厚生労働委員会

2024-04-23 参議院 全89発言

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会議録情報#0
令和六年四月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         比嘉奈津美君
    理 事
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                星  北斗君
                打越さく良君
                秋野 公造君
    委 員
                生稲 晃子君
                石田 昌宏君
                片山さつき君
                神谷 政幸君
                友納 理緒君
                三浦  靖君
                山田  宏君
                石橋 通宏君
                大椿ゆうこ君
                高木 真理君
                杉  久武君
                山本 香苗君
                猪瀬 直樹君
                梅村  聡君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
                天畠 大輔君
                上田 清司君
   国務大臣
       厚生労働大臣   武見 敬三君
   副大臣
       厚生労働副大臣  宮崎 政久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐伯 道子君
   政府参考人
       厚生労働省健康
       ・生活衛生局感
       染症対策部長   佐々木昌弘君
       厚生労働省職業
       安定局長     山田 雅彦君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  堀井奈津子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    辺見  聡君
       厚生労働省人材
       開発統括官    岸本 武史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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比嘉奈津美#1
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長山田雅彦君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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比嘉奈津美#2
○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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比嘉奈津美#3
○委員長(比嘉奈津美君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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星北斗#4
○星北斗君 自由民主党の星でございます。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案、趣旨説明を受けまして、本委員会で質疑のトップバッターに立たせていただきました。関係の皆さんに感謝を申し上げます。この重要法案、大切に審議を進めたいと思います。
 まず、雇用保険本体の財政状況をお尋ねしたいと思います。
 二〇二〇年以来、コロナの関連の給付などによって保険財政に大きな影響があったんじゃないかと思います。失業給付等いわゆる雇用保険本体の近年の状況、そして今後の財政の見通しについて、その概要をお示しいただきたいと思います。
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山田雅彦#5
○政府参考人(山田雅彦君) 最初の質問の近年の財政状況につきましてですが、雇用保険財政の状況については、新型コロナ対応として雇用調整助成金の特例措置などを講じた結果、労働者の雇用と生活の安定に大きく貢献してきた一方で、雇用保険二事業の財源である雇用安定資金は枯渇し、また、失業等給付の積立金も、新型コロナ前には四兆円を超えていた残高が現在は約一兆円余りとなっており、雇用保険財政の早期健全化は重要な課題となっております。
 もっとも、現在の雇用情勢は求人が底堅く推移し緩やかに回復していることや、雇用調整助成金の特例措置が終了したことなどを背景に雇用保険の財政状況は好転し、失業等給付の積立金の水準は回復傾向にございます。このため、令和六年度の失業等給付の保険料率については、労働保険徴収法の弾力条項に基づき引き上げることが可能であったものの、労働政策審議会において御議論いただいた結果、保険料率を据え置くことといたしました。
 二つ目の御質問の今後の見通しについてでございますが、足下の雇用情勢等を前提に試算をすると、今般の制度改正の影響を加味したとしても財政状況は安定的に推移すると見込んでいるところでございまして、今後とも雇用保険の安定的な財政運営に努めてまいりたいと思います。
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星北斗#6
○星北斗君 ありがとうございます。
 相当な影響、大きな波を何とか乗り越えたというところなんだろうと思います。雇用情勢どう変わるか分かりませんので、やはりしっかりとした準備というのが必要だということを改めて認識をさせていただきました。
 次に、この法案で示されております雇用保険の対象者の拡大についてお伺いをしたいと思います。
 施行期日はかなり先でございますけれども、今回の法案の目玉の一つであります令和十年十月施行の雇用保険の適用対象者の範囲の拡大に伴って、対象者はどの程度増加し、雇用保険の財政収支にどのような変化をもたらすと考えているのか、それについてお示しをいただきたいと思います。
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山田雅彦#7
○政府参考人(山田雅彦君) お答えいたします。
 今般の適用拡大によって、現在の被保険者数は四千四百五十七万人でございますが、それの約一割に相当する約五百万人が新たに雇用保険の適用を受け得ることになります。
 雇用保険財政に与える影響につきましてですが、適用拡大による雇用保険財政への影響については、令和四年度における雇用保険給付の支給実績などを基に財政試算を行ったところ、収支はほぼ均衡するという結果になったところであります。
 もう少し具体的に申し上げますと、全体の収支としては、収入は約九百九十億円、支出は約九百七十億円。このうち失業等給付のみでは、収入は約六百六十億円、支出は四百九十億円。一方、育児休業給付については、週所定労働時間が二十時間未満の労働者の方は女性の割合が非常に高いことから、収入が約三百三十億円に対して支出は約四百八十億円と、支出が収入を上回る状況となっております。
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星北斗#8
○星北斗君 ありがとうございました。
 五百万人増えるということ、それと、今の育児の件についてはマイナスになるということが分かりました。全体としては均衡するということだったと思います。
 次に、いわゆる内職減額の取扱いの変更についてお伺いしたいと思います。
 本法案では、雇用保険の対象者の範囲の拡大後に受給資格者が失業期間中に自己の労働によって収入を得た場合、これを内職減額と呼ぶそうでありますけれども、この短時間の就業に伴う収入を得た場合の基本手当の減額等に関する規定を削除するという条項がございます。この変更によって、具体的に失業給付の仕組みがどのように変わるのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。
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山田雅彦#9
○政府参考人(山田雅彦君) 委員の御指摘のとおり、基本手当の支給に必要となる失業認定の際、現行では、一日の労働時間が四時間、これが週二十時間相当になりますが、四時間以上であるか否かを基準として、四時間未満の日については自己の労働によって得た収入額に応じて減額した上で基本手当を支給する、それが現行の仕組みでございます。
 今般の適用拡大に伴って、失業認定の基準となる労働時間を一日当たり二時間、週に換算しますと週十時間相当とすることとしております。現行の減額の仕組みをそのまま維持した場合には、適用拡大後は一日二時間未満の労働によって得た収入に基づき調整を行うことになりますが、この点について労働政策審議会において資料等で御提示して検討いただいたところ、二時間未満の労働で得られる収入は一般的には少額であること、そういったことも踏まえて、あと簡素化等の観点から、この基本手当の減額の仕組みを廃止するということにさせていただいております。
 その結果、労働者の方の立場で見ると、一日二時間未満の労働で収入があった場合は、従前のような減額がなされることはなく、全額基本手当が支給されることになります。
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星北斗#10
○星北斗君 ありがとうございました。
 対象となる時間数が減ることによって、より分かりやすい制度になったと、あるいはなるということなんだろうと思います。この内職減額、これ非常に分かりにくいところもありますので、ここはしっかりと政府としても、対象になる方、特に新たにこの雇用保険の対象になる方にとっては、具体的な内容が分からないと非常に不安に思うということにつながりかねませんので、しっかりと対応を願います。
 その延長線上でお伺いしたいと思います。
 次に、新たに適用者となる労働者への影響ということでお伺いしたいと思います。
 今お話がありましたとおり、雇用保険の適用対象者の範囲が拡大されることに伴いまして、雇用保険料を納付することによって手取りの額が減少するんじゃないか、そういう懸念を持っている方がいるというようなお話を聞いたことがあります。この労働時間を短縮する、いわゆる就業調整というのは、百六万円の壁、あるいは百何万円の壁というようなときにも非常に話題になり、そしてそれぞれの労働者にとっては大きな影響をもたらすことにつながるんだろうと思います。
 このように、労働時間を短縮するなど、就業調整をするというような不安、あるいはそういう人がいるんではないか、あるいは理解が進まないことによってそういう誤解を生ずることもあるんじゃないか、そんな指摘もございます。この指摘に対して政府としてどのように対応をしていくのか、お知らせをいただきたいと思います。
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山田雅彦#11
○政府参考人(山田雅彦君) 今般の適用拡大は、働き方等の多様化が進展していることを踏まえて、雇用のセーフティーネットを広げる観点から実施するものであります。
 今先生の御指摘いただいた就業調整との関係で話をさせていただきますと、労働時間などの就労状況は様々な要素によって決定されるものでありますが、労働者が負担する雇用保険料率は〇・六%であるということを踏まえると、今般の適用拡大が働き方に及ぼす影響は限定的なものであると考えております。しかしながら、保険料負担を回避するために労働時間を短縮するといった行動が生じないように、本法案が成立した暁には雇用保険適用の様々なメリットを丁寧に周知していくこととしております。
 具体的に申し上げると、失業給付だけではなくて、育児休業給付だとか教育訓練給付、あと事業主にとってみれば雇用調整助成金の適用対象が拡大する、そういったようなことで労使双方にメリットがある、そういったことを丁寧に周知していくこととしております。
 具体的には、全国の都道府県労働局における各種説明会等の機会や、毎年度、全適用事業者、企業の方々に送付する適切な加入手続を促す各種のお知らせ、そういったものを活用して、雇用保険が失業への備えのみならず、先ほど申し上げた育児・介護休業給付、教育訓練給付、そういったものにも利用できるということを丁寧に説明してまいりたいと思います。
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星北斗#12
○星北斗君 ありがとうございます。
 料率〇・六ということで限定的とはいいますけれども、やはり保険料を納めるというのは一つの壁になりかねない、その意味では丁寧な周知が必要なんだろうと思います。
 ただ、私、今回、この雇用保険法を勉強させていただいて、労働者でもちろんあったわけですけれども、知らないことたくさんありました。給付に関することもそうですし、実際にどの程度の保険料を自分が負担しているのかというようなことにも余り気を配らないというか、私自身の問題なのかもしれませんが、しかし、多くのサラリーマンなどにとってみると、この雇用保険の状況などについて理解が必ずしも進んでいないというふうに思いまして、この辺りもしっかりと、今回の給付の対象の拡大の対象になる人だけでなくて、一般の皆さんにもお伝え願いたいですし、それぞれ働き方が違っているわけですから、それぞれに合った形でお知らせをいただくということが極めて大事なんだろうと思いました。ありがとうございました。
 最後に、教育訓練給付金その他について大臣にお伺いしたいと思います。
 この教育訓練給付金、これによって非常に多くの方々がスキルアップのチャンスを与えられ、その間、生活も支援給付金でいただくことによって安定して長期間にわたって勉強ができる。まあ具体的な例で言いますと、私どもの厚生関係あるいは医療関係でいいますと、准看護師の養成課程、これ二年でございます。この二年の課程を、その授業料、そして生活費、この給付を行うことで多くの方々が看護師、准看護師への道を開いた、こういう、言ってしまえば非常に画期的な私は取組なんだと思います。
 この教育訓練給付金の給付率でありますけれども、この専門実践教育給付金の給付率については引上げが行われると、条件があるようですけれども、引上げが行われる一方で、暫定措置であった教育訓練支援給付金、これはその生活を支援するということの給付金ですけれども、これは暫定期間が延長されると。しかしながら、支給額が基本手当日額の八〇%から六〇%ということで、減額をされる内容になっています。
 この措置については、やはり現場から不安の声も上がっております。これらについてどんなように考えているのか、あるいは今後についてどうお考えなのか、厚生労働大臣の所見をお伺いしたいと思います。
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武見敬三#13
○国務大臣(武見敬三君) この教育訓練支給給付金でございますけれども、平成二十六年の制度改正において比較的長期間の訓練を対象とする専門実践教育訓練給付金を創設した際に、併せて専門実践教育訓練を受講する若年労働者への生活支援策として暫定的な特例措置として創設をされた給付でございまして、現在の期限は令和六年度末とされております。この給付金を受給された方の就職率や資格取得率は相対的に高くなっておりまして、一定の効果が認められます。
 また他方、この給付期間が長期にわたり、一人当たりの支給額がこれ失業給付など他の給付と比べて高額になっておりまして、暫定措置の更なる延長について、労働政策審議会では労使双方から給付と負担のバランスの観点などから慎重な検討を求める意見があったことを踏まえまして、給付水準を引き下げた上で暫定措置を二年間延長することとしたものであります。こうした改正の趣旨を是非御理解を賜りたいと願います。
 その上で、厚生労働省としては、労働者の主体的なキャリア形成を促進するために、今回の見直しでは、教育訓練給付の拡充や雇用保険の受給が終了した離職者など雇用保険の対象とならない方への新たな融資制度を創設することとしておりまして、こうした取組を通じて労働者の自発的な職業能力の開発と向上を引き続き支援していきたいと考えています。
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星北斗#14
○星北斗君 ありがとうございます。
 給付と支給のバランス、ああ、ごめんなさい、保険とですね、収入と支出のバランスということでありましたけれども、この若年者というのが四十五歳というふうに聞いております。まさに転職をするには好機なんだろうと思いますけれども、この教育訓練の授業料その他に係る費用のかなりのパーセントが支給される、そして生活も安定しているというこの暫定期間、これを終えてそれが減らされるという立場になりますと、やはりそこは不安に思うのは、私は、今のバランスという話でいえばそうなのかもしれませんけれども、私は大切なことだと思っておりまして、こういうことが例えば准看護学校への進学を諦めるというようなことにならないように、今、看護師不足、非常に多く叫ばれておりますし、介護の現場にも人手が足りないということで大変なことになっておりますから、この資格を取っていただくということは極めて重要であり、そして社会的な価値も私は大きいなどと思います。
 ですので、この辺りはしっかりとやっていただきたい、そのことを申し上げておきますが、その上で、大臣何か、私のこの准看に対する思いを込めて今質問させていただきました。どのようにお感じなのか、所感をいただきたいと思います。
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武見敬三#15
○国務大臣(武見敬三君) 我が国の医療の提供体制の中で、看護師及び准看護師、実際の役割は、特にチーム医療の中でも確実に重要になってきているというふうに思います。改めて、こうした医療の提供体制に従事するそうした労働者の皆さん方が安定した基盤でこうした教育訓練を受け、そしてなおかつ実際に現場で仕事をしやすくなるように、でき得る限りの支援をしていくよう努力していきたいと思います。
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星北斗#16
○星北斗君 大臣からはかなり私としては前向きのお返事をいただいたと思います。そういうことで、この世界を目指す人たちが自信と誇りと安心を持って学び、そして新たに仲間に加わってくれることを心から願っています。
 私は、今の質疑で本法改正の背景あるいは施行後の影響について一定程度理解をさせていただきました。施行期日に向けて、必要な周知の重要性、あるいは社会を支える労働者への支援の仕組みの更なる充実、これを目指していくことをここで私もお誓いを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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羽生田俊#17
○羽生田俊君 おはようございます。自由民主党の羽生田でございます。
 本日は質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 まず、質問に入る前に、今年は、一月一日に大きな災害があり、二日には海上保安庁の飛行機と日本航空の飛行機がぶつかるというような事故、そしてその後にも災害や事故が非常に多いというような気がしてなりません。
 特に三日前には、伊豆諸島沖でヘリコプターの、あれは今では衝突ではないかと言われておりますけれども、潜水艦の探査の訓練をしているところで二機のヘリコプターが墜落をしてしまったということで、救助された、八名の方のうち一人はお亡くなりになってあと七名の方が行方不明になっているということでございますので、一日も早く行方不明の方が見付かってしっかりと救助をしていただきたいというふうに思うわけでございまして、そういったことで非常にお見舞いを申し上げる次第でございます。
 それでは質問に入らせていただきますけれども、今、星議員から雇用保険の適用拡大や財政についての、あるいは教育訓練支援給付金の取扱い等について質問がなされましたけれども、私は教育訓練やリスキリング支援の充実策中心にお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。
 まず、本法案に対する質問に入る前に、リスキリングに関する政府の方針というものについてお尋ねをしたいというふうに考えております。
 今回の法案にも雇用保険制度における教育訓練やリスキリング支援の充実に関する改正項目が盛り込まれておりますけれども、そもそも政府がリスキリングを政策的に進めているその意義について改めて御説明をお願いしたいと思うところでございますし、また、これにつきましては、多くの企業がリスキリングを導入あるいは導入の検討を始めているという状況でございます。
 リスキリングによりまして労働者の主体的なキャリア形成や生産上の向上に資する点につきましては理解をするところでございますけれども、実際には、中小あるいは零細企業では、このリスキリングに関してのノウハウがない、あるいは費用対効果が見合わない、あるいはリスキリングを労働者に促す余力がないということで、例えば代替要員もいないというような状況でございまして、リスキリングの導入を見送らざるを得ないというような企業もいるというのも現状でございます。
 また、労働者にとりましても、リスキリングに取り組んでも実際の処遇改善やより良い条件での労働移動にはつながらないのではないかと、こういったことで意欲も湧かないというようなことではないかという心配もしているところでございます。
 国策として実施していく以上は、国が責任を持って地方を含めた全国津々浦々で取り組まれるようにしていかなければならないと考えております。そのためには、事業者側には、このリスキリングを導入するメリットや導入に向けた職業内での制度、体制づくりにつきましても、もっと理解を深めていただけるような周知、広報が必要ではないかなというふうに考えているところでございます。
 そこで、武見厚生労働大臣にお伺いしたいんでございますけれども、具体的にこのリスキリング政策を全国津々浦々の中小零細企業まで含めた事業主や労働者に浸透していくために政府としてどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、以上のリスキリング政策の展開に向けた政府のいわゆるお考えになっている方向性、またその考え方についてお聞かせいただきたいと思いますので、お願いいたします。
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武見敬三#18
○国務大臣(武見敬三君) デジタル化の進展など、企業や労働者を取り巻く環境というのは急速に変化をしてきております。それから、労働者自身、職業人生の長期化が進む中で、この自律的、主体的な学び、学び直しの必要性はますます高まってきています。その上で、御指摘のとおり、中小企業や労働者の方々に対しましてリスキリングの必要性やメリットに関する情報をこれ丁寧に伝えていくことがもう極めて重要だと考えています。
 このため、まず中小企業に対しては、従業員のリスキリングを支援する助成金において、中小企業に対しては大企業以上の高率助成を行うことに加えまして、各都道府県労働局におきまして、事業所の訪問であるとか、それから地域の各種会議などとの連携などを通じた、地域ごとでもこうした支援の周知徹底行っているところです。
 また、労働者に対しましては、キャリアの形成、それからリスキリング支援センターを各都道府県に設置するとともに、今年度から全国のハローワークにも相談コーナーを設けて、より多くの方がこのキャリアコンサルティングを受けることができる環境整備を図っているところです。さらに、同センターでは、リスキリングの推進に関わる機運の醸成を目的とした周知キャンペーンも行うこととしております。
 今後とも、各企業、労働者の状況に応じた支援施策の充実とリスキリングの機運醸成にしっかりと厚生労働省として取り組んでいきたいと考えています。
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羽生田俊#19
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 国策としてリスキリング政策を推し進めている以上、実際にスキルアップして処遇や将来のより良い展望を開ける方が増えていくことが非常に重要であると考えているところでございます。人生百年時代と言われておりますけれども、生涯の就業期間が長期化する一方で、様々な産業が興り、発展していくピークを迎え、衰退するまでのサイクルが非常に短くなり、働く個人に求められるスキルも大きく変化をしてきているところでございます。誰しも生涯を通じて新たなスキルの獲得に努める必要があると思っているところでございます。
 政府には、これが絵に描いた餅にならないように、労使双方の具体的な行動変容につながる取組を着実に進めていくことを期待申し上げるところでございます。
 今回、政府から提案されている雇用保険法改正法案の内容は、雇用のセーフティーネットの構築とともに、人への投資の強化の目的に、雇用保険の支援給付金や、それから教育訓練休暇制度など、リスキリング支援の充実や創設、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保など、非常に多岐に及んでおります。
 そこで、改めて、その内容と意義につきまして宮崎副大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
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宮崎政久#20
○副大臣(宮崎政久君) 先生御指摘いただきましたとおり、近年の女性や高齢者などの多様な人材の労働参加が進んでいき、働くことに対する価値観やライフスタイルの多様化も見られる中で、多様な働き方を効果的に支えるとともに、労働者の主体的なキャリア形成を支援することが重要であると考えております。
 このため、本法案におきましては、多様な働き方を支える雇用のセーフティーネットの構築と人への投資の強化としまして、雇用保険の適用範囲の拡大や、教育訓練やリスキリング支援の充実などの措置を講ずるとともに、男性育休の大幅な取得増に対応できるよう育児休業給付を支える財政基盤を強化するために、育児休業給付に係る安定的な財政運営を確保する措置などを講ずることとしているところでございます。
 こういったことをトータルで、景気変動や技術の革新、ライフスタイルの変化など雇用を取り巻くリスクへの備えが一層充実をして、急激な社会経済情勢の変化に対応した総合的な雇用のセーフティーネット機能が強化されるものと考えているところでございます。
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羽生田俊#21
○羽生田俊君 副大臣、ありがとうございます。昨年引継ぎをして、その後、大変御苦労さまでございます。
 今御説明いただきましたように、今回の法案は、DXの加速化を始め社会経済が大きく変わり行く中で労働者の主体的なキャリア形成を支援するものでありまして、特にリスキリングによる能力向上支援を行う等、重要なテーマであるというふうに取り組んでいるものであると思います。
 リスキリングも、私、昨年視察に参ったところでございますけれども、三位一体の労働市場改革を進める上での不可欠な要素であり、それについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、雇用保険制度における給付制限の見直しについてでございますけれども、内部労働市場と外部労働市場をシームレスにつなげ、社外からの経験者採用に積極的に門戸を開き、労働者の自らの選択で社内あるいは社外を自由に労働移動できるということが日本経済の更なる成長に結び付くのではないかというふうに思っているところでございます。自らの選択による労働移動の円滑化という観点から、リスキリングに取り組んでいった場合、自己都合離職者の給付制限期間を短縮するとの方針が理解できるところでございます。
 他方で、給付制限期間を短縮することで安易な離職が誘発されてしまう、そして都市部に人手が集中してしまうというような懸念もあるところでございまして、中小企業では人手不足が深刻化するのではないかという心配もあるところでございます。また、何度も離職を繰り返して給付を受けようとするケースが出てくるのではないかとの懸念もありますけれども、そうした声にどのように応えていくのか、これ政府参考人で結構ですから、よろしくお願いいたします。
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山田雅彦#22
○政府参考人(山田雅彦君) 今般、自らの意思により離職する者に対して設けられている基本手当の給付制限見直しに当たりましては、早期再就職を促し安易な離職を防止するという観点と、一方で労働者が安心して再就職活動を行えるようにする、それの双方の観点を踏まえて、現行の給付制限期間二か月というのを一か月にするとともに、自ら雇用の安定や就職の促進に資する教育訓練を行った場合は給付制限をそもそも課さないで基本手当を支給するという見直しをしているところであります。
 その上で、御指摘の懸念については、離職者への基本手当の支給に当たっては、四週間に一度失業認定を行って求職活動の実績を確認して支給決定を行っており、単に受給を目的とした離職者は一定程度抑制、抑止できているものと考えております。また、過去五年間に三回以上自発的な離職により基本手当の受給資格決定を行った者については三回目以降の給付制限期間を三か月とすることとしており、こういった対応でもっても安易な受給行動の一定の歯止めとなると考えております。
 全体としての人手不足対策については、働き方改革等に取り組むこと等によって女性、高齢者、外国人材の活躍を促進する、三位一体の労働市場改革等を通じて生産性の向上や賃上げを実現する、それから、地域雇用の課題に対して、国、都道府県の施策との連携を図りつつ、魅力ある雇用機会の確保や企業のニーズに合った人材育成、就職促進等事業を一体化したそういった地域雇用対策、そういったものを通じて、雇用保険制度だけではなくていろいろな施策によって地方や中小企業の人材確保を支援してまいりたいと思います。
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羽生田俊#23
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 是非、この人手不足対策にはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っているところでございますけれども、安易な離職を誘発しないためには、給付制限期間を短縮する対象となる教育訓練自体に一定の制限を掛けるべきではないかと考えているところでもございます。
 また、再就職を支援するための教育訓練講座でございますけれども、キャリア形成に向けた教育訓練講座がほとんどであることは理解しておりますけれども、例えば、再就職やキャリア形成のための受講なのか、あるいは趣味的なものとしての受講なのか判断が難しいようなケースも一部にはあるということも聞いているところでございます。
 そこで、具体的に対象となる教育訓練につきまして厚生労働省令で定めることとなっておりますけれども、どういったことを想定してそういったことに結び付けていくのか、それについてお尋ねしたいと思います。
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山田雅彦#24
○政府参考人(山田雅彦君) 今般の自発的な能力開発に取り組んでいる場合の失業給付の給付制限の解除は、リスキリングを通じた再就職を支援するために行うものであるため、対象となる教育訓練の受講は労働者自身のキャリア形成に資する教育訓練の受講に限定すべきものと考えております。
 その上で、再就職に資する訓練受講であるか否かを労働者ごとにハローワークで判断するということは現実には困難であることから、あらかじめ対象となる教育訓練の範囲を法令等において定めることとしております。具体的には、そもそも法律上に雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練というふうにした上で、省令等において具体的な範囲を規定する予定でございます。現時点では、先生も御指摘いただいた教育訓練給付金の支給対象となる厚生労働大臣指定講座や公共職業訓練などを想定しております。
 いずれにせよ、その具体的な範囲については法案成立後に労働政策審議会において議論することとしており、その際には、今般の見直しが、労働者の自発的なリスキリングとその訓練結果を生かした転職活動を支援する観点と安易な離職を防止するという観点、双方があることを踏まえて労働政策審議会で御検討いただこうと思っております。
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羽生田俊#25
○羽生田俊君 ありがとうございます。是非、地方の企業や中小企業がこういった不安にも配慮したバランス感覚のある検討を是非お願いしたいというふうに思うところでございます。
 対象となる教育講座の具体的な範囲につきましては政省令等で具体的な範囲を規定する予定とのことでございますけれども、自発的なスキリングを促すためには、国民の皆様に正しくしっかりと制度を理解してもらうことが非常に重要でございます。その点も十分に御配慮いただきたいというふうに思うところでございますので、よろしくお願いいたします。
 次に、教育訓練給付についてお尋ねいたします。
 教育訓練給付については、これまで受講費用の最大七〇%を支給していたというところでございますけれども、労働供給制約の中、グローバル市場で日本が、日本企業が勝ち抜くためにも、働く個人のスキル向上は急務であります。
 この本改正において、給付率を今般の法案により八〇%に引き上げるとしておりますけれども、まずはこの拡充の趣旨についてその辺を御説明いただきたいと思います。
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山田雅彦#26
○政府参考人(山田雅彦君) 職業能力開発、職業能力の向上というのは、労働者の雇用や職業の安定のために不可欠であるとともに、我が国経済の発展にも資するものであるということで、その促進を図っていくことは重要だと思っております。
 今回の見直しでは、労働者が自らのキャリア形成のために必要な訓練を受けることを促進するために教育訓練給付を拡充することとしております。具体的には、労働者自身が教育訓練の成果を資格取得や就業条件の向上につなげるインセンティブを高め、より多くの方に意欲的に訓練に取り組んでいただくためにその支給率自体を上げることになっておりますが、それにちょっといろいろな工夫をしております。
 専門実践教育訓練給付金については、先生おっしゃられたように七〇%、現行七〇%でありますが、教育訓練の受講終了後に賃金が上昇したことを要件として更にこれに一〇%分を追加で給付する仕組みとしております。
 二段階目のその特定一般教育訓練給付金については、現行受講費用の四〇%の給付のみを行っておりますが、これも資格取得等をした場合という条件を付けて受講費用の一〇%分を追加で給付することとしております。
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羽生田俊#27
○羽生田俊君 今の教育訓練給付金もその上にいろいろ名前が付いてかなりの数ございますので、これはやはり職員あるいは会社の方にもしっかりと理解をしていただくということが非常に重要ではないかなというふうに思ったところでございます。
 それから、リスキリングに向けた支援として、今般、教育訓練休暇給付金というものが新設されるという旨を聞いておりますけれども、これについての御説明をお願いいたします。
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山田雅彦#28
○政府参考人(山田雅彦君) 労働者の主体的な能力開発をより一層推進するためには、先ほど申し上げた教育訓練給付による受講費用への支援のほかに、今先生が言及されました、比較的長期間の教育訓練を受ける場合にあって、労働者が生活等への不安なく教育訓練に専念できるようにするということが重要であると思っております。
 厚労省ではこれまでも有給の教育訓練休暇制度の導入を推進してきたところでありますが、これはこれとして引き続き推進はしていきますが、加えて、今般、無給の教育訓練休暇制度を利用した労働者への支援として、失業給付に相当する金額を支給する教育訓練休暇給付金の創設を法案に盛り込んだところでございます。
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羽生田俊#29
○羽生田俊君 ありがとうございます。この辺の説明をしっかりと理解していただくということを是非進めていただきたいというふうに思っております。
 また、リスキリングにつきましても、昨年視察にも行ってまいりましたけれども、このリスキリングがどれだけ受講する方が増えるのかという心配と、それから、こういった意欲のある方がこういったリスキリングを受けたりいろいろとする場合と、そういうことができない職員の方もいらっしゃるわけで、その辺に少し格差ができてくるのではないかという心配もあるところでございますので、その辺を是非考え、バランス感覚を持って取り次いでいただきたいというふうに思います。
 以上、よろしくお願いいたします。終わります。
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