財政金融委員会

2025-04-17 参議院 全126発言

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会議録情報#0
令和七年四月十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     越智 俊之君     牧野たかお君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     本田 顕子君    三原じゅん子君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三宅 伸吾君
    理 事
                白坂 亜紀君
                西田 昌司君
                船橋 利実君
                柴  愼一君
                杉  久武君
    委 員
                大家 敏志君
                櫻井  充君
                野上浩太郎君
                古川 俊治君
                牧野たかお君
                松山 政司君
                宮沢 洋一君
                勝部 賢志君
                熊谷 裕人君
                上田  勇君
                横山 信一君
                浅田  均君
                藤巻 健史君
                上田 清司君
                堂込麻紀子君
                大門実紀史君
                大野 泰正君
                神谷 宗幣君
   国務大臣
       財務大臣     加藤 勝信君
   副大臣
       財務副大臣    横山 信一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 和彦君
   政府参考人
       金融庁総合政策
       局政策立案総括
       審議官      堀本 善雄君
       金融庁監督局長  伊藤  豊君
       財務省理財局長  窪田  修君
       国税庁次長    小宮 敦史君
   参考人
       日本銀行総裁   植田 和男君
       日本銀行理事   中島 健至君
       日本銀行理事   神山 一成君
       日本銀行理事   中村 康治君
       日本銀行業務局
       長        上口 洋司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件)
○株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(閣法第二四号)(衆議院送付)
    ─────────────
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三宅伸吾#1
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、越智俊之君及び本田顕子君が委員を辞任され、その補欠として牧野たかお君及び三原じゅん子君が選任されました。
    ─────────────
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三宅伸吾#2
○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局政策立案総括審議官堀本善雄君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三宅伸吾#3
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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三宅伸吾#4
○委員長(三宅伸吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君、同理事中島健至君、同理事神山一成君、同理事中村康治君及び同業務局長上口洋司君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三宅伸吾#5
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三宅伸吾#6
○委員長(三宅伸吾君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。
 日本銀行から説明を聴取いたします。植田日本銀行総裁。
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植田和男#7
○参考人(植田和男君) 私ども日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 まず、最近の経済金融情勢について御説明いたします。
 我が国の景気ですが、一部に弱めの動きも見られますが、緩やかに回復しています。輸出や鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっています。企業収益が改善傾向にある下で、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。雇用・所得環境は緩やかに改善しています。個人消費は、物価上昇の影響などが見られるものの、緩やかな増加基調にあります。
 物価面を見ますと、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続く下で、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小もあって、足下は三%程度となっています。コストプッシュの直接的な影響を除いてみた基調的な物価上昇率は、現時点では二%を下回っているものの、賃金の上昇が続く下で徐々に高まってきています。
 このように、これまでのところ、経済、物価は展望レポートで示してきた見通しにおおむね沿って推移していますが、先行きのリスク、特に、ここに来て各国の通商政策等の今後の展開をめぐる不確実性が高まっている点には十分注意していく必要があります。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有していると判断しています。
 次に、金融政策運営について御説明申し上げます。
 日本銀行は、三月の金融政策決定会合において、無担保コールレート・オーバーナイト物を〇・五%程度で推移するよう促すという金融市場調節方針を維持することを決定しました。先行きについては、経済、物価、金融情勢次第ですが、現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえますと、展望レポートでお示しした経済、物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。
 その上で、こうした見通しが実現していくかにつきましては、毎回の金融政策決定会合で予断を持たずに点検していく必要があると考えています。米国の関税政策の影響を含め、内外の経済・物価情勢や金融市場動向を丁寧に確認し、経済、物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度を点検しながら、適切に政策を判断していく方針です。
 今後とも、日本銀行は、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。
 ありがとうございました。
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三宅伸吾#8
○委員長(三宅伸吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。
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三宅伸吾#9
○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
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三宅伸吾#10
○委員長(三宅伸吾君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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西
西田昌司#11
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 今、日銀の植田総裁から報告がありましたけれども、植田総裁も、今、物価上昇率は二%を下回っている程度だと、試算的には、おっしゃっているんですけれども、今年一月に政策金利を〇・二五%引き上げられました。
 この是非なんですけれども、私は、今言ったように、食料、エネルギーを除く消費者物価が二%前後、下回っているぐらいです。民間企業の借入金も伸びて、過熱、経済がしているかという様子もないと、そういう様子の中で利上げが行われたわけですけれども、これは経済活動を抑制する可能性があり、時期早尚だったと私は思っています。
 特に今年の一月の時点で、もうトランプ大統領が昨年就任して、こういうトランプ関税の話まではまだ出ていなかったかもしれないけれども、かなりそういうことも含め予想できたんじゃないのかなというふうに思っています。
 それで、もしそのトランプ関税に関する対応をしようとすると、私は内需拡大というのが大事なことだと思いますが、そういう意味でも、あのときにトランプ関税が今のようにもう既に分かっていたら利上げ決定はなかったんではないかと思うんですが、総裁の御意見をお聞かせ願います。
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植田和男#12
○参考人(植田和男君) 私ども、一月の会合では、先ほども申し上げました展望レポートの見通しについて議論をいたしまして、経済、物価がそれまで示してきた見通しにおおむね沿って推移している、先行きそうした見通し、来年度後半に向けて基調的物価が二%に徐々に高まっていくという見通しですが、これが実現する確度が高まっていると判断しました。
 より具体的には、そのときの物価の動向、あるいは今年もしっかりとした賃金上昇、賃金引上げを行うという声が企業から多く聞かれたことなどを踏まえ、今申し上げました見通しが実現していく可能性が高まったというふうに考え、こうした状況を踏まえ、二%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現という観点から、金融緩和度合いを調整するということが適切と判断いたしました。
 もちろん米国情勢は気にしておりまして、ただ、一月時点では、米国経済についてまだ堅調な指標が続いていた、それから国際金融資本市場も全体として落ち着いていたという中で、今申し上げたような政策判断をしたところでございます。
 ただ、もちろん、このところ、米国の政策運営、特に関税政策をめぐる不確実性が急速に高まっていることは御指摘のとおりでございます。こうした政策をめぐる今後の展開が我が国経済にどういう影響を与えていくか、この点に関して、今後の決定会合で予断を持たずに点検し、適切に政策を判断してまいりたいと考えております。
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西
西田昌司#13
○西田昌司君 予断を持たずにということなんですけれども、要するに経済は回復基調にあるというような形の見通しで、だから上げていかなきゃならないというそのべき論が先にあったような気がするんですよ。もっと言えば、よく市場との対話とかいろいろ言われるんですけれども、その市場というのは、要するに、国債を買う人は誰かというと銀行なんですよね、金融機関ね。そういうことも含め、市場との対話というのは何か分かりやすいようだけど、要するに、市場、銀行側は利上げをすると得なんですよ、絶対に。
 まず、ちょっとお聞きしたいんですけど、〇・二五%を利上げをして、メガバンク全体でどれだけの収益が増えることになるのか、ちょっと事務的にこれ教えてください。
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神山一成#14
○参考人(神山一成君) お答え申し上げます。
 メガバンク各行におかれては、一月の利上げの収益の影響について試算、公表を行っているところでございます。それらについては、各種金利の想定などを前提条件、各行の経営判断によるものであるため、私どもとしてはちょっとお答えは差し控えるということでありますけれども、各行の公表資料によりますと、一月の利上げはメガバンクの収益改善に作用すると試算されております。
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西
西田昌司#15
○西田昌司君 いや、何か新聞でたしか、メガバンクで三千億円ぐらい一年間で出るというふうに聞いているんですが、そうじゃないんですか。
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神山一成#16
○参考人(神山一成君) お答え申します。
 各行の公表資料によりますと、二四年度通期決算への一月の利上げの影響、それから年当たりの増益見込額みたいなものが公表されているところでありますけれども、それぞれ数百億円から一千億円程度の増益が……ヤジ失礼いたしました。
 二四年度通期決算の一月利上げの影響につきましては、各行とも二百億円程度の増益、それから、それを年当たりにした場合に一千億円程度の増益見込みというのが試算されております。
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西
西田昌司#17
○西田昌司君 全体で一千億円と言ったの。そういうことですか。
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神山一成#18
○参考人(神山一成君) 各行それぞれということで、一千億円程度の増益と承知しております。
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西
西田昌司#19
○西田昌司君 だから、それぞれ一千億円ずつ出るということ。三つあると三千億円でしょう、だから。回りくどいんだよね、答弁が。
 それで、そういったように、要するに、これで得をしているのはメガバンクなんですよ、はっきり言いまして。だから、今、経済が本当にしっかり下支えしなきゃならないんだけれども、とにかく結論としては、〇・二五%得したのはメガバンク。そして、そもそも銀行が得をするのは、一生懸命貸出しをして貸出額が増えて、それで利益が増えるのが原則じゃないですか。それが、貸出額が増えずに、日銀が上げてくれたから利益が出るというのはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですけど、どうなんですか。
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植田和男#20
○参考人(植田和男君) 私ども、政策金利の引上げは、申し上げるまでもなく、金融機関収益に配慮して行うものではなくて、二%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現していくという観点から行っておるものでございます。
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西
西田昌司#21
○西田昌司君 結果的にそうなっているということを指摘をさせていただきます。
 それで、トランプ関税ですけれども、現時点でこの日本経済に与える影響はどのように総裁考えておられますか。
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植田和男#22
○参考人(植田和男君) 米国が導入しつつある関税でございますが、様々な経路を介して日本経済に影響を与えると見ております。
 一つには、関税の導入が直接貿易活動に影響を与え、例えば日本の輸出に影響を与えて、それを通じて日本の経済に影響を及ぼします。それから、関税をめぐって、関税自身あるいはその他の政策周りで不確実性が非常に高まっております。これが企業や家計のマインド、コンフィデンスに下向きの影響を及ぼす、あるいは国際金融資本市場にも悪影響を及ぼすという可能性もございます。
 こうしたルートを通じまして、米国の関税政策等が我が国経済を下押しする方向に働く要因になるというふうには見ております。
 その上で、どれくらいのものになるかということにつきましては、例えば関税政策につきましても今後の展開次第という面もかなりございますので、今後の動向について注意深く見ていきたいと思っております。
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西
西田昌司#23
○西田昌司君 慎重に答弁されていますけれども、私は、プラザ合意と今回のトランプ・ショック、関税は非常によく似ていると思うんですよね。プラザ合意、一九八五年ですが、円高誘導によってアメリカの輸出を抑えられると。為替レートが、ドル・円レートが円が切り上げられましたから、その対策として日本政府が取ったのが内需拡大策だということです。そして、日銀も金融緩和で内需拡大に協力をしていただいたということです。
 現在も、こういうことを参考に考えると、内需拡大が求められると思います。しなければならないと思うんですが、その場合、日銀はどういう対応をしようという心積もりでおられるんでしょう。
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植田和男#24
○参考人(植田和男君) 現状は、先ほど申し上げましたような関税政策の影響を含めまして、内外の情勢を丁寧に確認し、予断を持たずに、経済・物価見通しやリスク等にどういう影響があるかという点を点検する必要がある局面だと認識しております。こうした点検をしながら適切に政策を判断してまいりたいと考えております。
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西
西田昌司#25
○西田昌司君 慎重に答弁されているの、よく分かります。
 それで、慎重なのはよく分かるんですけれども、その理由もよく分かるんです。あのプラザ合意のときは、金融緩和をされて景気は良くなりました。なりましたが、その後、バブルそしてバブルの崩壊という、この失われた三十年の出発点を引き起こしているんですよね。そういうこともあるので、多分、日銀さんの方は、このバブルになりやしないかということを考えられると思うんですよね。
 だから、総裁は、あのときの日銀の対応、要するに、消費者物価は余り上がらなかったけど不動産とか株価は物すごく上がっていたのを政策決定に影響を与えなかったんですよね。その辺のことを含めて日銀の植田総裁はどのように考えておられるか、御所見をお聞かせいただきたい。
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植田和男#26
○参考人(植田和男君) 八〇年代後半のバブル発生の背景でございますが、一つには金融機関の積極的な融資姿勢、あるいは人々の成長期待の過度な強気化等、様々な要因が複雑に作用した結果であると考えております。もちろん、日本銀行による金融緩和も一つの要因となったと認識しております。
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西
西田昌司#27
○西田昌司君 ですから、その辺のところを反省材料として、慎重であるけど適切にやっていただいて、バブルを引き起こさないことは大事だけれども、景気を、しっかり内需を支えるというのが大事なので、その辺のバランスをしっかりやっていただきたいと思います。
 それで、今日は金融庁にも来てもらっているんですけれども、このバブル問題は、日銀の責任ももちろんありますよ、しかし一番大きなのは、不良債権処理と称して貸し剥がしがされてしまったんですよ。私は、その背景にあるのは、いわゆるBIS規制が昭和の終わりに改正されて、自己資本率が四%から八%に引き上げられましたよね。それも、いずれその自己資本率を上げなきゃならないということは分かっていたにもかかわらず、決まったときはまだ景気が良いときですよ。だからそのまま放置されていて、そして、実際にそれが運用されるという時期になって、景気が落ちていましたから、いわゆる市場から増資することもできず、おたおたしている間に、自己資本率が足りないから、結局、それじゃ、総資産、つまり貸出額を減らしていこうというので、不良債権じゃなくて正常債権がどんどんどんどん貸し剥がされたんですよ。これ、とんでもないことをやっているんですね。
 だから、あのときの一番問題は、なぜ、その事前に政府が資本注入すればよかったわけですよ。ところが、これ金融国会なんかでも、そういう不良債権処理だと、それじゃ、いわゆる貸した方も借りた方も借り手責任、貸し手責任あるじゃないかと、じゃ、それは自己責任だというのに何で公金入れなきゃならないんだという議論になって、何も手付かずの状態でなってしまったと。あれが日本の経済を毀損させた一番のもとだと思うんですが、この全体像について、まず金融庁から反省も含めて事実関係を教えていただきたい。
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伊藤豊#28
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。
 不良債権問題の原因とその解決方法についてのお尋ねでございます。
 不良債権問題、様々な要因で発生したというふうに考えておりますし、その解決、解消のプロセスにおいても様々な取組が行われたと、資産サイドの問題も当然たくさんございましたし、資本の問題も当然あったというふうに考えております。
 銀行の自己資本を充実させるということは、今でもやっておりますけれども、金融監督のある意味基本でございまして、したがいまして、自己資本を充実させようという施策と、この不良債権問題の解決が遅れた、若しくは貸し剥がしの問題が起こったということは必ずしもこの一対一に対応するような問題ではないというふうに思っております。
 当時を振り返りますと、この不良債権の全体像もよく分からない時期が長く続いて、それで、それにどう対応していくかという課題がまずあって、その後、資本の問題、確かにそのタイミングの問題もございますけれども、と相まって貸し剥がしのような状態になりましたけれども、その間に多数の金融機関が破綻をいたしまして、これが信用不安を招いて銀行の行動にも影響を及ぼしたというような面があったと思っておりまして、長くなり恐縮でございますけれども、必ずしも、そのBIS規制が不良債権処理問題のこの原因であった、若しくは貸し剥がしの一対一に関係するような原因であったということは申し上げられないかなというふうに考えております。
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西
西田昌司#29
○西田昌司君 それはちょっと状況を、現実を見誤っていますよ。
 不良債権は、それは分かりますよ。しかし、正常債権、例えばこれ私の知り合いの建設会社でした。A級の、もちろん利益出ている会社ですよ。当時のお金の貸し方ってどうやっているかというと、手形貸付で、借入れでやっているんですよ。そういうのがたくさんあった。例えば一億円を一年間借りますと。で、一年たったらまたもう一年延長しますと、手形の入替えしてやるんですね、借換債のようなものですよ。それを毎年毎年やっていますから、要するに、一億円の短期借入金だけれども、事実は五年、十年と借りているわけですよ。それで別に何の問題もないわけですよ。
 ところが、この今言ったように、要するに、総資産を減らさないとこのBIS規制の八%に届かないから、結局その貸出額を減らすんですよ。で、どうやったかというと、支店長をどんどん入れ替えるんですね。支店長を入れ替えたら、新しい支店長が来て、社長が、じゃ、今年もまたお願いしますと言ったら、もう支店長は会わない。会ってお願いしても、いやいや、もうこれ三月三十一日で期日来ていますから、払ってもらわなあきませんよと。いや、そんな殺生なと、毎年やってもらっているじゃないですかと言っても、いや、それは、そんなこと知りませんと、今ここにあるのは、契約は三月三十一日で返すんですからと言って貸し剥がししているんですよ。
 法律違反じゃなくても、完全な、これはもうあれですよ、企業にとってはとんでもない行為ですよ。それをやったのは、別に企業が憎しじゃなくて、やらないと自分の会社が潰れるからですよ、銀行が。そういう事実知らないんですか。
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