外務委員会

1985-06-07 衆議院 全334発言

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会議録情報#0
昭和六十年六月七日(金曜日)
    午前十時三十二分開議
出席委員
  委員長 愛野興一郎君
   理事 奥田 敬和君 理事 北川 石松君
   理事 野上  徹君 理事 浜田卓二郎君
   理事 井上 普方君 理事 土井たか子君
   理事 玉城 栄一君 理事 渡辺  朗君
      仲村 正治君    西山敬次郎君
      山下 元利君    綿貫 民輔君
      河上 民雄君    木下敬之助君
      岡崎万寿秀君    田中美智子君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 安倍晋太郎君
 出席政府委員
        外務大臣官房審
        議官      斉藤 邦彦君
        外務省北米局長 栗山 尚一君
        外務省経済局長 国広 道彦君
        外務省経済局次
        長       恩田  宗君
        郵政大臣官房審
        議官      田代  功君
        郵政省郵務局長 塩谷  稔君
 委員外の出席者
        外務大臣官房外
        務参事官    瀬崎 克己君
        外務大臣官房外
        務参事官    久米 邦貞君
        厚生省援護局業
        務第一課長   石井  清君
        郵政省郵務局国
        際業務課長   梶谷 陽一君
        郵政省貯金局経
        営企画課国際室
        長       舘野 忠男君
        郵政省貯金局経
        理課長     楠田 修司君
        郵政省電気通信
        局電気通信事業
        部業務課長   品川 萬里君
        労働省労働基準
        局安全衛生部環
        境改善室長   北山 宏幸君
        外務委員会調査
        室長      高橋 文雄君
    —————————————
六月六日
 核兵器の全面禁止実現等に関する請願(加藤万
 吉君紹介)(第五三二四号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 万国郵便連合憲章の第三追加議定書の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第七号)(参議院
 送付)
 万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結
 について承認を求めるの件(条約第八号)(参
 議院送付)
 小包郵便物に関する約定の締結について承認を
 求めるの件(条約第九号)(参議院送付)
 郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締
 結について承認を求めるの件(条約第一〇号)
 (参議院送付)
 郵便小切手業務に関する約定の締結について承
 認を求めるの件(条約第一一号)(参議院送付
 )
     ————◇—————
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愛野興一郎#1
○愛野委員長 これより会議を開きます。
 万国郵便連合憲章の第三追加議定書の締結について承認を求めるの件、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件、郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締結について承認を求めるの件及び郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
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井上普方#2
○井上(普)委員 郵政省にお伺いします。
 通信主権と世の中で言われておる言葉がありますが、通信主権ということについて郵政省の考え方をお示し願いたいのです。
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田代功#3
○田代政府委員 通信主権につきましては国際電気通信条約の中に、締約政府の全権委員は、各国に対してその電気通信を規律する主権を十分に承認した上で、この条約を締結するということを合意しております。この条約の意味するところは、条約を締結するに当たって、この条約は各国の主権を侵害するものでないこと、また、この条約に加盟する国は他国の主権を侵害するものではないこと、すなわち国と国との関係においては、お互いの電気通信の規律について相手国がこれを侵害しないということであると理解しております。
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井上普方#4
○井上(普)委員 主権を侵害しないということについて、通信主権という中身はどんなのかと聞いているのです。あなたのであれば、条約にこう書いてあるからという文言にすぎないが、通信主権ということについてはどう解釈するかということをお伺いしているのです。
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田代功#5
○田代政府委員 平たく言いますと、日本の通信の制度は日本が自主的に決めるということであると存じております。
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井上普方#6
○井上(普)委員 そういう前提に立ちまして、お伺いしてまいりたいと思います。
 そこで、このたび郵便五条約が提案されたわけでありますけれども、聞いてみますとUPU、万国郵便連合なるものに昭和二十三年に日本が加入したわけであります。これは、主なる機関は国際連合のブランチになっているように承るのですが、そのとおりでございますか、どうですか。
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瀬崎克己#7
○瀬崎説明員 お答え申し上げます。
 国連憲章の五十七条でございますが、五十七条には「政府間の協定によって設けられる各種の専門機関で、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野並びに関係分野においてその基本的文書で定めるところにより広い国際的責任を有するものは、」「国際連合と連携関係をもたされなければならない。」いろいろな機関があるわけでございますが、この機関は国際連合と特別の取り決めを結びまして、この特別の取り決めを結ぶことによりまして専門機関になるわけでございます。UPUは、この専門機関の一つでございます。
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井上普方#8
○井上(普)委員 しかし、このUPUなるものは、日本は明治七年に加入したと聞いております。そうすると、国際連合というのは後からできたものだ、それに包含せられたと解釈してよろしゅうございますか。
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瀬崎克己#9
○瀬崎説明員 先生御指摘のとおり、このUPUは非常に古い歴史を持ちまして、明治七年に創設されたわけでございます。日本は、初め明治十年にこのUPUに加入いたしまして、その後戦争により一時中断したわけでございますが、このUPUが戦後また復活いたしまして、先生御指摘のような形で加入したわけでございます。
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井上普方#10
○井上(普)委員 だから、国際連合の下部機関である、ブランチであるということになってくると、私は一言文句を言わなければならぬことが出てくる。
 外務大臣、国際連合のブランチということでユニセフであるとかいろいろあります。しかし、国連憲章それ自体がいまだもって日本を敵性国家と認めておる。その敵性国家の中の国連機関の一員であるというのは、戦後四十年たった今でもまだ変わってないことについて私は大きな不満を持っているのですが、日本政府としましては、この国連憲章をいかにお考えになっておるのか、お伺いいたしたいと思います。
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安倍晋太郎#11
○安倍国務大臣 これは、いわゆる国連憲章の旧敵国条項についてのお話であろうと思いますが、我が国は、国連憲章第五十三条につきましては、平和愛好国として国連に加盟を認められたことにより適用がなくなったものと考えております。また憲章第百七条は、連合国による戦後処理が憲章の他の条項に違反しないようにとの法技術的な経過規定と解され、既に連合国と平和条約その他の個別取り決めを結び、国連に加盟している我が国に関し、もはや適用される余地はないと考えておるわけであります。
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井上普方#12
○井上(普)委員 しかし、国連憲章の中には、日本は敵性国家であるという文言は入っておるはずであります。消えておらないはずです。ここらをどうお考えになり、またこれを政府はどうお考えになっておるか、このことをお伺いしているのです。
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安倍晋太郎#13
○安倍国務大臣 おっしゃるように、まだ国連憲章の中には、そのまま旧敵国条項という条章は残っておるわけです。今申し上げましたように残ってはおりますけれども、事実上適用される余地はない。しかし、このような規定が憲章に残されておるということ自体は望ましくないことだと考えておりますので、我が国は従来から国連憲章再検討との関係で、国連の種々の場においてその削除を主張しておるところでありまして、今後も引き続き加盟国間の理解と支持を得るように努力をしてまいりたいと思います。しかしながら、本件は国連憲章改正につながる問題でございますから、手続的にも困難な問題があることは我々も踏まえてこれに対応しなければならぬ、こういうふうに考えております。
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井上普方#14
○井上(普)委員 戦後四十年たって、国連憲章はいまだに敵性国家として日本を文書の上で残しておる。しかも、国連に対しましては費用もかなり出しておるし、あるいはまたユネスコあるいはユニセフ等々にも、かなりの負担金を日本は出している。この間もユニセフに対しまして、もう少し日本が負担をふやしてほしいというような論議がございました。要求もございました際に、一体、日本は敵性国家のままで今おるんだよ、これらを直してくれなければ話にならないじゃないかということを私も要求したことがございます。
 どうです、いまだに敵性国家という言葉が残り、これを直すにはもっと努力しなければならないと思うのですが、日本政府が、国連憲章の日本が敵性国家であるという文章が残っておるのを削る努力をしたように私らには、国民には聞こえておらないのであります。どういう御努力をなさっておるのか、ひとつこの点をお伺いしたいのです。
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瀬崎克己#15
○瀬崎説明員 国連憲章改正の問題につきましては、日本政府は非常に重視しておりまして、一九七〇年以降明示的に旧敵国条項の削除それから安全保障理事会の機構の拡充の問題につきまして、総会のたびごとに大臣に御発言いただいているわけでございますが、その後国連の中に憲章再検討委員会という小さな委員会ができまして、その中で各国いろいろ関心事項を持ち寄りまして、憲章の再検討につきまして検討しているわけでございます。
 日本政府といたしましては、先ほど申し上げましたように旧敵国条項の削除それから安全保障理事会の機構の拡充、この二点を重点的に提案項目として、現在努力を続けているわけでございます。
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井上普方#16
○井上(普)委員 小さい委員会で憲章改定委員会というのがあるそうだ。しかし、これは今日本の体面からしていろいろと問題は起こっておるけれども、いまだに国連憲章に日本が敵性国家と文書の上ではありましょうけれどもなっておることについて、私ら、甚だ不満なんだ。外務省は、もっと努力をされる必要があるように思われるのですが、いかがでございます、大臣。これを国連に対する最大の要求としてお出しになったらいかがでございますか。
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安倍晋太郎#17
○安倍国務大臣 これは、事実上は日本が平和国家として国連に加盟しておりますし、国連活動を活発にやっておりますから、事実上の適用はないことは先ほどから申し上げたとおりですが、しかし、条章として残っておりますから、日本の立場からいえば、これだけ国連に協力しているわけでありますし、こういう条章はやめてもらいたい、削除してもらいたい、これはそういうふうに思っております。
 検討委員会で日本はそれを主張しておりますし、国連総会等でも外務大臣も演説の中で述べております。これに対して、各国からの反響は決して悪くもないと思うわけでありますが、その中で、例えばアメリカはこれを支持しております。ただ、残念ながらソ連等は、これに否定的な見解をとっておるわけでございます。
 これは、これからもずっとこうした憲章が続くということは、少なくとも今の現実に合わない敵国条項はやめてもらいたいということで、これからも努力を続けていかなければならぬと思うし、実は私も外務大臣になりましてから、この問題につきましては関係国との間で具体的に話をしたこともございます。しかし、まだこの問題について、関係国間のこれを強く求めるという空気が盛り上がるところまでに至っておらないのは非常に残念に思っておりますが、今後ともさらに関係国とも相談をいたしまして、この条章が撤廃をされるように努力は続けていきたい、こういうふうに思っております。
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井上普方#18
○井上(普)委員 内閣によりましては、国連外交を日本の外交の中軸に据えるというような内閣もありました。国連外交、これを日本の外交の中心に据えなければならないと私は思います。しかし、その中に、憲章にやはり日本が敵国条項になっておる以上、これは矛盾がある。少なくとも日本の憲法からいたしまして平和国家であるということから、この点につきましては強く削除を求めていく必要があろうと思うのであります。
 外務省は、七〇年からこれの努力をしているのだというお話でございますけれども、どうもその努力が実ってない。まことに残念であります。それは他国が、どこどこの国がというようなこともありましょうけれども、少なくともこのごろどんどんと新しい国ができて、それが国連に加入しつつある、こういうようなことを考えましても、日本がいまだに条文の上では敵性国家であるのは甚だ遺憾であります。安倍外務大臣、外交にえらい力を入れられて御活躍はまことに結構でありますが、こういう点をひとつ直していただくような御努力をさらにお願いしたいと思うのです。御努力をお願いしたいというよりも、一番先にしなければならぬことながらこれがおろそかになっておることを、甚だ残念に思うわけであります。
 今度の万国郵便連合も、やはり国連の専門部会ということになりますと、敵性国家と認定せられている日本がこれの問題について論議することもおかしな話じゃなという気持ちを持ちながら、実はこの五つの条約を勉強した次第でありますので、まずこの点をひとつ強く要求いたしておきたいと思います。
 万国郵便連合というのは、これは五年に一回大会議が開かれておるようでございますけれども、これに加盟しております国は百六十八カ国と聞いております。このうちで何カ国が来年の一月一日までに加盟するのか、手続が完了するのか、見通しをひとつお伺いしたいと思います。
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瀬崎克己#19
○瀬崎説明員 この一連の条約につきましては、来年の一月一日に発効するわけでございます。したがいまして百六十八カ国、これは日本政府は百六十八カ国と考えておりますが、事務局は南アを除きまして百六十七という考えでございますが、この条約に加入することは義務づけられているわけでございます。したがいまして、各国とも、来年の一月一日までに批准の手続をとるというふうに了解いたしております。
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井上普方#20
○井上(普)委員 全部の国がなると思いますが、それじゃ加盟してない国は一体何カ国あるのですか。
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瀬崎克己#21
○瀬崎説明員 UPUに加入いたしております国は百六十八カ国でございます。現在国連の加盟国は百五十九でございまして、国連の加盟国はほぼ、また国連に加盟しておりません韓国、北朝鮮等も加入しているわけでございまして、ほぼ大多数の国が加入しているということでございます。独立の国で加入していない国、ちょっと私の方で手元に資料がございませんので、早速お調べして御報告したいと思います。
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井上普方#22
○井上(普)委員 郵政省、どうなんです。
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梶谷陽一#23
○梶谷説明員 国連加盟国でUPUに入っていない国は西サモアだけでございます。
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井上普方#24
○井上(普)委員 国連に加盟している国でこれに加盟していないのは西サモアだけといったら、数字が合わぬじゃないですか。今、南アフリカを除いて百六十七、そしてこの郵便連合に加入しておるのが百五十九という、西サモアだけというとえらい数字が違うじゃないですか、どうなんです。
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瀬崎克己#25
○瀬崎説明員 お答え申し上げます。
 国連加盟国でございまして連合の加盟国になっていない国、これはカリブにある非常に小さな国でございますが、アンチグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネイビス、西サモア、この三カ国でございます。
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井上普方#26
○井上(普)委員 そうすると、今郵政省の方は西サモアだけとおっしゃった。それで数字の方もこれまた合わない。一体どうなっているのです。郵便業務を直接つかさどる郵政省、どうなんです。
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瀬崎克己#27
○瀬崎説明員 国際連合の加盟国でなくてUPUに入っている国、これが先ほどちょっと申し上げましたように韓国、北朝鮮等ございますが、そのほかにもキリバス、リヒテンシュタイン、モナコ、ナウル、サンマリノ、スイス、トンガ、バチカン、ツバル、以上でございます。
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井上普方#28
○井上(普)委員 それで今のおっしゃった数字と合いますか。合わぬから聞いているんだよ。直接業務をやっておる郵政省、どうなんです。この連合に加盟しておる国が、今おっしゃったのでは数字が合わぬと思うのですが、合うのですか、どうなんです。——だから、私が伺うのは、こんな条約をつくって郵便が届かぬようなことになったら困ると思うので、それで聞いているのです。今も韓国あるいは北朝鮮というような日本の近い国々、あるいは西サモアも入ってないと言いますが、今承りますとスイスが入ってないというのはどうなんです、これは一体どういうことになっているのです。
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瀬崎克己#29
○瀬崎説明員 先ほどお答えいたしました。とおり、スイスは国連の加盟国でございませんが、UPUの加盟国でございます。
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