予算委員会

1993-02-03 衆議院 全313発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成五年二月三日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 粕谷  茂君
   理事 石川 要三君 理事 小杉  隆君
   理事 鴻池 祥肇君 理事 佐藤 信二君
   理事 中川 昭一君 理事 串原 義直君
   理事 中西 績介君 理事 松浦 利尚君
   理事 草川 昭三君
      相沢 英之君    愛野興一郎君
      粟屋 敏信君    井奥 貞雄君
      石原慎太郎君    臼井日出男君
      内海 英男君    衛藤征士郎君
      大石 千八君    大野 功統君
      狩野  勝君    金子徳之介君
      唐沢俊二郎君    倉成  正君
      高鳥  修君    戸井田三郎君
      中山 太郎君    萩山 教嚴君
      浜田 幸一君    原田  憲君
      真鍋 光広君    松本 十郎君
      村山 達雄君    柳沢 伯夫君
      山本 有二君    綿貫 民輔君
      有川 清次君    伊藤 忠治君
     宇都宮真由美君    関  晴正君
      富塚 三夫君    楢崎弥之助君
      堀  昌雄君    松前  仰君
      三野 優美君    水田  稔君
      目黒吉之助君    元信  堯君
      石田 祝稔君    二見 伸明君
      宮地 正介君    児玉 健次君
      辻  第一君    正森 成二君
      中野 寛成君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  宮澤 喜一君
        法 務 大 臣 後藤田正晴君
        外 務 大 臣 渡辺美智雄君
        大 蔵 大 臣 林  義郎君
        文 部 大 臣 森山 眞弓君
        厚 生 大 臣 丹羽 雄哉君
        農林水産大臣  田名部匡省君
        通商産業大臣  森  喜朗君
        運 輸 大 臣 越智 伊平君
        郵 政 大 臣 小泉純一郎君
        労 働 大 臣 村上 正邦君
        建 設 大 臣 中村喜四郎君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     村田敬次郎君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)河野 洋平君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 鹿野 道彦君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      北  修二君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 中山 利生君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      船田  元君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中島  衛君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 林  大幹君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 井上  孝君
 出席政府委員
        内閣官房内閣外
        政審議室長
        兼内閣総理大臣
        官房外政審議室
        長       谷野作太郎君
        内閣官房内閣安
        全保障室長
        兼内閣総理大臣
        官房安全保障室
        長       児玉 良雄君
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一
        部長      津野  修君
        国際平和協力本
        部事務局    柳井 俊二君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  陶山  晧君
        防衛庁参事官  高島 有終君
        防衛庁長官官房
        長       村田 直昭君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁経理局長 宝珠山 昇君
        防衛施設庁総務
        部長      竹下  昭君
        防衛施設庁建設
        部長      黒岩 博保君
        経済企画庁調整
        局長      長瀬 要石君
        経済企画庁総合
        計画局長    田中 章介君
        経済企画庁調査
        局長      土志田征一君
        環境庁長官官房
        長       森  仁美君
        国土庁長官官房
        長       藤原 和人君
        国土庁長官官房
        会計課長    藤田  修君
        法務大臣官房司 濱崎 恭生君
        法法制調査部長
        法務省刑事局長 濱  邦久君
        法務省保護局長 杉原 弘泰君
        外務省アジア局
        長       池田  維君
        外務省経済局長 小倉 和夫君
        外務省経済局次
        長       林   暘君
        外務省条約局長 丹波  實君
        外務省国際連合
        局長      澁谷 治彦君
        外務省情報調査
        局長      鈴木 勝也君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    日高 壮平君
        大蔵大臣官房審
        議官      永田 俊一君
        兼内閣審議官
        大蔵省主計局長 斎藤 次郎君
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        国税庁次長   瀧川 哲男君
        文部大臣官房長 吉田  茂君
        文部大臣官房総
        務審議官    岡村  豊君
        文部省高等教育
        局私学部長   中林 勝男君
        厚生大臣官房総
        務審議官    瀬田 公和君
        厚生省年金局長 山口 剛彦君
        農林水産大臣官
        房長      上野 博史君
        農林水産大臣官
        房予算課長   堤  英隆君
        農林水産省経済
        局長      眞鍋 武紀君
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
        通商産業省通商
        政策局長    岡松壯三郎君
        通商産業省産業
        政策局長    熊野 英昭君
        運輸大臣官房長 豊田  実君
        運輸大臣官房会
        計課長     楠木 行雄君
        運輸省運輸政策
        局次長
        兼内閣審議官  和田 義文君
        郵政大臣官房財
        務部長     新井 忠之君
        労働大臣官房長 七瀬 時雄君
        建設大臣官房会
        計課長     木下 博夫君
        建設省建設経済
        局長      伴   襄君
        自治大臣官房審
        議官      松本 英昭君
        自治大臣官房審
        議官
        兼内閣審議官  小川 徳洽君
        自治省行政局長 紀内 隆宏君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        衆議院事務総長 緒方信一郎君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月三日
 辞任         補欠選任
  愛野興一郎君     金子徳之介君
  石原慎太郎君     萩山 教嚴君
  臼井日出男君     山本 有二君
  越智 通雄君     狩野  勝君
  浜田 幸一君     井奥 貞雄君
  松永  光君     大野 功統君
  柳沢 伯夫君     真鍋 光広君
  竹内  猛君     有川 清次君
  市川 雄一君     石田 祝稔君
  不破 哲三君     辻  第一君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     浜田 幸一君
  大野 功統君     松永  光君
  狩野  勝君     越智 通雄君
  金子徳之介君     愛野興一郎君
  萩山 教嚴君     石原慎太郎君
  真鍋 光広君     柳沢 伯夫君
  山本 有二君     臼井日出男君
  有川 清次君     竹内  猛君
  辻  第一君     正森 成二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成五年度一般会計予算
 平成五年度特別会計予算
 平成五年度政府関係機関予算
     ―――――◇―――――
この発言だけを見る →
粕谷茂#1
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
この発言だけを見る →
堀昌雄#2
○堀委員 質問に入る前に、「衆議院予算委員会証人喚問要求」を、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党が「平成五年度政府予算案の審議に当たり、佐川急便問題に関しその真相究明等のため、左記の者の証人喚問を要求する。」という文書を今予算委員長に提出をいたしますので、よろしくお取り計らいをお願いをいたします。
この発言だけを見る →
粕谷茂#3
○粕谷委員長 後刻理事会で協議をいたします。
この発言だけを見る →
堀昌雄#4
○堀委員 まず最初に、カンボジアにおきまして、プノンペン政府がポル・ポト派に対して先月末以来攻撃を開始している。ちょっと私どもの予想しない状態が今カンボジアで起きておるわけでございます。この今の事態というのは、少なくとも私どもが認識をしておりますPKO協力法案の中に盛られております五原則に照らしても、これは重要な対応が迫られている、こう思うのでありますが、まず最初に渡辺外務大臣から御答弁をいただきます。
この発言だけを見る →
渡辺美智雄#5
○渡辺国務大臣 ただいまお話しのように、我々の予想以外の事態が発生したことを非常に心配をいたしております。しかしながら、両派とも、パリ協定はこれは遵守するんだ、破られていないということは、ポル・ポト派もそういうことを言っておりまして、一方、プノンペン政府の方も、自分たちの地域に侵略されたのを奪還するためにやったんだというようなことを言っておりますが、これらに対しては自重をするように日本政府としては申し入れをいたしております。
 それらの具体的な状況説明につきましては、アジア局長から説明させます。
この発言だけを見る →
池田維#6
○池田政府委員 お答えを申し上げます。
 現在、現地の軍事情勢の把握につきましては鋭意努力をいたしておりますが、私どもの承知しておりますところでは、現在のところ本格的な戦闘は行われていないということでございます。
 すなわち、カンボジアの西部のバタンバン州におきましては、一時プノンペン派の軍隊が約二十キロの近くまで迫ったと言われておりましたが、昨日のUNTACの報告によりますと、四十キロまで退却したというように言われておりまして、そういった意味では、この地域では緊張は緩和しつつあります。その他、北部のシエムレアプ州とかあるいはクラチエ州におきましては、若干の停戦違反がありまして、そこでにらみ合いは続いておりますけれども、これも今のところそれほど大きな戦闘には至っておりません。そういったところから、全体といたしまして情勢はそれほど大きく展開していないということでございます。
 他方、私どもといたしましては、双方、つまりプノンペン政権の軍、それからクメール・ルージュの軍に対しまして自制を呼びかけてきておりまして、昨日も我が方の今川大使を通じましてプノンペン政権の外務次官に対し自制の呼びかけをいたしました。それから、ポル・ポト派に対しましては、現在責任者がプノンペンにはおりませんけれども、帰ってきましたら直ちに申し入れをするということをやっております。それから、明石代表からフン・セン・プノンペン政権の首相に対しましては、別途きのう話し合いをいたしまして、自制を呼びかけるということをやっていると思います。
 そういった意味で、全体の情勢は一時伝えられていたほど悪い方向には動いていないというように承知いたしております。
この発言だけを見る →
堀昌雄#7
○堀委員 今の答弁を聞いておりますと、本格的な戦闘にはなっていない。この今のプノンペン政府側の攻撃というのは、一体それじゃどういう状態で、どういう重大器を使って、どうなっているのか、答弁を求めます。
この発言だけを見る →
柳井俊二#8
○柳井政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまアジア局長から、現地の情勢につきまして答弁がございました。カンボジアに限らないことでございますけれども、長年戦争がありまして、停戦の合意ができたという場合に、これが完全に守られて平和になるのがもちろん望ましいわけでございますが、ただ、現実の問題といたしましては、停戦違反というものは時々あるわけでございます。カンボジアにおきましても、そういうような状況が今まで遺憾ながらございまして、むしろ、それゆえにこそ国連の平和維持活動というものを行う意味があるわけでございます。
 すなわち、長年の戦争の後に和平ができましても、現実の問題といたしましては脆弱な点がございますので、これを国際社会が、国連という形でございますが、停戦監視員あるいはその他の要員を出しましてこの停戦の遵守を確保するというのが、まさにPKOの目的でございます。したがいまして、繰り返しになりますが、現実の問題としては停戦違反というものはあるわけでございまして、最近のカンボジアにおける事態もそのような停戦違反というものであるというふうに考えております。
この発言だけを見る →
堀昌雄#9
○堀委員 私の質問に全然答えていないじゃないですか。本格的な戦闘ではないというのなら、どういう火器を使って、どういう戦闘をやってるのかということを答弁を求めているのに、全然関係
のない答弁をされたのじゃ困りますよ。
この発言だけを見る →
柳井俊二#10
○柳井政府委員 御質問の趣旨をあるいは取り違えたかもしれません。その点はおわび申し上げます。
 どのような火器を使ってどの程度の規模で戦闘を行ったかという御趣旨でございますならば、これは今UNTACの方で調査をいたしておりまして、まだその辺の詳細につきましては発表がございません。いろいろ伝えられております。あるいはロケット砲を使ったとか、あるいは小火器を使ったとか、いろいろ言われておりますが、正確なところにつきましては、UNTACの調査の結果を待っているというところでございます。
この発言だけを見る →
堀昌雄#11
○堀委員 今の答弁を聞きますと、どういう状態での戦闘が行われているかはつまびらかになっていない。しかし本格的な戦闘でないという判断は、じゃどこからきているのですか。そこのところをはっきりしてもらいたい。
この発言だけを見る →
柳井俊二#12
○柳井政府委員 本格的という意味はいろいろ意味があると思いますが、恐らくアジア局長が答弁申し上げましたのは、まあ全面的にと申しますか、停戦の合意が崩れるほどの規模あるいは地域的に見まして全面的な戦闘が行われたというものではないということを申し上げたものだと思います。
 すなわち、今回の事態は、五つの州で戦闘が行われたという発表でございましたけれども、これはこの五つの州に関しましても、何も五つの州全体で戦闘が行われたということではございませんで、その一部の地域で戦闘があったということでございます。ましてや、カンボジア全土で戦闘が行われたというものではないわけでございます。
この発言だけを見る →
堀昌雄#13
○堀委員 一カ所で小火器で行われたというのなら、私はそれは本格的な戦闘でないという認識は成り立つと思うのですが、今の話を聞きますと、五つの州にわたって戦闘が行われておる。今の話では、私ども新聞の情報だけではわかりませんが、少なくともプノンペン政府の正規軍がポル・ポト派と戦闘をするという以上は、それなりの戦闘が行われておると認識するのが相当ではないのか、こういうふうに私は判断するのですが、これは政治的な問題ですから、渡辺外務大臣の答弁を求めます。
この発言だけを見る →
渡辺美智雄#14
○渡辺国務大臣 今お話がありましたように、具体的な戦闘の形態その他についての情報を握っているわけではありません。しかしながら、全面戦争になっているという状態でもない。確かに五つの州で、五つの州全部がやっているわけではないですから、州の中のどこか一カ所とか二カ所とか、細かいゲリラ的な戦闘があったということは事実であって、なぜそれが起きたのかということにつきましてもまだ想像の域を出てないのです。
 実は、選挙を前にいたしまして既に住民登録が終わったのだけれども、そこにポル・ポト派が勢力拡大をしてきた。そうすると、それらの人が今度は選挙に行かなくなってしまう。そういうことを危惧した政府側がそいつを追い出しにかかったのじゃないかとか、いろいろ説はありますよ。ありますが、確実なところはまだつかんでいない。しかし、本当の戦争という状態よりも、お互いに勢力拡張のための威嚇のし合いみたいなことは、それはあったことは事実でございます。それが本当に本質的なパリ協定を守らないという姿勢に出ているのか、いや、それは守るのだ、守るけれども、出先でいろいろないざこざはあったということは事実でございますが、それらについてUNTACとしても、それが明らかな、もう協定は将来とも守らないのだという立場じゃない、こう見ておるわけですから、我々といたしましても今の段階において、それはもう完全な協定違反が将来もずっと続いていくのであって、だから自衛隊をすぐ引き揚げるとかどうとかというような状況にはないということを申し上げたわけです。
この発言だけを見る →
堀昌雄#15
○堀委員 PKO協力法のいわゆる五原則というものについて、まず渡辺外務大臣から御説明をいただきたいと思います。――これは大臣答弁だよ。そんなのだめだ。
この発言だけを見る →
粕谷茂#16
○粕谷委員長 柳井事務局長。
この発言だけを見る →
堀昌雄#17
○堀委員 私が大臣の答弁を指名しておるときに政府委員に答弁させるというのは、これはちょっと問題がありますからね。
この発言だけを見る →
渡辺美智雄#18
○渡辺国務大臣 正確を期すために今資料を取り寄せただけであって、要するに五原則というのは、一つは、紛争当事者の間で停戦の合意が成立しているということがまず第一です。合意が成立している。それから、当該平和維持軍が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持軍の活動及び当該平和維持軍への我が国の参加に同意している。これは同意したから行ったわけですから。それから、平和維持軍が特定の紛争当事者に偏ることなく中立的な立場を厳守する。したがって、我々はこれは中立的にやっております。上記の基本方針のいずれかが満たされない状態が生じた場合には、我が国から参加した部隊は撤収することができるということが第四番目。五番目は、武器の使用は要員の生命等の防護のために必要な最小限度のものに限ること。これもそのとおり。
 問題は、第一番目の、紛争当事者の間で停戦の合意が成立しているということですね。その合意が、実は停戦の合意はあるのだが部分的に停戦の合意違反の箇所があるということも事実であります。しかしそれは、だからといってこの合意は全然もうだめになっちゃったんだという段階には至っていないというのが現在の我々の認識でございます。
この発言だけを見る →
堀昌雄#19
○堀委員 今の外務大臣の答弁の中で、要するに合意が成立しておる、こういう話なんですね。しかし、この政治情勢を見ると、ポル・ポト派はカンボジアにおける選挙に対して協力の意思がない。そこで、選挙人の登録を彼らの地域では認めていない。こういう基本的な、政治的な背景があるのですね。
 だから要するに、停戦の合意というのは、その裏側に停戦の合意が政治的あるいは現実的な情勢の上に成立しているのなら私はこの合意はそのまま続くと思うのだけれども、その後ろ側にある、背景にあるところのこれから行われる選挙に対してポル・ポト派は反対だから要するに今の選挙人登録を認めていない、やらしていない。それをそれではやらせるようにしようと言ってプノンペン政府がやろうとすれば、これは単なるいざこざとか紛争ではなくて、その背景にあるものは、これは戦争に発展し得る重要な問題がその背景にあるから問題が起きているのであって、これが時間がたつにつれてこの戦闘というのは、さっき本格的な戦闘ではないという話でしたが、本格的な戦闘に移る可能性は現状分析から見て非常に高い、こういう判断を私はするのですが、どうですか、外務大臣。
この発言だけを見る →
渡辺美智雄#20
○渡辺国務大臣 それは我々も心配しないわけではありません。心配はしております。おりますが、御承知のとおり、あそこはシアヌーク派もあればソン・サン派もあれば、そして現在のプノンペン政府派もあればポル・ポト派もあるということですね。その中で、ポル・ポト派と現在のプノンペン政府派が比較的大きな戦力を持っておったということも事実。そして片や、それぞれ助っ人がついておりまして、それはアメリカとかあるいはその他の国、ベトナムとかそれから片っ方は中国とかいうふうにみんな今まで助っ人がおったわけですよ、武器援助、その他を援助しておったわけですから。
 しかし、そういうものも全部やめようということで国連で会議をやって決まったわけですね。それで中国もポル・ポト派に対する援助をやらない、アメリカの方もソン・サンやシアヌークに対する援助はやらないというようなことで、それからベトナムも、それはソ連からベトナムを通してやっておったわけですが、これもやらない、もちろん兵隊も引き揚げるというような、年数をかけた国際会議の結果パリ協定というものは結ばれたわけですから、我々は一部分的にその中の一派の中のまた少数派がそういうようなことをやったとしても、じゃそれではもうまたもとへ戻ってもいいんだというわけにはなかなかいかないもので
あって、国連としてはできるだけ忍耐強く説得をしながら、今後とも選挙は、もう出てくるなというのじゃなくて、今からでも遅くないですよ、選挙人に加入してくださいという努力は、これは五月まで先があるわけですから続けていこう、これはやっている最中なんですよ、いまだに。したがって、日本だけが今の段階でこれは停戦合意が崩れたんだというように断定的に申し上げるというわけには私はいかないのではないか、そういうように考えております。
この発言だけを見る →
堀昌雄#21
○堀委員 非常にカンボジア情勢というのは複雑な要素がかみ合っておるわけであります。その複雑な要素がかみ合っておるもとになっておるのは、やはり五月における選挙というものが一つのターミナルになっているわけでして、そこへだんだんだんだん近づいていくわけですね。現在、まだ一月ですからね、この紛争が起き始めたのは。一月から紛争が起き始めて、そうしてだんだん、それは全面的な戦闘になるとは私は思いませんけれども、しかしお互いが自分たちの支配範囲を広げるということが選挙の結果に影響してくるわけですからね。
 だから、この選挙がなければ私もそんなに心配しないのですけれども、後ろ側に選挙という重要な政治課題があって、その政治課題に対して今のプノンペン政府側とそれからポル・ポト派は基本的に考えが違う。そのためにポル・ポト派は選挙人登録をするなと言って抑えているということですからね。これは今外務大臣のおっしゃるように大したことなしにいけば、私も大変それは、カンボジアのために我々も平和を願っておるわけですから、いいことだと思うんですが、私は、少なくともあの地域の情勢、そうして今の選挙という極めて大きな政治課題があるのに、これからますますこういう条件は加速をする可能性がある、こう判断をするのです。
 これは極めて基本的な政治判断でございますので、宮澤総理大臣の御答弁をいただきます。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#22
○宮澤内閣総理大臣 従来ポル・ポト派が言っていることは二つありまして、一つは、十分に武器を持ったベトナムの勢力が本当にゼロにはなっていない、相当の者がまだいるという主張、これはどうも事実に徴して余り説得力のある主張ではないように思われますが、もう一つの主張は、SNCというものをつくったけれども、これは公平ではない、甚だしくフン・センといいますか、そういう中央勢力に加担をする嫌いがあって、そしてUNTACもどうもそのことを黙認しているではないかと、こういう主張でございます。
 それで、第二の主張は、それはクメール・ルージュからいえば、何かそう思う節があって主張しているのだと思います。このことは、違っている、違っていないということは簡単に実証もできないことでございますけれども、そういう状況の中で選挙が行われるということは、それはフェアな選挙ではない、こういうことであろうと思うのでございますが、しかし、事実に徴して考えますと、SNCはそういうふうにどうも公平でないという批判はしょっちゅうクメール・ルージュはしておりますけれども、SNCの会合にはキュー・サムファン代表はずっと出ておるわけでございます。
 御承知のように、先般北京でSNCが開かれましたときにもキュー・サムファン氏は出ておりまして、そして選挙を五月の二十何日にやろうという一応合意がありましたときに、キュー・サムファン氏はその会議の席には現実にいて、そしてそれについていわば沈黙をしておったということでございますので、それらのことを考えますと、今のSNCのあり方、UNTACのあり方にはいろいろ恐らく不満があると思いますのですが、全体をつくり上げているバリ協定そのものは否定をするつもりはない、こういうのがクメール・ルージュの立場であるように思われます。
 したがいまして、それが和平の枠組みが壊れていないと私どもが考えている基本的な理由でございます。もうバリ協定がだめだ、こういうことになりますとこれはまた違うことが生まれるかもしれませんが、そうではなくて、そのやり方についていろいろクメール・ルージュとしては意見がある、異存がある、こういう主張のように思われます。それが基本的な私どもの判断でございます。
 次に、この数日起こっておりますことは、プノンペンなりあるいは幾つかの都と東京との通信状況は極めて良好でございますので、そこまでのことはわかっておるのでございますけれども、現地で、ある村でこういう衝突があったというようなことになりますと、プノンペンとそことの状況がわからないというのが今の様子でございますが、どうも総合的に判断いたしますと、これから先を今予断することができませんが、ここまではフン・セン自身が、これはこれでどうもクメール・ルージュに対してUNTACが思い切ったことができない、クメール・ルージュがだんだん領域を拡大しているではないかということを非常にフン・センとしては不平に思っておったわけでございますけれども、UNTACに対して不平に思っていたんですが、ここで登録が終わりましたものですから、その間に失われた失地の回復をしておこう、こういうのがフン・セン氏の主張であるように思われる。
 今度これだけ報道が大きくなりましたのは、パイリンというところに近づいたということがあって、そのパイリンというのはまさしくクメール・ルージュのいわばドル箱と申しますか、御承知のような幾つかの事情からこれが一番の中心点でございますので、そこへフン・センがしかけるのではないかということで非常に注目が集まったけれども、先ほど政府委員が申し上げましたように、二十キロまで行ったけれども四十キロのところまでまた下がった。
 フン・セン氏の説明では、それがかつてのフン・セン軍のいわば縄張りであったので、そこまでクメール・ルージュが来たのは、これは、この数カ月の間に自分の縄張りに先方がいわば不法に進出した、失地を回復したのであるというのがフン・センの説明のように思われるのでございます。
 そういたしますと、長くなって申しわけありませんでしたが、大きな何か全面的に両方の間の戦争が起こるということでは、ただいままでのところはでございます、なくて、フン・センはUNTACに対する自分の不満というものを一応失地回復の形で表明をした、それからクメール・ルージュはSNCに対する不満を選挙をボイコットするという形で表明をしておる、こういうことであろうと思うんでございますね。
 これは今日までの判断でございますから、我が方の、今川大使というのが現地の大使でございますが、今川大使はそれらの関係者といろいろ話をしておりまして、大使の総合判断としては、確かにここのところ停戦協定の違反が目立っているけれども、全体として大きな衝突に発展する意思をフン・センもクメール・ルージュも持ってやっているわけではないというふうに明石代表等々も含めました判断を今川大使が伝えてきておりますので、私どもとしては、まず今としてはその判断を尊重してよかろうか。しかし、これは今日までのことでございますから、現地の状況の変化には絶えず注意を払っておらなければならないと思いますことは堀委員の御指摘のとおりと思います。
 それから、それならばクメール・ルージュがこの五月何日の選挙に向かってこれからどうするか、何を意図しているかということにはいろいろ観測がございますが、一般的には、支配人口で一〇%ぐらいもあろうか、支配地域で一五%ぐらいもあろうか。これもごくごくふわっとした話でございますけれども、そういう状況の中で、選挙で全体の多数を得るという感じには恐らくなってはいない。しかし、そういう状況の中でクメール・ルージユがこれからどうするかということは、今からまだ二、三カ月の時間がございますので、それは経緯を見ていなければわからないのではないかと思いますが、いずれにしても、先ほど申しましたようにパリ協定全体が選挙の登録まで参りました。そして、このままいけば五月の何日に選挙
がある。そこまでのパリ協定の基本をクメール・ルージュが崩そう、それを否定しようというふうには見えないということと、今までの状況でしたら、停戦違反というのは先ほど申しましたような程度である、こう判断しております。
 ただ、言われますように、これは今日までのところのことでございますので、事態を十分注意をいたしておかなければなりません。法に定められました条件が欠くようなことがないことを祈っておりますし、またそういう説得に努めておりますが、事態の推移は十分注意をして見てまいります。
この発言だけを見る →
堀昌雄#23
○堀委員 日本からも実はUNTACに派遣をされておる人たちがいるわけでございますから、私もこの事態が平穏に解決をされることを望む一人でありますけれども、何と申しましても、五月の二十日過ぎに選挙があるという、これが一つの重要な政治課題でございますので、政府としても派遣員の生命財産に万一のことがないように十分情報を収集しながら対応をしていただきたい、こう特に要望をいたしておきます。
 それでは本来の質問に入らせていただきます。
 私は、宮澤総理がまだ閣僚でいらしたころにこの委員会で既に一回問題を提起しておるのでありますけれども、要するに憲法九十八条は、御承知のとおり「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」こういうふうに憲法九十八条は規定をいたしておりまして、憲法九十九条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」こういうふうに実は憲法は述べているのでございます。
 そこで、皆さんのお手元に実は私のパンフレットをお配りしてございます。時間がありませんから、これはよくごらんをいただければ私が何を言いたいかというのはここに述べておるわけでございますが、この今の国会の旧館というのは、要するに、構造からその他多少の違いはありますが戦前に建てられた、大日本帝国憲法のときに建てられた構造と様式がそのまま続いておる。
 多少違いますのは、私は一九五八年、昭和三十三年五月の選挙で当選をしてまいりまして現在在職三十二年を超えておるのでありますけれども、当初のときは私どもの座っておりますいすは、あそこにあるあの平たいいすがここに全部並んでいたんです。そして閣僚はこういう大きないすにずるっと座っていた。それを私は、宮澤さんが、当時の大臣は何をしていらしたか、経企庁長官、通産大臣、大蔵大臣と経済関係の大臣をしていらっしゃいましたので随分何回も論議をさせていただいておりますが、そのときに、憲法四十一条は「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」と、こういうふうになっております。帝国憲法は、要するに天皇を中心とする完全な官僚独裁のような憲法でありますから、要するに、国務大臣及び政府委員は何ときたりとも議会に出て発言することを得と、こう書いてあるんですね。発言してもよろしいと書いてあるんで、それは権利ではなかったわけなんですね。
 そういう状態の中で、実は皆さんは、今私どもと、いすの大きさはちょっと違うんですよね、それはこう小さいんですけれども、これについて衆議院側で配慮をして今のこのいすに変わったんです。もとはあのいすだったんです。その経過をちょっと事務総長、ひとつ答弁をしてください。
この発言だけを見る →
緒方信一郎#24
○緒方事務総長 現在の議事堂でございますが、本格的な議事堂ということで大正九年の一月に起工されまして、昭和十一年の十一月に竣工いたしております。約十七年の歳月を費やしております。それで、昭和十一年の十二月二十四日に召集されました第七十回の帝国議会から使用されまして、最後の帝国議会であります第九十二回帝国議会まで使われました後、引き続き第一回国会から百二十六国会まで使われておる、こういう状況でございます。
 それで、ただいまお話がございました予算委員室のいすでございますが、現在大臣席でお使いいただいておりますものにつきましては、御指摘のとおり竣工当時に使っておりました形式の安楽いすをそのまま使っております。委員席につきましては、ただいまお話ございましたように、当初は本館内の他の委員会室で使っております、ちょうどあの後うにありますああいう形でございますが、それを使っておりましたが、昭和四十六年の八月に現在の回転式のいすに改めております。
この発言だけを見る →
堀昌雄#25
○堀委員 これは衆議院の事務局側が、幾ら何でも憲法等に書かれておる国権の最高機関ということは、少なくとも私は国会が最高機関であって、そうして行政と司法というのがその次のランクだというふうに認識するのが相当だと思っていますから、その最高のものが、そういうそこにある平たいいすで、ひじかけもないいすにずっと座っていたんですね。そうして閣僚は戦前のままだということに対する事務当局の配慮なんですね。政治的な話でこうなったんじゃないんです。私は、このことが憲法九十八条に一体どういう関係を持っておるのかということを実は伺いたいわけです。
 もう一つあります。本会議で、今国権の最高機関の私どもは、あの議場の下の席に座っておりますね。後ろの方、私は今、党の中で一番古いものですから、その私の座っているところは大分高いところへ来ていますけれども、しかし、フロアとしては下のフロアですね。そうしてあそこにひな壇と称する高いところがあって、そこに閣僚は全部並んでいるわけですね。国権の最高機関の方が下にいて、二番目のランクのものがひな壇で座っている。これも憲法九十八条の趣旨を体したら、ここの憲法九十八条で、「国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」というふうに書かれているのですが、私はやはり国務の一部だと思うんですね、あそこに座っているということは。
 ですから、フランスの議会を見てみますと、フランスの議会は高い壇の上には議長とそれの関係者だけがいるわけでして、その他の閣僚は前列、一番最初の前列にいるのですね。そうしてフランス議会は開会中は週に何回か内閣に対する一般質問というのが行われるようでありまして、それを傍聴いたしました。そうすると、ちょうど今の衆議院の本会議場で「議長」と、こう言って自民党の方が発言をされるぐらいのところに、通路に実はマイクロホンが立っていまして、そして閣僚は全部前列に座っていて、前列に適当にマイクロホンが置かれています。そして議員の方は、例えば首相なり農林大臣なりを指名をして、この問題についてはどう考えるかとこちらのマイクでやると、首相なり農林大臣が立って議員の方を向いてそのマイクで答える、こういうふうになっているんですね。
 そうすると、私は、建物は別に上の壇があってもいいし、そうして議長及び副議長その他の国会職員がその上に立っているのは、これは要するに議長の影響力の間における関係者でありますから問題ないのですが、要するにひとつ閣僚はこの際、皆さんの席、一番後ろにあるのですからね、後ろから一々出ていくのは時間がかかりますから、だから時間を節約するためにもフランス式に一番前列に閣僚は全部座っていただければ、そうして壇は、演壇があるのですから演壇は使ったらいいと思うのですね、せっかくあるのですから。しかし少なくともひな壇から皆さんはおりて、一番後ろにいたのではまずいからフランス式に一番前列に座ってもらうというふうな改革をひとつしていただきたい。これが第一点ですね。
 そして第二点は、こちらのいすは回転いすで、あれですが、これはいすを同じにしたらどうかと思うのです。そちら側もこの回転いす、これと同じものでちっとも構わないと思うんですね。そうすれば、私は何も国権の最高機関だから我々が上の方に行こうなんて思っていませんけれども、この憲法九十八条が規定をしておることは、四十一条で「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」あと立法機関の話をまたこれからしますが、少なくとも同じレベルにある
ということに正すのが憲法九十八条の正当な解釈である、こう認識をしておりますが、宮澤総理大臣、いかがでございましょうか。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#26
○宮澤内閣総理大臣 国会のあり方につきまして行政府の責任者でございます私が決して批判がましいことを申し上げるつもりではございませんので、この点は誤解のないようにまずお願いをしておきまして、ただいまの御質問でございますが、帝国憲法ができましたその過程の中で、恐らく伊藤博文等々の人がプロイセンその他を実地に見、話を聞かれて、そしていわゆる帝国憲法ができたものと考えておりますが、この議事堂そのものが、先ほど事務総長の言われましたように大正九年に基礎プランが決まって昭和十一年にできたということは、もう明白に帝国憲法下でございますので、議事堂のしつらえというものが帝国憲法の考え方を背景にしてつくられたということは、それは明らかなことであろうと存じます。その残滓と申しますか、そのままのことが今の、新憲法と仮に申しますが、現憲法までそのまま引き継がれておる事例をただいま幾つが御指摘になられたと思います。
 私も、おっしゃいますことはいかにもそのようだなと、議員の一人として申し上げますならば、そう思います。憲法が変わりましたときにいろいろしつらえが変わるべきであったろうということでございますれば、いかにもそうではないかというふうに私も思っております。
 ただ、そこまでのことを申し上げまして、行政府の立場として申しますと、国会の御意思でこのしつらえをいろいろに変えるべきであるということであれば、国会の御意思を実現いたしますための必要な予算措置は、これはもとより国会の御意思を尊重してやってまいりたい。これは行政府の長としてのお答えの部分でございます。
この発言だけを見る →
堀昌雄#27
○堀委員 今お話しのように、行政府の立場はわかりますが、宮澤総理は自由民主党の総裁でもあられまかね。そして、やはり衆議院議員でございますね。衆議院議員、自由民主党総裁のお立場で私の提案はどういうふうな御判断でございましょうか。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#28
○宮澤内閣総理大臣 一人の議員として考えますと、帝国憲法から現在の憲法に変わりましたときに、帝国憲法時代のしつらえというものは今の憲法の精神に合わないと考えられます限りにおいて、やはり改めることが適当であったのではないか、こういうふうに考えます。
この発言だけを見る →
堀昌雄#29
○堀委員 今、あったのではないかというお話なのですが、その今の新憲法ができたときに、私が聞いておりますところでは、尾崎行雄さんがあの壇をとるわけにはいかないのかというふうに事務方にお話しになったけれども、当時は財政不如意で、何かあれをおろすのは大変な費用がかかってできないということで、尾崎議員もそれはやむを得ない、こういうふうな話を聞いたことがあるのですが、事務総長、ちょっとそこでひとつ答えてください。
この発言だけを見る →
← 戻る