外務委員会

2003-06-13 衆議院 全178発言

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会議録情報#0
平成十五年六月十三日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 池田 元久君
   理事 今村 雅弘君 理事 蓮実  進君
   理事 水野 賢一君 理事 森  英介君
   理事 首藤 信彦君 理事 土肥 隆一君
   理事 丸谷 佳織君 理事 藤島 正之君
      伊藤 公介君    植竹 繁雄君
      小池百合子君    高村 正彦君
      下地 幹郎君    新藤 義孝君
      武部  勤君    土屋 品子君
      中本 太衛君    松宮  勲君
      宮澤 洋一君    伊藤 英成君
      木下  厚君    今野  東君
      鳩山由紀夫君    白保 台一君
      東  順治君    松本 善明君
      東門美津子君    鹿野 道彦君
      柿澤 弘治君
    …………………………………
   外務大臣         川口 順子君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   外務大臣政務官      新藤 義孝君
   外務大臣政務官      土屋 品子君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  村田 保史君
   政府参考人
   (内閣法制局第二部長)  山本 庸幸君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  瀬川 勝久君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   北島 信一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 齋木 昭隆君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長
   )            西田 恒夫君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    海老原 紳君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            安藤 裕康君
   政府参考人
   (外務省経済協力局長)  古田  肇君
   政府参考人
   (外務省条約局長)    林  景一君
   政府参考人
   (海上保安庁長官)    深谷 憲一君
   外務委員会専門員     辻本  甫君
    —————————————
委員の異動
六月十三日
 辞任         補欠選任
  白保 台一君     東  順治君
同日
 辞任         補欠選任
  東  順治君     白保 台一君
    —————————————
六月二日
 ILO百七十五号条約の批准に関する請願(小沢和秋君紹介)(第二八三三号)
同月六日
 イラクへの武力攻撃反対に関する請願(川田悦子君紹介)(第二九八一号)
同月十日
 子ども売買、子ども買春及び児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の批准に関する請願(石毛えい子君紹介)(第三三六五号)
同月十一日
 ILOパートタイム労働条約の批准に関する請願(田並胤明君紹介)(第三五四九号)
同月十二日
 女子差別撤廃条約選択議定書のすみやかな批准に関する請願(山内惠子君紹介)(第三七九八号)
 同(川田悦子君紹介)(第三九二一号)
 同(石井郁子君紹介)(第四〇二二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四〇二三号)
 同(中林よし子君紹介)(第四〇二四号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四〇二五号)
 同(松本善明君紹介)(第四〇二六号)
 ILOパートタイム労働条約の批准に関する請願(高木義明君紹介)(第三九二〇号)
 同(水島広子君紹介)(第四〇二〇号)
 ILO百七十五号条約の批准に関する請願(瀬古由起子君紹介)(第四〇一六号)
 同(中林よし子君紹介)(第四〇一七号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四〇一八号)
 同(松本善明君紹介)(第四〇一九号)
 子ども売買、子ども買春及び児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の批准に関する請願(石井郁子君紹介)(第四〇二一号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件

     ————◇—————
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池田元久#1
○池田委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房長北島信一君、同じく大臣官房参事官齋木昭隆君、同じく総合外交政策局長西田恒夫君、同じく北米局長海老原紳君、同じく中東アフリカ局長安藤裕康君、同じく経済協力局長古田肇君、同じく条約局長林景一君、内閣官房内閣審議官村田保史君、内閣法制局第二部長山本庸幸君、警察庁生活安全局長瀬川勝久君、海上保安庁長官深谷憲一君、それぞれの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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池田元久#2
○池田委員長 御異議はないと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    —————————————
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池田元久#3
○池田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。東順治君。
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東順治#4
○東(順)委員 大臣、副大臣、委員長、おはようございます。若干の質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、イラク、北朝鮮の基本的なところを伺いたいと思います。
 イラクにつきましては、イラク新法がまさに閣議決定、提出されるか否か、そういうところでございますので、考えられている法案の中身だとかというところにまでは言及はいたしませんが、基本的なところを一点だけ伺わせていただきたいと思います。
 それは、現在イラクで治安維持に当たっている米、英、ポーランド軍、これがフランクス連合軍司令官が引き続き指揮をとっている、こう考えるんですが、この治安維持活動に当たっている占領軍、この一四八三のどの箇所が占領軍の治安維持活動を裏づけているのか、ここについて伺いたいと思います。
 と申しますのは、我が国の自衛隊、これは治安維持活動に当たっている部隊の後方支援にという考え方がございます。そういうことから考えますと、現在の治安維持に当たっている占領軍の一四八三上の位置づけ、この関係性というところをより明確にするということが私は国民に対する説明責任として一つ大事なポイントなんだろうと思います。したがって、この点についてまずお伺いをいたします。
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川口順子#5
○川口国務大臣 おっしゃるようにきちんと御説明をすることは大事だと考えます。
 それで、御質問についてですが、安保理決議の一四八三の前文におきまして、まず、統合された司令部、当局でございますが、のもとにある占領国としての米英の関係国際法のもとでの特定の権限、責任及び義務を認識いたしております。
 そして、その上で主文パラ四におきまして、当局に対し、国連憲章及びその他の関連国際法に従い、特に、安全で安定した状態の回復及びイラク国民がみずからの政治的将来を自由に決定できる状態の創出に向けて努力することを含む、領土の実効的な施政を通じてイラク国民の福祉を増進することを要請いたしております。
 したがいまして、安保理決議一四八三は、米英軍がイラクに展開をし、治安維持等の活動を行うことを要請しているというふうに考えられます。
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東順治#6
○東(順)委員 続きまして、北朝鮮問題でございます。
 日を追って中国という国の、北朝鮮問題に対する対処のこの国の重要性というものが増してきておりますけれども、両国のこれまでの歴史的な経緯、関係、そういうことから考えれば私も当然のことだろう、こう思います。非常に重要なかぎを握っている国がこの中国という国だろうと思います。
 そこで、例えば、この二月に中国は、北東部から北朝鮮につながる重油の供給パイプラインというものをとめて北朝鮮に核開発を断念するように翻意を促しただとか、あるいはまたこの三月ですか、センキシン副首相が金正日総書記に直接に会いまして多国間協議への参加を説得した。そのことでもって、四月下旬の米中朝三カ国会談を実現させるための汗をかいた等々の報道というものが出ておりますけれども、外務省当局は、これらの中国の動きというものを通して、北朝鮮問題の打開のために中国という国が今積極的なイニシアチブをとっていると見ておられるのかどうなのか、まずこの点を伺いたいと思います。
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川口順子#7
○川口国務大臣 北朝鮮が国際社会に責任ある国家として行動するようにするために、中国の役割は大変に重大だと思います。中国が具体的に北朝鮮にどのようなことをやっているかについていろいろな報道がございますけれども、中国は努力を今している、御質問にお答えをすれば、働きかけを一生懸命行っているというふうに私は考えています。日本も中国が北朝鮮に働きかけるのは非常に重要だと考えておりますので、その観点から、中国が北朝鮮に対しての行動を促すように中国に対しての働きかけを今までやってきております。
 中国はこの点については、北朝鮮に核があるということについては反対であるという立場を明確にしておりますし、それから、平和的に解決をするということについてもはっきり言っておりまして、日本、韓国、アメリカと利害を共有している国であると思います。
 それから、私が中国に対して、先般中国を訪問しましたときに李肇星さんとこのお話をいたしましたし、また今月の十七日から二十日までASEANの会議がカンボジアでございまして、その折に李肇星外務大臣と二国間の会談をすることになっております。そこの席上におきましても、日本から北朝鮮の問題について中国が引き続き協力をしていくようにということを求めたいと思っております。
 最新の状況を踏まえて、中国の外務大臣とこの点について議論をしたいと思います。
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東順治#8
○東(順)委員 よくわかります。
 そこで、中国という国としっかり日本も連携をとりながら、なおかつ北朝鮮に対する影響力ということを考えると、中国の位置は非常に大きい、役割が大きい。イニシアという言葉までは大臣は言及されませんでしたけれども、言外にそういうところを望んでおられるというふうに私は理解します。
 今お話が出ましたASEANの国際会議、早くも北朝鮮の白南淳さん、外務大臣が出席をしないというようなことを表明されましたが、やはりここは、例えば中国を通して出てきなさい、出てこい、出てこいというか出てきなさい、参加をすべきであるというようなことを中国に働きかけてもらう日本側の働きかけ、あるいは今もお話がございましたけれども、重ねてこのバイの、日中の協議、これをさらにこの国際会議以後も、日本としては、積極的にこうやって開いていきたい、中国に対して呼びかけていきたい、そういう具体的な中国への働きかけ、そういう計画が今後もおありかどうか。
 特に、この国際会議へ北朝鮮の外相が出てくるように中国を通して呼びかけてもらう、翻意してもらう、そういうところまで踏み込んだ積極的な中国への呼びかけというものを考えておられるかどうか、この辺はいかがでしょうか。
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川口順子#9
○川口国務大臣 一連の会議の中で、北朝鮮は、ARFについてはメンバーでございます。ほかの会議はメンバーではないわけですが、そのARFの議長国であるカンボジアに対して、北朝鮮の白南淳外務大臣が出席をしないという連絡があったということは聞いております。私も、昨年、ARFの場に出席をした白南淳外務大臣と外務大臣会談というのを初めてやったわけでございまして、ことし、それが望めないということになっております。これは大変に残念でございます。
 北朝鮮が、こういったASEANの国や、あるいはほかの、アメリカですとか幾つかの国が集まる場でみずから自分の見解を述べ、そして、ほかの国の意見を聞くということは意味がある、また対話の促進につながっていくと思います。
 今後、白南淳外務大臣が出席をしないということになって、だれか代理を送るということを言っております。これがだれになるかというようなことについて情報をとり、諸般の状況を勘案しながら、北朝鮮の出席をどのような形で慫慂するかということについては検討をしたいと思っております。
 議長国のカンボジアは、今まで北朝鮮とは比較的近い関係を持っている国で、議長国としても相当に働きかけは既に行っているというふうに承知しております。今後については、意見交換をしながら検討したいと思っております。
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東順治#10
○東(順)委員 どうか積極的な働きかけをよろしくお願い申し上げます。
 さて、続きまして、私は、在外公館について何点か御質問をさせていただきたい、こう思います。
 ことしの三月の二十五日ですか、公表された外務省の行動計画によりますと、公館の設置状況の見直しについて、日本の在外公館の水準はG8で最低水準、こういう見方をなさっておられるようですが、ODAなんかは世界でも、世界一を誇るといいますか、大変な実績があるんですが、なぜ在外公館がG8で最低水準ということなのか、このところを簡単に、具体的にどういうことなのかお聞きしたいと思います。
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北島信一#11
○北島政府参考人 お答え申し上げたいと思います。
 先進国の中で最低水準ということを書きましたのは、実際の在外公館の数でございます。これを先進国の間で比較しまして、日本の場合ですと、大使館、総領事館、領事館、国際機関代表部は、すべて含めまして百八十八でございますけれども、これが例えばG8の中では、カナダを除くと、それ以外の国との関係で少ないということに着目しまして、そういう記載をしたということでございます。
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東順治#12
○東(順)委員 例えば、アメリカというのは、今御報告ありましたように日本が百八十八に対して、二百五十八。あるいはまた、イギリスも二百四十八。フランスも二百七十二。ドイツも二百十二。イタリアも二百三十。やはり大変に大きな開きがあるんですね。
 これは、数だけで国際社会に対するプレゼンスというか、国際社会とのかかわりというものははかれないかもしれませんけれども、やはり在外公館というのはその国の外交の出城ですから、出城の数が少ないということは、外交戦略はやはり劣ってしまうということにもなりかねないわけで、私はこれは、みずからG8で最低水準というふうに言わざるを得ない外務省の苦衷というものを感じます。
 これは、財務当局との関係とか、いろいろなことがあるんだろうと思いますが、ここはやはり日本は、世界はますます小さくなっていっているわけですから、総理も、この国の国力に見合った外交、あるいはイラク支援にしても、国力に見合った力を、貢献を、こういう発言をしておりますし、当然のことだろうと思います。そういうことから考えたらば、このG8の最低水準という、こういうところをやはり早く脱していかなければおくれをとるなということを率直に思います。
 例えば、大臣、目を中国に転じてみると、重慶というところがございます。この重慶市というのは、御案内のように、人口が三千万の世界一の市ですよ。巨大都市です。しかも、内陸部最大の工業都市。それで、こういう言葉があるんですね。重慶の高速成長という言葉がある。高速に成長している町。重慶の高速成長、こういう言葉が冠せられるような、非常に発展を続ける巨大な工業都市でございます。
 私は、例えば三峡ダムということが今クローズアップされてきていますが、そういうこと一つ見ても、中国という国がこの重慶というところを、今後の中国発展の最重要拠点の一つとして大変大きい位置づけをしていると思います。重慶に行ってみて、そのことをもう痛いほど感じました。
 こういうことから見て、さて、この重慶での諸外国の在外公館と我が国という関係を比べてみますと、例えば、重慶市でイギリスが総領事館というものを持っている。あるいはカナダも持っている。そして、この重慶市の左隣、四川省の成都市、ここでアメリカが総領事館を持っている。十八年前にもう既に総領事館をアメリカはつくっているんですね。それから、右隣の湖北省の武漢市、ここではフランスが総領事館というものを持っている。
 やはり先進国は、この重慶という地の、要衝というか、これは非常に重要なところだ、この中国の南西部開発のために中国がいかに力を入れているかということをよく見抜いた、その視点の上でここを、大事なところだな、押さえようということでの総領事館、こういうことだと思うんです。
 しかし、まことに残念なのは我が国でございます。我が国は、この重慶市に実はまだ、北京大使館管轄下の出張駐在官事務所、こういうものしかない。当然、その職員の数も少ない。出城としては非常に小ぶりな話で、やはり総領事館と出張事務所じゃ、これは格が違いますよね。そうすると、日本というのは重慶というところにこういう見方しかないのかと中国はやはり思われるでしょう。あるいは、諸外国もしめしめと思うかもしれない。
 そういうことから考えたときに、どうして出張駐在官事務所ということでよしとしておるのか、そこをまず伺いたい。これは大臣、いかがでしょうか。
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川口順子#13
○川口国務大臣 委員がおっしゃられますように、重慶というのは中国の内陸部にあって、大変に重要な、また大きな町でございます。情報収集という観点からも重要ですし、経済協力という観点からも重要ですし、そして、我が国の企業が進出をしているという意味でも重要でございます。さまざまな点で我が国にとって重要性が高まっているというふうに認識をいたしております。
 それで、この場所を含めて、どのような場所に在外公館を設置するのかということが一つの大きな問題であるわけですけれども、予算、定員、この効率的な運用を図らなければいけない、そういう中でこれは動いている話でございます。そういったことを総合的に考えるということで判断をする必要があるということでございます。
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東順治#14
○東(順)委員 私もそのとおりだと思うんですよという大臣の思いというものがにじみ出て、しかし、そこは総合的に判断しなきゃいけないという言葉の中に、財務当局との関係みたいなところが当然あるんでしょうね。
 しかし、ドメスティックな視点だけで在外公館なんというのを見ていると、これはますますおくれをとりますよ。そういう意味で、外務当局は思いは十二分におありかと思いますので、私も全く思いを共有するので、ここは本当に積極的にこういう発言、声を大きくしていかないと、私は、二十一世紀という時代は、日本はますます取り残されていくということになろうかと思います。
 こういう重慶ということに対する私のこだわり、もう一つ実はこだわりがございます。それは、発展する工業都市はいいんですけれども、そこから惹起しているところの大気汚染、公害という大変大きな問題がここにはございます。
 私も、重慶に行ったときに、もう飛行場におりたら途端に大変なにおいがする。どうしてこれなんだ。
 しかし、これはまた懐かしいにおいだったんです。なぜかというと、私は北九州工業地帯で生まれ育ちました。「この天の虹」というような映画ができるぐらいに、八幡製鉄所を中心に大変に高度成長の時代を担った一大工業都市です。
 だけれども、何でも光と影があるように、影の部分は大変でした。公害病というものに悩んで、仕事もろくにできずに、ずっといわゆる補助金をもらいながら生活を細々としていく人をたくさん私は知っています。随分おられました。あるいは、公害によって小学校が一つぽっくりとよそに移転をしなければならないというような悲惨な状況も私はこの目で見てきております。
 四日市というようなところも大変でした。しかし、重慶に行ってみて、やはり規模がはるかに日本とまた違うんですね。あの四日市公害なんかの三、四倍の公害だというんだからびっくり仰天です。これは、工場から吐き出されるばい煙だとか、あるいはまだまだ民生面で石炭を主に使っているものですから、そこから出てくるものとかが掛け合わされて大変な状況です。
 先ほど申し上げたように、在外公館というのは、日本が本丸とすれば出城なわけですから、しかも、こういう要衝の地で働く人たちの働き、仕事ぶりというのは、やはり日本の外交に直結する非常に大きな比重というものを持つわけです。
 そういうことから考えますと、そういう大変な公害に悩まされて、私も行ってみて、医療費が随分かかっている、のどなんかは本当に荒れている、そういう中で必死になって悪戦苦闘している。何でこういう人たちの体、健康あるいは悪い住環境に対する配慮というのをもっとしないんだろうかな。確かに、法律でいろいろな決めごとがございます。だけれども、その中からもっとフレキシブルに、柔軟性を持って、その地域の状況、実情というものに合わせたきめ細かなことができないのかな。
 具体的に言えば、例えば、同じ中国でも、北京なんかで働いている人たちよりも医療費がかかるわけですよ、実際そういう厳しい住環境なんですから。しかし、その手当が北京と一緒というんでしょう。それはなぜかというと、北京大使館の出張所だからということだけですね。これはいかに何でもというふうに私は率直に思いました。
 現地の大使館で勤務する人たちの悲痛な訴えも私はこの耳で聞いてまいりまして、これは何とかしなきゃいけないんじゃないか、もっとそこは柔軟性を持たなきゃいけないんじゃないか、こう思いました。この辺に関しては、大臣、いかがでしょうか。
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北島信一#15
○北島政府参考人 委員の御指摘、ありがたく受けとめさせていただきました。
 実は、重慶の出張駐在官事務所につきましては、大気汚染等の問題から北京の在中国大使館よりも勤務、生活環境が劣悪である、委員の御指摘のとおり認識しておりまして、従来から、空気清浄機を館員住居に配備する、そういった不健康地対策を北京よりも手厚く行ってきているところでございます。
 他方、在勤基本手当でございますけれども、在勤基本手当につきましては、在外公館所在地の勤務、生活環境の厳しさの度合いに応じて加算が行われているわけでございますけれども、まさに委員が御指摘されましたとおり、現行法令上、重慶の出張駐在官事務所、これは北京の在中国大使館の一部という位置づけから、在勤基本手当は在中国大使館と同一水準になっているということでございます。
 今後、この出張駐在官事務所が総領事館に格上げされる場合には、館員に支給される在勤基本手当が重慶の勤務、生活環境に応じたものとなるよう設定される、そういうふうに考えております。
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東順治#16
○東(順)委員 非常に重要なことを今おっしゃったなと私は認識をいたしました。総領事館に格上げになれば、その在勤基本手当というものがもう一度見直されて、その中で、劣悪な環境の中で働く皆さんに支障があるならば、そこで例えば医療費なんかを加算することもできる、こうおっしゃいましたね。これは私は非常に重要な視点だと思います。まさに、私も本当にそう思うんです。
 つまり、一つは、重慶という都市の持つこれからの重要度、三千万人の世界一の市なんですから、しかも、中国は大変に力をここに入れようとしているんですから、ここにはどうしても総領事館というものをぴしっと配置しなければ、諸外国にもう既にはるかなるおくれをとっているという一つの視点。もう一つは、働く人たちの健康状態ということ、その視点から見ても、総領事館に昇格すればその辺の問題がすべてクリアできるのであれば、ぜひ昇格すべきだと思う。
 この二つの視点、私は非常に大事だと思います。そういうことから考えて、ぜひ総領事館というものがここに設置されなければならない、こう思います。その計画はおありですか。どなたがお答えになるんでしょうか。
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茂木敏充#17
○茂木副大臣 総領事館の改廃問題につきましては、委員おっしゃるように、まず、その地域の重要性、こういうことから考えるべきだと思っております。同時に、在外に勤務する方の健康状況であったりとか、そういうものは、できるだけ現行法の中でもフレキシブルに対応したいと思いますし、副次的にそういった形で状況が改善するというのは好ましいことだ、こんなふうに考えております。
 委員の方からも御指摘いただきましたように、財務当局との関係等々あるわけでありますが、外務省として申し上げると、たくさんございます、これから総領事館に格上げをしたいところ、また機能を充実したいところ。国際社会の中で、今テロの問題とかいろいろありますので、警備も充実しなきゃならない、領事機能も充実していかなきゃならない。こういう中で、また委員等々の御指導であったりとか御支援もいただきながら検討してまいりたいと思っております。
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東順治#18
○東(順)委員 ワン・オブ・ゼムなんですよという言い方ですね。だから、重慶だけじゃありませんよ、その他たくさんございますから、そういうことから勘案して考えたいと思いますと。
 ワン・オブ・ゼムということはよくわかるんですが、その中でもという実感も、私もいろいろな国々を回っていますので、ひときわこの重慶では大変なインパクトだった。ぜひそのことを念頭に置いていただきたい。
 そして、二〇〇三年度が無理であれば、二〇〇四年度にも総領事館格上げというものがぜひ実現できるように、これはやはり日本国の国益の問題ですから、特に中国ですよ、非常に大事な国ですよ。二十一世紀にとって非常に大事な国、中国、その中でも極めて力を入れている重慶ですよ。その中で、先進国はもう領事館を出しているんですよ。
 これは単なるワン・オブ・ゼムという横並びじゃなくて、ワン・オブ・ゼムの中でもベストワンだというぐらいに思って僕はしかるべきだ、こういうふうに思うわけでございまして、お答えは求めませんが、どうかその認識に立たれてひとつ、財政の問題等もありますけれども、全力を挙げてこの問題に取り組んでいただきたい、こう思います。
 何かございますか。
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川口順子#19
○川口国務大臣 重慶のほかにもあるということですけれども、先ほど申しましたように、重慶の重要性は増してきているというふうに外務省としては認識をいたしております。
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東順治#20
○東(順)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
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池田元久#21
○池田委員長 次に、伊藤英成君。
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伊藤英成#22
○伊藤(英)委員 民主党の伊藤英成でございます。
 まず、外務大臣に、ミャンマーの今の軍政並びにアウン・サン・スー・チー女史の拘束の問題について伺います。
 先月の三十日に、ミャンマーの軍事政権が民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チー女史を拘束いたしました。さらに、この軍事政権側は、反政府運動を事前に阻止するために全国の大学を閉鎖するなど、一層の締めつけを行っている、そして民主化勢力との対立はさらに深まっている、こういうふうに思います。
 それで、アメリカ政府の方も、この問題について政府としてもいろいろと制裁措置を検討しているというような話も伝わってきたりするわけでありますが、それで先般、国連のラザリ特使もミャンマーを訪問してスー・チー女史の釈放を要請するなど、こうした活動をいろいろしたりしているんですね。
 我が日本政府として、外務大臣の談話なども私は読ませていただいておりますが、政府として、このスー・チー女史の釈放の問題などについて具体的にはどういうふうに活動あるいは働きかけを行っているんでしょうか。
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川口順子#23
○川口国務大臣 実はたくさんのことをやっておりますので、今ここで全部申し上げることができるかどうかちょっとわかりませんけれども、基本的に、ミャンマーにございます日本の大使館を中心にミャンマーの政府に対してさまざまな働きかけを、これはほかの国に先駆けて行っております。そしてその中で、私の談話にもありますように、今回の事態というのは極めて遺憾であって、スー・チー女史が即時に解放されて、そして政治的な活動ができる自由が、NLDの政治的な活動ができるようにすべきであるということを言っております。
 そして、ラザリ特使がミャンマーに入ってアウン・サン・スー・チー女史とお会いをしたわけですけれども、その前に我が国が、会わせるようにということを中心になって軍政権に働きかけたという経緯もございます。この情勢については、また東京でもいろいろな談話を出してきておりますし、私も、きょう、ウィン・アウン外務大臣と電話でお話をするということを今アレンジ中でございます。
 そういったさまざまなことをいたしまして、ミャンマーの政府がアウン・サン・スー・チー女史を釈放し、そして政治的な自由をNLDが取り戻すということのために働きかけていきたいというふうに考えております。
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伊藤英成#24
○伊藤(英)委員 そういう働きかけもしておられて、きょうも電話をされるべくアレンジ中、こういうことなんですが、実際に、スー・チー女史の釈放の見通しは何かありますか。
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川口順子#25
○川口国務大臣 今の段階でミャンマーの政府から聞いておりますのは、これはテンポラリーであるということでございまして、これはずっとミャンマー政府が言っていることでありますけれども、それ以上に、具体的に、例えばどれぐらいの期間ということはまだ聞いておりません。この点についても、即時と我が国は言っておりますので、できるだけ……(伊藤(英)委員「即時とは何ですか」と呼ぶ)即時釈放するということを言っておりますので、テンポラリーな期間、要するに、短い期間拘束を続けるとミャンマー政府は言っているということでございますけれども、それではいけないということを我が国からは言っております。
 この点についてはもう何回もミャンマーに働きかけておりますし、また、国際的にも、先般もアーミテージさんと私はミャンマーのお話もちょっといたしましたけれども、ちょうどタイの外務大臣、その他大勢日本にいらっしゃっておりましたので、その方々ともこの件については連携をとりながら進めております。
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伊藤英成#26
○伊藤(英)委員 ミャンマーに対しては日本がODAを供与しており、しかも最大の援助国ですね。実は、日本はミャンマーとの関係を考えれば、他の国々とは違った大きな役割を果たせる、そういう立場にあるわけですね。私の感じでは、そういうものが生きていないんじゃないかという気がするんですよ。そういう意味で、もっとこのODAも、こうした問題について本当に日本の外交に生きるようにすべきだ、こういうふうに思うんです。
 ちょうど今、ワシントンでこのミャンマーの問題について非常に議論もされているんですね。大臣も御承知かと思いますが、ワシントン・ポスト、私は現物をちょっと見ましたけれども、このワシントン・ポストでも、経済的な利害のためにミャンマーの民主化が進んでいると装う日本のような国、ネーションズと書いてありますから、複数の国でしょう、それは日本とかタイとか何か出たりもしておりましたけれども、日本についてそういうふうに名指しで社説で批判しているんですね。同じような話は、ロサンゼルス・タイムズも日本に対して批判をしている。ODAが逆になっているんじゃないか、逆に作用しているという意味で批判もしたりしているんです。
 そして、報道によりますと、米国の上院本会議において、ミャンマーから米国への輸入を禁止する制裁法案を九十七対一で可決したというのが出ています。アメリカのこういう状況、日本に対する批判並びにこの法案が可決されたことについてはどういうふうに思いますか、外務大臣は。
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川口順子#27
○川口国務大臣 そのような法案が上院で既に可決をされているということでございますけれども、我が国としては、ODAの考え方について、これはODA大綱がございます。その原則に基づきまして、軍事的用途への使用回避をする、民主化を促進する、基本的人権の保障状況に十分に注意を払う、そして相手国の要請、経済社会状況、二国間関係等を総合的に勘案いたしまして、ODAは実施をいたしております。
 それで、我が国として、先ほども申しましたように、今回のミャンマーの状況については、非常に重大なことであるというふうに深刻に受けとめているわけでございます。米国においてさまざまな動きがあるということを承知しておりますけれども、報道にあるような、経済的な利益を優先してミャンマーとの関係を考えているということで全くないことは委員も御案内のとおりでございます。
 現在ミャンマーとの間で、我が国としては、民主化を進めることが重要であるということは三本柱の一つでございます。そして同時に、ミャンマーの人たちの生活が豊かになるように、ミャンマーが経済的に市場化をしていくということの重要性については、これも前から経済調整協議ということをやっておりまして、経済政策の議論もいたしておりますし、それから社会の安定が重要ですから、それも支援をしているということでありますけれども、経済的な利益を中心に我が国のミャンマー政策を考えているということは全く当たっていないと私は思います。
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伊藤英成#28
○伊藤(英)委員 経済的利益を云々は、当たっているか当たっていないかは別にいたしまして、今ちょうど大臣が言われたODA大綱ですね。今言われたように、ODA大綱で「途上国における民主化の促進、市場指向型経済導入の努力並びに基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払う。」ということになっていますね。非常に重要な原則ですよね。
 では、今のミャンマーへのODAは、本当にこの原則にちゃんと沿っているんでしょうか。
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川口順子#29
○川口国務大臣 ミャンマーへのODAの供与ですけれども、これは、民主化そして人権状況の改善を見守りながら、民衆に直接裨益する基礎生活分野、ベーシック・ヒューマン・ニーズ等の案件を中心に、ケース・バイ・ケースで検討しながら実施しているわけでございまして、現在、無償資金協力と専門家派遣、研修員受け入れ等の技術協力を実施いたしております。
 ODAのあり方については、先ほどのODA大綱の原則を踏まえまして、ミャンマーの情勢の動きを見ながら適切に対応していきたいと考えています。
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