予算委員会

1961-02-17 参議院 全240発言

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会議録情報#0
昭和三十六年二月十七日(金曜日)
   午前十時四十八分開会
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  委員の異動
本日委員杉原荒太君、平島敏夫君、湯
澤三千男君、小柳勇君、佐多忠隆君、
小平芳平君及び白井勇君辞任につき、
その補欠として小沢久太郎君、近藤鶴
代君、上林忠次君、山本伊三郎君、森
元治郎君、北條雋八君及び高橋進太郎
君を議長において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     館  哲二君
   理事
           梶原 茂嘉君
           中野 文門君
           米田 正文君
           阿具根 登君
           占部 秀男君
           松浦 清一君
           千田  正君
           杉山 昌作君
   委員
           泉山 三六君
           小沢久太郎君
           太田 正孝君
           大谷 贇雄君
           金丸 冨夫君
           上林 忠次君
           小林 英三君
           小柳 牧衞君
           小山邦太郎君
           後藤 義隆君
           近藤 鶴代君
           塩見 俊二君
           重政 庸徳君
           白井  勇君
           高橋進太郎君
           手島  栄君
           一松 定吉君
           武藤 常介君
           村松 久義君
           村山 道雄君
           山本  杉君
           大矢  正君
           木村禧八郎君
           小酒井義男君
           田中  一君
           高田なほ子君
           羽生 三七君
           藤田藤太郎君
           森 元治郎君
           森中 守義君
           山本伊三郎君
           東   隆君
           田畑 金光君
           辻  政信君
           北條 雋八君
           岩間 正男君
  国務大臣
   内閣総理大臣  池田 勇人君
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
   農 林 大 臣 周東 英雄君
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
   郵 政 大 臣 小金 義照君
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
   自 治 大 臣 安井  謙君
   国 務 大 臣 池田正之輔君
   国 務 大 臣 小澤佐重喜君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
   国 務 大 臣 西村 直己君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   総理府総務長官 藤枝 泉介君
   経済企画庁調整
   局長      中野 正一君
   外務省欧亜局長 金山 政英君
   外務省条約局長 中川  融君
   外務省国際連合
   局長      鶴岡 千仭君
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
   大蔵省理財局長 西原 直廉君
   大蔵省銀行局長 石野 信一君
   厚生省年金局長 小山進次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十五年度一般会計予算補正
 (第2号)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度特別会計予算補正
 (特第2号)(内閣提出、衆議院送
 付)
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館哲二#1
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。
 委員の変更について報告いたします。本日、杉原荒太君及び小平芳平君が辞任され、その補欠として小沢久太郎君及び北條雋八君が選任されました。
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館哲二#2
○委員長(館哲二君) 昭和三十五年度一般会計予算補正(第2号)、昭和三十五年度特別会計予算補正(特第2号)以上二案を一括して議題といたします。
 質疑を続行いたします。千田正君。
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千田正#3
○千田正君 昨日、同僚委員の木村委員から、いろいろ補正予算の疑義をただしておられましたが、私も多少それに関連しまして、総理大臣並びに大蔵大臣にお伺いいたしたいのであります。
 一千億減税は池田内閣の国民に公約いたしました金科玉条でありますが、しかし、新たにガソリン税の増税が現われたりしまして、正味の減税は三十六年度の場合はわずかに六百二十一億円、地方税を加えても七百億円程度にしかならないのであります。総選挙の際は、国税、地方税合計で初年度から千億減税を実施するような気がまえを見せておりましたにもかかわらず、大蔵省原案の七百八十八億円に比べても、なお百六十七億円も少ないような見積りの仕方をしたということが、やがて補正予算において、きのうの木村君の質問にもありましたように、産投融資の方向へ、いわゆる二十九条を曲解した方向へいくような感さえも国民に与えているということは、はなはだ残念なことでありますので、この辺のことをはっきりした態度でお答え願いたいと思います。大蔵大臣に。
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水田三喜男#4
○国務大臣(水田三喜男君) 一千億以上の減税をするというのが私どもの公約でございましたが、どういう内容の減税をするかということは、御承知のように、私どもは税制調査会でこの問題を特に検討していただいて、この答申を待って、大体この答申通りの内容で、平年度千百億以上減税案、初年度九百二十五億という減税案を作りまして、国会に御審議を願っているということでございますので、当初私どもが予定しておりましたこの減税は、その通り行なっておるわけでございますが、今おっしゃられましたように、ガソリン税の増徴ということをきめましたし、また一方、租税特別措置法の合理化によって、ここに増収分も出しましたために、差し引きずると確かにそういうことになりましたが、私どもの考えていた中小所得者、中小企業を中心とした減税を内容とする減税を一千億円以上やるということだけは、今度の予算でも実行しているつもりでございます。
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千田正#5
○千田正君 自然増収が二千五百億円と見込んだときの一千億減税説と自然増収が三千九百億円以上にふくれ上がった場合の減税の尺度は、おのずから違うはずでありまして、政府としてはどれほど減税を考えておられるのか、また、国民所得に対する税金の割合は、税制調査会が見込んだ二〇・三%よりだいぶ高くなりそうで、減税規模の再検討の必要があると思いますが、この点はいかに思っておられますか。
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水田三喜男#6
○国務大臣(水田三喜男君) ガソリン税の増徴をきめない前は、大体、税制調査会の意見通り二〇・五%の負担率という予定でございましたが、その後、道路問題に対処するために、ガソリン税の増徴ということをきめましたので、これを入れますと二〇・七%前後の負担率になるのじゃないかと思います。
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千田正#7
○千田正君 このように自然増収がどんどん出てくるとすると、あえてガソリン税を新しく増税する必要がなかったんじゃないですか。
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水田三喜男#8
○国務大臣(水田三喜男君) 当初の私どもの考え方は、ガソリン税を増徴しなくても道路計画はやっていけるという見込みで、五年間に一兆八千億円の資金投入という計画で対処できはせんかというのが私どもの考え方でございましたが、最後に、政府案の決定段階におきまして一兆八千億の計画では今のこの道路問題に対処できない、もう少し道路に対する資金投入は強化しなければならぬということに、政府の意見も党の意見もなりましたために、急に計画を二兆一千億円計画に変えることになりましたが、その計画を実行するためには、やはり特定財源であるガソリン税の増収を考えなければならぬと、こういうことになって予算編成の最後の段階で決定したというような事情でございます。
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千田正#9
○千田正君 総理大臣にお尋ねしますが、きのう木村委員の御質問のときでありますが、来年度は相当余ってくるような、言外にそういうふうにお答えがあったようにわれわれは感ずるんです。それで、来年のことは鬼が笑うと言いますけれども、実際において池田総理の自信たっぷりの財政的な御発表からいうと、来年度はまた相当の何といいますか、徴税見込みが上がってくる、相当余ってくると、そうした場合における方向の対策としましては、ことしとは違った意味のことを考えておられるのか、あるいはことしと同じような方向にこの金をお使いになるというふうに考えておられますか、その点はどうなんです。
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池田勇人#10
○国務大臣(池田勇人君) 来年度は、ただいま御審議願っております金額は私は正しいと考えております。御質問は昭和三十七年度の御質問ですか。
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千田正#11
○千田正君 三十七年度です。
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池田勇人#12
○国務大臣(池田勇人君) 再来年度につきましては、経済の成長が、われわれが予期しておるように実現されますならば、やはり相当の自然増収でなしに、増収が見込まれると思います。その場合におきましては、やはり減税も必要でございましょうし、重点的に、経済成長を助け、国民生活の安定向上という方面に編成したいと考えております。
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千田正#13
○千田正君 ここで私はドル防衛の点について池田首相にお尋ねするのでありますが、昨年アメリカが、なぜドル防衛に踏み切ったかという点であります。私は戦後の世界経済、特に資本主義経済におけるアメリカの優位が、最近に至ってだんだんくずれてきておる。その結果、アメリカ国内の財政そのものに大きな影響を来たしておると考えておるんですが、総理大臣のお考えとしては、アメリカ経済に対してどういうふうにお考えになっておりますか。
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池田勇人#14
○国務大臣(池田勇人君) これは五、六年前は、各国ともドル不足で困っておって、何とかアメリカ合衆国に集中するドルを西欧あるいはわれわれとしてもこちらの方へ持ってくるような努力をしなければならぬというのでいっておったのが、たまたま一九五八年、五九年におきまして、外国へのアメリカの海外援助はそのままでいって、今までの貿易の輸出超過の五、六十億、四、五十億というのが相当減って参りましたために、一九五八年で三十五億ドルの赤、五九年で三十八億ドル、また、昨年度六〇年で四十億程度の赤が出てきた、こういうふうなことになったのでございます。従って、ケネディ大統領としてはドル防衛の措置を講じたのであります。一方アメリカの経済は、一九五八年のリセッションから、五九年に立ち直り、六〇年に参りましてまた下降の傾向をとったのであります。この下降の傾向も、去年の上半期はまだよろしい、下半期に至ってだんだん落ちてきて、今年一月は相当落ちているようでございます。従いまして、ケネディは、やはり国内的に相当の積極政策を私はとっていくと思っておるのであります。で、ドル防衛並びにアメリカの経済繁栄につきまして、今出しておりますような施策を私は推し進めていき、このリセッションも今年の下期になったら立ち直るんじゃないかという気持を持っております。
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千田正#15
○千田正君 総理は今そうおっしゃっておられるんですが、それでケネディの政策としては、先般もドル防衛の一理として、早く、今までの海外に出しておったドルの吸収をやらなくてはならない。その一環として日本に対して、ガリオア、イロアの借款の早期返還を要求しているがごとく伝えられておるのでありますが、この点については、社会党の諸君、あるいはまた日本の国民の人たちのうちでも、あれは借款ではないのだと、当時の救援物資であるのだという観点に立って考えておられる。これに対して、政府として総理大臣のお考えは、これは借款であるというふうに衆議院の予算委員会でも述べられております。が、これが借款だとすれば、一体どれだけの借款になっておるのか、またかりにそれを返還しなければならないという建前に立つならば、その返還の方策をどういうふうに立てておるのか、そういう点について総理からお答えいただきたいと思います。
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池田勇人#16
○国務大臣(池田勇人君) ガリオア、イロアの問題は、ドル防衛と直接の関係は私はないと思っております。これは昭和二十九年、昭和二十八年にロバートソンと会談したときも、これを早く返してくれ、直ちに返してくれという要求がございましたが、それはお断わりいたしました。二十九年に重光さんとの話もありました。その後、日本の総理並びに外務大臣が行ったつど、これは話題に上っておるのであります。どれだけの、私は借款と言ったことはございません。対日援助につきましての総額は、大体二十億ドルといっております。二十一億に近い数字も出ます。二十億程度の数、字も出ますが、しかし、何分にも昭和二十四年の対日援助見返り資金特別会計ができるまでは向こうが管理いたしておったものでございますから、正確な数字は今検討をいたしておるのであります。それが一応二十億ドル程度になった場合に、われわれがこれをどれだけ、債務と心得ておるわれわれがどれだけ返すかということにつきましては、まだ私は結論を出していない。大体ドイツの例もございましょうし、またドイツと日本とは立場が違うところもございます。債務と心得ておりますが、ほんとうに債務になるという場合におきましては、これは国会の承認がなければならぬことでございますので、この問題につきましては私は慎重に検討中でございます。
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千田正#17
○千田正君 ガリオア、イロアの問題は、借款ではなくて、いわゆる借り入れであるという考え、それはわかりましたが、ドル防衛の一環としまして、ケネディがアメリカの国内の貿易政策は保護貿易政策的な方向はとらないのだということを言っておるのですけれども、現実においてアメリカの商工団体あるいは労働組合等は最近非常にこの点に力を入れ出しまして、自由貿易などやっていたのではアメリカのドル防衛はできないのだと、あくまで外国製品の輸入というものは阻止しなければならない、こういう立場をとり始めてきておるのですが、そうなるというと、今まで考えておりますところのアメリカに対する貿易の、大体日本貿易の六〇%をアメリカ向けというふうに考えておられた点は、楽観を許さない状況に将来行くのじゃないか、われわれはそういう杞憂を持つのでありますが、総理はどういうふうにお考えですか。
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池田勇人#18
○国務大臣(池田勇人君) 国内の事情はお話の通りでございますが、これが今に始まったことではないのです。前からこういう運動はあるのでございます。しかし、政府は自由貿易主義に上りまして、その国内の運動をできるだけ押えてくれておったのであります。われわれといたしましては、一昨年は大体輸出入がバランス、昨年はまたもとへ戻りまして、相当の日本が輸入超過になっております。こういう事例を向こうに説明して、日本の商品をできるだけ買うよう、しかもまた、日本といたしましてもむちゃくちゃに売り込むようなことのないように、自主規制で国家の貿易を正常に発展さすように私は交渉していきたいと思っております。
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千田正#19
○千田正君 衆議院で多分お答えになったように思いますが、東南アジアの貿易の振興等を考えるというと、必ずしも、アメリカの方から輸入制限を、輸入制限のような態度に出ても、日本の貿易の伸長度というものはそう心配するほどのことはないように総理大臣はお考えのようでありますが、同時に、私はこの際日中貿易の問題、日中間の問題についてお尋ねしてみたいと思うのであります。
 それで、まず第一に外務大臣にお尋ねいたすのでありますが、先般衆議院でお答えになった外務大臣の、いわゆる従来周恩来中共首相の言っておりますところの三原則、これは一応理解ができると、こう申し述べられておるようでありますが、それは間違いございませんか。
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小坂善太郎#20
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えをいたしますが、衆議院外務委員会におきまして、バンドン会議の平和五原則、すなわち領土権を相互に尊重する、互いに侵犯しない、互いに内政干渉しない、互恵平等、平和共存、この精神にのっとって三原則というものがいわれておるわけであります。そこでわれわれとしては、甲兵を敵視しない、日中貿易を妨げない、あるいは二つの中国の陰謀に加担しない、そういうことは認めるかというお話がありましたので、そういうことであるなら、われわれは陰謀に加担する考えも持たないし、敵視する意思も持たない、こういうことを申し上げたのであります。
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千田正#21
○千田正君 岸内閣からずっと引き続きまして、池田内閣になってからも、中共の国連加入の承認、あるいは国交回復等に対してはどうもはっきりした態度をとっておられないのであります。それは総理大臣はたびたび前向きの姿勢でいくと、こうおっしゃっておられる。きのうは大谷議員のお尋ねに対しまして、これは非常に弾力性のある行き方をやるのだと、こういうお考えのようであります。そこで、私はさらに一歩を進めてお伺いするのでありますが、昨年の秋の国連の会議におけるところの状況から見ましても、あるいは日本で開かれましたところの各国議員同盟のいわゆる国際会議におかれましても見られるところの問題は、相当従来とは変わってきておる。いわゆる新しい独立国等は少なくとも中共に対しては一応の関心を持って、これは現実に中国大陸を支配しておる現在の中共というものは独立国として認めざるを得ないじゃないかという空気が、強く盛り上がってきておる。これはことしの秋の国連の重大課題の一つとして、当然中共の国連加入問題というものが最も重要な議題として国連に提出されるでありましょうが、その際の心がまえとしましては、今からでも私は考えておく必要ありと思うのでありますが、この際、総理としましては、従来のいわゆるそういうことを拒否するという態度を堅持されるのか、あるいは前向きの姿勢によってその際においては日本の立場を新しい角度から考えていくというのか、その点をはっきりしていただきたいと思います。
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池田勇人#22
○国務大臣(池田勇人君) 世界の情勢を慎重に検討しながら私は措置していきたいと思います。今、日本政府のとるべき態度をここに申し上げる段階に至っておりません。
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千田正#23
○千田正君 外務大臣にお伺いしますが、どうも外務省の、大臣を含めてだろうと思いますが、幹部諸公は、二十四時間外交ということを言うておるというようなことを巷間伝えられ、僕は二十四時間外交というのはどういうことかと不思議に思っておったのですが、それはアメリカならアメリカが、一つの中共の問題に関する限りは、中共承認するかしないかは別として、国連の状況は承認せざるを得ない立場に立ちそうな空気の場合には、二十四時間以内に日本の態度をがらりと変えるぐらいの気持を持っていなければ中共問題には取っ組めないのだと、こういうふうに考えておる筋もあるそうでありますが、外務大臣はそういうふうな点はどういうふうにお考えになりますか。
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小坂善太郎#24
○国務大臣(小坂善太郎君) ある大学の教授がある週刊誌にさようなことをやゆ的に書いておるのを私も見まして、はなはだ遺憾なことを言われたものだと存じております。われわれ、もとより二十四時間働くという意味においての二十四時間外交は考えません。しかし、いたずらに追随することなく、われわれ独自の判断をもってあらゆる問題に処していきたいと思います。もとより自分だけでできることでないのが外交の本則でございますから、関係のある国々とは十分連絡をとってやって参りたいと思っております。あくまでも自主的に、しかも慎重に、責任のある態度で事に処していきたいと考えております。
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千田正#25
○千田正君 そこで今のところ、総理大臣は世界の情勢を見きわめつつ慎重にこの問題に取っ組んでいきたいと、外務大臣も同じようなお考えのようであります。ただ、私は、ここに数年来、日中間の問題として、かりに国交が即時に回復しないとしましても、少なくとも貿易、こういう問題に対しては、実質的には取引してもいいじゃないか。現実においても取引はされております。しかしながら、それは非常な不安定なものに置かれた取引であって、いわゆる向こう側は、貿易においても政府間の協定というはっきりした約束がなければほんとうの貿易にはならないのだと、国交回復以前にこういう問題を一つ進めていきたいという意向が相当あるようであり、かつまた、同じ自民党のたとえば石橋氏、あるいは松村氏、あるいは高碕氏のような人たちが中国に行った場合も、そういう要請をされたようであります。そこで貿易の実態からいいましても、不安定な貿易は、これはどこの国でもあまり喜ばないことでありまするから、政府間協定がかりに今できないとしましても、それにかわるべきところの、ある程度の信用度を増すような方向に振り向けていくというような考えをお持ちになっても差しつかえないじゃないか、こういうふうに考えますが、総理大臣はいかが考えますか。
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池田勇人#26
○国務大臣(池田勇人君) 日中間の貿易の促進は私の望むところでございます。政府間協定以外の方法でできるのならば、それをやっていきたい。私は、従来やっておりました輸出入組合、あるいはジェトロ関係等で何か促進の方法はないかということで、外務大臣あるいは通商産業大臣に検討を願っておる次第でございます。
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千田正#27
○千田正君 もう一つ、国内的に、日中問題、特に政治関係からいいまするというと、どうも自民党の方々のうちでも、日中間の問題は重大な日本の政治的課題として研究されておるようであります、社会党あるいは民社党その他の会派の諸君も、非常に慎重に考えておられますが、でき得れば国論というものは、統一とまではいかなくても、一つの大きなパイプを通じて一国と一国との問題の解決に向かうような方途に進んでいくのが好ましい行き方だろうと思うのでありますので、この点について、自民党総裁として、党内におけるいろいろな問題に対して意見が分かれないような方向に向かうように指導される方が総理としては適当ではないかと思うのでありますが、この点はいかがでございますか。各党とあるいは話し合い、あるいは自分の方の党内を統一されて、この国外的な問題に対する一つのパイプを作らるる方途に進まれるような方向をお考えになられておるかどうか、その点をお伺いしたい。
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池田勇人#28
○国務大臣(池田勇人君) 一般外交問題、ことに重要な中共問題につきましては、内閣組織直後、外交問題懇談会を設けまして、これは各派の人全部とは申しませんが、民間の各界の人にお集まり願って審議しておるのであります。また、党内におきましても、そういう考え方もございまして、外交調査会その他で今検討いたしております。
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千田正#29
○千田正君 中国側からは、一応大臣級——今は、ほとんど自民党の大半の方は一度は大臣を御経験になっておるようでありますから、どの程度のことを言っておるのかわかりませんが、少なくとも政府の意向を代表する閣僚級を中国に送ってはいかが、送ってくれないかというような意思を表明しておるようでありますが、そういう点については、特に正式じゃなくても送るというようなお考えは、向こうの要請があった場合は送るという、それくらいの考えはお持ちでありますか、どうですか。
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