行政監視委員会

2024-02-26 参議院 全106発言

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会議録情報#0
令和六年二月二十六日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     長谷川英晴君     羽生田 俊君
     山本佐知子君     山谷えり子君
     石川 大我君     古賀 之士君
     高良 鉄美君     伊波 洋一君
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     広瀬めぐみ君     橋本 聖子君
     塩田 博昭君     上田  勇君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     羽生田 俊君     山本 啓介君
     橋本 聖子君     越智 俊之君
     古川 俊治君     神谷 政幸君
     山谷えり子君     永井  学君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         川田 龍平君
    理 事
                片山さつき君
                鬼木  誠君
                杉  久武君
                音喜多 駿君
                柳ヶ瀬裕文君
                倉林 明子君
    委 員
                青山 繁晴君
                井上 義行君
                石井 正弘君
                磯崎 仁彦君
                上野 通子君
                江島  潔君
                越智 俊之君
                加田 裕之君
                神谷 政幸君
                白坂 亜紀君
                永井  学君
                藤井 一博君
                星  北斗君
                山下 雄平君
                山本 啓介君
                大椿ゆうこ君
                古賀 之士君
                柴  愼一君
                田島麻衣子君
                三上 えり君
                上田  勇君
                竹内 真二君
                竹谷とし子君
                川合 孝典君
                大島九州男君
                伊波 洋一君
                浜田  聡君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        有薗 裕章君
   参考人
       明治大学政治経
       済学部教授    牛山久仁彦君
       東京大学先端科
       学技術研究セン
       ター教授     牧原  出君
       毎日新聞論説委
       員        人羅  格君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (国と地方の行政の役割分担に関する件)
    ─────────────
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川田龍平#1
○委員長(川田龍平君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日までに、高良鉄美君、石川大我君、山本佐知子君、長谷川英晴君、塩田博昭君、広瀬めぐみ君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として伊波洋一君、古賀之士君、上田勇君、永井学君、越智俊之君、山本啓介君及び神谷政幸君が選任されました。
    ─────────────
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川田龍平#2
○委員長(川田龍平君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のうち、国と地方の行政の役割分担に関する件を議題といたします。
 本日は、本件の調査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、明治大学政治経済学部教授牛山久仁彦君、東京大学先端科学技術研究センター教授牧原出君及び毎日新聞論説委員人羅格君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、牛山参考人、牧原参考人、人羅参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず牛山参考人からお願いいたします。牛山参考人。
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牛山久仁彦#3
○参考人(牛山久仁彦君) この度は、参議院行政監視委員会における貴重な発言の機会をいただけましたことに、大変光栄に存じますとともに、感謝申し上げます。
 私は、大学で地方自治を教えておりますけれども、あわせて、自治体行政の在り方、あるいは各自治体等の審議会で自治体の在り方などを考えているところでございます。私からは、近年の状況を踏まえた上で、国と地方の役割分担をめぐってお話をさせていただければというふうに思っております。
 地方分権改革が一九九三年に衆参両院で決議されまして、自治体の自律的で主体的な在り方を実現することが目指されてから三十年がたとうとしております。この間には、阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災、熊本地震、さらには今回の能登半島地震等、激甚災害が相次いでおりますし、またさらには、新型コロナのパンデミックやウクライナ紛争など、世界規模での災禍が相次いでいるところでございます。そうした中で、地方自治の在り方が問われておりますし、また、内政における国民の安心、安全、これを守るための自治体の在り方も問われているというふうに考えております。
 一九九三年の第百二十六国会の決議では、東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民が等しくゆとりと豊かさを実感できる社会を実現するとし、このような国民の期待に応え、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図っていくこと、そして、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務であるというふうにうたわれておりました。この二十年の間に、失礼、三十年の間にですね、この目的が達成されているのでしょうか。この問題について意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。
 二〇〇〇年に成立いたしました分権一括法における改革の特徴は、私の考えでは、国と自治体の役割分担を明確にし、双方の担うべき責任と機能、これを定めたことにあると考えております。それまでの国と自治体の融合的な行政の在り方を改め、双方の役割を明確にすることで、二重、三重行政の無駄をなくすこと、まさに国力を下支えする役割を自治体が力強く担っていくこと、こういったことによって国民福祉の増進を図る、それに資する行政システムを構築しようと試みてきたわけでございます。
 そういった中で、従来から国と地方の関係も、大分以前のことになりますが、これを規定していた機関委任事務を廃止し、そして、今日的には自治事務と法定受託事務といった事務を自治体は担っているところでございます。これはもちろん、もう議員の先生方には、国会議員の先生方に釈迦に説法でございますけれども、自治体の自由度の高い自治事務と、国がその責任において、また法律の下で着実に実行しなければならない事務、これを法定受託事務という形で改めて規定したところでございます。
 皆様のお手元に今日の配付資料で、地方六団体が作成して、現在も更新されているかと思いますが、そこに示されている国と自治体の関係について整理した国の関与のルール、これが配付させていただいているところでございます。
 これによりますと、この法定主義の原則、そして一般法主義の原則、そして公正、透明の原則という形で国と地方の関係が明確に示され、そしてまたさらに、自治事務に対しては、そこにありますような関与の基本的な類型、これが定められておりますし、また、法定受託事務については、国からの指示でありますとか、さらには代執行等、非常に強い措置も規定されているところでございます。
 こうした中で、国の法令を遵守して行政を執行する、そしてさらには自治体にそういったことを遵守させていくような役割もございますし、また、自治体が自らの責任と役割分担において住民に身近な行政を住民の声に基づいて実行していく、そういった体制が整備されたというふうに考えております。
 そういった中で、御存じのように、皆様御存じのように、いわゆる平成の大合併等も行われ、自治体の機能を強化する、あるいは行政能力を向上させるといった試みが行われてまいりました。事前に配付させていただいた資料におきましても示させていただいておりますように、そういった平成の大合併を踏まえつつも、なお自治体がその能力を発揮するために、自治体間の連携、こういったものについても制度整備がなされてきたというふうに考えております。
 そういった意味では、国と自治体がその役割分担を明確にし、相互に連携し補完し合うということで住民生活の安心や安全、そしてできれば快適なその状況が生まれてくるようなことが目指されたわけであります。その意味で、その一方でですね、融合的で重なり合った行政が行政の無駄をもたらし、またあるいは国からのいわゆる指示を待ってからしか動けない自治体、こういったものが解消されるということが期待されていたところであります。
 この今日配付した資料の三番目のところになりますけれども、自治体連携と災害対応というところでございますが、先ほど申し上げましたように、自治体には様々な大きさがあります、規模がございますので、その能力に見合った対応というのが求められるわけですが、それを先ほど申し上げましたような自治体連携によって乗り越えていこうといったことも行われているわけであります。
 そういった中で、大変な災害をもたらしました東日本大震災あるいはそれ以降の災害等におきましても、自治体は様々な形で連携をし合う仕組みをつくり、また、配付資料の中にもございますけれども、杉並区が行ったような自治体スクラム支援でありますとか、もちろん関西広域連合が行いました対口支援等ですね、様々な形で自主的な対応というのを行うということも進んできたわけでございます。
 そういった中で、そういったことも含めてですね、大変大きなその試練でありましたのが新型コロナのパンデミックの問題であったかというふうに思います。ここでは、地方制度調査会でも議論されておりますように、自治体が十分コロナの問題に対応できたのかといったことや、あるいは法定受託事務で規定されている例えばワクチン接種等々、こういったことにどのぐらいしっかりと取り組めたかということが問題にもなったところでございます。
 確かに、こうした国家規模で、あるいは世界規模での大災害、大災禍に対してどのように自治体が取り組んでいくかというのは非常に厳しい、難しい問題であるかというふうには思いますけれども、しかし一方で、やはり自治体が各現場で取り組んだ事柄が国の政策にも影響を与えたり、あるいはその取組の前進を図ることができたということがあるかと思います。
 ダイヤモンド・プリンセス号の問題について配付資料でも少し私は論じさせていただいておりますけれども、神奈川県は、なかなか厳しい状況の中でも、これを激甚災害であるというふうに捉え、また県としての対応、それから横浜市等の対応の中で、いわゆる神奈川方式と呼ばれるようなコロナ対応の問題に取り組んできたかというふうに思っております。その意味で、国と自治体が緊密な協力を行いながら、またそれぞれの役割分担をしっかりと果たしていくことによってこれからの国と自治体関係が進んでいく、進めていければいいなというふうに私は考えているところでございます。
 そういった中で、この新たな国と自治体の関係について影響を与えるかと思われる提案が地方制度調査会からなされているところでございます。第三十三次の地方制度調査会は、大規模な災害あるいは感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、国民の生命、身体又は財産の保護のため、国、地方を通じ的確かつ迅速な対応に万全を期す観点から所要の見直しを行う必要があると答申しております。
 報道によれば、国の指示権について、地方自治法の現行の国、地方関係の章とは別に新たな章を設け、特例に規定するということが報じられております。自治体間の職員応援派遣に関する国の役割も自治法で明確化し、国による応援の要求や指示、派遣のあっせんなどを可能にするともされております。
 こういった非常時における国の役割を決して軽視するものではございませんし、また、国がその全国自治体に対する司令塔としての役割を果たすことも私は否定するものではございません。
 ただ一方で、先ほど見ましたような国の関与の類型化等の問題を踏まえ、ここにこうした指示といったものを章を設けるということでありますし、また、法案についてまだ明らかにされていないので軽々には申し上げられませんけれども、自治事務、法定受託事務のこの区分、区別をなくするようなことというのはどのような事態の下で行われ得るのか。これは、憲法に規定された地方自治の在り方にも大きな影響を与えるものとして考えておりますので、これについては慎重な審議が必要であると私自身は、議論が必要であると私は考えているところでございます。
 また、そういった中で最も私が危惧いたしますのは、ここまで述べてきたような自治体の取組や努力、あるいは自治体間連携、こういったものが行われてきているわけですけれども、現行でも、自治体の多くが独自に連携し、支援を行い合うといったことが行われております。この能登半島地震の直後にも幾つかの自治体に連絡をしてお話を伺ったところ、国や県の指示がなくても直ちにその被災地に対する支援を行っているという自治体がほとんどでありました。もちろん、私の問い合わせたところの範囲でございますけれども。
 しかし、そういった中で、激甚災害が勃発したときに、これは国からの指示があるんだろうかないんだろうかといったことを考えると、自治体が自主的な支援を行うことにちゅうちょし、現地の被災者の皆様への救援が遅れる、そういう状況が生まれることが危惧されるところでございます。今後、南海トラフ地震や首都直下型地震、激甚災害が予想される中、この指示待ち自治体をたくさんつくるような法改正にならないように私は強く念じるところでございます。またあるいは、首都直下地震が起こった場合に、全国各地からの支援といったものが自主的に行われるといったことも併せて考えておく必要があるかと思います。
 私の方からは以上でございます。
 御清聴ありがとうございました。
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川田龍平#4
○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、牧原参考人からお願いいたします。牧原参考人。
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牧原出#5
○参考人(牧原出君) 東京大学先端科学技術研究センターの牧原です。本日は、この貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私、専門は行政学で、第三十二次、第三十三次の地方制度調査会の委員を務めました。そうした経験から、昨今進みつつある地方制度改革の流れの中から、二十一世紀を見通した国と地方の関係について、ここでは三つの論点を申し上げたいと思います。
 第一に、少子高齢化による人口減がもたらす衝撃についてです。
 総務省の研究会、自治体戦略二〇四〇構想研究会は、二〇四〇年が全国規模で高齢者の最も多い年になるという人口予測の下で、これがもたらす危機についてどう国と地方が対処すべきかを論じました。この問題意識は、その後の第三十二次、三十三次地方制度調査会に受け継がれており、これ以前と以後とでは地方制度改革の論調は大きく転換しました。今後確実に到来する人口減という未来における状況を基に、地方自治の現場の業務から制度全般の変化を意味付けた点でこれは画期となったと私は考えています。
 この研究会が打ち出した今後取るべき施策は三つありました。一つはスマート自治体、すなわち地方自治体のデジタル化、二つ目は地域における公共私連携、そして三つ目は自治体の区域を越えた圏域連携です。これらはどれも地方自治体が自治の上に立って取り組むことが基本線となりますが、国が可能な支援を手当てしていくことも重要です。その際には、国と地方との間の情報共有が何にも増して重要だと考えられます。
 この三つの中でも、スマート自治体としての施策は、その後、二〇二五年度をめどとする基幹情報システムの共通化、自治体における基幹情報システムの共通化を国が主導することで現在作業が進んでいます。
 その際に問題となりつつあるのは、デジタル化に伴う事務手続の改革です。デジタル化が窓口業務改革などそれぞれの現場での作業手順を組み替えていくため、効率的な事務処理のためにはデジタル化に即した業務改革が必要となります。
 地方自治体においては、デジタル化部門と行政改革部門とが密接に連携することが必要です。国でもデジタル庁がデジタル化全般の司令塔ですが、地方自治体の行政改革は専ら総務省の担当です。国と地方を挙げて、デジタル化とこれに対応する業務改革を協力しながら進めることが重要だと言えます。
 そもそもデジタル化とは、技術革新によって刻々とその内容を変えていきます。リスキリングなどと言われるように、国、地方の行政官は当然のこと、国、地方の議員も技術革新の状況を絶えず理解するよう努めることが重要となります。
 ある市の議会で、新しく当選した議員がAIについて大学の専門家を呼んで話を聞いた上で先進地域の取組の視察に出かけていくという場面に居合わせたことがあります。政治家と科学者、専門家との対話の場をふだんの議員活動の中に取り込み、日常的にデジタル技術のリテラシーを高めるような配慮を、国、地方双方の議会に求めたいと思っています。
 また、地方ではオンライン議会が一定の条件の下で認められていますが、国会法の規定における出席の解釈が限定付けられており、そこでの制約があるために地方議会でのオンライン議会の進展に限界があります。国会は、議員会館でリモート審議に参加することが容易であるという、地方と比べた恵まれた環境にあります。是非とも、地方議会のオンライン開催が進むよう、国会のオンライン開催に積極的に取り組んでいただきたいと切に希望しております。
 第二に、人口減そのものについてです。出生率の低下は、新型コロナを経てますます深刻になってきています。自治体戦略二〇四〇構想研究会では、二十歳の人口がピークの半分になることで新卒採用が難しくなることを前提に、現在の半数の職員でも運営できるような地方自治体の執務環境が重要であるとややとがった指摘をしました。ともすればデジタル化は仕事を増やしかねませんが、正しいデジタル化によって職員の業務量をできるだけ軽くすることが何にも増して重要です。
 そして、高齢化が進む過疎地域では、地域コミュニティーを維持することが難しくなってきています。もちろん元気な高齢者が町を守り立てているところもありますが、やはり災害時の対応などはなかなか厳しい地域も多いようで、一月の能登半島地震でもそうした状況が目立っています。これについては、性急に人口増を求めることはそもそも無理ですが、地域なりの自治があり、その上に市町村の自治があるという考え方が重要です。
 デジタル化で業務負担を軽減できれば、自治体職員が地域担当職員として現地訪問を含めた支援に向かうこともできるでしょう。また、災害時に担当地域を重点的に巡回し、必要な支援をしかるべきタイミングで行っていくこともできるでしょう。さらに、他の自治体との調整などの業務にも従事しやすくなります。地域の問題、圏域の問題と自治体運営とをタイムリーに結び付けるような業務改革の上に地方自治があることこそ、人口減の地域においては必要となります。
 その際の鍵概念は、地域の尊厳だと私は考えています。高齢化や人口減が更に進んだとしても、その地域は尊厳を保っていると見るべきであり、効率化のために都市部へ移住すればよいといった尊厳を無視した議論をそこから批判していくべきだと私は考えています。また、仮に将来人口がゼロになる地域があったとしても、それを悲観するのではなく、そこまでに至る長い過程の地域を尊厳を持って受け止め、自治の下、周囲もこれを支えていくということが重要なのです。
 また、人口減は、どうしても最初に問題が顕在化する過疎地に関心が行きがちですが、大都市部も遅れて人口減の局面に入ります。更に言えば、人口減ではありながら、高齢者人口が多くなるため、医療、社会保障などの行政需要が激増する可能性もあります。とはいえ、都市部であればこそ、産業振興の可能性などもあり、事態は容易に予測できません。都市部が将来の人口減に備えた対応を今からどれほど準備できるのかを、住民としても国民としてもしっかりと見守っていかなければいけないと考えています。
 そして、第三点目です。新型コロナによって顕在化した日本の国と地方との関係における問題です。
 第三十三次地方制度調査会は、この問題を正面から議論し、地方自治法において、国の地方自治体に対する一般的な指示権を規定することを提言しています。ここでの私の話は、このあくまでも地方制度調査会の提言に基づいたものとして行わせていただきますが、今国会で改革法案が審議されるものと思われます。
 地方制度調査会では、こうした問題を平時ではない非平時における国と地方との関係の問題だとして、パンデミック以外に大地震など大規模自然災害、武力攻撃といった事態における法規定を検討しました。その結果、大規模な災害、感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、国民の生命、身体又は財産の保護のため必要な措置の実施の確保が求められる場合であるとか、その事態が全国規模である場合や全国規模になるおそれがある場合、あるいは局所的であっても被害が甚大である場合、また、当該事態が発生している地域が離島などのへき地であり、迅速な対応に課題がある場合など、そうした非平時に個別法での指示権の規定がなくとも地方自治法の一般的な規定によって国は地方自治体に指示権を行使するよう、制度の立案を提言しています。
 そもそも今回の指示権の規定の前提にあるのは、コロナ禍の際に、国側には、地方自治体がなすべき対応をなかなかしていなかったことへのいら立ちがありました。また、地方の側では、ワクチン接種が性急であったことで住民への混乱が生じたといった、国の側の現場への理解が行き届いていないことへの不満があります。
 双方をどう調整するかが問われています。こうした指示権は、閣議決定などの内閣での合意の下、担当大臣から地方自治体に発せられるという手続を取るよう提言しています。地方自治体は、指示に沿った一定の行動を取ることが求められます。
 しかし、よく考えれば、本来ならば地方自治体が独自に指示される内容について行動すべきです。国が指示するというのは、何らかの理由でしかるべき行動を地方自治体が取ることができない状況だということになります。とはいえ、地方自治体がそうした行動を取ることができないのであれば、国が幾ら指示したところで地方自治体は行動できないのではないかという疑念がすぐに浮かびます。
 この点は、地方制度調査会でも様々に問題提起されたところです。つまり、指示権が意味を持つ場合が果たしてあるのかということになります。非平時は様々な事態があり得るため、国の指示や裁断があって地方自治体が初めてうまく行動できることもあるのではないか。であるならば、今回の新型コロナにまつわる混乱をきっかけにそうした法規定を設けておいた方がよいだろうという見通しが地方制度調査会にはありました。
 いずれにしても、非平時では、問題が深刻な地域の地方自治体と国とが十分情報共有することが何にも増して不可欠です。そうした情報共有があれば、国の指示権を行使するまでもなく地方自治体は一定の判断をすることができるはずであり、判断に遅れがあるなどの状況があったとしても、いたずらに国が指示権を行使する必要はなく、自治体の判断を合理的に待つことができるはずです。万一、指示権を行使する際にも、十分な情報共有があれば、国と地方が対立することなく、指示を受けて地方自治体も一定の対応をすることができるでしょう。
 私見では、こうした国と地方の情報共有と指示権とは、リダンダンシー、冗長性の関係にあると考えています。リダンダンシーとは、ロケットなどで本来の回路が動かなくなったときに、別の回路を準備しておくことで安全航行できるように設計する手法を指しますが、情報共有と指示権とをそうした冗長性の関係に立たせることで、混乱した国が突然指示権を行使するといった事態や、地方が国の指示権を無視したり、行使できないまま放置したりするという事態を避けることができると私は考えています。
 非平時は多様です。平時から見れば、指示権行使の条件を満たすような極限状態としての非平時はめったに到来しないはずですが、いざ非平時となれば、冷静な見通しを失った国、地方の関係の中、突如指示権を行使する決断を国がしないとも限りません。国会はそうした状況をしっかりと監視する役割を負っています。いざ指示権が行使された場合は、その行使の状況を国会がしっかりと監視しなければなりません。
 地方制度調査会は、政府には事後検証を求めるべきだと提言しています。また、一度行使された指示権をそのままにせず、可能な限り個別法の立法によって同じような事態で再度一般的な指示権を行使しないような措置をとるべきだとも提言しています。それぞれ、国会が監視と立法を適切に行うことが不可欠です。つまり、一般的な指示権を法律に規定することは、それに伴い、国会の役割が重要であることをも要請するのです。
 一見このような規定は不要に見えるかもしれません。しかし、ここで強調したいことがあります。いざ非平時ともなれば、法的根拠なく国が地方自治体に指示を出そうとする事態は十分あり得ることです。東日本大震災では、相手方は地方自治体ではありませんでしたが、中部電力に対して浜岡原発の運転停止を国が求めました。コロナ禍では、国が地方に対して学校の一斉休校を求めたのは記憶に新しいところです。
 法規定がないとむやみに国が指示を乱発するという事態を招きかねません。しかし、法規定があれば、まずはこの規定に沿って指示権を行使できるかどうかを国は検討しなければならなくなります。つまり、一般的な指示権を法律上規定することで、まずはそうした具体的な法規定の要件と手続に落とし込んで国が指示権を行使するように促すことができます。法規定を前提としない指示の乱発はかなりの程度防げるのではないかと私は考えています。
 今回の地方制度調査会の提言は、相当程度限定された危機的な状況の下で、閣議決定などの手続を経た上で国が地方自治体に対して指示権を行使するよう提言しています。また、事後的な検証も必要だとも述べています。こうして指示権行使の事前と事後の手続に枠をはめた規定があり、それを前提としながら、まずは国と地方が十分情報共有することが求められているのです。
 したがいまして、今回地方制度調査会が提言した一般的な指示権は、国会による十分な監視とともに法律上規定され、次に到来するおそれのある非平時に機能することを私は期待しております。
 ここで、私の意見を述べさせていただきました。
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川田龍平#6
○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、人羅参考人からお願いいたします。人羅参考人。
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人羅格#7
○参考人(人羅格君) 毎日新聞論説委員の人羅と申します。よろしくお願いいたします。
 今日は、メディアでの立場から、国と地方の役割分担ということについてお話をさせていただきます。
 まず、分権改革についてなんですけれども、地方分権という言葉がメディアにどれぐらい取り上げられているかということを、まあ毎日新聞に限られた資料ではございますが、データ検索してみましたところ、最近は、最近じゃないや、東日本大震災の前の二〇〇九年から一〇年までの間には、一年間で千件もの記事が、地方分権を扱った記事が確認できました。それが最近はどうかといいますと、二〇一三年以降は、この千件に到達するのに十一年も掛かっているということで、記事の分量からいうと、単純計算すると、地方分権を扱っているのは十分の一になっているという状況であります。
 恐らくこれは、メディアの関心ということもありますけれども、政治的にも地方分権ということについての関心が若干やはり低下しているということの表れではないかというふうに考えております。
 それでは、なぜこの地方分権というのが最近非常に目立たない話になっているかということを私なりに考えたところ、三つ理由がありまして、一つは、まず、小泉改革のときのいわゆる三位一体の改革、これが、税源移譲がテーマになりましたけれども、最終的には地方交付税の削減というところが目立ちまして、地方側からすると、頑張った損、一種のトラウマが残ってしまったということがまずあったと思います、税源については。これが一点目です。
 二点目は、国の出先の改革ということがまさに議論されているその途上において、東日本大震災がございました。
 このときに、やはり国道とか港湾とか河川とかそういった基幹的なものについてまでそれを地方に移譲していいものですかという議論がやはりそれはそれなりの説得力持って論じられたということで、やはりそこで国の出先という議論も、まあ正直言うと尻すぼみになったということで、この議論が恐らく、道州制という議論が最近非常に下火になっていると思うんですけれども、なぜかというと、やはりこの議論がしぼんだ結果、道路とか河川とか、その結果やはり道州というものもどうかなというところで、私は道州制の議論が低下しているのもここに関係があるんじゃないかというふうに考えています。
 もう一つが、先ほど来話にあった、分権よりももう目先の人口減少、ここのところの方が大変だというところに焦点が行ったということだと思います。
 これが、二〇一四年、今から十年前のいわゆる消滅自治体リストということができて、それを受けて安倍内閣においては地方創生という取組がなされたということで、分権よりも地方創生ということではないかということで、そういったことがあってその分権改革というものは一種隘路にはまっていると、これからどうやっていいのかという状況にあるというのが客観的に見た状況ではないかというふうに思いました。
 それで、とはいうものの、私、同時に感じたのは、もし地方の方が分権改革はとってもいいことだと、この動きを止めてほしくないという思いが切実にあれば、やはり実際には動くと思うんですね。
 ところが、実際のところ言うと、今、地方の側ももっと分権してくれという話は実際にはなかなか聞こえてこないという、もちろん公式にはもっと分権をと言うんですけれども、実際に非常に強く言っているかというと、そこはどうもそうじゃない感じがありまして、それはやはり、このいわゆる第一期、第二期分権改革とありましたけれども、その果実というものが恐らく地方の方にあんまり実感されていないんじゃないかなという印象があるんですね。下手すると逆に仕事ばっかりもらって何か分権疲れだよみたいな、そういうような印象すらあるんじゃないかという、そこが、分権改革がもうひとつ今停滞しているというもう一つの要因かというふうに思っております。
 それでは、これから、じゃ、国、地方の関係のメインの焦点はどこに行くのかというと、これはやはり、私は率直なところ、まずは人口が減少がしていく中でその地域をどうやって持続していくのかというところにそのポイントが来るということはそれはもう非常に当然であるし、そうあるべきだというふうに思っております。まあ、分権がだからどうでもいいというわけではありませんけれども、その中で分権というものも考えていくという話であると思います。
 この十年間、地方創生というものの取組は進みましたけれども、やはり進んでみると、いかほどの効果があったのだろうかなというところは、やはり客観的、冷静な検証が必要ではないかというふうに思います。
 この議論の一番どこに問題があったかというと、これはやはりその人口減少を食い止めようというベースの議論でありまして、人口は減るんだからといっても、いずれにしろ、少子化対策というものはその勾配を緩めるための議論でございますから、人口減少というものは避けられないんだよということをベースに、じゃ、どうすればいいんだというところの議論がやはり不足していたと。そこで、その人口減少を食い止めるための議論というところに傾斜してしまっているという印象であります。
 そこで、そういう反省もあって、先ほど牧原先生のおっしゃった二〇四〇年の議論とかそういったことが心ある官僚とかによって進められているわけなんですけれども、とりわけやっぱりこの十年間を見ていて決定的に遅いなと思うのは、やっぱりインフラの老朽化ですね。急速に進むインフラの老朽化ということについてどういうふうにその地方は対応するのかという意味での骨太の議論。
 あともう一つ、心配、私しておりますのは、介護ですね。さっき、大都市圏の急速な高齢化、これがもうすぐ、もう目の前に迫っていますので、そのときに、もう試算として大量の介護要員の不足というものがもう出ているわけですね、数字として。その大量に介護要員が不足したその人手を、また地方さんお願いしますと、若い人お願いしますという話になったら、もう本当に日本の地方はどうなるんだろうかというふうなぐらいに思っています。だから、もう試算で穴が空くというふうに分かっているんだから、じゃ、それどうしようかというものを政治の方で一生懸命考えていただきたいと。そこのところを、インフラと特にこの介護、ここについては非常に心配しているわけです。
 あともう一つ、その分権の絡みでいいますと、日本のこの、また私の目から見た分権改革というのは、どうしても首長さんへの分権ということで、いわゆる団体自治というところが重視されていまして、住民が参加している住民自治、この要素がやはり弱いのではないかと。だから、住民の方からも分権してくださいという声が余り出なく、聞こえてこないという話ではないかというふうに思います。
 なので、これからまさにこの地域をどういうふうに持続していくんだということを、住民の人が入って、いろんなその役割を持つパーツを演じている地域の代表がございますよね、そういったところできちんと議論して、どうやったら自分たちの地域が持続していけるんだろうかというところをきちんと議論していくような枠組みというものをつくっていくと。それで、そういったところから国にこうしてほしいというところの要望もあるでしょう。そういったことを議論していくというサイクルが、分権改革の絡みでもありますけれども、住民が参加して、もうそのところに住んでいる住民の人に、これから自分たちの地域をどうしますかというのは、それ国が決めることでもなきゃ都道府県が決めることでもございません、その住民の人が話し合うというところの枠組みをしっかり構築するということが必要ではないかというふうに感じております。
 あと、さっき三位一体改革の挫折について申し上げましたけれども、税源の移譲ということについては、もう私は現時点で地方に何かまとまった動きを取ることは困難じゃないかと思っています。もう今、ふるさと納税と偏在是正の議論で大都市圏とその他地方の利害関係というのはもう真っ向から対立している状況になっていますので、このところでその両者をつないで何かその税源移譲をやるといったところで、じゃ、それでその税源をどうその偏在是正に絡めるんだというところで問題になってしまいますので、なかなかもうこの話で地方はまとまりにくくなっていると思いますので、何かしら、今度、森林環境税ですか、ということがございますよね、あれは国税としてですけども、もうちょっとあれに近いような形を地方税的に考えるとかいう形で、何か共通の目的で地方全体で取り組むというような、そういった議論だけでも進めていかないと、なかなか今、この対立してしまっている大都市圏と地方の関係というところからその税源の移譲なりのそういった議論を進めるということは難しい状況ではないかというふうにも考えております。
 あともう一点、国、地方の関係で今必要かなと思っているのは、都道府県の議論ですね。都道府県の役割というものをどう考えていくのかということの議論もこれからの議論としては必要かと思います。道州制の議論というものは非常に下火になっていますけれども、これから都道府県は、恐らく小規模町村の機能をどうやって補完していくんだというところの議論が切実になっていくと推察しております。では、そういった議論で都道府県の役割というものをどういうふうに位置付けていくのかというところがかなり問題になると思います。
 あともう一つは、その一方で、都道府県だけでは収まらない議論というのがあるわけですね。例えば人口減少にしても、やはり中枢都市、札幌、仙台、広島等々のですね、そういったところのダム機能というものをどう整えていくのかというところの議論で、やっぱり東北ブロック、中国ブロック、九州ブロック、そういったところで物事を考えていくというところが必要だと思いますので、こういう枠組みを、じゃ、どう考えていくのかというところもこれから大いに議論が必要ではないかというふうに考えております。関西には関西広域連合ってございますね。ああいったものの、じゃ、ああいったものを何か法的に位置付けることはできないかとか、そういった議論の余地もあると思います。
 あと、住民については、自治体については関係人口ですね、最近話題になっている。この関係人口というものを、今はふるさと納税一回やっても関係人口だとか、旅行に繰り返し行ったら関係人口だとか、いろいろ定義もはっきりしておりませんけれども、この関係人口というものがもし地方にとって非常に有望な選択肢であるとするならば、それをどういうふうに位置付けていくのかと。例えば法制化を考えて住民税の分納みたいなことをある程度考えていくとか、まあ総務省は絶対嫌だと言うでしょうけども、そういった議論とかですね。
 そういったもろもろの議論のフロンティアがあると思いますので、なかなかやっぱり総務省とか今の現状の自治体ではなかなかそういった議論が積極的に提起されにくい環境もあると思いますので、政治的な議論を、地方行政というのはなかなか地味な分野でありますけれども、起こしていくのが政治の役割ではないかというふうに期待している次第でございます。
 もう一つ、これを話し始めると長くなるのであえてここで話しませんでしたけども、例の、先ほど来話になっている指示関係の法整備ですね。これについては、弊紙は社説で非常に慎重な立場を取っております。もしその理由等に質問がございましたら、質問があればお答えしたいというふうに考えております。
 ありがとうございました。
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川田龍平#8
○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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青山繁晴#9
○青山繁晴君 自由民主党の青山繁晴でございます。
 今日おいでいただいた参考人の皆様は、お忙しい中を国会審議に関与いただきまして、感謝と敬意を述べたいと思います。
 まず、牛山久仁彦参考人にお伺いします。
 今日の私の質問はちょっと厳しめかもしれないというのを危惧しつつお聞きするんですが、牛山参考人からは、災害と自治の絡みが積極的に語られました。お聞きしていて、基本的に今日は、牛山参考人がお話しになったのは災害が起きてからの自治の課題だと思うんですが、一番最近の能登半島地震を考えますと、能登半島のあの頭の部分の変わった形状というのは、海底に直線でいうと百五十キロに及ぶ活断層があるということは、危機管理に携わっている中では常識に近いわけですよね。ところが、それにもかかわらず、例えば東京ですと、タワーマンションは首都直下型地震に備えて耐震構造が求められています。古いマンションでも改修工事も行われたりしています。しかし、能登においては、つまり北陸、石川県においては、群発地震が起き始めたときに本当は、海底活断層の関係から、まず半島の北端部の民家が、二階建てが多いですので上が潰れてきて下にいる人が犠牲になるということが十分予想できたのに、それがさっぱり行われないままでした。
 これは基本的には私たち政治の側の責任であって、そういう意味で厳し過ぎる質問を投げかけるかもしれませんが、要するに自治に格差があるわけですよね。平均的な国よりもはるかに大きな東京都ですと、格差の上位にある自治が行われるから、やはり耐震構造なども、一般民家、マンションも民家ですから、そこに及ぶ。しかし、東京と比べるとはるかに規模が小さい石川県、あるいはその北陸の福井県その他であっても、格差の下にいる自治でありますから、例えば民家がそのままになってしまっていたと。そうしますと、政治の課題として、自治に実は非常に大きな格差があって、しかも広がっていると。東京に人口集中する以上はそうなりますね。
 その格差を解消するためには、例えば、牛山久仁彦先生におかれてはどういうふうにお考えなのかをまずお聞きします。
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牛山久仁彦#10
○参考人(牛山久仁彦君) 青山委員の御質問、大変ありがとうございます。
 まさに御指摘のように、私も危機管理に関する自治体の防災研究等を進める中で、どうしてこういうふうになってしまったのか。つまり、群発地震がこれまでもある中でこれだけの被害が生じることを防げなかったのかというのは、当然重要な課題として認識しているところでございます。御指摘の自治の格差という言葉を大変私も重く今受け止めさせていただきましたけれども、要するに、一つは財政面での格差、それからやっぱり人口減少という中で地域、地方がどんどん衰退しているような状態、この中で今回の被害の拡大というのも生じてしまっているのかなというように考えているところでございます。
 その意味でいいますと、先ほどから申し上げておりますが、やはり一つは、自治体行政のやはりその問題意識でありますとか、あるいは政策への取組、こういったことについてやはり一層の努力が必要であると。私の申し上げていることは、非常に自治体に寄った見方といいますか、自治体の、何ですか、の立場に立ったような言い方をしているかもしれませんけれども、一方で、やはり市町村がもっと厳しい取組をしないと地域も支えられないと。
 当然そこには財政問題という非常に大きな壁があるわけですけれども、その意味では、地方へのそういった支援、今回も地方創生などでは様々な取組がその自治体で行われているわけですが、それがどうも能登半島等でも、十分にそういった地域を強くする、国土を強靱化するといったような方向ではなくて、先ほどちょっとお話もございましたけれども、何というんですか、人口を集めようとか、お金を引っ張ってこようとかいうような方向になってしまったというところが非常に大きな問題で、やはり地域の自治体行政の能力を高め、国の施策を有効に使っていくための体力といいますか、足腰の強さ、これを何らかの形で進めていく必要があるだろうと思います。
 抽象的ではあるかもしれませんけれども、財源の問題はもちろんありながらも、やはり自治体職員の能力向上のための研修でありますとか、あるいは政策への問題意識を持っていただくような努力でありますとか、そういったことを一層進めていかないといけないのではないかというふうに思っております。
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青山繁晴#11
○青山繁晴君 牛山先生、ありがとうございます。市町村と向き合ってこられた先生ならではのあえての提言だと受け止めました。
 時間が十五分しかないので、一応一巡はしたいんですけど、次に、牧原出参考人にお伺いします。
 牧原参考人から、人口減は不可避であるという御発言ございました。人羅参考人からもそういうお話がありました。あえて問題提起したいんですけれども、この地方は人口が減っていくんだという考えが余りにも浸透しているので奇妙なことも起きていると考えていまして、先般、滋賀県に行ったんですが、滋賀県は、御存じのとおり、関西では唯一人口の増えている県なんですね。最近その人口増がやや鈍ったといっても、横ばいであって減ってはいない。
 ところが、例の一票の格差解消のために小選挙区は一つ減りました。滋賀に入って人々の意見を聞いてみると、地方というのは人口が減るという思い込みでこういう単純なドント式の計算も当てはめられて、人口が減っていないのに小選挙区が減るということは、まず主権者が選んだ代表が一人減るわけですから、立場、イデオロギー、支持政党の違いを超えて、滋賀県の中には、実は東京には余り聞こえてこないけど、怒りが鬱積しているということも現場で感じたわけです。
 そうしますと、牧原参考人にあえてお伺いしたいのは、さっき先生からは、人口が減っても尊厳を保つことが大事だと、非常に印象深いお言葉ありまして、それに非常に私は共感するんですが、同時に、人羅さんのようなメディアも含めて、人口は地方では特にどんどん減っていくんだというのが過剰に浸透していないかというのを、滋賀の例を引いて、ちょっと牧原先生の考えをお聞きしたいです。
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牧原出#12
○参考人(牧原出君) 人口予測の上では減るということになっておりますし、また都市部も人口減に向かうということも予測されているということの上で、日本全体として人口減が向かっていく中でという議論を自治体戦略二〇四〇構想研究会ではいたしておりました。
 ただ、地域によっては、必ずしも減らない、あるいは増えている、緩やかなところ、様々だと思います。ですので、全体として減ることはこれは不可避だとしても、その地域ごとの減り方が違うことをどう考えるかということが大事でありまして、頑張って横ばいとか増えているところは、もちろん社会的流入が多いと思いますけれども、行政サービスをしっかり展開していただきたいと思いますし、人口が減ったとしても、何か減ることがうら寂しいということでは必ずしもない、尊厳を持ってそれを受け止めていくべきではないかというふうに申し上げました。
 以上です。
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青山繁晴#13
○青山繁晴君 私個人というか、一人の国会議員としては、日本全体の人口減というのも、こうなるんだと決めるのはよくないと実は思っていまして、実は先進国でも人口回復に成功している国もありますので、そこはちょっと、質問するのが趣旨なんですけど、申し上げておきたいと思います。
 最後に、人羅参考人にお伺いします。
 人羅参考人がおっしゃった関係人口のことも考えると、関係人口って割と新しい言葉ですけど、旅行者のような交流人口だけに限らず、とにかくその地域に関わる人を、多様な人たちを人口の一つと考えることですよね。そうすると、なぜそれを取り上げたかというと、こういう新しい概念も出てきているわけですね。
 そうすると、例えば地方分権というのは大事だというのを、あえて片仮名で言いますけど、アプリオリ、アプリオリ、つまり先天的にというか、あらかじめ定まったこととして言わば絶対的な価値があるんだと思うんじゃなくて、あえて言いますが、敗戦後の日本はやっぱりアメリカの制度に非常に影響されていますが、そのアメリカは元々はイギリスに影響されていて、全てを選挙で選ぶとか、それから地方分権を唱えるというのは、イギリスの現実と合っているかどうかは別にして、イギリスから始まった考え方だと思うんですよね。そうすると、そういう考え方をずっと、もう一回言いますが、先天的にあらかじめ決まったことのように正しいと思ってきたけど、本当は、地方の人口も、その関係人口という新しい考え方入れると、必ずしも分権して自治を強化することが幸せにつながるかどうかというのは問うべきじゃないでしょうか。
 さっき介護のことを言われましたが、ヤングケアラーって、これも片仮名ですけど、社会問題になっていて、ヤングケアラーの問題を地方分権、自治体の現場によって解決するというのはほとんど無理だと思うので、そこは、今まで言われているところでもあるけど、国の関与をもっと強めなきゃいけない。そうすると、その中央集権と地方分権が対極する考え方という、言わばステレオタイプな考え方は本当は乗り越えられるべきじゃないかとも思うんですが、人羅参考人のお考えをお聞きしたいです。
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人羅格#14
○参考人(人羅格君) おっしゃるとおりで、中央集権と地方分権というものが全くその衝突した展開で考えるべきかというと、そこはやっぱり状況に応じて、先ほど、例えば有事の場合とかいろんな状況がございますので、それに応じてその考え方というのは余り硬直的に考えるべきではないというふうには考えています。そこはそうだと思います。
 あと、関係人口について私が思っているのは、この関係人口というのは非常に魅力的な考え方ではあるんですけれども、それが余り極端に走ると、関係人口増えているから人口増えなくていいんだというような、そういった議論にもなりかねない部分もややちょっと私は危うさも感じておりますので、そこも含めると、やはりこの関係人口というものはどういうものなんだということについて、余り前提を置かないで、それできちんとそれが法律になじむのかなじまないのか、それはある意味新しい突破口となるのかならないのかということも含めて、まさに政治の場で議論していくべきではないのかというふうに考えた次第でございます。
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青山繁晴#15
○青山繁晴君 人羅参考人が言わば提起してくださった関係人口というのは、行政の在り方を考える意味で、本当はかなり根っこに関わることだと思うんですよね。つまり、定住している人だけを人口と考えるのか、これだけの通信、交通の発達とAIの導入によって、定住していることだけを人口というんではないんじゃないかという考え方もあることを関係人口というわけですよね。
 そのことについてもう一度人羅参考人のお考えをお聞きできますか。関係人口が指し示す近未来というのはどういうものなのか。
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人羅格#16
○参考人(人羅格君) 私自身は、関係人口というものはもう少し具体的に考えていいんではないかというふうに思っておりまして、例えば最終的には、まずは関係人口を自治体に登録していくと、その登録した上で、例えば最終的には住民税の分納みたいなことを考える、そういった余地はあるんじゃないかと。
 例えばの話で言うと、今福島から避難を長期的になさっている方がいらっしゃいますよね。そういった方々は、実際には福島に住所があって、それで実質住んでいるところは関東だということが長く続いていらっしゃいます。そういった人たちのその住所ということをどう考えていってあげたらいいのかという、そういった問題もあると思います。
 そういったことを考える上でも、その住所を少し柔軟に考えるということは、これは恐らく総務省的には絶対嫌な話だと思うんですけれども、だからこそ、政治的な意味で議論を進めていってもいい話ではないかというふうに考えております。
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青山繁晴#17
○青山繁晴君 お三方とも、これ決して社交辞令でなくて、非常に政の側に参考になる意見をいただきました。ありがとうございました。
 終わります。
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三上えり#18
○三上えり君 立憲民主・社民の三上えりです。
 本日は、お三方の先生から貴重なお話を伺いまして、大変ありがとうございます。
 では、質疑を行わさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 昨年末に第三十三次地方制度調査会から三つ、DXの進展を踏まえた対応、そして地方公共団体相互間の連携協力及び公共私の連携、もう一つ、大規模な災害、感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応、この三点を柱とする答申がありました。これを受けてこの通常国会に地方自治法の一部改正案が提出される予定という流れです。
 本日は、この動きも踏まえて、私は、三番目の非平時、いわゆる平時ではない状況における国と地方の役割分担について、非平時の国の指示権について先生方の御意見を伺います。
 地方制度調査会で、全国知事会などから、非平時の国の指示権について国と地方の対等な関係が損なわれるという懸念が出ておりましたが、私も、これ極めて問題があり、制度化すべきではないと考えております。
 まず、この地方から出た国と地方の対等な関係が損なわれるという懸念について、皆様から御所見を伺います。お願いします。
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牛山久仁彦#19
○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。
 先ほど私のお話の中でも一部触れさせていただいたところでございますが、まず一つには、この法案等がこれから具体的に出てくる中で議論しなければいけないというふうに思ってはおりますが、自治事務と法定受託事務について整理をし、自治体の自治事務についての関与はこの指示は行わないという形で整理してきた経過がございます。
 これを、まあ地制調としては非平時という言葉は使っていないかもしれませんが、議論の中で言われている、また牧原先生が先ほどおっしゃられた非平時について、どういった状況になればこの自治事務にまで、自治事務も含めてこの指示が及ぶのかというのが、この非平時という言葉が私はよく理解できなくて、例えば緊急事態とか、そういった問題について憲法などを含めて議論があることは十分承知しておりますし、またそういったことが必要である場合も、戦争でありますとか、こういった緊急事態等でどんなふうに議論されるかというのはあるかと思います。
 ただ一方で、その非平時というのは、非平時というのがどういう状況かが明確でない中で、そういったその憲法上も認められているような地方自治の権利といったものを制限するというのが、これが私は、一つは、どんなふうにその法的な整理をするのかというのが課題だと思っております。
 それともう一つは、先ほど申し上げたことですが、私は、先ほどの青山先生の御質問にも答えさせていただく中で触れましたように、やはり、この市町村とか都道府県ですね、こういったところが、一体いつどこで起こるか分からないこの大きな災害などについて、例えば、先ほど申し上げましたように、東京首都直下の大きな地震で国家機能が麻痺するような場合に、自治体が自主的に様々な形でこの首都圏の支援をするといったようなことが大事だというふうに思っております。そういう意味では、関西あるいはその中京圏からの支援というのも大事だと思いますが、この指示権というのを出されますよということになりますと、一体どこの自治体がどこにどういうふうに応援するのかというのが明確でない中で、その指示待ちの自治体ばかりが増えていくような危惧があるというふうに思っております。
 その意味で、先ほど申し上げました、その国の関与の類型というものをせっかく行ってきた、地方分権改革の中でここは非常に大きなところだと思いますが、これを無に帰するような法改正にならないように是非御議論いただければなというふうに思っておりますし、またあわせて、市町村、あとあるいは都道府県、まあ市町村が中心だと思いますが、この指示待ちの状態になることが常態化されるような法改正、こういったものは是非慎重に行っていきたいというふうに考えているところでございます。
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牧原出#20
○参考人(牧原出君) 私も、今るる申し上げましたように、いろいろそのままに指示権というものを考えると難しい問題が多々あると思っております。
 ただ、大きく分けてまず第一点目ですが、知事会の御懸念というものも地方制度調査会で私も聞きましたけれども、知事会の側は、もっとその協議の場、国と地方の協議の場を増やすなどの情報共有を密にしてほしいという強い要望があり、それを踏まえた提言にはなっているということです。現実の改正法案がどうなっているかということは、その辺りしっかり国会の場で御議論いただきたいというふうに思います。
 二つ目は、やはりこれは市長会から出た懸念でしたけれど、やっぱり国の指示が住民の混乱を招いたりしないかということでありまして、やはりこれが一番大きな問題だと思います。住民の混乱を招くような指示、一方的な指示が出ないようにするにはやはり事前の協議なり情報共有が大事でありまして、いろいろな本当に限定された、かなり法は、地方制度調査会の提言はかなり限定された事態を想定した要件を出しておりますけれども、もう一つその向こうにあるのが、そういった、住民にそれがどういう影響を与えるかということをやはりしっかり地方の側も考えて国と情報共有をすべきだというふうに思っております。
 それから三点目は、実は地方は従わないということがあり得る、あるいは従えないということもあり得るわけで、法律上は指示権を出しても、地方がこれに応じない場合どうするかという問題はまだ残っています。裁判などになるという可能性もありますけれども、非平時に裁判をしていても余り意味がないということで、やはりこの指示権は地方が迅速にそれに応じられる指示権の行使でなければ実際には意味がない。そうじゃないとすると、実はこれはかなり政権にとっても大きなリスクになるものであります。ですので、やはり地方が従うようなものをしっかり、地方がそれに応じるようなものをしっかり国が指示権を出すべきだというふうに考えています。
 いずれにしても、非平時ですので、やはり国と地方は対等であり、地方は従わないという、そういうオプションを持ったとしても、できるだけ協力してその状況にやはり打開する、そのためのあくまでも一つの私はオプションとして、この今回、指示権というものが提案されたんだと考えています。
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人羅格#21
○参考人(人羅格君) 先ほどちょっとお話しできませんでしたが、この制度改革については基本的に慎重な立場を毎日新聞は取って社説を掲載しております。その心はといいますと、緊急事態において国の指示等が行われるということをもちろん一概に否定しているわけではございません。
 実際のところ、私、この答申が出るに当たって総務省側にもかなり問合せをしているわけなんですけれども、例えば武力攻撃事態、今回の大規模感染等々とか、いわゆる個別法でかなりのことはこの指示関係についてはもう整備されているはずであると。それはそうだということなんですね。それでは、では、それでは足りないという、では何をこの法律というものは例えば念頭に置いてこの一般化というものを図られているわけですかというふうに聞いたところが、それは想定ができないようなことが起きたときにそれに対応するための法律なんですよという返事になるわけで、ここから先は禅問答になっちゃうんですね。それは何やと聞くと、いや、それはその想定し得ないことであるというようなことになっていまして。
 そうすると、こちらとしても、何か一つや二つぐらい、こういったことが例えば現行法上はまだ穴になっていて、それは個別法ではなかなか救い切れないんですよというような説明があれば、ああ、なるほどというふうに考えることもスタート地点としてあるんですけれども、何を想定しているのかということが分からないという状況ですので、そうなると、その立法事実と言っては大変失礼になりますけれども、そこのニーズというものはどこからくる法律なのであろうかということがまずよく判然としないと。
 そこからすると、こういった中でその法律をわざわざ一般法を作るとすると、そこには何がしかのその原則を改めるというような考え方の変化というものがあるのかもしれないと。まあ分かりませんが、これは来月法律が出てきますので、その法案の書きぶりにもよると思うんですけれども、そこには原則の変更というものは、話としては、もちろん総務省側としては、これは原則の変更は考えていない法律だと、極めて限定的なものであるというまた答えになってしまうわけなんですけれども、そうするとまた話は元に戻る。で、じゃ、それは何ですかという話になるわけでして。
 そうなると、この法案のその真の狙いというか、目的というのはどういったことを想定しているのかとかがよく分からない中で進むと、そこはやはり原則が変わってしまうということになると、それはそこの心配ですねという話になるという、そこのところが非常に大きい部分として慎重な立場ということになっております。
 以上であります。
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三上えり#22
○三上えり君 ありがとうございます。
 改正についてはしっかり国会でも議論してほしいということを牧原参考人からもお話がありましたけれども、これ、行使に当たってです。行使に当たってで、閣議決定を経て指示を行うことになるとされているようです。安倍政権以来、極めて重要な政策変更が閣議決定だけで次々と行われてきたことを考えますと、この点にも大きな不安があるとの声、そして議会軽視ではないかという批判の声、多く耳にしてきました。
 政権の意向だけで国の指示権が行使されるようなことがあってはならないと考えておりますけれども、国が行使するとき閣議決定で経て行うという点について、この点について閣議決定だけで行うということについてよいとお考えでしょうか。牧原参考人に伺います。
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牧原出#23
○参考人(牧原出君) 究極の非平時で閣議決定ができるかという問題あると思いますけれども、しかし、恐らく今回はそういうことではなく、やはり閣議決定ができるような状態で指示権を行使するというふうにすべきだというのが地方制度調査会の意見ですので、それくらい、つまり東京あるいは閣議を行える場は穏やかな状態でそれが行使されるということなんだと思います。
 この要件は、今、今回私どもで検討しました個別法でおおむね、このやっぱり閣議決定が前提となって個別法の指示権は規定されていますので、やはりこれは私も今回閣議決定という要件は必要だと思っております。
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三上えり#24
○三上えり君 この点について、人羅参考人、いかがでしょうか。今の意見に、今の質問に対してですけれども、閣議決定で行うということに対しての意見を伺えますでしょうか。
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人羅格#25
○参考人(人羅格君) もし、それ個別法とやはり同じですので、もしそれが必要なことであるとするならば閣議決定で行うということは一つの筋道かなというふうに思いますが、先ほど来申し上げましたとおり、それは何を想定なさっているのかということについてよく分からないということなので、そこにはやはり大きな不安があるということで、皆さんからも、今度法案が国会に出てまいりますので、これは一体どういったことを例えば想定しているんですかということを十分質疑で御解明なさることを期待しております。
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三上えり#26
○三上えり君 最後に、非平時には想定外のことが多くございます。感染症法の想定になかった新型コロナの初期対応しかり、能登半島地震は事前の対策に限界があったと思いますし、これから起こり得る直下型、首都直下型地震、南海トラフも、想定しても想定外のことが起こり得ります。これに対して、想定そのものが甘かったという反省の下、その甘い想定そのものを改めることが第一だと思います。
 この点について牛山参考人に伺います。
 ざるの目が大きいままで国の指示権を拡大しても問題の根本的解決にはならないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
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牛山久仁彦#27
○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。
 おっしゃられましたように、これから今後も大規模な災害あるいは場合によってはまたパンデミックとか、様々な事態あるいは緊急事態に該当するようなことが起こってくるかと思います。
 そういった中で、やはり私も、先ほど人羅参考人がおっしゃられたように、この非平時という考え方が非常に分かりにくいと思うんですね。つまり、本来であれば緊急事態というふうなことについて法制度整備などをしていくというのが筋だろうというふうに思っておりますので、その際に、この非平時というのがその事態とは何が違うのか、また、どういう事態に対してどんな対応を取るのかというのは明確でない。そういう意味では、何ですかね、先ほども御指摘がありましたが、最大のこの一般法である地方自治法の改正が何を目指しているものなのかというのがもう少し明らかになる必要があるというふうに考えております。
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三上えり#28
○三上えり君 ありがとうございました。
 以上です。
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竹内真二#29
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。
 三人の参考人の皆様には、お忙しい中を御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 三人の参考人のお話を聞いていて、やはり国と地方の役割分担といったときに、この地方の自治体の果たす役割というのは、私なりに考えますと、住民と直接やはり接しているその自治体というものが、直接住民の幸せというものに直結している、そういう役割を担っている、それが力を発揮されるようにということで、今こうした様々な国なりの取組というのはどうあるべきかということも、分権とか地方創生ということも議論されてきたと私なりには理解をしております。
 その意味では、今、人口減少、少子高齢化、あるいは住民ニーズの多様化といったような様々な時代の大きな流れの中で、この地方自治体というものをいかに維持していくのか、できる限り力を弱めないで逆に力を発揮していただくような形で取り組んでいただくのか、それを国もしっかり支援していく、これが私は重要だと思いますので、そうした観点から質問をさせていただきます。
 最初に牛山参考人にお聞きしますけれども、まず、国と地方の役割分担ということでは、本委員会におきましても、法律等で定められております地方の自治体の行政計画の策定という問題についても非常に議論がなされてきて、これは非常に特に規模の小さい自治体にとっては負担が重い、もう計画を策定したことによってもう本当にマンパワーが取られてしまうといったこともありまして、改善がされてまいりました。その点については参考人はどのように評価されていますでしょうか。
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