法務委員会厚生労働委員会連合審査会
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会
会議録情報#0
平成十四年十一月二十九日(金曜日)
午後二時五十分開議
出席委員
法務委員会
委員長 山本 有二君
理事 佐藤 剛男君 理事 塩崎 恭久君
理事 園田 博之君 理事 棚橋 泰文君
理事 加藤 公一君 理事 山花 郁夫君
理事 漆原 良夫君 理事 石原健太郎君
川崎 二郎君 倉田 雅年君
左藤 章君 佐田玄一郎君
下村 博文君 谷畑 孝君
中野 清君 保利 耕輔君
増原 義剛君 松島みどり君
保岡 興治君 吉川 貴盛君
吉野 正芳君 鎌田さゆり君
中村 哲治君 平岡 秀夫君
水島 広子君 山内 功君
山名 靖英君 藤島 正之君
木島日出夫君 瀬古由起子君
植田 至紀君
厚生労働委員会
委員長 坂井 隆憲君
理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
理事 釘宮 磐君 理事 山井 和則君
理事 福島 豊君 理事 武山百合子君
岡下 信子君 奥谷 通君
後藤田正純君 佐藤 勉君
田村 憲久君 竹下 亘君
棚橋 泰文君 谷本 龍哉君
平井 卓也君 松島みどり君
三ッ林隆志君 宮澤 洋一君
森 英介君 谷津 義男君
山本 幸三君 吉田 幸弘君
吉野 正芳君 渡辺 具能君
家西 悟君 石毛えい子君
大島 敦君 鍵田 節哉君
金田 誠一君 五島 正規君
土肥 隆一君 三井 辨雄君
水島 広子君 江田 康幸君
桝屋 敬悟君 佐藤 公治君
小沢 和秋君 阿部 知子君
中川 智子君
…………………………………
議員 平岡 秀夫君
法務大臣 森山 眞弓君
厚生労働大臣 坂口 力君
法務副大臣 増田 敏男君
厚生労働副大臣 木村 義雄君
法務大臣政務官 中野 清君
厚生労働大臣政務官 渡辺 具能君
衆議院法制局第二部長 柏熊 治君
政府参考人
(法務省刑事局長) 樋渡 利秋君
政府参考人
(法務省矯正局長) 中井 憲治君
政府参考人
(法務省保護局長) 横田 尤孝君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局高
齢・障害者雇用対策部長) 太田 俊明君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局
障害保健福祉部長) 上田 茂君
法務委員会専門員 横田 猛雄君
厚生労働委員会専門員 宮武 太郎君
—————————————
本日の会議に付した案件
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(内閣提出、第百五十四回国会閣法第七九号)
裁判所法の一部を改正する法律案(平岡秀夫君外五名提出、第百五十四回国会衆法第一八号)
検察庁法の一部を改正する法律案(平岡秀夫君外五名提出、第百五十四回国会衆法第一九号)
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案(水島広子君外五名提出、第百五十四回国会衆法第二〇号)
————◇—————
この発言だけを見る →午後二時五十分開議
出席委員
法務委員会
委員長 山本 有二君
理事 佐藤 剛男君 理事 塩崎 恭久君
理事 園田 博之君 理事 棚橋 泰文君
理事 加藤 公一君 理事 山花 郁夫君
理事 漆原 良夫君 理事 石原健太郎君
川崎 二郎君 倉田 雅年君
左藤 章君 佐田玄一郎君
下村 博文君 谷畑 孝君
中野 清君 保利 耕輔君
増原 義剛君 松島みどり君
保岡 興治君 吉川 貴盛君
吉野 正芳君 鎌田さゆり君
中村 哲治君 平岡 秀夫君
水島 広子君 山内 功君
山名 靖英君 藤島 正之君
木島日出夫君 瀬古由起子君
植田 至紀君
厚生労働委員会
委員長 坂井 隆憲君
理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
理事 釘宮 磐君 理事 山井 和則君
理事 福島 豊君 理事 武山百合子君
岡下 信子君 奥谷 通君
後藤田正純君 佐藤 勉君
田村 憲久君 竹下 亘君
棚橋 泰文君 谷本 龍哉君
平井 卓也君 松島みどり君
三ッ林隆志君 宮澤 洋一君
森 英介君 谷津 義男君
山本 幸三君 吉田 幸弘君
吉野 正芳君 渡辺 具能君
家西 悟君 石毛えい子君
大島 敦君 鍵田 節哉君
金田 誠一君 五島 正規君
土肥 隆一君 三井 辨雄君
水島 広子君 江田 康幸君
桝屋 敬悟君 佐藤 公治君
小沢 和秋君 阿部 知子君
中川 智子君
…………………………………
議員 平岡 秀夫君
法務大臣 森山 眞弓君
厚生労働大臣 坂口 力君
法務副大臣 増田 敏男君
厚生労働副大臣 木村 義雄君
法務大臣政務官 中野 清君
厚生労働大臣政務官 渡辺 具能君
衆議院法制局第二部長 柏熊 治君
政府参考人
(法務省刑事局長) 樋渡 利秋君
政府参考人
(法務省矯正局長) 中井 憲治君
政府参考人
(法務省保護局長) 横田 尤孝君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局高
齢・障害者雇用対策部長) 太田 俊明君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局
障害保健福祉部長) 上田 茂君
法務委員会専門員 横田 猛雄君
厚生労働委員会専門員 宮武 太郎君
—————————————
本日の会議に付した案件
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(内閣提出、第百五十四回国会閣法第七九号)
裁判所法の一部を改正する法律案(平岡秀夫君外五名提出、第百五十四回国会衆法第一八号)
検察庁法の一部を改正する法律案(平岡秀夫君外五名提出、第百五十四回国会衆法第一九号)
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案(水島広子君外五名提出、第百五十四回国会衆法第二〇号)
————◇—————
山
山本有二#1
○山本委員長 これより法務委員会厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
第百五十四回国会、内閣提出、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、これに対する塩崎恭久君外二名提出の修正案、第百五十四回国会、平岡秀夫君外五名提出、裁判所法の一部を改正する法律案及び検察庁法の一部を改正する法律案並びに第百五十四回国会、水島広子君外五名提出、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の各案及び修正案を議題といたします。
各案及び修正案の趣旨の説明につきましては、これを省略することといたしますので、御了承願います。
これより質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水島広子君。
この発言だけを見る →先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
第百五十四回国会、内閣提出、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、これに対する塩崎恭久君外二名提出の修正案、第百五十四回国会、平岡秀夫君外五名提出、裁判所法の一部を改正する法律案及び検察庁法の一部を改正する法律案並びに第百五十四回国会、水島広子君外五名提出、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の各案及び修正案を議題といたします。
各案及び修正案の趣旨の説明につきましては、これを省略することといたしますので、御了承願います。
これより質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水島広子君。
水
水島広子#2
○水島委員 水島広子でございます。
久しぶりにこの法案に対する質疑をさせていただくわけでございますけれども、通常国会でのこの法案の審議を通して、不可解だったことがだんだんとわかってきたわけでございます。なぜ政府はこんな形の法案をつくったのかということが私にはどうしても理解できなかったのですが、答弁を伺っているうちにだんだんとわかってまいりました。
どういうことかというと、日本の行政にはつきもののことだと言えますが、法務省と厚生労働省が、どちらも今までの自分たちの仕事に非があったということを認めずに法案をつくろうとするとこういう形にならざるを得ない。法務省側は、鑑定の運用に関して問題があるということを認めようとしない。また、厚生労働省は、諸外国よりも四十年はおくれていると言われている日本の精神医療の現状についての責任を認めようとしない。足りなかったのは特別な患者さんに対するこの法案だけだったのだというふうにまとめたいために、合理的な説明を求められると矛盾に満ちてくるのだろうということです。
通常国会での私の質問に対する答弁は、率直に申し上げますと、ひどいものであったと言えると思います。ぜひ、この国会においての審議の中では、本当にきちんとした正しい答弁をしていただけますように改めてお願いを申し上げます。
そんな状況の中で、このたび、与党から修正案が提出されたわけでございますけれども、まず、修正案をなぜ提出したのかを改めて提出者にお伺いいたします。
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どういうことかというと、日本の行政にはつきもののことだと言えますが、法務省と厚生労働省が、どちらも今までの自分たちの仕事に非があったということを認めずに法案をつくろうとするとこういう形にならざるを得ない。法務省側は、鑑定の運用に関して問題があるということを認めようとしない。また、厚生労働省は、諸外国よりも四十年はおくれていると言われている日本の精神医療の現状についての責任を認めようとしない。足りなかったのは特別な患者さんに対するこの法案だけだったのだというふうにまとめたいために、合理的な説明を求められると矛盾に満ちてくるのだろうということです。
通常国会での私の質問に対する答弁は、率直に申し上げますと、ひどいものであったと言えると思います。ぜひ、この国会においての審議の中では、本当にきちんとした正しい答弁をしていただけますように改めてお願いを申し上げます。
そんな状況の中で、このたび、与党から修正案が提出されたわけでございますけれども、まず、修正案をなぜ提出したのかを改めて提出者にお伺いいたします。
塩
塩崎恭久#3
○塩崎委員 水島委員の方から、今、この修正案をなぜ出したのか、こういうお話でございました。
我々自民党あるいは与党の中でも、この問題につきましては長い時間をかけて勉強し、そして今回、政府提案という形ではありますけれども、法案になって出てきたわけであります。そして、審議の過程を通じ、そしてまた、そこに至るまでの我々の党内での議論の中でも、かなり、今お話がございました現状の足らざる点、そしてまた直さなければならない点については、正直言って率直な議論がありました。ありましたが、今回はこのような形で、とりあえず一歩前進をしようということで政府案として出てきたわけでございます。
したがいまして、議論の中で政府案に対する批判は真正面から受けとめて、そして、問題点をできる限り明らかにしながら、直せるところは精いっぱい直させていただいて、そして今回、もう一回修正という形で、我々議員の立場から、与党三党で修正をさせていただいたということでございます。
もちろん、ですから、この中でまだまだ議論がし尽くされていないというところもたくさんあるわけであって、もう言うまでもなく、この重大な他害行為を行った触法精神障害者の処遇の問題につきましては、保安処分の問題から始まって、ずっと長い歴史があって、国会でも平成十一年に附帯決議もあって、やらなければいけないと言われていた。我々自民党の中でもやっていた。池田小学校の事件が不幸にして起きてしまった。これが一つのきっかけとして、またこの議論に加速をさせて、そして今回のことになってきたわけであります。
今お話があったように、精神医療についても、正直言って本当に随分おくれてきているし、また、医療の中でもこの精神医療というのは特に理解が十分されていない、医療関係者の中でも余り理解がされていない。こういうことがあるわけでありますので、今回、特に精神医療の底上げということを含めて、今後の課題を明確にしながら、我々の、医療と司法の間で、言ってみれば、あっちだこっちだと引っ張り合いをやっていたんですけれども、やはりここで一つの答えを出して、一歩前進をするというふうにさせていただきたいと思っているわけでございます。
したがって、今回のこれで終わりだというようなことではない。これからまたさらに、医療、福祉、精神に関することについて、そしてまた司法の問題も含めて、これをきっかけとして、政府も、そして我々立法府としても議論を進めていく、そんな気持ちで今回の提案をさせていただきました。
この発言だけを見る →我々自民党あるいは与党の中でも、この問題につきましては長い時間をかけて勉強し、そして今回、政府提案という形ではありますけれども、法案になって出てきたわけであります。そして、審議の過程を通じ、そしてまた、そこに至るまでの我々の党内での議論の中でも、かなり、今お話がございました現状の足らざる点、そしてまた直さなければならない点については、正直言って率直な議論がありました。ありましたが、今回はこのような形で、とりあえず一歩前進をしようということで政府案として出てきたわけでございます。
したがいまして、議論の中で政府案に対する批判は真正面から受けとめて、そして、問題点をできる限り明らかにしながら、直せるところは精いっぱい直させていただいて、そして今回、もう一回修正という形で、我々議員の立場から、与党三党で修正をさせていただいたということでございます。
もちろん、ですから、この中でまだまだ議論がし尽くされていないというところもたくさんあるわけであって、もう言うまでもなく、この重大な他害行為を行った触法精神障害者の処遇の問題につきましては、保安処分の問題から始まって、ずっと長い歴史があって、国会でも平成十一年に附帯決議もあって、やらなければいけないと言われていた。我々自民党の中でもやっていた。池田小学校の事件が不幸にして起きてしまった。これが一つのきっかけとして、またこの議論に加速をさせて、そして今回のことになってきたわけであります。
今お話があったように、精神医療についても、正直言って本当に随分おくれてきているし、また、医療の中でもこの精神医療というのは特に理解が十分されていない、医療関係者の中でも余り理解がされていない。こういうことがあるわけでありますので、今回、特に精神医療の底上げということを含めて、今後の課題を明確にしながら、我々の、医療と司法の間で、言ってみれば、あっちだこっちだと引っ張り合いをやっていたんですけれども、やはりここで一つの答えを出して、一歩前進をするというふうにさせていただきたいと思っているわけでございます。
したがって、今回のこれで終わりだというようなことではない。これからまたさらに、医療、福祉、精神に関することについて、そしてまた司法の問題も含めて、これをきっかけとして、政府も、そして我々立法府としても議論を進めていく、そんな気持ちで今回の提案をさせていただきました。
山
水
水島広子#5
○水島委員 それでは、今の塩崎議員の答弁に基づきまして、修正案が提出されたということについて、法務大臣と厚生労働大臣はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。それぞれお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →森
森山眞弓#6
○森山国務大臣 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者につきましては、必要な医療を確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることによりまして、その社会復帰を促進することが肝要であるというふうに考えておりまして、さきに提案させていただきました政府案は、このような者に対する適切な処遇を行うための新たな処遇制度を整備するため、さきの通常国会に提出させていただいたものでございます。
政府案につきましては、御審議等を経まして、野党や関係団体の中に反対もございましたことから、今回、与党の方におきまして、これらの御意見等を踏まえた上で修正案を取りまとめられ、提出されたものと承知しております。
今後とも、この修正案も含め、国会におきまして御審議をいただいた上で、できる限り速やかにこの法律案を成立させていただきたいと考えております。
この発言だけを見る →政府案につきましては、御審議等を経まして、野党や関係団体の中に反対もございましたことから、今回、与党の方におきまして、これらの御意見等を踏まえた上で修正案を取りまとめられ、提出されたものと承知しております。
今後とも、この修正案も含め、国会におきまして御審議をいただいた上で、できる限り速やかにこの法律案を成立させていただきたいと考えております。
坂
坂口力#7
○坂口国務大臣 法務大臣と同趣旨の気持ちでございますが、少しだけつけ加えさせていただきたいというふうに思います。
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者については、今必要な医療を確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることにより、その社会復帰を促進することが肝要であると考えておりまして、先般、政府案を提出させていただき、そして皆さん方からいろいろの御議論をいただいたところでございます。
こうした皆さん方の御議論がございまして、それを踏まえて与党の方から、今回、修正案を御提出いただいたものというふうに理解をしている次第でございます。したがいまして、このような御意見を含めまして、今国会で御審議をいただくことを大変光栄に思っております。
この発言だけを見る →心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者については、今必要な医療を確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることにより、その社会復帰を促進することが肝要であると考えておりまして、先般、政府案を提出させていただき、そして皆さん方からいろいろの御議論をいただいたところでございます。
こうした皆さん方の御議論がございまして、それを踏まえて与党の方から、今回、修正案を御提出いただいたものというふうに理解をしている次第でございます。したがいまして、このような御意見を含めまして、今国会で御審議をいただくことを大変光栄に思っております。
水
水島広子#8
○水島委員 それでは、修正案の各論について伺ってまいりたいと思います。
今回の修正の大きなポイントは、第三十三条を初めとする条文で、いわゆる再犯のおそれ要件を、「対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため」入院をさせて、「この法律による医療を受けさせる必要」があると認める場合というふうに直したことです。
私は、原案の条文は、再び対象行為を行うおそれの予測が可能であることを前提に書かれたものであって、科学的に正しくないということを主張してまいったわけでございます。リスクの評価というのは、精神科医であれば常にするべきものですけれども、その人がどのような問題行動を起こすのかというのは、病状のみによって左右されるものではなく、ソーシャルサポートの状況ですとか就労状況ですとか、さまざまな因子によって影響を受けるわけです。そのようなことまで予測をすることはだれにとっても不可能であるわけでございます。
今回の修正がそのような意見を反映させたものであるのかどうかをここで確認させていただきたいと思うのですけれども、「同様の行為を行うことなく、」というのは、そのような文言が入っておりますのは、精神科医に予測を要求するという意味なのか、それとも、あくまでも同様の行為というのは症状の可能性の一つにすぎず、精神科医に要求されているのは、その時点での治療の必要性の判断、治療のあり方の判断なのか、どちらなのでしょうか。提出者にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今回の修正の大きなポイントは、第三十三条を初めとする条文で、いわゆる再犯のおそれ要件を、「対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため」入院をさせて、「この法律による医療を受けさせる必要」があると認める場合というふうに直したことです。
私は、原案の条文は、再び対象行為を行うおそれの予測が可能であることを前提に書かれたものであって、科学的に正しくないということを主張してまいったわけでございます。リスクの評価というのは、精神科医であれば常にするべきものですけれども、その人がどのような問題行動を起こすのかというのは、病状のみによって左右されるものではなく、ソーシャルサポートの状況ですとか就労状況ですとか、さまざまな因子によって影響を受けるわけです。そのようなことまで予測をすることはだれにとっても不可能であるわけでございます。
今回の修正がそのような意見を反映させたものであるのかどうかをここで確認させていただきたいと思うのですけれども、「同様の行為を行うことなく、」というのは、そのような文言が入っておりますのは、精神科医に予測を要求するという意味なのか、それとも、あくまでも同様の行為というのは症状の可能性の一つにすぎず、精神科医に要求されているのは、その時点での治療の必要性の判断、治療のあり方の判断なのか、どちらなのでしょうか。提出者にお伺いしたいと思います。
塩
塩崎恭久#9
○塩崎委員 御指摘のように、政府案では、この本制度により処遇を行うか否かの要件というのは、心神喪失の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれの有無とされていたわけでありますけれども、これについては、今お話ありましたように、再犯のおそれの予測の可否としての議論がなされてまいりました。
この政府案の要件では、特定の犯罪行為やそれの行われる時期の予測といった不可能な予測を強いるというような指摘がございましたし、それから、このような者の円滑な社会復帰を妨げることになる現実的かつ具体的なおそれがあると認められるもののみならず、何となく、漠然とそういった危険性のようなものが感じられるにすぎないようなものまでこの制度の対象になるんではないかといった問題があったということだろうと思います。
したがいまして、今回、今御指摘の点につきましては、この修正案によって、このような表現による要件を改めて、この法律による手厚い専門的な医療を行う必要があると認められることが中心的な要件であることを明確にしたということであります。それは、今回、御案内のように、裁判官と精神科医たる審判員が一緒に合議体で判断をするということでございます。
この発言だけを見る →この政府案の要件では、特定の犯罪行為やそれの行われる時期の予測といった不可能な予測を強いるというような指摘がございましたし、それから、このような者の円滑な社会復帰を妨げることになる現実的かつ具体的なおそれがあると認められるもののみならず、何となく、漠然とそういった危険性のようなものが感じられるにすぎないようなものまでこの制度の対象になるんではないかといった問題があったということだろうと思います。
したがいまして、今回、今御指摘の点につきましては、この修正案によって、このような表現による要件を改めて、この法律による手厚い専門的な医療を行う必要があると認められることが中心的な要件であることを明確にしたということであります。それは、今回、御案内のように、裁判官と精神科医たる審判員が一緒に合議体で判断をするということでございます。
水
水島広子#10
○水島委員 そうしますと、法務省に重ねてお伺いしたいんですけれども、この修正案の手続に基づいて、精神科医、審判員が、この人には今はこの治療が必要だ、この治療が必要でないというふうに判断をして、そして治療が必要なくなったと判断した方が、この法律の制度の枠の外に出て普通に生活を送っている中で不幸なことにまた同じような事件を起こしてしまったというような場合に、この審判員であった精神科医というのは責任を問われることになるんでしょうか。
この発言だけを見る →樋
樋渡利秋#11
○樋渡政府参考人 お答えいたします。
審判の中で裁判官と協議して、審判員が裁判官とともにそのような決定を下すわけでございますから、通常そういったようなことは考えられないと思います。
この発言だけを見る →審判の中で裁判官と協議して、審判員が裁判官とともにそのような決定を下すわけでございますから、通常そういったようなことは考えられないと思います。
水
水島広子#12
○水島委員 では、今の同じ箇所につきまして、治療可能性との関連についてお伺いしたいと思います。
原案では、治療可能性との関連が不明確であって、再び同様の行為を行うおそれがあれば、治療の可能性がなくても入院させるというふうにも読めたと私は思っておりますけれども、修正案についてはどうなんでしょうか。社会復帰を促進するためには治療を受けさせる必要があるというふうに書いているということは、当然、治療可能性がある者を対象としているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
この発言だけを見る →原案では、治療可能性との関連が不明確であって、再び同様の行為を行うおそれがあれば、治療の可能性がなくても入院させるというふうにも読めたと私は思っておりますけれども、修正案についてはどうなんでしょうか。社会復帰を促進するためには治療を受けさせる必要があるというふうに書いているということは、当然、治療可能性がある者を対象としているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
塩
塩崎恭久#13
○塩崎委員 結論としてはそのとおりでございまして、今回の要件は、「精神障害を改善し、」として、そしてまた、この法律による医療を受けさせる必要があると認められるときということになっておりまして、この法律による手厚い専門的な医療を行う必要があると認められることが本制度の処遇を行うための要件であるということを明確にしたわけであります。
したがって、治療可能性のない者については、医療の必要性が認められないということでありますから、当然この要件には該当しないということで、入院ないしは通院のこの法律のもとでの決定が行われることはないということだと思います。
この発言だけを見る →したがって、治療可能性のない者については、医療の必要性が認められないということでありますから、当然この要件には該当しないということで、入院ないしは通院のこの法律のもとでの決定が行われることはないということだと思います。
水
水島広子#14
○水島委員 今回、第十三条におきまして、裁判官の役割の項が新設をされているわけでございますけれども、これはなぜ新設されたのでしょうか。また、ここで言う裁判官の意見というのは何に関する意見なんでしょうか。これも提出者にお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →塩
塩崎恭久#15
○塩崎委員 裁判官は、当然役割は司法の立場からということで、言わずもがなで書いていなかったわけでありますし、裁判所法の第七十六条というところに、裁判官が評議において意見を述べることは、言ってみれば当然の義務ということになっていたわけであります。しかし、今回、この法案を政府案の段階で議論するときにさまざまな御批判あるいは御心配が示されて、この合議体の構成員であります裁判官それから審判員のそれぞれの立場というものを明確にすべきではないだろうか、こういう問題意識から、今回、この裁判官の立場というものを明確にしたわけであります。
そして、何を裁判官が言うのかということでありますけれども、今回、この法律のもとで医療を受けるということになった場合には、当然のことながら、これは強制的に医療を受けていただくということになるわけです。ということは、人身の自由を奪うということに、拘束することになりますし、また人権上の配慮からも、やはり司法の知見を持った裁判官がそういった点を配慮して判断をするという立場が必要だろうということで、ここを明確にして、裁判官にそのような立場から意見を言っていただこう、こういうことでございます。
この発言だけを見る →そして、何を裁判官が言うのかということでありますけれども、今回、この法律のもとで医療を受けるということになった場合には、当然のことながら、これは強制的に医療を受けていただくということになるわけです。ということは、人身の自由を奪うということに、拘束することになりますし、また人権上の配慮からも、やはり司法の知見を持った裁判官がそういった点を配慮して判断をするという立場が必要だろうということで、ここを明確にして、裁判官にそのような立場から意見を言っていただこう、こういうことでございます。
水
水島広子#16
○水島委員 それでは、もともとあったところでございますけれども、十三条第二項の方での精神保健審判員の意見は何に関する意見なのかということを、同様にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →塩
塩崎恭久#17
○塩崎委員 裁判官は今言ったような立場からということでありまして、今度は、この審判員は、当然のことながら精神科のお医者さんであられるわけでありますが、例えば不起訴になってきたりしたときには一たん鑑定を経てきたりするわけでありますけれども、改めて他の医師に鑑定をしていただくというようなことについての判断を下す、あるいは、自身がやはりさまざまな条件を見て医学的な知見から判断を下すということで、裁判官とは全く違った立場からの意見を述べ、この合議体の中で判断を一緒に下していく、こういうことだと思います。
この発言だけを見る →水
水島広子#18
○水島委員 今、裁判官と精神科医のそれぞれの意見というのが違った立場からなされるものであるというふうに確認をさせていただいたわけでございますけれども、今回、この医療という観点から附則がつけられたわけでございまして、この附則の内容は当然の内容であるとはいっても、これがどれほどきちんと実現されるのかということについて、いろいろと疑問があるということを言われているわけでございますが、これについての拘束力というのはどの程度あるものなのでしょうか。絵にかいたもちになりかねないという批判もあるわけでございますけれども、私は、やはり法律にする以上、こうして法的根拠を持たせる以上は、実現させる義務が政府に生じると考えております。
この法案が成立した場合に、そして現実に社会的入院者が七万二千人いると言われている中で、このような附則がついた法律が成立したとしましたら、厚生労働大臣はそれをどのように受けとめて、現実にどういうことをされますでしょうか。
この発言だけを見る →この法案が成立した場合に、そして現実に社会的入院者が七万二千人いると言われている中で、このような附則がついた法律が成立したとしましたら、厚生労働大臣はそれをどのように受けとめて、現実にどういうことをされますでしょうか。
坂
坂口力#19
○坂口国務大臣 平成十一年の患者調査におきまして、条件が整えば退院可能な方がどれだけあるかということを調査しましたところ、今御指摘になりましたように、約七万二千人という数字が出たわけでございます。この七万二千人の方々の退院ですとかあるいは社会復帰を促進しまして、我が国の精神保健、医療、福祉全般にわたり水準の向上を図ることが重要であるというふうに思っております。
今回、この附則に御指摘の条文が盛り込まれたわけでございまして、この問題により力を入れて取り組む必要があるというふうに思っているわけでございます。こうして条文の中に入れていただきました以上、私たちはこのことを真剣に考え、そして前進をさせなければならないというふうに考えております。さらに、今後これを具体的にどういうふうに進めていくかということにつきましての計画等を明確にしなければならないと思っておるところでございます。
この発言だけを見る →今回、この附則に御指摘の条文が盛り込まれたわけでございまして、この問題により力を入れて取り組む必要があるというふうに思っているわけでございます。こうして条文の中に入れていただきました以上、私たちはこのことを真剣に考え、そして前進をさせなければならないというふうに考えております。さらに、今後これを具体的にどういうふうに進めていくかということにつきましての計画等を明確にしなければならないと思っておるところでございます。
水
水島広子#20
○水島委員 もう少し具体的に、この附則の内容を私たちが判断する上で、もう一言お答えいただきたいんですけれども、七万二千人の社会的入院の方たちを何年間で解消するというふうに、この附則から数値目標を立てられますでしょうか。
この発言だけを見る →坂
坂口力#21
○坂口国務大臣 これは前にもあるいは申し上げたかもわかりませんが、今までは一応十年というふうに言っていたわけでございます。
これから厚生労働省としてやらなければならないことはたくさんあるというふうに思いますが、一つは、ホームヘルプサービスを充実させていかなければなりませんから、在宅生活を支援する福祉サービスの充実を図らなければいけません。また、グループホームでありますとか福祉ホームでありますとか、住まいの問題が大事になってまいりますから、その整備ということもございましょう。それから、生活を訓練します生活訓練施設、あるいはまた、地域における生活支援センターといったようなものを整備していかなければならないというふうに思います。あるいはまた、さらに、時にはまた悪くなられる方もございましょうから、精神科の救急システムの整備でありますとか、あるいは、これは患者さんの側のことではございませんけれども、地域住民の理解の促進ということも欠かせないことだというふうに思っております。
これらのことをやっていきますと、マンパワーもかなり養成をしていかなければならないというふうに思いますし、私たち、十年というふうに申し上げたわけでございますが、できる限り、その十年よりも早くできれば、それにこしたことはないわけでございますので、これは積極的に進めたいと思っている次第でございます。
この発言だけを見る →これから厚生労働省としてやらなければならないことはたくさんあるというふうに思いますが、一つは、ホームヘルプサービスを充実させていかなければなりませんから、在宅生活を支援する福祉サービスの充実を図らなければいけません。また、グループホームでありますとか福祉ホームでありますとか、住まいの問題が大事になってまいりますから、その整備ということもございましょう。それから、生活を訓練します生活訓練施設、あるいはまた、地域における生活支援センターといったようなものを整備していかなければならないというふうに思います。あるいはまた、さらに、時にはまた悪くなられる方もございましょうから、精神科の救急システムの整備でありますとか、あるいは、これは患者さんの側のことではございませんけれども、地域住民の理解の促進ということも欠かせないことだというふうに思っております。
これらのことをやっていきますと、マンパワーもかなり養成をしていかなければならないというふうに思いますし、私たち、十年というふうに申し上げたわけでございますが、できる限り、その十年よりも早くできれば、それにこしたことはないわけでございますので、これは積極的に進めたいと思っている次第でございます。
水
水島広子#22
○水島委員 長過ぎるかどうかという議論はさておきまして、とにかく最長十年というのが大臣の公約であるというふうに今伺わせていただいたわけでございます。
ここで、通常国会での厚生労働省の答弁についてきちんと確認をさせていただきたいことがあるわけでございますけれども、人格障害についてです。七月五日の連合審査で、我が党の五島委員が「人格障害による心神喪失あるいは心神耗弱状態ということがあり得ると考えているのか」という質問をしたのに対しまして、厚生労働省は、「人格障害のみを有する者につきましては、我が国では一般的に完全な責任能力を有すると解されております。」と答えられ、また法務省も、一般にあり得ないことと答弁されているわけでございます。
私は精神医学者としてこの答弁には非常に疑問があるわけでございますけれども、人格障害と一口に言っても、分裂病型人格障害において見られる関係念慮や妄想様観念などは妄想との連続線上にあると考えられておりますし、また、境界性人格障害の診断基準の中には、一過性の妄想様観念または重篤な解離症状も含まれております。
境界性人格障害の人が、その症状の一つとして一過性の解離状態となり、そのときに重大な犯罪を犯したとしたら、責任能力は問えないと思いますけれども、そのような方は本法案の対象となるのでしょうか。これはきちんと答弁をもう一度していただきたいと思います。
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私は精神医学者としてこの答弁には非常に疑問があるわけでございますけれども、人格障害と一口に言っても、分裂病型人格障害において見られる関係念慮や妄想様観念などは妄想との連続線上にあると考えられておりますし、また、境界性人格障害の診断基準の中には、一過性の妄想様観念または重篤な解離症状も含まれております。
境界性人格障害の人が、その症状の一つとして一過性の解離状態となり、そのときに重大な犯罪を犯したとしたら、責任能力は問えないと思いますけれども、そのような方は本法案の対象となるのでしょうか。これはきちんと答弁をもう一度していただきたいと思います。
上
上田茂#23
○上田政府参考人 人格障害のみを有する者につきましては、我が国では一般に完全な責任能力を有すると解されており、心神喪失等とは認められないため、本制度の対象となることは想定されないものであります。しかしながら、人格障害の精神症状が著しいため、精神疾患が併発している状態に至り、その疾患によって心神喪失等が認められた場合には、本制度の対象となり得るものであります。
この発言だけを見る →水
水島広子#24
○水島委員 ちょっと変な答弁だったので、何か専門的な質問になって申しわけないんですけれども、人格障害の症状の一つとして解離状態があるようなときに、それは併存とは言わないと思うんですけれども、今、併存する精神疾患によってというふうに答弁されたわけですけれども、間違っていませんか。
この発言だけを見る →上
水
水島広子#26
○水島委員 併発ですか。どっちでもいいんですけれども、それは症状の一つが起こっただけであって、精神疾患が併発したとは言わないと思うんですけれども、ちょっともう一度お願いします。時間がないので、早くここを通過したいんですが。
この発言だけを見る →上
上田茂#27
○上田政府参考人 私、先ほどお答え申し上げましたのは、基本的にと申しましょうか、一般的な、基本的なお話をさせていただきまして、人格障害のみ、そして先ほど申し上げました、人格障害者で精神症状が著しいために、何度も申して失礼いたしますが、精神疾患が併発している状態、そういう状態について心神喪失と認められた場合ということでお話しさせていただいております。
この発言だけを見る →水
水島広子#28
○水島委員 ごめんなさい。何かこういうことをここで細かく言うつもりはなかったんですけれども、人格障害の症状の一つとしての解離症状があるということは、別の精神疾患を併発しているのではなくて、その人の診断病名というのは、私は、やはり人格障害のみというふうになるはずだと思うんですけれども、もう一度ちょっと答弁をし直していただけますでしょうか。
ここで要するに私が伺いたいのは、人格障害という診断名しか持っていない人であっても重篤な解離症状を一時的にでも示し得るわけですから、そのときに重大な犯罪を犯せば本法案の対象になるのではないかと思いますので、ということは、通常国会での厚生労働省の答弁は間違っていませんかということを言いたいんです。
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上