環境委員会

1993-05-14 衆議院 全290発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成五年五月十四日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 原田昇左右君
   理事 塩谷  立君 理事 高橋 一郎君
   理事 細田 博之君 理事 持永 和見君
   理事 斉藤 一雄君 理事 大野由利子君
      愛知 和男君    前田 武志君
      増岡 博之君    谷津 義男君
      柳本 卓治君    岩垂寿喜男君
      岡崎トミ子君    時崎 雄司君
      草野  威君    寺前  巖君
      塚本 三郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 林  大幹君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       森  仁美君
        環境庁企画調整
        局長      八木橋惇夫君
        環境庁企画調整
        局地球環境部長 加藤 三郎君
        環境庁自然保護
        局長      大西 孝夫君
        環境庁大気保全
        局長      入山 文郎君
        環境庁水質保全
        局長      赤木  壯君
        通商産業大臣官
        房審議官    清川 佑二君
 委員外の出席者
        文部省初等中等
        教育局中学校課
        長       河上 恭雄君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課産業廃
        棄物対策室長  飯島  孝君
        運輸省運輸政策
        局環境・海洋課
        長       柴田 耕介君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 坂井 利充君
        建設省建設経済
        局調整課長   澤井 英一君
        建設省道路局企
        画課道路環境対
        策室長     奥野 晴彦君
        建設省住宅局市
        街地建築課長  浅野  宏君
        自治省行政局行
        政課長     中川 浩明君
        環境委員会調査
        室長      西川 義昌君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 環境基本法案(内閣提出第六二号)
 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第六三号)
 環境基本法案(馬場昇君外二名提出、衆法第四号)
 派遣委員からの報告聴取
     ————◇—————
この発言だけを見る →
原田昇左右#1
○原田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、環境基本法案、内閣提出、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び馬場昇君外二名提出、環境基本法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、各案審査のため大阪府へ委員を派遣いたしましたので、派遣委員からの報告は、便宜私からいたします。
 派遣委員は、団長として私、原田昇左右と、塩谷立君、斉藤一雄君、馬場昇君、前田武志君、増岡博之君、谷津義男君、岩垂寿喜男君、岡崎トミ子君、東順治君、寺前巖君の十一名でありました。
 現地における会議は、ホテルニューオータニ大阪において開催し、まず、私から、派遣委員及び意見陳述者の紹介並びに議事の順序等を含めてあいさつを行った後、意見陳述者より意見を聴取し、これに対し各委員より熱心な質疑が行われました。
 意見陳述者は、京都大学経済研究所長佐和隆光君、循環科学研究室・代表山田國廣君、社団法人大阪工業会専務理事皆川茂実君、弁護士・市民環境基金設立準備会運営委員・元琵琶湖環境権訴訟弁護団代表折田泰宏君の四名でありました。
 以下、その陳述内容につきまして簡単に御報告申し上げますと、環境への負荷の少ない循環型社会の形成を目指す環境を組み込んだ社会経済システムの構築、環境政策における経済手法の導入の必要性、環境基本計画の位置づけ及び策定のあり方、環境影響評価の法制化の必要性ないし現行の環境影響評価制度の定着による妥当性、グリーンGNPなどの新たな経済指標の模索、いわゆる環境権と基本理念との関係、情報の公開制度の位置づけ、地球環境保全のための国際協力のあり方等について、それぞれの立場から、意見、要望が述べられました。
 次いで、各委員から陳述者に対し、持続可能な発展における経済と環境の関係、環境政策における効果的な経済手法のあり方、環境基本法の趣旨に即した個別法の見直し、いわゆる環境権の位置づけの必要性、環境影響評価の現行制度の妥当性と法制化の必要性、国民のライフスタイル及び環境教育のあり方、環境配慮が十分に行われる海外援助のあり方等の諸問題について質疑が行われ、滞りなくすべての議事を終了いたしました。
 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。
 なお、今回の会議の開催につきましては、地元の関係者を初め多数の方々に多大の御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表し、報告を終わります。
 お諮りいたします。
 現地における会議の記録が後ほどでき次第、本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
原田昇左右#2
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕
    —————————————
この発言だけを見る →
原田昇左右#3
○原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。時崎雄司君。
この発言だけを見る →
時崎雄司#4
○時崎委員 政府提案の環境基本法案の第十九条、環境影響評価、すなわちアセスメントについて、まず冒頭お尋ねをいたしたいと思います。
 去る四月二十日の本会議で、私の質問に対し宮澤総理は、答申を踏まえ「現行の措置の適正な推進に努めるとともに、経済社会情勢の変化等を勘案しながら必要に応じて見直しを行っていく」と答弁をされました。現段階でこのような答弁をいただいて、私、大変不満に思っているところでございます。
 ある本を読んでおりましたら、このアセスメントについての現在の閣議決定のやり方とそれから法律にした場合、どういう相違、違いがあるのかというのを簡単にまとめられたものがございまして、それをコピーしてまいったので、それを中心にお尋ねをいたしたいと思います。
 これまでの審議の中で、閣議決定をもとにして行われてきたこれまでのアセスについては、一定の評価を環境庁としてはされている。したがって、今後十分これまでの経過を見ながら、先ほどの総理の答弁にあったように、経済社会の情勢の変化等に対応して考えていく、こういうことから一歩も出ていないわけでございますが、この本によれば、もともと「法律と閣議決定とは制度的にみれば本質的に違う」ものである、こういうことをはっきり言っているのです。
 その第一は「事業者に対する拘束力の差である。」すなわち、法律であれば、法律の義務づけとして事業者に対し直接それを適用させることはできるけれども、閣議決定というのは、あくまでもこれは政府内の意思統一のものでありますから、事業者に対する拘束力がない。そういうことで、現に公共事業を中心に政府が行うものについてだけ、実は閣議決定で行ってきたということであります。この点について、法律によらなければ事業者に対して拘束力がない、この点について局長はどう思いますか。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#5
○八木橋政府委員 先生の御質問でございますが、今回私どもの御提案申し上げております環境基本法案におきまして、アセスメントを法制的に位置づけるという措置をやっていただくということを御提案申し上げておるわけでございます。そういう意味におきましては、これから行われます閣議決定アセスというものは、一応法律上の根拠に基づく行政決定ということになるわけでして、従前の閣議決定ということでは、そういう意味では私どもは従来とは違った意味合いを持ってくるというぐあいに理解しているわけでございますが、先生の御質問はもっと端的に、行政決定によるアセスと、それから法律に基づいて義務づけをしたアセスというものとの法律上の効果ということはどうか、こういう御質問であったわけでございます。
 そういうことで端的にお答え申し上げますならば、国以外の事業者に対して義務づけをするということは、やはり法律上でなければそれは困難だろうというぐあいに私どもは考えております。政府部内でありますれば、行政決定によるものであれ、当然政府部内を拘束するわけでございますが、閣議決定ということになりますと、結局法律上の根拠は仮にあったとしても、手続面に関する細かい規定等は置かれておらないということになりますので、事業者に対してはやはり指導通達といったような形の行政措置にならざるを得ないというところで、おっしゃるように私どもは限界がある。そこで、やるためには事業者の理解と協力を得ていかなければならないということになるわけでございます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#6
○時崎委員 それでは、もう一点聞いておきたいことは、あくまでも今の閣議決定でのアセスというのは、これは行政指導の域を出ない、こういうことであると思うのですが、その場合でも、例えばそれぞれの省庁の判断にゆだねられてしまう分野が実は広いのではないか、こういうふうに考えられるのですね。したがって、閣議決定のアセスを行うという場合であっても、政府としての統一したルールというものは必ずしも担保されていない、このように考えるのですが、いかがですか。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#7
○八木橋政府委員 先生の御指摘する点は、形式的に見れば、私はそのとおりだと思います。おっしゃるように、行政指導ということになりますと、例えば環境庁が直接行政指導権限を持っておらないというような場合に、主務省庁が事業者を指導する立場からそういう行政指導が行われるということになりますから、法律に基づきまして統一的にやりますということよりは主務大臣の判断にゆだねられる部分が大きくなるということは、私、形式的にはそのとおりだと思います。
 ただ、この点につきましては、各省庁間及び環境庁間等における意見調整を通じまして、実際には細部を除きますと主務省庁間の相違はなく実施しているというのが現状でございます。したがって、実質と形式とでそこはちょっと違いがあるということでございます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#8
○時崎委員 それからもう一点は、拘束力としてさらに地方自治体に直接義務づけをすることも今の閣議決定では不可能ではないか、さらに住民との関係も同様に考えられるわけですね。したがって、政府の部外者、すなわち地方自治体なり住民なりを直接拘束するということはほとんど不可能ではないか、こう思いますが、いかがですか。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#9
○八木橋政府委員 おっしゃるように、法律ということになりませんと、閣議決定が政府部内のものであるということから、国と地方とは別法人でございますから、地方公共団体を直接、閣議決定であるがゆえにということで拘束することはできないという点は御指摘のとおりでございます。したがいまして、準備書の公告・縦覧等の環境影響評価の諸手続も事業者が行うことに閣議決定アセスではならざるを得ないということになるわけでございます。
 ただ、この点につきましても、現状を申し上げさせていただきますならば、知事や市町村長の理解と協力を現在十分得られている、また、地方におきましても条例、要綱等をもって、アセスが重要であるというようなことから十分協力は得られておりますので、現実の問題として、先ほど申し上げましたような準備書の公告・縦覧等の諸手続が事業者にゆだねられても、それほどの支障があったという事例は私ども聞いておらないところでございます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#10
○時崎委員 四点目として、法律でないがゆえにあくまでも現在の閣議決定というのは現行の幾つかある法律の範囲内でしか、適用というのか、運用できないのではないか。これは以前一度政府が提案して廃案になったアセスに関する法律案の第二十条にも「当該免許等に係る法律の規定にかかわらず、当該規定に定めるところによるほか、」云々、こうなっておりまして、法律によれば、法律でアセスを規定すれば、他にそういう法律にぶつかり合うようなことがあればアセス法が優先して適用になる、こう理解できるのですが、現状では法律によらない場合にはもうその他の現行の諸法令の範囲内でしか適用にならない、運用ができない、こういうことになると思うのですが、いかがですか。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#11
○八木橋政府委員 これは先生御指摘のとおりでございまして、閣議決定要綱によりますと、環境配慮は関連する免許法等に基づく行政処分というものに認められた範囲内、裁量の範囲内でしか行われないということになろうかと思います。そこで、環境配慮の位置づけの問題としては、先ほどお答えしたように、事業者の理解と協力を得てやるということになるわけでございまして、現状においてはそういうことでは具体的対策については個別に対応できているということになるわけでございます。
 なお、今回、この環境基本法を成立させていただきますれば、この点に関しましては事業者の責務として八条に基づく責務がそれにかぶさってくるということで、従来とはまた違った要素になってくるというふうに私ども理解しております。
この発言だけを見る →
時崎雄司#12
○時崎委員 各都道府県なり、さらには市町村でも条例によってアセスの制度をつくっているところが多々出ておるわけでございますが、しかし、今のままでいきますと、地方で条例をつくっているものについて、それを整理するというのか調整するという能力は全くないと思うのですね。したがって、法律によって行えばそれらの条例の間の調整なり整理というものも可能なんですけれども、閣議決定というやり方ではそれらもおぼつかない。逆に言えば、通達を出して、閣議決定の趣旨を尊重し、さらにはまた実施に反映をさせてほしいという、要請というようなことでおしまいになってしまうのではないか、このように私は思うのですが、いかがですか。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#13
○八木橋政府委員 これも法律形式的に言えば先生のおっしゃるとおりでございます。地方の条例等との関係につきまして、法律であれば条例との関係を法形式的にきちっと整理できるわけでございますが、閣議決定ですとそのような法形式的な整理はできないということになるわけでございます。したがって、現状におきましては、地方の条例等におきましては、一般的に国等の行う事業については特例を設けるということで地方の側で調整をとっていただいているとか、また国の要綱との整合性に配慮するというような規定を置いておったり、また九年間にわたる運用を積み重ねてきましたことによってそういうものを事実上整理してきているというところでございます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#14
○時崎委員 五点ほど今申し上げたのですが、ほとんどが局長がそのとおりだ、こういうことで、閣議決定の現行のアセスというのと、それから法律によって行えばこういうことがきちっとできるんだという差を今明らかにしたかったわけでございます。
 そこで、先ほどちょっと新聞をそちらに貸してございますけれども、きょうの新聞報道では、ラムサール条約事務局が湿地帯の開発については環境アセスメントを義務づける勧告案をつくった、こういうことでございます。そうなりますと、来月、六月にラムサール条約締約国会議というのが我が国で行われますね。これは釧路で、始まるのは六月九日ですか、おそらくそこで議論になると思うのですが、環境アセスを義務づけるということですから、今私が五点ほど申し上げた点からいえば、どうもこの勧告が行われた際に今の閣議決定だけでは対応し切れないのじゃないか、こういうふうに考えざるを得ないのですね。それは勧告というのは拘束力はないとは思いますけれども、開催国ですから、そのときに我が国は、いや、閣議決定でアセスをやっているので義務づけはできませんというふうにはならぬと思うのです、これは国際的な問題として。
 そういう点では、そろそろどうですか、大臣、きょうあたりもう審議も山に差しかかっているわけですから、積極的に法制化をする、そういう気持ちを固めてもいい時期ではないかと思うのですが、いかがですか。
この発言だけを見る →
大西孝夫#15
○大西政府委員 大臣がお答えする前に、事務的な観点でちょっとコメントをさせていただきますが、まだきょうの新聞に載ったラムサール条約事務局の勧告案なるものの内容をよく存じておりませんが、まず二点、十分検討する必要があろうと思っている点がございます。
 一つは、その湿地というものの範囲が勧告案の中でどういうことになっているかということですね。湿地というのは人工的なものからあらゆる、水のあるところすべて含んでおりますので、その湿地利用に関するアセスということになりますと、ある程度対象なり行為を制限せざるを得ないだろうと思っております。例えば田んぼでも湿地ですから、減反で普通の畑に変えるのも湿地利用でアセスが必要かみたいな議論になりますので、当然ある程度の規模のものについてアセスを義務づけるというような話になろうと思いますが、その対象の湿地の範囲、事業の範囲が一つあります。
 それからもう一つは、アセスというものが一体どういうことを想定してアセスであるかという点がまだつまびらかでございませんが、それをもちろんよく検討してみる必要があろうと思っておりますし、それから、今先生もお触れになりましたように、それがいわゆる拘束力がない勧告ということになりますが、開催主催国として、仮に勧告が出され、採択になったときにどう対応するかというのは、そういったもろもろの点を勘案した上で十分検討いたすべき問題かと考えております。
この発言だけを見る →
林大幹#16
○林(大)国務大臣 時崎先生の御質問にお答えします。
 ラムサール条約の事務局の考え方が一部報道されておることは私も承知いたしております。しかし、これにつきましては、ただいま自然局長が御答弁申し上げた内容に尽きるわけでございますし、また、正式に勧告も受けているわけでもございませんし、したがって、それに基づいて直ちに今回の基本法案の中の第十九条に関連するような形の動きということは早過ぎるのじゃないかと私は思っております。
 基本法におきましては、先生も御承知でございますが、環境影響評価の重要性あるいはその考え方、それをどう位置づけるかということにつきましては、十九条の中におきまして非常にこれを重視しておりまして、それには必要な措置を講ずるというふうに明確に規定しておることも先生御案内のとおりでございます。
 もちろん、必要な措置の中には、必要な場合には法制化することも含まれ得るものと私は理解しておるものでありまして、法制化そのものを決めたものではありませんけれども、必要に応じてはそういう措置がとり得るという範囲を示されたものと理解しております。
 いずれにいたしましても、環境影響評価の具体的な実施に関しましては、どのような個別の措置が適当であるかということにつきましても、昨年の十月の中公審などの答申における「経済社会情勢の変化等を勘案しながら必要に応じて現行の措置を見直していくことが適当」とされている、その答申の意味するところ、答申の示すところに対して今回十分忠実に法案に盛り込んでおるということを申し上げたいと思っております。
この発言だけを見る →
時崎雄司#17
○時崎委員 ラムサール条約の関係は、対象が田んぼまでということは、常識的に湿地という場合に考える必要はないと思うのです。しかし、対象がどうであれ、例えば釧路湿原のようなものが対象になる、こう仮定すれば、アセスを義務づけるか否かという場合に、やはり義務づけるとなればこれは法律によらなければならない。先ほど、私五点に絞って政府決定の閣議決定アセスと、それから法律によった場合の差というものを制度的に局長にただして、局長もそのとおりだ。これはそのとおりだと言わざるを得ないのですね。
 なぜかといったら、私がコピーをとってきた本というのは、これは環境庁が出した本をずっと読んだだけなんです。これは環境庁が出しているものですよ。八木橋さんの推薦の言葉だか発行の言葉がちゃんと前面に載って、環境庁企画調整局監修となっている本を読んでいるだけなんですから。みずから、法律と閣議決定はこんなに差があるよということを文章にして出しているわけでしょう。そして今言われるように、ラムサール条約の加盟国等の会議が我が国で行われて、そのときにそういう湿地帯での開発等について環境アセスを義務づけるような勧告が出たときに、我が国はもう準備しておかねばならぬという気がしてならないのですね。
 そういう状況の中で、去る四月二十日の本会議での総理大臣答弁、これは答申書そのまま書いたのですかね、「現行の措置の適正な推進に努めるとともに、経済社会情勢の変化等を勘案しながら必要に応じて見直しを行っていく」。大臣、どうです。こういう状況ですから、もうそろそろ法律に踏み込んでいく、その方がせいせいするのじゃないですか、国としても。先ほど言った五点の違いというのはどうにもならないでしょう。これは経済社会情勢が変化する、そういうこととは全く関係ないのです。今私が言ったのは、閣議決定と法律との差は制度的にこうありますと言っているのですから、だとすれば、もうこの辺で、第十九条の必要な措置とは具体的には法律でアセスを行う、腹を固めた、こう言ってください。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#18
○八木橋政府委員 大臣からお答え申し上げたところでございますが、私から閣議決定要綱と法制化との相違につきまして、法形式上における違いは確かにあるというぐあいにお答え申したところでございます。
 この閣議決定要綱は、先生御承知のように、環境影響評価法案が国会で廃案になって再提出を見送るということになったことに伴いまして、あの法案をもとにいたしまして、その法案と同様の内容を政府として最も権威のある閣議決定という方式で決定し、行政ベースではありますものの、環境に対する影響を未然に防止するために適切な措置を講じようということで、私どもそういう措置をとってきたわけでございます。その結果、要綱に基づきまして、私ども二百十二件のアセスメントというものを実施してきたわけでございますが、これによりまして、環境影響評価本来の目的であります環境汚染や自然破壊の未然防止という観点からはそれなりに機能を果たしてきたというぐあいに私どもは考えておるわけでございます。
 そういうことを、今回この基本法案におきましては、法制的にアセスメントを位置づけるということをやっていただいたわけでございます。したがって、閣議決定におけるアセスということではありますけれども、今度は法制的に位置づけられた閣議決定アセスということになるわけで、そういう意味では私ども法制的に一応の位置づけができたということで考えておるわけでございます。
 その後に、今度はそれを個別具体的にどういう措置でやるのかということにつきましては、これは先生、答申の文章そのままじゃないかというようなことをおっしゃったわけですけれども、中公審の答申におきましても、直ちに法制化すべきであるという御意見、また現行法で十分機能を達しているのでそれで十分であるという御意見、その他現行の措置を充実させながら改善を図っていくべきであるというようないろいろな御意見がございまして、全体としては先ほど申し上げたような格好の御答申になっている。
 そこで、私どもとしては、あの答申を踏まえまして、適正に処理をしていかなければならぬということは、現行措置についての適正な措置を図りつつ、それについて問題があるかどうかということを調査し、また検討をしながら、必要があるならばやはり法制化ということも含めて検討していかなければならぬ、こういうスタンスに立っているわけでございます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#19
○時崎委員 今、閣議決定は権威のある意思決定なのだ、こういうことを言われているわけです。この文章の中にも出ているのです。「閣議決定は行政府としての最も権威ある意思決定の方式であり、実際上の効果はかなり期待できるものと考えられるが、」ここからが重要なのですが、「制度的な意味からすれば、この拘束力の差は重要な問題である。この点は、地方公共団体や住民との関係においてもいえることである。」あなたは文章の先だけをとっているのです。確かに、行政府での閣議決定というのは最高の権威ある意思決定のやり方だ、これはわかるのです。しかし、そうであっても法律にはかなわぬと言っているのです、これは。
 それと、この法律ができれば、今度は第十九条で位置づけられたアセスだという、再三局長の言う意味がよくわからないのです。閣議決定の従来のやり方をそのまま続けていけば、たとえこの法律が通ったってどこが違うのですか。十九条で位置づけられたというだけであって、閣議決定のアセスを続ける上では何ら変わりがない。もちろん、こういう法律がなくたって、内容を変えようと思えば変えられたはずでしょう。例えば開発は百ヘクタールというのをやめて五十ヘクタールとかやればいいことであって、今の閣議決定アセスというのは、この法律に基づいてどう変わるのですか。
 それともう一つは、今から調査検討なんということはないでしょう。もう十年近くたっているのです。そして、どれだけアセスが行われたかという件数もわかっているし、現に新聞報道されて、新聞報道とは若干違いますよという、環境影響評価技術検討会の報道について文書が回りました。これは見ました。「信頼性・精度欠く」、こういう見出しで大分大きく報道されていますから、今から調査検討なんかしなくたって。余りにもこういうことを言うと、今度はもう一つの新聞報道、これも二十日の本会議で質問しましたが、各省庁の権限縮小の問題で密室で覚書が取り交わされておったのではないか、幾ら否定されてもだんだんそういう気になってくるのです。これはもう事実なのでしょう。ただ、事実だと言えないから否定しているのだろうと思うのです。
 一つだけ、今のお話の中で、法的に位置づけられたアセス、すなわち十九条に基づいて法的に位置づけられたアセスになる、どこがどう違うのですか。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#20
○八木橋政府委員 今回、アセスメントの重要性というものを法的に位置づけたということによりまして、各事業者また政府の各部門に与える法意識というものがかなり変わってくるということがまず前提にあるわけでございます。そういたしまして、同時に、この基本法によりますと、事業者の責務として、環境に配慮をする責務というのは同時に裏打ちされるということから、アセスメントに対する協力、理解の度合いというものが従来と変わってくるということは当然あるわけでございまして、そういう意味におきまして、閣議決定アセスによるものの、事業者による理解と協力は従来とは変わってくるだろうということを期待しているわけでございます。ただ、先生がおっしゃるように、法的に違うということはそれは当然のことでございます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#21
○時崎委員 局長と二人でこのアセス問題をやり合っていてもしようがないけれども、金丸問題を含めて、建設業界または建設業者、談合だ何だかんだで、昨日も山梨のそういう団体に公取が調査に入っていますね。法律があって、これはそういうことをしてはいかぬというものだって、ずっとそんなことをやっているのですよ。事業者というのは、皆さんがそう信用していい、それほど善意に解釈していい人ばかりじゃないでしょう。だから、法律をつくってきちっとやろうじゃないかというのが必要なのですよ。環境に配慮しなければならない規定をつくったから、皆さんが配慮をしていただいて、アセスなどを法制化しなくたって環境破壊なんかは起こらぬ、今はそういうような甘い状況じゃないでしょう。そういうことを考えると、ぜひ法制化していただくように、重ねてお願いをいたしておきたいと思います。
 さて次は、環境基本計画の策定について、これは十四条で計画をつくるということは規定をされているのです。これは計画が計画倒れになって何ら実施されないという危険性もあるのですが、実施計画についての規定をなぜ除いてしまったのですか。なぜ実施計画の部分の条文をつくらなかったのか。公害の方は十七条できちっと出ているのです。十六条で計画を立て、十七条でその達成の推進についてうたっているのです。これとの関係で、なぜ実施の推進について、計画だけではなくて実施もこういうふうにやれよということを規定しなかったのか、その辺の説明をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#22
○八木橋政府委員 お答え申し上げます。
 環境基本計画は、政府全体の環境の保全に関する基本的な計画といたしまして閣議の決定により定めるということを予定しているものでございまして、環境の保全に関する各種の施策は、この環境基本計画の示す基本的な方向に沿って実施されることが担保されるということになるわけでございます。
 そこで、環境基本計画の示す基本的な方向に沿って施策を実施する上で、その施策の遂行上必要があると認められる場合には、大気汚染防止法に基づく総量削減計画とか、地球環境保全関係閣僚会議の決定による地球温暖化防止行動計画などのように、今度は個別法の枠組みにより適切な内容の計画策定の措置等がとられることになり、または行政措置としてそういうものを行っていくというようなことになるわけでございます。
 そこで私どもは、一つは、そういった基本計画としてはやはり国の環境保全に関する基本となる事項というものを定める、そのもとにおいて、環境庁を初めとする関係法律、その他の省庁における法律における個別の計画なり行政措置によって実効あるものを図っていくという仕組みを考えているわけでございます。今までは環境基本計画のような政府全体を通ずる一覧性のある計画そのものがなかったということから、環境政策が総合的、計画的に推進されなかったというところにむしろ問題があるということで、それを用意したいということでございまして、そのもとにおける個別の計画なりなんなりは、今度は大気汚染防止法、水質汚濁防止法その他の関係法律に基づいて行われていく、こういう関係になるわけでございます。
 それから、もう一つ御質問がございまして、公害防止計画について達成の推進規定があるのに、なぜ環境基本計画には達成の推進規定がないのかという御質問でございました。
 御指摘のような計画達成の推進の規定は、公害防止計画のほかに、環境関連法律の中では水質保全に関する総量削減の対策の計画等、個別の施策や事業の実施のための計画、言ってみればこれはアクションプランと言っていいかと思いますが、そういった計画に対して規定されているところでございます。環境基本計画は、先ほど御答弁申し上げましたように、公害防止計画などのような個別の施策や事業の実施のための計画ではなくて、むしろ環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱を定める、政府としてのマスタープランとしての役割を持つものとして策定されるものでございますので、そういったような性格からこのような規定は設けなかったところでございます。
 いずれにしましても、先生は実効性のあるようなことをやれという御指摘だろうと思います。私どもはその方向に向かって、ぜひこのマスタープランが、環境庁のみならず政府全体を通ずる環境政策のマスタープランとして実効性を持つように、大いに努力してまいりたいというぐあいに考えております。
この発言だけを見る →
時崎雄司#23
○時崎委員 まだ釈然としませんな。公害防止計画の作成は第十六条で明記をし、これは相当細かく一号、二号と書いて、さらに二、三、四、五、と相当細かく明記をしているわけですね。そして、十七条で達成の推進という項を設けて、「公害防止計画の達成に必要な措置を講ずるように努める」と明記して、十四条の環境基本計画の方にはそういう十七条に相当する部分がない。どうも御答弁聞いていると、個別だからあるので、全体的だからないというふうに聞こえてしまうのですが、もう少しわかるように、釈然とするように、なぜ置かなかったのか、そこをきちっとしていただきたい。
 それと長官、四月二十日の私の質問に対して、この項ではこういうふうに言われているのですね。「環境政策の総合的、計画的な推進のためのマスタープランとしての十分な効果を発揮できるものとなるよう、十分検討いたしたいと考えております。」十分効果を発揮できるようなものにする、これは何か頭の中に想定を描いているのですか。計画ができた、これが十分に効果を発揮するためにこういうことを考えるというものを描いてこのような答弁になったのですか。これは大臣にお尋ねいたします。
この発言だけを見る →
林大幹#24
○林(大)国務大臣 この環境基本計画につきまして、二十日のときの答弁について、私は具体的に何か描いているということではありませんでして、むしろ基本計画でございますので、これは環境庁のみの単独案として定めるということ以上に、環境の保全に関する政府全体の基本的な計画という意味を含めて閣議決定を経て定められるものでありますから、策定後に、政府における環境の保全に関する施策あるいは計画それから環境基本計画の示す基本的な方向、そういうものに沿って実施されなければならないということでございますものですから、そういう意味において、今先生が具体性が少し欠けているのではないかという御指摘もありますけれども、それはそれとして、政府全体の計画ということからスタートしたいということを含めてのことであります。
 したがって、先ほど局長も答弁しましたように、例えば水に対してはどうするかとか大気に対してはどうするかという個別に対応するということよりも、まず基本計画としての政府の取り組む姿というものを打ち出したいということでありましたものですから、ある意味においてはもう少し具体的な実効性があってもいいではないかという先生の御質問もうなずけるところではございますけれども、全体としてはそういう枠組みで取り組んだ次第でございます。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#25
○八木橋政府委員 若干御説明不足で申しわけないのでございますが、同じ基本法にあって、十六条における公害防止計画については達成措置を十七条で書いておきながら、環境基本計画についてはそういう条項を置かない、おかしいじゃないかということで端的に問題を御指摘になったわけでございます。
 それは私、先ほどの説明が若干抽象的過ぎてあるいは御理解いただけなかったということで反省しておるわけでございますが、環境基本計画は、政府が環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等を定める、政府としてのいわゆるマスタープランとしての役割を持っている。そのマスタープランのもとにおける個別の施策、個別の事業の実施のための計画としての一つに公害防止計画があるというぐあいに御理解をいただいてよろしいというように私は考えておるわけでございます。
 一番最初に、公害対策基本法というものでは現在の環境問題に対処し切れない、また公害対策基本法というのはどちらかといえば問題対処型の基本法であるということを申し上げたわけでございますが、そういう性格が実はここにもあらわれておるわけでございまして、この関係を端的に示すものといたしましては、例えば十六条をごらんになっていただきたいと思うのでございますが、十六条の第二項に、公害防止計画についての規定がありますその後に、公害防止計画を定めるに当たっての基本方針というものが書かれるべきであるということが十六条に書いてあるわけでございますが、その二項におきまして、「前項の基本方針は、環境基本計画を基本として策定するものとする。」という規定がございまして、言ってみますれば、この公害防止計画というのは環境基本計画を上位とする一種の個別アクションプランなわけでございます。
 そういう意味におきまして、他の水質汚濁防止計画と同じように、公害防止計画についてはアクションプランとしての性格上、その「達成に必要な措置を講ずるように努めるものとする。」というぐあいに書かせていただいたわけでございます。こういった個別措置、個別の計画の上にまたがって傘となる計画が環境基本計画であるというぐあいに御理解をいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#26
○時崎委員 どうも聞けば聞くほど頭が混乱してくるのですが、そうすると第十六条の公害防止計画なるものは環境基本計画の下にあるアクションプランなんだ、そういうことですね。アクションというのは、横文字使うとごちゃごちゃするからあれだけれども、行動計画とか実質的な計画なんでしょう。そうすると、十七条は何計画になるのですか。環境基本計画があって、その下にまた公害防止計画をつくるということは、なぜわざわざ十六条にそういう項を置いて、もともと十四条に全体の計画があるわけですから、これは法のつくり方としてちょっと違うんじゃないですか。
 少なくともこれは都道府県がつくることだから、ここへ十六条が来ているのですよ。違いますか。確かに内閣総理大臣は承認を与えるけれども、つくるのは都道府県でしょう。そういうふうになってくると、条文を同じところに置けないので分けたと解釈する方が素直なので、あなたのおっしゃることからいえば、十四条の基本計画があり、十六条の公害防止計画があり、十七条は何だ、こうなるからますます聞いていてややっこしくなってしまうのですよ。
 私が聞いたのは、そんなことじゃなくて、公害防止計画には十七条でもって達成の推進の項を置いているじゃないか、十四条の基本計画の方にはそういうもの、すなわち十七条に対応するようなものはなぜ置かないんだ、こう聞いているのですよ。もっと端的に答えてください。横に行ってしまって、どうも意味がよくわからなくなってしまうのですよ。もう一度。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#27
○八木橋政府委員 十四条の環境基本計画は、環境の保全に関する総合的な施策を一覧性のあるものとして定める、その下にいろいろな公害防止計画とか水質汚濁防止計画とか大気汚染防止計画というのは国の基本計画に基づくそれぞれの個別分野における計画として位置される、その計画におきましては、その計画を達成するために必要な事項というものを定めるように書く、だからその段階におきましてその推進に定める事項を書けばそれで目的を達するということから、マスタープランとしての十四条につきましてはそれを書かなかったというだけの話でございます。ただ、書いていないから実効性が上がらないようになっているのじゃないかということには私ども考えておりませんで、十四条の基本計画のもとにおける個別計画、個別行政措置等により、そういう基本計画の実効性は十分担保されるように、私どもは内閣一体としてやっていかなければならぬ、そのために内閣における閣議決定という段階を経るということにしているわけでございます。
 なお、十七条の規定は、公害防止計画の達成に必要な、例えば財政上の特例措置でございますとか起債の措置でございますとか、それを交付税に算入した場合の元利償還費を単位費用の中に織り込んでいくとか、そういう措置のことを十七条では書いておるわけでございます。
この発言だけを見る →
時崎雄司#28
○時崎委員 局長の言われるその環境基本計画を一つの基本として、そのもとにこの十六条の公害防止計画の作成等々がある。そのほかにもあるとすれば、大気保全の問題とか水質とか、いろいろなものがまたその下に計画としてある、こういうことを一言われるようなんだけれども、この公害防止計画だけをこの基本法の中にわざわざ持ち込んだというのは、法律を廃止をするということもあってここへこれだけが入ってきたというふうに理解してよろしいのですか。
この発言だけを見る →
八木橋惇夫#29
○八木橋政府委員 これは一つは、我が国の環境行政は公害行政、また自然破壊を原因とする自然環境保全法から出発したという歴史的な経緯も踏まえまして、しかも私どもの現状からすれば公害というものを無視し得ない、したがってそこのところは、新たに環境問題が広がったにせよ、また後世代に対する影響があるにせよ、公害という原点はしっかり踏まえる必要があるというようなことから、私どもといたしましては、環境基本法の中に公害に関する規定というものはやはりしっかり位置づけておかなければならぬ。私どもは、厳しい教訓と、それから歴史的なそういう経緯を追ったというようなことから、公害に関する事項というものはきちっと位置づけ、きちっと対策をとっていかなければならぬというような趣旨で、公害に関する規定はすべて環境基本法の中に置かせていただいたということでございます。
この発言だけを見る →
← 戻る