外務委員会

1980-04-08 参議院 全179発言

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会議録情報#0
昭和五十五年四月八日(火曜日)
   午前十時一分開会
    —————————————
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     小野  明君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     藤井 恒男君     中村 利次君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     二木 謙吾君     岩動 道行君
     大鷹 淑子君     浅野  拡君
     菅野 儀作君     嶋崎  均君
     立木  洋君     下田 京子君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         石破 二朗君
    理 事
                稲嶺 一郎君
                鳩山威一郎君
                戸叶  武君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                安孫子藤吉君
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                嶋崎  均君
                町村 金五君
                小野  明君
                田中寿美子君
                藤田  進君
                立木  洋君
                中村 利次君
   国務大臣
       外 務 大 臣  大来佐武郎君
   政府委員
       科学技術庁原子
       力安全局次長   宮本 二郎君
       外務大臣官房領
       事移住部長    塚本 政雄君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    千葉 一夫君
       外務省経済局長  手島れい志君
       外務省経済協力
       局長       梁井 新一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山本 義彰君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局動力炉開発
       課長       塚田 真一君
       外務大臣官房審
       議官       矢田部厚彦君
       外務省経済局外
       務参事官     遠藤  実君
       農林水産省経済
       局国際部国際経
       済課長      山崎 皓一君
       農林水産省農蚕
       園芸局果樹花き
       課長       畑中 孝晴君
       通商産業省通商
       政策局国際経済
       部通商関税課長  内村 俊一君
       中小企業庁計画
       部下請企業課長  横堀 恵一君
       運輸省自動車局
       整備部公害防止
       課長       金田幸二郎君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
 定書の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出)
○廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
 に関する条約の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出)
○廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
 に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾
 について承認を求めるの件(内閣提出)
○関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更
 に関する第四確認書の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定のジュネーブ議
 定書(千九百七十九年)の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定第六条、第十六
 条及び第二十三条の解釈及び適用に関する協定
 の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
 衆議院送付)
○貿易の技術的障害に関する協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○民間航空機貿易に関する協定の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○政府調達に関する協定の締結について承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に
 関する協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に
 関する協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に
 関する協定の議定書の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
○輸入許可手続に関する協定の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    —————————————
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石破二朗#1
○委員長(石破二朗君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として中村利次君が選任されました。
 また、本日、大鷹淑子君及び二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として浅野拡君及び岩動道行君が選任されました。
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石破二朗#2
○委員長(石破二朗君) 次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件、以上三件を便宜一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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渋谷邦彦#3
○渋谷邦彦君 昨日、カーター大統領が、イランに対する大変強硬な取り組みの姿勢を明示したようであります。大変残念なことに、イランの人質問題をめぐりまして膠着状態が今日まで続いてきた。われわれといたしましても、一日も早くその解決というものを期待もし、速やかな新しい外交というものが展開されることを望んでいたわけでございましたけれども、医療品あるいは食糧を除いて、イランに対する事実上の外交断絶ということが発表されたようであります。この点について、外務省としてどのようにその経過についての報告を受けていらっしゃるか、まずその点からお伺いしたいと思います。
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大来佐武郎#4
○国務大臣(大来佐武郎君) この決定は、実は日本時間にいたしますとけさ五時ごろになるわけでございますが、外務省としてはカーター大統領の発表全文を大使館を通じて入手しております。けさ閣議の前に総理、官房長官とも相談をいたしまして、ただいま閣議のすぐ後、記者団に対して外務大臣談話を発表いたしました。これを、簡単なものでございますから読み上げますと、
  在イランアメリカ大使館員人質問題が、米国がこれまで自制の下にとって来た多大の努力及び国連調査委員会、関係諸国等の協力にも拘らず、このような事態に立至ったことは残念である。
  わが国としては、イランが重大な国際法違反を継続し人質解放の見通しがたっていない状況のもとでカーター大統領が今回のような措置をとらざるを得なくなった事情は理解するところである。
  わが国としては、今後とも米国及び他の友好諸国と緊密な連絡を保ちつつ人質解放を含めた事態の早期解決のために努力して行く所存である。
 以上のような記者発表をいたしたわけでございます。
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渋谷邦彦#5
○渋谷邦彦君 ひところ、アメリカ、イラン両国関係において、好転するんではないだろうか、いわゆる学生の手からイラン政府に人質を移管するという新しい展開が考えられる可能性が出てきたというようなことが伝えられていたわけでありますが、今回急遽そうした問題が裏目に出たというんでしょうか、予期せざる方向へ発展をしてしまった。そこに一体何があったのか、当然外務省としてもその辺のいろんな実情というものについては現地からもそれぞれの報告を聞いておられるであろうと思いますし、イラン側がきわめて硬直した姿勢を示さなければならなかった、それに対してアメリカ側が今回のカーター声明に基づく大変強硬な手段を選択をしなければならなかった、その辺のいきさつというものが、第三者的な立場に立つわれわれが見ても非常に不可解な点があるように思えるわけでありますけれども、この点についてはどのように判断をなさっておられますでしょうか。
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大来佐武郎#6
○国務大臣(大来佐武郎君) 御承知のように、このイランの問題、人質問題につきましては、まあ三転、四転、五転と、その情勢がいままで何度も変転をしてきておるわけでございます。で、先般来情勢が、いま渋谷委員もお話ございましたが、いい方に向かいつつあるのではないかという印象を世界各国とも受けておったわけでございまして、人質を学生の手から政府の手に移すということが実現するのではないかという印象が強かったわけでございます。で、現地からの情報によりましても、バニサドル大統領自体もそういう判断を持っていたように見受けられるのでございますが、昨夜、日本時間の七時でございますか、ホメイニ師の発表で、人質は学生の手に残すと、国民議会が開かれるまでは現状にとどめるという発表がございまして、恐らく米国政府はそのホメイニ師の裁断といいますか、この発表に対応して今回の措置をとることになったんだろうと推定いたしております。
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渋谷邦彦#7
○渋谷邦彦君 いま申し上げたように、イラン側がその、大変まあいい方向へ向くんではあるまいかという、イラン側もバニサドル大統領を初めゴトブザデ外相あたりもそういう感じでいたようなことが伝えられている。それが急遽、大変硬直したような方向へ向かざるを得なかったという背景があるだろうということがわれわれとしても想像できるわけです。そこに何があったのかということですね。
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千葉一夫#8
○政府委員(千葉一夫君) ただいま委員御指摘の点につきましてわれわれも非常なる疑問を抱いているわけでございますが、これは本当の真相はもとよりまだよくわかりません。これはイランの内部においても種々いろいろな説が行われておるというのは、先ほど大使館の報告で聞いております。まあ、強いて申しますと、きのうの、先ほど大臣が御答弁申し上げましたホメイニ師の事務所の発表までは、バニサドル大統領初めイランの政府の関係者はわりと楽観しておったと、いい方に出るのではないか、あるいはいい方が続くのではないか、そういうふうな感じであったそうでございます。したがいまして、イランの内部においてもきわめて意外なる展開であったということはここで言えると思います。
 そこで、いろんな説がございますので、私どもとしてもこういう国政の御審議なさる場で余りいろんな憶説を述べるわけにまいりませんが、現地で言われているものを二つ三つ御紹介いたしますと、一つはパナマから前の国王が出国したことがございますけれども、これによってイランの宗教界の何といいましょうか、猜疑心、不信感というのが非常に大きくなったんだという説があるそうでございます。その説の後ろには、イランも含めた関係国の間でいろんな取引が行われておって、それが出国によって少し足をすくわれたといいましょうか、そういったふうなことなんで、猜疑心が非常に強まった、そういう説があるそうでございます。
 もう一つの説は、これはほとんど純粋にイランの内政と言ってもいいのではないかと思われますけれども、バニサドル大統領を一方に置き、他方、きわめて保守的な宗教界のバックを受けた政治勢力があることは御存じのとおりでございますが、その他にもいろんな勢力がありますけれども、要するに、これらの勢力の間の一種のバランスというものがこの人質問題をいかに解決していくかということをめぐって揺れ動いているわけです。そこでイランの内部におきましても、あるときはバニサドルの方を推し、あるときは反対の方を推すといったような動きが一種の政治的な面からもあるというような説もあるわけでございまして、今回やはりこの問題がもし解決に向かえばバニサドル大統領等を中心とする勢力がイランにおいて上手を占める、こういうことになっては困るという配慮があったんだと、そういう説もあるそうでございます。
 このほかにも両者絡んだようないろんなものがございますが、とりあえずは現地に流れておる憶説を御紹介するほかない状態で、御了承願いたいと思います。
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渋谷邦彦#9
○渋谷邦彦君 そこで問題になりますのは、今回のアメリカのイランとの外交断絶によって生じた経済的な報復措置が主体的な意味合いを持つものであろうというふうに思えるわけですが、その際、あるいは日本に対して同調を求めてきはしまいかという憶測が当然考えられると思うんですね。また一方においては、イラン側がもし日本がアメリカと同調するようなことがあればということで、油の供給というものについて差しとめるというような、また、それに対応する報復的な措置というものも当然裏返しに考えられるであろう。この辺についてこれからの推移を見ていかなければ、直ちに決断を下すというわけにはいかないにしても、しかし、いま動いているわけですので、当然アメリカ側としても何らかのそういう協調というものを日本に迫ってくる可能性というものは十分考えられはしまいか。まずこの点については、政府として、もしそうしたことが起こった場合にどう対応するのかという問題。
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大来佐武郎#10
○国務大臣(大来佐武郎君) カーター大統領の発表、声明は、いまのお話の点につきましては、われわれは米国が今般とる措置及び今後必要となり得べき追加的措置について同盟友邦諸国と引き続き協議していく——引き続き協議していくという表現になっておるわけでございます。したがって、こういう行動をとれという要求という形にはなっておらないわけでございます。
 しかし、ただいま渋谷委員の御指摘のように、協力を求めてくるということも将来予想される可能性があることだと思われますので、その点につきましては先ほどの新聞発表の後段にございますように、「わが国としては、今後とも米国及び他の友好諸国と緊密な連絡を保ちつつ人質解放を含めた事態の早期解決のために努力して行く所存である。」、そういう立場で対処していくことになるかと思います。
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渋谷邦彦#11
○渋谷邦彦君 昨今のイランの情勢というのは、新聞報道等を通じてしかわれわれはかいま見ることはできないわけでありますけれども、ともあれ、イランの経済情勢というものが非常に緊迫した状態に置かれている。このまま放置されればまた新しい一つの動きというものがイラン国内においても発生する、そういうような余地も十分考えられるであろう。恐らくアメリカ側としてはそういう点をねらいつつ、アメリカの経済協力というものがなければイランの今後の発展というものは望めないんだぞと、それと引きかえに人質を一刻も早く解放せよというような含みのある今回の措置ではなかろうか、という判断もないではないわけでありますけれども、しかし宗教的に一つの信念として固まったイランの今後の方向というものを考えてみた場合に、おいそれとそうしたような従来のそういうかけひき的なやり方では果たして解決のめどがつくんだろうかと大変心配をするのが一つと、シャー自身のパナマからエジプトへ移ったという問題もあるでしょうけれども、それよりもむしろ現実的な問題として、現在のイランの経済情勢というものを考えてみた場合、アメリカ側としても非常に大きな効果をそういう経済断交という形でねらったのではあるまいか。この点については外務省としてどのように判断をされておりましょうか。
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千葉一夫#12
○政府委員(千葉一夫君) イランの経済状態は決してよくはないことは、もう委員もちろんよく御存じのとおりでございますが、よくないと言いましても、アメリカはいままで事実上、もう経済断交を実際上しているようなものでございますので、これらがどの程度影響を及ぼしているかという点については諸説紛々でございまして、影響ないはずはございませんが、それほど大きな影響はないのではなかろうかというのが一応の見方のようでございます。ただし、イラン自体の問題、革命後のいろいろな問題等々からくる経済の停滞というものは確かにございますけれども、これは非常に大きな額の石油収入がございますので、これで何とかカバーしてきておる。こういったような点が指摘されております。それから、いろいろな工業製品等はもちろん輸入に仰いでいるわけでございますが、これらはアメリカから来なくなってもあっちこっちほかのところから来ているわけでございますので、当面は余り不自由はしていない、こういうことは言えると思います。したがって、当面は余り影響はないけれども、長い目で見てそれは影響ないはずはない、こう思われるわけでございます。
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渋谷邦彦#13
○渋谷邦彦君 そうすると、アメリカの今回のカーターの発言は一体どこにねらいがあったのかということになるわけですが、その点についてはいかがでしょうか。
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淺尾新一郎#14
○政府委員(淺尾新一郎君) すでに御承知のとおり、アメリカ側としてはイランの人質解放のために国連等を通ずる努力あるいは第三国を通ずる努力を重ねてまいりまして、先ほども御議論がございましたように、一時曙光が見えるような状態でございました。アメリカとしては一貫して人質の早期釈放ということで臨んできたわけでございますけれども、四月の前半から今日まで、あるときは事態の改善が見られるというような状況でございましたけれども、昨日に至りまして、事態の改善について望みが見られなくなった。そこで今回、アメリカとしてはやむを得ず強硬な措置をとらざるを得なくなった。それによってある程度今度はこの新しい政策で人質の解放が一日も早くもたらされるであろうという期待を込めて措置をとったというふうに見ております。
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渋谷邦彦#15
○渋谷邦彦君 むしろ今回のカーターの提唱というものはイラン側を硬化させることのみに役立つだけであって、少しもその利点というものはないんではないだろうか。これは常識的に判断をいたしましてもそのように私どもは考えられるわけです。硬化すれば硬化するほどこの事態の解決というものは長引くでありましょうし、果たして今回のカーターのとった措置というものが解決への手がかりになるのかどうか。むしろ逆の方向へ動いていくのではなかろうか。日本としてやはり一番恐れることは、先ほども大来さんが御答弁なさいましたように、協力を求められる可能性はないではないと。その場合に日本として一体どういう歩調をとるのかという問題がありましょうし、そしてまた、それにイラン側としても日本に対する対応策というものが当然考えられてくる。非常にやりにくいというか、日本としても相当深刻にこれを受けとめざるを得ない新しい事態の展開がいまなされているのではないか。したがって、今後日本としてとるべき道は一体何なのか。やはりシャー自身をどうしても引き渡さなければならないという問題も絡めて、日本として解決の方途というものは一体どう考えていったらいいのか。大変むずかしい問題ではあろうかと思いますけれども、カーターは日本のみならず西ドイツを含めたヨーロッパにおいても同調を求めようという、そういう考え方があるやに伝えられておるわけであります。そうすると、西側のいわゆる自由主義国家群に対して、イランに対する何らかのそういう経済的措置というものを迫ってくれと。もうせっぱ詰まったやはりアメリカとしての事情からのそういう考え方も当然これからはいろんな形で出てきはしまいか。この点についてはどのように外務省として考えられているのか。また、どうこれからそれに対して出た場合に取り組まなければならないのか。当然いまからその予測したいろんな事態に対応できる考え方というものをまとめる必要があるであろう、こう思うわけです。
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大来佐武郎#16
○国務大臣(大来佐武郎君) いま御質問の点につきましては、わが国としてはそのイランの重要性にもかんがみまして、同国との友好関係を今後とも維持していきたいというふうに考えておるわけでございまして、そのためには従来にも増して人質の早期解放ということが不可欠の条件になってまいります。わが国としてもこの世界、国際社会の重要な一員の立場でもございますし、事態の推移を見きわめながら粘り強く人質解放をイラン側に求める努力、それを含む事態の早期解決についての可能な限り努力を払っていくということであろうかと考えます。
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渋谷邦彦#17
○渋谷邦彦君 いま申し上げたように、きわめて短絡的な言い方かもしれませんけれども、シャーの引き渡しがない限りはこの問題の解決はないのではないだろうかという心配が非常にあるわけですね。この点はどういうふうに判断していますか。
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千葉一夫#18
○政府委員(千葉一夫君) お説のとおり、イラン側は公式にはシャーの引き渡しというものを非常に強く主張しているわけでございます。これはそのとおりでございますが、しかし、現実問題としてそれは非常にむずかしいということはこれまたよく御理解されておることかと存じます。といいますのは、アメリカの手中にシャーはもはやないわけでございまして、これはエジプトにおるわけでございます。そこで、シャーを引き渡せという話をアメリカに対してしても現実の物理的な支配権というものはないわけでございますので、アメリカとしては手が打てない状況であることはこれはもう常識的に言えるわけでございます。それではエジプトはどうかといいますと、これまたみずからいろんなリスクを冒してまでもシャーを迎え入れておるわけでございますから、サダト大統領としてはそう軽々に引き渡し等ができるとは思えないわけであります。エジプトとイランとの関係というのは革命以後余りよくないことは御存じのとおりでございますが、これらを考えてみますと、エジプトの国益からいってもこの点をイランに対して譲るというのもなかなかこれも考えられない、そういうわけで、シャーがイランに行くということについての当面の見通しはいま立たない次第でございます。しかし、ではこれができなければどうしてもだめなのかということでございますが、すでにホメイニ事務所からきのう発表がありましたように、イランの国民議会が人質についての決定をするのであるということを言っておりますので、この辺でどういうふうないまシャーの問題の絡みが出てくるかは今後われわれとしても注視していかなくちゃならない点かと存ぜられます。
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渋谷邦彦#19
○渋谷邦彦君 いま国民議会の話も出ましたけれども、果たしてその国民議会なるものがどれだけの決定権を持つものであるか、これも大変疑わしいものがあるのではないだろうか、そのよってでき上がったいろいろな経過というものを考えてみた場合に、果たして国民議会の持ち権能あるいは権力あるいはその運用というものを考えてみた場合に、果たしてその機能というものが十二分に発揮できるような体制の中に置かれているのだろうかという一つの疑問が残る、これは別問題といたしましても。まあシャー自身の問題はもうすでにアメリカの手を離れたといいますけれども、その絡みというものは絶えずやはりアメリカというものがそこに連動しているということを彼らも判断をしておりましょう。どうしてもやはりその問題が解消されない限りはその突破口が開けないのではないだろうかというふうに思えるわけですけれども、それはともかくとして、いま再三申し上げましたように、日本がこれから対応すべき道、かつては高い油を買ったということでアメリカから非難を浴びたそういう経過もあるわけであります。果たしていまそのような高い油を買ってまでも日本の独自の路線を選ぶのか、あるいはアメリカ側から協調を求められた場合にどうしてもそれを避けることができないものとして日本もアメリカと一体になって、あるいは何らかの形の経済断交を迫るようなことになるのか、この辺、締めくくってひとつ大来さんの意のあるところをお答えをいただきたい。それが日本のこれからのとるべき進路にもつながるであろうという判断があるからお聞かせをいただきたい。
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大来佐武郎#20
○国務大臣(大来佐武郎君) いまのような事態につきまして、まず第一に大使館を占領し、大使館員を人質にするということは、国際法上も国際秩序上も絶対認められない、こういう日本政府の立場は今後も変わらないと思います。それに従いましてこの人質解放を要求し続けるということが第一でございます。今後の対イラン措置につきまして、アメリカは先般の国連の安保理事会でソ連のビトーによって否決されました経済措置、対イラン経済制裁措置をアメリカ自身で独自で採用するということを今度の発表で言っておるわけでございます。これに対して協力を求められた場合の対応策につきましては、この日本自身の国益というものも含めて慎重に対処しなければならない。従来から日本政府の立場といたしましては、この問題については他の友好諸国等との連絡をとりながら対応していこうという立場でございまして、この点も、このいまの段階で従来の方針には変わりがない。いずれにしてもこういう新しい事態の状況について十分に注意しながら対応していく、非常にむずかしい問題であることは事実でございますが、ただ日本の立場として余りに先走った行動をとるということも問題でございますし、それから基本的には人質問題が解決しないということについてはあくまでも日本としては主張を続けていかなきゃならないという立場でございまして、この現実の問題にそういうことで対応していくということになるかと存じます。
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渋谷邦彦#21
○渋谷邦彦君 最後にもう一点確認をしておきたいと思うんですが、一方イラクの国内においてイラン人の一万数千名にわたる人たちの追放が行われていると、こういうことが報道されているわけであります。アフガンに引き続いて新しい緊張状態というものが、イランを含めながらこれがどんなような推移をたどるのか予測もつかないかもしれませんけれども、そういった状況の中であるいは一面考えると、イランというものは非常に追い詰められた形にいま立たされているんではないか。そうすると窮鼠ネコをかむということもありますように、いままでは反ソビエトというような方針をとってきたそのイランというのが、急速にあるいは何らかの展開を示す一環としてソビエトに接近をするというふうなそういうことは予測できないかどうか、その辺あわして新しい緊張が生まれたこの経緯を踏まえて、これはただごとでない状態でありますので、その辺の分析を含めてお答えをいただきたい。
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千葉一夫#22
○政府委員(千葉一夫君) ただいま、委員御指摘のイラン、イラク関係につきましては、さらにイラン政府の方から在イラクの外交官の総引き上げを指令したといったような報告が入っております。そういうようなことで、まことにアメリカとの緊張、アフガニスタンの問題のほかに、いま御指摘のように一層隣国イラクとの関係が悪くなってきておる、これはまことに憂うべき状態だと私ども見ております。
 ただし、これがいかに今後発展していくかという問題になりますと、イラクも、イランとの関係はそういうことでございますけれども、やはりそれなりに一つの連帯感もまだ失われていないと。それはどういうことかといいますと、まずイスラム国家としての連帯感、さらには広く非同盟国としての連帯感、これはまだ失われていないとわれわれには思われます。したがいましてアメリカとイランとの関係におきまして、イラク政府も人質をとったりなんかするのはよくないということを言っておりますが、しかしアメリカに対して味方するというふうには言っておりませんし、またいろんな点で、たとえばアメリカが制裁を行ったときは、逆にアメリカに対して何か措置をとるであろうということも言っております。そういうことで、イランがいまのような状況に陥っているのにイラクがつけ込んで何かするという、そのアメリカとの関連あるいはソ連との関連を考えての意味では、まだちょっとそこまでいかないのではないかと思われます。ただし御指摘のとおり事態はどんどん変わっていますから、そういうことも可能性としては頭に入れてやっていきたいと思っております。
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渋谷邦彦#23
○渋谷邦彦君 終わります。
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立木洋#24
○立木洋君 私も本題に入る前に、けさのカーター米大統領の発言、これは日本の今後の外交にとっても非常に重要な点でありますので、二、三お尋ねしておきたいと思います。
 先ほど大臣が発表された談話の中身で、今回とったカーター米大統領のこういう措置といいますか、これは理解できるところであるという内容でございましたけれども、この理解できるところであるという点をもう少し御説明いただきたいのですがね。どういう意味合いなのか、今後のやはり日本がこの問題に対処していく主な点になるだろうと思いますので。
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大来佐武郎#25
○国務大臣(大来佐武郎君) 先ほど読み上げました談話の中で、いま御指摘の点はこういう言い方をしているわけでございます。「わが国としては、イランが重大な国際法違反を継続し人質解放の見通しがたっていない状況のもとでカーター大統領が今回のような措置をとらざるを得なくなった事情は理解するところである。」、そう言っておるわけでございます。まあアメリカの国内の事情としても、先般私も訪米いたしましたときに、バンス国務長官が、アメリカ人の忍耐心にも限度があるのだという発言をいたしておったわけでございますが、人質事件以来これだけ長期にわたっておるわけでございまして、そういう点については理解するところであるという趣旨で申しておるわけでございます。
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立木洋#26
○立木洋君 先ほども問題になりましたように、いろいろと経緯が二転三転しているわけですけれども、いままでこうした事態にまで立ち至った経過の中に、アメリカがとってきた態度ですね、これに果たして問題がなかったんだろうかどうなんだろうか、先ほどの談話の発表内容、経過をずっと見てみますと、今回の措置に至った経緯について理解を示し、イランのとった態度については批判をしておる内容であって、もちろん先ほどはイランとの友好関係も何とか維持していきたいという趣旨のお話もございましたけれども、しかしそうであるならば、アメリカのとってきた態度については、日本は何も物を申さないで、ただイランだけがよくないという趣旨のそういう意味での談話の発表なのかどうなのか、そこらあたりを重ねてお尋ねしておきたいんですが。
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大来佐武郎#27
○国務大臣(大来佐武郎君) それは最後の後段に言っておりますように、「人質解放を含めた事態の早期解決のために努力して行く」と、いずれにしてもこの大使館員を人質にするという事態が解消しておらないわけでございますから、まずその問題が解消してから、いまお話しのような点がさらに問題とされることになるのかもしれませんが、当面はやはりこの人質解放を求めるという立場でいかざるを得ないと考えておるわけでございます。
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立木洋#28
○立木洋君 私ももちろん人質がいいなんというようには毛頭思っておりませんし、これはやはり重大な問題だと思っております。ただ問題は、こういう事態が起こったやっぱり経緯だとかいう内容も十分踏まえる必要があるだろうと思うんですよね。それで、そうするといまおっしゃった内容から言えば、人質問題が解決つかない限り、アメリカ側が今後とっていくであろういろいろな強硬的な措置には、やっぱり事実上日本政府としては同調していかざるを得ないということになるのかどうなのか、その点はいかがでしょうか。
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大来佐武郎#29
○国務大臣(大来佐武郎君) その点は先ほども申しましたように、そういう措置に日本としては理解するところであると、日本としてどう行動するかは、友好諸国との連絡も十分にとりながら解決促進に努力するという立場でいくよりほかにないと思います。
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