法務委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和六年四月三日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 武部 新君
理事 熊田 裕通君 理事 笹川 博義君
理事 仁木 博文君 理事 牧原 秀樹君
理事 道下 大樹君 理事 米山 隆一君
理事 池下 卓君 理事 大口 善徳君
東 国幹君 五十嵐 清君
井出 庸生君 上杉謙太郎君
英利アルフィヤ君 奥野 信亮君
岸 信千世君 斎藤 洋明君
柴山 昌彦君 高見 康裕君
谷川 とむ君 中野 英幸君
平口 洋君 藤原 崇君
三ッ林裕巳君 山田 美樹君
おおつき紅葉君 鎌田さゆり君
鈴木 庸介君 寺田 学君
山田 勝彦君 阿部 弘樹君
斎藤アレックス君 美延 映夫君
日下 正喜君 平林 晃君
本村 伸子君
…………………………………
法務大臣政務官 中野 英幸君
参考人
(慶應義塾大学名誉教授) 犬伏 由子君
参考人
(#ちょっと待って共同親権プロジェクトチームリーダー) 斉藤 幸子君
参考人
(一般社団法人りむすび代表) しばはし聡子君
参考人
(関西学院大学法学部教授) 山口 亮子君
参考人
(学習院大学法務研究科教授) 大村 敦志君
参考人
(弁護士) 原田 直子君
参考人
(民間法制審議会家族法制部会部会長)
(弁護士) 北村 晴男君
参考人
(弁護士) 岡村 晴美君
法務委員会専門員 三橋善一郎君
―――――――――――――
委員の異動
四月三日
辞任 補欠選任
谷川 とむ君 岸 信千世君
中曽根康隆君 上杉謙太郎君
三ッ林裕巳君 柴山 昌彦君
同日
辞任 補欠選任
上杉謙太郎君 中曽根康隆君
岸 信千世君 谷川 とむ君
柴山 昌彦君 三ッ林裕巳君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 武部 新君
理事 熊田 裕通君 理事 笹川 博義君
理事 仁木 博文君 理事 牧原 秀樹君
理事 道下 大樹君 理事 米山 隆一君
理事 池下 卓君 理事 大口 善徳君
東 国幹君 五十嵐 清君
井出 庸生君 上杉謙太郎君
英利アルフィヤ君 奥野 信亮君
岸 信千世君 斎藤 洋明君
柴山 昌彦君 高見 康裕君
谷川 とむ君 中野 英幸君
平口 洋君 藤原 崇君
三ッ林裕巳君 山田 美樹君
おおつき紅葉君 鎌田さゆり君
鈴木 庸介君 寺田 学君
山田 勝彦君 阿部 弘樹君
斎藤アレックス君 美延 映夫君
日下 正喜君 平林 晃君
本村 伸子君
…………………………………
法務大臣政務官 中野 英幸君
参考人
(慶應義塾大学名誉教授) 犬伏 由子君
参考人
(#ちょっと待って共同親権プロジェクトチームリーダー) 斉藤 幸子君
参考人
(一般社団法人りむすび代表) しばはし聡子君
参考人
(関西学院大学法学部教授) 山口 亮子君
参考人
(学習院大学法務研究科教授) 大村 敦志君
参考人
(弁護士) 原田 直子君
参考人
(民間法制審議会家族法制部会部会長)
(弁護士) 北村 晴男君
参考人
(弁護士) 岡村 晴美君
法務委員会専門員 三橋善一郎君
―――――――――――――
委員の異動
四月三日
辞任 補欠選任
谷川 とむ君 岸 信千世君
中曽根康隆君 上杉謙太郎君
三ッ林裕巳君 柴山 昌彦君
同日
辞任 補欠選任
上杉謙太郎君 中曽根康隆君
岸 信千世君 谷川 とむ君
柴山 昌彦君 三ッ林裕巳君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
――――◇―――――
武
武部新#1
○武部委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、午前の参考人として、慶應義塾大学名誉教授犬伏由子君、#ちょっと待って共同親権プロジェクトチームリーダー斉藤幸子君、一般社団法人りむすび代表しばはし聡子君及び関西学院大学法学部教授山口亮子君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
なお、参考人のプライバシー保護の観点から、斉藤参考人の席にはつい立てを設置し、同参考人の発言の際はボイスチェンジャーの使用を許可することといたしておりますので、御了承願います。
また、報道関係者におかれては、当該参考人の撮影を禁止するとともに、追従取材は行わないようあらかじめ要請いたしておりますので、これを遵守願います。
この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、犬伏参考人、斉藤参考人、しばはし参考人、山口参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず犬伏参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、午前の参考人として、慶應義塾大学名誉教授犬伏由子君、#ちょっと待って共同親権プロジェクトチームリーダー斉藤幸子君、一般社団法人りむすび代表しばはし聡子君及び関西学院大学法学部教授山口亮子君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
なお、参考人のプライバシー保護の観点から、斉藤参考人の席にはつい立てを設置し、同参考人の発言の際はボイスチェンジャーの使用を許可することといたしておりますので、御了承願います。
また、報道関係者におかれては、当該参考人の撮影を禁止するとともに、追従取材は行わないようあらかじめ要請いたしておりますので、これを遵守願います。
この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、犬伏参考人、斉藤参考人、しばはし参考人、山口参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず犬伏参考人にお願いいたします。
犬
犬伏由子#2
○犬伏参考人 おはようございます。慶應義塾大学名誉教授の犬伏由子と申します。
現在、東京家庭裁判所の調停委員を務めております。本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、家族法を専門として教育、研究に携わってまいりましたが、今回の法案につきましては前向きに受け止めております。また、法制審議会において五項目にわたる附帯決議がなされたことにつきましても歓迎しております。
なお、今回、何点かの資料を添付させていただきましたが、資料一といたしましたのは、昨年十一月二十日に、家族法研究者を中心とする呼びかけ人が法務大臣宛てに、離婚後の共同親権導入に伴う法制度整備についての要望書を提出し、今年一月までに呼びかけ人及び賛同者を合わせて九十名となっております。また、賛同者の中には、泉徳治元最高裁判事、武川恵子元男女共同参画局長、林陽子元女性差別撤廃条約委員会委員長など、幅広い方々が含まれております。
本日は、法制審での附帯決議及び要望書にもある法制度整備や支援体制について、以下三点にわたり発言させていただきます。
まず、第一点、情報提供及び相談体制の必要性でございます。
今回の法改正は、広く私たちの家族全体に関わってきます。資料二の離婚に関する統計を御覧いただいても分かるとおり、婚姻件数の減少とともに離婚件数も減少傾向にはありますが、それでも婚姻の三組に一組が離婚しており、離婚は少数の家庭にのみ起こる特別な問題ではありません。また、父母の離婚を経験する子供たちは、離婚件数自体が減少している、それから少子化でもあるということで減少傾向にあるとはいえ、二〇二二年には十六万一千九百二人の子供たちが含まれており、この数字は毎年累積してまいります。父母の離婚を経験する子供が多数いるという中、子供の利益に十分に配慮がなされるべきだと考えております。
なお、家事調停の現場では、同居中の夫婦が当事者であるというケースも経験しております。資料三の家事調停・審判事件の統計を御覧いただいてもお分かりになると思いますけれども、婚姻中の夫婦間の事件、例えば婚姻費用分担事件であるとか面会交流事件など、一定数ございます。別居前後の段階から、情報提供、相談体制の整備が重要となってきます。
今回の法案には、別居中の夫婦間の意見対立の調整も含まれており、紛争予防の観点からは、早い段階で父母が葛藤を高めないようにすることが子の利益にもつながると思っております。家庭裁判所には、もう既に高葛藤になってしまってから訪れるという人たちがいっぱいいて、私どもも、そこのところから始めなければいけないという苦労がございますので、やはり父母が高葛藤にならないようにするということは重要と思っております。
そこで、具体的には、まず、今回の法改正の目的、趣旨について周知を図ること。特に、民法八百十七条の二に親の責務の規定が設けられ、親は、子の人格を尊重し、子の養育及び扶養の義務があること、父母は子の利益のためお互いの人格を尊重し協力しなければならないことがうたわれております。このことは広く私たち一般の人々に理解される必要があると思います。
さらに、今回の法案の内容を踏まえますと、別居時、離婚時にどのようなことを決めておく必要があるかということを、適切かつ正確な情報の提供を行うということが必要になってきます。こうしたことは、国レベルで実施するだけではなく、住民の生活に密接に関わる基礎自治体が実施している取組を支援強化するという形で応援していくということが大切です。
当事者が利用しやすい形で、法的な相談だけではなく、心理相談なども含めた相談体制を整えるということによって、当事者のエンパワーメントにつなげていただきたいというふうに思っているところでございます。
第二点目、協議離婚に関する法制度整備です。
離婚に関する統計を見て分かるとおり、二〇二二年では、離婚の八七・六%が協議離婚となっております。圧倒的多数の夫婦は協議離婚を選択しております。
他方で、令和三年全国ひとり親世帯等調査によりますと、離婚母子世帯について、協議離婚のケースでは、面会交流を現在も実施している者が三四・二%、父から養育費を現在も受給している者が二六・一%と、ほかの離婚のケースよりも低くなっております。
この点、例えば、私どもも韓国に訪問調査に行くことがございますけれども、韓国では、日本と同様に協議離婚という制度はありますが、協議離婚についても、家庭裁判所である家庭法院が関与し、子供の養育に関する合意書の作成を支援し、家庭法院の確認が必要とされております。
今回の法案においては、協議離婚に関して、公的関与の手続については見送られましたが、今後の検討課題となると思います。当面は、協議離婚の際に、離婚後の子の養育に関する適切な情報提供を実施し、受講を促進すること、例えば、離婚届出用紙に、最高裁や法務省などが提供している動画などのQRコードを掲載し、チェック欄を設けるというだけでも、そんなに予算もかからないことですし、実現可能ではないかというふうに考えております。
第一点と重複しますけれども、戸籍を担当する市区町村など地方自治体での取組を支援し、当事者間での合意形成を支援する。また、民間団体も面会交流支援や養育費相談を実施しております。こうした民間団体を助成することも重要で、紛争予防の観点からは、合意形成支援は非常に重要だと考えております。
こうした点につきまして、本日は詳しく述べることはできませんので、二宮論文を参考資料四として提出しましたので、お時間があるときに是非御参照いただきたいと思います。
第三点目でございますけれども、家庭裁判所の整備、充実と運用の改善でございます。
今回の法案の内容からは家庭裁判所の役割が増大することが見込まれ、これに伴い、家庭裁判所の人的、物的整備、充実が必要で、予算措置が講じられるべきと思います。
家庭裁判所が扱う事件は実に多様でございます。いわゆる家事事件だけではなく、児童福祉法上の児童虐待事件、少年事件などがございますが、資料五を御覧いただきたいと思います。大部の資料を出してしまいましたけれども、資料五によりますと、家庭裁判所の事件数は、少年事件は減少しておりますものの、全体としては増加傾向にあります。しかし、次の資料六を御覧いただくと、家庭裁判所の裁判官、調査官の人数というものは多くはありません。
例えば、資料七によりますと、東京家庭裁判所の裁判官一人当たりの担当事件数は五百件と言われております。また、子どもの権利条約やこども基本法及び二〇二二年民法改正後の民法八百二十一条や今般の法案にもありますとおり、子供の人格の尊重のためには子供の意向や意思を十分に把握する必要がございますが、その点では、調査官調査が活用されるべきです。しかし、調査官の人数も限られております。
ちなみに、東京家裁の調査官の数は百十名となっておりますけれども、首席調査官一名のほかに、少年事件担当調査官が三十名、家事事件担当が七十九名となっております。しかも、家事事件の担当でも、成年後見事件、遺産分割担当の方もおられますので、七十九名の家事事件調査官が全て子の監護の事件を担当するというわけではございません。
さらに、その上に地域差というものもございます。地裁、家裁の兼務、裁判官が常駐していない支部、調査官が常駐していない支部もございます。子の監護事件に調査命令が出された事件についての割合は、調査官常駐庁では四四・五%でありますが、非常駐庁では三七・一%と、開きがあります。また、子供の意見聴取や試行的面会交流を実施するためには児童室が必要でございますが、児童室が設置されていない庁舎もございます。
家庭裁判所の施設面につきましては、私の調停委員としての個人的経験ということでございますけれども、調停室が不足していて次回期日を先延ばしにせざるを得ない場合があること、当事者である申立人及び相手方双方の待合室が不足して、廊下などに長椅子を置いて待機していただいているという状況がありますので、例えば、特に配慮を必要とする事案で当事者を調停室まで誘導しなければいけないというときに、非常に遠回りをして調停室まで連れていく、できるだけほかの人たちにお会いしないように、非常に調停委員としては苦労するというようなこともございます。
また、ウェブ調停も進んできてはおりますけれども、これに対応する調停室が不足しております。書記官に、次のウェブ調停はどこの調停室が使えますかと言うと、ちょっと待ってください、探してみますというような状況であります。また、ウェブ調停をするためのノートパソコンを書記官の方が調停室までかばんに入れて運んできて設置するという状態もあります。
そういう点を考えますと、設備の充実は非常に重要なことだと思いますけれども、家庭裁判所の整備、充実や運用の改善についても、三点ほど述べておきたいと思います。
1、家庭裁判所の人的充実、裁判官の増員とともに、家事事件についての専門性を高めていただく必要があります。調査官の増員も必要です。
家庭裁判所の実務運用につきましては、附帯決議にもありますとおり、当事者の安全確保が必要ですので、調停期日が開始する前に、DV、児童虐待に関するスクリーニングを実施する必要があります。子供の利益の確保の観点から、子供の意思を尊重すべきであり、調査官調査の活用、充実、より丁寧な子供の意向調査、身上調査の実施が必要であるとともに、子供の手続代理人の積極的活用も同時に必要です。なお、資料八を御覧いただいても、まだ手続代理人の選任件数が少ない状況ですので、子供の手続代理人の報酬についての公的助成も必要と思います。
家庭裁判所の物的充実につきましては、まず、調停室や待合室、面会交流試行室などの物的体制の拡充が必要です。特に、法案では、家事事件手続法百五十二条の三に、審判前の親子交流の試行的実施の規定が新設され、これに対応する面会交流試行室の拡充が必要となってきます。家庭裁判所の建物内にスペースがないというような場合は、公的機関あるいは民間機関の建物の借り上げ等も検討いただくことは可能ではないかと思います。また、IT化に対するインフラ整備も必要と思われます。
最後になりますが、諸外国では、家族法が改正されることに伴い、制度の整備、支援体制が急速に進んだとも言われております。日本でも同様に進むことを期待して、私の発言を終わらせていただきます。拍手
この発言だけを見る →現在、東京家庭裁判所の調停委員を務めております。本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、家族法を専門として教育、研究に携わってまいりましたが、今回の法案につきましては前向きに受け止めております。また、法制審議会において五項目にわたる附帯決議がなされたことにつきましても歓迎しております。
なお、今回、何点かの資料を添付させていただきましたが、資料一といたしましたのは、昨年十一月二十日に、家族法研究者を中心とする呼びかけ人が法務大臣宛てに、離婚後の共同親権導入に伴う法制度整備についての要望書を提出し、今年一月までに呼びかけ人及び賛同者を合わせて九十名となっております。また、賛同者の中には、泉徳治元最高裁判事、武川恵子元男女共同参画局長、林陽子元女性差別撤廃条約委員会委員長など、幅広い方々が含まれております。
本日は、法制審での附帯決議及び要望書にもある法制度整備や支援体制について、以下三点にわたり発言させていただきます。
まず、第一点、情報提供及び相談体制の必要性でございます。
今回の法改正は、広く私たちの家族全体に関わってきます。資料二の離婚に関する統計を御覧いただいても分かるとおり、婚姻件数の減少とともに離婚件数も減少傾向にはありますが、それでも婚姻の三組に一組が離婚しており、離婚は少数の家庭にのみ起こる特別な問題ではありません。また、父母の離婚を経験する子供たちは、離婚件数自体が減少している、それから少子化でもあるということで減少傾向にあるとはいえ、二〇二二年には十六万一千九百二人の子供たちが含まれており、この数字は毎年累積してまいります。父母の離婚を経験する子供が多数いるという中、子供の利益に十分に配慮がなされるべきだと考えております。
なお、家事調停の現場では、同居中の夫婦が当事者であるというケースも経験しております。資料三の家事調停・審判事件の統計を御覧いただいてもお分かりになると思いますけれども、婚姻中の夫婦間の事件、例えば婚姻費用分担事件であるとか面会交流事件など、一定数ございます。別居前後の段階から、情報提供、相談体制の整備が重要となってきます。
今回の法案には、別居中の夫婦間の意見対立の調整も含まれており、紛争予防の観点からは、早い段階で父母が葛藤を高めないようにすることが子の利益にもつながると思っております。家庭裁判所には、もう既に高葛藤になってしまってから訪れるという人たちがいっぱいいて、私どもも、そこのところから始めなければいけないという苦労がございますので、やはり父母が高葛藤にならないようにするということは重要と思っております。
そこで、具体的には、まず、今回の法改正の目的、趣旨について周知を図ること。特に、民法八百十七条の二に親の責務の規定が設けられ、親は、子の人格を尊重し、子の養育及び扶養の義務があること、父母は子の利益のためお互いの人格を尊重し協力しなければならないことがうたわれております。このことは広く私たち一般の人々に理解される必要があると思います。
さらに、今回の法案の内容を踏まえますと、別居時、離婚時にどのようなことを決めておく必要があるかということを、適切かつ正確な情報の提供を行うということが必要になってきます。こうしたことは、国レベルで実施するだけではなく、住民の生活に密接に関わる基礎自治体が実施している取組を支援強化するという形で応援していくということが大切です。
当事者が利用しやすい形で、法的な相談だけではなく、心理相談なども含めた相談体制を整えるということによって、当事者のエンパワーメントにつなげていただきたいというふうに思っているところでございます。
第二点目、協議離婚に関する法制度整備です。
離婚に関する統計を見て分かるとおり、二〇二二年では、離婚の八七・六%が協議離婚となっております。圧倒的多数の夫婦は協議離婚を選択しております。
他方で、令和三年全国ひとり親世帯等調査によりますと、離婚母子世帯について、協議離婚のケースでは、面会交流を現在も実施している者が三四・二%、父から養育費を現在も受給している者が二六・一%と、ほかの離婚のケースよりも低くなっております。
この点、例えば、私どもも韓国に訪問調査に行くことがございますけれども、韓国では、日本と同様に協議離婚という制度はありますが、協議離婚についても、家庭裁判所である家庭法院が関与し、子供の養育に関する合意書の作成を支援し、家庭法院の確認が必要とされております。
今回の法案においては、協議離婚に関して、公的関与の手続については見送られましたが、今後の検討課題となると思います。当面は、協議離婚の際に、離婚後の子の養育に関する適切な情報提供を実施し、受講を促進すること、例えば、離婚届出用紙に、最高裁や法務省などが提供している動画などのQRコードを掲載し、チェック欄を設けるというだけでも、そんなに予算もかからないことですし、実現可能ではないかというふうに考えております。
第一点と重複しますけれども、戸籍を担当する市区町村など地方自治体での取組を支援し、当事者間での合意形成を支援する。また、民間団体も面会交流支援や養育費相談を実施しております。こうした民間団体を助成することも重要で、紛争予防の観点からは、合意形成支援は非常に重要だと考えております。
こうした点につきまして、本日は詳しく述べることはできませんので、二宮論文を参考資料四として提出しましたので、お時間があるときに是非御参照いただきたいと思います。
第三点目でございますけれども、家庭裁判所の整備、充実と運用の改善でございます。
今回の法案の内容からは家庭裁判所の役割が増大することが見込まれ、これに伴い、家庭裁判所の人的、物的整備、充実が必要で、予算措置が講じられるべきと思います。
家庭裁判所が扱う事件は実に多様でございます。いわゆる家事事件だけではなく、児童福祉法上の児童虐待事件、少年事件などがございますが、資料五を御覧いただきたいと思います。大部の資料を出してしまいましたけれども、資料五によりますと、家庭裁判所の事件数は、少年事件は減少しておりますものの、全体としては増加傾向にあります。しかし、次の資料六を御覧いただくと、家庭裁判所の裁判官、調査官の人数というものは多くはありません。
例えば、資料七によりますと、東京家庭裁判所の裁判官一人当たりの担当事件数は五百件と言われております。また、子どもの権利条約やこども基本法及び二〇二二年民法改正後の民法八百二十一条や今般の法案にもありますとおり、子供の人格の尊重のためには子供の意向や意思を十分に把握する必要がございますが、その点では、調査官調査が活用されるべきです。しかし、調査官の人数も限られております。
ちなみに、東京家裁の調査官の数は百十名となっておりますけれども、首席調査官一名のほかに、少年事件担当調査官が三十名、家事事件担当が七十九名となっております。しかも、家事事件の担当でも、成年後見事件、遺産分割担当の方もおられますので、七十九名の家事事件調査官が全て子の監護の事件を担当するというわけではございません。
さらに、その上に地域差というものもございます。地裁、家裁の兼務、裁判官が常駐していない支部、調査官が常駐していない支部もございます。子の監護事件に調査命令が出された事件についての割合は、調査官常駐庁では四四・五%でありますが、非常駐庁では三七・一%と、開きがあります。また、子供の意見聴取や試行的面会交流を実施するためには児童室が必要でございますが、児童室が設置されていない庁舎もございます。
家庭裁判所の施設面につきましては、私の調停委員としての個人的経験ということでございますけれども、調停室が不足していて次回期日を先延ばしにせざるを得ない場合があること、当事者である申立人及び相手方双方の待合室が不足して、廊下などに長椅子を置いて待機していただいているという状況がありますので、例えば、特に配慮を必要とする事案で当事者を調停室まで誘導しなければいけないというときに、非常に遠回りをして調停室まで連れていく、できるだけほかの人たちにお会いしないように、非常に調停委員としては苦労するというようなこともございます。
また、ウェブ調停も進んできてはおりますけれども、これに対応する調停室が不足しております。書記官に、次のウェブ調停はどこの調停室が使えますかと言うと、ちょっと待ってください、探してみますというような状況であります。また、ウェブ調停をするためのノートパソコンを書記官の方が調停室までかばんに入れて運んできて設置するという状態もあります。
そういう点を考えますと、設備の充実は非常に重要なことだと思いますけれども、家庭裁判所の整備、充実や運用の改善についても、三点ほど述べておきたいと思います。
1、家庭裁判所の人的充実、裁判官の増員とともに、家事事件についての専門性を高めていただく必要があります。調査官の増員も必要です。
家庭裁判所の実務運用につきましては、附帯決議にもありますとおり、当事者の安全確保が必要ですので、調停期日が開始する前に、DV、児童虐待に関するスクリーニングを実施する必要があります。子供の利益の確保の観点から、子供の意思を尊重すべきであり、調査官調査の活用、充実、より丁寧な子供の意向調査、身上調査の実施が必要であるとともに、子供の手続代理人の積極的活用も同時に必要です。なお、資料八を御覧いただいても、まだ手続代理人の選任件数が少ない状況ですので、子供の手続代理人の報酬についての公的助成も必要と思います。
家庭裁判所の物的充実につきましては、まず、調停室や待合室、面会交流試行室などの物的体制の拡充が必要です。特に、法案では、家事事件手続法百五十二条の三に、審判前の親子交流の試行的実施の規定が新設され、これに対応する面会交流試行室の拡充が必要となってきます。家庭裁判所の建物内にスペースがないというような場合は、公的機関あるいは民間機関の建物の借り上げ等も検討いただくことは可能ではないかと思います。また、IT化に対するインフラ整備も必要と思われます。
最後になりますが、諸外国では、家族法が改正されることに伴い、制度の整備、支援体制が急速に進んだとも言われております。日本でも同様に進むことを期待して、私の発言を終わらせていただきます。拍手
武
斉
斉藤幸子#4
○斉藤参考人 参考人の斉藤と申します。
まず初めに、DV被害者としてこの場に立つに当たり、顔を出さない遮蔽措置、ボイスチェンジャーで声を変えること、そしてインターネット審議中継で顔を映さないことなど、特段の配慮をくださった議員の皆様、衆議院職員の皆様に深く御礼申し上げます。
こうした特別な措置が必要なのは、私が住所を秘匿して暮らしており、夫がいつ居場所を突き止め、目の前に現れるか分からない恐怖と隣り合わせの毎日を送っているからにほかなりません。今この瞬間、ネットでは、私が誰であるか犯人捜しのようなことが起こっているはずです。実際に、離婚後共同親権に懸念があると発信している人に対して、共同親権を望む人たちがその人の名前や顔をSNSなどでさらし、職場や実家に嫌がらせをしているということを知っています。もし私の身元がばれてしまったら、私と子供はおびえながら再び転居、転校、転職をしなければなりません。今日、この場に立つことはとても怖いです。ですが、声を上げられない日本中のたくさんのDVの被害者の仲間たちの応援を受けて、勇気を振り絞って、国会という公の場で思いを仲間の声も含めて伝えることに決めました。
私は、離婚後の子育てを両親そろってできることは理想的ですばらしいことだと思います。そして、現時点でもできている人たちがたくさんいることを知っています。しかし、離婚後に協力し合えない人たちにも協力し合うことを強制しようというのが今回の法改正です。DV、虐待を除外すると言われていますが、実際にDV被害を受けた者としては、現状の仕組みや社会の理解度を考えると安心はできず、毎日不安な思いで子育てしています。
まず、私の経験をお話しします。
私は、入籍直後、夫より遅く帰宅したことを理由に殴られました。それからは、殴る、蹴るはありませんでしたが、物を投げる、壊す、罵倒、監視、お金の制限、同意のない性行為といった暴力を受け続けました。
私は、夫を怒らせてしまうのは自分の頑張りが足りないんだと思って、耐えながら過ごしました。妊娠が発覚した後も、夫の暴力はやみませんでした。夫が暴れ、ぐちゃぐちゃになった家の中を、妊娠した大きなおなかで片づけ続けました。このまま産んでいいのだろうか、不安でいっぱいでした。
里帰り出産をしましたが、その後、子供に障害があることが分かりました。夫は私にこう言いました、障害はおまえのせいだ。その後も夫は、子供の前でも怒鳴り、育児は何もしませんでした。このままでは私が壊れる、子供を守れない、そう感じ、里帰りのまま別居しました。
別居後、友人に恥を忍んで夫が怖いことを相談すると、それはDVだよと言われ、DVを知りました。同居していた頃は自覚できませんでした。自覚していたとしても、自分を守るのに必死で、録音やメモを残せる状況ではありませんでした。もし録音がばれたら、激怒され、暴力がエスカレートするからです。今になってDVの証拠を出せと言われてもできません。
その後、夫は面会交流調停を、私は離婚調停を申し立てましたが、夫が、面会できなければ離婚しないと強く主張したので、家庭裁判所では面会交流の話ばかりが進みました。私は、手元に僅かに残っていた夫からの脅迫メールや配偶者暴力相談支援センターの記録、子供の主治医の意見書などを提出しました。そこにはこう記されています。妻は配偶者によるストレスで重度のうつであり、障害のある子供の監護に悪影響になるので、面会の負担を考慮すべき、子供は障害の状態から、面会交流は控えるべきだ。しかし、調停委員や裁判官は、それは離婚事由で、面会では理由になりませんねと言い、調査官も、子供に障害があっても、親がうつでも、面会には関係ないとはっきり言っていました。さらに、子供を別居親に会わせないなら親権は取れませんよとも言われました。恐怖と不安、絶望感でいっぱいでした。
私は、子供に無理をさせることはできないと訴え続け、争いました。面会交流を決めるだけで高裁まで行き、五年かかりました。弁護士費用や慰謝料など百万円以上かかりました。離婚は今もまだ成立していません。
離婚後共同親権導入の法案が成立し施行されたなら、また子供のことで裁判の毎日でしょう。子供を安心して育てたいだけなのに、別居親の同意を得るために裁判をし続けなければなりません。肉体的にも、精神的にも、経済的にも更に追い込まれます。弁護士費用が用意できなくなったら、夫の要求を拒否できる自信はありません。本来であれば、その時間、お金を子供に費やしたいです。子供の利益とは一体何なのでしょうか。
こうした経験は、決して私だけに限ったことではありません。ここから先は、ほかの方の経験談なども含めてお伝えします。
まず、お伝えしたいこと、それは、そもそも社会的にDVについての理解がないと感じます。実際に、グーではなくパーで殴られたのだからDVではない、血が出ていないからDVではない、しつけや教育のためだと言っているからDVではない、保護命令が出ていないからDVではないと思っている人がたくさんいます。一般の人だけではありません。裁判官や調停委員はDVの理解が乏しい、被害当事者の仲間たちは必ずと言っていいほどそう口にします。
DVの認定という意味では一番心配なのは、精神的DV、いわゆるモラルハラスメント事案です。現状、裁判所は事情を考慮してくれていません。誰のおかげで生活しているんだよと非難する、無視する、朝までの説教を続け反省文を書かせるDVもあります。さらには、親族や友人との連絡を取ることも認めない、生活費をくれない、性行為の強要もあります。これがずうっと続きます。これは単なる夫婦げんかではなく、人格否定、破壊です。
DV被害をやっとの思いで相談しても、あなたが選んで結婚した相手でしょうと理解してもらえず、二次被害を受けることが多いです。挙げ句の果ては、虚偽DVと言われたり、逃げたことを連れ去りと言われたりします。
そして、子供の気持ちが理解されていません。子供たちの意思やその子の生活を無視した面会交流が行われています。
私の知人は、離婚が成立し、裁判所から、養育費とバーターに面会交流を命じられました。そして、面会前後に子供が精神的に不安定になり、爪や指をかむ自傷行為をするようになってしまったという話を聞きました。この知人は、元夫から突き飛ばされたり壁を殴られたりするDVを受けており、子供もおびえていましたが、証拠が十分でなかったのか、家裁はそうした事情を酌み取ってくれず、面会交流を命令されたのです。
ほかには、同居中に乳児が骨折するまで暴行を受けたのに、面会を命じられた子供もいます。面会交流中に帰りたくなったのに、第三者機関の付添人に体を押さえられ帰れなかったことで、傷ついた子供もいます。面会交流中に父親から性的な虐待を繰り返し受けている子供もいます。
今でさえ、面会交流の場でつらい思いをしている子供がいることを知ってください。
法案では、父母が合意できない場合でも、家裁が共同親権を決定できる内容になっています。ですが、同居中ですら意見が合わない夫婦が、家裁に強制されて親権を共同行使できるのでしょうか。子供のためにと意見を合わせられるのでしょうか。
ある知人は言います。子供に療育を受けさせたかったが、夫が子供の障害を認めたがらず、療育を受けられなかった、子供は不登校になってしまい、育て方が悪いと責められた、離婚できたからこそ、今、子供が元気に特別支援学校に通えていますと。
離婚後も、子供の進学、海外旅行、ワクチン接種や病院での手術など、子供の成長の節目節目で別居親の同意が必要になります。これの一体どこが子供の利益になるというのでしょうか。
日本では、協議離婚が九割以上を占めます。協議離婚は話合いができる関係だと思われがちですが、DV事案も多く含まれています。当事者夫婦だけで決めているので、DVがあったとしても、第三者は、協議して離婚したんだとしか判断できません。離婚してほしいなら親権を譲れ、養育費を払わなくていいなら離婚してやってもいいと加害者に言われて、とにかく一日も早く別れたい一心で、相手の言い分を全部のんで離婚した話もよく聞きます。
離婚後共同親権が導入されれば、加害者は共同親権を交渉材料に利用して、離れてもDV、虐待が続き、逃げ場がなくなります。まさに今、離婚をめぐる協議の現場では、二年後に法が施行されたなら共同親権を主張してやるぞと夫から言われている当事者も存在します。
この法案で大変懸念される箇所がございます。単独での親権行使が可能な要件の一つに、急迫の事情があるときというのが挙げられています。急迫の事情がない限り、子の居所指定、つまり引っ越し先を夫婦で一緒に決めなければならないということだと思いますが、このままでは、DV被害当事者が子供を連れて避難することができなくなってしまうのではないでしょうか。離れたい相手からの許可を得てから逃げるなど、あり得ません。
DVは、一発殴られたから、はい、DV被害に遭いましたというわけではありません。継続した暴力に耐えられなくなり、ある日逃げようと決意します。着のみ着のまま逃げる人もいますが、多くは、子供の安全を確保するため、計画した上で逃げています。計画して逃げる場合も急迫に当たると判断してもらえるのでしょうか。私はこの法改正に反対ですが、せめて急迫の事情という一文は削除してください。
今後のDV被害者らの支援についても心配があります。両方の親が親権を持っている場合、相手の同意があるかどうかをめぐったトラブルを避けるため、学校や病院、行政や警察を含む支援機関が及び腰になることも予想されます。私たちDV被害当事者は、そうした方々に支えられています。ですが、親権の共同行使が明確化されると、支援関係の方々が親権の侵害だと訴訟を起こされ妨害を受けた結果、DV被害者と子供たちは誰も頼れず、孤立させられます。
あと二点、お伝えしたいことがあります。
一つ目。資料一を御覧ください。
兵庫県伊丹市では、二〇一七年、面会交流中に四歳の女の子が父親に殺害される事件が起きました。この子の母親は、DV被害を受け離婚、その後、面会交流調停を申し立てられました。調停でDV被害があったことを訴えましたが、調停委員から面会交流を勧められました。元夫につきまとわれる恐怖にさらされながらも、面会交流に送り出された日に娘さんは殺害されました。
そのお母さんが、法案審議の様子を知って、こうコメントを寄せてくださいました。
法律の知識がないまま、調停委員の方々の言うことを聞いて、面会交流を言われるままにするしかないと思いました。ですが、DVの証拠の写真を提出していたんだから、ちゃんと判断してほしかった。DVなどの声を上げられない人たちの事情を知って、ちゃんと理解してほしい。目の前の案件を片づけるんじゃなくて、DVの本質、実情を見てください。私は電話番号まで変えて逃げていたんです。
今も彼女の心には、四歳のままの、かわいい笑顔の娘さんが生き続けています。そして、自分のような被害者を二度と生んでほしくない、そう切に願っておられます。
この方のように、面会交流中に子供たちが命を落とすケースは、既に共同親権を導入している国では、これまでに九百八十五件報道されています。お手持ちの資料二を御覧ください。この事実をしっかりと検証する必要があると強く思います。
二つ目。
先週、三月二十九日の金曜日の夜には、共同親権の廃案を求める集会で、国会前に約七百人が集まりました。そこに集まったDV被害者の仲間たちは、夜にもかかわらず、みんな、マスクや帽子、サングラスなどで変装していました。警備員も依頼しました。それは、加害者が来ているかもしれませんし、共同親権を望む人たちが顔をSNSなどでさらし、嫌がらせするのが怖いからです。それでも、自分たちの声を何とか必死に伝えるために集まったのです。みんなで一生懸命書いた導入反対のパブリックコメントが無視されたので、もう表に出るしかないとせっぱ詰まっているのです。
皆様に心からお願いしたいです。この法案には、子供たち、私たちの命が懸かっています。もっともっともっと、慎重な御議論をお願いいたします。
以上です。拍手
この発言だけを見る →まず初めに、DV被害者としてこの場に立つに当たり、顔を出さない遮蔽措置、ボイスチェンジャーで声を変えること、そしてインターネット審議中継で顔を映さないことなど、特段の配慮をくださった議員の皆様、衆議院職員の皆様に深く御礼申し上げます。
こうした特別な措置が必要なのは、私が住所を秘匿して暮らしており、夫がいつ居場所を突き止め、目の前に現れるか分からない恐怖と隣り合わせの毎日を送っているからにほかなりません。今この瞬間、ネットでは、私が誰であるか犯人捜しのようなことが起こっているはずです。実際に、離婚後共同親権に懸念があると発信している人に対して、共同親権を望む人たちがその人の名前や顔をSNSなどでさらし、職場や実家に嫌がらせをしているということを知っています。もし私の身元がばれてしまったら、私と子供はおびえながら再び転居、転校、転職をしなければなりません。今日、この場に立つことはとても怖いです。ですが、声を上げられない日本中のたくさんのDVの被害者の仲間たちの応援を受けて、勇気を振り絞って、国会という公の場で思いを仲間の声も含めて伝えることに決めました。
私は、離婚後の子育てを両親そろってできることは理想的ですばらしいことだと思います。そして、現時点でもできている人たちがたくさんいることを知っています。しかし、離婚後に協力し合えない人たちにも協力し合うことを強制しようというのが今回の法改正です。DV、虐待を除外すると言われていますが、実際にDV被害を受けた者としては、現状の仕組みや社会の理解度を考えると安心はできず、毎日不安な思いで子育てしています。
まず、私の経験をお話しします。
私は、入籍直後、夫より遅く帰宅したことを理由に殴られました。それからは、殴る、蹴るはありませんでしたが、物を投げる、壊す、罵倒、監視、お金の制限、同意のない性行為といった暴力を受け続けました。
私は、夫を怒らせてしまうのは自分の頑張りが足りないんだと思って、耐えながら過ごしました。妊娠が発覚した後も、夫の暴力はやみませんでした。夫が暴れ、ぐちゃぐちゃになった家の中を、妊娠した大きなおなかで片づけ続けました。このまま産んでいいのだろうか、不安でいっぱいでした。
里帰り出産をしましたが、その後、子供に障害があることが分かりました。夫は私にこう言いました、障害はおまえのせいだ。その後も夫は、子供の前でも怒鳴り、育児は何もしませんでした。このままでは私が壊れる、子供を守れない、そう感じ、里帰りのまま別居しました。
別居後、友人に恥を忍んで夫が怖いことを相談すると、それはDVだよと言われ、DVを知りました。同居していた頃は自覚できませんでした。自覚していたとしても、自分を守るのに必死で、録音やメモを残せる状況ではありませんでした。もし録音がばれたら、激怒され、暴力がエスカレートするからです。今になってDVの証拠を出せと言われてもできません。
その後、夫は面会交流調停を、私は離婚調停を申し立てましたが、夫が、面会できなければ離婚しないと強く主張したので、家庭裁判所では面会交流の話ばかりが進みました。私は、手元に僅かに残っていた夫からの脅迫メールや配偶者暴力相談支援センターの記録、子供の主治医の意見書などを提出しました。そこにはこう記されています。妻は配偶者によるストレスで重度のうつであり、障害のある子供の監護に悪影響になるので、面会の負担を考慮すべき、子供は障害の状態から、面会交流は控えるべきだ。しかし、調停委員や裁判官は、それは離婚事由で、面会では理由になりませんねと言い、調査官も、子供に障害があっても、親がうつでも、面会には関係ないとはっきり言っていました。さらに、子供を別居親に会わせないなら親権は取れませんよとも言われました。恐怖と不安、絶望感でいっぱいでした。
私は、子供に無理をさせることはできないと訴え続け、争いました。面会交流を決めるだけで高裁まで行き、五年かかりました。弁護士費用や慰謝料など百万円以上かかりました。離婚は今もまだ成立していません。
離婚後共同親権導入の法案が成立し施行されたなら、また子供のことで裁判の毎日でしょう。子供を安心して育てたいだけなのに、別居親の同意を得るために裁判をし続けなければなりません。肉体的にも、精神的にも、経済的にも更に追い込まれます。弁護士費用が用意できなくなったら、夫の要求を拒否できる自信はありません。本来であれば、その時間、お金を子供に費やしたいです。子供の利益とは一体何なのでしょうか。
こうした経験は、決して私だけに限ったことではありません。ここから先は、ほかの方の経験談なども含めてお伝えします。
まず、お伝えしたいこと、それは、そもそも社会的にDVについての理解がないと感じます。実際に、グーではなくパーで殴られたのだからDVではない、血が出ていないからDVではない、しつけや教育のためだと言っているからDVではない、保護命令が出ていないからDVではないと思っている人がたくさんいます。一般の人だけではありません。裁判官や調停委員はDVの理解が乏しい、被害当事者の仲間たちは必ずと言っていいほどそう口にします。
DVの認定という意味では一番心配なのは、精神的DV、いわゆるモラルハラスメント事案です。現状、裁判所は事情を考慮してくれていません。誰のおかげで生活しているんだよと非難する、無視する、朝までの説教を続け反省文を書かせるDVもあります。さらには、親族や友人との連絡を取ることも認めない、生活費をくれない、性行為の強要もあります。これがずうっと続きます。これは単なる夫婦げんかではなく、人格否定、破壊です。
DV被害をやっとの思いで相談しても、あなたが選んで結婚した相手でしょうと理解してもらえず、二次被害を受けることが多いです。挙げ句の果ては、虚偽DVと言われたり、逃げたことを連れ去りと言われたりします。
そして、子供の気持ちが理解されていません。子供たちの意思やその子の生活を無視した面会交流が行われています。
私の知人は、離婚が成立し、裁判所から、養育費とバーターに面会交流を命じられました。そして、面会前後に子供が精神的に不安定になり、爪や指をかむ自傷行為をするようになってしまったという話を聞きました。この知人は、元夫から突き飛ばされたり壁を殴られたりするDVを受けており、子供もおびえていましたが、証拠が十分でなかったのか、家裁はそうした事情を酌み取ってくれず、面会交流を命令されたのです。
ほかには、同居中に乳児が骨折するまで暴行を受けたのに、面会を命じられた子供もいます。面会交流中に帰りたくなったのに、第三者機関の付添人に体を押さえられ帰れなかったことで、傷ついた子供もいます。面会交流中に父親から性的な虐待を繰り返し受けている子供もいます。
今でさえ、面会交流の場でつらい思いをしている子供がいることを知ってください。
法案では、父母が合意できない場合でも、家裁が共同親権を決定できる内容になっています。ですが、同居中ですら意見が合わない夫婦が、家裁に強制されて親権を共同行使できるのでしょうか。子供のためにと意見を合わせられるのでしょうか。
ある知人は言います。子供に療育を受けさせたかったが、夫が子供の障害を認めたがらず、療育を受けられなかった、子供は不登校になってしまい、育て方が悪いと責められた、離婚できたからこそ、今、子供が元気に特別支援学校に通えていますと。
離婚後も、子供の進学、海外旅行、ワクチン接種や病院での手術など、子供の成長の節目節目で別居親の同意が必要になります。これの一体どこが子供の利益になるというのでしょうか。
日本では、協議離婚が九割以上を占めます。協議離婚は話合いができる関係だと思われがちですが、DV事案も多く含まれています。当事者夫婦だけで決めているので、DVがあったとしても、第三者は、協議して離婚したんだとしか判断できません。離婚してほしいなら親権を譲れ、養育費を払わなくていいなら離婚してやってもいいと加害者に言われて、とにかく一日も早く別れたい一心で、相手の言い分を全部のんで離婚した話もよく聞きます。
離婚後共同親権が導入されれば、加害者は共同親権を交渉材料に利用して、離れてもDV、虐待が続き、逃げ場がなくなります。まさに今、離婚をめぐる協議の現場では、二年後に法が施行されたなら共同親権を主張してやるぞと夫から言われている当事者も存在します。
この法案で大変懸念される箇所がございます。単独での親権行使が可能な要件の一つに、急迫の事情があるときというのが挙げられています。急迫の事情がない限り、子の居所指定、つまり引っ越し先を夫婦で一緒に決めなければならないということだと思いますが、このままでは、DV被害当事者が子供を連れて避難することができなくなってしまうのではないでしょうか。離れたい相手からの許可を得てから逃げるなど、あり得ません。
DVは、一発殴られたから、はい、DV被害に遭いましたというわけではありません。継続した暴力に耐えられなくなり、ある日逃げようと決意します。着のみ着のまま逃げる人もいますが、多くは、子供の安全を確保するため、計画した上で逃げています。計画して逃げる場合も急迫に当たると判断してもらえるのでしょうか。私はこの法改正に反対ですが、せめて急迫の事情という一文は削除してください。
今後のDV被害者らの支援についても心配があります。両方の親が親権を持っている場合、相手の同意があるかどうかをめぐったトラブルを避けるため、学校や病院、行政や警察を含む支援機関が及び腰になることも予想されます。私たちDV被害当事者は、そうした方々に支えられています。ですが、親権の共同行使が明確化されると、支援関係の方々が親権の侵害だと訴訟を起こされ妨害を受けた結果、DV被害者と子供たちは誰も頼れず、孤立させられます。
あと二点、お伝えしたいことがあります。
一つ目。資料一を御覧ください。
兵庫県伊丹市では、二〇一七年、面会交流中に四歳の女の子が父親に殺害される事件が起きました。この子の母親は、DV被害を受け離婚、その後、面会交流調停を申し立てられました。調停でDV被害があったことを訴えましたが、調停委員から面会交流を勧められました。元夫につきまとわれる恐怖にさらされながらも、面会交流に送り出された日に娘さんは殺害されました。
そのお母さんが、法案審議の様子を知って、こうコメントを寄せてくださいました。
法律の知識がないまま、調停委員の方々の言うことを聞いて、面会交流を言われるままにするしかないと思いました。ですが、DVの証拠の写真を提出していたんだから、ちゃんと判断してほしかった。DVなどの声を上げられない人たちの事情を知って、ちゃんと理解してほしい。目の前の案件を片づけるんじゃなくて、DVの本質、実情を見てください。私は電話番号まで変えて逃げていたんです。
今も彼女の心には、四歳のままの、かわいい笑顔の娘さんが生き続けています。そして、自分のような被害者を二度と生んでほしくない、そう切に願っておられます。
この方のように、面会交流中に子供たちが命を落とすケースは、既に共同親権を導入している国では、これまでに九百八十五件報道されています。お手持ちの資料二を御覧ください。この事実をしっかりと検証する必要があると強く思います。
二つ目。
先週、三月二十九日の金曜日の夜には、共同親権の廃案を求める集会で、国会前に約七百人が集まりました。そこに集まったDV被害者の仲間たちは、夜にもかかわらず、みんな、マスクや帽子、サングラスなどで変装していました。警備員も依頼しました。それは、加害者が来ているかもしれませんし、共同親権を望む人たちが顔をSNSなどでさらし、嫌がらせするのが怖いからです。それでも、自分たちの声を何とか必死に伝えるために集まったのです。みんなで一生懸命書いた導入反対のパブリックコメントが無視されたので、もう表に出るしかないとせっぱ詰まっているのです。
皆様に心からお願いしたいです。この法案には、子供たち、私たちの命が懸かっています。もっともっともっと、慎重な御議論をお願いいたします。
以上です。拍手
武
し
しばはし聡子#6
○しばはし参考人 皆様、おはようございます。一般社団法人りむすび代表のしばはし聡子と申します。
本日は、このような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
私からは、共同養育の支援者の立場として、離婚で悩む父母そして子供と関わる中で見えている景色を踏まえた上で見解を述べさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、私がなぜこの共同養育支援というものを行っているかといいますと、実は私自身が離婚経験者で、共同養育に非常に後ろ向きな母親でした。当時、夫と関わりたくないという思いがありました。調停で非常にもめました。ですので、夫と関わりたくないから、息子と父親を会わせることに後ろ向きでおりました。その関係で、息子が非常に気持ちが不安定になってしまった。その後悔をきっかけに、私のような、子供を量産させてはいけない、そんな思いで、離婚した後も親子関係、そして親同士の関係も続いていくんだということを世の中に広めたい、そんな思いがありまして、この団体を立ち上げて活動しております。
子供が望むのは、何よりも親同士が争わないことです。そのために、私どもは、争うよりも歩み寄りをということをモットーに、もちろん離婚しないにこしたことはありませんが、争わない離婚、そして争わない共同養育に向けて、別居前から離婚後、そして再婚後までの親御さんに向けたサポートを行っております。
今回、共同親権導入に向けた議論がされている中で、まず大前提として、子供にとって父母であることは離婚しても変わらない、そして親子関係は続くという観点から、共同親権というものを導入することで、世の中、離婚すると一人親だと思われがちなんですが、まずは、離婚しても二人が父母なのだ、二人親なのだということが、固定観念として変わっていく。そのことも踏まえて、共同親権というものの導入をされることは私は賛成をしております。そして、共同養育が円滑に、スムーズに実践されるきっかけにもなるというふうに考えております。
とはいえ、離婚するほどの夫婦です。共同親権で共同に権利を行使することなんてとても難しいとおっしゃられる方がいらっしゃるのも当然だと思います。
今からちょっと三ケースほど、我々のところに来られるケースを御紹介いたします。
まず一点目、いわゆる高葛藤ケースというものです。主に奥様が夫からの精神的DVと言われるもので非常に高圧的な思いをされてしまって、子供を連れて出ざるを得ないという状況まで追い込まれてしまって、夫と関わりたくない、関わることが困難だということで、子供を会わせることも非常に怖いというふうに思われている、主に同居親の女性ですね。
その一方で、ある日突然、妻子が家からいなくなり、子供はどうなってしまったんだろうと非常に不安な思いをし、子供に会わせてほしいと主に調停や裁判などで訴える、そのような方々は別居親さんなんですが、連れ去りという用語を使われて、連れ去りは誘拐だなんというようなことを発信されたりしています。当然、このケースですと、同居親の方は絶対に単独親権、そして、別居親の方は共同親権を導入してほしい、まず、ここは一番の対立構造があるケースです。
そして、二点目なんですけれども、共同親権で共同養育をして離婚をしたいというような御夫婦も最近は増えています。夫婦は破綻しているんですが、親子関係は継続したいですし、父母として育児分担を行っていきたいというようなケースです。
しかしながら、話合いがうまくできない、そして、一つ司法の場に乗ってしまうと争いになりかねないというような方々も多くお見えになられています。このような方は、共同親権になるまで離婚を棚上げされるか、又は、単独親権の中離婚をされて、共同親権が導入されたら親権者変更を行うというような合意書を交わしていらっしゃるような御夫婦もいらっしゃいます。
そして、三点目ですね。共同親権を持って、相手にきちんと親の自覚を持ってもらいたいというようなケースです。主に女性の同居親の方が、相手にきちんと子供と関わってもらいたい、そして、養育費も支払ってもらいたいという思いがおありです。
一方で、無関心層といいますか、お子さんのことは関わりたいと思いつつも、妻から解放されたいなんという思いから子育てを放棄しよう、無関心な方というのも一定数いらっしゃいます。
これらの方々は、共同親権というのを非常に求めていらっしゃるというケースになります。
そんな中、今回の議論の焦点というのは、共同親権、単独親権、父母で意見が分かれたときにどのように判断をしていくのかというところになるかと思うんですが、法案を拝読しますと、裁判所での裁量になってくると。そこで私たちも非常に関心があるのは、精神的DVというところをどのような評価基準で見極めていくのかというところですね。
法案を拝見しますと、父母はお互いに人格を尊重し協力する必要がある、そして、親子関係のみならず、父母の関係その他のこと一切の事情を考慮して判断していくという中で、この見極めというのをどのように行っていくかというところなんですが、我々、高葛藤な同居親、別居親の数々の支援を通している中で、このような方ですと共同親権ないしは共同監護が可能、いや、このような方はなかなか難しいんじゃないかということを、あくまで現場レベルではありますけれども、是非共有させてください。
まずもって、平易な言葉ですが、協力的か協力的ではないかというところに分類されると思います。もう少し分解してお話ししますと、まず協力的な同居親がどのような方かと申しますと、夫とは関わりたくない、離婚するほど嫌いな相手でも、夫婦の感情と親子関係を切り分けることができる方、そして、感情としては嫌かもしれないんですけれども、きちんと相手との親子交流というものを自主的に行おうとされている方、そして、相手と関わることが難しいのであれば、上手に支援なども活用を試みようとされているような方ですね。
一方で、では、協力的な別居親はどのような方かと申しますと、主に高葛藤ケースですと、ある日突然妻子がいなくなるというようなケースが多いわけなんですが、相手が出ていったときに、なぜ出ていったと相手を責めるのではなく、自分が何が至らなかったかと自責の念、自分にちゃんと向き合って、そして相手に謝罪をしたり、改善をされるような方も一定数いらっしゃるんです。そのような方は、例えば、相手がどうしても離婚したいというのであれば、子供と会えることはもちろん条件になるかと思うんですが、相手の意向を受け入れる、そして、係争を長期化させないというような方もいらっしゃいます。そして、相手の意向を尊重していく。必要に応じて、相手が支援を使いたいという場合には支援団体を利用するということも受け入れるというような方が協力的な別居親というふうに我々は感じております。
一方で、非協力的な方、非協力的な同居親がどのような方かと申しますと、父母の感情面の関係と親子関係をなかなかやはり切り離すことが難しい。そして、つい子供に悪口を言ってしまったり、できるだけ自分自身が関わりたくないから子供も関わりたくないのだということで、子供を比較的、ちょっと所有物化といいますか、そのような観点になってしまっているような方もいらっしゃいます。
一方で、非協力的な別居親ですね。これは、例えば妻子が家を出てしまったときに、相手が悪い、自分は何も悪いことをしていないという他責の念、相手が悪い、相手の代理人が悪い、社会が悪い、法律が悪い、そしてひいては自分の代理人が悪いと他責の念にとらわれ、誰かを攻撃、支配しようとする。そして、自分の思いどおりにならないことによって係争を長期化させてしまって、ともすれば、支援を拒絶するなんということもございます。そのような方々は非協力的なタイプの方なのではないかな、そうしますと、なかなか共同親権というのは難しいのかなと思います。
ただ、一つ言いたいのが、離婚するほどなので、最初は非協力的な思いがあっても致し方ないと思うんですね。ただ、別居、離婚を通して、お子さんのことを考えたり、相手の立場を尊重するような気持ちに変容していく方も一定数いらっしゃるということはお知りおきいただければいいなというふうに感じるところです。
では、共同親権を導入するに当たって課題もあると感じております。司法の改革と支援の強化になります。
では、まず一点目、司法ですね。
ここはちょっと三点申し上げたいんですけれども、御相談者の中にも、司法のレールに乗って、本当は謝りたかっただけなのに、なぜか争いになってしまう、そのような方が多くいらっしゃったりもしています。是非、悪化させない、争わせない離婚協議ができるような司法改革をしていただきたいなと思っております。
構造上の問題なのかもしれませんが、いきなり条件を決める、そこによって葛藤はより上がっていきます。ではなく、例えばカウンセリング前置主義を取るですとか、調停の一回目はわだかまりを解消することに特化するですとか、そのことによって、例えば、悪かった、至らなかったことを謝るですとか、何かそのような機会が一つあるだけでも条件を決めやすくなると思います。
そして、何より争わせない協議をできるように司法関係者が導いていただけるようなお立場になっていただきたい、司法関係者、弁護士も含めてですね。子供がいる限りは、父母であって、関係が続いていきます。であれば、司法の場で争わせて、離婚した後にいきなり円滑な共同養育をせよ、それは無理な話なんです。ですので、話合いの時点でいかに争わせないかということが非常に肝になっていきます。
そして、協議の方法の選択肢ですね。当事者同士で協議ができない場合に、弁護士をつけてすぐに裁判所なのかというと、その間、当事者以上裁判所未満といいますか、ADRという方法がございます。皆さん御存じかと思います。我々も行っておりますが、カウンセリングを重視した後に条件を決めていくと、非常に有意義な話合いが行われて、父母の関係性を構築しやすくなっております。
そして、最後、どうしてもやはり葛藤が上がるのが、長期による親子の引き離しなのではないかなというふうに見ています。どうしても、調停ですと、お金のことですとか条件を決めることを先に話し合って、その間に子供に会えない側の別居親というのはどんどん葛藤が上がって、条件ものまなくなっていく。同居親側は何で私の条件をのんでくれないのと、お互い、どちらが悪いということではなく、話合いの進め方によって葛藤が上がってしまっているんです。
お子さんに身体的な暴力があったりするときにはもちろん更生が必要になります。ではない場合、夫婦の問題で長期化してしまっているのであれば、いち早くまずは交流をする、その後にいろいろ条件を決めていくという順番でお話合いをされた方が建設的なのではないでしょうかと思う次第です。
そして、次は支援の強化ですね。これは、夫婦から父母になっていく関係性を構築していくための支援を強化していただきたい。
まず、別居中は、弁護士がいたり、裁判所で調停委員がお話をしてくれるので、何とか自分の意見を書面で通すことができますが、離婚した後にいきなり当事者同士でお話合いをすることが非常に困難になっていきます。
我々は、離婚後も父母のお話合いの仲介の支援などを行っております。もちろん非弁はできませんので、交渉はできないんですが、伝え方を少し柔らかくするなどをして相手に伝える、そのような相互のことを行っていることで、比較的わだかまりが解消し、ひいては支援を卒業することなどもできます。
離婚後にちょっとした変更を行いたい、例えば面会交流を、二回を三回に変えるだとか、そのようなことを私たちはできないんですよね。かといって、また弁護士をつけて裁判所に戻る、また葛藤が上がってしまう。であれば、全国で、ADRのようなお話合いの場。もしかしたら、ADRを使わなくても、お互いで、第三者が入ればお話合いができるような夫婦だっていらっしゃると思います。
ですので、我々も行っておりますが、ペアカウンセリング。ないしは、お話合いがスムーズに進まなければ、弁護士を介したADRなどもあるんだよということを国を挙げて普及をしていく必要があると思います。
そして、二つ目、共同養育。
この言葉というのは、共同という言葉で非常に懸念される方が多いと思います、仲よくやらなきゃいけないのと。そんなことはなくて、高葛藤で没交渉の方々も支援などを使うことによって共同養育というのはできるんです。子供にとって大事なのは、相手の悪口を言わずに自由に会える環境を整えること。であれば、親同士が仲悪くても、やり取りしなくても、共同養育というのはできるわけなんですね。
ただ、なかなか、共同養育は大事です、子供のためにやりましょうというような知識だけ植え付けられたとしても、うちは違うからできないというふうに他人事になってしまいがち。ではなく、いろいろなフェーズの共同養育という形があるんだよという実践的なものを学ぶ場、我々は提供しておりますが、幾つもいろいろな形がある多様化なんだよということを離婚前、ないしはできれば別居前ですね、に知っていただくような機会をつくられてはいかがでしょうか。
そして、我々は行っているんですが、共同養育を行うのに大事なのは、相手側を知ることなんです。世の中には、同じ立場の人で集まる別居親団体、同居親団体、たくさんあります。もちろん、自助作用としては大事なんですけれども、ともすれば、相手が悪い、自分たちはかわいそうねと被害者意識になりがち、これでは共同養育というのはできないんですね。
相手の側の立場を知ること、これは何が大事かといいますと、かといって、自分の配偶者に直接お話を聞くことはできない。であれば、自分の配偶者と同じ立場の他者と交流するわけです。我々は、同居親と別居親を集めたコミュニティーを運営しております。中には、非常に妻に対して怒り、そして夫に対して嫌悪感を持たれているような方々もいらっしゃいますが、相手側の立場を知ることで、いや、もう少し子供を会わせてみようかなですとか、余り妻を責めるのはやめようですとか、そのような作用が行われるということで、このような支援というのも必要になってくるのではないかと思います。
そして、最後、行政ですね。
一人親支援、非常に特化されてされている。これは非常に大事だと思います。被害者支援そして経済的支援、就労支援、もちろん大事です。ただ、共同養育をしたいと思われている方でしたり、共同養育をできるんじゃないかなというような方が御相談に来られたときも、一人で育てるためのことだけのアドバイスだけではなく、もう少し引き出しを持って、この方々には二人親支援を、どのように二人親で育てていくかをアドバイスできるような、そのような引き出しを持つための知見を行政の方も、支援員でしたり職員でしたり相談員ですかね、が知っていただくような機会ですね、研修制度などを用いられるのがよろしいのかなと思います。
最後になりますが、もう一度申し上げますと、子供が望んでいることは、両親が争わないことなんです。共同親権導入の旗を掲げることによって、もしかしたら、当事者は協力し合わないといけないというような意識改革が進むかもしれません。そして、司法も、争わせてはいけない、争わないような話合いをしなくてはいけないということでスキームが確立するかもしれません。そして、何より社会が、離婚した後も一人ではなく二人なんだ、親は二人なんだということは浸透するでしょう。これって、子供が望む、親が争わない社会を実現できることになると思われないでしょうか。私はそう思います。
もちろん、非協力的な、攻撃的な方も一定数いらっしゃいます。変わらない方もいらっしゃいます。そのような方々は単独で、一択でいいですし、監護者になれなくても致し方ないと思いますが、グレーゾーンというか、争うつもりはないけれども、いつの間にか争ってしまったという方を引き上げるような支援強化、司法改革を是非していただくことが必要かと。
今、この法改正という潮目に私も僭越ながら立たせていただいておりますが、離婚は争いだというこのあしき文化をここにいる私たちのこの世代で変えることによって、次世代が、結婚というのはいいものだな、子供を産むのもいいことだな、万が一離婚になっても、このような形もあるんだなということを是非引き継いでいきたいという思いを私は強く抱いております。それは、子供にとって一番の、子の福祉に資することなのではないかなと思う次第です。
御清聴いただきましてありがとうございます。私からは以上となります。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
私からは、共同養育の支援者の立場として、離婚で悩む父母そして子供と関わる中で見えている景色を踏まえた上で見解を述べさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、私がなぜこの共同養育支援というものを行っているかといいますと、実は私自身が離婚経験者で、共同養育に非常に後ろ向きな母親でした。当時、夫と関わりたくないという思いがありました。調停で非常にもめました。ですので、夫と関わりたくないから、息子と父親を会わせることに後ろ向きでおりました。その関係で、息子が非常に気持ちが不安定になってしまった。その後悔をきっかけに、私のような、子供を量産させてはいけない、そんな思いで、離婚した後も親子関係、そして親同士の関係も続いていくんだということを世の中に広めたい、そんな思いがありまして、この団体を立ち上げて活動しております。
子供が望むのは、何よりも親同士が争わないことです。そのために、私どもは、争うよりも歩み寄りをということをモットーに、もちろん離婚しないにこしたことはありませんが、争わない離婚、そして争わない共同養育に向けて、別居前から離婚後、そして再婚後までの親御さんに向けたサポートを行っております。
今回、共同親権導入に向けた議論がされている中で、まず大前提として、子供にとって父母であることは離婚しても変わらない、そして親子関係は続くという観点から、共同親権というものを導入することで、世の中、離婚すると一人親だと思われがちなんですが、まずは、離婚しても二人が父母なのだ、二人親なのだということが、固定観念として変わっていく。そのことも踏まえて、共同親権というものの導入をされることは私は賛成をしております。そして、共同養育が円滑に、スムーズに実践されるきっかけにもなるというふうに考えております。
とはいえ、離婚するほどの夫婦です。共同親権で共同に権利を行使することなんてとても難しいとおっしゃられる方がいらっしゃるのも当然だと思います。
今からちょっと三ケースほど、我々のところに来られるケースを御紹介いたします。
まず一点目、いわゆる高葛藤ケースというものです。主に奥様が夫からの精神的DVと言われるもので非常に高圧的な思いをされてしまって、子供を連れて出ざるを得ないという状況まで追い込まれてしまって、夫と関わりたくない、関わることが困難だということで、子供を会わせることも非常に怖いというふうに思われている、主に同居親の女性ですね。
その一方で、ある日突然、妻子が家からいなくなり、子供はどうなってしまったんだろうと非常に不安な思いをし、子供に会わせてほしいと主に調停や裁判などで訴える、そのような方々は別居親さんなんですが、連れ去りという用語を使われて、連れ去りは誘拐だなんというようなことを発信されたりしています。当然、このケースですと、同居親の方は絶対に単独親権、そして、別居親の方は共同親権を導入してほしい、まず、ここは一番の対立構造があるケースです。
そして、二点目なんですけれども、共同親権で共同養育をして離婚をしたいというような御夫婦も最近は増えています。夫婦は破綻しているんですが、親子関係は継続したいですし、父母として育児分担を行っていきたいというようなケースです。
しかしながら、話合いがうまくできない、そして、一つ司法の場に乗ってしまうと争いになりかねないというような方々も多くお見えになられています。このような方は、共同親権になるまで離婚を棚上げされるか、又は、単独親権の中離婚をされて、共同親権が導入されたら親権者変更を行うというような合意書を交わしていらっしゃるような御夫婦もいらっしゃいます。
そして、三点目ですね。共同親権を持って、相手にきちんと親の自覚を持ってもらいたいというようなケースです。主に女性の同居親の方が、相手にきちんと子供と関わってもらいたい、そして、養育費も支払ってもらいたいという思いがおありです。
一方で、無関心層といいますか、お子さんのことは関わりたいと思いつつも、妻から解放されたいなんという思いから子育てを放棄しよう、無関心な方というのも一定数いらっしゃいます。
これらの方々は、共同親権というのを非常に求めていらっしゃるというケースになります。
そんな中、今回の議論の焦点というのは、共同親権、単独親権、父母で意見が分かれたときにどのように判断をしていくのかというところになるかと思うんですが、法案を拝読しますと、裁判所での裁量になってくると。そこで私たちも非常に関心があるのは、精神的DVというところをどのような評価基準で見極めていくのかというところですね。
法案を拝見しますと、父母はお互いに人格を尊重し協力する必要がある、そして、親子関係のみならず、父母の関係その他のこと一切の事情を考慮して判断していくという中で、この見極めというのをどのように行っていくかというところなんですが、我々、高葛藤な同居親、別居親の数々の支援を通している中で、このような方ですと共同親権ないしは共同監護が可能、いや、このような方はなかなか難しいんじゃないかということを、あくまで現場レベルではありますけれども、是非共有させてください。
まずもって、平易な言葉ですが、協力的か協力的ではないかというところに分類されると思います。もう少し分解してお話ししますと、まず協力的な同居親がどのような方かと申しますと、夫とは関わりたくない、離婚するほど嫌いな相手でも、夫婦の感情と親子関係を切り分けることができる方、そして、感情としては嫌かもしれないんですけれども、きちんと相手との親子交流というものを自主的に行おうとされている方、そして、相手と関わることが難しいのであれば、上手に支援なども活用を試みようとされているような方ですね。
一方で、では、協力的な別居親はどのような方かと申しますと、主に高葛藤ケースですと、ある日突然妻子がいなくなるというようなケースが多いわけなんですが、相手が出ていったときに、なぜ出ていったと相手を責めるのではなく、自分が何が至らなかったかと自責の念、自分にちゃんと向き合って、そして相手に謝罪をしたり、改善をされるような方も一定数いらっしゃるんです。そのような方は、例えば、相手がどうしても離婚したいというのであれば、子供と会えることはもちろん条件になるかと思うんですが、相手の意向を受け入れる、そして、係争を長期化させないというような方もいらっしゃいます。そして、相手の意向を尊重していく。必要に応じて、相手が支援を使いたいという場合には支援団体を利用するということも受け入れるというような方が協力的な別居親というふうに我々は感じております。
一方で、非協力的な方、非協力的な同居親がどのような方かと申しますと、父母の感情面の関係と親子関係をなかなかやはり切り離すことが難しい。そして、つい子供に悪口を言ってしまったり、できるだけ自分自身が関わりたくないから子供も関わりたくないのだということで、子供を比較的、ちょっと所有物化といいますか、そのような観点になってしまっているような方もいらっしゃいます。
一方で、非協力的な別居親ですね。これは、例えば妻子が家を出てしまったときに、相手が悪い、自分は何も悪いことをしていないという他責の念、相手が悪い、相手の代理人が悪い、社会が悪い、法律が悪い、そしてひいては自分の代理人が悪いと他責の念にとらわれ、誰かを攻撃、支配しようとする。そして、自分の思いどおりにならないことによって係争を長期化させてしまって、ともすれば、支援を拒絶するなんということもございます。そのような方々は非協力的なタイプの方なのではないかな、そうしますと、なかなか共同親権というのは難しいのかなと思います。
ただ、一つ言いたいのが、離婚するほどなので、最初は非協力的な思いがあっても致し方ないと思うんですね。ただ、別居、離婚を通して、お子さんのことを考えたり、相手の立場を尊重するような気持ちに変容していく方も一定数いらっしゃるということはお知りおきいただければいいなというふうに感じるところです。
では、共同親権を導入するに当たって課題もあると感じております。司法の改革と支援の強化になります。
では、まず一点目、司法ですね。
ここはちょっと三点申し上げたいんですけれども、御相談者の中にも、司法のレールに乗って、本当は謝りたかっただけなのに、なぜか争いになってしまう、そのような方が多くいらっしゃったりもしています。是非、悪化させない、争わせない離婚協議ができるような司法改革をしていただきたいなと思っております。
構造上の問題なのかもしれませんが、いきなり条件を決める、そこによって葛藤はより上がっていきます。ではなく、例えばカウンセリング前置主義を取るですとか、調停の一回目はわだかまりを解消することに特化するですとか、そのことによって、例えば、悪かった、至らなかったことを謝るですとか、何かそのような機会が一つあるだけでも条件を決めやすくなると思います。
そして、何より争わせない協議をできるように司法関係者が導いていただけるようなお立場になっていただきたい、司法関係者、弁護士も含めてですね。子供がいる限りは、父母であって、関係が続いていきます。であれば、司法の場で争わせて、離婚した後にいきなり円滑な共同養育をせよ、それは無理な話なんです。ですので、話合いの時点でいかに争わせないかということが非常に肝になっていきます。
そして、協議の方法の選択肢ですね。当事者同士で協議ができない場合に、弁護士をつけてすぐに裁判所なのかというと、その間、当事者以上裁判所未満といいますか、ADRという方法がございます。皆さん御存じかと思います。我々も行っておりますが、カウンセリングを重視した後に条件を決めていくと、非常に有意義な話合いが行われて、父母の関係性を構築しやすくなっております。
そして、最後、どうしてもやはり葛藤が上がるのが、長期による親子の引き離しなのではないかなというふうに見ています。どうしても、調停ですと、お金のことですとか条件を決めることを先に話し合って、その間に子供に会えない側の別居親というのはどんどん葛藤が上がって、条件ものまなくなっていく。同居親側は何で私の条件をのんでくれないのと、お互い、どちらが悪いということではなく、話合いの進め方によって葛藤が上がってしまっているんです。
お子さんに身体的な暴力があったりするときにはもちろん更生が必要になります。ではない場合、夫婦の問題で長期化してしまっているのであれば、いち早くまずは交流をする、その後にいろいろ条件を決めていくという順番でお話合いをされた方が建設的なのではないでしょうかと思う次第です。
そして、次は支援の強化ですね。これは、夫婦から父母になっていく関係性を構築していくための支援を強化していただきたい。
まず、別居中は、弁護士がいたり、裁判所で調停委員がお話をしてくれるので、何とか自分の意見を書面で通すことができますが、離婚した後にいきなり当事者同士でお話合いをすることが非常に困難になっていきます。
我々は、離婚後も父母のお話合いの仲介の支援などを行っております。もちろん非弁はできませんので、交渉はできないんですが、伝え方を少し柔らかくするなどをして相手に伝える、そのような相互のことを行っていることで、比較的わだかまりが解消し、ひいては支援を卒業することなどもできます。
離婚後にちょっとした変更を行いたい、例えば面会交流を、二回を三回に変えるだとか、そのようなことを私たちはできないんですよね。かといって、また弁護士をつけて裁判所に戻る、また葛藤が上がってしまう。であれば、全国で、ADRのようなお話合いの場。もしかしたら、ADRを使わなくても、お互いで、第三者が入ればお話合いができるような夫婦だっていらっしゃると思います。
ですので、我々も行っておりますが、ペアカウンセリング。ないしは、お話合いがスムーズに進まなければ、弁護士を介したADRなどもあるんだよということを国を挙げて普及をしていく必要があると思います。
そして、二つ目、共同養育。
この言葉というのは、共同という言葉で非常に懸念される方が多いと思います、仲よくやらなきゃいけないのと。そんなことはなくて、高葛藤で没交渉の方々も支援などを使うことによって共同養育というのはできるんです。子供にとって大事なのは、相手の悪口を言わずに自由に会える環境を整えること。であれば、親同士が仲悪くても、やり取りしなくても、共同養育というのはできるわけなんですね。
ただ、なかなか、共同養育は大事です、子供のためにやりましょうというような知識だけ植え付けられたとしても、うちは違うからできないというふうに他人事になってしまいがち。ではなく、いろいろなフェーズの共同養育という形があるんだよという実践的なものを学ぶ場、我々は提供しておりますが、幾つもいろいろな形がある多様化なんだよということを離婚前、ないしはできれば別居前ですね、に知っていただくような機会をつくられてはいかがでしょうか。
そして、我々は行っているんですが、共同養育を行うのに大事なのは、相手側を知ることなんです。世の中には、同じ立場の人で集まる別居親団体、同居親団体、たくさんあります。もちろん、自助作用としては大事なんですけれども、ともすれば、相手が悪い、自分たちはかわいそうねと被害者意識になりがち、これでは共同養育というのはできないんですね。
相手の側の立場を知ること、これは何が大事かといいますと、かといって、自分の配偶者に直接お話を聞くことはできない。であれば、自分の配偶者と同じ立場の他者と交流するわけです。我々は、同居親と別居親を集めたコミュニティーを運営しております。中には、非常に妻に対して怒り、そして夫に対して嫌悪感を持たれているような方々もいらっしゃいますが、相手側の立場を知ることで、いや、もう少し子供を会わせてみようかなですとか、余り妻を責めるのはやめようですとか、そのような作用が行われるということで、このような支援というのも必要になってくるのではないかと思います。
そして、最後、行政ですね。
一人親支援、非常に特化されてされている。これは非常に大事だと思います。被害者支援そして経済的支援、就労支援、もちろん大事です。ただ、共同養育をしたいと思われている方でしたり、共同養育をできるんじゃないかなというような方が御相談に来られたときも、一人で育てるためのことだけのアドバイスだけではなく、もう少し引き出しを持って、この方々には二人親支援を、どのように二人親で育てていくかをアドバイスできるような、そのような引き出しを持つための知見を行政の方も、支援員でしたり職員でしたり相談員ですかね、が知っていただくような機会ですね、研修制度などを用いられるのがよろしいのかなと思います。
最後になりますが、もう一度申し上げますと、子供が望んでいることは、両親が争わないことなんです。共同親権導入の旗を掲げることによって、もしかしたら、当事者は協力し合わないといけないというような意識改革が進むかもしれません。そして、司法も、争わせてはいけない、争わないような話合いをしなくてはいけないということでスキームが確立するかもしれません。そして、何より社会が、離婚した後も一人ではなく二人なんだ、親は二人なんだということは浸透するでしょう。これって、子供が望む、親が争わない社会を実現できることになると思われないでしょうか。私はそう思います。
もちろん、非協力的な、攻撃的な方も一定数いらっしゃいます。変わらない方もいらっしゃいます。そのような方々は単独で、一択でいいですし、監護者になれなくても致し方ないと思いますが、グレーゾーンというか、争うつもりはないけれども、いつの間にか争ってしまったという方を引き上げるような支援強化、司法改革を是非していただくことが必要かと。
今、この法改正という潮目に私も僭越ながら立たせていただいておりますが、離婚は争いだというこのあしき文化をここにいる私たちのこの世代で変えることによって、次世代が、結婚というのはいいものだな、子供を産むのもいいことだな、万が一離婚になっても、このような形もあるんだなということを是非引き継いでいきたいという思いを私は強く抱いております。それは、子供にとって一番の、子の福祉に資することなのではないかなと思う次第です。
御清聴いただきましてありがとうございます。私からは以上となります。拍手
武
山
山口亮子#8
○山口参考人 おはようございます。関西学院大学の山口亮子と申します。
本日は、参考人として意見を述べる機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私は、法学部において民法を担当しておりますが、研究に関しましては、アメリカの家族法と日本の家族法の比較検討を行っております。
今回の民法改正におきましては、法務省法制審議会家族法制部会におきまして、専門家の先生方によって長期間にわたり多方面から非常に詳細で緻密な法的議論が交わされ、法律案に至りましたことに、心より敬意を表します。
そこで、一研究者の私が意見を述べることは僭越ではありますが、ここでは、主に、婚姻外の共同親権について、四十年以上前に成立させ、定着させてきたアメリカ法の議論を参考に、本法案の特徴と課題点について述べさせていただきます。
まず、これまで、婚姻外において単独親権しか認められておりませんでした民法で共同親権が立法化されることについて、大変好意的に受け止めております。
アメリカ合衆国では一九七〇年代後半から、ヨーロッパ各国では児童の権利条約を批准した二〇〇〇年前後から、婚姻外の共同親権に関する法律が成立しました。
その根拠となった思想は、夫婦の関係と親子の関係は別物であり、子は親の離婚にかかわらず、両親と関係性を保ち、監護、教育され、扶養される権利と利益があるとする子供の権利利益観と、もう一つは、離婚により当然に権利を失う一方親の不条理であったと思います。
共同親権の法律は、各国で様々なタイプがございます。ドイツ法やフランス法などは、両親は、子に対する権利義務を、婚姻や離婚にかかわらず、変化せず持ち続けます。これに対し、アメリカ法は、両親は、子に対する法的監護権と身上監護権を、離婚後、共同で持つか、単独で持つか、選択する形態となっております。
今回の我が国の法律案でも、離婚後も共同で親権を持つことが選択できるようになりました。これにより、親権の内容である監護、教育を共同で行使することが可能となります。例えば、子の教育や医療等の重要な決定に際し、両親が責任を持ち、協議の上、決定することができ、日々の子の養育の責任を両親が互いに持つことができます。
そして、七百六十六条で、監護の分掌という取決めをすることが今回新たに加わったことで、具体的に離婚後の子の養育について、各家族がある程度自由にカスタマイズできる方策となっております。これにより、選択肢が広がりました。
例えば、子の進学決定は双方で行うが、塾や課外活動は同居親が決める、又は、手術等の医療に関しては双方で決定するが、最終的にはどちらが決定権を持つかということを決めるということができます。そして、子との同居の交代もここで決めることになろうかと思います。
両親がこのような取決めを行うことは、離婚後も自分のために環境を整えてくれるという子供の信頼感につながりますし、両親との関係性を維持し続ける上で、子供の利益にかなうものになると言えると思います。
そしてもう一点、特徴的なところは、八百十九条の七項で、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるときと、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあるときには、単独親権にしなければならないと定めたことです。
共同親権が一般的なアメリカでも、DVや虐待を行う親には監護権を制限していますが、我が国でもこれは、子を守ることに配慮した規定と言えると思います。
以上が、婚姻外の共同親権の法案について私が考える主な評価点です。
次に、これらがどのように運用されるのかという懸念点とアメリカにおける実情を御紹介いたします。
我が国の今回の法改正では、離婚後の親の権利義務は重層構造になっておりまして、DV等がなく共同親権にしたとしても、一方の親が監護者となることを求めることができます。
法案は、八百二十四条の三におきまして、子の監護をすべき者は、第八百二十条から八百二十三条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する、この場合において、子の監護をすべき者は、単独で、子の監護及び教育、居所の指定及び変更並びに営業の許可、その許可の取消し及びその制限をすることができるとしています。
すなわち、監護者は親権の中でほぼ重要な部分を占める監護教育権を持ち、居所指定権を持つことになります。これにより、共同親権であっても、実質的には、これまでの単独親権と変わらない状況になってしまいます。
問題は、監護者が子の居所を決められるため、合理的な理由もなく、他方の親に連絡せず自由に転居すると、面会交流を行っていた親子を急に引き離すことになりかねず、新たな紛争が生じるおそれがあるということです。
共同親権であっても単独親権であっても、面会交流は親と子に認められる権利です。監護者を指定するということは、単に同居親を決めるということではなく、父母間の関係性において極めて限られた状況での選択であるという認識が必要になってまいります。また、どのような指定であれ居所指定権が認められても、これまでの面会交流を妨げないような調整が必要になってまいります。
そこで、一括して監護者を決めるというのではなく、七百六十六条にあります、その他子の監護についての必要な事項として、あるいは、監護の分掌として、離婚する両親は、子の養育について柔軟な取決めをすることが重要になってきます。ここで、同意なく転居をしないということや、再婚や転居など事情の変更が生じたら再度養育計画を策定し直すということを取り決める又は審判で定めるということが必要になってきます。
しかし、その他子の監護についての必要な事項も、新しい制度である監護の分掌というのも運用に任せられておりますので、実際、何をどのように取り決めればよいのか、いまだ明らかにはなっておりません。また、それを協議で取り決めた場合、法的にどのように担保していくのかの課題も残っております。
したがって、これらを養育計画の策定として、共同親権行使を補完するものとして活用していくためにも、これから、その中身を詰めていき、国民に周知していくことが非常に重要になってまいります。
では、アメリカではどのような共同監護を行っているのかといいますと、家族法を定めますのは州によりますのでその内容に差はありますが、多くは、共同法的監護にするか、共同身上監護にするか又は単独監護にするか、選択式になっております。
立法過程の中で、訴訟に持ち込まれたとき、裁判所は共同監護と単独監護のどちらを優先的に考慮するかについて議論がありましたが、多くの州は、いずれかが優先することはない、また、両親のどちらかが優先することはないと中立的に規定しています。
しかし、現実的には、親子は面会交流を通して関係性を続け、両親が子の主要な法的決定について協議して決定する共同法的監護は六割から八割、子が両親の家に少なくとも一対三の割合で住む共同身上監護も、一割から三割程度あります。現在、共同監護はアメリカで標準的になってきていますが、このような運用ができている理由は、次の、主に三つあります。
まず一つ目は、監護法制に対する州の方向性が立法で明示されていることです。多くの州法では、頻繁かつ継続した親子の交流を促進することを州の政策と位置づけています。また、DVや虐待の証拠がない限り、共同法的監護が子の最善の利益にかなうと推定するという規定を置いている州もあります。
現在、アメリカで発表されております心理学や精神医学の研究では、離婚後に共同監護を通して両親との関係が継続している子の方が、抑うつ状態やストレス関連の疾患が低いとしています。また、子供は基本的に双方の親から愛情と関心を得ることを求めています。
子供の利益を守ることは州の責務ですので、このような認識を踏まえ、州が子の利益について一定の方向性を示すことにより、人々はどこを目指して協議すればよいのかの行為規範が見えてきます。また、行政や司法も、どのような支援を行えばよいのかの指針を見つけることができます。
二つ目は、離婚時に親教育を行っていることです。
アメリカでは、ほぼ全州で離婚後の親教育がありまして、各州の大学の心理学大学院等で開発されたプログラムが用いられております。体験型の教室では、心理学や精神保健の専門家が子の忠誠心を試す行動や子を個人的な相談相手にするなど、親の間違った行動を示し、その後に適切な行動をロールプレーなどします。
料金をかけて行うものですのでプログラムは年々改善され、その検証も行われております。ある調査では、受講前の参加者の知識、態度、共同監護ができる可能性への変化について、いずれも有意な効果が示されたとしています。
また、離婚で傷ついた親にとっても、同じ仲間と時間や悩みを共有できることは大切なことではないかと思います。
三つ目は、養育計画書の作成です。
今日では、多くの州で、監護権や面会交流という画一的な決定を行うのではなく、離婚後にどのように子の養育を行っていくかを両親が十数ページ相当の養育計画書により具体化いたします。
アメリカは裁判離婚ですが、ほぼ九割が協議や調停により書類を作成して裁判所に提出し、裁判所がこれを承認することにより、離婚が認められます。訴訟自体は、我が国と変わらない一、二%ほどになっております。
裁判所が用意している書式には、まず、親の責任として、主要な法的事項である子の教育、医療等の決定を両親が共同で行うか、共同で行うにしても、合意できないときは最終的にどちらが判断するか、あるいは全て単独で行うかという法的監護権について記載します。
続いて、学期中の学校への送り迎え、年間の祝日、長期休暇中に子はどちらに住まうかなど、そのときの費用や受渡し手段も記載します。学期中の面会交流としましては、一週間に一、二回の食事及び一週間置きの週末に別居親の家へ子が宿泊することが一般的ですので、あえて共同身上監護にはこだわっておりません。
また、子が連れ去られて新たな紛争が生じないように、他方親に監護権があるかなしかにかかわらず、旅行時には、場所や連絡先を必ず相手方へ届け出ること、転居を計画している場合は、六十日前に連絡し、再度養育計画を立て直すことなども書面にて合意します。これについては、全ての州で立法化されておりますので、必ず行わなければならない重要な取決めになっております。
転居が合意できない場合には裁判所で争うことになりますが、そのとき裁判所では、悪意のある転居ではないか、不合理な反対ではないか、そして養育計画の代替案は可能なのかなどが審査されることになります。
養育計画書の作成に当たっては、DVにも配慮し、両親間で協議ができない場合は、双方が計画書を書いて裁判所に提出し、裁判所の判断に委ねることになります。養育費については別の書類の提出がまた必要になりまして、これもかなりの分量の記載内容がありますが、インターネットで税金や補助金、保険等の控除が自動計算できるようになっています。
なお、アメリカでも、各州で養育計画書の作成が広がったのは、最初に共同監護が法制化されて十年近くたってからです。州の基本政策に従って、司法、行政、民間の支援も徐々に発展してきました。弁護士の役割も大きいです。
その結果、両親は、夫婦の問題と子供の問題を切り離し、家族を再編するために努力し、単独監護制度に後戻りしているということはありません。
今回の我が国の法案は、子の利益のために作られた規律であることを踏まえますと、親子の関係性において何が子の利益なのかといった基本軸について、今後も議論が進むことを望んでおります。また、新たに規律化された共同親権及び監護の分掌は、運用次第で大きく発展するものと思います。法律案に賛成するとともに、大きな期待を持っております。
以上でございます。拍手
この発言だけを見る →本日は、参考人として意見を述べる機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私は、法学部において民法を担当しておりますが、研究に関しましては、アメリカの家族法と日本の家族法の比較検討を行っております。
今回の民法改正におきましては、法務省法制審議会家族法制部会におきまして、専門家の先生方によって長期間にわたり多方面から非常に詳細で緻密な法的議論が交わされ、法律案に至りましたことに、心より敬意を表します。
そこで、一研究者の私が意見を述べることは僭越ではありますが、ここでは、主に、婚姻外の共同親権について、四十年以上前に成立させ、定着させてきたアメリカ法の議論を参考に、本法案の特徴と課題点について述べさせていただきます。
まず、これまで、婚姻外において単独親権しか認められておりませんでした民法で共同親権が立法化されることについて、大変好意的に受け止めております。
アメリカ合衆国では一九七〇年代後半から、ヨーロッパ各国では児童の権利条約を批准した二〇〇〇年前後から、婚姻外の共同親権に関する法律が成立しました。
その根拠となった思想は、夫婦の関係と親子の関係は別物であり、子は親の離婚にかかわらず、両親と関係性を保ち、監護、教育され、扶養される権利と利益があるとする子供の権利利益観と、もう一つは、離婚により当然に権利を失う一方親の不条理であったと思います。
共同親権の法律は、各国で様々なタイプがございます。ドイツ法やフランス法などは、両親は、子に対する権利義務を、婚姻や離婚にかかわらず、変化せず持ち続けます。これに対し、アメリカ法は、両親は、子に対する法的監護権と身上監護権を、離婚後、共同で持つか、単独で持つか、選択する形態となっております。
今回の我が国の法律案でも、離婚後も共同で親権を持つことが選択できるようになりました。これにより、親権の内容である監護、教育を共同で行使することが可能となります。例えば、子の教育や医療等の重要な決定に際し、両親が責任を持ち、協議の上、決定することができ、日々の子の養育の責任を両親が互いに持つことができます。
そして、七百六十六条で、監護の分掌という取決めをすることが今回新たに加わったことで、具体的に離婚後の子の養育について、各家族がある程度自由にカスタマイズできる方策となっております。これにより、選択肢が広がりました。
例えば、子の進学決定は双方で行うが、塾や課外活動は同居親が決める、又は、手術等の医療に関しては双方で決定するが、最終的にはどちらが決定権を持つかということを決めるということができます。そして、子との同居の交代もここで決めることになろうかと思います。
両親がこのような取決めを行うことは、離婚後も自分のために環境を整えてくれるという子供の信頼感につながりますし、両親との関係性を維持し続ける上で、子供の利益にかなうものになると言えると思います。
そしてもう一点、特徴的なところは、八百十九条の七項で、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるときと、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあるときには、単独親権にしなければならないと定めたことです。
共同親権が一般的なアメリカでも、DVや虐待を行う親には監護権を制限していますが、我が国でもこれは、子を守ることに配慮した規定と言えると思います。
以上が、婚姻外の共同親権の法案について私が考える主な評価点です。
次に、これらがどのように運用されるのかという懸念点とアメリカにおける実情を御紹介いたします。
我が国の今回の法改正では、離婚後の親の権利義務は重層構造になっておりまして、DV等がなく共同親権にしたとしても、一方の親が監護者となることを求めることができます。
法案は、八百二十四条の三におきまして、子の監護をすべき者は、第八百二十条から八百二十三条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する、この場合において、子の監護をすべき者は、単独で、子の監護及び教育、居所の指定及び変更並びに営業の許可、その許可の取消し及びその制限をすることができるとしています。
すなわち、監護者は親権の中でほぼ重要な部分を占める監護教育権を持ち、居所指定権を持つことになります。これにより、共同親権であっても、実質的には、これまでの単独親権と変わらない状況になってしまいます。
問題は、監護者が子の居所を決められるため、合理的な理由もなく、他方の親に連絡せず自由に転居すると、面会交流を行っていた親子を急に引き離すことになりかねず、新たな紛争が生じるおそれがあるということです。
共同親権であっても単独親権であっても、面会交流は親と子に認められる権利です。監護者を指定するということは、単に同居親を決めるということではなく、父母間の関係性において極めて限られた状況での選択であるという認識が必要になってまいります。また、どのような指定であれ居所指定権が認められても、これまでの面会交流を妨げないような調整が必要になってまいります。
そこで、一括して監護者を決めるというのではなく、七百六十六条にあります、その他子の監護についての必要な事項として、あるいは、監護の分掌として、離婚する両親は、子の養育について柔軟な取決めをすることが重要になってきます。ここで、同意なく転居をしないということや、再婚や転居など事情の変更が生じたら再度養育計画を策定し直すということを取り決める又は審判で定めるということが必要になってきます。
しかし、その他子の監護についての必要な事項も、新しい制度である監護の分掌というのも運用に任せられておりますので、実際、何をどのように取り決めればよいのか、いまだ明らかにはなっておりません。また、それを協議で取り決めた場合、法的にどのように担保していくのかの課題も残っております。
したがって、これらを養育計画の策定として、共同親権行使を補完するものとして活用していくためにも、これから、その中身を詰めていき、国民に周知していくことが非常に重要になってまいります。
では、アメリカではどのような共同監護を行っているのかといいますと、家族法を定めますのは州によりますのでその内容に差はありますが、多くは、共同法的監護にするか、共同身上監護にするか又は単独監護にするか、選択式になっております。
立法過程の中で、訴訟に持ち込まれたとき、裁判所は共同監護と単独監護のどちらを優先的に考慮するかについて議論がありましたが、多くの州は、いずれかが優先することはない、また、両親のどちらかが優先することはないと中立的に規定しています。
しかし、現実的には、親子は面会交流を通して関係性を続け、両親が子の主要な法的決定について協議して決定する共同法的監護は六割から八割、子が両親の家に少なくとも一対三の割合で住む共同身上監護も、一割から三割程度あります。現在、共同監護はアメリカで標準的になってきていますが、このような運用ができている理由は、次の、主に三つあります。
まず一つ目は、監護法制に対する州の方向性が立法で明示されていることです。多くの州法では、頻繁かつ継続した親子の交流を促進することを州の政策と位置づけています。また、DVや虐待の証拠がない限り、共同法的監護が子の最善の利益にかなうと推定するという規定を置いている州もあります。
現在、アメリカで発表されております心理学や精神医学の研究では、離婚後に共同監護を通して両親との関係が継続している子の方が、抑うつ状態やストレス関連の疾患が低いとしています。また、子供は基本的に双方の親から愛情と関心を得ることを求めています。
子供の利益を守ることは州の責務ですので、このような認識を踏まえ、州が子の利益について一定の方向性を示すことにより、人々はどこを目指して協議すればよいのかの行為規範が見えてきます。また、行政や司法も、どのような支援を行えばよいのかの指針を見つけることができます。
二つ目は、離婚時に親教育を行っていることです。
アメリカでは、ほぼ全州で離婚後の親教育がありまして、各州の大学の心理学大学院等で開発されたプログラムが用いられております。体験型の教室では、心理学や精神保健の専門家が子の忠誠心を試す行動や子を個人的な相談相手にするなど、親の間違った行動を示し、その後に適切な行動をロールプレーなどします。
料金をかけて行うものですのでプログラムは年々改善され、その検証も行われております。ある調査では、受講前の参加者の知識、態度、共同監護ができる可能性への変化について、いずれも有意な効果が示されたとしています。
また、離婚で傷ついた親にとっても、同じ仲間と時間や悩みを共有できることは大切なことではないかと思います。
三つ目は、養育計画書の作成です。
今日では、多くの州で、監護権や面会交流という画一的な決定を行うのではなく、離婚後にどのように子の養育を行っていくかを両親が十数ページ相当の養育計画書により具体化いたします。
アメリカは裁判離婚ですが、ほぼ九割が協議や調停により書類を作成して裁判所に提出し、裁判所がこれを承認することにより、離婚が認められます。訴訟自体は、我が国と変わらない一、二%ほどになっております。
裁判所が用意している書式には、まず、親の責任として、主要な法的事項である子の教育、医療等の決定を両親が共同で行うか、共同で行うにしても、合意できないときは最終的にどちらが判断するか、あるいは全て単独で行うかという法的監護権について記載します。
続いて、学期中の学校への送り迎え、年間の祝日、長期休暇中に子はどちらに住まうかなど、そのときの費用や受渡し手段も記載します。学期中の面会交流としましては、一週間に一、二回の食事及び一週間置きの週末に別居親の家へ子が宿泊することが一般的ですので、あえて共同身上監護にはこだわっておりません。
また、子が連れ去られて新たな紛争が生じないように、他方親に監護権があるかなしかにかかわらず、旅行時には、場所や連絡先を必ず相手方へ届け出ること、転居を計画している場合は、六十日前に連絡し、再度養育計画を立て直すことなども書面にて合意します。これについては、全ての州で立法化されておりますので、必ず行わなければならない重要な取決めになっております。
転居が合意できない場合には裁判所で争うことになりますが、そのとき裁判所では、悪意のある転居ではないか、不合理な反対ではないか、そして養育計画の代替案は可能なのかなどが審査されることになります。
養育計画書の作成に当たっては、DVにも配慮し、両親間で協議ができない場合は、双方が計画書を書いて裁判所に提出し、裁判所の判断に委ねることになります。養育費については別の書類の提出がまた必要になりまして、これもかなりの分量の記載内容がありますが、インターネットで税金や補助金、保険等の控除が自動計算できるようになっています。
なお、アメリカでも、各州で養育計画書の作成が広がったのは、最初に共同監護が法制化されて十年近くたってからです。州の基本政策に従って、司法、行政、民間の支援も徐々に発展してきました。弁護士の役割も大きいです。
その結果、両親は、夫婦の問題と子供の問題を切り離し、家族を再編するために努力し、単独監護制度に後戻りしているということはありません。
今回の我が国の法案は、子の利益のために作られた規律であることを踏まえますと、親子の関係性において何が子の利益なのかといった基本軸について、今後も議論が進むことを望んでおります。また、新たに規律化された共同親権及び監護の分掌は、運用次第で大きく発展するものと思います。法律案に賛成するとともに、大きな期待を持っております。
以上でございます。拍手
武
武
柴
柴山昌彦#11
○柴山委員 自由民主党の柴山昌彦です。
冒頭、本日九時前、宮古、八重山地方で発生した地震により、沖縄本島を含め、三メートルの津波警報が出ており、一部では既に津波が到達しているようです。政府には、情報収集を含め、大きな被害が出ないよう万全の体制で対応してもらいたいと切に要望いたします。
それでは、参考人への質疑に入らせていただきます。本日は、御出席をいただき、本当にありがとうございます。
まず、斉藤参考人にお話をお伺いします。
改正法八百十九条では、裁判所が離婚後単独親権とする場合に、父母の一方が他方からDVを受けるおそれがあることを要素の一つとして掲げており、かつ、これは精神的DVを含むとされていますけれども、これについてどう評価されますか。
この発言だけを見る →冒頭、本日九時前、宮古、八重山地方で発生した地震により、沖縄本島を含め、三メートルの津波警報が出ており、一部では既に津波が到達しているようです。政府には、情報収集を含め、大きな被害が出ないよう万全の体制で対応してもらいたいと切に要望いたします。
それでは、参考人への質疑に入らせていただきます。本日は、御出席をいただき、本当にありがとうございます。
まず、斉藤参考人にお話をお伺いします。
改正法八百十九条では、裁判所が離婚後単独親権とする場合に、父母の一方が他方からDVを受けるおそれがあることを要素の一つとして掲げており、かつ、これは精神的DVを含むとされていますけれども、これについてどう評価されますか。
斉
柴
柴山昌彦#13
○柴山委員 この後、午後に参考人として来られる北村晴男弁護士は、新聞のコラムで、子に暴力を振るう親は親権を失って当然だが、母親に対する父親からのDVのおそれを理由とするのはナンセンスであると主張されておりますけれども、この主張についてはどう思われますか。
この発言だけを見る →斉
柴
柴山昌彦#15
○柴山委員 犬伏参考人にお伺いします。
今も斉藤参考人からお話があったように、DVのみならず、またそのおそれについて裁判所は的確に判断できないんじゃないかという懸念があります。そして、一方、逆の立場からすれば、このDVのおそれという文言があると、証拠がなくても片方の言い分のみでそれが認められる可能性が否定できないのではないかとも主張されております。また、新しいパートナーと一緒になって、そのパートナーから子供が虐待をされ、そして別居親がそういった方々をしっかりとチェックをできないのではないか、こういうことも懸念をされております。
果たして裁判所は、今お話があったようなそれぞれのケースについて適切な判断をしていくことができるんでしょうか。
先ほど、犬伏参考人は、裁判所の人的、物的整備、充実についてはお話をされておりましたけれども、審理のプロセスですとか、あるいは裁判の質の向上、証拠の収集等についてどのように改善をすればよいのか、また、このDVのおそれという文言はこのままでいいのか、それぞれ御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今も斉藤参考人からお話があったように、DVのみならず、またそのおそれについて裁判所は的確に判断できないんじゃないかという懸念があります。そして、一方、逆の立場からすれば、このDVのおそれという文言があると、証拠がなくても片方の言い分のみでそれが認められる可能性が否定できないのではないかとも主張されております。また、新しいパートナーと一緒になって、そのパートナーから子供が虐待をされ、そして別居親がそういった方々をしっかりとチェックをできないのではないか、こういうことも懸念をされております。
果たして裁判所は、今お話があったようなそれぞれのケースについて適切な判断をしていくことができるんでしょうか。
先ほど、犬伏参考人は、裁判所の人的、物的整備、充実についてはお話をされておりましたけれども、審理のプロセスですとか、あるいは裁判の質の向上、証拠の収集等についてどのように改善をすればよいのか、また、このDVのおそれという文言はこのままでいいのか、それぞれ御意見をお伺いしたいと思います。
犬
犬伏由子#16
○犬伏参考人 多岐にわたる御質問、ありがとうございました。
私自身は裁判所を代表するという立場ではございませんけれども、今、この法案が成立するということに向けて、家庭裁判所としてもかなり、この法案に基づく、今御指摘のような、特に単独親権にすべき事案というものについては慎重に検討をされていることと思います。
確かに、今の状況におきましては、先ほど言いましたように、リスクアセスメントであるとか、DV、児童虐待について十分にそれを判断するというところまでスクリーニングができているかというと、まだそこまでいっていないかもしれません。
しかしながら、私ども調停委員としましては、事件配填の前に、そういった危険があるということについては十分に、一応、進行についての照会等が出てきておりますので、この事案についてはDVが主張されている、あるいは児童虐待のおそれがあるというような事件につきましては、それから、精神的な課題を抱えている人たちも実は今増えております。したがいまして、医務室技官の立会いであるとか調査官の立会いというのが、既に事件の当初から、調停事件において、調査官及び医務室技官の配填というものがございます。
もちろん、過酷なDV事案というのは調停にはなじまないということはございますので、私どもは、調停にもなじまないケースというものをやはりきちんと峻別すべきだというふうに思っておりますし、そういう事案につきましては調停なしに、監護者指定だったら審判、それから離婚事件だと訴訟というふうになるわけですけれども、家庭裁判所としても、今後慎重に、やはりDV事案につきまして、当事者が非常に不幸な目に遭わないような運用というものに心がけて、今、家庭裁判所としては努力しているというふうにお聞きしております。
今後の運用につきましては、家庭裁判所というのは非常に裁量性、柔軟性があるというメリットもありますけれども、やはり裁判所によって違うとか調停委員によって違うといったようなことで当事者が非常に傷つくということは避けるべきだと思いますので、調停委員に対する研修というものも十分行わなければいけない。
今、調停委員というのは非常にいろいろ批判も受ける立場でございますので、研修であるとかDVに対する理解というのはかなり丁寧に、私どもも研修を受けるということですし、調停委員が自主的に研修を行っている。最近の調停委員さんは非常に真面目でございまして、自主研修というものを非常に行っており、外部の人たちのお話を聞くというような形で、私どもも、この法案が成立することになるということで、内部の研修であるとか家庭裁判所の研修によって、本当に十分にこの法案を前提とした努力というものを重ねなければならないというふうに今から心しているところです。
まだまだ家庭裁判所の内部事情というものを私自身が深く存じ上げない立場でございますけれども、家庭裁判所としては、皆様の期待に応えるべく努力して、研修を受ける、それも外部の方々からいろいろDV被害のお話も聞くという形で努力していくというふうに私どもも心しているところでございます。
この発言だけを見る →私自身は裁判所を代表するという立場ではございませんけれども、今、この法案が成立するということに向けて、家庭裁判所としてもかなり、この法案に基づく、今御指摘のような、特に単独親権にすべき事案というものについては慎重に検討をされていることと思います。
確かに、今の状況におきましては、先ほど言いましたように、リスクアセスメントであるとか、DV、児童虐待について十分にそれを判断するというところまでスクリーニングができているかというと、まだそこまでいっていないかもしれません。
しかしながら、私ども調停委員としましては、事件配填の前に、そういった危険があるということについては十分に、一応、進行についての照会等が出てきておりますので、この事案についてはDVが主張されている、あるいは児童虐待のおそれがあるというような事件につきましては、それから、精神的な課題を抱えている人たちも実は今増えております。したがいまして、医務室技官の立会いであるとか調査官の立会いというのが、既に事件の当初から、調停事件において、調査官及び医務室技官の配填というものがございます。
もちろん、過酷なDV事案というのは調停にはなじまないということはございますので、私どもは、調停にもなじまないケースというものをやはりきちんと峻別すべきだというふうに思っておりますし、そういう事案につきましては調停なしに、監護者指定だったら審判、それから離婚事件だと訴訟というふうになるわけですけれども、家庭裁判所としても、今後慎重に、やはりDV事案につきまして、当事者が非常に不幸な目に遭わないような運用というものに心がけて、今、家庭裁判所としては努力しているというふうにお聞きしております。
今後の運用につきましては、家庭裁判所というのは非常に裁量性、柔軟性があるというメリットもありますけれども、やはり裁判所によって違うとか調停委員によって違うといったようなことで当事者が非常に傷つくということは避けるべきだと思いますので、調停委員に対する研修というものも十分行わなければいけない。
今、調停委員というのは非常にいろいろ批判も受ける立場でございますので、研修であるとかDVに対する理解というのはかなり丁寧に、私どもも研修を受けるということですし、調停委員が自主的に研修を行っている。最近の調停委員さんは非常に真面目でございまして、自主研修というものを非常に行っており、外部の人たちのお話を聞くというような形で、私どもも、この法案が成立することになるということで、内部の研修であるとか家庭裁判所の研修によって、本当に十分にこの法案を前提とした努力というものを重ねなければならないというふうに今から心しているところです。
まだまだ家庭裁判所の内部事情というものを私自身が深く存じ上げない立場でございますけれども、家庭裁判所としては、皆様の期待に応えるべく努力して、研修を受ける、それも外部の方々からいろいろDV被害のお話も聞くという形で努力していくというふうに私どもも心しているところでございます。
柴
柴山昌彦#17
○柴山委員 ありがとうございます。
裁判官そして調停委員も含めて、仮にこの法律が成立をした場合にしっかりとした研修を行うということ、それから、調停プロセスには必ずしもなじまないような案件もあるので、しっかりとその見極めをしなければいけないということなどについて御説明をいただきました。
共同親権導入に慎重な方々は、単独親権制度の現行法の下でも別居親との交流は確保できていると主張されています。しかし、令和三年度全国ひとり親世帯等調査結果によりますと、我が国で月二回以上の親子交流ができているのは、別居父について約四・二%、そして別居母については約一一・四%にすぎません。一方、例えば共同親権国のイギリスでは、月二回以上の交流は七一・九%にも上っています。
今回の法改正によって、先ほど裁判所の期日の問題についても御指摘をしてくださいましたけれども、本当に子の利益にふさわしいケースで親子交流の推進というものが担保できるのかということについて、犬伏参考人にいま一度お話を伺いたいというふうに思います。
この発言だけを見る →裁判官そして調停委員も含めて、仮にこの法律が成立をした場合にしっかりとした研修を行うということ、それから、調停プロセスには必ずしもなじまないような案件もあるので、しっかりとその見極めをしなければいけないということなどについて御説明をいただきました。
共同親権導入に慎重な方々は、単独親権制度の現行法の下でも別居親との交流は確保できていると主張されています。しかし、令和三年度全国ひとり親世帯等調査結果によりますと、我が国で月二回以上の親子交流ができているのは、別居父について約四・二%、そして別居母については約一一・四%にすぎません。一方、例えば共同親権国のイギリスでは、月二回以上の交流は七一・九%にも上っています。
今回の法改正によって、先ほど裁判所の期日の問題についても御指摘をしてくださいましたけれども、本当に子の利益にふさわしいケースで親子交流の推進というものが担保できるのかということについて、犬伏参考人にいま一度お話を伺いたいというふうに思います。
犬
犬伏由子#18
○犬伏参考人 私どもは、調停においては非常に当事者の声、当事者の主張を双方から丁寧に聞くということをまず心がけていて、調停委員としては傾聴というものを尊重しております。
そういう中で、子供さんがどういう状況にあるのか、そしてやはり親子の交流というものの重要性というものを考えて、丁寧に丁寧に、面会交流がどういう形であればできるのか、できないという心情についてはどうなのかということを丁寧に聞いております。
その結果、若干調停期日を重ねるということはあろうかと思いますけれども、調停の中で、調停で合意が形成する前の段階で試行的に面会交流をできないかというようなことも実施しておりますので、調停の期日が入らないとか、回を重ねなければいけないということによって親子の交流が長期間できなくなるということについては、私どもも心がけて、できるだけ調停の期日間で試行的にやっていただけないか。それは、ケース、ケースによって、やれるかやれないかというものを十分に見極めながら、調停委員が働きかけたり、当事者の代理人双方が期日間に具体的な面会交流をセッティングするというようなことで、できる限り、当該事案にふさわしい形で、私どもは、期日間にも面会交流ができるような働きかけというものをしております。
決して、合意が成立できない、あるいは期日がなかなか入らないということで面会交流が行われないというようなことがないように配慮しております。
先日も、手紙をお子さんが書いて、パパに会いたいというようなお子さんの手紙もありましたので、そういう心情はやはり大事にしたいと思いますし、調査官調査が入って、やはり調停での合意が成立する前に面会交流を実施できないかというような働きかけをしております。
そのために、やはり庁舎内に試行面会ができるような部屋を確保していただきたい。しばらく前に、裁判所が、なかなか面会交流室、難しいんだよね、日比谷公園でやったらどうかというふうに言われたような例もありますので、庁舎内でできない場合も、支援団体もございますし、面会交流について、できる限り、可能なケースにおいては、長期にわたって断絶しないような努力というのを調停委員もしているというところです。
お答えになったかどうか分かりませんけれども、以上です。
この発言だけを見る →そういう中で、子供さんがどういう状況にあるのか、そしてやはり親子の交流というものの重要性というものを考えて、丁寧に丁寧に、面会交流がどういう形であればできるのか、できないという心情についてはどうなのかということを丁寧に聞いております。
その結果、若干調停期日を重ねるということはあろうかと思いますけれども、調停の中で、調停で合意が形成する前の段階で試行的に面会交流をできないかというようなことも実施しておりますので、調停の期日が入らないとか、回を重ねなければいけないということによって親子の交流が長期間できなくなるということについては、私どもも心がけて、できるだけ調停の期日間で試行的にやっていただけないか。それは、ケース、ケースによって、やれるかやれないかというものを十分に見極めながら、調停委員が働きかけたり、当事者の代理人双方が期日間に具体的な面会交流をセッティングするというようなことで、できる限り、当該事案にふさわしい形で、私どもは、期日間にも面会交流ができるような働きかけというものをしております。
決して、合意が成立できない、あるいは期日がなかなか入らないということで面会交流が行われないというようなことがないように配慮しております。
先日も、手紙をお子さんが書いて、パパに会いたいというようなお子さんの手紙もありましたので、そういう心情はやはり大事にしたいと思いますし、調査官調査が入って、やはり調停での合意が成立する前に面会交流を実施できないかというような働きかけをしております。
そのために、やはり庁舎内に試行面会ができるような部屋を確保していただきたい。しばらく前に、裁判所が、なかなか面会交流室、難しいんだよね、日比谷公園でやったらどうかというふうに言われたような例もありますので、庁舎内でできない場合も、支援団体もございますし、面会交流について、できる限り、可能なケースにおいては、長期にわたって断絶しないような努力というのを調停委員もしているというところです。
お答えになったかどうか分かりませんけれども、以上です。
柴
柴山昌彦#19
○柴山委員 今回、試行面会について明文化されましたので、そういったこともしっかりと実践してほしいというふうに思います。
続いて、しばはし参考人にお伺いします。
養育費の支払いも含め、円滑な共同養育を実現するために、仲介機関、ADRなどの役割が大きいという主張はよく分かりました。しかし、先ほどデータでもあったように、親権を行う子がいるのに夫婦が離婚する件数は年間約十万件にも上るわけです。未婚の一人親の子供が十六万人に上るというデータもあります。果たして、そういったADRなど、十分ニーズに応えられるんでしょうか。自治体窓口や法テラスとか児童相談所のような役割も大きくなるというふうに考えるんですけれども、こういったニーズに本当に的確にこれから対応できるのかということについてお話を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →続いて、しばはし参考人にお伺いします。
養育費の支払いも含め、円滑な共同養育を実現するために、仲介機関、ADRなどの役割が大きいという主張はよく分かりました。しかし、先ほどデータでもあったように、親権を行う子がいるのに夫婦が離婚する件数は年間約十万件にも上るわけです。未婚の一人親の子供が十六万人に上るというデータもあります。果たして、そういったADRなど、十分ニーズに応えられるんでしょうか。自治体窓口や法テラスとか児童相談所のような役割も大きくなるというふうに考えるんですけれども、こういったニーズに本当に的確にこれから対応できるのかということについてお話を伺いたいと思います。
し
しばはし聡子#20
○しばはし参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
ADRの認証団体、法務省での認証を受けた団体が行うことができるものになります。我々も、その中でも、離婚の担当になるのか、不動産なのかとか、いろんなADRの担当というのがあると思うんですけれども、結論から言うと、まだまだ団体としては足りないのではないかなと思います。
ただし、弁護士会でも、弁護士のお立場の方というのは、ADRといいますか、仲裁を行うことができるというふうにはお聞きをしています。ADRを普及した上で、これは、私が普及というよりも、法務省さんになってくるのかと思うんですけれども、ADRという方法があるということをまず認知させていくこと、そしてADRという方法を行っていこうという弁護士の方が増えていくことということの取組になっていくのではないかなと思います。
現状でいいますと、我々のところにも多く御相談者が見えていますが、今後、ADRをより使われたいという方の受入先ということがまだまだ足りていないというふうには考えておるところではございます。
御回答になっていますでしょうか。
この発言だけを見る →ADRの認証団体、法務省での認証を受けた団体が行うことができるものになります。我々も、その中でも、離婚の担当になるのか、不動産なのかとか、いろんなADRの担当というのがあると思うんですけれども、結論から言うと、まだまだ団体としては足りないのではないかなと思います。
ただし、弁護士会でも、弁護士のお立場の方というのは、ADRといいますか、仲裁を行うことができるというふうにはお聞きをしています。ADRを普及した上で、これは、私が普及というよりも、法務省さんになってくるのかと思うんですけれども、ADRという方法があるということをまず認知させていくこと、そしてADRという方法を行っていこうという弁護士の方が増えていくことということの取組になっていくのではないかなと思います。
現状でいいますと、我々のところにも多く御相談者が見えていますが、今後、ADRをより使われたいという方の受入先ということがまだまだ足りていないというふうには考えておるところではございます。
御回答になっていますでしょうか。
柴
柴山昌彦#21
○柴山委員 それと、しばはし参考人がおっしゃったことで、私、ちょっと重要だなと思った点が、司法改革のあるべき姿として、まずは、条件の取決めよりも先に、別居直後から速やかに親子交流をしていくべきだという御主張をされたかと思うんです。
先ほど、事態の悪化を避けるためにも、まずは面会交流を、もちろんできる場合に限ってだと思いますけれども、速やかに行っていくことが必要だというふうにおっしゃったんですけれども、どのような根拠というか視点でそういう主張をされているのかということをいま一度教えてください。
この発言だけを見る →先ほど、事態の悪化を避けるためにも、まずは面会交流を、もちろんできる場合に限ってだと思いますけれども、速やかに行っていくことが必要だというふうにおっしゃったんですけれども、どのような根拠というか視点でそういう主張をされているのかということをいま一度教えてください。
し
しばはし聡子#22
○しばはし参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
我々、面会交流の支援も行っておりましたり、同居親の方、別居親の方それぞれの個別の相談なども受けている中、特にやはり葛藤が上がるのが、別居親の方が長期にわたってなかなか子供と会えない、それが、面会交流調停を申し立てたとて、そこから、では実際何回やっていきましょうみたいなことを、月一回ないしは二か月に一回という調停の中で牛歩で決まっていく。あっという間に半年ぐらいたっていく。その間に、お金のことですとか、あと、あなたが悪いから離婚しましょうみたいなことを相手から一方的に言われていく。それで、より葛藤が上がっていき、だったら離婚をしないみたいになっていくケースが非常に多いです。離婚したいという同居親に対して、子供に会えないから離婚しないというような対立構造になっていくわけなんですよね。
なぜ子供に会えないから離婚しないとおっしゃるのかというと、やはり子供に会えるという担保がない、不安だから、離婚、親権を失ってしまうと会えなくなってしまうのではないかというような、不安になられている方が多くいらっしゃいます。それが、一度でもといいますか、割と初期に会える、そして定期的に会える、相手も会わせる意思があるということがある程度見えてくれば、きちんと子供と交流ができるのであれば、離婚したくないけれども、離婚という選択肢もあるのかなということで、だんだん葛藤が下がっていきやすくなるというケースはよく見ております。
一方で、争いの姿勢で相手を責めれば責めるほど相手側は逃げていくというような法則もありますので、別居親の方が葛藤が下がった方が相手も会わせやすくなる、鶏と卵ではないですけれども。というところからも、初期に子供との交流をしていくことによって、お互いの葛藤が下がりやすくなるというよき循環が巡ってくるのではないかなというふうに感じております。
この発言だけを見る →我々、面会交流の支援も行っておりましたり、同居親の方、別居親の方それぞれの個別の相談なども受けている中、特にやはり葛藤が上がるのが、別居親の方が長期にわたってなかなか子供と会えない、それが、面会交流調停を申し立てたとて、そこから、では実際何回やっていきましょうみたいなことを、月一回ないしは二か月に一回という調停の中で牛歩で決まっていく。あっという間に半年ぐらいたっていく。その間に、お金のことですとか、あと、あなたが悪いから離婚しましょうみたいなことを相手から一方的に言われていく。それで、より葛藤が上がっていき、だったら離婚をしないみたいになっていくケースが非常に多いです。離婚したいという同居親に対して、子供に会えないから離婚しないというような対立構造になっていくわけなんですよね。
なぜ子供に会えないから離婚しないとおっしゃるのかというと、やはり子供に会えるという担保がない、不安だから、離婚、親権を失ってしまうと会えなくなってしまうのではないかというような、不安になられている方が多くいらっしゃいます。それが、一度でもといいますか、割と初期に会える、そして定期的に会える、相手も会わせる意思があるということがある程度見えてくれば、きちんと子供と交流ができるのであれば、離婚したくないけれども、離婚という選択肢もあるのかなということで、だんだん葛藤が下がっていきやすくなるというケースはよく見ております。
一方で、争いの姿勢で相手を責めれば責めるほど相手側は逃げていくというような法則もありますので、別居親の方が葛藤が下がった方が相手も会わせやすくなる、鶏と卵ではないですけれども。というところからも、初期に子供との交流をしていくことによって、お互いの葛藤が下がりやすくなるというよき循環が巡ってくるのではないかなというふうに感じております。
柴
柴山昌彦#23
○柴山委員 山口参考人にお伺いします。
先ほど、アメリカ、また韓国の事例について犬伏参考人からも御紹介があったんですけれども、離婚にはもちろんいろいろなケースがあるんですけれども、離婚するに当たって、養育計画書を作る、あるいは、そのための講座、カウンセリングを受けさせる、これを要件化するということ、今回の法改正では、本当にいろいろなケースがあるということで見送られたんですけれども、こうした制度を将来日本に導入するために何が必要だと考えられますか。
この発言だけを見る →先ほど、アメリカ、また韓国の事例について犬伏参考人からも御紹介があったんですけれども、離婚にはもちろんいろいろなケースがあるんですけれども、離婚するに当たって、養育計画書を作る、あるいは、そのための講座、カウンセリングを受けさせる、これを要件化するということ、今回の法改正では、本当にいろいろなケースがあるということで見送られたんですけれども、こうした制度を将来日本に導入するために何が必要だと考えられますか。
山
山口亮子#24
○山口参考人 御質問いただき、ありがとうございます。
最後に述べましたが、アメリカでも養育計画書が発達していったのは、共同監護の法制ができて十年たってからということですので、徐々に広がっていったということで、やはり探り探りだったと思います。
しかし、どうしてそういうことを決めなければいけないのかというと、監護権や面会交流など画一的なものではなく、一緒にどうやって子供を育てていくか、やはり中身が重要なことだと思いますので、その中身を実行に移すために、それはやはり計画書という文書で、協議をし、合意をし、そしてそれを実行していく、そういうことが重要なんだ、そういうことが徐々に分かってきた。
私たちは、そういう前例がありますので、日本でもこれを取り入れれば、共同親権を選択した家族にとっては非常に有益なものになると思います。
それをどういうふうに広げていくかですが、それは、子供にとってどういう教育を親が責任を持って行うのが子の利益にかなうのかといった、やはり子供の利益観ですとか権利観を国民に周知し、例外はありますけれども、そういう共通観念の下に従って進めていくということが重要になると思いますので、やはり子供の利益とは何なのかということの議論、そして日本全体が考える基準というものを考えていくべきだと思います。
以上です。
この発言だけを見る →最後に述べましたが、アメリカでも養育計画書が発達していったのは、共同監護の法制ができて十年たってからということですので、徐々に広がっていったということで、やはり探り探りだったと思います。
しかし、どうしてそういうことを決めなければいけないのかというと、監護権や面会交流など画一的なものではなく、一緒にどうやって子供を育てていくか、やはり中身が重要なことだと思いますので、その中身を実行に移すために、それはやはり計画書という文書で、協議をし、合意をし、そしてそれを実行していく、そういうことが重要なんだ、そういうことが徐々に分かってきた。
私たちは、そういう前例がありますので、日本でもこれを取り入れれば、共同親権を選択した家族にとっては非常に有益なものになると思います。
それをどういうふうに広げていくかですが、それは、子供にとってどういう教育を親が責任を持って行うのが子の利益にかなうのかといった、やはり子供の利益観ですとか権利観を国民に周知し、例外はありますけれども、そういう共通観念の下に従って進めていくということが重要になると思いますので、やはり子供の利益とは何なのかということの議論、そして日本全体が考える基準というものを考えていくべきだと思います。
以上です。
柴
柴山昌彦#25
○柴山委員 時間なんですが、最後にどうしても一点だけお伺いしたいことがございます。
山口参考人、同じくアメリカでは、一方親による子供の連れ去りというものは、正当な理由がないものであれば、刑事事件、民事事件とも大変厳しく制限をされております。また、委員からは先ほど、今回の改正法案八百二十四条の三で、監護権、特に居所指定権の濫用についての懸念もお示しをいただきました。
アメリカの裁判所であれば、裁判所が認めた面会交流や監護権や養育費などを……
この発言だけを見る →山口参考人、同じくアメリカでは、一方親による子供の連れ去りというものは、正当な理由がないものであれば、刑事事件、民事事件とも大変厳しく制限をされております。また、委員からは先ほど、今回の改正法案八百二十四条の三で、監護権、特に居所指定権の濫用についての懸念もお示しをいただきました。
アメリカの裁判所であれば、裁判所が認めた面会交流や監護権や養育費などを……
武
柴
武
山
山口亮子#29
○山口参考人 最後の裁判所侮辱について、決められたことを守らなければ、裁判所侮辱として課金、拘留ができるということで、刑罰をもって履行、執行を担保するということになっております。決められたことは守らなければいけないという制度です。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。