農林水産委員会

2001-05-31 参議院 全201発言

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会議録情報#0
平成十三年五月三十一日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     阿南 一成君     金田 勝年君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     佐々木知子君     三浦 一水君
     森山  裕君     大野つや子君
     木俣 佳丈君     小川 勝也君
     佐藤 雄平君     羽田雄一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 豊秋君
    理 事
                岸  宏一君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                谷林 正昭君
    委 員
                井上 吉夫君
                岩永 浩美君
                大野つや子君
                金田 勝年君
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                山下 栄一君
                笠井  亮君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       農林水産副大臣  田中 直紀君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       国井 正幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産省農村
       振興局長     木下 寛之君
       環境省総合環境
       政策局長     中川 雅治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○土地改良法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
○農業協同組合法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○農林中央金庫法案(内閣提出)

    ─────────────
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太田豊秋#1
○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 去る二十九日、阿南一成君が委員を辞任され、その補欠として金田勝年君が選任されました。
 また、昨三十日、木俣佳丈君、佐藤雄平君、佐々木知子さん及び森山裕君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君、羽田雄一郎君、三浦一水君及び大野つや子さんが選任されました。
    ─────────────
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太田豊秋#2
○委員長(太田豊秋君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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太田豊秋#3
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に三浦一水君を指名いたします。
    ─────────────
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太田豊秋#4
○委員長(太田豊秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 土地改良法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に農林水産省農村振興局長木下寛之君及び環境省総合環境政策局長中川雅治君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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太田豊秋#5
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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太田豊秋#6
○委員長(太田豊秋君) 土地改良法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岩永浩美#7
○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。
 土地改良法の一部を改正する法律案について数点御質問をしたいと思います。
 まず、土地改良法並びに土地改良制度が果たしてきた役割について大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
 土地改良法の前身に当たる耕地整理法ができて百年、また土地改良法が二十四年に制定されて既に五十年の歳月が過ぎてきました。今まで、土地改良の果たすべき役割、内容も時代の変遷とともに、それぞれの農政の展開方向に即して変わってまいりました。これまで土地改良法、土地改良制度が我が国の農業政策、そしてまた農政において果たしてきた役割をどういうふうに認識しておられるのかという点が一点。
 また、平成十一年度には新たな農業基本法が制定をされました。そして、農村の生活空間である自然は農村によってつくられております。農村環境の整備は、生産基盤の整備とともに、土地改良事業の大きな柱になっています。特に、今後、土地改良事業の施行に当たっては農村の環境整備に力点を置いてやっていかなければいけないと私は思っております。
 そこで、新たな基本法の制定を踏まえ、今後の土地改良事業を、今までの面の工事、それから脱皮した環境整備に向けて、先ほど申し上げたように環境整備に重点を置いた土地改良事業を果たしていかなければいけないと思いますが、その件について大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。
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武部勤#8
○国務大臣(武部勤君) 土地改良事業につきましては、私、先般、諫早の干拓事業も見てまいりましたし、また隣の佐賀県の空港周辺の、あの平らな整備された圃場ではちょうど麦の収穫期でありまして、この後、二毛作、三毛作までつくれるんだというようなことを地元の方に伺ってまいりましたけれども、今にして思えば隔世の感があるなという感じを強くするのでございます。
 戦後の食糧難時代の食糧増産、また昭和三十六年制定の農業基本法に基づく農業生産性の向上や農業生産の選択的拡大、さらには構造政策の推進などによりまして、時代のニーズに的確に対応して事業を今日まで実施してきたと。周辺、さまざまな環境変化がございましたけれども、土地改良事業の果たしてきた今日までの役割というものは本当に大変大きな成果を得てきたと、このように感じているところでございます。
 また、今後の展開方向についてでございますが、今先生御指摘のとおり、食料・農業・農村基本法の四つの基本理念の実現や基本計画に基づきます食料自給率目標の達成に向けまして事業の重点化を図ることにしているのでございますけれども、地域の特性に応じまして、麦、大豆等の生産振興に資する水田の汎用化、畑作地域の産地形成に資する畑地かんがい施設等の整備、食料供給の基盤であります基幹的水利施設の整備、更新などについても環境と調和する、そういう配慮をしつつ推進していくべきだと、かように考えている所存でございますが、とりわけ最後のお話にありましたように、私は農村の果たすべき役割というものは非常に大きく変わってきていると、こう思います。
 これまでにも考えの一端を申し述べてまいりましたけれども、都市と農村というのは対立するものではありませんで、日本の国土はカリフォルニア州よりも小さいというところでありますので、都市と農山漁村というものは相対立するものではなく、融合し共生するという、そういう関係にあると、こう思います。今までは生産第一だったかもしれませんが、その生産環境というものを、都市住民の皆さん方のあこがれというものにも十二分にこたえていく、そして新しい農村コミュニティーというものを創造していくというような観点からも、今後の土地改良事業のあり方というものを真剣に考えていくべきだと、かように考えている次第でございます。
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岩永浩美#9
○岩永浩美君 先ほど大臣から御答弁いただきました先週の土、日を利用して有明海を御視察いただいたこと、心からお礼を申し上げたいと思います。
 さて、その折に佐賀平野も十分に御視察をいただいた由、今御答弁をいただきましたが、御案内のとおりに、私自身、出身が佐賀県であります。その実施中の二地区の国営の広域の用排水事業、県内の約六〇%の市町村がその受益地域になっています。それと同時に、圃場整備事業や畑地総合整備事業もあわせてその土地改良事業をやっております。とりわけ平たん地域にあっては、圃場整備の進捗率はもう既に一〇〇%近く、完全に一〇〇%とは申しませんが、一〇〇%近くもう行われているのは御案内のとおりであります。
 そこで、こういう状況の中にあって、土地改良連合会並びに関係者は今回の法の改正に大変大きな期待を持っています。今回の改正を契機として、現場が抱える課題、要望に対しても政府の積極的な対応を強く求めています。
 そこで、私はまず初めに、土地改良施設の維持管理と土地改良区について伺いたい。国営の基幹の用排水の改良事業と県営の末端の用排水事業、それと同時に圃場整備事業も一緒にそれぞれやっております。これに既存の水利施設の維持管理が加わって、農家が複数の土地改良区のメンバーになっていて、その農家の土地改良区の負担金が大変高くなっています。農家の負担軽減をどうしても図っていかなければいけない現状にあることは御承知のとおりだと私は思う。
 まずそこで、事業ごとに設立された土地改良区、それぞれの地域に事業ごとに土地改良区ができております。完了と同時に土地改良区がそのままに残っていて、維持管理をそのまま引き継いでいくということは大変難しい。事業が終わったものについては整理統合をして負担軽減を図っていくべきだと私は思いますが、そういう行政指導というのは今後おやりになっていくのかどうかということが一点。
 それから、平成十年の十二月に政府が取りまとめた農政改革大綱の中で、土地改良区については、水系単位または市町村単位を基本として、その目標を、整理統合を一層進めていくというふうに示されています。それを今後どういうふうに具体的に推し進めていこうとされるのか、これはもう事務方、局長でいいですから、局長にお答え願いたいと思います。
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木下寛之#10
○政府参考人(木下寛之君) 岩永先生から御質問のありました、まず第一点の土地改良事業が終了した後の土地改良区の取り扱いでございます。私ども、委員御指摘のとおり、土地改良事業が終了いたしました、そういう場合には基本的にはそういう土地改良区につきまして整理統合をしていくべきものというふうに考えているところでございます。
 第二点目の土地改良区の統合についての考え方でございます。私ども、土地改良区が公益的機能を果たすという意味で、その運営基盤を強化する必要があるというふうに考えております。その中で、やはり一番大きなポイントになりますのは、小さな土地改良区につきまして統合を推進していくということでございます。
 そういう観点から、私ども従来から、土地改良区の統合整備に対する助成、また土地改良区が管理いたします施設の整備、補修に対する助成等を行っているところでございます。平成十三年度、本年度からでございますけれども、土地改良区の合併を一層促進する観点から、広域合併に対する助成、また土地改良区が管理いたします水路等の管理作業への地域住民の参画を促進するための必要な経費の助成等々を行っているところでございます。
 私ども、今後とも土地改良区につきましては統合を推進し、しっかりとした基盤をつくる必要があるだろうというふうに考えております。
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岩永浩美#11
○岩永浩美君 今、局長はそういうものについて助成をされるということですが、末端では具体的にそこまでの助成措置についての認識はまだありません。私は、土地改良施設の公益的な効果というのは、土地改良区の適切な維持管理がなされて初めてその効果が発揮できると思います。
 そういう点で、現行の助成制度では、国が国営関連の基幹の部分については助成措置が可能であっても、県営事業等々についてはその助成の措置の対象になっていないと私は聞いていますが、県営事業であっても土地改良区の管理者に対しては助成すべきだと私は思っているんです。
 だから、国関連の基幹用水路、そういうものについては助成されても、末端の県営事業の区域におけるものについては助成の対象をもっとやっぱり強くしていくべきだと。そうしないと、末端の農家の人たちの負担の軽減にはつながっていかない。そういうものについての助成措置をもっと強く講じていくべきだと思うんですが、その件についてはどうですか。
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木下寛之#12
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、私ども、平成十二年度から地域の基幹的な施設でございます国営造成施設、あるいはこれと一体不可分な県営の造成施設の管理体制を強化するという観点から、必要な諸活動に対して支援を行っているところでございます。
 県営単独施設等々につきまして、私ども、維持管理費そのものにつきまして助成対象とするというのは非常に困難だというふうに考えておりますけれども、最近におきます農村地域の都市化、それから混住化の進展等に伴いまして、農業水利施設の公共、公益性がますます高まってきているというふうに認識をいたしております。このような管理の対象になります土地改良区の体質強化のための方策につきまして、引き続き検討していきたいというふうに考えております。
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岩永浩美#13
○岩永浩美君 具体的に、大きいところの土地改良区についてそういうことはある程度可能になっていくけれども、末端の事業ごとに設立された土地改良区の一つの基幹用排水路というのは、どうしてももう管理が非常におろそかになったりして十分な管理がなされていない部分があります。そういうきめの細かいところが、どちらかというと、過疎地域じゃなくても、都市化現象が著しくてその一つの改良を促進していかなければいけないところがあるので、今局長の御答弁いただいたような形の中でさらなる一つの行政指導を進めていただくことを、この件については要望いたしておきたいと思います。
 次に、農業生産基盤の整備について伺います。
 国営の土地改良事業の中には、二十年以上の歳月が経過していてもまだ工事が完了していない地域があります。事業実施に当たって、その事業を推進していく上において、農家の同意が必要になり、親の代で判こを押し、孫の代で支払いをしていくという、長い年月がかかる、かかるというよりもかかっている事業があります。
 その間に、社会情勢の変化や農業情勢の変化、そういうものが非常にやっぱり変わってきて、土地改良区に参加した時点と、今、孫の代になっていったその一つの土地改良区の組合員としての認識にずれがあります。そういう認識のずれが土地改良組合として事業を推進していく上においてそごが生じて、うまく土地改良事業を運営していくことが困難になっている地域が私の住まいする佐賀県の中にもあります。
 そこで、二十年以上もその事業着手から事業完工までの間にかかっているような土地改良事業は、その時代の変遷に合ったような形の中で事業を見直していくということが必要だと私は思います。
 そういう事業の見直し等について、政府はどういうお考えでその事業の見直しをしていくのか。事業の見直しを土地改良区が求めてきた場合には、瞬時にその対応というものをなさるのか。いろいろこれはもう事前着手をしていく過程の中で同意を得ているんだから、計画どおりに推し進めていくということで突っぱねてしまわれるのか。その地域の要請にこたえた形の変化、地域の要請にこたえた対応、そのことを柔軟におやりいただけるのかどうか、それもお聞きしておきたいと思います。
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木下寛之#14
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、土地改良事業、特に大規模なかんがい排水事業等々の場合におきまして、委員御指摘のとおり、二十年を超えるような事例はあるというふうに承知をいたしております。私ども、一つの土地改良につきましてそのような長い期間にわたりますと、この間の農業事情が大きく変化をするというふうに思っておりまして、できるだけ早期の完工を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
 また、平成十年からでございますけれども、五年ごとに事業の再評価制度の、見直しということで現在やっております。五年ごとにその事業につきまして見直しを実施し、必要に応じて、委員御指摘のような事業の変更等々もやはり柔軟にやっていく必要があるだろうというふうに思っているところでございます。
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岩永浩美#15
○岩永浩美君 柔軟に対応していくべきだろうというふうに御答弁なさいますが、最初の事業計画を変更していく過程の中でいろいろな問題に直面して、計画どおりにやらないとこの事業というのはだめなんだということで、やっぱりハードルが高くなっていて、土地改良組合としてはそれを変更することに大変エネルギーを使っているわけですよ。ただ、御答弁としては柔軟に対応していくということをおっしゃるけれども、具体的に現場としては柔軟な対応がなされていないからそういう一つの苦情が出ているわけです。
 だから、やっぱり二十年以上も一つの事業そのものが竣工できないということ自体がそこは問題があるのであって、その間に、この二十年の間に農業の情勢自体が変わってきている。それに対する対応の仕方というのは、やっぱり今までは役所主導でやってきた土地改良事業だったかもしれない。今回は政治主導でできる。武部大臣は、大変御熱意を持って政治主導で事に当たっていく、農林省の中そのものについて、事業そのものについても構造改革をやっていくという力強い御発言をいただいておりますが、今まで私自身は、体験した中で感じるのは、やっぱり一回決まったものを変更するということに対するハードルが高い。そのことを早くもう少しやっぱりハードルを低くして、まさしく御答弁いただいたように、柔軟な対応という御答弁は、柔軟にそのことができる一つの指導をしてもらわないと、やっぱり土地改良組合としては問題として非常に多くの課題を抱えたままで推移せざるを得ない、そういう現状にあることを大臣はどうお考えか。
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武部勤#16
○国務大臣(武部勤君) 私どももいろんな経験を目の当たりにしておりまして、先生の御指摘の問題は全国各地に事例があるんだろうと、かように思います。
 一つは、自助自立の精神できちっと最初から一つの契約関係で事業に入るわけですから、その意味では生産者の方々も当事者の方々も、先行きのことも真剣に考えていただかなければなりませんが、しかし、二十年もたって社会の変遷、変化というのは、必ずしも当事者の事情には関係なく大きく変わってきているというようなことを踏まえますと、第一義的にはやっぱり地方分権ということで、地域の市町村とか県とかそういったところが対応すべきだと、こう思うんです。
 何でもかんでもダイレクトに国が対応するということが適切かどうかということについては、いささか私も疑問を感じているわけでありますけれども、しかし、今先生御指摘のように、ともするとボールの投げっこをして時間ばかりたってしまうというような、そういう誠意のないやり方は今後許されない。ここのところは政治主導でケース・バイ・ケースだと、かように思いますので、県や市町村との連携のもとに柔軟に時代の要請に合った対応というものができるように、そういう努力はしていかなくちゃいけないんじゃないか、かように思います。
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岩永浩美#17
○岩永浩美君 ぜひ、そういうひとつ柔軟な対応をお願いしておきたいと思います。
 また、土地改良区並びに土地改良区が存在し得ない中山間地域、耕作放棄地をなくしていかない限り、農村の環境の整備ということはできないと私は思う。その中山間地域においては、そういうやっぱりまとまった一つの集落として土地改良区のメンバーがそろっていない現状の中にあって、中山間地域は農業後継者も少なく、耕作放棄地がだんだん出てきております。そのことは環境を整備していく上において大変ゆゆしい問題だと私は思います。
   〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
 また、中山間地域のみならず平たん地域の中にあっても、土地改良区の職員並びに組合員の人たちが高齢化をしてきています。それぞれの小さな集落の中における土地改良区の組合員が高齢化して、先ほど来申し上げているように、だんだん老朽化をしていき維持管理にお金がかかり、維持管理に非常に人手もたくさん要るという形の中で、高齢化のために耕作放棄地が数多く出てきていることもこれまた事実であります。
 私は、そういう土地改良区を整理し、かつまた土地改良区にかわって、それぞれの県には土改連、県土連という、それぞれの県によって呼称は違ってくると思いますが、そういう土改連を中心とした整備、土改連の組織整備をして、ある程度やっぱりそれぞれの地域の維持管理についてのスタッフを養成したりということをしていかないと、組合員だけに任せてやっていくということは非常に不可能に近くなってくるのではないのかなと。
 土改連の組織整備をしていくということは、言いかえれば、ある程度国の補助政策をそれぞれの県ごとに与えていくことによって、維持管理については徹底した一つの行政指導というものが出てこなければいけないのではないかなという思いが一方でいたしておりますが、それについてどういうお考えをお持ちか、お聞きをしておきたいと思います。
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木下寛之#18
○政府参考人(木下寛之君) 私ども今後、土地改良施設の適正な維持管理を図っていくことは非常に重要だというふうに思っております。そういう意味で、土地改良区あるいは県の土地改良連合会がそれぞれの体制整備を行っていくということと、それぞれ土地改良区と土地改良区連合会の一層の連携強化が重要だというふうに考えております。
 まず、土地改良区でございますけれども、今後とも土地改良施設の維持管理をしたいというふうに考えておりまして、先ほど申し上げましたように、合併等を通じた運営基盤の強化を図っていきたいというふうに考えております。
 また一方で、県の土地改良連合会でございますけれども、土地改良区の役割が十分発揮されますよう、技術的な指導援助を行えるよう、その基盤についてもしっかりとしたものにする必要があるだろうというふうに考えております。
 土地改良区あるいは土地改良連合会自体が今後どういうふうな役割分担をしていくかという問題についても、みずから検討していくということで、今その途上でございますけれども、私ども農林水産省といたしましても、土地改良関係組織のあり方につきまして検討していきたいというふうに考えております。
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岩永浩美#19
○岩永浩美君 私どもは、農業政策を推進していく上において国の助成ばかりをお願いするということは、一面においていろいろな御批判をいただくことになる面も考慮しなければならない。そこで、土地改良事業によって多面的機能が保たれていることは言うまでもないし、農家だけがその受益を受けるのではなく、地域全体がその受益を受けていることはこれまた事実であります。
 そこで、農業用水のダムとして建設をされた、それぞれの地域の中に農業用のダムが私はあると思います。それぞれの県に何カ所あるかは定かに私はまだ調べておりませんが、ただ二十年前あるいは三十年前ぐらいに竣工したダムは、その当時の農業の受益面積等々を考えると、現在では、当時計画をされた受益面積よりも二分の一あるいは三分の一ぐらいその受益面積が少なくなっていると私は思う。そうすると、そこにためてあった農業用水のダムは、今その容量は不必要になっているわけで、余剰水をもっとほかに売水することによって、そういう土地改良事業や農村の環境整備の負担にやっぱり転換をしていく、農業用水用の水を上水や工業用水等に売水することによって土地改良事業の費用の一部分に充てるとか、そういう工夫をすることによって農家の人たちの負担軽減を図っていくその一つの役割を果たしてもらえばいいのではないかという思いがあります。
 特に、それぞれのダムの水というのは、水利権等々があってそれを変更することはかなり難しいと言われますが、あくまでもその地域の水利権と河川の維持流量は確保しつつも、それぞれの農家の負担によってつくり上げてきた農業用水のダムはそういう形に転換していっていい時期に来たのではないのかなと、そう私は思いますが、大臣の御見解はどうか、ちょっとお尋ねをいたします。
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木下寛之#20
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、そういうように委員御指摘のような需要があるところはあるだろうというふうに思っております。ただ、御案内のとおり、河川の流水というのは、農業用水を初め各種利水の用に供されるという点でございます。現在の河川法の体系の中では、河川の流水というのは私権の目的となることができず、したがいまして、その売買は行えないというふうにされているところでございます。
 ただ、農業用ダムの施設を管理している土地改良区と、それから当該施設を上水道等の用途に活用しようとする者の間で当該施設の使用につき合意がなされた場合には、その本来の用途を妨げない範囲内で施設の使用をさせる。そうした上で、施設の使用料等を徴収し、結果として当該土地改良区などにおいて維持管理費等に充てることができるというふうに考えております。現に、国営土地改良事業で造成されました施設におきましても、このような制度を活用している土地改良区等が十六地区あるというふうに承知をいたしております。
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岩永浩美#21
○岩永浩美君 国営の事業で部分的にそのことを採用しておられるところはありますけれども、県営の圃場整備区域や県営の畑総地域の中においてそういうことをなされているところはないんですよ。
 仮に二十年前につくられたダムの場合には、やっぱり三十年ぐらい前に受益面積等々をはかって、それに合った用水確保でダムをつくられている。しかし、その面積が三分の一や二分の一に減ったら、その水は余剰水としてあるわけだから、その地域の土地改良区の合意があれば、土地改良区の人たちは、そういう水を何とかして売水することによって維持管理の費用に充てられたら楽なんだという、そういう強い要望を持っておられるのにそれができないということで、高いハードルがまたそこにある。それは政治的に解決をしていくべきではないのかという一つの思いで、私は、農業用水用のダムの転換、少ないというんじゃなくて、余っている水をその地域に還元することですから、地域の農家の皆さん方がそのことによって恩恵を受ける、そのことによって環境整備ができる、農村の集落を活性化させていくことができるとするなら、そのことはやっていくべきだと思いますが、大臣の御見解をお示しいただきたいと思います。
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武部勤#22
○国務大臣(武部勤君) 今、先生のお話のとおり、二十年も経過しているとか一定の期間目的を達しているというような、そういう要件というものも必要だと思いますが、同時に、このことについては市町村とか自治体あたりが一つの責任ある支援をしていくという、そういうような前提があるならば、私は政治的に思い切った対応をしていいんじゃないかと。
 今、先生御指摘のような硬直的なやり方では、かえって地域も、一般市民とも混住しているわけでありますし、地域の人々もそういうものを望んでいるというようなことであるならば、やはり自治体あたりが中に入らなければならないんだろうと、そんな感じがいたしますけれども、勉強させてもらいたいと思います。
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岩永浩美#23
○岩永浩美君 この件については、現在、国土交通省との意見の調整があろうかと思いますが、国土交通省との意見の調整をぜひ図っていただいて、そういう一つの地域の実態、農家の負担軽減を図っていく上において、土地改良事業、土地改良組合を活性化させていく上においても、そういう問題をぜひやっぱり推し進めていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
 次に、地域の意向を踏まえた事業実施手続の整備について伺います。
 今回の法の改正の中で、市町村長の意見聴取を市町村長との協議に改めるというふうに今度変えられました。この改正案に言う協議ですね、今までは意見聴取だったやつを今度は協議をするということは、意見聴取と協議はどういうふうに違うのか。そして、仮に市町村長との間に意見の食い違いがあった場合にはどっちを優先するのか。市町村長の意見を優先するのか、市町村長の意見がもしその計画に対してだめだと言った場合にはそれは取りやめるのか、そこはどういうふうになるんですか。
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木下寛之#24
○政府参考人(木下寛之君) これまで土地改良事業の開始に当たりましては、主として市町村の定める農業振興計画と土地改良事業の整合性を図るという観点から、当該事業の計画の概要につきまして市町村の意見を聞くというような対応をしてきたところでございます。
 今回の改正は、地域の意向をより一層踏まえるという観点から、市町村長の位置づけを意見聴取の対象から協議の対象に高めるという点でございます。
 具体的には、意見の聴取という場合には意見を聞くだけにとどまっていたという点でございますけれども、協議の場合には、実質的に申請者とそれから市町村長が両者協力して事業計画を作成していくことになるというふうに考えております。
 ただ、御指摘のとおり、市町村長と土地改良区の意見が異なり、どうしても協議が調わないという場合も想定されるわけでございます。このような場合には、そういうような協議の経過を添えて、協議未了ということで都道府県知事に認可申請をし、都道府県知事の判断を求めるということになろうかというふうに考えております。
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岩永浩美#25
○岩永浩美君 都道府県知事の最終的な認可、しかし市町村長がそれはノーという返事を出したときには、県は恐らく市町村の意見を尊重すると思いますが、それはそれでいいんですね。
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木下寛之#26
○政府参考人(木下寛之君) 先ほど申し上げましたように、協議でございますから、都道府県知事への申請に際しまして調わない場合、これは極めてレアケースであるというふうに考えておりますけれども、そのように協議が調わない場合には、協議未了というふうなことで認可申請が上がってくるというふうに思っております。
 そのような協議全体をとらえて都道府県知事が所要の判断をするというふうになるんじゃないかなというように考えております。
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岩永浩美#27
○岩永浩美君 意見聴取と協議ということになると、意見聴取よりは協議の方が私はかなり重いと思うんですよね。意見をただ単に聞くというよりも、協議の場合にはそれぞれの地域の実態を踏まえた中で一つの計画変更を求めたりというようなこともあり得るわけですから、そういうやっぱり地元の意向というものは十分に踏まえられたような形の中で推進されることを望んでおきたいと思います。
 また、今度の改正で、地域住民を初め広く意見を聞くことというふうに記されていますね。それで、私は、なぜこの地域を限定して意見を聞くというふうになされなかったのか。全国どこからでも意見を聞くというようなことになったら、反対のための意見なんかが出てきた場合に非常にやっぱり困ると思うんだけれども、それぞれの土地改良区の中における意見を、区域を限定してその意見を求めるべきだと私は思いますが、それはどういうお考えですか。
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木下寛之#28
○政府参考人(木下寛之君) 今回の法改正の中で考えておりますのは、土地改良事業の計画の概要につきましてその段階で広く意見を募り、よりよい事業計画の策定を目指すというものでございます。
 この制度でございますけれども、事業の実施に関して、例えば権利を有する者に事業計画について賛成あるいは反対ということを問うものではございません。あくまでも、意見聴取を行うことによりましてよりよい事業をつくっていくという観点から実施をしたいということでございます。
 また、私ども、このように広く関係者の、住民の意向を十分踏まえた、そういうようなよりよい計画ができるというふうに考えております。
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岩永浩美#29
○岩永浩美君 これは、事業の認可について左右されることではないんですね。
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