本会議
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会
会議録情報#0
昭和四十二年六月二十三日(金曜日)
午前十時三十五分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十九号
昭和四十二年六月二十三日
午前十時開議
第一 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関す
る特別措置法案及び炭鉱労働者の一酸化炭素
中毒症に関する特別措置法案(趣旨説明)
第二 道路交通法の一部を改正する法律案(趣
旨説明)
第三 通関業法案(内閣提出)
第四 地方自治法第百五十六条第六項の規定に
基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの
件(衆議院送付)
第五 船舶整備公団法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第六 宮内庁法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
第七 石炭鉱業再建整備臨時措置法案(内閣提
出、衆議院送付)
第八 昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算、
昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和
三十九年度国税収納金整理資金受払計算書、
昭和三十九年度政府関係機関決算書
第九 昭和三十九年度国有財産増減及び現在額
総計算書
第一〇 昭和三十九年度国有財産無償貸付状況
総計算書
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、国会法第三十九条但書の規定による議決に
関する件(米価審議会委員)
一、原子力委員会委員の任命に関する件
一、公正取引委員会委員の任命に関する件
一、土地調整委員会委員の任命に関する件
一、日本銀行政策委員会委員の任命に関する件
一、運輸審議会委員の任命に関する件
一、日本放送協会経営委員会委員の任命に関す
る件
以下 議事日程のとおり
—————————————
この発言だけを見る →午前十時三十五分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十九号
昭和四十二年六月二十三日
午前十時開議
第一 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関す
る特別措置法案及び炭鉱労働者の一酸化炭素
中毒症に関する特別措置法案(趣旨説明)
第二 道路交通法の一部を改正する法律案(趣
旨説明)
第三 通関業法案(内閣提出)
第四 地方自治法第百五十六条第六項の規定に
基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの
件(衆議院送付)
第五 船舶整備公団法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第六 宮内庁法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
第七 石炭鉱業再建整備臨時措置法案(内閣提
出、衆議院送付)
第八 昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算、
昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和
三十九年度国税収納金整理資金受払計算書、
昭和三十九年度政府関係機関決算書
第九 昭和三十九年度国有財産増減及び現在額
総計算書
第一〇 昭和三十九年度国有財産無償貸付状況
総計算書
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、国会法第三十九条但書の規定による議決に
関する件(米価審議会委員)
一、原子力委員会委員の任命に関する件
一、公正取引委員会委員の任命に関する件
一、土地調整委員会委員の任命に関する件
一、日本銀行政策委員会委員の任命に関する件
一、運輸審議会委員の任命に関する件
一、日本放送協会経営委員会委員の任命に関す
る件
以下 議事日程のとおり
—————————————
重
重
重宗雄三#2
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
この際、日程に追加して、
国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(米価審議会委員)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、日程に追加して、
国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(米価審議会委員)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
重
重宗雄三#3
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
内閣から、衆議院議員大野市郎君、角屋堅次郎君、坂村吉正君、本院議員園田清充君、高橋衛君、渡辺勘吉君を米価審議会委員に任命することについて、本院の議決を求めてまいりました。
これらの諸君が同委員につくことができると議決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →内閣から、衆議院議員大野市郎君、角屋堅次郎君、坂村吉正君、本院議員園田清充君、高橋衛君、渡辺勘吉君を米価審議会委員に任命することについて、本院の議決を求めてまいりました。
これらの諸君が同委員につくことができると議決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
重
重
重
重宗雄三#6
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
内閣から、原子力委員会設置法第八条第一項の規定により、武田榮一君を原子力委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、原子力委員会設置法第八条第一項の規定により、武田榮一君を原子力委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重
重宗雄三#9
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
内閣から、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二十九条第二項の規定により、山田精一君を公正取引委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二十九条第二項の規定により、山田精一君を公正取引委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重
重宗雄三#12
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
内閣から、土地調整委員会設置法第七条第一項の規定により、關道雄君を土地調整委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、土地調整委員会設置法第七条第一項の規定により、關道雄君を土地調整委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重
重宗雄三#15
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
内閣から、日本銀行法第十三条の四第三項の規定により、東畑四郎君を日本銀行政策委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、日本銀行法第十三条の四第三項の規定により、東畑四郎君を日本銀行政策委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重
重宗雄三#18
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
内閣から、運輸省設置法第九条第一項の規定により、吾孫子豊君を運輸審議会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、運輸省設置法第九条第一項の規定により、吾孫子豊君を運輸審議会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重
重宗雄三#21
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
内閣から、放送法第十六条第一項の規定により、靱勉君、太田十君、櫻内乾雄君、杉野目晴貞君を日本放送協会経営委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、放送法第十六条第一項の規定により、靱勉君、太田十君、櫻内乾雄君、杉野目晴貞君を日本放送協会経営委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重宗雄三#23
○議長(重宗雄三君) 日程第一、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案及び炭鉱労働者の一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案(趣旨説明)。
両案について、国会法第五十六条二の規定により、提出者から順次趣旨説明を求めます。早川労働大臣。
〔国務大臣早川崇君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →両案について、国会法第五十六条二の規定により、提出者から順次趣旨説明を求めます。早川労働大臣。
〔国務大臣早川崇君登壇、拍手〕
早
早川崇#24
○国務大臣(早川崇君) 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案について、その趣旨を御説明いたします。
炭鉱災害による一酸化炭素中毒症につきましては、昭和三十八年の三井三池の災害以来、とみに一般の関心が高まっておりますが、その後も昭和四十年における北炭夕張、山野炭鉱のガス爆発等、大規模な炭鉱災害が続発し、これにより、重篤かつ多数の一酸化炭素中毒患者の発生をみたのであります。政府としましては、かかる炭鉱災害の防止に十全の努力を払うとともに、災害発生に際しては、被災労働者に対する救急対策と災害補償に万全を期してまいったところでありますが、特に炭鉱災害に際しては、著しく多数の一酸化炭素中毒患者が発生し、しかも、重篤な精神神経症状を呈する者が多いことから、昨年の通常国会におきましては、一酸化炭素中毒症について何らかの特別な立法措置が必要ではないかとの論議が行なわれ、参議院社会労働委員会におきまして、「政府は一酸化炭素中毒被災者援護措置について差当り炭鉱労働者に限り今後一ケ年以内に立法措置を講ずるよう努力すべき」旨の決議が行なわれたのであります。政府といたしましては、かかる経過等にかんがみ、昨年十月、労働者災害補償保険審議会に対し、一酸化炭素中毒症に関する特別措置について諮問し、去る五月十六日答申を得たのでありますが、さらに社会保障制度審議会にも諮問の上、ここに炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案を提出いたした次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。
第一に、この法律の適用範囲につきましては、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に限定しております。炭鉱災害に限った点につきましては、労働者災害補償保険審議会の答申においても、「一酸化炭素中毒症が炭鉱において特に多数発生し、かつ、重篤なものが多い等の特殊事情および国の石炭政策等にかんがみ、この際は、炭鉱における一酸化炭素中毒症に限って措置するのはやむを得ない」としておるところであり、また、先に申し上げました参議院社会労働委員会における決議の趣旨をも考慮して措置することとした次第であります。
第二に、使用者及び労働者に対し、一酸化炭素中毒症の防止について適切な措置を講ずるよう努力すべき旨の努力義務規定を設けることといたしております。炭鉱における一酸化炭素中毒症の防止につきましては、現在、鉱山保安法等において所要の定めがなされているのでありますが、さらに労使の自主的努力なくしては実効を期し得ないものであることにかんがみ、その趣旨を明文で定めることにしたのであります。
第三に、使用者に対し、一酸化炭素中毒症に関する特別の健康診断の実施を義務づけることとしております。健康診断については、現在、労働基準法におきましても、所要の規定を設けておりますが、本法案におきましては、さらに一酸化炭素中毒症に関する災害直後の健康診断を義務づけるとともに、原則としてさらに二年間、定期に一酸化炭素中毒症に関する特別の健康診断を実施すべきこととしております。
第四に、一酸化炭素中毒症にかかった者に対する介護料の支給についてであります。炭鉱災害の被災者につきましては、もとより労働者災害補償保険法により、療養補償をはじめ、必要な災害補償が行なわれるのでありますが、一酸化炭素中毒症にかかった者のうちには、重篤な精神神経症状のため家族等による特別の介護を要する者が少なくないので、その実情に応じ特別の援護措置として一定の介護料を支給することとしたのであります。
最後に、一酸化炭素中毒症がなおったと認められた者につきましても、その特殊な症状の推移から必要と認める場合には、アフターケアとして所要の措置を講ずることとしております。
なお、この法律の施行期日につきましては、健康診断の方法等について専門家の意見を徴するための期間をも考慮し、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内において政令で定める日といたしております。
以上が、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案の趣旨でございます。拍手
—————————————
この発言だけを見る →炭鉱災害による一酸化炭素中毒症につきましては、昭和三十八年の三井三池の災害以来、とみに一般の関心が高まっておりますが、その後も昭和四十年における北炭夕張、山野炭鉱のガス爆発等、大規模な炭鉱災害が続発し、これにより、重篤かつ多数の一酸化炭素中毒患者の発生をみたのであります。政府としましては、かかる炭鉱災害の防止に十全の努力を払うとともに、災害発生に際しては、被災労働者に対する救急対策と災害補償に万全を期してまいったところでありますが、特に炭鉱災害に際しては、著しく多数の一酸化炭素中毒患者が発生し、しかも、重篤な精神神経症状を呈する者が多いことから、昨年の通常国会におきましては、一酸化炭素中毒症について何らかの特別な立法措置が必要ではないかとの論議が行なわれ、参議院社会労働委員会におきまして、「政府は一酸化炭素中毒被災者援護措置について差当り炭鉱労働者に限り今後一ケ年以内に立法措置を講ずるよう努力すべき」旨の決議が行なわれたのであります。政府といたしましては、かかる経過等にかんがみ、昨年十月、労働者災害補償保険審議会に対し、一酸化炭素中毒症に関する特別措置について諮問し、去る五月十六日答申を得たのでありますが、さらに社会保障制度審議会にも諮問の上、ここに炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案を提出いたした次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。
第一に、この法律の適用範囲につきましては、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に限定しております。炭鉱災害に限った点につきましては、労働者災害補償保険審議会の答申においても、「一酸化炭素中毒症が炭鉱において特に多数発生し、かつ、重篤なものが多い等の特殊事情および国の石炭政策等にかんがみ、この際は、炭鉱における一酸化炭素中毒症に限って措置するのはやむを得ない」としておるところであり、また、先に申し上げました参議院社会労働委員会における決議の趣旨をも考慮して措置することとした次第であります。
第二に、使用者及び労働者に対し、一酸化炭素中毒症の防止について適切な措置を講ずるよう努力すべき旨の努力義務規定を設けることといたしております。炭鉱における一酸化炭素中毒症の防止につきましては、現在、鉱山保安法等において所要の定めがなされているのでありますが、さらに労使の自主的努力なくしては実効を期し得ないものであることにかんがみ、その趣旨を明文で定めることにしたのであります。
第三に、使用者に対し、一酸化炭素中毒症に関する特別の健康診断の実施を義務づけることとしております。健康診断については、現在、労働基準法におきましても、所要の規定を設けておりますが、本法案におきましては、さらに一酸化炭素中毒症に関する災害直後の健康診断を義務づけるとともに、原則としてさらに二年間、定期に一酸化炭素中毒症に関する特別の健康診断を実施すべきこととしております。
第四に、一酸化炭素中毒症にかかった者に対する介護料の支給についてであります。炭鉱災害の被災者につきましては、もとより労働者災害補償保険法により、療養補償をはじめ、必要な災害補償が行なわれるのでありますが、一酸化炭素中毒症にかかった者のうちには、重篤な精神神経症状のため家族等による特別の介護を要する者が少なくないので、その実情に応じ特別の援護措置として一定の介護料を支給することとしたのであります。
最後に、一酸化炭素中毒症がなおったと認められた者につきましても、その特殊な症状の推移から必要と認める場合には、アフターケアとして所要の措置を講ずることとしております。
なお、この法律の施行期日につきましては、健康診断の方法等について専門家の意見を徴するための期間をも考慮し、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内において政令で定める日といたしております。
以上が、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案の趣旨でございます。拍手
—————————————
重
藤
藤田藤太郎#26
○藤田藤太郎君 ただいま議題となりました炭鉱労働者の一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案の提案理由とその内容について説明いたします。
去る昭和三十八年十一月九日、三池炭鉱における炭じん爆発は、炭鉱合理化政策の途上に発生した悲惨な労働災害でありました。日本一の優良鉱といわれた三池三川鉱の入気口よりわずか千メートルの地点で大爆発を起こし、大量の一酸化炭素ガスを発生し、これが三川鉱の全坑内、各切り羽に侵入充満して、坑内の労働者は一瞬にして倒れ、四百五十八名の死亡者と八百名にのぼる一酸化炭素中毒患者を出すという大災害となったのであります。
また、昭和四十年二月二十二日には、三井三池に劣らない優良鉱といわれる北海道の北炭夕張鉱においてガス爆発により六十一名の死亡者と二十名にのぼる一酸化炭素中毒患者を出すという災害が発生し、次いで四月九日には、日鉄伊王島炭鉱においてガス爆発により三十名の死亡者と十四名の重軽傷者を出し、さらに六月一日には、山野炭鉱においてガス爆発により二百三十七名の死亡者と二十名をこえる一酸化炭素中毒患者を出すという災害が連続して発生し、昭和四十一年十一月一日には、住友奔別鉱においてガス爆発により十六名の死亡者と五名の重軽傷者を出すという災害が発生し、炭鉱におけるガス爆発等による災害の絶滅は期しがたい状態にあります。
一酸化炭素中毒は、肺から吸入された一酸化炭素ガスが血液に入って、血液中の酸素が減少し、その結果、人体の各組織特に中枢神経系が侵され、人体の各組織に回復不能な後遺症をもたらすものであります。また、心肺系も侵され、それが再び中枢神経系その他に影響を与えるといわれています。一酸化炭素中毒の症状は、中枢神経等の侵された程度により異なりますが、重症の場合は、罹災後数年を経過するも、新生児にみられるような原始反射を示すほか、全く意識なく、全神経の麻痺した状態を示します。軽症の場合でも、痴呆状態を呈するものが多く、身体の動きも少なく、幻覚、妄想等に襲われ、精神分裂症に似た症状を見せるものであり、その他記憶力障害、意欲減退、性格変化を来たすとともに、心肺機能、循環器系の障害をも伴うものであります。以上のごとく複雑な病状と悲惨な後遺症を残す疾病であるにもかかわらず、今日の高度の近代医学をもってしても、その根本的治療方法はなく、対症的治療が行なわれているにすぎないのであります。しかも、現行の労働基準法、労働者災害補償保険法及び鉱山保安法では、その発生の予防において不十分であるのみならず、治療の方法においても、この中毒症の特徴からみて、特に必要であると考えられる長期にわたる継続的治療、回復訓練の実施及び職場復帰の機会を与える措置等に欠けるところが多く、中毒患者に対して、適正かつ十分な治療と災害補償が行なわれているとは認めがたいのであります。特に、三池炭鉱の爆発による約七百名以上の被災労働者は、すでに罹災後三年以上を経過し、現行法に基づく補償ではその療養及び補償が困難となっております。したがって炭鉱労働者の一酸化炭素中毒症に関し、適切な予防及び労働者の健康管理の措置を講ずるとともに一酸化炭素中毒症にかかった炭鉱労働者に対し、長期の療養を保証し、また残存労働能力を有する者については、その活用をはかるために特別の措置が緊急に必要であります。
次に、本法律案のおもなる内容を申し上げます。
第一に、石炭鉱業を行なう事業の使用者及び労働者は、一酸化炭素ガスの発生とこれにによる中毒を防止するため、作業環境条件の整備、関係労働者全員についての防護、その他適切な措置を講じなければならないこと。また使用者は、労働者に対して一酸化炭素ガスの発生の防止、発生後の応急措置及び健康管理等のため必要な教育を行なわなければならないこと。
第二に、被災労働者の健康管理に万全を期するため、使用者は、被災労働者に対して所定の健康診断を行ない、都道府県労働基準局長は、被災労働者の健康管理区分を決定するとともに、健康管理手帳を交付すること。
第三に、被災労働者の健康保持のため使用者は、健康管理区分により就労可能な者は労働省令で定める危険な作業以外の作業に従事させるようつとめなければならないとともに、被災労働者が作業転換をした場合は、当該作業の転換前に支払っていた賃金に見合う賃金を支払わねばならないこと。
第四に、使用者は、被災労働者の健康管理区分が決定された場合は、その区分に応じて被災労働者が安定して長期にわたる療養に専念できるようにするとともに、また残った労働能力を活用させるために、管理一に該当する被災労働者については二年、また、管理二に該当して一酸化炭素中毒症にかかっていると認められる被災労働者については、一定の年齢に達するまでの期間は、労働基準法の規定にかかわらず、これを解雇してはならないこと。
第五に、被災労働者が一酸化炭素中毒症にかかる療養補償を受ける場合、またはリハビリテーションを受ける場合は、その期間中一日につき平均賃金の百分の四十の準障害補償を行なうとともに、一酸化炭素中毒症がなおった場合は、その障害の程度に応じて、当該障害の存する期間一年につき平均賃金の三百六十日分から百二十日分までの障害補償を行なわなければならないこと。また、常時介護を要する被災労働者に対しては、月額五千円から一万円までの範囲内における額の介護補償を行なわなければならないこと。
第六に、この法律による補償は、労働者災害補償保険によって行なわれるべきものであること。
第七に、本法の規定により、準障害補償、労働基準法の規定による障害補償の額をこえる部分の障害補償及び介護補償の給付に要する費用の二分の一は国庫が、残りの二分の一に相当する部分は当該保険加入者がそれぞれ負担するものとすること。
以上のほか、一酸化炭素中毒症に関する予防、被災労働者の健康管理、障害等級の区分、その他の事項について調査審議するため、関係労働者及び使用者を代表する者と精神医学または神経医学に関し学識経験を有する者十五人以内の委員をもって組織する、一酸化炭素中毒症対策審議会を設置すること等であります。なお、この法律の施行時に過去の突発事故により、被災した労働者に対して、この法律を適用するため必要な経過措置を定めることにいたしました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。拍手
この発言だけを見る →去る昭和三十八年十一月九日、三池炭鉱における炭じん爆発は、炭鉱合理化政策の途上に発生した悲惨な労働災害でありました。日本一の優良鉱といわれた三池三川鉱の入気口よりわずか千メートルの地点で大爆発を起こし、大量の一酸化炭素ガスを発生し、これが三川鉱の全坑内、各切り羽に侵入充満して、坑内の労働者は一瞬にして倒れ、四百五十八名の死亡者と八百名にのぼる一酸化炭素中毒患者を出すという大災害となったのであります。
また、昭和四十年二月二十二日には、三井三池に劣らない優良鉱といわれる北海道の北炭夕張鉱においてガス爆発により六十一名の死亡者と二十名にのぼる一酸化炭素中毒患者を出すという災害が発生し、次いで四月九日には、日鉄伊王島炭鉱においてガス爆発により三十名の死亡者と十四名の重軽傷者を出し、さらに六月一日には、山野炭鉱においてガス爆発により二百三十七名の死亡者と二十名をこえる一酸化炭素中毒患者を出すという災害が連続して発生し、昭和四十一年十一月一日には、住友奔別鉱においてガス爆発により十六名の死亡者と五名の重軽傷者を出すという災害が発生し、炭鉱におけるガス爆発等による災害の絶滅は期しがたい状態にあります。
一酸化炭素中毒は、肺から吸入された一酸化炭素ガスが血液に入って、血液中の酸素が減少し、その結果、人体の各組織特に中枢神経系が侵され、人体の各組織に回復不能な後遺症をもたらすものであります。また、心肺系も侵され、それが再び中枢神経系その他に影響を与えるといわれています。一酸化炭素中毒の症状は、中枢神経等の侵された程度により異なりますが、重症の場合は、罹災後数年を経過するも、新生児にみられるような原始反射を示すほか、全く意識なく、全神経の麻痺した状態を示します。軽症の場合でも、痴呆状態を呈するものが多く、身体の動きも少なく、幻覚、妄想等に襲われ、精神分裂症に似た症状を見せるものであり、その他記憶力障害、意欲減退、性格変化を来たすとともに、心肺機能、循環器系の障害をも伴うものであります。以上のごとく複雑な病状と悲惨な後遺症を残す疾病であるにもかかわらず、今日の高度の近代医学をもってしても、その根本的治療方法はなく、対症的治療が行なわれているにすぎないのであります。しかも、現行の労働基準法、労働者災害補償保険法及び鉱山保安法では、その発生の予防において不十分であるのみならず、治療の方法においても、この中毒症の特徴からみて、特に必要であると考えられる長期にわたる継続的治療、回復訓練の実施及び職場復帰の機会を与える措置等に欠けるところが多く、中毒患者に対して、適正かつ十分な治療と災害補償が行なわれているとは認めがたいのであります。特に、三池炭鉱の爆発による約七百名以上の被災労働者は、すでに罹災後三年以上を経過し、現行法に基づく補償ではその療養及び補償が困難となっております。したがって炭鉱労働者の一酸化炭素中毒症に関し、適切な予防及び労働者の健康管理の措置を講ずるとともに一酸化炭素中毒症にかかった炭鉱労働者に対し、長期の療養を保証し、また残存労働能力を有する者については、その活用をはかるために特別の措置が緊急に必要であります。
次に、本法律案のおもなる内容を申し上げます。
第一に、石炭鉱業を行なう事業の使用者及び労働者は、一酸化炭素ガスの発生とこれにによる中毒を防止するため、作業環境条件の整備、関係労働者全員についての防護、その他適切な措置を講じなければならないこと。また使用者は、労働者に対して一酸化炭素ガスの発生の防止、発生後の応急措置及び健康管理等のため必要な教育を行なわなければならないこと。
第二に、被災労働者の健康管理に万全を期するため、使用者は、被災労働者に対して所定の健康診断を行ない、都道府県労働基準局長は、被災労働者の健康管理区分を決定するとともに、健康管理手帳を交付すること。
第三に、被災労働者の健康保持のため使用者は、健康管理区分により就労可能な者は労働省令で定める危険な作業以外の作業に従事させるようつとめなければならないとともに、被災労働者が作業転換をした場合は、当該作業の転換前に支払っていた賃金に見合う賃金を支払わねばならないこと。
第四に、使用者は、被災労働者の健康管理区分が決定された場合は、その区分に応じて被災労働者が安定して長期にわたる療養に専念できるようにするとともに、また残った労働能力を活用させるために、管理一に該当する被災労働者については二年、また、管理二に該当して一酸化炭素中毒症にかかっていると認められる被災労働者については、一定の年齢に達するまでの期間は、労働基準法の規定にかかわらず、これを解雇してはならないこと。
第五に、被災労働者が一酸化炭素中毒症にかかる療養補償を受ける場合、またはリハビリテーションを受ける場合は、その期間中一日につき平均賃金の百分の四十の準障害補償を行なうとともに、一酸化炭素中毒症がなおった場合は、その障害の程度に応じて、当該障害の存する期間一年につき平均賃金の三百六十日分から百二十日分までの障害補償を行なわなければならないこと。また、常時介護を要する被災労働者に対しては、月額五千円から一万円までの範囲内における額の介護補償を行なわなければならないこと。
第六に、この法律による補償は、労働者災害補償保険によって行なわれるべきものであること。
第七に、本法の規定により、準障害補償、労働基準法の規定による障害補償の額をこえる部分の障害補償及び介護補償の給付に要する費用の二分の一は国庫が、残りの二分の一に相当する部分は当該保険加入者がそれぞれ負担するものとすること。
以上のほか、一酸化炭素中毒症に関する予防、被災労働者の健康管理、障害等級の区分、その他の事項について調査審議するため、関係労働者及び使用者を代表する者と精神医学または神経医学に関し学識経験を有する者十五人以内の委員をもって組織する、一酸化炭素中毒症対策審議会を設置すること等であります。なお、この法律の施行時に過去の突発事故により、被災した労働者に対して、この法律を適用するため必要な経過措置を定めることにいたしました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。拍手
重
大
大橋和孝#28
○大橋和孝君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案について、総理大臣並びに関係各大臣にお尋ねをいたします。
三池の爆発で四百五十八名の死亡者と八百二十二名にのぼる一酸化炭素中毒患者が出てから、すでに三年七カ月もたっているのに、まだこの事件は解決していないのであります。この問題では昨年の国会決議もあるのであって、政府当局も前向きに取り組んでいると思うのでありますけれども、昨年十月二十五日労災補償打ち切り問題以来、その処理も今日まで解決していないのである。ために労災病院にいる六十名の入院患者は何らの医療、給食も施されず放置されているのである。のみならず、残る七百名近くの患者も、職場に帰ることもできず、医療も受けられず放置され、現地では大きな社会問題となっているのであります。これは今日、一酸化炭素中毒の医学的な解明が十分行なわれていない現状を無視し、強引に資本の欲意を受け入れて行なった行政の基本的な政府の姿勢に起因するものであります。
そこで次の諸点について、関係閣僚の見解を問いただしたいと思います。
まず、佐藤内閣総理大臣にお伺いをいたします。
三池の災害後、夕張、伊王島、山野、空知、奔別と、相次いで炭鉱の災害が続発し、多数の一酸化炭素中毒患者が発生しているのであります。これらの災害原因は、いずれも労働者の責任は皆無であって、資本の保安サボタージュによるものであります。特に三池における一酸化炭素中毒患者は、三年七カ月をたった今日、なお意識を回復しない者、あるいはまた妻の顔さえ識別できないというような悲惨な者もあるが、これらの患者の救済は人道上の大きな問題であって、昨年、本院社会労働委員会におきましても、特別立法を一年以内につくるよう決議をいたしました。この決議について政府はどのように理解をしているのか。また、このたびの政府提出法案の内容は、当然、一酸化炭素中毒患者の現状に即して十分な救済がはかられるものを具備していなければならないと考えるのでありますが、総理大臣の所見を伺いたい。
次に、早川労働大臣にお伺いいたしたい。
第一点は、昨年、本院社会労働委員会における決議は、社会党が第四十八国会と五十一国会に提出した一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案の取り扱いと、その後の三池現地における一酸化炭素中毒患者に対する援護の社会的要請を背景として行なわれたものである。その意味においては、今度の特別立法は、その前提になったこれらの問題の解決をはかる内容であらねばならないと考えるが、所見をお伺いしたいのであります。
第二点は、現在提出された政府の案は、政府の現在行なっている行政措置の範囲を一歩も出ていないものであって、特別に立法化する意義は失われてしまっているのであります。これは、昨年の社会労働委員会決議の趣旨を無視したものではないか。また、少なくとも国会決議を尊重するというならば、その前提となった前国会の社会党法案の骨子、すなわち配置転換と前収補償、解雇制限、障害補償の特別措置等の諸問題について、十分な考慮が払われるべきであると考えるが、この点について労働大臣の見解を述べていただきたい。
第三点は、政府は法案原案の作成にあたって、労災審議会、社会保障制度審議会のいずれにも十分な討議の時間を与えず、基本問題である前収補償、解雇制限等の特別保護措置について結論を得なかったので、それを幸いとして、法案内容にこれを入れなかったことは、国会決議尊重ということに対して、十分な誠意を尽くしたとは言いがたい。これについて労働大臣はどのように考えているのか、意見を伺いたいのであります。
第四点は、三池医療委員会すなわち勝木委員会は、昨年の十月末、解散したと聞いております。三池にはいまなお多数の患者が存在しており、一酸化炭素中毒についての結論的な医学上の解明が行なわれていない現段階において、何ゆえ解散したのか。われわれとしては、勝木委員会としての信頼性は別といたしまして、このような医療委員会は、まだ当分必要ではないかと思うので、早急に勝木委員会にかわるような、しかも、さらに民主的な医療委員会を設置をして、今後の医療対策の推進と紛争解決に当たらしめるべきであると考えるのでありますが、所見をお伺いいたしたい。
一酸化炭素中毒予防については、爆発等の予防対策と、事故発生後の中毒予防の二面があるのであります。このことについて、事故発生予防は通産省の所管事項であって、労働省には鉱山保安の監督権はなく、勧告権のみあるが、予防対策は当然のこととして、この両面がともに推進されなければならないし、そうでなければ、効果もあげられないと思うのであります。現在、鉱山保安は通産省で、一般災害保安は労働省で、船員の災害保安は運輸省と、このようにしてばらばらの労働災害保安対策になっているのであります。しかし、将来労働省に一元化された保安対策でなければ強力なものとならないが、労働大臣はこの点どう考えているのか、所見を伺いたいのであります。
第五点は、本院社会労働委員会決議は、立法措置が成立するまでは、療養その他の援護措置は現状のままとする、となっているが、現実においては、さきに述べたように、七百名以上の大多数の患者が、治療も訓練を受けられずに放置されているばかりでなく、生活保障も与えられず、一銭の収入もなく、一家の生活を労働者同士の救済によってはかっているような実態であるが、これをこのまま放置しておいてよいのかどうか、具体的な今後の方針を示していただきたいのであります。
次に、菅野通産大臣にお尋ねいたしたい。頻発するところの炭鉱災害、それは爆発だけでなく、一般災害も増大しているけれども、その原因は、石炭合理化に帰着すると思います。この時点で、抜本的な対策樹立が必要だと思われるが、政府は将来、いかなる対策を講じようとしているのか、見解を伺いたいのであります。
また、今度一酸化炭素中毒の特別法を作定するにあたり、当然のこととして、その内容には災害予防を含めなければならない。特別法である以上、所管官庁の違いとか。行政機関が異なるとかいうような問題は超越して、この法の目的に関係するところの官庁がすべて協力しなければならないと思うが、通産省として、一酸化炭素中毒立法に対する基本的な姿勢を述べていただきたい。
最後に、坊厚生大臣にお伺いいたしたいと思います。
一酸化炭素中毒立法は、今回は炭鉱労働者に限るということになっております。しかし、一酸化炭素中毒症の発生は、石炭鉱業のみではなく、他の産業にも発生し、また一般社会にも、家庭にも発生しているのであります。一酸化炭素中毒症の医療効果は、リハビリテーションの充実がはかられなければならないのであります。一酸化炭素中毒を、労働省の問題としてとらえるのではなく、広く一般社会の人道上の問題として、また、国民の医療上の問題としてとらえるならば、厚生省はこれの対策に積極的でなければならない、このように思うのであります。厚生省として、今後の一酸化炭素中毒症に対する医療対策や、中毒患者の援護施設の設置等についても、前向きの姿勢で取り組むべきだと思うのでありますが、厚生大臣の見解を承りたいのであります。
以上をもって私の質問は終わるのでありますが、私は、昨年一月と今月と、二度にわたって現地の状況をつまびらかに視察してまいったのであります。三池の状況をつぶさにこの目で見、あるいはまた聞いてまいったのであります。再三申し上げるとおり、患者や家族または遺族の人たちは、極度に悲惨な生活を送っており、意識障害、情意の障害、心身障害の訴えがありまして、基本的な家庭生活も送れず、大きな社会問題となり、人道上の問題でもあります。こういう悲惨な者を救済する政治的責任をとるという観点に立って、総理大臣はじめ関係各大臣からの十分な配慮の届いたあたたかい答弁を伺いたいのであります。
以上をもって私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →三池の爆発で四百五十八名の死亡者と八百二十二名にのぼる一酸化炭素中毒患者が出てから、すでに三年七カ月もたっているのに、まだこの事件は解決していないのであります。この問題では昨年の国会決議もあるのであって、政府当局も前向きに取り組んでいると思うのでありますけれども、昨年十月二十五日労災補償打ち切り問題以来、その処理も今日まで解決していないのである。ために労災病院にいる六十名の入院患者は何らの医療、給食も施されず放置されているのである。のみならず、残る七百名近くの患者も、職場に帰ることもできず、医療も受けられず放置され、現地では大きな社会問題となっているのであります。これは今日、一酸化炭素中毒の医学的な解明が十分行なわれていない現状を無視し、強引に資本の欲意を受け入れて行なった行政の基本的な政府の姿勢に起因するものであります。
そこで次の諸点について、関係閣僚の見解を問いただしたいと思います。
まず、佐藤内閣総理大臣にお伺いをいたします。
三池の災害後、夕張、伊王島、山野、空知、奔別と、相次いで炭鉱の災害が続発し、多数の一酸化炭素中毒患者が発生しているのであります。これらの災害原因は、いずれも労働者の責任は皆無であって、資本の保安サボタージュによるものであります。特に三池における一酸化炭素中毒患者は、三年七カ月をたった今日、なお意識を回復しない者、あるいはまた妻の顔さえ識別できないというような悲惨な者もあるが、これらの患者の救済は人道上の大きな問題であって、昨年、本院社会労働委員会におきましても、特別立法を一年以内につくるよう決議をいたしました。この決議について政府はどのように理解をしているのか。また、このたびの政府提出法案の内容は、当然、一酸化炭素中毒患者の現状に即して十分な救済がはかられるものを具備していなければならないと考えるのでありますが、総理大臣の所見を伺いたい。
次に、早川労働大臣にお伺いいたしたい。
第一点は、昨年、本院社会労働委員会における決議は、社会党が第四十八国会と五十一国会に提出した一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案の取り扱いと、その後の三池現地における一酸化炭素中毒患者に対する援護の社会的要請を背景として行なわれたものである。その意味においては、今度の特別立法は、その前提になったこれらの問題の解決をはかる内容であらねばならないと考えるが、所見をお伺いしたいのであります。
第二点は、現在提出された政府の案は、政府の現在行なっている行政措置の範囲を一歩も出ていないものであって、特別に立法化する意義は失われてしまっているのであります。これは、昨年の社会労働委員会決議の趣旨を無視したものではないか。また、少なくとも国会決議を尊重するというならば、その前提となった前国会の社会党法案の骨子、すなわち配置転換と前収補償、解雇制限、障害補償の特別措置等の諸問題について、十分な考慮が払われるべきであると考えるが、この点について労働大臣の見解を述べていただきたい。
第三点は、政府は法案原案の作成にあたって、労災審議会、社会保障制度審議会のいずれにも十分な討議の時間を与えず、基本問題である前収補償、解雇制限等の特別保護措置について結論を得なかったので、それを幸いとして、法案内容にこれを入れなかったことは、国会決議尊重ということに対して、十分な誠意を尽くしたとは言いがたい。これについて労働大臣はどのように考えているのか、意見を伺いたいのであります。
第四点は、三池医療委員会すなわち勝木委員会は、昨年の十月末、解散したと聞いております。三池にはいまなお多数の患者が存在しており、一酸化炭素中毒についての結論的な医学上の解明が行なわれていない現段階において、何ゆえ解散したのか。われわれとしては、勝木委員会としての信頼性は別といたしまして、このような医療委員会は、まだ当分必要ではないかと思うので、早急に勝木委員会にかわるような、しかも、さらに民主的な医療委員会を設置をして、今後の医療対策の推進と紛争解決に当たらしめるべきであると考えるのでありますが、所見をお伺いいたしたい。
一酸化炭素中毒予防については、爆発等の予防対策と、事故発生後の中毒予防の二面があるのであります。このことについて、事故発生予防は通産省の所管事項であって、労働省には鉱山保安の監督権はなく、勧告権のみあるが、予防対策は当然のこととして、この両面がともに推進されなければならないし、そうでなければ、効果もあげられないと思うのであります。現在、鉱山保安は通産省で、一般災害保安は労働省で、船員の災害保安は運輸省と、このようにしてばらばらの労働災害保安対策になっているのであります。しかし、将来労働省に一元化された保安対策でなければ強力なものとならないが、労働大臣はこの点どう考えているのか、所見を伺いたいのであります。
第五点は、本院社会労働委員会決議は、立法措置が成立するまでは、療養その他の援護措置は現状のままとする、となっているが、現実においては、さきに述べたように、七百名以上の大多数の患者が、治療も訓練を受けられずに放置されているばかりでなく、生活保障も与えられず、一銭の収入もなく、一家の生活を労働者同士の救済によってはかっているような実態であるが、これをこのまま放置しておいてよいのかどうか、具体的な今後の方針を示していただきたいのであります。
次に、菅野通産大臣にお尋ねいたしたい。頻発するところの炭鉱災害、それは爆発だけでなく、一般災害も増大しているけれども、その原因は、石炭合理化に帰着すると思います。この時点で、抜本的な対策樹立が必要だと思われるが、政府は将来、いかなる対策を講じようとしているのか、見解を伺いたいのであります。
また、今度一酸化炭素中毒の特別法を作定するにあたり、当然のこととして、その内容には災害予防を含めなければならない。特別法である以上、所管官庁の違いとか。行政機関が異なるとかいうような問題は超越して、この法の目的に関係するところの官庁がすべて協力しなければならないと思うが、通産省として、一酸化炭素中毒立法に対する基本的な姿勢を述べていただきたい。
最後に、坊厚生大臣にお伺いいたしたいと思います。
一酸化炭素中毒立法は、今回は炭鉱労働者に限るということになっております。しかし、一酸化炭素中毒症の発生は、石炭鉱業のみではなく、他の産業にも発生し、また一般社会にも、家庭にも発生しているのであります。一酸化炭素中毒症の医療効果は、リハビリテーションの充実がはかられなければならないのであります。一酸化炭素中毒を、労働省の問題としてとらえるのではなく、広く一般社会の人道上の問題として、また、国民の医療上の問題としてとらえるならば、厚生省はこれの対策に積極的でなければならない、このように思うのであります。厚生省として、今後の一酸化炭素中毒症に対する医療対策や、中毒患者の援護施設の設置等についても、前向きの姿勢で取り組むべきだと思うのでありますが、厚生大臣の見解を承りたいのであります。
以上をもって私の質問は終わるのでありますが、私は、昨年一月と今月と、二度にわたって現地の状況をつまびらかに視察してまいったのであります。三池の状況をつぶさにこの目で見、あるいはまた聞いてまいったのであります。再三申し上げるとおり、患者や家族または遺族の人たちは、極度に悲惨な生活を送っており、意識障害、情意の障害、心身障害の訴えがありまして、基本的な家庭生活も送れず、大きな社会問題となり、人道上の問題でもあります。こういう悲惨な者を救済する政治的責任をとるという観点に立って、総理大臣はじめ関係各大臣からの十分な配慮の届いたあたたかい答弁を伺いたいのであります。
以上をもって私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
佐
佐藤榮作#29
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま引用されました四十一年の参議院の社会労働委員会の決議、これは私、もう読む必要はないと思いますが、ここに手元に持ってまいりましたので、一応朗読さしていただきます。
一、政府は一酸化炭素中毒被災者援護措置について、差当り炭鉱労働者に限り、後一ケ年以内に、立法措置を講ずるよう努力すること。
二、政府は右の立法措置が成立する迄被災者に対する療養その他の援護措置は現在の状態と変らざるよう措置すること。
右決議する。
この決議の趣旨を尊重いたしまして、このたび、特別措置法を提案したのでございます。私は、労働災害、そのうちでも、ことに炭鉱災害の絶滅を期したい、かような念願のもとに、鉱山保安を一そう充実強化する、そういう方向で努力しております。不幸にして事故が発生いたしました場合の被災者に対しましては、この決議の御趣旨により、医療から社会復帰まで十全の処置をとるよう、十分注意するつもりでございます。在来の行政措置につきましても、これらの点で、なお御意見も伺い、さらに充実するようにいたしたいものだと思います。また、このたび提案いたしました法律案に対しまして、社会党からも特別な法案が提出されておりますので、これは超党派で、皆さんの御意見によりまして、りっぱな特別措置をつくる、これは私の考えでもありますので、どうか御協力のほどをお願いいたします。拍手
〔国務大臣早川崇君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →一、政府は一酸化炭素中毒被災者援護措置について、差当り炭鉱労働者に限り、後一ケ年以内に、立法措置を講ずるよう努力すること。
二、政府は右の立法措置が成立する迄被災者に対する療養その他の援護措置は現在の状態と変らざるよう措置すること。
右決議する。
この決議の趣旨を尊重いたしまして、このたび、特別措置法を提案したのでございます。私は、労働災害、そのうちでも、ことに炭鉱災害の絶滅を期したい、かような念願のもとに、鉱山保安を一そう充実強化する、そういう方向で努力しております。不幸にして事故が発生いたしました場合の被災者に対しましては、この決議の御趣旨により、医療から社会復帰まで十全の処置をとるよう、十分注意するつもりでございます。在来の行政措置につきましても、これらの点で、なお御意見も伺い、さらに充実するようにいたしたいものだと思います。また、このたび提案いたしました法律案に対しまして、社会党からも特別な法案が提出されておりますので、これは超党派で、皆さんの御意見によりまして、りっぱな特別措置をつくる、これは私の考えでもありますので、どうか御協力のほどをお願いいたします。拍手
〔国務大臣早川崇君登壇、拍手〕