建設委員会

1988-04-01 衆議院 全182発言

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会議録情報#0
昭和六十三年四月一日(金曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 中村喜四郎君
   理事 加藤 卓二君 理事 東家 嘉幸君
   理事 野中 広務君 理事 野呂田芳成君
   理事 中村  茂君 理事 矢追 秀彦君
   理事 西村 章三君
      榎本 和平君    遠藤 武彦君
      金子原二郎君    木村 守男君
      北村 直人君    桜井  新君
      自見庄三郎君    田村 良平君
      武村 正義君    月原 茂皓君
      中島  衛君    松田 九郎君
      松永  光君    村岡 兼造君
      小野 信一君    木間  章君
      坂上 富男君    三野 優美君
      大野  潔君    薮仲 義彦君
      伊藤 英成君    辻  第一君
      中島 武敏君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 越智 伊平君
 出席政府委員
        国土庁土地局長 片桐 久雄君
        外務省経済局次
        長       内田 勝久君
        建設政務次官  古賀  誠君
        建設大臣官房長 牧野  徹君
        建設大臣官房総
        務審議官事務代
        理       中嶋 計廣君
        建設省建設経済
        局長      望月 薫雄君
        建設省都市局長 木内 啓介君
        建設省河川局長 萩原 兼脩君
        建設省住宅局長 片山 正夫君
 委員外の出席者
        国土庁土地局次
        長       藤原 良一君
        労働大臣官房政
        策調査部統計調
        査第二課長   樫福 保雄君
        建設大臣官房審
        議官      伊藤 茂史君
        住宅金融公庫総
        裁       河野 正三君
        住宅金融公庫理
        事       吉澤 奎介君
        住宅金融公庫理
        事       亀井 敬之君
        住宅金融公庫理
        事       山本 重三君
        参  考  人
        (住宅・都市整
        備公団理事)  京須  實君
        参  考  人
        (住宅・都市整
        備公団理事)  倉茂 周明君
        参  考  人
        (住宅・都市整
        備公団理事)  渡辺  尚君
        建設委員会調査
        室長      佐藤 毅三君
    ─────────────
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  大塚 雄司君     月原 茂皓君
  桜井  新君     自見庄三郎君
  橋本龍太郎君     北村 直人君
  村岡 兼造君     中島  衛君
  伏木 和雄君     薮仲 義彦君
同日
 辞任         補欠選任
  北村 直人君     橋本龍太郎君
  自見庄三郎君     桜井  新君
  月原 茂皓君     大塚 雄司君
  中島  衛君     村岡 兼造君
  薮仲 義彦君     伏木 和雄君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
 住宅・都市整備公団法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
     ────◇─────
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中村喜四郎#1
○中村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。
 本案審査のために、本日、参考人として住宅・都市整備公団理事京須實君、理事倉茂周明君及び理事渡辺尚君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中村喜四郎#2
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
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中村喜四郎#3
○中村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
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中村茂#4
○中村(茂)委員 きょうは四月一日で、余りごまかさないように、ひとつ明確な答弁をお願いいたします。
 昭和六十三年度地価公示の動向と特徴について、国土庁から見解を求めたいと思います。
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片桐久雄#5
○片桐政府委員 六十三年の地価公示は、四月一日、本日公表した次第でございますけれども、今回の地価公示の特徴といたしましては、まず東京圏では住宅地等の地価高騰がさらに縁辺部に大きく拡大したということが一点。それから大阪圏、名古屋圏、地方主要都市でも中心商業地の価格が上昇したということが第二点でございます。
 ただ、昨年の末には東京圏では東京都の住宅地等で地価が下落に転じ、周辺県でも地価上昇が著しく鈍化する等の鎮静化の傾向が出ているということが言えるかと思います。それからまた大阪圏でも、中心商業地等では地価上昇が鈍化しているというような傾向が出ていると思います。
 それからまた、東京圏、大阪圏それから名古屋圏その他地方主要都市の商業地、それを除いてはいわゆる地方圏では極めて地価は安定しているという、地価の二極分化傾向が非常にはっきりしているということがあると思います。
 私どもといたしましては、依然として地価上昇の継続している地域も見られますので、また東京圏の地価水準は著しく高いということもございますし、今後とも地価動向を十分監視していくとともに、諸般の対策を推進していくことにより地価の安定、引き下げに努めてまいりたいと考えております。
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中村茂#6
○中村(茂)委員 私は、六十二年と六十三年、二年間続いて大幅な上昇を見たというのが非常に大きな特徴じゃないかというふうに思うのです。今までの傾向を見ますと、大体一年か一年半で鎮静化というか、そういう傾向があったわけですけれども、全く二年間連続して大幅な値上げをした。
 その状況を、いただいております資料「東京圏の住宅地、商業地の地域別変動率」の表の二というので見てみますと、東京都は六十二年には五〇・五%、六十三年には六七%、両方合わせてみますと、二年間は一一七・五%上がっているわけであります。しかも六十二年度に五〇%上がっている上に上積みの六十三年度の六七%ですから、非常に高い伸び率を示してしまった。千葉県を見ますと、六十二年の場合には六・二%、しかし六十三年に至っては六三・二%、合わせてみますと六九・四%。ですから、六十二年のときには比較的、六・二という数字ですけれども、六十三年大幅に上がってしまった。埼玉県も大体同じ傾向で、合わせて六二・一%。神奈川県は六十二年もある程度上がったし、六十三年は非常に大幅な値上げになって、合わせると九七・八%。
 確かに言われておりますように、昨年の十月から十二月のところへ来て横ばいになって、少し、一%程度下がっているところもあるわけですけれども、しかし一番下がっても都心三区の三・三%。ですから、鎮静化という意味は、上がっていくのがとまってきたという意味ではないかというふうに思うのですけれども、これからの対策として、これだけ上がったものを押さえ込んでいくばかりではなしに、もっと地価が下がってくる、こういう努力を全体的にしなければいけないのではないか、こういうふうに思うわけであります。
 過去の例をいろいろ調べてみますと、国土利用計画法が四十八年のあの値上げのときにつくられまして、これを実施した。実施するときにいろいろ話し合って、地価の値下げを二〇%下げるような努力をこの法律でしようじゃないか。結果的には、過去戦後四十年の中で地価が下がったというのはその一年しかありません。まあ一〇%程度現実は下がりました。
 私も国土庁長官に土地対策の特別委員会で、地価を下げるという努力をすべきではないか、今申し上げました過去の例を申し上げて言いました。ただ数字的にやれ一〇%だ二〇%だなんという問題ではなしに、もっと大幅に下げるような努力をしなければいけないんだ、こういう答弁がありましたけれども、しかし結果的には横ばい状態。このままで推移するとすれば、言われておりますように高値安定、こういうふうにならざるを得ないというふうに私は思うのです。
 確かに監視区域という制度ができて、効果は上げているというふうに思います。しかし、その指導価格というのは実勢価格で指導しているわけですから、どんなにやっても下がる価格にはなりません。ですから、政策的にどのようにこれを下げる方向に導いていくか、国土庁の決意なり見解をお聞きいたしたいと思います。
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片桐久雄#7
○片桐政府委員 先生御指摘のように、東京圏の地価はここ三年ないし四年を累積いたしますと、平均的にいいましても三倍程度に上昇いたしておるわけでございます。こういう地価の水準といいますのは地方圏と比べても非常に極端に高いということは事実でございますし、それからまた、一般サラリーマンの住宅取得についての支払い能力という観点から見ても極めて高い水準であるということは否定できないと思います。
 私どもは、とりあえず投機的な需要を抑制するという観点から、現在まで種々の対策、監視区域制度の機動的な運用とか、それからまた金融機関に対する融資の自粛、そういう指導を徹底して何とか鎮静化というところまでこぎつけたというふうに思っている次第でございます。さらに、この東京圏の地価を引き下げるべきではないか、引き下げる努力を大いにすべきではないかということにつきましては、私どももそのように考えている次第でございます。
 今回の地価高騰は、まさに東京だけが突出して上がったという点が非常に特徴的でございまして、やはりこれは東京に諸機能が一極集中しているという現象が非常に影響したというふうに考えておりますので、基本的な対策といたしましては、諸機能の地方分散を基本的には進めるべきであるという観点から種々の対策を講じていきたいという点がまず第一点でございます。
 それからまた、全般的に住宅地の需給がタイトであるということは否定できない事実でございますので、やはり住宅宅地の供給促進対策に本腰を入れていくということが重要であるというふうに考えております。
 こういうような政策を展開しながら土地の需給の緩和を図るという対策をこれから本腰を入れて進めてまいりまして、地価の安定、ひいては地価の引き下げに努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
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中村茂#8
○中村(茂)委員 しっかりやっていただきたいというふうに思います。
 今二点目に言われました住宅宅地ですね、土地問題というのはいろいろありますし、今申し上げましたように、これだけ上がった土地をできるだけ下げる努力をしなければならないし、安定的なことを求めていかなければならないと思いますが、私はやはり土地問題の集約は、宅地それから国民の住宅をこういう土地の値上がりした中でどのように政策的に追求していくかということが非常に大事だというふうに思うのです。
 そこで、住宅宅地対策というものを考えてみた場合に、一方では土地の値上がりで宅地の供給が非常に大変な事情になっている。一方、求められている住宅というものについては、今内需拡大というふうに言われていますけれども、内需拡大への波及効果というものが非常に大きい。それからもう一点は、つくづく思うのですけれども、先般いろいろ発表されています、例えて言えば日本人一人のGNPがアメリカを超して世界第二位になった、経済大国というふうに言われる。一方では金余り現象だといってさまざまな問題が出ている。しかし、私ども生活していてそれだけの経済大国になったという実感がなかなか生まれてこない。確かに実感が出てこないという中では、どうも日本人はゆとりがまだいろいろ不足している、そして二番目に、考えてみるとやはり住環境、住宅、こういうものが非常におくれている、こういう一面があると思う。ということは、厳しい中だけれども住宅というものについては国民の期待にこたえるような政策努力をしなければいけない、それだけの国民的な要望がある、こういうふうに思うわけですね。
 一九八七年度版の「住宅経済データ集」というのを見せていただきました。監修は建設省住宅局住宅政策課ということで、住宅産業新聞社で出したのですけれども、その冒頭を見せていただきましたら、「推薦のことば」で片山住宅局長が見解を出しているわけです。これは全く私も賛成ですし、なかなかすばらしいことを言っているな、しかし、これが果たして実行できるかどうかという疑念を持ちながらこれを見せていただいたわけであります。また、「監修に当たって」ということで、その当時の石井政策課長がそのものずばりでいろいろ言っております。
 ですから、こういう住宅事情と住宅をどういうふうにしていくかという決意について、見解をお聞きいたしたいというふうに思います。
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片山正夫#9
○片山(正)政府委員 我が国の住宅の事情を見ましたときに、物理的な状況として見た場合、規模を基軸に考えますと最低居住水準に満たない世帯が一一・四%あると統計では出ておりますし、また、新たに第五期五カ年計画でつくりました誘導居住水準、これで見ましたときに、これを満たさない世帯が七一・六%あるという状況でございまして、規模の点から見ましたときにまだまだ我が国の住宅水準は低いと考えざるを得ない状況であります。加えまして、設備でありますとかあるいは住宅の性能、さらにはそれを取り巻く環境、あるいはまた通勤のことを考えましたときに、利便性などを考えましたときにまだまだ改善を要する点が多々あるという認識をしております。
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中村茂#10
○中村(茂)委員 資料をひとつ配付さしていただきたいと思います。
 ここにも書いてありますように、三月三十日付の住宅産業新聞から抜粋したものでありますけれども、この資料によりますと、一九八六年で書いてありますから昭和でいけば六十一年、昭和六十一年には戸建てが四千六百十八万円、分譲マンションの方は三千六百三十万円。そのほかその下の方にいろいろ書いてあるわけですけれども、翌年八七年、昭和でいけば六十二年には、それが戸建てについては七千百万円、前の年と比較すると二千四百八十二万円、約五〇%強値上がりしてしまった。しかもこの「注」のところに書いてあるわけですけれども、この値上がり分は土地の上昇分のみを見てこういう算出をしました、こういうふうになっている。分譲マンションの方は五千百万円で、千四百七十万円上がっている。
 そういうことを考えてみると、この資料によりますと一番下の項になるわけですけれども、勤労者世帯に占める割合ということで、八六年のときには戸建てが四%、マンションは二二%、翌年は戸建てが一%、分譲マンションが五%。そして、これの記事は、住宅の新規について、またはリフォームについてこの一年間上昇ぎみだったけれども、これだけ価格が上がってきてしまったのでこれから非常に下がっていく、それは、勤労者世帯の人たちの四%が戸建てでいけば買うという資金力が生まれてくるけれども、翌年これだけ値上げになれば一%しかそういう人がいなくなってくる、こういうデータにこれを組み立ててあるわけであります。
 ですから、この住宅宅地、皆で努力していかなければなりませんし、また、今度の国会でも建設省からこの委員会に出している法案を見ますと、もう九〇%の法案は住宅宅地をどのように供給していくか、その関連の法案ではないかというふうに思うのです。しかし、ばらばらに出ていて、私どもこれからそれを一つ一つ審議していくわけですけれども、これだけのものを審議してでき上がって、どういう政策ができ上がって住宅宅地供給体制が出てくるだろうか、ちょっとつかみにくい面もあります。それから、どういう手法になっていくだろうかという面もあります。ですから、言われておりますように、東京圏などについては、このデータは東京から二十キロという圏内で算出してありますけれども、大体この圏内について庶民が、または勤労者がこういう戸建てなどについては取得することが特に困難になってきている。そういうことを考えてみると、公的賃貸なりそういうものをどういうふうに位置づけていくか、宅地供給をどういうふうに持っていくか。
 それからもう一点、これは私にもよくわからないのですけれども、八六年のマンションのこの価格なら住宅金融公庫の金を借りることができるということで、金融公庫の千六百十万円というのが挙がっています。しかし、戸建ての部分については、価格がこれだけなのでそれを適用するわけにはいかないというふうになり、翌年の分については、もう戸建ても分譲マンションも金融公庫の融資は無理だ、こういう定め方になっていますけれども、これは資金調達なりこれを支えるその人の収入なり、そういうものからこういう結果になっているのじゃないかというふうに思います。だとすれば、やはり住宅金融公庫の限度額などについても再検討していく必要があるのじゃないか。
 こういうさまざまなことをこの参考資料の中から言われるわけでありますけれども、この参考資料について見解をお聞きいたしたい、こういうふうに思います。
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片山正夫#11
○片山(正)政府委員 住宅産業新聞のこのデータのそれぞれの資料の根拠がもう少しはっきりわかりませんので、これに対する直接的な評価等はちょっと差し控えさせていただきたいと存じますが、私どもで現在つかんでおります統計から申し上げますと、まずマンションで説明を申し上げますけれども、東京、神奈川、千葉、埼玉という首都圏の区域でもって新規に供給されたマンションの価格につきましては、六十一年が二千七百五十八万円、それから、それが上がりまして六十二年では三千五百七十九万円、これは年度の平均でまいってきておりまして、六十三年二月では四千九万円となっております。
 一方、貯蓄動向調査による京浜地区の勤労者世帯の年間収入の平均を見ますと、六十一年が六百六十三万、六十二年が六百八十二万ということでございますので、これでもって年収倍率を出しますと、六十一年は四・二倍でありましたが、六十三年二月時点ではこれが五・九倍となっております。
 したがいまして、私どもの方で常々考えております適正倍率と申しますか、限度の倍率ですね、適正というよりむしろ限度としての倍率は五倍相当とモデル的には試算をしておりますから、そういうことから考えますと、六十三年二月の時点は中堅サラリーマンにとりまして住宅の取得はかなり困難な状況になっていると言わざるを得ないと思っております。
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中村茂#12
○中村(茂)委員 この同じ資料のところには「三大都市圏中高層住宅価格の対年収倍率の推移」ということで出ていますけれども、一番低いときには六十一年の四・七七、そして一年で五・五五というふうになっていますね。今までずっと住宅宅地を検討してきましたけれども、日本の場合に、住宅宅地政策の中で賃貸なら家賃、それから戸建てなら取得価格、この体系がきちっとしていないのじゃないか。先ほど申し上げましたように、これだけの法案を審議して、どういう規模の、幾らぐらいなものを皆さんが目標として供給しようとしているのか、そういう体制をつくろうとしているのかということが非常に不明確なんです。やはりそういう点はもう少し目標を置いて、こういうものを、良質な、しかも値段はこの程度のものを目標に置いて供給に努力していますよ、新規でやるなら年収の何倍程度のものを努力していますよ、こういう目標が極めて不明確だという印象を私は今まで強く受けているわけであります。
 しかも、そういう体系を見ますと、例えて言えば住宅・都市整備公団の公団住宅、あれは個々の原価家賃主義でまず出発した。それで今の値上げなどの根拠を見ますと、公営の限度額方式を採用して、それを中心にして値上げをいろいろ試算している。ヨーロッパなどのそういう状態を見ますと応能主義を大体主軸にしてきている。支払い能力があるかどうか、したがってどのくらいな住宅を政府の責任で供給しなければならぬという体制になってきている。
 ですから、もう十年程度前ですけれども、そういうものをきちっとするために住宅基本法を制定しなさいという要求が起きたことがあります。私どもは住宅保障法というものを今まで提案してまいりました。確かに建設省もいろいろと論議いたしました。そして、ある程度の案ができ上がるところで、どこに反対されたか私はよくわかりませんけれども、何か聞くところによると与党の意見がまとまらなかったということで立ち消えになってしまっている。それは根本的な問題ですから努力していただくにしても、やはりここのところで皆さんが政策努力をするという点について、その点もある程度検討して国民の前にそういう点を明らかにして提起していく必要があるんではないか、こういうことを痛切に感ずるわけであります。
 私ども社会党は、賃貸については月収の一五%を基準にして住宅を供給する、また購入については年収の四倍、ここら辺のところにきちっと目標を定めていくという努力をする必要があるんではないか、こういうふうに考えているわけでありますけれども、その点についてはどういうふうにお考えになり、どういう目標設定でいこうとしているか、お伺いいたしたいと思います。
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片山正夫#13
○片山(正)政府委員 負担水準の考え方としましては、昭和五十年に住宅宅地審議会からの答申がございまして、この場合、まず家賃の負担、これは限度としましては、四人世帯のところで見てみますと第三分位で二一・五%、第二分位では一八%、第一分位のところで一五%、こういう数字が出ております。また、持ち家の償還限度率につきましては、一分位、二分位、三分位とも償還限度率として二五%、収入の二五%が限度率、それから第四、第五分位が三〇%が限度、こういうふうな答申が出ております。
 こういうことを目途にいたしまして、まず賃貸の公団住宅につきましては、所得分位の第三位のところがその大宗でありますので、この御答申では二一・五%という限度率でありますけれども、実施する場合の目標といたしましては一七%を目標は実施をしているところでありまして、実績におきましてもその前後でもって推移をしてきているところであります。また、公営住宅につきましては、第一種につきましては一六%、第二種につきましては一五%を目途に家賃設定をしておるところでありまして、実績におきましても、その以内の数字でもって推移をしているような状況でございます。
 持家につきましては、償還の限度率を二五ないし三〇という御答申がありますので、これをもとにいたしまして、使える自己資金をまず投入をする、次に、金利の低い公庫資金を借りる、さらに二五%の償還限度率を頭に置きまして、それを限度に民間ローンを借りる、さらに住宅取得減税がございますから、その減税によりまして民間ローンをより借り増すことができるということを考慮いたしまして、それぞれの年収をベースに取得可能額を年収でもって割りますと、現在私どもの方で試算しておりますのは約五倍という数字が出てきております。
 したがいまして、一応の目標としては、そういうことが目標としてはよろしいのではないか、こういう感じでございます。
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中村茂#14
○中村(茂)委員 住宅・都市整備公団の公団住宅、第三分位で一七%というのは、私も今までお聞きしていますし、そういう努力でやっているというふうに理解しています。
 それから、年収の五倍という今お話があったんですけれども、このデータでいっても五・五倍まで来てしまった。そこで、公団なり公営なりそういうところはそういう努力ですけれども、その基準を、民間のいわゆる家賃なりまたは戸建てのものの購入なりは、今のそういう言われている考え方をどういうふうに近づけていくかということが非常に重要なことだというふうに思うわけですね。ですから、全体的に今申し上げた基準などを頭の中に置きながら政策努力を強力に進めていただきたいということを強く要求しておきたいと思います。
 そこで、この法案の改正点ですけれども、親孝行ローンと、名前はいいのです。親孝行というと聞いたところはいいけれども、これは中身を見ますとちょっと誤解を生みやすいんじゃないかというふうに私は思うのです。親子ローンというのがこれは正しい言い方である。親子ローン、親の方もできるわけですし、子の方もできるわけですから。親孝行ローンという、これでいくと、何でも子供さんにおんぶしてしまう。これは大したことはありませんけれども、私は、どうせ言うなら親子ローンと言った方が中身と一番ぴったりしている、こういうふうに理解いたしました。
 そこで、非常にややこしいのですけれども、隣居、近居を親子でやる。それからこれも親それから子供それぞれの建てかえ、リフォーム、これはふるさとの住宅更新タイプ、こういうふうに言われておる。その二つきりだと思ったら、今度その下の方は「親族」という問題が出てきて、「居住の用に供する」。その絡みがちょっとわからないのですけれども、そこら辺のところを簡潔に説明してくれませんか。
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片山正夫#15
○片山(正)政府委員 民法上の親族という定義につきましては、六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族、こういうふうに規定されているところでありますけれども、この親孝行ローンと私ども言っておりますものにつきましての親族の考え方としましては、法律上は親族という言葉を使っておりますけれども、予算上の条件といたしまして、まず範囲としまして、親子等の直系親族が居住することをまず原則といたします。
 したがいまして、直系でございますれば尊属、卑属を問わずずっとよろしい、こういうことでございますが、もし直系の尊属が存しない場合、親でありますとかあるいは祖父母が存しない場合におきましては、貸し付けを受ける者または配偶者の兄、姉、おじ、おば、またはその配偶者。ですから傍系の三親等、こういうところの範囲。または、子等の直系卑属が存しない場合につきましては、弟、妹、おい、めい、その配偶者でありますから傍系の三親等以内、こういうところは限りましてこれを適用することとしております。
 したがいまして、法律上の規定と予算上の条件とは、そこのところは若干食い違いがあるところであります。
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中村茂#16
○中村(茂)委員 それから、同一市町村または隣接市町村内ということで、運用上、通常の交通手段によりおおむね一時間で到達する範囲内ということになっているんですが、これは話はわかることはわかるんですね。地況によっていろいろありますから、その間に一つ市町村はあったとしても、隣接していないにしても交通手段がよくてもう隣接以上に便利がいい、こういう地況もあると思うから、おおむね一時間は何に乗ってですか。車ですか、それとも電車ですか。
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片山正夫#17
○片山(正)政府委員 親子間の生活のことを考えてこういう規定を設けておりますので、通常の交通手段として考えておりますのは、通常考えられます都市交通でありますからJRのE電でありますとか地下鉄とかバス、そういうものを考えております。したがいまして、広域間の高速交通機関、新幹線でありますとかJRの特急でございますとか、そういうものは一般的には考えていない、こういうことでございます。
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中村茂#18
○中村(茂)委員 次に、貸付金利についてお伺いしますが、戸建てのものとか、今、通常はどういう貸付金利になっているのでしょうか。
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片山正夫#19
○片山(正)政府委員 規模別に金利を設定しておりまして、今回の六十三年度予算でお願いしておりますのは、まず百二十五平方メートルまでが四・五%、それから百五十五平方メートルまでが四・八%、その次に二百二十平方メートルまでが五・一%、こういうことでございます。
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中村茂#20
○中村(茂)委員 今回改正のものについてはどれを適用しようとしているわけですか。
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片山正夫#21
○片山(正)政府委員 親孝行ローンの金利の御指摘だと存じますけれども、一番規模の大きい百五十五平方メートルから二百二十平方メートル、いわゆる大型住宅と称しております財投並み金利五・一%のところを予定しております。
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中村茂#22
○中村(茂)委員 小さくも大きくもこれは五・一%という一番大きいところを基準にしてしまっているということですが、どうして一般のもののように——一般は建て幅によってずっとやっているわけですけれども、区別した理由は何ですか。
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片山正夫#23
○片山(正)政府委員 金融公庫法の現在の法律の趣旨としましては、みずからが居住する住宅を取得する際にそれに融資をする、これを住宅対策としては第一優先と考えておりますけれども、今回は親孝行という趣旨もこれありということで対象を少し広げることにいたしました。したがいまして、融資を受ける者から見ますれば二番目の住宅、こういうことに相なるわけでございます。そのことが一点。
 それから、親と同居するような場合につきましては、百五十五平方メートル以上の大型住宅をつくるような場合が考えられますけれども、そういう大型住宅の金利が五・一%ということを考えまして、そこら辺を総合判断いたしまして五・一としたところであります。
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中村茂#24
○中村(茂)委員 今傾斜になっていて、先ほど言った四・五にしても四・八にしても当初はそうですけれども、十一年目から変わるでしょう。これはどういう仕組みになっているのですか。
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片山正夫#25
○片山(正)政府委員 通常金利口、それから中間金利口は御指摘のように十一年目からは財投並み金利の五・一になります。この親孝行ローンのもの件つきましては、五・一は最後までそのまま通年として続いてまいります。
    〔委員長退席、野呂田委員長代理着席〕
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中村茂#26
○中村(茂)委員 当初の十年間の低いのを外して十一年目からのものを持ってきたようなものだね。もう一度確認しますけれども、傾斜にはならないですね。一番先のものがずっといく、こういう方法で五・一%。——わかりました。
 そこで、前に言ったデータをちょっと使わしていただきたいと思うのです。
 この百十九ページに「住宅ローン金利等の推移」ということで、昭和四十七年から六十二年までの経過がずっと出ているわけです。確かに住宅金融公庫の金利については安定的に、一番高くも五・五ということでずっと推移している、どんなローンよりも極めて安定的に推移してきたということがよくわかります。民間については相当高くなったり低くなったりいろいろ出てくる。ましてや公定歩合のところについては、一番高くなったときには九%、今は二・五%、そういう中で、安定的はいいわけですけれども、これだけ公定歩合が下がってきた段階では、貸付金利をもっと下げて国民のためになるような方法を考えた方がいいのじゃないか。
 そこで、今決まっております金融公庫の基準金利、財投並み金利はどういうふうになっているのでしょうか。
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片山正夫#27
○片山(正)政府委員 財投並み金利につきましては五・一でありますけれども、原資であります財投金利の動きにつきましては現在五・〇%になっております。
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中村茂#28
○中村(茂)委員 今の五%は基準金利のことを言たのですか。
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片山正夫#29
○片山(正)政府委員 公庫の基準金利は四・五%であります。
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