安全保障特別委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十五年四月二十六日(土曜日)
午前十時一分開議
出席委員
委員長 坂田 道太君
理事 有馬 元治君 理事 大坪健一郎君
理事 三原 朝雄君 理事 箕輪 登君
理事 川崎 寛治君 理事 前川 旦君
理事 市川 雄一君 理事 寺前 巖君
理事 吉田 之久君
石原慎太郎君 浦野 烋興君
江藤 隆美君 大城 眞順君
國場 幸昌君 玉沢徳一郎君
辻 英雄君 中村 弘海君
長谷川 峻君 船田 元君
水平 豊彦君 石橋 政嗣君
上原 康助君 嶋崎 譲君
玉城 栄一君 二見 伸明君
東中 光雄君 永末 英一君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 細田 吉藏君
出席政府委員
内閣法制局長官 角田禮次郎君
国防会議事務局
長 伊藤 圭一君
防衛庁参事官 岡崎 久彦君
防衛庁参事官 佐々 淳行君
防衛庁参事官 多田 欣二君
防衛庁参事官 番匠 敦彦君
防衛庁長官官房
長 塩田 章君
防衛庁長官官房
防衛審議官 友藤 一隆君
防衛庁防衛局長 原 徹君
防衛庁人事教育
局長 夏目 晴雄君
防衛庁衛生局長 野津 聖君
防衛庁経理局長 渡邊 伊助君
防衛庁装備局長 倉部 行雄君
防衛施設庁長官 玉木 清司君
防衛施設庁総務
部長 菊池 久君
防衛施設庁施設
部長 森山 武君
防衛施設庁労務
部長 伊藤 参午君
外務省アジア局
長 木内 昭胤君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済局次
長 羽澄 光彦君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省国際連合
局長 賀陽 治憲君
委員外の出席者
国防会議事務局
参事官 畠山 蕃君
国防会議事務局
参事官 西谷 浩明君
資源エネルギー
庁石油部計画課
長 浜岡 平一君
安全保障特別委
員会調査室長代
理 麻生 茂君
—————————————
委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
石原慎太郎君 中村 弘海君
國場 幸昌君 大城 眞順君
藤尾 正行君 船田 元君
堀之内久男君 江藤 隆美君
水平 豊彦君 浦野 烋興君
金子 満広君 東中 光雄君
同日
辞任 補欠選任
浦野 烋興君 水平 豊彦君
江藤 隆美君 堀之内久男君
大城 眞順君 國場 幸昌君
中村 弘海君 石原慎太郎君
船田 元君 藤尾 正行君
東中 光雄君 金子 満広君
—————————————
本日の会議に付した案件
国の安全保障に関する件
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時一分開議
出席委員
委員長 坂田 道太君
理事 有馬 元治君 理事 大坪健一郎君
理事 三原 朝雄君 理事 箕輪 登君
理事 川崎 寛治君 理事 前川 旦君
理事 市川 雄一君 理事 寺前 巖君
理事 吉田 之久君
石原慎太郎君 浦野 烋興君
江藤 隆美君 大城 眞順君
國場 幸昌君 玉沢徳一郎君
辻 英雄君 中村 弘海君
長谷川 峻君 船田 元君
水平 豊彦君 石橋 政嗣君
上原 康助君 嶋崎 譲君
玉城 栄一君 二見 伸明君
東中 光雄君 永末 英一君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 細田 吉藏君
出席政府委員
内閣法制局長官 角田禮次郎君
国防会議事務局
長 伊藤 圭一君
防衛庁参事官 岡崎 久彦君
防衛庁参事官 佐々 淳行君
防衛庁参事官 多田 欣二君
防衛庁参事官 番匠 敦彦君
防衛庁長官官房
長 塩田 章君
防衛庁長官官房
防衛審議官 友藤 一隆君
防衛庁防衛局長 原 徹君
防衛庁人事教育
局長 夏目 晴雄君
防衛庁衛生局長 野津 聖君
防衛庁経理局長 渡邊 伊助君
防衛庁装備局長 倉部 行雄君
防衛施設庁長官 玉木 清司君
防衛施設庁総務
部長 菊池 久君
防衛施設庁施設
部長 森山 武君
防衛施設庁労務
部長 伊藤 参午君
外務省アジア局
長 木内 昭胤君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済局次
長 羽澄 光彦君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省国際連合
局長 賀陽 治憲君
委員外の出席者
国防会議事務局
参事官 畠山 蕃君
国防会議事務局
参事官 西谷 浩明君
資源エネルギー
庁石油部計画課
長 浜岡 平一君
安全保障特別委
員会調査室長代
理 麻生 茂君
—————————————
委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
石原慎太郎君 中村 弘海君
國場 幸昌君 大城 眞順君
藤尾 正行君 船田 元君
堀之内久男君 江藤 隆美君
水平 豊彦君 浦野 烋興君
金子 満広君 東中 光雄君
同日
辞任 補欠選任
浦野 烋興君 水平 豊彦君
江藤 隆美君 堀之内久男君
大城 眞順君 國場 幸昌君
中村 弘海君 石原慎太郎君
船田 元君 藤尾 正行君
東中 光雄君 金子 満広君
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本日の会議に付した案件
国の安全保障に関する件
————◇—————
坂
坂田道太#1
○坂田委員長 これより会議を開きます。
国の安全保障に関する件について調査を進めます。
まず、現下の国際情勢とわが国の安全保障及び防衛政策について、外務大臣及び防衛庁長官からそれぞれ説明を求めます。大来外務大臣。
この発言だけを見る →国の安全保障に関する件について調査を進めます。
まず、現下の国際情勢とわが国の安全保障及び防衛政策について、外務大臣及び防衛庁長官からそれぞれ説明を求めます。大来外務大臣。
大
大来佐武郎#2
○大来国務大臣 衆議院安全保障特別委員会が開催されるに当たりわが国の安全保障問題につき所信の一端を申し述べます。
本年は現在の日米安全保障条約が昭和三十五年に締結されて以来二十周年に当たります。この条約の締結二十周年目に際会し、また、安全保障問題の重要性が最近の国際情勢に照らし内外でも改めて認識されているこの時期に、国民の総意を代表する国会において安全保障問題に取り組むための本委員会の発足を見たことはまことに時宜を得たものであると考えます。
今日の国際社会において国家が独立を維持し、自主的な外交を進めていくためには、何よりもまずその安全が確保されていることが不可欠であります。そして国の安全は本来、まずそれぞれの国が自分で守るよう努めるべきは当然でありますが、現在の世界において独力で自分の国の安全を確保することは困難であります。そこで、再び軍事大国の道を歩まぬことを誓ったわが国としましては、自衛に必要な限度の防衛力を整備するとともに、米国との安保条約によってわが国の安全を確保することとしております。
もとより、国の安全を守るための努力はひとり軍事力の分野のみに限られるものでなく、紛争を軍事的に抑止するための軍事力とともに、紛争を政治的に抑止し、また、資源・エネルギーの確保を含め総合的な安全を確保するための積極的な外交努力が必要であることは言うまでもありません。この意味で軍事的抑止力と右のような積極的な外交努力とはわが国の安全にとっては、車の両輪のごときものであると考えます。
政府といたしましてはこのような考え方に立って安全保障政策の柱として第一に、日米安保体制の円滑で効果的な運用、第二に、わが国の自衛力の質的向上、第三に、アジアを初めとする世界の平和と安全のための日本の積極的な外交努力という三つの分野において努力してきておりますが、この機会に第一の柱である日米安保体制の現状につき一言御説明申し上げたいと思います。
日米安保体制については、わが国内においていろいろな論議のあったことは御承知のとおりでありますが、戦後わが国が今日までの平和と繁栄とを享受できましたのは、日米安保体制を基礎とする揺るぎない日米友好関係があったからであることについては、いまや異論のないところと考えます。最近の官民を通ずるほとんどあらゆる世論調査を通じて、安保体制への支持が過半数を優に上回っていることは御承知のとおりでございます。
さらに、近年安全保障の分野における日米両国の協力関係はかつてないほど良好に進展しております。
第一に、日米防衛協力に関する基本的枠組みとなる「日米防衛協力のための指針」が一昨年十一月の日米安全保障協議委員会で了承され、現在これに基づき共同作戦計画の研究を中心とする具体的研究が自衛隊と米軍との間で進められております。
第二に、わが国には現在約四万五千の米軍が駐留しており、米国はそのための経費として毎年十数億ドルの支出を行ってきております。政府としてはこの経費の面において地位協定の枠内でなし得る限りの協力を行ってきておりますが、このことは安保体制の安定的運用の面で大きな役割りを果たしております。
次に、日米安保体制の円滑で効果的な運用を期する上において米軍によるわが国施設、区域の安定的な使用が重要であることはいまさら指摘するまでもありません。このためには国民の理解、なかんずく施設、区域の周辺地域の住民の方々の理解と支持を得ることが不可欠であります。このため政府としては従来より施設、区域の整理統合計画を推進するとともに安全対策、騒音防止等各種の施策を通じ、周辺環境への影響を最小限にとどめ得るよう努力してきている次第であります。
さらに、日米安保体制は、今日広く国際政治の与件として定着し、現在のアジアにおける国際政治の枠組みの重要な柱としてわが国の安全保障のみならず、アジアひいては世界の平和と安全の維持に寄与するものとなっていることも指摘しておきたいと思います。
さて以上に申し述べた安全保障政策はわが国の直面する国際情勢についての的確な判断に基づいて進めて行くことが必要であります。そこで次に最近の国際情勢について申し述べたいと存じます。
今日の国際関係は、多元化への傾向を見せておりますが、安全保障の観点から見る限り、国際情勢の帰趨に最も重要な影響を与えるのは、依然として米ソ関係を中心とする東西関係であります。
米ソは基本的には核戦争回避の点で利害を同じくしており、そのための相互の関係の調整の努力が行われてまいりました。SALT交渉はその典型的な例であります。
その間にあって最近、注目されているのはソ連の軍事力の着実かつ著しい強化であります。ソ連は過去二十年間一貫して核及び通常戦力の双方の分野において、軍事力強化の努力を続けていることは周知の通りでありますが、これに対し、米国及び他の西側諸国は軍事バランスが西側に不利とならないよう、防衛努力の強化を図るに至っております。
ソ連は一方で国際緊張緩和を唱えつつ、他方でこのような軍事力の強化をも背景としてアジア、アフリカ、中近東などの地域に対する影響力の拡大を試みており、最近のアフガニスタンに対する軍事介入もかかる観点からとらえることができると考えられます。米ソを中心とする東西関係は対立と協調の二面性を有していますが、最近では以上のごとく対立の側面がクローズアップされるに至っております。
このような東西関係の推移と並んで現在の国際政治においては、最近イランを初めとする中東地域、アフリカ、さらにインドシナや中南米等世界各地において不安定な情勢が見られるごとにも注目する必要があると思います。
わが国の安全にきわめて重要な地位を占める東アジア地域においては、米国のプレゼンスが同地域の平和と安定を支える基本的な要素でありますが、米国は在韓米地上軍撤退計画の凍結、米比軍事基地協定の改定、マニラ条約に対するコミットメントの再確認等この地域に対する米国のコミットメントを遵守する意向を明示しております。
他方、ソ連はグローバルな軍事力強化の一環として、アジア地域においても軍事的プレゼンスを強化しており、ベトナムに足がかりを築かんとする動きを示しつつある一方、特に極東においては、わが国固有の領土たる北方領土においてもその軍備を強化していることはわが国として重大に受けとめざるを得ないところであり、潜在的な脅威が増していると言わざるを得ません。
中国は、現在国の近代化を最大の国家目標としてこれに全力を傾注しております。対外的には近代化を進める必要性もあり、わが国を初めとする西側諸国との交流、協力を深めつつありますが、これに対し、ソ連及びその後押しを受けたベトナムに対しては強い対決姿勢をとり続けております。
朝鮮半島においては、南北間の対立という現実に基本的変化は見られないものの、米韓両国による有効な抑止力の維持向上の努力、また、わが国及び米国、中国等の関係諸国間の対話の努力等もあり、大規模な軍事衝突の危険性はそれほど大きくないと見られます。
また、東南アジアにおいては、ASEAN諸国が連帯と強靱性強化への自主的努力を着実に進め、地域の安定勢力としての地歩を固めつつある一方、インドシナ情勢については、今後の関係国の出方いかんにもよりますが、安定回復までには時間を要するものと思われます。このように、東アジアにおいては平和と安定を目指す動きとともに、紛争と対立をはらんだ厳しい不安定要因が並存、錯綜していると申せましょう。
以上に申し述べたとおり、国際情勢はソ連の世界的な軍事力強化とイラン情勢にも示されるような世界各地における不安定な情勢の増加により厳しさを増してきております。このような国際情勢に効果的に対処し、国際の平和と安全の維持を図っていくためには、守るべき共通の価値と利益を有する先進民主主義諸国が協調しつつ、それぞれが与えられた条件のもとでなし得る最大限の努力を払っていかなければなりません。米国及び西欧諸国において、現在国防努力強化の必要性が官民一致して強く叫ばれているのはこのような事情によるものです。そして、今日主要先進民主主義諸国の一員としてのわが国に対し国際的に期待されているのも、まさにこうした努力にほかなりません。わが国は、現在わが国が置かれているこうした状況を直視し、このような状況においてわが国として何をなすべきかをわが国自身の問題として真剣に考えるべきであります。いわゆる日本有事の際、米国はわが国に来援するかという点について最近時として疑問が呈せられておりますが、この問題は、いま申し上げたわが国の努力という文脈で考えられるべき問題であると思います。政府としては、わが国が民主主義という米国と同じ政治信条を共有しており、また、現在の日米友好関係、貿易、経済を初めとする各分野における緊密な両国関係の米国にとっての意味を考えれば、米国は、米国が日本を守るのは米国の国益でもあることを十分認識しており、したがって、米国が日本に来援することを確信しております。ただ、この確信をより強固なものとするためには、わが国としては、一朝有事の際、米国が来援しやすいような体制をふだんから整備しておくこととともに、米国がわが国を守ることは米国の基本的な国益に沿うものであることを、米国民にふだんから認識させ得るような日米関係の実体を確保する努力をする必要があるということであって、その意味では、この問題は、わが国の努力のあり方にもかかることであると考えるものであります。政府としては、このような観点からもわが国の自衛力の整備を進めるとともに、日米安保体制の一層円滑かつ効果的な運用を図るための自主的な努力を今後一層真剣に進めていく決意でございます。
以上わが国の安全保障問題につき所信を申し述べました。
国家の安全保障を効果的に図っていくためには、変遷していく情勢に対応しつつ長期的な視野に立って、一貫した、かつ、持続的な努力を行っていくことが必要でございます。このような努力を行っていくに当たり国民の不断の理解と支持が不可欠であることは改めて申すまでもありません。この特別委員会において、坂田委員長を初め委員各位が、その高い識見と豊かな経験に基づき、わが国の直面する国際情勢を踏まえ、安保・防衛問題について自由濶達にして建設的な審議を行われていくことにより、これらの問題に対する国民各位の理解と認識が一層深まり、これを通じ、この特別委員会が国民の総意に基づく安全保障を確保していく上で重要な役割りを果たしていくことを強く期待する次第であります。拍手
この発言だけを見る →本年は現在の日米安全保障条約が昭和三十五年に締結されて以来二十周年に当たります。この条約の締結二十周年目に際会し、また、安全保障問題の重要性が最近の国際情勢に照らし内外でも改めて認識されているこの時期に、国民の総意を代表する国会において安全保障問題に取り組むための本委員会の発足を見たことはまことに時宜を得たものであると考えます。
今日の国際社会において国家が独立を維持し、自主的な外交を進めていくためには、何よりもまずその安全が確保されていることが不可欠であります。そして国の安全は本来、まずそれぞれの国が自分で守るよう努めるべきは当然でありますが、現在の世界において独力で自分の国の安全を確保することは困難であります。そこで、再び軍事大国の道を歩まぬことを誓ったわが国としましては、自衛に必要な限度の防衛力を整備するとともに、米国との安保条約によってわが国の安全を確保することとしております。
もとより、国の安全を守るための努力はひとり軍事力の分野のみに限られるものでなく、紛争を軍事的に抑止するための軍事力とともに、紛争を政治的に抑止し、また、資源・エネルギーの確保を含め総合的な安全を確保するための積極的な外交努力が必要であることは言うまでもありません。この意味で軍事的抑止力と右のような積極的な外交努力とはわが国の安全にとっては、車の両輪のごときものであると考えます。
政府といたしましてはこのような考え方に立って安全保障政策の柱として第一に、日米安保体制の円滑で効果的な運用、第二に、わが国の自衛力の質的向上、第三に、アジアを初めとする世界の平和と安全のための日本の積極的な外交努力という三つの分野において努力してきておりますが、この機会に第一の柱である日米安保体制の現状につき一言御説明申し上げたいと思います。
日米安保体制については、わが国内においていろいろな論議のあったことは御承知のとおりでありますが、戦後わが国が今日までの平和と繁栄とを享受できましたのは、日米安保体制を基礎とする揺るぎない日米友好関係があったからであることについては、いまや異論のないところと考えます。最近の官民を通ずるほとんどあらゆる世論調査を通じて、安保体制への支持が過半数を優に上回っていることは御承知のとおりでございます。
さらに、近年安全保障の分野における日米両国の協力関係はかつてないほど良好に進展しております。
第一に、日米防衛協力に関する基本的枠組みとなる「日米防衛協力のための指針」が一昨年十一月の日米安全保障協議委員会で了承され、現在これに基づき共同作戦計画の研究を中心とする具体的研究が自衛隊と米軍との間で進められております。
第二に、わが国には現在約四万五千の米軍が駐留しており、米国はそのための経費として毎年十数億ドルの支出を行ってきております。政府としてはこの経費の面において地位協定の枠内でなし得る限りの協力を行ってきておりますが、このことは安保体制の安定的運用の面で大きな役割りを果たしております。
次に、日米安保体制の円滑で効果的な運用を期する上において米軍によるわが国施設、区域の安定的な使用が重要であることはいまさら指摘するまでもありません。このためには国民の理解、なかんずく施設、区域の周辺地域の住民の方々の理解と支持を得ることが不可欠であります。このため政府としては従来より施設、区域の整理統合計画を推進するとともに安全対策、騒音防止等各種の施策を通じ、周辺環境への影響を最小限にとどめ得るよう努力してきている次第であります。
さらに、日米安保体制は、今日広く国際政治の与件として定着し、現在のアジアにおける国際政治の枠組みの重要な柱としてわが国の安全保障のみならず、アジアひいては世界の平和と安全の維持に寄与するものとなっていることも指摘しておきたいと思います。
さて以上に申し述べた安全保障政策はわが国の直面する国際情勢についての的確な判断に基づいて進めて行くことが必要であります。そこで次に最近の国際情勢について申し述べたいと存じます。
今日の国際関係は、多元化への傾向を見せておりますが、安全保障の観点から見る限り、国際情勢の帰趨に最も重要な影響を与えるのは、依然として米ソ関係を中心とする東西関係であります。
米ソは基本的には核戦争回避の点で利害を同じくしており、そのための相互の関係の調整の努力が行われてまいりました。SALT交渉はその典型的な例であります。
その間にあって最近、注目されているのはソ連の軍事力の着実かつ著しい強化であります。ソ連は過去二十年間一貫して核及び通常戦力の双方の分野において、軍事力強化の努力を続けていることは周知の通りでありますが、これに対し、米国及び他の西側諸国は軍事バランスが西側に不利とならないよう、防衛努力の強化を図るに至っております。
ソ連は一方で国際緊張緩和を唱えつつ、他方でこのような軍事力の強化をも背景としてアジア、アフリカ、中近東などの地域に対する影響力の拡大を試みており、最近のアフガニスタンに対する軍事介入もかかる観点からとらえることができると考えられます。米ソを中心とする東西関係は対立と協調の二面性を有していますが、最近では以上のごとく対立の側面がクローズアップされるに至っております。
このような東西関係の推移と並んで現在の国際政治においては、最近イランを初めとする中東地域、アフリカ、さらにインドシナや中南米等世界各地において不安定な情勢が見られるごとにも注目する必要があると思います。
わが国の安全にきわめて重要な地位を占める東アジア地域においては、米国のプレゼンスが同地域の平和と安定を支える基本的な要素でありますが、米国は在韓米地上軍撤退計画の凍結、米比軍事基地協定の改定、マニラ条約に対するコミットメントの再確認等この地域に対する米国のコミットメントを遵守する意向を明示しております。
他方、ソ連はグローバルな軍事力強化の一環として、アジア地域においても軍事的プレゼンスを強化しており、ベトナムに足がかりを築かんとする動きを示しつつある一方、特に極東においては、わが国固有の領土たる北方領土においてもその軍備を強化していることはわが国として重大に受けとめざるを得ないところであり、潜在的な脅威が増していると言わざるを得ません。
中国は、現在国の近代化を最大の国家目標としてこれに全力を傾注しております。対外的には近代化を進める必要性もあり、わが国を初めとする西側諸国との交流、協力を深めつつありますが、これに対し、ソ連及びその後押しを受けたベトナムに対しては強い対決姿勢をとり続けております。
朝鮮半島においては、南北間の対立という現実に基本的変化は見られないものの、米韓両国による有効な抑止力の維持向上の努力、また、わが国及び米国、中国等の関係諸国間の対話の努力等もあり、大規模な軍事衝突の危険性はそれほど大きくないと見られます。
また、東南アジアにおいては、ASEAN諸国が連帯と強靱性強化への自主的努力を着実に進め、地域の安定勢力としての地歩を固めつつある一方、インドシナ情勢については、今後の関係国の出方いかんにもよりますが、安定回復までには時間を要するものと思われます。このように、東アジアにおいては平和と安定を目指す動きとともに、紛争と対立をはらんだ厳しい不安定要因が並存、錯綜していると申せましょう。
以上に申し述べたとおり、国際情勢はソ連の世界的な軍事力強化とイラン情勢にも示されるような世界各地における不安定な情勢の増加により厳しさを増してきております。このような国際情勢に効果的に対処し、国際の平和と安全の維持を図っていくためには、守るべき共通の価値と利益を有する先進民主主義諸国が協調しつつ、それぞれが与えられた条件のもとでなし得る最大限の努力を払っていかなければなりません。米国及び西欧諸国において、現在国防努力強化の必要性が官民一致して強く叫ばれているのはこのような事情によるものです。そして、今日主要先進民主主義諸国の一員としてのわが国に対し国際的に期待されているのも、まさにこうした努力にほかなりません。わが国は、現在わが国が置かれているこうした状況を直視し、このような状況においてわが国として何をなすべきかをわが国自身の問題として真剣に考えるべきであります。いわゆる日本有事の際、米国はわが国に来援するかという点について最近時として疑問が呈せられておりますが、この問題は、いま申し上げたわが国の努力という文脈で考えられるべき問題であると思います。政府としては、わが国が民主主義という米国と同じ政治信条を共有しており、また、現在の日米友好関係、貿易、経済を初めとする各分野における緊密な両国関係の米国にとっての意味を考えれば、米国は、米国が日本を守るのは米国の国益でもあることを十分認識しており、したがって、米国が日本に来援することを確信しております。ただ、この確信をより強固なものとするためには、わが国としては、一朝有事の際、米国が来援しやすいような体制をふだんから整備しておくこととともに、米国がわが国を守ることは米国の基本的な国益に沿うものであることを、米国民にふだんから認識させ得るような日米関係の実体を確保する努力をする必要があるということであって、その意味では、この問題は、わが国の努力のあり方にもかかることであると考えるものであります。政府としては、このような観点からもわが国の自衛力の整備を進めるとともに、日米安保体制の一層円滑かつ効果的な運用を図るための自主的な努力を今後一層真剣に進めていく決意でございます。
以上わが国の安全保障問題につき所信を申し述べました。
国家の安全保障を効果的に図っていくためには、変遷していく情勢に対応しつつ長期的な視野に立って、一貫した、かつ、持続的な努力を行っていくことが必要でございます。このような努力を行っていくに当たり国民の不断の理解と支持が不可欠であることは改めて申すまでもありません。この特別委員会において、坂田委員長を初め委員各位が、その高い識見と豊かな経験に基づき、わが国の直面する国際情勢を踏まえ、安保・防衛問題について自由濶達にして建設的な審議を行われていくことにより、これらの問題に対する国民各位の理解と認識が一層深まり、これを通じ、この特別委員会が国民の総意に基づく安全保障を確保していく上で重要な役割りを果たしていくことを強く期待する次第であります。拍手
坂
細
細田吉藏#4
○細田国務大臣 このたび、衆議院に安全保障特別委員会が設置されましたことは、わが国の安全保障問題について広く関心が高まりつつある折から、まことに有意義かつ時宜を得たものであると存ずる次第であります。
今後は、坂田委員長を初め委員各位の安全保障問題に対する高邁なる御識見と豊富なる御経験に基づく幅広い御審議を通じ、国民の安全保障問題に対する関心を高め、その理解を深めるとともに、政府の安全保障政策推進の上に有益なる指針を本委員会からお示しいただけるものと確信いたしておるところでございます。
本日、委員会の御審議が開始されるに当たり、私から国際軍事情勢に対する認識及びわが国の防衛政策に関し、所信の一端を述べさせていただきます。
まず、国際軍事情勢に対する認識について申し上げます。
第二次大戦後の世界を概観すると、圧倒的な軍事力を持つ米ソ両国を軸とする東西の集団安全保障体制が厳しく相対峙する反面、米ソ両国ともに、全面核戦争とそれに至るような事態は回避しなければならないとの点で認識が一致し、対立と協調という二面的性格を持って推移してきたと言えましょう。
しかしながら、ソ連の軍事力増強の結果は年を追って顕著となり、これに対し西側諸国も対抗措置を余儀なくされるに至って対立関係の面が強くなり、特にソ連のアフガニスタン軍事介入以降は、東西間の不信、対立の様相が深まっております。
米国は、総合的な国力では依然としてソ連に対し優位に立っており、また信頼するに足る多くの同盟国を持っている強みはありますが、米ソの軍事力に限って見る場合、ソ連は過去二十年近くの間、西側をはるかに上回るペースで軍備増強を進めてきた結果、地上兵力において従来から優位であったのに加え、いまや、核戦力、海空軍力等の分野においても米国に迫りつつあり、一部はすでに対等となっていると見られます。
このようなソ連の世界的規模の軍事力増強の一環として、わが国周辺においても、極東ソ連軍の質量両面にわたる増強とこれに伴う行動の活発化には顕著なものがあります。すなわち、量的には十五年前と比べて地上軍及び太平洋艦隊は倍増、作戦機も四割以上の増となっております。特に太平洋艦隊は、過去一年間にトン数が一割近くも増加している状況であります。また、質の面も、空母ミンスク、揚陸強襲艦イワン・ロゴフのほか、カラ級巡洋艦等の大型新鋭艦や戦闘爆撃機ミグ27の配備等に見られるような著しい向上に加え、SS20中距離ミサイル及びバックファイア爆撃機の配備による戦域核戦力の大幅な増強も見られます。さらに、ソ連は、わが国固有の領土たる北方領土にも地上軍部隊を配備し、基地建設を続けており、現在、部隊の規模は師団規模に近づきつつあります。
このほか、昨年二月の中越戦争を契機にベトナムの海空軍基地の使用を開始し、最近は、航空機の滞在期間が長期化し、艦艇の入港及び南シナ海におけるプレゼンスの隻数が増加しており、ソ連はいまや基地の常時使用の状態に至っているものと思われます。このことは、外洋への出口が海峡によって扼されているという、ソ連太平洋艦隊が抱えている制約を緩和し、西太平洋、インド洋へのプレゼンス能力を飛躍的に向上させるものであり、有事におけるわが国の海上交通路の安全に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらに示される極東ソ連軍の増強と活発な行動は、わが国に対する潜在的脅威の増大として重大な関心を抱かざるを得ないものであります。
このような中でソ連と強い対立関係にある中国は、西側への接近を図り、米中間では国防関係要人の交流、技術協力等が進められる等、世界及びアジアの軍事情勢に影響を及ぼす可能性のある動きが生じています。
一方、わが国と一衣帯水の間にある朝鮮半島の平和と安定は、わが国の安全、東アジアの平和と安定にとって重要な要素でありますが、この地域では南北間の軍事的対立が依然として続いており、特に、北朝鮮は七〇年代に少なくとも二〇%以上の大幅な軍事力増強を行ったと見られます。米国は、このような情勢をも踏まえ、昨年七月、在韓米地上軍の撤退計画を一九八一年まで凍結する措置をとり、その間に韓国軍の増強と半島の緊張緩和のための努力が進められることとなっております。この地域における事態は、予断を許さないものもありますので、今後とも注意深く見守ってまいる所存であります。
また、インドシナでは引き続きポル・ポト軍とベトナム軍及びヘン・サムリン軍とがカンボジア内で戦闘を続けています。この紛争に関連して、タイ、カンボジア国境においてもかなりの緊張が生じており、今後の動向には引き続き注意を払う必要がありましょう。
さらに、中東、ペルシャ湾、インド洋地域では、ソ連のアフガニスタンへの軍事介入とイランにおける米大使館員人質事件等をめぐって緊張が高まっていることは、この地域の資源に大きく依存するわが国としても、重大な関心を持たざるを得ないものであります。
かねてから西側諸国は、東側との軍備管理交渉を進めてまいりましたが、ただいま申し上げたような諸情勢も踏まえ、一昨年五月のNATO首脳会議において長期防衛計画に合意するとともに、防衛費の実質、年三%を増加する等の決定を行い、昨年十二月のNATO閣僚理事会において戦域核近代化を決める等、それぞれ困難な政治経済情勢下にありながら国防努力の強化を図っております。中でも米国は、いまや将来にわたってソ連に優位を保ち続けるか否かを決定すべき歴史的転換点に立っているとして、みずから国防支出の持続的な実質増に着手するとともに、西ヨーロッパ、日本等の同盟国に対し、より一層の国防努力を求めている状況にあります。
以上、国際軍事情勢に対する認識を申し上げましたが、このような国際環境の中にあって、わが国は、御承知のようにみずから適切な規模の防衛力を整備するとともに、米国との安全保障条約によってわが国の安全を確保することとしております。そこで、次にこのわが国防衛政策について御説明したいと思います。
まず第一の柱であるわが国防衛力の整備についてでありますが、政府は、昭和五十一年十月、昭和五十二年度以降に係る「防衛計画の大綱」を国防会議及び閣議において決定しております。従前、政府は、四次にわたる防衛力整備計画に基づき、段階的に防衛力の整備を図ってまいりましたが、第四次防衛力整備計画が昭和五十一年度をもって終了するのに伴い、当時の国内外の諸情勢を考慮して、昭和五十二年度以降の最も効率的な防衛力のあり方を示すものとして、この大綱が作成されたものであります。
この大綱では、わが国が保有すべき防衛力のあり方として、防衛上必要な各種の機能を備え、後方支援体制を含めてその組織及び配備において均衡のとれた態勢を保有することを主眼とし、これをもって平時に十分な警戒態勢をとり得るとともに、限定的かつ小規模な侵略事態に有効に対処し得、さらに、情勢に重要な変化が生じ、新たな防衛力の態勢が必要とされるに至ったときには、円滑にこれに移行し得るよう配意されたものとする必要があるとの考え方を示しております。
わが国は、昭和五十二年度以降、この大綱に従い、質的に充実向上した防衛力整備の具体的実施を進めておりますが、大綱の策定以来、特に最近わが国をめぐる国際情勢が厳しさを増しつつあることにもかんがみ、この大綱に定められている防衛力の水準を可及的速やかに達成することが必要であると考えております。
防衛庁は、昨年七月、昭和五十五年度から五十九年度までの五年間における陸海空各自衛隊の主要な事業についての見通しを得るため中期業務見積もりを作成いたしました。
この作成に当たりましては、「防衛計画の大綱」に示されている基幹部隊の早期整備、装備の質的向上を中心にした各種防衛機能の整備充実及び有効な防衛力の発揮に資するための後方支援、教育訓練態勢等の整備充実を特に重視いたしており、これが予定どおり達成されると、わが国の防衛力は相当に向上することが期待されますが、それでも「防衛計画の大綱」に示す防衛力の水準を達するにはなお努力を要する状況にあります。現在防衛庁といたしましては、こうしたことを踏まえつつ、この見積もりを早期に達成するよう見直し作業を実施しているところであります。
また、私は、防衛力の整備に当たっては、研究開発の推進についても十分配慮していかなければならないと考えております。
わが国の国土国情に適した質の高い装備は、みずからの手で研究開発し、国産することにより、初めて得られるものであり、また、これにより長期にわたる維持補給が安易となるのみならず、技術力の維持育成及び防衛生産基盤の確立を図ることもできると考えております。
世界の主要国は装備の研究開発に、相当の予算と人員を投入し、絶えず装備の高度化、近代化を図っているところであります。
防衛庁においても、民間技術力の活用を図りつつ研究開発を推進してきたところでありますが、今後とも、研究開発態勢のなお一層の充実に努力していかなければならないと考えている次第であります。
次に、第二の柱である日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用体制の整備について申し述べたいと思います。
わが国は、安全保障の基調を日米安全保障条約に置いておりますが、かつては、米国との間で軍事面を含めた協力態勢に関する研究、協議は行われてきておらず、たとえば、わが国に対して武力攻撃が発生した際に日米両国が協力してとるべき措置の内容、範囲等についても、具体的な協議が行われたことがないという状態でありました。
このような状態を改めるため、一昨年「日米防衛協力のための指針」がまとめられ、現在、この指針に示された基本的枠組みを踏まえ、共同作戦計画、情報交換に関する事項及び後方支援に関する事項等に係る各種研究を在日米軍当局との間で鋭意進めているところであります。
日米防衛協力のあり方についてこのような指針が作成され、この指針に基づいて所要の研究が行われることは、安保条約の円滑な運用の整備を図る上できわめて有益なことであり、同条約の有する抑止効果を高め、もってわが国の安全及び極東の平和と安全を一層効果的に維持することにつながるものと信じております。
次に、日米共同訓練についてでありますが、自衛隊においては、これまで海上及び航空自衛隊が、戦術技量の向上を目的として、米国との共同訓練を実施してきております。
昨年度は、特に海上自衛隊が初めてリムパックに参加し、これまでの対潜戦のほか、防空戦、水上打撃戦、電子戦を含む総合的な訓練を実施し、米海軍の最新の戦闘技術を習得する機会を得ましたが、このことは海上自衛隊の戦術技量の向上を図る上で大きな前進であったと考えております。
防衛庁といたしましては、今後とも、米国との間の共同訓練を着実に推進してまいる所存であります。
最後に、在日米軍の駐留経費や防衛施設の問題でありますが、在日米軍の駐留を真に実効のあるものとして維持することは、日米安全保障体制を防衛の基調とするわが国にとってきわめて重要なことであります。
政府は、このような立場から、在日米軍の駐留経費の負担については、地位協定の枠内においてできる限りの努力を行ってきておりますが、今後とも、この努力を続けてまいる所存であります。
また、防衛施設は、自衛隊の活動と在日米軍の駐留の基盤をなすものであり、その安定的使用は、わが国の防衛にとって必要不可欠なものであります。この防衛施設の安定的使用は、関係地方公共団体、住民等の理解と協力なしには行い得るものではありません。同時に、防衛施設の使用によってその周辺住民のみが特別の犠牲を強いられることがあってはならないのであります。
このため、政府は、防衛施設の設置、運用とその周辺地域の発展や関係住民の民生の安定との調和を図るため、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する諸施策を講じてまいりましたが、さらにこの諸施策を充実して、防衛施設の安定的使用について関係者の一層の理解と協力を得たいと考えております。
以上、防衛政策に関する最近の諸問題について申し述べました。今後、坂田委員長初め委員各位におかれましても格段の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。拍手
この発言だけを見る →今後は、坂田委員長を初め委員各位の安全保障問題に対する高邁なる御識見と豊富なる御経験に基づく幅広い御審議を通じ、国民の安全保障問題に対する関心を高め、その理解を深めるとともに、政府の安全保障政策推進の上に有益なる指針を本委員会からお示しいただけるものと確信いたしておるところでございます。
本日、委員会の御審議が開始されるに当たり、私から国際軍事情勢に対する認識及びわが国の防衛政策に関し、所信の一端を述べさせていただきます。
まず、国際軍事情勢に対する認識について申し上げます。
第二次大戦後の世界を概観すると、圧倒的な軍事力を持つ米ソ両国を軸とする東西の集団安全保障体制が厳しく相対峙する反面、米ソ両国ともに、全面核戦争とそれに至るような事態は回避しなければならないとの点で認識が一致し、対立と協調という二面的性格を持って推移してきたと言えましょう。
しかしながら、ソ連の軍事力増強の結果は年を追って顕著となり、これに対し西側諸国も対抗措置を余儀なくされるに至って対立関係の面が強くなり、特にソ連のアフガニスタン軍事介入以降は、東西間の不信、対立の様相が深まっております。
米国は、総合的な国力では依然としてソ連に対し優位に立っており、また信頼するに足る多くの同盟国を持っている強みはありますが、米ソの軍事力に限って見る場合、ソ連は過去二十年近くの間、西側をはるかに上回るペースで軍備増強を進めてきた結果、地上兵力において従来から優位であったのに加え、いまや、核戦力、海空軍力等の分野においても米国に迫りつつあり、一部はすでに対等となっていると見られます。
このようなソ連の世界的規模の軍事力増強の一環として、わが国周辺においても、極東ソ連軍の質量両面にわたる増強とこれに伴う行動の活発化には顕著なものがあります。すなわち、量的には十五年前と比べて地上軍及び太平洋艦隊は倍増、作戦機も四割以上の増となっております。特に太平洋艦隊は、過去一年間にトン数が一割近くも増加している状況であります。また、質の面も、空母ミンスク、揚陸強襲艦イワン・ロゴフのほか、カラ級巡洋艦等の大型新鋭艦や戦闘爆撃機ミグ27の配備等に見られるような著しい向上に加え、SS20中距離ミサイル及びバックファイア爆撃機の配備による戦域核戦力の大幅な増強も見られます。さらに、ソ連は、わが国固有の領土たる北方領土にも地上軍部隊を配備し、基地建設を続けており、現在、部隊の規模は師団規模に近づきつつあります。
このほか、昨年二月の中越戦争を契機にベトナムの海空軍基地の使用を開始し、最近は、航空機の滞在期間が長期化し、艦艇の入港及び南シナ海におけるプレゼンスの隻数が増加しており、ソ連はいまや基地の常時使用の状態に至っているものと思われます。このことは、外洋への出口が海峡によって扼されているという、ソ連太平洋艦隊が抱えている制約を緩和し、西太平洋、インド洋へのプレゼンス能力を飛躍的に向上させるものであり、有事におけるわが国の海上交通路の安全に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらに示される極東ソ連軍の増強と活発な行動は、わが国に対する潜在的脅威の増大として重大な関心を抱かざるを得ないものであります。
このような中でソ連と強い対立関係にある中国は、西側への接近を図り、米中間では国防関係要人の交流、技術協力等が進められる等、世界及びアジアの軍事情勢に影響を及ぼす可能性のある動きが生じています。
一方、わが国と一衣帯水の間にある朝鮮半島の平和と安定は、わが国の安全、東アジアの平和と安定にとって重要な要素でありますが、この地域では南北間の軍事的対立が依然として続いており、特に、北朝鮮は七〇年代に少なくとも二〇%以上の大幅な軍事力増強を行ったと見られます。米国は、このような情勢をも踏まえ、昨年七月、在韓米地上軍の撤退計画を一九八一年まで凍結する措置をとり、その間に韓国軍の増強と半島の緊張緩和のための努力が進められることとなっております。この地域における事態は、予断を許さないものもありますので、今後とも注意深く見守ってまいる所存であります。
また、インドシナでは引き続きポル・ポト軍とベトナム軍及びヘン・サムリン軍とがカンボジア内で戦闘を続けています。この紛争に関連して、タイ、カンボジア国境においてもかなりの緊張が生じており、今後の動向には引き続き注意を払う必要がありましょう。
さらに、中東、ペルシャ湾、インド洋地域では、ソ連のアフガニスタンへの軍事介入とイランにおける米大使館員人質事件等をめぐって緊張が高まっていることは、この地域の資源に大きく依存するわが国としても、重大な関心を持たざるを得ないものであります。
かねてから西側諸国は、東側との軍備管理交渉を進めてまいりましたが、ただいま申し上げたような諸情勢も踏まえ、一昨年五月のNATO首脳会議において長期防衛計画に合意するとともに、防衛費の実質、年三%を増加する等の決定を行い、昨年十二月のNATO閣僚理事会において戦域核近代化を決める等、それぞれ困難な政治経済情勢下にありながら国防努力の強化を図っております。中でも米国は、いまや将来にわたってソ連に優位を保ち続けるか否かを決定すべき歴史的転換点に立っているとして、みずから国防支出の持続的な実質増に着手するとともに、西ヨーロッパ、日本等の同盟国に対し、より一層の国防努力を求めている状況にあります。
以上、国際軍事情勢に対する認識を申し上げましたが、このような国際環境の中にあって、わが国は、御承知のようにみずから適切な規模の防衛力を整備するとともに、米国との安全保障条約によってわが国の安全を確保することとしております。そこで、次にこのわが国防衛政策について御説明したいと思います。
まず第一の柱であるわが国防衛力の整備についてでありますが、政府は、昭和五十一年十月、昭和五十二年度以降に係る「防衛計画の大綱」を国防会議及び閣議において決定しております。従前、政府は、四次にわたる防衛力整備計画に基づき、段階的に防衛力の整備を図ってまいりましたが、第四次防衛力整備計画が昭和五十一年度をもって終了するのに伴い、当時の国内外の諸情勢を考慮して、昭和五十二年度以降の最も効率的な防衛力のあり方を示すものとして、この大綱が作成されたものであります。
この大綱では、わが国が保有すべき防衛力のあり方として、防衛上必要な各種の機能を備え、後方支援体制を含めてその組織及び配備において均衡のとれた態勢を保有することを主眼とし、これをもって平時に十分な警戒態勢をとり得るとともに、限定的かつ小規模な侵略事態に有効に対処し得、さらに、情勢に重要な変化が生じ、新たな防衛力の態勢が必要とされるに至ったときには、円滑にこれに移行し得るよう配意されたものとする必要があるとの考え方を示しております。
わが国は、昭和五十二年度以降、この大綱に従い、質的に充実向上した防衛力整備の具体的実施を進めておりますが、大綱の策定以来、特に最近わが国をめぐる国際情勢が厳しさを増しつつあることにもかんがみ、この大綱に定められている防衛力の水準を可及的速やかに達成することが必要であると考えております。
防衛庁は、昨年七月、昭和五十五年度から五十九年度までの五年間における陸海空各自衛隊の主要な事業についての見通しを得るため中期業務見積もりを作成いたしました。
この作成に当たりましては、「防衛計画の大綱」に示されている基幹部隊の早期整備、装備の質的向上を中心にした各種防衛機能の整備充実及び有効な防衛力の発揮に資するための後方支援、教育訓練態勢等の整備充実を特に重視いたしており、これが予定どおり達成されると、わが国の防衛力は相当に向上することが期待されますが、それでも「防衛計画の大綱」に示す防衛力の水準を達するにはなお努力を要する状況にあります。現在防衛庁といたしましては、こうしたことを踏まえつつ、この見積もりを早期に達成するよう見直し作業を実施しているところであります。
また、私は、防衛力の整備に当たっては、研究開発の推進についても十分配慮していかなければならないと考えております。
わが国の国土国情に適した質の高い装備は、みずからの手で研究開発し、国産することにより、初めて得られるものであり、また、これにより長期にわたる維持補給が安易となるのみならず、技術力の維持育成及び防衛生産基盤の確立を図ることもできると考えております。
世界の主要国は装備の研究開発に、相当の予算と人員を投入し、絶えず装備の高度化、近代化を図っているところであります。
防衛庁においても、民間技術力の活用を図りつつ研究開発を推進してきたところでありますが、今後とも、研究開発態勢のなお一層の充実に努力していかなければならないと考えている次第であります。
次に、第二の柱である日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用体制の整備について申し述べたいと思います。
わが国は、安全保障の基調を日米安全保障条約に置いておりますが、かつては、米国との間で軍事面を含めた協力態勢に関する研究、協議は行われてきておらず、たとえば、わが国に対して武力攻撃が発生した際に日米両国が協力してとるべき措置の内容、範囲等についても、具体的な協議が行われたことがないという状態でありました。
このような状態を改めるため、一昨年「日米防衛協力のための指針」がまとめられ、現在、この指針に示された基本的枠組みを踏まえ、共同作戦計画、情報交換に関する事項及び後方支援に関する事項等に係る各種研究を在日米軍当局との間で鋭意進めているところであります。
日米防衛協力のあり方についてこのような指針が作成され、この指針に基づいて所要の研究が行われることは、安保条約の円滑な運用の整備を図る上できわめて有益なことであり、同条約の有する抑止効果を高め、もってわが国の安全及び極東の平和と安全を一層効果的に維持することにつながるものと信じております。
次に、日米共同訓練についてでありますが、自衛隊においては、これまで海上及び航空自衛隊が、戦術技量の向上を目的として、米国との共同訓練を実施してきております。
昨年度は、特に海上自衛隊が初めてリムパックに参加し、これまでの対潜戦のほか、防空戦、水上打撃戦、電子戦を含む総合的な訓練を実施し、米海軍の最新の戦闘技術を習得する機会を得ましたが、このことは海上自衛隊の戦術技量の向上を図る上で大きな前進であったと考えております。
防衛庁といたしましては、今後とも、米国との間の共同訓練を着実に推進してまいる所存であります。
最後に、在日米軍の駐留経費や防衛施設の問題でありますが、在日米軍の駐留を真に実効のあるものとして維持することは、日米安全保障体制を防衛の基調とするわが国にとってきわめて重要なことであります。
政府は、このような立場から、在日米軍の駐留経費の負担については、地位協定の枠内においてできる限りの努力を行ってきておりますが、今後とも、この努力を続けてまいる所存であります。
また、防衛施設は、自衛隊の活動と在日米軍の駐留の基盤をなすものであり、その安定的使用は、わが国の防衛にとって必要不可欠なものであります。この防衛施設の安定的使用は、関係地方公共団体、住民等の理解と協力なしには行い得るものではありません。同時に、防衛施設の使用によってその周辺住民のみが特別の犠牲を強いられることがあってはならないのであります。
このため、政府は、防衛施設の設置、運用とその周辺地域の発展や関係住民の民生の安定との調和を図るため、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する諸施策を講じてまいりましたが、さらにこの諸施策を充実して、防衛施設の安定的使用について関係者の一層の理解と協力を得たいと考えております。
以上、防衛政策に関する最近の諸問題について申し述べました。今後、坂田委員長初め委員各位におかれましても格段の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。拍手
坂
大
大来佐武郎#6
○大来国務大臣 イラン領内における入質救出活動につきまして、一言所感を申し述べたいと存じます。
昨四月二十五日、ホワイトハウスが発表いたしました在テヘラン米国大使館人質救出活動とその中止問題につきましては、いまだ詳細な報道を得ておりませんので論評は避けたいと存じますけれども、概要について申しますれば、米国がこれまで人質の解放について半年にわたって実現しないということに深く苦悩していたこと、したがって、このような非常手段まで講じて人質の救出を図ろうといたしましたことは、人道的な見地から見て、心情的には理解し得る面があると存じます。
日本及びヨーロッパといたしましては、あくまでも平和的手段によるイラン問題の解決を目指しまして従来もいろいろ努力してまいりました。米側にも自制を求めてまいりまして、いわゆる軍事制裁行動に出ることのないように訴えてきたわけでございます。
いずれにしても、カーター大統領は発言の最後において、友邦及びイランのオフィシャルとともに、平和的かつ外交的手段により、人命を損なうことなくこの危機を早急に解決したいと述べております。日本としても、欧州諸国等と協調しつつ、平和的手段による人質の早期解放を目指して努力を続けてまいることにいたしたいと存じます。
特に、昨日の行動につきましては、いわゆる軍事的制裁行動ということではなくて、人質救出のための行動であったというふうにその後のいろいろな情報から判断しておるわけでございまして、そういう意味では、イランに対する武力制裁というような性質のものではない、人質救援の活動であったと了解いたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →昨四月二十五日、ホワイトハウスが発表いたしました在テヘラン米国大使館人質救出活動とその中止問題につきましては、いまだ詳細な報道を得ておりませんので論評は避けたいと存じますけれども、概要について申しますれば、米国がこれまで人質の解放について半年にわたって実現しないということに深く苦悩していたこと、したがって、このような非常手段まで講じて人質の救出を図ろうといたしましたことは、人道的な見地から見て、心情的には理解し得る面があると存じます。
日本及びヨーロッパといたしましては、あくまでも平和的手段によるイラン問題の解決を目指しまして従来もいろいろ努力してまいりました。米側にも自制を求めてまいりまして、いわゆる軍事制裁行動に出ることのないように訴えてきたわけでございます。
いずれにしても、カーター大統領は発言の最後において、友邦及びイランのオフィシャルとともに、平和的かつ外交的手段により、人命を損なうことなくこの危機を早急に解決したいと述べております。日本としても、欧州諸国等と協調しつつ、平和的手段による人質の早期解放を目指して努力を続けてまいることにいたしたいと存じます。
特に、昨日の行動につきましては、いわゆる軍事的制裁行動ということではなくて、人質救出のための行動であったというふうにその後のいろいろな情報から判断しておるわけでございまして、そういう意味では、イランに対する武力制裁というような性質のものではない、人質救援の活動であったと了解いたしておるわけでございます。
坂
坂
石
石橋政嗣#9
○石橋(政)委員 本日は、安全保障特別委員会のいわば店開き、最初の質問の日でございますので、私は当初安全保障、防衛に関する基本的な問題についてお尋ねをしたいと思っておりました。しかし、いま御報告もございましたように、昨日非常に重大な事態が発生をいたしておりますので、このことを抜きにするわけにはまいりません。それに、こういった危局を背景に大平首相が訪米をするということでもございますし、この面から言っても当面の問題から離れて質問をするわけにもまいらない、このように思うわけです。そこで、当面の問題に焦点を合わせながら、そしてできるだけ基本的な視点を踏まえて質問をしてみたい、このように考えております。
最初に取り上げたいと思いますのが、イラン問題、特に今回アメリカが行いまして失敗をした人質救済作戦についてお尋ねをしたいわけですが、何と言ったらいいのか、安保特別委員会のいわば店開きを前にしてこのような事態が起きたということは、ふさわしいというのではなくて、非常に不吉なスタートを意味しているのじゃないか、私は率直にそんな感じがいたします。これから心を引き締めてこの委員会の審議に臨まなければいけないのではないか、こういう考えのもとに質問に入りたいと思うのです。
外務大臣いま概要を報告したことになるのでしょうけれども、ポイントには何も触れてないわけですね。これじゃ報告にも何にもならない。新聞の報道はもっと詳しいですよ。私はやはり質問をする前に事実関係というものをしっかりと踏まえる必要があると思いますので、私なりに報道機関を通じて入手した材料をもとに最初にお尋ねをしてみたいと思うのです。特に重大なのは、この作戦に使用された部隊、すなわち装備も人員も日本からそれが出ておる、私はこの点からお尋ねをしたいと思うのです。
防衛庁長官、あなたは第五空軍に所属する第一特殊戦飛行隊というものが沖繩にいたことをお認めになりますか。この作戦に使われたというC130ハーキュリーズ、これが沖繩にいたのです。この作戦に使われたと私は推定いたしております。さきに国会で、極東の範囲が中東にまで及んでしまいました。それが単なる条約論、法律論ではなくて、実際に行動によって示された可能性があるのです。この愚かな行為が、日本の領土の中で訓練が行われて、そして実施された可能性があるんです。それだけにこの事態をまず最初にしっかりと把握していただきたい。この委員会としても把握する必要があると私は思います。いかがですか。
この発言だけを見る →最初に取り上げたいと思いますのが、イラン問題、特に今回アメリカが行いまして失敗をした人質救済作戦についてお尋ねをしたいわけですが、何と言ったらいいのか、安保特別委員会のいわば店開きを前にしてこのような事態が起きたということは、ふさわしいというのではなくて、非常に不吉なスタートを意味しているのじゃないか、私は率直にそんな感じがいたします。これから心を引き締めてこの委員会の審議に臨まなければいけないのではないか、こういう考えのもとに質問に入りたいと思うのです。
外務大臣いま概要を報告したことになるのでしょうけれども、ポイントには何も触れてないわけですね。これじゃ報告にも何にもならない。新聞の報道はもっと詳しいですよ。私はやはり質問をする前に事実関係というものをしっかりと踏まえる必要があると思いますので、私なりに報道機関を通じて入手した材料をもとに最初にお尋ねをしてみたいと思うのです。特に重大なのは、この作戦に使用された部隊、すなわち装備も人員も日本からそれが出ておる、私はこの点からお尋ねをしたいと思うのです。
防衛庁長官、あなたは第五空軍に所属する第一特殊戦飛行隊というものが沖繩にいたことをお認めになりますか。この作戦に使われたというC130ハーキュリーズ、これが沖繩にいたのです。この作戦に使われたと私は推定いたしております。さきに国会で、極東の範囲が中東にまで及んでしまいました。それが単なる条約論、法律論ではなくて、実際に行動によって示された可能性があるのです。この愚かな行為が、日本の領土の中で訓練が行われて、そして実施された可能性があるんです。それだけにこの事態をまず最初にしっかりと把握していただきたい。この委員会としても把握する必要があると私は思います。いかがですか。
細
細田吉藏#10
○細田国務大臣 非常に重大な問題でございまして、私は一般論としてのことは承知しておりますが、ただいまの御発言の中身は非常に重大なことでございますので、専門の政府委員から一応答えさせていただきたいと存じます。
この発言だけを見る →岡
岡崎久彦#11
○岡崎政府委員 これは非常に細かい技術的な問題がございますので、政府委員から申し上げます。
まだ正式の連絡ではございませんが、ブラウン長官が事件の経緯を正式に報告したということをニュースで言っておりまして、それによりますと、空母ニミッツから出ましたRH53というヘリコプターを八機、及びC130を使った、そういうふうに言っております。
そのC130が、沖繩において訓練された部隊がインド洋において移動して使用されること、そのことについての法律的な問題につきましては、これは外務省の問題でございますのでお答えは避けさせていただきますけれども、ニミッツと申しますのは第六艦隊所属の米空母でございます。機動部隊でございます。喜望峰を回りましてインド洋に来ております部隊でございまして、RH53、またそれに乗りました部隊も、第六艦隊のニミッツ所載のヘリコプターであるというふうに考えております。
この発言だけを見る →まだ正式の連絡ではございませんが、ブラウン長官が事件の経緯を正式に報告したということをニュースで言っておりまして、それによりますと、空母ニミッツから出ましたRH53というヘリコプターを八機、及びC130を使った、そういうふうに言っております。
そのC130が、沖繩において訓練された部隊がインド洋において移動して使用されること、そのことについての法律的な問題につきましては、これは外務省の問題でございますのでお答えは避けさせていただきますけれども、ニミッツと申しますのは第六艦隊所属の米空母でございます。機動部隊でございます。喜望峰を回りましてインド洋に来ております部隊でございまして、RH53、またそれに乗りました部隊も、第六艦隊のニミッツ所載のヘリコプターであるというふうに考えております。
石
石橋政嗣#12
○石橋(政)委員 役人が出てくるのは、必要な場合はやむを得ませんけれども、聞かないことばかり答えて、ばかにしないでくださいよ。私が聞いているのはC130の話なんです。C130が航空母艦に載っかるんですか。あなたに聞いているんじゃない、大臣に聞いているんです。
日本におったC130、沖繩の部隊がこの作戦に使われておる可能性が非常に強い。いまおらないんです。このC130が沖繩におったのに消えちゃっているんですよ。いかがですか、この沖繩の部隊が使われている可能性については。
この発言だけを見る →日本におったC130、沖繩の部隊がこの作戦に使われておる可能性が非常に強い。いまおらないんです。このC130が沖繩におったのに消えちゃっているんですよ。いかがですか、この沖繩の部隊が使われている可能性については。
細
細田吉藏#13
○細田国務大臣 輸送機C130は航空母艦から飛び立つというようなものでないことは私どももよく承知いたしております。
沖繩にいたというふうな可能性がある、あるいは疑いがあるというようなことにつきましては、これは非常に重大なことでございまして、私どもはそのようなことはないと考えておるわけでございますが、こういう点について私どもがいまいろいろ御答弁を申し上げるほどの情報を私どもつかんでおりませんので、お答えをすることを控えさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →沖繩にいたというふうな可能性がある、あるいは疑いがあるというようなことにつきましては、これは非常に重大なことでございまして、私どもはそのようなことはないと考えておるわけでございますが、こういう点について私どもがいまいろいろ御答弁を申し上げるほどの情報を私どもつかんでおりませんので、お答えをすることを控えさせていただきたいと思います。
石
石橋政嗣#14
○石橋(政)委員 この作戦についての国民の最大の関心事ですよ。日本の基地が使われているんじゃなかろうか。これに答える責任が政府にはないというのですか、いま直ちに調べなさいよ。これはすっぱ抜きでも何でもない、一般公刊されている資料に全部出ているのですよ。
第五空軍の中に第三一三航空師団というものがある。そしてそれに属する第一八戦術戦闘航空団、それにさらに属する飛行隊として第一特殊戦飛行隊というものがある。第五空軍に所属する第一特殊戦飛行隊というものが、これがC130大体四機で編成されている。この部隊がいま沖繩から消えているのです。これが行っているんじゃないか。いますぐ調べたらどうですか、私が質問している間に。
この発言だけを見る →第五空軍の中に第三一三航空師団というものがある。そしてそれに属する第一八戦術戦闘航空団、それにさらに属する飛行隊として第一特殊戦飛行隊というものがある。第五空軍に所属する第一特殊戦飛行隊というものが、これがC130大体四機で編成されている。この部隊がいま沖繩から消えているのです。これが行っているんじゃないか。いますぐ調べたらどうですか、私が質問している間に。
細
細田吉藏#15
○細田国務大臣 非常に国民が関心を持っておるということについては、私どもも一般国民同様非常に関心を持っておるわけでございまして、関心がないかのごときことではもちろんございません。これは申し上げるまでもございません。で、そんなことであるから、いま直ちに答えろ、こういうことのように承るわけでございますけれども、事が重大でありますし、昨日の夕方、私どもへ第一報が入ったという事柄でございますので、いますぐにお答えをしなければならぬと言われましても、実はお答えができない、こういうことでございます。
それから、いまの輸送機につきましては、これは米軍は非常にたくさんのものを持っておりますし、各地に持っておるわけでございますので、そういう点から申しましても、そういう点についていまお答えをするという段階ではない。ただ、いまおっしゃるような点につきまして調べろということでございますから、私ども今後十分調査はしてまいらなければならぬとは思っております。
この発言だけを見る →それから、いまの輸送機につきましては、これは米軍は非常にたくさんのものを持っておりますし、各地に持っておるわけでございますので、そういう点から申しましても、そういう点についていまお答えをするという段階ではない。ただ、いまおっしゃるような点につきまして調べろということでございますから、私ども今後十分調査はしてまいらなければならぬとは思っております。
石
石橋政嗣#16
○石橋(政)委員 在日米軍がどの程度の範囲で使用されるのか、条約論でなくなってきたわけですよね。どうもこういう危険な、世界の平和を脅かすような作戦に使われた可能性が強い。現実の問題になってきたわけです。特別委員会としてはどうしたって解明しなくちゃならない問題だと思いますから、できるだけ早くひとつ調査してください。この訓練が早くから行われたと大統領も言っております。私は沖繩でこの訓練が行われた可能性は十分にあると思う。日本の領土の中でこういう訓練がずっと行われておった。いままで発表されましたものによると、発進地も定かじゃないんですね。一カ所だけ名前が出ているのが、カイロ周辺の軍用の空港から出発したんじゃないか、こういうふうに言われているわけですが、沖繩から移動して、そしてカイロからスタートしたというようなことになるのかなと私は見ているわけです。
そこで使用された飛行機はハーキュリーズ大体三機、それからさっき話のありました航空母艦から発進したと思われるヘリコプター十一機ですか、この点は確認されているのですか。一体どういうものが使われたのか、いま知っておる範囲でお答え願いたいと思うのです。
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大
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石
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大来佐武郎#21
○大来国務大臣 これはブラウン国防長官のブリーフにそういう点もいろいろ書いてございます。このブラウン国防長官の記者ブリーフでは、ヘリコプターの故障によって中止したと申しております。
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石橋政嗣#22
○石橋(政)委員 私は、このようなまことに危険きわまりない作戦が行われたということを非常に重視したいと思うのです。特に四月二十一日、二十二日、ルクセンブルクでEC外相理事会が開かれた。その席で、アメリカが軍事行動に出ないようにするために、どうしてもこの際アメリカの要請に応じて政治的、経済的な制裁措置をとることが必要だという確認が行われた。あなたもそれに賛成された。こちらにお帰りになってからも外務委員会で、ECの決定で米国の軍事行動は遠のくだろうという見通しすらあなたは述べておられるわけです。それなのに、その直後にこのような行為に出る。一体どういうことだ。まずその点、外務大臣のこの点に関する御意見、御感想をお伺いしたいと思う。
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大来佐武郎#23
○大来国務大臣 この点は、私もこのニュースを最初に聞きましたときに大変疑問に思ったわけでございまして、EC諸国及び日本も共同して平和的な解決を求める、それに対して米国側の好意的な反応もあったわけでございまして、その辺の事情がわからなかったわけでございますが、ワシントンにおきまして、日本時間の二十六日午前五時十五分、けさの五時十五分になりますが、クリストファー国務副長官が、EC大使、日本大使、豪州、ニュージーランド大使、スペイン大使等を招きまして説明をいたしたわけでございます。
この説明によりますと、第一に、秘密保持のために事前連絡をしなかった点に了解を願いたい。かかる結果となったことにいたく失望しておる。第二に、この時期に計画を実施したのは、物理的には、今後は季節風が強くなり、人員輸送が困難になること。気温が上り、夜が短くなるので、隠密行動が困難になること。また人質の状態が必ずしもよくなく、イラン、イラク関係の悪化に基づく治安の悪化にも不安が持たれること。イランの国民議会の開催がいつになるかわからぬこと等を考慮し、人道的観点から実施に踏み切ったものである。米国としては、今後とも、平和的、外交的に人質の解放に向けて努力をするので、同盟国におかれても、経済、政治制裁の継続をよろしくお願いしたい。またイランに対しても、解決が長引くことはイランのためにも不利になること及び人質の拘束状態改善のための働きかけをお願いしたい。これがクリストファー国務副長官の各国大使に対するブリーフィングでございまして、米国側はこういう事情を挙げて、このいまのタイミングを選んだということと考えられます。
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石
石橋政嗣#24
○石橋(政)委員 アメリカから釈明があったというその内容はいまわかりました。
私がお尋ねしているのは、日本政府がアメリカのこの行為に対してどういうふうに見ておられるのかということなんです。容認するのかどうか。何をされてもアメリカのすることならすべて認めるということなのか。しかもあなた方は国会でも説明した。軍事行動に出ないようにするためにも、この程度の経済措置はやむを得ないのですから、御承認願いたいと国民に訴えた。信じておられたのでしょう。信じておったということはアメリカを信じてもおったわけでしょう。そのあなたの信頼を裏切って突如こういう行為に出た。しかもそれはもう最初から、早くから計画しておった、訓練もしておったという。そういう仕打ちに対してどのような御見解をお持ちなのか。そんなことをされてもなお、アメリカのすることだから容認いたします、認めます、国際法上も当然の権利を行使したまでですとお考えなのですかと聞いておるわけですよ。
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大
大来佐武郎#25
○大来国務大臣 その点につきましては、先ほど最初に概略を申し述べたわけでございますけれども、今回の人質救出行動というのがいわゆる軍事行動とは解釈されない、軍事的制裁行動とは解釈されない。これは従来も、エンテベ飛行場とかモガジシオ飛行場に対する人質救済行動が西独やイスラエルによって行われましたけれども、当時これは軍事行動とは一般には見られなかったわけでございまして、アメリカの大使館に拘禁されている人質の救済活動、一般的な軍事活動とは解釈されないということでございます。
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石橋政嗣#26
○石橋(政)委員 これは作戦が失敗した、中止されたから、あなたのそういった詭弁も何か三分の理があるように聞こえるけれども、実際にこれが中止されずに行われておったらどうなんですか。テヘランで戦闘が行われるわけでしょう。人質だけおるわけじゃないですよ。武装した集団が千人から二千人、大使館の周辺にはいるわけですよ。ここで戦闘行為が行われるわけです。これが武力行為じゃないのですか。しかも領空侵犯ではないのですか。その点についてはどのようにお考えなんですか。これはアメリカの個別的な自衛権の発動とでもおっしゃるのですか。いかがです。
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大来佐武郎#27
○大来国務大臣 これは最初に、アメリカのテヘランの大使館が占領されて大使館員が人質にとられておるという、最初の国際的な不法行為があるわけでございまして、その人質の救済という限定された行動であったと思います。そういう意味で、先ほど申した解釈をいたしておるわけでございます。
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石橋政嗣#28
○石橋(政)委員 イラン側が大使館を占拠して人質をとっているなんというのは、全く不法、無法な行為ですよ。そういう行為があるから何をやってもいいということにはならないでしょう。あなた方も武力行使はやめてもらいたい、そう思っておられる、その努力もしたとおっしゃってきたわけです。もし、そういう不法、無法な行為があるから一切が許されると言うのであるならば、イラン側にも言い分はあるわけでしょう、御承知のとおり。長い間のパーレビ時代に、アメリカの大使館を中心にどういう行為が行われたか、人民に対してどういうことが行われたか、その恨みつらみがあってのことなんですよ。だから謝れ、過去のそういう悪業について謝れと言って、占拠して迫っているんでしょう。彼らにも原因があるわけです。そういう不法、無法な行為が現実にあれば、それに対抗するために何をやってもよろしいということにならない。そういうことを言えば、イラン側の主張をも肯定することになる。
そういう前提に立って私はお伺いしているわけですが、明らかにこれは領空侵犯ですね。いかがですか。
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大