外務委員会

1978-02-22 衆議院 全264発言

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会議録情報#0
昭和五十三年二月二十二日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 永田 亮一君
   理事 大坪健一郎君 理事 奥田 敬和君
   理事 塩崎  潤君 理事 井上 一成君
   理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
   理事 渡辺  朗君
      稲垣 実男君    川田 正則君
      佐野 嘉吉君    竹内 黎一君
      河上 民雄君    久保  等君
      美濃 政市君    中川 嘉美君
      寺前  巖君    楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 園田  直君
 出席政府委員
        防衛庁長官官房
        防衛審議官   上野 隆史君
        防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
        科学技術庁原子
        力局長     山野 正登君
        外務政務次官  愛野興一郎君
        外務省アジア局
        長       中江 要介君
        外務省アメリカ
        局長      中島敏次郎君
        外務省欧亜局長 宮澤  泰君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   千葉 一夫君
        外務省経済局次
        長       溝口 道郎君
        外務省経済協力
        局長      武藤 利昭君
        外務省条約局長 大森 誠一君
        外務省条約局外
        務参事官    村田 良平君
        外務省国際連合
        局長      大川 美雄君
        外務省情報文化
        局長      加賀美秀夫君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課長    中戸 弘之君
        外務大臣官房外
        務参事官    枝村 純郎君
        外務委員会調査
        室長      高杉 幹二君
    —————————————
委員の異動
二月十八日
 辞任         補欠選任
  松本 善明君     不破 哲三君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     松本 善明君
同月二十一日
 辞任         補欠選任
  川崎 秀二君     小坂善太郎君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  松本 善明君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  寺前  巖君     松本 善明君
    —————————————
二月二十一日
 看護職員条約の批准等に関する請願(山田太郎
 君紹介)(第一四二八号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国際情勢に関する件
     ————◇—————
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永田亮一#1
○永田委員長 これより会議を開きます。
 この際、御報告を申し上げます。
 本委員会の委員として国際問題に深い関心を寄せられ、御活躍をいただいておりました川崎秀二君が、けさ順天堂病院において逝去せられました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに、委員各位とともに、故川崎秀二君の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立を求めます。——黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
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永田亮一#2
○永田委員長 黙祷を終わります。ありがとうございました。御着席を願います。
     ————◇—————
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永田亮一#3
○永田委員長 この際、委員長より申し上げます。
 最近の国際情勢の複雑化に伴い、国会未提出条約が増加していく傾向の打開について、数日来理事会で協議してまいりましたが、本日協議が整いました。よって、委員長から理事会の申し合わせに沿って政府に要望いたします。
    条約の提出促進に関する件
  近年、国際関係の緊密化を反映して、多数の国際条約が作成されており、このため国会未提出の条約が増加しつつある。よって、政府は未提出の条約を速やかに検討、選別の上、国会に提出し、作業の遅延、渋滞による状況の解消に努めるべきである。
以上であります。
 外務大臣は、未提出条約の処理について、右の趣旨を勘案されて早急に善処されるよう望むものであります。
 本件について、外務大臣の所見を求めます。外務大臣園田直君。
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園田直#4
○園田国務大臣 ただいま委員長から御指摘をいただきましたとおり、近年条約の作成件数は増加しつつあり、このような趨勢は今後一層強まるものと考えられます。すでに作成された多数国間条約で、わが国として締結することが適当と考えられながら、国内法制との調整の必要性、限られた事務体制から来る制約等の理由によって、国会への提出に至らないまま推移しているものが少なくありません。しかしながら、今後一層緊密化する国際関係にわが国が効果的に対応していくために、理由のいかんを問わず、未締結条約山積の現状をこのまま放置しておくことは許されません。
 政府としては、ただいまの委員長の御発言の趣旨を踏まえ、関係諸条約についての検討をさらに促進し、その締結が適当と考えられる条約については、新規の条約及びすでに採択済みの条約の双方につき、今後逐次、できる限り速やかに国会の御承認を求める手続をとるべく努力してまいる所存でございます。
 なお、申すまでもなく、条約の締結促進に当たり、立法府及び行政府が果たすべき役割りはあたかも車の両輪のごときものでありますので、条約の締結促進のためにも、今後とも当委員会の御理解ある御協力を、この機会をおかりしてあわせてお願いする次第でございます。拍手
     ————◇—————
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永田亮一#5
○永田委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。
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土井たか子#6
○土井委員 防衛庁の方の防衛局長、御出席でいらっしゃいますね。
 それでは、まず防衛局長にお尋ねをさせていただきます。
 日本国憲法から考えまして核兵器というのは保持できるようになっておりますか、いかがでございますか。
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伊藤圭一#7
○伊藤(圭)政府委員 憲法からいたしますと、攻撃的兵器というようなものは持てないということになっております。したがいまして、その核兵器そのものが攻撃的か防御的かという問題になろうかと思います。しかしながら、従来から核兵器というものはきわめて破壊的な、大きな破壊力を持っておりますし、また通常戦略核兵器のように、これは防御するというよりは相手に大きな破壊を与えるということによって抑止力となっている兵器でございますので、戦略核兵器は持てない。しかしながら、これは国会でもかつて御答弁がありましたように、純粋に防御的な核兵器というものがあるとするならば、それは憲法に違反するものではない、しかしながらわが国は非核三原則の政策をとっておりますので、核兵器は持てないというふうに考えております。
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土井たか子#8
○土井委員 いまの御答弁からするともう一つあいまいなところが残るわけでありますが、もう一度お尋ねいたします。憲法から考えまして核兵器というのが持てるか持てないか。つまり憲法から考えて、法理的にどうなのかという点をもう一度確かめたいと思います。
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伊藤圭一#9
○伊藤(圭)政府委員 これは憲法の問題でございますから、法制局から御答弁いただくのが適当かと思いますけれども、従来の国会の御答弁におきまして、また政府の解釈といたしまして、憲法はすべての核兵器を否定するものではないというふうに申し上げているわけでございます。
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土井たか子#10
○土井委員 すべての核兵器を否定するものではない。
 その次に、それじゃ否定されていない核兵器というのはどういうことになるのですか。
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伊藤圭一#11
○伊藤(圭)政府委員 核兵器が開発されましてから非常に小型化されてきた時代がございます。そのころの答弁でございますが、純粋に防御的な核兵器というものが仮に存在するとするならば、それは必要最小限の自衛力の範囲に入ると解釈されるという御答弁を、これは防衛庁からか法制局からかちょっと記憶いたしておりませんが、国会で御答弁申し上げたことがあります。
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土井たか子#12
○土井委員 そういたしますと、防衛庁とされては、従来から憲法第九条のもとで戦術核兵器ならばこれは合憲である、憲法から考えて戦術核兵器の場合は持てるんだ、憲法違反ではないというふうなお考えで今日まで来られておるわけでありますね。
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伊藤圭一#13
○伊藤(圭)政府委員 それはそうではございませんで、戦術核兵器の中にもきわめて大きな破壊力を持った戦術核兵器があるわけでございます。その中でもさらに純粋な防御的な兵器であれば憲法の否定するものではないということでございますので、いま先生がおっしゃいましたように戦術核というものを総合して述べているわけではないわけでございます。
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土井たか子#14
○土井委員 私はどの程度の兵器がどういうことかということをお尋ねしているわけではないので、憲法の法理上、従来から戦術核兵器については、憲法第九条のもとでこれを持てるというふうに理解してよろしいという法理的な解釈というのが、今日までこの国会の答弁の上で出てきている。このことを先ほど局長はお確かめになったわけでありますから、防衛庁もそのお考えですねということを私は確かめさせていただいているわけです。よろしゅうございますね。
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伊藤圭一#15
○伊藤(圭)政府委員 戦術核の中でも、純粋に防御的なものであれば憲法の禁止するところではないというふうに申し上げているわけでございます。
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土井たか子#16
○土井委員 要するに、戦術核であることには変わりがないわけであります。防御的であるか攻撃的であるかということはいずれといたしましても、戦術核そのものについて、これを持つことを憲法は禁止していないという理解は従来どおりで間違いのないところですね、そうでしょう。ふんふんとうなずくばかりでなくて、はいとおっしゃってください。
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伊藤圭一#17
○伊藤(圭)政府委員 核兵器を大きく分けまして、戦略核兵器、戦術核兵器というふうに分けますならば、戦術核兵器ということになります。
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土井たか子#18
○土井委員 そこで、外務省の方にそれではお尋ねをいたしたいと思いますが、核拡散防止条約について非核保有国が締結いたしまして、そして非核保有国についてこの核防条約を締結いたしましてから後、戦術核兵器というものを持ってよろしい、持つことができるようになっているかどうか、この点はいかがでございますか。
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大川美雄#19
○大川政府委員 核拡散防止条約の締約国である非核兵器国が、いまのように核兵器を持ってよろしいということではございません。
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土井たか子#20
○土井委員 日本はこの核防条約を締結している国でありますか、どうでありますか。
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大川美雄#21
○大川政府委員 日本は核防条約の締結国でございます。
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土井たか子#22
○土井委員 そういたしますと、わが日本としてはこの核防条約締結後は、法理論上から申し上げましても、この核兵器というものを一切持つことができなくなったというふうに考えなければならないし、今後も持つことはできないと考えなければならないと思いますが、外務大臣、いかがでございますか。
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園田直#23
○園田国務大臣 お答えをいたします。
 憲法上の議論からすれば、なかなか議論のあるところでありますが、いま御指摘の核条約及び非核三原則という二重に制約をされておりますから、私としては、核兵器は小型であろうと大型であろうと持ってはならぬ、このように解釈をいたします。
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土井たか子#24
○土井委員 いま外務大臣がおっしゃったのは、非核三原則と核防条約の立場からすると、大型であろうと小型であろうと、核兵器を持つことは日本としてできないというお立場を鮮明にされているわけでありますけれども、これはただいま憲法の第九条からしたら、戦術核兵器は持てるという法理論も、実は核防条約の上から考えて、非核三原則の上から考えて持てないということとオーバーラップしまして、法理論上持てないというふうに考えなければいけないのじゃないかと私自身は思います。いかがです。憲法九十八条では、締結した条約というのは日本は遵守する義務がございます。これは憲法上の法理です。憲法上の法理ということから考えれば、核防条約を締結した日本としては、どういう核であるにしろ核兵器を保有することはできないとなっているわけでありますから、それからすれば、憲法第九条の法理から考えて戦術核というのはいまだに持てるんだというお考えというのは、まさに矛盾している、おかしいと言わざるを得ないのでありますが、この点いかがでございます
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伊藤圭一#25
○伊藤(圭)政府委員 従来憲法九条の解釈上の問題として、私ども、法制局とその解釈について話し合ってきておりますが、いまのお話でございますと、条約を締結している限りは持てないというふうに考えております。
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土井たか子#26
○土井委員 条約を締結した以上は持てないというのは、憲法の九条から考えて持てないとなっているというふうに御確認をいただいたことになりますか、いかがですか。
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伊藤圭一#27
○伊藤(圭)政府委員 九条の解釈からするならば、いかなる核兵器も排除するものではないという解釈であろうと思います。
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土井たか子#28
○土井委員 九十八条の憲法の条文をお読みになると、この憲法の条規に反した処分というのは一切無効になるわけでございますよ。しかもその次、九十八条の二項では、日本が締結した条約は誠実に遵守する義務というものを日本の日本国憲法がきちっと明定しているわけでありますよ。それからすると、核防条約を日本は締結した、核は一切持てない、核兵器は大小問わず一切持てない、このことを条約の内容がきちんと明記しているわけですよ。これは非核保有国である日本の義務なんです。これを誠実に遵守すべきであるということを憲法が決めている九十八条に従って、第九条でも持てないということを法理上言わざるを得ないんじゃないですか、どうです。
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伊藤圭一#29
○伊藤(圭)政府委員 そのことにつきましては法制局からお答え申し上げるのが適当だと思いますけれども、いずれにいたしましても私どもは、核兵器を持つという考えは一切持っておりませんので、法制局の方ともその点につきまして確かめてみたいと思っております。
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