総務委員会

2007-11-29 衆議院 全182発言

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会議録情報#0
平成十九年十一月二十九日(木曜日)
    午後二時開議
 出席委員
   委員長 渡辺 博道君
   理事 石田 真敏君 理事 今井  宏君
   理事 馳   浩君 理事 林田  彪君
   理事 山口 俊一君 理事 黄川田 徹君
   理事 原口 一博君 理事 桝屋 敬悟君
      秋葉 賢也君    新井 悦二君
      井澤 京子君    石崎  岳君
      岡部 英明君    岡本 芳郎君
      鍵田忠兵衛君    川崎 二郎君
      木挽  司君    清水清一朗君
      実川 幸夫君    関  芳弘君
      田中 良生君    土屋 正忠君
      土井  亨君    葉梨 康弘君
      萩生田光一君    萩原 誠司君
      橋本  岳君    福田 良彦君
      古屋 圭司君    松本 文明君
      山本ともひろ君    小川 淳也君
      逢坂 誠二君    玄葉光一郎君
      田嶋  要君    寺田  学君
      福田 昭夫君    森本 哲生君
      斉藤 鉄夫君    谷口 和史君
      塩川 鉄也君    重野 安正君
      亀井 久興君
    …………………………………
   総務大臣         増田 寛也君
   総務大臣政務官      秋葉 賢也君
   総務大臣政務官      岡本 芳郎君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      松山 隆英君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長)   鵜瀞 恵子君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局審議官)            細溝 清史君
   政府参考人
   (総務省情報通信政策局長)            小笠原倫明君
   政府参考人
   (総務省政策統括官)   中田  睦君
   参考人
   (日本放送協会会長)   橋本 元一君
   総務委員会専門員     太田 和宏君
    —————————————
委員の異動
十一月二十九日
 辞任         補欠選任
  木挽  司君     岡部 英明君
  関  芳弘君     清水清一朗君
  萩原 誠司君     新井 悦二君
  古屋 圭司君     山本ともひろ君
同日
 辞任         補欠選任
  新井 悦二君     萩原 誠司君
  岡部 英明君     木挽  司君
  清水清一朗君     関  芳弘君
  山本ともひろ君    古屋 圭司君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十六回国会閣法第九四号)
 国民の権利を保障し利便向上を図るための郵政事業の推進に関する件
     ————◇—————
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渡辺博道#1
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 第百六十六回国会、内閣提出、放送法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。増田総務大臣。
    —————————————
 放送法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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増田寛也#2
○増田国務大臣 放送法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 通信・放送分野の改革を推進するため、日本放送協会について、監査委員会の設置等、業務の適正な執行を確保するための内部組織の強化等の措置を講ずるほか、二以上の地上系一般放送事業者を子会社とする持ち株会社の制度を創設するとともに、無線局の開設に関するあっせん・仲裁手続の創設等、電波の有効利用を促進するための制度を設ける等の必要があります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、日本放送協会のガバナンスを強化するため、経営委員会について、監督権限の明確化、一部委員の常勤化、議決事項の見直し等を行うとともに、経営委員会の委員から構成される監査委員会の設置、外部監査の導入等を行うこととしております。
 また、我が国の対外情報発信力を強化するため、日本放送協会の国際放送の業務を外国人向けと在外邦人向けに分離し、それぞれに適合した番組準則を適用し、外国人向けの映像国際放送について番組制作等を新法人に委託する制度を設けることとしております。
 第二に、経営の効率化、資金調達等のメリットを有する持ち株会社によるグループ経営を経営の選択肢とするため、複数の地上放送事業者の子会社化を可能とするマスメディア集中排除原則の適用緩和や外資規制の直接適用等を内容とする認定放送持ち株会社制度を導入するとともに、相当数の有料放送契約を代理等する有料放送管理業務、いわゆるプラットフォーム業務の影響力が増大してきていることを踏まえ、受信者保護を図るため、その業務を行う者に、業務開始の事前届け出と業務運営の適正確保のための措置を講ずることを義務づけることとしております。
 第三に、虚偽の説明により事実でない事項を事実であると誤解させるような放送により、国民生活に悪影響を及ぼすおそれ等がある場合、総務大臣は、放送事業者に対し再発防止計画の提出を求めることができることとしております。本法律案において新たに設けることとされています再発防止計画の提出の求めに係る規定については、放送事業者が、虚偽の説明により事実でない事項を事実であると誤解させるような放送であって、国民経済または国民生活に悪影響を及ぼし、または及ぼすおそれがあるものを行ったことをみずから認めた場合のみを適用の対象とすることといたします。
 なお、今般の再発防止計画の提出の求めに係る規定の新設と時を同じゅうして、日本放送協会及び民間放送事業者が自主的にBPO、放送倫理・番組向上機構の機能強化による番組問題再発防止への取り組みを開始したことにかんがみ、BPOによる取り組みが機能していると認められる間は、再発防止計画の提出の求めに係る規定を適用しないことといたします。
 第四に、新しい無線通信サービス等の迅速かつ円滑な実現のため、電波利用の技術的な試験や需要調査のための無線局を開設できる制度を創設するとともに、無線局を開設する場合等に既存無線局との間で行う混信等の防止に関する協議を促進するためのあっせん及び仲裁の制度を創設することとしております。また、柔軟な電波利用の実現のため、無線局の免許人等以外の者に一定の条件のもとで無線局を運用させることができる制度を創設することとしております。
 第五に、電気通信事業の運営が適正かつ合理的でないため電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保に支障が生ずるおそれがあるときに、電気通信事業者に対する業務改善命令が行い得るよう、その要件を見直すこととしております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
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渡辺博道#3
○渡辺委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    —————————————
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渡辺博道#4
○渡辺委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会会長橋本元一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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渡辺博道#5
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局長松山隆英君、事務総局経済取引局取引部長鵜瀞恵子君、金融庁総務企画局審議官細溝清史君、総務省情報通信政策局長小笠原倫明君及び政策統括官中田睦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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渡辺博道#6
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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渡辺博道#7
○渡辺委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。葉梨康弘君。
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葉梨康弘#8
○葉梨委員 どうも御苦労さまです。
 この総務委員会では、私も前国会まで理事をやっておりましたが、久しぶりの質問ということになります。本日の質問では、今も趣旨説明の中にもございましたけれども、民間放送事業者に対する再発防止計画の提出の求め、この関係に大半の時間を使わせていただきたいというふうに思います。
 私、茨城の選出でございますけれども、この規定が入るというか、検討されるきっかけとなりました「あるある大事典」の報道を非常によく覚えております。といいますのは、茨城が納豆を一番消費する県だということなんです。私も納豆が大好きなんですけれども、翌日にはスーパーからばあんと納豆がなくなっちゃいました。ただ、まだ多少はよかったのは、これが捏造報道であるということが比較的早くわかったわけなので、もしも茨城県の業者の方々がラインを設備投資で増設するというようなことをやっていたら大変甚大な被害になったんじゃないかというふうに思います。もっとも、茨城県人の中には太った方もいるしやせた方もいるというのは我々も納豆を食べていてよくわかっているので、納豆がどこまでダイエットに効果があるのかというのはちょっと疑問ではあったんですけれども、そんなことを覚えております。
 そして、今大臣の提案理由の中にもございましたけれども、その後、この制度を検討するというようなことがアナウンスされまして、現在、お話のありました放送倫理・番組向上機構、BPO、これの機能強化策がとられたというふうに聞いておりますけれども、具体的にこの事件を契機としてとられたBPOによる機能強化の施策をまず最初に御教示願いたいと思います。
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小笠原倫明#9
○小笠原政府参考人 お答え申し上げます。
 放送倫理・番組向上機構、BPOにおきましては、本年五月、これまでの放送番組委員会を改組し、放送倫理検証委員会を設置したところでございます。これは、従来の放送番組委員会が放送番組等に関します有識者と放送事業者相互の協議の場であったのに対しまして、放送倫理検証委員会につきましては、虚偽の疑いのある番組が放送された場合に放送倫理上の問題があったか否かということにつきましての調査及び審理を行う機能も有することとしたものでございます。
 具体的に申しますと、虚偽の疑いがある番組が放送されたことによりまして視聴者に著しい誤解を与えた疑いがあると判断した場合には、放送倫理上の問題があったか否かの調査及び審理をする権限、それから、こうした調査及び審理に基づく勧告または見解を通知し、公表する、さらに、勧告または見解の一部として、放送事業者に対する再発防止計画の提出を要請する、さらに、再発防止計画及びその実施状況についての意見の通知及び公表をするといった権限を有するなど、大幅に機能強化が図られたものと認識しておるところでございます。
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葉梨康弘#10
○葉梨委員 今も御説明ありましたけれども、実は、これも私ごとになるんですけれども、この時期というか、この春、そのようなアナウンスが行われ、さらにBPOにおいてもいろいろな形での機能強化が検討されるという中で、放送事業者の中である一定の効果というのはあったのかなというのを実は私自身は個人的な経験から思いました。
 というのは、御紹介を申し上げますけれども、実は私自身も、きょうもちょっとテレビに映っているようですが、テレビ朝日の報道ステーションという番組がございます。参議院の憲法調査特別委員会において、当時、国民投票法案に関しての質疑に対して、私、提出者でしたので答弁をいたしました。ところが、テレビ朝日の報道ステーションの中では、四月の私の答弁とそれから五月の私の答弁が全く逆のことを言っているというような番組を放送されたんです。
 中身を簡単に申し上げますと、ありていに申し上げますと、要は、公務員の地位利用、教職者の地位利用の関係で、授業の中の意見表明であっても、国民投票運動、選挙運動みたいなものですけれども、これに当たるような行為であったらいかがなものかというふうなことを四月に申し上げた。五月には、国民投票運動、選挙運動みたいなものですけれども、それに当たらないような意見表明は全く問題ありませんというふうに申し上げた。ところが、前の発言の後段とそれから後の発言の前段をくっつけてビデオにされちゃったんです。ですから、いかがなものか、問題ありませんと、全然私は逆のことを、うそを言っているかのような印象で五月の九日に放送されたという経緯があるんです。
 翌日、五月の十日の深夜ですけれども、自民党として正式に抗議を申し上げました。そして、五月の十一日に、最後の締めくくりの質疑で、憲法調査特別委員会において、NHKの全国放送があったわけですけれども、そのときに私からもその経緯を答弁させていただいて、現在、放送法四条に言う訂正放送を求めていますということをテレビでも答弁をさせていただいたんです。
 ただ、私はテレビ朝日のことを非難して言っているわけじゃなくて、その後、対応は非常によかったんです。というか、テレビ朝日にしてはというふうに言われる方も与党の中にはいらっしゃるんですけれども、実は、その後、テレビ朝日の担当ディレクターともいろいろ話をしまして、五月の十四日には早速訂正の放送ということで訂正をしていただいたんです。法律上の訂正放送では多分ないと思いますけれども、明確に、私自身の答弁というのは四月も五月も一貫しておって、そのような報道の仕方というのは不適切であったと。つまり、十二、十三に土日がかかっていたというふうに思いますけれども、五月の九日の放送が五月の十四日にはそういう形で直ってきたわけです。
 ですから、その意味では、この時期、BPOの機能強化策がとられたということとの兼ね合いで、自民党の顧問弁護士の方ともお話をしていましたけれども、それなりにというか、相当といいますか、機能している面があるのかなというような印象を持ったことは事実なんです。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいと思いますが、今、提案理由の説明の中で、BPOによる対策が機能している場合には本制度を適用しないというような御説明があったわけですけれども、どのような場合にBPOというのは機能するというようなことを大臣としては考えられるのか。そして、適用しないということについて、その真意といいますか、菅大臣も同じようなことを提案理由の説明で申し上げられましたけれども、よりちょっと具体的にそこら辺のところを御説明いただきたいなというふうに思います。
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増田寛也#11
○増田国務大臣 先生にお答えを申し上げますが、今お話ございましたとおり、菅前大臣のときにも、このことにつきまして、運用について制限を行う旨を御答弁申し上げております。私もその考え方は引き継いで、そして今回も同様に運用していきたい、このように考えているところでございますが、少し御説明申し上げますと、放送事業者の方で虚偽の説明により事実でない事項を事実である、このように誤解させるような放送でありまして、そのことが国民経済やあるいは国民生活に悪影響を及ぼして、あるいは及ぼすおそれがあるものを行ったことを放送事業者がみずから認めた場合、その場合のみを適用の対象としたい、こんなことをまず考えております。
 それから、BPOによる取り組みが機能していると認められる間は、この改正法で規定してございます再発防止計画の提出の求めについての規定を適用しない、こういう運用を考えているわけでございます。これは、今先生の方からもお話がございましたとおり、自主的な運用ということになるわけでございますが、いろいろと放送事業者の方でこのことについて、新たにBPOの組織を改正して、そしてこうした捏造事案に対して対応をみずからとりたい、こういうふうに考えているわけでございますので、そうした取り組みの行為というものをよく見て、そして判断をしたい、こういうふうに考えているところでございます。
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葉梨康弘#12
○葉梨委員 そこら辺、大変大事なポイントだと思います。まさにこのBPOにおける機能強化というような取り組みがどのように行われているのかということは、我々国会としてもしっかり見ていかなければいけないだろうというふうに思うんです。それが、今までのいろいろな経緯の中でちょっと不十分な面もあるんじゃないかということから多分こういった改正案が提出されたんだろうというふうに私は感じているわけですが、ちょっと現行法の関係でお話を二点ほど伺いたいというふうに思うんです。
 改正案の五十三条の八の二、これについて前の菅大臣のときにも御説明あったかと思いますけれども、現行法では、放送法の違反に対しては電波法による免許の運用の停止、こういったものに直結してしまうという法制になっている。ですから、その意味で、その間をつなぐと言ったらちょっと語弊があるんでしょうけれども、そういったような感じで提案をされた面もあるということを前に伺ったことがございます。
 そこで、一点、現行法についての確認なんですけれども、私自身、特にこの電波法の七十六条の運用というのは極めて慎重でなければならないというふうに思います。これは当然のことです。また、現実にはなかなか起こり得ないケースであろうというふうに思いますけれども、少なくとも法律上は、例えば放送法の第三条の二に明らかに違反する行為があった場合に、電波法七十六条による免許の運用の停止は可能ということでよろしいのかというのが一点確認でございます。
 二点目でございますけれども、では、現行法ではどうなんだということでございますけれども、免許の運用の停止、これは多分電波監理審議会に問うということになると思いますが、その前には、必要な指導、行政指導といいますか、そういったものは全く行うことはできない、あるいはそういうことは想定していないということなのか。この二点について伺いたいと思います。
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増田寛也#13
○増田国務大臣 お答え申し上げます。
 まず一点目の関係でございますけれども、電波法の七十六条の第一項に基づいて、放送局の運用停止または制限が可能でございますので、これはもうきちんと適用できる、こういうことですね。自主的な、放送事業者の自律的対応を期待するところでございますが、そうした自律的な対応ができないような場合には、やはりきちんと電波法の七十六条一項の適用が可能だ、これはそういうことだと思います。
 ただ、あえてまた申し上げますと、今先生もまさにおっしゃったように、このような行政処分というのは大変重たい処分でございますので、このことによって国民生活に必要な情報の提供が行われなくなったり、それから表現の自由を制約するという側面もあるということから極めて大きな社会的影響をもたらす。したがって、そうした点ももろもろ考えながら慎重にこうした問題は判断してしかるべき、このように考えているところでございます。
 それから、それではこの免許の運用の停止前に何か行政指導のようなことをできるかどうかということでございます。
 これは、我々はこれまでも、放送事業者が放送法等に違反した場合には、その程度に応じて、場合によっては警告、これは一番強い措置でございますが、それから次に厳重注意または注意ということで、再発防止のための体制整備を求める行政指導を行ってまいりました。したがいまして、こうした行政指導というのは今後も我々は行っていく考えでございます。
 今三つ申し上げました、警告、厳重注意、注意ということを申し上げましたけれども、例の「あるある大事典」の場合には警告を行ったわけでございますが、この場合は、再発防止のための取り組みが十分でなくて、放送法違反の状態を再度生ずることとなった場合には法令に基づき厳正に対処するとして、再発防止のための自主的な取り組みを強く警告によって促した、こういうことでございます。
 総務省として、今後とも放送法等に違反した事業者がいた場合には必要に応じまして適切な指導を行っていく考えでございますが、まずやはり事業者の方の自主的な取り組みということを期待したい、このように考えてございます。
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葉梨康弘#14
○葉梨委員 私も、今回の改正案において、再発防止計画の提出を求めるということは非常に意義のあることだと思います。ただ、それに全部乗っかかってしまうというのも、やはり放送というものの性質からするといかがなものかというような感じも持っております。
 そこで、これはちょっと政府に伺うこともなかなかできないので、意見表明みたいな感じになってくるわけですけれども、やはり三つの場面というのが、電波法による免許の運用の停止、あるいは問題があった場合、放送法の三条の二違反があった場合、その間という意味では、今回の改正案ということだけじゃなくて、別に我々として考えていかなきゃいけない点というのは三つほどあるだろうというふうに思います。
 今一つ申し上げましたのが行政指導。これについては今大臣からもお話を承ったわけですけれども、二点目が最前来いろいろとお話を伺っておりますBPOですね。これについて、実は私の経験から申し上げますと、テレビ朝日にしても、あるいは「あるある大事典」にしても、何でそういったような問題が起こったのかというのを部内でもいろいろと検討したり、また、いろいろな方からもお話を聞いたことがあります。最近は、テレビ局の番組編集というのは子会社に委託するということが多いんですね。ですから、かつてと比べると、番組編集についてちょっとチェックが甘くなっているのではないかというような指摘もやはり一部にあるようでございます。
 ですから、そこら辺のところは民間の放送事業者の中でもしっかりともう一度、どんどん外注してしまいますから、対応に合わせて対応をとっていくということは必要でしょうし、また、BPOというのも独立性を持った形で運用していただくということも必要でしょう。ですから、そこのところは、本日は政府に対する質疑ですので、今後、BPOの関係についてもいろいろとお聞きしていくということも当然あり得ることかなというふうに思っています。
 そして、三点目なんですけれども、これはむしろ委員長にお願いすることかもわかりませんが、別に理事会で協議とかいうことではなくて結構なんですけれども、この国会の審議というのは非常に大事だというふうに思います。
 何でこういうことを申し上げるかといいますと、私自身の経験からいたしまして、憲法調査特別委員会で国民投票法の審議をいたしました。そして、実はこの国民投票法という法律は非常におもしろい法律で、選挙運動、公職選挙法についてはいろいろな形での意見広告というのは制限をされています。ただ、憲法改正の国民投票運動に関しては全く意見広告の制限というのはございません。放送についても、あるいは報道についても本当に自由という形になっています。放送法の三条の二だけを引いた形の法律になったわけなんですが、その中で、ではどういう形で公正さを担保していこうか、やはり民間の放送事業者の方々に、あるいはNHKも含めてでしょうけれども、しっかりと考えていただきましょうというようなことを国会でも議論いたしました。
 ただ、その中で、少なくとも国会においてこういった法律をつくる、あるいは憲法改正案の発議をする、検討をする、そしてさらには、今回でいいますとこの放送法の審議というのもあるという中で、国会において、では具体的にこの放送のあり方についてどうだということをそういった民放の方々、協会の方々とも一緒に議論をしていくという中でやはりいいルールというのをつくっていこうじゃないかというような話を憲法調査特別委員会の中でもさせていただいたりしたこともございます。ですから、その意味では、放送の倫理といいますか、その適正化というためには、我々、この国会というのは非常に重要であるというようなことを考えております。
 ですから、これについては政府に答弁を求めるということではございませんけれども、行政指導、BPOのあり方、それから国会のあり方、そういったものを総合的にやはり考えていくということが今後はぜひとも必要ではないかなというふうに思っている次第でございます。
 最後に一点だけちょっとお伺いをしたいんですけれども、これはもう政府参考人で結構でございますが、NHKのガバナンス強化というのも今回の改正案では非常に大きなポイントであるというふうに感じております。十四条で新しく、今まで議決を経なければならないというふうに言っていたものが決定という形で法律上改められました。ただ、今まで議決と言っていたものが決定ということになってしまって、だれか委員長さん一人が何か決めるんじゃないかというような懸念もあるやに聞くんですけれども、実際上は、経営委員会は委員会ですから、まさに合議体のものでございます。
 この改正案は、執行部に対する監督権限の強化などによるガバナンスの向上を図ったものと思料しますけれども、このような改正で、例えば決定ということになったとしても、合議体として議事を経て決定する存在である、このことについては全く変更はないというふうに私は感じますけれども、そのような解釈でよろしいかどうか。政府参考人から御答弁をお願いしたいと思います。
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小笠原倫明#15
○小笠原政府参考人 まず議決と決定という言葉でございますけれども、これは今回の法改正に際しましての法令用語上の整理といたしまして、議決を経るを決定に改めたものでございまして、意味に相違はございません。
 それから、現行制度におきまして経営委員会の権限というのは、先生も今お話しになりましたとおり、合議体としての経営委員会が行使することを前提に定められているものでございます。したがって、この権限を個々の委員が行使することはできないとされているところでございます。
 今回の法改正におきましても、こうした考えは何ら変更するものではございません。
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葉梨康弘#16
○葉梨委員 本日は個人的な経験も交えて御質問をさせていただきましたけれども、ぜひとも、この法改正も含めた総合的な観点から、この放送倫理の問題については今後ともこの委員会において考えていくべきであるということを御主張申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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渡辺博道#17
○渡辺委員長 次に、谷口和史君。
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谷口和史#18
○谷口(和)委員 公明党の谷口でございます。
 今、情報通信を取り巻く環境というのはテレビも含めていろいろなものがデジタル化をしており、また、ブロードバンドも十年ぐらい前に比べると本当に驚くほど広がってまいっております。そういう情報通信を取り巻く環境が大きく変わってきた。それから、ワンセグについても大半の携帯電話に、標準装備というまではいかないんですけれども、標準に近いぐらいの装備がされてきた。また一方で、NHKの不祥事も数多く起こってきた。
 そういう中で今回の放送法の改正というのが国会に提出されているわけでありますけれども、私も八月まで政務官として担当分野で放送法の改正案については取り組みをさせていただいておりました。四月に国会に提出されて、やっと審議ができるということで、感慨深い思いでいっぱいであるわけであります。
 まず最初に、冒頭で申し上げましたNHKの一連の不祥事を踏まえてのガバナンスの強化というところについてお伺いをしたいと思うんです。こういった不祥事を考えれば、ガバナンスの強化というのは当然でありますし、また絶対必要なものであるというふうに思うわけでありますけれども、一方で、言論報道機関であるNHK、この独立性、中立性をどう確保、担保していくかというのがやはり大きな問題だというふうに思っております。
 その点についての総務省の御見解を、まずお伺いしたいと思います。
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小笠原倫明#19
○小笠原政府参考人 お答え申し上げます。
 放送法は、先生もよく御承知のとおり、放送の自律のもとで表現の自由を確保するとともに、放送を公共の福祉に適合するといったように規律して、その健全な発達を図ることを目的としております。
 今回の法改正といいますのは、NHKのガバナンスの強化を主要な目的の一つとするものではもちろんございますけれども、放送番組編集の自由あるいは放送事業者の自主自律を基本とする現在の枠組みといったものを変更するものではございません。したがいまして、言論報道機関としてのNHKの独立性あるいは中立性といったものは引き続き確保されているものと承知しております。
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谷口和史#20
○谷口(和)委員 NHKの番組とか報道に外から何らかの影響力が及んでいるということがあるとすれば、また、これから起こるとすれば、やはり国民の皆さんのNHKに対する信頼をかえって失う結果になるというふうに思いますので、ここのところはしっかりと、中立性、独立性というのが確保されるようにお願いをしたいというふうに思います。
 その次に、この経営委員会のところに引き続いて、この改正案の中に、「放送の受信についての契約をしなければならない者の意見を聴取するものとする。」というふうにあります。
 契約者から直接意見を聞くということであるわけでありますけれども、これは政治家も同じでありますけれども、見ている人から直接話を聞く、意見を聞くというのは非常に大事なことであると思います。ここのところを具体的に、どういった方法でこの意見の聴取というのをしていくのか、お伺いしたいと思います。
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小笠原倫明#21
○小笠原政府参考人 お答え申し上げます。
 経営委員会といいますのは、受信料を財源として運営される協会の最高意思決定機関としての性格がございます。したがいまして、先生もお話しになりましたとおり、国民、受信者の意見に留意する必要があるということでございまして、適切にその把握に努めるよう意見聴取を行う旨規定を新設したところであります。
 具体的には、こうした方法、頻度、対象をどういうふうに選定するかということにつきましては、総務省令において定めることを考えておりますけれども、例えば、意見聴取の方法として、東京のみならず全国各地方で行うとか、あるいは意見聴取の頻度、これも今後検討することになりますけれども、例えば年何回とか、あるいは意見聴取の対象を公平に選定することとか、あるいはそういった場合の公開、意見聴取の結果を例えばインターネットで公開するとか、そういったような方法について、今後具体的な検討を進めていきたいと考えておるところでございます。
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谷口和史#22
○谷口(和)委員 ちょっと一点確認なんですけれども、こうした取り組みというのは、これまであったんでしょうか。ちょっとこれは通告していないですけれども、もしわかればで結構です。
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小笠原倫明#23
○小笠原政府参考人 協会として、受信者会議といった形で受信者の皆様の御意見を広く聴取するという機会は設けていると承知しております。
 ただ、経営委員会が直接受信者の御意見を伺うという機会は設けられていないやに承知しております。
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谷口和史#24
○谷口(和)委員 ありがとうございます。経営委員会が直接国民の皆さんから要望を聞いて、またしっかりとNHKの改革に役立てていくということは本当に大事なことでありますので、しっかりと、実質的な効果が上がるようにぜひお願いをしたいというふうに思います。
 それから、二番目の点として、ここはちょっと確認を二点ほどさせていただきたいというふうに思いますけれども、命令放送についてであります。
 今回、命令を要請する、要請放送と言っていいのかどうかわかりませんけれども、要請をすることができる。それで、協会は、総務大臣から要請があったときはこれに応じるよう努めるものとする、こういうふうにあるわけでありますけれども、NHKはこの要請を断るということはできるんでしょうか。
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小笠原倫明#25
○小笠原政府参考人 改正法案の規定は、今先生からお話があったとおりでございます。
 したがいまして、そういった、NHKが「これに応じるよう努める」とされている規定につきまして、NHKの努力の結果として、場合によってはその要請に応じないことも制度上はあり得るとされているところでございますが、ただ、私どもとして、NHKといいますのは、公共放送機関としての性格等にかんがみまして、実際上は、これまで同様に国の要請に応じることが引き続き期待されているというふうに考えておるところでございます。
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谷口和史#26
○谷口(和)委員 それで、もう一点確認したいのが、この命令放送の制度があることによって、たしか二〇〇六年度で大体二十二億円ぐらい国費が投入をされているわけでありますけれども、仮にこの命令放送の制度がなくなった場合には、この国費の投入というのはどういうふうになるんでしょうか。国費の投入というのはできなくなるというか、なくなってしまうんでしょうか。
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小笠原倫明#27
○小笠原政府参考人 現行の命令放送、それから今般の法改正によりまして新たに設けます、先生おっしゃいましたこの要請放送といいますのも、どちらも、国として必要な放送の実施を確保するための制度でございます。したがいまして、国費の投入も、その実施に要する費用を負担するものでございます。
 もし仮にこうした制度そのものがなくなった場合といいますと、その国費を投入する根拠というのも失われるということになります。したがいまして、私どもとしては、今後とも国として必要な要請を行うとともに、確実な実施に必要な国費投入を行う制度が必要だというふうに考えておるところでございます。
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谷口和史#28
○谷口(和)委員 わかりました。
 次、最後の点でありますけれども、先ほど冒頭からも質問がありましたが、次に、再発防止計画についてお伺いをしたいと思います。
 それで、ちょっと今回の法案とは直接は関係ありませんけれども、ここ数日というか、事件以来、テレビで、また新聞等でも報道されております香川県の坂出市の問題であります。きのうですか、産経新聞等でも報道されておりますけれども、テレビのワイドショーもしくは朝の番組等で、一部、あたかも父親が犯人かと思わせるような、断定はしておりませんけれども、そういうコメントがあったり、また、そういうものを恐らく見ていたんでしょう、ある若いアイドルがブログで、犯人は父親に違いないみたいなブログを書き込んだりして一年間活動を自粛することになったとか、さまざまテレビの報道をめぐっては、今もやはり問題が続いているなというふうに思っております。
 ちょっと今回の法案とは直接は関係はありませんけれども、再発防止計画に関する事項の中に、先ほども御質問ありましたが、「虚偽の説明により事実でない事項を事実であると誤解させるような放送であつて、」こうあります。この「事実でない事項を事実であると誤解させる」、これを一体だれが認定するのか、ここのところをお伺いしたいと思います。
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小笠原倫明#29
○小笠原政府参考人 先生も今いろいろ御指摘になったようないわゆる番組問題というのが発生した場合、総務大臣が放送事業者に報告を求めた場合、放送事業者は、まず、みずからそうした虚偽の説明による放送があったか否かというのを御判断されることになると思います。総務大臣としては、こうした放送事業者からの報告を踏まえて、つまり、いわゆる事実でないことというものの最終的な判断を総務大臣が行うことになるものでございます。
 ただ、今回の放送法改正案に盛り込まれます再発防止計画に係る規定といいますのは、その運用に当たって、放送事業者の自主性を最大限に尊重することが必要とされておりますので、したがいまして、先ほど大臣からの提案理由説明でも申し上げましたように、放送事業者が、そうした、虚偽の説明により事実でない事項を事実であると誤解させるような放送であって、国民経済または国民生活に悪影響を及ぼし、または及ぼすおそれがあるものを行ったことをみずから認めた場合のみを適用の対象とする旨の運用を行うこととする予定でございます。
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