文教科学委員会

2026-06-09 参議院 全79発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和八年六月九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     勝部 賢志君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     宮本 和宏君     青木 一彦君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     青木 一彦君     宮本 和宏君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     滝波 宏文君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         熊谷 裕人君
    理 事
                赤松  健君
                石井 浩郎君
                古賀 千景君
                伊藤 孝恵君
                金子 道仁君
    委 員
                上野 通子君
                清水 真人君
                末松 信介君
                鈴木 大地君
                滝波 宏文君
                橋本 聖子君
                宮本 和宏君
                勝部 賢志君
                斎藤 嘉隆君
                水野 孝一君
                下野 六太君
                谷合 正明君
                中条きよし君
                後藤 翔太君
                吉良よし子君
   国務大臣
       文部科学大臣   松本 洋平君
   副大臣
       文部科学副大臣  中村 裕之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        北脇 達也君
   政府参考人
       こども家庭庁長
       官官房審議官   竹林 悟史君
       文部科学省大臣
       官房学習基盤審
       議官       堀野 晶三君
       文部科学省初等
       中等教育局長   望月  禎君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    佐藤 大作君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    江浪 武志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○学校教育法等の一部を改正する法律案(閣法第五五号)(衆議院送付)
    ─────────────
この発言だけを見る →
熊谷裕人#1
○委員長(熊谷裕人君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石橋通宏さんが委員を辞任され、その補欠として勝部賢志さんが選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
熊谷裕人#2
○委員長(熊谷裕人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、こども家庭庁長官官房審議官竹林悟史さん外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
熊谷裕人#3
○委員長(熊谷裕人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
熊谷裕人#4
○委員長(熊谷裕人君) 学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
下野六太#5
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。
 質問に入る前に、冒頭、教育について少しだけ触れさせていただければと思っております。
 現在、社会全体としては物価高騰や、国際情勢を見ると様々な不安定な状況が続いておりまして、こういった中において、ともすれば、教育や子育て、福祉の議論が今なかなか思うように進んでいないというような、もどかしいような気持ちを抱いておりますが、教育がなぜ大切なのかと申しますと、最終的に子供たちが社会人となって大人になったときに、自分の夢を描き、そしてその夢を自分で自己実現できる、そういう子供をやはり育てていくのが教育の本質ではないだろうかというふうに思っておりますが、そのためには、自立という言葉がいろんな場面で言われますけれども、では、その自立をどうやって成し遂げるかというと、私は、学校教育時代に子供たちに、できる喜び、分かる喜びをシャワーのように浴びていく、そして、自分の中に宝がある、価値がある、自分はやればできるんだということを体感できる、実感することができるかどうかというのが、これが達成感として私は自信につながって、自信がやがて自立につながっていくものだというふうに見てきました。
 やはり、そう考えると、学校教育の時代に子供たちに自信を付けさせる、その基になる達成感をどれだけ、分かった、できたという喜びを味わわせていくことが重要かと。そうでなければ、やってもできない、やっても分からないというようなことだけを味わった子供が自信を失っていくようになれば、自立への道は非常に厳しいのではないだろうか、自信を持てないということで、なかなか自立に進んでいけないと。
 だから、学校教育においてはやはり達成感を味わわせる、それが自己肯定感につながって自信につながり、そして、やがて自分の夢を描き、自分で努力し、その目標を達成させていく、そういう子供を学校教育の中で育てていかねばならないということで、時代はどのような時代になったとしても、やはりそう考えると、国家百年の計は教育にありというのはまさにそのとおりで、私たちは、不安定な社会情勢にあったとしても、教育こそが一番重要であるというような気持ちは持って、これから先も、超党派で、みんなで子供たちのためにいい社会を築いていかねばならないということを最初に申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。
 義務教育の無償について伺いたいと思います。
 本会議でも御紹介したとおり、義務教育における教科書の無償給与については、昭和三十八年の本会議における公明会の柏原ヤス議員による質疑が大きな転機となりました。
 柏原議員の質疑に対し、当時の池田勇人内閣総理大臣が、義務教育の教科書を全て無償とする考えを明らかにしました。改めて、大変意義深い、象徴的な質疑であったと感じます。
 実は、このときの質疑で柏原議員は、義務教育の無償についても尋ねられました。柏原議員はこう聞きます。総理は、無償とは、教育に要する費用、すなわち授業料を無償とするという見解をお示しになっておられますが、憲法二十六条に示された無償とは、果たしてこれだけの意味でしょうかと尋ね、義務教育に要する保護者負担が著しく高く、保護者の間から、給食の無償やPTA会費の全廃を求める声が盛んに上がっている旨を伝えました。
 これに対し、池田総理は、憲法の理想をより広く実現するために、教科書の無償配付を行うことにしたと答え、さらに、給食費用の予算を増やすなど、この憲法の理想の実現に努めていきたい旨答弁したのです。
 今年度から、公立の小学校段階のみではありますが、学校給食費の抜本的な負担軽減、いわゆる給食無償化が始まりました。あのときの参議院本会議における柏原議員の質疑、池田総理の思いが、六十年以上の時を経て、その一歩を踏み出したことに大きな感慨を覚えます。
 これまで積み上げられてきた我が国の義務教育の無償について、文部科学大臣の所感と今後に向けた決意を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
松本洋平#6
○国務大臣(松本洋平君) まず最初に、委員から大変大事な話を冒頭いただいたと思っております。しっかりと我々としても、そうした委員の思い、共有をさせていただいて、教育の充実に、先生方のいろいろな御指導もいただきながら努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 我が国における義務教育の無償制でありますが、明治三十三年の小学校令におきましてその原則が確立をいたしまして、戦後は日本国憲法において義務教育の無償が定められたところであります。
 憲法における義務教育の無償とは授業料不徴収の意味でありますが、今委員からも御紹介をいただきましたように、過去、先人たち、とりわけ御党のお力添えも含めまして、先人たちの尽力、また国民の理解をいただきながら、この無償の精神をより広く実現をするために、教科書の無償給与制度が実現をしてきたものと理解をしているところであります。また、子育て世帯への支援を強化する観点から、本年四月から学校給食費の抜本的な負担軽減を実施することといたしました。
 私といたしましても、こうした歩みに思いを致しつつ、質の高い義務教育を誰もが享受をすることができるように、教育施策の充実、これに一層尽力してまいりたい、そのように考えております。
この発言だけを見る →
下野六太#7
○下野六太君 しっかりよろしくお願いします。
 中央教育審議会が昨年九月にまとめた学習指導要領改訂に関する論点整理を見ますと、教科書の在り方等について記載があるのはもちろんですが、デジタル学習基盤を前提とした学びの在り方や情報活用能力の抜本的向上といった文言が目に留まります。
 中央教育審議会における学習指導要領の改訂に向けた検討の中で、教科書の在り方やデジタル学習基盤を前提とした学び、情報活用能力の向上についてどのような議論が行われているのか、文部科学省に伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
望月禎#8
○政府参考人(望月禎君) 下野委員から学校教育の意義について冒頭いただきました。
 学習指導要領の改訂におきましては、そうした学校教育の意義というものをしっかり押さえた上で、新しい時代においても、確実に学校教育において身に付けなければいけない力をしっかり育むことができるように、主体的、対話的、深い学びの実装、そして多様性の包摂、実現可能性の確保という三つの基本的な方向性に基づき中教審で議論を進めているところでございます。こうした観点から、教科書につきましては、各教科等の本質的な理解をつかみやすい内容に重点化する方向で検討をしているところでございます。
 デジタル学習基盤につきましては、多様な子供たちへの包摂性を高め、主体的、対話的、深い学びの実現を支えるインフラとして位置付けまして、これらを前提とした学習指導要領の在り方を検討しております。
 こうしたデジタル学習基盤を活用して、探求的に学ぶ力を育むとともに、情報活用能力を、言語能力とともに、学習の基盤となる資質、能力として位置付け、その抜本的向上を図るために、小学校の総合的な学習の時間に情報の領域を付加する、中学校に情報・技術科を創設する方向で議論を進めており、今後とも引き続き丁寧な検討を行ってまいります。
この発言だけを見る →
下野六太#9
○下野六太君 情報活用能力等について、私が特に重要だと考えるのは情報モラル教育です。昨今の生成AIの台頭やデジタルな形態の教科書の導入を踏まえれば、その重要性はますます高まっていくと考えます。
 生成AIやSNS等を利用する際の注意点やマナー、個人情報の取扱いなど、身に付けるべき情報モラルはたくさんあると思いますが、加えて、重要だと考えるのは、デジタル端末の使用による健康面への影響等の正しい理解です。デジタルな形態の教科書の導入に当たっては、子供たちの健康面への影響が懸念されています。しかし、教員や保護者が子供の姿勢や画面との距離、休憩の取り方といった使用方法をずっと見張っていることはできません。そうすると、最終的には子供自身が健康にも留意したデジタル端末の適切な使い方を身に付けることが重要だと考えます。
 現在の学校における情報モラル教育では、健康面への影響についてどのように扱われていますでしょうか。また、デジタルな形態の教科書の導入を契機に、デジタル端末の適切な使い方を身に付けるため、健康面を含む情報モラル教育に力を入れていくべきだと思いますが、文部科学大臣の見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
松本洋平#10
○国務大臣(松本洋平君) 様々なデジタル技術が飛躍的に発展をする中、学校におきまして、健康面への影響にも十分配慮しつつ、端末の適切な使い方を含めた情報モラル教育を一層充実させていくこと、これが大変重要だというふうに考えているところであります。
 そのため、文部科学省では、学習指導要領におきまして、情報モラルを含む情報活用能力を学習の基盤として位置付け、健康を害するような行動について考えさせる学習活動などを行うように全ての学校現場に求めているところであります。また、各学校の取組を支援するため、例えばインターネットの使い過ぎによって起き得る昼夜逆転でありますとか睡眠障害といった弊害の学習でありますとか、適切な時間の使い方を考えさせるための児童生徒向けの学習コンテンツを提供するとともに、教職員を対象とした研修会を開催しているところであります。
 今委員お話がありましたように、この問題大変難しくて、もちろん学校におきましてのデジタルの基盤の活用のみならず、これスマホ等々も含めて、やっぱり家庭でどういうふうに指導をしてもらうのかということも含めて、やっぱりそれぞれ考えていただかなければいけないということだと思っておりまして、関係省庁とも連携をしながらしっかりと進めてまいりたいと思っているところでありますが、一方で、やはり学校で子供たち自身にそうしたことをしっかりと理解をさせ、身に付けさせるということも大変大事なことだと思いまして、今申し上げたような施策というものをこれまでも行ってきているところであります。
 現在審議いただいております学習指導要領改訂の議論、これも踏まえつつ、情報モラル教育、一層充実を図ってまいりたい、そのように考えております。
この発言だけを見る →
下野六太#11
○下野六太君 ありがとうございます。
 私も、家庭の中における情報モラル教育においては、やはり家庭にしっかりしてもらいたいという気持ちはあるものの、やはり、リーダーシップを発揮していくのはやはり文科省、文科大臣のリーダーシップに是非期待したいと思います。文科省の皆さんに是非とも全社会で、子供の情報モラル的な子育て、教育はどうすればいいのかということを積極的に発信していただきたいと思います。それが行く行くはその子供自身を守ることにつながっていくというふうに思いますので、文科省、文科大臣の、これから情報モラル教育で子供たちを守るということで、しっかりリーダーシップをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 情報化が進む世の中を踏まえれば、デジタルな形態の教科書の導入は当然の流れと言えるかもしれません。しかし、私がこれまで主張してきましたように、このような時代や状況だからこそ、それと同じくらいリアルな体験が重要なのだということを改めて強調したいと思います。
 本法律案の提出に先立ちまとめられた中央教育審議会のワーキンググループの審議では、教育課程全体、授業全体として、紙の良さに加えてデジタルの良さも生かし、リアルの活動も適切に組み合わせてデザインすることが重要であると指摘されています。中央教育審議会における学習指導要領の改訂に向けた検討の中で体験活動についてはどのような議論が行われているのか、文部科学省に伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
望月禎#12
○政府参考人(望月禎君) デジタル端末の普及あるいは生成AIの飛躍的な発展が進む中、また、そうだからこそ、豊かな情操や社会性、主体性を育んでいく上で体験活動の重要性が一層増していると考えてございます。
 次期学習指導要領に向けました中央教育審議会の検討におきましては、各教科等の特質に応じた体験や実際の活動を重視をした上で、特に、総合的な学習の時間で体験的な活動等を通して生まれた興味、関心や問題意識を探求の基盤と位置付けること、特別活動でリアルな体験や多様な他者との協働の中での学びを重視する、生活科の中で実感を伴う生きた知識を身に付けるため身体性を伴った体験活動を充実することなどが議論されてきたところでございます。
この発言だけを見る →
下野六太#13
○下野六太君 是非これからもリアルな体験をしっかり重視していくという方向性をしっかり打ち出していただければというふうに思います。
 学校教育法では、小学校等において、教育指導を行うに当たり、児童の体験的な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとすると明記されています。学校教育法に基づき策定される学習指導要領においてはこの内容がしっかり反映されるべきと考えます。中央教育審議会の教育課程企画特別部会がまとめた論点整理は百十三ページありますが、その資料の中で体験活動という言葉はたったの一回しか出てきていないようです。それも注の中の例示といった形の小さい扱いになっています。これでは、我が国の教育において体験活動が軽視されていると思われかねません。先日の本会議では、文部科学大臣の体験活動に対する所見と体験活動の充実に向けた今後の取組について伺い、その重要性を改めて共有できたと思っています。
 学習指導要領の改訂に向けて体験活動の重要性や在り方についてもしっかりと議論を行い、次期学習指導要領に反映していただきたいと思いますが、文部科学大臣の所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
松本洋平#14
○国務大臣(松本洋平君) デジタル学習基盤を前提といたしました学びの在り方が議論される中にありまして、自然体験活動でありますとか社会体験活動等の体験活動はその重要性が一層増しているというふうに考えているところであります。
 現行の学習指導要領では、例えば総則におきまして、学校の教育活動を進めるに当たりましては、道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動などを通して、豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること、総合的な学習の時間において、自然体験やボランティア活動などの社会体験、物づくり、生産活動などの体験活動を積極的に取り入れることなどが盛り込まれているところでありまして、これらに基づく指導が各学校で行われているところであります。
 その上で、次期学習指導要領に向けた中央教育審議会の検討におきましても、各教科、総合的な学習の時間、特別活動等における議論の中で、体験活動の重要性等についても御議論をいただいているところであります。
 文部科学省として、学校等における宿泊体験活動の取組に対する支援なども進めながら、引き続き子供たちの健やかな成長に欠かせない体験活動の充実に努めてまいりたいと思いますし、今委員からも御指摘もいただきました、やはり社会がこうしてデジタルだったりとかそうした形で変容をしていく中で、教育の中で子供たちにより一層意識的にそうしたことをきちんと伝えていく、教えていくということが求められていると私自身強く思っているところでもありまして、そうした思いを共有をしながら取組を進めてまいりたい、そのように考えております。
この発言だけを見る →
下野六太#15
○下野六太君 子供たちに体験活動を重視していく中で、私は、五感ですね、五感をフルに使った形での実感する体験、これが子供たちにおいては将来への健やかな成長につながっていくものというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 本会議では、本法律案で新たに認められるデジタルな形態の教科書についても、これまでと同様に、義務教育段階における無償給与がなされることを文部科学大臣に確認をさせていただきました。
 一方で、気になっているのが高校段階における教科書の扱いです。高校については、小中学校と同じように教科書の使用義務が課されている一方、無償給与は保障されていません。本法律案により認められるデジタルな形態の教科書については、アクセシビリティーへの対応やクラウド管理などが必要となるため、製作コストが高くなることも予想されます。製作コストをきちんと反映した形での価格設定は必須ですが、高校段階の場合は、教科書を買う、購入する生徒側の、保護者側の負担も考える必要があるかと思います。
 デジタルな形態を含む新たな教科書の価格について、高校段階では特に生徒側の負担も考慮する必要があると考えますが、文部科学省の認識と対応策を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
望月禎#16
○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。
 下野委員御指摘のとおり、高等学校段階の教科書の経費につきましては保護者負担でございます。これを可能な限り低廉にとどめることが望ましいと考えてございますけれども、一方で、教科書の質を担保するために、教科書の製造、供給コストに見合った価格となるよう考慮することも必要であると考えているところでございます。
 デジタルな形態を含む新たな教科書の価格につきましては、紙の教科書と同じく物価変動等を注視しながら、クラウド通信料など、製造、供給に係るコスト構造が紙の教科書と異なる点などについて考慮する必要があると考えてございます。
 そのため、文部科学省におきましては、中央教育審議会の審議のまとめ以降、教科書発行者とデジタルな形態を含む教科書の製造、供給に必要なコスト算出に向けた検討を始めたところでございます。
 本法案をお認めいただいた後には、教科書発行者と丁寧な情報共有や意見交換を行いながら検討を加速させ、保護者負担の観点も併せまして適正な教科書定価の設定に取り組んでまいります。
この発言だけを見る →
下野六太#17
○下野六太君 非常に難しいところではあると思うんですね。教科書の質を高めるということと、それを安価、低廉に抑えるということの両立というのは非常に難しいと思いますけれども、是非保護者負担の軽減に努めていただきたいと思います。
 デジタルな形態の教科書を活用するに当たって必須となるのは、タブレットなどのデジタル端末です。このデジタル端末についても、公立の小中学校では無償ですが、高校では必ずしも無償ではありません。令和六年度時点の文部科学省の調査によれば、公立高校等におけるデジタル端末の整備について保護者負担を原則とする都道府県が半数を超え、高校生の保護者の大きな負担となっています。本年度予算では、授業料以外の教育費負担を軽減するための高校生等奨学給付金について対象世帯の拡充や国の負担割合の引上げが行われましたが、昨今の物価高も踏まえれば、必ずしも十分とは言えないかと思います。
 デジタルな形態の教科書の使用の前提となるデジタル端末の購入が高校生の保護者の大きな負担となっていることを踏まえ、高校生等奨学給付金について給付額対象世帯の更なる拡充や国による全額負担を実現する必要があると考えますが、文部科学省の見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
望月禎#18
○政府参考人(望月禎君) お答えいたします。
 公立高校の端末整備に当たりましては、国において、学校のICT環境整備計画に基づきまして、低所得世帯への貸与機器の整備等に必要な経費に係ります所要の地方財政措置を講じてございます。これらを踏まえて各設置者において端末が整備されていると承知をしてございます。
 そのような財政措置が行われている中において、公立高校の端末整備につきましては、その費用負担の在り方も含めて各設置者において御判断いただくものではございますけれども、原則保護者負担としている都道府県におきましても、低所得世帯への貸与や購入の補助など、何らかの支援を行っていると承知をしてございます。
 また、私立高校の端末整備に当たりましては、学校法人が整備する場合、国において学校法人に対し端末の購入費の補助を行っているところでございます。
 下野委員からございました高校生等奨学給付金につきましては、今年度、三党合意も踏まえまして、中所得層への拡充等を行ったところでございます。その際、端末購入に係る支援の在り方につきましては、本年三月の高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議におきまして、授業料以外の支援である高校生等奨学給付金において、学習者用端末の購入費を補助できるようにするなど、給付額や対象世帯の更なる拡充を図ることとされてございます。今後の重要な検討課題であると認識してございます。
この発言だけを見る →
下野六太#19
○下野六太君 更なる拡充をお願いしたいと思います。物価高騰で非常に厳しい情勢であります。よろしくお願いします。
 高校段階のデジタル化につきましては、デジタル端末の整備に係る保護者負担のほかにも、義務教育段階とは異なる状況が見られます。例えば、教科書の内容の全部をそのままデジタル化した現行のデジタル教科書について、紙の教科書に対する発行割合は、義務教育段階で一〇〇%に迫るのに対し、高校段階では六割を切っています。高校は義務教育ではないために小中学校と状況が異なることは理解しますが、国としてデジタル端末の使用を前提とした教育を推進していることを踏まえれば、国はそうした教育を実現できる環境を整える責任があるかと思います。
 義務教育段階に比べて遅れている高校段階におけるデジタル化の状況に対する所見と今後の対応策について、文部科学大臣に伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
松本洋平#20
○国務大臣(松本洋平君) 義務教育段階におきまして一人一台端末環境で学んだ児童生徒が高校に進学した後も同様に一人一台端末で学ぶことができる環境を整えていくということは大変重要でありまして、既に多くの自治体で整備済みと認識をしております。
 他方で、今委員から御指摘をいただきましたとおり、端末の整備の方法や、また現行の教科書代替のデジタル教科書の発行割合など、義務教育段階とは異なる状況も見られているところであります。
 今回の制度改正は、子供たちの学びの質を高めることを目的といたしまして、これまで紙だけが認められてきた教科書にデジタルを取り入れて作成することを可能とするものであります。
 文部科学省としては、今後策定予定の大臣指針におきまして、高校段階も含めてデジタルの活用が期待される場面などを示し、新たな教科書の発行、使用を促していくとともに、実証研究を高校段階においても進めてまいりたいと思っておりまして、これは今年度の予算にも計上させていただいております。また、新たな教科書を効果的に活用できる学習環境の整備、これらに取り組んでまいりたい、そのように考えております。
この発言だけを見る →
下野六太#21
○下野六太君 次に、法案とは直接は関係ないんですが、小学校の英語専科教師の採用状況についてのお尋ねをしたいと思います。
 これ、地域名を言うと差し障りがあるので地域名はちょっと伏せますが、ある地域の小学校で、アメリカの小学校で教えることができるという教員免許を有している方が小学校の英語専科教師として勤務しておられました。その方が異動先の学校で特別支援学級の担任をお願いされたということです。その理由を尋ねると、教員不足だということだったそうです。非常に残念な事案だと思います。特別支援学級の担任となることが残念なことではなくて、英語専科教師がその力を発揮できるようにできないということが残念なことではないかと思っております。この地域におきましては米軍基地があって、地域的には英語が非常に、地域的には非常にポピュラーになっているような地域であります。
 そういった地域でそういうことが起こっているということ、これは地方自治における問題であって、直接文科省が口を挟む話ではないということは理解していますが、教員不足の影響がこのようなところに出ているということを重く受け止めなければならないということで、こういった問題に対してどのように対処すればいいのかということをアドバイスいただければと思います。
この発言だけを見る →
堀野晶三#22
○政府参考人(堀野晶三君) お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますれば、教師の専門性に対応した適材適所の人事配置を行えるということが望ましいと考えております。そのためにも、教師不足の解消に取り組んでいくということが重要であると考えております。
 教師に優れた人材を確保するため、文部科学省としては、学校における働き方改革の更なる推進や処遇改善、指導運営体制の充実等、教師が働きがいと働きやすさを共に実感できる環境整備等を通じた質の高い教師志願者の確保、また特別免許状の更なる活用や柔軟な任用形態の拡大による専門性を持つ社会人等の入職など、多様な分野からの入職促進などを進めております。
 加えて、文部科学省におきまして、大臣の指示で発足した教師不足に関する対策プロジェクトチームを中心に更なる対応を検討しており、特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援等を通じて課題の解決に全力で取り組んでまいります。
この発言だけを見る →
下野六太#23
○下野六太君 これで終わりますけれども、やはり教師不足がこういうところに波及してきているということを重く受け止めて、しっかりとした対処をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上で終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →
金子道仁#24
○金子道仁君 おはようございます。日本維新の会、金子道仁です。
 本日もデジタル教科書に関して早速質問させていただきたいと思います。
 デジタル技術の急激な進展の中で、子供たちを危険から守ることと同時に、教育の質を高め、デジタル社会で生きるためのリテラシーをしっかりと子供たちに伝えていく、このような難しい政策目標を実現、しかも早急にしていかないといけない、そのように考えております。
 最初に、こども家庭庁にお伺いしますが、昨日、私たち日本維新の会は、黄川田大臣に対して、青少年インターネット規制の今後の方向性について提言を出させていただきました。今後の青少年インターネット規制法の改正も含めて、早急な対応が必要だと考えますが、見解をお聞かせください。
この発言だけを見る →
竹林悟史#25
○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。
 インターネット上では子供を取り巻くリスクが多様化しており、青少年が安全に安心してインターネットを活用できる環境の整備は急務であると認識しております。
 このため、政府としては、令和七年九月に関係府省庁連絡会議において取りまとめた政府全体の工程表に沿って、関係府省庁が連携して必要な取組を進めております。
 さらに、青少年インターネット環境整備法の在り方につきましては、本年一月にこども家庭庁に設置した有識者会議におきまして、青少年が年齢や発達段階に応じて安全に安心してインターネットを利用できるよう、より幅広いステークホルダーが青少年の保護について具体的な方策を講ずるよう、事業者の役割のリバランスを図ることなどの規制の在り方、あるいは青少年自身がリテラシーを底上げすることなどについて検討を進めております。
 引き続き、御党の御提言もしっかり受け止めつつ、G7の共通原則等を踏まえながら、法制上の対応を含めてしっかりと検討し、関係府省庁と連携しながら、令和八年中を目途に具体的な方針を取りまとめてまいります。
この発言だけを見る →
金子道仁#26
○金子道仁君 来週のサミットでもこのテーマが取り扱われますし、是非、我が国としても遅れることなく速やかに子供たちの守るための環境整備、法制度をしっかりと整えていただきたいと思います。
 と同時に、デジタルを使った教育の質の向上、これもしっかりやっていく必要があるということで、今回、デジタル教科書が検定の範囲に入ってまいりました。デジタルの形態を含む教科書の標準仕様等も今検討が進められている中で、例えばルビを付す、これは標準仕様として検討されるということを伺っております、まだ決まっていないですが。じゃ、ルビは全部チェックするんですかと聞いたら、文科省の方は、全部チェックしますと。すごいなと思うんですけれども、全ての漢字のルビまでチェックして教科書の正確性をしっかり把握するということです。
 で、例えば、標準仕様ではないですけれども、外国籍の子供たちのために、包摂性を高めるために、外国語の翻訳機能、こういったものもデジタル教科書に搭載されてくる可能性があると思うんですね。私も海外で、語学の研修しながら大学等行くときに、当然デジタルの様々なものを使いながら、でも何とか授業に付いていこうとする中で、もしデジタル教科書でぱっとそこの翻訳が出てきたら、授業に遅れることなく、そして言語も学べる、非常に有益じゃないかと考えました。
 じゃ、デジタル教科書に外国語の翻訳を付けた、その機能を検定できるのかと言われれば、これ、五か国語、六か国語、全ての言語を外国語でチェックするということが検定でできるとはちょっと思えないわけです。
 つまり、デジタルの教科書を導入するということは、これまでの検定の在り方ではなく、デジタル内容に沿った検定方法を考えるべきだと思うんですが、文科省の見解をお伺いします。
この発言だけを見る →
望月禎#27
○政府参考人(望月禎君) お答えいたします。
 新たな教科書におけるデジタル部分の具体的な検定方法等につきましては、今後、教科書検定審議会において専門的な見地から審議をお願いをすることにしてございますけれども、検定は教科書の内容を審査するものでございますので、例えば、音声読み上げの機能など内容の正確性に影響を与えない技術的要素が強い機能につきましては、記述内容との関連性など限定的な範囲で一定の確認を行うにとどめる方向で検討したいと考えてございます。
 御指摘の外国語翻訳機能を含めまして、デジタルを含む教科書にどのような機能を教科書に位置付けることができるのか、その場合にどのように確認をしていくのかという点につきましても、教科書検定審議会において検討してまいります。
この発言だけを見る →
金子道仁#28
○金子道仁君 非常に重要な御回答だと思います。
 つまり、一定の確認という言葉の中に、全てを確認することがもう難しくなってきているという内容が含まれていると私は理解しておりますし、これは一定仕方がないことではないかなと思うんです。
 そこで、さらに、外国語の翻訳より更に一歩進んだAIが教科書に搭載される場合はどのように検定をしていくのかということについて御質問していきたいと思います。
 まず、資料を御覧ください。今日は二つ資料を出させていただきました。
 まだ、教育現場でAIを使った場合にどのようなメリット、デメリットがあるか、そのような研究がなかなかない中で、まず一つ目の資料は、これCOMPASSという会社、キュビナというAIドリルを出しておられる、大体、今、自治体の数でいうと千ぐらいの自治体には入っているというふうに伺っています、かなり多くの子供たちが利用しているAIドリルですが、これを慶応大学の中室先生と研究をした際に、二万人規模で検証した場合、一週間当たりの利用頻度、習熟度等が、スコアが上がると正答率が上がるという、教育の質にプラスの効果があるというような、そのような研究資料が出ております。
 他方で、資料の二枚目を御覧ください。これは、東京大学の吉田先生の研究資料を今日は使わせていただいておりますけれども、トルコの高校生千人に、AIを使う際の三グループで、自由利用型AI、つまり無制限に自由にAIを使う場合と、ガードレールを付けたAIを使わせる場合と、AIを使わない、その三つの対照群で実験を一年間した際に、発見一としては、AIを利用中の演習成績としては、自由型AIもガードレール付きAIを使った子供たちも共に成績が良かったと。しかし、AIを使わない試験では、自由利用型のAIの成績は、AIなしの対照群、つまりAIを使っている人の方が使わない人より学力が落ちたという成果も出ています。発見の三のところで、その成績低下の背景には、AIを考える補助ではなく答えを得る近道として使う傾向があった。そして発見四に、AI利用が自分の学習を損ねていることを必ずしも自覚していなかったという、非常に示唆に富んだ研究が出ております。
 ポイントとしては、AIを使うということよりも、答えを与え過ぎない設計、ガードレールというものが必要なのではないかというふうに私自身は考えております。
 今、教育現場では令和六年のガイドラインがありますけれども、先生の力量に懸かっていると。学習指導要綱に基づいて適切に使用するようにということで、言わば道もない、舗装路もない中で安全運転を心掛けてくださいと。せめてガードレールを造る必要があるのではないかと思っております。
 令和六年のガイドラインの早期改定が必要だと思いますが、文科省の見解をお聞かせください。
この発言だけを見る →
堀野晶三#29
○政府参考人(堀野晶三君) お答え申し上げます。
 文部科学省では、これまで学校現場における生成AIの利活用に向けて、初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドラインを策定、更新するとともに、パイロット校の指定を始め様々な形で実証研究を進めてきたところです。
 昨年度、文部科学省が実施した実証研究からは、例えば、発達の段階に応じた回答や、不適切な回答を行わないなどの技術的に出力を制御するいわゆるガードレールの必要性、また、答えを聞いても即座に示さずに思考を促すことなどの設計の重要性やその実装に向けた課題などが明らかとなっておりまして、技術の進展を踏まえた実証的な知見を蓄積していくことが重要だと考えております。
 御指摘のガイドラインの改訂につきましては、これまでの実証研究の知見や、技術の進展や国際的な動向等も踏まえまして、有識者等へのヒアリングを行いながら、今年度中に改訂をしたいと考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る