厚生労働委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和七年六月十一日(水曜日)
午後一時五十九分開会
─────────────
委員の異動
六月十日
辞任 補欠選任
塩田 博昭君 高橋 次郎君
六月十一日
辞任 補欠選任
石田 昌宏君 永井 学君
衛藤 晟一君 豊田 俊郎君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 柘植 芳文君
理 事
神谷 政幸君
羽生田 俊君
三浦 靖君
森本 真治君
秋野 公造君
委 員
石田 昌宏君
衛藤 晟一君
こやり隆史君
自見はなこ君
豊田 俊郎君
永井 学君
比嘉奈津美君
星 北斗君
山田 宏君
石橋 通宏君
大椿ゆうこ君
高木 真理君
高橋 次郎君
新妻 秀規君
猪瀬 直樹君
山口 和之君
田村 まみ君
倉林 明子君
天畠 大輔君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
参考人
独立行政法人労
働政策研究・研
修機構統括研究
員 堀 有喜衣君
慶應義塾大学経
済学部教授 駒村 康平君
日本商工会議所
専務理事 伊藤 仁君
株式会社大和総
研金融調査部主
任研究員 是枝 俊悟君
─────────────
本日の会議に付した案件
○社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案(閣法第五九号)(衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時五十九分開会
─────────────
委員の異動
六月十日
辞任 補欠選任
塩田 博昭君 高橋 次郎君
六月十一日
辞任 補欠選任
石田 昌宏君 永井 学君
衛藤 晟一君 豊田 俊郎君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 柘植 芳文君
理 事
神谷 政幸君
羽生田 俊君
三浦 靖君
森本 真治君
秋野 公造君
委 員
石田 昌宏君
衛藤 晟一君
こやり隆史君
自見はなこ君
豊田 俊郎君
永井 学君
比嘉奈津美君
星 北斗君
山田 宏君
石橋 通宏君
大椿ゆうこ君
高木 真理君
高橋 次郎君
新妻 秀規君
猪瀬 直樹君
山口 和之君
田村 まみ君
倉林 明子君
天畠 大輔君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
参考人
独立行政法人労
働政策研究・研
修機構統括研究
員 堀 有喜衣君
慶應義塾大学経
済学部教授 駒村 康平君
日本商工会議所
専務理事 伊藤 仁君
株式会社大和総
研金融調査部主
任研究員 是枝 俊悟君
─────────────
本日の会議に付した案件
○社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案(閣法第五九号)(衆議院送付)
─────────────
柘
柘植芳文#1
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告申し上げます。
昨日までに、塩田博昭君が委員を辞任され、その補欠として高橋次郎君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告申し上げます。
昨日までに、塩田博昭君が委員を辞任され、その補欠として高橋次郎君が選任されました。
─────────────
柘
柘植芳文#2
○委員長(柘植芳文君) 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員堀有喜衣さん、慶應義塾大学経済学部教授駒村康平君、日本商工会議所専務理事伊藤仁君及び株式会社大和総研金融調査部主任研究員是枝俊悟君でございます。
この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席賜りまして、誠にありがとうございました。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方につきまして申し上げます。
まず、堀参考人、駒村参考人、伊藤参考人、是枝参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず堀参考人からお願いをいたします。堀参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員堀有喜衣さん、慶應義塾大学経済学部教授駒村康平君、日本商工会議所専務理事伊藤仁君及び株式会社大和総研金融調査部主任研究員是枝俊悟君でございます。
この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席賜りまして、誠にありがとうございました。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方につきまして申し上げます。
まず、堀参考人、駒村参考人、伊藤参考人、是枝参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず堀参考人からお願いをいたします。堀参考人。
堀
堀有喜衣#3
○参考人(堀有喜衣君) 労働政策研究・研修機構の堀と申します。
この度は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
今般、年金部会の委員として議論に参加してまいりました。本日は、その議論を踏まえながら、私の意見を申し述べさせていただければ幸いです。
初めに、皆様も御存じのことではありますが、働き方やライフスタイルの変化について確認したいと思います。
ページをおめくりください。
かつてのように、学校を卒業して皆が正社員となり、ほとんどの人が結婚し、夫は仕事、妻は家庭に入り、子供の手が離れると扶養の範囲内でパートをするような七〇年代から八〇年代に多く見られたようなモデルは、二〇二五年現在においては支配的ではなくなりました。このモデルをここでは八〇年代モデルと呼んでおくことにします。
八〇年代モデルは、言わば男性稼ぎ主モデルでもあり、男性は企業中心社会にからめ捕られていました。当時のモデルからしますと、ここから外れた人々、例えばシングルマザーであるとか、あるいは責任を持って働きたかった女性のチャンスは限られていたと言えるかと思います。当時の日本は、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われながら、過労死が社会問題になっていた時代でもありました。また、男女雇用機会均等法が成立し、女性の年金のメルクマールであるサラリーマン世帯の専業主婦の自分名義の年金権が確立されたのもこの頃であります。
変化の一つのきっかけは、バブル崩壊後の不況です。これまで安定していた八〇年代モデルにおいては終身雇用が不可欠だったわけですが、リストラが盛んに行われるようになりました。また、若者が就職できないという状況が広がり、二〇〇三年にはフリーターが二百十七万人を超え、若年者雇用が大変大きな問題になりました。これが今の氷河期世代に当たりますが、この頃、フリーターが厚生年金に入るチャンスは極めて限られておりました。
二〇〇〇年代に入ると、少子化を背景に仕事と家庭の両立支援のための法整備が進みました。二〇〇〇年代前半は第一子出産後も就業継続するという女性は三割にも満たなかったのですが、二〇一五年以降は半数以上が就業継続するようになっています。僅か十五年で、出産しても就業継続するキャリアがマジョリティーになるという急激な変化が起きました。
かつて育児期に低下する就業率を示していたM字カーブ問題は、今は正社員率を示すL字へと問題の焦点が移りつつあります。とはいえ、依然として主に家庭内のケア労働に従事しているのは女性であります。労働政策は男性の育児休業取得を積極的に進めてきておりますが、まだ男女が半々に育児、家事を負担するには程遠い状況です。また、結婚はもとより、子供を持たない人々も増加しつつあり、単身化が一層進みつつあります。
他方で、職業人生は長期化しています。高年齢者雇用安定法により六十五歳までの雇用機会の確保が義務化されました。年金の受給年齢が六十歳から六十五歳まで引き上げられてきましたが、この雇用機会の確保あってのことであり、年金の受給年齢と高齢者雇用は深く関わっております。
このように、この十年は女性と高齢者の就業率が上昇した時期でありました。以前であれば、八〇年代モデルを念頭に、そこから外れた人に対して配慮をすればよかったのですが、それぞれの思考や利害が多様になり、その調整が大変複雑になってきた十年でもあったと思います。
こうした変化は、現役のときの働き方やライフスタイルの反映である老後の年金の在り方にも強い影響を与えます。したがって、年金制度に不断の見直しが必要なことは間違いありませんが、働き方やライフスタイルにどの程度の変化が生じており、どのくらいの変化であれば年金制度を変えるべきなのか、また、その際には年金の観点から誰にどのように配慮すべきかなど、何が望ましいかということについての意見が一致することは困難な状況になってきたと思います。
そうした中で、今回の年金制度改革法案は、様々な意見が交差する中で、これまでの状況を踏まえながら、その最大公約数的な落としどころを探ったものであり、働き方やライフスタイルの変化に対応するという観点から考えると、おおむね今回の法律案は妥当なものだと考えます。
以下では、具体的な改正の概要について幾つかだけピックアップして申し上げます。番号は三ページの資料に対応しているものでございます。
まず、一の一、被用者保険の適用拡大につきまして、賃金、企業規模要件の撤廃や、いわゆる年収の壁に対応する施策がございます。こちらにより適用拡大が一層進むことを期待しております。将来的には、週に二十時間以上という労働時間の要件についても検討が必要だと考えます。
これまで政策では年収の壁が注目されてきましたが、全体としては少ないながらも、社会保険に入りたいんだけれども入れていない方もいらっしゃいます。事例を御紹介しますと、四ページ、四十代後半男性は、正社員経験が全くなく、社会保険に入ることを希望しているんですが、現在の職場では入れてもらえないという状況にあります。お母さんの年金と自分のアルバイト代で何とか暮らしているのですが、先が見えない状況です。もし今般の改正で適用拡大の恩恵を受けられれば、少しでも本人の年金を増やすことができます。その点で、適用拡大の時期が年金部会の議論よりも遅くなった点につきまして残念に思っております。
続きまして、一の二、在職老齢年金制度の見直しでございます。
在職老齢年金につきましても、職業人生の長期化を背景に、高齢者の働くモチベーションを保ちながら年金財政への影響とのバランスを取ることが重要だと考えています。よって、ますます職業人生が長くなる今日においては、支給停止基準額を上げることは妥当だと考えます。金額については、今後の賃金動向を踏まえ、将来的には支給停止基準額を更に上げていかれるものと推測しております。
五十五歳女性の事例を載せておりますが、この方は、定年後も積極的に働くために五十代から準備をしていきたいと、そういうお気持ちを持っている方でございます。こうした働くモチベーションは大切にしていく必要があると思います。
続きまして、遺族年金の見直し、これは資料はございませんが、今回の遺族厚生年金の改革において最も重要な貢献は、男女問わず受給しやすくなったという点にあると考えます。
近年、子育て世帯の中心となっている共働き世帯では、妻の収入があることを前提として生活が成り立っているだけではなく、妻が育児の担い手であることが多いことから、妻が亡くなると、収入と育児の重要な担い手を同時に失うということを意味しています。今回の改正により、夫が妻を亡くした場合でも、直後の衝撃を和らげ、生活を立て直す一助を得ることができると思います。この見直しは男女にかかわらず、中立的な方向に近づくアプローチだと受け止めております。
また、一の四、厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げで、こちらも資料はございませんが、標準報酬月額別の分布割合を見ますと、上限に集中している現象が見られることから、上限の引上げと、そしてそれを将来の年金額に反映していくことにも賛成しております。
最後に、一の五、将来の基礎年金の給付水準の底上げであります。
今回のマクロ経済スライドの調整期間の一致により給付水準を底上げするという、今回の御提案に賛成です。私は氷河期世代について研究してまいりましたので、本日はその観点から述べたいと思います。
一般的に就職氷河期世代は、一九九三年から二〇〇四年卒業者を指しております。六ページ左側に見られますように初職の状況は大変悪かったのですが、その後の人手不足と氷河期支援の効果が出て正社員率は上昇し、四十代になってから上の世代と遜色ない状況に至っています。しかし、年金は、一時点で正社員であるということだけでなく、これまでのキャリアがどうであったかを見る必要があります。
私の研究によりますと、一度正社員になっても、非正社員、無業、失業を行き来するという特徴を持つキャリアが見出されました。私は、こうしたキャリアをヨーロッパの若者研究の概念を参考に、ヨーヨー型キャリアと呼んでいます。どの世代も必ずこのヨーヨー型キャリアの人々は存在しておりますが、氷河期世代ではほかの世代よりも多いことが推測されます。
雇用形態が入れ替わり、間に失業、無業を経験するヨーヨー型キャリアにおいては、年金における免除期間や国民年金のみの期間の長期化が生じやすく、年金額が低くなる可能性があります。氷河期世代の人口サイズが大きいことを踏まえると、社会的影響は小さくありません。
こうしたことに鑑みますと、特に基礎年金の底上げにつながるマクロ経済スライドの早期終了が期待されます。二〇五七年から二〇三六年にまで終了が早まり、年金が底上げされれば、就職氷河期世代の受取開始にも間に合います。また、氷河期以降のより若い世代の年金の水準を上げることにも寄与するものであります。
以上のように、私は今回の年金改革法案に賛成です。更に言えば、拠出期間の四十五年化は今後の選択肢の一つでありまして、四年後の財政検証の際にもオプション試算を期待しております。
最後に、課題について述べます。
まず、三号制度につきましては、今すぐ廃止というのではなく、適用拡大を進めることでまずは対応するという取りまとめになりましたが、妥当だと考えます。三号は、日本の性別役割分業規範の要因でも結果でもありますが、長い期間を掛けて浸透していったものであるため、廃止には一定の時間が掛かります。また、将来的に廃止される際には、年金が賦課方式であることに鑑み、末子が六歳以下であれば三号と同様に保険料免除の取扱いをするなど、子育てを社会で支援するような仕組みにしていただきたく存じます。
また、年金の受給年齢を引き上げるという選択肢は現時点では有力ではありませんが、仮に行う場合には高齢者雇用とセットにすることが不可欠です。年金だけの議論ではなく、高齢者雇用も並行して進めていっていただきたいと思います。
さらに、適用拡大の時期につきましては、年金部会の議論よりもより時間を掛けて行うということになりました。この点につきましては、是非、使用者の方々の御理解を得て、より前倒しにすることを検討していただきたく存じます。
最後に、長年、若者の研究に関する研究をしてきましたが、二〇〇〇年代前半には年金不信が若者の間でも広がり、どうせもらえないから払わないとインタビューで語るフリーターの若者に度々会いました。例えば二〇一一年に東京都で実施した第三回若者のワークスタイル調査で年金について尋ねておりますが、二十代後半層のフリーターで加入していないと答えた者が当時一二・三%おりました。しかし、八ページに示したように、二〇二一年に実施した第五回の調査によりますと、パート、アルバイトで加入していないと回答した者は三・四%まで減少しています。
若者の加入は雇用形態にかかわらず進んできたところですが、理解については若干の課題が残っています。この示した図表は二〇二一年の調査を基に二十代後半と三十代前半を比較したものですが、同じ対象者のパネルではないものの、三十代になると急に理解が進んでいることがうかがえます。この時期にライフステージが変わることが変化の要因と推測されますが、そうであるならば、二十代に対する広報が一定の効果を持つようにも思います。その際には、若者にとって遠い将来である年金だけを独立して行うよりは、労働法制や医療なども含め、今の自分の生活や働き方と年金がつながっていることが示せるようにトータルで広報する方法も検討していただきたいと思います。
なお、今回、学生猶予制度については広く利用されているにもかかわらず、ほとんど追納されていないということが明らかにされました。こちらにつきましても、追納した方が得であるという広報が必要だと考えます。
私からは以上です。
この発言だけを見る →この度は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
今般、年金部会の委員として議論に参加してまいりました。本日は、その議論を踏まえながら、私の意見を申し述べさせていただければ幸いです。
初めに、皆様も御存じのことではありますが、働き方やライフスタイルの変化について確認したいと思います。
ページをおめくりください。
かつてのように、学校を卒業して皆が正社員となり、ほとんどの人が結婚し、夫は仕事、妻は家庭に入り、子供の手が離れると扶養の範囲内でパートをするような七〇年代から八〇年代に多く見られたようなモデルは、二〇二五年現在においては支配的ではなくなりました。このモデルをここでは八〇年代モデルと呼んでおくことにします。
八〇年代モデルは、言わば男性稼ぎ主モデルでもあり、男性は企業中心社会にからめ捕られていました。当時のモデルからしますと、ここから外れた人々、例えばシングルマザーであるとか、あるいは責任を持って働きたかった女性のチャンスは限られていたと言えるかと思います。当時の日本は、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われながら、過労死が社会問題になっていた時代でもありました。また、男女雇用機会均等法が成立し、女性の年金のメルクマールであるサラリーマン世帯の専業主婦の自分名義の年金権が確立されたのもこの頃であります。
変化の一つのきっかけは、バブル崩壊後の不況です。これまで安定していた八〇年代モデルにおいては終身雇用が不可欠だったわけですが、リストラが盛んに行われるようになりました。また、若者が就職できないという状況が広がり、二〇〇三年にはフリーターが二百十七万人を超え、若年者雇用が大変大きな問題になりました。これが今の氷河期世代に当たりますが、この頃、フリーターが厚生年金に入るチャンスは極めて限られておりました。
二〇〇〇年代に入ると、少子化を背景に仕事と家庭の両立支援のための法整備が進みました。二〇〇〇年代前半は第一子出産後も就業継続するという女性は三割にも満たなかったのですが、二〇一五年以降は半数以上が就業継続するようになっています。僅か十五年で、出産しても就業継続するキャリアがマジョリティーになるという急激な変化が起きました。
かつて育児期に低下する就業率を示していたM字カーブ問題は、今は正社員率を示すL字へと問題の焦点が移りつつあります。とはいえ、依然として主に家庭内のケア労働に従事しているのは女性であります。労働政策は男性の育児休業取得を積極的に進めてきておりますが、まだ男女が半々に育児、家事を負担するには程遠い状況です。また、結婚はもとより、子供を持たない人々も増加しつつあり、単身化が一層進みつつあります。
他方で、職業人生は長期化しています。高年齢者雇用安定法により六十五歳までの雇用機会の確保が義務化されました。年金の受給年齢が六十歳から六十五歳まで引き上げられてきましたが、この雇用機会の確保あってのことであり、年金の受給年齢と高齢者雇用は深く関わっております。
このように、この十年は女性と高齢者の就業率が上昇した時期でありました。以前であれば、八〇年代モデルを念頭に、そこから外れた人に対して配慮をすればよかったのですが、それぞれの思考や利害が多様になり、その調整が大変複雑になってきた十年でもあったと思います。
こうした変化は、現役のときの働き方やライフスタイルの反映である老後の年金の在り方にも強い影響を与えます。したがって、年金制度に不断の見直しが必要なことは間違いありませんが、働き方やライフスタイルにどの程度の変化が生じており、どのくらいの変化であれば年金制度を変えるべきなのか、また、その際には年金の観点から誰にどのように配慮すべきかなど、何が望ましいかということについての意見が一致することは困難な状況になってきたと思います。
そうした中で、今回の年金制度改革法案は、様々な意見が交差する中で、これまでの状況を踏まえながら、その最大公約数的な落としどころを探ったものであり、働き方やライフスタイルの変化に対応するという観点から考えると、おおむね今回の法律案は妥当なものだと考えます。
以下では、具体的な改正の概要について幾つかだけピックアップして申し上げます。番号は三ページの資料に対応しているものでございます。
まず、一の一、被用者保険の適用拡大につきまして、賃金、企業規模要件の撤廃や、いわゆる年収の壁に対応する施策がございます。こちらにより適用拡大が一層進むことを期待しております。将来的には、週に二十時間以上という労働時間の要件についても検討が必要だと考えます。
これまで政策では年収の壁が注目されてきましたが、全体としては少ないながらも、社会保険に入りたいんだけれども入れていない方もいらっしゃいます。事例を御紹介しますと、四ページ、四十代後半男性は、正社員経験が全くなく、社会保険に入ることを希望しているんですが、現在の職場では入れてもらえないという状況にあります。お母さんの年金と自分のアルバイト代で何とか暮らしているのですが、先が見えない状況です。もし今般の改正で適用拡大の恩恵を受けられれば、少しでも本人の年金を増やすことができます。その点で、適用拡大の時期が年金部会の議論よりも遅くなった点につきまして残念に思っております。
続きまして、一の二、在職老齢年金制度の見直しでございます。
在職老齢年金につきましても、職業人生の長期化を背景に、高齢者の働くモチベーションを保ちながら年金財政への影響とのバランスを取ることが重要だと考えています。よって、ますます職業人生が長くなる今日においては、支給停止基準額を上げることは妥当だと考えます。金額については、今後の賃金動向を踏まえ、将来的には支給停止基準額を更に上げていかれるものと推測しております。
五十五歳女性の事例を載せておりますが、この方は、定年後も積極的に働くために五十代から準備をしていきたいと、そういうお気持ちを持っている方でございます。こうした働くモチベーションは大切にしていく必要があると思います。
続きまして、遺族年金の見直し、これは資料はございませんが、今回の遺族厚生年金の改革において最も重要な貢献は、男女問わず受給しやすくなったという点にあると考えます。
近年、子育て世帯の中心となっている共働き世帯では、妻の収入があることを前提として生活が成り立っているだけではなく、妻が育児の担い手であることが多いことから、妻が亡くなると、収入と育児の重要な担い手を同時に失うということを意味しています。今回の改正により、夫が妻を亡くした場合でも、直後の衝撃を和らげ、生活を立て直す一助を得ることができると思います。この見直しは男女にかかわらず、中立的な方向に近づくアプローチだと受け止めております。
また、一の四、厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げで、こちらも資料はございませんが、標準報酬月額別の分布割合を見ますと、上限に集中している現象が見られることから、上限の引上げと、そしてそれを将来の年金額に反映していくことにも賛成しております。
最後に、一の五、将来の基礎年金の給付水準の底上げであります。
今回のマクロ経済スライドの調整期間の一致により給付水準を底上げするという、今回の御提案に賛成です。私は氷河期世代について研究してまいりましたので、本日はその観点から述べたいと思います。
一般的に就職氷河期世代は、一九九三年から二〇〇四年卒業者を指しております。六ページ左側に見られますように初職の状況は大変悪かったのですが、その後の人手不足と氷河期支援の効果が出て正社員率は上昇し、四十代になってから上の世代と遜色ない状況に至っています。しかし、年金は、一時点で正社員であるということだけでなく、これまでのキャリアがどうであったかを見る必要があります。
私の研究によりますと、一度正社員になっても、非正社員、無業、失業を行き来するという特徴を持つキャリアが見出されました。私は、こうしたキャリアをヨーロッパの若者研究の概念を参考に、ヨーヨー型キャリアと呼んでいます。どの世代も必ずこのヨーヨー型キャリアの人々は存在しておりますが、氷河期世代ではほかの世代よりも多いことが推測されます。
雇用形態が入れ替わり、間に失業、無業を経験するヨーヨー型キャリアにおいては、年金における免除期間や国民年金のみの期間の長期化が生じやすく、年金額が低くなる可能性があります。氷河期世代の人口サイズが大きいことを踏まえると、社会的影響は小さくありません。
こうしたことに鑑みますと、特に基礎年金の底上げにつながるマクロ経済スライドの早期終了が期待されます。二〇五七年から二〇三六年にまで終了が早まり、年金が底上げされれば、就職氷河期世代の受取開始にも間に合います。また、氷河期以降のより若い世代の年金の水準を上げることにも寄与するものであります。
以上のように、私は今回の年金改革法案に賛成です。更に言えば、拠出期間の四十五年化は今後の選択肢の一つでありまして、四年後の財政検証の際にもオプション試算を期待しております。
最後に、課題について述べます。
まず、三号制度につきましては、今すぐ廃止というのではなく、適用拡大を進めることでまずは対応するという取りまとめになりましたが、妥当だと考えます。三号は、日本の性別役割分業規範の要因でも結果でもありますが、長い期間を掛けて浸透していったものであるため、廃止には一定の時間が掛かります。また、将来的に廃止される際には、年金が賦課方式であることに鑑み、末子が六歳以下であれば三号と同様に保険料免除の取扱いをするなど、子育てを社会で支援するような仕組みにしていただきたく存じます。
また、年金の受給年齢を引き上げるという選択肢は現時点では有力ではありませんが、仮に行う場合には高齢者雇用とセットにすることが不可欠です。年金だけの議論ではなく、高齢者雇用も並行して進めていっていただきたいと思います。
さらに、適用拡大の時期につきましては、年金部会の議論よりもより時間を掛けて行うということになりました。この点につきましては、是非、使用者の方々の御理解を得て、より前倒しにすることを検討していただきたく存じます。
最後に、長年、若者の研究に関する研究をしてきましたが、二〇〇〇年代前半には年金不信が若者の間でも広がり、どうせもらえないから払わないとインタビューで語るフリーターの若者に度々会いました。例えば二〇一一年に東京都で実施した第三回若者のワークスタイル調査で年金について尋ねておりますが、二十代後半層のフリーターで加入していないと答えた者が当時一二・三%おりました。しかし、八ページに示したように、二〇二一年に実施した第五回の調査によりますと、パート、アルバイトで加入していないと回答した者は三・四%まで減少しています。
若者の加入は雇用形態にかかわらず進んできたところですが、理解については若干の課題が残っています。この示した図表は二〇二一年の調査を基に二十代後半と三十代前半を比較したものですが、同じ対象者のパネルではないものの、三十代になると急に理解が進んでいることがうかがえます。この時期にライフステージが変わることが変化の要因と推測されますが、そうであるならば、二十代に対する広報が一定の効果を持つようにも思います。その際には、若者にとって遠い将来である年金だけを独立して行うよりは、労働法制や医療なども含め、今の自分の生活や働き方と年金がつながっていることが示せるようにトータルで広報する方法も検討していただきたいと思います。
なお、今回、学生猶予制度については広く利用されているにもかかわらず、ほとんど追納されていないということが明らかにされました。こちらにつきましても、追納した方が得であるという広報が必要だと考えます。
私からは以上です。
柘
駒
駒村康平#5
○参考人(駒村康平君) 慶應義塾大学、駒村康平でございます。
本日は、こういう機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
私の資料を用意させていただいております。パワーポイントを打ち出したものでございまして、今日お話しさせていただきたい内容が、この構成、二枚目にございます。年金制度を評価する評価軸、それから、私は今日は基礎年金の給付水準の底上げの議論を中心にお話をしたいと思いますので、この大きなテーマである基礎年金の給付水準をどう考えていくのかということ。それから、これを、その給付水準の底上げをめぐる三つの課題と、こういったものをお話しさせていただくつもりでございます。
資料は、本体、これについて、資料と続けて、資料一、二、三、四、五点、まあ細かい説明はまたこちらを読んでいただくということで補わさせていただきたいと思います。
では、三ページ目の方に入っていきたいと思います。
年金制度をどう評価するのかと、その改革をどう評価するのかというと、三つの基準があるだろうと思います。
一つは、財政的な持続可能性が確保できているかどうかと。これは、マクロ経済スライドで調整するということで現在持続可能性を確保しているわけでありますけれども、一方、その給付調整を行うことによって、今度は給付の十分性ですね、これが損なわれてしまっても困るということで、今回、これが基礎年金に対するマクロ経済スライドの早期停止の議論に関わっているということでございます。こういうふうに、財政的な問題とは別に、社会経済状況は常に変化していくということで、今、堀参考人からもお話がありましたように、就業形態、家族形態は常に変化を続けていると。これに対応していかなければいけないということで、適用拡大、遺族年金、在職老齢年金と、こういう改革が行われているということでございます。
高齢化が進む中で、その一番、二番のバランスはかなり厳しい状態ではありますけれども、一方で、三に対応する改革をすることによって過度に悲観をするような状態までではまだないだろうと思っています。それから、三は、ゴールはないと、世の中は変わっていく以上、必ず改革が必要になってくるということでございます。
では、四ページ目の方に入りたいと思います。
この中で、今回最大の問題の一つになったのが、基礎年金の代替率、所得代替率が低下をしていくという問題でございます。
二〇〇四年にこのマクロ経済スライドを導入したときの見通しは、報酬比例部分がそのモデル年金の四割、そして基礎年金の六を占めるんだと、こういうバランスで組んでいこうと、こういう予定であったわけですけれども、実はこの現行制度は、このまま、現行の状態がこのままいくと、この四対六のバランスが崩れて、五対五までの状態になってくると。要するに、基礎年金が非常に大きくゆがんで小さくなっていくというのが分かってきたと。
当初のイメージ、基礎年金と厚生年金の報酬比例部分がバランスよく同じピッチで減るはずだったのが、これが、基礎年金に集中的にマクロ経済スライドが長期にわたって掛かっていくと。これが問題になってきたということでございまして、これを何とかするためには、マクロ経済スライドを基礎年金に対して早期に停止しなければいけないということで、これをやるために積立金を使って調整をしていこうということでございます。特に二〇四〇年から退職する氷河期世代を直撃する、基礎年金へのマクロ経済スライドが直撃するようなルートに入っていますので、これをずらすという意味もあっただろうと思います。
この基礎年金の給付水準が下がるということは一体どういうことなのかと、これが五ページ目でございます。
日本の所得保障政策は、生活保護が要石で一番最後にあるわけですけれども、その上に心柱のように基礎年金制度が乗っかっているということで、日本の所得保障制度の中核になっていると。これは、老齢年金のみならず、障害基礎年金、遺族基礎年金もカバーをしていますので、マクロ経済スライドは、この障害年金、遺族基礎年金も含めて三割ぐらい下げてしまうという非常に深刻な問題が起きてくるということでございます。
ちなみに、障害基礎年金受給者は現在約二百十八万人、二兆円をこの部分で給付をしていると。特に二十歳前障害と言われている方、かなり、生まれた直後から障害を持たれているような方は百十八万人ということでございまして、こういう人たちの年金まで道連れに下げていくということが非常に深刻なことを生み出すのではないかということになると思います。恐らく、老齢年金の方でもこの生活保護を受給するような方、あるいは障害年金の方の低下によって障害者で生活保護の方に行く方も増えていくのではないかと思います。
年金の給付水準を下げるとどういうことが起きるのかというのは、この三ポツに書いてありますように、最近もOECDの過去のデータをかなり厳密に分析した研究結果が発表されていまして、これ、基本的に、年金の給付水準を下げると高齢者の貧困率は上昇するということは、まず間違いなくコンセンサスが得られているということでございます。
したがって、この貧困率が上がるイコール生活保護が増えるところまで行くかどうかはまた別の部分で、いわゆる捕捉率という問題がありますので、一〇〇%の貧困者が生活保護を受けられるというわけではございません。日本は捕捉率二〇から二五の幅だと言われていますので、必ずしもストレートに行くというわけではありませんけれども、仮に捕捉率が一緒であれば当然ながら生活保護受給者が増えていく可能性があるということであります。
また、基礎年金の給付水準の低下は、基礎年金のみの方のみならず、報酬比例部分が低い厚生年金加入者にとっても当然ながらダメージが大きいということでございます。
また、次のページでありますように、年金は当然ながら高齢者率、高齢化が進んだ地域ほど依存率が高いと、経済に占める依存率が高いということで、六ページは対高齢化率と年金が県民所得の何%を占めるのかという相関関係を見たものでございまして、当然ながら高齢化が進むところほどこの年金依存率は高いと。
したがって、特にこの基礎年金の動向なんかもこれから非常に注意をしておかなければいけないということになるだろうと思います。
さて、七ページ、マクロ経済スライドの基礎年金に対する影響をどう抑えていくのかということで、所得代替率ベースで見ると大体三割ぐらい下がっていくだろうということが想定されていると。分解して見ると、いろいろな方法が選択肢としてありまして、現在、給付水準三六・二%が二五・五%まで落ちると。これ一〇・七%落ちるということになりますけれども、この一〇・七をどう回復するのかということで幾つか選択肢がありまして、四十五年加入だと四%回復できると、二百万人適用だと一・七%回復できると、そしてマクロ経済スライド基礎年金の適用を短縮すると七・七%回復できるということでございまして、この中で一番基礎年金の給付水準を底上げする効果が大きいのは、短縮、マクロ経済スライドを基礎年金に適用する期間を短縮して、厚生年金のマクロ経済スライドと同時に終わらせるというのが一番効果が高いということでございます。
また、過去三十年ケースで見ると、厚生年金のマクロ経済スライドが二年ぐらいのうちに終わってしまいますので、そういう意味でも今手当てをしなければ遅くなってしまう、手遅れになってしまうということもあって、時間的にもインパクト的にも、適用拡大なども効果はありますけれども、マクロ経済スライドの短縮というのを、基礎年金に対するマクロ経済スライドの短縮が極めて大きいということがこれで分かるということでございます。
今基礎年金に対する効果を説明しましたけれども、八ページの方は、当然ながら、先ほどもお話ししましたように、これをやることによって、厚生年金のモデル年金の方も、放っておけば代替率が一八%下がる部分を、これが代替率八%の低下まで抑え込むことができるということで、サラリーマングループ全員にとっても、これほぼ全員にとっても、これは非常に有益な効果があるということでございます。
これに対して、九ページのように、三つの壁があると私は評価しています。
一つは、積立金の流用がされているんではないかという誤認というか誤解があると。これはある種やむを得ない部分もあって、実は厚生年金と国民年金と基礎年金の関係が国民の皆様に十分伝わり切っていないんじゃないかという部分はございます。
まず、国民年金というのは、基本的には徴収する窓口でございまして、給付する方で基礎年金ということになるということでありまして、その基礎年金は、別名、厚生年金の一階部分であるということの理解でございます。
それから、積立金というのは、個々人に所有権があるものではなくて、基本的には高齢化のピークを乗り越えるためのバッファーファンドであると、あくまでも給付を支えるための資金であって、個々人に所有権があるというわけではないということ。
さらに、この方法を取らないと、実は国民年金の積立金が今十二兆、厚生年金の積立金は二百四十三兆というふうに極めて厚生年金の方のウエートが大きくて、この調整をやらないと、今度はちっちゃい国民年金の積立金の変動結果が基礎年金の給付水準を大きく左右してしまうという非常に困った状態になりますので、これを防ぐためにもこの積立金の活用というのは必要であるということになるだろうと思います。
一方、その二番目の課題としては、世代間の連帯をどう考えていくのかと。
氷河期世代が厳しい状態のまま老後を迎えていくという問題に対してほかの世代がどういうふうに対応するのか、氷河期世代という世代ガチャみたいな問題に対して社会はどういうふうに対応すべきなのかという問題。
それから、最後に、基礎年金を上げる以上、国庫負担も増えてくるということはございます。ただ、先ほど申し上げたように、何もしなければ生活保護も増える可能性がありますので、その差分でどのぐらい国庫負担が増えてくるかという視点も大事ではないかと思います。
十ページの方に行きたいと思います。
今、先ほど申し上げたように、国民年金、基礎年金、自営業年金、で、厚生年金、サラリーマン年金という職業対立的な捉え方をされてしまっていると。しかしながら、国民年金の保険料の負担と厚生年金加入者の保険料の負担はまた違う部分もございます。また、国民年金イコール自営業者というわけでもないという点も押さえておきたいと思います。
十一ページの方でありますけれども、結局、基礎年金とは一体どういうものなのかというと、人生のキャリアが全部集約されたものであると。だから、人生全く一号にしか入っていませんでしたよという人は、要するに現在四十歳の世代を取り除いてみても、取り上げてみてもですね、五・六%にすぎず、残り九五%近くは国民年金、厚生年金二号、三号の経験があると。つまり、積立金に貢献してきたグループであるということでございまして、この基礎年金全体に対してその積立金を活用していくということでございます。
十二ページ、十三ページは、これはストックベースで見たときに、どのくらい積立金が百年間で厚生年金グループの方にきちんと返ってくるのかどうなのかということを見たものでございます。十二、十三はそういうものでございます。
十四ページは、こういうその社会保険の性格についてやはりちゃんと押さえておかなければいけないと。社会保険は、保険原則を持ちながら扶養性の原則も同時に入っている二重性格を持っていますので、保険の内部に既に再分配効果が内蔵されていますし、保険間の再分配効果も当初から入っているという点も押さえておかなければいけないと思っております。
十五ページの方は、この氷河期世代という厳しい世代に対して他の世代がどう考えていくのか。今回は、氷河期世代よりも上の世代が多少我慢してもらう部分が出てくると思います。
そういう意味では、まれに、若い世代から高齢者世代への移転というのが、年金制度はそういう見方ばっかりだったんですけど、今回は逆に流れていくという問題が起きているということで、ここの社会的コンセンサスをどう得るのかというのはやや課題かと思いますけれども、ここは先生、皆様がきちんと議論していただいて、特定の世代がひどい目に遭った世代を見捨てないという姿勢を出すことが私は大事ではないかなと思っております。
十六ページ、最後でございます。
国庫負担というものはどうしても発生するというのは事実だろうと思います。一方で、放置すれば生活保護の方で費用も掛かるという部分でありますので、そういったものも考慮した上でこの国庫負担をどう確保していくのかということになりますと、やはり年金だけを取り上げて議論をするんではなくて、年金、医療、介護、労働問題、居住問題、福祉問題、生活保護問題、税制、こういったものを、社会保障に関わる様々な制度を横断的に議論していくということで国庫のプライオリティーを決めていく。そういう会議体を、与野党の議員の先生、学識者、担当省庁の責任者、労使等が入る形で、根拠に基づいて、長期的、論理的な、恒常的な会議体、これ、かつてあった社会保障制度審議会といったものを再び回復するということが私は必要ではないかと思います。そのことによって、透明性で持続性があり、公正な制度、まさに信なくば立たずということでございますけれども、信の、国民から信が持たれる制度ができるんではないかと思っております。
以上でございます。どうもありがとうございます。
この発言だけを見る →本日は、こういう機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
私の資料を用意させていただいております。パワーポイントを打ち出したものでございまして、今日お話しさせていただきたい内容が、この構成、二枚目にございます。年金制度を評価する評価軸、それから、私は今日は基礎年金の給付水準の底上げの議論を中心にお話をしたいと思いますので、この大きなテーマである基礎年金の給付水準をどう考えていくのかということ。それから、これを、その給付水準の底上げをめぐる三つの課題と、こういったものをお話しさせていただくつもりでございます。
資料は、本体、これについて、資料と続けて、資料一、二、三、四、五点、まあ細かい説明はまたこちらを読んでいただくということで補わさせていただきたいと思います。
では、三ページ目の方に入っていきたいと思います。
年金制度をどう評価するのかと、その改革をどう評価するのかというと、三つの基準があるだろうと思います。
一つは、財政的な持続可能性が確保できているかどうかと。これは、マクロ経済スライドで調整するということで現在持続可能性を確保しているわけでありますけれども、一方、その給付調整を行うことによって、今度は給付の十分性ですね、これが損なわれてしまっても困るということで、今回、これが基礎年金に対するマクロ経済スライドの早期停止の議論に関わっているということでございます。こういうふうに、財政的な問題とは別に、社会経済状況は常に変化していくということで、今、堀参考人からもお話がありましたように、就業形態、家族形態は常に変化を続けていると。これに対応していかなければいけないということで、適用拡大、遺族年金、在職老齢年金と、こういう改革が行われているということでございます。
高齢化が進む中で、その一番、二番のバランスはかなり厳しい状態ではありますけれども、一方で、三に対応する改革をすることによって過度に悲観をするような状態までではまだないだろうと思っています。それから、三は、ゴールはないと、世の中は変わっていく以上、必ず改革が必要になってくるということでございます。
では、四ページ目の方に入りたいと思います。
この中で、今回最大の問題の一つになったのが、基礎年金の代替率、所得代替率が低下をしていくという問題でございます。
二〇〇四年にこのマクロ経済スライドを導入したときの見通しは、報酬比例部分がそのモデル年金の四割、そして基礎年金の六を占めるんだと、こういうバランスで組んでいこうと、こういう予定であったわけですけれども、実はこの現行制度は、このまま、現行の状態がこのままいくと、この四対六のバランスが崩れて、五対五までの状態になってくると。要するに、基礎年金が非常に大きくゆがんで小さくなっていくというのが分かってきたと。
当初のイメージ、基礎年金と厚生年金の報酬比例部分がバランスよく同じピッチで減るはずだったのが、これが、基礎年金に集中的にマクロ経済スライドが長期にわたって掛かっていくと。これが問題になってきたということでございまして、これを何とかするためには、マクロ経済スライドを基礎年金に対して早期に停止しなければいけないということで、これをやるために積立金を使って調整をしていこうということでございます。特に二〇四〇年から退職する氷河期世代を直撃する、基礎年金へのマクロ経済スライドが直撃するようなルートに入っていますので、これをずらすという意味もあっただろうと思います。
この基礎年金の給付水準が下がるということは一体どういうことなのかと、これが五ページ目でございます。
日本の所得保障政策は、生活保護が要石で一番最後にあるわけですけれども、その上に心柱のように基礎年金制度が乗っかっているということで、日本の所得保障制度の中核になっていると。これは、老齢年金のみならず、障害基礎年金、遺族基礎年金もカバーをしていますので、マクロ経済スライドは、この障害年金、遺族基礎年金も含めて三割ぐらい下げてしまうという非常に深刻な問題が起きてくるということでございます。
ちなみに、障害基礎年金受給者は現在約二百十八万人、二兆円をこの部分で給付をしていると。特に二十歳前障害と言われている方、かなり、生まれた直後から障害を持たれているような方は百十八万人ということでございまして、こういう人たちの年金まで道連れに下げていくということが非常に深刻なことを生み出すのではないかということになると思います。恐らく、老齢年金の方でもこの生活保護を受給するような方、あるいは障害年金の方の低下によって障害者で生活保護の方に行く方も増えていくのではないかと思います。
年金の給付水準を下げるとどういうことが起きるのかというのは、この三ポツに書いてありますように、最近もOECDの過去のデータをかなり厳密に分析した研究結果が発表されていまして、これ、基本的に、年金の給付水準を下げると高齢者の貧困率は上昇するということは、まず間違いなくコンセンサスが得られているということでございます。
したがって、この貧困率が上がるイコール生活保護が増えるところまで行くかどうかはまた別の部分で、いわゆる捕捉率という問題がありますので、一〇〇%の貧困者が生活保護を受けられるというわけではございません。日本は捕捉率二〇から二五の幅だと言われていますので、必ずしもストレートに行くというわけではありませんけれども、仮に捕捉率が一緒であれば当然ながら生活保護受給者が増えていく可能性があるということであります。
また、基礎年金の給付水準の低下は、基礎年金のみの方のみならず、報酬比例部分が低い厚生年金加入者にとっても当然ながらダメージが大きいということでございます。
また、次のページでありますように、年金は当然ながら高齢者率、高齢化が進んだ地域ほど依存率が高いと、経済に占める依存率が高いということで、六ページは対高齢化率と年金が県民所得の何%を占めるのかという相関関係を見たものでございまして、当然ながら高齢化が進むところほどこの年金依存率は高いと。
したがって、特にこの基礎年金の動向なんかもこれから非常に注意をしておかなければいけないということになるだろうと思います。
さて、七ページ、マクロ経済スライドの基礎年金に対する影響をどう抑えていくのかということで、所得代替率ベースで見ると大体三割ぐらい下がっていくだろうということが想定されていると。分解して見ると、いろいろな方法が選択肢としてありまして、現在、給付水準三六・二%が二五・五%まで落ちると。これ一〇・七%落ちるということになりますけれども、この一〇・七をどう回復するのかということで幾つか選択肢がありまして、四十五年加入だと四%回復できると、二百万人適用だと一・七%回復できると、そしてマクロ経済スライド基礎年金の適用を短縮すると七・七%回復できるということでございまして、この中で一番基礎年金の給付水準を底上げする効果が大きいのは、短縮、マクロ経済スライドを基礎年金に適用する期間を短縮して、厚生年金のマクロ経済スライドと同時に終わらせるというのが一番効果が高いということでございます。
また、過去三十年ケースで見ると、厚生年金のマクロ経済スライドが二年ぐらいのうちに終わってしまいますので、そういう意味でも今手当てをしなければ遅くなってしまう、手遅れになってしまうということもあって、時間的にもインパクト的にも、適用拡大なども効果はありますけれども、マクロ経済スライドの短縮というのを、基礎年金に対するマクロ経済スライドの短縮が極めて大きいということがこれで分かるということでございます。
今基礎年金に対する効果を説明しましたけれども、八ページの方は、当然ながら、先ほどもお話ししましたように、これをやることによって、厚生年金のモデル年金の方も、放っておけば代替率が一八%下がる部分を、これが代替率八%の低下まで抑え込むことができるということで、サラリーマングループ全員にとっても、これほぼ全員にとっても、これは非常に有益な効果があるということでございます。
これに対して、九ページのように、三つの壁があると私は評価しています。
一つは、積立金の流用がされているんではないかという誤認というか誤解があると。これはある種やむを得ない部分もあって、実は厚生年金と国民年金と基礎年金の関係が国民の皆様に十分伝わり切っていないんじゃないかという部分はございます。
まず、国民年金というのは、基本的には徴収する窓口でございまして、給付する方で基礎年金ということになるということでありまして、その基礎年金は、別名、厚生年金の一階部分であるということの理解でございます。
それから、積立金というのは、個々人に所有権があるものではなくて、基本的には高齢化のピークを乗り越えるためのバッファーファンドであると、あくまでも給付を支えるための資金であって、個々人に所有権があるというわけではないということ。
さらに、この方法を取らないと、実は国民年金の積立金が今十二兆、厚生年金の積立金は二百四十三兆というふうに極めて厚生年金の方のウエートが大きくて、この調整をやらないと、今度はちっちゃい国民年金の積立金の変動結果が基礎年金の給付水準を大きく左右してしまうという非常に困った状態になりますので、これを防ぐためにもこの積立金の活用というのは必要であるということになるだろうと思います。
一方、その二番目の課題としては、世代間の連帯をどう考えていくのかと。
氷河期世代が厳しい状態のまま老後を迎えていくという問題に対してほかの世代がどういうふうに対応するのか、氷河期世代という世代ガチャみたいな問題に対して社会はどういうふうに対応すべきなのかという問題。
それから、最後に、基礎年金を上げる以上、国庫負担も増えてくるということはございます。ただ、先ほど申し上げたように、何もしなければ生活保護も増える可能性がありますので、その差分でどのぐらい国庫負担が増えてくるかという視点も大事ではないかと思います。
十ページの方に行きたいと思います。
今、先ほど申し上げたように、国民年金、基礎年金、自営業年金、で、厚生年金、サラリーマン年金という職業対立的な捉え方をされてしまっていると。しかしながら、国民年金の保険料の負担と厚生年金加入者の保険料の負担はまた違う部分もございます。また、国民年金イコール自営業者というわけでもないという点も押さえておきたいと思います。
十一ページの方でありますけれども、結局、基礎年金とは一体どういうものなのかというと、人生のキャリアが全部集約されたものであると。だから、人生全く一号にしか入っていませんでしたよという人は、要するに現在四十歳の世代を取り除いてみても、取り上げてみてもですね、五・六%にすぎず、残り九五%近くは国民年金、厚生年金二号、三号の経験があると。つまり、積立金に貢献してきたグループであるということでございまして、この基礎年金全体に対してその積立金を活用していくということでございます。
十二ページ、十三ページは、これはストックベースで見たときに、どのくらい積立金が百年間で厚生年金グループの方にきちんと返ってくるのかどうなのかということを見たものでございます。十二、十三はそういうものでございます。
十四ページは、こういうその社会保険の性格についてやはりちゃんと押さえておかなければいけないと。社会保険は、保険原則を持ちながら扶養性の原則も同時に入っている二重性格を持っていますので、保険の内部に既に再分配効果が内蔵されていますし、保険間の再分配効果も当初から入っているという点も押さえておかなければいけないと思っております。
十五ページの方は、この氷河期世代という厳しい世代に対して他の世代がどう考えていくのか。今回は、氷河期世代よりも上の世代が多少我慢してもらう部分が出てくると思います。
そういう意味では、まれに、若い世代から高齢者世代への移転というのが、年金制度はそういう見方ばっかりだったんですけど、今回は逆に流れていくという問題が起きているということで、ここの社会的コンセンサスをどう得るのかというのはやや課題かと思いますけれども、ここは先生、皆様がきちんと議論していただいて、特定の世代がひどい目に遭った世代を見捨てないという姿勢を出すことが私は大事ではないかなと思っております。
十六ページ、最後でございます。
国庫負担というものはどうしても発生するというのは事実だろうと思います。一方で、放置すれば生活保護の方で費用も掛かるという部分でありますので、そういったものも考慮した上でこの国庫負担をどう確保していくのかということになりますと、やはり年金だけを取り上げて議論をするんではなくて、年金、医療、介護、労働問題、居住問題、福祉問題、生活保護問題、税制、こういったものを、社会保障に関わる様々な制度を横断的に議論していくということで国庫のプライオリティーを決めていく。そういう会議体を、与野党の議員の先生、学識者、担当省庁の責任者、労使等が入る形で、根拠に基づいて、長期的、論理的な、恒常的な会議体、これ、かつてあった社会保障制度審議会といったものを再び回復するということが私は必要ではないかと思います。そのことによって、透明性で持続性があり、公正な制度、まさに信なくば立たずということでございますけれども、信の、国民から信が持たれる制度ができるんではないかと思っております。
以上でございます。どうもありがとうございます。
柘
伊
伊藤仁#7
○参考人(伊藤仁君) 日本商工会議所専務理事の伊藤でございます。
法案の審議に際しまして意見を申し述べる機会をいただき、ありがとうございます。特段資料は用意しておりませんが、口頭でやらせていただきます。
私ども商工会議所は、全国に五百十五か所設立されておりまして、傘下の会員数約百二十五万者が属しております。地域の総合経済団体として、中小企業の活力強化、それから地域経済の活性化という使命に向けて活動を展開しております。
年金制度につきましては、商工会議所の中で社会保障専門委員会を組織いたしまして、各地からの意見を集約し、昨年十一月には提言として政府にお示ししている次第でございます。また、厚生労働省の年金部会にもその専門委員会から委員を派遣させていただき、我々の意見を申し述べさせていただきました。
本日は、この法案について、中小企業の、主として中小企業の立場から私どもの考えを申し立てたいと思います。
まず、我が国、現在、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現というところに向けて官民が協力して取り組んでいるところであります。中小企業におきましても、非常に厳しい人手不足に加えまして物価上昇が続く中で、生産性の向上を含めて価格転嫁を進め、従業員の賃上げの実現に向け懸命に努力をしているところでございます。
一方で、医療、介護などを含め社会保険料の負担は増加を続けております。現役世代の可処分所得を押し下げ、消費の低迷の原因の一つとも言われております。また、企業の賃上げや将来に向けた成長投資といったところに対する阻害の要因にもなっております。このため、現役世代とそれから中小企業の負担を抑制しつつ、持続可能な社会保障制度を維持していくために改革を進めていく必要があると考えております。
先ほど中小企業と地方、もうこれが我々の使命と申し上げましたけれども、中小企業は全国の雇用の七割、生み出す付加価値でいいますと約五割強でございます。かつ、三大都市圏を除くいわゆる地方部におきましては、雇用の九割、付加価値の八割近くを中小企業が生んでおります。まさに地域経済の基盤でありますので、社会保障制度の担い手としても極めて重要な存在であると考えております。
こうした構造の中で、年金制度に関しまして我々が特に注意している点を二点申し上げます。
一つは、昨今の深刻さを増す人手不足、人材不足。中小企業や地域経済の成長の大変な足かせになってきております。この中で、就労抑制の要因となるような制度は極力なくしていただきたいと考えております。就労抑制の要因から外すというところが一つでございます。
第二が、中小企業にとってやはり社会保険料の負担も大きな課題の一つであります。業種にもよりますが、小規模な事業者ほど厳しい状況にあります。保険料の負担額が、負担増がですね、経営に与える影響は小さくないというふうに考えております。
以上の観点に立ちましていろんな要望をさせていただき、今回の改正法案につきましては、全体の方向性については中小企業の現状を踏まえた内容となっておりまして、基本的に賛同する観点から、以下、主要な項目五点について意見を申し上げたいと思います。
一つ目が、被用者保険の適用拡大でございます。
年金財政の安定性の確保といった効果、それから適用拡大の趣旨、方向性については十分理解をしております。一方で、適用拡大の対象となる事業所には、先ほど申し上げました保険料の負担に加えまして、保険加入や保険料納付に係る事務負担も発生、増加いたします。中小企業においては専任の総務担当を置くことが難しい事業所も数多くあります。経営にそうした悪影響を与えないような配慮が必要と考えております。
この観点から、改正案については、事業主が予見性を持って準備することができるよう規模別にスケジュールを明記し、十分な時間を掛けて段階的に拡大するという案になっておりまして、評価しております。今後も、適用拡大によってどのような影響が生じるのか、その状況をきちんとフォローしていただくことが引き続き必要だとは考えております。
二つ目が、在職老齢年金制度でございます。
人手不足が深刻化する中で、中小企業においても、長年その企業に貢献された高齢者の方、そうした方に活躍してもらうためにも就業抑制の要因となる制度は極力見直していくべきだと考えております。
この観点から、改正案のようにまずは基準額を引き上げるべきだと考えております。また、将来的にはこういったものを廃止することを見据えて引き続き検討をお願いしたいと考えております。
三つ目が、標準報酬月額の引上げでございます。
負担能力に応じた負担、それから将来の給付の充実、こういった観点から引上げの必要性は理解しております。しかしながら、上限に該当する労働者がいる中小企業にとっては保険料負担の急激な増加はかなりのインパクトがあると考えております。
この観点から、今回の改正案は、引上げによる影響を最小限に抑えるため予見可能性を高めた上で段階的な引上げを講じていくものとなっており、評価できる内容と考えております。今後も、こうした引上げの効果、中小企業への影響などについて十分検証していくことをお願いしたいと考えております。
四点目が、基礎年金の底上げ措置についてです。
基礎年金の水準の低下、これは国民年金にしか入っていない人、また厚生年金に加入していてもその期間が短い被保険者にとっては、老後の貧困化の要因となりかねません。将来世代の不安を軽減するためにも、基礎年金の給付水準の底上げが重要だと考えております。
マクロ経済スライドの調整期間を短縮することで多くの人々の年金受給額が増加し、足下の受給世代と将来世代との世代間の公平性、これも図れることになると理解しております。調整期間の一致といったちょっと一般的には難しい内容もありますので、政府から国民に対して分かりやすく、かつ納得のいく丁寧な説明をお願いしたいと考えております。
五つ目は、私的年金制度です。
人手不足の中で、従業員になるべく長く働いていただきたいというのが現状であります。事業主もモチベーションアップのために企業年金の導入を検討したいのですけれども、事務負担や財政負担等の問題があり、中小企業にとって導入を足踏みしてしまうのが現状であります。
このような中でも、iDeCo+のように、企業年金の導入が困難な中小企業が従業員の福利厚生を充実させることができる選択肢として重要な制度であると認識しております。積極的な活用を促すためにも、その基となるiDeCoの改正が含まれる本法案に賛同いたします。今後も、私的年金普及拡大に向けた取組の推進をお願いしたいと考えております。
最後に、今回の法案には盛り込まれなかった今後の検討課題について二点申し上げます。
第一が、基礎年金拠出期間の延長についてです。
将来世代の年金給付水準を全体的に底上げをし、制度の安定性を確保するため、基礎年金拠出期間の延長については議論を進めるべきだと考えております。
第二点が、第三号被保険者制度の見直しについてです。
今後、更に調査研究を進め、その在り方について検討を行うこととされておりますが、将来的な解消に向け、国民の合意を得る努力、検討を開始すべきではないかというふうに考えております。
いずれの問題も、現在の制度の全体像をできるだけ分かりやすく国民に示していただき、議論を重ねていくことが重要と考えております。
意見については以上でございます。
将来世代のため、今後も年金制度改革を進めていくことは非常に重要だと考えております。国家百年の計を持って骨太の姿勢で改革に臨んでいただきたいと考えております。年金制度の全体像を国民誰もが理解できるように可視化し、その上で制度改革の大筋を描き、どのような制度としていくのか、本質的な議論を行っていただくよう改めてお願いいたします。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →法案の審議に際しまして意見を申し述べる機会をいただき、ありがとうございます。特段資料は用意しておりませんが、口頭でやらせていただきます。
私ども商工会議所は、全国に五百十五か所設立されておりまして、傘下の会員数約百二十五万者が属しております。地域の総合経済団体として、中小企業の活力強化、それから地域経済の活性化という使命に向けて活動を展開しております。
年金制度につきましては、商工会議所の中で社会保障専門委員会を組織いたしまして、各地からの意見を集約し、昨年十一月には提言として政府にお示ししている次第でございます。また、厚生労働省の年金部会にもその専門委員会から委員を派遣させていただき、我々の意見を申し述べさせていただきました。
本日は、この法案について、中小企業の、主として中小企業の立場から私どもの考えを申し立てたいと思います。
まず、我が国、現在、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現というところに向けて官民が協力して取り組んでいるところであります。中小企業におきましても、非常に厳しい人手不足に加えまして物価上昇が続く中で、生産性の向上を含めて価格転嫁を進め、従業員の賃上げの実現に向け懸命に努力をしているところでございます。
一方で、医療、介護などを含め社会保険料の負担は増加を続けております。現役世代の可処分所得を押し下げ、消費の低迷の原因の一つとも言われております。また、企業の賃上げや将来に向けた成長投資といったところに対する阻害の要因にもなっております。このため、現役世代とそれから中小企業の負担を抑制しつつ、持続可能な社会保障制度を維持していくために改革を進めていく必要があると考えております。
先ほど中小企業と地方、もうこれが我々の使命と申し上げましたけれども、中小企業は全国の雇用の七割、生み出す付加価値でいいますと約五割強でございます。かつ、三大都市圏を除くいわゆる地方部におきましては、雇用の九割、付加価値の八割近くを中小企業が生んでおります。まさに地域経済の基盤でありますので、社会保障制度の担い手としても極めて重要な存在であると考えております。
こうした構造の中で、年金制度に関しまして我々が特に注意している点を二点申し上げます。
一つは、昨今の深刻さを増す人手不足、人材不足。中小企業や地域経済の成長の大変な足かせになってきております。この中で、就労抑制の要因となるような制度は極力なくしていただきたいと考えております。就労抑制の要因から外すというところが一つでございます。
第二が、中小企業にとってやはり社会保険料の負担も大きな課題の一つであります。業種にもよりますが、小規模な事業者ほど厳しい状況にあります。保険料の負担額が、負担増がですね、経営に与える影響は小さくないというふうに考えております。
以上の観点に立ちましていろんな要望をさせていただき、今回の改正法案につきましては、全体の方向性については中小企業の現状を踏まえた内容となっておりまして、基本的に賛同する観点から、以下、主要な項目五点について意見を申し上げたいと思います。
一つ目が、被用者保険の適用拡大でございます。
年金財政の安定性の確保といった効果、それから適用拡大の趣旨、方向性については十分理解をしております。一方で、適用拡大の対象となる事業所には、先ほど申し上げました保険料の負担に加えまして、保険加入や保険料納付に係る事務負担も発生、増加いたします。中小企業においては専任の総務担当を置くことが難しい事業所も数多くあります。経営にそうした悪影響を与えないような配慮が必要と考えております。
この観点から、改正案については、事業主が予見性を持って準備することができるよう規模別にスケジュールを明記し、十分な時間を掛けて段階的に拡大するという案になっておりまして、評価しております。今後も、適用拡大によってどのような影響が生じるのか、その状況をきちんとフォローしていただくことが引き続き必要だとは考えております。
二つ目が、在職老齢年金制度でございます。
人手不足が深刻化する中で、中小企業においても、長年その企業に貢献された高齢者の方、そうした方に活躍してもらうためにも就業抑制の要因となる制度は極力見直していくべきだと考えております。
この観点から、改正案のようにまずは基準額を引き上げるべきだと考えております。また、将来的にはこういったものを廃止することを見据えて引き続き検討をお願いしたいと考えております。
三つ目が、標準報酬月額の引上げでございます。
負担能力に応じた負担、それから将来の給付の充実、こういった観点から引上げの必要性は理解しております。しかしながら、上限に該当する労働者がいる中小企業にとっては保険料負担の急激な増加はかなりのインパクトがあると考えております。
この観点から、今回の改正案は、引上げによる影響を最小限に抑えるため予見可能性を高めた上で段階的な引上げを講じていくものとなっており、評価できる内容と考えております。今後も、こうした引上げの効果、中小企業への影響などについて十分検証していくことをお願いしたいと考えております。
四点目が、基礎年金の底上げ措置についてです。
基礎年金の水準の低下、これは国民年金にしか入っていない人、また厚生年金に加入していてもその期間が短い被保険者にとっては、老後の貧困化の要因となりかねません。将来世代の不安を軽減するためにも、基礎年金の給付水準の底上げが重要だと考えております。
マクロ経済スライドの調整期間を短縮することで多くの人々の年金受給額が増加し、足下の受給世代と将来世代との世代間の公平性、これも図れることになると理解しております。調整期間の一致といったちょっと一般的には難しい内容もありますので、政府から国民に対して分かりやすく、かつ納得のいく丁寧な説明をお願いしたいと考えております。
五つ目は、私的年金制度です。
人手不足の中で、従業員になるべく長く働いていただきたいというのが現状であります。事業主もモチベーションアップのために企業年金の導入を検討したいのですけれども、事務負担や財政負担等の問題があり、中小企業にとって導入を足踏みしてしまうのが現状であります。
このような中でも、iDeCo+のように、企業年金の導入が困難な中小企業が従業員の福利厚生を充実させることができる選択肢として重要な制度であると認識しております。積極的な活用を促すためにも、その基となるiDeCoの改正が含まれる本法案に賛同いたします。今後も、私的年金普及拡大に向けた取組の推進をお願いしたいと考えております。
最後に、今回の法案には盛り込まれなかった今後の検討課題について二点申し上げます。
第一が、基礎年金拠出期間の延長についてです。
将来世代の年金給付水準を全体的に底上げをし、制度の安定性を確保するため、基礎年金拠出期間の延長については議論を進めるべきだと考えております。
第二点が、第三号被保険者制度の見直しについてです。
今後、更に調査研究を進め、その在り方について検討を行うこととされておりますが、将来的な解消に向け、国民の合意を得る努力、検討を開始すべきではないかというふうに考えております。
いずれの問題も、現在の制度の全体像をできるだけ分かりやすく国民に示していただき、議論を重ねていくことが重要と考えております。
意見については以上でございます。
将来世代のため、今後も年金制度改革を進めていくことは非常に重要だと考えております。国家百年の計を持って骨太の姿勢で改革に臨んでいただきたいと考えております。年金制度の全体像を国民誰もが理解できるように可視化し、その上で制度改革の大筋を描き、どのような制度としていくのか、本質的な議論を行っていただくよう改めてお願いいたします。
以上でございます。ありがとうございました。
柘
是
是枝俊悟#9
○参考人(是枝俊悟君) 是枝俊悟と申します。
大和総研で税制、社会保障制度の調査をしており、社会保障年金部会では委員として本法案の基となる制度改正の論点を提示させていただきました。
私からは、本法案につき五点意見を申し上げます。一点目は総論、二点目はマクロ経済スライド調整期間の一致について、三点目は厚生年金の適用拡大について、四点目は年収の壁と第三号被保険者制度について、五点目は遺族厚生年金の改正についてです。
まず、一点目の総論です。
衆議院による修正後の法案は、私は総論として賛成できると考えています。本法案は、マクロ経済スライド調整期間一致の部分を除けば、おおむね社会保障審議会年金部会の議論の整理を基に作成されているものです。
二〇二四年財政検証では、前回の二〇一九年財政検証と比べて年金財政の見通しは明るくなりました。その主な要因は、労働力率が高まるとともに厚生年金の加入者が増えたことと、株価上昇による運用成果を年金に取り込んだことの二つです。将来の年金の充実に向け、私たちはこれからも、女性も高齢者も働きやすい社会に向けて労働市場を変えていき、さらに、雇われて働く者はすべからく厚生年金に取り込んでいくという努力を重ねていくことが重要です。
この点、法案に盛り込まれた在職老齢年金の見直し、遺族厚生年金の見直し、被用者保険の適用拡大は、いずれも働き方に中立な制度を構築する点で、労働市場への参加を促し、また、労働者をより厚生年金に取り込み、保障を手厚くするという観点から、年金部会で多くの委員の賛同があったものでございます。
次に、二点目のマクロ経済スライドの調整期間の一致についてです。
マクロ経済スライド調整期間の一致については、私は修正後の法案は良い落としどころだと考えております。
基礎年金と報酬比例年金のマクロ経済スライド調整期間を一致させるための方法は二つあります。一つは、年金局から提案のあった、基礎年金拠出金の按分ルールを変更するという方法であり、もう一つは厚生年金の適用拡大による方法です。
再分配構造としては、厚生年金の適用拡大による方法は厚生年金内部での再分配にとどまるのに対し、按分ルール変更による方法は実質的に厚生年金から国民年金に積立金を移転するものとなります。その額は、現在価値に直して七兆円から八兆円ほどとなります。厚生年金積立金の一割未満ではあるものの、七兆円から八兆円ほど国民年金に渡してしまう形になっています。この点につき、これまで厚生年金保険料を負担してきた身からすれば納得し難い旨、年金部会の労働者側、使用者側の委員から意見がありました。年金部会の専門家の委員の中でも賛否が割れております。
ただし、按分ルールの変更を行ったとしても、後に大規模な適用拡大を実施すれば結果的に適用拡大による方法に近くなり、厚生年金から国民年金への積立金の実質的な移転額はゼロに近づきます。このため、按分ルールの変更を行うのであれば、少なくとも中長期的に大規模な適用拡大を実施する方針を明確化し、最終的には厚生年金内部での再分配に近い形とすることの担保が必要だと私は考えております。そうであるならば、労働者、使用者の理解を得やすくなるものと思います。
自民、公明、立憲の三党の協議により法案に追加された附則第三条の二は、私は慎重かつ精緻に検討されたものと考えております。この附則は、次回財政検証時にもなお比例と基礎の調整期間に著しい乖離が見られる場合に必要な法制上の措置を講ずるとあり、按分ルールの変更を行うとは一言も書かれておりません。
つまり、そもそもこれからの四年間で経済が好転したり、更なる適用拡大の道筋を立てたりすることによって、比例と基礎の調整期間の差が短期間にとどまるようになれば、按分ルールの変更など行わなくてもよいと解釈できます。また、仮に四年後もなお著しい乖離が認められる状況であったとしても、その解消の手段は按分ルールの変更には縛られないものと解釈することができます。
自民、公明、立憲の三党として、将来が分からない中でも著しい基礎年金の低下だけは避けなければならないという合意を得つつ、それを避けるための手段についてはこれからの四年間で工夫する余地がある内容となっておりまして、現時点で妥結可能な落としどころを見出した良い法案だと考えております。立場の違いを超えて妥結点を見出した三党の御尽力に敬意を表したいと思います。
続いて、三点目の厚生年金の適用拡大についてです。
私は、短時間労働者の企業規模要件の撤廃時期につき、次の財政検証の二〇二九年頃までに撤廃いただきたいと年金部会で申し上げてきました。
田村委員が六月四日の本会議にて、ここから十年後、氷河期世代の私は五十九歳だとおっしゃったとおり、十年後では氷河期世代の非正規労働者が厚生年金に加入できる機会が損なわれてしまいます。企業規模要件撤廃まで十年掛けるのは長過ぎだと石橋委員、高木委員もおっしゃっておりました。私は、田村委員が六月四日の本会議で提案された企業規模要件の撤廃の五年前倒しにつき、与野党で真摯に御検討いただきたいと思っております。
アジア通貨危機やリーマン・ショック後のような失業率の高い時期はとても適用拡大などと言っていられる状況ではございませんでした。企業が潰れて失業者を増やしてしまったら元も子もございません。
しかし、今は人手不足の時代です。もちろん、企業が社会保険料も含めた付加価値を提供できるよう、政府として生産性向上の支援をしていく必要はあると思います。しかし、仮に社会保険料を負担できず潰れる企業が出てしまったとしても、そこで働いていた方を雇いたいという企業はほかにたくさんあります。今は希少な労働者を大事に使っていくべきだと思っております。
もし、企業規模要件撤廃時期の今からの前倒しが難しいのだとしても、せめて本法案の衆議院厚生労働委員会附帯決議の三にあるとおり、企業規模要件の撤廃を待つことなく早期に任意の適用を進めるための方策につき検討を加え、必要な措置を講ずるよう努めることをせめてお願いしたいと思います。
雇われて働く方に対して厚生年金の保障を付けることは、無年金・低年金対策として極めて重要です。また、マクロの視点でも、厚生年金の適用拡大は、基礎年金拠出金の按分ルールを変更しなくとも、厚生年金内の再分配機能を高める効果がございます。
また、厚生年金と併せて医療保険の適用拡大も進めると、医療保険の保険料率を引き下げられる効果が生じ、現役世代の負担を平準化できるという効果もあります。現在の医療保険制度は、大まかに言うと、高齢者の医療費を被用者保険の保険料で支えている構図にあります。被用者保険の適用拡大が行われると、言わば支える側の被用者保険の頭数が増加するため、医療費を所与とすれば、医療保険の保険料率を引き下げられる効果があります。
大和総研の試算では、週十時間以上の労働者全員が被用者保険に加入することとなれば、二〇四〇年度における医療保険の保険料率を〇・六%ポイント引き下げられる結果となりました。特に猪瀬委員も社会保険料率の引下げに強い御関心をお持ちかと思いますので、そのためにも是非適用拡大への御支持をいただきたいと思っております。
続いて、四点目、年収の壁と第三号被保険者制度についてです。
ある収入を超えた途端に多額の社会保険料が発生し、かえって手取りが減ってしまうという年収の壁の問題の解消については、私は被用者保険の適用拡大を更に進めることによって解消を目指すべきと考えております。
たとえ第三号被保険者制度が残っていても、雇われて働く方全員を被用者保険に入れて、年収五十万円なら五十万円なり、八十万円なら八十万円なりの保険料を労使共に支払っていただければ年収の壁は生じません。今回の法案が成立次第、次の二〇三〇年改正に向けて、更なる適用拡大のための具体的な検討を進めるべきです。
その上で、第三号被保険者制度の在り方については、私は慎重に検討すべきと考えております。
かつて、第三号被保険者制度が男は仕事、女は家庭という役割分担を強化してきたのは事実だと思いますが、私は現在はそうではないと考えています。現在では、二十代の男女の賃金格差は小さく、かつ、出産した女性も六割ほどが産休、育休を経て元の職場に復帰しています。女性が生涯で得られる賃金と比べれば、第三号被保険者制度が魅力的だとは思えません。むしろ様々な事情で働けない人を保護する面が大きくなっていると考えております。
私は今三十九歳で、小学生の子供二人を育てながら夫婦ともフルタイムで働いております。夫婦とも厚生年金保険料をそれなりに納めておりますが、だからといって第三号被保険者制度が不公平だとは思っておりません。
私の同世代の中には、不妊治療のために仕事を辞めなければならなかった方、本人の病気や障害のために長時間働くことが難しい方、子供が学校に通うことが難しいために家庭でケアをされているという方がいらっしゃいます。幸運にも今こうした事情が生じていないために夫婦ともフルタイムで働けている私たちのような者の厚生年金保険料が、こうした事情が生じている方に再分配されることを私は不公平だとは思いません。
働かないのか働けないのか、理由を問わないのは三号制度の長所でもあり、病気や不妊治療、子供の不登校など、ほかの制度でカバーしにくい、自己申告しづらい事情も包括的に保護できるところが三号制度の大きな特徴です。
法案では、附則第二条四項に、第三号被保険者の在り方について国民的な議論が必要であるという認識の下、その議論に資するような第三号被保険者の実情に関する調査研究を行い、その在り方について検討を行うと書かれており、この規定は妥当だと思います。是非そのとおり、実情を調査した上で国民的な議論を行うべきだと思います。
最後に、五点目、遺族厚生年金の改正についてです。
法案は、制度としての男女差をおおむね解消し、家族形成や労働参加に中立的な制度としつつ、必要な者にはより手厚い給付を行う良い改正案だと考えております。
三十歳以上の子のない妻や、子が十八歳となった後につき、夫死亡後又は子が十八歳となった後のいずれか遅い方から五年経過後は所得などの状況に応じた継続給付に切り替わります。昨日、石橋委員も本委員会で質問されておりましたが、この継続給付については余り理解がされておらず、誤解に基づく報道も多くあるところです。
本日、この継続給付の金額につき私が具体例を基に試算しましたので、その試算を紹介させていただきます。この試算は次に開催される年金部会に資料提出し、公開させていただくつもりです。
男性が残された場合は、現状、配偶者死亡時五十五歳未満であれば遺族厚生年金が全く支給されませんが、まず五年間は遺族厚生年金が支給され、その後も本人の年収が百三十二万円以下であれば遺族厚生年金は全額支給され、年収百三十三万円から三百五十七万円までは一部支給されることとなります。
女性が残された場合は、ほとんどは中高齢寡婦加算が付くケースになるかと思います。この場合、まず五年間は遺族厚生年金が現行制度よりも増額されます。その後も、本人の年収が二百六十八万円以下であれば現行制度よりも遺族厚生年金の支給額が多くなります。それを上回る収入のある方については、収入に応じて緩やかに遺族厚生年金の支給額が減っていきますが、実に年収六百十六万円まで遺族厚生年金の一部支給が継続されます。女性が四十代、五十代になってから再就職したとしても年収百万円から二百万円ぐらいしか稼げないのではないかとおっしゃる方もいますが、もしそうであるならば、遺族厚生年金は現行制度よりも手厚く支給されるということになります。
ただ、それは年金部会が目指す姿ではありません。年金部会では、年金が労働市場の改革を促すことを目指して制度設計を考えてまいりました。法案による新制度の下では、配偶者が亡くなった後の自らの厚生年金の加入実績が自らの老齢年金にダイレクトに反映されるようになります。また、継続給付の遺族厚生年金についても所得に応じて緩やかに給付額が減り、賃金と合わせた手取り収入は増え続ける設計になっております。
このような制度の下、男女とも中高齢期からであっても自立した所得を得られるように労働市場に改革を促すのです。継続給付の遺族厚生年金に頼らずとも多くの男女が自立できる所得を得られる労働市場に変えていくよう、与野党の委員の皆様のこれからのますますの御尽力をお願いし、私の意見陳述を終わらせていただきます。
この発言だけを見る →大和総研で税制、社会保障制度の調査をしており、社会保障年金部会では委員として本法案の基となる制度改正の論点を提示させていただきました。
私からは、本法案につき五点意見を申し上げます。一点目は総論、二点目はマクロ経済スライド調整期間の一致について、三点目は厚生年金の適用拡大について、四点目は年収の壁と第三号被保険者制度について、五点目は遺族厚生年金の改正についてです。
まず、一点目の総論です。
衆議院による修正後の法案は、私は総論として賛成できると考えています。本法案は、マクロ経済スライド調整期間一致の部分を除けば、おおむね社会保障審議会年金部会の議論の整理を基に作成されているものです。
二〇二四年財政検証では、前回の二〇一九年財政検証と比べて年金財政の見通しは明るくなりました。その主な要因は、労働力率が高まるとともに厚生年金の加入者が増えたことと、株価上昇による運用成果を年金に取り込んだことの二つです。将来の年金の充実に向け、私たちはこれからも、女性も高齢者も働きやすい社会に向けて労働市場を変えていき、さらに、雇われて働く者はすべからく厚生年金に取り込んでいくという努力を重ねていくことが重要です。
この点、法案に盛り込まれた在職老齢年金の見直し、遺族厚生年金の見直し、被用者保険の適用拡大は、いずれも働き方に中立な制度を構築する点で、労働市場への参加を促し、また、労働者をより厚生年金に取り込み、保障を手厚くするという観点から、年金部会で多くの委員の賛同があったものでございます。
次に、二点目のマクロ経済スライドの調整期間の一致についてです。
マクロ経済スライド調整期間の一致については、私は修正後の法案は良い落としどころだと考えております。
基礎年金と報酬比例年金のマクロ経済スライド調整期間を一致させるための方法は二つあります。一つは、年金局から提案のあった、基礎年金拠出金の按分ルールを変更するという方法であり、もう一つは厚生年金の適用拡大による方法です。
再分配構造としては、厚生年金の適用拡大による方法は厚生年金内部での再分配にとどまるのに対し、按分ルール変更による方法は実質的に厚生年金から国民年金に積立金を移転するものとなります。その額は、現在価値に直して七兆円から八兆円ほどとなります。厚生年金積立金の一割未満ではあるものの、七兆円から八兆円ほど国民年金に渡してしまう形になっています。この点につき、これまで厚生年金保険料を負担してきた身からすれば納得し難い旨、年金部会の労働者側、使用者側の委員から意見がありました。年金部会の専門家の委員の中でも賛否が割れております。
ただし、按分ルールの変更を行ったとしても、後に大規模な適用拡大を実施すれば結果的に適用拡大による方法に近くなり、厚生年金から国民年金への積立金の実質的な移転額はゼロに近づきます。このため、按分ルールの変更を行うのであれば、少なくとも中長期的に大規模な適用拡大を実施する方針を明確化し、最終的には厚生年金内部での再分配に近い形とすることの担保が必要だと私は考えております。そうであるならば、労働者、使用者の理解を得やすくなるものと思います。
自民、公明、立憲の三党の協議により法案に追加された附則第三条の二は、私は慎重かつ精緻に検討されたものと考えております。この附則は、次回財政検証時にもなお比例と基礎の調整期間に著しい乖離が見られる場合に必要な法制上の措置を講ずるとあり、按分ルールの変更を行うとは一言も書かれておりません。
つまり、そもそもこれからの四年間で経済が好転したり、更なる適用拡大の道筋を立てたりすることによって、比例と基礎の調整期間の差が短期間にとどまるようになれば、按分ルールの変更など行わなくてもよいと解釈できます。また、仮に四年後もなお著しい乖離が認められる状況であったとしても、その解消の手段は按分ルールの変更には縛られないものと解釈することができます。
自民、公明、立憲の三党として、将来が分からない中でも著しい基礎年金の低下だけは避けなければならないという合意を得つつ、それを避けるための手段についてはこれからの四年間で工夫する余地がある内容となっておりまして、現時点で妥結可能な落としどころを見出した良い法案だと考えております。立場の違いを超えて妥結点を見出した三党の御尽力に敬意を表したいと思います。
続いて、三点目の厚生年金の適用拡大についてです。
私は、短時間労働者の企業規模要件の撤廃時期につき、次の財政検証の二〇二九年頃までに撤廃いただきたいと年金部会で申し上げてきました。
田村委員が六月四日の本会議にて、ここから十年後、氷河期世代の私は五十九歳だとおっしゃったとおり、十年後では氷河期世代の非正規労働者が厚生年金に加入できる機会が損なわれてしまいます。企業規模要件撤廃まで十年掛けるのは長過ぎだと石橋委員、高木委員もおっしゃっておりました。私は、田村委員が六月四日の本会議で提案された企業規模要件の撤廃の五年前倒しにつき、与野党で真摯に御検討いただきたいと思っております。
アジア通貨危機やリーマン・ショック後のような失業率の高い時期はとても適用拡大などと言っていられる状況ではございませんでした。企業が潰れて失業者を増やしてしまったら元も子もございません。
しかし、今は人手不足の時代です。もちろん、企業が社会保険料も含めた付加価値を提供できるよう、政府として生産性向上の支援をしていく必要はあると思います。しかし、仮に社会保険料を負担できず潰れる企業が出てしまったとしても、そこで働いていた方を雇いたいという企業はほかにたくさんあります。今は希少な労働者を大事に使っていくべきだと思っております。
もし、企業規模要件撤廃時期の今からの前倒しが難しいのだとしても、せめて本法案の衆議院厚生労働委員会附帯決議の三にあるとおり、企業規模要件の撤廃を待つことなく早期に任意の適用を進めるための方策につき検討を加え、必要な措置を講ずるよう努めることをせめてお願いしたいと思います。
雇われて働く方に対して厚生年金の保障を付けることは、無年金・低年金対策として極めて重要です。また、マクロの視点でも、厚生年金の適用拡大は、基礎年金拠出金の按分ルールを変更しなくとも、厚生年金内の再分配機能を高める効果がございます。
また、厚生年金と併せて医療保険の適用拡大も進めると、医療保険の保険料率を引き下げられる効果が生じ、現役世代の負担を平準化できるという効果もあります。現在の医療保険制度は、大まかに言うと、高齢者の医療費を被用者保険の保険料で支えている構図にあります。被用者保険の適用拡大が行われると、言わば支える側の被用者保険の頭数が増加するため、医療費を所与とすれば、医療保険の保険料率を引き下げられる効果があります。
大和総研の試算では、週十時間以上の労働者全員が被用者保険に加入することとなれば、二〇四〇年度における医療保険の保険料率を〇・六%ポイント引き下げられる結果となりました。特に猪瀬委員も社会保険料率の引下げに強い御関心をお持ちかと思いますので、そのためにも是非適用拡大への御支持をいただきたいと思っております。
続いて、四点目、年収の壁と第三号被保険者制度についてです。
ある収入を超えた途端に多額の社会保険料が発生し、かえって手取りが減ってしまうという年収の壁の問題の解消については、私は被用者保険の適用拡大を更に進めることによって解消を目指すべきと考えております。
たとえ第三号被保険者制度が残っていても、雇われて働く方全員を被用者保険に入れて、年収五十万円なら五十万円なり、八十万円なら八十万円なりの保険料を労使共に支払っていただければ年収の壁は生じません。今回の法案が成立次第、次の二〇三〇年改正に向けて、更なる適用拡大のための具体的な検討を進めるべきです。
その上で、第三号被保険者制度の在り方については、私は慎重に検討すべきと考えております。
かつて、第三号被保険者制度が男は仕事、女は家庭という役割分担を強化してきたのは事実だと思いますが、私は現在はそうではないと考えています。現在では、二十代の男女の賃金格差は小さく、かつ、出産した女性も六割ほどが産休、育休を経て元の職場に復帰しています。女性が生涯で得られる賃金と比べれば、第三号被保険者制度が魅力的だとは思えません。むしろ様々な事情で働けない人を保護する面が大きくなっていると考えております。
私は今三十九歳で、小学生の子供二人を育てながら夫婦ともフルタイムで働いております。夫婦とも厚生年金保険料をそれなりに納めておりますが、だからといって第三号被保険者制度が不公平だとは思っておりません。
私の同世代の中には、不妊治療のために仕事を辞めなければならなかった方、本人の病気や障害のために長時間働くことが難しい方、子供が学校に通うことが難しいために家庭でケアをされているという方がいらっしゃいます。幸運にも今こうした事情が生じていないために夫婦ともフルタイムで働けている私たちのような者の厚生年金保険料が、こうした事情が生じている方に再分配されることを私は不公平だとは思いません。
働かないのか働けないのか、理由を問わないのは三号制度の長所でもあり、病気や不妊治療、子供の不登校など、ほかの制度でカバーしにくい、自己申告しづらい事情も包括的に保護できるところが三号制度の大きな特徴です。
法案では、附則第二条四項に、第三号被保険者の在り方について国民的な議論が必要であるという認識の下、その議論に資するような第三号被保険者の実情に関する調査研究を行い、その在り方について検討を行うと書かれており、この規定は妥当だと思います。是非そのとおり、実情を調査した上で国民的な議論を行うべきだと思います。
最後に、五点目、遺族厚生年金の改正についてです。
法案は、制度としての男女差をおおむね解消し、家族形成や労働参加に中立的な制度としつつ、必要な者にはより手厚い給付を行う良い改正案だと考えております。
三十歳以上の子のない妻や、子が十八歳となった後につき、夫死亡後又は子が十八歳となった後のいずれか遅い方から五年経過後は所得などの状況に応じた継続給付に切り替わります。昨日、石橋委員も本委員会で質問されておりましたが、この継続給付については余り理解がされておらず、誤解に基づく報道も多くあるところです。
本日、この継続給付の金額につき私が具体例を基に試算しましたので、その試算を紹介させていただきます。この試算は次に開催される年金部会に資料提出し、公開させていただくつもりです。
男性が残された場合は、現状、配偶者死亡時五十五歳未満であれば遺族厚生年金が全く支給されませんが、まず五年間は遺族厚生年金が支給され、その後も本人の年収が百三十二万円以下であれば遺族厚生年金は全額支給され、年収百三十三万円から三百五十七万円までは一部支給されることとなります。
女性が残された場合は、ほとんどは中高齢寡婦加算が付くケースになるかと思います。この場合、まず五年間は遺族厚生年金が現行制度よりも増額されます。その後も、本人の年収が二百六十八万円以下であれば現行制度よりも遺族厚生年金の支給額が多くなります。それを上回る収入のある方については、収入に応じて緩やかに遺族厚生年金の支給額が減っていきますが、実に年収六百十六万円まで遺族厚生年金の一部支給が継続されます。女性が四十代、五十代になってから再就職したとしても年収百万円から二百万円ぐらいしか稼げないのではないかとおっしゃる方もいますが、もしそうであるならば、遺族厚生年金は現行制度よりも手厚く支給されるということになります。
ただ、それは年金部会が目指す姿ではありません。年金部会では、年金が労働市場の改革を促すことを目指して制度設計を考えてまいりました。法案による新制度の下では、配偶者が亡くなった後の自らの厚生年金の加入実績が自らの老齢年金にダイレクトに反映されるようになります。また、継続給付の遺族厚生年金についても所得に応じて緩やかに給付額が減り、賃金と合わせた手取り収入は増え続ける設計になっております。
このような制度の下、男女とも中高齢期からであっても自立した所得を得られるように労働市場に改革を促すのです。継続給付の遺族厚生年金に頼らずとも多くの男女が自立できる所得を得られる労働市場に変えていくよう、与野党の委員の皆様のこれからのますますの御尽力をお願いし、私の意見陳述を終わらせていただきます。
柘
柘植芳文#10
○委員長(柘植芳文君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言を願います。
三
三浦靖#11
○三浦靖君 四名の参考人の先生方、本当に本日は貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
まず堀先生、それから駒村先生、是枝先生、三名の先生にお聞きしたいと思います。
実は衆議院の参考人のときにもちょっとお話が出たそうなんですけれども、社会保障審議会の年金部会に、委員でいらっしゃる方のところに、脅迫めいた、また非常に誹謗中傷、こういったことが自分のところに来たんだという話があったわけですけれども、現在年金部会の委員を三名の方務めておられますけれども、何か自分のところにこういった発言だとか主張が、ほかのところから誹謗中傷されたとか身の危険を感じるような、そういったことがあったのかどうかというところ、ちょっとお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →まず堀先生、それから駒村先生、是枝先生、三名の先生にお聞きしたいと思います。
実は衆議院の参考人のときにもちょっとお話が出たそうなんですけれども、社会保障審議会の年金部会に、委員でいらっしゃる方のところに、脅迫めいた、また非常に誹謗中傷、こういったことが自分のところに来たんだという話があったわけですけれども、現在年金部会の委員を三名の方務めておられますけれども、何か自分のところにこういった発言だとか主張が、ほかのところから誹謗中傷されたとか身の危険を感じるような、そういったことがあったのかどうかというところ、ちょっとお聞かせいただければと思います。
柘
三
柘
堀
堀有喜衣#15
○参考人(堀有喜衣君) 御質問ありがとうございます。
私のところには特に身の危険を感じるといったことはありませんけれども、研究所のお問合せ窓口のところにいろいろな御意見が寄せられたりですとかいろいろなものが送られてくるということは非常によくありまして、年金部会がそれだけ注目を集めているということであるかと思いますが、ややかなり批判めいたものが寄せられたこともありまして、ほかの審議会ではないことですので、大変驚いたことがございます。
以上です。
この発言だけを見る →私のところには特に身の危険を感じるといったことはありませんけれども、研究所のお問合せ窓口のところにいろいろな御意見が寄せられたりですとかいろいろなものが送られてくるということは非常によくありまして、年金部会がそれだけ注目を集めているということであるかと思いますが、ややかなり批判めいたものが寄せられたこともありまして、ほかの審議会ではないことですので、大変驚いたことがございます。
以上です。
柘
駒
駒村康平#17
○参考人(駒村康平君) 私のところにも特段脅迫めいたものは来ておりません。
一方で、時々マスコミなどで今回の年金改革についてコメントをすると、今番組に出ている学者は厚生省の言ったとおり発言しているんではないかという批判というかコメントを受けることがございます。
私自身は、常に不偏不党で、学者としてあるべきコメントを常に言っておりますので、そういうところはやや気になりますけれども、こういう研究をしている人間はある種ネガティブケーパビリティーみたいなものは必ず必要でございますので、それほどこの年金のことについて不安になるようなことは経験したことはございません。
以上です。
この発言だけを見る →一方で、時々マスコミなどで今回の年金改革についてコメントをすると、今番組に出ている学者は厚生省の言ったとおり発言しているんではないかという批判というかコメントを受けることがございます。
私自身は、常に不偏不党で、学者としてあるべきコメントを常に言っておりますので、そういうところはやや気になりますけれども、こういう研究をしている人間はある種ネガティブケーパビリティーみたいなものは必ず必要でございますので、それほどこの年金のことについて不安になるようなことは経験したことはございません。
以上です。
是
是枝俊悟#18
○参考人(是枝俊悟君) 私のところにも直接的なものは特に届いているものはありませんが、年金についての意見発信を行った際に様々な意見がネット上で飛び交っているのは認識しております。
私自身は、批判的な意見も含めてなるべく、いただいた意見はなるべく受け止めて年金部会での議論をさせていただきたいと思ってございますが、とはいいつつ、一定の節度を持った投稿等を行っていただきたいとは思っております。
以上です。
この発言だけを見る →私自身は、批判的な意見も含めてなるべく、いただいた意見はなるべく受け止めて年金部会での議論をさせていただきたいと思ってございますが、とはいいつつ、一定の節度を持った投稿等を行っていただきたいとは思っております。
以上です。
三
三浦靖#19
○三浦靖君 ありがとうございました。
大変言いにくいことだったかもしれませんけれども、今の現状をお伝えいただいて、本当に、全国民に関わるこの重要な会における年金のことに関しての、本当に大所高所から、また識見ある皆さん方から御意見をいただき、また忌憚のない御意見をいただくことがこの年金制度を今後より良いものにしていくものだと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、堀参考人にお伺いしたいと思っておりますけれども、先ほど就職氷河期世代のことをヨーヨー型のキャリアモデルというふうに表現されました。非常に面白い表現だなと思いながらも、じゃ、その就職氷河期、ヨーヨー型のキャリアモデルの皆さん方をこれからどうやって救っていくのかということに関して、その問題点であったり、またもう一つは、いわゆるどうやったらその世代が自己防衛をしていく、もちろんiDeCoもその一つ、私的年金もその一つではないかなと思われるんですが、どうすれば残された僅かな期間の中でその自分の生活を守っていくことができるのかということをちょっとお知らせいただければと思っております。ヤジ
この発言だけを見る →大変言いにくいことだったかもしれませんけれども、今の現状をお伝えいただいて、本当に、全国民に関わるこの重要な会における年金のことに関しての、本当に大所高所から、また識見ある皆さん方から御意見をいただき、また忌憚のない御意見をいただくことがこの年金制度を今後より良いものにしていくものだと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、堀参考人にお伺いしたいと思っておりますけれども、先ほど就職氷河期世代のことをヨーヨー型のキャリアモデルというふうに表現されました。非常に面白い表現だなと思いながらも、じゃ、その就職氷河期、ヨーヨー型のキャリアモデルの皆さん方をこれからどうやって救っていくのかということに関して、その問題点であったり、またもう一つは、いわゆるどうやったらその世代が自己防衛をしていく、もちろんiDeCoもその一つ、私的年金もその一つではないかなと思われるんですが、どうすれば残された僅かな期間の中でその自分の生活を守っていくことができるのかということをちょっとお知らせいただければと思っております。ヤジ
柘
堀
堀有喜衣#21
○参考人(堀有喜衣君) ありがとうございます。大変失礼いたしました。
大変重要な御指摘かつ非常に困難な課題であるんですけれども、まずヨーヨー型をどう支援していくかということにつきましては、これまではやはり正社員化ということを重要視して進めてきておりまして、もちろん今後も大変重要だと思っているんですけれども、やはり定着支援に力を入れていくということが重要だというふうに考えております。
また、先ほど駒村先生が少子化には魔法のつえはないみたいな表現を載せていらっしゃったんですが、本当にこちらもそうで、こうすればすぐにうまくいくということはやはり難しいので、小さいことを積み上げていって安定につなげていくということもまた重要だというふうに考えております。
また、さらに、自己防衛といいますか、としましては、先ほど御指摘のあった私的年金のiDeCoに加えまして、できるだけ長く働いていくということも非常に重要で、そうした観点から年金もそのような形に変えていっていただければというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →大変重要な御指摘かつ非常に困難な課題であるんですけれども、まずヨーヨー型をどう支援していくかということにつきましては、これまではやはり正社員化ということを重要視して進めてきておりまして、もちろん今後も大変重要だと思っているんですけれども、やはり定着支援に力を入れていくということが重要だというふうに考えております。
また、先ほど駒村先生が少子化には魔法のつえはないみたいな表現を載せていらっしゃったんですが、本当にこちらもそうで、こうすればすぐにうまくいくということはやはり難しいので、小さいことを積み上げていって安定につなげていくということもまた重要だというふうに考えております。
また、さらに、自己防衛といいますか、としましては、先ほど御指摘のあった私的年金のiDeCoに加えまして、できるだけ長く働いていくということも非常に重要で、そうした観点から年金もそのような形に変えていっていただければというふうに考えております。
以上です。
三
三浦靖#22
○三浦靖君 私も就職氷河期世代の人間でして、また、政治家やっていますので、まさにヨーヨー型といいますかジェットコースター型のような、こういった人生を歩んできたわけですけれども、そういった中で、先生のそういったお話を聞かせていただいて、自分なりにも考えていかなければならないかなと思ったところでございます。
それでは、駒村先生の方にお聞かせいただきたいと思いますけれども、先生の資料を読ませていただいて、スウェーデンの年金大改革について非常に評価されていらっしゃって、まさにここからは、何といいますか、政治のパフォーマンスをそこから排してというふうなことでお書きになっておられたわけですけれども、それが果たして日本で通じるのか、実現できるのかどうか、その辺りの御意見を是非先生にお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、駒村先生の方にお聞かせいただきたいと思いますけれども、先生の資料を読ませていただいて、スウェーデンの年金大改革について非常に評価されていらっしゃって、まさにここからは、何といいますか、政治のパフォーマンスをそこから排してというふうなことでお書きになっておられたわけですけれども、それが果たして日本で通じるのか、実現できるのかどうか、その辺りの御意見を是非先生にお聞かせいただきたいと思います。
駒
駒村康平#23
○参考人(駒村康平君) ありがとうございます。
スウェーデンも大改革に当たっては、与野党の合意が九〇年代取れずに非常に年金改革が停滞してしまった時期があります。当時のスウェーデンの資料なんかを見ると、年金改革という患者が病院の手術室に担ぎ込まれたと、そこに政治家という医者が治療をしようとして、治療は成功したんだけれども、家族の皆さんに看護師さんが説明したのは、治療は成功して年金は生き返っちゃったけど、政治、執刀した先生が死んじゃいましたと、つまり政権を失っちゃいましたと、こういう話でございます。
つまり、真面目に改革するとどうしても政権を失うような厳しい話にもなるというところで、焦点を、やっぱりこの高齢化問題はどの国でも政争の具にしていいような問題ではないということで、責任を、共同責任を与野党でちゃんと担っていこうという進め方をしたと、こう聞いております。
日本においても同様な状況であろうと思っておりますので、スウェーデンのような工夫されたところまで行けるかどうかはその国々の状況にもよりますけれども、日本においては、現にこの二〇〇〇年に入るまでの時間、戦後もうずっと社会保障制度審議会というものがございまして、きちんと制度横断的に長期的な議論が、与野党の先生方、学識者、政府関係者含めてやってきたという成果がありますので、それと同様なものを再びつくっていったらスウェーデンと同じような性格のものができるんではないかと。
私が注目しているのは、年金改革、個別、一個の議論よりは、進め方の議論をまずきちんと整理することが大事ではないかということでそういう資料を出させていただきました。
以上です。
この発言だけを見る →スウェーデンも大改革に当たっては、与野党の合意が九〇年代取れずに非常に年金改革が停滞してしまった時期があります。当時のスウェーデンの資料なんかを見ると、年金改革という患者が病院の手術室に担ぎ込まれたと、そこに政治家という医者が治療をしようとして、治療は成功したんだけれども、家族の皆さんに看護師さんが説明したのは、治療は成功して年金は生き返っちゃったけど、政治、執刀した先生が死んじゃいましたと、つまり政権を失っちゃいましたと、こういう話でございます。
つまり、真面目に改革するとどうしても政権を失うような厳しい話にもなるというところで、焦点を、やっぱりこの高齢化問題はどの国でも政争の具にしていいような問題ではないということで、責任を、共同責任を与野党でちゃんと担っていこうという進め方をしたと、こう聞いております。
日本においても同様な状況であろうと思っておりますので、スウェーデンのような工夫されたところまで行けるかどうかはその国々の状況にもよりますけれども、日本においては、現にこの二〇〇〇年に入るまでの時間、戦後もうずっと社会保障制度審議会というものがございまして、きちんと制度横断的に長期的な議論が、与野党の先生方、学識者、政府関係者含めてやってきたという成果がありますので、それと同様なものを再びつくっていったらスウェーデンと同じような性格のものができるんではないかと。
私が注目しているのは、年金改革、個別、一個の議論よりは、進め方の議論をまずきちんと整理することが大事ではないかということでそういう資料を出させていただきました。
以上です。
三
柘
柘植芳文#25
○委員長(柘植芳文君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
本日、石田昌宏君及び衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として永井学君及び豊田俊郎君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →本日、石田昌宏君及び衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として永井学君及び豊田俊郎君が選任されました。
─────────────
森
森本真治#26
○森本真治君 立憲民主党の森本真治でございます。
本当に貴重な、今日は先生方のお話聞かせていただきまして、ありがとうございます。
最初に、伊藤参考人にちょっと聞かせていただきたいと思います。
今国会のこの議論で適用拡大についてのやっぱりいろんな意見があって、やっぱり早期にしっかりと進めていくべきだという声はかなりこの議論の中でもありました。一方で、もちろん事業者の皆さんにしっかり配慮をしていかなければならないということは大事だというふうに思っておりまして、政府は今、任意加入ですね、任意加入を後押しをしっかりするというスタンスだと私も理解しております。
実際に今いろんな支援策があろうかと思います。パッケージがありましたよね、いろいろ、支援強化パッケージとかですね。実際に、今実際にこの事業者の皆さんとして、今のこの政府の後押しというのがこの任意加入をやっぱり促進できる、そのような制度になっているのか、もっと必要なところがあるのかというところを率直にお考えをお聞かせいただきたいと思います。ヤジ
この発言だけを見る →本当に貴重な、今日は先生方のお話聞かせていただきまして、ありがとうございます。
最初に、伊藤参考人にちょっと聞かせていただきたいと思います。
今国会のこの議論で適用拡大についてのやっぱりいろんな意見があって、やっぱり早期にしっかりと進めていくべきだという声はかなりこの議論の中でもありました。一方で、もちろん事業者の皆さんにしっかり配慮をしていかなければならないということは大事だというふうに思っておりまして、政府は今、任意加入ですね、任意加入を後押しをしっかりするというスタンスだと私も理解しております。
実際に今いろんな支援策があろうかと思います。パッケージがありましたよね、いろいろ、支援強化パッケージとかですね。実際に、今実際にこの事業者の皆さんとして、今のこの政府の後押しというのがこの任意加入をやっぱり促進できる、そのような制度になっているのか、もっと必要なところがあるのかというところを率直にお考えをお聞かせいただきたいと思います。ヤジ
柘
伊
伊藤仁#28
○参考人(伊藤仁君) 既に、適用拡大したケースのときに、キャリアアップ助成金とかそういう支援策が講じられているというふうに聞いております。ただ、まだこれスタートしてそれほど時間がたっていないということもあり、その効果については、あるいはその手続などについてが本当に満足するものかということについては、正直きちっとした把握はできておりません。やはり、全体として、事業者としてそういう支援策を受けながら任意で参加するという方向は進めるべきだと思っておりますけれども、我々としても、ちょっとその辺の実態もう少し踏まえた上で制度についての拡充とか改善とかということは求めていきたいなというふうに思っております。
この発言だけを見る →森
森本真治#29
○森本真治君 ありがとうございます。
それでは、駒村参考人にお伺いしたいというふうに思います。
今日は、特にマクロ経済スライドの早期終了の意義についてもいろいろお話をいただいたというふうに思います。なかなか今回の法改正についての世論、先般もNHKで、五割以上の方が評価しないというような数字がちょっとショッキングだったんですが、しっかりと我々としても、我々も今回衆議院の方で修正をさせていただいた立場でいえば、しっかりと国民の理解を得るように努力をしていかなければならないというふうに思っているんですけれども。
それで、いろんな意見の中で、例えば国庫負担が、どうするんだというような、増加するじゃないかというような意見の中で、今日、先生、やっぱり社会保障全体を見てみるということ、まあ生活保護とかですね、そういう視点でのお話をいただきました。
ちょっとその辺りをもう少し、何というかな、どういう状況になっていくのか、このまま放置しているとというところを、貧困率の話、今日はちょっといただきましたけれども、ちょっとその辺りをより国民の皆さんにやっぱり理解をしてもらうために努力をしないといけないと思うんで、ちょっとその辺り、補足的にお話しいただけますでしょうか。
この発言だけを見る →それでは、駒村参考人にお伺いしたいというふうに思います。
今日は、特にマクロ経済スライドの早期終了の意義についてもいろいろお話をいただいたというふうに思います。なかなか今回の法改正についての世論、先般もNHKで、五割以上の方が評価しないというような数字がちょっとショッキングだったんですが、しっかりと我々としても、我々も今回衆議院の方で修正をさせていただいた立場でいえば、しっかりと国民の理解を得るように努力をしていかなければならないというふうに思っているんですけれども。
それで、いろんな意見の中で、例えば国庫負担が、どうするんだというような、増加するじゃないかというような意見の中で、今日、先生、やっぱり社会保障全体を見てみるということ、まあ生活保護とかですね、そういう視点でのお話をいただきました。
ちょっとその辺りをもう少し、何というかな、どういう状況になっていくのか、このまま放置しているとというところを、貧困率の話、今日はちょっといただきましたけれども、ちょっとその辺りをより国民の皆さんにやっぱり理解をしてもらうために努力をしないといけないと思うんで、ちょっとその辺り、補足的にお話しいただけますでしょうか。