農林水産委員会

2025-06-05 参議院 全101発言

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会議録情報#0
令和七年六月五日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     古庄 玄知君
     横沢 高徳君     三上 えり君
     窪田 哲也君     西田 実仁君
     高橋 光男君     谷合 正明君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     西田 実仁君     窪田 哲也君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         舞立 昇治君
    理 事
                上月 良祐君
                佐藤  啓君
                山下 雄平君
                田名部匡代君
                舟山 康江君
    委 員
                古庄 玄知君
                滝波 宏文君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                山本佐知子君
                徳永 エリ君
                羽田 次郎君
                三上 えり君
                窪田 哲也君
                谷合 正明君
                松野 明美君
                紙  智子君
                寺田  静君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        西村 尚敏君
   参考人
       公益社団法人日
       本農業法人協会
       副会長理事
       アジア農業株式
       会社代表取締役
       株式会社金沢大
       地代表取締役   井村辰二郎君
       北海道大学大学
       院農学研究院教
       授        坂爪 浩史君
       京都大学名誉教
       授        新山 陽子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律案(閣法第四五号)(衆議院送付)
    ─────────────
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舞立昇治#1
○委員長(舞立昇治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、進藤金日子君、高橋光男君及び横沢高徳君が委員を辞任され、その補欠として古庄玄知君、谷合正明君及び三上えりさんが選任されました。
    ─────────────
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舞立昇治#2
○委員長(舞立昇治君) 食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、公益社団法人日本農業法人協会副会長理事・アジア農業株式会社代表取締役・株式会社金沢大地代表取締役井村辰二郎君、北海道大学大学院農学研究院教授坂爪浩史君及び京都大学名誉教授新山陽子さんでございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、本当にありがとうございました。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、井村参考人、坂爪参考人、新山参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず井村参考人からお願いいたします。井村参考人。
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井村辰二郎#3
○参考人(井村辰二郎君) 公益社団法人日本農業法人協会の井村と申します。
 本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
 私は、石川県金沢市周辺と奥能登の八つの市町で広域に有機農業、環境保全型農業を営んでおります。
 石川県農業法人協会会長も拝命しておりまして、昨年一月の能登地震、九月の豪雨災害、二回の激甚災害から仲間とともに農業復興を目指しております。国や全国の自治体からは、その際、多大な支援をいただき、本当に感謝申し上げます。
 しかしながら、四月に石川県発表の今年度の水稲作付け予想面積は、震災年の昨年より更に百ヘクタール減る千七百ヘクタールの作付けの見込みとなっております。つまり、震災前の二千八百ヘクタールから千百ヘクタール減る見込みとなっております。思ったような農業の復興復旧は進んでおりません。是非、今後も引き続き御支援賜りますよう、この場を借りて皆様にお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いします。
 さて、公益社団法人日本農業法人協会は、我が国農業経営体の先駆者たる全国約二千百社の農業法人などを会員とする団体であり、一九九九年の設立以来、都道府県農業法人協会組織を始め関係各位と連携し、農業法人の経営確立、発展のための提案、提言、情報提供等の活動を行っております。
 また、私自身も農業者であり、株式会社金沢大地、アジア農業株式会社の代表取締役として、千年産業を目指してという経営理念と、石川県で環境保全型農業を営んでおります。加えて、日本農業法人協会の副会長として政策提言委員長を拝命しており、適正な価格形成に関する協議会のメンバーとして食料システム法案の検討に参画してまいりました。
 本日は、農業者側として、農業現場の課題も踏まえながらお話をさせていただこうと思います。
 法人協会の把握する課題と法案の内容です。
 日本農業法人協会では、会員を対象に毎年調査を実施し、農業法人白書として取りまとめております。二〇二四年の農業法人白書では、現在抱えている経営課題は、資材コストが五九・一%と最多となっているほか、経営リスクについても、生産コストの上昇が七五・七%と第一位となっており、これらのコストを価格に転嫁していくことが経営の課題となっております。
 また、二〇二二年には、農業生産現場におけるコスト高騰による農業経営への影響を把握するため、生産者である会員に対し、農業におけるコスト高騰緊急アンケートを行っております。その調査の結果、日頃のコミュニケーションによって価格転嫁できている会員もいる一方で、八八・九%の会員はコスト上昇分を一〇〇%転嫁できていないと回答しています。転嫁できていない会員からは、転嫁できない理由として、交渉を求めましたがその交渉すら受けてもらえなかった、あるいは、交渉したが一方的に断られた、実需サイドのバイイングパワーが強いと感じるなど、様々な意見が寄せられています。
 適正な価格の形成についての会員企業から具体的な声としては、例えば、低価格の取引を要望する量販店を含む小売店が、取引条件に応じなければ取引を中止すると言われるなど、量販店を始め小売店の都合による値下げ要請により値上げ交渉が困難だったという声です。
 また、単に価格の交渉に限らず、不合理な商習慣を押し付けられているという声もございます。例えば、野菜を生産しているある農業法人は、店舗展開、物流センターを構える小売店に野菜を販売しているところ、小売店は物流センターへの一括納入による保管、仕分、配送のコストの抑制を理由に納入者、生産者がセンターフィーを負担することを条件としているといったことがありました。本来、センターフィーは生産者と小売店が折半するべきところ、立場の弱い農業者に、この取引条件をのまざるを得なかったようです。
 食料システム法案では、コストなどの取引条件を示して協議の申出があった場合には誠実に協議をする、不合理な商習慣の改善など持続的な供給に資する取組の提案があった場合には検討、協力することが事業者の努力義務として定められています。その上で、必要な場合には農林水産大臣による指導、助言や、勧告、公表することとされています。
 売手である農業者は取引の交渉において長らく弱い立場におりました。この法案は、農業者が食料を安定的に国民に供給するためにも必要なものであり、大変画期的なものだと考えております。
 また、アンケート調査においては、交渉するに当たり自分たちが客観的な数字やエビデンスを用意できなかったという反省の声もあります。これについては、我々農業者も、自ら農業生産に要するコストを把握しなければならないと考えております。農業者側も、生産だけでよいという時代ではないことを認識して、販売先と対等な立場で交渉し、計画的な生産、販売をしていかなければなりません。コストの把握は、世界で戦える農業経営のためにも必要なことであると考えております。
 食料システム法案では認定団体がコスト指標を作成することとなっており、これにより、農業者は自らのコストを把握しつつ、コスト指標を活用しながら農産物の販売に取り組んでいけると考えております。法案の運用に当たっては、コスト指標が農業者にとっても分かりやすく活用しやすいものとなることを期待しています。
 我々農業者が持続可能な生産を続けるためには、再生産できる価格となることが必要です。私たちは、たくさんの従業員を抱えていることから、持続可能な経営を通じて、従業員の賃上げもしながら、適正な価格で消費者の皆様に食料を提供したいと決意しております。
 適正な価格での供給を進めるためには、消費者の御理解も重要です。日本農業法人協会では、農業団体、外食団体及び大学などとの連携の下、国民や子供たちに農業の魅力と大切さを発信するための体験型イベント、ファーマーズ&キッズフェスタを主催し、継続的に食農、食育活動に取り組んでおります。
 政府におかれましては、法律の運用と併せて、国内の食料生産の拡大の重要性を広く国民に周知し、理解してもらい、国産農畜産物を自発的かつ積極的に選択、消費してもらえるための取組に努力いただきたいと考えております。
 計画制度です。
 先ほど御紹介しましたとおり、私は石川県で環境保全農業を営んでおります。持続可能性があって生物多様性にも資するような農業がしたく、農業は千年後も持続する産業でなければならないという理念を持って取り組んでおります。
 食料システム法案の正式名称には、食品等の持続可能な供給を実現するためという文字が入っております。持続可能な食料システムを構築するには環境保全の取組などを進めていかなければなりませんが、それは、生産者のみではなく、消費者につながる形で取り組む必要があります。
 この法案は大きく二つの柱となっており、先ほどお話しした取引の適正化のほかに、食品等の持続的な供給や提供を実現するための食品産業の事業活動への支援も盛り込まれております。
 私自身も食品産業としての面も持っております。具体的には、農業者との連携など安定的な取引確立、経費の削減など流通の合理化、温室効果ガスの削減など環境負荷低減、持続可能な食品などの消費者への情報伝達の四つとなっています。
 消費者への持続的な食料の供給を進めていくには、生産者のみではなく、間に入っていただく加工、製造、流通、小売が持続的な食料を供給するという共通の目的の下、一体となって取り組んでいくことが必要です。このため、食品産業の皆様に向けた支援策は食料システムの一員である農業者としても重要なものであると考えております。生産者サイドも、実需、食品産業と手を取りながら、食料の持続的な供給に取り組んでまいりたいと考えています。
 最後に、農林水産省の資料によると、趨勢ベースでは農業経営体が二〇二〇年の百八万経営体から二〇三〇年には五十四万体まで半減し、経営規模の拡大がない場合では二〇二〇年と比べて約三割の農地が利用されなくなるおそれがあるとの予測が示されております。我が国農業は、担い手の確保や農地の持続において存在の危機にあると私自身認識しております。食料システム法案は、我が国農業を一層発展させ、農業が若者の将来就きたい職業の第一位となるような、そうなるためには必要なものであると考えております。
 以上、簡単ではございますが、私からの意見陳述とさせていただきます。
 どうもありがとうございます。
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舞立昇治#4
○委員長(舞立昇治君) ありがとうございました。
 次に、坂爪参考人、お願いいたします。坂爪参考人。
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坂爪浩史#5
○参考人(坂爪浩史君) 北海道大学大学院農学研究院の坂爪と申します。本日はよろしくお願いします。
 このような機会を設けていただきまして、大変光栄に存じます。
 私の資料は四ページ物になっておりますけれども、タイトル「説明資料」とありますが、内容的には価格変動と需給調整ということをめぐるお話をさせていただきまして、直接法案についてどうこうということでないものになっておりますので、あらかじめ御了解いただきたいと思います。
 一つ目は、農産物価格、今問題になっております高騰の二つの要因ということを改めて確認させていただきたいと思います。
 一つは、中長期の要因でありまして、先ほど井村様からもありましたように、生産コストの継続的な上昇というのがあって、これによって今の価格が高騰している面があります。令和の米騒動と今言われておりますけれども、この米騒動というのは非常に混乱しているわけですけれども、スーパーの店頭などでの値頃感という、私はこれもガラスの天井の一種だというふうに思っておりますけれども、これを壊すというプラスの効果はあったんではないかというふうに考えております。
 二つ目の、もう一つの要因は短期的な要因で、言うまでもなく需要に対する供給の不足というものでございます。保存の利かない野菜の場合には、全国の産地リレーによって安定供給が図られているわけですけれども、これが異常気象でこのリレーのスケジュールが狂いますと、過剰になったり不足になったりということで価格の変動というのが大きくなるということです。
 二点目は、二点目に申し上げたいのは、法案の中にもございますけれども、この持続的な供給に要する合理的な費用を考慮した、あるいは反映した価格というのが私は難しいんじゃないかということで常々思っているものですから、それを幾つかの点について整理をしてまいりました。
 二ページ目を御覧ください。
 これは、かつて日本経済新聞に載せさせていただいた図を若干アップデートしたものです。品目示しておりませんけれども、この冬から春にかけて高騰が問題になった野菜五品目と、家計購入の方では米の方もデータがありますのでプロットをしております。
 ここで明らかなのは、高騰しても購入量はそれほど落ちていないということであります。このa、家計購入というのの右側のグラフは縦横の比率をそろえたものです。数量が一〇〇、価格が一〇〇というところが基点になるわけですけれども、いろいろな野菜が価格が倍になった、二・五倍になったということがございましたけれども、それでも購入量はそんなに減っていない。つまり、倍になったら半分に減るかというと減っておりません。御案内のように、米は、この右側に二つ大きくそれているのが米ですけれども、価格が上がって消費量、購入量は増えております。
 このような消費の特徴から、次のb、これは卸売市場での野菜の価格を見たものですけれども、これも出荷量と価格の変化を、二〇二五年の二月、これはその前の年の二月と比べておりますけれども、一年前と比べて出荷量は二割しか減っていないのに二倍以上に価格が高騰しているということがここで御覧いただけるかと思います。
 野菜は、御案内のとおり今価格が落ち着いておりますのでそれほど今は問題になっていないかもしれませんけれども、このように、購入量から考えると、価格が幾ら上がってもそれほど購入量が変わらないという特徴があります。そうしますと、供給から考えていった場合には、ほんの少しの供給量の変化が大きな価格変動をもたらすという、これが、石破総理も委員会等でも国会等でも度々言っております需要の価格弾力性が低いという、そのことになるわけです。
 つまり、僅かな生産量の増減で価格が大きく上下するということでイメージの絵を描いてみたのが図表の三ということになるわけですけれども、この揺れ動く中心線というのは当然あるわけですけれども、これは言うまでもなく再生産価格ということになります。市場価格が再生産価格を上回れば、利益が取れるということで生産が増えます。生産がどんどん増えますと、供給が過剰になって価格が落ちる。再生産価格を下回れば、これでは経営がやっていけないということで生産が縮小しまして、価格がまた上昇に転じていくという、改めて説明するまでもありませんけれども、このようになっているわけです。
 適正価格の議論というところに関して申し上げたいのは、この適正価格というのが、日々の、あるいは年次の価格変動の中で市場価格がこの適正価格と一致するのは一瞬だということです。
 続いて三ページの方に入りたいと思いますけれども、次に申し上げたいのは、契約栽培のパラドックスというテーマです。
 再生産価格というのを実現するためには契約栽培を推進するという、これはあり得る選択かと思っておりますけれども、私は楽観できないというふうに思っております。
 この図表四のa、bは、生協産直(個配)の、昔、共同購入と言っていたものの例を示しておるわけですけれども、大体、生協と産地で価格決めるのは八週前ということで、大体三か月前です。作ってみると豊作だったり不作だったりするわけですが、豊作だった場合には、全体に供給量が増えますので市場の価格が下がる、そうしますと小売の価格も下がる。そうしますと、生協のカタログ価格が相対的に高くなりますので、生協への注文は減ります。減った注文がどういう産地に行くかというと、豊作の産地に参ります。産地では注文を非常に待っているわけですけど、全然来ないということになります。
 逆はもっと大変でありまして、実際やってみて不作だったときには、市場の価格が上がり、スーパーの店頭価格が上がる。そうすると、生協のカタログ価格というのが割に安いよねという話になりまして、生協への注文が増加します。その増えた注文は不作の産地に行くということです。
 上の豊作のときの注文量を一としたときに不作のときどのくらい来るかって綾町の農協の人に聞いたことがありますけど、六倍ということを言っていました。逆、逆に行くということです。
 これは不公正な取引のように見えますけれども、実はこの引き金を引いているのは消費者だということです。スーパーと産地の間ではスーパーがこういうことをやるということであるかもしれませんけど、産直の場合には生協組合員が引き金引いちゃっているということですけれども、これはもうやむを得ないという、こういうことが常に起こるということを考えておく必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 三点目、安値のときだけ使えるかというのが私の心配であります。
 卸売市場における価格形成への再生産価格の適用は、価格下落局面では生産者に当然メリットはあることだと思いますけれども、現在のように価格上昇局面において、買手の方から再生産価格での取引はできないのかというふうに言われる可能性はないのかということが私はちょっと心配であります。法案の理解不足かもしれませんけど、それはお許しください。
 四ページ目、もう最後のページになりますけれども、そもそも再生産価格というのは収量によって変わるということを改めて私は認識する必要があると思います。
 合理的な費用を考慮した価格というのは、当然、面積当たりの収量で面積当たりの合理的な費用を割ったものということになるわけです。これが単価ということになるわけですけれども、これから行われます指定品目ごと、産地ごとの単収の正確な把握はできるんだろうかということが私はちょっと心配なところであります。
 米は一年一作ですから、まあ何とかなるかなというふうに思います。今までの食糧事務所の経験等もございますでしょうからいいと思うんですけど、野菜はどんどん産地が入れ替わっていきますので、会議をやっている間にその産地の出荷は終わっちゃうという問題はないのかということです。
 以上が、適正価格というか、私は再生産価格という言葉を使っておりますけれども、いろんな観点で実用が難しいんじゃないかなというふうにちょっと思ったということを説明させていただきました。
 最後に、求められる政策の考え方、こういう発言を私に求められているかどうかは微妙ですけれども、私なりに考えてみたことを今から説明をさせていただきます。
 冒頭に申し上げたいのは、やはり、書いてはございませんけれども、やはり需要の価格弾力性の低さということをもう一度考えてみる必要がある。石破総理も、今、高値の説明に、需要の価格弾力性が低いのでぱあんって価格が上がるんだという答弁をされていると思いますけれども、逆も考えておかなきゃいけないということです。適正な流通量を少しでも上回れば、価格は簡単に大幅に下落します。
 ですから、私が大事だと思っているのはこの一点であります。生産基盤が脆弱化していて、生産の復元力が落ちているということです。一旦生産が縮小しますと、価格が上昇しても生産はなかなか戻り切らないと。今、井村さんの話もございましたけれども。昔であれば、インターバル走のように、走って休んで走って休んでというのをずっと続けられたんですけれども、今、全速力で走って休憩してまた全速力で走れるかというと、走れない産地が非常に増えているということであります。
 ですから、私が言いたいのは、供給過剰、価格下落局面でも対策をちゃんとやってほしいということです。このときにはもう国会議員の皆さんも消費者も皆もう忘れちゃっているかもしれませんけど、そのときの対策が私は鍵になるんじゃないかというふうに思っております。
 豊作貧乏的な状況の緩和、そのための、まあ私も具体的にどういう政策があり得るかということは知りませんけれども、いろんな経済的なフォローというのを生産現場に対してやっていただきたいというふうに思っております。農産物の供給過剰というのを異常と思わずに受け入れて、価格支持というのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、こういったところへの予算投入というのを許容していくという必要があるというふうに考えております。
 再生産価格は民間の自助努力で頑張ってくださいというのではなくて、政府の直接的な関与によって実現するべきであるというふうに思います。例えば、収入保険の算定というのは今、過去の収入を基準にして計算されていると思いますけれども、これを合理的な費用に基づいたものに変えていただくという、こういったことだけでも大分変わってくるんじゃないかなというふうに思います。これが一点目です。
 二点目、改めて、米は依然として特別な食料品だったということです。
 米は不可欠な食料品であるという国民的なコンセンサス、これだけ人口が減って米の消費も減ってきていますよといっても、やっぱり米は別物であるということが我々消費者も含めて改めて認識した、しているというのが今の米騒動の現状だと思います。ですから、国のより積極的な関与が求められていると思います。現に様々な努力を行われていると思いますけれども、これは市場メカニズムにのっとったものではないという、それをいろいろ政府がやっているときに我々消費者は一定これを受け入れているという、これは忘れてはいけないことだと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、供給過剰、価格低落というのは必ずこれから来ます。私はもうこの春に来ると思っていましたけど、まあ来ていないですが、この秋に来ないという保証は全然ございません。価格低落時において再生産価格での政府の買入れとか、あるいは今もうすっからかんになりつつある備蓄の積み増しとか、こういったことをきちんとやっていただきたいと思っております。
 皆様もう、平成の米騒動、御記憶にある年代の方々だけだと思いますけれども、平成の米騒動のときは、食管法にとどめを刺したというのが平成の米騒動だったとすれば、私は、令和の米騒動というのは食糧法に大転換を迫るものではないかというふうに、あるいは迫るべきものではないかというふうに考えております。それは、言ってみれば適切な国家管理のあるいは国家の関与の復活という方向性であって、間違っても生産調整の枠組みの撤廃じゃないというふうに私は考えております。
 以上です。ありがとうございました。
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舞立昇治#6
○委員長(舞立昇治君) ありがとうございました。
 次に、新山参考人、お願いいたします。新山参考人。
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新山陽子#7
○参考人(新山陽子君) それでは、話しさせていただきます。
 ちょっと資料見ていただくと、かなり枚数が多いので十五分で終えられるかどうか分からないんですけれども、よろしくお願いします。
 お話ししたいことは、基本法が改正されて、それに基づいて今度の流通の合理化、取引の適正化に関する法律が作られました。作られましたが、この法律の内容が読んでも非常に分かりにくいんですね、何がどうなるのか。
 それで、その法律だけではなくて、私たち、二二年の九月に農水省の当時総括審議官だった杉中さんと一緒にフランスにエガリムⅡ法のヒアリングに行ってきましたので、それと対比させる形で今日ちょっとお話しさせていただきたいと思います。そして、最後に日本の課題をまとめたいと思います。
 では、よろしくお願いします。
 まず最初に、令和五年の五月に基本法の検証部会で中間取りまとめが出されました。これはまだ分かりやすかったと思うんですね。国民一人一人の食料安全保障を確立するということが書かれて、そのために、全ての国民が健康的な食生活を送るための食品アクセスを改善するということですね。ただし、ここの説明文が、最初の議論はそうじゃなかったんですけれども、でき上がったものを見ると、ここに書いてあるように、買物困難者とか経済的理由による入手困難者のみの記載になっています。それからさらに、④として、適正な価格形成に向けた仕組みの構築が書かれています。これに基づいて基本法が改正されたんですが、この基本法改正はもっと分かりにくくなっています。
 次のページお願いしたいんですが、まず、第一章総則、食料安全保障の確保ですが、この第二条五に合理的な価格形成が書かれているんですけれども、これ、当初は適正な価格形成だったのが、ここで合理的な価格形成に表現が変わっています。じゃ、合理的なとは何かということ、これも説明がないので、ここでも分からなくなってしまいます。持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにという説明しかありません。
 それから、第二章の第二節で食料安全保障の確保に関する施策が書かれていますが、それの第十九条が食料の円滑な入手の確保になっています。ここで、国は、地方公共団体、それから食品産業の事業者などと連携して、食料の円滑な入手が可能になるようにするになっているんですけれども、何をするかというところを見ると、食料の輸送手段の確保、食料の寄附が円滑に行われるための環境整備というふうに、非常に狭い取組になってしまっています。
 さらに、二十三条に持続的な供給に要する費用の考慮がありますが、ここで、食料の価格形成に当たり、食料システムの関係者による食料の持続的な供給の必要に対する理解の増進、合理的な費用の明確化の促進となっていまして、ここも合理的な費用となっていて、合理的な費用って何なのかということが非常に分かりにくい表現になっています。
 それに基づいて、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律、卸売市場法の改正がされたところですが、これは、その次の八ページ御覧いただくと書いていますように、これも本当に不透明なところが多い状態です。衆議院では可決されて、今参議院で審議入りをしていますけれども、不透明なところが多いです。
 まず、法律の名称が変更されていますけれども、「流通の合理化」から「持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進」になっていますが、ここで食品等事業者が誰を指すかが非常に分かりにくい、後でも改めて言いますが。
 改正の柱が、売手と買手に価格交渉に誠実に臨む努力義務を課す、それから、生産コストの価格の反映のために、農家が価格交渉の参考にするコスト指標の作成を盛り込んでいますが、いずれもが不透明です。
 コスト指標の作成については、これ五月三十一日付けの日本農業新聞の報道ですが、米、野菜、飲用牛乳、豆腐・納豆と書かれています。まあ、できるのかですね。
 続いて、第二章。これ、第五条から第三十二条ですが、持続的な供給を実現するための事業活動促進のための措置になっていますが、ここで、流通の合理化から持続的な供給の実現のための措置、そして流通合理化計画から安定取引関係確立事業活動計画に修正されているのはいいんですけれども、計画は共同で作成するとなって、農林漁業者も含まれる。内容の改訂については、かなりの条文が新設されていますけど、何をもって安定取引か、流通合理化か、消費者の選択支援かが法文では全く不明です。
 続いて、第三章ですけれども、ここで取引の適正化のための措置が新設されています、三十三条から五十三条までですが、ここの基本方針、第一節第二項ですが、これも具体的に分かりにくく、第三項で飲食料品等事業者が書かれていまして、ここに農林漁業者が入っています。
 それから、第二節で取引の実態調査になっていますが、ここで取引の状況とか協議の状況などの調査を行うとなっていて、中央卸売市場、地方卸売市場の開設者もそれに協力するとなっていますけれども、これもどうその調査をするのかということがこの法律の段階では明確でありません。
 そして、続いて第三節、適正化に関する措置ですけれども、これ、飲食料品等事業者が講ずべき措置になっていますけれども、後でフランスの説明しますけれども、農業者がどういう措置を講ずるかについて明確な規定がありません。書かれているのは、相手方から供給に要する費用などについて協議の申入れがされた場合、また取組の提案がされた場合に、必要な検討、協力を行うように努めなければならないとしか書かれていません。
 そして、続いて第二款ですが、ここで指定飲食品等に係る措置が設けられていますけれども、これは、品質が低下しやすいもの、生活必需品のもの、これについては十分な協議が行われずに取引条件が決定されやすく、持続的な供給のための費用が認識しにくいものだと、それについては政令で指定することができると書かれていますが、具体的なことがこれだけでは分かりません。
 また、同じくこの条項において認定指標作成団体を設けることとなっていますけれども、これについても一体それはどういう団体なのかということがこれ以上明確に書かれていないということがあります。
 さらに、五十三条で、国民の理解を深め、実施に協力を求めるよう努めるとされましたけれども、これもこれ以上詳しくは書かれていないので、何をするかが分からない状態です。
 そして、その次、卸売市場法の一部改正ですが、ここも全く同じで、開設者は農林水産省令で定めるところにより、次の事項を公表することとなっていて、これについても具体的に何をどうするかが分からない書き方になっています。
 法律については、以上、分からないことだらけということです。
 じゃ、これ、実はフランスの調査に行っているので、それを参考にしてこういうふうに一歩踏み出されたんですが、じゃ、フランスはどうしているのかというと、フランスの場合はもっと具体的で分かりやすいんですね。それを、ちょっと簡潔ですが、次、説明します。
 十六ページを見ていただきたいんですが、まずフランスでは、二〇一七年に食料全体会議がされて、それに基づいて二〇一八年十月にエガリム法が制定されました。ところが、ここでは、競争法に抵触するということで書面契約が義務とされなかったので、これ効果が出なかったんですね。それで、これ多分、フランスからEUに働きかけたんだと思いますけれども、欧州農産物市場共通組織規則、CMO規則が改正されることになったので、ここに指標は生産コストに基づいてもよいと書き入れられましたから、それで二一年十月にエガリムⅡ法が制定されて、ここに書面契約の義務化、生産費指標の考慮の義務化が書き込まれたということがあります。
 その内容を少し見てみたいと思います。
 次の十七ページに全体の仕組みを図示しています。これ、後で御覧ください。
 まず一番最初に、農業者とその次の小売業者や加工業者との取引がされますが、そこで書面契約が義務化されました。で、何を書き込むかなんですが、それが十八ページに書かれていますが、まず、生産コスト指標を含む価格の自動改定条項を契約書に記載するということが書き入れられ、契約期間を三年以上とするというふうにされています。
 ここでフォーミュラという言葉が出てきているんですが、これ、法律の文章だけではフォーミュラというのが何で、どういうことを書き入れたら自動改定ができるのかが分からなかったんですね。
 それで、フォーミュラというのがどういうものかということをフランスに調査に行って聞きました。その結果、どこでも同じ答えが返ってきましたが、生産コスト指標掛ける係数、公表市場価格指標掛ける係数のような、これ足した値決めの式です。それに公的ラベルなどの特別な品目の場合は、これに更に割増しを加えることができるというようなものですね。例えばというのでそこオレンジ色で網掛けしていますが、価格=平均生産費×〇・七+市場価格×〇・三+ラベル製品加算のような、こういう式になります。
 ただ、生産コスト指標の使用については、競争法への抵触を避けるために非常に慎重な対処がなされていて、あくまで考慮することを義務化するというふうにしか書かれていません。じゃ、どの程度考慮するかということは、これ当事者同士の交渉で決まるので、当事者以外は知ることができない、なので、係数は実際には〇・七になる場合もあれば、〇・三、〇・二にしかならない場合もあるというふうに説明されました。
 さらに、交渉の際に、農業者は認定生産者組織、ここに委託して契約枠になる枠組み協定を結ぶことができるとされています。なぜこういうことがされたのかというと、欧州では、農業協同組合には農業者から販売されることが多くて、委託販売の組織として認定生産者組織を設けることが必要になって、そこがまず枠組み協定を結ぶということがされるようになりました。よろしいでしょうか。
 それで、次のページですけれども、その生産コスト指標の作成と公表なんですが、これをフランスの場合には、専門職業間組織、オーガニゼーションズインタープロフェッショナルズという組織が行うんですが、それでも慎重を期して、インターベブ、インターフェルでは、競争法を考慮して、より慎重を期して傘下の技術研究機関が作成し公表するようになっています。
 それから、次のページに行っていただいてよろしいでしょうか。
 専門職業間組織ですが、これ説明省略しますけれども、専門職業間組織という、専門職業組織がこの生産段階、加工段階、それぞれつくられているんですが、それを横につないだ組織になります。それが品目ごとに一つが認定されるというものです。詳しくは後でここをお読みください。
 それから、続いて食品加工業者とその購入者との取引になりますが、ここでは加工業者が交渉の出発点となる一般販売条件書、CGVというものを提示して、それを交わすことになっています。さらに、それに基づいて契約書に自動改定条項を含むことになっています。この一般販売条件書の中に、食品に占める農産物原料の比率とか、農産物を五〇%以上使用した原材料の比率を示すことになっていて、その部分は交渉できないということになっています。
 じゃ、効果はどうだったかということですが、生乳や牛肉については政令による迅速実施がかなり早くにされました。ただ、政令で適用除外された品目も多く、生鮮果実、野菜、それから穀物などでは、価格変動が激しいとかシカゴ相場など国際相場を利用するということがされるので、これ適用除外になっています。またさらに、卸売市場も、フランスの場合はその場での相対取引になるので適用除外になっています。
 以上がフランスの例になります。
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舞立昇治#8
○委員長(舞立昇治君) 新山参考人、済みません。目安の時間が参ってきましたので、そろそろまとめに入っていただければと思います。
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新山陽子#9
○参考人(新山陽子君) はい。
 そうですね、済みません、そうしたら、日本についてですが、これはもう、ちょっと省略させていただくということでよろしいでしょうか。
 最後に、一番最初の二十三ページを御覧いただきたいんですが、日本では、農業者が組織をつくって販売の荷口を大きくして、組織として交渉するというのは独占禁止法の適用除外にされています。農協の共同販売がこれに当たります。フランスの認定生産者組織による枠組み協定、これに近いんですが、日本では個別契約は結ばず共同計算するので、フランスの制度とは異なります。
 それから、日本でも生乳ではかつてフォーミュラが提示されましたが、これ機能しなかった。ただし、指標の一つである再生産コストは変化率が算定されて、現在、指定生乳団体の交渉に使われています。
 それから、日本とフランスの違いなんですけれども、日本は農地とか農業の特徴、価格形成への考慮で、御承知のとおり、日本は非常に列島全体が山がちで、平地、山間地など立地条件がかなり異なります。これも生産コストに非常に差が出やすい。同じ産地でも農業の経営規模にかなり差があります。この点、なだらかな土地が多いヨーロッパ大陸、フランスもそのヨーロッパ大陸の一部ですが、非常に異なります。なので、価格形成に当たって、この地形や経営規模の違いをどう考慮するかが日本の大きな課題になるものと思われます。
 以上で報告を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。
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舞立昇治#10
○委員長(舞立昇治君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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藤木眞也#11
○藤木眞也君 自由民主党の藤木眞也です。
 本日は、三名の参考人の皆さん、貴重な御意見を拝聴させていただきました。誠にありがとうございました。
 非常に十五分という短い質疑時間ですので、早速質問に入らせていただきます。
 ここ最近、非常に農業資材が高騰する中で、私、全国区ですので、全国の農家の方と会話をしますけれども、やはり誰と会ってもまず価格転嫁を進めてくださいというお話がある中で今回の法案が出てきているということで、農業者にとっては非常に期待の高い、大きい法案だというふうに認識をしております。
 ただ、この流通過程、これまでの歴史を考えてみても、やはり売手は高く売りたい、買手は安く買いたいというのがもう常識の話でありますが、ここに手を加えていこうということで非常にこれ難しいなというふうに私は考えております。
 今回、この関係者の理解醸成というところについて三名の参考人の方にお伺いをしたいのですが、今回の提案されている仕組みについて実効性が伴うかどうかは、生産者は生産コストをきちっと考慮してもらい再生産可能な価格を実現したい、また消費者は今までどおりできるだけ安く購入したい、小売業者は消費者に買ってもらえなくなるからなるべく安く売りたい、こうした生産サイドと消費、小売サイドとのせめぎ合いが生じる中で、いかにコスト指標を考慮した取引を実現させるかが一番の課題だと考えております。
 言い換えれば、小売業者がコスト指標を考慮した取引に理解を示して価格設定ができるか、また、消費者がコスト指標を考慮した価格を理解して消費行動ができるかがシンプルに一番の課題だと考えております。
 関連する内容として、法案の中には事業者等の努力義務として、商慣習の見直し等の持続的な供給に資する取組の提案があった場合、検討、協力することが明示されております。
 ここで参考人の皆さんに質問ですが、先ほど井村参考人もこのことに触れていらっしゃいましたが、この価格でなければ取引を打ち切るといったこれまでの商慣習が本当に是正されていくのだろうかというふうにお考えでしょうか。また、小売業者がコスト指標を考慮した取引に理解をしていくためにどのようなお考えをお持ちか、それぞれ順番にお聞かせいただければと思います。
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舞立昇治#12
○委員長(舞立昇治君) じゃ、まず井村参考人。
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井村辰二郎#13
○参考人(井村辰二郎君) 御質問ありがとうございます。
 私は適正な価格形成に関する協議会で今まで議論を深めてきたんですけれども、そこには消費者の代表の方、流通の代表の方、様々なステークホルダーが集まりまして建設的な議論がなされてきたと思っております。その中で、本当に生産者としてその議論の中で感じたこととしては、皆さん、日本の農業がなくなるということに対してはやはり危惧なさっていて、やはり日本の農業は必要だということを込めて、やっぱり農業者は持続可能な価格で販売しなきゃいけないよねと、本当に温かいといいますか、本当元気付けられる言葉たくさんいただいております。
 そういった経験から、これから法律の運用ということで議論が入っていくと思うんですけれども、川上から川下までの関係者みんなが協調しながら、この法律を実効性のあるものにしていくという方向に行けるんじゃないかというふうに期待しているところであります。
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坂爪浩史#14
○参考人(坂爪浩史君) 私は、今、先ほど報告の中でも申し上げましたけれども、令和の米騒動で米の価格というのは高くても買ってしまうということ、これは行動変容だと思うんですけれども、私も、札幌で全く米がなくなったときに、たまたまスーパー行ったら米が売っていたんで五キロ買ってきましたら、三千八百円だったんですけど、最初怒られました。何でこんな高い米買ってきたんだって言うけど、いや、私も値段よく知らないしと思って、怒られたんですけど。それは、だけど、今や三千八百円というのはそんなに高くないという。
 結局、スーパーも、これ以上の値段になる、つまり値頃感を超えると売上げが落ちるということを各社みんなが分かっていて上げられなかったという、すくんでいる状態だったんですけど、これ、なくなりそうだといったときに、幾らでもいいから米が欲しいというふうに日本国民はみんな思うんだということだったと思うんですよね。
 ですから、米と米以外というのは若干違うかもしれませんけれども、少なくとも米についてはもう新しい価格体系に向かって動いているんじゃないかなというふうに思います。
 ちょっと回答になっていないかもしれませんけど、以上です。
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新山陽子#15
○参考人(新山陽子君) 済みません、ちょっと質問もう一回お願いします。
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舞立昇治#16
○委員長(舞立昇治君) 藤木君、もう一回。
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藤木眞也#17
○藤木眞也君 はい。
 これまでの商慣習がこれだけ強く残っている中で、小売業者がコスト指標を考慮した取引を理解して示しながらこの行動に移っていけるかどうかについて、どのようにお考えですか。
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新山陽子#18
○参考人(新山陽子君) そうですね、済みません、ちょっとそこのところまでまだ答えができない状態です。小売業者の方に、コストを反映した価格で消費者に買ってもらわないと生産者が続いていかないということを認識してもらわないとそれができないと思いますので、どうやって認識してもらうかかなと思います。
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舞立昇治#19
○委員長(舞立昇治君) じゃ、藤木君、質問続けてください。
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藤木眞也#20
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 お米の場合、坂爪参考人が余り消費が落ちずにうまくいっているよというお話でしたが、私、和牛の生産者なんですけれども、和牛肉に関してはこの二年間ほど、非常にこの価格が上がったことによって、やはり今の経済と若干ギャップがあることによって消費が減退をしています。やはり一定の価格制限、ここまでなんだという限界は恐らくあるのかなということは若干考えながら、今後やはりいろいろな品目にこの枠は広げていくべきだなというふうには受け止めております。
 あと一つ、これ私、非常に今後どう扱っていくのかなというのが運賃です。これ、私は九州ですし、坂爪参考人、北海道ですけど、やはりこの食料基地というのがどちらかというと消費者、消費地から遠いところにあるということであって、それは近いところは当然運賃安いんですけれども、遠いところになればなるほど運賃が掛かってくると。これ当たり前のことなんですけれども、これをどうこのコスト指標の中で反映させるとうまくいくのかなというところが、なかなか私どもとしても考え方をあぐねているところがございます。
 このコスト指標を作成する上で、この運賃の取扱いというのをどのように三名の参考人の方はお考えなのかということをお聞かせいただければと思います。
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舞立昇治#21
○委員長(舞立昇治君) じゃ、まず、井村参考人。
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井村辰二郎#22
○参考人(井村辰二郎君) まさに運賃等についてもこれから議論がなされて、どのような指数にしていくのかということを議論していくということだと思うんですけれども、私の認識では、やはり地産地消といいますか、なるべく適地適作で、近くで消費してもらう、これは農業者としての希望であります。
 ただ、産地と消費地というのがやっぱり離れていますので、ある程度たくさん作れる産地は消費地に運賃を掛けて届けなければいけない。でも、そのバランスも含めて自分たちの産地で何を作るべきか、これが適地適作だと思いますので、極端な話、ある程度のロットをそろえて、そこでしか取れないものであるから運賃を掛けても消費地に送ることができるという産地はそういったものを作ればいいと思いますし。
 ですから、今まで例えばお米に関しては日本全国で作っていたんですけれども、今後は適地適作のような、生産者もそういったものをデザインしていくというか、そういったこともこの指標によって、自分たちがすべきこと、何を作っていかなければいけないのかということを選択できていけるんじゃないかということで、前向きに捉えております。
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坂爪浩史#23
○参考人(坂爪浩史君) 私は基本、青果物の方の研究をしておりますけれども、青果物の場合には、卸売市場の卸売業者が日々直感的に産地の生産コストと輸送コストと判断して毎日の価格形成をしているというふうに私は思っています。
 確かに今、量販店の力が強いので、不公正な取引だとか買いたたきとかという問題はあるんですけれども、でも、スーパーに聞いても、あるいは実勢見ても、マクロ的な需給関係に基づく相場の高騰とか下落というのをならすほどのバイイングパワーがあるかというと、僕はないというふうに思っています。
 この冬の野菜の値上がりも、その不公正な取引で値段が下がっていたということでいえば、今だって不公正な取引なんてずっと続いているわけですから、まあこれちょっと言っちゃいけないんですけど、上がらなかったはずですけど、上がりましたよね。ですから、そういう意味では、青果に関して言えば、現行の卸売市場流通でも十分コストに見合った価格形成というのはされていると思います。
 繰り返して言いますけれども、相場が下落したときに農家がその作物の生産をやめないための下支えというのは、適正価格を市場で強制することじゃなくて、私は、理想でいえば、保険だとか国の財政的な支援でそこをフォローするというのが私の理想だと思っています。
 ちょっと回答言い過ぎましたけど、以上です。
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新山陽子#24
○参考人(新山陽子君) そうですね、運賃をどう扱うか、難しいですね。日本の場合、だから、品目によってどこで生産されているかが違いますから、どれぐらい運賃が掛かるかも品目によってすごく違うし、季節によっても違いますしね。だから、それはもうちょっと議論した方がいいのかも分からないと思いますね。
 それと、今、農水省で作られている資料を見ると、特定のルートを定めて、そこで調査をしているようですね。どの辺りで生産して、どういう経路をたどって、どこで出荷されているかというふうな。だから、それを一般化していいのかどうかはちょっと分からないですが、まずはそういうのを積み重ねて、その差を把握して、どう対処するかを考えるということが必要なのかなと思います。
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藤木眞也#25
○藤木眞也君 少し時間残しましたけれども、もう聞いたらオーバーすると思いますので、これで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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田名部匡代#26
○田名部匡代君 おはようございます。あっ、こんにちはでした。立憲民主党の田名部匡代です。
 参考人の三名の皆様、本日はお忙しい中ありがとうございました。
 今回、法案は出されましたけれども、まだ中身が詰まっていないというか、まあ箱も建っていないかなと。ここに何か建てますという土地が決まったということで、これから中身は具体的に詰められていくと思いますし、それが、せっかく作る法律ですから、いかに実効性あるものとなるかということが非常に大事ですので、今日の御意見を参考に、また我々も次回の質疑につなげていきたいというふうに思っています。
 それで、まず新山参考人にお伺いしたいんですけれども、フランスに杉中さんと一緒に視察に行かれたということでありました。ちょっと、資料たくさんあって、最後の方、十分に御発言できなかったのかなと思いますので、何かまた付け加えたいことがあれば付け加えていただいて結構なんですが。
 例えば、このコスト指標について、作成団体というのはどんなメンバーで構成されることが望ましいのかということと、今、藤木委員の方からも流通コストなどの話ありましたけれども、平均的なコストを基にいろいろこれから算定されることが基本となっていくのかなというふうに思うんですけれど、今お話にあったように、産地からの輸送費であるとか、例えば人件費であるとか生産費とか、高付加価値化をどうしているかというのは、みんないろいろ違いがあると思うんですね。
 それらが適正に、合理的にですか、適正に、何というかな、価格に反映されていくのかということはなかなかそう簡単ではないと思うんですけれど、逆にこの指標ができることによって、逆のケースですよね、実際のコストと乖離する、その指標があることによって逆の効果になることもあるのかどうか。
 ちょっとフランスのケースがよく分からないので、そういったこのコスト指標について、何かやっぱり今後、日本で取るべき対策というか、ことがあれば教えていただきたいというふうに思います。
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新山陽子#27
○参考人(新山陽子君) フランスについては、資料の二十ページを御覧いただきたいのですが。
 コスト指標を作っているのは、ここに書いてある一番上の専門職業間組織、インタープロフェッショナルオーガニゼーションが作っています。そのインタープロフェッショナルオーガニゼーションは、品目ごとに一つの組織が認定されるというふうにその法律文章にも書かれています。その組織は、各段階の専門職業組織が集まってつくるという形になっているわけですね。
 ですので、そうなっているんですが、それでも更に慎重に、さっき言ったように、牛肉のインターベブですとか、生鮮果実、野菜のインターフェルなどは、直接その組織そのものが作らずに、傘下の技術研究機関だとか、傘下といっても外側にある技術研究機関に依頼をして作ってもらうようにしているということがあります。なので、日本でもそれのようなことをやろうとすると、こういうインタープロフェッショナルオーガニゼーションのような組織をつくらないといけないということになります。
 また、それは先ほどちょっと言いましたけれども、牛乳が、何だったかな、Jミルクですね、Jミルクという組織が牛乳についてありますが、これはフランスを参考にしてこの組織をつくっています。ただし、ミルクについてはフランスでも小売の組織は加わっていないんですね。ですので、日本でも小売の組織は加わっていません。ただ、組織はつくられています。ただ、そして、組織の規模はそんな大きくなく、予算もそんなに持っていないという問題があります。
 ですので、組織をつくるだけではなくて、いかにしっかりした組織をつくるか、いかにその予算をしっかり確保するかということは考えていかないといけないと思います。ということでよろしいですか。
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田名部匡代#28
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 次に、坂爪参考人にお伺いしたいと思います。
 まさに価格は市場で、そして所得はしっかりと政策でということを我々この間訴えてきました。おっしゃったように、価格下落時にどのようにその生産を支えていくかということは非常に重要だと思っています。特に米に関しても我々はそのように考えているわけですけれども、この話をすると話がそれて長くなるのでやめますが。
 今年一月二十二日の毎日新聞、「コメ不足で消費者行動変化」という参考人の記事読ませていただいたんですが、さっき御発言あったように、この適正な価格になるのはほんの一瞬で、ほんのちょっとのことでこの価格というのは大きく変動するわけですよね。それをいかに適正な価格、合理的な価格形成をしていけるのかというのは私もそう簡単ではないんじゃないかと思いながらこの記事を読ませていただいて、価格が激しく動く中で適正価格を判断するには少なくとも三年程度の期間が必要であろうという、ちょっとここだけ取り上げて全体申し上げられないんですけど、三年期間が必要だろうと。
 おっしゃっているように、例えば適正な価格を一定程度判断できるその基準、指標を設けようとしたときに、三年ぐらい見たら大体のその判断材料になるというか、そういう仕組みがつくれるというような御判断なのでしょうか。
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坂爪浩史#29
○参考人(坂爪浩史君) 何年か必要だというのは、どちらかというと、再生産価格が幾らだからどうなっているという意味ではなくて、結局、我々には再生産価格は、市場の人なんかは多分余り見えていなくて、先ほども申し上げましたけど、直感的に判断しているんだと思いますけれども、でも、需給で振れているときにやっぱり中心線にあるのが再生産価格だというふうに私は思います。
 ただ、ですから、どう言ったらいいでしょうかね、再生産価格を考えたときに、それにのっとっているかどうかという判断するにはやっぱり三、四年必要だというのは、そういう理解していただいたとおりだと思います。
 以上です。
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