予算委員会第二分科会
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会
会議録情報#0
平成三年三月十二日(火曜日)
午前九時開議
出席分科員
主 査 林 義郎君
浅野 勝人君 倉成 正君
穂積 良行君 増岡 博之君
松浦 昭君 串原 義直君
佐藤 敬治君 志賀 一夫君
関山 信之君 松原 脩雄君
大野由利子君 渡部 一郎君
正森 成二君
兼務 五十嵐広三君 兼務 北側 一雄君
兼務 伊藤 英成君
出席国務大臣
外 務 大 臣 中山 太郎君
大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
出席政府委員
外務大臣官房長 佐藤 嘉恭君
外務大臣官房外
務報道官 渡邊 泰造君
外務大臣官房会
計課長 阿南 惟茂君
外務大臣官房文
化交流部長 小倉 和夫君
外務省アジア局
長 谷野作太郎君
外務省北米局長 松浦晃一郎君
外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
外務省中近東ア
フリカ局長 渡辺 允君
外務省経済局長 林 貞行君
外務省経済協力
局長 川上 隆朗君
外務省条約局長 柳井 俊二君
外務省国際連合
局長 丹波 實君
大蔵大臣官房会
計課長 目崎 八郎君
大蔵大臣官房審
議官 小川 是君
大蔵省主計局次
長 田波 耕治君
大蔵省理財局長 篠沢 恭助君
大蔵省理財局た
ばこ塩事業審議
官 峯嶋 利之君
大蔵省銀行局長 土田 正顕君
大蔵省銀行局保
険部長 竹内 克伸君
国税庁直税部長 山口 厚生君
分科員外の出席者
国土庁土地局土
地政策課長 鈴木 省三君
国土庁土地局地
価調査課長 生田 長人君
法務省刑事局参
事官 鶴田 六郎君
大蔵省主計局主
計官 太田 省三君
大蔵省主計局主
計官 田谷 廣明君
水産庁海洋漁業
部長 嶌田 道夫君
運輸省国際運輸
・観光局外航課
長 村上 伸夫君
運輸省国際運輸
・観光局国際航
空課長 羽生 次郎君
労働大臣官房政
策調査部総合政
策課長 太田 芳枝君
労働省労働基準
局監督課長 山中 秀樹君
労働省婦人局婦
人福祉課長 藤井 龍子君
労働省職業安定
局雇用保険課長 池田 克忠君
参 考 人
(日本たばこ産
業株式会社常務
取締役原料本部
長) 折居 靖彦君
参 考 人
(日本銀行企画
局長) 小島 邦夫君
予算委員会調査
室長 多田 俊幸君
─────────────
分科員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
穂積 良行君 浅野 勝人君
串原 義直君 関山 信之君
佐藤 敬治君 松原 脩雄君
冬柴 鐵三君 藤原 房雄君
正森 成二君 菅野 悦子君
同日
辞任 補欠選任
浅野 勝人君 松浦 昭君
関山 信之君 串原 義直君
松原 脩雄君 志賀 一夫君
藤原 房雄君 吉井 光照君
菅野 悦子君 正森 成二君
同日
辞任 補欠選任
松浦 昭君 前田 正君
志賀 一夫君 佐藤 敬治君
吉井 光照君 渡部 一郎君
同日
辞任 補欠選任
前田 正君 穂積 良行君
渡部 一郎君 長田 武士君
同日
辞任 補欠選任
長田 武士君 吉井 光照君
同日
辞任 補欠選任
吉井 光照君 大野由利子君
同日
辞任 補欠選任
大野由利子君 冬柴 鐵三君
同日
第三分科員北側一雄君、伊藤英成君及び第五分
科員五十嵐広三君が本分科兼務となった。
─────────────
本日の会議に付した案件
平成三年度一般会計予算
平成三年度特別会計予算
平成三年度政府関係機関予算
(外務省及び大蔵省所管)
────◇─────
この発言だけを見る →午前九時開議
出席分科員
主 査 林 義郎君
浅野 勝人君 倉成 正君
穂積 良行君 増岡 博之君
松浦 昭君 串原 義直君
佐藤 敬治君 志賀 一夫君
関山 信之君 松原 脩雄君
大野由利子君 渡部 一郎君
正森 成二君
兼務 五十嵐広三君 兼務 北側 一雄君
兼務 伊藤 英成君
出席国務大臣
外 務 大 臣 中山 太郎君
大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
出席政府委員
外務大臣官房長 佐藤 嘉恭君
外務大臣官房外
務報道官 渡邊 泰造君
外務大臣官房会
計課長 阿南 惟茂君
外務大臣官房文
化交流部長 小倉 和夫君
外務省アジア局
長 谷野作太郎君
外務省北米局長 松浦晃一郎君
外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
外務省中近東ア
フリカ局長 渡辺 允君
外務省経済局長 林 貞行君
外務省経済協力
局長 川上 隆朗君
外務省条約局長 柳井 俊二君
外務省国際連合
局長 丹波 實君
大蔵大臣官房会
計課長 目崎 八郎君
大蔵大臣官房審
議官 小川 是君
大蔵省主計局次
長 田波 耕治君
大蔵省理財局長 篠沢 恭助君
大蔵省理財局た
ばこ塩事業審議
官 峯嶋 利之君
大蔵省銀行局長 土田 正顕君
大蔵省銀行局保
険部長 竹内 克伸君
国税庁直税部長 山口 厚生君
分科員外の出席者
国土庁土地局土
地政策課長 鈴木 省三君
国土庁土地局地
価調査課長 生田 長人君
法務省刑事局参
事官 鶴田 六郎君
大蔵省主計局主
計官 太田 省三君
大蔵省主計局主
計官 田谷 廣明君
水産庁海洋漁業
部長 嶌田 道夫君
運輸省国際運輸
・観光局外航課
長 村上 伸夫君
運輸省国際運輸
・観光局国際航
空課長 羽生 次郎君
労働大臣官房政
策調査部総合政
策課長 太田 芳枝君
労働省労働基準
局監督課長 山中 秀樹君
労働省婦人局婦
人福祉課長 藤井 龍子君
労働省職業安定
局雇用保険課長 池田 克忠君
参 考 人
(日本たばこ産
業株式会社常務
取締役原料本部
長) 折居 靖彦君
参 考 人
(日本銀行企画
局長) 小島 邦夫君
予算委員会調査
室長 多田 俊幸君
─────────────
分科員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
穂積 良行君 浅野 勝人君
串原 義直君 関山 信之君
佐藤 敬治君 松原 脩雄君
冬柴 鐵三君 藤原 房雄君
正森 成二君 菅野 悦子君
同日
辞任 補欠選任
浅野 勝人君 松浦 昭君
関山 信之君 串原 義直君
松原 脩雄君 志賀 一夫君
藤原 房雄君 吉井 光照君
菅野 悦子君 正森 成二君
同日
辞任 補欠選任
松浦 昭君 前田 正君
志賀 一夫君 佐藤 敬治君
吉井 光照君 渡部 一郎君
同日
辞任 補欠選任
前田 正君 穂積 良行君
渡部 一郎君 長田 武士君
同日
辞任 補欠選任
長田 武士君 吉井 光照君
同日
辞任 補欠選任
吉井 光照君 大野由利子君
同日
辞任 補欠選任
大野由利子君 冬柴 鐵三君
同日
第三分科員北側一雄君、伊藤英成君及び第五分
科員五十嵐広三君が本分科兼務となった。
─────────────
本日の会議に付した案件
平成三年度一般会計予算
平成三年度特別会計予算
平成三年度政府関係機関予算
(外務省及び大蔵省所管)
────◇─────
林
林義郎#1
○林主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中外務省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浅野勝人君。
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質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浅野勝人君。
浅
浅野勝人#2
○浅野分科員 湾岸戦争で果たしたアメリカの役割、実績から見て、戦争後の対応もアメリカを軸に展開しているのは当然の成り行きと考えます。したがって、アメリカとのコンスタントダイアローグがますます重要となってきています。ブッシュ大統領は四月から五月にかけて日本に来てくれるものと私どもは期待していたのですが、さまざまな観測が出ています。まず最初に、ブッシュ来日の日程について伺っておきます。
この発言だけを見る →中
中山太郎#3
○中山国務大臣 委員お尋ねのブッシュ大統領の訪日の時期でございますが、現在のところ確定はまだしておりませんが、延期されたということではなしに日程がまだ検討段階、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →浅
浅野勝人#4
○浅野分科員 去年九月の日米首脳会談で、ことしの早い時期に実現することで合意をしていたと承知をしておりますので、内定していたものが延期されたのではないかという懸念を抱きます。今、大臣おっしゃるようにもともとまだ決まっていないものだったというのなら、これはまたこれから詰めていただくということになるのだろうと思いますけれども、その点にこだわるのは、ブッシュ大統領が多国籍軍に参加したイギリスのメージャー、カナダのマルルーニー、フランスのミッテランら主要国の首脳と近く相次いで個別会談をすると伝えられているものですから、湾岸戦争に対する日本の対応が不満で、その間接的な表現という形で、ことし早い時期というのが延期されたのではないかという懸念がさまざま言われているときでもありますので、そのあたりのことをもう一度伺っておきます。
この発言だけを見る →中
中山太郎#5
○中山国務大臣 私も同席したのでございますが、ブッシュ・海部会談のときにブッシュ大統領の方から来年の二月のある時期に訪問をしたいということで、日本政府としても海部総理が訪日を歓迎するというお話がございましたが、問題の湾岸戦争があのような事態で起こってまいりましたので、アメリカ大統領自身の政治日程が大きく変更したものだというふうに理解をいたしております。
この発言だけを見る →浅
浅野勝人#6
○浅野分科員 次に、クウェートの日本大使館の再開の見通しについて伺います。
早く再開できるようにクウェート政府に申し入れたところ、クウェート側から、治安が確立するまで自分の国の警備兵を現場に派遣できない国の大使館は再開を待ってもらうと言われているというのは事実ですか。
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渡
渡辺允#7
○渡辺(允)政府委員 クウェートの大使館につきましては、私どもといたしましてもできるだけ早く再開したいと考えておりまして、クウェート解放直後に黒川大使はサウジアラビアのリヤドに参りまして、現在まだリヤドその他サウジアラビアにございますクウェート政府と協議接触を続けておりますし、また現地の状況をできるだけ把握するように努めております。ただクウェート政府からは、クウェート市内の安全、治安上の理由から若干まだ待ってほしいということを言われておりますのは御指摘のとおりでございまして、したがって我々といたしましては、長期的な滞在はともかくといたしまして、少なくとも現地事情を確認するという意味で、できるだけ早く一たんとにかくクウェート入りをするということで現在準備を進めております。
この発言だけを見る →浅
浅野勝人#8
○浅野分科員 東京のクウェート大使館筋からのお話ですと、さまざまな細かいうわさが伝えられておりまして、例えば多国籍軍に参加した国の大使館は戦後今直ちに国旗を掲げていいけれども、それ以外の国はちょっと遠慮してくれとか、ルーモアのたぐいがいろいろ伝えられておりまして、これは今、中近東アフリカ局長の情報は、どこの国に対してもそうなのか、多国籍軍に参加した国とそうでない国との扱いに若干の差異があるのか、その辺もし承知をしておられたらお答えいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →渡
渡辺允#9
○渡辺(允)政府委員 クウェート政府側の扱いが多国籍軍に参加した国とそうでない国と異なるということはないと承知をいたしております。ただ、現実の問題といたしまして、これまでに大使館を再開いたしました例えば米国、英国、フランス等は、自国の軍隊が多国籍軍に参加して現地に展開をいたしておりますので、例えばサウジアラビアなりバハレーンからクウェート入りをする場合に自国の軍用機で入るというようなことに現実の問題としてなっていると理解をいたしております。
この発言だけを見る →浅
浅野勝人#10
○浅野分科員 人的に何も貢献できない国の悲哀を感じているのは、私のひとりよがりで杞憂だといいのですけれども、この人的貢献と関連して国連の平和維持機能について聞いておきます。
国連の平和維持活動は、これまで何回行われ、日本はどれだけどのようにかかわってきましたでしょうか。
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丹
丹波實#11
○丹波政府委員 まず、いわゆる国連の平和維持活動ですが、次のような幾つかの要素でできております。
一つは、国連の安保理または総会の決議に基づくということ、二つ目は、国連が加盟国から提供されました要員から平和維持軍または停戦監視団を組織するということ、三つ目は、関係当事国の同意を得て派遣される、四番目は、現地に派遣し紛争当事者間に介在して停戦の監視や治安の維持という任務に当たる、五番目の要素は、そういう活動を通じて事態の鎮静化や紛争の再発防止等に当たるということでございます。これまでこのような平和維持活動を国連が組織しましたものは十九回になっております。
日本として参加いたしましたのは四回でございまして、一つは、一九八八年から八九年に行われました国連アフガニスタン・パキスタン仲介ミッションというものに政務官一名を国連職員として、これは外務省員ですが派遣しております。二つ目は、一九八八年から八九年に行われました国連のイラン・イラク軍事監視団でございまして、これも外務省員を国連職員として一名政務官として派遣いたしております。三つ目は、一九八九年の十月から十一月にかけて行われました国連ナミビア独立支援グループの選挙監視グループと呼ばれるものに対して、日本といたしましては選挙監視要員として三十一名の要員を送っております。それから四番目は、一九九〇年の二月から三月にかけて行われました国連ニカラグア選挙監視団に対しまして日本政府として十名の要員を派遣いたしております。
この発言だけを見る →一つは、国連の安保理または総会の決議に基づくということ、二つ目は、国連が加盟国から提供されました要員から平和維持軍または停戦監視団を組織するということ、三つ目は、関係当事国の同意を得て派遣される、四番目は、現地に派遣し紛争当事者間に介在して停戦の監視や治安の維持という任務に当たる、五番目の要素は、そういう活動を通じて事態の鎮静化や紛争の再発防止等に当たるということでございます。これまでこのような平和維持活動を国連が組織しましたものは十九回になっております。
日本として参加いたしましたのは四回でございまして、一つは、一九八八年から八九年に行われました国連アフガニスタン・パキスタン仲介ミッションというものに政務官一名を国連職員として、これは外務省員ですが派遣しております。二つ目は、一九八八年から八九年に行われました国連のイラン・イラク軍事監視団でございまして、これも外務省員を国連職員として一名政務官として派遣いたしております。三つ目は、一九八九年の十月から十一月にかけて行われました国連ナミビア独立支援グループの選挙監視グループと呼ばれるものに対して、日本といたしましては選挙監視要員として三十一名の要員を送っております。それから四番目は、一九九〇年の二月から三月にかけて行われました国連ニカラグア選挙監視団に対しまして日本政府として十名の要員を派遣いたしております。
浅
浅野勝人#12
○浅野分科員 十九回のうち四回要員を派遣しているということでありまして、ナミビアあるいはニカラグアの総選挙の監視要員というようなことは日本にもってこいの仕事ですし、その意味では既に日本はPKOに参加をしているということになろうかと思います。
そこで、憲法の精神などから判断して日本が参加できる限界をどうお考えですか。
この発言だけを見る →そこで、憲法の精神などから判断して日本が参加できる限界をどうお考えですか。
丹
丹波實#13
○丹波政府委員 先生今ニカラグアの選挙監視への日本政府の要員について特に言及されましたけれども、昨年の二月に、この選挙監視団に参加したわけですが、日本の参加につきまして大変評価されまして、関係者からは次のような言葉が寄せられております。我々は日本よりランド・クルーザー三台借り上げに協力してもらい、さらには要員の提供及び資金的援助を受け、日本側の協力を高く評価している。日本からの今次要員は、全員三十歳代前半という若さであったが、ニカラグアについての知識も十分で、迅速に行動でき、かつ逆境にも耐え得る人物で高く評価している、こういうことでありました。
ちなみに、そのPKOに参加できる限界という御質問でございますけれども、一般論で申し上げますと、国連の平和維持活動の具体的な内容は、個々の事例によって異なっております。したがいまして、一般的にはなかなか論じることは難しいわけですが、あくまでも一般論として申し上げれば、その維持活動の任務・目的が、仮に武力行使というものを伴うものであれば日本の参加というのは憲法上許されないということが従来政府側が国会答弁あるいは政府の答弁書という形で申し上げてきている限界ということでございます。
この発言だけを見る →ちなみに、そのPKOに参加できる限界という御質問でございますけれども、一般論で申し上げますと、国連の平和維持活動の具体的な内容は、個々の事例によって異なっております。したがいまして、一般的にはなかなか論じることは難しいわけですが、あくまでも一般論として申し上げれば、その維持活動の任務・目的が、仮に武力行使というものを伴うものであれば日本の参加というのは憲法上許されないということが従来政府側が国会答弁あるいは政府の答弁書という形で申し上げてきている限界ということでございます。
浅
丹
丹波實#15
○丹波政府委員 例えばナミビアの例をとりますと、外務省の職員も行っておりますけれども、しかし多くの者は地方自治体の職員あるいは自治省の職員、こういう方々が一たん外務省員という身分を取得して出かけておられるということでございます。
この発言だけを見る →浅
浅野勝人#16
○浅野分科員 よくわかりました。今、軍事を伴う、ないしはその懸念が濃いものには参加ができないという見解のように承りましたけれども、例えば過去のPKO活動の中で、今のザイール、当時のコンゴでの国連軍活動などは、過去の例からいくとだめという見解ですか。
この発言だけを見る →丹
丹波實#17
○丹波政府委員 先ほど申し上げましたのは、一般論として申し上げれば、その任務・目的が仮に武力行使を伴うものであれば、我が国の参加については憲法上許されないと考えるということを申し上げたわけですが、この任務・目的に武力行使を伴うものということで典型的なケースとしてよく言われますのは、先生が今御指摘になられた、このコンゴにおきますところの平和維持軍の活動でございまして、このコンゴ平和維持軍の活動に関しましては、当時の安保理決議の中に、内戦防止のためには最終的には武力の行使を認めるということが明文で書かれてございますので、そういう意味ではその任務・目的の中に明確に武力行使も含まれているということで、いわゆるここで申し上げるその日本が憲法上参加を許されない典型的なケースじゃないかということでよく例に挙げられるケースでございます。
この発言だけを見る →浅
浅野勝人#18
○浅野分科員 今回のサダム・フセインのような特殊なパーソナリティーの人物を除いて、世界じゅうに戦争をしたいと思っている指導者や国民というのはいないわけですから、最初から戦をしよう、武力を行使しようとして国連の平和維持活動に参加するわけではないということを考えますと、私は、青竹を割るようにこれに線を引くことはなかなか難しかろうと思いますし、武力の行使にかかわることはきつく憲法で禁じられているとおりではありますけれども、場合によっては、ケースによっては勇気を持って与野党の合意を、国民のコンセンサスを得ながら果敢に取り組んでいくのが国連への真の意味での協力になるかと存じます。
パレスチナ問題に戻りますけれども、国連はダブルスタンダードだという主張に対し、日本政府はどのような見解をとるのか、玉虫色ならそれなりにわかりやすく答えていただきたいと思います。よく選挙区で聞かれて私どもも、うっと詰まってうまく答えられないことがある。庶民感覚からしても、イラクは悪いけれどもイスラエルは構わないんだということにはならないわけで、これまで日本政府はかなり明確な立場をとってきているわけですので、もう一度整理して、わかりやすく見解を聞かせていただきたいと存じます。
この発言だけを見る →パレスチナ問題に戻りますけれども、国連はダブルスタンダードだという主張に対し、日本政府はどのような見解をとるのか、玉虫色ならそれなりにわかりやすく答えていただきたいと思います。よく選挙区で聞かれて私どもも、うっと詰まってうまく答えられないことがある。庶民感覚からしても、イラクは悪いけれどもイスラエルは構わないんだということにはならないわけで、これまで日本政府はかなり明確な立場をとってきているわけですので、もう一度整理して、わかりやすく見解を聞かせていただきたいと存じます。
渡
渡辺允#19
○渡辺(允)政府委員 ただいま先生御指摘の問題につきましては、二つの点があると思います。
第一の点は、イラクのクウェート侵攻というものの性質と、このパレスチナ問題の性質の差であろうかと存じます。すなわち、イラクのクウェート侵攻は、独立国に対して何の挑発もないままこれを武力によって侵略をし、併合したという問題でございますし、他方のパレスチナ問題は、パレスチナという土地に関しますユダヤ人とパレスチナ系アラブ人の非常に長い歴史的な争いの延長線上の問題であるということが第一点であろうかと存じます。
それから第二点は、パレスチナ問題につきまして御承知の安保理決議二四二、三三八というものがございまして、これはいずれも安保理決議といたしまして、問題の当事者間の交渉による解決を要求しているわけでございます。その交渉がいろいろな形でこれまでも続けられてきておりますが、その結論が出ていないという意味におきまして、特にパレスチナ系アラブ人の不満があるということは事実でございますが、これは安保理決議に従った解決を国際社会としても求めてきたということであろうかと思います。
日本政府の立場といたしましては、このパレスチナ問題につきましては、二四二、三三八を基礎といたしまして、イスラエルの全占領地からの撤退、それから、独立国家の建設の権利を含みますパレスチナ人の民族自決権の承認、それからイスラエルの生存権の承認という三つの基本的な原則に基づいてこの問題が解決されるべきであるという立場を一貫してとってきております。
この発言だけを見る →第一の点は、イラクのクウェート侵攻というものの性質と、このパレスチナ問題の性質の差であろうかと存じます。すなわち、イラクのクウェート侵攻は、独立国に対して何の挑発もないままこれを武力によって侵略をし、併合したという問題でございますし、他方のパレスチナ問題は、パレスチナという土地に関しますユダヤ人とパレスチナ系アラブ人の非常に長い歴史的な争いの延長線上の問題であるということが第一点であろうかと存じます。
それから第二点は、パレスチナ問題につきまして御承知の安保理決議二四二、三三八というものがございまして、これはいずれも安保理決議といたしまして、問題の当事者間の交渉による解決を要求しているわけでございます。その交渉がいろいろな形でこれまでも続けられてきておりますが、その結論が出ていないという意味におきまして、特にパレスチナ系アラブ人の不満があるということは事実でございますが、これは安保理決議に従った解決を国際社会としても求めてきたということであろうかと思います。
日本政府の立場といたしましては、このパレスチナ問題につきましては、二四二、三三八を基礎といたしまして、イスラエルの全占領地からの撤退、それから、独立国家の建設の権利を含みますパレスチナ人の民族自決権の承認、それからイスラエルの生存権の承認という三つの基本的な原則に基づいてこの問題が解決されるべきであるという立場を一貫してとってきております。
浅
浅野勝人#20
○浅野分科員 湾岸戦争前の中東におけるイスラエルの立場と戦後の今では、比較にならないほど立場が強まったと判断いたします。イスラエルの存在は、中東でのアメリカの新たなプレゼンスと切り離して考えられないだけに、その重みは一段と増した、安定したと見ていいと思います。強いイスラエルが誕生した今こそ、中東の包括的和平を進めやすい政治環境が生まれてきたと私は考えます。イスラエルの全占領地からの撤退、独立国家樹立の権利を含むパレスチナ人の民族自決権の承認、イスラエルの生存権の承認を通じて恒久平和を達成すべきだという日本政府の主張は、世界に立派に通用する、間違ったものだとは思っておりません。問題は、どうやってこれを実行させるか、そのためにどんな役割を日本が果たすことができるのかが肝要だと存じます。外務大臣の決意のほどを伺っておきます。
この発言だけを見る →中
中山太郎#21
○中山国務大臣 まず、イスラエルと日本との関係というものは、外交関係は、悪い関係ではありませんけれども特に緊密な関係という関係では今日まではなかった、私はそのように認識をいたしておりますが、やはり今回のイスラエルの、中東湾岸戦争におけるその戦火を拡大しないということについての自制、これは極めて高く評価すべきだと私は思っております。そういう意味で、私は近い将来にイスラエルを一度公式訪問をして、外相会談を持って意見を交換して、中東に対するイスラエルのこれからの取り組みについての見解をよくただしておきたいという考え方を一つ持っておることを明確に申し上げておきたいと思います。
なお、イスラエルとパレスチナの問題、御案内のようにどうしてインティファーダが起こったり、あるいはまたテロが起こるかという問題を解決するためには、パレスチナ人の生活水準をいかに上げるかということが一つの大きな問題点というふうに認識をいたしておりまして、そういう意味でも、パレスチナ問題について日本政府としてできることはやはり協力をしてやっていくという方針を持ってまいらなければならない、このように考えております。
この発言だけを見る →なお、イスラエルとパレスチナの問題、御案内のようにどうしてインティファーダが起こったり、あるいはまたテロが起こるかという問題を解決するためには、パレスチナ人の生活水準をいかに上げるかということが一つの大きな問題点というふうに認識をいたしておりまして、そういう意味でも、パレスチナ問題について日本政府としてできることはやはり協力をしてやっていくという方針を持ってまいらなければならない、このように考えております。
浅
浅野勝人#22
○浅野分科員 戦後は物で、お金で戦後復興に寄与するという役割が日本にも一つあると思いますけれども、まさに今大臣が決意を述べられたように、出番かなという気がいたしますので、今のような基本認識に立って大いに活躍していただくことが日本のためであり、湾岸のみならず旧西側に足場を置いた日本外交の基本かと思いますので、大いに頑張っていただきたいと思います。
最後に一点、生物化学兵器の製造に転用することが潜在的に可能な民生用の製造設備やミサイル技術の拡散防止のための新しい輸出規制がアメリカから発表されたようであります。日本への協力要請はこの点について来ておりますか、どんなアプローチがありますか。
この発言だけを見る →最後に一点、生物化学兵器の製造に転用することが潜在的に可能な民生用の製造設備やミサイル技術の拡散防止のための新しい輸出規制がアメリカから発表されたようであります。日本への協力要請はこの点について来ておりますか、どんなアプローチがありますか。
林
林貞行#23
○林(貞)政府委員 先生今御指摘のアメリカの新しい輸出規制措置でございますが、これは三月七日にアメリカ政府から発表になりました。現段階でアメリカから我が国に対して正式な協力要請が来ているわけではございませんが、米政府はこの措置を発表するに当たりまして、すべての主要な供給国がみずからの規制と同等の措置をとる必要があるとして、オーストラリア・グループ、ミサイル関連技術輸出規制等の場を通じまして、我が国を含む関係国に協力要請を行うとの方針を明らかにしております。今後、これらの場において正式な要請がなされるものと理解しております。
この発言だけを見る →浅
林
林貞行#25
○林(貞)政府委員 先ほど申し上げましたように、現段階で具体的協力要請が来ているわけではございませんで、アメリカ政府が言っておりますように、今後それぞれの場、例えばオーストラリア・グループそれからミサイル関連技術輸出規制の場で協力要請が来るものと思っておりますが、アメリカが三月七日に発表しました措置といいますのは、例えば化学兵器の原材料については現在の規制を、今原材料については十四の義務的な規制が行われておりますが、それを五十にするというふうに非常にはっきりしたものでございますが、例えば生物化学兵器の製造に関連する設備をどうするかというものについては具体的なリストは現段階で発表になっておりません。アメリカ側としては、このリストをみずから固めるかたわら、関係国に対しても要請を行ってくるもの、こういうふうに理解をしております。
この発言だけを見る →浅
浅野勝人#26
○浅野分科員 ポスト冷戦構造の中での日米関係というのは、従来の意味とまた違った視点があろうかとは思いますけれども、やはり今度の湾岸戦争を経て、ベトナム戦争以降ドルの威信が低下し、アメリカ社会はエイズと麻薬と売春で腐ったリンゴのようだというような認識を抱いていた中で、いざというときには国民のコンセンサスが大変見事に統一されて、自分たちに直接利害のないことでも世界のデモクラシーを守るためにあそこまで団結できるすばらしい国だということを改めて教えられたような思いがいたします。新しい視点に立った日米協調、日米基軸というものをもう一遍ポスト湾岸の中で構築してもらう努力をしっかり、挙げてお互いに努力していってもらいたいということをお願いして、私の質問時間を終わらしていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →林
松
松浦昭#28
○松浦(昭)分科員 私は、本予算委員会の第二分科会におきまして、目下激動を続けますソ連邦の動向及び特に極東地域を中心とした援助問題に関しまして若干の質問をさせていただきたいと思う次第でございます。
私は昨年の九月から十月にかけまして訪ソ団の一員といたしましてモスクワ、レニングラードを訪問させていただき、また昨二月十一日から十三日までの間にサハリン友好議員連盟の一員といたしましてサハリンに行ってまいりました。かつて私は水産庁に奉職をいたしておりましたが、日ソの漁業交渉も担当させていただいた次第でございますけれども、十数回訪ソをその際にいたしておりましたけれども、今回見ましたものは、かつてと比べ物にならないほど悪化した経済事情であり、また同時に庶民のペレストロイカに対しますところの不信の気持ちでございました。
その状況をつまびらかにここで述べたり、あるいはその原因を論ずるいとまはありませんけれども、私は、やはりソ連がペレストロイカあるいは情報公開ということを推進しまして、共産党一党独裁の体制を排除しまして、できるだけ民主的な政治形態を取り入れると同時に、その経済も我々がとる市場経済に近づいてくることが望ましいと考えている一人でございます。したがいまして、その方向を進めるためには、ペレストロイカ援助とでも申しましょうか、ソ連に対する西側の援助を強化いたしましてその経済を再建せしめて、ペレストロイカの円滑な進展に協力しなければならないという立場に立つものでございます。
しかし、このような考え方をとる者にとりまして、昨年末のシェワルナゼ外相の辞任、バルト三国における流血の惨事というのは、私にとっても大きな衝撃であった次第でございます。軍部あるいは保守派の台頭を予想した同外相の予言が次第に現実性を帯びてまいってきております。また一方、ソ連邦は、自主独立を要求する各共和国との間に民族問題を含んだ大きなきしみを生じておりまして、中央政府と地方政権との間の亀裂も拡大いたしまして、その中で来る十七日この問題に関する国民投票を迎えようとしている次第でございます。昨日のテレビを見ておりましても、急進改革派の五十万人に及ぶ赤の広場を埋め尽くした群衆の姿は、このソビエトの苦悩というものを物語っていると思って拝見をいたしておりました。
このような激動する政情の中にありまして、私はサハリンにおいて、地域経済の独立を追求し、また民主主義と市場経済を求めて努力を続ける地方政権の姿に接してまいりました。また、その目標の実現のために我々の援助を要請するという非常に真剣な声も聞いてきたわけでございます。私は、この二つの貴重な視察を通じまして得られた現在の私の考えを私なりにまとめてみますと、次の三点に要約できると思います。
その第一は、サハリンを含む極東地域こそは、その地理的あるいは経済的な立地の条件から考えましても、我が国が援助の力点を置くべき地域であるということであります。また同地域におきましては、ペレストロイカを推進しようとしている勢力の強い地域であります。したがって、この地域に我が国の援助を集中することは、ソ連邦全体が保守化する傾向を牽制し、また我が国が隣接する地域に我々と類似した政治経済の形態を持つ地域を保持することによりまして、我が国の平和と安全を確保することができるというふうに考えておるのでございます。この趣旨から、我々はこの極東地域こそ我々の援助を集中すべき地域であると考えてまいりました。
第二は、北方四島問題との関連であります。私は、もとよりこれらの島々が我が国の固有の領土であるという信念にいささかの揺らぎも持つておりませんし、また、その返還のためには政経不可分の原則というものは基本的にはこれを堅持しなければならないという立場をとっているものであります。またしかしながら、同時に、ただ返還のみを大きな声で繰り返しているだけではその実現は困難ではないかとも危惧をいたしている次第でございます。特にソ連側の考え方に立ってこの四島の地域を見ますると、これはサハリン州政府の管轄区域に属していると言われているわけであります。現にそこに住む人々の直接の利害を反映する政府でもあります。したがいまして、この人々が四島についての我が国の主張を容認してくれる以外には、四島返還という糸口はなかなかつかめないのではないかというふうに思うのであります。それゆえ、私はこの極東、とりわけサハリンの地域に重点的な経済援助を行うことを示しつつ、一方我が国の四島の主張というものに十分耳を傾けさせるように努めていくことが北方領土問題の解決にとって最も有効な手だてであると考えたのであります。
さらに、第三点といたしまして、これはやや我田引水になるわけでございますけれども、この地方への援助、協力を誘い水といたしまして、今後経済の交流あるいは人的な交流が進むことになりますれば、このことは、いまだ経済社会の発展が本州に比しておくれをとっております北海道の発展にとりまして、貴重な貢献をしてくれるものと考えるものであります。
今や日本海の時代が到来すると言われているのでありますが、例えば北海道の小樽は、かつてサハリン、沿海州の貿易で栄えた港であり、その貿易の沈滞とともに地盤沈下を生じた町でもあります。現体制のもとにおいては、今後の貿易の伸長はなかなか望むべくもないと思うわけでありますが、政府の援助をてこにして北海道とこの極東地域の物的、人的交流を図っていくならば、地域間格差に苦しむ北海道にとって大きな福音となるでありましょう。
私の考えは以上のとおりでございますが、しかし、このような考え方には、現実の情勢の変化の中で克服すべき幾多の複雑な要因をはらんでいることは否定できないと思っております。しかし、こらの困難は乗り越えるべき困難であると思います。特にこの四月、ゴルバチョフ大統領の来日を控えまして、日ソ関係が大きな転機を迎えようとするときに、以下の諸点につきまして政府がいかなるお考えをお持ちになるか、ぜひお伺いいたしたいと思っておる次第でございます。
その第一は、政府はかねてから総計十億円の食糧援助、そしてまた医薬品援助、さらには一億ドルの食糧支援のための輸出入銀行の融資を御決定なさっておられるわけでございますけれども、現下の情勢のもとで、これらの援助措置の実施をどうお考えになっておられるのか、また、一般的に申しまして、こういった種類の援助は、その地理的関係なりあるいは経済的関係から見ましても、先ほど申しましたように、極東地域に集中的に実施することが効果的であると考えるわけでございますが、どのようなお考えをお持ちになるか、大臣にお伺いをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →私は昨年の九月から十月にかけまして訪ソ団の一員といたしましてモスクワ、レニングラードを訪問させていただき、また昨二月十一日から十三日までの間にサハリン友好議員連盟の一員といたしましてサハリンに行ってまいりました。かつて私は水産庁に奉職をいたしておりましたが、日ソの漁業交渉も担当させていただいた次第でございますけれども、十数回訪ソをその際にいたしておりましたけれども、今回見ましたものは、かつてと比べ物にならないほど悪化した経済事情であり、また同時に庶民のペレストロイカに対しますところの不信の気持ちでございました。
その状況をつまびらかにここで述べたり、あるいはその原因を論ずるいとまはありませんけれども、私は、やはりソ連がペレストロイカあるいは情報公開ということを推進しまして、共産党一党独裁の体制を排除しまして、できるだけ民主的な政治形態を取り入れると同時に、その経済も我々がとる市場経済に近づいてくることが望ましいと考えている一人でございます。したがいまして、その方向を進めるためには、ペレストロイカ援助とでも申しましょうか、ソ連に対する西側の援助を強化いたしましてその経済を再建せしめて、ペレストロイカの円滑な進展に協力しなければならないという立場に立つものでございます。
しかし、このような考え方をとる者にとりまして、昨年末のシェワルナゼ外相の辞任、バルト三国における流血の惨事というのは、私にとっても大きな衝撃であった次第でございます。軍部あるいは保守派の台頭を予想した同外相の予言が次第に現実性を帯びてまいってきております。また一方、ソ連邦は、自主独立を要求する各共和国との間に民族問題を含んだ大きなきしみを生じておりまして、中央政府と地方政権との間の亀裂も拡大いたしまして、その中で来る十七日この問題に関する国民投票を迎えようとしている次第でございます。昨日のテレビを見ておりましても、急進改革派の五十万人に及ぶ赤の広場を埋め尽くした群衆の姿は、このソビエトの苦悩というものを物語っていると思って拝見をいたしておりました。
このような激動する政情の中にありまして、私はサハリンにおいて、地域経済の独立を追求し、また民主主義と市場経済を求めて努力を続ける地方政権の姿に接してまいりました。また、その目標の実現のために我々の援助を要請するという非常に真剣な声も聞いてきたわけでございます。私は、この二つの貴重な視察を通じまして得られた現在の私の考えを私なりにまとめてみますと、次の三点に要約できると思います。
その第一は、サハリンを含む極東地域こそは、その地理的あるいは経済的な立地の条件から考えましても、我が国が援助の力点を置くべき地域であるということであります。また同地域におきましては、ペレストロイカを推進しようとしている勢力の強い地域であります。したがって、この地域に我が国の援助を集中することは、ソ連邦全体が保守化する傾向を牽制し、また我が国が隣接する地域に我々と類似した政治経済の形態を持つ地域を保持することによりまして、我が国の平和と安全を確保することができるというふうに考えておるのでございます。この趣旨から、我々はこの極東地域こそ我々の援助を集中すべき地域であると考えてまいりました。
第二は、北方四島問題との関連であります。私は、もとよりこれらの島々が我が国の固有の領土であるという信念にいささかの揺らぎも持つておりませんし、また、その返還のためには政経不可分の原則というものは基本的にはこれを堅持しなければならないという立場をとっているものであります。またしかしながら、同時に、ただ返還のみを大きな声で繰り返しているだけではその実現は困難ではないかとも危惧をいたしている次第でございます。特にソ連側の考え方に立ってこの四島の地域を見ますると、これはサハリン州政府の管轄区域に属していると言われているわけであります。現にそこに住む人々の直接の利害を反映する政府でもあります。したがいまして、この人々が四島についての我が国の主張を容認してくれる以外には、四島返還という糸口はなかなかつかめないのではないかというふうに思うのであります。それゆえ、私はこの極東、とりわけサハリンの地域に重点的な経済援助を行うことを示しつつ、一方我が国の四島の主張というものに十分耳を傾けさせるように努めていくことが北方領土問題の解決にとって最も有効な手だてであると考えたのであります。
さらに、第三点といたしまして、これはやや我田引水になるわけでございますけれども、この地方への援助、協力を誘い水といたしまして、今後経済の交流あるいは人的な交流が進むことになりますれば、このことは、いまだ経済社会の発展が本州に比しておくれをとっております北海道の発展にとりまして、貴重な貢献をしてくれるものと考えるものであります。
今や日本海の時代が到来すると言われているのでありますが、例えば北海道の小樽は、かつてサハリン、沿海州の貿易で栄えた港であり、その貿易の沈滞とともに地盤沈下を生じた町でもあります。現体制のもとにおいては、今後の貿易の伸長はなかなか望むべくもないと思うわけでありますが、政府の援助をてこにして北海道とこの極東地域の物的、人的交流を図っていくならば、地域間格差に苦しむ北海道にとって大きな福音となるでありましょう。
私の考えは以上のとおりでございますが、しかし、このような考え方には、現実の情勢の変化の中で克服すべき幾多の複雑な要因をはらんでいることは否定できないと思っております。しかし、こらの困難は乗り越えるべき困難であると思います。特にこの四月、ゴルバチョフ大統領の来日を控えまして、日ソ関係が大きな転機を迎えようとするときに、以下の諸点につきまして政府がいかなるお考えをお持ちになるか、ぜひお伺いいたしたいと思っておる次第でございます。
その第一は、政府はかねてから総計十億円の食糧援助、そしてまた医薬品援助、さらには一億ドルの食糧支援のための輸出入銀行の融資を御決定なさっておられるわけでございますけれども、現下の情勢のもとで、これらの援助措置の実施をどうお考えになっておられるのか、また、一般的に申しまして、こういった種類の援助は、その地理的関係なりあるいは経済的関係から見ましても、先ほど申しましたように、極東地域に集中的に実施することが効果的であると考えるわけでございますが、どのようなお考えをお持ちになるか、大臣にお伺いをいたしたいと思います。
中
中山太郎#29
○中山国務大臣 今委員お尋ねの、対ソの人道的支援につきましては、昨年末、我が国政府としてソ連に対する緊急人道援助措置を決定いたしました。その後、医薬品、食糧供与などの十億円拠出先たる赤十字社連盟及びソ連側関係機関と連絡をとりつつ、品目の選定作業等の事務的準備を行ってまいりました。ソ連の国内事情等も勘案しつつ、先般赤十字社連盟に対する拠出を一部実施いたし、近く支援物資の輸送を開始すべく、現在準備中でございます。その他の支援策につきましても、事務的準備を現在進めているところでございます。
また、極東地域に集中的に実施することが好ましいのではないかというお話でございますが、配分につきましては極東地域に重点を置くべきとの考え方は、適切にこの地域に集中的に配分できるように政府としては配慮をしてまいりたい、このように考えております。
この発言だけを見る →また、極東地域に集中的に実施することが好ましいのではないかというお話でございますが、配分につきましては極東地域に重点を置くべきとの考え方は、適切にこの地域に集中的に配分できるように政府としては配慮をしてまいりたい、このように考えております。