予算委員会第二分科会

1967-04-21 衆議院 全195発言

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会議録情報#0
昭和四十二年四月二十一日(金曜日)
    午前十時十六分開議
 出席分科員
   主査 北澤 直吉君
      相川 勝六君    赤澤 正道君
      正示啓次郎君    藤波 孝生君
      古井 喜實君    保利  茂君
      大原  亨君    只松 祐治君
      戸叶 里子君    華山 親義君
      山中 吾郎君    田代 文久君
      谷口善太郎君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 早川  崇君
 出席政府委員
        総理府青少年局
        長       安嶋  彌君
        厚生省社会局長 今村  譲君
        厚生省児童家庭
        局長      渥美 節夫君
        通商産業省石炭
        局長      井上  亮君
        労働大臣官房長 辻  英雄君
        労働大臣官房会
        計課長     東村金之助君
        労働省労政局長 松永 正男君
        労働省労働基準
        局長      村上 茂利君
        労働省婦人少年
        局長      高橋 展子君
        労働省職業安定
        局長      有馬 元治君
        労働省職業訓練
        局長      和田 勝美君
 分科員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      辻  敬一君
        文部省初等中等
        教育局特殊教育
        課長      寒川 英希君
        厚生大臣官房統
        計調査部統計調
        査官      前田 正久君
    —————————————
四月二十一日
 分科員石橋政嗣君、田畑金光君及び谷口善太郎
 君委員辞任につき、その補欠として戸叶里子
 君、門司亮君及び松本善明君が委員長の指名で
 分科員に選任された。
同日
 分科員戸叶里子君、門司亮君及び松本善明君委
 員辞任につき、その補欠として只松祐治君、玉
 置一徳君及び田代文久君が委員長の指名で分科
 員に選任された。
同日
 分科員只松祐治君、玉置一徳君及び田代文久君
 委員辞任につき、その補欠として華山親義君、
 田畑金光君及び谷口善太郎君が委員長の指名で
 分科員に選任された。
同日
 分科員華山親義君委員辞任につき、その補欠と
 して石橋政嗣君が委員長の指名で分科員に選任
 された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度一般会計予算中労働省所管
 昭和四十二年度特別会計予算中労働省所管
     ————◇—————
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北澤直吉#1
○北澤主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
 昭和四十二年度一般会計予算及び昭和四十二年度特別会計予算中、労働省所管を議題とし、説明を求めます。早川労働大臣。
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早川崇#2
○早川国務大臣 昭和四十二年度一般会計及び特別会計の予算中、労働省所管分につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 労働省所管の一般会計の歳出予算額は、一千五十一億六千八百四十五万四千円でありまして、これを前年度当初予算額一千十五億五千百六十八万円に比較いたしますと三十六億一千六百七十七万四千円の増加となっております。
 次に、そのおもな内容について概略を御説明いたします。
 その一は、積極的雇用対策の推進に必要な経費であります。
 今後のわが国の労働力需給は、新規学卒労働力の減少を中心に労働力の不足基調が一そう強まることが予想されますが、他面、人口構成の高齢化や技術革新の進展等により中高年齢層の職業転換問題など、労働力需給について種々の不均衡や摩擦現象の発生が予想されるのであります。
 このような情勢に対処し、このたび雇用対策基本計画を策定し、政府全体が雇用問題に取り組む態勢を確立し、この計画に沿って、労働者の有する能力を有効に発揮することができるようにするという観点から、労働市場センターの機能の整備、求人、求職者に対する雇用情報の迅速な提供、中高年齢者の雇用の促進と職業転換対策の充実、移転就職者用宿舎の大量建設、雇用促進融資の拡大等の措置を講ずることといたしております。
 次に、当面の問題に対処する雇用政策といたしましては、まず、炭鉱労働者に対しましては、炭鉱離職者が独立して事業を開始する場合に、自営支度金を支給すること、及び金融機関から借り入れる資金の債務を保証する制度を新設することのほか、就職促進手当の最高額の引き上げ、移住資金の拡充など、従来の援護措置を充実するとともに、炭鉱離職者緊急就労対策事業等を引き続き実施することといたしております。
 また、港湾労働者に対しましては、港湾労働法に基づく諸施策を実施するほか、雇用調整手当の支給額の改善、港湾労働者福祉センター、簡易宿泊所の建設、雇用促進融資の活用、職業紹介体制の充実強化などの措置を講ずることとしております。
 以上、これらに必要な経費として二百五十六億二千七百四十七万五千円を計上いたしております。
 なお、炭鉱対策関係予算のうち、行政事務費を除く五十億三千三百五万五千円につきましては、今国会において新設が予定されている石炭対策特別会計に計上することといたしております。
 また、財政投融資計画中に雇用促進融資として百二十億円を計上いたしております。
 その二は、失業対策の推進に必要な経費であります。
 失業対策事業に就労する者に対しては、雇用奨励制度を中心として、一般雇用への復帰を引き続き促進するとともに、失業対策事業につきましては、就労者賃金の引き上げ、超過負担の軽減等積極的な改善を行なうこととし、これらに必要な経費及び失業保険国庫負担金に必要な経費として七百五十九億三千五百八十一万六千円を計上いたしております。
 その三は、技能労働力の質的向上対策の推進に必要な経費であります。
 最近における技能労働力の不足の激化にかんがみ、積極的に技能労働者の養成をはかるため、事業内職業訓練につきましては、補助対象となる訓練人員の拡大、補助単価の改善、訓練施設に対する融資の拡充等、その助成を強化するとともに、公共職業訓練につきましては、総合職業訓練所、一般職業訓練所、身体障害者職業訓練所の増設を行なうほか、就職困難な中高年齢失業者等に対する職業訓練などを実施することとし、さらに、技能水準を一そう向上させるため、技能検定職種の拡大、技能競技大会に対する積極的な指導援助、技能者表彰制度の新設、技能オリンピック開催準備のための技能センターの拡充整備等を行なうことといたしております。以上、これらに必要な経費として百三億八千九百六十八万八千円を計上いたしております。
 その四は、労働災害防止対策及び労働条件の近代化の推進に必要な経費であります。
 労働災害の防止につきましては、人命尊重の基本的観点から、労働災害に関する諸施策を強力に展開することとし、安全衛生局の新設、第一線監督指導機関の強化等の行政体制の整備、第三次産業災害防止五カ年計画の策定、監督指導及び検査、検定の充実、労働災害防止団体活動の充実強化等につとめるとともに、労務管理面からする交通災害防止対策をも進め、総合的に労働災害防止対策を推進することといたしております。
 また、経済、労働事情の変貌の過程における賃金、労働時間に関する問題の合理的な解決をはかるため、実効ある最低賃金制の推進、賃金制度の改善指導、長時間労働の排除、社内預金管理の指導等の措置を行なうことといたしております。
 以上、これらに必要な経費として十三億五千二百一万円を計上いたしております。
 その五は、労働保険の拡充整備に必要な経費であります。
 昭和四十三年度から、労災保険、失業保険を五人未満事業所に対しましても全面適用することとし、今国会に関係法案を提出することといたしております。
 また、この際、事務組合による米適用事業主の加入の促進、労災保険の適用範囲の拡大を行なう等、全面適用の実施に万全を期することといたしております。
 なお、失業保険につきましては、低所得層に対する給付内容の改善、沖繩帰郷者等に対する失業保険相当給付の実施等により、失業保険制度の健全な運営をはかることとしております。
 以上、これらに必要な経費として五十九億一千三百七十四万六千円を計上いたしております。
 その六は、労働者の福祉の増進に必要な経費であります。
 労働者の福祉を一そう増進するため、労働福祉施設に対する雇用促進融資等の拡充、港湾労働者、建設労働者に対する福祉施設の拡充等をはかり、また、中小企業退職金共済制度について、その普及促進につとめるとともに、清酒製造業退職金共済制度を新設し、さらに勤労者持ち家を中心とする勤労者財産形成に関する施策の検討と啓蒙をはかることとし、これらに必要な経費として十六億三千三百七十一万九千円を計上いたしております。
 その七は、恵まれない労働者層に対する対策の強化に必要な経費であります。
 恵まれない労働者層に対して積極的な配慮を行なうこととし、これらの労働者層のうち、身体障害者については、労災リハビリテーション・センターの増設、義肢センターの新設、身体障害者職業訓練所の増設をはかるとともに、身体障害者を雇用する事業所の作業施設、設備に対する融資制度を新設し、その労働市場への復帰を促進することといたしております。
 出かせぎ労働者に対しましては、就労前の職業相談の強化、主要地における出かせぎ相談所の新設、通年雇用促進のための行政指導の強化と融資の拡充、内職相談員の新設等、その援護の充実をはかることといたしております。
 家内労働者に対しましては、最低工賃の決定、家内労働手帳制度の普及等の行政措置の推進をはかるとともに、家内労働審議会において総合的家内労働対策の樹立のための検討を進めることといたしております。
 また、愛隣地区に対しましては、公共職業安定所、福祉センター等を設置し、同地区における労働者の福祉と就職対策とを総合的に推進することといたしております。
 以上、これらに必要な経費として十二億九千六百六十万九千円を計上いたしております。
 その八は、合理的労使関係の促進に必要な経費であります。
 労使が相互信頼と協力の精神を基調とし、企業の実態に応じ、平和的、合理的な話し合いを通じて労使問題の解決をはかる慣行を樹立するため、労働教育等の指導啓蒙に意を用いるとともに、労働紛争議の予防とその円満な解決につとめることとし、これらに必要な経費として、十億五千五百九十七万八千円を計上いたしております。
 その九は、婦人及び年少労働者対策に必要な経費であります。
 婦人及び年少労働者に対しましては、婦人が有する能力を有効に発揮するための条件の整備、家事サービス職業訓練の実施、内職相談施設の拡充等、婦人の職業対策の充実をはかるとともに、勤労青少年ホーム及び働く婦人の家の増設、年少労働者職場適応対策の推進など、婦人及び年少労働者の福祉対策を強化するほか、出かせぎ労働者留守家族対策の推進、農村婦人の過労対策をはかるための調査の実施など、農村婦人に対する指導援助、婦人の地位向上対策を進めることとし、これらに必要な経費として三億九千六百八十一万二千円を計上いたしております。
 その十は、中小企業労働対策の推進に必要な経費であります。
 最近における中小企業の深刻な労働力不足等の事態にかんがみ、事業内職業訓練の実施及びその施設の設置等に対する助成を拡大し、技能労働者の養成確保と、その技能水準の向上をはかるとともに、中小企業集団に対して助成を強化し、労働力の確保、労働条件の改善、労使関係の安定、労働福祉の向上等に関する行政指導を統一的、一元的に実施することといたしております。
 また、各種福祉施設の増設、福祉施設に対する融資の拡大、中小企業退職金共済制度の普及、効果的な最低賃金制の推進、小規模事業場に対する労災保険及び失業保険の全面適用等福祉対策の充実をはかるなど、中小企業労働対策を総合的に推進することといたしております。
 以上、これらに必要な経費として、二百七十八億一千九百八十四万三千円を計上いたしております。
 以上のほか、国際労働行政の充実、その他一般行政事務費等に必要な経費が計上してあります。
 次に、労働者災害補償保険特別会計について御説明いたします。
 この会計の歳入及び歳出予算額は、ともに、一千三百十五億六千六百七十三万六千円でありまして、歳入のうち、保険料収入は、八百五十一億六千八百五十八万一千円で、また、一般会計よりの受け入れは十五億円であります。
 また、歳出のうち、保険給付に必要な経費として、六百八十七億五千二十三万一千円、労災病院等の施設の整備拡充のための労働福祉事業団出資に必要な経費として二十九億三千八百六十八万円を計上いたしております。
 最後に、失業保険特別会計について御説明いたします。
 この会計の歳入及び歳出予算額は、ともに、一千九百五十億三千七百三万八千円でありまして、歳入のうち、保険料収入は一千四百三十六億七千七百万円であり、失業保険国庫負担金受け入れは三百九十億六千九百万円であります。
 また、歳出のうち、保険給付に必要な経費として一千五百四十三億六千八百万円、総合職業訓練所の整備拡充、移転就職者用宿舎の建設等のため、雇用促進事業団に対する出資に必要な経費として百四十八億九十九万円を計上いたしております。
 以上、昭和四十二年度の労働省所管一般会計及び特別会計の予算につきまして、概略を御説明申し上げたのであります。
 何とぞ本予算の成立につきまして、格段の御協力をお願い申し上げる次第であります。
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北澤直吉#3
○北澤主査 以上をもちまして労働省所管についての説明は終了いたしました。
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北澤直吉#4
○北澤主査 これより質疑に入るのでありますが、念のため、この際分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務貝もしくは交代して分科員となられた方々は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力願いたいと存じます。
 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に、要領よく簡潔に行なうよう特に御注意申し上げます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。戸叶里子君。
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戸叶里子#5
○戸叶分科員 私は、きょうは女子労働者の定年制の問題と、基準監督官の危険作業の監督に当たっている方の手当の問題、この二つの問題にしぼって質問させていただきたいと思います。
 まず、婦人労働者の定年制の問題でございますが、私は、過日大田区のある工場で働いている婦人労働者から、こういう手紙をもらいました。「女子労働者は補助作業につかせるから、男女別の定年制をしくことはきわめて自然である。補助作業に若年労働者を大量に投入する当社にとって、中年過ぎの女子の労働力は当面も将来も必要としない、女子は三十歳で定年とする。」そして「昨年春闘の賃上げ要求その他がほぼ妥結に近づこうとしたころ、会社はこんなとんでもないことを言ってきました。まさかこんな乱暴な考えが通用するとも思えませんでした。しかし、多くの労働者の反対を無視して、せめて在職する女子には適用しないでという妥協も認められず、当該者八名(六名は独身の女性)が四十二年三月二十日までにやめていかざるを得ない立場になり、四人が次々やめさせられていきました。」云々、こういう手紙をもらったわけでございます。もちろん、この定年制というのは、法律できめられているものでもなければ、就業規則の範囲内でやることでございますけれども、最近大企業に特に目立っていることは、女子の定年制を男子より早くして三十歳前後に置いてはというような議論でございます。その一つの例が住友セメントに見られるようなところでもはっきりしているわけでございますけれども、こういうことに対して、労働大臣は根本的にどういうお考えをお持ちでいらっしゃるかを、まずお伺いをしたいと思います。
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早川崇#6
○早川国務大臣 法律的には、労働基準法第三条の解釈からは、定年制に差別をつけるということがひっかかるとは解釈をしにくいのでございます。同時に、住友セメントの鈴本節子さんの訴訟の問題が第一審で公序良俗という点から勝訴になったわけでありますが、そういう点、まだ最終判決もきまっておりませんので、法律的には何とも申し上げられませんが、労働省の見解といたしましては、ILO百号条約とか、あるいは労働基準法第四条とかの精神と同時に、これからどうしても婦人労働力というものを使わなければ、男子の若年労働力がうんと減っていくわけでありますから、女子を定年の面で差別するということは好ましくないと考えておりまして、行政指導、指導啓蒙につとめてまいっておる次節でございまするし、今後も引き続きまして、実態に即しまして、そのような指導をしてまいりたいと考えております。
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戸叶里子#7
○戸叶分科員 大臣のお考えとしても、男女の別をつけて、女子の早期の定年制ということの考え方には賛成ではないということがはっきりされました。それで行政指導なりあるいは啓蒙なりをしていらっしゃるということですけれども、具体的にどういうふうなことをされていられるかを伺いたいし、また、いま現実に私のところにこういう手紙がきているのですけれども、これも大田区の工場に働いている婦人がいまのように八人なり六人なりやめさせられていく、こういうふうな問題も出てまいりますので、もう少し積極的にお考えを願いたいと思いますけれども、どういうふうな行政指導をされているかを伺わせていただきたいと思います。
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高橋展子#8
○高橋(展)政府委員 お答えいたします。
 この点に関しましては、すでに昭和二十五年以来数次にわたりまして、婦人少年局長名あるいは労働基準局長と合名をもちまして地方に通達を出しております。婦人少年局の地方の出先でございます婦人少年室に対しまして、このような若年定年制ということが望ましくないものであるということを理由といたしまして、そのような制度を改善するような啓蒙指導を行なうように指示をしているわけでございます。
 この指示に基づきまして、婦人少年室では、そのような制度を採用しております事業所に対しまして、その是正に関する申し入れを行ない、話し合いをいたしてその改善につとめております。しかし、大臣からも申し上げましたとおり、法的な拘束力を持たないものでございますから、あくまでも話し合いでの説得、この線で改善方を申し入れしております、また、この制度が労働協約あるいは就業規則に定められておりますために、その改善にはかなりな時間がかかるということもあるわけでございます。
 そのほかに、また一般的な啓蒙指導といたしまして、個別的なケースは別といたしましても、このような制度が発生するその基盤になっているところの婦人労働を軽視する思潮であるとか、あるいは非近代的な制度、慣行等を改善するための啓蒙指導のためのキャンペーンを随時行なっております。特に、昨年度以来、婦人の能力を生かすという見地から、非常に大規模に制度、慣行の再検討を呼びかけて、労使双方を集めまして懇談会等を開いて啓発につとめておるわけでございます。
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戸叶里子#9
○戸叶分科員 いま、高橋局長からいろいろ御丁寧に御答弁がございましたけれども、そういうふうに地方通達なり啓蒙の話し合いなりをしていらっしゃって、いままでにたいへん効果があったとお思いになりますか。私らの目からは、残念ながらあまり効果がないように思うのですけれども、何かこういうことによってたいへん効果があがりましたというような実績がたくさんおありでしょうか。
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高橋展子#10
○高橋(展)政府委員 はっきりと若年定年制のありました企業におきまして、それが是正されて廃止されたという例はわずかでございますが、改善の方向を向いて検討が進められている例はございます。
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戸叶里子#11
○戸叶分科員 労働大臣、いま局長が御答弁されたような事情のようでございますけれども、そういう中にあっても、だんだん改善されるというふうな考え方を局長も持っていらっしゃるし、しないよりはたいへんいいことだと思いますから、もっと積極的にやっていただきたいと思います。しかし、なかなか効果があがらない面がいろいろあるわけです。また、ことしの婦人週間は、婦人の能力を生かすということなんですけれども、どうも婦人労働者はきまった一つの仕事についていられるというのではなくて、内職的な方向にやられるという可能性が非常に多いわけでございまして、そうなってきますと、婦人の能力というものが十分に生かされない、こういう面もあるわけでございますので、こういう通達なりあるいは指導なりもけっこうではございますけれども、さらにさらに高い次元から労働大臣が何らかのお考えを示して、もう少し婦人の能力を生かせるように、若年定年を何とか阻止できるようなお考えを持っていただけないものかどうかということを伺いたいと思います。
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早川崇#12
○早川国務大臣 日本の女子勤労者を欧米と比べますと、非常に違っておるのは、九百万人もおる平均年齢が二十八歳、アメリカあたりは平均年齢四十歳、こういわれております。そこで、今度は日本の男子若年労働力が非常に枯渇してきておりますので、中高年と婦人が勤労に携わってもらわなければならないという大きい社会的変化が迫ってきておるわけでございます。そういう観点からいいますと、労働基準法第三条、男女の差別待遇が入らない、四条では、賃金については差別してはいけない、この間の脈絡がないわけであります。さらに、ILO百号条約を批准するという、こういう新しい事態に、あるいはお説のような行政指導なり啓蒙だけでは片づかない場合には、労働基準法を改正して、差別待遇はしてはならぬという立法も必要になってくるかと思いますが、これは非常に重要な問題でありますから、総合的に検討してみたいと思います。
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戸叶里子#13
○戸叶分科員 労働大臣からも総合的に検討してみたいというお話でございましたので、高橋局長のいろいろな指導の面にあわせて、ぜひとも強力なものを打ち出していただきたい、このことをまず要望したいと思います。
 次に、私は、基準監督官の問題に入っていきたいと思うのですけれども、たとえばトンネルの中へ入るとか、栃木県にあります大谷石を切るような、ああいう作業に働く人たちの——何か土石採取場の坑内に入るというのだそうですね、そういうふうな方たちの問題を取り上げたいのですが、こういう作業場が全国で大体幾つくらいあって、その監督官は幾人くらいおるかということをまず最初に伺いたいのです。これは事務当局でけっこうです。
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村上茂利#14
○村上(茂)政府委員 ただいまの先生の御指摘の点は、坑内作業場という意味でございますか。
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戸叶里子#15
○戸叶分科員 そうです。
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村上茂利#16
○村上(茂)政府委員 坑内作業場としての数は、土石採取場という観点からすると、ちょっといま手元に資料を持っておりません。しかし、土石採取作業といっても、露天掘りもあり、坑内掘りもあります。坑内労働の関係につきましては、ちょっといま……。
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戸叶里子#17
○戸叶分科員 あとで調べておいてください。調べていただく間に、次の質問に入りたいと思います。
 ついででございますから、露天の土石採取場と坑内の土石採取場を分けて、その数と、基準監督官がどのくらいいられるかということをお示し願えれば、なおけっこうだと思います。
 私は、いま一つの例を引きますけれども、たとえば、先ほど話に出ました大谷石を切る作業ですね。そういう作業をしている労働者というのは、いろいろな面で非常に苦労しております。それから、労働だけじゃなくて、それに付随してけい肺が出てくるとか、いろいろな問題が出てきますので、そのけい肺の問題とか労働問題とか、私はいろいろあると思いますけれども、そういうものに対しては、今後それらの抜本的対策をどういうふうにするかというような問題をからめまして、次の機会にしたいと思いますけれども、きょうは、その人たちの監督の立場にある基準監督官の問題だけにしぼって伺いたいと思うわけでございます。
 これは労働省の中にある基準局につとめておる基準監督官の問題ですから、大臣もあるいはよくお調べになって御存じかもしれませんけれども、私もちょっと調べてみて、あまりひどい待遇なんで、ちょっと驚いたわけなんです。それで、どうしても黙っていることができないで質問させていただくわけなんですけれども、大谷の例を取り上げてみましても、大谷石というのはよく落盤をするのです。村上局長はよく御存じだと思うのですが、落盤をして、もう今度はしばらく落盤がないだろうと思うと、すぐ落盤をすることがあるわけです。そして長雨になりますと、非常にくずれやすいわけです。石炭山とか銅山なんかと違って、支柱がない、木のワクもない。そういう地下ががらんどうになっているところへずっと入って行きますから、とても命がけでやらなければならないような立場に置かれているわけなんですけれども、そういうところの基準監督官の手当を私は聞いて驚いたのです。いままで、四時間そういう中へ入って指導をして七十二円だそうです。四時間以上五時間で百二十円だそうです。今度の予算で何か百六十円になったということを聞いたんですけれども、ともかく命がけで、いつ落ちてきて死ぬかもしれないというような立場に立って監督していて、今度の予算でたった百六十円ということなんですけれども、こういう実情を一体大臣はどういうふうにお考えになるか、一ぺん伺っておきたいのです。
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早川崇#18
○早川国務大臣 本年度予算におきまして、昨年に比して三〇%の危険手当単価の引き上げを行ないましたし、坑内作業につきましては、それ以外の特別の高額の手当を設けることにいたしたわけでございます。御指摘のような御同情ある御意見、まことにありがたいのですが、同時に、同じような他の官職との均衡の面もございますので、そういうものもあわせまして、今後とも手当の引き上げに努力をいたしてまいりたいと思います。
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戸叶里子#19
○戸叶分科員 三〇%の引き上げということは、具体的に単価で百二十円から百六十円のことですか。
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村上茂利#20
○村上(茂)政府委員 御指摘のように、坑内の作業手当は、百二十円のものは百六十円に引き上げるということにいたしております。ただ、実態をいろいろお話しの上でのことでたいへんありがたいのでございますが、私ども、労働基準監督官という制度は、国際的にも一定の基準とか水準を保った制度でございまして、しかも、公開試験を実施して、試験で採用するという特殊な官職でございます。したがいまして、その職務内容は、司法警察官の権限を行使する。会社、工場へ参りまして、臨検、監督をする、送検もするといったような、きびしい権限を行使するものでございまして、その職務内容が、坑内のみならず、あるいは局所にありまして、法違反がないかどうかを調べたり、あるいは船舶に乗り込みまして荷役作業を見る、いろいろ危険を伴う特殊な形態のものでございます。したがいまして、職務自体が相当責任ある、かつ危険な内容でございますし、選任手続きがただいま申しましたような試験制度でもございますので、労働基準監督官については、本来の給与上特別の配慮をしてもらいたいということが私どもの念願でありまして、ここ数年来、予算当局に対しましても強く要望いたしておりますけれども、現在は一般職のワク内におさめられておりまして、この危険手当とか、こういった問題よりも、むしろ根本的に職責、職務内容に相応した所遇をしてもらいたいというのが基本でございます。しかし、それがかなわぬものでございますから、ただいま申しましたように、特殊手当で操作しておるのでございます。なおこういう面で努力はいたしますが、基本的には、労働基準監督官にふさわしい所遇というものを私どもは熱望しておる次第でございます。
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戸叶里子#21
○戸叶分科員 いまのお話でございますけれども、職務内容にふさわしいような手当、これは当然願うべきことだと思います。けれども、ともかく現実の問題として、非常に危険な作業に従事していて、しかも、その手当は、別に金銭的な問題で人間の価値をどうのこうのというのではないのですけれども、やはり家族もありますし、そういう人たちが中に入って四時間なり五時間一生懸命いろいろと監督して、間違いのないように、危険がないようにしてやる、そういう人に百六十円とかというようなお金は、あまりにもばかげた手当じゃないかというふうに考えるわけです。いまおっしゃったような理想的なものならばいいですけれども、ならない段階において、こういうところにとどまっておるんでは、ちょっとひど過ぎやしないかと思うのです。その点はいかがでございますか。
 それからもう一つ、三〇%引き上げということは四十円ですが、四十円の引き上げの基準は何ですか。
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村上茂利#22
○村上(茂)政府委員 この危険手当は、労働基準監督官の固有のものではございません。他の公務員の同種の特殊勤務について設けられている制度でございます。したがいまして、労働基準監督官だけについてどうこうというのではございませんで、政府で抗内手当が一般的に設けられるという場合に、わがほうだけ特殊事情を押し通すということがなかなかむずかしいという事情にある。一般的な特殊勤務手当の引き上げに伴う、こういうことでございます。
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戸叶里子#23
○戸叶分科員 基準監督官も、たとえば通産省にある監督官がありますけれども、保安監督をする人、この人たちとのつり合いはどうなっておりますか。
 それから、基準監督官は、三段階に分けられてその危険手当というものが支給されているわけですか、その点も伺いたい。
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村上茂利#24
○村上(茂)政府委員 坑内労働につきましては、いわゆる鉱務監督官のほうが若干高いのでございますが、いま先生御指摘の三段階というのは、たとえば坑内手当につきまして、従来は八十円、百二十円、百六十円、こう三段階になっておる。それが百十円、百六十円、二百十円におのおの引き上げられた、こういうことでございます。
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戸叶里子#25
○戸叶分科員 その三段階に分かれている理由といいますか、どうして三段階に分かれているわけですか。
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村上茂利#26
○村上(茂)政府委員 たとえば、従来八十円で四十二年度から百十円に引き上げられますものを申し上げますと、「鉱山、土石採取場又は掘さく中のトンネルの坑内で行なう労働者の災害補償に関する調査」、この関係は八十円。それから、「土石採取場の坑内又は掘さく中のトンネルの坑内で行なう監督」、これは百二十円。つまり災害調査の場合は、災害が起きまして、一応、何と申しますか、災害後の安定したと申しますか、災害が進行してないというような状態のものですから、その場合の危険性と、それからそういった災害が起こったあとでない、現にどういう危険が発生するかもわからぬという場合の状態とを一応分けまして、こういった区分ができております。そして最も高いものは、「鉱山、土石採取場又は掘さく中のトンネルの坑内でガス爆発、火災、出水、若しくは落盤又はこれらに類する災害があった場合に行なう著しい危険を伴う監督」、その場合には高額なものが支給されるというように、予想されます危険の度合いに応じまして、三種類に区分しておるということでございます。
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戸叶里子#27
○戸叶分科員 そこら辺に、私から見ると問題があると思うのです。と申しますのは、こういう場合には、もう一度災害があったんだから、もうしばらくはないであろうというふうな考え方で、それでこれだけに限る。それからその次には、掘さく中の場合には、ちょっと危険がありそうだからこれだけにするとか、そういうふうに分けていらっしゃるようですけれども、坑内に入って行く危険の度合いというものは、私は同じじゃないかと思うのです。災害があったから次に来ないとは限らないのです。またすぐ来るかもしらぬ。そういう例が、ごく少数かもしれませんけれども、大谷石の場合などはあるわけです。落盤してすぐまた落盤というようなことがあるわけです。そういうふうに考えますと、その差をつけていくというつけ方に、私はちょっと矛盾を感じるわけです。やはり坑内へ入って、監督なりあるいはいろいろな調査なりをする危険の度合いというものは、みんな同じじゃないかと思うのですけれども、この点はそうはお思いにならないのですか。やはり一度あったら次は大体起こらないからいいとか、しばらく起こらないから今度は起こるだろう、そういうようなお考えでおやりになっておるのですか。
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村上茂利#28
○村上(茂)政府委員 率直に言いまして、私は満足しておるものではございません。たとえば、鉱務監督官につきましても、鉱務監督官のほうは巡回検査または災害検査三百円で、それから労働基準監督官は二百十円と、差があるわけです。要するに危険の度合いの判断につきまして、私どもが主張するところのものが、政府全体の同種の業務の執行と比較いたしまして、評価が必ずしも同じでないということによるものであろうと思います。したがいまして、多少金額に差があるといたしましても、比較的危険の少ないものが百六十円で、比較的危険の多いものが二百十円と申しましても、その差額が五十円ということで、生命、身体の危険の度合いから見ましたならば、このような差額でいいのかどうか、いろいろ議論があろうと思います。労働基準監督官の仕事というものは、その管轄区域の事情によりまして、こういうところに行くのが常態であるということもあるわけでございまして、職務の執行そのものについて、あるいは坑内、あるいは高所作業の監督、いろいろございますので、こういった業務の一々につきまして、こま切れに見ていただくのがいいのか、職務全体について見ていただくのがいいのか、いろいろ意見はあるところでございます。しかしながら、そうは申しますものの、一応国として、政府としまして決定されたこういう基準でございますし、私どもは、この危険手当の現在の制度をできるだけ適正に執行いたしまして、監督官の職務執行に見合う手当の支給をいたしたい、かように考えておる次第であります。
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戸叶里子#29
○戸叶分科員 私は、いまの局長の御答弁にあまり納得できないのです。こうなっているから、しかたがないからある程度あきらめていくよりしょうがないということなんで、それをやはり直していかなければいけないと思うのです。ですから、ぜひ直すための積極性を持っていただきたいと思うのです。そこで監督官の問題で、たとえば高いところにのぼる危険性、坑内にもぐる危険性、これは同じだと思います。ただ、私の目にとまり、それから話を聞き、あまり驚いたものですから、一体こういうところでいいのかしら、これでいいのかしらという非常に疑問を感じまして問題に出したわけですけれども、高いところの危険も、私は同じだと思うのです。同じだと思いますし、いろいろ理屈やら標準やら何やらおありでしょうと思いますけれども、やはり命をかけてやることでございますし、もう少しその辺のことを考えて、危険手当というものをもっと引き上げていただきたいということを希望します。
 それからもう一つの希望は、通産省の鉱務監督官の方々の手当と比べますと——この通産省関係の鉱山保安法による鉱務監督官の手当も、私は十分であるとは思いません。たいへんに低いと思います。たいへんに低いと思いますけれども、せめてそのくらい並みにまで引き上げることはできないものでしょうか。その点もちょっと伺っておきたいのです。きょうは大蔵省の方もおいででございますから、局長のあとで、労働大臣のお考えも伺ったあとで、大蔵省からの御意見も伺いたいと思います。
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