商工委員会

1991-04-09 参議院 全166発言

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会議録情報#0
平成三年四月九日(火曜日)
   午後一時三十三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     高崎 裕子君     市川 正一君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     浜本 万三君     森  暢子君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     森  暢子君     浜本 万三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         名尾 良孝君
    理 事
                斎藤 文夫君
                前田 勲男君
                梶原 敬義君
                井上  計君
    委 員
                岩本 政光君
                大木  浩君
                合馬  敬君
                藤井 孝男君
                向山 一人君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                庄司  中君
                谷畑  孝君
                浜本 万三君
                森  暢子君
                吉田 達男君
                広中和歌子君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                池田  治君
                今泉 隆雄君
   国務大臣
       通商産業大臣   中尾 栄一君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       越智 通雄君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      梅澤 節男君
       公正取引委員会
       事務局長     植木 邦之君
       経済企画庁長官
       官房長      寺村 信行君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   黒川 雄爾君
       経済企画庁調整
       局長       末木凰太郎君
       経済企画庁国民
       生活局長     加藤  雅君
       経済企画庁物価
       局長       田中  努君
       経済企画庁総合
       計画局長     冨金原俊二君
       経済企画庁調査
       局長       田中 章介君
       通商産業大臣官
       房長       熊野 英昭君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   高島  章君
       通商産業大臣官
       房会計課長    林  康夫君
       通商産業省通商
       政策局長     畠山  襄君
       通商産業省通商
       政策局次長    麻生  渡君
       通商産業省立地
       公害局長     岡松壯三郎君
       通商産業省生活
       産業局長     南学 政明君
       資源エネルギー
       庁長官      緒方謙二郎君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        向 準一郎君
       資源エネルギー
       庁石油部長    黒田 直樹君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    土居 征夫君
       特許庁長官    植松  敏君
       特許庁特許技監  吉田 豊麿君
       特許庁総務部長  辛嶋 修郎君
       特許庁審査第一
       部長       大塚 和彦君
       中小企業庁次長  西川 禎一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○平成三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公正取引委員会、経済企画庁)、通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫)
○商標法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○再生資源の利用の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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名尾良孝#1
○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、高崎裕子君が、また昨八日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として市川正一君及び森暢子君が選任されました。
    ─────────────
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名尾良孝#2
○委員長(名尾良孝君) 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は前回終局いたしておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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名尾良孝#3
○委員長(名尾良孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 梶原敬義君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
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梶原敬義#4
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合及び参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、炭鉱の閉山による疲弊が依然として深刻な状況にある第八次石炭政策影響地域等に対し
ては、最も重要な施策対象地域として、当該地方公共団体への財政支援の強化等重点的かつ強力な支援策を講ずること。
 二、対象地域の見直し、特に指定解除に当たっては、地域の実情を十分配慮しつつ、合理的な基準に基づいて行うとともに、適切な猶予期間を設ける等の激変緩和措置を講ずること。
 三、産炭地域振興実施計画の実効性を高めるため、必要な財源を十分確保し諸施設の充実に努めるとともに、関係省庁間及び関係地方公共団体との連絡・協調体制を一層緊密化すること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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名尾良孝#5
○委員長(名尾良孝君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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名尾良孝#6
○委員長(名尾良孝君) 全会一致と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中尾通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中尾通商産業大臣。
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中尾栄一#7
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し万全を期する所存でございます。
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名尾良孝#8
○委員長(名尾良孝君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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名尾良孝#9
○委員長(名尾良孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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名尾良孝#10
○委員長(名尾良孝君) 去る三月二十九日、予算委員会から、本日四月九日午後の半日間、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。
 まず、通商産業大臣から説明を聴取いたします。中尾通商産業大臣。
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中尾栄一#11
○国務大臣(中尾栄一君) 平成三年度通商産業省関係予算の商工委員会委嘱審査における御審議に先立って、一言ごあいさつ申し上げます。
 世界は大きな歴史の転換点を迎えております。変化はきしみを伴うものでありますが、同時に躍動の源にもなります。現在、極めて流動的な情勢の中で、新たな国際秩序を構築すべく各国が努力を重ねているところであります。
 すなわち、イラクの力による不法な支配に対し、国際社会はかってない協力体制を築き、平和と安全を回復しつつあります。また、保護主義的な動きを排除し、二十一世紀へ向けた自由貿易体制を確率するため、ウルグアイ・ラウンドを初めとする種々の交渉に積極的に取り組んでいるところであります。さらに、東西融和を確固たるものとするために、引き続きさまざまな努力が払われております。こうした中で、我が国は国際社会におけるその地位の高まりをみずから認識しつつ、責任ある対応を進めていかねばなりません。
 国内に目を転じますと、我が国経済は、既に四年を超えて内需主導による景気拡大を継続しておりますが、米国における景気動向など不透明な状況もあります。我が国は直面しつつある広範かつ多様な変化に柔軟に対応し、中長期的に、経済の活力を維持し、国土の均衡ある発展、豊かさを実感することのできる国民生活を実現していかねばなりません。
 私は、このような認識のもとに、関係諸国と協力しつつ湾岸地域における経済、技術面での国際協力に適切に対処するとともに、次の項目を重点に全力を挙げて通商産業政策を推進してまいる所存であります。
 第一は、新たな流通産業政策の展開であります。第二は、魅力ある労働環境の形成であります。第三は、廃棄物処理・再資源化対策の推進であります。第四は、東京一極集中の是正と地域の活性化であります。第五は、国際貢献の充実と産業活動のグローバリゼーションへの対応であります。第六は、資源エネルギー施策の着実な推進であります。第七は、活力に満ちた中小企業の育成であります。第八は、科学技術の振興であります。第九は、情報化の推進であります。
 平成三年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たりましては、このような基本的方向に沿って諸施策の実現を図ることとした次第であります。
 この結果、一般会計は、七千八百六十一億三千五百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計六千二百五十億二千七百万円、電源開発促進対策特別会計三千八百八十六億三千二百万円、特許特別会計六百二十四億五千四百万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。
 また、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで七兆二千九百七十八億円を計上しております。
 通商産業省関係予算及び財政投融資計画の内容につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
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名尾良孝#12
○委員長(名尾良孝君) 次に、経済企画庁長官から説明を聴取したします。越智経済企画庁長官。
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越智通雄#13
○国務大臣(越智通雄君) 平成三年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、四百六十四億七千万円余であります。また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として七千二百七十億円を予定しております。
 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 第一に、生活のゆとりと豊かさを重視した施策の積極的展開に必要な経費として、二十六億七千万円余を計上しております。この内訳の主なものは、国民生活センターの商品テスト施設の整備、拡充を図り、輸入品や先端技術を用いた商品の安全性、性能等に関する消費者情報の収集、提供を充実する等、消費者保護を推進するために必要な経費であります。
 第二に、調和ある対外経済関係の形成と世界への貢献に必要な経費として三百五十八億二千万円余を計上しております。この内訳の主なものは、海外経済協力基金に対する交付金三百五十五億円余であります。本基金の平成三年度の事業規模は、政府開発援助の第四次中期目標の着実な実現を図るため、九千百億円を予定しております。このための資金としては、一般会計において前述の交付金のほか出資金二千七百三十億円が計上されておりますとともに、財政投融資計画において資金運用部資金等からの借入金が七千二百七十億円となっております。なお、出資金は大蔵省に計上されております。
 第三に、適切かつ機動的な経済運営と調査、分析の充実に必要な経費として二十七億五千百万円余を計上しております。この内訳の主なものは、内外の経済動向についての情報の収集、分析、物価動向のきめ細かな調査、監視などに必要な経費であります。
 第四に、二十一世紀へ向けた経済政策の推進に必要な経費として一億四千九百万円余を計上しております。
 以上、平成三年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
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名尾良孝#14
○委員長(名尾良孝君) 次に、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。梅澤公正取引委員会委員長。
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梅澤節男#15
○政府委員(梅澤節男君) 平成三年度の公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 総理府所管一般会計歳出予算のうち公正取引委員会の予算額は、四十億八千三百万円となっており、これは前年度予算額に比べて一億五千二百万円、三・九%の増額となっております。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、独占禁止法施行経費等として三十八億三千六百万円を計上しております。違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策のための経費など、独占禁止法を厳正に運用するための経費等であります。この中には、違反事件に対する審査部門の増員や、違反事件の審査機能を強化する機構の拡充のための経費が含まれております。
 第二に、下請代金支払遅延等防止法施行経費として二千五百万円を計上しております。法運用の強化と啓発、普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。
 第三に、不当景品類及び不当表示防止法施行経費として二億二千二百万円を計上しております。
 公正な競争を維持、促進することにより消費者の保護を図り、景品表示行政を積極的に推進するための経費であります。
 以上、平成三年度における公正取引委員会の予算について、その概要を御説明申し上げました。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
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名尾良孝#16
○委員長(名尾良孝君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
 この際、本件及び前回趣旨説明を聴取いたしました商標法の一部を改正する法律案をそれぞれ議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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吉田達男#17
○吉田達男君 委嘱審査に当たりまして、通産大臣に質問をいたします。
 日本は、近代産業技術革新の国家としての大きい評価を受けておりますが、また最近の日本の動きの中では、ふるさと創生など日本の文化、民族の誇る伝統的な産業についてもまた見直されて、それをもって生活する中で心の豊かさを求める、こういう動きも顕著でございます。
 しかるところ、伝産法が制定されてからもう十七年を迎えた今日、伝統産業の売り上げは必ずしも大きくありませんが、趨勢としては若干下降しており、従事する労働者の数も減っておる、このような状況でございます。
 通産大臣は、この伝統的な産業が持つ日本文化あるいは日本の産業文化史における位置づけをどう考えられて、今日の伝産業をどう発展させようと考えられるか、現状の認識についてお答えをいただきたいと思います。
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中尾栄一#18
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま委員御指摘のとおり、ゆとりと豊かさというのは私ども海部内閣で絶えず言っている言葉ではございますが、そのような意味におきましても通産省としましては、我が国の風土と歴史の中ではぐくまれました伝統的工芸品産業というものは、国民の生活に豊かさと潤いを与えまして地域経済の健全な発展に資するものと認識している次第でございます。
 このような観点から、通産省としましては、昭和四十九年に制定されました、先ほど委員申していただきました伝統的工芸品産業の振興に関する法律というものに基づきまして、平成二年度末までに百七十一の伝統的工芸品の指定を行いまして、財政、金融、税制上の措置というものを含め各種の助成策を講じまして、その振興を図っているところでございます。
 伝統的工芸品産業の振興というものは、九〇年代の通商産業政策の柱の一つとして掲げておりますゆとりと豊かさのある国民生活というものを実現していくためには、ますます意義を持つものと考えており、その重要な有意義性を率直に認めざるを得ないわけでございます。今後とも、伝統的工芸品産業の振興になお一層の努力を傾注していく考え方でございます。
 以上でございます。
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吉田達男#19
○吉田達男君 大臣において、基本的な取り組みについてのお考えは了といたしまして、今後に期待いたします。
 現実にどのような業態にあるのか、これについて担当の方は正確に掌握していらっしゃると思うので、お尋ねをいたします。私の認識は、現在の伝産工芸品を生産しておる業者は零細でありまして、その伝産法の指定を受けて振興計画を立てておっても、これが一次、二次、三次にわたるような過程において、その計画のとおりにいかないようなものも多くございますし、また現在指定を受けていないものでは後継者の状況も悪化してきている。ついには技術伝承もできないような状況にある。辛うじて、従業者三十人でございますか、その指定基準に合うものにしても特に零細なものは、そのような中小企業等協同組合法に基づく組合の設立、二年度にわたる計画、さらには振興計画等々を庶務的にこなして認可を受けてそれをやるにしては手続的に十分な体制にない。このために、現在辛うじてその伝産技術がありながらも、その指定を受けたりして法の育成の目的に沿っていないような点も多いと認識するのでありますが、その辺も踏まえて現状を御報告いただきたいと思います。
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南学政明#20
○政府委員(南学政明君) 伝統的工芸品の指定品目は、大臣答弁にもありましたように今百七十一品目を指定いたしております。これらの伝統的工芸品産業というのは、品目にもよりますが、一般的に言いまして需要の減退等を反映し生産額が減少しております。また、後継者難あるいは原材料の入手難等の問題にも直面いたしているところでございます。
 通産省としては、こうした事態を克服するために、各産地において後継者育成事業、需要開拓事業あるいは伝統産業会館の建設など、いろいろな施策を産地の実情に合わせて推進しているところでございます。
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吉田達男#21
○吉田達男君 現状においていろいろ困難な経済界の変化もある。これにいかに対応すべきかという点についてどのように指導しておるか、お伺いをいたしたいと思います。
 特に後継者の問題であります。後継者の育成については、施策はあるけれども、指定を受けていなければこの方途も受けられない。しかし、昔の伝統的な後継者の育成の仕方は、戦前であれば兵隊検査までに弟子入りして一人前になる修業をして、それから親方離れする前にお礼奉公をすると、こういうような形で技術伝承をした者が独立した。
 しかし戦後は、非常な困難の中で現在を迎えておりますが、現在ではその者の数が減っておりまして、これから次の十五年先、二十年先の伝承をするという後継者が昔のような形で育つ社会体制にない。ただでも労働者の雇用状況が悪化している中小企業でありますから、このような伝産業における後継者というものは大変に困難な状況にあると思う。それについてどういう対策を立てようとしておるのか。
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南学政明#22
○政府委員(南学政明君) 後継者の育成確保対策というのは、伝統的工芸品産業の振興のために極めて重要な政策であると認識いたしておりまして、私どもは、各産地組合が行う研修会等の後継者確保育成事業に対する助成、あるいは研修等の場にもなり得る伝統産業会館の建設等に側面から財政的な支援を行いまして、その推進を図っているところでございます。今後とも、こうした施策を着実に実施していきたいと考えております。
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吉田達男#23
○吉田達男君 それは、指定を受けて一定の形が現在あるというものです。
 一つ提案でございますけれども、現在一人前になるまでに、伝統産業工芸品を商品価値のあるものとしてつくるまでに期間がかかるわけです。その間は製品をつくるに当たって自分のものとしての商品が生産できない。こういう過程において一
人前になるまでどう育成するかというのです。
 それは、昔であれば親方が抱えていたものです。企業の形に成長していれば企業が抱え込むことができる。しかし零細なものはそれができない。そこで、そうなるまで一定の形で、例えば中小企業等協同組合法がなければ対象にならないのだから、そこのところに育成のための補助金を出して、それが成長期間何年か一人前になるまで、いわば職業訓練のような形でこれを育成して育てなければとても新しいものができない。そうでなければ、家族的なものの後継者を求めるしかもう道がなくなってしまう。
 私の提案については、どういうふうにお考えでありますか。
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南学政明#24
○政府委員(南学政明君) 修業期間中の人件費等の援助に関しましては、財政的あるいは制度的な制約等からいろいろ難しい問題があろうかと思い‐ますが、御指摘の点も含めまして今後可能性について勉強はしてみたいと思います。
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吉田達男#25
○吉田達男君 それから、私も多少関係して見ておるんですが、時代が変わりますと素材が変わる。新しい素材で伝統工芸を今に生かすというのが経済界であります。そこで二つの問題が起こる。
 一つは、古い伝統工芸品の素材を確保するのに、産業界周辺を取り巻く農業その他の情勢が変わって、原材料が手に入りにくい、これをどうするか。
 また、新しい素材が入ってきたときに、その新しい素材で新しい生活感情にフィットするものをつくるに当たっては技術開発をしなければならぬ。あるいはまた、現代人にマッチしたデザイン等の開発もしなければならぬ。こういうものを小さい業者に期待していてもなかなか困難である。
 こういう点については、国政としてやはり一定の方針を立てて育成されなければならぬと思いますが、これについてどういうお考えをお持ちでしょうか。
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南学政明#26
○政府委員(南学政明君) 伝統的工芸品産業の振興のためには、伝統的な技術、技法の継承はもとよりでありますが、時代のニーズに合ったデザインの開発等も極めて重要な要素であると考えております。
 したがいまして、通産省といたしましては、産地組合等が産地振興事業の一貫として行っておりますデザイン開発事業等に対し、いろいろ側面から助成を行ってこれを促進しているところでございます。また、伝統的工芸品産業振興協会の中におきまして、デザイン研究委員会を設置しまして、今後のデザイン開発のあり方等についていろいろ今勉強しているところでございます。
 さらにまた、先生御指摘の原材料の確保難についてでございますが、財政的な支援を行いまして原材料の入手方法等の調査研究等も推進しているところでございます。
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吉田達男#27
○吉田達男君 初めの御答弁のときに、私の質問に対してもうちょっと願いたいという気持ちがしておりまして、もう一度言いますと、あなたがおっしゃった対策は、国として立てられても制度上のものであります。
 新しい制度をつくる、こういう意欲の上で取り組まれたいということが一つであります。現行法に対してこの対象を受けようとすると、庶務的に弱い伝産工業者は、一定の要件を整えた書類その他をつくってその振興計画を立てなければ補助対象にならないわけです。そこのところは全国を見ると大変なばらつきがあると思う。大変に面倒を見ている地方公共団体もあるやに伺いますけれども、そのような体制にないものもある。
 こういう点については、国の法律でありますから、やはり日本全国で積極的な指導体制を通産省の方が立てていただかなければならぬ。そうしなければあなたがおっしゃったことも実現しにくいと思うので、重ねてお尋ねいたします。
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南学政明#28
○政府委員(南学政明君) 伝産品の通産大臣の指定は、法律に基づきまして産地組合等からの申し出に基づき審議会の意見を聞きながらこれを行っているところであります。この産地組合等の申し出に関しましては、通産省において実施要領を定めまして関係者にわかりやすいマニュアルを示すとともに、伝統的工芸品産業振興協会におきまして個別具体的に産地の組合を指導いたしまして、産地の事務負担の軽減等に努めているところでございます。引き続きこうした振興協会等を活用しながら産地の事務負担の軽減を図っていきたい、このように考えております。
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吉田達男#29
○吉田達男君 もう一つは、製品をつくっても古い販売ルートというものが伝統産業の流れであったであろうと思いますが、最近の流通は大変変わってまいりましたから、そういう点の販路の拡大とかいろいろ積極的な工夫を願いたいと思うんです。
 一つは、大臣にお伺いしたいんですが、アメリカとの構造協議等々で外国の商品も日本の中で大いに輸入して販売する努力を約束しておられる。これはやる。しかし、日本のものを外国に売るというのは、必ずしも近代的な電気製品や自動車ばかりじゃなくて、日本の文化を売る。日本人というものは、こういう心豊かに、また手仕事をやってそれを製品の中で本当になじみ深いものをつくって民族の一つの工芸品としてこれを流布する、こういうことは一つの行き方だと思うんです。国際的なそういう意味でのPR、展示、見本市、こういうものについては、これは国として積極的に取り組まれたいと思うんです。部分的には石川・輪島のようなすぐれた工芸品として既に世界的な販路を拡大しておるものもありますけれども、日本の伝統工芸品を外国の土産物その他とたまたま比べてみましても、いすなんかを見ても大変に日本のものは私はその意味ではすぐれていると思うんです。そういうものの評価というものをやるということは、近代的な販売ばかりにうつつを抜かしているようにとかく思われがちな日本に対して、厚みのある民族文化というものを世界に理解させ、流布していただきたい、このように思いまして、販路の拡大というような点については積極的な取り組みを願いたいと思いますので、格別大臣に御答弁をお願いいたしたいと思います。
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