを御覧ください。
クラスター発生や感染により困ったことや苦労したことで最も多かったのは、職員の感染により勤務体制が組めなくなったことです。職員が次々に陽性となり二十四時間のシフトが組めない、疲れ果てて精神状態が保てない、虐待してしまいそうだと職員が訴えた、このほか、保健所からは駄目だと言われたが、職員の少ないグループホームでは、陽陽介護、陽性者が陽性者を介護するということをせざるを得なかったなどの回答であふれました。
私の法人の特別養護老人ホームでは、二十人から二十四人の要介護ほぼ三以上の入居者の方を夜間は一人で介護しています。介護保険の基準の一・五倍の職員配置でこの状態です。平時から極めて少ない人数で介護しているところ、感染発生によって職員が休業し、さらに感染防護をしての介護ですので、過酷を極めています。職員体制が組めなくなることで、感染していないフロアや感染していない入居者の介護にも大きく影響し、感染していない方の入浴も全てストップしたという回答も出されました。感染症蔓延時にも福祉・介護サービスを継続するには、平時から余裕のある職員配置基準への見直しや担い手不足への対策を是非ともお願いしたいと思います。
また、事業の休止による大幅な減収、掛かり増し経費や施設内療養補助の事務手続も苦労したということが挙がっていました。
資料九ページを御覧ください。
五類移行後も継続すべき対策、対応としては、入院受入れ医療機関の拡充のほかに、ワクチンの無料接種の継続、掛かり増し経費の継続が多数を占めました。ワクチン無料接種は令和五年度は継続されると伺っていますが、高齢者と同様に、施設従事者も、そして在宅サービスの従事者の接種も必ず進めていただきたいと思っています。
また、アンケートでは、九四%が掛かり増し経費かそれ以上の経営への補助が必要と回答しています。病床逼迫で入院ができないために施設内での療養となり、応援体制を取るため、また陽性者を分離するためにデイサービスやショートステイを休業しています。この場合、感染発生がしていないこと、事業を休止しているということでデイサービスやショートステイは掛かり増し費用や介護報酬の特例からは対象外となり、何も補償されません。
これは高齢ではないんですが、ある障害者施設では、こういった休業によって八千万円の損失となったなど、事業継続そのものが危ぶまれるという状態です。高齢者や障害者の日常生活に不可欠な福祉サービスを安定して提供するには、事業を継続するというための支援が必要です。是非御検討いただきたいと思います。
最後の資料です。
これまで主に七波、八波での高齢者施設の現状をお伝えいたしました。その上で、今回の新型インフルエンザ特措法等の改正については、これまでの新型コロナ対策を踏まえていただきたい、検証していただきたいというふうに思っています。高齢者施設の実態や入院加療できずに亡くなった施設・自宅療養者について調査し、改善する対策を是非ともお願いします。そして、高齢者の死亡者の増加は国民生活に甚大な影響を及ぼす事態だというふうに認識いただいて、高齢者を置き去りにしないことに重点を置いて、新たな組織や司令塔が迅速で的確な措置を講じていただきたいというふうに願っております。
以上で私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
古
古賀友一郎#13
○委員長(古賀友一郎君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
上
上月良祐#14
○上月良祐君 自民党の茨城県選出の上月良祐と申します。
三人の先生方には、それぞれに貴重なお話をいただいて、本当にありがとうございます。
耳の痛い声にどれだけ真摯に耳を傾けられるか、そして危機感をどれだけきちんと持ち続けられるか、そしてそれにどれだけちゃんと対応できるかということが、去年六月の有識者会議の報告書でも、今日の先生方の話の中にも出てきましたが、新型インフルのときの総括が必ずしもちゃんとできていなかったということを繰り返さない、大変重要なことかと私は思っておりますので、そういう姿勢で自分としても臨んでいきたいと思います。
今日は、先生方とそれぞれ何点かお話をさせていただきたいと思います。齋藤先生と二木先生にということになろうと思います。井上先生からあった事業経営の安定化の話ですね、そこも大変重要な点だと思いますので、これは今日はちょっとやり取りの時間多分ないと思うんですが、よく頭に置いて自分としては対応していきたいと思います。
まず、齋藤先生にお聞きいたします。
過去問とならないための次に向けての準備というのは大変重要な御指摘だと思います。先生の去年の厚労委員会での感染症法の改正のときの参考人質疑の模様もいろいろと見させていただきました。今回の三年間の経験というのはかなり想定を超えるような部分もあったと思うんですけれども、今回のを、まあ過去問にまず解けないようでは次にはもちろん対応できないんですが、過去問を超えた次の対応という中で、先生が考えられるポイントになるような点がどういう点かということを一つ御示唆があれば教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →三人の先生方には、それぞれに貴重なお話をいただいて、本当にありがとうございます。
耳の痛い声にどれだけ真摯に耳を傾けられるか、そして危機感をどれだけきちんと持ち続けられるか、そしてそれにどれだけちゃんと対応できるかということが、去年六月の有識者会議の報告書でも、今日の先生方の話の中にも出てきましたが、新型インフルのときの総括が必ずしもちゃんとできていなかったということを繰り返さない、大変重要なことかと私は思っておりますので、そういう姿勢で自分としても臨んでいきたいと思います。
今日は、先生方とそれぞれ何点かお話をさせていただきたいと思います。齋藤先生と二木先生にということになろうと思います。井上先生からあった事業経営の安定化の話ですね、そこも大変重要な点だと思いますので、これは今日はちょっとやり取りの時間多分ないと思うんですが、よく頭に置いて自分としては対応していきたいと思います。
まず、齋藤先生にお聞きいたします。
過去問とならないための次に向けての準備というのは大変重要な御指摘だと思います。先生の去年の厚労委員会での感染症法の改正のときの参考人質疑の模様もいろいろと見させていただきました。今回の三年間の経験というのはかなり想定を超えるような部分もあったと思うんですけれども、今回のを、まあ過去問にまず解けないようでは次にはもちろん対応できないんですが、過去問を超えた次の対応という中で、先生が考えられるポイントになるような点がどういう点かということを一つ御示唆があれば教えていただきたいと思います。
齋
齋藤智也#15
○参考人(齋藤智也君) 御質問ありがとうございます。
本当に今回想像もしなかった、新型コロナ発生前には想像もできなかったことを次々とやっていくということを経験して、本当にどれだけ我々はその新型コロナ以前に今後のパンデミックのシナリオを真剣に考えていたのかというのを突き付けられたというのが正直なところでございます。一方で、先ほども申し上げましたが、世の中のモチベーションを保ち続けてその議論を続けていくことの難しさというのも感じていたところです。
まずは、そのいわゆるシナリオの共有と、それを関係機関で共有していくという土台を地域地域でつくっていくこと、これは一つ重要な基盤になるというふうに考えております。これまで、特に保健所とか行政機関と医療機関との連携というのは、特に十分なコミュニケーションであったり、そのパンデミックの備えというところで話合いができていなかった部分があった。今回いろいろ、協議会とかそういうのはつくる計画ができていますので、そこは機能的に活動していけるようになると非常によいのかなと思っております。
この発言だけを見る →本当に今回想像もしなかった、新型コロナ発生前には想像もできなかったことを次々とやっていくということを経験して、本当にどれだけ我々はその新型コロナ以前に今後のパンデミックのシナリオを真剣に考えていたのかというのを突き付けられたというのが正直なところでございます。一方で、先ほども申し上げましたが、世の中のモチベーションを保ち続けてその議論を続けていくことの難しさというのも感じていたところです。
まずは、そのいわゆるシナリオの共有と、それを関係機関で共有していくという土台を地域地域でつくっていくこと、これは一つ重要な基盤になるというふうに考えております。これまで、特に保健所とか行政機関と医療機関との連携というのは、特に十分なコミュニケーションであったり、そのパンデミックの備えというところで話合いができていなかった部分があった。今回いろいろ、協議会とかそういうのはつくる計画ができていますので、そこは機能的に活動していけるようになると非常によいのかなと思っております。
上
上月良祐#16
○上月良祐君 ありがとうございます。連携協議会のことだと思います。これ、私もとても大事なことだと思っております。
三・一一に対応した経験からすると、実際には災害の起こった現場ってカオスだと思うんです。僕は指揮命令系統をシンプルにって言うんだけど、それはもちろんそうしておくべきなんですが、現場の実態はそんなもんじゃなかったです。地震、津波の対応はもちろんですけれども、ガソリンが不足して全然なかった、緊急車両も動かないような状況。計画停電をどうするかということがあった。放射能問題もあって、放射性ヨウ素が最初に出て農産物の出荷制限もあった。他方で、寄附金の受入れどうするかみたいな話の調整もありました。三・一一だったから春休みが近かったんだけど、新学期になったときにどういうふうに学生を輸送するのかという鉄道の対応もありました。また、福島からの避難民が大量に、茨城ですから来られましたので、その方々への対応をどうするかと。もう本当の大カオスだったんです。
私、その中で一番役に立ったのは人のつながりでした。相手側の人を知っているかどうかということが、これ以上、まあ何というんでしょうか、意味があったことはないんです。やっぱり、こういうカオスに対応したり、そういうふうなふだんからのつながりをつくっておくということが訓練ではとても大切じゃないのかと。要するに、何というんでしょう、ありきたりの訓練ってもう何の役にも立たないんじゃないかと。ただし、そのカオスの訓練って難しいと思うんですけど、そういうのってどういうふうに対応していけばいいかということを先生から御意見あれば教えてください。
この発言だけを見る →三・一一に対応した経験からすると、実際には災害の起こった現場ってカオスだと思うんです。僕は指揮命令系統をシンプルにって言うんだけど、それはもちろんそうしておくべきなんですが、現場の実態はそんなもんじゃなかったです。地震、津波の対応はもちろんですけれども、ガソリンが不足して全然なかった、緊急車両も動かないような状況。計画停電をどうするかということがあった。放射能問題もあって、放射性ヨウ素が最初に出て農産物の出荷制限もあった。他方で、寄附金の受入れどうするかみたいな話の調整もありました。三・一一だったから春休みが近かったんだけど、新学期になったときにどういうふうに学生を輸送するのかという鉄道の対応もありました。また、福島からの避難民が大量に、茨城ですから来られましたので、その方々への対応をどうするかと。もう本当の大カオスだったんです。
私、その中で一番役に立ったのは人のつながりでした。相手側の人を知っているかどうかということが、これ以上、まあ何というんでしょうか、意味があったことはないんです。やっぱり、こういうカオスに対応したり、そういうふうなふだんからのつながりをつくっておくということが訓練ではとても大切じゃないのかと。要するに、何というんでしょう、ありきたりの訓練ってもう何の役にも立たないんじゃないかと。ただし、そのカオスの訓練って難しいと思うんですけど、そういうのってどういうふうに対応していけばいいかということを先生から御意見あれば教えてください。
齋
齋藤智也#17
○参考人(齋藤智也君) 御質問ありがとうございます。
まさに、とても対応できないようなもうめちゃくちゃなシナリオって、非常に訓練、演習のときにやってみたいんですが、なかなか受け入れられなくて、なかなかそこをこの新型コロナ発生前もできなかったというのが実情です。
どうしてもやれないことを突き付けられるというのは皆様抵抗があるんですが、そこを何とか、訓練、演習と割り切って淡々と受け入れてこなしていく、その中で少しずつ頭の中が整理されて、これから我々こういうことやらなければ、やっていかなければいけないんじゃないかというところに気付いていく、その過程が今大事なんじゃないかなというふうに思っています。
この発言だけを見る →まさに、とても対応できないようなもうめちゃくちゃなシナリオって、非常に訓練、演習のときにやってみたいんですが、なかなか受け入れられなくて、なかなかそこをこの新型コロナ発生前もできなかったというのが実情です。
どうしてもやれないことを突き付けられるというのは皆様抵抗があるんですが、そこを何とか、訓練、演習と割り切って淡々と受け入れてこなしていく、その中で少しずつ頭の中が整理されて、これから我々こういうことやらなければ、やっていかなければいけないんじゃないかというところに気付いていく、その過程が今大事なんじゃないかなというふうに思っています。
上
上月良祐#18
○上月良祐君 もう様々なカオスの中では分権もとても大切だと思うんですね。型どおりここで決めるというふうになっているものを、あの当時、僕は副知事だったですけど、知事から、もう俺が見落としたものがあればおまえがちゃんとやってくれと言われて、そうすると、その人がどれぐらいの判断能力があるかとかどれぐらいのネットワークを持っているかとかということをふだんから分かっておかないと、分権もできないわけですよね。
そういう意味では、ふだんからの、まあ何というんでしょうか、そのつながりというのか、プレースメントというのか、そういうのがあってこそ、結局、僕はもう全ての政策って人に帰結すると思っているので、そう言うと政策にならないからまああんまり言えないんだけど、結局は人がやるものだというふうに思います。だから、そういう人を育てるというのは、やっぱりふだんからの仕事、それは災害と直接に関係なかったとしても、要するにカオスな仕事をこなせるかどうかということが訓練になるような気もするんですね、というふうなことを私は感じています。
先生がおっしゃった危機管理オペレーションの基本、これは政務も事務の人も含めてみんなが共有しておくべきことがあるんだというようなことをおっしゃって、基本的なトレーニングを受けておけというお話があったんですが、この基本的なトレーニングの中の基本の部分というのはどういうことがあるのか、ちょっと大変関心がありまして、教えていただきたいんですが。
この発言だけを見る →そういう意味では、ふだんからの、まあ何というんでしょうか、そのつながりというのか、プレースメントというのか、そういうのがあってこそ、結局、僕はもう全ての政策って人に帰結すると思っているので、そう言うと政策にならないからまああんまり言えないんだけど、結局は人がやるものだというふうに思います。だから、そういう人を育てるというのは、やっぱりふだんからの仕事、それは災害と直接に関係なかったとしても、要するにカオスな仕事をこなせるかどうかということが訓練になるような気もするんですね、というふうなことを私は感じています。
先生がおっしゃった危機管理オペレーションの基本、これは政務も事務の人も含めてみんなが共有しておくべきことがあるんだというようなことをおっしゃって、基本的なトレーニングを受けておけというお話があったんですが、この基本的なトレーニングの中の基本の部分というのはどういうことがあるのか、ちょっと大変関心がありまして、教えていただきたいんですが。
齋
齋藤智也#19
○参考人(齋藤智也君) ありがとうございます。
この危機の際に、先ほどおっしゃってくださったように、まさにカオスとなって、非常に膨大な意思決定を進めていかなければいけないという状況が生じます。そこで、いかに機能的にその仕事を、タスクを分割して、それぞれのその対応を行う部門に振り分けていくのかという部門、そこは非常に、そのシステムというのは非常に重要だと考えています。
その中で、その運用を行っていく部門と、そのロジを行っていくその運用を支える部門と、あとはコミュニケーションの部門と、そういった役割分担という構造をしっかりとつくっていくと。そして、それぞれそこに入ってくる人がその役割を認識しておくこと、これが基本だと考えております。
この発言だけを見る →この危機の際に、先ほどおっしゃってくださったように、まさにカオスとなって、非常に膨大な意思決定を進めていかなければいけないという状況が生じます。そこで、いかに機能的にその仕事を、タスクを分割して、それぞれのその対応を行う部門に振り分けていくのかという部門、そこは非常に、そのシステムというのは非常に重要だと考えています。
その中で、その運用を行っていく部門と、そのロジを行っていくその運用を支える部門と、あとはコミュニケーションの部門と、そういった役割分担という構造をしっかりとつくっていくと。そして、それぞれそこに入ってくる人がその役割を認識しておくこと、これが基本だと考えております。
上
上月良祐#20
○上月良祐君 ありがとうございます。
齋藤先生に何問かお聞きしたいことまだあるんですけど、時間がなくなっちゃうといけないので、二木先生にちょっとまず一問お聞きしたいんです。
先生が書かれた論文読ませていただきました。記事を読ませていただきました。セミナーのときのお話のようです。
国公立と、それから社会法人立、民間立の病院の、病院間の分担の在り方。それから、私一番関心あるのは、病院と診療所の分担の在り方。これは、感染症法のときに、長尾さんという尼崎の診療所の先生、何かすごかった先生みたいですけど、診療所だけど大変ポジティブに活躍されたという方もおられるということなんです。
この病院間の分担、それから病院と診療所の分担、東京と例えばそれ以外では大分違うのかもしれませんが、理想的な分担と連携というのがどんな感じのものかというのを先生のお考えを教えてください。
この発言だけを見る →齋藤先生に何問かお聞きしたいことまだあるんですけど、時間がなくなっちゃうといけないので、二木先生にちょっとまず一問お聞きしたいんです。
先生が書かれた論文読ませていただきました。記事を読ませていただきました。セミナーのときのお話のようです。
国公立と、それから社会法人立、民間立の病院の、病院間の分担の在り方。それから、私一番関心あるのは、病院と診療所の分担の在り方。これは、感染症法のときに、長尾さんという尼崎の診療所の先生、何かすごかった先生みたいですけど、診療所だけど大変ポジティブに活躍されたという方もおられるということなんです。
この病院間の分担、それから病院と診療所の分担、東京と例えばそれ以外では大分違うのかもしれませんが、理想的な分担と連携というのがどんな感じのものかというのを先生のお考えを教えてください。
二
二木芳人#21
○参考人(二木芳人君) 御質問ありがとうございます。
これは大変難しい問題ですけれども、基本的には、事前にその辺りの分担をしっかり決めておくことがまず重要だと思いますね。
先ほどちょっと尻切れとんぼになっちゃったんですけれども、新型インフルエンザのときに、実は何年も前から準備をしておりましたので、例えば東京都の場合、全部で十のブロックに分けたんです。今は一つ一つの区が、あるいは市が対応しますよね。それをもう少し広域に捉えて十のブロックをつくって、その中で、それぞれの今の公的病院、一般病院、それから医師会さん、保健、行政、全てが協議会をつくって、そこでそれぞれがどういうふうな分担をするかということを決めていたんですね。
新型インフルエンザは幸いそれほど危険なウイルスではありませんでした。だから、人的被害は少なかったんですけれども、あらかじめ決めていたことが必ずしもスムースに機能しなかったと。逆に言うと、やはり開業医の先生方が、私たちが期待したような協力をしてもらえなかったということがあったんです。で、大学病院の方でどんどん診なさいという話だったんですが、そのうちに感染症がそれほど危険ではないと分かった途端に、病院では診るなと、全部開業医が診ますというようなお話があったんですね。ですから、あらかじめ決めていたことが、感染症がどういうものが来るかによって、どういうものだったかによって結構変わってしまうということもあります。
しかしながら、それは、我々もそれぞれ感染症を想定した上で、それぞれの病院で、病院あるいはそういうふうな医療施設でそれぞれ分担しておく。私は、基本的には大学病院とか特定機能病院はできるだけ病院としての機能を残すと、そして、それ以外の、例えばインフルエンザだったらインフルエンザ以外の、それ以外の疾病の医療が怠らないような形にしようというのがそのときの決定だったんですけれども、今回は、それでは一般病院がとてもこの新型コロナウイルスの感染症の重症者に対応できないような状況でしたので、それでは恐らく回らなかったということになるんだろうと思います。
ですから、なかなか、今回の新型ウイルス、新型コロナウイルス感染症ではこういうふうな形がいいのではないかという提案はできても、次のパンデミックで果たしてそれがそのまま適用できるかどうかというのは必ずしも言えないことじゃないかなというふうに思います。
いずれにしましても、当初はそういうふうな公的病院がやはりそういうふうな最初の感染症の対応に中心になって当たるという体制を取りつつ、それぞれの分担というのを早期に決めていくというふうな仕組みづくりをしておく必要があるかなと思います。
この発言だけを見る →これは大変難しい問題ですけれども、基本的には、事前にその辺りの分担をしっかり決めておくことがまず重要だと思いますね。
先ほどちょっと尻切れとんぼになっちゃったんですけれども、新型インフルエンザのときに、実は何年も前から準備をしておりましたので、例えば東京都の場合、全部で十のブロックに分けたんです。今は一つ一つの区が、あるいは市が対応しますよね。それをもう少し広域に捉えて十のブロックをつくって、その中で、それぞれの今の公的病院、一般病院、それから医師会さん、保健、行政、全てが協議会をつくって、そこでそれぞれがどういうふうな分担をするかということを決めていたんですね。
新型インフルエンザは幸いそれほど危険なウイルスではありませんでした。だから、人的被害は少なかったんですけれども、あらかじめ決めていたことが必ずしもスムースに機能しなかったと。逆に言うと、やはり開業医の先生方が、私たちが期待したような協力をしてもらえなかったということがあったんです。で、大学病院の方でどんどん診なさいという話だったんですが、そのうちに感染症がそれほど危険ではないと分かった途端に、病院では診るなと、全部開業医が診ますというようなお話があったんですね。ですから、あらかじめ決めていたことが、感染症がどういうものが来るかによって、どういうものだったかによって結構変わってしまうということもあります。
しかしながら、それは、我々もそれぞれ感染症を想定した上で、それぞれの病院で、病院あるいはそういうふうな医療施設でそれぞれ分担しておく。私は、基本的には大学病院とか特定機能病院はできるだけ病院としての機能を残すと、そして、それ以外の、例えばインフルエンザだったらインフルエンザ以外の、それ以外の疾病の医療が怠らないような形にしようというのがそのときの決定だったんですけれども、今回は、それでは一般病院がとてもこの新型コロナウイルスの感染症の重症者に対応できないような状況でしたので、それでは恐らく回らなかったということになるんだろうと思います。
ですから、なかなか、今回の新型ウイルス、新型コロナウイルス感染症ではこういうふうな形がいいのではないかという提案はできても、次のパンデミックで果たしてそれがそのまま適用できるかどうかというのは必ずしも言えないことじゃないかなというふうに思います。
いずれにしましても、当初はそういうふうな公的病院がやはりそういうふうな最初の感染症の対応に中心になって当たるという体制を取りつつ、それぞれの分担というのを早期に決めていくというふうな仕組みづくりをしておく必要があるかなと思います。
上
上月良祐#22
○上月良祐君 ありがとうございます。
特に感染症の初期はいろんな、何か、何というんでしょう、どたばた劇があり得ると思います。それは、いい悪いというよりは、もう仕方のないこともあると思うので、それを受け入れて、しかし、その前提として、ふだんからのやっぱり信頼関係とか、顔を見てちゃんと、何というんでしょうか、つながりができておくかどうかということがとても重要なんじゃないかと思うんですけど、先生がおっしゃったその理想的な分担みたいなものを今後実質化していく、そのためのポイントというのはどういうところにあるのか、今言ったようなつながりにあるのか、何かその辺どんなふうにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →特に感染症の初期はいろんな、何か、何というんでしょう、どたばた劇があり得ると思います。それは、いい悪いというよりは、もう仕方のないこともあると思うので、それを受け入れて、しかし、その前提として、ふだんからのやっぱり信頼関係とか、顔を見てちゃんと、何というんでしょうか、つながりができておくかどうかということがとても重要なんじゃないかと思うんですけど、先生がおっしゃったその理想的な分担みたいなものを今後実質化していく、そのためのポイントというのはどういうところにあるのか、今言ったようなつながりにあるのか、何かその辺どんなふうにお考えでしょうか。
二
二木芳人#23
○参考人(二木芳人君) ありがとうございます。
おっしゃるとおり大変難しい問題ではありますけれども、日頃からこういうふうな状況になったときにどういうふうな役割分担をするかというのをそれぞれの地域で決めておくべきだと思いますね。
それからもう一つは、一つちょっとこれ前提として考えておかなきゃいけないことは、先ほどから感染症パンデミックは災害だと、災害の一つだというお考えがありますけれども、いわゆる自然災害とこの感染症パンデミックが災害として違うところは、例えば地震や台風や水害というのは、起きたときが最悪ですよね。そこからどんどん修復されて、周辺から支援が来て回復していく、復興させていくと。ところが、感染症パンデミックは、起きたときは何が起こっているのかよく分からないし、大したことではないんじゃないかという想定をすることがありますが、これがどんどんどんどんあっという間に広がっていくわけですので、その想定を決して過小評価しないことです。
ですから、最悪のシナリオを常に念頭に置いて、それにどう対応するかということを今の医療施設のそれぞれの分担の在り方も含めて検討しておくということが必要じゃないかと思います。
この発言だけを見る →おっしゃるとおり大変難しい問題ではありますけれども、日頃からこういうふうな状況になったときにどういうふうな役割分担をするかというのをそれぞれの地域で決めておくべきだと思いますね。
それからもう一つは、一つちょっとこれ前提として考えておかなきゃいけないことは、先ほどから感染症パンデミックは災害だと、災害の一つだというお考えがありますけれども、いわゆる自然災害とこの感染症パンデミックが災害として違うところは、例えば地震や台風や水害というのは、起きたときが最悪ですよね。そこからどんどん修復されて、周辺から支援が来て回復していく、復興させていくと。ところが、感染症パンデミックは、起きたときは何が起こっているのかよく分からないし、大したことではないんじゃないかという想定をすることがありますが、これがどんどんどんどんあっという間に広がっていくわけですので、その想定を決して過小評価しないことです。
ですから、最悪のシナリオを常に念頭に置いて、それにどう対応するかということを今の医療施設のそれぞれの分担の在り方も含めて検討しておくということが必要じゃないかと思います。
上
小
小沼巧#25
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。
今日は、参考人の皆様、貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。内閣委員会として、また政府の政務官もこのメンバーの一人でございますので、政府にも皆様のお一人お一人の現場の御意見等が伝わったのではないかなと思います。
早速質問をさせていただきたいと思います。
まず、二木参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
三つのうちの一つとして、情報伝達や発信の在り方について御意見をいただきました。私も全く同感であります。とりわけ、専任のスポークスマンであったりとか総理クラスがちゃんとしたメッセージを発信すべきだと、そして明確に発信すべきだということについては私も同様の問題意識を持っております。
その観点から、もう少し詳しく、詳細にお聞かせいただきたいポイントがありまして、二つあると思うんです。中身と形式。役所用語で、役人も聞いていると思うんで、役所用語で言うとサブとロジでありますけれども、どういうメッセージと中身として伝えることが今回の過去の検証、反省をしていて改めて必要だと実感なさったのか。
形式面については、実は、政府はこれまでも各場面において説明をしているということは文章上はあります、議事録等の文章上はあります。しかし、それでは不十分な点、改善余地があったのではないかという御意見があるからこそのそのような御発言だったのではないかなと、このように思いますので、二木参考人からその点について詳細を御意見をいただければと思います。
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早速質問をさせていただきたいと思います。
まず、二木参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
三つのうちの一つとして、情報伝達や発信の在り方について御意見をいただきました。私も全く同感であります。とりわけ、専任のスポークスマンであったりとか総理クラスがちゃんとしたメッセージを発信すべきだと、そして明確に発信すべきだということについては私も同様の問題意識を持っております。
その観点から、もう少し詳しく、詳細にお聞かせいただきたいポイントがありまして、二つあると思うんです。中身と形式。役所用語で、役人も聞いていると思うんで、役所用語で言うとサブとロジでありますけれども、どういうメッセージと中身として伝えることが今回の過去の検証、反省をしていて改めて必要だと実感なさったのか。
形式面については、実は、政府はこれまでも各場面において説明をしているということは文章上はあります、議事録等の文章上はあります。しかし、それでは不十分な点、改善余地があったのではないかという御意見があるからこそのそのような御発言だったのではないかなと、このように思いますので、二木参考人からその点について詳細を御意見をいただければと思います。
二
二木芳人#26
○参考人(二木芳人君) ありがとうございます。
今の御質問に対してですけれども、私、常に、テレビで専門家として呼ばれましたときに、今の政府の方針はどうなんでしょうねというふうな質問を受けたものですから、その都度ちょっとよく僕らも分かりませんねと。いろいろ、まさにいろんな委員会での議事録ですとかそういうようなものも全部見させていただくんですけれども、そこをよくよく読んでみるとそこにこれが書いてあるんですが、その発信がタイミングが少し、いわゆる世間一般といいますか、公表されるものとしては遅いような気が常にいたしておりました。
それで、中身に関しましては最終的に二つの要素があると思うんですね。一つは、いろいろ専門家、組織などから出てくるところのいわゆる科学的な根拠と、それからもう一つはやはり政治的な判断というものがあると思うんですけれども、私は、その両方をお示ししていただいた上で、それで最終的にこういう判断をしましたと、ですから過程を明確にしていただくと、結果だけではなくて、こうこうこうこう、こういうことでこうなりましたという過程をお示しいただくことが重要じゃないかなと常に思っておりました。
ですから、最終的に政治判断で、ちょっと科学的根拠と相反する部分もあるけれども、ですけれども私はこういうふうな判断をしました、あるいは政府はこういう判断をしましたということは国民に明確に伝えていただきたいなというふうに思いますね。
それからもう一つは、できるだけその過程を、形式としてはできるだけ頻繁に同じ方がメッセージを伝えていただきたいと。よく厚労省の方から御質問を受けて、例えばワクチンを普及させるためにどういうふうな方式がいいだろうかということで、よく有名人の方ですとかインフルエンサーの方とか、そういう方を使われたりしてSNSなんかの発信もされておられたようですけれども、私は、やはり国民が耳を傾けてくれるのは、そういうふうな、先ほど御指摘があったような総理クラスのいわゆるキーパーソンか、あるいは、いつもいつも専任で毎日毎日出てきて、ああ、いつもあの方がこういうふうに話をしてくれるんだというふうな形で、非常につぶさに伝えていくというような形をすることが我が国の国民に対しては非常に伝わりやすいと。先ほど気質のお話もしましたけれども、よその国民の方に比べると非常にその辺り御理解していただきやすい気質を持っておられると思うので、それが一番じゃないかなと思っております。
この発言だけを見る →今の御質問に対してですけれども、私、常に、テレビで専門家として呼ばれましたときに、今の政府の方針はどうなんでしょうねというふうな質問を受けたものですから、その都度ちょっとよく僕らも分かりませんねと。いろいろ、まさにいろんな委員会での議事録ですとかそういうようなものも全部見させていただくんですけれども、そこをよくよく読んでみるとそこにこれが書いてあるんですが、その発信がタイミングが少し、いわゆる世間一般といいますか、公表されるものとしては遅いような気が常にいたしておりました。
それで、中身に関しましては最終的に二つの要素があると思うんですね。一つは、いろいろ専門家、組織などから出てくるところのいわゆる科学的な根拠と、それからもう一つはやはり政治的な判断というものがあると思うんですけれども、私は、その両方をお示ししていただいた上で、それで最終的にこういう判断をしましたと、ですから過程を明確にしていただくと、結果だけではなくて、こうこうこうこう、こういうことでこうなりましたという過程をお示しいただくことが重要じゃないかなと常に思っておりました。
ですから、最終的に政治判断で、ちょっと科学的根拠と相反する部分もあるけれども、ですけれども私はこういうふうな判断をしました、あるいは政府はこういう判断をしましたということは国民に明確に伝えていただきたいなというふうに思いますね。
それからもう一つは、できるだけその過程を、形式としてはできるだけ頻繁に同じ方がメッセージを伝えていただきたいと。よく厚労省の方から御質問を受けて、例えばワクチンを普及させるためにどういうふうな方式がいいだろうかということで、よく有名人の方ですとかインフルエンサーの方とか、そういう方を使われたりしてSNSなんかの発信もされておられたようですけれども、私は、やはり国民が耳を傾けてくれるのは、そういうふうな、先ほど御指摘があったような総理クラスのいわゆるキーパーソンか、あるいは、いつもいつも専任で毎日毎日出てきて、ああ、いつもあの方がこういうふうに話をしてくれるんだというふうな形で、非常につぶさに伝えていくというような形をすることが我が国の国民に対しては非常に伝わりやすいと。先ほど気質のお話もしましたけれども、よその国民の方に比べると非常にその辺り御理解していただきやすい気質を持っておられると思うので、それが一番じゃないかなと思っております。
小
小沼巧#27
○小沼巧君 ありがとうございます。
まさに、その中身、結果だけではなく、その過程がどうであったのか、その詳細ですね、かつ言えば、タイミングについてもなかなか遅いところがあったので、頻度高く、また同一の人、とりわけ総理クラスのような方がちゃんと伝えるということがまさに大切だという御意見をいただきました。午後からの審議に生かしていきたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、井上参考人にお伺いいたします。
現場の実態等、大変な御苦労を伺いまして、改めてそのときの御判断、そのときの対応に敬意と感謝を申し上げたいと思います。
先生の、参考人のところから、資料でいうと、これは九ページになりますでしょうかね、安定したサービス提供には事業運営の安定が不可欠というところで記載をされているところでございます。要すれば、支援とかそういったことについても特措法の改正と併せて反省、検証すべきことかなと考えておりまして、その観点からすると、当時何が起こったか、どういう議論があったかということを思い出してみますと、いわゆる補償、コンペンセーションの方ですね、補償についてどこまでやるべきか、やらないべきなのかということが与野党及び国会と政府の間で議論になったと承知しております。結論としては、コンペンセーションという意味での補償は基本的にやらぬのだということになって今に至っているんだという理解をしております。
その観点からすると、やはりその支援策の現状で、実際問題、サービスが提供しにくくなってしまったということの実例もいただきまして、そういう現実が起こっていたのだなということに思いを致すと、井上参考人にお伺いしてみたいのは、事業継続等々に関しての支援策、いわゆる補償という考えを取らなかったことに対してどのように価値判断をなさっていられるかということがお伺いしたいポイントであります。様々、持続化給付金とか融資のような格好ではやっていたことは重々承知しておりますが、補償というところまで踏み込むことについてのお考えはどうであったのかということについて御意見をいただければ幸いでございます。
この発言だけを見る →まさに、その中身、結果だけではなく、その過程がどうであったのか、その詳細ですね、かつ言えば、タイミングについてもなかなか遅いところがあったので、頻度高く、また同一の人、とりわけ総理クラスのような方がちゃんと伝えるということがまさに大切だという御意見をいただきました。午後からの審議に生かしていきたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、井上参考人にお伺いいたします。
現場の実態等、大変な御苦労を伺いまして、改めてそのときの御判断、そのときの対応に敬意と感謝を申し上げたいと思います。
先生の、参考人のところから、資料でいうと、これは九ページになりますでしょうかね、安定したサービス提供には事業運営の安定が不可欠というところで記載をされているところでございます。要すれば、支援とかそういったことについても特措法の改正と併せて反省、検証すべきことかなと考えておりまして、その観点からすると、当時何が起こったか、どういう議論があったかということを思い出してみますと、いわゆる補償、コンペンセーションの方ですね、補償についてどこまでやるべきか、やらないべきなのかということが与野党及び国会と政府の間で議論になったと承知しております。結論としては、コンペンセーションという意味での補償は基本的にやらぬのだということになって今に至っているんだという理解をしております。
その観点からすると、やはりその支援策の現状で、実際問題、サービスが提供しにくくなってしまったということの実例もいただきまして、そういう現実が起こっていたのだなということに思いを致すと、井上参考人にお伺いしてみたいのは、事業継続等々に関しての支援策、いわゆる補償という考えを取らなかったことに対してどのように価値判断をなさっていられるかということがお伺いしたいポイントであります。様々、持続化給付金とか融資のような格好ではやっていたことは重々承知しておりますが、補償というところまで踏み込むことについてのお考えはどうであったのかということについて御意見をいただければ幸いでございます。
井
井上ひろみ#28
○参考人(井上ひろみ君) 御質問ありがとうございます。
確かに、福祉サービスだけ補償するというふうなことについてはいろいろな御意見がおありになるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、一つは、感染者を施設で見た場合に掛かり増しの費用ですとかを必ず補償する、感染の方を施設で見るというときには、衛生材料も、消毒もしないといけない、超過勤務が出るですとか、新しい職員を入れないといけないといった通常の事業以上に経費が掛かりますので、そういったところを補償するということは、掛かり増しという名目で、全てではないですが、されています。
今回、私が先ほどお話ししたのは、入院すべき方が入院できず、病床逼迫なり自治体の判断なりで入院ができない、そのために致し方なく施設へ療養したということは、本来、病院なりその医療が提供されるべき方が、医療が提供されないがために押し出されて施設で療養されるということになったわけです。施設で療養されることによって、もちろん施設の中で生活されますが、そこに職員を送る、あと、四人部屋だったりしますので、感染された方を個室に移すというふうにするために、デイサービスのフロアを空けて、そこにベッドを並べて感染者の方を、来ていただくということで、デイサービスやショートステイというのは感染が起きていないにもかかわらず休業するわけですよね。その分の補償がないということについて特に問題ではないかなというふうに考えていますので、この入院すべき人が入院ができなかったことによって起こった休業せざるを得なかったというものについては、医療の肩代わりをしたという意味で、きちんと補償されるべきではないかなというふうに考えております。
この発言だけを見る →確かに、福祉サービスだけ補償するというふうなことについてはいろいろな御意見がおありになるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、一つは、感染者を施設で見た場合に掛かり増しの費用ですとかを必ず補償する、感染の方を施設で見るというときには、衛生材料も、消毒もしないといけない、超過勤務が出るですとか、新しい職員を入れないといけないといった通常の事業以上に経費が掛かりますので、そういったところを補償するということは、掛かり増しという名目で、全てではないですが、されています。
今回、私が先ほどお話ししたのは、入院すべき方が入院できず、病床逼迫なり自治体の判断なりで入院ができない、そのために致し方なく施設へ療養したということは、本来、病院なりその医療が提供されるべき方が、医療が提供されないがために押し出されて施設で療養されるということになったわけです。施設で療養されることによって、もちろん施設の中で生活されますが、そこに職員を送る、あと、四人部屋だったりしますので、感染された方を個室に移すというふうにするために、デイサービスのフロアを空けて、そこにベッドを並べて感染者の方を、来ていただくということで、デイサービスやショートステイというのは感染が起きていないにもかかわらず休業するわけですよね。その分の補償がないということについて特に問題ではないかなというふうに考えていますので、この入院すべき人が入院ができなかったことによって起こった休業せざるを得なかったというものについては、医療の肩代わりをしたという意味で、きちんと補償されるべきではないかなというふうに考えております。
小
小沼巧#29
○小沼巧君 ありがとうございました。
貴重な御意見であったと思いますし、そのような考え方はどうなのかということは今後の審議に生かしていきたいと思います。ありがとうございます。
次に、齋藤参考人にお伺いをいたしたいと思います。
司令塔というところについて貴重な御意見をいただいたかなと思っております。その中で、私自身も答えがないという意味での質問になってしまうのでありますが、いわゆる司令塔機能の中で様々な演習や訓練をするといっても、どういう観点を鍛えればよいのかが実は分からない。そうなると、よくありがちな一般的な人材コンサルティング会社みたいな経験をやって忘れ去られてしまうみたいなことになってしまっては本末転倒かなと思っているところでありまして、そういう意味では、感染症の危機管理という意味においては、人材ということも同時ですが、二つ論点が明確にすべき必要があるのかなと私は考えます。
一つがプロセスです。意思決定などにおいてプロセスを決めておく適切なものは何なのか、それをちゃんと守るなり柔軟に、先生の言葉をお借りすれば拡張可能性でしょうか、変えるなりというようなプロセスをどう考えていくのかということをまず明確にしていくことが重要ではないだろうか。
二つ目としては、プライオリティー、優先順位です。情報は異常にあふれ返りますので、何を取捨選択して、どういう観点で優先順位を付けて価値判断をしていくのかと。ここの優先順位付けが明確でないと、情報の海に溺れて何もできなくなってしまうということになってしまうのではないかなと。とりわけ、上月先生からおっしゃっていただいたカオスの状況などはよくありがちなところではないかなと思うところであります。
そういう意味で、齋藤先生に、齋藤参考人にお伺いしたいのは、訓練、司令塔機能を実効性たらしめんところにおいて、意思決定等々のプロセス、そして情報の取捨選択等に係るプライオリティー、優先順位付け、これについて、どのような考え方、観点で訓練なりを実効性、訓練なりを行うことがまさに司令塔機能の組織力向上、実効性確保につながるのだろうか、その点について御知見をいただければ幸いです。
この発言だけを見る →貴重な御意見であったと思いますし、そのような考え方はどうなのかということは今後の審議に生かしていきたいと思います。ありがとうございます。
次に、齋藤参考人にお伺いをいたしたいと思います。
司令塔というところについて貴重な御意見をいただいたかなと思っております。その中で、私自身も答えがないという意味での質問になってしまうのでありますが、いわゆる司令塔機能の中で様々な演習や訓練をするといっても、どういう観点を鍛えればよいのかが実は分からない。そうなると、よくありがちな一般的な人材コンサルティング会社みたいな経験をやって忘れ去られてしまうみたいなことになってしまっては本末転倒かなと思っているところでありまして、そういう意味では、感染症の危機管理という意味においては、人材ということも同時ですが、二つ論点が明確にすべき必要があるのかなと私は考えます。
一つがプロセスです。意思決定などにおいてプロセスを決めておく適切なものは何なのか、それをちゃんと守るなり柔軟に、先生の言葉をお借りすれば拡張可能性でしょうか、変えるなりというようなプロセスをどう考えていくのかということをまず明確にしていくことが重要ではないだろうか。
二つ目としては、プライオリティー、優先順位です。情報は異常にあふれ返りますので、何を取捨選択して、どういう観点で優先順位を付けて価値判断をしていくのかと。ここの優先順位付けが明確でないと、情報の海に溺れて何もできなくなってしまうということになってしまうのではないかなと。とりわけ、上月先生からおっしゃっていただいたカオスの状況などはよくありがちなところではないかなと思うところであります。
そういう意味で、齋藤先生に、齋藤参考人にお伺いしたいのは、訓練、司令塔機能を実効性たらしめんところにおいて、意思決定等々のプロセス、そして情報の取捨選択等に係るプライオリティー、優先順位付け、これについて、どのような考え方、観点で訓練なりを実効性、訓練なりを行うことがまさに司令塔機能の組織力向上、実効性確保につながるのだろうか、その点について御知見をいただければ幸いです。