国民生活・経済に関する調査会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和八年五月二十日(水曜日)
午後零時三十分開会
─────────────
委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
いんどう周作君 長谷川英晴君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 野上浩太郎君
理 事
小林 一大君
山本佐知子君
柴 愼一君
水野 孝一君
宮崎 勝君
中条きよし君
宮出 千慧君
委 員
上野 通子君
かまやち敏君
小林孝一郎君
長谷川英晴君
星 北斗君
泉 房穂君
小島とも子君
かごしま彰宏君
川村 雄大君
上野ほたる君
白川 容子君
尾辻 朋実君
事務局側
第二特別調査室
長 高嶋 久志君
参考人
一橋大学社会科
学高等研究院特
任教授 小塩 隆士君
京都大学公共政
策大学院院長 諸富 徹君
─────────────
本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
(「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」のうち、社会・経済情勢の現状(社会保障・税財政等の展望)について)
─────────────
この発言だけを見る →午後零時三十分開会
─────────────
委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
いんどう周作君 長谷川英晴君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 野上浩太郎君
理 事
小林 一大君
山本佐知子君
柴 愼一君
水野 孝一君
宮崎 勝君
中条きよし君
宮出 千慧君
委 員
上野 通子君
かまやち敏君
小林孝一郎君
長谷川英晴君
星 北斗君
泉 房穂君
小島とも子君
かごしま彰宏君
川村 雄大君
上野ほたる君
白川 容子君
尾辻 朋実君
事務局側
第二特別調査室
長 高嶋 久志君
参考人
一橋大学社会科
学高等研究院特
任教授 小塩 隆士君
京都大学公共政
策大学院院長 諸富 徹君
─────────────
本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
(「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」のうち、社会・経済情勢の現状(社会保障・税財政等の展望)について)
─────────────
野
野上浩太郎#1
○会長(野上浩太郎君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、いんどう周作君が委員を辞任され、その補欠として長谷川英晴君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、いんどう周作君が委員を辞任され、その補欠として長谷川英晴君が選任されました。
─────────────
野
野上浩太郎#2
○会長(野上浩太郎君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
本日は、「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」のうち、「社会・経済情勢の現状」に関し、「社会保障・税財政等の展望」について二名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、一橋大学社会科学高等研究院特任教授小塩隆士君及び京都大学公共政策大学院院長諸富徹君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしてまいりたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、小塩参考人、諸富参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後二時五十分頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を取ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず小塩参考人からお願いいたします。小塩参考人。
この発言だけを見る →本日は、「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」のうち、「社会・経済情勢の現状」に関し、「社会保障・税財政等の展望」について二名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、一橋大学社会科学高等研究院特任教授小塩隆士君及び京都大学公共政策大学院院長諸富徹君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしてまいりたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、小塩参考人、諸富参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後二時五十分頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を取ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず小塩参考人からお願いいたします。小塩参考人。
小
小塩隆士#3
○参考人(小塩隆士君) 一橋大学の小塩と申します。こういう貴重な御報告の機会を与えていただきまして、どうもありがとうございました。(資料映写)
私の方からは、社会保障の展望ということで簡単に御説明したいと思います。
一ページ目めくっていただきまして、本日お話しする内容を紹介しております。
早速一番目のテーマについてお話をいたします。
要するに、政府におかれましては社会保障の将来展望をできるだけ早めに出していただきたいということでございます。現在政府から公式に出ている見通しは実は八年前のものでして、二〇一八年のものです。二〇一八年から二〇四〇年にかけて社会保障の給付がどういうふうに変化するかというのを四省庁が合同で出したもの、これが最新なんですね。その後、コロナの問題等々ありまして、なかなか新しい数字を出すのが大変だったというふうに思うんですけれども、これだけ社会保障の問題というのが深刻になって将来見通しがはっきりしないということですので、是非出していただきたいなと思います。
御存じのように、社会保障国民会議というのが開始されていますけど、中身は消費減税の話とか、あるいは給付付き税額控除の話ですよね。それはそれぞれ重要だと思うんですけど、社会保障国民会議と言うぐらいですから、是非社会保障についても議論進めていただきたいなと思っています。
次のページに、今ある見通しと、それから足下の実績がどうなっているのかというのを簡単に見せさせていただいたのがこれなんですけど、実績というのが青い曲線、それから見通しに書いてある計画が赤い線なんですね。
二〇一八年が計画のスタートラインなんですけど、これを見ていただくと分かりますように、今走っている計画は二〇〇〇年に入ってからやや落ち着いた動きをそのまま外挿しているということだと思うんですね。その後、コロナ関連の社会保障給付費、ばんと膨らんだんですけど、その後落ち着いてきております。
二〇二三年が一番新しい数字なんですけど、今その昔の計画で想定していたものに戻るのかどうかというのが非常に重要なポイントだと思うんですね。私の感じでは、かなりのところまで昔の計画に戻るんじゃないかなと思います。そうすると、それほど、高齢化でもう社会保障給付が雪だるま式に拡大して、もうどうしようもない、手が付けられないということではないかと思うんですけれども、それでも、将来の見通しがはっきりしないと、足下の消費減税の話どうするかとか、給付付き税額控除の話をどうするかという話を長期的な観点からできないので、是非これは政府に出していただきたいなと思っています。
そこで、じゃ、具体的にどういう問題が今あるのかということなんですけど、社会保障の問題は、お話をすると大体暗い話が中心になって気がめいってしまうんですけど、明るい話からお話始めさせていただきたいと思います。
少子高齢化といいますと、普通私たちはどういうふうに考えるかというと、社会の支え手がだんだんと減ってくるということですね。それを示すのが生産年齢人口の数字なんですけど、十五歳から六十四歳までですね。その人たちの総人口に占める比率というのは確かに低下しています、それを示したのがこの上の方の曲線なんですけど。でも、世の中の支え手というのを考えると、生産年齢人口の上限は六十四歳なんですけど、六十五歳を超えても働いていらっしゃる方もいますし、それから、十五歳が下限なんですけど、高校生は働いていないわけですから、支え手かと言われると、そうでもないところありますね。
じゃ、支え手ってどうやって計算したらいいのかなと思うんですけど、一番単純な方法は、就業者の比率を、総人口に対する比率を見ればいいということなんですけど、これを見ていただきますと、二〇一〇年ぐらいをボトムにして上昇傾向にあります。だから、少子高齢化が進んだとしても、世の中の支え手はむしろ上昇に転じているということです。
この上昇に転じている主役はどなたかといいますと、高齢者なんですよ。六十歳後半、まあ前半もそうですけど、後半の人たちの労働市場に入ってくる機会が増えてくるということですね。これが非常に新しい、しかも明るいニュースかなというふうに思っております。
この動きを着実なものにしていただきたいなと私強く思います。そうすることによっていろんな改革が進みやすくなるんじゃないかなと思いますね。高齢者の人が働けば、それだけ経済も、経済の供給能力も高まりますし、それから税や保険料の収入も増えますからね、政府から見て。そうすると、改革が非常にやりやすいなというふうに思いますので、これを是非進めていただきたいなと思います。
じゃ、どれだけ高齢者の人に追加的に働いていただけるのかという試算の結果をお見せいたします。
これは、健康だけが人々の働き方を決めるということであれば、年金とかそういうのを、定年とかそういうのを除いてですね、健康だけが働くか働かないかというその決定要因であるというふうに想定すると、潜在的にどれだけ高齢者の就業率が高まるのかということを計算したんですね。それぞれ男女別にしたんですけど、六十歳後半が一番政策的に重要なんですけど、大体男性の場合三割、女性の場合は二割ぐらい引き上げることができます。
なぜこの人たちは就業していないかというと、年金をもらっているということ、あるいは定年を迎えて引退しているということなんですけど、健康面から見るとまだまだ働けるよというふうな人が多いので、もったいないわけですよね。これだけ支え手が少なくなっているんじゃないかというふうな危惧が高まっているのですから、是非こういう人たちに働いていただければなというふうに思っています。
ただ、そのためにいろんな改革が必要だと思います。一番手っ取り早く手を付けないといけないのは、在職老齢年金という仕組みなんですね。これは、働いたらそれだけ賃金がもらえますから、あなた、年金要らないでしょうということで削減される仕組みなんですね。それは公平な仕組みなんですけど、一人一人から見れば、働くことに対してブレーキを掛けるという面があります。ですから、これは私は避ける、改めるべきではないかなと思います。
ただ、そうすると、高賃金で年金も高い層を優遇するという、そういう金持ち優遇の仕組みじゃないかというふうに言われるんですけど、そういう面はあるかもしれないけれども、それは税で見たらいいんじゃないかなと思います。年金でもどんな所得でもいいんですけど、たくさんあなたは所得もらっていますね、じゃ、税金もたくさん納めていただきましょうというのは、それこそ現役世代との公平性というので見ればいいんじゃないかなと思います。
具体的に言うと、公的年金等控除という仕組みがあります。これ自体は年金だけで頼っている人たちを支援するという仕組みであるんですけれども、たくさんお金もらっている人からは現役と同じような税金の負担の仕方をお願いしますということは、ある程度言っていいんじゃないかなと思いますね。
それからもう一つは、定年を迎えて第二の人生を歩むときに、サラリーマンとして元の会社あるいは違う会社で働くか、あるいは自営業で働くかで、全然社会保障の仕組みが違ってまいります。保険料の納め方も違ってくるわけですね。これはやっぱり改めるべきじゃないかなと思います。ちょっと超越的な話になるかもしれないですけど、賃金だけじゃなくて、どんな所得でも、得られた所得に応じて社会保障の負担をするという仕組みが、高齢者の人も働き続けるためには重要な改革ではないかなというふうに思っております。
これがもう少し高齢者の方々に働いてくださいよということですけど、ここで注意していただきたいのは、全ての人に働けよというようなことを言っているわけでは決してありません。無理のない形で働く、それで世の中に貢献するというような仕組みの方がいいんじゃないかなと、そういうことを申し上げていることです。
それから二番目は、じゃ、そういう高齢者の所得保障がどれだけしっかりとしたものになっているのかということなんですけれども、先生方は年金の二千万円問題というのをお聞きになったと思いますね。月々大体五万円ぐらい赤字が出て、三十年ぐらい生きると年間で二千万円ぐらい足りないよということで、政府はちゃんと高齢者の所得保障をしているのかということなんですけど、あれは、よく考えると、金融資産というかね、預貯金をカウントしていないんですよ。それから、あくまでも平均的な姿ですので、どういう人がどういう形で生活しているのかという点については何も言っていないんですね。
そこで、私はほかの研究者と一緒に、預貯金も含めて、それから生涯亡くなるまでどれだけ年金がもらえるのかというのを計算して、亡くなるまで生活費がどれだけ賄えるのかというのを計算してみたんですね。そうすると、八割ぐらいの人は何とか生きていけるだろうということなんですけど、残りの二割ぐらいは働かないと食べていけない、生活していけないということがありますので、そこはちゃんと注意しておく必要があるだろうと思います。
なぜそういうことを言いますかといいますと、高齢者の貧困問題というのは、これから深刻になる可能性があるんですね。これ、生活保護を受ける人が将来どれぐらい増えるかという話を考えているんですけど、いわゆる就職氷河期世代の人たちが年金を迎える頃になりますとね、今はその親御さんに扶養してもらっている人たちが、親御さんがいなくなると自分たちで老後の世話をしないといけない、自分のお世話をしないといけないということになります。そうすると、今私たちが直面しているその貧困の問題が、予想以上の深刻さで姿を見せるのじゃないかなと思います。
その生活補助をするために生活保護という仕組みがあるんですけれども、果たして今の仕組みでうまくそういう高齢の貧困化に対応できるのかなというふうな気がいたします。政府もそういう問題を無視しているわけじゃなくて、今回の年金制度改革で基礎年金の底上げというのを行いました。これは非常にすばらしい取組で、これで老後の生活保障に対して大きな成果を上げられると思うんですけれども、ただ、実際にこの底上げをしましょうかというのはもうちょっと時間たってから判断させてくださいというのが厚労省のスタンスなんですね。それから、財源どうするのかという点についても、もう少し様子を見ましょうということがあります。
更に言うと、基礎年金の拠出期間は今まで四十年だったんですけど、四十五年にしたら、そういう高齢の貧困の問題、貧困の高齢化の問題もある程度対応できるんじゃないかと私は思うんですけど、いやいや、年金財政は四十から四十五に拠出期間延長しなくてももつから大丈夫ですということで今回は改革に含まれなかったんですけど、これはやっていいんじゃないかなと思うんですね。それで、貧困の高齢化に対応をすることが簡単になるんじゃないかなというふうに私は思っています。
時間がないのでどんどん言いますけど、次は医療の話ですけど、医療については、高齢化の要因が重要じゃないかと皆さんおっしゃる、思われると思う、それはそのとおりなんですけど、その他という高齢化以外の要因が結構重要になっています。
それが何かというと、高額医薬品等々、医療の高度化が大きな原因になっているんですね。これが今後の医療費を大きく左右しますので、これへの対応というのが必要になるのかなというふうに思っています。
高齢化そのものは、思ったほど医療費の増大に悪さをしません。これ見ていただくと、その赤いところが高齢化要因なんですけど、だんだんと高さが低くなっていますよね。それに比べると、黄色い部分、これはその他ですけど、コロナ対応で出入りがありますけど、それを除くと結構大きなウエートを占めています。最近は、お薬を買っても高いものがたくさん出てくるようになりましたので、これが医療費増大の大きな不確実要因としてこれから重要になるのかと思います。
そこで、足下で、医療費についていろいろ議論ありますので、三点ほど申し上げます。
まず、高齢者の窓口負担引き上げろという議論があります。私は、それは非常によく分かるんですよ。応能原理で所得の高い人からたくさんもらうというのはいいんですけど、高齢時になると疾病リスクが高まりますから、同じ窓口負担三割でも、三割の重みが違うんですよね。それを一緒に、現役層と平等でやりましょうというふうな考え方で進めていいのか、ちょっとそれは問題だろうなというふうに思っています。
二番目は、OTCの類似薬の扱いですけど、これは私は、手を付けるところとすれば付けやすいというか、いや、付けていいんじゃないかなというふうに思っています。次に出てくる高額療養費とか、あるいは後期高齢者等々の高齢者の窓口負担に比べると、OTC類似薬に対する支援というのは軽減していいんじゃないかと思います。ただし、それでも所得の低い人たちに負担が余りに掛かるような仕組みって良くないですし、それから、疾病リスクによって過度な負担掛かると、これは避けるべきだと思います。
それから、高額療養費なんですけど、これは、私は今まで中医協、中央社会保険医療協議会の会長をしておりましたので、これはここで言わないといけないなと思っているんですけど、これはできるだけ維持していただきたいなと思っています、国民皆保険の岩盤みたいな仕組みですので。しかも、そんなに大きなウエートを占めていませんから、本当にお金がたくさん掛かる、掛かって困っている方、それほど多くないんだけど困っている人はいらっしゃるので、そこに負担が掛かるような仕組みというのは私は避けていただきたいなと思います。それは、この仕組みは国民皆保険の岩盤ですので、慎重に、見直しが必要であるとしても慎重にしていただきたいと思います。
そこで、最後のグラフですけど、余り耳慣れない言葉なんですけど、破滅的医療支出というのがあります。これは、支出全体のうち医療費がどれだけ、四割以上を占めているとこれは大変だと、破滅的医療支出だというんですけど。それが、これもまだ分析は更に必要だと思うんですけど、徐々に高まっているんです、ウエートが高まっているんですね。高齢者だけじゃなくて現役の人たちも高まっている。それは、いろんな高額のお金が必要なんですね。医療費が増えていますので、その破滅的医療支出のリスクに直面することはこれから増えてくると思うんですね。そうすると、できるだけめり張りの利いた改革が必要になるんじゃないかなと思います。それで、最後のとりでみたいな、国民皆保険を守るというふうなスタンスが必要になっていくのかなと思います。
時間が来ましたので、このページで要約させていただきます。
まず、働く人、支える人を増やすということが一番重要なことだと思います。これによっていろんな改革がしやすくなると思います。私、余り子育て支援、政府が行っている子育て支援、余り効果ないんじゃないかなと思いますので、それよりは高齢者の就業支援というのが必要だと思います。
それから、困っている人は今まで以上に支援する仕組みというのが必要になると思います。その問題は、これから貧困の高齢化というのが現実問題になりますので、これまで以上に慎重に考える必要があると思います。
以上です。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →私の方からは、社会保障の展望ということで簡単に御説明したいと思います。
一ページ目めくっていただきまして、本日お話しする内容を紹介しております。
早速一番目のテーマについてお話をいたします。
要するに、政府におかれましては社会保障の将来展望をできるだけ早めに出していただきたいということでございます。現在政府から公式に出ている見通しは実は八年前のものでして、二〇一八年のものです。二〇一八年から二〇四〇年にかけて社会保障の給付がどういうふうに変化するかというのを四省庁が合同で出したもの、これが最新なんですね。その後、コロナの問題等々ありまして、なかなか新しい数字を出すのが大変だったというふうに思うんですけれども、これだけ社会保障の問題というのが深刻になって将来見通しがはっきりしないということですので、是非出していただきたいなと思います。
御存じのように、社会保障国民会議というのが開始されていますけど、中身は消費減税の話とか、あるいは給付付き税額控除の話ですよね。それはそれぞれ重要だと思うんですけど、社会保障国民会議と言うぐらいですから、是非社会保障についても議論進めていただきたいなと思っています。
次のページに、今ある見通しと、それから足下の実績がどうなっているのかというのを簡単に見せさせていただいたのがこれなんですけど、実績というのが青い曲線、それから見通しに書いてある計画が赤い線なんですね。
二〇一八年が計画のスタートラインなんですけど、これを見ていただくと分かりますように、今走っている計画は二〇〇〇年に入ってからやや落ち着いた動きをそのまま外挿しているということだと思うんですね。その後、コロナ関連の社会保障給付費、ばんと膨らんだんですけど、その後落ち着いてきております。
二〇二三年が一番新しい数字なんですけど、今その昔の計画で想定していたものに戻るのかどうかというのが非常に重要なポイントだと思うんですね。私の感じでは、かなりのところまで昔の計画に戻るんじゃないかなと思います。そうすると、それほど、高齢化でもう社会保障給付が雪だるま式に拡大して、もうどうしようもない、手が付けられないということではないかと思うんですけれども、それでも、将来の見通しがはっきりしないと、足下の消費減税の話どうするかとか、給付付き税額控除の話をどうするかという話を長期的な観点からできないので、是非これは政府に出していただきたいなと思っています。
そこで、じゃ、具体的にどういう問題が今あるのかということなんですけど、社会保障の問題は、お話をすると大体暗い話が中心になって気がめいってしまうんですけど、明るい話からお話始めさせていただきたいと思います。
少子高齢化といいますと、普通私たちはどういうふうに考えるかというと、社会の支え手がだんだんと減ってくるということですね。それを示すのが生産年齢人口の数字なんですけど、十五歳から六十四歳までですね。その人たちの総人口に占める比率というのは確かに低下しています、それを示したのがこの上の方の曲線なんですけど。でも、世の中の支え手というのを考えると、生産年齢人口の上限は六十四歳なんですけど、六十五歳を超えても働いていらっしゃる方もいますし、それから、十五歳が下限なんですけど、高校生は働いていないわけですから、支え手かと言われると、そうでもないところありますね。
じゃ、支え手ってどうやって計算したらいいのかなと思うんですけど、一番単純な方法は、就業者の比率を、総人口に対する比率を見ればいいということなんですけど、これを見ていただきますと、二〇一〇年ぐらいをボトムにして上昇傾向にあります。だから、少子高齢化が進んだとしても、世の中の支え手はむしろ上昇に転じているということです。
この上昇に転じている主役はどなたかといいますと、高齢者なんですよ。六十歳後半、まあ前半もそうですけど、後半の人たちの労働市場に入ってくる機会が増えてくるということですね。これが非常に新しい、しかも明るいニュースかなというふうに思っております。
この動きを着実なものにしていただきたいなと私強く思います。そうすることによっていろんな改革が進みやすくなるんじゃないかなと思いますね。高齢者の人が働けば、それだけ経済も、経済の供給能力も高まりますし、それから税や保険料の収入も増えますからね、政府から見て。そうすると、改革が非常にやりやすいなというふうに思いますので、これを是非進めていただきたいなと思います。
じゃ、どれだけ高齢者の人に追加的に働いていただけるのかという試算の結果をお見せいたします。
これは、健康だけが人々の働き方を決めるということであれば、年金とかそういうのを、定年とかそういうのを除いてですね、健康だけが働くか働かないかというその決定要因であるというふうに想定すると、潜在的にどれだけ高齢者の就業率が高まるのかということを計算したんですね。それぞれ男女別にしたんですけど、六十歳後半が一番政策的に重要なんですけど、大体男性の場合三割、女性の場合は二割ぐらい引き上げることができます。
なぜこの人たちは就業していないかというと、年金をもらっているということ、あるいは定年を迎えて引退しているということなんですけど、健康面から見るとまだまだ働けるよというふうな人が多いので、もったいないわけですよね。これだけ支え手が少なくなっているんじゃないかというふうな危惧が高まっているのですから、是非こういう人たちに働いていただければなというふうに思っています。
ただ、そのためにいろんな改革が必要だと思います。一番手っ取り早く手を付けないといけないのは、在職老齢年金という仕組みなんですね。これは、働いたらそれだけ賃金がもらえますから、あなた、年金要らないでしょうということで削減される仕組みなんですね。それは公平な仕組みなんですけど、一人一人から見れば、働くことに対してブレーキを掛けるという面があります。ですから、これは私は避ける、改めるべきではないかなと思います。
ただ、そうすると、高賃金で年金も高い層を優遇するという、そういう金持ち優遇の仕組みじゃないかというふうに言われるんですけど、そういう面はあるかもしれないけれども、それは税で見たらいいんじゃないかなと思います。年金でもどんな所得でもいいんですけど、たくさんあなたは所得もらっていますね、じゃ、税金もたくさん納めていただきましょうというのは、それこそ現役世代との公平性というので見ればいいんじゃないかなと思います。
具体的に言うと、公的年金等控除という仕組みがあります。これ自体は年金だけで頼っている人たちを支援するという仕組みであるんですけれども、たくさんお金もらっている人からは現役と同じような税金の負担の仕方をお願いしますということは、ある程度言っていいんじゃないかなと思いますね。
それからもう一つは、定年を迎えて第二の人生を歩むときに、サラリーマンとして元の会社あるいは違う会社で働くか、あるいは自営業で働くかで、全然社会保障の仕組みが違ってまいります。保険料の納め方も違ってくるわけですね。これはやっぱり改めるべきじゃないかなと思います。ちょっと超越的な話になるかもしれないですけど、賃金だけじゃなくて、どんな所得でも、得られた所得に応じて社会保障の負担をするという仕組みが、高齢者の人も働き続けるためには重要な改革ではないかなというふうに思っております。
これがもう少し高齢者の方々に働いてくださいよということですけど、ここで注意していただきたいのは、全ての人に働けよというようなことを言っているわけでは決してありません。無理のない形で働く、それで世の中に貢献するというような仕組みの方がいいんじゃないかなと、そういうことを申し上げていることです。
それから二番目は、じゃ、そういう高齢者の所得保障がどれだけしっかりとしたものになっているのかということなんですけれども、先生方は年金の二千万円問題というのをお聞きになったと思いますね。月々大体五万円ぐらい赤字が出て、三十年ぐらい生きると年間で二千万円ぐらい足りないよということで、政府はちゃんと高齢者の所得保障をしているのかということなんですけど、あれは、よく考えると、金融資産というかね、預貯金をカウントしていないんですよ。それから、あくまでも平均的な姿ですので、どういう人がどういう形で生活しているのかという点については何も言っていないんですね。
そこで、私はほかの研究者と一緒に、預貯金も含めて、それから生涯亡くなるまでどれだけ年金がもらえるのかというのを計算して、亡くなるまで生活費がどれだけ賄えるのかというのを計算してみたんですね。そうすると、八割ぐらいの人は何とか生きていけるだろうということなんですけど、残りの二割ぐらいは働かないと食べていけない、生活していけないということがありますので、そこはちゃんと注意しておく必要があるだろうと思います。
なぜそういうことを言いますかといいますと、高齢者の貧困問題というのは、これから深刻になる可能性があるんですね。これ、生活保護を受ける人が将来どれぐらい増えるかという話を考えているんですけど、いわゆる就職氷河期世代の人たちが年金を迎える頃になりますとね、今はその親御さんに扶養してもらっている人たちが、親御さんがいなくなると自分たちで老後の世話をしないといけない、自分のお世話をしないといけないということになります。そうすると、今私たちが直面しているその貧困の問題が、予想以上の深刻さで姿を見せるのじゃないかなと思います。
その生活補助をするために生活保護という仕組みがあるんですけれども、果たして今の仕組みでうまくそういう高齢の貧困化に対応できるのかなというふうな気がいたします。政府もそういう問題を無視しているわけじゃなくて、今回の年金制度改革で基礎年金の底上げというのを行いました。これは非常にすばらしい取組で、これで老後の生活保障に対して大きな成果を上げられると思うんですけれども、ただ、実際にこの底上げをしましょうかというのはもうちょっと時間たってから判断させてくださいというのが厚労省のスタンスなんですね。それから、財源どうするのかという点についても、もう少し様子を見ましょうということがあります。
更に言うと、基礎年金の拠出期間は今まで四十年だったんですけど、四十五年にしたら、そういう高齢の貧困の問題、貧困の高齢化の問題もある程度対応できるんじゃないかと私は思うんですけど、いやいや、年金財政は四十から四十五に拠出期間延長しなくてももつから大丈夫ですということで今回は改革に含まれなかったんですけど、これはやっていいんじゃないかなと思うんですね。それで、貧困の高齢化に対応をすることが簡単になるんじゃないかなというふうに私は思っています。
時間がないのでどんどん言いますけど、次は医療の話ですけど、医療については、高齢化の要因が重要じゃないかと皆さんおっしゃる、思われると思う、それはそのとおりなんですけど、その他という高齢化以外の要因が結構重要になっています。
それが何かというと、高額医薬品等々、医療の高度化が大きな原因になっているんですね。これが今後の医療費を大きく左右しますので、これへの対応というのが必要になるのかなというふうに思っています。
高齢化そのものは、思ったほど医療費の増大に悪さをしません。これ見ていただくと、その赤いところが高齢化要因なんですけど、だんだんと高さが低くなっていますよね。それに比べると、黄色い部分、これはその他ですけど、コロナ対応で出入りがありますけど、それを除くと結構大きなウエートを占めています。最近は、お薬を買っても高いものがたくさん出てくるようになりましたので、これが医療費増大の大きな不確実要因としてこれから重要になるのかと思います。
そこで、足下で、医療費についていろいろ議論ありますので、三点ほど申し上げます。
まず、高齢者の窓口負担引き上げろという議論があります。私は、それは非常によく分かるんですよ。応能原理で所得の高い人からたくさんもらうというのはいいんですけど、高齢時になると疾病リスクが高まりますから、同じ窓口負担三割でも、三割の重みが違うんですよね。それを一緒に、現役層と平等でやりましょうというふうな考え方で進めていいのか、ちょっとそれは問題だろうなというふうに思っています。
二番目は、OTCの類似薬の扱いですけど、これは私は、手を付けるところとすれば付けやすいというか、いや、付けていいんじゃないかなというふうに思っています。次に出てくる高額療養費とか、あるいは後期高齢者等々の高齢者の窓口負担に比べると、OTC類似薬に対する支援というのは軽減していいんじゃないかと思います。ただし、それでも所得の低い人たちに負担が余りに掛かるような仕組みって良くないですし、それから、疾病リスクによって過度な負担掛かると、これは避けるべきだと思います。
それから、高額療養費なんですけど、これは、私は今まで中医協、中央社会保険医療協議会の会長をしておりましたので、これはここで言わないといけないなと思っているんですけど、これはできるだけ維持していただきたいなと思っています、国民皆保険の岩盤みたいな仕組みですので。しかも、そんなに大きなウエートを占めていませんから、本当にお金がたくさん掛かる、掛かって困っている方、それほど多くないんだけど困っている人はいらっしゃるので、そこに負担が掛かるような仕組みというのは私は避けていただきたいなと思います。それは、この仕組みは国民皆保険の岩盤ですので、慎重に、見直しが必要であるとしても慎重にしていただきたいと思います。
そこで、最後のグラフですけど、余り耳慣れない言葉なんですけど、破滅的医療支出というのがあります。これは、支出全体のうち医療費がどれだけ、四割以上を占めているとこれは大変だと、破滅的医療支出だというんですけど。それが、これもまだ分析は更に必要だと思うんですけど、徐々に高まっているんです、ウエートが高まっているんですね。高齢者だけじゃなくて現役の人たちも高まっている。それは、いろんな高額のお金が必要なんですね。医療費が増えていますので、その破滅的医療支出のリスクに直面することはこれから増えてくると思うんですね。そうすると、できるだけめり張りの利いた改革が必要になるんじゃないかなと思います。それで、最後のとりでみたいな、国民皆保険を守るというふうなスタンスが必要になっていくのかなと思います。
時間が来ましたので、このページで要約させていただきます。
まず、働く人、支える人を増やすということが一番重要なことだと思います。これによっていろんな改革がしやすくなると思います。私、余り子育て支援、政府が行っている子育て支援、余り効果ないんじゃないかなと思いますので、それよりは高齢者の就業支援というのが必要だと思います。
それから、困っている人は今まで以上に支援する仕組みというのが必要になると思います。その問題は、これから貧困の高齢化というのが現実問題になりますので、これまで以上に慎重に考える必要があると思います。
以上です。御清聴ありがとうございました。
野
諸
諸富徹#5
○参考人(諸富徹君) よろしくお願いいたします。京都大学公共政策大学院の諸富と申します。(資料映写)
今から二十分で、税財政についてということでお話をさせていただきたいと思います。
まず、財政についてということですけれども、最初は、スライドの三ページ目。危機管理・成長投資、これは高市首相が施政方針演説で表明された内容をまとめたものでありますが、特徴的なのは、財政の投資的な側面をすごく強調されたということだと思います。
財政支出といいますと、どっちかというと、成長にとってむしろ寄与しない、あるいは、逆に言うとマイナスである。経済学、伝統的に財政学の観点からは、公共支出というのは成長に、あくまでも民間こそが成長に寄与するというふうに考えられてきたわけですけれども、ここを大胆に成長投資という考え方を打ち出されたということですね。十七分野についてもよく言及されていますが、財政政策と産業政策が融合している側面をすごく表していると思います。
これは何も高市政権だけではなくて、この次のスライドですけれども、国際的にもそういう潮流に実はなってきているということなんですね。これはやはり経済安全保障の台頭、この経済安全保障という考え方が強調されるにつれて、自国の産業で非常にクリティカルな部分を伸ばしていく、あるいはそのサプライチェーンを自国内で完全に完結させるということは、このグローバリゼーションの時代難しいですけれども、それでも、なるべくクリティカルなサプライチェーンについては自国あるいはその友好国、同盟国といったところでなるべく完結するように持っていくというような努力が行われるようになってきているのが近年であります。ちょっと四つほど典型的な事例というのを挙げさせていただいています。
そういう意味では、政府の役割というのは大転換をしてきたと思います。どちらかというと、産業に対して、これまでの新自由主義的な産業政策を過去、そうですね、四十年ぐらいはそうだったというふうに思いますけれども、どちらかというと規制緩和、企業の、多国籍企業の活動の足かせにならない、政府がですね。また、法人減税をして負担減をして、多国籍企業を自国へ誘致をする競争といったものが行われてまいりましたし、また、産業が立地しやすいような条件整備をする。これが政府の役割であるということなんですけれども、それがすごく一転をしまして、戦略分野を指定して、そこに対して積極的な投資をしていく、あるいは立地支援をしていく。ラピダスの事例とか熊本のTSMCの事例とか、そういう形で戦略的に重要な産業を指定して国が積極的に投資を、全額でなくても手伝っていって、リスクの高いところを政府が手当てすることで民間の投資を誘導していくというようなスタイルに変わってまいりました。
そういう意味では、財政というのがその産業政策上極めて不可欠なパートを成すようになってきているということであります。これで、成長することによって、成長の上がりを今度再び国家が言わばリターンとして取ることによって、短期ではなく、年度ごとではなくて長期で収支均衡を取っていこうという考え方が出てきているわけですね。
ただ一方で、こういう形で財政拡張への懸念、あえて懸念点というのを申し上げますと二つあって、課題一、課題二とこのスライドに書かせていただいている点ですね。それから、今まさに長期でというふうに申し上げましたけれども、一方で、国会では単年度ごとに予算というのは計上されて、それをまさに、妥当性を審議する、それがまさに国会の使命なんですけれども、例えばそれが十年単位で見ていくとなりますと、どういう形で国会が年々の予算をチェックするのかという問題が根源的に生じてくる、財政民主主義との関係が生じてくるということになります。
次のスライド、六枚目に行きますが、首相は多年度で別枠で管理する仕組みを構築するというふうに言及をされています。具体的に言いますと、アメリカで実際にCBO、コングレッショナル・バジェット・オフィスで研究部門を持っていまして、そこで使われている手法がダイナミックスコアリングと呼ばれるもので、これは動学モデルなんですけれども、例えば、十七分野に対する戦略投資をやったことによってどれだけ成長が高まり、それによってどれだけ税収が上がってくるかというのをその動学モデルを使って試算をする。その中で必要な財政支出と上がりとなる法人税収の増収分というのを比較考量して、その後者が前者を上回るようであれば、支出が増収よりも少ないということであれば、少なくともイコールであればゴーサインを出せるというようなことをやるわけですね。
ただ、これでもいろいろ問題がありまして、動学モデルというのは設定次第で結果が大きく実は変わり得るということはよく知られているところですし、また、例えば十年間コミットするということになりますと、その間、財政は拡張する一方で、果たして上がりが、上がりとしての法人税収がしっかり入ってくるかどうか分からないわけですよね、本当のところ。こういったリスクを国の側が抱え込むことになってしまいます。
次のところ行きますね。
この点、もう少し展開しますと、産業政策的観点からいうと、民間から見ますと、十年間、政府がしっかりコミットしてくれる、逃げないということがやはり民間が投資をする場合に、予見性という点で、確かに首相が強調されるように望ましいわけなんですね。しかし、一方で、失敗に終われば投資コストは回収できないということで、国家が言わば損失を、税収を失うという意味で損失をかぶるということになります。
こういった、投資国家というんですけれども、こういった投資国家としての国家の側面をどう見たらいいのかということですけれども、やはりどうやって十年間、こういった予算枠を取る場合に、効果検証をしながら、仮にうまくいかない場合にチェックしていくかということは一つ仕組みづくりとして重要ですね。そういう意味では、定期的に財政支出とその効果検証、進捗度というものを国会の場で情報を開示して、まさに先生方に議論していただくという場をつくっていくことが私は必要かなというふうに思っております。
また、十七分野というのは総花過ぎるという批判もあるんですが、他方で、リスク分散と捉えることもできるんですね。ベンチャーキャピタルのお金の出し方が、まあ十案件を出して一成功するか否かという世界でやっているわけですね。その代わり、その成功する一がどかんと収益を、リターンをもたらしてくれるわけですね。ほかが損失しても、はるかにそれを上回る収益をその成功事例が、数少ない成功事例がもたらしてくれる。まあ国家がそういうギャンブルしていいかという問題あるんですけれども、なるべくリスク分散して広く投資をするという考え方もないわけではないというふうに思います。
さて、今後これが中長期的な財政にもたらす影響ということですけれども、これ内閣府の出している、経済財政諮問会議で出された資料ですね。過去投影ケースでいきますと、現在は公債残高の対GDP比は下がっていくトレンドの中にありまして、なのでこのまま行っても大丈夫だという声がある一方、しかし、金利が皆さん御存じのように上昇してきていますので、これが当然財政支出の側にも反映されてきますので、それを考えると、いつかはこれ反転をしてまいります。ですので、成長促進による成長の伸びの部分と金利上昇分の競争みたいになってくるわけですね。うまくいけばピンクのラインのようになりますし、最悪、Xマークの、この点線のブルーのようになってしまいかねない部分もあります。
また、一%程度金利が上昇しただけでどれだけ財政負担が高まるかは、この財務省の試算、左が昨年の試算で、右が今年の指標で、十兆円も財政負担が一%金利が上昇しただけで増えているという試算でございます。
さて、それを受けまして、今度、税制について、じゃ、この負担をどうするのかということですね。もちろん、成長で一〇〇%上がればいいんですけれども、その投資の財源を普通は手当てしなきゃいけないというふうに考えなければいけないと思います。
小塩先生が既に社会保障の支出面について述べられたところですけれども、こちらなどは日本の特徴、社会保障支出の特徴ですけれども、一番左、日本の特徴で、ブルーと紫のライン、これはほとんど高齢者向けなんですけれども、医療、介護、年金ですね。日本の特徴は、この高齢者向けの三つの支出で八割ぐらい占めているということで、欧州などはこれに対して現役世代、家族手当だとか子育て支援とか、勤労者に対する職業教育訓練とか、こういったものを社会保障に、あと住宅手当ですね、こういったものが含まれているという点に大きな違いがあるかというふうに思います。
それから、こちら御覧いただきますと、社会保険料、日本は社会保険システムが基本ですので、保険料収入はもちろん大きいんですけれども、公費の比率が年々高まっているというのが趨勢としてございます。
その社会保険料ですけれども、次の十三枚目に行きますけれども、報酬比例という言葉がございますように、賃金ベースで掛けるX%という形で保険料収入が入ってくる、労使折半ですけれども、これは頭打ちがありまして、賃金に対して一定の金額に達するとそこで上限がございますので、トータルでその賃金収入に対する保険料負担比率ということで見ますと、高所得者に行けば行くほど負担率が低下するという意味で逆進性を持っているということがよく指摘をされます。
とはいえ、社会保険料の伸びがなければ、恐らく日本の社会保障のファイナンスはもっと困難に陥っていたであろうというふうに思います。
こちら十四枚目に御覧いただいていますけれども、ちょっとブルー同士で見にくくて申し訳ないんですけれども、薄い方のブルーが社会保険料収入です。バブル崩壊で右肩下がりに一旦なってしまっていて、リーマン・ショックを越えて再び右肩上がりになっているのが濃い紺色が税収ですね。税収がバブル崩壊以降、右肩下がりで減少していった時期も社会保険料は引き続き増収をずっと記録していたという点で、非常に大きな財源調達効果を持っていたということになります。
ただし、ちょっとこのスライドはスキップさせていただきまして、こちらの十六ページ目になりますけれども、結果として、社会保険の負担率、社会保険料率と呼んでいますが、これは上昇の一途をたどってきたということになります。また、人口のコーホートが若い人ほど減っていますので、逆三角形になっているので、現役世代が、より少ない人がより多くの負担を負うというような形にやっぱりどうしてもならざるを得ないので、社会保険料の負担は、かつての若者、現役世代に比べて非常に高い比率で保険料を負担しているのがこの負担感につながっているということだと思います。
それで、小塩先生も言及されたように、応能的な負担というので考えられないかという議論が起きていて、それが全世代型社会保障構築会議というものの役割であったわけです。そこで窓口負担を、金融所得あるいは金融資産との関係で窓口負担を引き上げられないかという議論が起きてきたわけでございます。
実際、この資料に出ていますけれども、こちらの十八枚目のスライドは、いわゆる純資産、資産から負債を引いた純資産で見ると、確かに高齢者の方が純資産高いと、現役世代は家を買ったり車を買ったり、子供、子育てだとかで支出が多いし、どうしても負債先行になってしまうということで、高齢者が余裕があるんじゃないかという資料が出たり、また、それは同時に高所得者の方が資産が大きいという示唆が行われたりして、応能的な負担にも合致するんじゃないか、こういう議論が行われてきたところでございます。
ただ、私も窓口負担を引き上げることに対して若干慎重に考えるべきではないかなというふうには思っています。
じゃ、どうするのかということなんですが、ここからが御提案というふうになりますけれども、福祉国家の財源を調達するには、これまでは社会保険料を引き上げるか、あるいはもう消費税を引き上げるかの二者択一というふうに考えられてきたわけですけれども、社会保険料は逆進性、あと現役世代に負担を課すと。それから、消費税もまた逆進的影響を持つのはよく知られているとおりでして、そういう意味では国民の反発が非常に強いというのもまた事実でございます。
その中で、海外見ますと、今から御紹介いたしますように、新たな税、しかも社会保障目的の言わば第二所得税ともいうべき税金を導入している事例が出てきております。
それがフランスのCSGということで、これが二十二ページに出てきているとおりでございまして、例えば社会保険料というのは実質賃金税なんですね。賃金ベースのみに課税をする、報酬比例という形で課税をする税金と見ることもできます。これに対してフランスのCSGは、実は金融所得やくじ、このスライドの下の方に書いていますが、くじやカジノなどの獲得金、それからキャピタルゲインですね、投資益というふうに書いています、こういったものに対しても課税をしていく。代替所得というのは年金ですけれども、かなり広いベースに負担を課していき、しかも日本で問題になっている、こちら、ちょっともう少し先のスライドになるんですが、一億円の壁というふうに言われる、どうしても金融所得に対しては日本の所得税法上では二〇%の税率一本であるがために、金融所得の比率が多い一億円以上の年収の方々のところはむしろ負担率が下がってしまうという現象ですね。これに対してどう対処するかという点でも、課税ベースをもう少し広げることによって、賃金だけに掛けるのではなくて、こういったCSGのように金融所得に対しても掛けていくタイプの応能的な社会保障目的税というものも考えられてよいのではないかなというふうに思います。
これは導入されてから、この二十三枚目のスライドにございますように、税率は引き上げられていっております。また、これによって、次のスライド、二十四枚目ですけれども、社会保険料という一番表の上の横の行を見ていただくと、一九六八年から右の方へ二〇〇七年にかけて社会保険料率は引き下げられていく一方、社会保険の、ごめんなさい、収入比率は引き下げられる一方、真ん中ちょっと上にあるCSGと書いてあります、今御紹介したものが四割近くを占めるようになってきていると。こちら、要するに負担構造としてはより応能的になったということでございます。
また、アメリカはオバマ大統領が、オバマ政権のときに、オバマケアというものを導入する一方で、その財源の調達に投資純利益税というものを導入いたしました。同様に、課税ベースは今申し上げたような金融所得や、それからキャピタルゲインにも課税をするというスタイルを取っております。
日本はと申しますと、日本は一億円の壁が問題になってきたぐらいでございますから、やはり金融所得を分離で二一%一本で課税というふうになってきているわけですが、さすがにこれ問題だねと岸田首相の頃から問題提起をして、石破首相のときもこれ問題提起して、でも、いずれも株価がぼおんと下落したりして、ちょっと断念、先送りというふうになってきたのに対して、ようやく対処したのが通称ミニマム税というもので、これは非常に私は大事な一歩が入ったというふうに思っております。
具体的に言いますと、図示するとこういうふうになるんですけれども、三・三億円控除されますけれども、三・三億円から国税、所得税の最高税率である四五%の半分の税率、二二・五%のラインが点線で右の方に引かれています。ここに漸近線がずうっと点線で引かれてきまして、これは、意味は、これ以下の税負担というのは幾ら何でも、高所得者であれば、以下になるというのは幾ら何でもおかしいですよねと、最低これぐらいは払ってくださいねというラインが引かれているわけなんですね。現実の税負担は黒実線で、一旦、一億円で山に達して下がっていますので、これを下回っているところがちょうど斜線で引かれている面積の部分、ここが漸近線よりも現実の税負担が下回っているエリアということになります。この斜線部分に対して課税をし税収を得ているのがこのミニマム税ということで、余りにも税金が負担が軽くなってしまうのを是正する措置として導入されました。
こちら、しかし規模感をちょっと見ていただきますと、これ本当にまだ子供のような税金でして、左、日本ですけど、納税者は三百人、日本全体でたったの三百人、税収五百五十億円、右側を見ていただくと、投資純利益税の方は何と納税者五百四十三万人、日本円にして三・七兆円の税収ということですから、国の規模の違いを考慮しても非常に大きな違いがあります。日本はもう少しこのミニマム税を拡張できるんじゃないかな、そして社会保障財源に充てられるんじゃないかなと思っております。
これが最後のスライドです。
こういった税金を入れていく上でも、やはり税収基盤として所得をどういうふうにつかんでいくか、金融所得にしっかり課税をしようとしますと、どうしてもマイナンバー制度の活用、銀行口座の付番といったことが必要になってきます。こういった税制のデジタル基盤というものの整備も是非先生方に進めていただきたいなというふうに考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →今から二十分で、税財政についてということでお話をさせていただきたいと思います。
まず、財政についてということですけれども、最初は、スライドの三ページ目。危機管理・成長投資、これは高市首相が施政方針演説で表明された内容をまとめたものでありますが、特徴的なのは、財政の投資的な側面をすごく強調されたということだと思います。
財政支出といいますと、どっちかというと、成長にとってむしろ寄与しない、あるいは、逆に言うとマイナスである。経済学、伝統的に財政学の観点からは、公共支出というのは成長に、あくまでも民間こそが成長に寄与するというふうに考えられてきたわけですけれども、ここを大胆に成長投資という考え方を打ち出されたということですね。十七分野についてもよく言及されていますが、財政政策と産業政策が融合している側面をすごく表していると思います。
これは何も高市政権だけではなくて、この次のスライドですけれども、国際的にもそういう潮流に実はなってきているということなんですね。これはやはり経済安全保障の台頭、この経済安全保障という考え方が強調されるにつれて、自国の産業で非常にクリティカルな部分を伸ばしていく、あるいはそのサプライチェーンを自国内で完全に完結させるということは、このグローバリゼーションの時代難しいですけれども、それでも、なるべくクリティカルなサプライチェーンについては自国あるいはその友好国、同盟国といったところでなるべく完結するように持っていくというような努力が行われるようになってきているのが近年であります。ちょっと四つほど典型的な事例というのを挙げさせていただいています。
そういう意味では、政府の役割というのは大転換をしてきたと思います。どちらかというと、産業に対して、これまでの新自由主義的な産業政策を過去、そうですね、四十年ぐらいはそうだったというふうに思いますけれども、どちらかというと規制緩和、企業の、多国籍企業の活動の足かせにならない、政府がですね。また、法人減税をして負担減をして、多国籍企業を自国へ誘致をする競争といったものが行われてまいりましたし、また、産業が立地しやすいような条件整備をする。これが政府の役割であるということなんですけれども、それがすごく一転をしまして、戦略分野を指定して、そこに対して積極的な投資をしていく、あるいは立地支援をしていく。ラピダスの事例とか熊本のTSMCの事例とか、そういう形で戦略的に重要な産業を指定して国が積極的に投資を、全額でなくても手伝っていって、リスクの高いところを政府が手当てすることで民間の投資を誘導していくというようなスタイルに変わってまいりました。
そういう意味では、財政というのがその産業政策上極めて不可欠なパートを成すようになってきているということであります。これで、成長することによって、成長の上がりを今度再び国家が言わばリターンとして取ることによって、短期ではなく、年度ごとではなくて長期で収支均衡を取っていこうという考え方が出てきているわけですね。
ただ一方で、こういう形で財政拡張への懸念、あえて懸念点というのを申し上げますと二つあって、課題一、課題二とこのスライドに書かせていただいている点ですね。それから、今まさに長期でというふうに申し上げましたけれども、一方で、国会では単年度ごとに予算というのは計上されて、それをまさに、妥当性を審議する、それがまさに国会の使命なんですけれども、例えばそれが十年単位で見ていくとなりますと、どういう形で国会が年々の予算をチェックするのかという問題が根源的に生じてくる、財政民主主義との関係が生じてくるということになります。
次のスライド、六枚目に行きますが、首相は多年度で別枠で管理する仕組みを構築するというふうに言及をされています。具体的に言いますと、アメリカで実際にCBO、コングレッショナル・バジェット・オフィスで研究部門を持っていまして、そこで使われている手法がダイナミックスコアリングと呼ばれるもので、これは動学モデルなんですけれども、例えば、十七分野に対する戦略投資をやったことによってどれだけ成長が高まり、それによってどれだけ税収が上がってくるかというのをその動学モデルを使って試算をする。その中で必要な財政支出と上がりとなる法人税収の増収分というのを比較考量して、その後者が前者を上回るようであれば、支出が増収よりも少ないということであれば、少なくともイコールであればゴーサインを出せるというようなことをやるわけですね。
ただ、これでもいろいろ問題がありまして、動学モデルというのは設定次第で結果が大きく実は変わり得るということはよく知られているところですし、また、例えば十年間コミットするということになりますと、その間、財政は拡張する一方で、果たして上がりが、上がりとしての法人税収がしっかり入ってくるかどうか分からないわけですよね、本当のところ。こういったリスクを国の側が抱え込むことになってしまいます。
次のところ行きますね。
この点、もう少し展開しますと、産業政策的観点からいうと、民間から見ますと、十年間、政府がしっかりコミットしてくれる、逃げないということがやはり民間が投資をする場合に、予見性という点で、確かに首相が強調されるように望ましいわけなんですね。しかし、一方で、失敗に終われば投資コストは回収できないということで、国家が言わば損失を、税収を失うという意味で損失をかぶるということになります。
こういった、投資国家というんですけれども、こういった投資国家としての国家の側面をどう見たらいいのかということですけれども、やはりどうやって十年間、こういった予算枠を取る場合に、効果検証をしながら、仮にうまくいかない場合にチェックしていくかということは一つ仕組みづくりとして重要ですね。そういう意味では、定期的に財政支出とその効果検証、進捗度というものを国会の場で情報を開示して、まさに先生方に議論していただくという場をつくっていくことが私は必要かなというふうに思っております。
また、十七分野というのは総花過ぎるという批判もあるんですが、他方で、リスク分散と捉えることもできるんですね。ベンチャーキャピタルのお金の出し方が、まあ十案件を出して一成功するか否かという世界でやっているわけですね。その代わり、その成功する一がどかんと収益を、リターンをもたらしてくれるわけですね。ほかが損失しても、はるかにそれを上回る収益をその成功事例が、数少ない成功事例がもたらしてくれる。まあ国家がそういうギャンブルしていいかという問題あるんですけれども、なるべくリスク分散して広く投資をするという考え方もないわけではないというふうに思います。
さて、今後これが中長期的な財政にもたらす影響ということですけれども、これ内閣府の出している、経済財政諮問会議で出された資料ですね。過去投影ケースでいきますと、現在は公債残高の対GDP比は下がっていくトレンドの中にありまして、なのでこのまま行っても大丈夫だという声がある一方、しかし、金利が皆さん御存じのように上昇してきていますので、これが当然財政支出の側にも反映されてきますので、それを考えると、いつかはこれ反転をしてまいります。ですので、成長促進による成長の伸びの部分と金利上昇分の競争みたいになってくるわけですね。うまくいけばピンクのラインのようになりますし、最悪、Xマークの、この点線のブルーのようになってしまいかねない部分もあります。
また、一%程度金利が上昇しただけでどれだけ財政負担が高まるかは、この財務省の試算、左が昨年の試算で、右が今年の指標で、十兆円も財政負担が一%金利が上昇しただけで増えているという試算でございます。
さて、それを受けまして、今度、税制について、じゃ、この負担をどうするのかということですね。もちろん、成長で一〇〇%上がればいいんですけれども、その投資の財源を普通は手当てしなきゃいけないというふうに考えなければいけないと思います。
小塩先生が既に社会保障の支出面について述べられたところですけれども、こちらなどは日本の特徴、社会保障支出の特徴ですけれども、一番左、日本の特徴で、ブルーと紫のライン、これはほとんど高齢者向けなんですけれども、医療、介護、年金ですね。日本の特徴は、この高齢者向けの三つの支出で八割ぐらい占めているということで、欧州などはこれに対して現役世代、家族手当だとか子育て支援とか、勤労者に対する職業教育訓練とか、こういったものを社会保障に、あと住宅手当ですね、こういったものが含まれているという点に大きな違いがあるかというふうに思います。
それから、こちら御覧いただきますと、社会保険料、日本は社会保険システムが基本ですので、保険料収入はもちろん大きいんですけれども、公費の比率が年々高まっているというのが趨勢としてございます。
その社会保険料ですけれども、次の十三枚目に行きますけれども、報酬比例という言葉がございますように、賃金ベースで掛けるX%という形で保険料収入が入ってくる、労使折半ですけれども、これは頭打ちがありまして、賃金に対して一定の金額に達するとそこで上限がございますので、トータルでその賃金収入に対する保険料負担比率ということで見ますと、高所得者に行けば行くほど負担率が低下するという意味で逆進性を持っているということがよく指摘をされます。
とはいえ、社会保険料の伸びがなければ、恐らく日本の社会保障のファイナンスはもっと困難に陥っていたであろうというふうに思います。
こちら十四枚目に御覧いただいていますけれども、ちょっとブルー同士で見にくくて申し訳ないんですけれども、薄い方のブルーが社会保険料収入です。バブル崩壊で右肩下がりに一旦なってしまっていて、リーマン・ショックを越えて再び右肩上がりになっているのが濃い紺色が税収ですね。税収がバブル崩壊以降、右肩下がりで減少していった時期も社会保険料は引き続き増収をずっと記録していたという点で、非常に大きな財源調達効果を持っていたということになります。
ただし、ちょっとこのスライドはスキップさせていただきまして、こちらの十六ページ目になりますけれども、結果として、社会保険の負担率、社会保険料率と呼んでいますが、これは上昇の一途をたどってきたということになります。また、人口のコーホートが若い人ほど減っていますので、逆三角形になっているので、現役世代が、より少ない人がより多くの負担を負うというような形にやっぱりどうしてもならざるを得ないので、社会保険料の負担は、かつての若者、現役世代に比べて非常に高い比率で保険料を負担しているのがこの負担感につながっているということだと思います。
それで、小塩先生も言及されたように、応能的な負担というので考えられないかという議論が起きていて、それが全世代型社会保障構築会議というものの役割であったわけです。そこで窓口負担を、金融所得あるいは金融資産との関係で窓口負担を引き上げられないかという議論が起きてきたわけでございます。
実際、この資料に出ていますけれども、こちらの十八枚目のスライドは、いわゆる純資産、資産から負債を引いた純資産で見ると、確かに高齢者の方が純資産高いと、現役世代は家を買ったり車を買ったり、子供、子育てだとかで支出が多いし、どうしても負債先行になってしまうということで、高齢者が余裕があるんじゃないかという資料が出たり、また、それは同時に高所得者の方が資産が大きいという示唆が行われたりして、応能的な負担にも合致するんじゃないか、こういう議論が行われてきたところでございます。
ただ、私も窓口負担を引き上げることに対して若干慎重に考えるべきではないかなというふうには思っています。
じゃ、どうするのかということなんですが、ここからが御提案というふうになりますけれども、福祉国家の財源を調達するには、これまでは社会保険料を引き上げるか、あるいはもう消費税を引き上げるかの二者択一というふうに考えられてきたわけですけれども、社会保険料は逆進性、あと現役世代に負担を課すと。それから、消費税もまた逆進的影響を持つのはよく知られているとおりでして、そういう意味では国民の反発が非常に強いというのもまた事実でございます。
その中で、海外見ますと、今から御紹介いたしますように、新たな税、しかも社会保障目的の言わば第二所得税ともいうべき税金を導入している事例が出てきております。
それがフランスのCSGということで、これが二十二ページに出てきているとおりでございまして、例えば社会保険料というのは実質賃金税なんですね。賃金ベースのみに課税をする、報酬比例という形で課税をする税金と見ることもできます。これに対してフランスのCSGは、実は金融所得やくじ、このスライドの下の方に書いていますが、くじやカジノなどの獲得金、それからキャピタルゲインですね、投資益というふうに書いています、こういったものに対しても課税をしていく。代替所得というのは年金ですけれども、かなり広いベースに負担を課していき、しかも日本で問題になっている、こちら、ちょっともう少し先のスライドになるんですが、一億円の壁というふうに言われる、どうしても金融所得に対しては日本の所得税法上では二〇%の税率一本であるがために、金融所得の比率が多い一億円以上の年収の方々のところはむしろ負担率が下がってしまうという現象ですね。これに対してどう対処するかという点でも、課税ベースをもう少し広げることによって、賃金だけに掛けるのではなくて、こういったCSGのように金融所得に対しても掛けていくタイプの応能的な社会保障目的税というものも考えられてよいのではないかなというふうに思います。
これは導入されてから、この二十三枚目のスライドにございますように、税率は引き上げられていっております。また、これによって、次のスライド、二十四枚目ですけれども、社会保険料という一番表の上の横の行を見ていただくと、一九六八年から右の方へ二〇〇七年にかけて社会保険料率は引き下げられていく一方、社会保険の、ごめんなさい、収入比率は引き下げられる一方、真ん中ちょっと上にあるCSGと書いてあります、今御紹介したものが四割近くを占めるようになってきていると。こちら、要するに負担構造としてはより応能的になったということでございます。
また、アメリカはオバマ大統領が、オバマ政権のときに、オバマケアというものを導入する一方で、その財源の調達に投資純利益税というものを導入いたしました。同様に、課税ベースは今申し上げたような金融所得や、それからキャピタルゲインにも課税をするというスタイルを取っております。
日本はと申しますと、日本は一億円の壁が問題になってきたぐらいでございますから、やはり金融所得を分離で二一%一本で課税というふうになってきているわけですが、さすがにこれ問題だねと岸田首相の頃から問題提起をして、石破首相のときもこれ問題提起して、でも、いずれも株価がぼおんと下落したりして、ちょっと断念、先送りというふうになってきたのに対して、ようやく対処したのが通称ミニマム税というもので、これは非常に私は大事な一歩が入ったというふうに思っております。
具体的に言いますと、図示するとこういうふうになるんですけれども、三・三億円控除されますけれども、三・三億円から国税、所得税の最高税率である四五%の半分の税率、二二・五%のラインが点線で右の方に引かれています。ここに漸近線がずうっと点線で引かれてきまして、これは、意味は、これ以下の税負担というのは幾ら何でも、高所得者であれば、以下になるというのは幾ら何でもおかしいですよねと、最低これぐらいは払ってくださいねというラインが引かれているわけなんですね。現実の税負担は黒実線で、一旦、一億円で山に達して下がっていますので、これを下回っているところがちょうど斜線で引かれている面積の部分、ここが漸近線よりも現実の税負担が下回っているエリアということになります。この斜線部分に対して課税をし税収を得ているのがこのミニマム税ということで、余りにも税金が負担が軽くなってしまうのを是正する措置として導入されました。
こちら、しかし規模感をちょっと見ていただきますと、これ本当にまだ子供のような税金でして、左、日本ですけど、納税者は三百人、日本全体でたったの三百人、税収五百五十億円、右側を見ていただくと、投資純利益税の方は何と納税者五百四十三万人、日本円にして三・七兆円の税収ということですから、国の規模の違いを考慮しても非常に大きな違いがあります。日本はもう少しこのミニマム税を拡張できるんじゃないかな、そして社会保障財源に充てられるんじゃないかなと思っております。
これが最後のスライドです。
こういった税金を入れていく上でも、やはり税収基盤として所得をどういうふうにつかんでいくか、金融所得にしっかり課税をしようとしますと、どうしてもマイナンバー制度の活用、銀行口座の付番といったことが必要になってきます。こういった税制のデジタル基盤というものの整備も是非先生方に進めていただきたいなというふうに考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
野
野上浩太郎#6
○会長(野上浩太郎君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行うこととし、各会派一名ずつ指名するよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、答弁を含めた時間がお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
質疑のある方は挙手を願います。
それでは、かまやち敏君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行うこととし、各会派一名ずつ指名するよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、答弁を含めた時間がお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
質疑のある方は挙手を願います。
それでは、かまやち敏君。
か
かまやち敏#7
○かまやち敏君 自由民主党、かまやち敏と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
お二人の参考人におかれましては、大変お忙しいところ、今日は大変貴重なお話を伺わせていただくことができました。
まず、小塩参考人にお尋ねを申し上げますが、我が国の公的医療保険制度においては、新たな治療法を公的医療保険に取り込むかどうかについては、有効性と安全性がしっかり確認できたものについては基本的に公的な医療保険の中に取り込んでいくという、そういう方向で今運用されておるわけですが、先生が御指摘のように、高額の薬剤費がないと、とても手に入らない薬を徐々に入れてくることによって非常に更に医療費が上がってしまうということに対して、先ほど御懸念も示しておられました。
今の運用である、有効で安全性も確認できたものについてはもう取り込んでいくという方針については、いずれそうはいかなくなるんだろうなということは漠然と思っておりますけれども、その辺りについて、現時点での先生の御判断と今後の見通しについて、まずお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →お二人の参考人におかれましては、大変お忙しいところ、今日は大変貴重なお話を伺わせていただくことができました。
まず、小塩参考人にお尋ねを申し上げますが、我が国の公的医療保険制度においては、新たな治療法を公的医療保険に取り込むかどうかについては、有効性と安全性がしっかり確認できたものについては基本的に公的な医療保険の中に取り込んでいくという、そういう方向で今運用されておるわけですが、先生が御指摘のように、高額の薬剤費がないと、とても手に入らない薬を徐々に入れてくることによって非常に更に医療費が上がってしまうということに対して、先ほど御懸念も示しておられました。
今の運用である、有効で安全性も確認できたものについてはもう取り込んでいくという方針については、いずれそうはいかなくなるんだろうなということは漠然と思っておりますけれども、その辺りについて、現時点での先生の御判断と今後の見通しについて、まずお伺いできればと思います。
小
小塩隆士#8
○参考人(小塩隆士君) かまやち先生、どうもありがとうございます。
私も、先ほど申しましたけど、中医協の仕事をしておりまして、そのときにも高額の医薬品の保険収載がよく議論されました。現行制度でも、市場で非常にそのお薬が出回るようになると薬価を引き下げましょうとか、あるいはその前に費用対効果のスクリーニングを掛けるとか、いろんな仕組みがあります。あるんだけれども、私の感じではやはり特例扱いのような感じがして、先生方御存じのように、先週もiPS細胞を使った高額の医療、お薬が保険収載されたんですけれども、ここまで頻繁に保険収載されるかということは想定されていないんじゃないかなというふうに思うんですね。
ですから、これは是非、どういうふうな扱いをするかというのを改めて議論しないといけないと思うんですけれども、取りあえずめり張りを付けるということは必要じゃないかなと思います。実際に、例えば、後発品がもう出回っている、いわゆる長期収載品と言いますね、それについてはもう保険の対象から外しましょうとか、そういうふうな取組がありますし、それから、私もその流れでOTC類似薬の扱いも検討せざるを得ないんじゃないかなというふうに思います。
そういうことで、高額医薬品は、それを待っていらっしゃる方がたくさん、たくさんじゃないかもしれないけど、本当にないと困るという人はたくさんいらっしゃるので、それを現行の医療保険の仕組みでちゃんと支えるためには、ある程度のめり張りの利かせ方というのは強めていかないといけないんじゃないかなというふうに思っております。
この発言だけを見る →私も、先ほど申しましたけど、中医協の仕事をしておりまして、そのときにも高額の医薬品の保険収載がよく議論されました。現行制度でも、市場で非常にそのお薬が出回るようになると薬価を引き下げましょうとか、あるいはその前に費用対効果のスクリーニングを掛けるとか、いろんな仕組みがあります。あるんだけれども、私の感じではやはり特例扱いのような感じがして、先生方御存じのように、先週もiPS細胞を使った高額の医療、お薬が保険収載されたんですけれども、ここまで頻繁に保険収載されるかということは想定されていないんじゃないかなというふうに思うんですね。
ですから、これは是非、どういうふうな扱いをするかというのを改めて議論しないといけないと思うんですけれども、取りあえずめり張りを付けるということは必要じゃないかなと思います。実際に、例えば、後発品がもう出回っている、いわゆる長期収載品と言いますね、それについてはもう保険の対象から外しましょうとか、そういうふうな取組がありますし、それから、私もその流れでOTC類似薬の扱いも検討せざるを得ないんじゃないかなというふうに思います。
そういうことで、高額医薬品は、それを待っていらっしゃる方がたくさん、たくさんじゃないかもしれないけど、本当にないと困るという人はたくさんいらっしゃるので、それを現行の医療保険の仕組みでちゃんと支えるためには、ある程度のめり張りの利かせ方というのは強めていかないといけないんじゃないかなというふうに思っております。
か
かまやち敏#9
○かまやち敏君 ありがとうございます。
その場合に、現時点では余り現実的ではないと私自身は思っていますが、現在のこの医療保険と別建ての保険をそういう特別なものに対しては新たに構築するということを考えると。その場合の大事なことは、保険料をどういうふうにそれを払うかというところが非常に難しいので、現時点ではちょっと実現不可能かなと思っていますが、その辺りについて先生の何かお考えがあれば。
この発言だけを見る →その場合に、現時点では余り現実的ではないと私自身は思っていますが、現在のこの医療保険と別建ての保険をそういう特別なものに対しては新たに構築するということを考えると。その場合の大事なことは、保険料をどういうふうにそれを払うかというところが非常に難しいので、現時点ではちょっと実現不可能かなと思っていますが、その辺りについて先生の何かお考えがあれば。
小
小塩隆士#10
○参考人(小塩隆士君) ありがとうございます。
現行制度でも先端医療については保険の枠組みの外で試行的に適用して効果を見ましょうというような仕組みがあると思いますけど、これから医療技術がどんどん進むということになりますと、そういう基本になる医療保険の仕組みとは別に、若干、試行的な形にはなるかと思いますけれども、医療技術の進展というのも必要ですので、それをサポートするような仕組みというのは別途用意する必要があるのではないかと私も思います。
以上です。
この発言だけを見る →現行制度でも先端医療については保険の枠組みの外で試行的に適用して効果を見ましょうというような仕組みがあると思いますけど、これから医療技術がどんどん進むということになりますと、そういう基本になる医療保険の仕組みとは別に、若干、試行的な形にはなるかと思いますけれども、医療技術の進展というのも必要ですので、それをサポートするような仕組みというのは別途用意する必要があるのではないかと私も思います。
以上です。
か
かまやち敏#11
○かまやち敏君 どうもありがとうございます。
なかなか難しい問題だなというふうにずっと考えておるところですけれども、いずれ、国民の皆さんのきちんとした理解と協力をいただいて、そういうことも考えなきゃならないのかなというふうにも思っております。
それでは次に、諸富先生にお伺いを申し上げます。
今日の指摘の中で、今後、社会保険料に、特に社会保障の中で、特に医療、介護はそうでありますけれども、社会保険料に余り過度に依存しない形で税収を新たに確保するということは是非必要だろうと思って、今日のお示しいただいた一つの例も非常に参考になるなと思いながら拝見をしたのですけれども、一方、現状においては非常に、先ほど先生がおっしゃった規模感がもう余りにも小さ過ぎるんですけれども、これを今後、ある程度のボリュームに増やしていくためにはどういう工夫や手だてが必要だというふうにお考えでしょうか。御教示賜れれば幸いです。
この発言だけを見る →なかなか難しい問題だなというふうにずっと考えておるところですけれども、いずれ、国民の皆さんのきちんとした理解と協力をいただいて、そういうことも考えなきゃならないのかなというふうにも思っております。
それでは次に、諸富先生にお伺いを申し上げます。
今日の指摘の中で、今後、社会保険料に、特に社会保障の中で、特に医療、介護はそうでありますけれども、社会保険料に余り過度に依存しない形で税収を新たに確保するということは是非必要だろうと思って、今日のお示しいただいた一つの例も非常に参考になるなと思いながら拝見をしたのですけれども、一方、現状においては非常に、先ほど先生がおっしゃった規模感がもう余りにも小さ過ぎるんですけれども、これを今後、ある程度のボリュームに増やしていくためにはどういう工夫や手だてが必要だというふうにお考えでしょうか。御教示賜れれば幸いです。
諸
諸富徹#12
○参考人(諸富徹君) ありがとうございます。
スライドの、ちょっとそちらでいいますと二十八枚目、二十八枚目お手元を見ていただければと思いますが、一つは二二・五%というこの税率を引き上げるという方法がございます。これ、かなりえいやと決めたような感じでして、四五%の半分という根拠で、余りそれ以上の根拠がないですね。あと、特別控除額、なぜ三・三億円かも問題でして、これを、三・三億円ではなくて、もう少し左の方へ寄せていくというような形でやればこの斜線面積が広がりますので、そういう形で税収増を図っていくことはできるのかなというふうに思います。
この発言だけを見る →スライドの、ちょっとそちらでいいますと二十八枚目、二十八枚目お手元を見ていただければと思いますが、一つは二二・五%というこの税率を引き上げるという方法がございます。これ、かなりえいやと決めたような感じでして、四五%の半分という根拠で、余りそれ以上の根拠がないですね。あと、特別控除額、なぜ三・三億円かも問題でして、これを、三・三億円ではなくて、もう少し左の方へ寄せていくというような形でやればこの斜線面積が広がりますので、そういう形で税収増を図っていくことはできるのかなというふうに思います。
か
かまやち敏#13
○かまやち敏君 ありがとうございます。
それで、この今お示しいただいたところと、それから諸外国の様子も比較して、社会保障に目的を限った形で使途を決めるということは大変理にかなっているとは思うんですけれども、私どもは、消費税が福祉目的税と言われていながらちっともそうなっていないという経験があるので、ちょっとその辺りは抵抗があるんですけれども、しっかり目的を限定するということは諸外国においてはきちっと達成されていることと認識してよろしいのでしょうか。
この発言だけを見る →それで、この今お示しいただいたところと、それから諸外国の様子も比較して、社会保障に目的を限った形で使途を決めるということは大変理にかなっているとは思うんですけれども、私どもは、消費税が福祉目的税と言われていながらちっともそうなっていないという経験があるので、ちょっとその辺りは抵抗があるんですけれども、しっかり目的を限定するということは諸外国においてはきちっと達成されていることと認識してよろしいのでしょうか。
諸
諸富徹#14
○参考人(諸富徹君) そうですね、フランスのケースにおいてもアメリカのケースにおいても、もうこれは使途限定の税金なんですね。一般に、財政学ではノン・アフェクタシオン原則というのがございまして、使途を特定化するのはよろしくないという議論がありまして、国会で先生方が、税収に対してどういう使途を付けるかはまさに国会で議論、議決すべき事柄なので、余り一対一で収入と支出を結び付けてしまいますと、硬直化、財政硬直化しますのでよろしくないという議論なんですけれども。
やはり、現在の増税に対する、負担増に対する国民の非常に大きな反発を考慮しますと、これをこういう形で国民に還元するという約束をしないことにはなかなか負担増の話は難しいのかなというふうに思いまして、ちょっとこういう議論に対して私は少し傾いているところでございます。
この発言だけを見る →やはり、現在の増税に対する、負担増に対する国民の非常に大きな反発を考慮しますと、これをこういう形で国民に還元するという約束をしないことにはなかなか負担増の話は難しいのかなというふうに思いまして、ちょっとこういう議論に対して私は少し傾いているところでございます。
か
かまやち敏#15
○かまやち敏君 ありがとうございます。
医療、介護、また福祉は国民が生きていくためにもうなくてはならない社会基盤だと思いますので、何とかそれを維持、継続していかなければいけないと強く思うんですけれども、一方で、財源がなくなってくると綻びが出てくるし、また我が国においては人口構成が今後ますます大きく変わりますから、地域によってはなかなか、それぞれの地域全てに医療、介護、福祉を十分に手当てするというのは難しいだろうなというふうにずっと日々考えているんですけれども。
その中で、何とか持続可能性を担保する意味で、この二十四ページでお示しいただいた、これはフランスの例だと思いますが、これまでの実績で社会保険料がこんなに下がったんだというのを私自身はこれを初めて知りまして、非常に驚いた次第です。
ですから、このような形での取組をすれば、幅広い会派の皆さんもきっと賛同していただけるんだろうなと思いながらこの表を見たんですけれども、さらに、これを我が国において導入する上において何か懸念すべき事項とか、あるいは注意しなければならないことというのがありましたら、御教示賜りたいと思います。
この発言だけを見る →医療、介護、また福祉は国民が生きていくためにもうなくてはならない社会基盤だと思いますので、何とかそれを維持、継続していかなければいけないと強く思うんですけれども、一方で、財源がなくなってくると綻びが出てくるし、また我が国においては人口構成が今後ますます大きく変わりますから、地域によってはなかなか、それぞれの地域全てに医療、介護、福祉を十分に手当てするというのは難しいだろうなというふうにずっと日々考えているんですけれども。
その中で、何とか持続可能性を担保する意味で、この二十四ページでお示しいただいた、これはフランスの例だと思いますが、これまでの実績で社会保険料がこんなに下がったんだというのを私自身はこれを初めて知りまして、非常に驚いた次第です。
ですから、このような形での取組をすれば、幅広い会派の皆さんもきっと賛同していただけるんだろうなと思いながらこの表を見たんですけれども、さらに、これを我が国において導入する上において何か懸念すべき事項とか、あるいは注意しなければならないことというのがありましたら、御教示賜りたいと思います。
諸
諸富徹#16
○参考人(諸富徹君) 一番の問題は、負担増となる金融所得を得ている人の反発ではないかなと。
これは、税に置き換えることによって、例えばこの給付を受けている人は、それまでは、例えば保険、何らかの理由で保険に入れない、入ることができない、あるいは保険料の支払滞ってしまって給付を受けられなくなってしまったような人も包含するために税財源に依拠していきましょうという話で始まりましたので、その点ではプラスですし、それから、社会保険料を引き下げる上で、企業の特に保険料負担を下げたんですね。なので、企業の国際競争力を引き上げるという意味でも企業さんにとってもプラスだったんですが、唯一マイナスになるのは金融所得の人たちが負担増になるということですね。そこをどういうふうに説得していくかというところがクリティカルなポイントかなというふうに思います。
この発言だけを見る →これは、税に置き換えることによって、例えばこの給付を受けている人は、それまでは、例えば保険、何らかの理由で保険に入れない、入ることができない、あるいは保険料の支払滞ってしまって給付を受けられなくなってしまったような人も包含するために税財源に依拠していきましょうという話で始まりましたので、その点ではプラスですし、それから、社会保険料を引き下げる上で、企業の特に保険料負担を下げたんですね。なので、企業の国際競争力を引き上げるという意味でも企業さんにとってもプラスだったんですが、唯一マイナスになるのは金融所得の人たちが負担増になるということですね。そこをどういうふうに説得していくかというところがクリティカルなポイントかなというふうに思います。
か
野
小
小島とも子#19
○小島とも子君 立憲民主党・無所属の小島とも子と申します。よろしくお願いいたします。
今日は、二人の先生方、どうもありがとうございました。お配りいただいた資料も見せていただきながら、非常に興味深いというか、課題いっぱいあるなと思いながら、今日も聞かせていただきました。
まず、小塩参考人にお伺いをいたします。
高齢の方々が労働市場に参入することで働き手が増えている。これは喜ばしいことだ、まあまあ健康もある、それからメンタルが少し大変だなというようなお話もあったかなと、書いてあったものに、そんなふうに思うんですけれども。
ただ、やっぱりある程度の年齢になったときに、働かないということを選択できる自由みたいなのを手にすることができないというふうに逆に考えることもできるかなと思うんですが、その辺りについてはいかがお考えでしょう。
この発言だけを見る →今日は、二人の先生方、どうもありがとうございました。お配りいただいた資料も見せていただきながら、非常に興味深いというか、課題いっぱいあるなと思いながら、今日も聞かせていただきました。
まず、小塩参考人にお伺いをいたします。
高齢の方々が労働市場に参入することで働き手が増えている。これは喜ばしいことだ、まあまあ健康もある、それからメンタルが少し大変だなというようなお話もあったかなと、書いてあったものに、そんなふうに思うんですけれども。
ただ、やっぱりある程度の年齢になったときに、働かないということを選択できる自由みたいなのを手にすることができないというふうに逆に考えることもできるかなと思うんですが、その辺りについてはいかがお考えでしょう。
小
小塩隆士#20
○参考人(小塩隆士君) 働かないという選択をできないという場合も確かにあると思うんですね。それが私の話の後半で申し上げた貧困の高齢化というものだと思うんですね。蓄えもないし年金もたくさんもらっていないということになると、もう働かざるを得ないんじゃないかなという状況があります。それは、私たちの計算で大体世の中の二割ぐらいの人がそういう状況に直面しているということだろうと思います。
これは、やはり何か政策的に支援しないといけないと思うんですね。そういう深刻な状況に置かれる人が今後増えるんじゃないかなというふうに思っています。そのために、私、先ほど申し上げましたけど、社会保障ではちょっと対応し切れないので、年金をより充実したものにしていく必要があるんじゃないかなというふうに、そういうふうに申し上げました。
この発言だけを見る →これは、やはり何か政策的に支援しないといけないと思うんですね。そういう深刻な状況に置かれる人が今後増えるんじゃないかなというふうに思っています。そのために、私、先ほど申し上げましたけど、社会保障ではちょっと対応し切れないので、年金をより充実したものにしていく必要があるんじゃないかなというふうに、そういうふうに申し上げました。
小
小島とも子#21
○小島とも子君 ありがとうございます。
社会保障をどうやって担うかって難しいと思うんですね。消費税をなかなか上げにくいですとか、社会保険料も負担が非常に多いとか、二者択一ではということで、諸富参考人のそのやっぱり第三の何か方法が要るんじゃないかということでのフランスのCSGだったのかなというふうに捉えさせていただいたんです。調べさせていただいたときに、医療保険の一部だとか年金だとか家族手当だとか、いろんなものにフランスは使われているということでした。非常に興味深いです。
お二方にお伺いをしたいんですけれども、やっぱり消費税は反発が大変あるので、社会保障等の財源としても引き上げるのはこれから先も非常に難しいというふうにお思いですか。
この発言だけを見る →社会保障をどうやって担うかって難しいと思うんですね。消費税をなかなか上げにくいですとか、社会保険料も負担が非常に多いとか、二者択一ではということで、諸富参考人のそのやっぱり第三の何か方法が要るんじゃないかということでのフランスのCSGだったのかなというふうに捉えさせていただいたんです。調べさせていただいたときに、医療保険の一部だとか年金だとか家族手当だとか、いろんなものにフランスは使われているということでした。非常に興味深いです。
お二方にお伺いをしたいんですけれども、やっぱり消費税は反発が大変あるので、社会保障等の財源としても引き上げるのはこれから先も非常に難しいというふうにお思いですか。
野
小
小塩隆士#23
○参考人(小塩隆士君) これは、私は、最初に政府の給付の見通しをお見せしました。あれを見ますと、私は、大まかな計算ですけど、二〇四〇年に向けて、社会保障財源としては消費税率五%ポイントぐらいの引上げが必要かと思っています。それぐらいの影響がこれから少子高齢化に予想されるわけですね。それを消費税なしで、その財源を消費税なしで賄うということはかなりきついんじゃないかなというのは正直なところです。
それをできるだけ軽減するにはどうしたらいいかということですけど、話戻りますけれども、やっぱり働ける人はできるだけ働くということが重要じゃないかなと思っているんです。
前回の年金財政も、皆さんが予想していたように、うまくいったところがあると思うんですね。それほど負担を掛けないで改革もできた。それは何かというと、予想していた以上に働く人が増えて、保険料が増えたという、そういう現実があるんですね。
そういうのを考えると、もちろん消費税引き上げるというのは数字で見たら必要になるかもしれないんですけど、その必要性を弱めるためにはできるだけ働き手を増やす、支え手を増やすということは重要になるんじゃないかなというふうに思います。その対策のために掛かるエネルギーってそれほど、そのエネルギー、ごめんなさい、消費税率引き上げるというのに比べると少なくて済むんじゃないかなと私は勝手に思っているんですけれども。
以上です。
この発言だけを見る →それをできるだけ軽減するにはどうしたらいいかということですけど、話戻りますけれども、やっぱり働ける人はできるだけ働くということが重要じゃないかなと思っているんです。
前回の年金財政も、皆さんが予想していたように、うまくいったところがあると思うんですね。それほど負担を掛けないで改革もできた。それは何かというと、予想していた以上に働く人が増えて、保険料が増えたという、そういう現実があるんですね。
そういうのを考えると、もちろん消費税引き上げるというのは数字で見たら必要になるかもしれないんですけど、その必要性を弱めるためにはできるだけ働き手を増やす、支え手を増やすということは重要になるんじゃないかなというふうに思います。その対策のために掛かるエネルギーってそれほど、そのエネルギー、ごめんなさい、消費税率引き上げるというのに比べると少なくて済むんじゃないかなと私は勝手に思っているんですけれども。
以上です。
諸
諸富徹#24
○参考人(諸富徹君) 規模感からいうと、どうしても消費税上げないともうこのギャップが、支出と収入のギャップが埋まらないんじゃないかなというふうになるんですよね。それなので、消費税引上げが必要ということが最近もOECDのジャパンレビューとかで、一九%でしたっけ、までぐらいまで引き上げないと駄目だみたいなことが数としては出てくるんですけれども、じゃ、現実できるのかというと、私は難しいと思っています。
というのは、やっぱり日本の実質賃金が下がっているんですよね。一九九〇年から名目賃金でも各国は上がっているのに日本だけずっと横ばいで来ているわけでして、それに物価上昇が始まってきたわけですよね。そうするとますます、むしろ下がってきているので、最近ようやく大企業を中心に物価を上回る賃上げが可能になってきたので、ようやくそういう兆しが見えてきたなというふうにはなっているんですけれども、要は実質賃金が下がっている中で消費税が食い込んでくると非常に苦しくなる、負担感というものが従来に増して食い込んでくる、これが多分、日本の皆さんの、有権者の方々の消費税に対する危機感ではないかなというふうに思うんですね。
なので、消費税上げられる、私は消費税否定論者ではなくて、消費税もいつか必要と思っているんですけれども、その条件がやっぱりあって、それは実質賃金がプラスに持続的に、そういう経済運営を行うことではないかなというふうには思っています。それが達成されない限り実際には難しいだろうな、なので、こういう応能的なというような議論を出しているのはそういう外因がございます。
この発言だけを見る →というのは、やっぱり日本の実質賃金が下がっているんですよね。一九九〇年から名目賃金でも各国は上がっているのに日本だけずっと横ばいで来ているわけでして、それに物価上昇が始まってきたわけですよね。そうするとますます、むしろ下がってきているので、最近ようやく大企業を中心に物価を上回る賃上げが可能になってきたので、ようやくそういう兆しが見えてきたなというふうにはなっているんですけれども、要は実質賃金が下がっている中で消費税が食い込んでくると非常に苦しくなる、負担感というものが従来に増して食い込んでくる、これが多分、日本の皆さんの、有権者の方々の消費税に対する危機感ではないかなというふうに思うんですね。
なので、消費税上げられる、私は消費税否定論者ではなくて、消費税もいつか必要と思っているんですけれども、その条件がやっぱりあって、それは実質賃金がプラスに持続的に、そういう経済運営を行うことではないかなというふうには思っています。それが達成されない限り実際には難しいだろうな、なので、こういう応能的なというような議論を出しているのはそういう外因がございます。
小
小島とも子#25
○小島とも子君 ありがとうございます。
コロナのときに一律十万円給付というのがあって、あれ多分全額で十三兆円ぐらい使われたというふうに言われていたけれども、例えば日豪の調査なんかによると七割ぐらいが貯蓄されたんじゃないかと、結局消費に回らなかったんじゃないかという、そういう研究結果が出ていると思うので、あのときの給付の意味は何だったんだろうというのが出されていると思うんですが、ただ、あのときにベーシックインカムの話が少し出てきて、そして、それは余りにも規模が大き過ぎて実質的ではないということで、ベーシックサービスの考え方が出てきたというふうに思っています。
消費税をどうやって使うかということにやっぱり主軸を置いて、そのときはみんな同じ税率で、逆進性もありますから大変だけれども、それをいろんなサービスでもって、ゼロで済む人がある程度の層、以下といいますか、の人たちに回るんだったら、それは考え方としては、なかなか難しいけれども、考え方としてはあるんじゃないかという話だったというふうに思うんですね。
先生方、ベーシックサービスについてはいかがお考えでしょうか。
この発言だけを見る →コロナのときに一律十万円給付というのがあって、あれ多分全額で十三兆円ぐらい使われたというふうに言われていたけれども、例えば日豪の調査なんかによると七割ぐらいが貯蓄されたんじゃないかと、結局消費に回らなかったんじゃないかという、そういう研究結果が出ていると思うので、あのときの給付の意味は何だったんだろうというのが出されていると思うんですが、ただ、あのときにベーシックインカムの話が少し出てきて、そして、それは余りにも規模が大き過ぎて実質的ではないということで、ベーシックサービスの考え方が出てきたというふうに思っています。
消費税をどうやって使うかということにやっぱり主軸を置いて、そのときはみんな同じ税率で、逆進性もありますから大変だけれども、それをいろんなサービスでもって、ゼロで済む人がある程度の層、以下といいますか、の人たちに回るんだったら、それは考え方としては、なかなか難しいけれども、考え方としてはあるんじゃないかという話だったというふうに思うんですね。
先生方、ベーシックサービスについてはいかがお考えでしょうか。
野
小
小塩隆士#27
○参考人(小塩隆士君) ありがとうございます。
私もそれは非常に重要な考え方ではないかなと思います。どのような生活形態をしていても一定のサービスが得られるということは、消費税の逆進性等々の問題を軽減する大きな一つの方法ではないかなというふうに思います。どこまでそれが国民の皆さんの納得を得られるかというのは別の問題だと思うんですけど、アイデアとしては非常に興味深いなというふうに拝聴いたしました。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →私もそれは非常に重要な考え方ではないかなと思います。どのような生活形態をしていても一定のサービスが得られるということは、消費税の逆進性等々の問題を軽減する大きな一つの方法ではないかなというふうに思います。どこまでそれが国民の皆さんの納得を得られるかというのは別の問題だと思うんですけど、アイデアとしては非常に興味深いなというふうに拝聴いたしました。
ありがとうございます。
諸
諸富徹#28
○参考人(諸富徹君) 現状でも、社会保障の支出の受け手がどれだけ給付やサービスを受けているかということと、それから、どれだけ税金や社会保険料で払っているかということのプラスマイナスをネット、つまり差引きで計算したら、受取あるいは出の方が多い人もいるんですけれども、それを所得階層ごとに見たときに、ちゃんと累進的といいますか、になっている。ある一定程度の所得、高所得者層は、払う方が大きくてもらう方がそんなに大きくない、低所得者になればなるほど払う方が小さくなって給付はそれなりなので、プラマイでやるともらっている方が大きいというふうに明瞭に出てくるんですね、これ内閣府の試算でそういうのが行われているんですけれども。
なので、今先生のお話伺っていると、ベーシックサービスというのはそれをもっと拡充して、消費税は負担は逆進的かもしれないけれども、同様に支出の方もきちっと、むしろ何というんですかね、低所得者層に手厚く行くはずだから、プラマイしてみるとむしろ低所得者の人にとってはプラスになるよというお話だというふうに伺いました。
なので、あとはイメージですかね。自分のところに確実にサービスが充実して、生活が下支えされるという確信を持てれば、イエスと言えるんじゃないかなと思うんですね。
この発言だけを見る →なので、今先生のお話伺っていると、ベーシックサービスというのはそれをもっと拡充して、消費税は負担は逆進的かもしれないけれども、同様に支出の方もきちっと、むしろ何というんですかね、低所得者層に手厚く行くはずだから、プラマイしてみるとむしろ低所得者の人にとってはプラスになるよというお話だというふうに伺いました。
なので、あとはイメージですかね。自分のところに確実にサービスが充実して、生活が下支えされるという確信を持てれば、イエスと言えるんじゃないかなと思うんですね。
小
小島とも子#29
○小島とも子君 ありがとうございます。
いろんなことを調べていたら、今給付とベーシックサービスの組合せというのが新しい考え方で出てきているよというふうなのがあって、何かベーシックアセットというふうに書いてありましたけれども、やっぱりそれを組み合わせながら、国民の皆さんに本当に理解を得られるのであれば、例えば誰もスティグマを感じずに最後まで生きられるのではないかなというふうにも思ったところなので、何かそういうことも、今、小塩参考人がやっぱり国民会議の中でそういう全体像をしっかりと描いてお話しいただきたいというふうにおっしゃっていましたけれども、まさしくその方法論だけではなくて、何かその仕組みそのものを論じるということは非常に大事だなというふうに思いました。
いっぱい細かいことは聞きたいんですけど、きっともう時間ですので、ありがとうございました。
この発言だけを見る →いろんなことを調べていたら、今給付とベーシックサービスの組合せというのが新しい考え方で出てきているよというふうなのがあって、何かベーシックアセットというふうに書いてありましたけれども、やっぱりそれを組み合わせながら、国民の皆さんに本当に理解を得られるのであれば、例えば誰もスティグマを感じずに最後まで生きられるのではないかなというふうにも思ったところなので、何かそういうことも、今、小塩参考人がやっぱり国民会議の中でそういう全体像をしっかりと描いてお話しいただきたいというふうにおっしゃっていましたけれども、まさしくその方法論だけではなくて、何かその仕組みそのものを論じるということは非常に大事だなというふうに思いました。
いっぱい細かいことは聞きたいんですけど、きっともう時間ですので、ありがとうございました。