消費者問題に関する特別委員会

2025-05-16 参議院 全137発言

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会議録情報#0
令和七年五月十六日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     越智 俊之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井  章君
    理 事
                神谷 政幸君
                進藤金日子君
                石川 大我君
               佐々木さやか君
    委 員
                赤松  健君
                上野 通子君
                越智 俊之君
                古賀友一郎君
                田中 昌史君
                比嘉奈津美君
                宮本 周司君
                山田 太郎君
                大椿ゆうこ君
                田島麻衣子君
                村田 享子君
                高橋 次郎君
                松沢 成文君
                田村 まみ君
                大門実紀史君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        伊東 良孝君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        高嶋 久志君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局官房総
       括審議官     藤井 宣明君
       消費者庁政策立
       案総括審議官   藤本 武士君
       総務省大臣官房
       審議官      新田 一郎君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    尾田  進君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公益通報者保護法の一部を改正する法律案(閣法第三二号)(衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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石井章#1
○委員長(石井章君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁政策立案総括審議官藤本武士君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石井章#2
○委員長(石井章君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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石井章#3
○委員長(石井章君) 公益通報者保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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上野通子#4
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速でございますが、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について質問に入らせていただきたいと思います。
 この公益通報者保護法は、二〇〇四年、平成十六年に制定され、公益通報を行った本人を保護する法律案であり、通報したことを理由に解雇されたり不利益な扱いを受けるようなことのないよう保護すること、そして国民の生命、身体、財産に関わる法令ですが、約五百本ほどあるそうですが、を遵守することを目的に制定された法律です。
   〔委員長退席、理事石川大我君着席〕
 二〇二〇年、令和二年、事業者に対して公益通報対応に関わる公法上の義務を新設する等の抜本的な改正が行われたわけですが、この改正後においても、依然として、有益な通報を行った者に対して不利益な取扱いを行ったり、また有益な通報が社内に寄せられたにもかかわらず当該通報に対して調査を行わないなど、同法の趣旨に反する状態もあったりして、また消費者庁でも調査していただいておりますが、それによりますと、制度は知っていてもまだまだ就労者の意識が低かったり、また通報窓口も認知されていない状況であったり、さらに、民間企業における実態調査においても、令和二年の改正において従事者、担当者ですね、を定めるなどの体制整備を義務化しても担当者指名をしていなかったり、また内部通報窓口もほとんど活用されていなかったりというのが現状であるようですね。
 私も、今回質問させていただくに当たって、地元で、地元の企業で働いていらっしゃる知人数人にこのことについてお伺いしたんですね。もし勤めている企業で不正があったらどうするということですね。そうしたら、お伺いした知人のほぼ、ほぼ全てが、余り巻き込まれたくないから見て見ぬふりをするんだというふうに答えておりました。これが残念ながら現状かなと実感しているところでございます。
 そこで、国内の生活環境も変化していますし、また海外の情勢の変化も踏まえて、今回、現行法の改正を、ブラッシュアップするんだということになったんじゃないかと理解しているところでございます。制定から考えますと、二十年以上たっておるというのが現在ですね。
 今回のこの法改正が必要になったと判断に至った経緯を改めてお伺いするのと同時に、今回のこの改正案の目玉となる主要な改正事項があるか、あったらどのようなものなのかをお伺いしたいと思います。
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藤本武士#5
○政府参考人(藤本武士君) お答えいたします。
 平成十二年頃から、事業者による食品偽装事件、リコール隠し事件などが事業者に勤務する労働者からの通報を契機として明らかになったことなどを背景に、平成十六年に公益通報者保護法が制定されました。
 その後、令和二年の法改正によりまして、事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備義務等が設置をされました。
 しかしながら、改正法施行後において発生した事業者の不祥事等から、体制整備の不徹底や実効性の課題が明らかとなりました。
 また、人権意識の高まり等を背景に、主要先進国におきましては、例えば通報を理由とする不利益な取扱いをした事業者や個人に対する制裁や、あるいは不利益な取扱いをした理由の立証責任の転換につきまして法律上の措置がなされるなど、公益通報者の保護の強化が進んでおります。
 今回の改正は、こうした国内外の動向を踏まえまして、令和二年改正法の附則第五条の検討の規定に基づいて必要な法整備を行うものであります。
 具体的には、事業者の内部通報対応の体制整備の徹底と実効性の向上、保護される通報者の範囲の拡大、通報者探索など公益通報を阻害する要因への対処、通報を理由とする不利益取扱いの抑止、救済の強化という四つの観点で必要な措置を規定しております。
 この中でも、四点目の内容であります公益通報を理由とする解雇又は懲戒に対する刑事罰の導入及び立証責任の転換につきましては、令和二年改正法の附則第五条で検討対象として明示された論点に対応し、また通報者の保護を強化する国際的な潮流にも沿うものでありまして、大きく踏み込んだ改正事項であると考えております。
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上野通子#6
○上野通子君 丁寧な御説明ありがとうございます。
 今お聞きしました中の私としては目玉の一つと思っているのが、公益通報者の範囲の拡大として、特定受託業務事業者、いわゆるフリーランスですね、このフリーランスが新たに公益通報の主体として法定されたということだと思っております。
 また、もう一つ、今の御説明の四番目になるんでしょうか、その中に、一般職の国家公務員や地方公務員に対する不利益の取扱いも禁止されたり、違反して分限免職又は懲戒処分にした者に対して直罰が科せられるなど、保護が強化されるところであります。
 いずれも重要な保護対象でありますが、特にお伺いしたいのは、このフリーランスについて、委託元の事業者及び委託先のフリーランス共に改正法案の周知が必要と考えますが、今般追加されたこの理由及び今後の周知方針についてお伺いしたいと思います。
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藤本武士#7
○政府参考人(藤本武士君) お答えいたします。
 公益通報者保護法は、事業者に対して弱い立場にある個人を公益通報者として、公益通報を理由とする不利益な取扱いから保護する法律であります。
 近年、人々の働き方が多様化しまして、フリーランスという働き方が増えておりますが、その多くは、取引先事業者に経済的に依存する傾向があるなど、労働者と同様に弱い立場にあり、また、取引先として事業者の不正を目撃し得る立場にあると考えております。このため、今回の法改正でフリーランスを保護の対象としております。
 一方で、フリーランスの方々は事業者に直接雇用されている者ではないことから、委員御指摘のとおり、制度の実効性確保に向けて改正内容の周知が重要になると考えております。
 まずは、消費者庁におきまして、今回の法改正後の制度の解説動画やリーフレットを作成しまして、新聞、雑誌、ラジオによる広告、インターネット上の広告、公共交通機関におけるデジタルサイネージ広告などを通じて、委託元の事業者やフリーランスの方々の目にも留まるような形で工夫してまいりたいと考えております。
 このほか、フリーランスの方々が加盟する団体を通じた周知ですとか、あるいは業所管省庁とも連携をしまして、委託元の各業界団体を通じたフリーランスの方々も含めた周知などが進むよう取り組んでまいりたいと考えております。
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上野通子#8
○上野通子君 御説明ありがとうございます。
 今の中にも周知の大切さをおっしゃっていただきましたが、フリーランスの公益通報ですね、それをしっかりと守ってあげるためにも、まず受け付ける窓口を整備していただきたいということ、そして受け付けた通報を調査していただきたいということ、そして内部通報対応の体制の周知、これを様々なアイデアを使ってあらゆる方面で周知徹底を御指導いただければと思います。要望でございます。よろしくお願いいたします。
   〔理事石川大我君退席、委員長着席〕
 そして、今回の改正に対して、三百人以上の企業さんに対しては通報妨害や通報探索の禁止や公益通報を理由とする解雇又は懲戒に対する直罰や立証責任転換規定も導入されたわけでございますが、そこでお伺いしたいのは、体制整備の義務対象でない三百人以下の民間企業の労働者等の通報者保護も重要と思っているんですが、これは一体どうなっているのか、こうした規定が適用される民間企業にその規模や業種等の制限はあるのでしょうか。
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藤本武士#9
○政府参考人(藤本武士君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、体制整備の義務対象ではない民間企業の労働者等の通報者保護も極めて重要だと考えております。
 今回の法改正で措置することとしております公益通報を理由とする解雇、懲戒に対する刑事罰の導入あるいは立証責任の転換につきましては、民間企業の規模や業種に関係なく適用されることとなります。このため、民間企業の規模や業種によって今後強化される公益通報者の保護の水準が変わるものではないと考えております。
 この点、誤解されることがないように、法改正後の制度の周知に際しましては留意していきたいと考えております。
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上野通子#10
○上野通子君 ありがとうございます。
 民間企業の規模の大小や業種によっての制限は全くないということで御理解させていただきました。
 それでは、最後になりますが、働き方改革などが進む中にあって労働環境や職種もますます多様化すると思います。全ての労働者が、通報者保護を目的とするこの法案はこれからも重要になると思うんですが、今後どうしていったらいいかという思いも込めて、大臣の御決意をお聞かせください。
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伊東良孝#11
○国務大臣(伊東良孝君) 上野委員御指摘のとおり、労働に対する人々の価値観やあるいは働き方が変化し、労働環境も多様化しているものと承知をいたしております。
 こうした中、不正を防止するための事業者のリスク管理は一層難しくなってきており、様々な労働者等が安心して通報し、不正の早期発見、是正につながるよう、公益通報者保護制度の実効性を確保していくことが重要であると考えております。
 このため、今回の法改正では、その多くが労働者に準ずる弱い立場にあるフリーランスを公益通報者の範囲に含めるほか、公益通報を理由とする解雇、懲戒に対する刑事罰の導入や立証責任の転換の措置を講ずることといたしております。
 消費者庁としては、今回の法改正後の公益通報者保護制度が実効的に運用されるよう、制度の内容について事業者及び労働者等に対する周知を徹底し、制度の普及と浸透に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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上野通子#12
○上野通子君 大臣の御決意、ありがとうございます。
 法律を作るのが私たちの仕事かもしれないんですけれども、それがきちんとした形で国民の皆さんに利活用されてこそ、その法律の価値が出るのではないでしょうか。事業所の皆さんも、そして全ての労働者の皆さんも、さらには関係を持った消費者の皆さんも、誰もが生きがいややりがい、働きがいを感じる国、ウエルビーイングな社会の実現に向けて、大臣にも是非とも汗をかいていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
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進藤金日子#13
○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。
 上野議員に引き続きまして、質問をしてまいりたいと思います。
 今回の改正におきましては、公益通報を理由とする解雇又は懲戒に刑事罰を導入することとしているところであります。これにつきましては、いろいろな見方あると思いますけれども、事業者にとってはいささか厳しい内容になっていると考えられるところでございますけれども、消費者庁はこの内容についてどのように事業者や国民の皆様方に周知していくのか、これについて見解を問いたいと思います。
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藤本武士#14
○政府参考人(藤本武士君) お答えいたします。
 今回の法改正では、公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対する刑事罰や立証責任の転換を導入するなど、事業者において適切な対応が求められる項目が多いと認識をしております。改正内容につきましては、全国の事業者や国民への周知が極めて重要となると考えております。
 このため、改正後の制度の内容につきまして、解説動画やリーフレットを作成しまして、新聞、雑誌、ラジオによる広告、インターネット上の広告、公共交通機関におけるデジタルサイネージの広告等を通じて広く国民に周知してまいりたいと考えております。
 また、各所管省庁とも連携をしまして、各業界団体を通じて民間の事業者に対する周知、広報を行うほか、国の行政機関や地方公共団体に対しましては、実態調査の実施や説明会の開催等を通じて理解を促し、制度の普及と浸透に努めてまいりたいと考えております。
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進藤金日子#15
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 やはり、事業者あるいは国民の皆様方にしっかりと周知していくことは極めて重要でございます。今御答弁いただきましたように、いろいろな手法を活用してしっかりと周知していただければというふうに思います。
 次に、立証責任の転換というのが非常にこれ、この法律の中でも重要だというふうに思っているんですが、この立証責任の転換につきましては民事訴訟における原則の例外であるとされているわけであります。
 令和二年改正の際は、解雇のみでも立証責任の転換を実現できなかったということでございます。一方、今回の改正では、通報後一年以内の解雇又は懲戒について、公益通報をすることの立証責任を転換するものというふうに踏み込んだ内容となっております。これにつきまして、その意義について答弁いただければというふうに思います。また、労働法において、懲戒の理由について立証責任の転換を規定しているものがあるのかどうか、これについてもお尋ねしたいと思います。
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藤本武士#16
○政府参考人(藤本武士君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、民事訴訟におきましては、自己に有利な法律効果の発生要件となる事実について立証責任を負うことが原則とされております。立証責任の転換は、立法政策に基づきまして、その例外を設けるものであると認識しております。
 我が国におきましては、労働訴訟実務上、労働者が解雇無効や懲戒無効を主張する場合には、解雇、懲戒事由につきまして、事実上、事業者に重い負担があります。このことや通報の公益性を踏まえますと、解雇、懲戒について公益通報を理由とすることの立証責任を事業者に転換することは許容されるものと考えております。これによりまして、公益通報者の立証負担が軽減し、公益通報者が救済されやすくなると期待をしているところであります。
 なお、現状、我が国の労働法令におきまして立証責任を転換している例は、男女雇用機会均等法第九条第四項の妊娠中又は出産後一年以内の解雇の規定の例を承知しております。
 御質問の点ですけれども、この他の労働法制におきまして、懲戒の理由について立証責任の転換を規定している例は現状存在しないと承知をしております。
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進藤金日子#17
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 今回の改正に当たりましては、令和二年の改正法の施行から一定期間が経過したことから、近年の公益通報保護制度をめぐる国内外の環境の変化、あるいは改正後の公益通報者保護法の施行状況を踏まえた課題について検討を行うために、この有識者により構成している公益通報者保護制度検討会、これ、昨年の五月から十二月まで計九回行われたというふうに承知しているんですけれども、ここにおける報告書の取りまとめをベースとして今回改正なされたというふうに認識しているところであります。
 こういった中で、この公益通報者保護制度検討会報告書を踏まえて、今回の改正では見送った主な事項として、証拠資料の収集、持ち出し行為の免責、濫用的通報者への対応、通報者探索行為等に対する刑事罰の導入、刑事罰の対象となる不利益取扱い範囲の拡大が挙げられるわけであります。
 これら事項につきまして、関係者の問題意識も高いというふうに考えているわけでございますけれども、消費者庁として、今後、こういった見送ったところの取扱いについてどのように対応していくのか、これにつきましては伊東大臣の見解を伺いたいと思います。
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伊東良孝#18
○国務大臣(伊東良孝君) 今回の法改正では、制度をめぐる国内外の動向を踏まえ、公益通報を理由とする解雇又は懲戒への罰則の導入や立証責任の転換等、法の大幅な見直しを行うこととしております。このため、まずはこのような制度の見直しの効果や影響について実態を十分に把握する必要があると考えます。
 その上で、検討会の報告書において引き続き検討すべきとされた様々な論点につきましては、裁判例等の立法事実の蓄積、また我が国の雇用慣行、労働法制上の取扱い、労働訴訟実務の変化、国際的な動向なども踏まえ、検討することが必要だと考えております。検討に当たりましては、各界の有識者等により、法学的見地や実務の観点から御検討いただく必要があると考えております。
 以上であります。
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進藤金日子#19
○進藤金日子君 伊東大臣、ありがとうございます。
 立法事実等のこれからの状況をしっかり見極めながら、また今回見送ったものについては対応していくということでございます。是非、いろいろな各方面の御意見をお聞きして、また新たな課題も出てくるかもしれません。この部分については、時代の変遷とともにいろいろな問題も出てくると思いますので、しっかりとまた検討を深めていただいて、必要な法改正、必要であれば法改正、行っていただければというふうに思います。
 また、今回の改正で、先ほど申し上げた見送った事項の中で、いわゆる濫用的通報への対応が挙げられるわけでございますが、今回の改正で見送ったことによりまして、この濫用的通報が増加する可能性も懸念されるわけであります。
 これについて、これ非常に心配する声もあるんですけれども、消費者庁は今回の改正でなぜこの濫用的通報に禁止規定あるいは刑事罰を導入しなかったのか、これについての見解をお尋ねしたいと思います。
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藤本武士#20
○政府参考人(藤本武士君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、今回の法改正に向けた具体的な方向性を御議論いただきました公益通報者保護制度検討会におきましては、経済界から、自己の利益を図る目的ではないかと考えられるような通報が少なからずあるとの指摘がございました。
 このようないわゆる濫用的通報として考えられる行為につきましては、刑法での犯罪の成立には条件があり、濫用的通報に効果的に対応するには限界がある、あるいは、確実に抑止するため法の中に罰則規定を設けることは検討に値するといったような御意見がございました。
 一方で、濫用的通報につきましては、罰則を設けることで通報者の萎縮につながることが懸念される、あるいは、態様が深刻であれば現在も刑事罰の対象になるといったことを踏まえまして、罰則の導入には慎重な御意見もございました。
 このように様々な意見がありまして、その実態も明らかではないということから、今回の改正では禁止規定ですとかあるいは刑事罰を導入しておりませんが、まずは事例を幅広く集めまして、実態を調査してまいりたいと考えております。
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進藤金日子#21
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 いずれにしても、やはり公益通報するということを阻害するようなことはあってはいけないわけでありますから、そこは慎重な検討をしながら対応いただければというふうに思います。
 いずれにしましても、公益通報者保護法は、平成十六年、二〇〇四年に制定されて、そして、令和二年、二〇二〇年、これ改正され、今回、令和七年に改正ということで、今回は法施行後、検討の目途を施行後五年ではなくて三年というふうになりました。
 そういった中で、また先ほど大臣から御答弁ありましたように、専門的な見地あるいは多くの関係の皆様方の御意見を聞いて、これからまた課題を洗い直しながら立法事実等を含めて検討していくということでございますので、是非とも、この公益通報者保護法の理念、目的がしっかり果たされるように、引き続き消費者庁の方で取り組んでいただきたいことを申し上げまして、私からの質問を終えさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
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石川大我#22
○石川大我君 立憲民主・社民・無所属の石川大我です。どうぞよろしくお願いをいたします。
 公益通報者保護法は、制定の当時からこれ課題も非常に指摘をされておりました。改正までに十余年を要したということで、その令和二年の改正においても、公益通報に適切に対応するため事業者の体制整備義務が規定をされたものの、その後も体制整備義務が徹底されたとはなかなか言い難かったというふうに思います。
 令和五年の中古車販売大手ビッグモーター社の保険金不正請求問題、あるいは昨年の兵庫県における文書問題など、公益通報をめぐる重大な事案が明るみに出て初めてようやく法の実効性の課題が認識される状態で、法制度の在り方やその周知の不足によるものが大きいというふうに言わざるを得ないと思います。
 本法律案では、現行法第十一条の体制整備義務の例示として、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示しています。このため、常時使用する労働者の数が三百人を超える事業者には、労働者に対し周知する義務が生じます。
 他方、公益通報が活用され、社会経済の健全な発展に資するためには、事業者から労働者等への体制の周知のみならず、通報者自身が公益通報者保護制度を理解できるようにしなければならないと思います。
 このため、消費者庁としては、各事業者の担当部門に動いてもらうということのみならず、労働者、すなわちほとんど多くの国民の皆さんに理解できるような制度にし、周知していくことが求められます。込み入った制度をつくっておいて一生懸命周知をする、しかし、理解が進まないということではなくて、本来は制度自体を使いやすいものにした上で周知をしなければなりません。
 消費者庁が二〇二四年二月に発表した就労者一万人アンケートの内部通報制度の理解度という項目では、内部通報制度をよく知っているというふうに答えた方が一一・九%しかいないということでして、ある程度知っているという方が二六・七%で、合計しても四割に満たないというような状況です。さらに、知らないと答えた方は三六・五%にも上るということで、今までの周知方法では残念ながら不十分だと思います。
 以上のことを踏まえて、消費者庁における周知状況、そして法案成立後の周知に向けた予定についてまず伺いたいと思います。
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伊東良孝#23
○国務大臣(伊東良孝君) 石川委員御指摘のとおり、公益通報者保護制度が適正に利用されるためには、事業者や労働者に制度を理解していただく必要があります。特に、今回の法改正は、公益通報を理由とする解雇又は懲戒に対する刑事罰の導入等、制度について大幅な見直しを行うものであり、消費者庁といたしましては、周知啓発をより一層強化し、制度の認知度の更なる改善を図る必要があると、このように考えております。
 これまでも、ショート動画やパンフレットなどを作成し、新聞、雑誌、ラジオによる広告、インターネット上の広告、公共交通機関におけるデジタルサイネージ広告等、様々な媒体を通じて広く事業者及び労働者に周知に努めてきたところでありますが、今後も周知方法を工夫しながら取り組んでまいりたいと思うところであります。
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石川大我#24
○石川大我君 るる御説明をいただいたところですけれども、一一・九%ということで、よく知っているという方がちょっと少ないんじゃないかなというふうに思います。
 先ほどの上野委員の質疑の中で、やっぱり一般の方に聞くと、何か会社に不正があっても、そういうものとは関わらずに私は淡々と仕事をしていきたいという方が大部分で、かつ、残念ながら、それで公益通報をした方がどうなったかというと、やっぱり会社からいわゆる仕事をさせてもらえなかったりとか、あと草むしりをさせられてしまったりとかと、そういうニュースが出ますよね。そうすると、公益通報を自分がしたことによって会社が本来でしたら良くなるんだと、そして社会的にも公平公正というものが保たれていって、社会全体として良くなっていくんだということが、なかなかその公益通報というものに関してのイメージが弱いのかなというふうに思っています。
 そこで、例えば、今だからということではないんでしょうけれども、インフルエンサーの方とそういうユーチューブとかそういったSNSの動画を作ってみるとか、あと、例えば学校とか専門学校とか、あるいはもう思い切ってこれ新人研修でもう義務化をするとか、何かそういったような新しい動きというのを是非大臣には御決断をいただきたいなと思いますが、もう一声、何かございますでしょうか。
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伊東良孝#25
○国務大臣(伊東良孝君) 多くの先進国、主要先進国では、人権意識の高まり等を……ヤジ更にというお話でございました。恐縮でございます。
 先ほどお話ししましたように、ショート動画あるいはパンフレットなどを作成し、また電車の中のつり広告、こういったものを始め、路上に立っておりますデジタルサイネージ広告等を通じて、様々な媒体を通じて事業者及び労働者にこの公益通報者保護制度について理解を求める、あるいはPRするということを徹底して考えてまいりたいと、こう思う次第であります。
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石川大我#26
○石川大我君 今までのやり方でなかなか難しかったんじゃないのかなというふうに思っておりますので、是非大臣におかれましては、何か斬新なやり方をちょっと考えるよということを是非言っていただきたいなと思いますし、あと学校とか専門学校ですとか、そういったところとも連携をするなど是非御検討いただきたいと思いますが、再度いかがでしょうか。
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伊東良孝#27
○国務大臣(伊東良孝君) やはり高校、大学等々、これから就職するという若い人たちにこうした制度というものをやっぱり教育していく、教えていくというのが大事であろうというふうに考えております。
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石川大我#28
○石川大我君 若い世代の方たちにこの公益通報の意義、そして社会的な有用性というものを是非お伝えいただくことによって、やっぱり子供たち、素直に受け取ると思うんですよね。大人だと、何かこれをしたら私、不利益な取扱いを受けるかしらとか、いろんなことを考えてしまいますけれども、やっぱり真っすぐな気持ちを持っている子供たちにしっかりこの制度の意義を伝える努力というか、そういったものは是非していっていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 そして、次の質問です。国際潮流として法改正をしているというところですけれども、衆議院でも多くの議員が問題提起をしておりました、不利益な配置転換をされた方の立証責任についてお伺いします。
 まず、諸外国の公益通報についてお伺いしたいというふうに思うんですが、不利益な配置転換をされた方の立証責任についてどうなっているかという、諸外国の把握の問題についてお知らせください。
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伊東良孝#29
○国務大臣(伊東良孝君) 立証責任についてであります。
 転換する範囲につきましては、各国の労働法制やあるいは労働慣行の違いを考慮する必要があると、このように思います。
 例えば、EU域内のフランスやドイツにおきましては、ジョブ型雇用が一般的で、通報した場合のみならず、人種、障害、性別、性的指向等を事由とする場合においても、配置転換も含めた不利益な取扱いについて、正当な理由の立証責任が事業者に転換されていると承知をしているところであります。
 一方、我が国におきましては、メンバーシップ型雇用が一般的であり、配置転換について事業者に広い裁量が認められており、労働契約法におきまして権利濫用であると認められるためには、労働者の立証負担は相応にあるところでございます。
 我が国の労働法制で立証責任を転換している事例は、男女雇用機会均等法の妊娠中又は出産後一年以内の解雇のみであります。このような他の労働法制との平仄、並びを踏まえますと、公益通報を理由とする場合のみ配置転換の立証責任を事業者に転換することは難しいのではないかと考えております。
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