本会議
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会
会議録情報#0
令和七年五月十四日(水曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第十九号
令和七年五月十四日
午前十時開議
第一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、公益通報者保護法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
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この発言だけを見る →午前十時一分開議
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○議事日程 第十九号
令和七年五月十四日
午前十時開議
第一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、公益通報者保護法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
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関
関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
公益通報者保護法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、日程に追加して、
公益通報者保護法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
関
伊
伊東良孝#3
○国務大臣(伊東良孝君) おはようございます。
公益通報者保護法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
公益通報者保護法の令和二年改正後におきましても、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令に違反する事実等が発生しており、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備の不徹底と実効性の課題が認められます。また、国際的な潮流として、公益通報者の保護の強化が進んでいます。
こうした状況を踏まえ、事業者における法令の規定の遵守を図る観点から、事業者の体制整備の徹底と実効性の向上、公益通報者の範囲拡大、公益通報を阻害する要因への対処、及び公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化を図る必要があるため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、従事者指定義務に違反する事業者に対して、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の罰則を定めるとともに、事業者に対する立入検査権限等を定めることとしています。また、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示することとしています。
第二に、働き方の多様化を踏まえ、公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にある特定受託事業者に係る特定受託業務従事者を追加し、公益通報をしたことを理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止することとしています。
第三に、事業者が、労働者等に対し、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等によって公益通報を妨げる行為をすることを禁止するとともに、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とすることとしています。また、事業者が、公益通報者を特定することを目的とする行為をすることを禁止することとしています。
第四に、公益通報後一年以内にされた解雇又は懲戒について、公益通報を理由としてされたことに係る立証責任を事業者に転換するとともに、公益通報をしたことを理由として解雇又は懲戒をした者に対し、罰則を定めることとしています。
なお、一部の附則規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することとしています。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、附則規定の検討年限に関する修正が行われております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。拍手
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この発言だけを見る →公益通報者保護法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
公益通報者保護法の令和二年改正後におきましても、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令に違反する事実等が発生しており、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備の不徹底と実効性の課題が認められます。また、国際的な潮流として、公益通報者の保護の強化が進んでいます。
こうした状況を踏まえ、事業者における法令の規定の遵守を図る観点から、事業者の体制整備の徹底と実効性の向上、公益通報者の範囲拡大、公益通報を阻害する要因への対処、及び公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化を図る必要があるため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、従事者指定義務に違反する事業者に対して、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の罰則を定めるとともに、事業者に対する立入検査権限等を定めることとしています。また、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示することとしています。
第二に、働き方の多様化を踏まえ、公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にある特定受託事業者に係る特定受託業務従事者を追加し、公益通報をしたことを理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止することとしています。
第三に、事業者が、労働者等に対し、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等によって公益通報を妨げる行為をすることを禁止するとともに、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とすることとしています。また、事業者が、公益通報者を特定することを目的とする行為をすることを禁止することとしています。
第四に、公益通報後一年以内にされた解雇又は懲戒について、公益通報を理由としてされたことに係る立証責任を事業者に転換するとともに、公益通報をしたことを理由として解雇又は懲戒をした者に対し、罰則を定めることとしています。
なお、一部の附則規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することとしています。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、附則規定の検討年限に関する修正が行われております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。拍手
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関
大
大椿ゆうこ#5
○大椿ゆうこ君 立憲民主・社民・無所属の大椿ゆうこです。
私は、会派を代表し、公益通報者保護法改定案について質問をします。
一連の兵庫県文書問題によって、公益通報者保護法が広く一般に知られるようになりました。今回の法改定に多くの人々が関心を持っています。齋藤元彦知事によるパワーハラスメント等について公益通報を行った元西播磨県民局長は、その後、自ら命を絶つという取り返しの付かない結果となってしまいました。お亡くなりになられた後も、兵庫県知事選挙を通じて元局長に関する真実性が不確かな情報が拡散され、誹謗中傷が行われました。御遺族の気持ちを考えると、胸が締め付けられるような思いです。誹謗中傷は百条委員会の委員を務めていた県議会議員らにも及び、竹内英明元県議会議員も自ら命を絶つという痛ましい結果を招いてしまいました。この場を借りて、お亡くなりになられた元局長と竹内県議の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
二度とこのようなことを起こしてはならないとの強い思いから、以下、質問します。
二〇二四年度、計九回にわたって開催された公益通報者保護制度検討会についてお尋ねします。
検討会の委員に公益通報者の当事者並びにマスコミ関係者が見当たりません。なぜメンバーに両者を加えなかったのでしょうか。より良い法改定を図るためには、公益通報者を委員に入れ、その被害の実態を聞き、法改定に反映させるべきであったと考えます。なぜそれをしなかったか、伊東良孝内閣府特命担当大臣にお尋ねします。
公益通報者への探索やプライバシー情報の漏えいが行われた兵庫県文書問題に関連し、伊東大臣にお尋ねします。
兵庫県代表監査委員に提出された文書問題に関する第三者調査委員会の調査では、元局長の行為は、公益通報者保護法における報道機関や消費者団体など外部への通報、三号通報に該当するとしました。しかし、齋藤元彦知事は、第十一条の体制整備義務は内部通報である一号通報を行った労働者のみを対象にしているという独自の解釈を述べ続け、消費者庁が反論する展開になっています。二号及び三号通報を行った労働者も、一号通報を行った労働者同様、保護されるべき対象か、お答えください。
また、第三者調査委員会は、通報者の探索を行った行為は違反であると判断し、文書の作成、配布行為を懲戒の理由の一つとしたことも無効としました。しかし、齋藤知事は、パワハラ研修を受けた後もなお、通報者探しは適切だったとの姿勢を崩していません。通報者の探索、いわゆる犯人探しは公益通報者保護法に照らして違法であるか、お答えください。
これら一連の問題は、兵庫県において公益通報者保護制度が機能していなかったことを示しています。政府としての考えをお聞きします。
公益通報者保護法第二十条は、国及び地方公共団体を体制整備義務違反者に対する勧告、命令、報告徴収、立入検査の権限が及ぶ範囲から除外しています。兵庫県の事例は、行政機関が公益通報者保護法に違反する行為を行うこともあること、行政機関であっても性善説が通用しないことを明らかにしました。国及び地方公共団体で働く労働者は、どこに助けを求めればいいんでしょうか。
衆議院の審議においては、第二十条の除外規定を削除することも含んだ修正案が提出されましたが、削除には至りませんでした。地方自治体の本旨は理解していますが、改めて第二十条を削除すべきではありませんか。伊東大臣にお尋ねします。
大阪府豊中市で起きた森友学園問題で、財務省から公文書改ざんを命じられた元近畿財務局職員の赤木俊夫さんが命を絶たれてから七年がたちました。本年一月には森友学園をめぐる財務省の文書の不開示決定を取り消す判決が大阪高裁で出され、公文書の開示が始まりましたが、文書の一部が欠落しているとの指摘を受けたところ、財務省は、大半は破棄されたとし、破棄の理由を、国会で森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的だったと認められると回答。こんなことが許されていいのでしょうか。これは国による犯罪ではないでしょうか。加藤勝信財務大臣、お答えください。
もし赤木さんのように理不尽な公文書改ざんを命じられたようなとき、公益通報として財務省の窓口に通報していたらどうなっていたでしょうか。公文書管理法を始め税法や公職選挙法など、国家の権能に関する法律の違反は公益通報の対象には入りません。通報対象となる法律の指定の在り方にも再考の余地があるのではないかと考えますが、伊東大臣の御見解をお伺いします。
今回の法改定では、労働者、派遣労働者に加え、特定受託業務従事者、フリーランスも公益通報者に含まれます。保護範囲の拡大は一歩前進ですが、例えばEU公益通報者保護指令では、自営業者、株主、役員、ボランティア、研修生、請負・下請企業等の指揮下にある者、退職者などが含まれると定められており、通報を援助する者も保護される場合があることが書かれています。通報対象事実を知る場面は、雇用関係には限定されず、請負や取引、ボランティア、インターンなど、様々な可能性が考えられます。労働者が一人で通報するのではなく、弁護士を代理人にしたり、同僚等と共同して通報を行う場合もあるはずです。保護対象者の一層の拡大を考えるべきではありませんか。伊東大臣にお尋ねします。
今回の改定案では、常時使用する労働者の数が三百人を超える事業者に対して、通報の受付体制の整備を義務付けています。義務違反者に対して、勧告に従わない場合には命令を出せること、命令違反時には三十万円以下の罰金という刑事罰を科すことを規定しています。これにより従事者指定義務違反は通報対象になりますが、通報受付窓口の独立性や利益相反の排除に関わる措置等、従事者指定義務以外の措置義務違反については対象外です。従事者指定義務違反以外の措置義務違反についても罰則を導入し、公益通報の対象とすべきではないですか。伊東大臣、お答えください。
また、常時使用する労働者の数が三百人以下の事業者にも体制整備義務の適用を拡大すべきと考えます。通報者のプライバシーの保護等において、中小零細事業者は大企業にはない困難さに直面すると予測されるため、十分な支援とともに体制整備義務を課していく必要があると思います。体制整備義務の拡大について、伊東大臣、お答えください。
先日、公益通報者保護法を作るきっかけとなった人物、トナミ運輸の闇カルテル問題を内部告発した串岡弘昭さんからお話を聞きました。誰かこの法律で守られた人がいるのか、普通に出世していった人がいるのか、私は一人として知りません。串岡さんのこの一言が私は忘れられません。要するに、会社の不正を訴えて通報した労働者は徹底的に職場から排除される。現在の法律は、それを防ぐことができていないということです。串岡さん自身も、告発後三十年余り、ほぼ仕事のない閑職に追いやられました。
元オリンパス社員の濱田正晴さんは、内部告発後、キャリアを全く生かすことのできない職場に配転。裁判で争い、最高裁で勝っても元の職場に戻ることができませんでした。内部告発者に襲いかかってくるのは、報復人事という名の制裁です。仕事を奪われ、生活する糧を失い、生存を脅かされるのです。
今回の法改定で、公益通報を理由として解雇又は懲戒した者に対し、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金という直罰に処す規定が新設されました。刑事罰の新設は大きな前進です。しかし、雇い止め、解雇撤回を求めて約四年間職場と闘った経験のある私からすれば、解雇に対する刑罰の水準がこれでは、会社は簡単に公益通報者を握り潰すでしょう。
また、会社は、公益通報を理由にいきなり解雇、懲戒はしません。嫌がらせ、配置転換、降格、昇格させないなど、ありとあらゆる方法を使って公益通報者が自ら辞めると言うように仕向けます。
一旦、不利益取扱いを受けた公益通報者が救済を求める方法は、民事訴訟になります。裁判は、時間的、経済的、精神的にも負担が重いだけでなく、労働争議の場合、納得のいく解決を得ることは決して容易ではありません。結果として、労働者が泣き寝入りを強いられることになります。
この罰則規定は、本当に公益通報者の人権と生活を守れるのでしょうか。労働基準法第百四条第二項は、労働基準関係法令違反を申告した労働者に対して、解雇そのほかの不利益な取扱いをしてはならないと罰則付きで定めています。公益通報者保護法においても、不利益取扱いの類型を問わず、刑事罰や立証責任の転換の対象とすべきではありませんか。伊東大臣、お尋ねします。
また、労働者の権利保護を担当される福岡厚労大臣にも、今般の法改定が通報を行う労働者を保護するために十分な水準なのかどうか、御見解をお伺いします。
公益通報は、多くの場合、労働者によって行われます。そうであるならば、厚生労働省、その管轄下にある労働基準監督署も無関係ではいられません。労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官としての職務も担っています。
公益通報を理由にした労働者への不利益な取扱いに対し、立入調査を行い、公益通報者の労働者としての権利を守るべきではないでしょうか。福岡厚労大臣にお尋ねします。
さて、そもそも通報対象事実が起きないようにするには何が必要でしょうか。お話を聞いた串岡さんは、当初、労働者の権利を守る組織なら共に闘ってくれるはずと信じて労働組合に相談に行きました。しかし逆に、労働組合から会社側に串岡さんの情報が流れ、いきなり転勤を命じられたといいます。労働組合が職場の仲間を助ける、職場の問題を共に解決するという本来の機能を果たさなかったのです。だから、串岡さんは一人で闘いました。どれほど孤独で、どれほどしんどかったでしょう。労働者をたった一人で矢面に立たせ、闘わせないためには、日頃から労使が対等に交渉し、問題が起きたときには集団的に事業者に改善を求めることができる闘う労働組合の存在が必要であり、その存在が見直されるべきであると考えます。
日本では企業内の労働組合が多く占めますが、欧米では、市民団体や産業別労働組合が企業の外部から企業のコンプライアンスを啓蒙するモニタリング活動に取り組んでいます。
陸、海、空で働く労働者を国際的に組織する国際運輸労連、ITFの場合、例えば船舶が港に寄港するたびに、インスペクターと呼ばれるITFの担当者が船に乗り込み、査察活動を行っています。その船にITFの組合員が乗船しているか否かにかかわらず、その船が国際海難条約やITFが各国の船会社との間で締結している労働協約や労働条件を遵守しているかどうかを調査するのがこの活動です。世界の船舶の安全な航行は、このような産業別労働組合の不断の活動によって守られているというわけです。
公益通報者保護法を強化し、十分に機能させていくためには、このような市民団体による企業の監視活動や労働組合の活動などが重要だと考えますが、伊東大臣の御見解をお伺いいたします。
闘う労働組合があれば、職場の不正に気付いたとき、団体交渉で会社に是正を求めることができます。たった一人の労働者を矢面に立たせるのではなく、職場のみんなで闘い、不正を正すことができます。公益通報者保護法が真に生かされるためにも、闘う労働組合の存在は重要です。公益通報者保護法改定案が、より通報者の人権と生活を守る法律になるよう審議を尽くすことをお約束し、働く全ての人たちに、職場の仲間との団結と労働、憲法二十八条、労働三権の行使を呼びかけます。職場の仲間と手をつなぎましょう。
これで私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、会派を代表し、公益通報者保護法改定案について質問をします。
一連の兵庫県文書問題によって、公益通報者保護法が広く一般に知られるようになりました。今回の法改定に多くの人々が関心を持っています。齋藤元彦知事によるパワーハラスメント等について公益通報を行った元西播磨県民局長は、その後、自ら命を絶つという取り返しの付かない結果となってしまいました。お亡くなりになられた後も、兵庫県知事選挙を通じて元局長に関する真実性が不確かな情報が拡散され、誹謗中傷が行われました。御遺族の気持ちを考えると、胸が締め付けられるような思いです。誹謗中傷は百条委員会の委員を務めていた県議会議員らにも及び、竹内英明元県議会議員も自ら命を絶つという痛ましい結果を招いてしまいました。この場を借りて、お亡くなりになられた元局長と竹内県議の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
二度とこのようなことを起こしてはならないとの強い思いから、以下、質問します。
二〇二四年度、計九回にわたって開催された公益通報者保護制度検討会についてお尋ねします。
検討会の委員に公益通報者の当事者並びにマスコミ関係者が見当たりません。なぜメンバーに両者を加えなかったのでしょうか。より良い法改定を図るためには、公益通報者を委員に入れ、その被害の実態を聞き、法改定に反映させるべきであったと考えます。なぜそれをしなかったか、伊東良孝内閣府特命担当大臣にお尋ねします。
公益通報者への探索やプライバシー情報の漏えいが行われた兵庫県文書問題に関連し、伊東大臣にお尋ねします。
兵庫県代表監査委員に提出された文書問題に関する第三者調査委員会の調査では、元局長の行為は、公益通報者保護法における報道機関や消費者団体など外部への通報、三号通報に該当するとしました。しかし、齋藤元彦知事は、第十一条の体制整備義務は内部通報である一号通報を行った労働者のみを対象にしているという独自の解釈を述べ続け、消費者庁が反論する展開になっています。二号及び三号通報を行った労働者も、一号通報を行った労働者同様、保護されるべき対象か、お答えください。
また、第三者調査委員会は、通報者の探索を行った行為は違反であると判断し、文書の作成、配布行為を懲戒の理由の一つとしたことも無効としました。しかし、齋藤知事は、パワハラ研修を受けた後もなお、通報者探しは適切だったとの姿勢を崩していません。通報者の探索、いわゆる犯人探しは公益通報者保護法に照らして違法であるか、お答えください。
これら一連の問題は、兵庫県において公益通報者保護制度が機能していなかったことを示しています。政府としての考えをお聞きします。
公益通報者保護法第二十条は、国及び地方公共団体を体制整備義務違反者に対する勧告、命令、報告徴収、立入検査の権限が及ぶ範囲から除外しています。兵庫県の事例は、行政機関が公益通報者保護法に違反する行為を行うこともあること、行政機関であっても性善説が通用しないことを明らかにしました。国及び地方公共団体で働く労働者は、どこに助けを求めればいいんでしょうか。
衆議院の審議においては、第二十条の除外規定を削除することも含んだ修正案が提出されましたが、削除には至りませんでした。地方自治体の本旨は理解していますが、改めて第二十条を削除すべきではありませんか。伊東大臣にお尋ねします。
大阪府豊中市で起きた森友学園問題で、財務省から公文書改ざんを命じられた元近畿財務局職員の赤木俊夫さんが命を絶たれてから七年がたちました。本年一月には森友学園をめぐる財務省の文書の不開示決定を取り消す判決が大阪高裁で出され、公文書の開示が始まりましたが、文書の一部が欠落しているとの指摘を受けたところ、財務省は、大半は破棄されたとし、破棄の理由を、国会で森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的だったと認められると回答。こんなことが許されていいのでしょうか。これは国による犯罪ではないでしょうか。加藤勝信財務大臣、お答えください。
もし赤木さんのように理不尽な公文書改ざんを命じられたようなとき、公益通報として財務省の窓口に通報していたらどうなっていたでしょうか。公文書管理法を始め税法や公職選挙法など、国家の権能に関する法律の違反は公益通報の対象には入りません。通報対象となる法律の指定の在り方にも再考の余地があるのではないかと考えますが、伊東大臣の御見解をお伺いします。
今回の法改定では、労働者、派遣労働者に加え、特定受託業務従事者、フリーランスも公益通報者に含まれます。保護範囲の拡大は一歩前進ですが、例えばEU公益通報者保護指令では、自営業者、株主、役員、ボランティア、研修生、請負・下請企業等の指揮下にある者、退職者などが含まれると定められており、通報を援助する者も保護される場合があることが書かれています。通報対象事実を知る場面は、雇用関係には限定されず、請負や取引、ボランティア、インターンなど、様々な可能性が考えられます。労働者が一人で通報するのではなく、弁護士を代理人にしたり、同僚等と共同して通報を行う場合もあるはずです。保護対象者の一層の拡大を考えるべきではありませんか。伊東大臣にお尋ねします。
今回の改定案では、常時使用する労働者の数が三百人を超える事業者に対して、通報の受付体制の整備を義務付けています。義務違反者に対して、勧告に従わない場合には命令を出せること、命令違反時には三十万円以下の罰金という刑事罰を科すことを規定しています。これにより従事者指定義務違反は通報対象になりますが、通報受付窓口の独立性や利益相反の排除に関わる措置等、従事者指定義務以外の措置義務違反については対象外です。従事者指定義務違反以外の措置義務違反についても罰則を導入し、公益通報の対象とすべきではないですか。伊東大臣、お答えください。
また、常時使用する労働者の数が三百人以下の事業者にも体制整備義務の適用を拡大すべきと考えます。通報者のプライバシーの保護等において、中小零細事業者は大企業にはない困難さに直面すると予測されるため、十分な支援とともに体制整備義務を課していく必要があると思います。体制整備義務の拡大について、伊東大臣、お答えください。
先日、公益通報者保護法を作るきっかけとなった人物、トナミ運輸の闇カルテル問題を内部告発した串岡弘昭さんからお話を聞きました。誰かこの法律で守られた人がいるのか、普通に出世していった人がいるのか、私は一人として知りません。串岡さんのこの一言が私は忘れられません。要するに、会社の不正を訴えて通報した労働者は徹底的に職場から排除される。現在の法律は、それを防ぐことができていないということです。串岡さん自身も、告発後三十年余り、ほぼ仕事のない閑職に追いやられました。
元オリンパス社員の濱田正晴さんは、内部告発後、キャリアを全く生かすことのできない職場に配転。裁判で争い、最高裁で勝っても元の職場に戻ることができませんでした。内部告発者に襲いかかってくるのは、報復人事という名の制裁です。仕事を奪われ、生活する糧を失い、生存を脅かされるのです。
今回の法改定で、公益通報を理由として解雇又は懲戒した者に対し、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金という直罰に処す規定が新設されました。刑事罰の新設は大きな前進です。しかし、雇い止め、解雇撤回を求めて約四年間職場と闘った経験のある私からすれば、解雇に対する刑罰の水準がこれでは、会社は簡単に公益通報者を握り潰すでしょう。
また、会社は、公益通報を理由にいきなり解雇、懲戒はしません。嫌がらせ、配置転換、降格、昇格させないなど、ありとあらゆる方法を使って公益通報者が自ら辞めると言うように仕向けます。
一旦、不利益取扱いを受けた公益通報者が救済を求める方法は、民事訴訟になります。裁判は、時間的、経済的、精神的にも負担が重いだけでなく、労働争議の場合、納得のいく解決を得ることは決して容易ではありません。結果として、労働者が泣き寝入りを強いられることになります。
この罰則規定は、本当に公益通報者の人権と生活を守れるのでしょうか。労働基準法第百四条第二項は、労働基準関係法令違反を申告した労働者に対して、解雇そのほかの不利益な取扱いをしてはならないと罰則付きで定めています。公益通報者保護法においても、不利益取扱いの類型を問わず、刑事罰や立証責任の転換の対象とすべきではありませんか。伊東大臣、お尋ねします。
また、労働者の権利保護を担当される福岡厚労大臣にも、今般の法改定が通報を行う労働者を保護するために十分な水準なのかどうか、御見解をお伺いします。
公益通報は、多くの場合、労働者によって行われます。そうであるならば、厚生労働省、その管轄下にある労働基準監督署も無関係ではいられません。労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官としての職務も担っています。
公益通報を理由にした労働者への不利益な取扱いに対し、立入調査を行い、公益通報者の労働者としての権利を守るべきではないでしょうか。福岡厚労大臣にお尋ねします。
さて、そもそも通報対象事実が起きないようにするには何が必要でしょうか。お話を聞いた串岡さんは、当初、労働者の権利を守る組織なら共に闘ってくれるはずと信じて労働組合に相談に行きました。しかし逆に、労働組合から会社側に串岡さんの情報が流れ、いきなり転勤を命じられたといいます。労働組合が職場の仲間を助ける、職場の問題を共に解決するという本来の機能を果たさなかったのです。だから、串岡さんは一人で闘いました。どれほど孤独で、どれほどしんどかったでしょう。労働者をたった一人で矢面に立たせ、闘わせないためには、日頃から労使が対等に交渉し、問題が起きたときには集団的に事業者に改善を求めることができる闘う労働組合の存在が必要であり、その存在が見直されるべきであると考えます。
日本では企業内の労働組合が多く占めますが、欧米では、市民団体や産業別労働組合が企業の外部から企業のコンプライアンスを啓蒙するモニタリング活動に取り組んでいます。
陸、海、空で働く労働者を国際的に組織する国際運輸労連、ITFの場合、例えば船舶が港に寄港するたびに、インスペクターと呼ばれるITFの担当者が船に乗り込み、査察活動を行っています。その船にITFの組合員が乗船しているか否かにかかわらず、その船が国際海難条約やITFが各国の船会社との間で締結している労働協約や労働条件を遵守しているかどうかを調査するのがこの活動です。世界の船舶の安全な航行は、このような産業別労働組合の不断の活動によって守られているというわけです。
公益通報者保護法を強化し、十分に機能させていくためには、このような市民団体による企業の監視活動や労働組合の活動などが重要だと考えますが、伊東大臣の御見解をお伺いいたします。
闘う労働組合があれば、職場の不正に気付いたとき、団体交渉で会社に是正を求めることができます。たった一人の労働者を矢面に立たせるのではなく、職場のみんなで闘い、不正を正すことができます。公益通報者保護法が真に生かされるためにも、闘う労働組合の存在は重要です。公益通報者保護法改定案が、より通報者の人権と生活を守る法律になるよう審議を尽くすことをお約束し、働く全ての人たちに、職場の仲間との団結と労働、憲法二十八条、労働三権の行使を呼びかけます。職場の仲間と手をつなぎましょう。
これで私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#6
○国務大臣(伊東良孝君) 大椿ゆうこ議員にお答えいたします。
まず、公益通報者保護制度検討会、この委員についてのお尋ねがありました。
この検討会では、制度をめぐる近年の国内外の動向を踏まえ、法学的見地や実務の観点から制度の実効性向上に向けた課題と対応を検討するため、学界、労働団体、消費者団体、経済界といった各界の代表者や有識者を委員としました。
検討に当たっては、通報を理由とする不利益な取扱いが争点となった近年の裁判例を参照したほか、通報者を支援している日弁連の消費者問題対策委員会の委員からも意見を聴取しており、事業者内部や行政機関、報道機関等の外部に通報した労働者の状況を十分に踏まえた議論が行われたと考えております。
次に、兵庫県の事案を踏まえ、二号及び三号通報を行った労働者の保護の可否や、通報者探索の違法、制度の実効性についてお尋ねがありました。
兵庫県知事の個別の通報への対応等については、公益通報者保護法では、個別の通報への対応に関する事実関係の認定は裁判所においてされることとされており、消費者庁が事実関係を認定する立場にないことから、コメントすることは差し控えさせていただきます。
その上で、一般論としては、二号通報又は三号通報を行った公益通報者も、保護要件を満たせば解雇等の不利益な取扱いから保護されます。また、事業者がとるべき措置の内容を定めた法定指針では公益通報者を保護する体制の整備を求めていますが、ここで言う公益通報者には二号通報又は三号通報をした者も含まれます。また、法定指針が定める公益通報者を保護する体制の整備には、通報者の探索を防ぐための措置が含まれています。今回の法改正により、公益通報を理由として解雇又は懲戒した事業者に対する刑事罰を導入し、正当な理由なく公益通報者を探索する行為を禁止する規定等を設けることとしています。
これらの措置により、制度の実効性が向上し、事業者の自浄機能発揮につながると考えております。
次に、公益通報者保護法第二十条の削除についてお尋ねがありました。
国や地方公共団体の行政機関といった、自ら法令遵守を図り、義務を履行することが期待される事業者の体制整備については、その責任は常に国民や住民に対して直接負っていることを踏まえ、公益通報者保護法第二十条において消費者庁の行政措置は適用しないこととされています。こうした点を踏まえて、本改正では第二十条は維持することとしています。
一方で、消費者庁では、地方公共団体向けの通報対応に関するガイドラインの策定や行政機関に対する実態調査の実施等を通じて、地方公共団体の体制の整備を促してきたところです。
消費者庁では、引き続き、このような取組を適切に実施してまいります。
次に、対象法律の指定の在り方についてお尋ねがありました。
公益通報者保護法は、食品偽装やリコール隠しなど、国民生活の安全、安心を損なう企業不祥事を端緒として制定されました。このため、消費者保護という観点に重点を置き、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護を直接の目的とする法律を対象法律としております。
消費者庁としては、法が制定された経緯を踏まえた上で、まずは現在の法目的の範囲内で見られる制度の課題に対処することで制度の充実強化を図ることが重要と考えており、対象法律に公文書管理法等の国家の機能に関する法律を追加することは困難と考えております。
次に、保護される通報者の範囲の拡大についてお尋ねがありました。
公益通報者保護法は、事業者に対して弱い立場にある個人を公益通報者として、公益通報を理由とする不利益な取扱いから保護する法律です。今回の法改正では、働き方の多様化を踏まえ、事業者と業務委託関係にあるフリーランスを保護の対象として追加しております。取引先事業者は、個人でないため、保護の対象としておりません。また、ボランティア、インターン等を保護対象とすることについては、これらの者に対する不利益な取扱いの実態が現状明らかではないことから、その状況を注視してまいります。
次に、従事者指定義務以外の体制整備義務違反を罰則の対象とすることについてお尋ねがありました。
従事者指定義務以外の体制整備義務については、内閣府告示である法定指針において、公益通報者に対する是正措置等の通知や内部規程の策定など、様々な措置を求めているところです。これらの措置について、消費者庁の命令権や命令違反時の刑事罰の対象とすることは、他の法令との並びを勘案しても、企業活動に対する公権力の過剰な介入となるおそれがあり、困難と考えております。
次に、常時使用する労働者数三百人以下の事業者による体制整備を義務化することについてお尋ねがありました。
消費者庁の実態調査の結果、常時使用する労働者の数が三百人超の義務対象の事業者であっても、体制整備の不徹底と実効性の課題が明らかとなりました。
こうした中、まずは義務対象の事業者において、体制整備の徹底と実効性の向上を図ることが重要であると考えます。常時使用する労働者数が三百人以下の努力義務の対象事業者には、内部通報制度の重要性や必要性について一層の周知啓発を行うとともに、これらの事業者の実情を踏まえ、導入を支援してまいりたいと考えております。
次に、刑事罰や立証責任の転換の対象についてお尋ねがありました。
労働基準法等は労働についての最低基準を規定し、御指摘のとおり、これらの義務の違反は直罰で担保されています。違反行為の重大性と監督機関に対する申告という限定的な場面であることを踏まえ、不利益な取扱いの範囲を限定せずに罰則を規定しているものと考えています。
他方、公益通報者保護法では、様々な通報先があり、対象法律も約五百本あり、間接罰の対象となる違反行為も含むなど通報対象事実の範囲も広くなっております。
こうした中、本法律において不利益な取扱いの範囲を限定せずに罰則を規定した場合には、萎縮効果が極めて大きく、人事の停滞等のおそれがあると考えております。また、他の労働法制やその実務との平仄を踏まえると、解雇、懲戒以外の不利益な取扱いについて、公益通報を理由とすることの立証責任を事業者に転換することは適当ではないと考えております。
次に、市民団体による企業の監視活動や労働組合の活動などの役割について見解のお尋ねがありました。
公益通報には、事業者内部に対する一号通報のほか、行政機関に対する二号通報、報道機関等に対する三号通報があります。
御指摘の労働組合や市民団体は三号通報先に該当する場合があります。公益通報者保護制度が実効的に機能するためには、事業者や行政機関のみならず、三号通報先の対象となり得る者が制度の意義を十分に理解し、公益通報に適切に対応することが重要と考えております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、公益通報者保護制度検討会、この委員についてのお尋ねがありました。
この検討会では、制度をめぐる近年の国内外の動向を踏まえ、法学的見地や実務の観点から制度の実効性向上に向けた課題と対応を検討するため、学界、労働団体、消費者団体、経済界といった各界の代表者や有識者を委員としました。
検討に当たっては、通報を理由とする不利益な取扱いが争点となった近年の裁判例を参照したほか、通報者を支援している日弁連の消費者問題対策委員会の委員からも意見を聴取しており、事業者内部や行政機関、報道機関等の外部に通報した労働者の状況を十分に踏まえた議論が行われたと考えております。
次に、兵庫県の事案を踏まえ、二号及び三号通報を行った労働者の保護の可否や、通報者探索の違法、制度の実効性についてお尋ねがありました。
兵庫県知事の個別の通報への対応等については、公益通報者保護法では、個別の通報への対応に関する事実関係の認定は裁判所においてされることとされており、消費者庁が事実関係を認定する立場にないことから、コメントすることは差し控えさせていただきます。
その上で、一般論としては、二号通報又は三号通報を行った公益通報者も、保護要件を満たせば解雇等の不利益な取扱いから保護されます。また、事業者がとるべき措置の内容を定めた法定指針では公益通報者を保護する体制の整備を求めていますが、ここで言う公益通報者には二号通報又は三号通報をした者も含まれます。また、法定指針が定める公益通報者を保護する体制の整備には、通報者の探索を防ぐための措置が含まれています。今回の法改正により、公益通報を理由として解雇又は懲戒した事業者に対する刑事罰を導入し、正当な理由なく公益通報者を探索する行為を禁止する規定等を設けることとしています。
これらの措置により、制度の実効性が向上し、事業者の自浄機能発揮につながると考えております。
次に、公益通報者保護法第二十条の削除についてお尋ねがありました。
国や地方公共団体の行政機関といった、自ら法令遵守を図り、義務を履行することが期待される事業者の体制整備については、その責任は常に国民や住民に対して直接負っていることを踏まえ、公益通報者保護法第二十条において消費者庁の行政措置は適用しないこととされています。こうした点を踏まえて、本改正では第二十条は維持することとしています。
一方で、消費者庁では、地方公共団体向けの通報対応に関するガイドラインの策定や行政機関に対する実態調査の実施等を通じて、地方公共団体の体制の整備を促してきたところです。
消費者庁では、引き続き、このような取組を適切に実施してまいります。
次に、対象法律の指定の在り方についてお尋ねがありました。
公益通報者保護法は、食品偽装やリコール隠しなど、国民生活の安全、安心を損なう企業不祥事を端緒として制定されました。このため、消費者保護という観点に重点を置き、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護を直接の目的とする法律を対象法律としております。
消費者庁としては、法が制定された経緯を踏まえた上で、まずは現在の法目的の範囲内で見られる制度の課題に対処することで制度の充実強化を図ることが重要と考えており、対象法律に公文書管理法等の国家の機能に関する法律を追加することは困難と考えております。
次に、保護される通報者の範囲の拡大についてお尋ねがありました。
公益通報者保護法は、事業者に対して弱い立場にある個人を公益通報者として、公益通報を理由とする不利益な取扱いから保護する法律です。今回の法改正では、働き方の多様化を踏まえ、事業者と業務委託関係にあるフリーランスを保護の対象として追加しております。取引先事業者は、個人でないため、保護の対象としておりません。また、ボランティア、インターン等を保護対象とすることについては、これらの者に対する不利益な取扱いの実態が現状明らかではないことから、その状況を注視してまいります。
次に、従事者指定義務以外の体制整備義務違反を罰則の対象とすることについてお尋ねがありました。
従事者指定義務以外の体制整備義務については、内閣府告示である法定指針において、公益通報者に対する是正措置等の通知や内部規程の策定など、様々な措置を求めているところです。これらの措置について、消費者庁の命令権や命令違反時の刑事罰の対象とすることは、他の法令との並びを勘案しても、企業活動に対する公権力の過剰な介入となるおそれがあり、困難と考えております。
次に、常時使用する労働者数三百人以下の事業者による体制整備を義務化することについてお尋ねがありました。
消費者庁の実態調査の結果、常時使用する労働者の数が三百人超の義務対象の事業者であっても、体制整備の不徹底と実効性の課題が明らかとなりました。
こうした中、まずは義務対象の事業者において、体制整備の徹底と実効性の向上を図ることが重要であると考えます。常時使用する労働者数が三百人以下の努力義務の対象事業者には、内部通報制度の重要性や必要性について一層の周知啓発を行うとともに、これらの事業者の実情を踏まえ、導入を支援してまいりたいと考えております。
次に、刑事罰や立証責任の転換の対象についてお尋ねがありました。
労働基準法等は労働についての最低基準を規定し、御指摘のとおり、これらの義務の違反は直罰で担保されています。違反行為の重大性と監督機関に対する申告という限定的な場面であることを踏まえ、不利益な取扱いの範囲を限定せずに罰則を規定しているものと考えています。
他方、公益通報者保護法では、様々な通報先があり、対象法律も約五百本あり、間接罰の対象となる違反行為も含むなど通報対象事実の範囲も広くなっております。
こうした中、本法律において不利益な取扱いの範囲を限定せずに罰則を規定した場合には、萎縮効果が極めて大きく、人事の停滞等のおそれがあると考えております。また、他の労働法制やその実務との平仄を踏まえると、解雇、懲戒以外の不利益な取扱いについて、公益通報を理由とすることの立証責任を事業者に転換することは適当ではないと考えております。
次に、市民団体による企業の監視活動や労働組合の活動などの役割について見解のお尋ねがありました。
公益通報には、事業者内部に対する一号通報のほか、行政機関に対する二号通報、報道機関等に対する三号通報があります。
御指摘の労働組合や市民団体は三号通報先に該当する場合があります。公益通報者保護制度が実効的に機能するためには、事業者や行政機関のみならず、三号通報先の対象となり得る者が制度の意義を十分に理解し、公益通報に適切に対応することが重要と考えております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
加
加藤勝信#7
○国務大臣(加藤勝信君) 大椿議員から森友学園事案についてお尋ねがございました。
森友学園事案については、赤木俊夫さんという高い志と倫理観を持ち、真面目に職務に精励されていた方が公務に起因して自死をするという結果に至ったことについて、心よりおわび申し上げますとともに、謹んでお悔やみを申し上げたいと思います。そのことを重く受け止め、できる限りの対応をしていきたいと考えております。
その上で、今回の開示請求への対応に当たっては、検察に任意提出し、還付されているものをそのまま開示しており、先月開示した文書で欠落している部分については、検察への任意提出よりも前の時点で生じていたものであり、任意提出の際、また、その後の段階で、還付から現在に至るまでに欠落が生じたものではないと承知をしております。
既に森友学園案件に係る決裁文書の改ざんなどに関する調査報告書においてお示ししているとおり、平成二十九年当時、政治家関係者との応接録を破棄した、廃棄した経緯があり、先月開示した文書での欠落部分は政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認されることを踏まえれば、大宗は平成二十九年当時の応接録の廃棄の過程において欠落したものと考えております。
平成三十年六月に調査報告書を取りまとめるに当たって、財務省として、こうした応接録の廃棄を含む一連の問題行為について検察当局の協力も得て、できる限りの調査を尽くしたところであり、関与した職員に対して厳正な処分を既に行ったところであります。
応接録の廃棄を含む一連の問題行為については、検察当局の捜査において不起訴処分とされてはおりますが、財務省としては、一連の問題行為はあってはならない不適切な対応であったと考えており、今後の文書開示においても真摯に説明責任を果たしてまいります。拍手
〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →森友学園事案については、赤木俊夫さんという高い志と倫理観を持ち、真面目に職務に精励されていた方が公務に起因して自死をするという結果に至ったことについて、心よりおわび申し上げますとともに、謹んでお悔やみを申し上げたいと思います。そのことを重く受け止め、できる限りの対応をしていきたいと考えております。
その上で、今回の開示請求への対応に当たっては、検察に任意提出し、還付されているものをそのまま開示しており、先月開示した文書で欠落している部分については、検察への任意提出よりも前の時点で生じていたものであり、任意提出の際、また、その後の段階で、還付から現在に至るまでに欠落が生じたものではないと承知をしております。
既に森友学園案件に係る決裁文書の改ざんなどに関する調査報告書においてお示ししているとおり、平成二十九年当時、政治家関係者との応接録を破棄した、廃棄した経緯があり、先月開示した文書での欠落部分は政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認されることを踏まえれば、大宗は平成二十九年当時の応接録の廃棄の過程において欠落したものと考えております。
平成三十年六月に調査報告書を取りまとめるに当たって、財務省として、こうした応接録の廃棄を含む一連の問題行為について検察当局の協力も得て、できる限りの調査を尽くしたところであり、関与した職員に対して厳正な処分を既に行ったところであります。
応接録の廃棄を含む一連の問題行為については、検察当局の捜査において不起訴処分とされてはおりますが、財務省としては、一連の問題行為はあってはならない不適切な対応であったと考えており、今後の文書開示においても真摯に説明責任を果たしてまいります。拍手
〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕
福
福岡資麿#8
○国務大臣(福岡資麿君) 大椿ゆうこ議員の御質問にお答えいたします。
公益通報者保護法の改正による労働者の保護についてお尋ねがありました。
今般の公益通報者保護法改正案における直罰規定の対象については、所管庁である消費者庁で検討されたものであると承知しております。通報を理由とする不利益取扱いについては、現行の公益通報者保護法においても禁止されているところであり、その周知が徹底され、労働者の保護が図られるよう運用されることが重要であると考えております。
公益通報があった場合の労働基準監督署の対応についてお尋ねがありました。
公益通報を理由として労働者に対して不利益な取扱いを行うことはあってはなりません。事業場における労働基準法違反の事実について労働者から労働基準監督署に公益通報があった際には、立入調査により事実確認を行い、法違反が認められた場合にはその是正の指導等をしています。また、労働者からの公益通報を理由として、解雇その他不利益な取扱いがあった場合も同様に対応しているところであり、引き続き厳正に対処してまいります。拍手
─────────────
この発言だけを見る →公益通報者保護法の改正による労働者の保護についてお尋ねがありました。
今般の公益通報者保護法改正案における直罰規定の対象については、所管庁である消費者庁で検討されたものであると承知しております。通報を理由とする不利益取扱いについては、現行の公益通報者保護法においても禁止されているところであり、その周知が徹底され、労働者の保護が図られるよう運用されることが重要であると考えております。
公益通報があった場合の労働基準監督署の対応についてお尋ねがありました。
公益通報を理由として労働者に対して不利益な取扱いを行うことはあってはなりません。事業場における労働基準法違反の事実について労働者から労働基準監督署に公益通報があった際には、立入調査により事実確認を行い、法違反が認められた場合にはその是正の指導等をしています。また、労働者からの公益通報を理由として、解雇その他不利益な取扱いがあった場合も同様に対応しているところであり、引き続き厳正に対処してまいります。拍手
─────────────
関
松
松沢成文#10
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文です。
私は、会派を代表して、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について、伊東良孝担当大臣に質問をいたします。
公益通報制度の充実を図るには、勇気を奮って組織の不正に声を上げた人をしっかりと守る仕組みがなければ機能しません。そのために、二〇〇四年に公益通報者保護法が制定され、そして二〇二〇年に改正されました。しかしながら、法の施行、改正後も、公益通報制度が機能しない、あるいは公益通報者が守られない事実が相次いで明らかになり、実効性が保たれていないのが実情です。最近でも、ビッグモーター事件、兵庫県事案、フジテレビの問題など、法律に実効性があれば防ぐことができたであろう不祥事が続発しています。
そこで、大臣に伺います。
こうした不祥事が後を絶たない原因はどこにあるのか。日本独特の企業文化や組織風土がある、あるいは法令の不備が大きいとの識者の指摘がありますが、見解を伺います。あわせて、今回の改正案の目的と立法事実について御説明ください。
それでは、法案の内容について順次質問いたします。
まず、公益通報を理由とする不利益取扱いについてです。
法案では解雇及び懲戒については無効とされ、刑事罰の対象になりますが、配置転換や退職勧奨などは対象外となっています。裁判実務で最も多いのは配置転換であり、配置転換による不利益な扱いが横行し、従業員や公務員を苦しめているのが現状です。
解雇や懲戒には刑事罰が適用され、配置転換や退職勧奨には刑事罰がないことになると、配置転換や退職勧奨による報復がますます増えてしまうのではないでしょうか。これらも刑事罰の対象にしなければ実効性に問題が生じるのではないでしょうか。なぜこのような対応になったのか、大臣の見解を求めます。
また、何が不利益取扱いに該当するかについては法定指針に盛り込むことが求められますが、配置転換や退職勧奨、嫌がらせ、ハラスメントなどが含まれるのか、その方針を伺います。
関連して、これまで通報と不利益取扱いとの因果関係を通報者が証明する必要がありましたが、改正案では、通報後一年以内の解雇、懲戒について民事訴訟上の立証責任を事業者に転換したことは、通報者の負担軽減となり、大きな前進です。しかし一方で、事業者にとっては人事裁量の制限や訴訟リスクにつながる懸念もあります。したがって、立証の具体的運用に関しても明確なガイドラインが必要だと考えますが、大臣の見解を伺います。
次に、通報者保護の範囲についてです。
本改正案では、保護される通報者の範囲にフリーランスの方々が追加されました。しかし、EUの公益通報者保護指令では、求職者やボランティアも公益通報者に含めていますし、家族や同僚などの通報者の周囲の方々にも保護措置が適用されます。また、国連人権委員会のビジネスと人権作業部会の訪日調査報告書では、自営業者、労働者の家族、弁護士等にも適用すべきとしております。
このように、国際的には保護する通報者の範囲が極めて広く認定されていますが、なぜ今回の改正でフリーランスだけにとどまったのか、大臣の見解を伺います。
次に、公益通報を阻害する要因について伺います。
まず、通報者の探索の禁止についてです。本改正案では、事業者が正当な理由なく公益通報者を特定する行為を禁止していますが、罰則の対象にはなっていません。通報者の探索による不利益取扱いは、通報者が最も恐れる報復です。罰則という抑止がなければ通報者の安全は保障されません。ここで言う正当な理由とは何なのか、なぜ通報者探索に罰則を規定しないのか、大臣の見解を求めます。
しかし一方で、過度に保護することが、自己の利益を図る目的で悪意を持って誰かをおとしめようと虚偽報告が発生する可能性も否定できません。EUの公益通報者保護指令では、通報者が故意に虚偽の報告を行った場合の罰則規定もあります。この虚偽報告に対してはどのような対策を取るのか、併せて伺います。
続いて、通報妨害の禁止について伺います。
本改正案では、事業者が労働者に対して、正当な理由なく公益通報しないなどの合意を求めたりすることが禁止されます。公益通報を妨げる行為を禁止し、この規定に違反してなされた合意等の法律行為を無効とすることになっています。この公益通報の妨害とならない場合の正当な理由とは、大臣、どのような場合を想定しているのか、具体的に説明してください。
次に、事業者に関する対策について伺います。
本改正案では、従事者指定義務に違反する事業者に対して、現行法の指導、助言、勧告を行う権限に加えて、勧告に従わない場合の命令権の新設、さらには命令違反、報告義務違反、虚偽報告、検査拒否に刑事罰を科すとされています。これだけ罰則を強化すれば一定の効果はあると思われますが、対象となる事業者の規模が問題です。
公益通報対応業務の従事者指定義務が掛かるのは、常用雇用者が三百人超の事業者です。そのような事業者は全事業者の約〇・五%にすぎず、そこで働く常用雇用者数は全雇用者の約四八%でしかありません。EUの公益通報者保護指令では、従業員五十人以上の事業者に内部通報窓口の設置義務が掛かっています。少なくとも百人以上とすべきです。
このままでは、公益通報者保護が多くの中小企業で対応できず、体制整備が極めて貧弱とならざるを得ません。従事者指定義務を課す事業者規模を三百人超とした理由は何か、そして三百人以下の中小企業への対応策をどのように考えているのか、大臣の見解を伺います。
次に、通報対象事実の範囲拡大について伺います。
現行法では、通報対象事実は、特定の法律に基づき最終的に刑事罰又は過料により実効性が担保されている行為に限定されており、その対象法律は法の別表及び政令で列挙されるポジティブリスト方式で運用されています。しかし、これにより、公益性の高い通報であっても、リストにない法律違反は保護の対象になりません。例えば、政治資金規正法や租税回避に関する法律違反など、重大な社会的関心を集める違反行為であっても、現行法では通報対象にならないことがあります。
この欠点を補うためには、ネガティブリスト方式、すなわち原則全ての法令違反を通報対象とし、例外的に除外されるもののみをリスト化する方式へ転換すべきです。これにより、より広範囲な違法行為が是正される可能性が高まります。なぜ本改正案でそうしなかったのか、大臣の見解を求めます。
最後に、大臣に提言します。
公益通報を促進するために、経済的インセンティブとして付加金制度や報奨金制度を導入すべきです。
付加金制度は、公益通報を理由とする解雇、降格、減給などがなされ、それが無効となった結果、未払金が生じた場合に未払金に加えて付加金の支払も命じることができるとする制度です。
そして、報奨金制度です。アメリカでは、公益通報の結果、事業者に罰金や制裁金など支払が命じられて国庫に入った場合、その一定割合を公益通報者に報奨金という形で分配しています。また、韓国では、国に歳入があったかどうかにかかわらず、公益通報者に一定の報奨金を支払っています。
いずれの制度にせよ、この要件設定や規模によっては、公益通報することについての強い経済的インセンティブとなり、公益通報を大きく促進する可能性があります。
今後、日本でもこの公益通報者への付加金制度や報奨金制度を導入し、公益通報の促進を図るべきと考えますが、大臣の見解を伺い、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、会派を代表して、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について、伊東良孝担当大臣に質問をいたします。
公益通報制度の充実を図るには、勇気を奮って組織の不正に声を上げた人をしっかりと守る仕組みがなければ機能しません。そのために、二〇〇四年に公益通報者保護法が制定され、そして二〇二〇年に改正されました。しかしながら、法の施行、改正後も、公益通報制度が機能しない、あるいは公益通報者が守られない事実が相次いで明らかになり、実効性が保たれていないのが実情です。最近でも、ビッグモーター事件、兵庫県事案、フジテレビの問題など、法律に実効性があれば防ぐことができたであろう不祥事が続発しています。
そこで、大臣に伺います。
こうした不祥事が後を絶たない原因はどこにあるのか。日本独特の企業文化や組織風土がある、あるいは法令の不備が大きいとの識者の指摘がありますが、見解を伺います。あわせて、今回の改正案の目的と立法事実について御説明ください。
それでは、法案の内容について順次質問いたします。
まず、公益通報を理由とする不利益取扱いについてです。
法案では解雇及び懲戒については無効とされ、刑事罰の対象になりますが、配置転換や退職勧奨などは対象外となっています。裁判実務で最も多いのは配置転換であり、配置転換による不利益な扱いが横行し、従業員や公務員を苦しめているのが現状です。
解雇や懲戒には刑事罰が適用され、配置転換や退職勧奨には刑事罰がないことになると、配置転換や退職勧奨による報復がますます増えてしまうのではないでしょうか。これらも刑事罰の対象にしなければ実効性に問題が生じるのではないでしょうか。なぜこのような対応になったのか、大臣の見解を求めます。
また、何が不利益取扱いに該当するかについては法定指針に盛り込むことが求められますが、配置転換や退職勧奨、嫌がらせ、ハラスメントなどが含まれるのか、その方針を伺います。
関連して、これまで通報と不利益取扱いとの因果関係を通報者が証明する必要がありましたが、改正案では、通報後一年以内の解雇、懲戒について民事訴訟上の立証責任を事業者に転換したことは、通報者の負担軽減となり、大きな前進です。しかし一方で、事業者にとっては人事裁量の制限や訴訟リスクにつながる懸念もあります。したがって、立証の具体的運用に関しても明確なガイドラインが必要だと考えますが、大臣の見解を伺います。
次に、通報者保護の範囲についてです。
本改正案では、保護される通報者の範囲にフリーランスの方々が追加されました。しかし、EUの公益通報者保護指令では、求職者やボランティアも公益通報者に含めていますし、家族や同僚などの通報者の周囲の方々にも保護措置が適用されます。また、国連人権委員会のビジネスと人権作業部会の訪日調査報告書では、自営業者、労働者の家族、弁護士等にも適用すべきとしております。
このように、国際的には保護する通報者の範囲が極めて広く認定されていますが、なぜ今回の改正でフリーランスだけにとどまったのか、大臣の見解を伺います。
次に、公益通報を阻害する要因について伺います。
まず、通報者の探索の禁止についてです。本改正案では、事業者が正当な理由なく公益通報者を特定する行為を禁止していますが、罰則の対象にはなっていません。通報者の探索による不利益取扱いは、通報者が最も恐れる報復です。罰則という抑止がなければ通報者の安全は保障されません。ここで言う正当な理由とは何なのか、なぜ通報者探索に罰則を規定しないのか、大臣の見解を求めます。
しかし一方で、過度に保護することが、自己の利益を図る目的で悪意を持って誰かをおとしめようと虚偽報告が発生する可能性も否定できません。EUの公益通報者保護指令では、通報者が故意に虚偽の報告を行った場合の罰則規定もあります。この虚偽報告に対してはどのような対策を取るのか、併せて伺います。
続いて、通報妨害の禁止について伺います。
本改正案では、事業者が労働者に対して、正当な理由なく公益通報しないなどの合意を求めたりすることが禁止されます。公益通報を妨げる行為を禁止し、この規定に違反してなされた合意等の法律行為を無効とすることになっています。この公益通報の妨害とならない場合の正当な理由とは、大臣、どのような場合を想定しているのか、具体的に説明してください。
次に、事業者に関する対策について伺います。
本改正案では、従事者指定義務に違反する事業者に対して、現行法の指導、助言、勧告を行う権限に加えて、勧告に従わない場合の命令権の新設、さらには命令違反、報告義務違反、虚偽報告、検査拒否に刑事罰を科すとされています。これだけ罰則を強化すれば一定の効果はあると思われますが、対象となる事業者の規模が問題です。
公益通報対応業務の従事者指定義務が掛かるのは、常用雇用者が三百人超の事業者です。そのような事業者は全事業者の約〇・五%にすぎず、そこで働く常用雇用者数は全雇用者の約四八%でしかありません。EUの公益通報者保護指令では、従業員五十人以上の事業者に内部通報窓口の設置義務が掛かっています。少なくとも百人以上とすべきです。
このままでは、公益通報者保護が多くの中小企業で対応できず、体制整備が極めて貧弱とならざるを得ません。従事者指定義務を課す事業者規模を三百人超とした理由は何か、そして三百人以下の中小企業への対応策をどのように考えているのか、大臣の見解を伺います。
次に、通報対象事実の範囲拡大について伺います。
現行法では、通報対象事実は、特定の法律に基づき最終的に刑事罰又は過料により実効性が担保されている行為に限定されており、その対象法律は法の別表及び政令で列挙されるポジティブリスト方式で運用されています。しかし、これにより、公益性の高い通報であっても、リストにない法律違反は保護の対象になりません。例えば、政治資金規正法や租税回避に関する法律違反など、重大な社会的関心を集める違反行為であっても、現行法では通報対象にならないことがあります。
この欠点を補うためには、ネガティブリスト方式、すなわち原則全ての法令違反を通報対象とし、例外的に除外されるもののみをリスト化する方式へ転換すべきです。これにより、より広範囲な違法行為が是正される可能性が高まります。なぜ本改正案でそうしなかったのか、大臣の見解を求めます。
最後に、大臣に提言します。
公益通報を促進するために、経済的インセンティブとして付加金制度や報奨金制度を導入すべきです。
付加金制度は、公益通報を理由とする解雇、降格、減給などがなされ、それが無効となった結果、未払金が生じた場合に未払金に加えて付加金の支払も命じることができるとする制度です。
そして、報奨金制度です。アメリカでは、公益通報の結果、事業者に罰金や制裁金など支払が命じられて国庫に入った場合、その一定割合を公益通報者に報奨金という形で分配しています。また、韓国では、国に歳入があったかどうかにかかわらず、公益通報者に一定の報奨金を支払っています。
いずれの制度にせよ、この要件設定や規模によっては、公益通報することについての強い経済的インセンティブとなり、公益通報を大きく促進する可能性があります。
今後、日本でもこの公益通報者への付加金制度や報奨金制度を導入し、公益通報の促進を図るべきと考えますが、大臣の見解を伺い、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#11
○国務大臣(伊東良孝君) 松沢成文議員にお答えいたします。
まず、不祥事の原因及び今回の改正案の目的、また立法事実についてお尋ねがありました。
一般論として、企業の不祥事は、企業ガバナンスの欠如や、あるいは経営環境等、様々な要因によって起こると考えております。
今回の改正案の目的と立法事実に関してですが、近年の事業者の不祥事等から、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備の不徹底や、あるいは実効性の課題が認められます。また、国際的に公益通報者の保護の強化が進んでおります。
今回の法改正は、こうした国内外の動向を立法事実として、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備を徹底し、公益通報者の保護を強化することを目的としております。
次に、配置転換や退職勧奨を刑事罰の対象としなかった理由や、法定指針の改正内容についてお尋ねがありました。
刑事罰につきましては、一般論として、犯罪の構成要件は明確で、また対象となる行為は罰則に値するものでなければなりません。御指摘の配置転換や退職勧奨については、不利益であることが客観的に明確ではないため、罰則の対象とすることは困難と考えております。
また、解雇、懲戒以外の不利益取扱いにつきましても、公益通報を理由とするものは現行法でも禁止をされております。禁止される不利益な取扱いに含まれ得る措置の例を内閣府告示である指針に明示することを検討しているところであります。明示する具体的な例につきましては、制度の実効性確保の観点から適切に検討してまいります。
次に、立証責任の転換につきまして、立証の具体的運用に関するガイドラインの策定についてのお尋ねがありました。
民事訴訟において、事業者がどのような主張、立証をすれば公益通報を理由とするものではないと認められるのかについては、個々の事案の事実関係や当事者双方の主張内容によって異なるものと考えます。このため、ガイドラインといった一律の形式によって立証の具体的運用を定めることは困難であると考えます。
次に、今回の改正で追加される保護される通報者がフリーランスのみであり、同僚や家族等が含まれていない理由についてお尋ねがありました。
今回の法改正では、働き方の多様化や、多くが労働者に準ずる弱い立場にあることを踏まえ、フリーランスを保護の対象といたしております。公益通報者の同僚や家族等を保護対象とすることについては、これらの者に対する不利益な取扱いの実態が現状明らかではないことから、その状況を注視してまいります。
次に、通報者探索への罰則を規定しない理由及び虚偽通報への対策についてお尋ねがありました。
今回の法改正では、公益通報者を特定し、解雇又は懲戒を行った法人及び個人は罰則の対象となり得ますが、そのような措置には至らない通報者探索自体に罰則を置くかどうかは立法事実に即して判断されるべきと考えられます。今回の改正法や刑法により罰則の対象とならないような探索行為自体が深刻な問題となった立法事実の蓄積は十分になく、また正当な調査を阻害する要因になり得るなどの懸念もある中で刑事罰の規定を置くことは適当ではないと、このように考えております。
また、虚偽だと知って行う通報など、いわゆる濫用的通報については、まずは事例を幅広く集め、実態を調査する必要があると考えております。その結果を踏まえ、公益通報者保護制度の健全な運営を確保する観点から、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、通報妨害の禁止違反とならない正当な理由についてお尋ねがありました。
公益通報を妨げる行為は原則許容されるものではなく、正当な理由は例外的かつ限定的な場合にとどめるべきと考えます。その上で、例えば、労働者に対し、事業者の不正行為について、特段の根拠なく報道機関や取引先などに通報しないよう文書又は口頭で求めることは正当な理由に該当し得ると考えております。
次に、従業者指定義務を課す事業者規模を三百人超とした理由及び三百人以下の中小企業への対応策についてお尋ねがありました。
従事者指定義務は令和二年の法改正で規定されたものであり、中小企業基本法の中小企業者の定義を参考に、常時使用する労働者数が三百人超であることを基準として事業者に義務を課しています。まず、義務対象事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性向上を図ることが重要と考えております。
常時使用する労働者数が三百人以下の努力義務対象の事業者などに対しましては、消費者庁ではこれまで内部通報制度の重要性や導入方法について周知を行ってまいりました。法改正後も引き続き制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、対象法律の規定方法についてお尋ねがありました。
公益通報者保護法は、公益通報者の保護により、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる事業者の法令の規定の遵守を図ることを法の目的としております。
このような法目的の下、ネガティブリスト方式を採用した場合、通報者にとって通報が保護対象に含まれるのかが不明確となります。このため、現時点において、そのような方式の採用は困難と考えております。
次に、公益通報を促進する経済的インセンティブとして、付加金制度及び報奨金制度の導入についてお尋ねがありました。
公益通報を理由とする解雇等について、裁判所が付加金の支払も命じることができる付加金制度を新たに導入することは、他の法律との関係も含めて慎重に検討する必要があると考えております。
報奨金制度については、一部の国では、行政機関に対して通報した個人に対して一定の報酬を支払う制度が存在すると承知をしております。これについては、財源の確保の問題ほか、事業者内部の不正を通報した労働者に報奨金を支払うことに国民の理解が得られるか等、課題があるものと考えております。
以上でございます。拍手
─────────────
この発言だけを見る →まず、不祥事の原因及び今回の改正案の目的、また立法事実についてお尋ねがありました。
一般論として、企業の不祥事は、企業ガバナンスの欠如や、あるいは経営環境等、様々な要因によって起こると考えております。
今回の改正案の目的と立法事実に関してですが、近年の事業者の不祥事等から、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備の不徹底や、あるいは実効性の課題が認められます。また、国際的に公益通報者の保護の強化が進んでおります。
今回の法改正は、こうした国内外の動向を立法事実として、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備を徹底し、公益通報者の保護を強化することを目的としております。
次に、配置転換や退職勧奨を刑事罰の対象としなかった理由や、法定指針の改正内容についてお尋ねがありました。
刑事罰につきましては、一般論として、犯罪の構成要件は明確で、また対象となる行為は罰則に値するものでなければなりません。御指摘の配置転換や退職勧奨については、不利益であることが客観的に明確ではないため、罰則の対象とすることは困難と考えております。
また、解雇、懲戒以外の不利益取扱いにつきましても、公益通報を理由とするものは現行法でも禁止をされております。禁止される不利益な取扱いに含まれ得る措置の例を内閣府告示である指針に明示することを検討しているところであります。明示する具体的な例につきましては、制度の実効性確保の観点から適切に検討してまいります。
次に、立証責任の転換につきまして、立証の具体的運用に関するガイドラインの策定についてのお尋ねがありました。
民事訴訟において、事業者がどのような主張、立証をすれば公益通報を理由とするものではないと認められるのかについては、個々の事案の事実関係や当事者双方の主張内容によって異なるものと考えます。このため、ガイドラインといった一律の形式によって立証の具体的運用を定めることは困難であると考えます。
次に、今回の改正で追加される保護される通報者がフリーランスのみであり、同僚や家族等が含まれていない理由についてお尋ねがありました。
今回の法改正では、働き方の多様化や、多くが労働者に準ずる弱い立場にあることを踏まえ、フリーランスを保護の対象といたしております。公益通報者の同僚や家族等を保護対象とすることについては、これらの者に対する不利益な取扱いの実態が現状明らかではないことから、その状況を注視してまいります。
次に、通報者探索への罰則を規定しない理由及び虚偽通報への対策についてお尋ねがありました。
今回の法改正では、公益通報者を特定し、解雇又は懲戒を行った法人及び個人は罰則の対象となり得ますが、そのような措置には至らない通報者探索自体に罰則を置くかどうかは立法事実に即して判断されるべきと考えられます。今回の改正法や刑法により罰則の対象とならないような探索行為自体が深刻な問題となった立法事実の蓄積は十分になく、また正当な調査を阻害する要因になり得るなどの懸念もある中で刑事罰の規定を置くことは適当ではないと、このように考えております。
また、虚偽だと知って行う通報など、いわゆる濫用的通報については、まずは事例を幅広く集め、実態を調査する必要があると考えております。その結果を踏まえ、公益通報者保護制度の健全な運営を確保する観点から、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、通報妨害の禁止違反とならない正当な理由についてお尋ねがありました。
公益通報を妨げる行為は原則許容されるものではなく、正当な理由は例外的かつ限定的な場合にとどめるべきと考えます。その上で、例えば、労働者に対し、事業者の不正行為について、特段の根拠なく報道機関や取引先などに通報しないよう文書又は口頭で求めることは正当な理由に該当し得ると考えております。
次に、従業者指定義務を課す事業者規模を三百人超とした理由及び三百人以下の中小企業への対応策についてお尋ねがありました。
従事者指定義務は令和二年の法改正で規定されたものであり、中小企業基本法の中小企業者の定義を参考に、常時使用する労働者数が三百人超であることを基準として事業者に義務を課しています。まず、義務対象事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性向上を図ることが重要と考えております。
常時使用する労働者数が三百人以下の努力義務対象の事業者などに対しましては、消費者庁ではこれまで内部通報制度の重要性や導入方法について周知を行ってまいりました。法改正後も引き続き制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、対象法律の規定方法についてお尋ねがありました。
公益通報者保護法は、公益通報者の保護により、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる事業者の法令の規定の遵守を図ることを法の目的としております。
このような法目的の下、ネガティブリスト方式を採用した場合、通報者にとって通報が保護対象に含まれるのかが不明確となります。このため、現時点において、そのような方式の採用は困難と考えております。
次に、公益通報を促進する経済的インセンティブとして、付加金制度及び報奨金制度の導入についてお尋ねがありました。
公益通報を理由とする解雇等について、裁判所が付加金の支払も命じることができる付加金制度を新たに導入することは、他の法律との関係も含めて慎重に検討する必要があると考えております。
報奨金制度については、一部の国では、行政機関に対して通報した個人に対して一定の報酬を支払う制度が存在すると承知をしております。これについては、財源の確保の問題ほか、事業者内部の不正を通報した労働者に報奨金を支払うことに国民の理解が得られるか等、課題があるものと考えております。
以上でございます。拍手
─────────────
関
田
田村まみ#13
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
会派を代表して質問いたします。
ただいま議題となりました公益通報者保護法は、事業者による食品偽装事件やリコール隠し事件など、国民の生命、身体、財産等に被害を及ぼす可能性がある違法行為が相次いだことを契機として平成十八年に施行され、令和四年に改正法が施行されています。
令和五年十一月に消費者庁が行ったアンケート調査では、従業員数が三百人超え千人以下の事業者に勤務する就業者の五七・六%、五千人超えの事業者であっても四七・七%が内部通報制度を理解していないことが明らかになりました。
制定から二十年以上経過しているにもかかわらず、このように公益通報者保護法に対する国民の理解はいまだ進んでいるとは言い難い状況にあります。国民の理解が進み、活用促進される改正になるべく、質問をいたします。
初めに、公益通報者保護法の周知、活用が進まない要因とされる対象法律の範囲と規定方式について伺います。
公益通報者保護法の第一条は、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することが目的であるとうたっています。ゆえに、公益通報の対象となる法律は、国民の生命、身体、財産等の利益の保護を直接的な目的としている法律に限定されています。
国民の理解が進まない背景には、法律の目的と対象法律が一致していないと国民から受け止められていることがあるのではないでしょうか。法律の目的を厳格に解し過ぎ、対象法律を狭めていることから、結果として法律の活用と通報者の保護が進んでいないものと思われますが、伊東大臣に見解を伺います。
石破政権が中小企業の賃上げ環境整備に向けての施策の一つとして挙げる企業間取引における適切な価格転嫁の是正に向け、下請法の改正が審議されています。
下請法や独占禁止法の優越的地位の濫用は、公益通報者保護法の対象法令です。その認識が中小企業や発注側の企業の交渉担当者に周知され活用されていることは取引の適正化に有用と考えますが、活用が進んでいるとは言えません。活用状況と今後の対策について、伊東大臣にお尋ねいたします。
下請Gメンをどこまで増やすのでしょうか。増やしたとて、全ての取引に調査は及びません。
赤澤賃金向上担当大臣に伺います。六月までに策定を予定されている円滑な価格転嫁を含む賃上げ支援策の議論の中で、この公益通報者保護法の活用について検討をされていますか。あらゆる施策を総動員させるというのであれば、是非検討ください。
中小企業庁の下請かけこみ寺への個別相談数が身ばれのおそれにより芳しくない、価格交渉促進月間アンケート調査の回収率もいまだに二〇%に満たない状況です。伊東大臣、公益通報者保護法で保護される対象範囲の狭さが影響しているとは考えませんか。
公益通報者保護法を真に実効性のある法律にするためには、単に消費者被害の防止という観点だけではなく、法令遵守を促し、労働者を含む内部告発者を守る制度として位置付け直し、対象法律や通報対象事実を包括的に捉え直すことが求められているのではないでしょうか。さきに挙げた企業間取引における法令違反は対象ですが、現行法の別表に記載のない価格転嫁を阻害する商慣習等を威圧的に求める行為、いわゆるハラスメントなど、法令上明確な罰則規定がなくとも公益通報の対象とする方向で検討するべきではないでしょうか。伊東大臣の見解をお聞かせください。
以下、伊東大臣に伺います。
まず、事業者が従業員等から公益通報に適切に対応するための内部通報体制義務について伺います。
今回の改正案では、現行法の体制整備義務の例示として、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示することとしています。その一方、体制整備義務自体はこれまでと同様、常時使用する従業員数が三百人超えの事業者に限られ、三百人以下の事業者については努力義務のままです。消費者庁の実態調査によれば、従業員数三百人以下の事業者が内部通報制度を導入していない理由として、努力義務にとどまるからが四八・九%と最も多く挙げられています。
国民への周知を徹底するためには、従業員数三百人以下の事業者による体制整備を義務化することが効果的だと思われますが、義務化は必要ないのでしょうか。政府の見解をお聞かせください。
小規模ゆえの人材を含む資源の乏しさから、中小企業への体制整備義務化は困難という見解は承知しています。その課題への対応は、大企業と同じ形ではない手段を検討しつつ義務化を進めるべきではないでしょうか。
政府が内部通報制度導入支援キットを作成し、三百人以下の事業者向けにも体制整備を促していることは承知しています。不十分です。中小企業による体制整備を効果的に促進するため、政府は今後どのような手段を取ることをお考えなのでしょうか。具体的にお聞かせ願います。
内部通報体制を整備することへの事業者のインセンティブ向上について伺います。
平成三十年から始まった内部通報制度認証制度については、令和二年改正法の施行状況や事業者の要望等も踏まえつつ新たな制度を検討するとし、現在休止されたままです。認証制度では効果が上がらなかったのではないですか。現在の検討状況について御説明いただくとともに、内部通報体制整備に対する事業者のインセンティブ向上のための施策についてどのように考えているか、見解をお聞かせください。
私は、この法律が活用されることが、国民、ひいては消費者の利益につながるものと確信しております。しかし、その一方では、自己の利益を図る目的ではないかと考えられるような通報も事業者側から懸念されており、積極的な活用の阻害となっていると考えています。濫用的通報の抑止は、事業者の体制整備、活用に有用だと考えますが、これについての説明を求めます。
次に、公益通報を理由とする不利益な取扱抑止、救済について伺います。
改正案では、公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対し、直罰として拘禁刑又は罰金を科す、法人に対しては法人重課の両罰規定を置くこととしております。
これにより、公益通報者の保護が一歩進んだことは評価しますが、内部通報後の組織内での嫌がらせ行為は、配置転換が主となっているのが現実です。しかし、配置転換、企業内での人事異動等については、メンバーシップ型の雇用慣行の下、事業者の裁量で頻繁に行われており、その不利益性は個人の主観や事情に依存することを理由として罰則の対象にはなっていません。今後、我が国の雇用慣行が変わらない限り、配置転換に関する不利益取扱いに対する罰則や立証責任の転換は不可能とお考えなのでしょうか。政府の方針をお聞かせください。
最後に、今回の改正案では、事業者に対する行政措置について、現行法の指導、助言、勧告権限に加え、立入検査や勧告に従わない場合の命令権などを新設。しかし、行政機関に関しては、自ら法令遵守を図り、義務を履行することが期待されているとし、こうした行政措置については適用しないとされています。
前回の法改正後、国や地方自治体等、行政機関の内部通報体制や通報者の保護が不十分だということは明らかになっていますが、こうした実態を踏まえても、行政機関に対しては、実態調査の実施、必要な助言や研修の実施等を通じて体制整備を促していくとの消費者庁等の答弁を繰り返されていますが、十分であるとお考えなのでしょうか。政府の認識をお聞かせください。
公益通報による問題発覚で報道されるものはごく一部です。しかし、通報は、勇気を振り絞り、一つ一つを考えながら、周囲との人間関係や家族、自らの将来への懸念の中、多くの国民の安全と安心で暮らせる社会、国づくりを思ってのものです。そのような方々の通報が守られ、懸念なく通報ができる、そのような整備を願って議論を進めていくことをお約束申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して質問いたします。
ただいま議題となりました公益通報者保護法は、事業者による食品偽装事件やリコール隠し事件など、国民の生命、身体、財産等に被害を及ぼす可能性がある違法行為が相次いだことを契機として平成十八年に施行され、令和四年に改正法が施行されています。
令和五年十一月に消費者庁が行ったアンケート調査では、従業員数が三百人超え千人以下の事業者に勤務する就業者の五七・六%、五千人超えの事業者であっても四七・七%が内部通報制度を理解していないことが明らかになりました。
制定から二十年以上経過しているにもかかわらず、このように公益通報者保護法に対する国民の理解はいまだ進んでいるとは言い難い状況にあります。国民の理解が進み、活用促進される改正になるべく、質問をいたします。
初めに、公益通報者保護法の周知、活用が進まない要因とされる対象法律の範囲と規定方式について伺います。
公益通報者保護法の第一条は、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することが目的であるとうたっています。ゆえに、公益通報の対象となる法律は、国民の生命、身体、財産等の利益の保護を直接的な目的としている法律に限定されています。
国民の理解が進まない背景には、法律の目的と対象法律が一致していないと国民から受け止められていることがあるのではないでしょうか。法律の目的を厳格に解し過ぎ、対象法律を狭めていることから、結果として法律の活用と通報者の保護が進んでいないものと思われますが、伊東大臣に見解を伺います。
石破政権が中小企業の賃上げ環境整備に向けての施策の一つとして挙げる企業間取引における適切な価格転嫁の是正に向け、下請法の改正が審議されています。
下請法や独占禁止法の優越的地位の濫用は、公益通報者保護法の対象法令です。その認識が中小企業や発注側の企業の交渉担当者に周知され活用されていることは取引の適正化に有用と考えますが、活用が進んでいるとは言えません。活用状況と今後の対策について、伊東大臣にお尋ねいたします。
下請Gメンをどこまで増やすのでしょうか。増やしたとて、全ての取引に調査は及びません。
赤澤賃金向上担当大臣に伺います。六月までに策定を予定されている円滑な価格転嫁を含む賃上げ支援策の議論の中で、この公益通報者保護法の活用について検討をされていますか。あらゆる施策を総動員させるというのであれば、是非検討ください。
中小企業庁の下請かけこみ寺への個別相談数が身ばれのおそれにより芳しくない、価格交渉促進月間アンケート調査の回収率もいまだに二〇%に満たない状況です。伊東大臣、公益通報者保護法で保護される対象範囲の狭さが影響しているとは考えませんか。
公益通報者保護法を真に実効性のある法律にするためには、単に消費者被害の防止という観点だけではなく、法令遵守を促し、労働者を含む内部告発者を守る制度として位置付け直し、対象法律や通報対象事実を包括的に捉え直すことが求められているのではないでしょうか。さきに挙げた企業間取引における法令違反は対象ですが、現行法の別表に記載のない価格転嫁を阻害する商慣習等を威圧的に求める行為、いわゆるハラスメントなど、法令上明確な罰則規定がなくとも公益通報の対象とする方向で検討するべきではないでしょうか。伊東大臣の見解をお聞かせください。
以下、伊東大臣に伺います。
まず、事業者が従業員等から公益通報に適切に対応するための内部通報体制義務について伺います。
今回の改正案では、現行法の体制整備義務の例示として、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示することとしています。その一方、体制整備義務自体はこれまでと同様、常時使用する従業員数が三百人超えの事業者に限られ、三百人以下の事業者については努力義務のままです。消費者庁の実態調査によれば、従業員数三百人以下の事業者が内部通報制度を導入していない理由として、努力義務にとどまるからが四八・九%と最も多く挙げられています。
国民への周知を徹底するためには、従業員数三百人以下の事業者による体制整備を義務化することが効果的だと思われますが、義務化は必要ないのでしょうか。政府の見解をお聞かせください。
小規模ゆえの人材を含む資源の乏しさから、中小企業への体制整備義務化は困難という見解は承知しています。その課題への対応は、大企業と同じ形ではない手段を検討しつつ義務化を進めるべきではないでしょうか。
政府が内部通報制度導入支援キットを作成し、三百人以下の事業者向けにも体制整備を促していることは承知しています。不十分です。中小企業による体制整備を効果的に促進するため、政府は今後どのような手段を取ることをお考えなのでしょうか。具体的にお聞かせ願います。
内部通報体制を整備することへの事業者のインセンティブ向上について伺います。
平成三十年から始まった内部通報制度認証制度については、令和二年改正法の施行状況や事業者の要望等も踏まえつつ新たな制度を検討するとし、現在休止されたままです。認証制度では効果が上がらなかったのではないですか。現在の検討状況について御説明いただくとともに、内部通報体制整備に対する事業者のインセンティブ向上のための施策についてどのように考えているか、見解をお聞かせください。
私は、この法律が活用されることが、国民、ひいては消費者の利益につながるものと確信しております。しかし、その一方では、自己の利益を図る目的ではないかと考えられるような通報も事業者側から懸念されており、積極的な活用の阻害となっていると考えています。濫用的通報の抑止は、事業者の体制整備、活用に有用だと考えますが、これについての説明を求めます。
次に、公益通報を理由とする不利益な取扱抑止、救済について伺います。
改正案では、公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対し、直罰として拘禁刑又は罰金を科す、法人に対しては法人重課の両罰規定を置くこととしております。
これにより、公益通報者の保護が一歩進んだことは評価しますが、内部通報後の組織内での嫌がらせ行為は、配置転換が主となっているのが現実です。しかし、配置転換、企業内での人事異動等については、メンバーシップ型の雇用慣行の下、事業者の裁量で頻繁に行われており、その不利益性は個人の主観や事情に依存することを理由として罰則の対象にはなっていません。今後、我が国の雇用慣行が変わらない限り、配置転換に関する不利益取扱いに対する罰則や立証責任の転換は不可能とお考えなのでしょうか。政府の方針をお聞かせください。
最後に、今回の改正案では、事業者に対する行政措置について、現行法の指導、助言、勧告権限に加え、立入検査や勧告に従わない場合の命令権などを新設。しかし、行政機関に関しては、自ら法令遵守を図り、義務を履行することが期待されているとし、こうした行政措置については適用しないとされています。
前回の法改正後、国や地方自治体等、行政機関の内部通報体制や通報者の保護が不十分だということは明らかになっていますが、こうした実態を踏まえても、行政機関に対しては、実態調査の実施、必要な助言や研修の実施等を通じて体制整備を促していくとの消費者庁等の答弁を繰り返されていますが、十分であるとお考えなのでしょうか。政府の認識をお聞かせください。
公益通報による問題発覚で報道されるものはごく一部です。しかし、通報は、勇気を振り絞り、一つ一つを考えながら、周囲との人間関係や家族、自らの将来への懸念の中、多くの国民の安全と安心で暮らせる社会、国づくりを思ってのものです。そのような方々の通報が守られ、懸念なく通報ができる、そのような整備を願って議論を進めていくことをお約束申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#14
○国務大臣(伊東良孝君) 田村まみ議員にお答えいたします。
まず、公益通報者保護法の周知、活用が進まない要因として対象法律の範囲があるのではないかとのお尋ねであります。
公益通報者保護法は、食品偽装やリコール隠しなど、国民生活の安全、安心を損なう企業不祥事を端緒として制定されました。このため、消費者保護という観点に重点を置き、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護を直接の目的とする法律を対象法律としております。
消費者庁としては、このような法制定の趣旨や対象法律の範囲も含めて一層の周知啓発を行い、制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、中小企業と発注側企業の取引の適正化のための公益通報の活用についてお尋ねがありました。
消費者庁が実施した行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査では、公正取引委員会が令和四年度に受理した外部通報の件数は三十四件で、前年度の十二件よりも増加しています。また、通報の内容は下請法や独占禁止法に関するものであったと承知しております。
これは、下請法や独占禁止法との関係でも公益通報に対する労働者等の理解が進み、公益通報の活用が一定程度進んでいることも要因であると考えております。今後も、一層の周知啓発により、労働者の理解促進に努めてまいります。
次に、中小企業庁の施策の状況に公益通報者保護法の対象範囲の狭さが影響しているのではないかとのお尋ねでありましたが、中小企業庁においては、各都道府県に下請かけこみ寺を設置し、中小企業が抱える取引上のトラブル等について、年間一万件を超える相談を受け付けていると承知しております。また、中小企業の価格交渉、転嫁の状況を把握するため、年二回、三十万社の中小企業を対象として、価格交渉促進月間のアンケート調査を実施していると承知しております。
こうした取組では、中小企業庁は、相談、回答したことが発注事業者に漏れ、報復されないかとの事業者の懸念を払拭し、多くの事業者の声をお聞きできるよう、情報の取扱いに関する丁寧な周知等を行い、取引実態の把握に努めていると承知をしております。
本件につきまして、公益通報者保護法の対象範囲が直接関係するものではないと考えております。
次に、罰則規定のない行為についても公益通報の対象とすべきではないかとのお尋ねをいただきました。
今回の法改正によって、公益通報者の範囲が拡大し、公益通報を理由とする解雇又は懲戒について刑事罰や立証責任の転換が導入される等、公益通報者の保護が大幅に強化されます。このような制度の見直しに相応するものとして、通報対象事実の範囲は刑事罰や過料の対象行為等に限定する必要があると考えております。
次に、従業員三百人以下の事業者による体制整備を義務化することについてお尋ねがありました。
消費者庁の実態調査の結果、常時使用する労働者の数が三百人超の体制整備義務の対象事業者であっても、体制整備の不徹底と実効性の課題が明らかとなりました。こうした中、まずは義務対象の事業者において体制整備の徹底と実効性の向上を図ることが重要と考えます。
常時使用する労働者の数が三百人以下の努力義務の対象事業者には、内部通報制度の重要性について一層の周知啓発を行い、その認識を高めてまいります。
次に、中小企業について、大企業と同じ形ではない手段を検討しつつ、体制整備の義務化を進めるべきではないかとのお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、内部通報窓口の導入支援を行う民間サービス等は少なく、中小企業において体制整備義務への対応のハードルは高いとの意見があるところです。
このため、常時使用する労働者の数が三百人以下の努力義務の対象事業者には、内部通報制度の重要性や導入方法について一層の周知啓発を行い、その認識を高めてまいりたいと思います。その上で、今回の改正後の法の施行状況を踏まえ、引き続き対応を検討してまいります。
次に、中小企業による公益通報の体制整備を効果的に促進するための手段についてお尋ねがありました。
消費者庁は、これまで、常時使用する労働者の数が三百人以下の努力義務対象の事業者の経営者などに対して、内部通報制度の重要性や導入方法について周知を行ってまいりました。
法改正後も引き続きこのような取組を行うとともに、地方公共団体に対して、地方消費者行政強化交付金の活用を促し、地域の事業者に対する制度の周知を図ることなどにより、公益通報者保護制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、内部通報体制整備に対する事業者のインセンティブの向上のための施策についてお尋ねがありました。
内部通報の体制整備につきましては、令和二年の法改正により、常時使用する労働者が三百人超の事業者に対し課されることとなりました。今回の改正では、新たな措置として、当事者指定義務の違反事業者に対する行政措置権限の強化や、労働者等に対する体制の周知義務の明示等を通じて体制整備の徹底と実効性向上を図ることとしています。
また、内部通報体制を適切に整備していない事業者は、不正に関する通報が行政機関や報道機関、SNS等の外部に対して行われることとなり、行政機関からの指導を受けたり、事業者の信頼が低下したりすることが想定されます。体制整備を行い自浄作用を働かせることが企業にとって良いことであるという認識を広めるため、事業者における体制整備のインセンティブが向上するよう一層の周知啓発を行い、制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、濫用的通報の抑止に対する政府の取組についてお尋ねがありました。
事業者の公益通報への適切な対応を阻害したり、風評被害などの損害を生じさせたりする、いわゆる濫用的通報については、まずは、事例を幅広く集め、実態を調査する必要があると考えております。その上で、実態調査結果を踏まえ、公益通報者保護制度の健全な運営を確保する観点から、必要な対策を検討してまいります。
次に、配置転換に対する罰則、立証責任の転換についてお尋ねがありました。
我が国においてはメンバーシップ型雇用が一般的で、配置転換については、適材適所の配置や人材育成の観点から、事業者の広い裁量の下、頻繁に行われており、必ずしも不利益な取扱いとは言えません。また、その態様は様々であり、不利益性は個人の主観や事情に依存する部分が大きく、罰則の対象とすることは困難と考えています。
また、労働法制やその実務において、配置転換については事業者に広い裁量が認められており、権利濫用と認められるためには労働者に相応の立証責任があります。他の労働法制との平仄を踏まえると、公益通報を理由とする場合のみ配置転換の立証責任を事業者に転換することは適当でないと考えているところであります。
次に、行政機関の体制整備についてお尋ねがありました。
国や地方公共団体の行政機関といった、自ら法令遵守を図り、義務を履行することが期待される事業者の体制整備については、その責任は常に国民や住民に対して直接負っていることを踏まえ、消費者庁の行政措置は適用されないこととされています。
一方で、消費者庁では、地方公共団体向けの通報対応に関するガイドラインの策定や、行政機関に対する実態調査の実施等を通じて、地方公共団体の体制整備を促してきたところです。
消費者庁では、引き続き、このような取組を適切に実施してまいります。
以上でございます。拍手
〔国務大臣赤澤亮正君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、公益通報者保護法の周知、活用が進まない要因として対象法律の範囲があるのではないかとのお尋ねであります。
公益通報者保護法は、食品偽装やリコール隠しなど、国民生活の安全、安心を損なう企業不祥事を端緒として制定されました。このため、消費者保護という観点に重点を置き、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護を直接の目的とする法律を対象法律としております。
消費者庁としては、このような法制定の趣旨や対象法律の範囲も含めて一層の周知啓発を行い、制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、中小企業と発注側企業の取引の適正化のための公益通報の活用についてお尋ねがありました。
消費者庁が実施した行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査では、公正取引委員会が令和四年度に受理した外部通報の件数は三十四件で、前年度の十二件よりも増加しています。また、通報の内容は下請法や独占禁止法に関するものであったと承知しております。
これは、下請法や独占禁止法との関係でも公益通報に対する労働者等の理解が進み、公益通報の活用が一定程度進んでいることも要因であると考えております。今後も、一層の周知啓発により、労働者の理解促進に努めてまいります。
次に、中小企業庁の施策の状況に公益通報者保護法の対象範囲の狭さが影響しているのではないかとのお尋ねでありましたが、中小企業庁においては、各都道府県に下請かけこみ寺を設置し、中小企業が抱える取引上のトラブル等について、年間一万件を超える相談を受け付けていると承知しております。また、中小企業の価格交渉、転嫁の状況を把握するため、年二回、三十万社の中小企業を対象として、価格交渉促進月間のアンケート調査を実施していると承知しております。
こうした取組では、中小企業庁は、相談、回答したことが発注事業者に漏れ、報復されないかとの事業者の懸念を払拭し、多くの事業者の声をお聞きできるよう、情報の取扱いに関する丁寧な周知等を行い、取引実態の把握に努めていると承知をしております。
本件につきまして、公益通報者保護法の対象範囲が直接関係するものではないと考えております。
次に、罰則規定のない行為についても公益通報の対象とすべきではないかとのお尋ねをいただきました。
今回の法改正によって、公益通報者の範囲が拡大し、公益通報を理由とする解雇又は懲戒について刑事罰や立証責任の転換が導入される等、公益通報者の保護が大幅に強化されます。このような制度の見直しに相応するものとして、通報対象事実の範囲は刑事罰や過料の対象行為等に限定する必要があると考えております。
次に、従業員三百人以下の事業者による体制整備を義務化することについてお尋ねがありました。
消費者庁の実態調査の結果、常時使用する労働者の数が三百人超の体制整備義務の対象事業者であっても、体制整備の不徹底と実効性の課題が明らかとなりました。こうした中、まずは義務対象の事業者において体制整備の徹底と実効性の向上を図ることが重要と考えます。
常時使用する労働者の数が三百人以下の努力義務の対象事業者には、内部通報制度の重要性について一層の周知啓発を行い、その認識を高めてまいります。
次に、中小企業について、大企業と同じ形ではない手段を検討しつつ、体制整備の義務化を進めるべきではないかとのお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、内部通報窓口の導入支援を行う民間サービス等は少なく、中小企業において体制整備義務への対応のハードルは高いとの意見があるところです。
このため、常時使用する労働者の数が三百人以下の努力義務の対象事業者には、内部通報制度の重要性や導入方法について一層の周知啓発を行い、その認識を高めてまいりたいと思います。その上で、今回の改正後の法の施行状況を踏まえ、引き続き対応を検討してまいります。
次に、中小企業による公益通報の体制整備を効果的に促進するための手段についてお尋ねがありました。
消費者庁は、これまで、常時使用する労働者の数が三百人以下の努力義務対象の事業者の経営者などに対して、内部通報制度の重要性や導入方法について周知を行ってまいりました。
法改正後も引き続きこのような取組を行うとともに、地方公共団体に対して、地方消費者行政強化交付金の活用を促し、地域の事業者に対する制度の周知を図ることなどにより、公益通報者保護制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、内部通報体制整備に対する事業者のインセンティブの向上のための施策についてお尋ねがありました。
内部通報の体制整備につきましては、令和二年の法改正により、常時使用する労働者が三百人超の事業者に対し課されることとなりました。今回の改正では、新たな措置として、当事者指定義務の違反事業者に対する行政措置権限の強化や、労働者等に対する体制の周知義務の明示等を通じて体制整備の徹底と実効性向上を図ることとしています。
また、内部通報体制を適切に整備していない事業者は、不正に関する通報が行政機関や報道機関、SNS等の外部に対して行われることとなり、行政機関からの指導を受けたり、事業者の信頼が低下したりすることが想定されます。体制整備を行い自浄作用を働かせることが企業にとって良いことであるという認識を広めるため、事業者における体制整備のインセンティブが向上するよう一層の周知啓発を行い、制度の普及と浸透に努めてまいります。
次に、濫用的通報の抑止に対する政府の取組についてお尋ねがありました。
事業者の公益通報への適切な対応を阻害したり、風評被害などの損害を生じさせたりする、いわゆる濫用的通報については、まずは、事例を幅広く集め、実態を調査する必要があると考えております。その上で、実態調査結果を踏まえ、公益通報者保護制度の健全な運営を確保する観点から、必要な対策を検討してまいります。
次に、配置転換に対する罰則、立証責任の転換についてお尋ねがありました。
我が国においてはメンバーシップ型雇用が一般的で、配置転換については、適材適所の配置や人材育成の観点から、事業者の広い裁量の下、頻繁に行われており、必ずしも不利益な取扱いとは言えません。また、その態様は様々であり、不利益性は個人の主観や事情に依存する部分が大きく、罰則の対象とすることは困難と考えています。
また、労働法制やその実務において、配置転換については事業者に広い裁量が認められており、権利濫用と認められるためには労働者に相応の立証責任があります。他の労働法制との平仄を踏まえると、公益通報を理由とする場合のみ配置転換の立証責任を事業者に転換することは適当でないと考えているところであります。
次に、行政機関の体制整備についてお尋ねがありました。
国や地方公共団体の行政機関といった、自ら法令遵守を図り、義務を履行することが期待される事業者の体制整備については、その責任は常に国民や住民に対して直接負っていることを踏まえ、消費者庁の行政措置は適用されないこととされています。
一方で、消費者庁では、地方公共団体向けの通報対応に関するガイドラインの策定や、行政機関に対する実態調査の実施等を通じて、地方公共団体の体制整備を促してきたところです。
消費者庁では、引き続き、このような取組を適切に実施してまいります。
以上でございます。拍手
〔国務大臣赤澤亮正君登壇、拍手〕
赤
赤澤亮正#15
○国務大臣(赤澤亮正君) 田村まみ議員から賃上げ支援策の議論における公益通報者保護法の活用の検討についてお尋ねがありました。
例えば、独占禁止法、下請法、最低賃金法などは、その違反が賃上げの阻害要因となり得るものと承知をしているところでございます。
これらの法律違反について公益通報がなされた場合、その通報者が公益通報者保護法に基づき適切に保護されなければならないことは、賃上げ支援策の議論の中でその活用を検討するまでもなく、もちろんのことであるというふうに考えてございます。拍手
─────────────
この発言だけを見る →例えば、独占禁止法、下請法、最低賃金法などは、その違反が賃上げの阻害要因となり得るものと承知をしているところでございます。
これらの法律違反について公益通報がなされた場合、その通報者が公益通報者保護法に基づき適切に保護されなければならないことは、賃上げ支援策の議論の中でその活用を検討するまでもなく、もちろんのことであるというふうに考えてございます。拍手
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関
大
大門実紀史#17
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
会派を代表して、公益通報者保護法改正案について質問します。
法案に入る前に、兵庫県齋藤元彦知事の公益通報者保護法をないがしろにする発言について質問します。
公益通報者保護法は、事業者に対し、公益通報者を懲戒処分にするなど不利益な取扱いをすることを禁止しています。公益通報には、組織内の相談窓口などに対して行う内部通報と報道機関などに行う外部通報がありますが、この規定は内部通報、外部通報を問わず守らなければならないものです。
ところが、齋藤知事は、自身のパワハラ行為などをマスコミへ外部通報した西播磨県民局長を特定し、懲戒処分を行いました。知事から、うそ八百、公務員失格など誹謗中傷を受けた県民局長は、その後、死をもって抗議すると自ら命を絶たれました。
齋藤知事は今年三月の記者会見で、公益通報者の保護は内部通報の場合に限られると勝手な解釈を述べ、外部通報した県民局長を懲戒処分にした県の対応は適切であったと主張しました。
齋藤知事は、その後、消費者庁の事務方から法解釈の間違いについて指摘を受けたり、あるいは五月十二日には公益通報者保護制度の研修まで受講したにもかかわらず、全く自身の間違いを理解できず、いまだ一連の対応は適切だったと言い張っています。
そもそも公益通報者保護法の解釈権は所管官庁である消費者庁にあります。公職にある県知事がそれを無視して、間違った解釈を平然と社会に発信し続けていいのでしょうか。しかも、今、国会では公益通報者保護法改正案が審議されている真っ最中です。齋藤知事の発言は、国会の法案審議をも愚弄するものではありませんか。伊東大臣の認識を伺います。
伊東大臣は五月九日の記者会見で、兵庫県に対しては地方自治法に基づく技術的助言しかできない、これ以上の対応に限界があると、齋藤知事の発言をこのまま放置する姿勢を示されました。国会に対し公益通報者保護法の審議をお願いしている立場のあなたがそんな適当な対応でいいのですか。事務方任せにせず、大臣自ら消費者庁の見解を齋藤知事に伝え、誤りを改めるよう求めるべきではありませんか。
今回の改正案は、公益通報を理由とした解雇、懲戒に対する刑事罰の導入など、公益通報者保護を強化する点で、これまでの実効性のない改正に比べ、文字どおり一歩前進と言える内容です。この間の有識者検討会で真剣な議論を重ねてこられた委員の皆さん、そして消費者庁の事務方の皆さんにも敬意を表したいと思います。
しかし、二〇〇四年に初めて公益通報者保護法が制定されてから、もう二十一年になります。二十一年も掛けてたった一歩の前進です。その原因は何か。
最初に公益通報者保護法の制定が議論されたときから、経済界、経団連は、公益通報者の保護は日本を密告社会にしてしまうという的外れなキャンペーンを展開し、法案の骨抜きを図りました。オリンパスの巨額の粉飾決算や東芝の不正会計事件において内部告発者が弾圧されていたことなどを受けて検討が始まった二〇二〇年の法改正も、結局、経済界の抵抗によって実効性のない中身になってしまいました。その結果、これまで裁判において公益通報者保護法を適用して通報者が保護された事例は僅か三件しかありません。この二十一年を振り返ると、公益通報者保護制度の整備が遅れてきた最大の原因は、経済界の抵抗と、それに屈してきた消費者庁の気概のなさにあったのではないでしょうか。
そもそも公益通報者保護制度の整備と経済界、企業の健全な発展は矛盾するものではありません。公益通報者保護制度の確立は、企業の自浄作用を促し、健全な企業風土を培うことになり、企業の中長期的発展を図る上で大きなメリットがあります。
消費者庁がなすべきことは、経済界の顔色を見ながら恐る恐る法改正を進めることではなく、公益通報者を守ることが企業の発展に資することを正面から訴え、むしろ企業の意識改革を促すことではないでしょうか。答弁を求めます。
私は、今まで企業や官庁の不正行為を数多く国会で取り上げてきましたが、そのほとんどは内部告発者から寄せられた情報と事実証拠に基づくものでした。告発された方々に共通していたのは、企業や組織の不正を知り、見て見ぬふりをしたら消費者被害が拡大する、会社も信用を失ってしまう、黙認した自分も人間として駄目になるという思いでした。ごく普通の職業意識や価値観を持った人たちが、社会と会社のため、自らの尊厳を守るために勇気を出して告発に踏み切ったのです。
しかし、多くの内部告発者は、企業や組織から解雇や配置転換、陰湿ないじめなどの報復を受けてきました。今回の改正は一歩前進と評価しますが、本当にこれで公益通報者が保護されるのでしょうか。
法文上の審議は委員会で行うとして、ここでは具体例でお聞きします。
例えば、二〇一二年、大手出版社秋田書店が内部告発した社員を懲戒解雇した事件です。秋田書店は、漫画雑誌の読者プレゼントの景品の数を水増しして発表していました。不正をやめるよう上司に訴えた当時二十八歳の女性社員Aさんに対して、秋田書店は連日、暴言、パワハラ、嫌がらせを繰り返し、とうとうAさんは精神疾患による休職に追い込まれました。さらに、秋田書店は、事もあろうに、Aさんが景品を横領したとでっち上げて、Aさんを懲戒解雇にしました。
Aさんは消費者庁に公益通報を行い、消費者庁は二〇一三年八月、景品表示法違反で秋田書店を処分、措置命令を出しました。この問題は当時の消費者問題特別委員会でも取り上げましたが、消費者庁は景品表示法違反を問うだけで、公益通報者保護法の立場からAさんを救済することはできませんでした。
Aさんは同年九月、解雇撤回と損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、二〇一五年十月に和解が成立しましたが、和解金は僅かな金額で、しかも、秋田書店側は、解雇した理由は内部告発したからではないと居直る声明を出しました。
Aさんは、有名私立大学を卒業し、編集者になる夢を抱いて秋田書店に入社をいたしました。不正をただそうとしただけで夢を奪われ、心身まで傷つけられたのです。
今回の改正案では、公益通報を理由とする不利益な取扱いにおいて、通報後一年以内の解雇又は懲戒は公益通報を理由として行われたものと推定する、いわゆる民事上の立証責任の転換が盛り込まれています。
今回の改正案が、もしも当時、既に施行されていれば、Aさんのような事例は保護、救済することはできたのでしょうか。一般論で結構ですが、お答えください。
また、今回の改正で、Aさんのようにパワハラ、暴言、嫌がらせなどによって休職に追い込まれたケースを防ぐことはできるのでしょうか。これも一般論で結構です。お答えください。
現場では公益通報者への報復は今も様々な形で行われています。今回の改正だけでは保護できない事例がまだまだたくさんあります。企業や団体の不正をただすため勇気を持って声を上げた人たちを保護するため、一歩前進で終わらせるわけにはいきません。更に実効性のある改正を求めて、質問を終わります。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、公益通報者保護法改正案について質問します。
法案に入る前に、兵庫県齋藤元彦知事の公益通報者保護法をないがしろにする発言について質問します。
公益通報者保護法は、事業者に対し、公益通報者を懲戒処分にするなど不利益な取扱いをすることを禁止しています。公益通報には、組織内の相談窓口などに対して行う内部通報と報道機関などに行う外部通報がありますが、この規定は内部通報、外部通報を問わず守らなければならないものです。
ところが、齋藤知事は、自身のパワハラ行為などをマスコミへ外部通報した西播磨県民局長を特定し、懲戒処分を行いました。知事から、うそ八百、公務員失格など誹謗中傷を受けた県民局長は、その後、死をもって抗議すると自ら命を絶たれました。
齋藤知事は今年三月の記者会見で、公益通報者の保護は内部通報の場合に限られると勝手な解釈を述べ、外部通報した県民局長を懲戒処分にした県の対応は適切であったと主張しました。
齋藤知事は、その後、消費者庁の事務方から法解釈の間違いについて指摘を受けたり、あるいは五月十二日には公益通報者保護制度の研修まで受講したにもかかわらず、全く自身の間違いを理解できず、いまだ一連の対応は適切だったと言い張っています。
そもそも公益通報者保護法の解釈権は所管官庁である消費者庁にあります。公職にある県知事がそれを無視して、間違った解釈を平然と社会に発信し続けていいのでしょうか。しかも、今、国会では公益通報者保護法改正案が審議されている真っ最中です。齋藤知事の発言は、国会の法案審議をも愚弄するものではありませんか。伊東大臣の認識を伺います。
伊東大臣は五月九日の記者会見で、兵庫県に対しては地方自治法に基づく技術的助言しかできない、これ以上の対応に限界があると、齋藤知事の発言をこのまま放置する姿勢を示されました。国会に対し公益通報者保護法の審議をお願いしている立場のあなたがそんな適当な対応でいいのですか。事務方任せにせず、大臣自ら消費者庁の見解を齋藤知事に伝え、誤りを改めるよう求めるべきではありませんか。
今回の改正案は、公益通報を理由とした解雇、懲戒に対する刑事罰の導入など、公益通報者保護を強化する点で、これまでの実効性のない改正に比べ、文字どおり一歩前進と言える内容です。この間の有識者検討会で真剣な議論を重ねてこられた委員の皆さん、そして消費者庁の事務方の皆さんにも敬意を表したいと思います。
しかし、二〇〇四年に初めて公益通報者保護法が制定されてから、もう二十一年になります。二十一年も掛けてたった一歩の前進です。その原因は何か。
最初に公益通報者保護法の制定が議論されたときから、経済界、経団連は、公益通報者の保護は日本を密告社会にしてしまうという的外れなキャンペーンを展開し、法案の骨抜きを図りました。オリンパスの巨額の粉飾決算や東芝の不正会計事件において内部告発者が弾圧されていたことなどを受けて検討が始まった二〇二〇年の法改正も、結局、経済界の抵抗によって実効性のない中身になってしまいました。その結果、これまで裁判において公益通報者保護法を適用して通報者が保護された事例は僅か三件しかありません。この二十一年を振り返ると、公益通報者保護制度の整備が遅れてきた最大の原因は、経済界の抵抗と、それに屈してきた消費者庁の気概のなさにあったのではないでしょうか。
そもそも公益通報者保護制度の整備と経済界、企業の健全な発展は矛盾するものではありません。公益通報者保護制度の確立は、企業の自浄作用を促し、健全な企業風土を培うことになり、企業の中長期的発展を図る上で大きなメリットがあります。
消費者庁がなすべきことは、経済界の顔色を見ながら恐る恐る法改正を進めることではなく、公益通報者を守ることが企業の発展に資することを正面から訴え、むしろ企業の意識改革を促すことではないでしょうか。答弁を求めます。
私は、今まで企業や官庁の不正行為を数多く国会で取り上げてきましたが、そのほとんどは内部告発者から寄せられた情報と事実証拠に基づくものでした。告発された方々に共通していたのは、企業や組織の不正を知り、見て見ぬふりをしたら消費者被害が拡大する、会社も信用を失ってしまう、黙認した自分も人間として駄目になるという思いでした。ごく普通の職業意識や価値観を持った人たちが、社会と会社のため、自らの尊厳を守るために勇気を出して告発に踏み切ったのです。
しかし、多くの内部告発者は、企業や組織から解雇や配置転換、陰湿ないじめなどの報復を受けてきました。今回の改正は一歩前進と評価しますが、本当にこれで公益通報者が保護されるのでしょうか。
法文上の審議は委員会で行うとして、ここでは具体例でお聞きします。
例えば、二〇一二年、大手出版社秋田書店が内部告発した社員を懲戒解雇した事件です。秋田書店は、漫画雑誌の読者プレゼントの景品の数を水増しして発表していました。不正をやめるよう上司に訴えた当時二十八歳の女性社員Aさんに対して、秋田書店は連日、暴言、パワハラ、嫌がらせを繰り返し、とうとうAさんは精神疾患による休職に追い込まれました。さらに、秋田書店は、事もあろうに、Aさんが景品を横領したとでっち上げて、Aさんを懲戒解雇にしました。
Aさんは消費者庁に公益通報を行い、消費者庁は二〇一三年八月、景品表示法違反で秋田書店を処分、措置命令を出しました。この問題は当時の消費者問題特別委員会でも取り上げましたが、消費者庁は景品表示法違反を問うだけで、公益通報者保護法の立場からAさんを救済することはできませんでした。
Aさんは同年九月、解雇撤回と損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、二〇一五年十月に和解が成立しましたが、和解金は僅かな金額で、しかも、秋田書店側は、解雇した理由は内部告発したからではないと居直る声明を出しました。
Aさんは、有名私立大学を卒業し、編集者になる夢を抱いて秋田書店に入社をいたしました。不正をただそうとしただけで夢を奪われ、心身まで傷つけられたのです。
今回の改正案では、公益通報を理由とする不利益な取扱いにおいて、通報後一年以内の解雇又は懲戒は公益通報を理由として行われたものと推定する、いわゆる民事上の立証責任の転換が盛り込まれています。
今回の改正案が、もしも当時、既に施行されていれば、Aさんのような事例は保護、救済することはできたのでしょうか。一般論で結構ですが、お答えください。
また、今回の改正で、Aさんのようにパワハラ、暴言、嫌がらせなどによって休職に追い込まれたケースを防ぐことはできるのでしょうか。これも一般論で結構です。お答えください。
現場では公益通報者への報復は今も様々な形で行われています。今回の改正だけでは保護できない事例がまだまだたくさんあります。企業や団体の不正をただすため勇気を持って声を上げた人たちを保護するため、一歩前進で終わらせるわけにはいきません。更に実効性のある改正を求めて、質問を終わります。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#18
○国務大臣(伊東良孝君) 大門実紀史議員にお答えをいたします。
まず、兵庫県知事の発言に対する認識、対応についてお尋ねがありました。
兵庫県知事が県の文書問題への対応は適切だったと発言していることについては、あくまでも個別の通報への対応等を指しているものと理解をしております。公益通報者保護法では個別の通報への対応に関する事実関係の認定は裁判所においてされることとされており、消費者庁が事実関係を認定する立場にないことから、コメントすることは差し控えます。
また、消費者庁では、地方自治法に基づく技術的助言として、地方公共団体向けに通報対応に関するガイドラインを策定しているほか、地方公共団体に限らず、民間事業者、労働者に対しても、法の解釈に関する一般的な助言や照会への対応等、様々なやり取りを日常的に行っているところです。
消費者庁としては、必要に応じて、引き続きこのような取組を適切に実施してまいります。
次に、公益通報者保護法の実効性向上に向けた消費者庁の役割についてお尋ねがありました。
公益通報者保護制度が実効的に機能するためには、この制度の意義について事業者の理解が向上することが最も重要であると考えております。
このため、消費者庁では、不祥事に関して企業が公表した調査報告書で取り上げられた内部通報制度の課題を分析し、経営トップに対する提言としてまとめています。また、内部通報制度を導入していない事業者の経営者向けに、内部通報制度の重要性や必要性、導入方法について理解を促すためのショート動画を作成し、広く周知する等、積極的に経営トップに対する啓発活動を行ってきたところであります。
今後も、こうした取組を継続するとともに、事業者の好事例を収集し公表するなど、経営トップの意識向上のための取組を強化してまいります。
次に、秋田書店の事案や改正法案による公益通報者の保護、救済の可能性についてお尋ねがありました。
消費者担当大臣として、個別の事案に対する改正法案の適用関係についてお答えすることは差し控えさせていただきます。
その上で、一般論として申し上げれば、今回の法改正によって、公益通報から一年以内の公益通報者に対する解雇又は懲戒は公益通報を理由とするものと推定することとし、事業者に立証責任を転換することとしています。これにより、公益通報者の立証負担が軽減され、公益通報者保護法の適用により労働者が救済されやすくなることが期待されます。加えて、今回の法改正により、公益通報を理由として解雇又は懲戒した者は刑事罰の対象となり得ます。
これらの措置により、公益通報を理由とする不利益な取扱いに対する抑止効果が高まり、通報者の救済が強化されるものと考えております。
さらに、改正法案におけるパワハラ、暴言、嫌がらせ等への対処についてお尋ねがありました。
改正法案において、嫌がらせ等は罰則や立証責任の転換の対象にはなっておりませんが、嫌がらせを含む公益通報を理由とした不利益な取扱いについては現行法で既に禁止されており、こうした解釈を事業者に浸透させることが重要と考えております。
このため、消費者庁としては、内閣府告示である法定指針において、不利益な配置転換、嫌がらせ等が、禁止される不利益取扱いに含まれ得ることを明記し、事業者に改めて周知徹底することを検討しております。これにより、事業者に対する抑止力が高まるほか、民事裁判で参照されやすくなることで公益通報者が保護されることが期待されております。
以上でございます。拍手
この発言だけを見る →まず、兵庫県知事の発言に対する認識、対応についてお尋ねがありました。
兵庫県知事が県の文書問題への対応は適切だったと発言していることについては、あくまでも個別の通報への対応等を指しているものと理解をしております。公益通報者保護法では個別の通報への対応に関する事実関係の認定は裁判所においてされることとされており、消費者庁が事実関係を認定する立場にないことから、コメントすることは差し控えます。
また、消費者庁では、地方自治法に基づく技術的助言として、地方公共団体向けに通報対応に関するガイドラインを策定しているほか、地方公共団体に限らず、民間事業者、労働者に対しても、法の解釈に関する一般的な助言や照会への対応等、様々なやり取りを日常的に行っているところです。
消費者庁としては、必要に応じて、引き続きこのような取組を適切に実施してまいります。
次に、公益通報者保護法の実効性向上に向けた消費者庁の役割についてお尋ねがありました。
公益通報者保護制度が実効的に機能するためには、この制度の意義について事業者の理解が向上することが最も重要であると考えております。
このため、消費者庁では、不祥事に関して企業が公表した調査報告書で取り上げられた内部通報制度の課題を分析し、経営トップに対する提言としてまとめています。また、内部通報制度を導入していない事業者の経営者向けに、内部通報制度の重要性や必要性、導入方法について理解を促すためのショート動画を作成し、広く周知する等、積極的に経営トップに対する啓発活動を行ってきたところであります。
今後も、こうした取組を継続するとともに、事業者の好事例を収集し公表するなど、経営トップの意識向上のための取組を強化してまいります。
次に、秋田書店の事案や改正法案による公益通報者の保護、救済の可能性についてお尋ねがありました。
消費者担当大臣として、個別の事案に対する改正法案の適用関係についてお答えすることは差し控えさせていただきます。
その上で、一般論として申し上げれば、今回の法改正によって、公益通報から一年以内の公益通報者に対する解雇又は懲戒は公益通報を理由とするものと推定することとし、事業者に立証責任を転換することとしています。これにより、公益通報者の立証負担が軽減され、公益通報者保護法の適用により労働者が救済されやすくなることが期待されます。加えて、今回の法改正により、公益通報を理由として解雇又は懲戒した者は刑事罰の対象となり得ます。
これらの措置により、公益通報を理由とする不利益な取扱いに対する抑止効果が高まり、通報者の救済が強化されるものと考えております。
さらに、改正法案におけるパワハラ、暴言、嫌がらせ等への対処についてお尋ねがありました。
改正法案において、嫌がらせ等は罰則や立証責任の転換の対象にはなっておりませんが、嫌がらせを含む公益通報を理由とした不利益な取扱いについては現行法で既に禁止されており、こうした解釈を事業者に浸透させることが重要と考えております。
このため、消費者庁としては、内閣府告示である法定指針において、不利益な配置転換、嫌がらせ等が、禁止される不利益取扱いに含まれ得ることを明記し、事業者に改めて周知徹底することを検討しております。これにより、事業者に対する抑止力が高まるほか、民事裁判で参照されやすくなることで公益通報者が保護されることが期待されております。
以上でございます。拍手
関
関
関口昌一#20
○議長(関口昌一君) 日程第一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長小西洋之君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔小西洋之君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長小西洋之君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔小西洋之君登壇、拍手〕
小
小西洋之#21
○小西洋之君 ただいま議題となりました承認案件につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
我が国の平和及び安全を維持するため、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づき、これまで、北朝鮮籍の全ての船舶、北朝鮮の港に寄港したことが確認された第三国籍船舶、国連安保理の決定等に基づき制裁措置の対象とされた船舶及び北朝鮮の港に寄港したことが確認された日本籍船舶の入港禁止措置が講じられてきました。
本件は、去る四月八日の閣議決定により、引き続き、令和九年四月十三日までの間、入港禁止措置が講じられたことについて、同法に基づき、国会の承認を求めようとするものであります。
委員会におきましては、国土交通大臣より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。拍手
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この発言だけを見る →我が国の平和及び安全を維持するため、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づき、これまで、北朝鮮籍の全ての船舶、北朝鮮の港に寄港したことが確認された第三国籍船舶、国連安保理の決定等に基づき制裁措置の対象とされた船舶及び北朝鮮の港に寄港したことが確認された日本籍船舶の入港禁止措置が講じられてきました。
本件は、去る四月八日の閣議決定により、引き続き、令和九年四月十三日までの間、入港禁止措置が講じられたことについて、同法に基づき、国会の承認を求めようとするものであります。
委員会におきましては、国土交通大臣より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。拍手
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関
関
関
関口昌一#24
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十六
賛成 二百三十
反対 六
よって、本件は承認することに決しました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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この発言だけを見る →投票総数 二百三十六
賛成 二百三十
反対 六
よって、本件は承認することに決しました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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関
関口昌一#25
○議長(関口昌一君) 日程第二 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長柘植芳文君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔柘植芳文君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長柘植芳文君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔柘植芳文君登壇、拍手〕
柘
柘植芳文#26
○柘植芳文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、不正事案の発生等に伴う医薬品の供給不足や創薬環境の変化等の状況に対応するため、医薬品品質保証責任者等の設置の義務付け、後発医薬品の安定的な供給体制の構築の支援、特定医薬品供給体制管理責任者の設置の義務付け、革新的な新薬の研究開発の支援、条件付き承認の見直し、調剤業務の一部外部委託の許容、医薬品の適正な販売方法への見直し等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構及び殿町国際戦略拠点キングスカイフロントナノ医療イノベーションセンターにおいて日本の創薬環境の実情等を視察するとともに、医療用医薬品等の安定供給確保に向けた取組、条件付き承認制度の見直しに伴う懸念点、いわゆる零売に対する規制の在り方等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林明子委員より反対、れいわ新選組を代表して天畠大輔委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。拍手
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この発言だけを見る →本法律案は、不正事案の発生等に伴う医薬品の供給不足や創薬環境の変化等の状況に対応するため、医薬品品質保証責任者等の設置の義務付け、後発医薬品の安定的な供給体制の構築の支援、特定医薬品供給体制管理責任者の設置の義務付け、革新的な新薬の研究開発の支援、条件付き承認の見直し、調剤業務の一部外部委託の許容、医薬品の適正な販売方法への見直し等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構及び殿町国際戦略拠点キングスカイフロントナノ医療イノベーションセンターにおいて日本の創薬環境の実情等を視察するとともに、医療用医薬品等の安定供給確保に向けた取組、条件付き承認制度の見直しに伴う懸念点、いわゆる零売に対する規制の在り方等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林明子委員より反対、れいわ新選組を代表して天畠大輔委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。拍手
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関
関
関
関口昌一#29
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十六
賛成 二百十六
反対 二十
よって、本案は可決されました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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この発言だけを見る →投票総数 二百三十六
賛成 二百十六
反対 二十
よって、本案は可決されました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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