決算委員会

1996-07-24 参議院 全248発言

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会議録情報#0
平成八年七月二十四日(水曜日)
   午前十時一分開会
    —————————————
   委員の異動
 七月二十三日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     岡  利定君
     阿部 幸代君     筆坂 秀世君
     本岡 昭次君     国井 正幸君
     栗原 君子君     山口 哲夫君
 七月二十四日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君     塩崎 恭久君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         野沢 太三君
    理 事
                笠原 潤一君
                西田 吉宏君
                吉川 芳男君
                星野 朋市君
                山崎 順子君
                筆坂 秀世君
    委 員
                岩井 國臣君
                海老原義彦君
                岡  利定君
                景山俊太郎君
                清水嘉与子君
                陣内 孝雄君
                長峯  基君
                松村 龍二君
                守住 有信君
                牛嶋  正君
                武田 節子君
                山下 栄一君
                今井  澄君
                上山 和人君
                菅野  壽君
                国井 正幸君
                水野 誠一君
                田  英夫君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  亀井 善之君
       労 働 大 臣  永井 孝信君
       建 設 大 臣  中尾 栄一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        貝田 泰雄君
   説明員
       総務庁行政監察
       局監察官     本田 清隆君
       大蔵省主計局調
       査課長      松元  崇君
       大蔵省主計局主
       計官       南木  通君
       運輸大臣官房長  土井 勝二君
       運輸省鉄道局長  梅崎  壽君
       運輸省自動車交
       通局長      荒谷 俊昭君
       運輸省港湾局長  木本 英明君
       運輸省航空局長  黒野 匡彦君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労働基準
       局長       伊藤 庄平君
       労働省婦人局長  太田 芳枝君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設省建設経済
       局長       小鷲  茂君
       建設省河川局長  尾田 栄章君
       建設省住宅局長  小川 忠男君
       自治大臣官房参
       事官       的石 淳一君
       会計検査院事務
       総長官房総務審
       議官       牛嶋 博久君
       会計検査院事務
       総局第二局長   諸田 敏朗君
       会計検査院事務
       総局第三局長   山田 昭郎君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        高橋  進君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成六年度一般会計歳入歳出決算、平成六年度
 特別会計歳入歳出決算、平成六年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成六年度政府関係機関
 決算書(内閣提出)
○平成六年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成六年度国有財産無償貸付状況総計算書(内
 閣提出)
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野沢太三#1
○委員長(野沢太三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十三日、阿部幸代君、本岡昭次君、栗原君子君及び尾辻秀久君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君、国井正幸君、山口哲夫君及び岡利定君が選任されました。
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野沢太三#2
○委員長(野沢太三君) 理事の補欠選任を行います。
 昨二十三日の本委員会におきまして、欠員中の一名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりましたので、本日、理事に筆坂秀世君を指名いたします。
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野沢太三#3
○委員長(野沢太三君) 平成六年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、運輸省、労働省、建設省及び住宅金融公庫の決算について審査を行います。
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野沢太三#4
○委員長(野沢太三君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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野沢太三#5
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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野沢太三#6
○委員長(野沢太三君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岩井國臣#7
○岩井國臣君 平成六年度という年度でございますが、細川内閣、羽田内閣、村山内閣という三つの内閣がそれぞれ同じ年度の国政を担当するというまことに異常な年度であったかと思いますけれども、その点はちょっと横へ置きましても、建設省では九十年ぶりの大改革と言われております指名契約制度の改革が行われましたし、それからまた阪神・淡路大震災という言語に尽くしがたい大災害に見舞われまして、建設省にとっても大変な年度であったかと思います。
 二十一世紀を目前にいたしまして、今は政治、経済、行政、国民生活、すべてにおきまして新しい時代に向けてまさに変革の時期だと思いますけれども、建設行政も平成六年度という年度を境にいたしまして新しい秩序というものを生み出すためのいわば陣痛の苦しみに入っているのではなかろうかな、そんなふうに思えてならないのでございます。新しい秩序というものがはっきりしないわけでございますが、だからこそそこからくるところの混乱というのが避けられない、大混乱の時期と言ってもいいかもわからない、そんなふうに思います。
 ですから、議論というものが必要でございまして、建設省は私の古巣でございますけれども、やはり国会というこういう場で厳しい議論が要るんじゃなかろうかと思います。したがいまして、回答次第によりましては遠慮会釈なく厳しい議論をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 さて、私は、昨年十月三十日の決算委員会におきまして、阪神・淡路大震災に関連いたしまして、緊急輸送道路の問題とか道路啓開の問題を取り上げました。そして、建設省からはそれぞれ前向きの回答をしていただきました。本日は、その際時間の関係から質問できなかった事柄からまず質疑を始めていきたいと思います。
 まず最初でございますが、昭和六十年の一月二十五日の「応急復旧時の民間保有機械等の活用体一制について」という事務次官通達がございますね。この通達の趣旨と内容を説明願いたいと思います。事実関係の説明でございますので、できるだけ簡単に願えればと思います。
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尾田栄章#8
○説明員(尾田栄章君) 先生御指摘の通達の内容でございますが、地震、洪水等の異常な天然現象によりまして大規模な災害が発生した場合には、社会的、経済的に影響の大きい河川、道路等の公共施設の応急復旧を迅速に実施する必要がございます。
 その場合、被災地域が広範囲にわたりまして、建設省保有の建設機械、資材、要員だけでは不足する、そういうことも考えられるわけでございます。このため、民間が保有をされております機械等を活用できるように、あらかじめ建設業者あるいはこれらの業界団体と協定を締結する等の整備を図りまして発災に備えようという趣旨でございます。
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岩井國臣#9
○岩井國臣君 ただいま説明いただきました通達は、阪神・淡路大震災の大体十年前に出された通達でございます。阪神・淡路大震災の直後、いろんな事態があるわけですが、応急復旧なんかも含めまして通達の趣旨が十分に生かされたのかどうか、その辺の評価をしていただきたいと思います。事後評価というんでしょうか、ひとつ簡単にお願いいたします。
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尾田栄章#10
○説明員(尾田栄章君) 阪神・淡路の大震災に際しましては、近畿地方建設局におきまして災害発生後直ちに施設の点検に着手するとともに、点検や応急復旧を行いますために、災害の場所及び状況に応じて通達に基づきます協定業者に依頼をいたしたところでございます。これを受けまして、各業者の方々は迅速に対応されたところでございます。
 また、今回の大震災は大変広範にわたる被災地でございましたので、これを復旧するために、これ以外の多数の他の業者の方々にも応急復旧を依頼したところでございますが、それぞれ緊急事態の内容をよく理解いただきまして、それぞれ所要の処置をとっていただいたところでございます。
 これらの応急復旧に参加されました建設業者は約百社に及んでおりまして、このうち中小・中堅業者は地元を中心に約七割ということでございます。その活動に対しましては地元から高い評価をいただいているというふうに承知をしておるところでございます。
 このように、一応応急復旧に迅速な対応がとれたと考えておりまして、通達の趣旨は生かされたものと考えております。今後とも通達の趣旨を生かしまして、災害時における応急復旧に迅速に対応できるよう対処してまいりたいと考えております。
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岩井國臣#11
○岩井國臣君 実はその通達は、私が大臣官房の技術調査室長のときに河川局の防災課へお願いして出していただいたというものなんでございます。
 私はかねがね災害時には地元の建設業者の協力が不可欠であるというふうに考えておりまして、果たして阪神・淡路大震災の際に地元建設業者の協力があったのかどうか、その辺を確認いたしたくて、実は昨年十月三十日の決算委員会でその点の質問をいたしました。
 今も河川局長からお答えあったわけですが、昨年十月三十日の決算委員会、道路局長からお答えございました。
 地元建設業者は、道路啓開にかかわる作業のほ
 か、人命救助、行方不明者の捜索、現地状況の
 情報収集、報告、避難所の飲料水の確保、ごみ
 処理、建設機械及び資材の確保、物資輸送ト
 ラックの提供、余震活動による二次災害予防の
 ための応急措置など、昼夜を問わず献身的な努
 力をされたそんな御報告がありました。先ほどの河川局長の御答弁と基本的には同じような高い評価が地元においてもなされておる、こういうことかと思います。
 やはりそうなんです。各県の建設業協会では戦後、最近の話じゃなくて戦後、いち早く傘下の建設業者から成る緊急対応のための防災組織というものをつくられまして、地域に密着した防災活動というものをやってきておられるわけであります。
 私は、長い間防災の仕事に携わってきましたので、その辺の事情にはやや詳しいわけでありますが、官房長は余りそういった細かいところは御存じないかもしれないんですけれども、いろいろなところから話をお聞きになって大筋については御理解いただいておるのではなかろうかというふうに思っております。したがいまして、質問というよりも確認みたいなことになるわけでございますが、一応質問させていただきたいと思います。
 地元の中小・中堅建設業者は、先ほど出されました全国建設業協会の将来ビジョンにおきまして指摘されております地域防災を初め、地域社会において重要な役割を果たしておるんだというふうなことを業界として大変強くアピールをしておられるわけでございます。その辺よく御存じだと思いますが、そういうことをどのようにお考えになっておるのか。それが結局、中小・中堅建設業の保護育成みたいなところへつながっていかないと意味がないわけで、評価だけじゃいかぬと思うのでございます。
 したがいまして、受注機会の確保につながっていかなきゃいかぬ極めて重要な問題じゃないかと思っておるのでございますが、その辺、建設省の基本的なお考えをこの際ただしておきたいと思うわけでございます。
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小野邦久#12
○説明員(小野邦久君) お答え申し上げます。
 ただいま岩井先生御指摘のとおり、地元の中小・中堅の建設業者、この方々は地域の住宅、社会資本の整備とかあるいは災害復旧等、地域に大変密着した仕事をしていただいている、こういうことでございまして、またそういう事業の展開を通じまして地域の雇用にも大変大きな寄与をしていただいている、こういうことを考えておりまして、地域社会においても大変重要な役割を果たしておられる、こういうことだと思います。
 このような中堅・中小建設業者の振興あるいは育成を図る観点から、先生御指摘の公共工事の受注機会の確保を何とか図れないかということは大事な観点だと思っておりまして、地域経済の活性化のためにも重要な施策である、こういうふうに認識をいたしております。
 このため、従来から中堅・中小建設業者の方々の受注機会の確保対策としては、発注標準の遵守でございますとかあるいは分離分割発注の推進、こういうようなことを徹底をさせようではないか。特に、建設省の直轄工事だけではなくて、関係省庁あるいは関係公団の事業、あるいは特に地域性という点では関係地方公共団体の御理解をいただくことが大変重要でございますので、地方公共団体に対してもこの趣旨を徹底をしてきているところでございます。
 御指摘のとおり、今後とも中小・中堅の方々の受注機会の確保対策をどうするかということについてはあらゆる観点から努めてまいりたい、こう思っているところでございます。
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岩井國臣#13
○岩井國臣君 さて、冒頭に申し上げましたように、平成六年度という年度は指名契約制度の大改革が行われました年度でございます。そしてその大改革の結果、建設業界は大変混乱に陥りました。もう過ぎ去ったことですから言ってもしょうがないのかもわかりませんけれども、ここは決算委員会でございますので平成六年度どうであったかということを振り返っておく必要があるんじゃないかというふうに思います。大手ゼネコンが仕事をとりまくり、中小・中堅の建設業者は仕事が激減したんです。これでは中小・中堅建設業死ねと言わんばかりではないか、こんな気がするわけです。
 先ほど申し上げましたように、戦後間もなく緊急対応のための防災組織をつくられ、地元に密着した防災活動に努力してこられた地元建設業者の気持ちを全く踏みにじる結果になったわけであります。
 もちろん、平成七年度になりまして、建設省には必死になってそれまでの行き過ぎを修復していただきました。現在はただいま官房長から御答弁ございましたようなことでいろいろ配慮をしていただいております。その点につきましては、この際建設省に対し感謝もいたしますし、それから心から敬意を表させていただきたいと思いますが、平成六年度を総括するに際し、なぜ中小・中堅建設業の仕事量があのとき激減したのかという点だけは原因をはっきりさせておきたいというふうに思います。
 そこで質問でございますが、平成五年度に比べまして平成六年度におきまして大手ゼネコンの受注が伸びて、逆に中小・中堅建設業の受注が激減するというふうな傾向が見られた。問題はその辺の原因がどこにあるのか、建設省はどのようにお考えになっておるのかということでございます。ひとつよろしくお願いします。
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小野邦久#14
○説明員(小野邦久君) お答え申し上げます。
 大変厳しい御指摘をいただきましたけれども、建設省の直轄工事の中小企業向けの実績の数字を申し上げますと、平成五年度におきましては四五%ございましたけれども、平成六年度におきましてはこれが四〇・一%ということになっておりまして、ほぼ四・九%低くなっていると、こういう実態がございます。
 いろんな原因が考えられるわけでございますけれども、一つは先生御指摘になりましたとおり、平成六年度におきましては公共工事の契約方式というものをかなり変えたわけでございます。公共工事の効率化をどう図っていくのかという必要性もございまして、公共工事の建設費の縮減の観点も加わってかなり発注ロットが大型化したのではないか、こういうふうに考えられるわけでございまして、これが一点でございます。
 二番目は、一般的に災害関連事業というのは中小建設業者の方々が受注される場合が多いわけでございますが、平成六年度におきましては、阪神・淡路大震災を除きますと災害関連事業というのが平成五年度より大幅に減少している、こういうこともございまして、この二つの原因が大変大きな課題ではないかと、こう思っておるわけでございます。
 このような観点から、私どもは、平成七年の七月、昨年の七月でございますが、それから十月、中小・中堅建設業者の受注機会の確保対策というのを取りまとめまして、精力的に中小企業対策というものに取り組んだわけでございますけれども、建設省の直轄工事における平成七年度の発注実績は、こういったような対策の効果もございまして、中小企業向けは契約額で過去最高の九千百八十五億円ということになりました。また、比率でございますけれども、四四%ということになりまして、平成六年度の実績を上回ると、こういうことになったわけでございます。
 これはいろいろな対策をとった結果だというふうにも思っておりますけれども、さらに発注標準につきましては、発注ロットの大型化に伴うランク間の工事量の不均衡、アンバランスを是正していこうということで、これは平成八年度からやった措置でございますが、一般土木工事あるいは建築工事につきまして発注標準の引き上げを行ったわけでございます。
 こういったようなことを今後とも十分やっていくことによって、中小建設業者の方々の受注機会の確保のための具体的な施策というものにきちっと取り組んでいきたい、こう思っているところでございます。
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岩井國臣#15
○岩井國臣君 先ほど、私は中小・中堅建設業の受注が激減したというふうに申し上げました。今の官房長の御答弁をお聞きしておりますと余り激減という感じがしないんでございますけれども、世の中で言われておりますのは、平成六年度、大手の仕事量が三%ふえたと言われており、大手が三%ふえるということは中小・中堅が三%減るということじゃなくて、大手は大きいですから四〇%ぐらい減ったと言われているわけですね。大手が三%仕事量をふやして中小・中堅が四〇%ぐらい減ったというふうに、俗説かもわかりませんけれども、そんなふうに言われております。数字の話は今ここでしても仕方がありません。あるいはそれが俗説であって間違っているのかもわかりませんが、そのことは言いませんが、私はそういうことを踏まえて激減したと、こう言っておるわけでございます。
 先ほども述べましたように、災害緊急時のことを考えましても、地域の建設業というものはまことに大切だと思います。地域の建設業といいましても、いろいろありますので、極めて誠実で優良な業者からそうでないものもあるかと思いますので、すべてということではない。誠実でしかも技術力にすぐれている、経営力もある、いい業者というのはこういう意味であります。
 しかし、実態は、私が昨年十月の決算委員会で懸念を示しましたとおり、この間もちょっと私兵庫県へ行ってきたのでございますけれども、兵庫県の場合、大手ゼネコンが仕事をとりまくりまして、地元業者には期待していたほどの仕事をさせてもらえない、そんな不満が今なお渦巻いているようでございます。
 そこで質問でございますが、兵庫県に限らず全国的には中堅建設業の不満がございます。今なおございます。中堅建設業の技術力が正当に評価されていないのではないかという不安が建設業界にあるようでございます。そこで、建設省は中小・中堅建設業の技術力というものをどう評価しておられるのか。もちろん直轄だけの話じゃなくて県だとか市町村の工事も含めての話でございますけれども、建設省の認識というものが県に影響を与え市町村に影響を与えますので、まず建設省のその辺の認識をお聞きしたいわけであります。中小・中堅建設業の技術力というものをどう評価しておられるのか、お答えいただきたいと思います。
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小野邦久#16
○説明員(小野邦久君) お答え申し上げます。
 公共工事一般の問題といたしまして、やはり品質を確保向上するという点で技術力は大変重要な要素でございます。技術力にすぐれた優良建設業者の活用を図るということは何よりも大事だと、こう思っております。
 御指摘の中堅・中小業者の受注機会の確保の観点から技術力をどう評価していくのか、こういうことでございますが、昨年七月の一連の対策の中で、私どもは、例えば公募型の指名競争入札におきまして、発注標準における直近の下位ランクの建設業者についても、例えば技術要件等の条件を満たせば地理的条件も十分勘案して応募を認めるといったような、そういうことも優良建設業者がより上位の企業へ参入できるような道も開いております、いわば土俵づくりでございますけれども。
 また、工事の発注に際して、競争に参加する者を指名しようとする場合に、当該工事施工についての技術的な適性というものをとにかく十分に勘案いたしまして指名をするということをやってきております。
 具体的には、当該工事と同種または類似工事の施工の実績とか、あるいは公共工事でございますので、ある一定の規模以上の場合には技術者をきちっと現場に配置しなければいけないわけでございます。そういう配置予定技術者の資格、経験、あるいはその企業の当該管内における、地域における過去の工事実績というようなものも十分把握をして技術的な適性の評価を行ってきております。
 こういったような技術力を適正に評価するためには、何といっても企業の施工実績でございますとか技術者に関するデータベースといったようなものをきちっと整備する必要があるわけでございます。そういったような観点から今いろいろな整備を進めておりますけれども、ことしの二月には、工事成績をより客観的に評価できるように工事成績評価要領というものを改定いたしました。企業の技術力を全国共通の指標として活用できないか、活用できるようなことも考えたいと、こう思ってきておりまして、過去からやってはおりますけれども、過去の至らない点を十分反省いたしまして、より以上に工事成績の評定要領をきちっと実施していく、具体的な指標として取り上げていく、こういうふうに考えてきております。
 企業の技術力というものを企業の規模に応じて適正に評価する仕組みについて幅広く今後も検討してまいりたいというふうに思っております。
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岩井國臣#17
○岩井國臣君 ロットの話が先ほど出ましたけれども、先般、ちょっと兵庫県に行きましたときに聞いた話でございます。
 舗装工事です。道路の舗道工事ですね。ロットが長いんですよ、延長が。だから金額は相当な金額になるんです。ですけれども、仕事の中身は分割さえすれば地元で何ぼでもできる。長くてもできるんです。それから堤防の工事でもそうです。護岸工事でもそうです。ロットが長くなるからといって難しくなるんじゃないんです。金額じゃないんですよ。もちろんダムだとか大きな橋梁だとかシールド工事だとか、そんなのはちょっと中堅といえども手が出ないんですね。だけれども、普通の工事というか、普通の工事がロットが大きくなっただけで急に難しくなって中堅・中小ができないということではないんですよね。だから、そういう不満が一つあります。
 それからもう一つは、県の割に大きい工事が中堅・中小はとれているんですよ。直轄がとれないんですね。Cですと今度標準発注を上げていただきましたので二億五千万まではいけるとこういうことですけれども、県の工事だったらもっとでかいのをとっているんです。十何億とか二十億とっているわけですね。そういう技術力は私はあるのではなかろうかと。
 これは、なるほど今までの考え方からいきますと、今言っているようなことは大転換なんですね。何妙なことを言っておるかというふうに聞こえると思うのでございますけれども、指名契約制度というものを九十年ぶりに大改革をやったわけでありますから、いろいろな問題をもう一遍原点に戻って、中小・中堅建設業の技術力というものをどのように評価するのが正しいのかというようなことをひとつ基本的な議論をしていただきたい。ここで答えをいただくつもりはありません。大問題ですから問題提起だけ一つさせていただきたいと思います。
 次の質問に移りますが、私、いろいろ現地に行かせていただいておるわけでありますけれども、現地で聞こえる声でございますが、最近歩切りがちょっとひどくなったんではなかろうかという、そんな声なんですね。実態はわからないですよ、業界の声ですからね。一〇〇%信用できないところもあるかもわからない。だけれども、あっちこっちでそういう声が聞こえるものですから、やっぱりそうかなと思ったりもしておるわけでございます。やはり公共工事の品質確保ということを考えたときに、歩切りというものは厳に慎まなければならないのではなかろうかというふうに思います。
 私はそう思っておるんですが、その点につきまして建設省の御見解をお聞きしておきたいと思います。
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小野邦久#18
○説明員(小野邦久君) 御指摘の公共工事の発注について、設計書金額の一部を正当な理由もなく控除して予定価格を作成する、いわゆる歩切りの問題でございますが、これまでもこういう行為があるのではないかということでいろいろな方面から過去何回か指摘されてきたことは事実でございます。
 このような行為は、先生御案内のとおり、公共施設のきちっとした品質の確保というものに大変大きな影響が出てまいります。また、同時に、工事の安全の確保、いかに安全に工事を施行するかという点でも大変大きな問題があるわけでございまして、建設業の健全な発展に全体として大変大きな影響が出てくるわけでございます。
 私どもでは、このような行為は厳に慎む必要があるということで、関係省庁の事務次官あて、あるいは関係の都道府県知事あてに何回か通達を出しまして、こういうことのないように要請をしてきているわけでございます。
 具体的なきちっとした積算に基づく予定価格の設定ということは大変大事な課題でございまして、これを正当な理由なく歩切ると申しますか、控除するということはあってはならないことでございますので、こういうことのないように今後とも引き続き周知徹底に努めていきたい、こう思っております。
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岩井國臣#19
○岩井國臣君 これもちょっと私ごとで恐縮でございますけれども、私が大臣官房技術調査室長をしておるときにやはりこの問題がいろいろ問題になりまして、別に私だけということじゃないんですけれども、各局とも相談をしながら建設省全体として取り組んだときがございます。もちろん、自治省が主務みたいなことになりますから、自治省にも働きかけて、自治省からも指導通達を出してもらうというようなことがございました。
 坂野重信先生が自治大臣のときに、大臣からも相当強力に御指導をいただいて、あのころ少し歩切りがなくなってきた、ゼロにはならなかったと思いますがこれが減ってきた。ところが、最近ちょっとひどくなっておるんじゃないかというような声を耳にするものですから気になっておるわけです。
 私は、大臣官房技術調査室のときに積算を担当しておったわけでございまして、決して積算は甘くないんですね。厳し過ぎることもないと思いますが、適正に積算はされておる。毎年毎年いろんなところで会計検査院の検査を受けておるわけであります。積算基準というのは適正につくられておると思います。それに基づいて適正に予定価格というものを積算しておる、こういうことでありますから、何の理由もなしに五%も一〇%も、あるいは一五%も、適当に歩切りをするなんというのはとんでもない話ではないか。先ほど言いましたように、地域における中小・中堅建設業というものは大事に育成しなきゃいかぬわけでありまして、こんなことをやっておったら地元業者は伸びませんよ。
 ということで、ひとつ自治省に対してお願いをして、一片の通達を出すというだけじゃなくて、少し実態を調べていただくと同時に、建設省としてもこの問題に真剣に取り組んでいただきたいと思うわけでございますが、これはちょっと質問通告なかったんですけれども、いかがでしょうか。
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小野邦久#20
○説明員(小野邦久君) 通達による指導だけで十分ではないのではないかという御指摘をいただいているわけでございますが、確かに過去何回か通達を出して指導してきておりますけれども、まだそういう声があるというような御指摘もあったわけでございます。私どもは、具体的な指導については、通達の発出だけじゃなくていろんな機会をつかまえまして趣旨の徹底に努めているわけでございますけれども、これからも自治省とも十分相談をいたしまして、いろいろなサイドからの趣旨の徹底に努めていきたい、こう思っております。
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岩井國臣#21
○岩井國臣君 きょうは問題提起だけにさせていただきたいと思いますが、私も実は、こうやれば確実になくなるという方法を、考えを持っておりますので、きょうはちょっと時間の関係もありますので申しませんが、またいろいろと御相談をさせていただきたいというふうに思います。
 最後の質問になりますけれども、もう一つ、地域における中堅・中小建設業の育成という問題を考えたときに、困った問題が一つ近年出てきておるのは不良業者でございます。
 最近、不良不適格業者の参入が大変多くなってきておるんではないか。したがって、ダンピングまがいの受注競争もいろんなところで見られるようでございます。私、しかとはわからないのでございます、そんな話を耳にするということでござ
 いまして、要するに不良不適格業者の参入防止、排除といいますか、そういう問題につきまして建設省としてどのようにお考えになっておるのか、これもぜひ私、実態を調べていただいて手を打つていただきたいと思うわけでございます。
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小鷲茂#22
○説明員(小鷲茂君) 不良・不適格業者の問題でございますが、いわゆるぺーパーカンパニーと言われるような企業あるいは適切な施工力に欠ける業者、こういった業者を排除していくということは大変重要な問題でございます。
 このため、従来建設業許可の段階あるいは公共工事の発注の段階でいろいろ努力を重ねてまいってきておるわけでございますが、最近では平成六年に建設業法の一部を改正させていただきまして、建設業の許可基準を強化させていただきました。例えば、一度悪いことをした、問題を起こしたような業者さんは再度許可をとりにくくするといったような改正をいたしております。また、都道府県知事さんの監督権限につきましても、一部権限を拡充いたして対処いたしておるところでございます。
 さらには、今後の問題といたしましては、やはり当該企業がきちんとした技術者を持っているかどうかということをチェックすることが非常に大事ではないかというふうに考えております。そのために、現在、全国の公共工事発注者が共通して使えるような建設業者のデータバンクを構築しつつございますので、これを活用することによりまして、工事現場ごとに置かなければならないとされております専任技術者をチェックするという方向で今後対策を強化してまいりたいというふうに考えております。
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岩井國臣#23
○岩井國臣君 建設省におかれましては、地域における中堅・中小建設業者の育成というようなことで大変いろいろと意を尽くしていただいておりまして、その御努力につきましては多としたいと思います。感謝も申し上げたいと思います。きょう申し上げましたのは、しかしなおまだいろいろ問題があるということでございまして、どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。
 質問を終わります。
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陣内孝雄#24
○陣内孝雄君 私は、運輸省に対しまして若干の御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、平成六年度の運輸省についての検査の概要についていろいろ事前に調べさせていただきました。不当事項が二件あるというようなことでございましたけれども、本当に会計検査院としても微に入り細に入り非常に丁寧にお調べになっているなと、そして運輸省としてもしっかりとまた対応をやっておられるんではないかと思いますので、この点につきましては省きまして、運輸省の運輸・交通政策について若干お伺いさせていただきたいと思っております。
 島国の経済レベルはその国の港湾や空港のレベルを超えることはできない、これはシンガポールのリー・クアンユー前首相の言葉だそうでございます。現在のシンガポールは、完全なコンピューター化されたカードオペレーションの港湾とかあるいは巨大な空港を活用してアジア屈指の経済の成長を続けておるわけでございます。それだけに、このリー・クアンユー前首相の言葉は、長い間経済不況に苦しんできた日本にとって、我が国の立ちおくれておる社会資本の整備のあり方に対する忠告のようにも思われるわけでございます。
 運輸・交通というのは経済活動にとって重要な動脈の役割を果たすものですから、これからの日本経済を活性化するには、運輸・交通施設を整備して人と物の交流機能を強化し、あるいはこれを効率化して、こういう面から国際競争力のある経済体質にしていく必要があると思いますし、また全国的に運輸・交通体系を整備することで国土の均衡ある発展を図ることができ、それによって今懸念されている産業の空洞化の傾向から、産業に地方へ進出してもらうような流れの変化を起こさせることができるんじゃないか、日本経済を地域からよみがえらせていくようにすることも国土政策として重要な取り組みになるんではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。
 そこで、我が国の陸海空の運輸・交通政策の大宗をつかさどっておられる運輸大臣に、日本経済の再生を目指した国土の均衡ある発展を期してどのような総合的運輸・交通政策を展開されようとしておるのか、基本的なお考えを伺わせていただければと思います。
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亀井善之#25
○国務大臣(亀井善之君) お答えを申し上げます。
 今、委員から御指摘をいただきましたが、まさに我が国は四面海に囲まれているわけでありまして、そういう中で、人、物、情報が極めて迅速に地球的規模で動き回るグローバリゼーションの進展、これを踏まえていろいろなことを考えていかなければならないわけであります。そういう面から、運輸関係の社会資本の整備ということが当然必要になってくるわけであります。
 我が国といたしましても、経済社会の活力を高め、国際的な競争の中で産業を活性化し、生活の質の向上を実現する環境を整備することが重要である、このように認識をいたしております。このため、国際交流の基盤となる国際的な交通ネットワークを形成する、またそのための社会資本を効率的に重点的に整備し魅力ある経済社会を構築することが必要である、このように考えております。
 このような視点から、我が国が安定した発展を持続し国際社会に一定の地位を確保するためには、時期を逸しない国際ハブ空港の整備が喫緊の課題と思っております。
 また、先ほど申し上げましたとおり、島国である我が国の経済活動は、国民生活に必要な物資の輸出入の大部分を海上輸送に依存しているわけでありまして、我が国経済の国際競争力を確保するという面からも、三大港湾及び北部九州の中枢国際港湾において諸外国に比べて立ちおくれております大水深のコンテナターミナルの整備を積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
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陣内孝雄#26
○陣内孝雄君 ありがとうございました。
 規制緩和を一層推し進めて、その面から経済構造を改革する必要が大いにありますけれども、同時に、経済発展にはその基盤となる運輸・交通面での国土構造の改造も極めて重要であると思いますが、大臣のお話、お考えをお聞きいたしまして大変心強く思いました。ぜひこの具体化を強く期待申し上げまして、若干具体的な質問を続けていきたいと思います。
 まず、空港整備に対する基本的な方向を伺いたいと思っております。
 我が国の国際空港として拠点的な役割を果たしているのは現在、成田空港と関西空港だろうと思います。しかし、国際間の航空需要がこれからも増大していくでありましょうし、また航空機の超高速化あるいは大型化による大航空時代が到来して質的に変わっていく可能性も高まってきていると思うわけでございます。アジアの国ではアジアのハブ空港を目指した巨大な空港整備が既に進んでいるという現実を十分視野に入れて、日本の拠点的な国際空港整備に取り組むことが今重要だろうと思うわけでございます。
 その際にぜひとも考えていただきたいことは、国土の均衡ある発展を図るために三大都市圏のほかにも、九州とか東北、北海道のブロックでも、それぞれが持っている有利な空港立地条件、こういうものを十分に生かして拠点的な国際空港を整備していくべきではないか、こういうふうに思うわけでございます。そのことが大航空時代における厳しい経済競争を将来にわたって乗り切っていけるような我が国の全体としての発展ポテンシャルをつけていくもとになるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 いずれにしても、我が国は狭い国土でございますので、これを隅々まで適切に利活用できるように、つまり国土の均衡ある発展を可能にするようなことが我が国の国づくりにおいては肝心だと思います。
 また、地方空港においても地域間の連携交流、とりわけ首都東京との航空機を利用した交流強化が高速交通時代の地方振興の決め手であると地方では強く期待しているところでございます。なお、地方空港では、すべてではございませんが、有効な活用のために近隣地域間の交流を促すようなコミューター航空の普及がもっとあっていいではないか、こういうことも考えるわけでございます。
 こういったことを踏まえまして、国際拠点空港あるいは地方空港の整備についてどのような基本的なお考えをお持ちか、伺わせていただきたいと思います。
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黒野匡彦#27
○説明員(黒野匡彦君) ただいま先生の御指摘、私どもも全く同感でございます。
 御承知かと思いますが、ことしから第七次の空港整備の五カ年計画がスタートするわけでございまして、昨年の八月、それに向かっての第一段階といたしまして、中間取りまとめということで学識経験者の方々の御意見も入れまして方向づけを出させていただいております。
 その中に実はこういう一文をあえて入れまして、空港整備という課題、これにこたえていくことは「我が国自身の問題であるばかりでなく、我が国が相互依存関係を深めつつある国際社会から期待されているところでもある。」ということで、大規模な空港の整備は単に我が国だけではなくて、世界から見れば一つの義務でもあると思っておるところでございます。
 そこで、具体的に拠点空港をどう整備するかということでございますが、この中間取りまとめにおきましても、とにかく需要が多い大都市周辺の拠点空港の整備を何にも増して急げ、こういう方向性を出していただいております。
 そこで、早速、関西の二期工事、平行滑走路をもう一本つくろうという工事を今年度予算から事業化を認めていただいております。また、成田につきましては、いろいろな紆余曲折はございましたが、関係の方々の文字どおり血のにじむような努力のおかげで対立構造が解消いたしまして、平行滑走路についてはその存在を否定しないというところまで参っておりまして、日夜この完成に急いでいるところでございます。それから、三番目が中部、これは伊勢湾の中でございますが、そこに新たな国際空港をつくろうと。これは、現在の名古屋空港が早晩パンクいたしますからそれも視野に入れて、つくるからには国際ハブ的な機能を発揮する空港にしようではないかという方向で今鋭意調査をしているところでございます。
 さらに進んで、今先生御指摘の地方の拠点空港、これをどうするかという問題が残っているわけでございまして、この中間取りまとめにおきましては、これは二〇〇〇年までを見た数字でございますが、地方の拠点空港は近距離の国際需要にこたえるようにこれも整備しようではないかという方向を出させていただいております。
 ただ、超長期的に我が国の国際航空需要が伸びることは確実でございます。したがって、今申し上げました三つだけでいいのか、さらに遠くまで視野を広げて三つにプラスする空港の整備が必要だということも、この七次の間では無理かもしれませんけれども、将来的な問題としては当然出てくる問題であり、それに対して我々も真正面から取り組まなければいけない、かように思っているところでございます。
 それから、コミューターのお話が出ました。
 実は、我が国の国際定期路線を利用していただくお客さんの七五、六%が東京もしくは大阪を起点、終点としているお客さんでございまして、地方対地方の需要というのは非常に細いのが実態でございますが、最近になりまして大変地方同士の交流が盛んになったせいか、地方都市間の路線網が目に見えて充実しております。したがって、地方の発展のためにも地方路線の充実を図りたいと思っております。
 ただ、コミューターというのは大変難しい事業でございまして、私の漠たる記憶ではジェット機ですとお客さん一人当たり二十円から三十円近くのコストです。ちなみにYSですとそれが四十円ぐらいになる。コミューターはこれが九十円から百円になるわけですね。そういう大変不利な条件での事業でございます。
 ただ、私どもコミューターの振興も考えておりまして、着陸料をまけるとかあるいはコミューター用空港の整備に支援を申し上げるとか、そういう形でコミューターにつきましても私どもの航空行政の視野の中に入れまして努力をさせていただきたいと思っているところでございます。
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陣内孝雄#28
○陣内孝雄君 二十円とか四十円とかおっしゃったのは、これはキロ当たりか何かですか。——わかりました。
 長期的な取り組みとしてもっと全国的な拠点空港の展開を考えておられるというふうにも受け取ったわけでございますが、国際拠点空港の整備に当たっては、航空利用の客が増大していく、それに対応して逐次整備を進めていけばよいという面も確かにあろうかと思いますけれども、他方では国家戦略として、今例えば首都機能移転のプロジェクトとか第二国土軸の形成というようなプロジェクトが国の将来の発展に向けて重要な国策として実現が目指されている、あるいは目指されようとしているわけでございます。
 私は、国際拠点空港についても各地方ブロックで整備していくことこそが、各地方ブロックが独自に直接国際化を図っていけるようにもなりますし、また、今必要とされている地方分権もより広域的に確固としたものを築く基盤ができていく、そういうものを先導するような役目も出てくるんじゃないかなというふうにも思うわけでございます。そういうことを考えますと、やはり大いに前向きに国土計画を打ち立てて、その中での国際拠点空港というものを位置づけていただきたいと思うわけでございます。
 第四次全国総合開発計画の見直しが行われておりますけれども、その改定に際しましては、九州国際空港など地方ブロックの拠点空港を、第二国土軸などと同じように、こういう他の国家戦略プロジェクトと並べて位置づけられるように努力をお願いしたい、こういうふうに思うわけでございます。
 さて、地方空港にとりましては東京との結びつきというのが大変関心事でございます。そこで、東京国際空港についてお尋ねしたいと思います。
 今、東京国際空港の沖合展開が進んでおるようでありますが、その進捗状況と完成後の処理能力がどうなっていくのかをお尋ねしたいと思います。
 また、運用面の工夫などでさらに処理能力を増大させて、地方空港の利用向上がその面からもより図れるようなことができないかどうか、このことについてもお聞かせいただきたいと思います。
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黒野匡彦#29
○説明員(黒野匡彦君) 羽田のいわゆる沖合展開事業でございまして、これはおかげさまで順調に今進んでおります。
 現在利用していただいておりますターミナルビルがございますが、あれを挟んで海側にもう一本滑走路をつくる工事が最終段階を迎えておりまして、今年度末にはその滑走路が完成する見通しでございます。
 さらに、横風用の滑走路、これは現在、昔の滑走路をそのまま使っておりますが、あれにつきましても騒音問題等を配慮いたしましてさらに沖合に延ばすという予定でございます。その滑走路も平成十一年度末には供用開始ができると思っております。
 問題は、それによってどの程度処理能力がふえるかということでございますが、今私ども管制の専門家を中心にぎりぎりどこまで伸ばせるかという数字を一生懸命詰めている段階でございますが、若干の推測分も踏まえて申し上げますと、現在の羽田が大体年間二十から二十一万回程度でございます。それに対しまして、今年度末の新しい滑走路の完成でこれが二十三万回程度には伸ばせるのではないかと思っております。さらに、もう一本横風用を沖に出すことによりまして二十五・五万回程度の数字は確保できるのではないかと思っております。
 さらに、もっと羽田を大きくできないかという御指摘をよく受けます。私ども航空行政というか空港行政だけの立場からいいますと、あの羽田というポジションは大変便利でございまして、もっともっと拡張はしたいわけでございますが、幾つかのそれを阻害する要因がございます。
 まず一つは今の滑走路、これを地図でごらんいただきますとおわかりいただけるかと思いますが、ほぼ南北に向いております。したがって、北の方に真っすぐ飛行機が離陸いたしますと、高輪とかその辺も含めてその真上を二分から三分間ごとにジャンボが飛ぶという事態になるわけでございます。したがって、沖合事業を始めるに当たって東京都との約束で、北の方に向かって離陸した飛行機はすべて右転回する、それによって騒音問題を防ぐ、そういう約束ができておりまして、現時点において住民の方々にその約束を白紙にしますよということは到底無理だと思っております。したがいまして、滑走路を若干ふやしたといたしましてもすべて右回りになりますから、飛行機の飛ぶ空域が非常に狭うございます。そういう意味で能力の拡大が難しいということ。
 さらにもう一つは、今の羽田空港のすぐ沖合を東京港に入る大型の船舶が利用しております。さらにその先は、やっと話がまとまりました例の東京都と千葉県の間の廃棄物の処理施設、埋め立て用に使うというふうに決まっておりまして、東京湾も非常に狭うございます。したがいまして、私ども羽田をこれ以上延ばすことは極めて困難だと思っております。
 ただ、そのまま手をこまねいているわけにいきませんから、私どもといたしましては第三空港、羽田にかわるというか、羽田とともに首都圏の需要にこたえる空港をつくろうということで既に関係地方公共団体の方々と話し合いを始めているところでございます。
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