資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会

2024-02-07 参議院 全92発言

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会議録情報#0
令和六年二月七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         宮沢 洋一君
    理 事         広瀬めぐみ君
    理 事         宮崎 雅夫君
    理 事         宮口 治子君
    理 事         河野 義博君
    理 事         青島 健太君
    理 事         竹詰  仁君
    理 事         吉良よし子君
                有村 治子君
                井上 義行君
                加藤 明良君
                神谷 政幸君
                高橋はるみ君
                滝波 宏文君
                藤井 一博君
                船橋 利実君
                本田 顕子君
                青木  愛君
                鬼木  誠君
                村田 享子君
               佐々木さやか君
                若松 謙維君
                梅村みずほ君
                浜野 喜史君
                舩後 靖彦君
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十六日
    辞任         補欠選任
     加藤 明良君     小野田紀美君
     浜野 喜史君     杉  久武君
     舩後 靖彦君     藤巻 健史君
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     北村 経夫君
     宮崎 雅夫君     石田 昌宏君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     竹詰  仁君     浜野 喜史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         宮沢 洋一君
    理 事
                北村 経夫君
                広瀬めぐみ君
                藤井 一博君
                宮口 治子君
                河野 義博君
                青島 健太君
                浜野 喜史君
                吉良よし子君
    委 員
                有村 治子君
                井上 義行君
                石田 昌宏君
                神谷 政幸君
                高橋はるみ君
                滝波 宏文君
                船橋 利実君
                本田 顕子君
                青木  愛君
                鬼木  誠君
                村田 享子君
               佐々木さやか君
                杉  久武君
                若松 謙維君
                梅村みずほ君
                藤巻 健史君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        泉水 健宏君
   参考人
       特定非営利活動
       法人国際環境経
       済研究所副理事
       長兼所長     山本 隆三君
       一般財団法人日
       本エネルギー経
       済研究所研究理
       事        久谷 一朗君
       公益財団法人自
       然エネルギー財
       団常務理事    大野 輝之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関
 する調査
 (「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能
 社会の調和」のうち、資源エネルギーの安定供
 給確保と持続可能社会の調和に向けた論点整理
 (エネルギー安全保障の確立に向けた論点))
 (海外派遣議員の報告)
    ─────────────
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宮沢洋一#1
○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 この度の令和六年能登半島地震により甚大な被害がもたらされ、多くの尊い人命が失われましたことは誠に痛ましい限りでございます。
 犠牲者の御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
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宮沢洋一#2
○会長(宮沢洋一君) 黙祷を終わります。御着席ください。
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宮沢洋一#3
○会長(宮沢洋一君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、上田清司君、里見隆治君、舩後靖彦君、宮崎雅夫君、小野田紀美君及び竹詰仁君が委員を辞任され、その補欠として佐々木さやか君、杉久武君、藤巻健史君、石田昌宏君、北村経夫君及び浜野喜史君が選任されました。
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宮沢洋一#4
○会長(宮沢洋一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮沢洋一#5
○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に北村経夫君、藤井一博君及び浜野喜史君を指名いたします。
    ─────────────
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宮沢洋一#6
○会長(宮沢洋一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮沢洋一#7
○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮沢洋一#8
○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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宮沢洋一#9
○会長(宮沢洋一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮沢洋一#10
○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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宮沢洋一#11
○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。
 本日は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」のうち、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和に向けた論点整理」に関し、「エネルギー安全保障の確立に向けた論点」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、特定非営利活動法人国際環境経済研究所副理事長兼所長山本隆三君、一般財団法人日本エネルギー経済研究所研究理事久谷一朗君及び公益財団法人自然エネルギー財団常務理事大野輝之君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、山本参考人、久谷参考人、大野参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず山本参考人からお願いをいたします。山本参考人。
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山本隆三#12
○参考人(山本隆三君) それでは、私から御説明をさせていただきたいと思います。(資料映写)
 私の説明は、まず、エネルギーの安全保障という問題は歴史的にどういうふうな扱われ方をしてきたのかというお話から進めたいというふうに思います。
 これは、産業革命以来のエネルギー安全保障というのを簡単に表にしておりますけれども、図にしておりますけれども、産業革命までは、我々人類使っていたエネルギーというのは、バイオマスと言っていますけれども、まあいわゆる薪とかまきですね。それから水、水車ですよね。それから風、これは帆船とかそういうふうなものですね。で、一番使っていましたのは化学エネルギー、と言っても何のことかよく分かりませんけれども、食べ物です。人間とか牛とか馬が食べ物を食べて、その力でエネルギーにしていたというのがありますね。
 ところが、産業革命が始まってから石炭の利用というのが本格的に始まります。我々はよく、十九世紀は石炭の世代、二十世紀は石油の世代というふうに言うんですけれども、実は石炭の時代というのは二十世紀の半ば以降まで続いていました。一九五〇年代まで石炭がエネルギーの主力だったんですね。
 ところが、石油は軍事的にどうしても必要になるわけですね。それは、第一次世界大戦で石油を使った船艦が出てきて、石炭をたいていた船艦よりはるかにスピードが出るとか、あるいは航空機が登場した、戦車が登場した、こういうことで石油の調達というのは軍事的には大変な問題だったんですけれども、実は一九五〇年の、この一次エネルギーというのは電気ですとかガソリンとかに転換される前の素のエネルギーですけれども、それを見ますと、実は日本のエネルギー供給の八五%は石炭でした。一一%ぐらいは水力がありました。ということは、日本はほとんどエネルギーを自給していた国だったわけですね。
 ヨーロッパを見ても、実は日本とほとんど同じでした。石油の消費量が日本よりちょっと多いんですけれども、ただ、一九五〇年の世界を見ると、石油と天然ガスの消費量が結構あるんですね。これはなぜかというと、一九五〇年、世界のエネルギーの半分近くはアメリカ一か国が使っていたんです。アメリカは戦前から石油とか天然ガスを民間で利用していたわけですね。戦前から天然ガスのパイプラインを国内に引いていた国なんですね。世界全体で見ると、アメリカの影響で石油とか天然ガスが多いんですけれども、まあアメリカ以外の国、アメリカも含め、石炭に依存しているということが続いていたわけです。
 ところが、五〇年代、六〇年代から七〇年代にかけて経済が急激に成長します。これは、日本はその典型ですけれども、ヨーロッパも戦後復興で経済成長が著しくなるわけですね。そこで必要になるのはエネルギーで、石炭は相反して一九六〇年頃をピークに、日本ですと、一九六〇年から一九六一年にかけて、非常に有名な三井三池大争議という総資本対総労働の対決と言われる事件がありました。あの頃をピークに、日本の石炭生産は急坂を転げ落ちるように落ちていきます。その石炭生産を埋めるのが、非常に安価で中東から豊富に出てきた石油だったわけですね。
 これは日本とヨーロッパとアメリカの石油の輸入量を示していますけど、日本は、一九五〇年、石油の輸入というのはほとんどありません。七三年になると、とんでもない量を輸入しています。一九七三年というのは、御存じのとおり、五十一年前ですけれども、第一次オイルショックというのが起こって、まあこれは第四次中東戦争を契機に起こるわけですけれども、石油の値段が四倍になる、それから、石油を売らないぞというふうな脅しも出てくるということですね。世界は、これは大変なことになったということになるわけです。
 一九七三年、実は日本の一次エネルギー供給の七五%以上は石油でした。もう石油にどっぷりつかっている。ということは、一九七三年ぐらいまで、日本を含め世界のほとんどの国はエネルギー安全保障なんというのは考えていなかったと。それはなぜかというと、最初は国内に豊富にある石炭で自給率一〇〇%ぐらいで賄っていたのが、中東にある石油は安価でいつでも出てくると、みんなそういうふうに思っていたわけですね。ところが、七三年に石油が大変なことになって、それから世界は何を始めるかというと、エネルギーの分散を始めます。
 分散の一つはですね、ごめんなさい、その前に自給率見た方がいいですね。一九七三年、日本は自給率もう一〇%切っています。一九五〇年には自給率九六%の国が、石油に依存するようになってから自給率はあっという間に落ちるわけですね。でも、不安は感じていなかったんですけれども、オイルショックが起こって、日本を始め主要国はみんな不安になるわけです。
 エネルギー供給の分散を始めて、二〇二一年見ますと、非常にうまく分散が進んでいます。日本は石油、石炭、天然ガスですね。それから、世界全体もそういうふうに分散が進んでいるということなんですけれども、ここでちょっと見ていただきたいのは、世界は依然として化石燃料に依存しているんです。世界のエネルギー供給の八割は二酸化炭素を排出する化石燃料です。これをあと三十年ぐらいで本当になくすることができるのかということは大きな問題ですね。
 こういうふうに分散ができて、しめしめとみんな思っていたところに出てきたのがロシアということなんですね。どういうことかというと、世界の化石燃料生産、それから輸出。世界で石炭も天然ガスも石油も全部自給できる国というのは、多分アメリカとロシアしかないんですね。このアメリカとロシアは二大エネルギー大国なんですけれども、後でお話しするように、実は中国もエネルギー大国になってきているんですけれども、それは後でお話しします。
 このエネルギーの生産を見ると、確かに石炭も天然ガスも石油もアメリカとロシアが大変大きな生産を持っているんですけれども、輸出を見ると、アメリカは国内消費が多いものですから、ロシアが、特に天然ガスは世界の輸出量の二〇%を持つ、石炭ですと世界の輸出量の一八%ぐらい持つ。要は、化石燃料の輸出で世界一になった国はロシアなんですね。
 日本はロシアから輸入していますけれども、それほど大きな、石油にせよ、石炭にせよ、輸入量ではありませんでした。ロシアにどっぷり輸入を依存してしまったのがヨーロッパです。これは、ウクライナの戦争が始まる前の二〇二〇年、二一年のシェアですけれども、ヨーロッパは天然ガスの生産も減って輸入依存率が九割ぐらいになっていたんですけれども、そのうちの半分近くはロシアから買っていたんですね。ということは、消費量の四割ぐらいをロシアに依存していたわけです。石炭は消費量の四分の一ぐらいをやっぱりロシアに依存している。原油は、輸入量、ほとんど輸入ですけれども、やはり四分の一ぐらいをロシアに依存している。こういう状態で、ロシア依存が非常に高まっていたところに戦争が起こったということですね。
 戦争が二〇二二年二月の二十四日に起こります。それ以前から、ロシアは実はヨーロッパ向け天然ガス輸出量を減らします。これはなぜかというと、輸出量を減らすと値段が上がるからです。値段を上げるということは、ロシアの収入は増えたんですね。これは、ロシアの収入を増やす目的は、多分戦争を始めるために戦費をためようと思ったと。
 そういうことをやっているうちに戦争を始めるわけですけれども、戦争が始まると、ヨーロッパはロシアから購入する化石燃料を減らそうとするわけです。一方、ロシアはヨーロッパを脅すためにもっと減らそうと。要は、エネルギーを切らしてヨーロッパが音を上げるのを待つという戦略に出るわけですね。それがこれに表れています。
 こういうことをやると何が起こるか。化石燃料の値段が高騰します。その結果、ヨーロッパの主要国の電気代はとんでもないことになります。
 これは消費者物価指数から取っているイタリア、ドイツ、フランスの電気料金ですけれども、イタリアの電気料金、これは政府補助を行った後ですけれども四倍になっています。月一万円の電気料金が四万になるわけですね。これは大変な問題ですね。じゃ、ドイツ、フランスは余り大したことなかったのかというと、大したことあるんですね。依然、ドイツ、フランスの電気料金はやっぱり五〇%ぐらい上がったままということで、非常に大きなエネルギー価格の高騰ということを、高騰がヨーロッパを襲うわけです。
 なぜイタリアの電気料金がこんなに上がったのか。それはイタリアの電源構成です。実に電源の半分を天然ガスに依存していた。イギリスも天然ガス依存が高いんですけど、イギリスは、実は北海で国内需要の半分以上を掘っています。それほど輸入に依存していなかったということなんですね。で、イタリアは、天然ガス価格の高騰の影響をもろ受けると、こうなるわけです。
 日本なんですけど、日本を見ると、天然ガスも石炭もヨーロッパの国以上に依存して、化石燃料依存が非常に高いわけです。じゃ、日本の電気代はなぜ三割上昇で済んだのか。それは化石燃料価格の上昇率が違うということなんです。
 ヨーロッパの天然ガス価格、この黄色い線ですけど、見ていただくとお分かりのとおりですね、コロナ禍の頃から比べると、天然ガス価格は四十倍とか五十倍になっています。これは大変な問題ですね。それに対して、日本のLNG、日本の液化天然ガスの価格はそれほど上がっていません。これには理由があって、ヨーロッパは二〇〇〇年代の初めに、天然ガスを安く買おうと思って、それまで長期契約で買っていた天然ガスをその都度その都度値段を決めるスポット契約に変えていくんですね。日本はスポット契約が依然二、三割はありますけれども、長期契約で七割から八割を買っている。長期契約の値段というのは、一応原油価格を基に決まることになっています。そうすると、ヨーロッパはそれがなかったものですから、ロシアのおかげで天然ガスが価格が高騰したら、それを買わざるを得なかったということですね。
 石炭の値段ももう天然ガスに釣られて上がってますけど、これはヨーロッパが天然ガスが余りに上がり始めたので、天然ガスをやめて石炭火力をたき増したんですね。で、石炭の値段が史上最高まで上がりました。これも十倍ぐらいまで上がっているということですね。この石炭の価格上昇の影響は日本の電気料金にもあったわけです。
 もう一つ我々注目しなきゃいけないのは、実は脱炭素、脱石炭、あるいはコロナ禍、こういうふうなものも化石燃料価格、電気料金の上昇に大きな影響を与えたということです。
 これは、世界の大手エネルギー企業と書いていますけれど、基本的には石油と天然ガス生産企業の資本支出額、投資額の推移ですね。脱炭素と言われて、こういう大手は投資額を絞り始めるんです。そこに、コロナ禍になって燃料消費量があっという間に落ちます。飛行機が飛ばなくなる、車乗らなくなるということで燃料消費は落ちるので、この大手は更に生産を絞ります。それがなかなか、やっぱり需要が回復しても回復しなかったんですね。
 例えば、アメリカの原油生産量を見ますと、ようやく二〇一九年のレベルに回復したのが去年です。ということで、供給もこういう影響で減ったということも化石燃料価格の上昇に大きな影響を与えたと思います。
 今、G7国は全て脱ロシア、脱化石燃料を図らなきゃいけないということです。その一つの方策は再生可能エネルギーを増やすと。これは去年のG7の首脳宣言ですけれども、洋上風力を七、八倍、太陽光を三倍ぐらいにするということですね。
 もう一つあるのが原子力。これはヨーロッパで最近あった原子力の動きを書いておりますけれども、まあ多くの国が原子力発電をやりたいと。ヨーロッパでは、フランスが中心になって原子力同盟というのが去年発足しましたけれども、EU二十七か国のうち十四か国が参加しています。イタリアがオブザーバー参加ということになっています。イギリスもEU外でオブザーバー参加。なぜこういうふうに原子力が注目されるようになったかというと、その一つの理由は当然、脱炭素、脱ロシアということにあるんですけれども、もう一つ見逃せないのは大きな世論の変化だと思います。
 プーチン大統領が戦争を始める前、EU二十七か国では原子力反対というのが四一%いたんですね。今それがどれぐらいになっているか。一五%です。EU内で一番原子力反対が多かったドイツは脱原発支持が六五%いました。これはヨーロッパではずば抜けた数字です。今、ドイツで脱原発支持は二〇%です。電気料金が上がる、暖房ができないかもしれないとなると、非常に皆さん心配しているということですね。
 こういう中でインフレが起こります。日本も消費者物価が上がっていますけど、日本はヨーロッパに比べると大したことありません。インフレの影響というのを、我々これから安全保障上も考えなきゃいけない。どういうことかというと、これ発電設備に必要な鉱物量なんですね。再生可能エネルギーが必要とする鉱物量というのは大変大きいものがあります。それから、コンクリートとかセメント、コンクリート、それから鉄鋼、こういうふうなものも、再生可能エネルギーというのは大変大きな資材を必要とするんですね。資材を必要とするということは、インフレの影響を大変大きく受けるということになります。もう一つ大事なのが、こういうふうな資材の基になる鉱物を供給している国は中国ということなんですね。脱ロシアをやった結果、中国依存になるという大きな問題を我々抱えるかもしれません。
 こういう中で、日本は二〇三〇年の脱炭素目標、二〇五〇年脱炭素に向けて、二〇三〇年の一次エネルギー構成、それから電源構成で化石燃料の使用を減らそうという目標を立てています。この再生可能エネルギーが増えるというのは悪いことではないんですけれども、例えばこういうふうに自給率が今、日本は増えていますけれども、これは再生可能エネルギーが三%から四%寄与しているわけですね。
 ところが、電力供給は不安定化します。なぜか。これは、夏はいいんですね、電力需要と一致しています。冬は太陽光発電がなくなった後に電力需要のピークが夕方に来ています。これは発電設備がないと停電するんですね。毎年のように、冬、関東地区停電危機と言われるのは発電設備が減ってきたからです。これは、二〇一六年に電力市場完全自由化システム改革を行った結果、もうからない石油火力を電力会社は閉めざるを得ない、そのために石油火力が減ってきています。そうすると、太陽光がなくなった後、電力を供給する設備が不足すると、こういうことになるわけですね。
 それと、もう一つの問題は再生可能エネルギー、コストがやっぱり高いと。さっき、二〇三〇年の資料で再生可能エネルギーが大変増えるとありましたけれども、二〇三〇年、例えば大型太陽光を作るときのコストは、第六次エネルギー基本計画の参考資料で十二・二円とされています。ところが、空間的に再生可能エネルギーを遠いところから運ばなきゃいけない。あるいは、時間的に、さっきありました、夕方電気がないときに何とかしなきゃいけない。そういう問題を考えると、統合費用という費用が必要になって、参考資料では大規模太陽光のコストは十九・九円になっています。これは統合費用がそれだけ掛かるということですね。
 こういう設備を導入すると、また中国依存という問題が出てきます。これは、太陽光設備を導入している国、モジュールを作っている国は中国が圧倒的にシェアを持っています。世界の四分の三近く。洋上風力設備、これから日本政府は力を入れると言っています。今、世界一は中国、設備を造っているのは六割から七割、もはや中国です。ということで、我々、中国依存が増えてくるなという問題があります。
 最後に原子力の話を少ししたいんですけど、日本で原子力発電、これだけ動いています。その結果、地域別の電気料金を見ると、原子力発電が動いている九州、関西がやはりずば抜けて安くなっている。原子力発電については、新設するとコストが高いとかいろんな問題が指摘されていますけれども、考えなきゃいけないことは、世界で原子力発電を安く、工期、工費を予定どおり造っている国があるんですね。中国、ロシア、韓国です。
 なぜアメリカとかフランスが造れなくなったのか。それは、建設が二十年あるいは三十年中断しているんですね。で、人材がいなくなる、技術の継承ができなくなる。で、発電所を造ろうとするともうとんでもないことになって、工期も工費も間に合わない。それに対して、やっぱり中国であれば、既に原子力発電所五十五基あります。今日現在、中国で建設されている原子力発電所は二十六基あるんです。フランスが手間取ってフィンランドでやっと動き始めましたヨーロッパ型加圧原子炉というのは、ヨーロッパより先に中国がさっさと造って、中国というのはフランスとアメリカの技術で原子力発電所を造っていますのでもう運転開始しているんですね。
 そういうふうなこともあって、我々、将来のこと考えると、多様な電源を依然維持する必要があります。これは、いざというときに一つの電源に頼っているととんでもないことになる。ただ、その多様な電源を維持する中で、コストの問題、脱炭素の問題を考えながら維持しなければいけないというふうなことなんだろうと思います。ここを最後よく考えてほしいなということで、私からの説明を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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宮沢洋一#13
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
 次に、久谷参考人にお願いいたします。久谷参考人。
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久谷一朗#14
○参考人(久谷一朗君) 日本エネルギー経済研究所の久谷と申します。
 本日は、このような場でお話を差し上げる機会を頂戴しまして感謝しております。
 本日御説明する内容は私個人の見解でありまして、場合によっては研究所の見解とは異なる場合があるということを御承知おきください。
 資料は、まず一ページから参ります。
 日本の立ち位置の確認でございます。先ほど山本様から御説明ありましたとおり、日本が特に第一次石油危機、第二次石油危機以降どういったことをやってきたかということであります。先ほどもありましたとおり、省エネルギー、それからエネルギーミックスの多様化、それから中東依存の削減、こういったことをやってきました。ただ、そういった結果が必ずしも芳しくないというのが現状の日本かと思います。
 左側の五角形はそういった状況を示したものであります。中心にあるきれいな五角形、こちらが一九七三年の状態、赤いのが一番最近の状態というふうになります。
 どういうふうに変わってきたかというふうに申しますと、ちょっと青くしていますエネルギー効率、それから一次エネルギーの分散度、こちらは非常に円が大きくなっています。これは、努力の結果として効率が改善し、かつ多様なエネルギーを使うようになったということの成功例でございます。
 一方、そのほかはどうかといいますと、例えば自給率、一九七三年から二〇〇〇年代初頭にかけてどんどん改善しました。これは原子力それから再生可能エネルギーを使うことによって改善したんですけれども、東日本大震災の辺りに原発がほぼ止まってしまいましたので、その結果として悪化したということを示しています。それから、電源の分散化についても、原子力発電の復帰がままならないということで若干劣後しているという状況にございます。
 一方、最後の中東依存、どうかといいますと、七三年時点よりも更に悪化しているというのが現状でございます。現在の方が悪い状態になっています。
 これが現在の日本でございまして、非常に自給率がまだまだ低い、それから電源の分散化ではまだ若干の余地がある、それから中東依存についてはまだまだ改善しなければいけないということが立ち位置でございます。
 続いて、資料の二ページ目でございます。
 今あるリスクと将来のリスク、両方考えないといけないという視点でございます。
 まず申し上げたいのは、この地球温暖化問題、二〇五〇年に向けて炭素中立化を目指すということと、それからエネルギー安全保障問題、基本的には非常に親和性の高い方向性、措置でございます。左側に図示していますけれども、地球温暖化対策、何をやるかといいますと、省エネルギーをすると、それからゼロエミッションのエネルギー、具体的には再エネ、原子力を使うというふうになります。すなわち、こういったことが自給率の向上、それからエネルギーコストの引下げ、下がっていくというふうになりますので、まさに両者が相反するんではなくて双方に利益がある政策であるというふうに考えております。
 一方、その途中段階はどうなんだろうかということも十分に考える必要があるということかと思います。
 このエネルギーシステムのつくり替え、非常に長い時間が掛かります。過去の経緯見ましても、五年、十年では全く足りなくて、十年、二十年という非常に長い時間が掛かります。そうしますと、これから、今二〇二四年ですけれども、二〇五〇年にかけて、当然まだまだ化石燃料が使われていくというふうになります。
 ともすれば、二〇五〇年、炭素中立を目指して最大限に頑張っていこうということは威勢よく聞こえるんですけれども、じゃ、その途中はどうするんでしょうか。二〇三〇年、三五年、四〇年、この途中段階の化石燃料の安定供給をどうしましょうかというところがまだ十分に議論されていない、十分な道が見えないというふうに感じております。
 それから、これから様々な環境変化が起こります。これは外部の環境変化。直近ですと、ロシアの動き、それから、気になるのは中国の動き、それから、今年は米国の大統領選挙も気になります。こういった外部環境の変化、それから、エネルギーシステムをつくり替えることによって様々な安全保障のリスクも変わっていきます。そのことを踏まえながら対策をしていくべきだというふうに考えております。
 続いてが、スライドの三ページ目でございます。
 これは、過渡期のリスクにちょっとフォーカスをして書いてございます。申し上げたいのは、その十分な代替供給手段、これがあるからもう大丈夫だよというものがない限りは、今あるシステムを壊してはいけないということであります。
 右側に簡単なポンチ絵を描いているんですけれども、今現在から二〇五〇年に向けて、グレーのラインが化石燃料の需要を示しています。これはどんどん減っていきます。脱炭素をしますので化石燃料の需要は減っていくんですけれども、この減らすペースと合わせて化石燃料の供給能力を減らしていかないと危険になるということを示しています。この点線が、拙速な化石燃料供給能力の削減をやってしまった場合、ある時点から、能力が足りない、価格が上がる、あるいは供給すらできないという状況が起こり得ます。
 これは日本だけの問題ではございませんで、化石燃料供給は世界に依存していますので、世界できちんと化石燃料供給のキャパシティーを維持していかないと、途中段階で危険な目に遭うかもしれないということであります。これはまさに現在世界が経験している事象でございまして、この化石燃料供給能力の維持確保をきちんと考えないといけないということかと思います。
 左側に欧州の例を書いています。なぜ欧州が今般天然ガス供給危機に陥ったかということであります。
 一つ目は、まず集中であります。ロシアからの供給が、この戦争前は三九%ということで非常に高いシェアでした。これがまさに根本的な原因であったというふうに考えています。
 その次には、あの地域では、再生可能エネルギーをどんどん入れようということは強く強くやっていきました。その結果としまして、逆に、古い石炭火力、あるいは、国によっては原子力発電の能力を早急に減らしていくということを実際に行いました。その結果として、今回、天然ガス供給がなくなったにもかかわらず、代替のバックアップが十分にできなかったということもあったということであります。
 こうした事態が欧州で起こりまして、実際に彼らは、脱炭素は当然目指すんですけれども、その目標の修正、あるいはそのバックアップの維持、それからガスの関連の投資を増やすということをやっています。きちんとその途中段階の供給力を確保し続けないと危険な目に遭うということを端的に示しているということかと思います。
 続いて、スライドの四ページ目でございます。
 化石燃料供給のリスクであります。これは引き続きあるということをお示ししなければなりません。
 先ほど、冒頭、中東依存の話をしましたけれども、左側の棒グラフが、左から原油、LNG、一般炭についてどれぐらい輸入に依存しているかということを示しています。驚くべきことに、この原油が九五%が中東地域ということで、こういったことがあってはならないんですけれども、もし万が一ホルムズ海峡で何かあれば、この九五%の供給が止まってしまう可能性があるということを示しています。これは非常にリスキーな状態だと言わざるを得ないと思います。
 LNGと一般炭につきましては、この赤い部分が非常に小さいということが分かると思います。このアジア太平洋地域あるいは米国から輸入ができるということがありまして、石油に比べると分散が進んでいるということかと思います。
 それから、輸送経路のリスクも多くあります。現在ですと、公海で非常に活発な海賊行為が行われています。その結果として、日本の船も襲われるということが実際に起こっております。この地域がエネルギーの大動脈になっておりますので、このシーレーンの安全確保ということも引き続き極めて重要であるということであります。
 それからもう一点、この先、化石燃料の供給を確保していく上で、上流の投資、新しい資源の開発というものが必要になってくるんですけれども、従来、例えば天然ガスであれば、日本は極めて大きなバイヤーでした。世界最大のバイヤーでした。そのため、日本が買うというコミットがあることによって資源が開発できるという状況があったんですけれども、今状況が様変わりしております。
 特に、長期的に脱炭素を進める中で、より脱炭素目標が遠い中国あるいはインド、彼らは二〇六〇年、七〇年を設定していますけれども、こういった国はまだまだ長期契約で化石燃料を買っていくことができます。そのため、この先、新しい資源開発では、そういった中国、インド、あるいはほかの途上国、カーボンニュートラルのターゲットが遠い国のプレゼンスがどんどん高まっていくということかと思います。これがリスクになるのか、日本にとって阻害になるかまだ分かりませんけれども、この先、化石燃料開発におけるパワーバランスだんだん変わっていくんだというふうに考えております。
 それから次が、五番、六番、スライドの五番、六番が、化石燃料供給について若干近いところの話もしております。
 まずはLNGでございます。
 今、日本のエネルギー供給で極めて重要であるというのは間違いないと思います。図は私どもの試算を掲載しておりまして、左側が、今ある液化能力と需要のバランスを見ています。実線が需要でございまして、シナリオに応じて、多いケースが青、少ないケースがオレンジというふうになります。これに対しまして、現在ある世界のLNG供給能力はグレーのバーで示しています。今現在、世界各地で新たな追加投資がされていますので、その積み上げが期待できます。それが二〇三〇年のオレンジ色の薄いところで示しています。御覧になっていただきますと、このLNG供給能力ですね、恐らく二〇三〇年頃にかけては十分期待できるということかと思います。一方、その後、今見えている投資だけであると将来の需要には追い付かない可能性があるという分析結果でございます。
 この先、脱炭素を進める中で、世界中でこの天然ガス開発に対する逆風が吹くかもしれません。それを座視していいわけではなくて、いや、まだまだ化石燃料は使っているんだから投資が必要なんだというメッセージを発していかないと、日本のこの天然ガス供給も危うい可能性があるというふうに見ております。
 先月も米国が、非FTA国、日本も入っていますけれども、それ向けの輸出審査を一旦凍結するという発表を行いました。この先、これがどういった影響が出るか注視するのはあると思いますけれども、この米国、非常に期待が大きいんですけれども、国も場合によっては将来の供給を危うくする可能性があるというリスクがあります。
 続いて、石炭でございます。
 スライドの六ページ目なんですけれども、現在、日本がオーストラリアにどれぐらい依存しているかといいますと、石炭供給ですと七〇%ぐらいです。石炭の七〇%が豪州からやってきます。その豪州が今どういう状況かといいますと、連邦政府は現在労働党政権でございまして、非常に環境寄りの政権でございます。その結果としまして、国内で脱炭素化を進めようということで、セーフガードメカニズム、脱炭素を進めようという政策を強化しております。この政策は当然、国内の石炭産業、それからLNG産業にも影響してきます。その結果としまして、将来、このオーストラリア、日本が極めて頼りにしているLNG輸出、石炭輸出について何らかの影響が出るのではないかという懸念がございます。
 それから、インドネシアも日本にとって重要な相手国ですけれども、この国も国内の需要が非常に多くなっていますので、国内の石炭需要が多くなった場合には輸出はできないということが起こり得ます。実際に、二二年に一度、インドネシア政府は、これ以上は石炭は輸出できないということで一旦凍結をしました。
 そういったことが実際に起こり得ますので、日本の石炭供給はこの豪州、インドネシアといえども必ずしも万全ではないということを踏まえておくべきかというふうに思います。
 それから、続いてスライドの七番目でございます。国内供給網のリスクであります。
 今現在もあの能登半島の地震で多くの方が苦しんでいらっしゃいますけれども、このエネルギー供給網の自然災害による破断が頻発しているということかと思います。今回の震災でも非常に大きな被害が出ていますけれども、これを回復するのはなかなか容易ではないということかと思います。この先も、気象の影響か地震か分かりませんけれども、こういったものは常に発生し得るということなので、それに備えていくということが非常に重要になってきます。
 それからもう一点、国内供給網では、右側に示していますそのエネルギーインフラの経済性の低下という問題でございます。
 残念ながら日本の人口は減少しております。それから、この先、省エネルギーがどんどん進みますので需要も減っていきます。そうすると、このエネルギーを供給するインフラの経済性がどんどん悪化していくということが起こると思います。
 最も端的な例が石油供給でございまして、この折れ線グラフは日本のガソリンスタンドの数の変化を示しています。最盛期には全国で六万か所あったんですけれども、現在ではもう半分以下になっています。特に、生活の足として自動車が欠かせない地方部においてガソリンスタンドが極めて大きく減っていると。場所によっては、ガソリンを供給するだけのために隣町まで行かないといけないというところもございます。
 こういったことが、恐らくほかの電力、ガスのインフラ、今もう既に水道インフラでは顕在化していますけれども、そういったことがどんどん起こっていくんだというふうに思います。この先、エネルギーの供給インフラ、国内のインフラをどうやって維持していくのか、これを真剣に考えないといけないというふうに考えております。
 それから、スライドの八ページ目でございます。こちらは国内の危機対応能力の維持強化という観点です。
 先ほど山本様からもお話ありましたとおり、国内で柔軟性のあるエネルギー供給力は電力であります。例えば、自動車でガソリンがなくなったときに、ほかにもう代替するものがございません。私も車を持っていますけれども、ガソリン自動車を突然電気に変えることはできないんですね。
 ところが、発電であれば、石炭火力、ガス火力、原子力、再エネ、いろいろございますので、ガスが駄目であれば、じゃ、石炭と原子力頑張ろう、原子力で駄目であれば石炭とガスを頑張ろうということで、ほかでバックアップをしやすいシステムにあります。そのため、特にこの電力においてバックアップをきちんと維持しておく、代替可能性を残しておくということが非常に重要になるというふうに思っています。
 それから、もう一点が石油でございます。
 だんだん先しぼみになっていく需要はもう間違いないかもしれませんけれども、この石油の利便性、それから貯蔵のしやすさを考えますと、石油の備蓄というのは非常に重要です。石炭、天然ガスはなかなか貯蔵が難しいです。LNGの場合ですと、マイナス二百度近い低温にしなければなりません。それから、電気もバッテリーがありますけれども、じゃ、例えば東京都全部の電気を賄うために一体どれだけのバッテリーが必要かということを考えると、今すぐにはなかなか現実的でないということかと思います。
 あとは、この石油の重要性。戦争に使うエネルギーということで、国防という観点からもこの石油極めて重要になってきます。この石油備蓄をきちんと維持しておくということも極めて重要だというふうに考えております。
 続いて、スライドの九ページ目が出ます。電力とサイバーのセキュリティーです。
 この先、脱炭素をする中で中軸となる戦略は、なるべく需要を電気に変えていき、電気をクリーンにしていくという戦略になります。そうしますと、様々な見通しあるんですけれども、これは二〇二一年時点で最終消費に占める電気が二九%だったんですけれども、それは恐らく、間違いなくどんどん増えていきます。
 これはパーセンテージで示していますけれども、実数も実際に増えていきます。エネルギー全体が省エネルギーで減っていく中で、電力だけは少なくとも横ばい、あるいは増えていくというふうになります。そのため、この電力のセキュリティー、安定供給はどうするんだということが非常に重要になってくると。かつ、あらゆるものをインターネットでつないでコントロールしていくということが浸透しますので、サイバーのセキュリティー、これが非常に重要になってきます。
 サイバーについてはまだ実績余りないんですけれども、右側にちょっと例を示しています。ウクライナそれからアメリカでは、実際にサイバー攻撃があってエネルギーインフラが止まってしまうということが起こりました。こういったことが日本でも起こり得ますので、このサイバー対策、きちんとエネルギーセクターについてもやっていくということが必要になります。
 次が、十ページ目が技術のセキュリティーであります。
 これ、先ほどもお話ありましたので簡単に行きますけれども、様々なテクノロジー、この先使っていきます。例示していますのは、太陽光、それから風力、蓄電池ですけども、こういった分野でやはり中国の優勢が非常に顕著になっているという事実がございます。
 そうしますと、経済安全保障という観点から、供給国、テクノロジーの供給国の多様化を図っていくということも大事な視点かと考えております。
 一方、この中国の巨大マーケット、非常に有益でもあります。我々に安い、良い製品をどんどん供給してくれる国でもありますので、そういった意味から、中国を完全に排除するというよりも、新たな別の供給源も用意しておくということかというふうに考えております。
 それから、重要鉱物についても、先ほどの山本様の御説明と同じでございます。様々なプロセスが中国に集中するということが見られます。この点からは、研究開発、省資源、それから代替資源、あるいはリサイクル、こういった技術をきちんと開発していくということと、あとは世界全体で公正な貿易が行える環境を維持していくということが重要になってきます。
 一番最後、スライドの十二でございます。エネルギー安全保障と市場と書いています。
 日本のエネルギー供給を担っているのは民間企業であります。民間企業なので、基本的には経済原理、市場原理で活動しております。多くの場合は、その経済原理と日本のエネルギー安全保障、整合するんですけれども、場合によってはそうはならないという視点でございます。
 整合するポイントは、左の下側に書いていますけれども、価格が変化することによって適切な投資が自動的にされていくというふうになります。値段が上がれば供給力が増え、値段が下がれば供給力が減るという自動的な調整機能が働きます。それから、より経済的な方法が選択されていくというところもメリットかと思います。
 一方、エネルギー安全保障の観点からしますと、安いエネルギーあるいは安い手段ばっかりに集中してしまって分散化がなかなかできないということが起こり得ます。それから、コスト削減ということが民間の立場からすれば重要になってきますので、余剰を持つということがなかなかできません。バックアップを持つということが通常の経営の中ではなかなかやりづらいというふうになります。それから、当然、不採算な事業はどんどん切っていくというふうになります。これ、先ほど申しましたガソリンの例ですけれども、ガソリンスタンドはもうもうからない、じゃ、もう廃業しようということが起こってしまうわけです。これを回避するためには、何らかの政策の関与、政治の決断、こういったものが必要になってくるんだというふうに思います。
 以上であります。
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宮沢洋一#15
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
 次に、大野参考人にお願いいたします。大野参考人。
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大野輝之#16
○参考人(大野輝之君) 御紹介いただきました自然エネルギー財団の大野でございます。
 本日は、こういう場をいただきまして大変ありがとうございます。(資料映写)
 私からは、表題に記載していますが、脱炭素時代のエネルギー安全保障を考えるということで、これから脱炭素化が進んでいくわけですが、その中でエネルギー安全保障というのがどういうふうに変わっていくのか、あるいは変わらなければならないのかというようなお話を申し上げたいと思います。
 昨年十二月、COP28が開催されました。その中でやっぱりいろんな議論があったわけですけれども、最終的には全員一致で合意が決定されまして、化石燃料からの脱却ということが決まりました。エネルギーシステムにおける化石燃料からの脱却を進めると。公正で秩序立った公平なやり方で進めていくと。このクリティカルな十年間に取組を加速していくんだということが決まったわけでございます。そのための一つの大きな方法として、二〇三〇年までに世界の自然エネルギーの設備容量を三倍にすると。同時に、エネルギー効率の改善率を二倍にすると決まったわけですが、自然エネルギーを大幅に増やしていくということが決まりました。
 こういう時代背景の中で、これからそのエネルギー安全保障で考えなきゃならないのが、化石燃料からの脱却ということが世界の目標になった時代の中でエネルギー安全保障をどう実現するのかということだと思います。
 その考えるヒントになるのが、IEA、国際エネルギー機関が出しているいろんなレポートだと思っています。御承知のように、IEAは、五十年前の一九七三年の石油危機のときに、石油の安定供給を保障するためにつくられた機関でございます。昨年発表されました世界経済見通し、ワールド・エナジー・アウトルック二〇二三年版の冒頭に、IEA事務局長のファティ・ビロルさんが、一九七三年のエネルギー危機と現在のエネルギー危機を比べると三つの違いがあるというお話をされています。
 一つは、一九七三年のエネルギー危機というのは専ら石油危機であったということであります。これに対して、現在の危機は複合的な危機であると。一つは天然ガスの危機、これはもうロシアの話、お二人からもお話がありました。もう一つは、化石燃料が原因となる深刻な気候危機への対応が求められていると、こういう違いがあるんだということをおっしゃっています。
 二つ目は、一九七三年には存在しなかった石油に代わる、化石燃料に代わる太陽光、風力の効率化、電気自動車と、こういう技術が確立し、直ちに利用が可能になっているという指摘をしています。
 三点目は、一九七三年にはなかったIEAが存在していると、多少これは宣伝が入っていると思うんですけれども。IEAが、各国それぞれ、各国の特徴に合った対策を進めていくんだけれども道しるべが必要であると、その道しるべをIEAが提供しているんだというお話を書かれています。
 じゃ、どういう道しるべかということですが、このワールド・エナジー・アウトルックの中では三つのシナリオが書かれています。それが、折れ線グラフで示しました、STEPS、APS、NZEと書かれています。このSTEPSというのは、現在の各国が取っている政策をそのまま実行していった場合にどんなふうなエネルギーの未来があるかというものでございます。APSというのは、アナウンスト・プレッジズ・シナリオですから、各国政府がこれから政策をこのように強化していくんだと、変えていくんだというアナウンスをしたものが本当に公約が守られた場合にどうなるかということでございます。最後のNZEというのは、これは一・五度目標を達成するためにどういうふうなエネルギーの変化が必要なのかということを示したものでございます。
 日本も含めて、二〇五〇年には温室効果ガスの実質排出ゼロということを目指しているわけなんですけれども、この二〇五〇年の排出ゼロを達成するのは、この最後の緑色のNZEだけということになっております。
 実際、じゃ、ほかの経路で行った場合に、その気温上昇はどうなるかという推測もIEAがしているわけなんですけれども、このSTEPS、今のシナリオのままで行った場合には、二一〇〇年時点で二度目標は達成できずに二・四度ぐらいになってしまうと。それから、APSの場合も、二度目標は達成するんだけれども今目指している一・五度には達しない、一・七度になってしまうと。唯一このNZEだけが、一旦一・六度近くになるんだけれども、二一〇〇年には約一・四度になって一・五度目標を達成すると。こういうふうな三つのシナリオ分析を示しています。
 当然、我々は、一・五度目標を守り、気候変動を抑えるということを進めていくことが、各国がコミットしていることですから、以下では、主にこのNZEに示すロードマップについてお話をしたいと思います。
 まず、全てのエネルギー供給、電力だけでなくて、燃料、熱も含めた全てのエネルギー供給がどういうふうに変わっていくのか、変わっていけるのか、変わっていく必要があるのかということを示したものでございます。
 これを見ていただきますと、まず化石燃料の割合でございます。お話も今までありましたように、現在で見ますと、エネルギー供給の七八%、約八割は化石燃料でございます。これが二〇五〇年には二三%まで減っていくということになっています。同時に、この場合はこういうふうにしていく必要があるというものであるんですけれども、同じくこの二〇二三年版では、現在の政策のままでも二〇三〇年には化石燃料消費がピークを打つということも記載をされています。一方、増えていくのは自然エネルギーでございまして、二〇三〇年までにほぼ倍増し、二〇五〇年には六七%を占めるということでございます。
 これは全エネルギーでございますけれども、より端的な変化が起きるのは電力であります。電力をやっぱり一番早く脱炭素化をしていく、エネルギー全体の脱炭素化の先導役になっていくということが期待されているわけです。
 まず、全体に、エネルギー供給の中に占める電力の割合は増えていきます。電化をしてより効率化をしていくことになりますので、全体の電力の消費量、使用量は二〇二二年から二〇五〇年までで二・六倍になると見通しを立てています。
 その中で、全体のボリュームが増えていく中でも、太陽光、風力を中心に自然エネルギー発電が増えていって、二〇三〇年には五九%、二〇五〇年には八九%、約九割になっていくというふうなシナリオを示しております。注目すべきは、これは一・五度シナリオなわけなんですけれども、既存の政策のままのこのSTEPSのシナリオでも二〇五〇年には七〇%、それから公約をしているシナリオ、既に各国政府が公約をしているシナリオ、これでも八〇%になるということで、いずれにしましても非常に高い伸びを自然エネルギー電力が示していくという見通しを立てています。
 原子力発電については、確かに幾つかの国でこれをもう一回力を入れるんだというふうな取組が始まってはいるわけなんですけれども、発電量は増えますけれども、二〇五〇年の割合でいきますと八%までに減っていくと。現在も九%ですが、微減して八%になるということです。
 ですから、脱炭素電源の中では、原子力発電も一定の役割は果たすだろうけれども、圧倒的に自然エネルギー電力の果たす役目は大きいというのがIEAの見立てということになります。
 こうしたIEAの見通しは、既に実際に米国でもEUでも実際の政策に移っておりまして、米国もEUも、ロシアの侵略以降、自然エネルギーの拡大をすることによって安全保障と脱炭素化を両方を追求するという政策を実行に移しております。
 米国の場合は、二〇二二年の八月にインフレ抑制法、IRAというふうに言われていますけれども、が可決されました。これが可決されたときにバイデン大統領が声明を出しているんですけれども、まさにそのエネルギー安全保障を強化して、アメリカ国内でアメリカの労働者が太陽光パネル、風力タービン、電気自動車を生産して雇用をつくり出すということで、脱炭素化だけでなくてエネルギー安全保障という観点からもやっていくという方針、見方を鮮明にしております。実際に、インフレ抑制法が成立して以降、アメリカにおける自然エネルギー投資、クリーンエネルギー投資は非常に勢いを増しているという状況でございます。
 それからEUでございます。EUは、まさにそのお話があったように、ロシアの化石燃料に依存したことによって非常に大きなダメージを受けたわけでございますけれども、二〇二二年の五月にリパワーEUプランというのを作りました。化石燃料への依存を強化するということでなくて、化石燃料への依存を終了させると。で、気候危機に挑むという目標を立てて自然エネルギー目標を高める、クリーンエネルギー効率化の目標を高めるというふうな方向で転換を図っております。
 ちなみに昨日ですね、ちょうど欧州委員会が二〇四〇年の新しい目標を発表して、九〇%削減というのを出しましたけれども、それを見ても、同じように自然エネルギー、化石燃料への依存を減らして自然エネルギーを増やしていくという方向が明確にうたい込まれております。
 では、何でこんなふうに、IEAもまさにその石油危機から、石油の安定供給を、目指す行動と、機関も含めて、自然エネルギーを増やしていくという方向に変わっていくのかという理由はいろいろあるわけですけれども、一番大きいのはやっぱり発電コストの劇的な低下ということでございます。
 これはブルームバーグが発表した数字でございますけれども、太陽光発電はこの黄色であります。これが、十四年前に比べると、まさに十分の一に低下をしているということです。現在では、新設電源の平均コストで一キロワットアワー当たり四セント台で太陽光発電も風力発電も供給されると。ですから、日本円にすると六円、七円ぐらいですかね、というふうなところまで下がっています。原子力発電は二十二・五セントということですから非常に高いというふうな状況になっております。
 ちなみに、これは、これ自身は単体の発電コストですけれども、IEAのレポートを見ますと、統合コストと言われるものを含めてもやはり自然エネルギーが安いという分析も示されております。
 こうした状況を踏まえると、これからのエネルギー安全保障というのは、少しやっぱり今までとは変わった考え方が必要ではないかと思います。
 まず第一に、化石燃料は二〇三〇年代まで、あるいはそれ以降も含めてだと思いますけれども、エネルギー供給の多くを占めます。ですから、その確保は引き続き重要だと、これは、前のお二人がおっしゃったことはそのとおりだと思います。
 同時に考えなきゃならないのは、化石燃料消費というのは二〇三〇年までにピークを迎えるというふうに予測をされています。また、COP28ではこの十年間に化石燃料からの脱却を進める行動を強化すると言っておりますので、これらを考慮すると、新規の化石燃料、発電への投資というのは、座礁資産となってしまわないようにやっぱり慎重な検討が必要であるということであると思います。
 三点目は、やっぱり自然エネルギーの重要性であります。
 ネットゼロシナリオでは、二〇五〇年には電力供給の九割、全エネルギーでも三分の二を占めるということになります。こうなってきますと、まさにエネルギー安全保障、エネルギーの安定供給を確保するためにこそこの自然エネルギーを自分の国でしっかりと確保すると、これ抜きにはエネルギー安全保障はもう実現しないと、こういう時代に入っていくということが非常に大きなパラダイムの転換ということではないかというふうに思います。
 化石燃料にこれまで日本は依存をしてまいりました。これはもう、脆弱性があるということについては今までお話があったとおりであります。非常に自給率が低いということであります。これはあえて繰り返しません。
 で、ここにお示ししたのは、国際再生可能エネルギー機関という、IRENAというIEAとは別の国際機関がございまして、ここは再生可能エネルギーの拡大を目的にした機関なんですけれども、ここが二〇一九年の一月に「新たな世界」というレポートを発表しています。これは非常に、今からもう五年前ですか、になるわけなんですけれども、この中で書かれていたのは、要するに再生可能エネルギーが中心になっていく時代の中で、エネルギー供給というのはもはや少数の国家が独占するものではなくなっていくと。大半の国々がエネルギーの自立性を実現できる能力を持つようになって、自国の発展と安全保障を高めることができると、そういう将来ビジョンを描いているわけでございます。
 日本のエネルギー安全保障は、これまでは専ら化石燃料に依存してまいりましたので、化石燃料をどう確保するかという観点の中で働いてまいりました。引き続きその観点は重要なわけですけれども、今後を考えると、やはり国産が可能な自然エネルギーをいかに増やしていくかということがやはりエネルギー安全保障の観点からも非常に重要になるということだというふうに思います。
 じゃ、日本では本当にそんな大きな大量の自然エネルギーが確保可能なのかということでございますけれども、ポテンシャルが非常に大きくあるということでございます。
 洋上風力、政府も大変最近力を入れておられます。日本の領海とEEZ、これを合わせますと、これは海の深さとそれから風況でカウントしたものでございますけれども、千百二十八ギガワットのポテンシャルがあるということが分かっております。もちろん、これの全部が実現できるわけではございません。漁業権の方との調整等々あります。ただ、この十分の一が実現しただけでも相当に十分な洋上風力が実現できるということであります。
 特に、その最近の入札、十二月に入札があったわけですけれども、三つの海域で入札があったわけですが、二つの海域では再エネ賦課金がゼロになる、要するに、これを実現しても公的な負担がなしに実現すると、そういうレベルの入札が行われております。
 太陽光発電です。太陽光発電も、ここにお示ししたのは環境省の調査ですが、建物の屋根でありますとか低未利用地、これを使うことによって千四百六十五ギガワットの太陽光発電ポテンシャルがあるということであります。
 こちらの方も、入札が昨年十一月にございましたけれども、最低落札額が七・九四円、八円を切るという状況になっておりまして、これは卸売電力の平均価格を下回っているということです。ですから、こういう傾向が続いていけば、太陽光発電についても国民負担をなしに、新たな公的な支援がなしに導入していけるという状況がなっていくと考えられると思います。
 さらに、そのあるべき方向の三番ですけれども、もちろんその電化が進んでいきますけれども、当然電気では脱炭素化できないエネルギーもございます。鉄鋼、製鉄でございますとかセメント等々がございます。そういうところについてはやっぱり水素を使うと、グリーン水素を使っていくということが必要になるわけですけれども、これも大量の発電設備、大量の太陽光発電、風力発電を入れることによりまして需要を超えて発電するときがありますので、そういうときに余った電力でグリーン水素を作るということができます。そのグリーン水素で産業の脱炭素化等々を進めていくという方向が考えられるということであります。
 グラフで示しておりますのは、私どもの財団が二〇五〇年の需給バランスをシミュレーションしたものでございまして、太陽光発電が通常の需要を上回って発電をしますので、その分で水素ができると、水素ができるという試算をしております。
 今まで、自然エネルギーを増やすことによってこういう変化が起きるというお話を申し上げてきましたが、もちろん、自然エネルギーの時代になればエネルギー安全保障についての心配が全てなくなるということではございません。これもお話ありましたように、自然エネルギー発電でありますとかあるいはEVを造るために希少鉱物が必要でございます。これの生産国がコンゴとか豪州、チリ、それから中国、こういうところに偏っているということがございますので、その確保は引き続き重要な問題になると思います。
 もう一つが、やっぱり太陽光発電、それから風力発電の生産能力が中国に非常に集中をしてしまっているということであります。これもお二人からも御指摘がございました。そのとおりでございます。太陽光発電モジュールの生産能力を見ますと、中国が八割を占めております。これがこのままですね、このままの状態で更に太陽光発電が何倍になっていくということになれば、これは余り極端に中国に依存し過ぎることになってしまいます。これは非常に大きな問題だと思います。
 ですから、この点についてはようやく米国も欧州も問題点を把握をいたしまして、先ほどのIRAでありますとかEUの中で、自国の中で、あるいは域内の中で太陽光発電の生産能力を強化するという取組を始めております。
 やっぱり日本の場合には、日本の国内でももちろん努力をする必要がございますけれども、日本だけではなくて、米国でありますとかあるいは東南アジアですね。この円グラフを見ていただきますと、圧倒的に大きいのは中国ですけれども、その次に九・三%を占めるのは東南アジアであります。ですから、東南アジアの国々、米国と、あるいは欧州とですね、同志国の中でこういう供給能力を高めていくということがエネルギー安全保障上も非常に大事だというふうに考えております。
 こうした観点から見て、現在の国のエネルギー政策は大丈夫なんだろうかということでございますけれども、いろんな御努力をされているわけですけれども、少し懸念があるのは、やっぱり自然エネルギーを本当に増やしていくという点への転換が不十分ではなかろうかということです。
 二〇五〇年エネルギーミックスというのを国は、経産省は発表されています。その中で御注目いただきたいのが電源の割合なんですけれども、下のボックスにございますが、二〇五〇年でも自然エネルギー電力の割合は五〇%から六〇%としております。IEAのネットゼロプランでは九〇%自然エネルギーということでありました。それから、公約シナリオでも八〇%、それから既存の政策でも七〇%ということでありました。ですから、これらと比べますと極めて低いということになります。自然エネルギーがこれぐらいの低さになってしまいますと、どうしても化石燃料を使い続けるということにならざるを得ません。
 そうすると、やっぱりエネルギー安全保障という観点からは、私は四つの懸念があると思います。一つは、発電部門でも三割近くを化石燃料に依存し続けるということであります。それから、電力以外でも化石燃料への依存が続くということです。それからもう一つは、これから水素やアンモニア、グリーン水素やグリーンアンモニアの重要性が増していくわけなんですが、国内の自然エネルギー発電設備が足りませんと、それもまた輸入をする必要があります。ですから、そういう意味でも輸入依存がこの脱炭素の時代になっても続いてしまうという懸念があります。もう一つは、CCSという方法で、回収したCO2を貯留するという方法もあるわけですけれども、これも日本の国内には残念ながらCO2を貯留する場所がありません。ですから、政府はこれも輸出をするということに今力を入れておられるんですが、そうなってしまいますと、輸入だけでなくて出口の方も、CO2の処理も海外に依存するということになりますので、そういう意味での新たな海外依存が発生するということかと思います。
 こうしたいろんな議論があるわけですけれども、最後でございますが、今年、第七次のエネルギー基本計画の改正が行われます。このエネルギー基本計画の改正の中で、エネルギー安全保障、脱炭素を実現するエネルギー政策はどうあるべきかということについて議論をしていくことが必要だろうと考えております。
 以上でございます。
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宮沢洋一#17
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 また、質疑者には、参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力お願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 藤井一博君。
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藤井一博#18
○藤井一博君 ありがとうございます。自民党の藤井一博です。
 本日は、三人の参考人の先生方、大変高い御見識からしっかりとお話をいただきまして、誠にありがとうございました。大変勉強になりました。
 質問をさせていただきます。
 まず、山本先生にお聞きしたいんですけれども、世界的な脱炭素という視点でのちょっと質問なんですけれども、これからアジア太平洋地域で人口が増えていって経済活動も活発になっていくという中で、脱炭素をする上でこのアジア太平洋地域というものをやはり注力していかないといけないと思っております。
 そういった中で、再エネのまだ開発も過渡期の中で、原子力というものの意味合いというのもあると思うんですけれども、そういったところに日本の原子力技術というものを生かしてこのアジア太平洋地域での脱炭素を進めていくという意味で、日本のできることというものはあるのかどうかということをお聞きしたいと思います。
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山本隆三#19
○参考人(山本隆三君) どうも御質問ありがとうございます。
 正直に言いますと、日本の原子力技術は非常に厳しい状況に来ているのではないかと。御説明の中でも申し上げましたように、今世界で原子力発電所を工期、工費どおり造れる国というのは、もうロシア、中国、韓国しかないのではないかと。最近、東欧で原子力発電所の入札が始まりましたけれども、指名されましたのは、やはり韓国が入っているんですね。まあロシア、中国をもう指名する国は多分ハンガリー以外は出てこないと思うんですけれども、アメリカ、フランス、韓国なんです。日本は残念ながら指名されないと。それは、先ほども申し上げましたように、原子力技術というのは、人材、それから技術の維持というのは、やはり継続して造ることなんだろうと思うんですね。
 アメリカは三十年ぶりにボーグル原発を造り始めましたら、実にこれアメリカとしては恥ずかしいことだったんですけれども、エンジニアがいなかったんです。で、どうしたかと。実はアメリカのボーグル原発のエンジニアは中国から招聘しているんです。非常にこれはアメリカとしては不本意だったと思うんですけれども、もう三十年間なければそういうことが起こるわけですね。
 それから、フランスも今、今年ようやく運開予定の原子力発電所を造っておりますけれども、これも非常に手間取っております。これは、やっぱり二十年間新設がないとそういうふうなことになるんだと思うんですね。
 日本は、今再稼働の問題いろいろありますけれども、政府は建て替えをすると言ったわけです。じゃ、建て替えをするための制度があるのかというと、ございません。例えばイギリスとかアメリカは、原子力発電所の建設を支援する制度があります。なぜ制度が要るのか、昔はなかったじゃないかという御指摘あると思うんですけれども、昔は、電力は総括原価主義で、造れば電気料金で回収できたわけですね。今、電力市場、自由化されております。将来の電気料金が分かりません。そういう中で、数千億円規模の投資できる会社があるのかと。将来の収入が分からない中ではやはりできないわけですね。イギリスなんかは、やはり政府が保障しましょうと、こういう制度をつくったわけですけれども。
 日本も、そういう制度がないと現実的にはなかなか建て替え、新設が進まない。ということは、技術の継承ですとか人材の維持ができなくなるということなんだろうと思うんです。
 世界は、COPで宣言がありましたように、日本も宣言に入っておりますけれども、二〇五〇年までに原子力発電所の規模を三倍にすると言っているわけですね。これは、基数にすると世界で千基以上の新型の原子炉が造られなければいけない。今はやっています小型モジュール炉ですと、数千基の原子力設備が造られます。誰が担うのか、どの国ができるのか。今世界はアメリカとフランス、イギリスに注目しているんですけれども、現実の設備を造る国はやはり韓国とかになってくる可能性があるんじゃないかと。
 日本は、ここでやはりこの大きな市場、これ下手をすると一千兆円とかの市場になるわけですけれども、一年間に三十兆円、四十兆円の市場を確保するために、人材と技術の維持ということを考えて、国内で再稼働以外に何か建て替え、新設ということを考えなければ、もう東南アジアを助けるどころではなくて、日本は韓国に助けてもらわなきゃいけない、あるいは中国に助けてもらわなきゃいけない、そういうふうなことになるのをちょっと心配しております。
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藤井一博#20
○藤井一博君 ありがとうございました。
 続きまして、久谷先生にお伺いをいたします。
 先生のお話の中で、やはり外界の変化というものをしっかり捉えたエネルギー政策が重要だというお話に感銘を受けました。その中で、中国、原子力発電所も造設をしながら、また、これから化石燃料も使っていく、また、再エネに関してはその重要鉱石であったり製錬過程というものもかなりのシェアを持っている中国の動きというものがこれから非常に大事になってくるんだろうなと、日本のエネルギー政策を考える上で。
 そういった意味で、中国のこれからの中長期的なエネルギー戦略というものをどのような考えがあるのかというのを、先生、ちょっと教えていただければと思います。
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久谷一朗#21
○参考人(久谷一朗君) ありがとうございます。
 非常に難しい質問でございまして、明確なところはまだ分からないというのがお答えになってしまいます。
 といいますのは、あの国は、今世界で最大の再エネ市場であると同時に世界最大の石炭火力建造国でもありというふうになっているんですね。なので、どちらも今世界最大の状態でどんどん進んでいるというふうになっています。先ほどあった原子力もそうです。あらゆるもので世界最大の状態になっているというのが中国だと思います。
 この先中国がどういうふうに変わっていくんだろうかということを考えた場合に、一つは、ベースラインとして人口がもう減っていく国であるということは踏まえておく必要があって、日本が過去、ここ数十年間経験してきた難しい経済情勢、社会情勢というものを中国がこれから経験していくことになるというのは一つあります。足下では景気が余り良くないということが言われていますけれども、これから果たして中国が再び成長軌道に乗っていくのか、そして、新しい技術をどんどん展開していくような国になるのかというところを注視する必要があると思います。
 あとは、その中国の国際戦略、対外的にどういうふうに振る舞うのかというところも大きなポイントだと思います。日本も、過去にはアメリカと貿易戦争がありまして、様々な確執がありましたけれども、そういったことが中国についても、今成長段階にありますので、アメリカとの間で続いていくんだろうというふうに思います。
 一番懸念されるのは、彼らの領土の野心、これが先鋭化するというふうになった場合に、非常に日本にとっても大変なことが起こるかもしれないということは一つ気に留めておく必要があるかと思います。その場合に一体どうするのかと。そういった場合に、今多くを依存しているその中国の製造能力、供給能力とどう付き合っていくのか。これは非常に難しく、かつ重要な問題かなというふうに思っております。答えはないんですけれども、非常に重要なポイントだということだけは最後に申し上げておきます。
 以上です。
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藤井一博#22
○藤井一博君 ありがとうございました。
 最後に、大野先生にお伺いしたいんですけれども、先生のおっしゃるように、まさに再エネ、脱炭素に向けて中核的なものだとは思っております。ただ、その安定供給という面でまだ開発途上のところがありまして、欧州等でいいますと、送電網の国際連系ができているという意味で安定供給の融通ができるというところがありますけれども、この島国日本において、先生、グリーン水素が解の一つかと思うんですけれども、その安定供給という壁をどう乗り越えていくかということを教えていただければと思います。
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大野輝之#23
○参考人(大野輝之君) 御質問ありがとうございます。
 確かにおっしゃるように、再エネはどうしても中心である太陽光発電、風力発電、変動性がございますので、この変動性のある電源をどう安定供給に結び付けるかと、非常に大きな問題だと思います。ただ、いろんな経験が、もう既に研究、経験が蓄積されてきておりまして、大体その八割ぐらいまでは送電網の運営と、それから水素の生産、バッテリーへの蓄電、それから需要のコントロール、これによって安定的に供給できるだろうということは見えてきているという状況だと思います。
 ですので、これからの状況を考えますと、やはり、日本ではその蓄電池についても開発が遅れておりますので、いかにそうしたものを開発を急いで進めていけるかということが大事ですし、それからもう一つはやっぱり送電網ですよね。日本は確かに島国ではあるんですけれども、非常に大きな島国であります、電流規模としては。英国の、イギリスの三つ分ぐらいございます。ですから、この九つの、今電力会社管内に分かれていますけれども、この九つの電力会社管内を送電網で結んで、うまく需給を調整していけば十分にバランスを取っていけるということだと思います。
 ちょうど今日ですかね、北海道から本州への海底送電線の建設が決まったという、ルートが出ておりましたけれども、ああしたものをもっと大規模に早く造っていくということが必要だと考えております。
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藤井一博#24
○藤井一博君 ありがとうございました。
 質問終わります。
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宮沢洋一#25
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。
 宮口治子君。
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宮口治子#26
○宮口治子君 立憲民主党の宮口治子と申します。
 本日は、山本参考人、そして久谷参考人、大野参考人におかれましては、大変貴重なお話をお伺いさせていただきましたこと、心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、まず山本参考人と大野参考人にお話をお伺いしたいと思います。
 先般、能登半島の地震におきまして、北陸電力の志賀原子力発電所の安全性への懸念を報じるニュースというのが相次いで取り上げられているかと思います。昨年の三月に、原子力規制委員会は北陸電力の志賀原子力発電所二号機の直下を走る複数の断層が活断層ではないとする審査チームの結論を了承いたしました。もし志賀原発が再稼働していたらと考えますと、大変不安な思いでおります。地震など自然災害の多い日本で原子力発電を稼働させていくという考えは大変困難なことではないかなというふうに思います。
 しかしながら、エネルギー自給率の低い我が国では原発は不可欠なものである、また、脱炭素電源として活用すべきとの御意見もございます。再生エネルギーを含む発電施設を造ればそれぞれ何らかの課題が生じるということは理解しておりますけれども、特に原発は、放射性廃棄物の処分問題であったり、使用済核燃料、既に二万六千本あると言われている核のごみの処分問題をまずはどうしていくべきだとお考えでしょうか。山本参考人にお尋ねをして、併せて大野参考人に原子力発電に対する御所見をお聞きしたいと思います。
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宮沢洋一#27
○会長(宮沢洋一君) まず、山本参考人。
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山本隆三#28
○参考人(山本隆三君) どうもありがとうございます。
 まず、能登半島地震のときに我々考えなければいけないのは、大規模停電を引き起こすところだったわけですね。なぜかといいますと、七尾大田には七尾大田石炭火力発電所というのがあります。これは北陸電力で多分最も大きい発電所で、百二十万キロワットあるんですね。この発電所の揚炭設備、要は船から石炭を揚げる設備、それから給炭設備、ボイラーに石炭を送り込む設備、完全に崩壊しました。特に給炭設備は、もう補修するのに数か月単位では終わらないかもしれないぐらい壊れております。
 普通であれば、百二十万キロワットの電源が失われるわけですので、大規模停電引き起こしてもおかしくないんですけれども、停電が起こらなかったのは、関西電力の福井にある七基の原子力発電所からの電気があったからなんです。志賀の話はこの後申し上げますけれども、我々、大事なことは、最後、先ほどの御説明の最後に申し上げました、多様な電源を持ってなければ地震国日本は対応できないんです。
 志賀の原子力発電所で液が漏れたとか回線が切れたとか、こういう報道はありました。稼働していても問題はございませんでした。なぜかというと、電源は、五回線あるうちの二回線が切れた、ということは三回線は維持されているんですね。しかも、非常用電源、これは何か、稼働したら一機が動かなかったということですけれども、でも三機あります。それからさらに、現場に行かれれば分かりますとおり、非常用電源車があります。しかも、さらに、志賀の原子力発電所は小高い丘の上にため池があって、そこから水を最悪の場合は落とすようになっているんですね。そういうふうな二重三重の安全策が取られているということは余り報道されない話なんだろうと思うんですね。
 これ、なぜこうなったかというと、やはり福島の事故で我々教訓を得たと。で、安全対策が非常に強化されたということなんですね。そういうふうなことを踏まえれば、最初申し上げましたけど、電源は多様でなければ、例えば石炭火力とか天然ガス火力が被災したときに原子力が供給できるということはあるわけですね。原子力発電所が止まったときに違う、例えば再エネ設備から供給できるということがあるかもしれません。そういうふうなことを我々考えるべきです。震災国日本だからこそ、電源は多様化しなければ対応できないんじゃないかという気がいたします。
 原子力発電については、処分地がまだ決まっていないとか、そういう問題は確かにあります。ただ、これは今、政府が、経済産業省が力を入れてやっておりますので、私はやがて、今北海道で調査行われておりますけれども、決まるものだというふうに思っております。
 私からは以上です。
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宮沢洋一#29
○会長(宮沢洋一君) 次に、大野参考人。
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