地方行政委員会,大蔵委員会連合審査会公聴会

1994-11-21 参議院 全138発言

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会議録情報#0
平成六年十一月二十一日(月曜日)
   午前十時開会
    —————————————
  出席者は左のとおり。
   地方行政委員会
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                長谷川 清君
                続  訓弘君
                西川  潔君
   大蔵委員会
    委員長         西田 吉宏君
    理 事
                竹山  裕君
                楢崎 泰昌君
                志苫  裕君
                峰崎 直樹君
                白浜 一良君
    委 員
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                須藤良太郎君
                増岡 康治君
                一井 淳治君
                鈴木 和美君
                谷畑  孝君
                堂本 暁子君
                池田  治君
                直嶋 正行君
                野末 陳平君
                牛嶋  正君
                西山登紀子君
                島袋 宗康君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   公述人
       関西学院大学経
       済学部教授    林  宜嗣君
       一橋大学経済学
       部教授      石  弘光君
       東京大学経済学
       部教授      神野 直彦君
       立教大学経済学
       部教授      和田 八束君
       高 崎 市 長  松浦 幸雄君
       消費税をなくす
       全国の会常任世
       話人
       税  理  士  関本 秀治君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の
 施行等による租税収入の減少を補うための平成
 六年度から平成八年度までの公債の発行の特例
 等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
    —————————————
   〔大蔵委員長西田吉宏君委員長席に着く〕
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西
西田吉宏#1
○委員長(西田吉宏君) ただいまから地方行政委員会、大蔵委員会連合審査会公聴会を開会いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案及び平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案の各案につきまして、お手元の名簿の六名の公述人の方々からそれぞれ御意見を拝聴いたします。
 まず、午前は三名の公述人の方々にお願いをいたします。
 この際、公述人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には、御多用のところ御出席を賜りましてまことにありがとうございます。委員を代表いたしまして心からお礼を申し上げる次第でございます。
 本日は、忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしてまいりたいと存じますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 次に、会議の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十五分程度で御意見を順次お述べいただきまして、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 それでは、これより順次御意見を承ります。
 まず、林公述人にお願いをいたします。林公述人。
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林宜嗣#2
○公述人(林宜嗣君) 関西学院大学の林でございます。
 本日は、このような場で意見を述べる機会をいただきましたことを感謝いたしております。
 税制改革の前に行政改革だといったようなことで、私自身、福祉を初めといたします行政につきまして御意見を申し上げたいことがたくさんございますけれども、時間の都合上税制に絞らせていただきたいと思っております。
 そこで、まず今回の税制改正を総論的に評価いたしまして、続いて各論に入りたいと存じております。
 税制改革を行う際の視点でございますけれども、私は三つあるのではないかと思っております。一つ目は高齢化社会への対応、二つ目は地方分権への対応、三つ目は経済活力を維持するあるいは強めることへの対応でございます。もちろん、こういった三つの視点はそれぞれが相互に密接に関連をしておりますので、総合的な視点が必要とされますし、ある意味ではバランス感覚がより必要とされる、このような私は認識をしておる次第でございます。
 まず、高齢化社会は高負担社会である、こういうことをだれもが知っているにもかかわらず、どうもこれまでの税制改革論議では負担の増加を見て見ないふりをしていたというように私は思っております。今回の一連の税制改革論議におきまして、高齢化社会の負担増にどのように対応していくべきかが国民の前に前面に押し出されてまいりましたことにつきましては、私はかなりの前進だと思っております。
 それから、地方分権につきましても、地方消費税の創設ということで第一歩が踏み出されました。これまでの税制改革は、公平だとか効率だとかあるいは簡素、こういった税の一般原則に照らして国税、地方税の区別なく対象となってまいりました。しかしながら、実際には改革の中心は国税に置かれ、その過程で地方税源の侵食が生じたわけであります。こうした過去の税制改革あるいは論議に比べますと、消費譲与税とどこが違うのか、こういう批判はあるかとも思いますけれども、地方税の改革に一歩を踏み出したということで評価をしたいと思っております。
 今回の税制改正では、三つ目の我が国の経済活力をどうするか、これは具体的に申しますと、我が国の国際競争力の強化をどう果たすのか、あるいは国際競争力を維持するのか、あるいは経済や産業の空洞化に税制としてどう対応すべきかという点につきましては触れられておりません。
 しかしながら、これまでの税制改正の歴史を振り返りますと、昭和四十年代の後半以降には、所得税減税でありますとかあるいは財政再建上の要請とかが出てまいりますたびに、法人税の増税によって財源が賄われてまいりました。その結果、我が国の法人所得課税の負担は、欧米先進国と比べますとドイツと並んで高い水準となっております。したがいまして、所得税減税や高齢化に伴う今後の財政負担の増加を法人税ではなくて消費税で賄うという方向は極めて妥当な選択だと私は思っております。
 一九八〇年代に入りまして、我が国の海外直接投資は急増しております。円高とか人件費とかこういった要因で海外直接投資がふえてきているわけでありますけれども、法人所得課税と経済の空洞化の関係につきまして、私たち研究者といたしましても今後研究を進めてまいらなければならない、このように思っておりますけれども、税制改革の次のステップとして、今回直接的には触れられませんでした法人所得課税のあり方につきましてぜひとも取り上げていただきたいと思っております。
 以上、総論でございます、
 それでは、各論に入らせていただきたいと思います。
 まず、所得税でございますが、中堅所得層の負担の累増感を緩和するために、例えば二〇%の税率が適用される課税所得の上限を六百万円から九百万円に引き上げる、こういったいわゆるブラケットの拡大、これにつきましては私はかなり評価をしておるわけでございます。
 ただ、人的控除の引き上げによって課税最低限を引き上げるということにつきましては、広く負担を求めるために消費税を導入する、こういう趣旨からしますと、私自身は本当に課税最低限の引き上げが必要であったのかどうか、これは若干疑わしく思っております。ただ、少額納税者への配慮としてやむを得ざる措置であった、私自身はこのように自分自身を納得させてはおりますけれども、こういう感想を持っております。
 次に、消費税でございます。
 私は、消費税の量的充実というのは次の三つの点で必要だと考えております。
 第一は、効率と公正という常にトレードオフの関係にあります二つの目標のバランスを確保するということでございます。
 OECDの国々のデータを使って検討いたしますと、高齢化が進んで社会保障給付費の国民所得に対する比率が高くなればなるほど税収総額に占める消費課税のウエートが高くなっている、こういう傾向が明確に読み取れるわけであります。つまり、社会保障は先ほどの効率と公正というところからまいりますと公正を達成しようとするものであり、消費課税は所得課税に比べて効率面ですぐれております。
 先進諸国の経験から申しまして、財政支出のウエートが公正にかかってくればくるほど財政収入面は効率に比重がかかってくる、こういう傾向がうかがえるわけであります。この傾向は決して偶然ではなくて、収入と支出の両面を含めた財政全体で効率と公正のバランスを確保しようという努力のあらわれではないかと思っております。今後高齢化が進み、財政支出が公正に比重を移していく我が国におきましては、税体系はできるだけ効率面を重視した消費税に移行すべきではないか、私はこのように思っておる次第でございます。
 消費税を量的に充実する必要性の第二の点は、世代間の負担の公平性の確保でございます。
 税制改革が、それが特に所得税減税と消費税増税とがセットで提案されますと、必ずと言ってよいほど出てまいりますのが所得階層別に見た損得勘定でございます。今回も、例えば年収七百万円が損得の分かれ目である、こういった試算が新聞各紙で取り上げられたわけでありますけれども、私はこの記事を見て少々うんざりしているわけであります。
 しかしながら、このような短期の視点からのみ税制改革を評価することは、ライフステージにおける負担の平準化でありますとか、あるいは生涯税負担の世代間の公平性、こういった重要な問題を見えなくしてしまうおそれがございます。所得税を消費税に振りかえるという税制改革につきまして、やっと所得税の負担から解放されてこれからは楽になると思っていたのにまた増税かと、こういう高齢者世代に対して極めて厳しいのではないかという声を聞くことがございます。しかしながら、この考えは今後急速に進みます人口構成の高齢化とそれによる国民負担の増加を考慮しないものではないかと私は思っております。
 年金の世代間の不公平、こういう問題が指摘されているところでありますけれども、この世代間の不公平の問題は財政支出全般についても発生するわけでございます。
 私のグループで計算をしておりますので結果だけを簡単に御紹介をしたいと思います。前提は、厚生省がお出しになられました福祉ビジョンによる社会保障負担の予測をベースにして、この財源を二つの税制のシナリオで賄う、このときに世代間の負担がどう変わるか、こういう計算をいたしました。
 まず、財源を現行の制度をそのまま延長する、つまり所得税重視型の税制で賄うと想定しました場合には、一九三三年生まれの現在六十一歳の方、この方の生涯税負担率は八・一七%になります。これに対しまして、一九六三年生まれの現在三十一歳の方の負担率は一五・二〇%でありまして、この両世代の間に約七ポイントの差がございます。ここで、現在の所得税の対国民所得比率を一定に保ちながら財源不足分は消費税の増税で賄う、こういう消費課税移行型の税制で賄いますと、三三年生まれの税負担率は八・六二%に上昇いたします。そして、六三年生まれの世代は一四・五五%に低下します。そして、両世代の格差は約六ポイントに縮まるわけであります。
 このように、消費課税の充実は高齢化社会への移行期におきまして世代間の公平性を確保する上でも必要であります。消費税へのバランスの移行が必要な第三の理由は、財政民主主義上の要請でございます。
 ヨーロッパでの付加価値税の税率引き上げの経験から、付加価値税はマネーマシンではないか、こういうように言われることがございます。確かにそのような面があろうかと思いますけれども、しかしながら私は、税収弾性値が大きくて知らないうちに税負担が増加している所得税に多くを依存するよりも、むしろ税収弾性値が低くて必要な都度税率の引き上げの選択を国民に求める、こういう消費税の方が望ましいという面もあることを指摘しておきたいと思います。以上の三点から、私は今回の税制改正で消費税の充実が図られようとしている点を評価したいと思っておりますし、今後さらに所得税から消費税への課税バランスのシフトを進めていただきたい、このように思っております。
 続きまして、地方消費税に話を移したいと思います。
 高齢化社会におきまして、福祉を初めといたしますさまざまな行政サービスの直接の担い手はやはり地方である、こういう点を考えますと、地方税を充実することが私は必要なことではないかと思っております。
 地方消費税は当初の案とは幾分異なったものとなっておりますけれども、私はこれでよかったのではないか、このように思っております。当初の考えでは、企業が地方行政から受ける利益は最終的に消費財への価格の引き下げという形になって最終消費者に帰着するのであるから、消費者が支払った税が企業活動の規模に応じて地方団体に配分されるのは別におかしいことではないのではないか、こういうことであったように記憶しております。私はそのときに、これでは現行事業税の外形標準課税化と一体どこが違うのだろうかという、そういう疑問が私の頭から離れませんでした。
 今回創設されます地方消費税は府県間の配分を消費に関連した指標に応じて行う、このようにされております。これからの福祉社会におきまして地方財政支出が増加し、そのための地方財源が必要である点を考えますと、私はむしろ今回の配分の方がよかったのではないか、このように思っている次第でございます。
 ただ、地方消費税をこのように考えますと、企業が行政から受ける利益に対する対価を求める、こういう事業税の問題が未解決のままに残されることになります。つまり、赤字企業は事業税を色担しないという問題でございます。赤字企業に税を負担してもらうということは極めて困難な政治的な選択を迫られることになりますけれども、ぜひとも事業税の外形標準課税化を今後の税制改革の中で取り上げていただきたく思っております。
 現在の事業税は、企業の利潤を課税ベースにしております関係上、税収の年度間の変動が極めて大きくなります。高度経済成長期のように高い成長率が維持できるような場合には税収がどんどん入ってまいりますけれども、現在のように低い水準でしかも上下するというような時代には事業税の収入が対前年度比でマイナスになる、こういうことが起こるわけでございます。つまり、現行の事業税というのは大きく伸びない上に変動が激しい、これでは安定的な地方行政が行えない、このように考えております。事業税の外形標準化は今後の地方税改革の一つのポイントではないか、このように思っておる次第でございます。
 以上、今回の税制改正につきまして、総論、所得税減税、消費税増税、地方消費税、この点に限りまして私の意見を述べさせていただきました。
 経済社会構造の大きな変化の中で、税制改革をこれまでの制度の延長線上に位置づけるということはもはやできなくなっていると私は認識をしております。今回の税制改正はこうした抜本的な改革に第一歩を踏み出したものとして評価したいと思います。
 今後、できるだけ多くの改革の選択肢を国民に提示していただき、よりよい税財政構造を築いてくださいますようにお願いしたいと思います。
 以上でございます。
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西
西田吉宏#3
○委員長(西田吉宏君) どうもありがとうございました。
 次に、石公述人にお願いいたします。石公述人。
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石弘光#4
○公述人(石弘光君) 一橋大学の石でございます。
 時間の関係もありますので、特に重要と思われるものにつきまして、以下四点、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
 林さんと少しダブる点もあるかもしれませんが、ただ私は、今回の税制改革につきまして当然評価できる点もあるのであります。議論のためというわけではございませんが、どういう点が問題かという批判点ということにより重点を置いた形の説明をさせていただきたい、このように考えています。そういう意味では、林さんと同じ問題を取り扱いましても若干見る角度が違う、こういう議論も可能かなという点でお聞き取りいただければと考えております。
 まず最初に、第一点は総論的なことでございますが、私は、高齢化社会の到来が目前に来ている、もうすぐ目の前に来ている場合に、直間比率の見直しという方向は避けて通れない。そういう意味では、今回の税制改革、一応所得税減税、間接税をアップするというパッケージにしたわけでございまして、私は基本的な方向としては正しいし、この点は一応評価いたしております。と同時にもう一つ、財政の健全化というのは避けて通れない話でございまして、そういう意味では増減税一体化処理をしたという点、言うなれば直間比率の見直しと増減税一体処理という二つの大きな道しるべは大いに評価してもいいのではないかと考えております。
 ただ、細部を見ますと、かなり問題ありと言わざるを得ません。そういう意味で、その点につきましてこれから順次触れていきたいと思います。
 総論的にもう一つ踏み込んで申しますと、やはり消費税率五%というのがまずありきではなかったかという印象をはたから見ているとぬぐえない。現行は三%、例の国民福祉税が七%でありまして、結果的には五%だったんでしょうが、しかし、どうしても五という数字が最初にあって、その結果、所得税減税も二階建てになったのではないかという印象をぬぐえないというのは国民の中にも随分あるんじゃないかと思います。その結果、直間比率の見直しか不完全に終わったという点は恐らく指摘できるのではないか、総論的に申しますとこういう印象を持っております。
 以下各論につきまして、所得税、消費税、それから残された問題、そこで企業課税とか資産課税を述べたいと思いますが、主として三点に力点を置きまして述べさせていただきます。
 所得税は、景気刺激ということもございまして、先行減税になったこともあってか俗に言われる二階建てで三・五兆円の恒久的な減税と二兆円の特別減税に分かれました。私は、できればこれは一体化として五・五兆円の恒久減税にしてもよかったと思っております。その点、当然のこと、消費税五%で済まなかったかもしれません。それは恐らく六%か七%になったかもしれませんが、新ゴールドプランも含めまして、福祉という点についてしっかりした計画を練って、国民にそれを提示し、言うなれば思い切った所得税の減税とそれに見合った消費税のアップ、プラス福祉充実という組み合わせで私は問うべきではなかったか。そういう意味では、今回はそれに至る一つの道しるべであったという意味では評価できるかもしれませんが、中途半端に終わったという点は避けられない、このように考えております。
 そこで、その問題の一番大きい点は、累進税率の緩和が不十分ではなかったかという印象がぬぐい切れないからであります。と同時に、特別減税二兆円が一九九七年に言うなれば廃止になって、消費税アップというのはどうしてもダブルパンチ的な印象での税負担がふえますので、この時期になったときにどういう反応が国民の間から出てくるか。これはやっぱり問題であろうと思います。
 それから、林さんが申されましたように、今回また所得控除を上げて課税最低限を引き上げましたが、私は元来、もう使命の終わった、あるいは雑多にさまざま組み込んでおります所得控除を整理すべきである。これは課税ベースの拡大ということでございますが、累進税率を緩和するということは、ある意味で所得税の累進度を減らし、言うなれば社会的に見て公平感を失わせるという結果もございますが、ただ、課税ベースを拡大しろということにおいてかなり累進性は回復できるんです。
 最後の点で申しますが、キャピタルゲインであるとかあるいは利子配当、それを課税ベースにもっともっと入れるということによって累進性の回復もできますし、あるいは租税特別措置でかなり隠れた減税として行われております所得控除とかその種の処理も廃止することによりまして、実は所得税がいい姿として再生することも可能でございます。
 そういう意味で、今回の所得税の減税のやり方は、累進税率の緩和が不十分であったとともに、本来所得税の中で改革ができる点を少し見逃した。恐らく、租税特別措置の廃止であるとか雑多な所得控除の整理は増税に結びつきます。ただ、この増税というのは、課税ベースを広げるという意味で実りのある税負担の増大だと思いますので、これを累進税率の緩和の方に向けてもよかったのではないか、そう思っております。最終的には、仮に総合課税というのが実現するならば最高税率は本来もっと落としてもいい、こう考えております。
 そういう意味で、今回の組み合わせは所得税の減税がどうも部分的に過ぎ、あるいは本来ねらったよりはかなり後退したという印象を免れない。批判点を表に出しますとこういうことになろうかと考えております。これが第二点でございます。
 それから第三点は、消費税の見直しにつきまして二つ特に強調しておきたいんですが、やはり三%から五%になったということは、俗に言われます益税の対策が不十分でありますとますます益税の悪い影響が国民あるいは消費者の間に及んでくるわけでございます。そういう視点から見ますと、今回限界控除を廃止したというのは、これはある意味で一番の益税の代表的な例でございますから結構だったし、簡易課税の適用区分を四億円から二億円に下げるのは結構でございます。
 ただ、残る一番の益税として、家庭の主婦あたりから非難されております非課税の水準三千万円ですか、これがそのまま残った。これはいろいろ政治的な要請もあると思いますが、三千万円というのはヨーロッパの諸国に比べますと三倍も四倍も高いわけであります。恐らく零細企業あるいは中小企業の特例として政治的に浅さざるを得なかったのだとは思いますが、これはもっともっと私は切り込んでいい。端的に申しますと、三千万円を半分ぐらいに下げてもいいのではないか、そういう印象を私は持っております。
 それから、もう一つ言われておりますインボイス、仕入れのところの税額控除の問題でございますが、今回は、インボイスという名前で日本型という名称をつけておりますが導入しようということで、納品書であるとか領収書であるとか、いわゆる仕入れの額を証明するものを保存せいという形で一応インボイス制度というものを導入いたしましたが、これはやっぱり不十分であります。これまた恐らく課税業者の特定であるとか、あるいは非課税業者に仕入れ控除を認めないと取引において不利になる等々の問題もあったかと思いますが、私は、今後、消費税率アップがもっと進むような事態になりますと、恐らく俗に言われますEC型付加価値税がやっておりますようなインボイスという売り上げ・仕入れ、売り上げ・仕入れという流れを追求するだけのしっかりとした制度的な担保が必要ではないかと思います。
 消費税を導入するときのいろいろな経緯もございますから急には無理かもしれませんが、この点と、それから非課税水準三千万円についてはまだ対策として見直しか完全でなかったという印象を持っております。
 それから、消費税の見直しでもう一つ。
 これは地方消費税、林さんも触れられましたが、今後の高齢化社会、あるいは地方の方に福祉の役割が回るということも踏まえ、地方に独立財源を与えるということは非常に重要である、私はそういう意味では林さんと全く同じであります。目的は結構なんですが、手段において国税である地方消費税をどこまで使いこなせるかというのが恐らく今度の焦点であったと思います。
 私は、多段階の売上税を地方に回すということが理論的に見てかなり難しいと前から見ておりまして、これは税調の小委員会でもかなり議論いたしました。これも議論が専門家の間でも分かれたところでございます。そもそもメーカーから卸、小売、消費者とくる各段階において空間が置かれているものを国税として取る分には問題ないんですが、地方税として取るときにはどこにそれを配分し直すか。つまり、消費地と納付地の違いがございまして、これは非常に問題がございました。
 ただ、今回は府県間で清算をしようということで、消費関連基準でやるというあたりが恐らく最後に出てきました妥協の知恵であると思いますが、消費関連基準でやるということは、ある意味で各府県の言うなれば最終的な消費、別な言葉で申しますと小売売上税的な要素を入れてきたという意味においては一つ妥協の産物としてはまあまあ受け入れられるかなと思います。ただ問題は、府県が受け取った消費税の半分、二分の一を市町村に配るときに、やはり消費関連基準というのは統計上は得られませんので、従来どおり人口とか従業員にしなきゃいけないというところ、このあたりが私は今回の地方消費税の一つの泣きどころだと思っております。
 つまり、市町村に渡るときには別に地方消費税という装いは凝らせなくて、単に一種の交付金みたいになってしまうという点でございますので、そういう意味で地方消費税、結果的にはこれしかなかったのかもしれませんが、理論的な検証、実際的な検証、これからまだまだ多くの改善すべき点が残っていると考えております。
 理論的には、小売売上税しか実は地方が売上税を使うというのはあり得ないと思っております。つまり、アメリカの州政府がやっておりますような単段階の最後の消費者段階での小売売上税ということでございますが、今、国税と同じ課税ベースを使い、それから納税方法も使っておるわけでありますが、恐らく納税者の立場を踏まえ簡素化という点だったらこれしかないのかもしれませんが、地方独自の税源が欲しいということならばそれは地方独自でさまざまな工夫を凝らす必要があろうと考えておりますので、この地方消費税というのは、第一歩としてはこれしかなかったかもしれませんが、今後改善すべき余地は随分あるというふうに私は考えております。これが第三点であります。
 第四点は、今回の税制改革の中で漏れた問題で、今後二十一世紀を目指したときにどうしても避けて通れない問題という点で、企業課税の問題と資産課税、あるいは資産所得課税の問題について最後にちょっと数分触れたいと思います。
 企業課税の問題、特に法人税、国税の法人税あるいは地方の法人事業税等々は、直間比率の見直しという陰に隠れましてここ数年ほとんど実質的な議論は税調においても行われておりません。そういう意味では、産業の空洞化も問題になりますし、企業課税の負担というのは国際的なタックスハーモナイゼーションからも重要な問題でありますので、今後企業課税の問題は避けて通れないだろう。
 例えば、配当の二重課税の調整は今のままでよろしいか。あるいは税率そのものの負担水準はドイツと並んで高いんですが、それでいいのか。それから法人事業税というのはこのままでいいのか、つまり赤字法人の問題。それから、林さんが触れられましたが、そういうような問題を含め外形標準化の問題があるのではないか。あるいは、どうも法人関連の税は地方の方でほかの国に比べて圧倒的に頼っている。逆に言えば、地方政府は法人関連の方にやや偏り過ぎているんじゃないかという税源配分上の問題もあります。そういった問題を含めて、国税、地方税ともに企業課税のことをやらなきゃいけないと考えております。
 それから最後に、やはり直間比率の見直しはどうしても逆進性になってきますので、逆進性の解消の仕方としては、資産あるいは資産所得、この税負担をふやして税制全体で累進度を回復するという手法がどうしても必要でございます。このために、資産課税で申しますと相続税とか地価税とか固定資産税とか、こういうものをどういうふうに位置づけて、どういう負担を課して、言うなればストックの段階での資産再分配を図るかという視点は今後ますます重要になると思います。私はこれは強化すべきだというふうに言っているのでありまして、最終的には経常財産税みたいな方式も議論としてはあっていいし、遠い将来、あるいは近い将来かもしれませんが、それの導入ということが行われても結構だと考えております。
 と同時に、今度はフローの段階で発生いたします利子とか配当とか、あるいは株式のキャピタルゲインとかいうものに対してどう課税するか。これはやはり私は、納税者番号を入れて総合課税に持っていくというのが恐らく今後の一つの重要な課題になると思いますので、時間がございませんのでこれ以上触れませんが、この方向を探りつつ直間比率の是正から発生いたします逆進性、逆進的な税負担というものを解消するという方向の一助にすべきであろうと考えております。
 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
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西
西田吉宏#5
○委員長(西田吉宏君) どうもありがとうございました。
 次に、神野公述人にお願いをいたします。神野公述人。
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神野直彦#6
○公述人(神野直彦君) 東京大学の神野でございます。
 私は、歴史を専攻しております上に、網膜剥離を思っておりまして目が不自由なものですから、現在の出来事に関して十分な知識を入手する能力がございません。そのため、皆様にお役に立つような多くの言葉を語ることができないということをまずお許しいただきたいと存じます。
 私のように租税の歴史を学んでいる者から見ますと、この税制改革案は、税制史上一つの時代の始まりを告げる、そういう税制改革案ではないかと申し上げてよいと存じます。もちろん、この税制改革案は、短期的には深刻な不況からの景気回復をもたらすということを重要な課題としておりますけれども、同時に、長期的には活力ある福朴社会というふうにシンボル化されている将来の経済社会を支えていく税制の道筋を示すことをも課題にしているというふうに存じます。租税史の観点から見ますと、こうした長期的な課題への方向づけが重要な評価のポイントとなってまいります。
 このような観点からしますと、この税制改革窒は二つの点で高く評価できると存じます。
 一つは、地方消費税を創設して地方税の改革に真正面から取り組んでいるということでございます。第二次世界大戦前には、ほぼ十年に一度の割合で国税と地方税を通じる抜本的な税制改革が行われてまいりました。ところが、第二次大戦後は、国税改革の影響を遮断するという程度の地方税の改革に終始していたというふうに言ってよいだろうと思います。こうしたことを考えますと、この税制改革案が地方税改革を真正面から取り上げた意義は画期的に極めて大きな意義を持っているというふうに言わなければならないと思います。
 もう一つは、消費税の税率の引き上げを可能な限り抑制しようとしたという点にあると思います。
 シャウプ勧告に基づく税制改革が行われて以降これまで、昭和三十年代の後半を除きますと、戦後の税制改革は直間比率の是正を目指して、一貫して間接税の増税を追求してまいりました。この税制改革案は、中期答申、そしてこの六月の税制改革答申が推し進めようとしてまいりました間接税増税路線を、少なくとも明確に抑制しようという方針を打ち出したという点で画期的だと言うことができると存じます。地方消費税の創設も、六月の税制改革の答申では政策的判断にゆだねておりましたので、この二点は現内閣の勇気ある決断の結果だというふうに申し上げてよいだろうと存じます。しかも、この二つの方針は、将来の経済社会を支える税制の歩むべき道筋としても評価できると存じます。
 これからの経済社会に望まれる公共サービスは、これまでのようなナショナルミニマムの充足を目指す画一的な公共サービスではありません。これまで家族とか地域社会とかそうしたところで相互扶助や共同で行われていた作業によって供給されていたサービス、つまりナショナルミニマムを超えるような多様な公共サービスが求められていると思います。そうした多様な公共サービスは、住民に身近な地方政府が住民志向でニーズをつかまえて、自分の責任で自分で決定して供給していくしかないだろうというふうに考えております。だからこそ、現在、地方分権の声が高まり、地域福祉の充実を要求する声が強まっているのだというふうに思います。
 ところが、これまでの日本の財政システムは、地方政府が極めて多くの公共サービスを分散的に供給しておりますけれども、中央政府が財源をコントロールすることによって地方財政の決定権を事実上拘束してしまうような集権的分散システムだっただろうというふうに思います。しかし、住民志向で多様な公共サービスを供給するには、地方政府に財布の自治を与えて、集権的分散システムを分権的分散システムに転換していく必要があるだろうと考えます。
 地方消費税の創設は、そうした改革への道しるべになるかと存じます。それは消費譲与税を地方消費税に振りかえることによって、分権には一般財源の拡充ではなくて、自主財源を拡充して地方政府に財布の自治を回復させることこそ必要だということを教えているからです。地方消費税の創設は、分与税という、つまり中央政府が課税権を持っていて、その一部ないしは全部を地方政府に与える分与税という税収形態から、中央政府と地方政府が共同で課税権を持つという、いわば日本型の共同税に移したものだというふうに評価できるだろうと思います。
 もちろん、自主財源を強化する必要があるというふうに申しましても、ナショナルミニマムは達成されたとしても、そのナショナルミニマムを保障していくためには、中央政府はいつも繰り返しそのナショナルミニマムを確保するための財源を地方政府に保障していく責任は生じます。したがって、これからはそうした中央政府による財源保障責任に補完された自主財源主義を目指していくべきだろうというふうに考えております。
 さて、家族や地域社会が相互扶助や共同作業によって供給していたサービスはこれから公共のサービスによって提供されていくということになるわけですから、相互扶助や共同作業に費やされていたそういう私的な負担というのは減少していきますけれども、公的な負担、つまり租税負担は今後上昇せざるを得ません。
 租税には、まるでオーダーメードの注文服をあつらえるように、その人の経済力に合わせて寸法をはかって課税するあつらえ税という税金ですね、その人の家族はどのぐらいいるのか、その家族に病人はいないのか、それから泥棒や災害に遭ったことがないのか、さまざまな事情を考慮して、あつらえ税という形で課税できる、能力原則に基づくあつらえ説と、それから生産物とか土地とか労働とか資本とかというような、市場で取引されるものに注目をして課税する市場税とか物税とかというような、利益原則で課税される税金とがございます。
 これから家族や地域社会がこれまで相互扶助や共同作業によって供給していた公共サービス、老人の世話とか子供の養育とかというようなそういう公共サービスが増大していくわけですから、必ずしも能力原則に基づく所得税のようなあつらえ税でその負担を調達する必要はないというふうに考えられます。そのため、この税制改革案でも消費税の増税が意図されています。ところが、この税制改革案は、消費税の増税を極力抑制し、裏からいえば所得税の減税をできるだけ小規模に抑えようとしています。
 この税制改革案の姿勢は、これからの経済社会が要請する租税負担の増加の道筋として、経済的な力に応じたあつらえ税も重視していく必要があるのだという方向を示しているのだというふうに考えていいだろうと思います。つまり、世代間の負担の平準化を根拠にした広く薄い負担を求めるという論理に変わって、広く公平な負担を求めるという論理に転換しようとしているというふうに評価できるだろうと思います。
 世代間の負担の平準化を目指す論理は、世代間の内部における負担の公平を無視しています。つまり、貧しい高齢者にも豊かな高齢者にも一律に負担を強いるということになるわけです。これに対してこの税制改革案は世代間内部の負担の公平も重視する必要があるのだということを認めているのだと思います。
 神はそれぞれの世代にそれぞれの試練をお与えになります。戦争とか大災害とか、そういう同じ苦難を同じ世代は同じように体験して、そしてそれをともに克服しようとして生きてきたわけであります。しかし、そうした苦難を経験していない世代に対して、そういう負担を分かち合えということを要求するでしょうか。そうした苦難を分かち合うという公平よりも、同じ苦難を乗り越える同世代の内部での公平性の方が社会の統合にとって重要なのではないでしょうか。
 今この時代を生きている老いも若きもそれぞれが経済的な力に応じて共同の困難に立ち向かっていく、そういう税制改革の方針こそ基本にすべきだということをこの税制改革は論理として掲げているのだろうというふうに思います。豊かな高齢者には当然担税力があるわけですから負担を強いても構いませんけれども、貧しい老齢者にまで負担を強いる必要はないだろうというふうに思います。
 特に現在の改革の問題点は、石先生が繰り返し強調されましたように、資産所得への課税ベースを所得税で拡大しなかったために給与所得の負担感が増大して、それを税率調整によって和らげる、その税率調整によって和らげるための財源を消費税の増税によって賄おうとする循環が繰り返されるわけですね。そうではなくて、資産所得の総合課税化、それから、これもあつらえ税であるような純資産税ですね、資産を合算して行うような純資産税、そういう純資産税などの調整や、それから資産所得への総合課税化などによってあつらえ税を充実して、そして所得税の税率を下げて税率調整を行っていく、そうして消費税の増税は可能な限り抑えていく、これがこの税制改革案の示しているこれからの税制改革の道筋だろうというふうに考えられるわけであります。
 その背景にある理念は、効率のよいものが効率のよいものとして生きていく、つまり強い者が強い者として生きていく市場経済の論理を、強い者が弱い者をいたわっていくという財政の論理で補完しなければ社会の統合は成り立ち得ないのだということを理念としているからだろうと存じます。
 私は、次の瞬間に失明してしまうかもしれません。しかし、それによって生活の糧を失っても強い人々が温かい手を差し伸べてくれるのだと、そう思えばこそ、この今の瞬間にわずかな力でも振り絞って多くの人々のために働いておこうというふうに考えるのではないでしょうか。それが活力ある福祉社会の論理だということを申し上げて、私のつたない言葉を終わらせていただきたいと存じます。
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西
西田吉宏#7
○委員長(西田吉宏君) どうもありがとうございました。
 以上で公述人各位の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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楢崎泰昌#8
○楢崎泰昌君 三先生、お忙しいところをきょうはお出ましいただきまして、また御高説を拝聴しまして大変ありがとうございました。
 三先生のお話を承ってみますと、いずれの先生も今回の税制改革について、税制の構造を変更し、そして将来に向かってのいろいろな経済ポイントについて高く御評価をいただいているように思います。つまり、方向性としては十分評価をするというお話でございました。若干ずつニュアンスがお違いになっているように見えましたけれども、方向性としてはこの税制改革の方向は是である、こういうお話でございました。
 しかしその中で、この税制改革で問題になっている点が幾つかございます。
 この税制改革は、景気回復に向かっての税制改革が一つでございます。それから、それをどのようにして実現するかということは、所得税を減税して、所得税の構成をより公正なもの、妥当なものにしていくという方向性が一つでございます。それからさらに、そのことに伴いまして財源が不足する。先ほど先生方にお話をいただきましたけれども、財政の健全化というお話をちょうだいいたしておりますが、そのことの結果として消費税の増税ということをやっていく。さらに四点目としましては、それによって税制の構造自体が、直間比率の比率であるとか、今、神野先生のおっしゃったあつらえ説とか、そういうことに御言及をいただいているわけでございます。さらに五番目としましては、地方分権の話を非常に高く御評価をいただいたという意味で感銘をいたしているところでございます。
 その中で若干ずつニュアンスがお違いになっているようにお見受けをしましたのは、消費税の増税をどこまでやるのか、所得税の減税をどこまでやるのか、私どもは政治家の立場でございますので、国民のいろいろな感情等々を考えると直ちに極端なことができるのかどうか。先生方は学者の立場で御発言をいただいておりますのでなかなかそこら辺が難しいところかと思いますけれども、そういうような観点を踏まえまして、今度の所得税の減税、それは必ずしも十分なものと言えないかもしれないけれども、相当国際社会の中で私はこの減税は評価されるべきものであろう。すなわち、所得階層別のグラフを見ても、欧米諸国の中では最も最下位の方に累進性が出ていっているというような観点があるように私は思います。
 そういう点で、林先生に最初にお伺いいたしたいんですけれども、今度の所得税減税の評価、必ずしも全部いいか悪いか問題あるところだと思いますが、所得税の減税、政府側は本格的な減税であるというぐあいに言っておりますが、それについての評価をお話し願えれば大変幸せだと思います。
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林宜嗣#9
○公述人(林宜嗣君) お答えをいたします。
 私自身は、いわゆる制度減税三・五兆円、特別減税二兆円、これがもし制度減税五・五兆円ということであればなおよかったというようには思っておりますが、ただ所得税を制度改正をするときに、じゃどういう税率構造にするんだ、あるいは最高税率を現在よりも引き下げるのか、あるいは現状を維持するのかといったような問題、あるいは現在、先ほど石先生も述べられましたけれども、随分課税ベースの侵食がございます。こういう資本所得の課税をどうするんだろう、総合課税への移行の、あるいはそういうスケジュールみたいなものが明らかになっていない段階で、殊さら慌てるような形で減税を大幅にするということが果たしていい結果を生むかどうかということは危惧をしております。
 恐らく早晩また、もちろん累進税でありますから所得税の負担が高くなってまいります。したがいまして、その時点でまた減税をしなきゃならないということが来るわけでありますけれども、それまでに抜本的な所得税のあり方ということを、総合課税への移行を含めたそういう検討をしていただきまして、そして次のステップとしてもう一度制度減税を固まったものとしてお出しいただければ私はいいのではないかというように思っております。
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楢崎泰昌#10
○楢崎泰昌君 御評価をいただいているように私は理解をいたしました。
 問題は、それは所得税のことでございますから累進度をどんどん緩和していくと切りがないわけでございまして、所得税を減税するときにそれでは財政健全化という意味からいって税収をさらに何らかの意味で確保しなければならぬ、そういう問題に帰着をしていくと思います。
 我が国の財政は二百二兆円の国債を今持っておりまして、大変な財政危機に実はあるんじゃないかというぐあいに思います。
 そこで、石先生にお伺いをいたしたいんですけれども、確かに五・五兆円の減税ができればそれにこしたことはございません。しかし、財政上の観点からいうと、何らかの意味の財源を見つけなきゃならぬ。そうすると、先ほど石先生が仰せになりましたけれども、総合課税的な資産課税でございますとか、あるいは消費税をさらに拡大してはどうかというようなお考えがあると思いますけれども、なかなかこれは実際上の現実の政治の世界の中では難しい、国民になかなか理解が得られないというような観点があるように思いますけれども、石先生の御見解はいかがでございましょうか。
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石弘光#11
○公述人(石弘光君) お答えいたします。
 今後先を見ますと、恐らく所得の減税というのは数年置きに必ず出てくる話だと思います。つまり、インフレになりますとどうしても、専門用語で申しますとブラケットクリープというのが起こりますので、物価調整減税的なものをやらなきゃいけない。そういうときに必ず出てくるのがこの財源問題だと思います。
 私は、財源問題は所得税の中で租税特別措置とかなんかを整理するという形で幾分は出てくるかと思いますが、これは何といっても税負担の増でありますから、かなり批判も多い。ただ、所得税を公平とか中立の視点から申しますとやらなきゃいかぬということで、ある程度国民の納得も得られるかもしれません。やっぱり私は、資産所得課税ですね、これを総合課税に組み込むことによって、実は試算は難しいんですけれども、どの程度税源確保ができるかというあたりはかなり国民の支持は得られると思っています。
 と同時に私は、所得税減税をするときは必ずこの消費税の税率アップというのは絡んでくると思います。逆に言えば、消費税の税率アップというのは、福祉財源の充実プラス所得税減税の確保という二つの面から何%これから上げなきゃいけないかというのが、恐らく数年置きあるいは五年置き、十年置きかわかりませんけれども、必ずこれから避けて通れない選択肢になると考えております。そのときの時代時代に応じまして恐らく所得税の減税幅と消費税率アップというものの組み合わせですね、これでその財源調達ということが出てくるんだろうと思っています。
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楢崎泰昌#12
○楢崎泰昌君 仰せのように、その将来の方向とか将来の可能性を探る意味では、石先生のおっしゃることはよく理解ができるわけですけれども、現在の段階で資産課税というのが非常に難しいというぐあいに先生おっしゃっていただきましたけれども、資産課税というのはどういうぐあいにお考えでしょうか。
 税制調査会の答申でもなかなかそこまで答申が出てこない。要するに課税技術上の準備も十分できていないし、さらに国民の環境からいってもその準備が十分できていない。したがって、今回の税制改革にはとても間に合わぬということのように思いますけれども、いかがでございましょうか。
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石弘光#13
○公述人(石弘光君) 御指摘のとおり、今回は恐らく直接税と消費税の組み合わせいかんに時間を費やしまして、政府税調も政府もとても資産課税まで手が回らなかったと思います。
 ただ今後、次のステップとして税制改革を考えますときには、恐らく相続税あるいは地価税、固定資産税等々を含めまして、これをどっちの方向に持っていくかということは恐らく大問題になります。そのときの視点は、先ほど申しましたように、税制全体としての累進度を高める方向にいこうということの合意ができますれば、恐らく今地価税の廃止も叫ばれておりますが、その廃止というよりはほかの資産も一緒に入れて、神野さんはさっき純資産税とおっしゃいましたが、私は経常財産税と言っておりますが、そういったぐいの、まあシャウプで言う富裕税みたいな構想は恐らく出てくるだろう。
 それから、相続税というのは今の地価高騰でちょっとゆがみが出ていて、特に都市部に住む人にとって非常に重くなっているという点では問題があるかもしれませんが、やはり日本の平等社会をつくる意味での資産再分配というのは避けて通れない、そういう意味では相続税というのも大きな問題になる。
 ただ、最後に念を押しておきますと、これは量的な問題ではなくて実は質的な問題なんですね。資産課税というのはさほど税収確保という面からは大幅に出てくる税ではない、そういう点は注意しておく必要があると思います。
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楢崎泰昌#14
○楢崎泰昌君 今回の税制改正では、所得、消費、それから資産、それらの三税のバランスを考えてという文言がついてこの税制改正が行われているわけでございます。将来の方向としてはまだこれから十分な議論を経なくちゃいけないと思いますけれども、資産課税ということも十分議題に上ってくることは石先生おっしゃるとおりだと思います。
 またさらに申し上げれば、現在資産課税に直ちに手をつけるというのは無理な社会情勢であるということになりますと、先生がおっしゃいましたように所得税と消費税、これのバランスを考えてということに相なってきますと、先ほど石先生から五%ありきだったんじゃないかというような御発言がございましたけれども、現社会の情勢の中では今回の税制改革はある程度正鵠を得たものではないかというぐあいに思いますけれども、御感想はいかがでしょうか。
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石弘光#15
○公述人(石弘光君) お答えいたします。
 恐らく五であるとか六であるとか七であるとかということは消費税の税率をめぐりましていろいろ議論もございました。私は、先ほど神野さんが言ったように政治的な判断として五%というのは理屈のあった話だろうと思いますが、我々やや無責任な立場に立つ者として、もうちょっと先に予想されるいろんな改革を先取りするような意味で、七にして五・五の恒久減税という組み合わせも当然あり得たという考えも今持っております。
 というのは、そのもっと最後に、私は将来的に消費税率というのは、欧米諸国を見ましても、特にヨーロッパ諸国を見ましても、福祉国家との絡みで二けたにならざるを得ない時期が来ると思っておりますので、そういうことならば一気がせいでいくのがいいのか、ステップ・バイ・ステップでいくのがいいのか、判断があると思いますけれども、議論としては五でなくてもうちょっと高いということもあり得たと私は思っております。
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楢崎泰昌#16
○楢崎泰昌君 最後に、時間がなくなりましたので神野先生に簡単に御質問を申し上げますが、世代間の公平について先ほどお話が及びましたけれども、具体的にはどのようにお考えでございましょうか。
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神野直彦#17
○公述人(神野直彦君) 私も世代間の公平というのは、現世代に、同時代に生きている人間の公平を考えてやるという意味でも必要だろうとは思います。しかし、先ほど申しましたように、その前にやはり世代内部の公平というものを確保して、それを前提にした上で世代間の公平を考えていく。必ずそのトレードオフが起こりますので、そのバランスを図るということが重要なのではないかというふうに考えます。
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楢崎泰昌#18
○楢崎泰昌君 これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
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峰崎直樹#19
○峰崎直樹君 きょうは三人の先生方大変ありがとうございました。
 私は、国会議員になってまだ二年少してございますけれども、公聴会というものを本当に充実させていくためには、従来ともすればこの公聴会がいわゆる予算であれば採決の前提だというように国会対策の手法に使われていることについて大変憤りを持ってまいりました。今回も、できる限り早く先生方の御意見、陳述をお聞きして、そして今後の税制改正の論議に役立てていきたいということで、私も大変きょうの三人の方の陳述には啓発を受けた点がたくさんございます。
 しかも、私この税制改革に与党のプロジェクトチームの一員として参加をさせていただきまして、先ほど来の陳述を受けて、内心本当にここまで高く評価していただいていいのかなと思うような点もあるわけでありますが、大変参考になったということは冒頭申し上げて、早速内容に入っていきたいと思います。
 最初に、神野先生からお聞きしたいと思います。
 今度の税制改革の内容を大変高く評価をしていただいておるわけでございますが、先生が「説経通信」の中で、今回の要綱に「活力ある福祉社会」という言葉が出て、昨年十一月あるいはこの六月の政府税制調査会の「活力ある高齢化社会」から一歩離れて内容が少し変わってきておると。これについて、実は私どもも十分その合意というものを意識したかどうかというのは、改革案をつくる過程ではそれほど議論しなかったように思うんですが、先生がこの点を高く評価されている点について改めて意見があればお聞きしたいと思います。
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神野直彦#20
○公述人(神野直彦君) 先ほど来、私はあえて高齢化社会という言葉を使っておりません。それは余りに長生きをして申しわけありませんでしたというふうなことを言わせるような表現が最近社会の中で蔓延しておりますので、世代間の問題というのはこれはもともと愛情で、つまり市場で行ってきたことではなくて愛情によって移転されてきたものなんですね。それを公共サービスで振りかえていくわけですから、これは全く損得勘定、いわば経済学の方ではどうしても損得計算をする人間を前提に、つまり、いわばコンピューターのように損得勘定を一瞬にしてやるような人間を前提にしておりますけれども、実際の財政というのは、先ほど来お話しのように政治の問題、つまり生身の生きている人間を相手にしているわけですので、できるだけそういった面も配慮すべきだということを考えているからであります。
 それと同時に、これからの社会というのは単に高齢者がふえていくということだけが問題なのではなくて、女性が社会的に進出をしていくとか家族形態が変わっていくとか、そういう大きな経済社会の変化の中で高齢者がふえていくということが問題なんですね。例えば、少子・高齢化社会というのが問題だというふうに言われますけれども、それでは多子・低齢化社会のときも、これまでの高齢者の皆さん方は多くの子供たちをお育てになって苦労されてきているわけでありまして、その点を考えますと私たちは、これからさまざまな形で家族や地域社会が変わっていく、サービスが変化していくんだ、単に高齢者の人たちのためだけに社会が動いているんじゃないんだということを強調しているのではないかということを読みまして、そのように表現をさせていただいた次第でございます。
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峰崎直樹#21
○峰崎直樹君 今の神野先生のお話を聞いていて、私もそういう意味で今時代が大きく変わってきているということを痛感するんですが、その際にいわゆる地方自治体の果たす役割がふえてきているということもまた事実だと思うんです。
 実はもう一つ、まあ政府という意味で言えば中央政府も地方政府も一つの政府だろう。そうすると官と民という役割を考えたときに、結果的に福祉の充実だということで国レベルでそれがなかなか画一的なものは難しいから地方自治体に移る、しかし地方自治体にいってもそれはやはり官は官ではないかなと。その際、我々が見落としからなのは、官といわゆる民との間に公共空間といいますか、従来家庭でやっていたこと、あるいはヨーロッパでは教会がやっていたこと、そういったような事ごとを実はボランティアであるとかNPOというふうに申し上げていいと思うんですが、そういう分野における活動が非常に求められているし現に動き始めているように地域社会で私は見ているんです。
 これらについての対応として、もっとやはり税制上の優遇措置といったものが充実されてしかるべきではないかなというふうに私自身思うんですが、その点、神野先生、もし意見があったらお願いします。
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神野直彦#22
○公述人(神野直彦君) お答えいたします。
 ただいまの御質問は、単に公私の区分だけではなくて、これまでそういうさまざまな社会的なサービスというのは中間組織によって支えられていたのであって、そういうノンプロフィットインスティチューションとか教会とか、さまざまな中間組織に対しても考慮すべきじゃないかというお話だろうというふうに考えますが、そのとおりでありまして、そういう中間組織というものが拡大して、それが社会を支えていくというふうにならなければならないし、そうした中間組織の活動を政府ができるだけ支援していくというシステムを考えていく必要があるだろうと私も思います。それを税制でやるということも一つの手かどば存じますし、他の手段もあるかと思いますが、そういうことを支援していかざるを得ないというのはおっしゃるとおりだと存じます。
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峰崎直樹#23
○峰崎直樹君 林先生にお聞きしたいことがたくさんあるわけでございますが、指摘された中に資産課税について今後どのような方向を打ち出すべきかということについての御指摘がなかったように思うわけでありますが、この資産課税についての御見解があればぜひお聞きしたいと思います。
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林宜嗣#24
○公述人(林宜嗣君) お答えいたします。
 時間の都合上割愛をさせていただきましたけれども、私自身は消費課税へのウエートのシフトを一方で提言をしております。したがいまして、それとペアになって要求しなきゃならないことは資産課税の強化でございます。
 先般、土地問題が起こりましたときに、相続税が非常に負担がふえて、そのために相続税の減税をすべきであるという声が出ました。しかしながら、私自身は、これは逆の方向でありまして、土地問題を解決するとかあるいは消費税へのウエートをシフトさせていくということであれば、私は相続税を初めとした資産課税の強化、これはぜひ進めなければならないということではないかと思っております。
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峰崎直樹#25
○峰崎直樹君 私も、資産課税をもっと強化をしなきゃいけないし、ことしから実は相続税の問題も緩められたことはどうもこれは時代に逆行してやしないかというふうに考えている一人でございます。
 その点はまた別にして、経済活力と税制の関係でちょっとお話を聞いてみたいわけでありますが、いわゆる所得税と消費税、あるいは直接税と間接税というふうに分けていいんでしょうが、特に消費税の方が経済活力ということを考えたときに経済に与える、ある意味では中立性といいますか効率性といいますか、そういった点で望ましいというふうにお考えなんでしょうか。つまり、いわゆる所得税重視よりも消費税重視の方が望ましいかどうかという、その点についての林公述人の御意見をお聞きしたいと思います。
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林宜嗣#26
○公述人(林宜嗣君) お答えします。
 所得税の場合に、私は累進所得税を前提として議論をしなきゃならないだろうと思います。そういう場合に、一つはやはり勤労意欲の阻害。実は、これはサラリーマンの場合に本当に勤労意欲が阻害されるのかといったようなことがございますけれども、労働者はサラリーマンだけではないわけでありまして、例えば医師の方も、もし所得税がどんどん高くなったときにひょっとすると診察時間を短縮するとか、こういうようなことがあっては困るのではないかということが一点。
 それから、今後高齢化が進んでまいりますと貯蓄率がやはりこれは低下せざるを得ない。日本の貯蓄率は非常に高いというぐあいに言われておりますけれども、しかしながらこの貯蓄率の高さというのは年齢構成がまだ比較的若いということでございまして、今後高齢化が進めば必然的に貯蓄率というのは低くなる。このことがいわゆる成長阻害要因になる可能性がございます。
 したがいまして、消費税と所得税を比較した場合に、これは理論的な話でありますけれども、所得税は利子に対して二重課税となる。したがって、貯蓄抑制型であるといったような点からいたしまして、消費税の方が成長あるいは経済活力増進型である、このように私は理解をしております。
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峰崎直樹#27
○峰崎直樹君 先ほどちょっとお聞きしたときに、サラリーマンの方々、非常に重税感といいますか、そういうものを持っているということなんですが、林公述人、今日本の給与所得というのは国際的に見て高いと思われますか低いと思われますか、いわゆる負担の度合いから見てですね。
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林宜嗣#28
○公述人(林宜嗣君) お答えいたします。
 国際比較をした場合には、私は低い部類に日本は属しているんじゃないかと思います。
 ただ、負担感というのが絶対的な税負担感と、それから隣を見てどうして同じような生活水準なのにあの人は税が少なくて済んでいるんだろう、そういう相対的ないわゆる税の負担感、公平感といいましょうか、こういうことによって生じる重税感というものもあるのではないかというぐあいに思います。
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峰崎直樹#29
○峰崎直樹君 その点をちょっとお聞きしたいと思ったんです。
 これは神野公述人にお聞きしたいんですが、いわゆるシャウプへの回帰ということで、非常に所得税についての評価、私自身も公平性ということが観点として重要だと思うんですが、今ありました公平感という観点ですね。クロヨンであるとか、あるいは表現としては同じですが、トーゴーサンピンであるとか、あるいは同じ所得税の中ではいわゆるフリンジベネフィットと言われる形での公平性の阻害要因というものが出てきておるんですが、こういった点についてどのようにお考えになっておるか、現行所得税の欠陥という点について。
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