農林水産委員会

2000-03-30 参議院 全196発言

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会議録情報#0
平成十二年三月三十日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     沢 たまき君     鶴岡  洋君
     西山登紀子君     大沢 辰美君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     三浦 一水君     斉藤 滋宣君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                斉藤 滋宣君
                中川 義雄君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                鶴岡  洋君
                山下 栄一君
                大沢 辰美君
                鶴保 庸介君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       国家公務員倫理
       審査会事務局長  石橋 純二君
       農林水産大臣官
       房長       竹中 美晴君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       農林水産省食品
       流通局長     福島啓史郎君
       食糧庁長官    高木  賢君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関
 する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
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若林正俊#1
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十九日、沢たまき君及び西山登紀子君が委員を辞任され、その補欠として鶴岡洋君及び大沢辰美君が選任されました。
    ─────────────
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若林正俊#2
○委員長(若林正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農産物検査法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長竹中美晴君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君、同畜産局長樋口久俊君、同食品流通局長福島啓史郎君、食糧庁長官高木賢君及び国家公務員倫理審査会事務局長石橋純二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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若林正俊#3
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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若林正俊#4
○委員長(若林正俊君) 農産物検査法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岸宏一#5
○岸宏一君 おはようございます。
 大臣にお尋ねをいたしますが、私は一昨年に参議院に当選させていただきましてこの農水委員会に所属したものですから、自民党の朝の農水関係の部会にできるだけ出席したいと思って出席をしておりますが、非常に大臣のお話で印象に残っていることがございます。
 その部会で、たしか優良農地の確保の問題だったと思いますが、まだ当時は大臣じゃなかったんですが、そのときに、今よりも優良農地をふやすべきじゃないか、いわば自給率を上げるためには計算していけばどうしてもふやさざるを得ないんじゃないか。言ってみれば、このままほうっておけばかなり私は農地は面積として減るんじゃないか、こういうふうに思っていたわけですけれども、そんな中で玉沢先生がそういう発言をなさったと。どんな方だろうと思っていろいろ皆さんから聞いてみましたら、東北地方ではナンバーワンの農政通である、あの人の言葉は非常に重いよと、こういうふうに先輩の皆さんから聞いたわけでございます。
 しかし、今回の基本計画によりますと、優良農地の確保はどうも現状並みだというふうな結果のようでございますが、この計画は私は常識的なものだろうというふうに思うんです。
 そこで、大臣にお伺いしたいのは、一般の議員である立場と、農林大臣になられるとやっぱりなかなかその辺で、自分のお考えと実際に政策として行うという場合、非常にじくじたるというんでしょうか、何となくしっくりしない面もあったんじゃないか、そんな気もいたしておるわけでございますけれども、政治家として、大臣として、今回、農林大臣になられて、農政全般について特にそういった御自身の主張と実際問題難しい点がいろいろあると思うので、その辺の所感をひとつお聞かせいただきたい。
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玉沢徳一郎#6
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 大臣になる前も大臣になってからも考えは全く変わっておりません。私は、当委員会でも申し上げておりますように、自給率を向上せしめる上におきましては、土地利用型農業の自給率は、特に農地が確保されなければその自給率の向上はなかなか難しいということを再三にわたって述べておるところでございます。
 しかし、今回の基本計画の中におきましては、そういう観点に立ちまして自然に例えば農地転用をせざるを得ないような形で行われておる農地の壊廃、これは年間三万ヘクタールぐらいが現実に出ておるわけです。これが例えば十年間たちますと三十万町歩になるわけです。しかしながら、土地改良等におきまして、国が行っているのもありますけれども、県が行っているのもありますし、また各地域で行われているものもあるわけでありますから、そういうものを勘案して集計してまいりますと、大体それに見合うような形の農地の開発が行われるという見通しのもとに現状維持という数字が出てきたわけでございます。
 しかしながら、外国から今輸入しておる穀物及び農産物を農地に換算すれば千二百万町歩の換算の面積が出てくるわけです。今、日本は四百八十万ぐらいですか、でありますから、やはり全部一〇〇%達成しようと思いましたならば二倍半の農地を造成するという覚悟がなければ一〇〇%はできない。しかし、それは日本の国土上の制限がありますから、地理的、自然的な条件がありますから大幅に何十万町歩も伸ばすわけにはいきませんけれども、単当収量をふやしていく、あるいは麦、大豆、飼料作物等、これも一時的な減反、転作の作物ということよりも本格的な生産に入ることによりまして自給率を上げていく、こういうことが今回の基本計画の中に盛り込まれたわけでございまして、私はやはり土地利用型の農作物におきましては基本的に農地が今後とも必要であるということにつきましてはいささかも考え方は変わっておらないところであります。
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岸宏一#7
○岸宏一君 そういうお答えをお聞きいたしまして安心をいたしました。
 そこで、大臣にぜひこれはお願いをしたいわけでございますが、今回の一月二十八日の総理の施政方針演説を見ますというと、字数にいたしますと一万一千三百字ぐらいだと思うんです、総理の施政方針の長さが。そこで、調べてみますというと、農業問題に言及したのは、食料問題ということを入れてですけれども、字数を数えてみますと百二字です。ですから、一%を費やしているわけでございます。
 しかし、今回の当初予算と農林省の予算を比較いたしますと、農林の予算は総額のたしか四%か五%ぐらいですか、そういうことになっておる。それから、国内総生産に占める農業の生産の割合というのはまあ二%弱ぐらいなんでしょうか。そんなことを見ますというと、我々多くの農家を抱える山形県出身の参議院議員としては、もう少し施政方針演説にも総理大臣に御発言のフレーズを多くしてもらいたいという思いは強いわけであります。
 ああいう施政方針というのは、さまざまな骨格的なことを言わなきゃならないのでと言われればそれまででございますが、今回特に私これを申し上げたいのは、聞くところによりますと、大臣は大学時代に、小渕総理、当時、小渕青年だったと思うんですが、何か雄弁会で演説の指導をなさったという話を聞いておりますが、それは本当でございますでしょうか。ちょっとそれを聞いてから。
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玉沢徳一郎#8
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 学生時代のことでありますから、学生時代からの友人であるということでございまして、生まれは年も同じなのでございますが、私の方が大学に入るのが一年早かった。そうすると、小渕総理が入ってきたときには一年生ですから、私は二年生ですね。そうしますと、雄弁会の中には演説練習幹事というのがございまして、これが一年生を指導するといいますか、そういう立場に立つわけでございます。したがいまして、小渕総理も新入生でございますので、みんな集めまして毎日一時間発声練習をやる、そういういわば下士官みたいなものでございますけれども、新兵扱いの、そういうわけでございます。
 それから、昭和三十八年の総理の初当選のときでございますけれども、同じく大学院に入っておりまして、そこからの立候補でございますから修士ですね。二カ月ぐらい前から参りまして、行動をともにいたしまして、選挙を戦いまして当選をいたした、こういうことでございまして、それ以来の関係でございます。
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岸宏一#9
○岸宏一君 ということをお聞きして、ぜひこれは大臣からお願いしてもらいたいと思いますが、やはり総理大臣として、農業の重要性は、ただ単に生産面のみならず、環境や国土保全、その他多面的な機能を持っておって、国民の福利厚生、福利向上に大変大きな意味合いを持っているということを農林大臣からぜひ総理に何回となく申し上げていただいて、アドバイスをしていただいて、これからの省庁再編によりますというと内閣府が非常に強力になるわけでございますから、そんな意味で、そのトップの人に正しく理解してもらわないとこれはよくないと思うんです。
 そういうことでぜひ、玉沢農林大臣だからできると、こういうふうに確信しておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思いますが、どうでしょうか。
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玉沢徳一郎#10
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは個人的な関係というよりも、お互いにその衝にある者としまして、やはり総理の施政方針演説の中に農林水産業の関係についてより多くのスペースを割いていただくということは大事なことだと思いますので、今後とも申し上げていきたいと思いますが、委員からも、同じ党の総裁でありますから、委員からの御発言等もお願いを申し上げたいと存じます。
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岸宏一#11
○岸宏一君 どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 大臣、この前、城総務審議官がお亡くなりになりました。非常に惜しい人材を失ったことと思います。大臣もさぞ残念に思っていらっしゃると思うんですが、どうも私どもから見ておりますというと、今、農林省はさまざまな不祥事で、特に構造改善局なんかは悪者扱いでございますけれども、そういう方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、城総務審議官のように本当に、恐らくは今回の基本計画づくりでかなり過労があったのではないかというふうに想像されるわけです。
 ついきのうも農林水産省の課長補佐の方に、あなたは超過勤務をどれぐらいしたのか、時間外勤務をどれぐらいやりますかと聞いたら、一月に二百五十時間ですと。大変な仕事をやっていらっしゃるわけですね。そういうことを国民の皆さんもよくわからないし、新聞では悪いことばかり出ますから。我が国の政府の職員の皆さんはよく働いていらっしゃる、こういうふうに思うわけです。
 と同時に、今回のこの城さんのお亡くなりになったことは職員の皆さんの健康管理という面で問題があるのではないか。大臣としてもいろいろ思いをいたすことがあると思うんですけれども、官房長でも結構でございますけれども、この問題についてどうお考えになってどう対処しようとしているか、お聞きしたいと思います。
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竹中美晴#12
○政府参考人(竹中美晴君) 職員の健康管理についてのお尋ねでございますが、経済や社会が大きく変わってまいります中で行政ニーズも変わってくる、大変高度化してまいりますとか、昨今の課題といたしましては、中央省庁改革への対応、あるいは今お話ございましたように基本計画の策定等を含めます農政改革への取り組みなどによりまして、現在、職員全体として役所の業務量が相当増大しているということは事実でございます。そうした中で、長時間、長期間にわたります超過勤務が職員の心身の健康に与える影響というものを私どもも憂慮いたしておりまして、極力、業務処理方法の改善なり事務の簡素化等に努めているところでございます。
 職員の健康管理につきましても、これは大変重要な問題と考えておりまして、毎年度定期的な健康診断や成人病の健康診断も実施しておりますし、特に長期間、長時間の勤務を行った職員に対しましては特別の健康診断を実施するというようなことも行うなど、職員の健康管理に努めているところでございます。
 ただいま御指摘いただきましたような点も含めまして、私どもといたしまして、今後とも業務の処理の仕方の改善なりあるいは健康管理、健康診断といった面での改善にさらに一層努めていきたいというふうに考えております。
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岸宏一#13
○岸宏一君 どうぞひとつよろしくその辺も頑張っていただきたい。
 大臣、時間も余りありませんので端的にお答えいただきたいんですが、私、地元に帰りますというと、このごろ農家の皆さんから、しかも農家のリーダー的な役割を担っている方々からこんなことを言われるんです。
 先生、おらだはもう三割バッターになったと。これは何ですかというふうなことを聞きました。聞きましたら、減反は、山形県の場合ですけれども、おらのところは三割だと。米の値段も三割下がった。それから、今回、農業者年金が大変だということで、政府の素案のようなものというんでしょうか、これが平均すると年金の給付が三割カットというとんでもない話だというふうなことで、どこへ行ってもそういった問題が出される。今の農家の最大の関心事は大豆の転作とこの農業者年金の問題じゃないかと思うんです。
 そこで、大臣として具体的なことは多く語れないかと思うんですが、きのうも実は全国の農業委員会の会長さんがみんな集まってその協議をしたわけですけれども、全中とのうねん倶楽部との最終調整をして政府に要求するということになるそうでございます。確かに、年金財政の困難さはございます。しかし、その責任はやっぱり政府と政治家が担うものであると思うんです。
 この際、大臣として率直に、農業者年金を改正するに当たって農家の皆さんに負担のかからない方向でやっていきたい、須藤議員も質問されておりましたが、ぜひそういった御発言を期待したいと思うんですが、どうですか。
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玉沢徳一郎#14
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業者年金制度をどうするかというお尋ねでございますが、まずこの農業者年金制度が果たしてきた役割、また現状、今後の方向をしっかりと見定めていかなければならぬ、こう思います。この制度は、発足以来、農業者の老後生活の安定及び農業経営の若返り、農地の細分化防止と規模拡大に寄与してまいりました。
 一方におきまして、年金をめぐる情勢は大きく変化しまして、世代交代、若返りよりも担い手育成が重要となっているという政策面の問題、また加入者一人が受給者三人を支えなければならないという財政面の問題が表面化しております。
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岸宏一#15
○岸宏一君 もっと簡単に。
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玉沢徳一郎#16
○国務大臣(玉沢徳一郎君) こういうような状況を踏まえまして、本制度の改革に当たりましては、食料・農業・農村基本法の理念に即した形で関係者の理解と納得及び年金財政面での長期安定が得られる制度にしていきたいと考えておるところでございます。
 簡単にと、こういうことでございますが、簡単にはなかなか答えられないわけでございまして、こういう経過を経た上で、今この農業委員会系統及び農協系統におきまして現場からの組織討議、意見集約が行われていると承知しておるわけでございますので、そうしたことも踏まえまして今後検討してまいりたいと考えております。
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岸宏一#17
○岸宏一君 確かにそれは簡単には答えられないわけですが、端的に大臣としての意欲を示してもらいたいという意味で申し上げたことでございますので、誤解なさらないでもらいたいと思います。
 それでは、時間もございませんので検査法の一部を改正する法案についてお尋ねいたします。いろいろ質問を用意してきたんですが、これは政務次官にお尋ねいたします。
 これを民営化することは行政改革の趣旨から非常にいいことだというふうに思います。
 そこで、国民にもわかりやすく、具体的にどんなメリットがあるのか。それから、民間の制度になりますというと、国がどんな役割を担っていくのか。それから、信頼性、公平性、こんな問題も上ってくると思います。これをどう確保していくか、こういったこと。それから、統一性は全国的にどうするかということをお答え願いたい。
 それと、私が心配しておりますのは、この制度をやった場合、食糧庁の検査事務所というんですか、食糧事務所の職員は当然減らすことができると思うんです。この点についてもはっきりとした方向性を国民に示す必要があるんじゃないか。確かに本所も支所も数は減っていますけれども、食糧事務所の職員の人数は、私が調査室から聞いた資料によりますと、平成六年から平成十一年末で千二百人しか減っておらない。これをどのようにしていくか、この点をお答えいただくことで私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。どうぞ政務次官に。
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金田勝年#18
○政務次官(金田勝年君) 委員から本法案につきまして数多くの今質問をいただいたわけでございますが、まず検査業務を民営化することによりましてどのようなメリットが期待されるのかということでございますが、今回の改正によりまして具体的に申し上げますと三点あるのかなと、こういうふうに考えております。
 例えば、検査の大宗を占めます米の場合について見ました場合には、実際に業務の主要な担い手と見込まれます農協等の出荷取扱業者にとりましては、集荷それから販売と検査を一元的に行うことができるということによりまして、集荷・販売計画に沿った柔軟な検査の実施が可能となるのではないか、こういうことであります。それから二つ目には、複数の民間検査機関の参入によりまして競争が働きまして、そして相互に創意工夫を発揮することができるということで、より効率的で検査を受ける側のニーズというものに即応した検査の実施が可能となるのではないか。そして三つ目には、行革の理念でもあります行政組織の減量にもつながるとともに、また一方で民間の側にも新たな事業の機会が開かれるであろう、こういうふうに考えられるわけでありまして、この三点がメリットかなと、こういうふうに期待をしておるわけであります。
 それから、民間検査制度になりました場合に国が果たすべき具体的な役割はなおどういうものがあるか、こういうことであったと思います。
 これにつきましては、今回の改正で検査の実施業務を民間にゆだねるわけではございますが、国が全面的に手を引くわけではないということでありまして、公正かつ円滑な取引の確保など農産物検査の果たす役割そして機能というものが適切に発揮されるように、制度の企画立案あるいは民間検査機関に対する指導監督等といった事務を遂行していく果たすべき役割があるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
 それから、民営検査の場合の信頼性、そして公平性をどういうふうに確保していく考えか、こういう点でございました。
 その点につきましては、やはり国として登録検査機関に対しまして適切に指導監督を行っていくことであろうかと思います。具体的には、その登録検査機関の業務開始に先立ちましては、検査を適正かつ確実に実施する上での必要な能力、体制を有する法人にのみ検査業務への参入を認めていくということとともに、業務の開始前にその業務規程を提出させて、業務内容等の確認を行いまして、内容が不適当と認められる場合にはその変更を命じるということにしていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 また、不適当な事態が発生した場合の是正措置として、改善命令を発出したり業務停止命令あるいは登録の取り消しといったような厳正な対処を行うということを考えまして、その民営検査の信頼性、公正性が担保されるというふうに頑張っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 それから、組織の点でございます。
 これにつきましては、民営検査への移行に伴いまして食糧事務所の定員の見直しが不可避になるのかという観点につきましてですが、これにつきましては、例えば今支所を例に出されましたが、食糧事務所は食糧事務所の事務を担当する機関でありますけれども、検査の業務だけが支所の仕事ではないわけであります。けれども、その主要業務の一つであるということになるわけでありまして、今回の民営化に伴いまして、支所の組織についても見直しあるいは統合というものも検討していくことになろうかと考えております。その具体的内容につきましては、平成十三年度の組織要求を取りまとめる八月までに詰めていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 以上であります。
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小林元#19
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 今回の農産物検査法の改正は規制緩和の推進の中で打ち出されました。そして、行政改革の一環ということで今回の提案になったと思います。
 現在、大きな流れということで行政改革ということが言われているわけでございますけれども、官から民へ、そして中央から地方へというのが大きな流れであるというふうに私も認識しておりますし、大臣もそのようにお考えかと思います。
 そういう中で、民営化への移行あるいは規制緩和、地方分権、そしてまた行政組織の見直し、あるいはその他倫理性の問題等々いろいろあると思いますけれども、まず初めに民営化への移行あるいは規制緩和について、農林省として基本的なお考え、そしてまた当面する課題というものはどういうものがあるのかということを大臣にお伺いしたいと思います。
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玉沢徳一郎#20
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、この法律の趣旨でございますが、やはり国が行ってきたものを民営に移す、こういうことで行政改革の趣旨を実現するというのが第一点であります。
 それから同時に、規制緩和でございますけれども、国があるいは社会が活力あるものとなるように規制緩和も推進をする、そういう観点から政府は規制緩和推進三カ年計画に取り組んでいるところでありますが、農林水産省におきましても、対象となっている計画事項等について今国会に所要の法案を提出するなどその着実な推進に努めているところであります。
 具体的には、現在、審議をいただいております農産物検査法の一部を改正する法律案のほかに、農地法の一部を改正する法律案、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案等を提出しているところでありまして、今後ともこの法案の成立を見た上で着実な規制緩和の実施に取り組んでまいりたいと考えております。
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小林元#21
○小林元君 次に、地方分権についても大臣の所見をお伺いしたいと思います。
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玉沢徳一郎#22
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産分野における地方分権につきましては、これまでも地方分権推進委員会の勧告を受けまして、保安林の指定・解除権限等の都道府県への移譲、地方公共団体に対する許可、認可等の関与の縮減等を進めてきたところであります。また、中央省庁等改革基本法における農林水産省の編成方針や食料・農業・農村基本法におきましても、地方分権の推進に十分配慮し、国と地方公共団体の適切な役割分担や地域の特性に応じた施策の展開など地域の実情を重視した考え方が盛り込まれているところでありまして、こういう考え方に基づきまして、地方分権のあり方につきましてもできるだけ協力をしていくという考えで取り組んでまいりたいと思います。
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小林元#23
○小林元君 地方分権といっても、いろいろな権限を移譲する地方分権推進計画があったわけでございますが、そういう中で、地方団体はもっともっと権限、財源というものを移譲してもらいたいということが強く求められたということは大臣も御承知かと思います。
 そういう中で、農林省は、地方団体に対する補助金、県あるいは市町村に対する補助金が公共事業を中心に大変たくさんあるわけでございます。やはり、こういうものがこの間の残念な事件、不祥事、そういうものにもつながっているのではないか。まず、その配分について、いろんな陳情合戦といいますか、そういう中で、癒着の問題、あるいはその使い方についてもいろいろあるんでしょうけれども、二段階になっているわけでございまして、そういうものをやはり地方の自主性に任せて、これは農林省だけの問題ではありませんが、国全体として財源というものを移譲し、地方の自主性にのっとってそれぞれの地域の発展を願うということがあろうかと思いますが、特に補助金、財源の問題について大臣のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
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玉沢徳一郎#24
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 補助金を行って事業を行うということで成り立っておるわけでありますけれども、しかしその場合におきましても、どういう事業をやるか、どういう施策をやるかということについては、あくまでも地方自治体がまず計画を立ててそれを申し出て、そして地域づくりをやるという観点からなされておるわけでございまして、そういう観点に立ちまして我々もそれを応援して農林水産政策が展開することができるように、こういうことでやっておるわけでございますので、補助事業がそういう観点から必要であるという認識でございます。
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小林元#25
○小林元君 大きな立場に立って、地方分権という流れ、そういうものに沿った考え方というものを農林省においてもこれから実現をしていただきたい、こういうふうに要望をしたいと思います。
 それから、行政改革という非常に直接的な減量化、スリム化というようなものが求められているわけでございます。今回の問題も、そういう中で民営化の問題が出てきたわけでございますけれども、これに限らず農林省として、これは省庁再編というような問題もあったわけでございますが、幸か不幸か農林省はそのままというような状況でありますけれども、そういう中にあっても、省庁再編の大きな波はかぶらなかったけれども、やはり組織の再編、効率化、こういうものは引き続きやっていくべきだろうというふうに考えておりますが、その辺についても大臣のお考えをお聞かせください。
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玉沢徳一郎#26
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省はほかの省庁とは違いましてその主体はそのまま残して再編するという形であるわけでございますけれども、しかし行政改革の趣旨を十分体しまして、食料の安定的な供給や、農業の有する多面的機能の発揮という役割の十全な機能を確保しつつ、効率的で透明性の高い事業・組織運営を図る観点から行政改革に取り組んでまいる考えであります。
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小林元#27
○小林元君 特に、ただいまの答弁にありましたけれども、透明性の確保、先ほども申し上げましたけれども、補助金等に関連しまして、あるいは箇所づけ等に関連して、やはり透明性のあるもの、これが問われているわけでございますので、どうぞその辺を十分にやっていただきたい。
 それでは、いよいよ農産物検査制度の問題であります。
 今回、民営化ということの提案があったわけでございますけれども、この検査制度そのものは日本独特の制度だというふうに私は思っているのでございますけれども、海外における農産物検査の現状というものを御承知でしたらお聞かせいただきたいと思います。
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高木賢#28
○政府参考人(高木賢君) 全国といいますか、全国家を網羅的に調査したわけではございませんが、私どもが承知しておりますものは、米につきましては、アメリカでは我が国と同様に検査制度に関する法律がありまして、国の機関が検査を実施しているということでございます。
 また、タイにおきましては、検査制度に関する法律はありませんけれども、商務省が認可をした民間検査機関が検査を実施しているということでございます。
 それから、オーストラリアにおきましては、生産者の協同組合による自主検査が行われているということでございます。
 それから、麦につきましては、アメリカ、カナダにおきましては我が国と同様、検査制度に関する法律が制定されておりまして、これに基づきまして国の機関または国の委託を受けた民間の検査機関が検査を実施しております。
 また、オーストラリアにおきましては、生産者の代表組織が小麦輸出を一元的に管理しているということでございますが、その麦につきましては、サイロ公社という州法に基づいて設置されたサイロ会社、これが検査を行っているということでございます。
 各国の検査制度は、その実態に応じましてさまざまなものがあるというのが率直な姿でございます。
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小林元#29
○小林元君 今伺っておりますと、どちらかというと輸出国といいますか、そういう中で実施をされているというふうに聞いたわけでございますが、これは要するに国内流通に関しての検査なのか、いわゆる輸出をするという中で国際的な信頼性を確保するという観点での検査制度もあるのか、その辺はいかがなんでしょうか。
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