国民生活・経済に関する調査会

2026-03-04 参議院 全117発言

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会議録情報#0
令和八年三月四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         野上浩太郎君
    理 事         小林 一大君
    理 事         山本佐知子君
    理 事         柴  愼一君
    理 事         水野 孝一君
    理 事         宮崎  勝君
    理 事         中条きよし君
    理 事         宮出 千慧君
               いんどう周作君
                上野 通子君
                かまやち敏君
                小林孝一郎君
                星  北斗君
                泉  房穂君
                小島とも子君
               かごしま彰宏君
                川村 雄大君
                上野ほたる君
                白川 容子君
                尾辻 朋実君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         野上浩太郎君
    理 事
                小林 一大君
                山本佐知子君
                柴  愼一君
                水野 孝一君
                宮崎  勝君
                中条きよし君
                宮出 千慧君
    委 員
               いんどう周作君
                上野 通子君
                かまやち敏君
                小林孝一郎君
                星  北斗君
                泉  房穂君
                小島とも子君
               かごしま彰宏君
                川村 雄大君
                上野ほたる君
                白川 容子君
                尾辻 朋実君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        高嶋 久志君
   参考人
       国立社会保障・
       人口問題研究所
       社会保障基礎理
       論研究部長    藤井多希子君
       株式会社ニッセ
       イ基礎研究所生
       活研究部人口動
       態シニアリサー
       チャー      天野馨南子君
       中央大学文学部
       教授       山田 昌弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済に関する調査
 (「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」のうち、社会・経済情勢の現状(人口動態等の現状)について)
    ─────────────
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野上浩太郎#1
○会長(野上浩太郎君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山内佳菜子君が委員を辞任され、その補欠として小島とも子君が選任されました。
    ─────────────
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野上浩太郎#2
○会長(野上浩太郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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野上浩太郎#3
○会長(野上浩太郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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野上浩太郎#4
○会長(野上浩太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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野上浩太郎#5
○会長(野上浩太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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野上浩太郎#6
○会長(野上浩太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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野上浩太郎#7
○会長(野上浩太郎君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」のうち、「社会・経済情勢の現状」に関し、「人口動態等の現状」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部長藤井多希子君、株式会社ニッセイ基礎研究所生活研究部人口動態シニアリサーチャー天野馨南子君及び中央大学文学部教授山田昌弘君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じておりますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、藤井参考人、天野参考人、山田参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 また、御発言の際は、挙手をいただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず藤井参考人からお願いいたします。藤井参考人。
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藤井多希子#8
○参考人(藤井多希子君) 国立社会保障・人口問題研究所の藤井と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。(資料映写)
 それでは、いただきました時間が二十分と短うございますので、早速始めさせていただきたいと存じます。
 今日、私のお話は、これからの皆様の議論のベースとなるようなデータを中心にお話をさせていただくんですけれども、ところどころ枚数がとても多いのは御参考にと思いまして持ってまいりましたデータですので、紙芝居のようにスライドがちょっと動きますので、もしかしたら画面の方が御覧になりやすいかもしれません。
 今日の私のお話は主に二つでございまして、人口減少・少子化の構造と推計から見る世帯構成の変化の二つでございます。
 人口減少につきましては、もう御承知のとおり、私たちが二〇二三年の四月に公表いたしました将来人口推計の中位推計の結果をこちらに御覧いただいておりますけれども、二〇七〇年に八千七百万人にまで人口は減るというふうに予測されておりまして、そのときには高齢化率は三八・七%だろうというふうに一貫して上昇するんですけれども、一方で二〇四三年に高齢者人口の実数としてはピークを迎える、で、今後は六十五歳以上人口ですら減少していくということになります。
 そして、この全国レベルで見る人口減少の過程というのは地域格差を伴っておりまして、二〇二〇年を一〇〇とした場合の二〇五〇年の都道府県別の総人口の指数を見ますと、一〇〇を超えるのは東京だけでございまして、秋田は四割以上の減となります。
 また一方で、六十五歳以上の人口だけを見てみても、二〇二〇年を一〇〇とした場合に、二〇五〇年の指数で見ると、大都市圏では大体一〇〇以上にはなるんですけれども、東北ですとか、あとは四国地方などではとても青い、一〇%以上の六十五歳以上の減少というものが見込まれております。
 また、六十五歳以上人口のピークがいつだったのかということをこちらの図で御覧いただいているんですけれども、濃い緑色で示しているところがもう既に六十五歳以上の人口の実数ですらピークが迎え終わったということになります。
 これがなぜ起こっているのかということを簡単にお話ししたいと思うんですが、その前に、二〇二〇年の人口ピラミッドを見ますと、もう明らかなとおり、七十代の前半、この二〇二〇年の時点では七十代の前半に団塊の世代があり、そしてその後、五十代、四十代の後半ぐらいに団塊ジュニア世代と言われる世代があり、そしてその後、まあ団塊孫世代とここではちょっと呼んでいるんですけれども、本来であればベビーブームがあるべきだった団塊ジュニアの子供の世代ではベビーブームがなかったということになっておりまして、これが三十年後になるとこのような人口ピラミッドになっていくということになります。
 なぜ人口が増えたり減ったりとかするのかということをちょっとだけ人口学の基礎知識的なところからお話をさせていただきたいんですけれども、人口転換理論ということを御存じないかなと思って、ちょっとここでお話をさせていただきたいと思います。
 例えば、農村社会において、たくさん生まれるけれどもたくさん亡くなる、赤ちゃんがたくさん生まれるけれども成人に至る前にたくさん亡くなってしまうというような多産多死という状況があり、その後、公衆衛生の発展ですとか、あるいは医療技術の発達などによって先に死亡率が減少し、その後、出生率が下がっていくというこのメカニズムの中で、一国を見た場合なんですけれども、人口移動がないと仮定した場合には、死亡率が先に下がっていきますので、出生率が高いけれども死亡率が低いというようなところで人口が増加していきます。日本では一体いつぐらいにこの人口転換が起こったのかということを見ますと、大体一九二〇年代の半ばから一九五〇年代の半ばぐらいに大きく人口転換が起こってきたというふうに認められています。
 実際のこれは数字で見ると、ここでの出生率や死亡率というのは人口千人当たりの出生率なので、普通死亡率、普通出生率と言われるものなんですけれども、ここを御覧いただくと分かるとおり、大体一九三〇年から五〇年代ぐらいの半ばにかけて出生率と死亡率の差が大きいことが分かります。また一方で、二〇〇八年ぐらいでは死亡率の方が出生率よりも高くなって、ここで自然減が定常的な状態になっていったという、人口減少社会が本格化したということがお分かりになるかと思います。
 ここで、人口のデータを見るときに、私たちは動態のデータと静態のデータというふうに分けて考えるんですけれども、ここで人口静態というのは、例えば二〇二五年の一月一日に人口何人でしたかということを調べたのが静態データですね。国勢調査なども人口静態データになります。それが、その後の一年間の間に、赤ちゃんが生まれたり、あるいは人間が亡くなっていったり、あるいはある地域から、ほかの地域から入ってきたり出ていったりというような人口学的イベントと言われるようなものがありまして、それを経て一年後の人口というものが決まります。
 このように、一年間の期間における人口学のイベントの数が人口動態データとなり、そして、一時点におけるデータが人口静態となります。なので、一年後の人口というのは、一年前の人口に出生と流入を足して、流出と死亡を引けば一年後の人口となりますので、私たち人口学者にとっては、人口の規模のその変動というのは出生、死亡、移動というこの三つのパラメーターで大きく考えていくことになります。
 さて、これから出生率を交えて人口増減についてのお話をするんですけれども、先ほど御覧いただいたのは普通出生率ですが、今から私がお話しするのは合計特殊出生率です。これは何かと申しますと、一般的には一人の女性が一生の間に産む子供の数というふうに言われるんですけれども、簡単に言えば、年齢別出生率を全部足し上げた数です。十五歳の女性が産んだ子供の数を分子に置いて、十五歳の女性人口全体を分母に置く。つまり、動態データが分子にあり、静態データが下にあるというような、そういう指標になっているんですけれども、それを十五歳から四十九歳まで全部足し上げるものが合計特殊出生率でTFRとなります。
 一方で、市区町村別の将来人口推計を推計するに当たっては、出生率を使わないで子ども女性比というものを使っておりまして、それは国勢調査という静態データだけで、ゼロ―四歳の、ゼロ歳から四歳の人口を分子に置き、それから十五歳から四十九歳では、まあ今回は二十歳から四十四歳の女性人口を分母に置いたという比率を使って将来の人口を推計しておりますので、出生率は直接使っていないというところがちょっと特徴です。
 人口のTFRを見るためには基準があるんですけれども、人口置換水準、あるいは、ちょっと言葉で聞くと分かりづらいので人口置き換え水準とここでは申しますけれども、簡単に言えば、女性が産む子供の数で一世代後の同じ人口規模を置き換えられるには一体どのぐらいの出生率が必要かということなんですが、今の日本の人口置き換え水準は二・〇七となっています。
 今、例えばその人口がすぐに、今の日本の出生率は一・一五ですけれども、それがすぐに置き換え水準の二・〇七になったとしても人口はすぐに増えるわけではなくて、既にもう含んでいる、何というのかな、過去からの蓄積の部分が将来に影響していますので、すぐに出生率が高くなったとしても、これから数十年間は人口は減少し続けるということがここの人口モメンタムというところで書いてございます。
 ちょっとグラフで御説明します。このグラフは、過去の国勢調査の人口と、それから人口推計のものを十五歳未満と十五歳から六十四歳、六十五歳以上の年齢三区分に分けて色分けをしたもので、そして赤い色で示している折れ線グラフは合計特殊出生率です。
 これを御覧いただくと、人口置き換え水準から大きく下回り始めたのが一九七四年からなんですけれども、もう一貫して人口置き換え水準に遠いことが分かると思います。
 そうすると、もう明らかに七〇年代後半以降は人口規模は再生産できないということが明らかになっておりましたので、この過去五十年間にわたる低出生率というものが二〇〇八年以降の人口減少にもつながっているということになります。で、八千七百万人というのは、人口のピークから比べると四千百万人ぐらいの減少ということになります。
 それから、六十五歳以上の人口と六十五歳以上の死亡数というものをちょっとこちらでグラフで御覧いただきたいんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、六十五歳以上の人口というのは二〇四三年がピークなんですけれども、これから団塊の世代、そして団塊ジュニア世代という人口規模の大きな世代が次々亡くなっていくステージに入っていきますと、人が亡くなるというその死亡数だけで見ると、六十五歳以上の死亡数は二つのピークがあります。一つ目のピークは二〇四一年なんですけれども、ここが団塊の世代のピークです。で、次のピークは二〇六四年頃を見込んでおりまして、今の五十代前後ですね、の団塊ジュニア世代のピークとなります。
 ここまで将来推計を基にちょっとお話ししてきたんですけれども、では、人口が減るということが世界的に見てどうかということをちょっとだけお話しします。
 世界の人口を見ると、インド、中国が大きいんですけれども、今の日本は大体十二位ぐらい。で、将来的に八千七百万人とは申しますけれども、今の基準でいうんであれば、トルコやドイツと同じぐらいの基準になります。また、今のイギリス、フランスは七千万人に満たしていませんので、人口が減るとはいっても、二〇七〇年時点で今のイギリス、フランスよりも多い人口規模はまだ確保されているということになりますね。
 それから、合計特殊出生率なんですけれども、今の日本はイタリアやスペイン、タイやフィンランドと同程度となっております。それぞれの国のTFRの推移をちょっとグラフでお示ししたんですけれども、黒い太い線で書いてありますのが世界全体のTFRで、七〇年代ぐらいからもう全体的には低下してきています。
 そして、もう少し細かく見ると、実は二〇一〇年以降、フランスやフィンランド、スウェーデンでも合計特殊出生率は低下しているというような特徴がありまして、日本だけの現象ではないということですね。
 それから、六十五歳以上人口割合については、今日本が断トツトップではあるんですけれども、今後は、フィンランドや韓国、中国といった出生率が低い国では、数十年後にはやはり四割を超えてくるような見通しとなっています。
 さあ、ここまでちょっと出生率の話だったんですけれども、ここからは結婚などに関わるデータについて、ちょっと社人研が行っている出生動向基本調査、山田先生の方も後ほど多分言及されると思いますので、ここはデータだけを御紹介したいと思います。
 まず、恋愛結婚と見合い結婚の割合については、一九七〇年代ぐらいを境目にして見合いと恋愛結婚が逆転しまして、恋愛結婚がしばらく九割ぐらいを占めていたんですけれども、直近のデータでは七割、七五%ぐらいに減りまして、その代わりにインターネットが一五%へと大きく上昇しております。
 ちなみに、今年度、二〇二五年度が、この後続調査ですね、第十七回の出生動向基本調査の調査実施の年でありましたので、来年の夏ぐらいに、まああと半年後ぐらいでしょうか、には公表となりますので、ちょっとお楽しみにしていただければと思います。
 それから、結婚していない人の割合なんですけれども、未婚者の割合というのは世代によって随分変わっておりまして、真ん中の一九五〇年生まれが大体団塊の世代なんですけれども、全国と東京の男女別に示しておりますけれども、もちろん全部男女共に未婚者割合は上昇しておりますが、現在は、全国的には男性で二八・三%、女性で一七・八%、そうですね、一七・八%が未婚となっています。
 また、結婚していたとしても子供を持たないカップルも増えています。現在の団塊ジュニア世代を見ますと、カップルの一割は子供がいませんし、カップルの二割は子供が一人となっておりまして、理想子供数については二人ということが多いんですけれども、実際には、子供がいない夫婦、子供が一人の夫婦というものも増えています。これが出生率の低下にも寄与しています。
 また、変わる結婚行動ということで、結婚意思はどうかということを見てみますと、いずれ結婚するつもりというふうに答えた人は長らく九割弱ぐらいを占めていたんですけれども、近年、一番直近の二〇二一年の調査では八割ちょっとにまで低下しています。その代わりに、結婚するつもりはないと答えている人が増えております。
 未婚者が考える結婚のメリットなんですけれども、これは八二年での第一回、ごめんなさい、八七年の調査以降を全部並べているんですが、最近増えている回答として、経済的に余裕が持てるとか、生活上便利になるというような答えが増えてきています。一方、最も高い回答率は、当然、自分の子供や家族を持てるというのがいまだにまだ一番高い回答率ではあるんですけれども、しかし、女性では十ポイントも低下していますし、男性でもやはり五ポイント近く低下しているということが特徴です。また、女性の方は、精神的な安らぎの場が得られるとか、現在愛情を感じている人と暮らせると答えている人が一貫して低下している。男性はそうではないんですけれども、女性は結婚に愛や安らぎを余り求めなくなってきているのかなと思われます。まあ調査結果です。
 それから、独身者が結婚相手に求める条件なんですけれども、これも顕著な違いがありまして、男性は女性に経済力を求める人が約半数となってきています。また一方で、女性の方が男性に容姿を求める、男性が女性に容姿を求める、まあ自分の好みということだと思いますけれども、それが八割でずっと横ばいで推移しているんですが、女性の方も男性に対して八割ぐらいの人が容姿を求めるというふうに回答しています。また、女性の方が男性に対して求めるのが、自分の仕事への理解と協力、あるいは育児、家事能力というものが、これがないと結婚しないよというような、重視するという人が七割にもなっています。これは、男性が女性に対して家事、育児能力を求める割合よりも高いことが特徴だと思います。
 それから、未婚者のライフスタイルを見ますと、生きがいとなるようなライフワークを持っていると答えている人が増えておりますし、一方で、一人の生活を続けていても寂しくないという人も増えています。これは、恐らく民間企業などもお一人様が快適なようないろいろなサービスなども充実してきているということもあるかと思います。
 それから、独身でいる理由について見てみても、適当な相手にも巡り合わないというようなことも、それはもうずっとですね、過去の調査から一貫して高いとなっていますが、私がちょっと気になっているのが、異性とうまく付き合えないというふうに答えている人が男女共に近年回答率が高くなってきていることです。特に、二十代後半から三十代の前半にかけて異性とうまく付き合えないという人の割合がちょっと増えてきているのが気になります。
 それから、交際相手がいない、つまり交際相手がいない未婚者の割合というのは増えているんですけれども、その中で三割ぐらいはそもそも交際すら望んでいないという人も増えてきていることも特徴かと思います。
 それから、ちょっと違う調査で、社人研が行っている別の調査で、家庭動向調査、全国家庭動向調査というものがございまして、これは前回、二〇二二年にやった調査結果で、最新のものは来年度やる予定なんですけれども、ここで、子供が三歳になるまでは母親は仕事を持たずに育児に専念すべきかという考え方については、実は二十代後半、三十代というような若い世代であっても一定層はそれに賛成でいるし、そしてまた、専業主婦に賛成かということについても、一定層は賛成だというふうに答えていることが特徴かと思います。なので、若い人は一概にこうだということは言えなくて、多様化が進んでいるかなというふうに思います。
 つまり、かつては性別役割分業型の家族というものが主流だったかと思うんですけれども、協働型になってきている。また、出産、結婚、恋愛といったものが今まではとても結び付いていたんですけれども、そうではなくなってきているというのが特徴かなということがデータで読み取れることかと思います。
 最後、残り三分になったんですけれども、済みません、時間がちょっと押してきてしまいましたが、推計から見る世帯構成ということでちょっとお話をしたいと思います。
 国勢調査において、世帯というのは施設等の世帯と一般世帯の二種類があるんですけれども、今お話しするのは一般世帯の話です。そして、一般世帯の中でもいろいろな区分があるんですけれども、将来人口推計においては、将来人口推計が出始めましたら、地域別の推計、世帯数推計というふうに行くんですけれども、私たちの推計では五種類に分けて、五種類の家族類型で推計をしております。それをちょっとだけここから御紹介します。
 その前に、総世帯数については二〇三〇年まで増加をすると。なぜかというと、単独世帯などの小規模世帯が増えることによって世帯数はもう少し増えるというふうに予測しているんですけれども、家族類型で見ると、今、実は今の時点でも単独世帯が三八%で最も多い家族類型となっているんですが、これが四四・三%まで増加するだろうと見越しています。一方で、夫婦と子から成る世帯は二一・五%に減り、一方で夫婦のみの世帯も同じぐらいの割合や横ばいになるというふうに推計をしております。
 単独世帯と申しましても、未婚の単独世帯ばかりではございません。単独世帯については配偶関係別に様々発生していきますというのがこちらの図で、結婚した後に配偶者と離婚すれば単独離別となりますし、配偶者が亡くなれば単独死別、あるいは配偶者が施設に入所すれば有配偶のまま単独ということもあり得ます。なので、配偶関係が様々な単独世帯がたくさんいるということはちょっと頭の隅にとどめておいていただければと思います。
 単独世帯がなぜ増えるのかといえば、もちろん未婚者が増加するのが一番の理由なんですけれども、三世代世帯が減るということ、また、子供のいない夫婦が増加しているということも大きな理由になっています。
 単独高齢世帯が増えるのは、ちょっと済みません、時間が押しましたので、ちょっとここだけ強調させてください。将来的に高齢単独世帯増えるんですけれども、男性の高齢単独世帯のうち六割は未婚者になります。ここはとても大きくて、今の五十代の未婚者が増えておりますので、それがそのまま持ち越されて、将来の二〇五〇年における高齢単独世帯の男性の六割は未婚となる。
 そしてまた、八〇五〇世帯のように八十代の親と五十代の子供みたいな、夫婦と子から成る世帯の八十五歳以上の世帯主の世帯というのもこれから十五年間掛けて倍増します。
 こうしたものは地域差がとても大きくて、最後に、七十五歳以上の独居率、独り暮らしの割合を都道府県別に見てみると、東京都は最も独り暮らしが多いんですけれども、将来的には、二〇五〇年には東京や大都市圏などを中心に三割以上が七十五歳以上でも独り暮らしとなり、一方、山形県など三世代世帯が多いところでは二割弱というふうにとどまるということで、地域格差がどんどんこれから広がっていくのがこれからの数十年間の見通しかと思われます。
 済みません、駆け足になりましたけれども、私からの意見陳述は以上でございます。
 ありがとうございました。
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野上浩太郎#9
○会長(野上浩太郎君) ありがとうございました。
 それでは次に、天野参考人にお願いいたします。天野参考人。
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天野馨南子#10
○参考人(天野馨南子君) 株式会社ニッセイ基礎研究所の天野です。
 本日は、研究内容に御理解を賜り、本委員会にお招きいただき、深く御礼申し上げます。(資料映写)
 国内人口移動につきまして、一、東京一極集中、二、社会減、すなわち転出超過エリアの特徴、三、合計特殊出生率のわな、人口問題を考えるに当たり、三つの必須データの知識の解説をさせていただきます。
 まず、東京一極集中です。お伝えしたいことは大きく二点。一点は、人の動きをデータサイエンスの見地で検証することが人口問題解決の基本であるということ。そして、性別、年齢構造を見ない総数勘定では何も見えてこないという二点です。
 バブル崩壊後の一九九六年に東京都への転入超過が女性から発生し、昨年でちょうど東京一極集中三十年となりました。株式市場におけるバブル崩壊は九一年から九三年ですが、実際に人々が経済低迷を体感したのは九五年辺りからと言われています。
 九六年に女性から始まった東京一極集中は、バブル期を含み、大きく四期に分類できます。一期目は八六年から九五年のバブル経済期で、地方への人口拡散期、東京都の社会減期です。第二期は九六年から二〇〇八年で、ほぼ男女同数が東京都に右肩上がりに社会増していた時期になります。第三期は、二〇〇八年のリーマン・ショックが引き金になり、翌二〇〇九年以降、常に男性より女性が増加する男女の集中格差拡大期です。二〇〇九年から現在に至るまで、東京都の社会増は女性大なり男性で続いています。コロナ期に社会増規模は縮小しましたが、男女差はむしろ拡大。都道府県間の移動制限が条例等によって発令されていた二〇年から二二年の三年間では、実に男性の二・二倍の女性が東京都に社会増しました。最後に、現在に至るまでの第四期ですが、コロナで一旦は縮小傾向であった東京都の社会増が再膨張しています。男女格差はコロナ後縮小するかに見えましたが、昨年、二五年にはまた拡大を始めています。バブル期から現在まで、女性の社会増減が東京の中長期社会増減の予兆的存在となっている状況です。
 ここで、社会減エリアでよくある誤解について御説明します。
 どのエリアでも、人の移動は、片道だけを見ると、転出数や転入数がいずれも男性が女性より多い状況です。つまり、男性はよく動き、出ていく人も多いが、入ってくる人も多く、女性ほどは純減いたしません。一方、女性は男性ほどは出ていかないものの、戻り率が悪い。結果的に、男性より女性が大きく純減している状況です。このからくりを理解いただくために、資料に簡単な計算式を書かせていただきました。
 昨年も、北海道から九州まで講演のためエリア分析を行いましたが、地方自治体の多くがいまだに総数でデータを捉え、男女の差を見ることなく、アンコンシャスに男性の方が女性より多く減っている社会減イメージを持つ傾向にあります。昭和や平成前期時代は、男性の方が高学歴で当たり前、男性の方が仕事を求めて当たり前という常識があったのですが、それが統計的には令和の非常識となっており、アンコンシャスバイアスを深刻化し、社会減の解決を難しくしている面があります。
 こちらも非常に誤解が多いのですが、東京都で社会増しているのは圧倒的に二十代前半人口で、増加人口の六割超が二十代前半人口です。二十代後半人口も含めると、二十代人口が一極集中の八割から九割を常に占めています。東京一極集中は東京二十代前半人口集中とイメージください。いまだにこれを進学問題だと思っておられる方が御高齢者ほど多いですが、進学に関する東京都の社会増は常に一割台にとどまります。同様に、子育て世帯誘致が成功しているのだろうという見方についても、三十代人口の増加はゼロ割、二五年、二%という状況です。
 男女共に二十代前半人口が集中している背景には、四年制大学進学率がZ世代では男女共に五〇%を超過し、男女差も僅か六ポイントになっていることがあります。女性についてはいまだに短卒や高卒をイメージする方もいらっしゃいますが、徳島県などは女性の方が四年制大学進学率が高い状況です。男女共に、主に四年制大新卒男女が仕事を選んだ結果が東京一極集中の本質であると御理解ください。
 東京一極集中の各歳年齢構造の留意点です。
 三割が二十二歳、四年制大卒年齢です。二十二歳と一浪又は一留の二十三歳で四割を占める状況で、大卒新卒男女一極集中と言っていいかもしれません。また、十八歳の住民票移動は高卒就職をも含むこと、女性に多い二十歳は専門卒就職期に当たります。また、二十代後半の人口の社会増は、より働きやすい環境を求める若者、そして、結婚が統計的に多発する年齢ゾーンのため、男性については世帯生涯所得を落とさないための寿転職も含まれます。
 東京周辺の社会減エリアの団体や自治体とともに五年間実施してきた首都圏在勤、地方出身二十代女性インタビュー若しくはアンケート調査からは、今や二十代での複数回転職が女性でも珍しくなく、基本的に働き方環境ステップアップ転職であることが見えてきています。
 最後に、ふるさと人口の分析結果です。
 二四年、二五年と愛知県が前住所地で一位です。二三年は大阪府が一位でしたが、愛知県が抜きました。大阪府と愛知県で首位争いを継続しており、一極集中人口の約五人に一人が大阪又は愛知からです。
 よく、進学で地方から大阪や愛知の大学に進学し、そしてその学生が東京に来ているのではないかという御質問を受けますが、大学進学時にそもそも住民票を移動せずに実家のままにしている学生が四国経済連合会の内部調査では七割強存在し、二十代女性インタビュー調査でも、学校は仙台で住民票は実家の青森のまま、就職時に東京に移しましたといった回答が多い。大阪の大学での学生アンケートで出身地が大阪の学生が多い結果を考えますと、大阪や愛知をふるさととする学生の東京への就職移動が多いと思われます。
 男性は上位七府県、女性は上位九道府県だけで集中人口の五割を超過します。ふるさと人口の半数以上が愛知、大阪、兵庫、福岡、静岡、北海道、宮城、広島の僅か八エリアで形成されている状況です。
 東京の社会増の大半が二十代前半に集中していることを考えると、つまりは大都市間雇用競争での劣後、地方中核都市雇用人口ダムの決壊が東京一極集中の大きな要因と言えます。
 二つ目のテーマ、社会減エリアの基礎知識です。
 お伝えしたいことは二点。一点目は、人口のサステナビリティーを考えるなら年齢構造を常に意識しなくてはならないこと。二点目は、人の移動をあたかも駒のように考えてはならないことです。返してほしい、取られたという表現は、若者が地元を去った理由に向き合わず、残っている人々の都合からの欲しい人口の表明であり、解決にはつながりません。
 社会減エリアは、現在、大半の地域で若年男性減より若年女性減が進んでいます。二十代前半人口では特に女性が大きく純減しています。首都圏、大阪、福岡はバブル崩壊以降も社会増をキープしていますが、三大都市圏に定義されている愛知県でさえも、二〇一九年以降、社会減エリアとなっており、雇用人口ダムを持つ大都市は大阪と東京、二大都市圏だけとなっています。愛知県豊田市であっても社会減エリアで、福岡県も二十代人口では転出超過にあるため、今後の状況が懸念されます。
 グラフは、一都三県、大阪、福岡、滋賀以外の二五年に社会減した四十道府県の社会減を五歳階級と男女で見たグラフです。御覧のように、男性の一・三四倍の女性の減少となりました。ミラーで、社会増エリアは男性の一・三四倍の女性増です。際立っているのが二十代前半の社会減で、社会減全体への影響度は男女とも六割を超えます。二十代前半の女性の社会減は、御覧のように男性の一・二九倍。二十代前半において、男性の一・三倍の女性減はコロナ前から恒常的な社会減エリアの特徴となっております。
 社会減エリアの二十代男性余りについて御説明します。
 東京一極集中の三十年間で東京都に社会増した人口は、約男性八十三万人、山梨と和歌山の間の人口、女性九十八万人で、ほぼ富山の人口に匹敵し、女性が男性の一・二倍東京に増加しました。母娘一世代の間だけで、東京都に地方二県分の若者が移動純増しています。
 女性の方がそんなに東京に増えているなら、東京は女性余り、地方に婚活で女性を呼べるのではとの声があると伺いますが、統計的な答えはノーです。前回国勢調査で、東京都の二十代男女比は女性一〇〇、男性九九で、国全体の女性一〇〇、男性一〇四よりも良好なマッチングバランスです。
 ヒトという生物は、世界各国、男児が女児より五%多く出生します。男児の方が乳児死亡率が高いため、医療がない状態ならば二十歳辺りで男女同数になりますが、日本は医療先進国なので二十代でも男性が四%余っています。東京では出生時の五%の男女の差分が大きく、地方から女性が多めに流入超過することにより数がバランシングしているのです。
 このような二十代男性余りの弊害についてです。
 二〇年国勢調査時点で二十代男性が二十代女性よりも一割以上多い都道府県並びに二十一大都市は、秋田、山形、福島、茨城、栃木、宇都宮、群馬、富山、石川、福井、山梨、浜松、滋賀でした。
 九州エリアは、二〇年時点では二十代人口は女性が男性より多い構造だったのですが、コロナ以降、女性が男性より大きく社会減する現象が発生。例えば昨年、総数で、佐賀は男性の二・五、鹿児島は二・二、熊本は二、宮崎は一・五の女性が社会減しています。社会減四十エリア平均一・三倍と比べると、非常に大きな男女差となっています。
 男性余りのエリアでは、婚活面で男性が苦労する例が多く見られています。例えば、男女比が一・一倍以上の滋賀の結婚相談所では、登録者の九割が男性で、慢性的女性不足との報告です。また、東北の婚活イベントでは、中年男性の参加が多く、若い女性がそれを忌避して来なくなるという状況です。北関東も男性が非常に多く余るエリアですが、若い男性たちからは、マッチングアプリで二十代女性が少な過ぎるので首都圏の女性で検索するとのことです。
 最後に、二十代男性の寿退社についてです。
 結婚の際、女性が勤務先を変えるのではなく、男性が勤務先を変えて女性の就業地に転居する現象です。この話は、企業規模にかかわらず、二〇年辺りから人事担当者様から訴えを耳にしています。女性が所得を落とさず働き続けられる職場がある地域に男性が引っ張られる結果ですが、Z世代の男性は、生涯世帯所得を落とさないので済むのであれば寿転職に全く抵抗がなく、合理的な判断だと考えている状況です。
 社会減エリアの皆様が立ち向かわなければならないのは、実はジェンダーギャップなのではなく、ジェネレーションギャップであることをお伝えいたします。
 最後に、三つ目のテーマ、就職期の女性の社会減が生み出す合計特殊出生率のわなについてです。
 最初に結論です。日本では、都道府県単位、市区町村単位において、合計特殊出生率の高低と出生数減(少子化)に相関関係はありません。
 合計特殊出生率は、その計算構造上、上昇要因が三つあります。測定年度において、一、未婚女性割合が減少すること、二、既婚女性で子を産む女性の方の割合が上昇すること、そして三番目です、こちらが厄介なことですが、未婚女性が測定エリアから社会減すると高止まりします。ここが知られていないことが大問題。
 二十代の未婚女性が社会減する結果として、自動未婚化解消が発生します。国単位では、日本は移民定着率が非常に低く、女性人口構造への移民女性の影響がほぼゼロなので、女性移動の出生率への影響を無視しても構いません。一方、国内移動女性の九割が日本人女性の移動になっておりますので、自治体間出生率の影響を無視することができません。本日二つ目のテーマで御説明したように、日本の社会増減のメインプレーヤーは二十代前半女性であり、二十代前半女性の九割以上が未婚者です。つまり、自治体間では当然に未婚女性社会減による地方、中山間地域等における出生率の高止まりが発生しています。
 計算構造の御説明とともに、データ解析結果をお伝えします。都道府県単位でこの十年間において出生率の高さと出生数の減少率には相関関係はありません。つまり、これまでさんざん議会やメディアで議論されてきた出生率高低による少子化測定、評価は意味がありません。
 事前配付資料、基礎研レポート、都道府県合計特殊出生率、少子化度合いと無相関ですが、こちらは二五年三月、新潟県立大学国際経済学部学校推薦型選抜の小論文でほぼ全文近く出題され、学生のデータを読み解く力、社会に蔓延するデータ情報をうのみにしない能力が試されました。データサイエンスの重要性が認知され、データサイエンス学部を持つ大学が増える中で、ホットイシューとして出題されたと考えます。
 むしろ、出生率ではなく、都道府県の社会増減率と自然増減率が高相関となっている状態です。〇・八の相関はとても強い相関関係です。
 社会増減率と自然増減率の関係性では大きくパターンが二つあります。パターン一は、若年女性が出ていくことにより婚姻減から出生減へ、そして自然減率が悪化するという正の相関。パターン二は、社会減で高齢者が出ていく例えばアメリカの年金村、リタイアメントコミュニティーのケースです。高齢者が流出することで死亡減が発生し、自然減と社会減が負の相関に傾く傾向となります。
 日本の社会減エリアは、二十代女性流出率が高いエリアほど深刻な出生減が引き起こされています。つまり、出ていった女性から発生するはずだった婚姻機会損失が少子化を加速しているパターンです。
 以上が二十分という時間での御説明となります。不足分は、二四年出版、一月に第三刷りとなっている拙書、「まちがいだらけの少子化対策」がネット、書店などで御購入可能ですので、お手に取っていただければ幸いです。
 また、最新のデータ分析結果はニッセイ基礎研究所のホームページで公開しており、メールマガジン会員にはリンクが届きますので、皆様の科学的な人口問題解決の一助となればと願っております。
 御清聴ありがとうございました。
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野上浩太郎#11
○会長(野上浩太郎君) ありがとうございました。
 それでは次に、山田参考人にお願いいたします。山田参考人。
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山田昌弘#12
○参考人(山田昌弘君) よろしくお願いいたします。中央大学の山田昌弘でございます。(資料映写)
 ほぼ二十年ぐらい前にこちらで一回発表させていただいたことがあるんですけれども、そのときとほとんど同じことを言わなくてはいけないというのは、果たしていいことか悪いことかということでございます。
 自己紹介ということで、こういうふうになっておりますが、全国を調査、家族関係の調査、結婚支援のため飛び回っておりますが、まあ自称ワン・オブ・ザ・モスト・ペシミスティック・クリティクス・イン・ジャパンと海外では言っておりまして、例えば学生に対しては、皆さん方の、百人いたら、うち二十五人は一回は、二十五人は一生結婚できないぞ、結婚した七十五人のうちの二十五人は一回は離婚するぞ、皆さんのうちで結婚して離婚せずに高齢を迎える人は二人に一人もいないんだぞというふうに脅して、学生に暗い顔して帰らさせて、帰ってしまっているんですが、まあ少子化問題というのはもう三十年以上少子化、少子化と言われ続けていて、結局、日本では放置してしまったということだと思います。三十年前から少子化が始まったということは、その頃に生まれた子供が出産期に入っているから、それは出生数の減少が起きるのは当然でございます。
 あと、天野参考人がお話ししていたように、東京は実は余り減っていないんですね。報道であったように、去年、藤井参考人がいらっしゃるんですが、報道であったように、去年は東京では何と子供の数が増えたという速報値で報道があります。
 東京では、天野参考人は十五年単位でしたけど、二十四年単位で見ると、東京区部では六%しか減っていないんだけれども、岩手、青森、秋田といったようなところでは子供の数が六割減っている。いや、それ以上に私は、統計を取ってびっくりしたのは離婚の変化で、二十年ぐらい前は全国どこでも大体三組に一組の離婚という割合だったんですけれども、ここ二十五年で東京の離婚の割合がどんどん低下して、逆に地方における離婚の割合がどんどん上昇して、とうとう青森、高知、沖縄では、二組結婚あると一組離婚するという状況になっております。これも経済的な状況が影響しているんだと思います。
 ということを見ますと、テーマとして、なぜ日本で少子化対策が失敗したかというテーマなんですけれども、よく考えたら、東京では日本の少子化対策は成功しているとも言えるわけです。
 つまり、私の判断だと、日本の少子化対策は都市部の正社員、特にオフィスワーカーの女性を主たる対象としてきた。つまり、保育所の整備がなされて育児休業が充実した、つまり、正社員での共働きがしやすくなったということが東京での少子化を食い止めている。
 一方で、地方では、そもそも正社員女性が少ない上に、まあ私、地方の調査等をしていますけれども、地方は観光業とかいわゆる夜職と呼ばれる女性が結構多いので、そういう人たちは保育所は利用できないわ育児休業は利用できないわ、つまり、地方で存在している弱い立場の女性になかなか少子化対策の恩恵が及んでいないというのが現実だと思います。
 私も、あるフリーランスの女性にインタビューしたときには、夫は自営業なので何も手当がないし、フリーランスだから育児休業も何も手当がない、踏んだり蹴ったりというふうに言っていたのを思い出しました。
 藤井委員が説明したように、日本の少子化の直接要因は未婚化の進展、結婚していない人の増大でして、三十年ぐらい前から、四分の三が結婚して大体二人弱産んで、四分の一が未婚という構造はほとんど変化していない。そのために一・二から一・五の間を、合計特殊出生率が三十年間ほぼ低いままだということが言えると思います。
 先ほど藤井委員からもありましたけれども、最近低下傾向にありますが、いまだに男性の八割、女性の八四%は結婚をしたいと思っている。思っていた、いや、結婚した人も加えると、二十歳時点では少なくとも九〇%以上の人が結婚したい、したいと思っていたということだと考えられます。
 ここで、まあちょっと問題があるところなんですけれども、少子化問題の不都合な真実というのがありまして、結局収入の不安定な男性が結婚相手として選ばれない。マッチングアプリに幾ら登録しても、いや、そもそも登録できないような相談所も多いわけですけれども、日本では結婚は出産の前提であり、収入が安定した男性の人数は減少し、限りがあるというところがあります。
 結局、少子化対策に必要なことは、収入が不安定な男性であっても結婚できるような条件を整えるようなことを行わないと、なかなか少子化対策にはならない。ヨーロッパやアメリカだって収入が不安定な男性たくさんいるじゃないかと言われるかもしれませんけれども、私は、三十年前にパラサイトシングルという言葉を言われましたけれども、日本やアジア、南ヨーロッパといった国々は結婚まで親と同居しているんで、親と同居していると、収入が不安定と、で、結婚すると生活水準が落ちるというところがあります。逆に、ヨーロッパやアメリカでは、そもそも収入が少ない同士で結婚するということが、まあ同棲、結婚ということがむしろ合理的な選択になるわけですね。
 結婚の二つの意味というのは、経済的に新たな生活をスタートさせるという側面と心理的側面、好きな人と一緒に暮らすという側面がありますが、現代社会は一の実現が困難になり、二の面も弱くなっているということがあります。つまり、独身時代の生活と比べ、結婚後の生活が良くなるかどうか、結婚して生活が落ちちゃったら嫌だという意識は当然働きますし、それ以上に、自分が育った以上の環境を子供に提供できるかどうか、子供につらい思いをさせたくないという意識が日本、まあ日本だけではなくて、これは東アジアの少子化にも関連しています。
 一九八〇年頃までは、結婚すればほとんどの人が今以上の、親以上の生活が期待できた。そして、子供を自分と同等以上に育てることができた。しかし、一九九〇年以上は、結婚して今以上、親以上の生活が送れないかもしれないという不安が強まってきた。これが日本の少子化の原因だと思っています。
 八〇年代頃までは、まあ経済的な心配はなく、出会いが容易で、恋愛への憧れがあったんですけれども、九〇年以降は、むしろ結婚したら中流生活を送れなくなるんではないか、もう既に今、一九九〇年頃から若者は豊かな環境で育っている。私はもう六十八歳、もう相当年ですけれども、私が小さい頃は、本当に親が貧乏で、早く家から出て結婚すればもっといい生活ができるという期待を多くの人が持ったんですけれども、もう三十年くらい前から、親に豊かに育てられたから、それ以上の環境を子供に与えられなければ結婚しないという意識がつくられていったわけですね。
 さらに、若者の格差というものが、男性も、書きましたけれども、男性も女性も、格差社会という言葉も私がつくったんですけれども、格差社会と呼ばれるように、若い人たちの収入格差が開いていく。とすると、どうしても収入格差の弱い人たちがなかなか結婚できなくなるということなんですね。
 今日は時間がないので、主に経済的な不安についてのお話をしたいと思いますが、これは、これもう十五年ぐらい前の調査なんですけれども、結婚相手に望む年収と現実の未婚男性の年収の比較なんですが、男性の多くは女性に収入はこだわらないと言いますけれども、女性の多くは四百万以上、六百万以上、八百万以上というふうに答えて、かつ、それが現実の男性の収入には遠く及ばないという状況になっております。
 実はこれ、十年ぐらい前にイギリスで発表したとき、イギリスの研究者から、おまえはこんなルード、失礼な質問をするのかと言われたことがあります。イギリスだったら、相手を年収で選ぶなんてけしからぬ、愛情で、愛情で選ぶべきであって、愛情があれば相手の収入なんか関係ないと男女とも答えるはずだというふうに言われたことがあります。
 で、コロナ前ですから七年ぐらい前、これを中国で発表しました。中国で発表したら、中国では相手の男性の年収ではなくて男性の親の貯金を聞くというふうに言っていまして、中国だと男性の親が家とか車を用意しないと結婚できない。だから今、日本以上の、中国も格差が広がっていますから、日本以上の少子化が進んでいるわけですけれども、これは八年前です、ほぼそれに関しては変わっていません。
 先ほど藤井参考人がデータで示したように、最近は男性も女性に収入を求めるようになってきているというのも事実であって、つまり、男性も女性も収入が少ない人はなかなか結婚相手として選ばれにくいという構造が続いているわけです。
 ちなみに、これは読売新聞の「発言小町」というサイトから引用してきたんですけれども、年収四百万というのが気に入らなくて、会わないと言っています、ここがポイントなんですよ、ママは専業主婦だったのに私が働かなきゃいけないなんて、まあけしからぬとは言いませんけれども。
 つまり、経済が成長している時代は、幾らでも自分の父親よりも収入の高い男性が見付かって、自分の母親以上の生活ができたんだけれども、経済が余り成長しない時代には、自分の父親と同等以上の収入を稼げる男性を見付けることがだんだん難しくなっている。それが、まあ四分の三の人はそういう形で見付けるわけですけれども、四分の一の経済的に弱い層がなかなか結婚できなくなっているというのが現実でございます。
 ということで、ヨーロッパと同じような対策をしたのではなかなか難しい。一つは、パラサイトシングルという、いわゆる自分の親の元で過ごす。仕事よりも子供という意識が強い、かつ、恋愛感情というものが余り日本では強くない。そして、一番大きいのは子供の将来に対する責任意識の強さで、子供に惨めな思いをさせたくないという意識が強い。これは先ほど藤井参考人がしたデータなので、割愛させていただきます。
 かつ、日本では生活においてリスクを回避する志向がとても強い。私が一番ショックだったのは、どういう人と結婚したいかって学生にアンケートを取ったときに、母親から、奨学金を借りている人とは付き合ってはいけませんというふうに言われたという回答が出てきたときは、これは私はのけぞりました。特に、娘の親は特にこだわるわけですよね。
 人のマイナス評価を避けようとする意識があって、日本って中流意識が強いですから、友達と比較して遜色のないような結婚がしたい、遜色が、何か差が付くような結婚はしたくないという意識もあるんだと思います。つまり、将来結婚して子供を育てて、老後まで中流生活が送れないということであれば、親元で待つというような戦略が取られて、結果的に四分の一の人が未婚になるという状況でございます。これは今言ったことをまとめたことでございます。
 これは参考までに、幾つか私の調査した中で、男性の収入が高くなかったので娘のためにと大反対して結婚をやめさせたんだけれども、その後現れなくて四十代独身、どうしたらいいと。私、読売新聞の人生相談の回答者もしていますので、こういう相談も出てくるわけですし、娘にはいい教育受けさせたんだからお金持ちとしか結婚させないというふうに言っている親の話を聞いたこともありますし、仲人に関しても、契約社員の男性を釣書きとして持っていったら、何でこんな男を紹介するんだ、もっと高収入の男性を持ってこいというふうに言われて絶交されてしまった仲人さんの話とか、そういう話をよく聞くわけでございます。
 ということで、あともう、済みません、時間が限られてきましたので簡単に説明させていただきますと、収入が不安定な若者の結婚を推進するために必要なのは、一つは、まず男女共同参画の更なる推進だと思います。特に、天野委員がおっしゃっているように、地方において女性の地位というのはとても低いということが女性の移動を促しますので、特に地方において女性の経済力を高める、夫婦二人の収入で人並みの生活が、つまり、子供に惨めな思いをさせなくて済むような生活をということです。
 あと、これは効果としては少ないんですけれども、例えば、地方を調査していくと、一人息子と一人娘が余っている地域に私はよく行きました。じゃ、結婚すればと言うと、お互いに後継ぎだから結婚させられないというようなことがあります。だから、夫婦別氏などを進めればそういう多少の効果はあると思います。
 あと、今、家族社会学会、私、去年まで会長だったんですけれども、そこでは今、レズビアン女性で子供を育てている人の研究がすごく盛んになっております。そういうところも認めれば、認めるようにすれば多少は増える、まあ多少ですけどね。もちろん、社会保障に重要なのは一と三で、社会保障による子育ての下支えが必要かなというふうに思います。
 結婚前は親同居というのはなかなか変えられないでしょうし、女性が収入の安定した男性を求めるというのは、女性の収入がより安定すれば男性を収入で選ばなくなるという側面もあるでしょうし、ただ、お金より愛は大切というふうになかなか、言ってもなかなか、今は学生、恋愛離れが進んでいますので、若い人は恋愛離れが進んでいます。子供は子供という意識にはなかなかならないということです。
 あと、対策ということで、一つはもちろん、若者が結婚し、子育てが負担にならない条件を整える、これはもちろんやってきていることですけれども、それも特に地方で収入が少ない人に対する対策ということを考える必要があると思いますし、さらに、もう少子化がこれだけ進んでしまっているので、中高年独身者が今、藤井さんのグラフにあったようにたくさん、たくさんというか、もう三割、四割というレベルで出てきてしまっていますので、中年独身、高齢者の居場所づくりが必要ですし、また介護労働力不足への対策も必要になってくると思います。
 男女共同参画の視点、正社員支援の正社員中心主義、都会、地方格差等を重点的に考えていただければと思います。特に、高等教育費の軽減なり結婚支援というものが必要になってくると思います。
 もちろん、私が調査している中で好事例があります。農家の嫁といって募集したら誰も来なかったんだけれども、牧場の共同経営者募集といってパーティーをするとたくさん集まってくる。これ、言葉だけではなくて本当にそういう形、今農業、若い人たちで農業への関心が高まっていますから、農家の嫁でこき使うというような発想では地方の農業の未来はない。女性もしっかり共同経営者として活躍できる環境を整えるといったことが特に農村地域では必要になってくると思っております。
 ということで、もう時間がないので、報告書、もし後で質問があればお答えしたいと思います。
 私は二つの問題関心があって、じゃ、独身者の親密関係はどうやって満たすのか。最近新聞にお願いされたのは、AIと結婚した人についてのコメントとか頼まれたことがありますけれども、ペットであるとか推しであるとか市場調達である。市場とキャバクラ、例えばキャバクラは、日本で五万五千店、大体百万人ぐらいの人がキャバクラで働いている計算なんですが、そういう人に話を聞いてもらっている男性もたくさんいるわけでして、そういう日本的な文化というものが独身者の寂しさを埋めている、埋めてはいるんですけれども、果たしてそういう形がいいだろうかという疑問は生じるわけです。
 さらに、今、私が、そうですね、三十年前にパラサイトシングルという言葉をつくったときに、何十年後かには中高年になって大変なことになるぞというふうに二十五年前の本で指摘しておいたんですけれども、結局、当たってほしくない予言どおりになってしまいまして、中年、高齢者の親同居未婚者がたくさん出てきてしまっているという対策をする必要はあるかと思います。
 これは私、講演の後で常に引用しているんですけれども、ビル・クリントン元大統領、もうみんな、若い人全く知らないんですけれども、過去は過去、過去を追い求めると未来を失う。つまり、昭和の時代、男は仕事、女は家事でみんな結婚して子供を産んだじゃないか、その過去に戻せばいいんだという人もいらっしゃることはいらっしゃるんですけれども、でも、そういう経済環境、社会環境が変わっている中で、そういう過去の成功体験、伝統意識にしがみつくと未来を失ってしまうんではないかということで、閉じさせていただきたいと思います。
 どうも御清聴ありがとうございました。
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野上浩太郎#13
○会長(野上浩太郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言は着席のままで結構でございます。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただきますようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
 これより一巡目の質疑を行います。
 質疑のある方は挙手を願います。
 それでは、星北斗君。
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星北斗#14
○星北斗君 ありがとうございます。
 三名の先生方にちょっと未来が開ける話をしてもらえるのかなと思ったんですけれども、どうも下を向かなくちゃいけないような、そんな感じなんですが。
 とはいえ、我々、いろんなことを考えながら、どうやって日本の社会を豊かにしていくんだということをもう常々考えているわけでありますけれども、私のところも娘がやっと結婚するということになりそうなので、ああ、良かったなと思うんですが、しかし、いろんなことを聞くと、やっぱり経済的な問題あるいは子育ての問題、様々な問題に直面しているなということを感じている今日この頃でありまして、そういったことも踏まえながら皆様方にそれぞれ質問させていただきたいと思います。
 まず、藤井先生にお伺いしたいんですけど、世帯の将来見通しということで、六十五歳の単身ということですけれども、私、子供の頃に「あゝ上野駅」という歌があって、当時まさに金の卵と言われた人たちがやってきた、そして高度成長を支えた、そしてその人たちが言わばまさに今その高齢一人世帯になっているんだと思いますけれども、この人たちの生活の場所ですね。これが東京にやはり集中していて、それが今後に与える影響、つまり、その人たちは多分介護を必要とする、若い人たちも引き寄せてしまう、したがって、いろんな意味で人口移動が更に強くなってしまうと思うんですけど、その辺りについて御見解があれば教えていただきたいと思います。
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藤井多希子#15
○参考人(藤井多希子君) 御質問ありがとうございます。
 今の六十五歳以上の単独世帯の分布につきましては、東京にかつて移住、若い労働力として移住してきた人がそのまま単独世帯化したというよりは、高度経済成長期、六〇年代、七〇年代に、農家の次男、三男のように地方を相続する必要のなかった人たちが東京や大阪などの大都市圏にやってきて、家族を持つ人がほとんどでしたので、つまり、七〇年代は有配偶率が九〇%以上ですから、ほとんどの人が結婚をし、そしてほとんどの人が子供を持っていたということを考えると、今の高齢者のほとんどは、実は単独世帯といいながらも離れて暮らす子供であるとかあるいは近隣に兄弟姉妹もいるというような形で、完全に身寄りのない高齢者というのは都心部の方には多く、私が以前勤めていた中野区などではそういった人も多いんですけれども、それ以外の大多数の場所では今の六十五歳以上の単独世帯はキーパーソンがいるような状況でございます。
 ただ、それが、先ほど申し上げましたように、今の五十代のように未婚者割合が高い世代が、団塊ジュニア世代などが多くなっていくと、身寄りのない高齢者というのが恐らく、例えば二〇三五年ぐらいからは都心の今の独り暮らしが多いような場所で増えていきますでしょうし、あるいは、今の郊外地域で年齢的に八十代の親と五十代の子供というような形で住んでいる人たちは、今後親の世代が亡くなっていくと単独世帯化していくということで、恐らく二〇四〇年代以降から高齢単独世帯が増えていくということで、今の単独世帯と将来の単独世帯は全く違う状況になると思います。
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星北斗#16
○星北斗君 ありがとうございました。
 多分そういうことなんだろうなと思いつつも、やはりこれからの更なる人口移動ということを考えると、非常に地方に、私は福島なんですけれども、地方に住んでいる者からすると非常に将来が暗いかなというふうな気もしないでもないんですが。
 続きまして、天野参考人にお伺いしますけれども、先ほど、女性の数、特に出産適齢の女性の数が東京に集中していて、この人たちが子供を産まないから人口が増えないんだ的なことは全くそうではないという話を聞かせて、まあそうなんだろうなと思います。この方々にとってこれから子供を産んでいくというインセンティブになったときに、よく私の娘も言うんですけど、住まいの広さとか教育の環境とか、そういうことを考えるとなかなか、子供を持つ、その次のステップに進むというのはなかなか難しいというふうに言っています。
 ですから、この収入の問題と子育ての費用、今、子育ての費用や出産の費用を無償化していこうというような動きを今、国会でいろいろ議論していますし、将来的に多分そうなるんだろうと思いますが、本当に無償化すること、あるいはその負担を減らすことが将来につながっていくのかどうか、これは山田先生にもその後に教えていただきたいと思うんですけれども、我々が目指そうとしている国策としての出産費用の無償化とか教育の無償化、もう高等教育までやれというような話があって、まあそれはそうではないよという御発表もありましたけれども、一体、この我々が今やろうとしている政策が現実にはどんな影響を与え得るというふうに想像されているか、その辺りお二人にお伺いしたいと思います。
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野上浩太郎#17
○会長(野上浩太郎君) それでは、まず天野参考人、お願いいたします。
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天野馨南子#18
○参考人(天野馨南子君) 御質問ありがとうございます。
 私も今年大学に進学する娘を持っておりますので、Z世代の娘持っておりますので、お嬢様の不安はよく分かるんですけれども、東京に女性が集中していますが、先ほど三十代が社会増しているわけではないというふうに申し上げましたよね。社会減している部分が多くて、これがどういうことかというと、一都三県、神奈川、千葉、埼玉の方にリモートワークが東京進んでおります。特に、コロナ禍で四割の労働者がやり始めたんですよね。今でも二割以上の方がリモートワークをしているわけです。
 ヨーロッパとかアメリカとか、Eワークとかテレワークとかいうんですけど、コロナ前から四人にお一人以上がテレワークをやっていたような状況で、日本だけはとにかく遅れていたんですよ。日本というのは、やっぱりカリフォルニア州の大きさしかないので、何か呼べば来てくれるというふうに経営者の方は勘違いしちゃっていて、いい人材を集めるためには労働者側の環境を、好きなところに住んでいただけるようにしようというちょっと発想がないんですよね。その発想が十年進んだと言われています、このコロナで、東京で。で、東京以外が全然進まなかったんですね、残念ながら。
 ですので、東京圏にお集まりの女性に関しては、神奈川、埼玉、千葉にお子様を持った後に散っていくというような状況が見られております、にじみ出し人口というんですけれども。ですので、余り、絶対私は港区女子じゃなきゃ嫌だとかいうふうにお嬢様が思わない限りは大丈夫かなというふうに思っております。
 それから、子育て、出産の費用でございますけれども、それよりかは、百万円産んだらもらえますとか教育費一千万やろうとかそういう話よりは、うちのニッセイ基礎研究所の久我尚子という消費研究者が試算しておりますけれども、大卒の事務の女性が育休とかそれから産休をフルに取って定年退職まで行けば、生涯年収というのは二億二千万まで行きます。これが今まだ日本に主流の、東京都でも主流の、二十代後半のところで一気に正社員から転換していわゆるパートになってしまうという、これL字カーブというんですけれども、このL字カーブに行くと五千五百万まで落ちるんです。一億七千万落ちてしまうと。これを落とさないように頑張っていただけば、こんな一千万とか百万とか飛んでしまうような意味がない数字だということに気付いていただければというふうに思います。
 教育無償化についても同様の考えを私は持っております。娘も同じだと思います。
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野上浩太郎#19
○会長(野上浩太郎君) それでは、山田参考人、お願いいたします。
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山田昌弘#20
○参考人(山田昌弘君) 負担を減らすことに関しては、まあやらないよりはいいであろうというふうに思っております。それは、少子化対策というよりも、やはり育児支援という意味で大きな意味があるというふうに、育児をしていない人と育児をしている人の負担を公平化を図るという意味でプラスだと思います。
 あと、天野参考人の意見とほとんど同じなんですけれども、結局、そういう一時的なお金を配る、配付するよりも、女性をしっかりと働ける、つまり正社員であればまだいいんですけれども、正社員じゃないパート、非正規、フリーランスといったような人たちへの支援を手厚くするという、そして夫婦、まあ男性も同じですけれども、そして夫婦二人での収入を上げるようにするという方策の方が少子化対策にとっては効果があると、その点は天野参考人に賛成いたします。
 以上です。
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星北斗#21
○星北斗君 ありがとうございます。
 もう時間がないので、一つだけ聞かせてください。
 親が一定程度の財産を持っていて、子育てのために無税で贈与できるというようなことも制度化しましたが、これもどのぐらいの成果が上がったのかというのはちょっと分からないところでありますけれども、一方、経済力が高い人が、じゃ、結婚が早くてばんばん子供を産んでいるのかというと、必ずしもそうではない。この状況をどういうふうにかみ砕いて考えるべきなのか、もう一度お二方にちょっとずつ、短くお答えいただきたいと思います。
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野上浩太郎#22
○会長(野上浩太郎君) それでは、天野参考人、お時間がありますので、簡潔にお願いいたします。
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天野馨南子#23
○参考人(天野馨南子君) 今、婚姻統計で見ても、平行婚と私は呼んでいるんですが、上位婚の時代が完全に崩れました。二十九歳の初婚同士の男性で結婚された方は、三二%が年上妻を選んでおられます。ですので、大体、自分が結婚してパラサイトされるような相手をお互いに選ばなくなっているというふうに見ていただくとすごく分かりやすいと思います。
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山田昌弘#24
○参考人(山田昌弘君) そうですね。まあ天野参考人の意見に同意しますし、さらに近年は、やはり引き延ばしたい、収入の高い層は引き延ばして自分の趣味等に使いたいというような人も増えているとは聞いておりますが、そういう人たちもいずれは、つまり、夫婦よりも子供を持ちたい、日本では子供を持ちたいから結婚をするという意識が強いので、子供が持てるような年齢くらいまでには結婚したいというふうに取り戻していると私は考えております。
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星北斗#25
○星北斗君 ありがとうございました。
 終わります。
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野上浩太郎#26
○会長(野上浩太郎君) それでは、続きまして、小島とも子君。
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小島とも子#27
○小島とも子君 よろしくお願いいたします。
 三人の参考人の先生方、どうもありがとうございました。
 まず、藤井参考人にお伺いをしたいと思います。
 この資料を見せていただくと、例えば日本を各国と比較したときに、例えばTFR、韓国〇・七二、中国一・〇、日本一・二一という数字が出てきます。けれども、これに高齢化比率を併せて考えてみると、韓国は一八・三%、中国は一四・三%、日本が二九・六%というふうになっています。
 これから考えると、単純に少子化のその合計特殊出生率だけではなくて、高齢化と併せて考えることが、別の資料で見せていただきましたけど、多死社会ですとか老老介護ですとか社会保障の問題ですとか、そういうことに大きく関わってくるんだろうなというふうに読み解いたんですが、このような捉えでいいかどうかということについてまず御説明いただきたいと思います。
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藤井多希子#28
○参考人(藤井多希子君) 御質問ありがとうございます。
 おっしゃるとおりです。
 急激な低出生率への移行というのがその後の、数十年後の急激な高齢化を引き起こしますので、韓国、中国では近年になりましてから出生率は急激に低下しましたけれども、恐らく数十年のうちに韓国は日本を抜いた高齢化率の高さを、例えばなると思いますし、中国でもそのように見込まれておりますので、今、韓国では地域包括ケアについてのとても強い関心を持っておりまして、私自身も研究者から、韓国の研究者からとても多くの質問を受けております。なので、やはりセットで考えなければいけないことだというふうに思います。
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小島とも子#29
○小島とも子君 ありがとうございます。
 そこで、三十三ページのところに、どうして未婚ですかというときに、一人の生活を続けていても寂しくないと思うですとか、生きがいとなるような趣味やライフワークを持っているのでというようなことが出されているんですね。
 山田先生にお伺いをしたいんですけれども、例えば収入が少ないですとか家族や定職を持たないというような、その青年期におけるアイデンティティーの危機がずっと中高年になっても引き続いていくんだというようなことを書いていらっしゃるのを拝見をいたしました。自立に至らないということもあるかなと思うんですが、でも一方で、その方たちの生活満足度が実はとても高かったりとするような統計もあるというのもお見受けをしました。
 その辺りの実態と、それからその自分の生活、幸せ感の感じ方のギャップというのをどうやって捉えればいいんだろうというのがちょっとよく分からないんですね。それについて、山田先生とそれから藤井参考人にまずお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
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