大蔵委員会

1993-02-17 衆議院 全260発言

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会議録情報#0
平成五年二月十七日(水曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
   委員長 藤井 裕久君
   理事 井奥 貞雄君 理事 石原 伸晃君
   理事 田中 秀征君 理事 前田  正君
   理事 柳本 卓治君 理事 渡辺 嘉藏君
   理事 日笠 勝之君
      浅野 勝人君    岩村卯一郎君
      江口 一雄君    衛藤征士郎君
      大島 理森君    河村 建夫君
      小林 興起君    左藤  恵君
      戸塚 進也君    中村正三郎君
      福田 康夫君    光武  顕君
      村井  仁君    山下 元利君
      網岡  雄君    伊藤  茂君
      池田 元久君    上田 卓三君
      小野 信一君    佐藤 恒晴君
      沢田  広君    中沢 健次君
      中村 正男君    早川  勝君
      細谷 治通君    井上 義久君
      河上 覃雄君    正森 成二君
      中井  洽君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 林  義郎君
 出席政府委員
        内閣法制局第三 野田 哲也君
        部長
        大蔵政務次官  村上誠一郎君
        大蔵大臣官房総 日高 壮平君
        務審議官
        大蔵省主計局次 竹島 一彦君
        長
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省理財局長 藤井  威君
        大蔵省証券局長 小川  是君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        大蔵省国際金融 中平 幸典君
        局長
        国税庁課税部長 松川 隆志君
        社会保険庁運営
        部長      佐藤 隆三君
        兼内閣審議官
        農林水産大臣官 今藤 洋海君
        房審議官
        自治大臣官房審 松本 英昭君
        議官
 委員外の出席者
        参  考  人 福井 俊彦君
        (日本銀行理事)
        大蔵委員会調査 中川 浩扶君
        室長
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委員の異動
二月十七日
 辞任         補欠選任
  上田 卓三君     網岡  雄君
同日
 辞任         補欠選任
  網岡  雄君     上田 卓三君
    —————————————
二月十六日
 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律
 案(内閣提出第一号)
 平成五年度における一般会計承継債務等の償還
 の特例等に関する法律案(内閣提出第二号)
同月十五日
 共済年金の改善に関する請願(相沢英之君紹
 介)(第一七号)
同(浅野勝人君紹介)(第一八号)
同(伊吹文明君紹介)(第一九号)
同外六件(今井勇君紹介)(第二〇号)
同(今枝敬雄君紹介)(第二一号)
同(浦野烋興君紹介)(第二二号)
同(久野統一郎君紹介)(第二三号)
同(古賀誠君紹介)(第二四号)
同(竹下登君紹介)(第二五号)
同外五件(中西啓介君紹介)(第二六号)
同(野呂昭彦君紹介)(第二七号)
同(東力君紹介)(第二八号)
同(三原朝彦君紹介)(第二九号)
同(簗瀬進君紹介)(第三〇号)
同外一件(綿貫民輔君紹介)(第三一号)
同(奥野誠亮君紹介)(第四五号)
同(狩野勝君紹介)(第四六号)
同外一件(川崎二郎君紹介)(第四七号)
同(左藤恵君紹介)(第四八号)
同(田邊國男君紹介)(第四九号)
同(谷垣禎一君紹介)(第五〇号)
同(中尾栄一君紹介)(第五一号)
同(松田岩夫君紹介)(第五二号)
同(森英介君紹介)(第五三号)
同外一件(山本有二君紹介)(第五四号)
同(麻生太郎君紹介)(第一〇二号)
同(池田行彦君紹介)(第一〇三号)
同(石井一君紹介)(第一〇四号)
同外一件(石橋一弥君紹介)(第一〇五号)
同(岩村卯一郎君紹介)(第一〇六号)
同(植竹繁雄君紹介)(第一〇七号)
同外一件(臼井日出男君紹介)(第一〇八号)
同(大塚雄司君紹介)(第一〇九号)
同外二件(北川正恭君紹介)(第一一〇号)
同(小林興起君紹介)(第一一一号)
同(塩川正十郎君紹介)(第一一二号)
同(杉浦正健君紹介)(第一一三号)
同外六件(西田司君紹介)(第一一四号)
同外四件(野田実君紹介)(第一一五号)
同(野中広務君紹介)(第一一六号)
同(萩山教嚴君紹介)(第一一七号)
同(原田憲君紹介)(第一一八号)
同(増田敏男君紹介)(第一一九号)
同(宮里松正君紹介)(第一二〇号)
同(与謝野馨君紹介)(第一二一号)
電波によるたばこ宣伝の廃止に関する請願(岡
崎宏美君紹介)(第三二号)
同(藤田高敏君紹介)(第八八号)
同(岩田順介君紹介)(第一二二号)
同(楢崎弥之助君紹介)(第一二三号)
同(細谷治通君紹介)(第一二四号)
不況を打開し、国民本位の税制の確立に関する
請願(堀昌雄君紹介)(第三三号)
消費税廃止・飲食料品即時非課税、課税最低限
引き上げに関する請願(伊藤忠治君紹介)(第一
〇一号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律
 案(内閣提出第一号)
 平成五年度における一般会計承継債務等の償還
 の特例等に関する法律案(内閣提出第二号)
     ————◇—————
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藤井裕久#1
○藤井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案及び平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案の両案を議題といたします。
 趣旨の説明を求めます。林大蔵大臣。
    —————————————
 国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律
  案
 平成五年度における一般会計承継債務等の償還
  の特例等に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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林義郎#2
○林(義)国務大臣 ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案及び平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、累次の臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用並びに国及び地方の財政関係の安定化を図るため、これまで累次のいわゆる補助金一括法において暫定措置が講じられていた国の補助金等について、国と地方の機能分担、費用負担のあり方等を勘案しつつ、一体的総合的な検討を行い、補助率等の恒久化等の所要の法的措置を講ずるものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、公共事業等に係る補助率等については、平成三年度の国の補助金等の臨時特例等に関する法律に基づき、平成五年度までの暫定措置が講じられておりましたが、これを、体系化、簡素化等の観点から、直轄事業にあっては三分の二、補助事業にあっては二分の一を基本として恒久化し、平成五年度から適用して、暫定措置を解消することとしております。また、これとあわせて、直轄事業負担金のうち、維持管理費に係る地方の負担割合を引き下げる等の措置を講じることとしております。これらの措置は、河川法等三十本の法律にわたっており、これらの法律について所要の改正を行っております。
 第二に、義務教育費国庫負担金に係る経費のうち共済費追加費用等については、平成四年度において、同年度から六年度までの三年間で段階的に一般財源化することとされておりましたが、これを平成五年度において全額一般財源化することとし、義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の二法律について所要の改正を行っております。
 第三に、一般会計から特別会計への事務費の繰り入れを規定している地震再保険特別会計法及び自動車損害賠償保障法の二法律について、引き続き当分の間の措置として繰り入れの特例を延長することとしております。
 次に、平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 平成五年度予算の編成に当たっては、税収が前年度当初税収を下回るという異例に厳しい税収動向、財政事情のもとで、景気や生活大国づくりへの配慮など社会経済情勢の推移に即応した財源の重点的・効率的配分を行う一方、特例公債を再び発行するような事態は厳にこれを回避するため、既存の制度、施策や歳出の徹底した見直しを行ったところであります。
 本法律案は、こうした努力に加え、一般会計において承継した債務等の償還の延期及び政府管掌健康保険事業に係る一般会計からの繰り入れの特例について所要の法的措置を講ずるものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、一般会計において承継した債務等の償還の特例についてであります。
 交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金のうち一般会計に帰属したもの並びに日本国有鉄道及び日本国有鉄道清算事業団の債務のうち一般会計において承継したもののうち、平成五年度において償還すべき金額については、それぞれその資金運用部に対する償還を延期することができることとし、当該延期に係る金額については、五年以内の据置期間を含め、十年以内に償還しなければならないこととしております。
 第二は、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。
 平成五年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に定める額から千三百億円を控除して繰り入れるものとするとともに、後日、政府管掌健康保険事業の適正な運営が確保されるために、各年度の当該勘定の収支の状況等を勘案して、繰り入れ調整分及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れるものとしております。
 以上が、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案及び平成五年度における一般会計承継債務等の償還の特例等に関する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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藤井裕久#3
○藤井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
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藤井裕久#4
○藤井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事福井俊彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤井裕久#5
○藤井委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
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藤井裕久#6
○藤井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中沢健次君。
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中沢健次#7
○中沢委員 おはようございます。きょうは予算委員会で証人喚問がございまして、国民の注目は専らそちらの方に寄せられているのではないかと思います。しかし、大事な法案でございますから、私自身は一時間の時間を割り当てされておりますけれども、大蔵大臣に主としてお尋ねを申し上げたいと思います。
 私自身は今まで地方行政委員会におりまして、余り長い間ではございませんが、地方行政あるいは地方財政、そういう立場から、例えば昨年の場合は羽田大蔵大臣の時代でございましたけれども、地方行政委員会にもおいでをいただきまして、特に大蔵大臣として地方の財政をどう理解をされているか、とりわけ特例減額問題についてもいろいろ議論をした経緯がございます。したがって、大蔵委員会では初質問になりますので、これからまたいろいろとお世話になると思いますが、よろしくお願い申し上げたいと思うのです。それにしても大蔵大臣、連日の予算委員会、大変御苦労さまでございます。
 早速内容に入っていきたいと思いますけれども、まず最初に、俗な言葉で言えば国の財政も地方の財政もそれぞれ大変な借金を抱えている。しかし、お互いに公経済という立場でいろいろな意味で痛みを分かち合う、あるいは時によっては非常に厳しい中で国が協力をする、地方が協力をする、つまりは公経済バランスという一つの筋立てで今まで国・地方の財政運営をやってきたと思うのです。
 具体的にお尋ねをしたいのは、現状におきまして国と地方の財政の貸し借り、余り国民の皆さんには正確には承知をされておりませんが、国と地方財政の貸し借りが現状においてどうなっているか、それが平成五年度以降どういう償還計画といいましょうか借金返しの計画になっているかおよその内容で結構だと思いますが、まずそのことをお尋ね申し上げたいと思います。
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竹島一彦#8
○竹島政府委員 国と地方の貸借関係でございますが、地方交付税法の附則に整理されているところでございますけれども、平成六年度以降の国のいわゆる法定加算は四兆一千二百九十五億円でございます。これにつきましては今後それぞれの年度におきまして、地方財政対策におきまして適切に対処してまいるということでございます。
 四兆一千二百九十五億円の将来年度でございますが、六年度から十三年度までの間に法定加算されるということで、地方交付税法の改正案が提案されているところでございます。
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中沢健次#9
○中沢委員 今、次長の方から法の四条第一項、第四項の加算額についてお答えをいただきましたけれども、逆に、国が地方財政から借りている、それも含めて、後でちょっと議論をしたいと思いますので実態についてお示しをいただきたいと思います。
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竹島一彦#10
○竹島政府委員 お尋ねは、交付税特別会計が資金運用部から借り入れている借入金のことかと存じますが、その残高は二兆一千二百八十一億円でございます。
 これにつきましては、御案内のとおり昭和五十九年度の地方財政対策の改革の際に地方負担分として交付税特会に残された借入金、それから、六十一年度の補正予算、平成四年度の補正予算におきまして所得税等の減収がありまして、それに伴う交付税の減ということがございました。それに対応するために借り入れたものでございまして、先ほど申し上げましたように。交付税特会の運用部からの借入金の残高は二兆一千二百八十一億円でございます。
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中沢健次#11
○中沢委員 そこで、この問題について議論をすれば結構時間がかかると思いますが、私なりに極めて結論的に申し上げたいと思います。
 今お話がありましたように、国が地方財政からさまざまな形で借りて、その残高が四兆一千億。地方が五十九年度末、これはもう大変な金額になりまして、あの当時の政治決断で国と地方がお互いにその残高を折半する、これが一つありました。ごく最近は、昨年度、正確に言えば本年度の補正予算の中で一兆六千億地方財政へ穴があきました。
 つまりそれは、国の交付税配分の基礎となります税額が非常に落ち込んだ、交付税がその分極端に減る、そうはいっても配分決定をした後でありますから、それは具体的にはいろいろな方法を考えて措置をしなければならぬ、これが約一兆六千億あったわけであります。そういう内容も含めて、地方の国に対する残高がまだ約二兆一千億ある。単純に差し引きをすると、国と地方の貸借関係は結果的に国の方がまだ二兆円ほど地方に借りている分が多い、こういうことになってくると思うのですね。
 ただ、実はこの数字にあらわれていない幾つかの事実があるわけです。これも結論的に申し上げたいと思いますが、確かに五十九年度大変な残高があって、地方は六兆円国からお金を借りています。それから相当努力をいたしまして、簡単に言えば借金返し、予定より早めて一生懸命地方の財政の健全化という大義名分のもとに借金を返してきました。ですから、結果的にバランスからいうと地方の方が借金が少ないという、地方の努力の成果だと私は思うのですね。
 これについて大蔵大臣として、長い政治経歴をお持ちでありますから、もちろん自分の選挙区の実態はよく御承知だと思います。そして今のような推移についてはよく御承知だと思いますけれども、これについての基本的な認識といいましょうか、一言で結構だと思いますが、お示しをいただきたいと思います。
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林義郎#12
○林(義)国務大臣 長い戦後の地方自治の歴史を見まして、私は、地方の財源というのをどうしていくかというのは日本の民主主義をどう唱えていくかということの一つの問題だと思います。
 ずっと長いこと地方財政というのは赤字に悩んできた、国から借りてきた、こういうふうな話でありました。地方の方でいろいろな御努力をされましたし、財政についてもいろいろな話をされてきた。こういうこともありまして、やっと回復をしてきた。
 それと同時に、国の財政の方が赤字国債におんぶしなければならないほどの状況になってきた。それを今やっと解消して、新しい財政再建の方向へ向かっていかなければならない。私は、今こういうふうな状況にあるのじゃないかな、財政問題としてはそういうふうに考えているところであります。
 もちろん、両方とも公経済でありますから、私は、全体としてどういうふうにやっていくのか、地方と国と相対立するというふうな話じゃなくて、言うならば車の両輪としてやっていかなければならないようなものだろうな、こういうふうな感じを持っていることを申し上げておきたいと思います。
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中沢健次#13
○中沢委員 それで、議論をもう少し具体的に焦点を絞っていきたいと思うのであります。
 特例減額を中心にして、少しく議論をさせていただきたいと思いますが、今度の予算を見ますと、特例減額、金額で四千億円、平成三年度四千五百億、平成四年度八千五百億、五年度が四千億、三年間連続してトータルで一兆七千億という内容になっておるわけです。
 実は昨年の四月、私も地方行政委員会で、当時羽田大蔵大臣にもお越しをいただいて、これは大蔵大臣を他の委員会にお呼びをする、出席を求めるというのは余り例がない。しかし、地方行政委員会は地方財政問題、国の財政とも密接不可分の関係にある。ですから、伝統的に年に一回は大蔵大臣も来ていただいて、地方行政委員会で、時間は二時間三十分でありますが、議論をしているわけであります。
 昨年の四月のことを今思い出しているのでありますが、羽田大蔵大臣といろいろ議論をしました。実は、大臣の手元にあるかどうかは別にいたしまして、毎年こういう大蔵省の非常に権威のある資料が配付をされています。表題は、今年度の場合は「平成五年度予算及び財政投融資計画の説明」、これは毎年度もちろん出ているわけですね。
 その中で、特に昨年度の場合は、八千五百億の特例減額をやる一つの根拠として、非常に乱暴なことを言いますと、結論的なことを言いますと、いろいろ書いてありましたが、国に比べて地方の財政は余裕がある、地方財政は余剰がある、だから八千五百億減額をするんだ。それをめぐって随分去年は地方行政委員会で議論しました。大臣にも非常に一汗も二汗もかいていただいた。そこでなかなか決着がっかなくて、また後ほど、当時の田波主計局次長にも来ていただいて、最終的に大蔵大臣見解を示していただいて、そこで、私どもは野党でありますが、この法案についてはいろいろ注文をつけながらも賛成に回る、こういう政治決断をしたわけです。
 特に昨年の場合は、もっと言いますと、今までは参議院に大蔵大臣が出席をされるということは例がなかったというふうに聞いておりました。しかし、参議院でもやはり同じような議論が、どうしてもやらなきゃならぬ、ですから異例だというふうに言われておりますが、参議院の地方行政委員会にも大蔵大臣、出席をされて、同じような議論があったわけです。
 ことしのこの予算と財政投融資計画の説明を見ますと、去年の議論が非常にいろいろな意味で、私から言えば好影響を与えまして、大蔵省の考え方もいろいろあるけれども、国の財政も厳しいし、地方の財政も厳しい。したがって、私が冒頭言いましたように、公経済バランス論という、そういう一つの筋立て、理論立てにやはり変わっている、文章もそのようになっているわけであります。
 そこで、大臣にずばりお尋ねをしたいのは、去年からの例について、恐らく余り詳しく大臣の耳には入っていないと思いますけれども、ことしはもう間違いなく、大蔵省から出された権威のある資料の中で、四千億の特例減額をやるけれども、その根拠としては、去年のように地方財政に余裕があるからということではなしに、お互いに協力し合う、国と地方の公経済という立場からいえば、公経済バランス論に立ったというふうに私は正確に理解をしたいと思うのです。それが一つ。
 それから、これから先、特例減額について私は絶対認めるわけにはいかないという立場でありますけれども、少なくとも全体の国の財政と地方の財政をいろいろ位置づけをして、いろいろ協力関係をやる場合は、やはりどちらの財政が余裕があるとかないとかということじゃなしに、将来にわたって少なくとも公経済バランス論という一つのバランス感覚に立った大蔵大臣としての見識があっていいのではないか。この二つ、あわせてお示しをいただきたいと思います。
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林義郎#14
○林(義)国務大臣 中沢議員のお話を聞かせていただきまして、地方行政委員会で羽田前大蔵大臣が来ていろいろお話しされたという話もありました。私は、羽田君というのは割とバランス感覚に富んだ男だと思っておるのです。
 そうしたことですが、先ほどもちょっと申し上げましたように、地方財政と国の財政というのは、やはり公経済の中での大きなバランス、車の両輪のごとくバランスをとっていかなければならない、非常に長い目で見れば、先ほど申しましたような状況があるだろうと思います。
 しかしながら、地方の財政だってそんな豊かでどうだという話でも決してないところだろうと私は思っていますし、いろいろな点でやっていかなければならない財政の難しい点、やりくりもやっていかなければならないような状況だ、こう思います。
 国の方は、これはまさにいろいろなことでお願いをしなくちゃならないような状況になってくるようなところでございますから、そういった点をバランスをとりながらやっていくということが私は大変必要なことではないかな、こう思っておるところでございます。そうした意味で、地方財政につきましても十分な配慮をしながらこれから対処してまいりたい、こういうふうに考えていることを申し上げておきたいと思います。
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中沢健次#15
○中沢委員 それで、大臣の方から、いずれにしても車の両輪のように国の財政も地方の財政も協力するところは協力をして、公経済バランス論でという趣旨のお答えがございました。
 それはしっかりひとつ受けとめまして、もう一つ、関連をしてお尋ねをしたいと思いますが、先ほど言いましたように、特例減額というのは三年連続しているわけですね。普通、特例というのは単年度か、せいぜい何年か置いてまた改めて特例、これが世間の常識といいましょうか、少なくともそういう常識が財政運営の中で生かされるべきだ、私はこう思うのです。
 そこで、大臣、大臣の出身の山口一区、あるいは山口県、私は北海道の炭鉱の夕張でございます。地方行政委員会でも随分自治大臣と、あるいは大蔵大臣ともその問題で議論もしたのでありますが、地方財政がやはり構造的な問題も含めて非常に厳しい、三千三百も自治体がありまして、本当に貧乏しているところ、交付税の配分を受けなくてもやっていけるところ、その内容はさまざまだと思うのです。
 端的な話、私の出身の夕張、もう三年前に炭鉱は一つもなくなりました。最盛期二十四ありまして、人口は十二万おりました。大臣の選挙区の宇部市、昭和三十年の後半にあの地帯がほとんど閉山になる。しかし、炭鉱地帯が選挙区の一つでもありますから、私なりに共通するものを感ずるわけなんですけれども、実は最近の各自治体の財政力指数がどうなっているか、改めて自治省に調べてもらいました。
 私の夕張はもう全国的にも非常に極端な例だと思いますが、財政力指数は、全国の市町村の平均が現状では〇・四一、夕張は残念ながら〇・一七。府県でいうと〇・五一、北海道が〇・三八。つまり北海道は全国平均から見てもレベルが低い。炭鉱の夕張はもう極端に財政力が弱い。
 それに比べて、失礼かもしれませんが、山口がどうなっているか少し調べさせてもらいました。山口は県全体でいうと○・四二、都市部でいうと、全部まだ調べておりませんが、例えば下関は〇・六八、宇部市は〇・八三なんですよ。
 つまり同じ産炭地という歴史の中で、閉山が早くて、地域振興策、これは通産省がいろいろやっています。自治省ももちろん全面的に制度を入れてやっていますが、振興策がうまくいったところは全国レベルよりも自治体の財政がそんなにレベルが上がってきて、住民のサービスだとか生活環境はかなり充実をしていると私は思うのですよ。
 しかし一方、私の出身の夕張のように、これは極端な例といっても北海道の産炭地はやや似ているのでありますけれども、非常に劣悪な状態に置かれている、実はこれが地方財政の実態、私は象徴的にそのことを強調したいのです。
 もう一つ、平成四年度で地方財政は、国から、資金運用部資金から、交付税特会から一兆六千億借りたわけですよ。借りなければ地方交付税が予定どおり配分できないのですから。
 そういうことなどを考え合わせますと、私も少し古い人間になってきましたけれども、日本の言葉で仏の顔も三度という言葉がありますね。幾ら優しい、慈悲深い仏さんでも同じことを三回も頼まれたらやはり嫌になる、そういう意味だと思うのですよ。そういうことから考えますと、特例減額三年連続ということは余りにもむごいのではないか、率直にそのように思うのです。
 この辺の議論は、この委員会でやるということよりも、やはり地方行政委員会で、交付税や地方財政計画の中で、しっかり大蔵大臣にも出席していただいて、そこで本格的に議論をすべきだと思いますが、せっかくですから、私の今言った三年連続の特例減額については余りにも過酷なやり方ではないか、これについてきょうのところ大蔵大臣としてはどういう見解を持っているか、ひとつしっかりお聞かせをいただきたいと思います。
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林義郎#16
○林(義)国務大臣 中沢議員から地元の夕張のお話がありました。実は私も夕張、一遍お伺いしたことがあります。
 私事にわたるかもしれませんけれども、実は、自民党の総裁公選に二階堂さんが出るというときに、少数のなんではありましたが、全国遊説して歩こう、やはり非常に困ったところを見て歩く、大変だということで北海道に行ってきましょう。実はちょうどもう炭鉱がなくなるころでありましたから、そこを見るのが一番いいだろうと私が進言しまして、行って地元の市長さんやらなんかといろいろお話をしました。
 炭鉱時代になかなか立派なものができていた。しかし、後どうするのかな、これから炭鉱がなくなったら一体どんなことで食っていくのかなという話をお互いに心配しておったのでありまして、私もその記憶を鮮やかに持っています。その後新しいものができたとかなんとかというのはなかなかない。私は大変だと思う。そういったところが財政力指数がこういうふうな形で悪くなってきているというのは、これは何かしなくちゃいけないな、こう思っています。
 私の地元の話を引いていただきましたけれども、これも単に今すぐにどうだこうだとできたわけじゃないのです。先ほどお話がありました宇部などは、やはり経営者の方で、いずれは石炭は積み入れがなくなるから、そのことを考えていてやらなくちゃいかぬということで、もう大正の初めくらいから考えてやった、こういうことなんですね。そうした意味で、長い目で見ていくことが必要だろうと私は思うのです。地方財政だってやはり長い目で見ていかなくちゃならない、こう思います。
 だからといって、すぐということではありませんけれども、国の財政もやはりじわっと、こう直していかなくちゃならないんじゃないかと思いまして、確かにお話のように、三年もやって、仏の顔も三度まで、こうおっしゃいますけれども、やはりそこは直していかなくちゃいけない。公経済全体をどうバランスをとっていくかというのが先ほど申しましたようなことでございますので、私はぜひひとつ今回もやっていただきたいな、こう思っているところです。
 こんなことで、地方財政が豊かだどうだという話じゃないと私は思いますよ。思いますが、やはり全体をどう直していくかということのバランスの上で考えていかなければならない問題だろうということでお願いをしているところでございます。
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中沢健次#17
○中沢委員 今大臣から、自分の政治家としての体験で、北海道の炭鉱地帯にもお見えになった。私はまだそのころは国会に出ておりませんでしたけれども、よく承知をしております。
 ただ、いずれにしても特例減額問題は、くどいようですけれども、やはり地方行政委員会で、大臣も出ていただいて今のような立場でひとつ十分議論をしていただきたい、そのことを念のために申し上げておきたいと思うのです。
 さて、今回提案されております法律の具体的な内容についてこれから幾つかお尋ねをしたいと思いますが、補助金の一括法案、これは昭和五十九年、六十一年、いろいろありまして、六十年から補助金カットが事実上実施に移される。それで、いろいろな経緯をくぐりまして、今度の法律で一括補助率を確定をする、こういうことになったと思うのです。
 そこで、まず第一にお尋ねをしておきたいのは、昭和六十年以降、法律でいえば四回、一括法、いわゆる暫定、暫定ということで繰り返しをしてまいりました。したがって、この間の経緯について、非常に要約的にで結構でありますけれども、具体的にどういう暫定が繰り返されて、それが地方財政にどういう影響を与えて、その影響をどういう具体的な措置で手当てをしてきたのか、この経緯についてお聞きいたします。
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竹島一彦#18
○竹島政府委員 公共事業等にかかわる補助率につきましては、昭和六十年度以降四回、補助金の一括法という形をもちまして見直しが行われてきたわけでございます。
 具体的には、昭和六十年度におきまして、二分の一を超える高率の補助率につきまして一〇%程度引き下げる、翌六十一年度におきましては、補助事業についてだけでございますが一〇%程度さらに引き下げる、直轄事業は据え置いてございます。それから翌六十二年度におきまして、直轄事業については一〇%程度、補助事業についそは五%程度さらに引き下げるという引き下げの過程を経まして、平成三年度におきましては、六十一年度の水準まで戻すという引き上げ措置を講じでございます。
 以上が補助率の暫定措置の経緯でございますが、これらの見直しに伴います地方公共団体の財政への影響額につきましては、それぞれの年度におきまして、投資的経費については臨時財政特例債という地方債の発行によりまして手当てをいたしまして、その地方債の元利償還に要する経費につきましては、全額を交付税の基準財政需要額に算入するという形で担保し、その財源の一定割合につきましては、これを地方交付税の特例措置ということで国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れるという手当てを講じてきております。
 なお、経常経費につきましては、地方交付税などによりまして手当てをするということでございまして、それぞれ補助率の見直しに係る影響については地方財政措置を講じてきておるということでございます。
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中沢健次#19
○中沢委員 今お答えをいただきました。数字的なことはともかく、この間ずっと積算をしてみますと、これは大蔵省の資料ですが、もちろん自治省とよくすり合わせをしたと思うのでありますが、今ありましたように、投資的な経費、トータルをすると五兆六千億、経常的な経費二兆四千億、合わせまして約八兆円、この間地方財政に影響を与える。しかし、これは起債、最終的には交付税措置ということでやってきた。つまりは地方財政の自己完結型だと思うのですね。これについての議論はまた後ほどやりたいと思いますが、そのことだけを一応指摘をしておきます。
 さて、その次に、実は前回の暫定措置で言いますと、一年を残して、今回一年前倒しで、覚書の一年を前倒しをして固定化、一括、こういうことになったわけですよ。それについての是非を言えばいろいろありますけれども、一年を残して今回法律を出して、将来公共事業の補助率を固定化をする、この理由といいましょうか、根拠、背景、どういうことがあったのでしょうか。
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竹島一彦#20
○竹島政府委員 現在の暫定措置は平成三年度に行われまして、三年間ということになっておりますので、御指摘のとおりあと一年、五年度まではあるわけでございますが、その平成三年度の見直しの際に、関係省庁間でやはりこの補助率については体系化、簡素化の観点から検討を加えて、暫定期間内であっても結論を得るように努力し、結論が得られたものは逐次実施をすべきである、こういうことが申し合わされておるわけでございまして、平成三年七月に関係省庁間の連絡会議を設置いたしまして鋭意検討を進めてまいりました。
 その結果、平成五年度におきましては、たまたま道路整備五カ年計画が改定される年度に当たるということもございまして、これはある意味では不安定な暫定措置というものを解消して、国と地方の財政関係の安定化をなるべく早く図った方がいいということでございまして、これは国・地方同じような意向でございましたので、話し合いがつきまして、今回こういうことで恒久化を図らしていただきたいという次第でございます。
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中沢健次#21
○中沢委員 今聞きましたら、前にも地方行政委員会でも議論をしましたけれども、いずれにしても、一年間を残したけれども、これはやはり早くやった方がいい、関係省庁あるいは地方ともそういう機運が一致をして、事実上基本的な問題についての合意があったのだ、新道路計画の五カ年計画もスタートをすることでもあるし、こういうことだと思うのです。その辺の内容については、きょうは時間がありませんからこれ以上は申し上げません。
 その次にお尋ねをしたいのは、それでは、今回一括法案をやることによって具体的に地方財政にどういう影響を与えるか、あるいはその影響額をどういう具体的な措置でてこ入れあるいは財政運営を含めてやろうとしているかこの辺も改めて聞いておきたいと思います。
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竹島一彦#22
○竹島政府委員 今回のこの恒久化ということによりまして、言ってみれば基本ルールがそういうふうになるわけでございますので、それぞれ国・地方の財政の基本ルールに従って財政措置が講じられるというのが建前といいますか、原則だというふうに考えておりますけれども、現実は従来からの経緯もございますので、即基本ルールというわけにもまいりませんので、今回のこの見直し、恒久化に伴いまして、現実には地方債の手当てという問題が出てまいりますけれども、これの影響額が六千九百億円、これは五十九年度のときと比べての地方への影響額ということになりますが、六千九百億円というものが計算されるわけでございます。
 これに対しまして、事業の継続性、財政運営の継続性ということを考えまして、暫定措置といたしまして以下のような措置を講じさせていただきたいと考えておるわけでございます。
 公共事業等臨時特例債という地方債を暫定的に出しまして、五十九年度との間の地方負担というものを従来と同様に手当てをいたします。その公共事業等臨時特例債の元利償還に要する経費は全額地方団体の基準財政需要に算入いたします。それから、その公共事業等臨時特例債の利払いに要する費用の十分の九に相当する額につきましては、後年度におきまして、地方交付税の特例措置ということで国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れる、こういうことにさせていただいております。
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中沢健次#23
○中沢委員 今いろいろお答えをいただいたことを前提に、少し幾つかの問題を指摘をしておきたいと思います。
 私は、今までの経緯の中で、約八兆円について言えば、起債を認めて償還財源は交付税で措置をした、言葉で言えば自己完結型だ、こう申しました。つまり、それは地方財政の枠の中で起債を認めて交付税で措置をする、だから自己完結型だ、私はこういうふうに断定したわけですよ。今度の場合も、手法としては全く同じなわけですね。六千九百億の影響が出る。これは特例債を発行して、元金の償還については一〇〇%交付税で見る、利払いについては九割国が地方に責任を持って出す、これも結論から言うと、自己完結型だと思うのですよ。
 なぜそういうことを言うかというと、もともと国の補助金、五十九年度ベースに本来戻すべきだ、昔の姿に戻せ、しかしなかなか財政的な事情があってそうはいきません、それでずっと暫定が続いて、今回は、これから先は公共事業も三分の二と二分の一で固定をしますよと。そうすると、従来の手法を全く同じく今度の場合も採用するということ自体に無理がある。
 もっと言うと、今までは、これから先の議論は、恐らく大蔵と自治とを含めて私の方と相当意見の違いは、平行線のままあるいは終わるのかもしれませんが、少なくとも国が補助金をレベルダウンをするわけですよ、簡単に言えば。だから、地方に対する影響分が出るのですから、影響額が。しかも、これをこれからずっと固定をするわけですから、今までの暫定の場合は一歩下がってやむを得ないにしても、これから将来にわたって公共事業はこういく。そうすると、将来にわたって地方の影響が出る、地方の負担が伴う。それを全部地方交付税という、交付税そのものは議論すればいろいろあると思いますが、これは三千三百の自治体、都道府県を含めての共通する固有財源、一般財源だ、この認識は大蔵省も変わっていないと思う。
 そういう一般財源、固有財源を国の補助金を事実上ダウンをすることによって影響を与えた。本来は、それに伴って国がまた別な手当てをやるべきだと私は思う、自己完結型ではなしに、文字どおり公経済、バランス論に立つ以上は。国がそこのところはやはり責任を持つべきではないか、交付税の性格からいってもそうではないか、このように考えるのでありますが、その辺はどうでしょう。これは大蔵大臣にもちょっと見解を聞いておきたいと思います。
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竹島一彦#24
○竹島政府委員 国と地方の財政が全く分離、独立しているということでございますとおっしゃっておられるようなことかと存じますが、現実は、国と地方の財政というのは、公経済のバランス論で言われますところに象徴されておりますようにかなり連結されておるわけでございまして、確かに地方は地方税、それから地方交付税という一般財源を持っておりますが、さらに国との関係では、補助金とか負担金という形で国と地方の財政というのは連結されているわけでございます。
 したがって、今回も公共事業の負担、直轄事業の負担率、それから補助率ということで見直しておりますけれども、これは当然国と地方の関係に影響を与えるということでございまして、こういったそれぞれの変動要因を全部加味いたしまして、それで総合的に国と地方の財政関係はどうあるべきか、まさに公経済のバランスという観点からどうあるべきか、それの結果、調整なり修正をすべきところが出てまいりました場合には交付税の年度間調整という手段等があるわけでございまして、地方財政収支という世界で全体を見て対策を講じさせていただいているということでございますので、特例減額という年度間調整も、そういったもろもろのものの総合的な検討の結果の答えであるというふうに認識しております。
 したがいまして、今回の補助率の見直しに伴って、それに着目して国が地方に対してどうすべきだという議論ではなくて、それを含めて、全体として国と地方をどういうふうに財政関係を平成五年度については処理をするかという考え方でやっているわけでございます。
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林義郎#25
○林(義)国務大臣 今のお話を聞かしていただきまして私思いますのに、今回、今の置かれている国の状況、財政事情は大変厳しい状況でありますから、今新しい制度をどうだこうだというのはなかなか正直言って難しい話だろう、こう思っております。
 ただ、こうした形で補助率等の転換をしますときには、やはりいろいろな影響が出てくるところについては起債を認めていく、そしてそれについては基準財政需要の中に盛り込んでいくという格好をとっていくことであるし、しかも、その利払いにつきましては十分の九ぐらいは国が負担をする、こういうふうな形で今やっていく、こういうことであります。
 基本的な考え方としましては、私は、地方財政措置をいろいろとやりながら、また毎年ごとの地方財政計画が策定されるときにいろいろな形での協力体制というものをつくっていくということが必要なことじゃないかな、こういうふうに考えております。
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中沢健次#26
○中沢委員 正直言いまして、時間があれば随分議論をすべき課題だと思うのですよ。ただ私は、だから交付税率を上げろだとかというような極めて空理空論を言うつもりはありません。
 しかし、例えば特例減額、こういう六千九百億の具体的な影響を与えておきながら、しかもトータルして、今次長が大蔵省の立場で解説的に答弁がありましたけれども、私自身は、それはやはり納得できませんね。
 くどいようですけれども、今までは暫定、暫定でそれなりにお互いに話をして、まあこの線で行こうかという妥協をしたと私は思うのですよ。今度の場合は絶対妥協しないという意味じゃなくて、今度はとにかくこれからずっと固定化するわけですから、この影響額というのはもうずっと固定的に地方にかぶさっていくわけですから、その場合の手法として従来どおりでいいんだというようなことが果たしていいのか。片方で、三年間も連続して特例減額をやろうとしている。これはやはり納得できないですよ。そのことだけを一つ申し上げておきたいと思います。
 これ以上議論をいたしましても恐らくなかなかかみ合わないと思いますね。この法案は大蔵委員会が責任を持って議論をするのでありますが、恐らく明日地方行政委員会からも関係者が来ましていろいろまた質問すると思います。ひとつ誠心誠意改めて答弁に立っていただきたいと思うのです。
 さて、最後の問題になると思いますが、今度のこの補助金一括法案、今言った議論は一応横に置いてもいろいろ問題があるけれども、もう一つやはり我々としては見過ごすわけにはいかない大きな問題がある。これは、非常に難しいことは百も承知であえて聞きます。
 補助率を事実上ダウンをして地方に影響を与えて、地方の責任で財政的に自己完結型でやらせる。さて問題は、行政的に一体どういう配慮をしているのか。もちろん、これはすべて大蔵省の責任だというふうには私は思いません。大蔵省も幾つかの許認可の権限を持つ、あるいは地方に対する分権ということについてもそれなりの影響力を持つ。すべての権限を持っているというふうに私は思っていませんが、今度の一括法案のもう一つの側面として、メダルで言えば表裏、車で言えば両輪のように、少なくとも今自治と分権というのは時代の流れですよ。党派を超えて、あるいはいろいろな財界も含めて、具体的には行革審も地方制度調査会もそうです。
 これからは自治と分権の時代だ。具体的には中央で持っている権限を地方に移譲する、こういう時代だ。そのことを大蔵大臣として納得するのであれば、今度の一括法案の中で、自治と分権といういわゆる思想的なあるいは具体的な手法がほとんど目につかないのですね。
 例えば、各省庁がいろいろ持っている権限について、こういう部分は今度の一括法案の関連の中で地方に権限として移します、こういうことは一つもないのですよ。そこのところは一体大臣として、政治家としてどういうふうに考えているか、あるいは今回の法案で仮に間に合わなければこれから大急ぎで、大蔵大臣は各省庁と予算折衝をしながらそれなりの裁きをされるわけでありますから、権限をたくさん持っている建設、運輸、農水、厚生、たくさんあります。そういうところに、やはり政治家として大蔵大臣として、例えば今私が言っているようなことはこれから恐らく同僚議員が同じようなスタンスで言うと思いますが、非常に大事な問題ですよ。
 基本的に今の自治と分権という時代、権限移譲が非常に大事だという認識をお持ちなのか、今回この法案に抱き合わせではなかなかできないけれども、近々に大蔵大臣としてそういう決意で具体的に各省庁と当たっていく、こういう決意があるのかないのか、そこのところをひとつしっかり聞いておきたいと思います。
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林義郎#27
○林(義)国務大臣 今回の法律は補助金等の問題につきまして出したわけでございまして、御指摘のように、その前にはその権限の問題があるわけでございます。ただ、権限ということになりますと、いろいろな許認可権限というのは私の方で持っているわけじゃない。御指摘のように、各省で持っている話であります。
 また、先ほど来お話がありましたように、地方分権は時代の流れだということも私も十分考えておりますし、日本がこれだけ豊かになってきたならば、やはりそれぞれの地元の問題は地元でできるだけ解決できるというような話でやるのがあるべき民主政治のあり方でもあろう、私はこう思うのです。全部を国がやっているという話ではないと私は思っていますし、そうしたことも考えていかなければならない。これは、政治家として私はそういうふうに思っておりますが、今すぐにこれをそれではどうするかということになりましても、私は、一遍になかなかそうすぐにいく話ではありませんし、権限をどうするか、それからまた地方制度をどうするかという問題もあるだろうと思うのです。
 最初にお話がありました夕張市の話なのか、北海道の何とか支庁の話なのか、北海道の話なのか、また、ほかのところへ行きましたら道州制というような話もあるわけでございますから、その辺をどうしていくかというようなことも、私は正直言っていろいろあるだろう、こう思います。そういったことを総合的な観点から考えていかなければならないものじゃないかな、こう思っておるところであります。
 もう一つ付言して申しますならば、私は、かつてのように日本が非常に惨めな貧しい時代の情勢と、相当豊かになってきたときのいろいろな枠組みというのは、やはりその時代に応じて変わっていってしかるべきだろう、そういうふうに思っておりますし、いろいろな方々とも御相談をして進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
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中沢健次#28
○中沢委員 総論的には大臣の前向きな姿勢が示さている、こういうことで善意に理解をしておきたいと思うのです。しかし、いずれにしても非常に大事な問題でありますから、権限をたくさん持っている大臣とも定例閣議でも会うし、次官クラスのいろいろな会議もあるし、そういうところで大蔵大臣としての今おっしゃったような指導性をぜひ発揮をしていただくように、そのことは特に期待をしておきたいと思うのです。
 さて、自治省の方にも出席を求めておりますので、残された時間、自治省にお尋ねをしたいと思うのです。今大蔵大臣といろいろ、一括法案あるいはそれをめぐって権限移譲問題、少し議論をいたしました。十分聞いていたと思うのでありますが、二つほど簡単にお尋ねをしたいと思うのです。
 確かに権限移譲については具体的なものがない。しかし、そうはいいながら、自治省も、文字どおり地方を守るという、地方の声を代表する省庁でありますから、従来から地方六団体、いろいろなところからの意見を聞きながら、今回の措置に当たって、改善合理化について具体的な内容についていろいろ実現をしたということを漏れ承っていますけれども、この際ですから、少しく具体的な内容について明らかにしてもらいたいということ、これが一つ。
 それからもう一つは、率直に言って、権限が中央に集中をしている、結果的に陳情行政になっている、その弊害はもう今さら言うまでもない。であれば、例えばもっと補助金の全体の中で、事務の簡素化だとか、あるいは同じような補助金については統合していく努力だとか、つまり自治省としてやるべき、そういう意味での項目がまだたくさんあるのではないかと思うのです。ですから、改善合理化の努力の中身とこれからの問題も含めて、自治省側の基本的な態度とやや具体的な見解を含めてお聞かせをいただきたいと思います。
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松本英昭#29
○松本(英)政府委員 お答えを申し上げます。
 御指摘のように、自治省といたしましては、かねてから補助金につきまして、いろいろと自主性の拡大の方向について御要望を申し上げてきたわけでございます。
 そういうことに関連いたしまして、今回、この恒久化の措置とあわせまして、地方団体の自主性を高めるという観点から、まず補助対象事業の重点化を進めるということといたしまして、例えば児童公園とか土地改良総合整備事業のうち小規模なもの、こういうものにつきましては、もう補助制度を廃止して、地方の自主性にゆだねることにしていただくというようなことにいたしております。
 それから次には、いわゆる採択基準を引き上げまして、あるいはまた採択基準を新たに設定をいたしまして、それ以下のものは地方の自主的な判断にゆだねる分野を拡大する、そういうことを図ったところでございますが、例えば河川あるいは道路の局部改良などについてそういう措置をいたしているわけでございます。
 それから、御指摘の第三の統合・簡素化のことでございますが、例えば流域下水道の一種と二種、あるいは小規模河川一級の一種と二種というようなものを統合して、手続上の簡素化を図っていただく、そういうようにいたしているところでございます。
 今後とも、補助金の整理合理化等については引き続き努力を重ねていくところでございます。
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