安全保障委員会

2005-05-12 衆議院 全162発言

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会議録情報#0
平成十七年五月十二日(木曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 小林 興起君
   理事 赤城 徳彦君 理事 岩屋  毅君
   理事 高木  毅君 理事 仲村 正治君
   理事 池田 元久君 理事 大石 尚子君
   理事 渡辺  周君 理事 赤松 正雄君
      石破  茂君    奥野 信亮君
      嘉数 知賢君    北村 誠吾君
      坂本 哲志君    寺田  稔君
      西銘恒三郎君    浜田 靖一君
      古川 禎久君    御法川信英君
      城井  崇君    武正 公一君
      津村 啓介君    中野  譲君
      西村 真悟君    本多 平直君
      松本 剛明君    村越 祐民君
      佐藤 茂樹君
    …………………………………
   外務大臣         町村 信孝君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      大野 功統君
   防衛庁副長官       今津  寛君
   外務副大臣        逢沢 一郎君
   防衛庁長官政務官     北村 誠吾君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  堀内 文隆君
   政府参考人
   (防衛庁防衛参事官)   大井  篤君
   政府参考人
   (防衛庁防衛局長)    飯原 一樹君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   林  景一君
   安全保障委員会専門員   前田 光政君
    —————————————
委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  額賀福志郎君     西銘恒三郎君
  前原 誠司君     城井  崇君
同日
 辞任         補欠選任
  西銘恒三郎君     額賀福志郎君
  城井  崇君     前原 誠司君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
     ————◇—————
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小林興起#1
○小林委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官堀内文隆君、内閣官房内閣審議官大石利雄君、防衛庁防衛参事官大井篤君、防衛庁防衛局長飯原一樹君及び外務省国際法局長林景一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小林興起#2
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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小林興起#3
○小林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古川禎久君。
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古川禎久#4
○古川(禎)委員 おはようございます。自由民主党の古川禎久です。
 早速質問に入らせていただきます。
 今回、多機能弾力的な防衛力を整備するためにということで、統合運用体制の強化と組織の見直しということが図られております。今回、私は、ちょっと視点を変えまして、医官というものに光を当てて御質問をさせていただきます。
 私の知人で、地元陸上自衛隊の駐屯地がございますが、その幹部がおります。その方から伺ったエピソードなんですが、日米共同演習、ハワイで行われた演習に立ち会った際に気づかれたことでございます。
 作戦の展開の最中に、軍を、兵を引く場合に、それは大変危険な局面に当たるのだと。しかしながら、負傷者が中に出たという想定で、その負傷者を後方に下げるために、そのために全軍が一たん全部引くんだというような訓練を米軍がしておった。それを見て、その私の知人、自衛隊の幹部が、カルチャーショックといいますか、大変驚いたという話でございます。
 旧日本軍の体質と申しますか、よく言われることですが、精神主義に傾いて、兵たんであるとかあるいは後方支援というものの重要性を、なかなか認識が欠けておったのではないかというような、そういうことがよく言われておるわけですけれども、そういう兵たん、後方支援に対する重きの置き方というものが米軍というものは非常に違うな、重きを置いているなということを痛感されたそうで、それを私に語って聞かせてくれました。
 私も、その話を聞いて、一抹の不安といいますか、感じまして、今回、医官についてちょっと調べさせていただきましたところ、我が国の自衛隊の場合には、自衛官の定数に対しまして医官が約三%ほどであるということでございます。用意された定数も十分に満たしてはおらない。ところが、米軍を初め各国の部隊を見ますと、ほとんど一〇%前後で医官がいるということでして、三%と一〇%、これはもう明らかに差があるわけでございます。
 そもそも医療というのは部隊の活動と一体不可分であると思われますし、全体の三%ということは、これは、医療それから兵たんというようなものを基本的に軽視する、視点に欠けているのではないかなという心配をするわけでございます。
 聞くところによりますと、早期退職者、これが非常にふえておるということで、防衛医大を卒業して医官に、義務年限として九年ということなんですが、この九年の年限を待たずして、三〇%もの方が早期退職をしておられるという憂うべき状況にあるということを聞いております。
 なぜこのようなことになるかということなんですが、いろいろお聞きしてみたり調べてみたりしますと、これは防衛の医官に限らず、医療の現場、一般の医療でもそうだということなんですが、僻地等の医療の現場ですと、なかなか臨床の機会に恵まれない。それによって、自分の腕を磨く、研究をする機会がなかなか得られないということに対する不安とか不満、そういうものがあって、なかなか勤まらない、あるいは志望する人がふえないというような状況があるということでございまして、恐らくこの医官におきましてもそのような傾向があるのではないかということを想像するわけです。
 ただ、今回、スマトラ沖あるいはインド洋でも、医官の活躍の場というのは、これ即現場での活躍ということでございまして、災害派遣、国際平和協力活動、それから国際緊急援助活動など、今、その重要性はますます大きくなってきていると言っていいと思います。災害医療ですとか有事医療というような救急医療、そういう臨床機会をどんどんふやしてあげることはできないか、例えば自衛隊病院の運営の仕方についても改善をしていただく余地はないのかなということを思うわけでございます。
 この医官の処遇改善につきましては、防衛庁におきましても検討中であるというようなことを報道等でお聞きしたことがございますけれども、現在、どのようなことになっておりますでしょうか。どうぞ、現場で働く医官が意欲を持って活躍していただけますように、前向きな、温かい、検討状況の御報告をいただきたいと思っております。よろしくお願いします。
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大野功統#5
○大野国務大臣 まさに古川委員御指摘のとおりでございます。
 我々の悩み、それは、自衛隊の諸君のいわば後ろから支援してくれる医官が早期退職をしていく。御指摘のとおり、確かに九年目までに約三〇%が退職しております。それから、十四年度までに約五〇%、半分やめてしまう、こういう状況になっております。特に、最近の例で申しますと、平成十六年でございますが、任官している者が六十五人、退職している者が何と七十八人、十三人減ってしまっているんですね。これは驚くべき現象であるし、また、我々、真剣に考えていかなきゃいけない問題であります。
 そういうことで、我々も何とかこの医官の退職を食いとめていかなきゃいけない。問題点は何にあるんだろうか。私、防衛庁長官に就任して、ある早い段階でこのことを指示いたしました。問題点は二つあるのではないか。
 一つはやはり、防衛庁関係の病院の患者さん、ほとんど防衛共済の皆さんですから、自衛隊の皆さんが多い。そうすると、どうしても症例が偏ってしまうということになってしまいます。一つはやはり骨折という症例。これはもう骨折の専門家にはなれるわけですね。しかし、ほかの症状というと余りない。中には冗談まじりに、水虫については専門家になれる、こんな話が出るぐらいで、どうも、ほかの症例をもっともっと診てもらう、体験してもらう、そしていいお医者さんになってもらうという経験を積んでもらう必要があるのじゃないか。
 そこで、まず調べますと、全体で防衛庁関係の病院は十七ございますけれども、その中で一般の患者さんを受け入れている病院は、わずか四つしかないんですね。もっともっと、ほかの防衛庁関係病院も一般の患者さんを受け入れるようにすべきじゃないか。そのためには、地域医師会の御理解が必要です。その辺を十分お願いしながら、何とか一般患者を受け入れていくような方向で検討してくれ、こういう指示を既に数カ月前に出してございます。今、一生懸命事務方で努力をしてくれておりますし、医師会にも接触、お願いに行っている、こういう状況でございます。
 それからもう一つは何だろうかな。それは、そういう一般患者を受け入れするとなると、やはり先進医療器具というのも必要になってまいります。したがって、そういう面は予算でまたお願いしなきゃいけない、こういう問題かと思っております。
 そしてもう一つ、二つ目の問題として、やはり私、調べてみますとどうも将官ポストが医官の場合はやや少ない、このことが一つ問題かなと思っております。将来励みを持って頑張ってくれるような将官ポストをひとつ要求しようじゃないかということで今準備を進めているところでございます。
 何といっても、自衛隊関係の病院、ベッド数はありますから、ここへもっともっと一般の患者さんを受け入れたい。ベッド数で見ますと、一般の病院ですとベッドが埋まっている率が約八三%、自衛隊病院ですと約四七%ということですから、もっともっと一般の患者さんに来てもらえるように努力する、そして将官ポストを考えていく、この二つを考えて指示しているところでございます。
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古川禎久#6
○古川(禎)委員 ありがとうございました。
 今、大きな組織の改編というものも行われている最中でございます。ぜひ、そのような前向きな方向で、御検討と手を打っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、一昨日の委員会でも取り上げられておりましたけれども、去る五月一日午前八時、北朝鮮が東海岸から日本海に向けミサイルを発射いたしたとの情報がございました。また、五日、ニューヨーク・タイムズは、米国国防省関係者からの情報ということで、北朝鮮が地下核実験へ向けた大規模な準備を進めているというようなことでございます。そして昨日、北朝鮮は実験用原子炉から使用済み燃料棒を取り出す作業を完了したということを表明いたしました。
 この十日余りの間に随分慌ただしいなと思うのであります。一部には、従来の瀬戸際外交ではないかというような意見もありますけれども、いずれにしましても、今回核実験を行いました場合には、国連安全保障理事会におきまして経済制裁について協議をするべきだと私は考えております。
 さて、この北朝鮮の有する現在の核開発の状況あるいは運搬能力等につきまして、実際今どの程度の能力を保有していると見ておられるんでしょうか。すなわち、日本に対する現実の脅威がどの程度であるかということを教えていただければと思っております。よろしくお願いします。
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飯原一樹#7
○飯原政府参考人 北朝鮮のミサイル及び核開発の現状に対する防衛庁としての認識でございますが、基本的に、累次申し上げておりますけれども、北朝鮮、極めて閉鎖的な体制をとっておりますので、私どもとして間近で見るというような形で明確なアプローチができないために確たる情報を持ち得ない状況にあるのは御理解いただきたいと存じます。
 一つ、ミサイルではノドンミサイルを実戦配備しているであろう。ただ、核開発につきましては、核開発を始めてからかなりの期間を有しておりますので、その期間を利用してかなりの程度核開発が進展している可能性を否定することはできない。また、最近ですが、北朝鮮が核兵器を持っているということをみずから表明した。ただ、その間で、ではそれをミサイルにつけて運搬できるかどうかということにつきましては、そこに兵器とまた核弾頭との間で技術的なかなりの違いがございますが、そのあたりにつきましても確たる情報を持ち得ているわけではございませんが、全体的に言いまして、北朝鮮の核開発がかなり進展をしているという可能性は否定し得ないというのが私どもの認識でございます。
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古川禎久#8
○古川(禎)委員 核の開発について、わからないと。仮に持っておったとしても、実際それを弾頭化して起爆できるところまでいっているかどうかわからないということですが、一方で、生物あるいは化学兵器の場合は、これは確実にあると言われております。
 いずれにしても、精度が高くないノドンであっても、それを東京とか大阪というような我が国の大都市に向けて撃たれた場合には、これは、精度が低いということをもって脅威を打ち消されるわけでは到底ないわけでございます。
 ただ、北朝鮮が核を保有して相当程度それを高度化していると仮にしましても、そしてその北朝鮮が我が国に対して核攻撃をしかけたとしましても、これは、米国のいわゆる核の第一撃で北を壊滅できる、いわゆる核の傘というものがあるんだと私は思っています。日米安保が空洞化していない限りにおいては、いわゆる相互確証破壊、MADの核抑止理論に照らせばそのようなことになるだろうと。
 では一方で、中国はどうだろうかということで心配をしております。十六年度の防衛白書を見てみましたら、ICBM、大陸間弾道弾約三十基、新型ICBMそれからSLBM、潜水艦発射弾道ミサイル、これも開発を進めていると。また中距離弾道ミサイル、これは当然我が国を含むアジア全域を射程に入れておるわけですけれども、これは百十基、短距離弾道ミサイルも約四百五十基ということでございます。
 もちろん、米国の保有するそれに比べますと、数は、規模は劣るというものの、確実にその配備数を増しておって、同時に、有人宇宙飛行に成功するというぐらいの技術力の急速な向上というものもあるわけですので、これは大変脅威であると私は思っております。
 この米国大陸を射程におさめることのできるICBMそれからSLBM、この二つの核、これによって、相互確証破壊、MADの理論が現実化していくことは想像できないことではないと私は思うわけであります。かつての米ロの関係と同様に、今後米中の関係においてもそのような構造が成立していくのではないか。だとするならば、我が国にとっての中国に対するアメリカの核の傘というものは、実はほころびが生ずる方向で、穴が開きつつある方向にあるのではないかというふうに思うわけであります。
 私は国防の基本というものは抑止力にあると思います。抑止力というものは、我が国を攻めてきた敵対国に対しまして現実的にそれに報復をする力、攻撃をする力と言っていいと思います。だとするならば、具体的に、報復する力を持ち、そしてその意思もあるんだよということを明確にメッセージすることによって初めてその抑止力というものが機能し得るのではないかと思うわけでございます。
 これまで、国防論議の際に専守防衛という言葉がございました。専守防衛というとどうしても、イメージからいきまして、とにかく外国への攻撃力は持たずに、日本の国土に攻めてきたものに対する迎撃、迎え撃つ、押し込んできたものに対して押し返す、ですから、結果的に本土決戦しかあり得ないということになると思うんですけれども、そんなイメージといいますか錯覚といいますか、ちょっと過剰な、遠慮がちな考え方に支配されておった嫌いがあるのではないかなというふうに感じているわけですけれども、今回のミサイル防衛というものは、純粋に防御的な、かつ他に代替手段のない唯一の手段ということでの狭義のミサイル防衛だと思います。すなわち、飛んできたものを撃ち払うという限定的なものであるということなんですが、しかし、私が申し上げたいのは、広い意味でのミサイル防衛といいますか、もっと積極的な抑止力、すなわち、攻撃力というような本質的な要素を包含する意味での抑止力というものをやはり備えるべきではないかというようなことを申し上げたいと思うんです。
 敵対的な国家がミサイルを例えば日本に向けて現実的に撃ってくる場合、これがもう明示されておって、これは我が国に対する攻撃に着手をしたと認められるような場合に、これは自衛権の発動ということで対処し得るのだと思いますけれども、しかし、日米安保によりまして我が国はその機能を米軍に依存している状況にあると思っています。しかしながら、米軍も完璧ということはありませんで、いろいろなケースにおいては十分な対抗ができないことも十分考えられるのではないかと思います。ですから、その意味では、我が国もある程度は独自の通常兵力を保有するべきではないかと私は思っておりますし、それこそが先ほど申しました国防の基本である抑止力を持つということになるんだと思うんです。
 私は、今回、北朝鮮、いろいろ慌ただしい状況になっておりますけれども、このような東アジアの状況の中で日本が核兵器を保有するべきだとは思っておりません。しかしながら、北朝鮮や中国を射程圏内におさめるような長距離ミサイル、通常弾頭の長距離巡航ミサイル、こういうものは主権国家として持つということを検討することは許されるのではないだろうかと私は思っております。
 その点につきまして、長距離巡航ミサイルの配備の是非について我が国としてどういうふうに考えておられるか、御所見を賜りたいと思います。
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大野功統#9
○大野国務大臣 古川委員の方から、抑止力も報復力のある抑止力を持ったらどうかと。まさにおっしゃるとおり、今装備を考えておりますBMD構想というのは、純粋に防御的な抑止力であります。撃ってもむだですよという抑止力ですね。撃ったら仕返しがありますよという抑止力ではありません。そういう意味で、今こういう国際情勢の中でその点をどう考えるんだ、大変な問題提起だと私は思っております。
 この問題は従来から議論されておりますけれども、敵基地攻撃をどう考えるかという問題として議論されておりますが、我が国に対して急迫不正の侵害が行われ、その手段として我が国国土に対し誘導弾等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置をとること、つまり、誘導弾等による攻撃を防御するのに他の手段がないと認められる限り、敵の誘導弾等の基地をたたくことは法理的には自衛権の範囲に含められ、防衛出動が下令されている場合に自衛隊がかかる攻撃を行うことは可能である、これが従来からの見解でございます。
 しかしながら、今古川委員御自身もおっしゃったとおり、日本の防衛の考え方、これは日米安全保障条約のもとにおいて、専守防衛を基本とする、こういうことであります。したがいまして、日米間でやはりそこに役割分担がある、私はこのように思います。
 この役割分担とは何か。我々としては、敵基地攻撃というのは、法理論的には今申し上げた意味で可能でありますけれども、敵基地攻撃を目的とした装備というのは考えておりませんし、そのような攻撃を目的とした長距離巡航ミサイルというようなものも考えておりません。
 御存じのとおり、日米防衛協力のための指針を読んでみますと、自衛隊というのは、主として日本の領域及びその周辺海空域において防勢作戦を行う。アメリカの方は、自衛隊の行う作戦を支援し、米軍は自衛隊の能力を補完するための作戦を実施する、このように書いてあるわけであります。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、攻撃力を有する部隊の使用を考慮する、こんなふうに書いてありまして、そこに役割分担がある。
 法理的にはそういうことは可能だとしても、今の政策として、私はそのようなことは考えるべきことではないし、そのような装備も持つべきではない、このように思っておるところでございます。
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古川禎久#10
○古川(禎)委員 ありがとうございます。
 テロの蔓延、大量破壊兵器の拡散、弾道ミサイルの拡散、劇的に世界の安全保障環境が変化をしてきておる中で、そして米軍もいわゆるトランスフォーメーションということで地球規模での再編成を行うという、今大きな転換期にあると思います。日本が戦後置かれてきた状況というものもまた変わってきておるんだと思います。
 その意味では、これまでの時代の考え方にある意味余りとらわれ過ぎずに、次の時代、この東アジアを安定させていくために我が国がいかに貢献できるかということを素直にもう一度議論し直すことができるようなそういう国防の論議というものが望まれると考えております。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
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小林興起#11
○小林委員長 次に、佐藤茂樹君。
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佐藤茂樹#12
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
 前の方が予定より早く終わられたので、びっくりして飛んでまいりましたけれども。
 一昨日の当委員会におきましては、イラクにおける日本人の拘束事件、並びに北朝鮮の核実験疑惑のことがありましたので、それを中心にしましたので本来用意しておりましたこの法案の中身についての質問ができませんでした。きょうは三十分時間をいただきましたので、じっくりとやらせていただきたいと思います。
 それで、今、巷間、修正協議等の話がいろいろと報道されているわけですが、一つは、国会の関与についてこの法案をどう考えていくのかということが一つのポイントになろう、そのように思うわけでございますが、事前に与党との協議の中で、我々は、第五項に国会報告を盛り込むべきであるということで、そのとおり政府の方で修正をしていただいたわけでございます。
 これをどう考えるかということなんですが、第六章の自衛隊の行動、幾つかございます。第三条の自衛隊の任務で大別されるのでは、二つ大きく分かれるわけですね。一つは、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することのための第七十六条の防衛出動、こういう本来任務と、それともう一つは、第三条第一項の公共の秩序の維持の活動、こういうように大別されるわけです。
 この第六章の自衛隊の行動の中には、防衛出動とあわせまして、そのほかの公共の秩序の維持に当たる行動というものがずっと書かれているわけですが、その公共の秩序の維持の中でも、第七十八条の命令による治安出動のみが国会の承認を必要としているわけでございます。
 これをまず前提に置いた上で、今回の弾道ミサイル破壊措置というのは、防衛庁長官も言われておりますが、公共の秩序の維持の活動の中でも、いわば警察権の行使である、そのように防衛庁長官はたびたび答弁をされているわけですが、そういう点で見ていきますと、私は今回の弾道ミサイル破壊措置というのは、防衛出動や命令による治安出動と違いまして、我が国の防衛とかそういうことよりも、現に我が国に落ちてくるミサイルをただ破壊するだけの行為であるということが一つですね。破壊しなければ、人命であるとか、また国民の財産に影響を与えてしまう、そういうものに対して、ただ破壊をしよう、さらに、それは瞬時の行動であって、極めて不可逆的な、そういう行為である。
 そういうことから考えますと、私自身も、今回のこの法案につきましては、国会報告で十分であって、国会の事後承認というのは必要ではない、そのように考えるわけですが、まず、政府の考え方として、この国会の関与について、命令による治安出動のような事後承認というものを必要とされなかった理由は何なのかということが一点。
 それと、今回、弾道ミサイル防衛というのは、新たな脅威ということで、新たな自衛隊の任務ということで入れてきたわけですね。しかし、これから新たな脅威というのは今後もいろいろ考えられるわけです。例えば生物化学テロに対してどう対応していくのかとか、また、ゲリラ・コマンドーに対してさらにどういうように対応していくのかとかいろいろなことが考えられると、そのたびにまたこの国会の事後承認という議論がいろいろ出てくるかと思うんですけれども、今、現時点で考えておられる国会の事後承認を必要とされる場合と国会の事後承認を必要とされない場合、その判断基準を政府としてどういうように考えておられるのか、やはり明確にこの時点でされておいた方がいいんではないかな、そのように思うんですが、以上二点、御答弁をいただきたいと思います。
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大野功統#13
○大野国務大臣 一言で言いますと、やはり国民の権利義務に大きな影響を及ぼす行動であるかどうか、これは非常に大きなポイントであると私は思っております。また、その行動が他国の財産、人命に影響を与えるものかどうか、こういう点も配慮していかなきゃいけない。やはりそういう、人命にどの程度影響を与えるのか、権利義務にどのような影響を与えるのか、こういうポイントだと思います。
 今回のミサイル防衛についての考え方でありますけれども、これは、ほっておけば命も財産も被害に遭ってしまうわけですね。絶対にこれはやらなきゃいけない行動であります。やらなくてもいいことではありません、絶対にやらなきゃいけない行動であります。そして、今佐藤委員もおっしゃったとおり、不可逆的な行動であります。そういう点。
 そして、この行動は一体どういう行動なのか、その特性を見てみますと、一つは、撃ってきたものを迎撃して落下させる、こういうことでありますし、もう一つは、やはり、落下させるという意味で、絶対に国民の生命財産を守らなきゃいけないという背景がある。必要かつ当然の行動である、必要かつ当然の措置である、こういう問題があります。それからもう一つは、相手国の領域内で生命あるいは財産に損害を与えるものではない、こういう特性があるわけであります。
 その中で、先ほど冒頭に申し上げましたとおり、国民に対する私権の制限とかそういう観点から考えますと、国会の関与を必要とする防衛出動あるいは治安出動などのような他の自衛隊の行動に比べまして、今申し上げましたような国民に対する私権の制限、こういう意味ではもう本当に限定されているわけであります。
 したがいまして、以上のようなことを考えれば、私は、今回の措置は、事前であっても事後であっても、事前ということはあり得ないのですけれども、事後であっても国会の承認を要するまでの必要はない、このように思っております。
 なお、国会への報告でありますけれども、この点はやはり、自衛隊が、武力行使とまでは言いません、武器の行使とまでは言いません、実力を行使する行動であります。そしてまた、特に八十二条の二の第一項のケースでいいますと、やはりそれが武力攻撃事態につながっていって、防衛出動下令につながっていく可能性がある。こういうことを考えれば、やはり私は、国会への報告はきちっとしておくべき筋合いのものだろうな。そこに私は報告とそれから承認の違いがあるのではなかろうか、このように思っております。
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佐藤茂樹#14
○佐藤(茂)委員 そこで、我々も修正のときにこのことはあえて触れなかったんですけれども、政府答弁としてきちっと残していただきたいんです。この第五項に国会報告というものを入れさせていただきました。「速やかに、国会に報告しなければならない。」ということなんですけれども、これは、通常の国会開会中の際、さらに国会閉会中の際、そしてさらに衆議院解散の場合、こういう三種類にそれぞれ分かれると思うんですけれども、ここで言う「速やかに、」というのは、それぞれの状態のときに、弾道ミサイルが飛んでくるというような事態が起こった場合にどういうタイミングで報告をされるのか、御答弁をいただきたいと思います。
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大野功統#15
○大野国務大臣 国会開会中であろうとも国会閉会中であろうとも報告をする、当然のことであります。報告の仕方は、内閣総理大臣から衆参両院の議長に対し文書により報告させていただきます。それから、衆議院が解散中の場合であっても、参議院議長に対して内閣総理大臣から文書により報告をいたします。
 それでは、どういうタイミングでやるのか。これはもう直ちにというか「速やかに、」と書いてあると思いますけれども、速やかにさせていただくということでございます。
 この報告に基づいて国会でどのような審議を行うか。これは国会の方で考えていただきたい、決めていただきたいと思いますし、また、国会への報告も、形式的にならずに、これはもう本当に、きちっと、可能な限り具体的に報告をさせていただいて、そして国会で十分御議論をいただけるようにしたい、このように思っております。
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佐藤茂樹#16
○佐藤(茂)委員 それで、今、事後承認の件で、私権の制限というのは極めて今回限定されているんだ、そういうお話がございましたので、本来時間をかけてやりたかった質問を最後にちょっと回しまして、果たして、この弾道ミサイルへの対処によって、その対処することによって国民生活がどれだけいろいろな意味で制限されるのか、そのことについてちょっと明確にこの委員会で御答弁をいただきたいと思うんです。
 例えば、四月五日の東京新聞では、防衛庁が関係省庁との協議を開始したというように言われております。それは、例えば、今回の弾道ミサイル防衛によってPAC3が民間航空機を誤射する危険を避けるための飛行禁止区域の設定であるとか、これは国土交通省とやる。さらに、弾道ミサイル探知に使用する強力なレーダー波について、電波障害が避けられないということで、これも総務省とどういう対応をするのかということを検討を開始したと。
 要するに、武力攻撃事態なら特定公共施設法に基づいてこういうことができるということになっている。しかし、今回のこの破壊措置というのは有事に至る前の段階ですから、その有事に至っていない段階で、そういう市民生活に深刻な影響が出る可能性もあるので検討を開始されたということなんですね。
 これは実は、多分自由民主党さんにもそうでしょうけれども、我々公明党にもこの法案を出された過程ではそういう話にはなってなかったんですけれども、四月に入ってそういう報道がある。
 これは具体的に検討されてきたと思うんですけれども、これはやはりこの委員会で、そういう本当に弾道ミサイル等への対処によって国民生活を制限する可能性のある事項があるならすべて明らかにして、そして国会に詳細な説明を行うべきであるというふうに思うんですが、ぜひ、検討されていることがあるなら、また、実はこういう課題が考えられるんだということがあるなら、明らかにしていただきたいと思います。
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大野功統#17
○大野国務大臣 大変大事な御指摘だと思います。
 一般論として申し上げますと、今回のミサイル運用に当たりましても、市民生活の影響が生じる可能性はあります。それは何か、こういう問題であります。その点を一つ一つ申し上げたいと思うんですが、こういう個々のシステム、一般論としてですが、個々のシステムを運用する場合には、まず各種の規制法、それから安全基準、これはもう遵守していかなきゃいけない、当然のことであります。それから、新しいシステムの導入や法整備を行う場合には関係当局と十分調整をしなきゃいけない、これも当然のことであります。
 そこで、具体的にBMDシステムについて申し上げたいと思うんですが、これは、まず民間航空機の航行の安全や電波障害、この関係はきちっとしておかなきゃいけない。
 そこで、イージスの場合でございますけれども、イージスの場合は、公海上の運用でございますから、基本的に飛行禁止区域の設定をする必要はない、また、電波障害の関係で整理の必要性は極めて低い、このように考えております。
 ただし、PAC3システムの場合におきましては、我が国の領土の中で展開するものですから、ここのところはやはり、レーダーの関係でいいますと、そしてまた発射の関係でいいますと真剣に考えておかなきゃいけない問題であります。
 まず、飛行禁止区域の設定が考えられますけれども、この点は必ずしも必要となるものではないのではないか、このように思っております。ところが、電波障害の方は、これはかなり真剣に考えておかなきゃいけない問題であろう。そこで、電波監理当局と十分調整の上、やっていかなきゃいけない、このように思っております。
 関係省庁間の調整でございますけれども、関係省庁間でいろいろな調整をやる枠組みがありますから、その枠組みの中でやっていく必要があります。
 具体的に、武力攻撃事態や緊急対処事態の設定が行われた場合には特定公共施設利用法を基本として調整を実施する。これはしかし今回の問題ではありませんけれども。
 平時における対応、これは今委員もおっしゃいましたが、例えばどういうふうな優先をやっていくかということで特定公共施設利用法の問題がありますし、想定外の、この特定公共施設利用法の考えている枠外の問題も出てくるのではないか。そういう場合には、今次の法制においては、総理の承認を得た上、閣議決定をした上で対処していくことといたしております。
 そういうことで、調整を十分図った上、保護法益を守る、そして国民の生活、安全、こういう観点から、各般にわたる問題でありますから、調整を十分行って万全を期していかなきゃいけない、このように思っております。
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佐藤茂樹#18
○佐藤(茂)委員 今るる述べられたとおり、私が提示した飛行禁止区域の設定と電波障害、今検討しているのは二つだけですか。ほかはほとんど余り市民生活に影響ないというように今の段階では考えておられるのか、ちょっと明確にお答えいただきたいと思います。
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大野功統#19
○大野国務大臣 具体的に国民保護法制との関係でどういうふうに考えていくか、こういう問題も真剣に考えていかなきゃいけない問題であります。例えば、ターミナルコースで撃ち落とした場合、その破片が飛散した場合どういうことになるのか、そういう点も含めて考えていかなきゃいけない。国民保護法制の問題があると思います。
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佐藤茂樹#20
○佐藤(茂)委員 それで、要は、これはほかのことに関連するんですけれども、長官、これは多分お答えできると思うんですけれども、国民保護法制とか、これは武力攻撃事態のときの対応なんですね。今言われました特定公共施設利用法もまさにその枠組みなんです。
 これはまさに最初の段階から言うておりますが、有事に至っていない弾道ミサイル破壊措置というのは、平時の、まさに警察権の範疇に入るそういう行動なんですね。しかし、その行動をとることによって有事のときを設定したそういう法律を今回準用しなければいけない、そういうふうに考えておられるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
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大野功統#21
○大野国務大臣 まず、武力攻撃事態が生起している場合には、もちろん今申し上げたような国民保護法制等でございます。それから、そういう場合でない場合は、やはり、自衛隊法に基づく災害派遣とか、法律的にはそういう整理になろうかとは思います。
 私は、やはり国民の生命財産の安全、これが一番でありますから、あらゆるケースを想定して法律の根拠はきちっとしておかなきゃいけないと思いますけれども、そういう意味で、国民保護法制のような考え方を持って対処していく。法律的に申しますと根拠法令は自衛隊法、災害派遣、こういうことになろうかと思います。
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佐藤茂樹#22
○佐藤(茂)委員 そうしたら、これはまだ検討中ということなんで、具体的に関係省庁ともう少し詰めをした段階でいろいろ自衛隊法以外でも関連するものが出てくれば法律を変えないといけない、そういうことが必要になってくると。
 私は、しかし、本来こういうものは詰めた上で、破壊措置の新しく法を設定するときとともに、これは例えば、いろいろいつも出されますけれども、関連法の改正というものはセットで出されるべきものじゃないかと思うんですけれども、しつこいようですが、防衛庁長官の答弁をいただきたいと思います。
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飯原一樹#23
○飯原政府参考人 その点についてでございますが、私ども、事務レベルで想定できる事態は想定した上で、法案作成自体の過程の中で関係省庁と調整をいたしまして、八十二条の二の事態におきまして、必要な法律改正をするものがあれば、その限りではそれに盛り込んだということでございます。
 ただ、より具体的なところは、現に、私どものやり方として、制服を巻き込んだ実際の訓練等は、法律が作成、つまり法的根拠が明確になってからやるということ、それから、兵器の具体的なものは、御承知のとおり、まだいわゆる契約発注中でございますから、それが具体的にどういうものになるかは我が国に到着してからということでございますので、当然、今回法律を通過させていただいた後、しかるべき段階を追ってより詳細な検討をしていくということでございます。
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大野功統#24
○大野国務大臣 一言だけ正確を期する意味で申し上げたいと思うんです。
 国民保護法制をどういう場合に適用できるか、この問題でございますけれども、必ずしも武力攻撃事態発生ということではなくて、緊急事態であると内閣が判断すればできますので、閣議を経た上で国民保護法制を適用できる、こういう根拠があるということを申し添えさせていただきたいと思います。
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佐藤茂樹#25
○佐藤(茂)委員 私は野党でもないので、これ以上この件については質問いたしません。
 もう一つ、ぜひきょう明らかにしておきたいのは、今回のこの法案、私も四月一日の本会議であえて質問させていただいたんですけれども、ポイントは今回の八十二条の二の第一項と第三項ですね。二段構えに今回破壊措置がなっているわけですが、この二段構えをどういうように明快に我々の側としては理解するのか、政府の側でいうとこの二段構えの仕組みをどういうように明快に説明できるのか、これが一番大きなポイントであろう。
 そういうことで、私も四月一日の本会議のときにあえて質問をここの部分についてさせていただきました。そのことに対して当時防衛庁長官がどういうふうに答弁されているのか。議論の前提として同じ共通認識に立たないといけないと思うので、あえて読ませていただきます。
 私が質問したのは、「二点目に、第一項の、弾道ミサイル等が我が国に飛来するおそれがある場合と、第三項の、事態が急変し、第一項の内閣総理大臣の承認を得るいとまがない緊急の場合の違いがわかりにくいという指摘があります。」と。だから、その事態の違いが国民にわかるように、具体的にどういう事態を想定されているのか、御答弁いただきたいということ。
 そうすると、その違いについてでありますということで、具体的に説明をされました。そのときの答弁をあえてもう一回言いますと、防衛庁長官は、
  第一項の飛来のおそれは、国際情勢、発射の示唆及び部隊の動き、ミサイルの発射の準備状況といった軍事的動向を総合的に分析、評価し、政府全体で判断するものであります。
  具体的な例といたしましては、意図は不明ですが弾道ミサイルの発射に向けた具体的な兆候がある場合や、諸外国が弾道ミサイルの発射を具体的に示唆した場合などが考えられます。
これが第一項ですね。
  他方、第三項の緊急の場合とは、我が国に弾道ミサイル等が飛来するおそれがあると判断していない状況下、事態が急変し、総理の承認を得るいとまがなく我が国に向けて弾道ミサイルが飛来する緊急の場合に限るものであります。
  具体的な例といたしましては、ミサイル発射実験を行うとの情報のもと、イージス艦などのレーダーを用いてその実験を監視していた場合や、ある国の内政が不安定な状態にある場合に、当該国に対し継続的に監視を行っていたところ、弾道ミサイルが我が国に向けて飛来する場合などが考えられます。
こういう御説明であります。
 正式に本会議で言われているのはこのとおりだと思うんですが、そこでお聞きしたいのは、この第一項、第三項で具体的な例として言われていることは一般的にいくと極めて似通っていて、違いがどこにあるのかわかりにくい。例えば、第一項の例として二つ言われています。「意図は不明ですが弾道ミサイルの発射に向けた具体的な兆候がある場合」、「諸外国が弾道ミサイルの発射を具体的に示唆した場合」、この二つを言われているんですが、第三項では、「ミサイル発射実験を行うとの情報のもと、イージス艦などのレーダーを用いてその実験を監視していた場合」。
 要するに、発射に向けた具体的な兆候がある場合、発射を具体的に示唆した場合というこの第一項の例と、第三項のミサイル発射実験を行うとの情報を得て動いている場合と、一般的にいくとほとんど同じように兆候じゃないのか、そういうようにとれるんですが、ほとんど同じではないかととらえられても当然だと私は思うんですけれども、そこはどう違うのか、違いをわかりやすく御説明いただきたいと思います。
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大野功統#26
○大野国務大臣 違いを申し上げます。
 第一項の場合には、今申し上げたような、佐藤委員おっしゃったような事例があって、ほとんどもう可能性が高い、非常に高いという場合であります。それを「おそれ」ということで表現しております。そのおそれを判断するのは一体だれなんだろう、これは政府であります。政府の判断はどうやってやるか、これは閣議でやります。ここに、おそれは閣議で判断してやるんだ、こういうことが一つ違います。
 そういうふうに、おそれの判断をしたということは、それは地域の名前も出てきます。相手国の名前も恐らく出てくると思います。それから、どういう状況になっているということも出てくると思います。部隊の展開、ブースターが立ち上がったとかどうとか、そういう問題でございます。それから国際情勢、相手国の意図、こういうものが出てきます。ほとんどこれはもう間近に本当に武力攻撃事態になってくる可能性、蓋然性が高いな、こういうことでおそれの判断をする。それを政府がやる、内閣、閣議で決定する、これであります。
 二番目の場合には、実験しているけれども、ひょっとすると誤射があるかもしれない。だから、そういうおそれはない場合であります。おそれがない場合に、しかし、そういう安全ネットを張っておかないと、せっかくゆとりがあるのに、ゆとりというか、そういうイージス艦が配備されておるのに命令がない、こうなりますと、大変これは、せっかくこういうシステムを導入しながら万全な態勢がとれない。したがって、あらかじめ包括的に命令を下しておく。ただし、その命令というのはきちっと、こういう場合にはこうなってこうですよと、こういうことであります。
 しかし、その例として挙げた場合、例えば実験しているとかそういう場合でありますけれども、それは一つの例でありまして、我々が申し上げておりますのは、本来ならば、平時であっておそれがない場合でも、二十四時間、三百六十五日、本当は見張っている、これが国民の生命財産に対する我々の努力じゃないか。しかし、それは能力的にできない。だから、これは命令を下して期間を区切って、そして、あらかじめ下した命令でやっておこう。どういう場合に命令を下すかということで、ある程度そういうような事象があったときが命令を下す場合に頭の中に入っている、こういう意味で例を申し上げているわけです。
 したがいまして、一つは、おそれがある、おそれがないと言い切ってもいいかと思います。おそれがないのに、いきなり事態が急変してミサイルが出てくる、こういう場合であります。もう一つは、おそれの判断はきちっと内閣で決めるんだ、こういうことであります。こっちは、そういうことを内閣で一つ一つのケースについて決めるのではなくて、包括的に、こういう場合にはあらかじめ長官の下した命令で緊急対処要領に基づいてやっていいですよ、ここが違いだと思っております。
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佐藤茂樹#27
○佐藤(茂)委員 ただ、今言葉をいっぱい使われたんですけれども、例えばミサイル発射実験。具体的に北朝鮮を例にとりましょう。そうしたら、彼らがミサイル発射実験をしますよと言ったときに、中国やロシアの方に飛ばすわけはないので、ミサイル発射実験をやりますよと言ったときには、どう考えても、近くの韓国には弾道ミサイルを飛ばしても意味がないですから、日本かあるいは太平洋、さらにはその向こうのアメリカ、こっちに向けて飛ばしてくることは間違いないわけでありまして、もうミサイル発射実験をするという段階で、当然これはこっちに飛んでくるおそれがある、そういう判断を当然されるべきものであって、そう考えていくと、何も第三項で置いておくのではなくて、そのミサイル発射実験をするという情報自体を得たときには、当然、この第一項の、これはこっちに飛んでくるおそれがある、そういう判断をすべき問題じゃないんですか。今、長官の説明だと、それはおそれがないんだ、そういうようなことになるというのは、どう考えてもおかしいと思うんですけれども。
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大野功統#28
○大野国務大臣 おそれを判断するのは政府全体でございます。その判断の根拠を先ほど具体的に申し上げましたけれども、例えば、某国が実験と言った場合は、それは実験じゃなくて本気なのかということもその中に含まれているわけです。総合的にいろいろな情報をもって、これはおそれである、某国がどうした場合はおそれになる、某国がこうした場合はおそれにならない、こういうのは総合的に判断していかなきゃいけない。
 まさに佐藤委員おっしゃったとおりの問題は生じてまいりますけれども、我々は、どの国から何が撃ってくるということは今現在答弁できませんので、ここは差し控えさせていただきますが、いずれにしても、政府全体として総合的に判断する、そして国民の生命財産を絶対何が何でも守っていく、こういう姿勢で取り組んでまいりたいと思います。
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佐藤茂樹#29
○佐藤(茂)委員 もう時間が来ましたのであれですけれども、一昨日もお聞きしておりまして、この条文というのは、やはりいかに国民にわかりやすいものにしておくかということが大事だと思う、自衛隊法というのは。ところが、野党の長年この分野に携わっておられた防衛責任者の同僚議員でも、読んでも意味がよくわからないという趣旨の話をする。例えば「あらかじめ、」はどこに係るのか。そういうものは国民全部が抱かれる疑問だと思うんです。
 今やりとりをした中でも、特にこの第一項の事態の認識と第三項の事態の認識を、結局長官の答弁だと、内閣に任せてください、そういうところに尽きるわけですね、最終的には。そういう法案で、果たして我々立法府として責任を果たしたことになるのか、そういう疑問を残しながら、きょうは質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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