地方行政委員会

1997-02-21 参議院 全251発言

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会議録情報#0
平成九年二月二十一日(金曜日)
   午前十時一分開会
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         峰崎 直樹君
    理 事
                関根 則之君
                竹山  裕君
                小林  元君
                朝日 俊弘君
    委 員
                太田 豊秋君
                上吉原一天君
                鈴木 省吾君
                谷川 秀善君
                山本 一太君
                牛嶋  正君
                風間  昶君
                吉田 之久君
                大渕 絹子君
                渡辺 四郎君
                有働 正治君
                西川  潔君
                田村 公平君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    白川 勝彦君
   政府委員
       警察庁長官    國松 孝次君
       警察庁長官官房
       長        野田  健君
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本 博一君
       警察庁生活安全
       局長       泉  幸伸君
       警察庁刑事局長  佐藤 英彦君
       警察庁警備局長  杉田 和博君
       自治大臣官房長  谷合 靖夫君
       自治大臣官房総
       務審議官     嶋津  昭君
       自治省行政局長  松本 英昭君
       自治省行政局公
       務員部長     芳山 達郎君
       自治省行政局選
       挙部長      牧之内隆久君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  湊  和夫君
       消防庁長官    佐野 徹治君
    —————————————
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       人事院事務総局
       管理局研修企画
       課長       高橋 秀樹君
       人事院事務総局
       職員局職員課長  佐久間健一君
       総務庁人事局参
       事官       大西 一夫君
       総務庁行政管理
       局行政情報シス
       テム企画課長   藤井 昭夫君
       外務大臣官房領
       事移住部邦人保
       護課長      水野 達夫君
       厚生省老人保健
       福祉局老人福祉
       計画課長     青柳 親房君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  柴田 雅人君
       農林水産省構造
       改善局計画部地  武本 俊彦君
       域計画課長
       農林水産省畜産
       局畜産経営課長  西尾 吉昭君
       林野庁指導部治
       山課長      安井 正美君
       運輸省運輸政策
       局地域計画課長  梅田 春実君
       郵政省放送行政
       局地上放送課長  伊東 敏朗君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施
 策に関する件)
    —————————————
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峰崎直樹#1
○委員長(峰崎直樹君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 大臣、できれば定刻までに来ていただくように、今後よろしくお願いします。
 地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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関根則之#2
○関根則之君 今、地方分権の必要性が強調されておりまして、我が自由民主党におきましても積極的に地方分権を進めていこう、こういうことで鋭意協議をしているところですけれども、白川大臣も自治大臣として地方分権を進める上で大変情熱を燃やされておりまして、そのお話をたびたび伺っております。
 ところで、地方がこれからは大事だ、重要な役割を果たしていかなければいけないんだということが言われておりますけれども、地方団体の責務といいますか、任務といいますか、使命といいますか、そういうものはこれから二十一世紀にかけてどういう分野でどういう責務が重いものとなってくるのか、どういうふうにお考えになりますか、まずお考えをお伺いしたいと思います。
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松本英昭#3
○政府委員(松本英昭君) 大臣のお答えの前に、私の方から説明をさせていただきたいと思います。
 これから二十一世紀に向かって、今までの地方団体が持っておりました責務、これも大変重いものでございますけれども、これからの将来を見通して特色的なことを申し上げるとするならば、私は、一つは地域というものを支えていく、そしてそれが地域の自治の原点として成長していく、地域の経営主体と申しますか、そういう意味における地方自治体の確立ということが一点あると思います。
 それからもう一つは、こういう高齢化社会になってまいりますし、行政の方向というものがやはりどちらかというと対人行政というものの比率が非常に高くなってくるだろう。そういう意味において、地域地域で一番身近な地方自治体がこれに対応していく必要が生じてくるのではないか、あえて申し上げますならば、これからの地方の行政の展望というものの中でそういうことが特色づけられるのではないかと考えているところでございます。
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関根則之#4
○関根則之君 そういう全般的な問題もありますけれども、私は、外交とか防衛は国がやって地域の問題は地方でやるということになりますと、これからの高齢化社会を迎えて、いわゆるお年寄りの介護とか医療問題とか環境の問題とか子供の教育の問題、そういった生活に密着したような問題、そういうものに対してきちんと地方団体が対応していけるということが非常に重要になってくる。今までだって重要だったけれども、ますますそういうことについて、もう国は面倒を見てやらないというんですから、地方団体がきちっとそれができるようなそういう体制をしっかりつくっていかなければいけないと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
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白川勝彦#5
○国務大臣(白川勝彦君) 私は実はこう考えているんです。
 およそ今日のような国家であれ、あるいは今日のような中央集権的な強い国家でなくても、日本にも多分幾つか地方国家的なものがあった時代もあったと思うわけでございます。しかし、それ以前でも集落なり地域社会というのはそれなりにあったんではないかと思うわけでございます。ですから、本来、人間の固まり、地域というものは、それ自体いろんなことをやってきたし、いろんなことをやる能力をもともと持っているんじゃないでしょうか。
 しかし、それだけでは十分でないということで、それぞれの地域に一つの政府ができて、それがまた全体として集まって中央集権的な強い国家ができて、それはそれで防衛とか国を守るとかあるいは全体として国を引き上げるというところに大きな力を発揮したし、当然そういう目的のためにつくったんだと思うわけでございますが、しかし一方では、そのことによって本当の意味で個性が生じてこないというところもあるわけでございまして、私は地域のコミュニティーというものはもともと人類が誕生したときから大なり小なり持っていたと思うのでございます。
 きのうも衆議院の地行委員会がありましたが、例えば過疎地をどうするんだ、幾ら国が過疎対策をしても、過疎を卒業してまた人口がふえた市町村というのはそんなにあらわれているのかと、こういうふうに言われました。しかし、本当にそこが過疎から脱却して発展するためには、国は国で今までお手伝いしてきたわけでございますが、やっぱりその地域の人に考えていただいて、その地域の力を振り絞っての中からしか本当の意味での過疎への対策というのは立たないんじゃないだろうかと。
 そういうことを含めて、もう一回それぞれの地域が本来持っている機能をより十分に発揮してもらえるように地方分権ということ、あるいはそれぞれの地方が自治の体制の中であらゆる可能性をもう一回引き出してくる、こういうような考え方が根底になければならないと思って、今回地方分権を進めるということで皆様方の御意見がまとまって、国会で地方分権推進法というものができたと私は承知をしております。
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関根則之#6
○関根則之君 基本的な問題もあるんですけれども、物すごい高齢化社会を迎えて、地域で地域の住民のための仕事をしていくということになると、高齢者の対策をきちんとやっていかなきゃいけないと思うんですね。そのための仕事というのは相当大きな量になりますよ。
 今、介護保険法が国会に提案されておりますけれども、今それだけの仕事をきちっとやっていくために、市町村の行政処理能力といいますか、任務を遂行する能力があるのかないのかという問題が私は問われてくると思うんです。権限をどんどん地方団体に移すといったって、人口二百なんという村があるわけですから、そういう村に本当の意味でそういった期待されるような仕事を遂行できるだけの能力があるのかという問題があるんですよ。
 介護保険の方で今考えているような、市町村が事業主体になるわけでしょう、保険主体に、その仕事を遂行できる能力を持つ市町村の規模というのはどの程度だと思っておりますか、厚生省。
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青柳親房#7
○説明員(青柳親房君) 介護保険制度を円滑に運営していく上で、どのような市町村規模を適当と考えるかというお尋ねでございます。
 介護保険制度を適切に運営していくための市町村の役割というのは、御承知のように安定した保険財政運営を行っていくということと福祉のサービス基盤を計画的に整備していく、この二つの役割であるというふうに考えております。
 このうち、財政的な役割という面から考えますると、できるだけ大きな規模であるということが当然望まれてくるわけでございまして、ただいま審議をいただいております介護保険法案におきましても、広域的な対応が可能となるように市町村相互財政安定化事業という仕組みを設けることなどによりまして対応することとしております。
 また、福祉サービスの提供という側面からこの問題を考えますると、住民の利用可能な生活圏域等によりましてその規模もおのずと制約されてくるというような問題もあるというふうに考えております。したがいまして、介護保険の制度運営上適正な市町村規模を、例えば人口等によりまして一義的に定めるということはなかなか難しいのではないかというふうに考える次第でございます。
 いずれにいたしましても、市町村ごとの実情に応じた介護保険制度の運営が可能となるように、財政運営及びサービスの提供の両面から必要な指導を行うなど適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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関根則之#8
○関根則之君 余り一般的な議論をしていたってしょうがないんですけれども、少なくとも介護保険、きちんとある程度の保険数理が成り立つような規模でなきゃ保険にならないんですから、そういうことを考えると、私は、少なくとも人口十万ぐらい必要なんじゃないか、そんな感じがするんですよ。そういう体制をこれから整えていかないと、地方分権地方分権といったって、やらせてみたら何もできなかったじゃないか、また相変わらず県や国に頼ってばかりいるじゃないかと、そういうことになってしまったんでは長い歴史の上で見て地方のためにならないといいますか、地方自治を育てるやり方として余り重荷を負わせちゃうと地方がつぶれちゃうと、そんな感じがしてならないんですね。
 そういう意味で、町村合併を相当積極的に進めて町村の規模を大きくしていく、そういうことを考えていかなきゃいけないと思います。そのときに自治省としては、県と市町村というものはどっちが大事だと考えていますか。
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松本英昭#9
○政府委員(松本英昭君) 現在御審議いただいております地方分権推進委員会で都道府県と市町村の関係をどういうふうに位置づけるかということで、今まで二つ出されましたものがございます。一つは平成七年十月にお出しになりました基本的考え方であり、いま一つは昨年十二月の第一次の指針勧告でございます。
 その二つとも共通した考え方は、まず国から地方に権限等を移譲するという大原則のもとにおいて、都道府県と市町村の関係については、都道府県の役割と市町村の役割をそれぞれ、都道府県は広域的な行政主体として、そして市町村は基礎的な行政主体として役割を明確化するんだという考え方が一つでございます。それからいま一つは、住民に身近な行政というものはやはり基礎的な地方団体を中心に考えていくべきであるという原則が一つでございます。
 そして、都道府県と市町村の関係については所要の調整措置等もいろいろ必要であろうから、その内容等についてはこれから詰めていく必要があるだろう、こういうことでございまして、大体私どももそういうことではないかと思っております。
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関根則之#10
○関根則之君 基礎的な地方団体としての市町村を大事にしていかなきゃいけないというのが今の自治省の考え方だと思うんですよ。私はまさにそのとおりだと思うんです。
 ところが、自治省の物の考え方というのは必ずしもそうなっていないんだね。やっぱり現在の都道府県に対する遠慮みたいなものがありまして、中核市制度というのができたでしょう。そのときに、中核市が幾つも同じ県の中にできると県が抜け殻みたいになっちゃうものだから、それはだめよということで一定のところで線を引いちゃっていますね。
 私の選挙区だから言うわけじゃないけれども、埼玉県なんかは三十万以上の都市が五つあるわけです。どれも中核市になれないんですよ。中核市になれる要件から外れちゃっているんですね。それは昼間の人口の方が夜の人口より多くなければいけない、昼夜間人口比が一を超えていなきゃいけないなんて変な理屈を持ってきて、それこそ五十万都市ですよ、大宮とか浦和とか川口というのは単独で五十万ちょっと切れますけれども、ほぼ五十万の都市なんですよ。それらの都市が、今の一般の市町村以上に、余り県に頼らないで自分たちだけで自治をやっていけるように、そういう趣旨でこしらえた中核市になれないように排除しているわけですよ。こんなのは、口先ばかりで基礎的な市町村の市を大事にすると言っていながら、実態はやっぱり県に引きずられていると、そんな感じがしてならないんです。
 この中核市を、そういった人口五十万近いような都市にどんどん機能を与えていくような制度に切りかえていくつもりはありませんか。
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松本英昭#11
○政府委員(松本英昭君) ただいまの御質問のことは、もう委員からたびたび当委員会においても御指摘を受けているわけでございますが、中核市制度をつくりました際に三つの要件をつけており……
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関根則之#12
○関根則之君 結論だけでいいですよ。
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松本英昭#13
○政府委員(松本英昭君) それで、ただいまの昼夜間人口比率というのは人口三十万から五十万の都市についてだけ適用いたしておりまして、五十万以上でありますればその要件はございません。ただ、全体として面積が百平方キロ以上というのを要件といたしておりますので、そちらにひっかかって中核市になれない例も多々あろうと思います。
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関根則之#14
○関根則之君 いろんなバリアをこしらえて、ならないようにならないようにしているんですよ。独立しちゃだめよという動き方なんです。
 私は、これからの地方自治、地方行政というものを考えた場合に、都市にこそ活力が残っていると思うんですよ。二十一世紀の日本の地方の開発といいますか、発展といいますか、それの担い手はやっぱり都市が中心にならなきゃだめだと思う。もちろん農村も大事ですよ、過疎地も大事だけれども、都市というものを本当に活性化させていく、それが日本のいろいろな地域の発展の原動力になっていく、そういうやり方をしなきゃいけないと思う。
 余りあちこち人口だ面積だと——川口市なんて行ってごらんなさい、広いですよ。百平方キロなきゃだめだなんといったって、もう立派な都市ですから、一度よく見てくださいよ。まあそれはいいです。
 それから、合併を進める上で、大臣、私は先人の知恵というものを大事にすべきだと思うんです。昔の郡というのは非常によくできている。あの郡というものを大事にして、埼玉県の北足立郡なんというのは今二百五十万ぐらいあるんですよ、昔の郡で計算すると。これを一挙に一つの市にしろといったってそれは無理ですけれども、例えば比企郡なんというのは二十二、三万でうまくまとまっているんですね。
 ああいう郡を一つの都市にして進めていく、昔の郡の成り立ちとか境界とか、そういうものを大事にして物を考えていった方がいいと思うんですが、いかがですか。
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白川勝彦#15
○国務大臣(白川勝彦君) 私が郡というものを自治省も考えてみたらということを言ったら、旧時代の遺物を引き出してなんてちょっと酷評されました。
 私が市町村合併、特に町村合併の問題で、私の新潟県の場合、全部承知しているわけではありませんが、郡というものが非常に地理的、歴史的、経済的に強い固まりを持っているものですから、そこを市町村合併するときの一つの単位にしたらどうかというのはそういうことで言ったのでございます。
 そして、どういうことかというと、二つのタイプがあるんですね。ある郡の中で大きな町などが市になっている、そして合併しないか合併しないかといっても四十年近く合併しなかったのは、やっぱり大きいところにのみ込まれるということに対する抵抗感というのが現実にあると思います。
 そういう面でいうならば、例えば郡の中に四つとか五つの町村があった場合はこれが対等合併したらどうか、こういう手法をひとつ考えてみたらどうかというのが一つの理由でございます。
 それから、郡の中で既にドーナツ的に真ん中だけが飛び上がってしまって市ができて、そしてその周りに町村があると、こういうケースもあると思うのでございます。この場合は、さっき言ったとおり今までも呼びかけてきたと思うのでございますが、なかなか全員がそこに参加しなかったという場合に、既に市になっているところが、もう一回私たちは例えば市名を変えてもいいと、もう一回郡という中でお互いに合併という問題を考えようじゃないかということを考えるときに、郡というのは一つの意味のある単位ではないかなということで申し上げたのでございます。
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関根則之#16
○関根則之君 ぜひそういうことを、昔の人たちが一つの生活圏というものを持っていてあの郡というのはできているところが多い、そうでないところももちろんありますよ、そういうものを大事にして考えていったらいい。それから、中心市が単独で市になっているときも、周りの町村を集めて、できれば昔の郡で一つの市をつくる、そういうことも私は非常に一つの知恵じゃないかなという感じがします。
 いずれにいたしましても、今メガコンペティションの時代ですから、市町村もやっぱり競争力をつけて、余りコストのかかり増ししているようなところは、そのコストをいかにしたら低減することができるのかということを考えながら、自分の町村の規模是正まで含めて規模是正することによってコストを低減させていく、高コスト構造というものをやめていく、そういう努力をするように、自治省もぜひひとつ積極的な働きかけをやっていただきたいと思います。
 時間がありませんので、次の問題に移ります。
 警察庁、ちょっとお尋ねしますけれども、十八日の晩にテレビ放送で、警察庁長官の狙撃事件の犯人ではないかと言われている人が生で話しているビデオが放映されたそうですね。それは今あなた方が一生懸命捜している犯人特定の上で何か捜査上支障が生じているんじゃないかと思いますけれども、どうですか。
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杉田和博#17
○政府委員(杉田和博君) 長官狙撃の犯行を自認しております元警察官につきましては、この席でも御報告申し上げましたとおり、全体的な具体的詳細な供述、そういうものの中に積み上げてきた捜査の結果と一致する点もあるということで同人が犯行にかかわったという疑いはあるのでありますけれども、同時に、使用して捨てたというけん銃等の客観的な証拠というものが出ないということで、現時点でいまだに同人をいわゆる実行犯ということに判断するに至っていないのであります。
 そういう状況の中で、警視庁は、いわゆる同人の供述の真偽というものを判断する上で、精神状態さらにまた健康状態、こういうものを把握するということが必要であるということから、いわゆる精神科医を含みます複数の専門家に判断をしてもらうということにいたしたのであります。
 今回のビデオの放映にかかわりました専門家というのはそのうちの一人であります。この人はいわゆる脳機能の働きというものを専門に研究しておる人でありまして、元オウム真理教の幹部、こういう者のカウンセリング等で大変実績を上げておる、この人であれば元オウム信者であった元警察官の精神状態を見る上で大いに資するであろう、そういう判断で依頼をしたものであります。
 もとより、そういった筋合いのものでございますので、当然のことながらいわゆる面接をした事実の有無とか、それからいわんやこの中身について外部には出さないようにということは要請をし、同人もこれを了としておった。そういう中でビデオが撮られ今回のような放映に至ったということは、実際に懸命に現在捜査をしております警察当局といたしますと、捜査上大変大きな支障を及ぼす極めて遺憾なことであるというふうに存じております。
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関根則之#18
○関根則之君 脳機能学者の苫米地英斗さん、これはお医者さんですか、医者の資格を持っている人かどうか後で答えていただければいいですが、この人に頼んで、元警察官が本当に銃撃したのかどうか、長官を撃ったのかどうかということをいろいろ状況を調べるといいますか、自白といいますか、そういう考え方を引き出す、記憶を引き出す、そういうことで警察がお願いしたんでしょう。警察がお願いした人だったら、そんな人が警察の意に反して一方的に、自分がコンサルトをやっている間のビデオを撮っておいてそれを困るというのに出しちゃうのは、もうとんでもない考えられないことだと私は思うんですよ。
 警察は、そんなビデオを出しちゃ困りますよということはしっかり本人に言ってあるんですか。
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杉田和博#19
○政府委員(杉田和博君) ただいま御報告を申し上げたとおり、私どもが依頼をいたしましたのは元警察官の精神状態、今どういう心境でおるのだと、そのことであります。そのことについて具体的にどのような方法で実施するかということにつきましては、もとより専門家でありますから、私どもといたしましては専門家を信頼してお任せしたということであります。
 しかしながら、御指摘のとおりビデオを撮ったり、さらにまたこれを外に持ち出す、こういうことについては当然あってはならないことであるということで、この点については先ほど申し上げましたとおり本人に要請をしたところでございます。
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関根則之#20
○関根則之君 しかもそういうビデオの管理を、警察はビデオがあるということを知らなかったんじゃないですか。どうなんですか、そこは。
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杉田和博#21
○政府委員(杉田和博君) そのとおり、ビデオを撮ったということを警察の方は認識をいたしておりませんでした。放映直前にそれを知ったということでございます。
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関根則之#22
○関根則之君 だから、そもそも警察がそんなお願いをしてやっているんだから、警察のそのお願いの範囲内で忠実に警察と信頼関係を持ちながらやってくれるような人を選ぶべきなんですよ。その頼んだ人の意に反してどんどん出しちゃうなんて、そんな人を選ぶこと、選任がそもそも間違っていたんじゃないですか。
 それから、ビデオを撮っているという事態をつかめなかったということは、これはやっぱり警察は少し手抜かりですよ、今から考えれば。信頼関係があったから外へ出すようなことはないだろうと思って油断していたのかもしれないけれども、やっぱりそれは手抜かりだと私は思いますよ。そういう反省はしてもらわなきゃいけないけれども、さて、今度は放映の問題です。
 苫米地さんに対して警察は、そんなものは外へ出さないでくださいと言ったんだけれども、放送局に対しては放送しないでくれ、そういうことは言いましたか言いませんか。答えだけでいいですよ、時間がないですから。
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杉田和博#23
○政府委員(杉田和博君) 弁護人が本人の元警察官の意思を確認した上で、弁護人がテレビ局に対して申し入れをしたと承知をいたしております。
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関根則之#24
○関根則之君 警察は申し入れをしなかったけれども、弁護人を通じて本人は、そんなビデオが外へ出ると、そうでなくたって親兄弟が大変心配をしてくれて、何か弟さんの就職の問題にまで影響するんだというようなことで、本人自身は平静時においてはこの事件が外へ出ることを特に嫌っているということで、この問題は二つの要素を含んでいますよね。一つは本人の人権を侵害しやせぬかという問題、それからもう一つは機密の暴露です。
 捜査をやっていくときに機密の事項が外へ漏れちゃったら、真犯人が自白をしても、公判廷へ行ってから、いやあれは新聞を見て警察にぎゃんぎゃん言われたから私は言っただけの話です、新聞を見て言ったんであって自分の体験に基づいて言ったんじゃないということになれば、前に言った自白というものが全然証拠にならないんじゃないかと思うんですよ。そういう意味で重大な問題を捜査上も及ぼしているわけでしょう。それを発表するかしないかによって公益がかかっているわけですよ。本人の人権もかかっているわけですよ。そういうものを本人の意に反して放送するなんというのはまことにおかしいと思うんです。
 きょうは郵政省来ているでしょう。郵政省、放送法上何か問題があるのかどうか、あるいはほかの法規上もこんな放送をしてもらっちゃ困るんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
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伊東敏朗#25
○説明員(伊東敏朗君) 私ども放送を所管する立場から申し上げさせていただきますが、現在私どもが承知している限りにおきまして、放映したことにつきまして、直接放送法に抵触するものではないというふうに考えております。
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関根則之#26
○関根則之君 放送法に抵触しない、それは結構だ、それじゃ何ら問題はない、そういうことですか。まあいいですよ、法律上問題はないということのようですからね。
 ただ問題は、結論からいって私はこれは放送局の思い上がりではないかな、そんな感じがしてなりません。放送というのは公共の目的を持っているはずですから、公共的な立場というものを十分尊重しながらやってもらわなきゃ困ると思うんです、勝手なことを何でもかんでも放送していいというものじゃないですからね。捜査に支障が生じるようなことを承知の上でやってもらうということは本当に困る。
 ビデオの中で、この元警察官は苫米地さんに、このビデオを公開してもらってもいいです、結構ですよということを言っているようですね。二回ほど言っているけれども、それはあるお医者さんに見せると——さっき答えがなかったけれども、お医者さんじゃないようですね、この苫米地さんというのは。ある専門の精神科医というか、こういった精神の関係のお医者さんに言わせますと、あのときの顔は、どうぞ発表してもらって結構ですと言ったときの顔というのは多幸性の顔というんだそうですね。非常に幸福そうな顔をしているというんですよ。これは一種の催眠みたいな形で正常な判断力がなくなったときに、人間が非常にふわっとしたような感じのときの顔だというんですよ。これはビデオを見て言うんですから本当の診断がっくかどうかわかりませんけれども、そういうことではないかと言われているんですよ。
 それで、現に放送の直前に放送局に対して、本人から頼まれて弁護士さんが、これはもう困るんだ、さっき申し上げたように、親戚、親子、兄弟、家族にも迷惑がかかるんだ、だから黙っていてくれ、こんなものを公表してくれるなということを通常覚せいされた状態において本人が弁護士に言って、その弁護士から日本テレビに対してファクスで送って、放送の前にそれは届いているというんですね。
 その辺の事実関係はあなた方は把握しているのかどうか。もし把握していて、そういう要請があったにもかかわらず放送したとすれば、やはり放送倫理の点からいっておかしいんじゃないかと思いますけれども、郵政省としてはおかしいと思うのか思わないのか、もう一度聞かせてください。
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伊東敏朗#27
○説明員(伊東敏朗君) 私どもが承知している限りの話でございますが、今、委員お話のありましたファクスが届いたというのは聞いております。たしか放映の五十分ちょっと前ぐらい、二十二時五分ぐらいだというふうに聞いています。
 一方、私どもが聞いておりますのは、この苫米地氏の方から当日、時間ははっきり承知しておりませんが、その放映を本人が承知していると、そういう電話があったということが苫米地氏から社の方へ電話が入ったということも聞いております。
 したがいまして、私ども、委員御指摘の放送の倫理とかいろんな点を含めまして、今の段階でよしあしの判断はちょっとできかねるというのが現状でございます。
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関根則之#28
○関根則之君 よしあしの判断はできかねるということですが、これはやっぱり条理からしても見逃すべきものではないと私は考えます。
 引き続きこの問題の状況をきちっと調査する必要があると思いますが、郵政省としては調査をするつもりがありますか。
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伊東敏朗#29
○説明員(伊東敏朗君) 放送された番組につきましては、私ども所管いたします放送法に規定されています放送番組編集の自由という大原則がございます。一方、番組準則というのもございまして、例えば事実を曲げて報道してはならないとか、そういうことも規定しております。
 したがいまして、私ども、それら全体を前提にした上で、今後またいろいろ新たな事実が出てくるのかもしれませんし、そういったことを踏まえながら対応していきたいと思っております。
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