海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会

2009-04-22 衆議院 全473発言

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会議録情報#0
平成二十一年四月二十二日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 深谷 隆司君
   理事 木村  勉君 理事 小池百合子君
   理事 後藤田正純君 理事 新藤 義孝君
   理事 中谷  元君 理事 長島 昭久君
   理事 鉢呂 吉雄君 理事 佐藤 茂樹君
      あかま二郎君    赤城 徳彦君
      秋葉 賢也君    新井 悦二君
      石原 宏高君    猪口 邦子君
      浮島 敏男君    江渡 聡徳君
      越智 隆雄君    大塚  拓君
      木原  稔君    北村 茂男君
      杉田 元司君    鈴木 馨祐君
      冨岡  勉君    中根 一幸君
      西本 勝子君    葉梨 康弘君
      萩原 誠司君    松浪健四郎君
      松本 洋平君    三原 朝彦君
      矢野 隆司君   吉田六左エ門君
      大島  敦君    川内 博史君
      田嶋  要君    高木 義明君
      武正 公一君    伴野  豊君
      平岡 秀夫君    松野 頼久君
      三谷 光男君    渡辺  周君
      石井 啓一君    冬柴 鐵三君
      赤嶺 政賢君    阿部 知子君
      保坂 展人君    下地 幹郎君
    …………………………………
   外務大臣         中曽根弘文君
   国土交通大臣       金子 一義君
   防衛大臣         浜田 靖一君
   法務副大臣        佐藤 剛男君
   外務副大臣        伊藤信太郎君
   国土交通副大臣      加納 時男君
   防衛副大臣        北村 誠吾君
   国土交通大臣政務官    岡田 直樹君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君
   会計検査院事務総局第一局長            鵜飼  誠君
   政府参考人
   (内閣官房総合海洋政策本部事務局長)       大庭 靖雄君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 甲斐 行夫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   河相 周夫君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長)            別所 浩郎君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    梅本 和義君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            鈴木 敏郎君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局アフリカ審議官)      秋元 義孝君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   鶴岡 公二君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 永長 正士君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   木下 康司君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  伊藤  茂君
   政府参考人
   (海上保安庁長官)    岩崎 貞二君
   政府参考人
   (防衛省防衛参事官)   岩井 良行君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  高見澤將林君
   政府参考人
   (防衛省運用企画局長)  徳地 秀士君
   衆議院調査局海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別調査室長           金澤 昭夫君
    —————————————
委員の異動
四月二十二日
 辞任         補欠選任
  杉田 元司君     浮島 敏男君
  中森ふくよ君     西本 勝子君
  橋本  岳君     猪口 邦子君
  伴野  豊君     高木 義明君
  阿部 知子君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  猪口 邦子君     萩原 誠司君
  浮島 敏男君     杉田 元司君
  西本 勝子君     中森ふくよ君
  高木 義明君     伴野  豊君
  保坂 展人君     阿部 知子君
同日
 辞任         補欠選任
  萩原 誠司君     橋本  岳君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案(内閣提出第六一号)
     ————◇—————
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深谷隆司#1
○深谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房総合海洋政策本部事務局長大庭靖雄君、法務省大臣官房審議官甲斐行夫君、外務省総合外交政策局長別所浩郎君、外務省北米局長梅本和義君、外務省中東アフリカ局アフリカ審議官秋元義孝君、外務省国際法局長鶴岡公二君、財務省大臣官房審議官永長正士君、財務省主計局次長木下康司君、国土交通省海事局長伊藤茂君、海上保安庁長官岩崎貞二君、防衛省防衛参事官岩井良行君、防衛省防衛政策局長高見澤將林君及び防衛省運用企画局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長鵜飼誠君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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深谷隆司#2
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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深谷隆司#3
○深谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高木義明君。
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高木義明#4
○高木(義)委員 民主党の高木義明でございます。おはようございます。
 当委員会におかれましては、連日真摯な御議論がなされております。心から敬意を表したいと思います。
 さて、私は、この審議に当たる前にまず申し上げたいことは、一つは、きょう今の時点でも、世界の海で、いわゆる物資輸送、旅客輸送あるいは遠洋漁業などで、しっかり志を持ちながら、国民のため、あるいはみずからの暮らしのために、あるいは地域のために懸命に仕事をされておられる方がおり、そして、これらに従事する方々の安全を何としても確保しなきゃならないということ、その上で、海賊の犯罪に毅然として対処できるような的確な法整備を早くすること、このことが私は大事だと思っております。
 その上で、以下質問をいたします。
 まず、私は、ある随筆をきょうは持ってまいりました。全日本海員組合の月刊誌であります「海員」という中、「ソマリア沖への自衛艦の派遣について」、かつて外航海運の船長もなされた方でございます、谷頭正仁さんという方でございます。
 私、ちょっと今から少し紹介をさせていただきますが、「この文は二〇〇九年二月六日に書いています。」中略「自分は六年程前まで、外航貨物船の船長をしていました。ソマリア沖アデン湾は二十四回以上、マラッカ海峡、シンガポール海峡は百回以上通ったと思います。幸いに海賊には遭いませんでしたが、実にいやなものです。」中略「今回の海上警備行動に関する国会での論議は二〇〇八年十月十七日、民主党の長島昭久さんの問題提起に対し、麻生太郎首相が前向き姿勢を示したのが最初と報告されています。その後、国会、政府内でこの事件の論議は進まず、十二月になって中国が軍艦を派遣することを表明、十二月二十六日に駆逐艦二隻、補給艦一隻をソマリア沖に向かわせ、韓国も派遣の用意をしていると伝えられ、政府は大あわてになったということではないでしょうか。」中略「ソマリア沖アデン湾の海賊は三年ほど前から顕在化しているのではないでしょうか。 これに対して日本政府は、関係諸国は、国連はどのような策を取って来たのでしょうか。」中略「平和な海、平和な地球を願って一筆しました。 事件の解決のためには広報と会話、議論が必要だと思います。」こういうふうに結んでおられました。
 そこで、私が指摘したいのは、御承知のとおり、我が国は一九九六年七月十二日に国連の海洋法条約に批准されました。これは、発効は一九九四年でありますが、百条以降の条文に海賊に対する事柄が触れられております。それに基づいて、海洋基本法、これは議員立法でありました。二〇〇七年七月二十日に施行されております。この基本法の三条、二十一条の規定には、海賊に対することが触れられております。その後、二〇〇八年、昨年ですが、三月の十八日に海洋基本法に基づく海洋基本計画の閣議決定がなされました。第二部には、海洋に関する施策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策を記載しております。
 なぜ今ごろになって海賊対策の新法かという率直な疑問を持たれておる方がたくさんおられます。例えば、日本の関係船舶でありました「高山」が海賊に遭遇したのは昨年の四月二十一日でありますから、ほぼ一年が経過をしておりますが、このことを見ても、我が国が国内法の整備をおくらせてきた、こういうことを私は率直に指摘せざるを得ない。
 先ほどの私が紹介をいたしました元船長さんの随筆に対して、担当大臣としていかに御所見をお持ちなのか、この点についてまずお聞きをしておきたいと思います。
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金子一義#5
○金子国務大臣 今の御質問は、国連海洋法条約を批准したにもかかわらず、海賊に対する法整備がなぜおくれてきたのかという御質問でございます。
 この国連海洋法条約で、海賊行為の抑止につきましては、それぞれ各国が国内法令の範囲内で、最大限に可能な範囲で協力義務を規定しておるということでありますので、各国ができる限りの協力を行うことを義務づけるという趣旨でありまして、海賊行為の具体的な取り締まりを条約上の義務として課したものではないと承知しておりますし、また政策的にも、我が国が国籍を問わず海賊行為を処罰し、抑制し、取り締まる現実的な必要性がなかったという経緯であります。
 ただ、政府部内では昨年の二月から、この国連海洋法条約に則しまして法案を海賊法案として整備しよう、罰則もそこで規定しようという検討チームを、法制のチームを立ち上げておりました。去年の八月ころから月を追うごとにこういう海賊事案というのがふえてきているということと、そしてまた、累次の国連安保理決議が出されたということで、この法制チームが法案を具体化した。その前にも、どういう形で海賊に具体的に対応するかということが議論されてきたわけでありまして、遅きに失したではないかという御批判は甘んじて受けなければいけないと思いますが、そういう事情で進められてきたものと承知しております。
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高木義明#6
○高木(義)委員 金子大臣は、国土交通大臣であるとともに海洋担当大臣ということであります。口々には、我が国は四面を海に囲まれた海洋国家だ、そういうことをよくあちこちで聞くわけですが、その意味でも、今、海洋大臣の位置づけというのは相当な重いものがある、私はそのように認識をいたしております。そういう意味では、これまでの取り組みについて、遅かったということについて、私はここで指摘をさせていただきたいと思っております。
 その上で、今回やむなく海上警備行動ということになって、今、自衛隊の艦船が二隻現地に赴いておるわけであります。自衛官の皆さん方あるいは海上保安官の皆様方の御労苦には改めて私は敬意を表するわけでありますが、この海上警備行動がどのような効果をもたらしておるのか、まずはその評価についてお伺いしておきたいと思っております。
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浜田靖一#7
○浜田国務大臣 これは、我々とすれば警護任務を主として考えてやっておるわけでございますので、今のところ我々の任務の内容については順調に経緯をしておるところでございまして、そしてまた、あの地域におけるいろいろなほかの艦船にも、未然にそういった海賊行為を防ぐという効果は出てきているものと思っておるところでありますし、また、これは船舶の皆さん方に対する安心感というものも効果があるものと思っておるところであります。
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高木義明#8
○高木(義)委員 海洋担当大臣としては、これについてどのように思われておりますか。
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金子一義#9
○金子国務大臣 浜田大臣が御答弁されましたように、今は海上警備行動ということで出ておりますが、現在の海上警備行動で補えない部分、外国船籍を対象とできない。アデン湾を通過する、世界で二万隻該当しますけれども、我が国の船舶の構造上、かなりの部分が外国船籍に物資の輸出入を頼ってきているということでありますので、外国船籍を対象にしていくということも大事なことであると思っておりますし、国連海洋法条約でも海外船籍も含めてということを規定しておりまして、それにのっとりまして、今度の新海賊法制ではこれを対象にする。
 あと、武器使用という点につきましても、今度の海賊対処法の中で、今の海上警備行動では使えない武器使用の部分について、危険を未然に防止するということから、海賊行為をもって接近をしてくるということを停止させる目的としての武器使用基準を新たに新法で書かせていただいた。
 第三点に、今度はこういう行動、警察行動でありますので、その警察行動、国内のいわば国家公務員の行為として、公務執行妨害等々の公務員の法案を適用すると同時に、その処罰に対して、国内法を適用するということを決めさせていただきました。それによりまして、役割が、今の海上警備行動から、航行の安全という意味でかなり大きく前進するものと期待をしているところであります。
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高木義明#10
○高木(義)委員 今大臣が申されたように、海上警備行動での不備を補うために新法を出した、これはこれで私は大事なことであろう、このように思っております。
 そこで、後でまた質問いたしますが、いわゆる海上保安庁の位置づけと、また、いわゆる国会の事前承認という話もございますが、その前に、もうこれまでも議論が出た、またこれからも続くんでしょうけれども、やはりこの海賊対策で触れておかなきゃならないものは、特にアデン湾・ソマリア沖については、当該国と周辺地域の安定がやはり基本です。そういう意味では、ソマリアの民生安定あるいは国の統治機構の確立ということが何よりも大事なことだろうと私は思っております。
 これまでも本会議、委員会を通じまして外務大臣がお答えをしておりますが、いまいち姿が見えぬ、ある意味では国際的な枠組みも含めて、これらの早期解決のために、特にソマリアの内政安定のための外交努力をすべきだと思っています。この点についてお伺いしておきたいと思います。
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中曽根弘文#11
○中曽根国務大臣 ソマリアの情勢については、もう委員は十分御承知かと思いますが、せっかくの機会でございますので、情勢の御説明も含めて答弁させていただきたいと思います。
 ソマリアの情勢は、今までは国際社会としてなかなか有効な手だてを講ずることができなかった、極めて複雑で困難な問題でございます。
 昨年の八月には、暫定連邦政府と、それからソマリア再解放連盟の穏健派、これはイスラムグループの穏健派でございますが、との間で、武力行使の停止等を含むジブチ合意が成立をいたしました。また、ことしになりまして、暫定連邦政府におきましては、新大統領それから新内閣が誕生いたしまして、新議会も誕生しつつある、そういう状況でございます。
 しかし、暫定連邦政府には、すべての勢力が参加しているわけではございません。そういうところから、このような動きがソマリア全体の和平につながるか否かは、今後の動向を慎重に見ていく必要があると思っております。
 ソマリアの民生安定が大事だと今委員がおっしゃいましたけれども、やはり、アデン湾・ソマリア沖海賊の根絶に向けましては、我が国といたしましては、周辺国の海上取り締まり能力の向上、それから地域間の協力、さらにはこの海賊行為による被害の増加の背景にあります不安定なソマリア情勢を安定化するという、そういう中期的、長期的な視点、そういう取り組みを一層進めていくことが大事だと思っております。
 ちなみに、人道支援を中心といたしましたソマリアにつきましての国連の統一アピールに対しまして、これは二〇〇九年分といたしまして、我が国を含む各国は、既に金額にいたしまして約二・七億ドルを拠出しております。また、我が国につきましても、人道支援それから治安向上等のための支援といたしまして、最近二年間で約六千七百万ドルを国際機関を通じて拠出しているところでございます。
 また、昨年のジブチ合意以降の肯定的な動きに対応しまして、国連の安保理や、それからソマリア情勢に関心を有する欧米、アラブ、アフリカ諸国等から成るグループが今後の和平進展への支援等につきまして今検討も行っておりまして、我が国といたしましても積極的に協力をしていく考えでございます。
 なお、ことしの三月、アフリカのボツワナにおきまして、私は、ソマリアの暫定連邦政府のワルサム計画・国際協力大臣と会談をいたしました。その際、先方、ワルサム大臣は、軍や警察の整備それから公務員の育成などの治安改善や、さらに、避難民の帰還の促進、元戦闘員の雇用機会の創出等、そういうような人道状況の改善が非常に大事である、そのための支援を国際社会に期待すると述べていたところでございますので、私からも先方に対しまして、ソマリア情勢の安定のために支援をしていくとの立場を伝達したところでございます。
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高木義明#12
○高木(義)委員 これからも、どうぞひとつ強く外交努力を行っていただきたいと思っております。
 さて、海賊新法の七条には「防衛大臣は、海賊行為に対処するため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において海賊行為に対処するため必要な行動をとることを命ずることができる。」とありますが、この「特別の必要がある場合」ということは、一体どういうことでしょうか。
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金子一義#13
○金子国務大臣 この海賊対処法案で規定をしております「特別の必要がある場合」とは、海上保安庁のみでは海賊行為に適切かつ効果的に対処することができない場合であります。
 本法案におきまして、防衛大臣は、海賊行為に対処するために、今申し上げました「特別の必要がある場合」には、閣議決定に基づく内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海賊対処行動をとることを命ずることを定めております。
 なお、防衛大臣は、内閣総理大臣の承認を受けようとするときは、関係行政機関の長、私の場合には海上保安庁の長官であります、海賊対処行動の必要性などを対処要項の中に明記することとしております。
 したがって、海上保安庁のみで海賊行為に適切かつ効果的に対処できない場合において、その必要性の判断は政府全体として適切に判断するものであります。
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高木義明#14
○高木(義)委員 だとするならば、海上保安庁が主体的に判断することを明確にするために、国土交通大臣が、海上保安庁のみでは海賊行為への対処が困難ということを、内閣総理大臣に実施計画等の要請をするという枠組みが必要ではありませんかと私は思うんです。
 まさに海賊行為の対処については、ずっとこれまで、海上保安庁が第一義的な役割を果たす、こういうことを何遍も言ってこられましたので、法律の中身にそれを具体的に書くことが私は欠かせない要件だと思っております。そういうことで、書く気持ちはありませんか、書き直す気持ちは。どうぞ。
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金子一義#15
○金子国務大臣 お考えの一つだと思います。この点についてさまざまな議論があることは承知をしております。
 ただ一方で、自衛隊法八十二条で、海警行動については防衛大臣の判断でできるという、他の関係の法令とのバランスあるいは規定というものも配慮して決めたものでありますし、同時に、今申し上げましたように、防衛大臣が内閣総理大臣の承認を得ようとするときには、特別の必要がある場合には閣議決定をするということで、国土交通大臣である私もこれに参加していく、あるいは協議をして、その上で内閣総理大臣の承認を得るというプロセスを経ておりますものですから、今度のこの法案をこういう形でお出しさせていただいている次第であります。
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高木義明#16
○高木(義)委員 いわゆる自衛隊法第八十二条の海上警備行動では、国会の関与はできない、また、法の不備もある。それを補うために新たな法律として今提案をされていると私は考えております。
 したがって、この点の主体性、海上保安庁が第一義という言葉を使うならば、その主体性を明確にする意味で、この点についてはぜひ見直しをいただきたい、私はこのように思っていますが、いかがでしょうか。
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加納時男#17
○加納副大臣 委員からは、第一義的というのを明示的に書くということの御意見をおっしゃったと思います。
 私は、現在の提案しております法律の中で、第一義的とは文字としては確かに書いてありませんけれども、明らかにそういう構成になっているというのは、第五条があるということでございます。
 第五条は、何といっても、「海賊行為への対処は、この法律、海上保安庁法その他の法令の定めるところにより、海上保安庁がこれに必要な措置を実施するものとする。」こうありまして、ここで言い切っております。ということは、これはまさに先生のおっしゃる第一義的ということの何よりのあかしだと思っております。
 ただし、そういう言葉を入れるようにした方がよりいいのではないかという御意見は真剣に承っておきたいと思いますけれども、今のでは書いていないと言われますと、そういう構成になっていて、それを受けた後で、第七条で、先ほど海洋政策担当大臣からお答え申し上げましたような叙述になっていて、関係行政機関の長と協議をする、これは防衛大臣ですけれども、それで対処要項をつくって、内閣総理大臣に提出し、閣議でこれを承認するという手続がありますから、そういうことで位置づけがされている。明らかに防衛大臣が単独でやるものではない。
 第一義的にというのが真っ先に書いてあるのは第五条であるということも補足させていただきたいと思っております。
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高木義明#18
○高木(義)委員 今の答弁ではとても納得はできませんが、時間も限られておりますから。
 そういうことも含めて、大臣、必要のあるときには自衛隊が出るという枠組みですが、自衛隊が海外に出るということは、やはり特別な縛りをかけること、これが内外の疑念を払拭することですよ。したがって、より国民の合意が得られやすくするためにも、この海賊行為は犯罪ですし、紛争や戦争ではないんですけれども、だからこそ、私は、国民の大多数の合意の中でこれが進められていくということが一番重要だと思っております。
 したがって、ぜひ、この法案に国会の事前承認ということを明記するべきだと思っております。この点についてお考えを伺います。
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金子一義#19
○金子国務大臣 委員が御指摘いただきましたように、この海賊行為というのはまさに犯罪行為でありまして、それへの対処というのは警察行動であります。そういう意味で、海上警備行動と同様に、国会の事前承認に関する規定は設けなかったものであります。
 御指摘のように、海賊対処行動では、自衛隊を的確な文民統制のもとで運用することが求められており、国会への説明責任は十分に果たす必要があることは言うまでもありません。
 そういう意味で、本法案では、内閣総理大臣が海賊対処行動を承認したときは、海賊対処行動の必要性、海上保安庁では対応できないということもここへ入ってきますけれども、区域、期間等々、部隊の行動を定めた対処要項の内容を遅滞なく国会に報告することとなっておりまして、国会に報告することによって国民に説明責任を果たしていきたいと思っております。
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高木義明#20
○高木(義)委員 海賊対策に当たっては、特に、海上自衛隊ありきじゃないかとか、あるいはなし崩し的に自衛隊を海外に派遣する、そういう疑念はありますよ。そうじゃない。やはりこの件についてはきっちり国会が関与する。閉会中審査でもできるんですよ。私は、国会承認をできないという理由がわからない。この点について、さらに再考を加えておきたいと思います。
 時間もございません。最後になりますが、やはり船で働く多くの方々、私が冒頭申し上げましたように、ただでさえ過酷な現場の仕事です。荒波の中で国民の経済のための物資や人を運ぶ、あるいは魚をとる、そういう仕事に対して、私たちは今後、若い我が国の船員さんの育成というのも大事な課題でございます。ましてや、海賊に遭って、そういう怖い海に、望んで仕事をする若者がいるでしょうか。
 やはり、それは国際社会の連携の中、あるいは我が国としても平和でそして安全な海をつくるという意味で、この法律が十分な機能を果たせるように、そして国民の合意が得られるような、そういうものにしていただきますように特にお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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深谷隆司#21
○深谷委員長 次に、下地幹郎君。
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下地幹郎#22
○下地委員 海上警備行動が発令されて、このアデン湾における海賊対策の法律が成立をしてという二つを想定してのお話なんですけれども、この海上警備行動においても、海上自衛隊と海上保安庁は共同で護衛の任務に当たるというふうなことは法律上できるのかできないのかということをまずお聞きしたいんです。
 昔の、五十二年の海上保安庁の長官の答弁だと、領海の警備について一般的に海上保安庁が責任を持っております、それから、特別に必要がある場合に自衛隊法の八十二条により自衛隊が海上警備行動ということを行いますと。海上保安庁の勢力に対して二つの場合が考えられますが、おおむね海上保安庁の能力をもって担当し得るというような場合には、自衛隊は支援後拠ということで行動するということがあります。特に海上保安庁の能力が不足するというときには、自衛隊は逐次後方から任務、行動を区分して行動することになっておりますと。また、海上保安庁と防衛庁の間で海上警備行動及び治安出動に関する協定が結ばれておりますというようなことを言っていますけれども、私が今申し上げた、海上警備行動の際、この法律が通った際に、海上保安庁と海上自衛隊は一緒に共同で活動することが法律上問題ないのかどうなのか、法制局にお願いをしたいと思います。
 まだ来ていないそうです。私の方が悪いんです、ちょっとあれが遅かったので。
 それで、このことは今の形からすると、間違いなく法律上は大丈夫じゃないかなというふうに私は思っているんですけれども。
 私たちが、海上保安庁の船がなかなかできないという三つの理由、日本から遠いということ、相手側の武器の問題があること、他の国が軍艦を出しているという、この三つについてちょっと質問させていただきたいんです。
 私たちが今週の月曜日に見てきた「しきしま」は、プルトニウムの輸送においては往復百十日間の遠洋航海を行う能力を持っていますし、平成四年の十一月から五年一月までは六十二日間にわたって無寄港で航行していましたり、三月ですね、遠洋航海で三十一日間タイやインドネシアを回るという、遠洋航海にたえ得るだけの能力がこの「しきしま」にはあるわけなんです。
 今回、アデン湾において、二週間余りで海上自衛隊の船が行っておりますけれども、それからさまざまな活動をしておりますが、海上保安庁がどうかじゃなくて、この「しきしま」という船は共同で対処できるような能力があるというふうに、遠距離であっても大丈夫だというふうに私たちは思っていますけれども、海上保安庁長官、どうですか、これは。
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岩崎貞二#23
○岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、「しきしま」という船は、遠洋航海にもたえられますし、一定のダメージコントロールにもたえられる船でございます。
 ただ、海上保安庁、「しきしま」という船一隻しかそういう仕組みではないものですから、これまで答弁させていただいていますとおり、安定的、継続的にこのオペレーションをするのは難しい、このように説明させていただいておるところでございます。
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下地幹郎#24
○下地委員 海上保安庁全部で対処しろとは言っていないですけれども。
 もう一回聞きます。この「しきしま」という船がアデン湾に行って護衛活動をすることは可能だというふうに思いますか。「しきしま」という船ですよ。海上保安庁全体じゃないですよ。
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岩崎貞二#25
○岩崎政府参考人 船の能力という意味では可能だと思いますけれども、ほかにも、ほかの国や軍隊がやっていること、それから海上保安庁だけではできないこと、こうしたことを勘案すると、繰り返しになりますけれども、安定的、継続的にやるのは難しい、このように判断したところでございます。
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下地幹郎#26
○下地委員 船の能力的には大丈夫だということですね。
 それで、その次に、海上保安庁ができない、「しきしま」ができないというのは、相手側の海賊の武器、装備が非常に高度なためにできないというふうなことを言っておりますけれども、平成十三年の九州南西海域での工作船の問題がありましたけれども、そのときに引き揚げられた工作船から、犯罪の供用の武器というのが、分析が行われているわけですね。発見された武器類は、自動小銃のほか携帯の地対空ミサイル、手りゅう弾に加えてロケットランチャー二丁も含まれておりました。こういうふうな装備がありますけれども、海賊が持っている装備と、北朝鮮の工作船が持っていたと言われる装備、この能力的には、海上保安庁長官はどう思いますか。
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岩崎貞二#27
○岩崎政府参考人 北朝鮮の不審船でございますけれども、ロケットランチャーを持っておりましたけれども、ロケットランチャー以上の、破壊力はロケットランチャーほどはありませんけれども、射程距離がより長い、一キロ、二キロの射程距離の武器も持っておりました。そういう意味では、北朝鮮の不審船の方が、今の海賊はロケットランチャーどまりでございますが、それ以外も多様な武器を積んでいたということは、北朝鮮の不審船はそういう武器を積んでおりました。
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下地幹郎#28
○下地委員 海上保安庁は、ロケットランチャーを持っている北朝鮮の不審船に対しては、射程外の適切なところから対処するというふうに言っていますよね。きょう、海上保安庁のこのメモを見ますと、新しくつくられた船からしますと、ロケットランチャーの有効射程距離は五百メートル、海上保安庁がつくられた船からすると、四十ミリ機関砲だとすると、このロケットランチャーの範囲外のところから攻撃をするというようなことが、もう明確に図式で書かれているわけなんですけれども、海賊対処を行う場合に自衛隊がどういうふうな対処をしますかということに関しても、運用局長は、射程外に適切な距離をとりながら対処することにしておりますというふうに言っておりまして、対処方法は、今の北朝鮮の対処方法と海賊に対する対処方法は全く一緒なんですよね、変わらない。
 遠くから、届かないところから対処していくというようなことをやっているわけですから、海賊の武器が高度だから派遣できない、「しきしま」では対応できないということは、これからしてもあり得ませんよね。
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岩崎貞二#29
○岩崎政府参考人 北朝鮮の不審船については、今先生御指摘のとおり、私ども、向こうの持っている武器の射程外から、私どもの持っております武器で攻撃することによって対処したいと思っております。
 自衛隊が海賊に対してどのようなオペレーションをされるかというのは、私ども十二分に承知しているわけじゃありませんが、基本的に、それは射程外で、できるだけ離れてやるというのは基本だろうと思いますけれども、ただ、海賊というのは、私どもの承知している限り、非常に見分けにくい、それから、近接して寄ってくる、こうしたことがありますので、そういうこともやはり考慮に入れてオペレーションをするべきものだ、このように考えております。
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