科学技術振興対策特別委員会

1983-03-25 参議院 全246発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和五十八年三月二十五日(金曜日)
   午前十時十四分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中野  明君
    理 事
                後藤 正夫君
                太田 淳夫君
    委 員
                江島  淳君
                片山 正英君
                杉山 令肇君
                高平 公友君
                藤井 孝男君
                藤井 裕久君
                吉田 正雄君
                佐藤 昭夫君
                小西 博行君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       安田 隆明君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      安田 佳三君
       科学技術庁計画
       局長       下邨 昭三君
       科学技術庁研究
       調整局長     加藤 泰丸君
       科学技術庁振興
       局長       原田  稔君
       科学技術庁原子
       力局長      高岡 敬展君
       科学技術庁原子
       力安全局長    赤羽 信久君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        松田  泰君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       資源エネルギー
       庁長官官房エネ
       ルギー企画官   雨貝 二郎君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  中島健太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (科学技術振興のための基本施策に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和五十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和五十八年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(科学技術庁))
○派遣委員の報告に関する件
    ─────────────
この発言だけを見る →
中野明#1
○委員長(中野明君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 安田科学技術庁長官から、科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取いたします。安田科学技術庁長官。
この発言だけを見る →
安田隆明#2
○国務大臣(安田隆明君) 科学技術庁長官の安田隆明でございます。
 このたび、重要な科学技術行政を担うことになりました。よろしくお願いを申し上げます。
 第九十八回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
 現下の厳しい内外諸情勢の中にあって、わが国が直面する幾多の制約を打開し、経済の安定的な成長と国民生活の一層の向上を図っていくためには、科学技術の振興が不可欠でございます。
 国土が狭く、資源に乏しいわが国は、幸い、国民の高い知的能力に恵まれており、この貴重な国民的資源を活用して創造性豊かな科学技術を創出することにより二十一世紀への礎を築くことは、われわれの世代に課せられた責務であります。
 また、昨年六月に行われたベルサイユ・サミットにおいては、科学技術の発展は停滞した世界経済の再活性化への活路となるとの認識で各国首脳の見解が一致し、国の内外を問わず、科学技術振興に対する機運は盛り上がりを見せております。
 このような状況のもとで、私は、昨年科学技術庁長官に就任して以来、科学技術政策の推進のため精力的に取り組んでまいりましたが、今後とも科学技術振興を国家的な重要課題として位置づけ、その強力な推進を図ってまいる所存であります。
 以下、昭和五十八年度における科学技術庁の主要な施策につきまして所信を申し上げたいと存じます。
 まず第一は、科学技術振興調査費の拡充等科学技術行政の企画調整機能の強化であります。
 近時、科学技術行政の強力な展開が強く求められております。このため、科学技術会議の調査企画機能の強化、同会議の方針に沿って運用する科学技術振興調整費の拡充等により、科学技術行政の企画調整機能の強化を図ることとし、ライフサイエンス、新材料等、将来画期的な技術革新をもたらすことが期待される先端的科学技術等の重要研究業務の総合的かつ効率的な推進を図ってまいります。
 第二は、流動研究システムによる創造科学技術の推進であります。
 今日、科学技術の振興を図るためには、基礎的研究段階からの創造的な新技術創出のための研究が不可欠となっております。
 このため、産学官のすぐれた研究者を結集して次代の技術革新を担う科学技術の芽を生み出すための研究を行う創造科学技術推進制度の一層の推進を図ることとしております。
 第三は、原子力研究開発利用の推進であります。
 原子力発電は、いまや、総発電電力量の約六分の一を占めており、電力供給の重要な柱となっております。
 このような原子力の研究開発利用の推進に当たっては、安全性の確保が大前提であり、原子力安全規制行政の充実、安全研究の推進等の各種安全対策を強力に展開するとともに、電源三法の活用による地域住民の福祉向上及び産業振興のための施策等を講ずるなど、原子力の開発利用の促進を図ってまいります。
 原子力発電を一層拡大していくためには、原子力発電規模に見合った核燃料サイクルを確立することが不可欠であり、ウラン濃縮の国産化、使用済み燃料の再処理、放射性廃棄物の処理処分対策等を推進いたします。
 また、核燃料の有効利用を図る観点から、高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉の研究開発など新型動力炉の開発を進めるとともに、核融合の研究開発等を積極的に推進いたします。原子力船「むつ」につきましては、その新定係港の整備を進めてまいります。
 第四は、宇宙開発の推進であります。
 先般、通信衛星二号aの打ち上げに成功し、わが国は、いよいよ本格的な実用衛星打ち上げ段階に入りました。
 昭和五十八年度におきましては、通信衛星二号b、放送衛星二号aを打ち上げるほか、静止気象衛星三号、海洋観測衛星一号、技術試験衛星V型等、幅広い分野における各種人工衛星の開発を推進いたします。
 また、昭和六十年代の大型人工衛星の打ち上げに対処するため、自主技術による液酸・液水ロケットエンジン、慣性誘導装置等を用いたHIロケットの開発を進めるなど人工衛星打ち上げ用ロケットの開発を推進いたします。
 第五は、海洋開発の推進であります。
 海洋国家日本としては、海洋科学技術に関する研究開発を横極的に推進していく必要があります。
 このため、昭和五十八年度におきましては、潜水調査船「しんかい二〇〇〇」による深海調査研究を進めるとともに、潜水作業技術に関する実海域実験を行うための海中作業実験船の建造を進めるなど、総合海洋科学技術プロジェクトを積極的に推進することといたしております。
 第六は、各般の重要な総合研究の推進であります。
 医療、農業、工業等、広範な分野において画期的な技術革新をもたらすものと期待されているライフサイエンスにつきましては、人工臓器等の研究を推進するとともに、遺伝子組みかえ研究施設の建設等を進めてまいります。
 また、防災科学技術につきましては、震災、雪害等の防止、軽減を目的として、地震予知、震災対策、雪害対策等の研究を中心にその積極的な推進を図ってまいります。
 航空技術開発につきましては、ファンジェット短距離離着陸機の実験機STOL機が昭和五十八年度に製作の最終段階を迎えますので、その完成を目指して努力してまいります。
 さらに、極限科学技術関連材料など材料技術の研究開発、資源の総合的利用方策の調査等を進めてまいります。
 第七は、国際協力の推進であります。
 国際化の進展に伴い、国際交流の重要性が一段と高まりつつあります。
 このため、日米科学技術協力を初めとする先進諸国との協力の推進を図るとともに、ベルサイユ・サミットで合意された科学技術の国際協力に積極的に対処してまいります。
 また、中国、東南アジア等の開発途上国との科学技術協力を推進してまいります。
 第八は、科学技術振興基盤の整備であります。
 科学技術振興を支える研究者の養成等研究基盤の強化を図るとともに、高度な知識と多額の投資が集約された科学技術情報の効率的な流通を図るため、科学技術情報の全国流通システムの整備等を促進いたします。また、本国会におきまして、科学技術に関する高度な技術コンサルタントとしての技術士の制度を改善するため、技術士法の改正法案を提出いたしておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 最後は、国際科学技術博覧会の開催準備の推進であります。
 科学技術の重要性に関する国民の理解を深めるとともに、科学技術の国際交流の促進に寄与することを目的とした国際科学技術博覧会を昭和六十年に筑波研究学園都市において開催するため、会場及び政府館の建設を進めるとともに、政府出展展示物の製作に着手するなど、国家的事業にふさわしい博覧会となるよう強力に開催準備を進めたいと考えております。
 以上、昭和五十八年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し上げましたが、これらの諸施策を実施するため、昭和五十八年度予算といたしまして、一般会計三千二百七十二億円を計上いたしますとともに、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計におきまして、科学技術庁分といたしまして七百七億円を計上いたしました。
 エネルギー問題を初めわが国が現在直面している諸問題を解決し、豊かで明るい人類の未来を建設するための重要なかぎとなるのが科学技術でございます。
 私は、科学技術行政を担当する者としてその使命の重大さを深く認識し、科学技術の振興に誠心誠意努力してまいりますので、何とぞ委員各位の御指導、御支援をお願い申し上げますとともに、国民の皆様方の御理解、御協力を心からお願い申し上げる次第であります。
この発言だけを見る →
中野明#3
○委員長(中野明君) 以上で所信の表明は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
中野明#4
○委員長(中野明君) この際、御報告申し上げます。
 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、昭和五十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 安田科学技術庁長官から説明を求めます。安田科学技術庁長官。
この発言だけを見る →
安田隆明#5
○国務大臣(安田隆明君) 昭和五十八年度における科学技術庁の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十八年度総理府所管一般会計予算要求額のうち、科学技術庁の予算要求額は、歳出予算額三千二百七十二億一千三百三十七万八千円を計上いたしております。
 また、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分といたしまして歳出予算額七百七億四千百六十六万四千円を計上いたしておりますが、両会計を合わせた科学技術庁の予算要求額は、歳出予算額三千九百七十九億五千五百四万二千円であります。これを前年度の当初歳出予算額三千八百六十億八千七百九十万五千円に比較いたしますと、百十八億六千七百十三万七千円の増額となっております。
 この歳出予算のほか、国庫債務負担行為限度額といたしまして、一般会計一千三百八十一億二千八百二十八万二千円、電源開発促進対策特別会計百六十一億一千二百六十万円を計上いたしております。
 次に、一般会計歳出予算要求額のうち主なる経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、科学技術会議の方針に沿って、科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費の拡充を図る等、同会議を中心とする科学技術行政における企画調整機能の一層の強化を図るための経費といたしまして、六十二億八百九十万三千円を計上いたしました。
 第二に、流動研究システムによる創造科学技術の推進といたしまして、産学官のすぐれた研究者を弾力的に組織化して、次代の技術革新を担う創造性に富んだ新技術を生み出すための研究の推進に必要な経費として、新技術開発事業団に二十二億一千十三万四千円を計上いたしました。
 第三に、原子力研究開発利用の推進といたしまして一千七百三十一億二千六百七十九万八千円を計上いたしました。
 これは、まず、原子力安全規制行政及び原子力の安全研究など安全対策を進めるための経費、次に、海外におけるウラン資源の調査探鉱、ウラン濃縮の国産化、使用済み燃料再処理及び放射性廃棄物処理処分対策等核燃料サイクル確立のための経費、新型動力炉の開発として、高速増殖炉及び新型転換炉の研究開発を行うための経費のほか、臨界プラズマ試験装置の建設等核融合研究開発及び多目的高温ガス炉の研究開発のための経費、原子力船「むつ」の新定係港の整備等に必要な経費並びに国立試験研究機関等における原子力研究開発利用に関連する各種試験研究を行うための経費などであります。
 第四は、宇宙開発の推進といたしまして八百七十四億二千八百四十七万六千円を計上いたしました。
 これは、宇宙開発事業団における放送衛星二号、静止気象衛星三号、海洋観測衛星一号、技術試験衛星V型、通信衛星三号等幅広い分野の衛星の開発及び昭和六十年代の大型人工衛星の打ち上げに対処するため、自主技術による液酸・液水ロケットエンジン、慣性誘導装置等を用いたHIロケットの開発などを進めるための経費のほか、航空宇宙技術研究所における宇宙開発のための基礎的、先行的研究を行うための経費などであります。
 第五に、海洋開発の推進といたしまして五十二億一千九百六十五万三千円を計上いたしましたが、これは海洋科学技術センターにおいて水深二千メートル級潜水調査船による深海調査研究を進めるとともに、水深三百メートルまでの潜水作業技術の実海域実験に使用する海中作業実験船の建造等を行うための経費などであります。
 第六に、重要総合研究等の推進といたしまして二百六十九億九千九百八十七万八千円を計上いたしました。
 これは、すでに御説明いたしました経費のほか、理化学研究所における最高度の物理的封じ込め機能を有する遺伝子組みかえ研究施設の建設、人工臓器の研究などライフサイエンスに関する研究開発を初め、レーザー科学技術等の各種研究を推進するための経費、国立防災科学技術センターを中心とする地震予知、震災対策、雪害対策等の防災科学技術に関する試験研究に必要な経費、当庁附属機関のうち、航空宇宙技術研究所におけるファンジェット短距離離着陸機の実験機の開発等航空技術の研究開発、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における材料技術に関する各種試験研究及び関連施設の整備に必要な経費並びに資源調査所における各種調査に必要な経費のほか、独創的な国産技術の企業化の促進などを目的とする新技術開発事業団の事業を推進するための経費などであります。
 第七に、国際協力の推進を図りますため、エネルギー分野及び非エネルギー分野における日米科学技術協力を初めとする先進国との科学技術協力、東南アジア地域等の開発途上国との科学技術協力及び国際機関との協力に必要な経費として百四十六億四百九十二万四千円を計上いたしております。
 第八に、科学技術振興基盤の整備といたしまして、まず、科学技術振興を支える研究者の養成等研究基盤の強化を図るための経費、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理及び提供業務の充実を図るための経費など四十九億二千七百三十五万三千円を計上いたしております。
 第九に、昭和六十年に筑波研究学園都市において、国際科学技術博覧会を開催するため、会場及び政府館の建設を進めるとともに、政府出展展示物の製作を行うための経費など百六十二億四千四百二十九万円を計上いたしております。
 次に、電源開発促進対策特別会計について御説明申し上げます。
 この特別会計につきましては、電源開発促進税を財源としておりますが、昭和五十八年度税制改正の一環として、電源開発促進税の税率を、現行の千キロワット時当たり三百円を四百四十五円に引き上げることといたしております。
 以下、歳出項目のうち科学技術庁分の重要項目につきまして、その大略を御説明いたします。
 まず、電源立地勘定におきましては、原子力施設の立地対策として、原子力施設周辺地域の住民等に対する給付金の交付及び周辺地域における雇用確保事業の推進を図るとともに、関係地方公共団体の公共用施設の整備のほか、放射線監視対策、原子力防災対策などの原子力発電安全対策等に必要な経費として九十四億八千七百七十万五千円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定におきましては、高速増殖原型炉の建設、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮技術の開発を行うための経費など六百十二億五千三百九十五万九千円を計上いたしております。
 以上、簡単でございますが、昭和五十八年度科学技術庁関係予算につきまして、その大略を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほど、お願いいたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
中野明#6
○委員長(中野明君) この際、お諮りいたします。
 昭和五十八年度科学技術庁関係予算についての安田官房長の説明は、これを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
中野明#7
○委員長(中野明君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
この発言だけを見る →
中野明#8
○委員長(中野明君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
吉田正雄#9
○吉田正雄君 ただいまの大臣所信表明の内容につきましては改めて質疑を行う予定になっておりますので、その際詳細にお尋ねをいたしたいと思います。
 科学技術特別委員会がなかなか法案審査以外多く開かれないということもありまして、いろいろ問題が山積をいたしております。たとえば、かつて世間を大騒ぎさせました原電敦賀発電所の事故等につきましてもその一例だと思います。通産省とそれから原電当局から経過報告書といいますか、調査報告書も発表されておりますし、それから原子力安全委員会も現地に乗り出して調査をやり、通産省の調査報告書についても一応チェックをされて、これを承認といいますか、肯定するというふうな態度をとられております。
 私も、この原電からの調査報告書というものと、通産省の中間報告、最終報告書というものを読ませていただいたのですけれども、これらの三つの報告書というものを見ますと、原電の発表した報告書と大同小異というよりも、原電の報告書が基礎になって、部分的に字句を変えておるという程度の内容であるわけですね。そういう点で、果たして通産当局それから原子力安全委員会の調査が十分であったのかどうか、その報告書を見たときにまず疑問に思ったんです。
 その後、私たち社会党でも調査団を派遣いたしまして、現地で調査を行ったわけです。原電本社あるいは現地の所長以下関係者から事情を聴取し、さらにマンホールから土砂も採取をいたしましてこの分析も行ったわけです。この分析は、原電現地が通産に報告をしたと同様の、同じ機器を用いたわけです。それから調査についても、原電敦賀の研究所といいますか、実験室に依頼をして、私たちの依頼をした学者がこれに参加をするというよりも、その調査結果についてチェックをするという形で分析を行ったわけです。その結果、原電や通産省の発表した調査結果とは異なる結果が出てきた。これは私どもが他の機関とか、独自に調査をしたわけじゃないんです。原電現地の実験設備を使い、実験者を使っての分析の結果なんです。そういう点で、あの調査報告書というものがきわめて不十分だという結論を私どもは持ったわけです。
 そこでお尋ねをいたします。
 まず通産当局にお尋ねいたしますが、あの最終報告書を発表された以後、さらに追加あるいは追跡の調査を行われたかどうか。
この発言だけを見る →
松田泰#10
○政府委員(松田泰君) 私どもの方では、放射能漏れの原因等につきまして、それ以後特に追加調査を行っておりません、いろいろな安全対策の強化策はいろいろやっておりますけれども。
この発言だけを見る →
吉田正雄#11
○吉田正雄君 あの調査でもって十分だと思っておいでになりますか。
この発言だけを見る →
松田泰#12
○政府委員(松田泰君) 細部についてはいろいろ御意見があるかと思いますが、一応現段階ではあの調査で十分であると思っております。
この発言だけを見る →
吉田正雄#13
○吉田正雄君 現在でもそう思っておいでになりますか。
この発言だけを見る →
松田泰#14
○政府委員(松田泰君) 現在でもそう思っております。
この発言だけを見る →
吉田正雄#15
○吉田正雄君 現在でもそう思っておいでになると断定をされたこと自体、あの事故に対する通産当局の調査態度がいかに不十分なものであるか、姿勢というものがそこにあらわれていると思うんですよ。私はこれから幾つかの点を指摘して聞きますから、それではお答え願いたいと思うんです。
 まず第一点は、事実経過についてですけれども、たとえば、汚染水が床にあふれたということがあるわけですけれども、そのときに、床サンプの水位を示す低、高、高高というランプがあるわけですけれども、その水位の高高警報が本当に鳴ったのだとすれば、だれかがその確認ボタンを押したはずであるわけですね。ところが、押す可能性のある人というのは限られているわけですよ。わずか数人なんです。しかし、報告書にはだれがいつどのような状況で警報確認ボタンを押したのかということは全然触れてないわけです。これはどういうことなんですか、調査をされたんですか。
この発言だけを見る →
松田泰#16
○政府委員(松田泰君) この警報は技術的にだれかがリセットボタンを押さないと鳴りやまないという構造になっておりますので、だれかが押したとは考えられるわけでございますが、具体的にだれが押したかということまではわれわれとして追跡調査できなかったというのが実情でございます。
この発言だけを見る →
吉田正雄#17
○吉田正雄君 あれだけ現地に調査官が長く滞在をし、本省からも調査官を派遣されながら、追跡すればだれかが押さなきゃならぬはずだと言いながら、対象者は何人なんですか、その押す可能性のある対象者というのは何人だと思われますか。
この発言だけを見る →
松田泰#18
○政府委員(松田泰君) 対象者は二人でございます。
この発言だけを見る →
吉田正雄#19
○吉田正雄君 お二人にお聞きになりましたか。
この発言だけを見る →
松田泰#20
○政府委員(松田泰君) 事情聴取をいたしておりますが、その結果について断定できないということでございます。
この発言だけを見る →
吉田正雄#21
○吉田正雄君 汚染水がサンプからあふれて警報機が勝手に鳴ることはないわけです。しかも、皆さん方がスリーマイルアイランド原発事故の調査報告書を出されたとき、これは科技庁からも出ておりますけれども、あのときに、オペレーターだとか保安要員の手落ちであったとか、そういうことを盛んに指摘されておったわけでしょう。わが日本においては職員の訓練コードは高い、そんなことはあり得ない、そういう職員によるミスなんということは日本では余り考えられないって、あれだけ大言壮語されたでしょう。たった二人しかいない人に事情を聞いて、どっちが押したかわからぬなんて、そんなずさんな調査がありますか。聞かれたんですか、本当に。
この発言だけを見る →
松田泰#22
○政府委員(松田泰君) 先生御指摘のように、その点につきましては、対象者も少ないことですからそういう疑問をお持ちになることは当然かと思いますけれども、一番重要な、そもそも事故の原因、経過等につきましての判断をする上におきまして、余り個人的なところまで突っ込んで聞くことが実際問題としてむずかしかったというのが実情でございます。
この発言だけを見る →
吉田正雄#23
○吉田正雄君 いまの答弁はますますけしからぬですよ。警報機が鳴った、事実あふれたから押す必要があるわけですよ。誤警報じゃないでしょう。あれだけの事故が起きておりながら、だれがボタンを押したのかわからぬ。またそれを確定しなければならぬ調査にもかかわらず、確定することが何か個人的な名誉か何かにかかわるようないまのちょっと発言でしょう。そんなことで今後事故が防げますか。そんな態度自身が問題じゃないですか。
この発言だけを見る →
松田泰#24
○政府委員(松田泰君) 当時の細かいことを私自身知りませんもので大変申しわけないと思っておりますが、警報の表示と実際のランプ表示とがそごをいたしております状況があったようでございまして、そういうことで、この警報のセット自身がこの事故の原因であったかというふうには即断できないという実情があったということで、この辺の調査が余りはっきりしてないというようでございます。
この発言だけを見る →
吉田正雄#25
○吉田正雄君 いまの答弁はめちゃくちゃですよ、なってないですよ。何を言っていますか、あなた。そういう程度の調査なんでしょう。問題にならぬ、それはもう。幾ら聞いたってわかりっこないです。報告書にもそんなことは書いてないですよ。幾ら読んだって書いてない。事実、調査は余りそこのところをはっきりやられてないんでしょう。もう幾ら聞いてもだめですから、これはその点でやめます。とにかくそういうずさんだったということだけははっきりしているわけです。
 その次、一般排水路への漏洩経路の推定なんですけれども、事故現場であるフィルタースラッジ貯蔵タンク室は、これは確かに高線量のために立ち入りはできませんよ。できないんですけれども、それはその後調査とか何らかの形で、これは事故原因の究明にとってもきわめて重要なんですね、いまも使われていると思いますから、その後この調査はされましたか。どうなんですか。
この発言だけを見る →
松田泰#26
○政府委員(松田泰君) 最後の総点検のときに、きのうも確認しておりますが、御存じのようにここには直接立ち入ることはできませんので、じかに立ち入って調査は行っておりません。
この発言だけを見る →
吉田正雄#27
○吉田正雄君 だから、入って調査はされておらないわけでしょう。したがってこの調査、それから対策を抜きにして、事故処理は完了したというふうにお考えになるんですか、それじゃ。
この発言だけを見る →
松田泰#28
○政府委員(松田泰君) フィルタースラッジのタンクの部分につきましては、高線量領域でございますので直接そこに立ち入ることはできませんけれども、洗濯廃液ろ過装置の置かれておりますところでありますとか、このスラッジタンクからつながっております廃水が出る経路等につきましては調査をいたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →
吉田正雄#29
○吉田正雄君 やられてないからわからぬということはもうわかりますよ、それでね。
 そこで、廃液がどこから漏れていったのかという点ですけれども、皆さんのこの発表では、ろ過装置室の水張り実証試験というものによって、いま言ったフィルタースラッジ貯蔵タンク室と洗濯廃液ろ過装置室との境界部分に小さな穴があいておった、そこから漏れたんだと、こういうのが結論のようでありますけれども、そういうことですか。
この発言だけを見る →
← 戻る