農林水産委員会

2010-09-07 参議院 全118発言

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会議録情報#0
平成二十二年九月七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                一川 保夫君
                岩本  司君
                山田 俊男君
    委 員
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                主濱  了君
                藤原 良信君
                舟山 康江君
                加治屋義人君
                中西 祐介君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                野村 哲郎君
                松下 新平君
                横山 信一君
                渡辺 孝男君
                柴田  巧君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   山田 正彦君
   副大臣
       農林水産副大臣  篠原  孝君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       舟山 康江君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○農林水産に関する調査
 (戸別所得補償制度に関する件)
 (過剰米・米価下落対策に関する件)
 (口蹄疫問題等に関する件)
 (北海道における畑作振興に関する件)
 (赤潮被害対策に関する件)
    ─────────────
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小川敏夫#1
○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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主濱了#2
○主濱了君 民主党・新緑風会の主濱了でございます。どうぞよろしくお願いします。
 今日は、山田大臣それから篠原副大臣、参議院の農林水産委員会へ初めての御出席ということでございます。舟山先生も、政務官も何回も出ていますね、ということで、是非ともよろしくお願いをいたします。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず、私は戸別所得補償制度について御質問をさせていただきたいと思います。
 今回の概算要求では七千九百五十九億円、これを要求していると、こういうことでございます。私は、近年の日本の農業、かなり元気をなくしていると、このように理解をしているところであります。この根拠としては、まず生産農業所得の低下、さらには販売農家数の激減、この辺に表れているというふうに思っているのであります。
 生産農業所得、これはもう皆様既に御承知のとおりでありますけれども、平成二年には四兆八千億ありました。で、平成十九年、これは三兆円、ここまで落ち込んでいると、こういう状況です。この結果と思っているわけですけれども、販売農家戸数が平成二年には三百万戸あったと。で、平成二十一年、最近の統計ですが、百七十万戸まで激減をしていると。これ四〇%以上減っているんですよ、この間にですね。これは大変な問題であると、このように思っております。
 このような中で、日本農業を元気にするために農業に所得補償制度を導入したと、こういうことでございます。日本の農政にとって不可欠な政策であると、このように思っております。限られた財源の中で今回優先的に約八千億、この概算をまとめられたということに対してまずは敬意を表したいと思います。
 それでは質問に入っていきますけれども、今、米の需要が低下する中で、まずは、低下している中なんだけれども農家の所得を補償しなければいけないと、こういう状況にあるわけでございます。
 ちょっと質問から離れますけれども、これまでにも本会議で、あるいは本委員会でもお話をしたことはあるんですが、地元の作家宮沢賢治についてちょっとだけお話をさせていただきたいと、このように思います。
 宮沢賢治は、昭和六年に、「雨ニモマケズ」と、こういう歌を発表をしております。この中を見ますと農業に関するものが様々入っておりますので、ちょっと御紹介を申し上げたいと思います。
 「ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ」と、こういうことで、農業は本当に自然に左右される産業であると、こういったようなことを歌っているところでございます。
 もう一つ、「一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ」と、こういうくだりがあるわけでございます。この一日玄米四合、これは実は、ちょっと計算しますと、一人当たり年間大体三俵ぐらい食べていると、こういう勘定になるかというふうに思っております。
 昭和六年、今申し上げましたように昭和六年には一人当たり三俵、そして統計上残っている一九六〇年、昭和三十五年には二俵、そして現在は五十八・五キログラム、一俵を切っていると、こういうふうになっております。この八十年間で日本人の米を食べる量、これが三分の一になっていると、こういう事態、これをまず私は認識をしなければいけないと、このように思っております。こういうことから、主食米については需要に合わせた生産数量目標、これが不可欠であろうと、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、田んぼにおきましては、主食米から、要するに転作ですね、新規需要米であるとか麦、大豆であるとか、そちらの方にスムーズに移行することが必要であろうと、こういうふうに思っております。
 質問に入りますけれども、転作を容易にするためには、この新規需要米について、集荷から最終実需者までの流通経路が構築されていることが大切であると、このように思っております。流通経路構築の状況、実際に作ったものがうまく流通経路に乗るかどうか、その辺の構築はどうなっているのか、あるいは関係団体として挙げられるのが全農、全農なんかとの関係はどのようになっているのか、まずはお伺いをいたしたいと思います。
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篠原孝#3
○副大臣(篠原孝君) 初めてお答えさせていただきます。
 新規需要米の推進につきましては、生産農家、農協等の農業団体、それから集荷業者、流通業者、それから製造加工業者、畜産農家、この皆さん方の、皆連携していただいてそしてやっていかないと、生産、消費、流通、うまく動いていかないんじゃないかと思っております。
 こうしたことから、我々も一生懸命この点については役所としてもサポートをしております。生産者団体、それから農業者、加工業者を結び付けるために、例えば岩手県でいいますと原体ファームというのがあると、法人でですね。それで米粉米を使っていると。そこで需要がありますよということで、水田協議会等に、ここが十二万トン、それから同じように岩手県の例でいいますとフリーデンという畜産業者が三百トンの飼料米使いますよ、それから岩手ファームが四百万トンですよとペーパーを作りまして配付したりして、マッチング、言ってみればお見合いですけれども、そういったことをして、そしてうまく生産、流通、消費、結び付けてくださいというようなことでやっております。
 それから、これは皆さんいろんなところで目にされていると思いますけれども、消費拡大等にも取り組んでおりまして、米粉倶楽部というので、皆さん知っておられるテリー伊藤さん、趣味の人と趣味じゃない人もいろいろおられるかもしれませんが、これはみんな知っている石川遼さん、米粉倶楽部というので米粉パンですよと、米粉を使ってくださいよというポスターを作りまして消費も喚起しております。
 それから、そのほかに飼料米を使って、飼料米で育った鶏が産んだ卵ですよというようなことも表示して消費者の理解を得るようにしております。
 新規需要米、一生懸命取り組んでおりますけれども、なかなかそう簡単に需要は拡大していかないと思いますけれども、生産の方がもう先に走っておりますので、これをうまくマッチングしてうまく動いていくようにしたいと思っております。
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主濱了#4
○主濱了君 ありがとうございます。
 私どもは、主食米、先ほど申し上げましたように主食米の消費が減少しているわけですから、それに合わせてやはり今後は控えるべきであろうと、こういうふうに思っておりまして、その転作先、その作物がうまく流通するかどうか、これが一つのポイントであるというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それからもう一つ、同じく関連いたしまして、これは事故米のときも問題になったわけですけれども、カントリーエレベーター、あるいはライスセンターにおけるコンタミネーション、コンタミですね、混交、いろいろ混ざってしまうこと、これ意識的にやる場合もあるでしょうし、それから無意識のうちに間違ってやる場合もあるでしょうけれども、この混交について、これも大変な問題だと思います。主食米と例えば加工用米が一緒になってしまった、こういうことはあってはならないことだというふうに、こう思っております。
 今回は卸業者だけではなくて、生産段階から全部チェックしなくちゃいけないと、このように思うわけですが、この点の対応はいかがお考えになっていますでしょうか。
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篠原孝#5
○副大臣(篠原孝君) 新規需要米、十アール当たり八万円の援助をして作っていただいているわけですが、これが主食用米として横流れした場合はまた過剰になってしまうという大問題が発生します。それは主濱委員御指摘のとおりでございます。
 新規需要米の用途外の使用の禁止につきましては、既に食糧法を改正いたしまして、この四月一日からきちんとしたルールが施行されております。
 そこで、どういうふうなことをしているかといいますと、今乾燥施設とかいうのがありましたけれども、まず倉庫ですね、保管。保管のときに混同してしまうので、そこはきちんと、そうならないようにきちんと分けて保管するようにと。それから、販売する際には、飼料米には丸で飼料米と、それから米粉米の場合は粉と書いて、そういったように包装に用途を示して表示するとかいうこと。それから、何人もの業者を経ていくと途中で事故米、汚染米が主食用に変わってしまうと、このおそれがありますのでそれはやめて、直接販売するようにということ。それから、定められた用途に確実に使われるようにというので、契約で措置をするようなことを義務付けております。
 それで、これをちゃんと守らせるために、我々はちゃんと立入検査をまずすることにしております。それから、ルール違反があった場合には、まず勧告、命令を実施いたします。それから、命令違反があった場合には罰則、結構厳しいんで、一年の懲役か百万円以下の罰金、この罰則を適用することにより横流れを防止してまいりたいと思っております。
 これらのことにつきましては、もう今モデル事業も進んでいるわけでございますけれども、生産者や生産者団体に対しまして、地方農政局あるいは地方の事務所を通じましてこのことについて趣旨を徹底しているところでございます。それから、更に加えて、今年十月からは米トレサ法が施行されまして、新規需要米も含めて米穀等の譲渡を受けた場合は記録をちゃんと義務付けられることになっております。これらのこと、いろんなことを勘案しますと、横流れ防止、万全な措置を今のところは講じておるんではないかと思います。
 きちんとルールはできているわけですが、これからが、実施がちゃんとできるかどうかということで、今年一年頑張ってやってまいりたいと思っております。
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主濱了#6
○主濱了君 一点だけ追加質問させていただきたいんですが、様々なやることは決まっていると、問題はそれをどう実施するか、だれがどのように実施するか、今決まっている範囲で構いませんですが、だれがどのようにそれを実行し、コンタミが起こらないようにやっていくのか、その点についてもし決まっていることがあったらば教えていただきたいと思います。
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篠原孝#7
○副大臣(篠原孝君) 今のところは、何回も説明会、この農業者戸別所得補償について説明会を開いております。ですから、まずは農政局、地方農政事務所の関係者、これがこの仕組み、よく承知しておると思います。それから、百三十二万戸の農家の皆さんに参加していただきました。そのときにこのことがきちんと伝わっているはずであります。初めてのことなんで、どのように動いているかというのは本当のところよく分からないわけですけれども、ですけれども、もうこの問題につきましては、事故米というのは悪い、悪いというか、悪い例としてありますんで、そういうことがないようにということで、皆さん非常に気に掛けていただいているんではないかと私は思います。
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山田正彦#8
○国務大臣(山田正彦君) 私から補足させていただきます。
 昨日、各都道府県の農政部長さん、農水省の講堂に集まっていただきました。それから、各農政局の食糧部長さんにも来ていただいて、コンタミの問題と横流し防止、例えば、もう一つ、あるいは今回戸別所得補償をやるから、農家から安くその分、米を買う、これは独占禁止法の優越的地位による取引の違反に当たると、そういったものの摘発も含めて、昨日一日徹底して議論させていただきました。
 殊に先ほどのコンタミ防止については、いわゆる倉庫に入れるときの清掃もですが、乾燥するときの清掃等も、機械等についてしっかり清掃するような指導マニュアルもできております。
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主濱了#9
○主濱了君 よろしくお願いしたいと思います。もうそこがポイントだと思いますので、今まで苦い経験もされていますので、是非ともよろしくお願いをいたしたいと思います。
 次に、価格変動補てん交付金、一千三百九十一億円、あっ、これは計上ではなくて二十四年度要求するというものですね。ここのところについてお伺いをいたしたいと思います。
 この価格変動補てん交付金につきましては、この二十三年産米の販売価格と過去三年平均の販売価格との差額を二十四年度に補てんをしようと、こういったようなものというふうに理解をしております。具体的に、この予算額一千三百九十一億円、この予算額では、平均価格と当該年度の二十三年度産米の価格、どの程度まで補てんできるのか。差額の補てんは一俵当たりどの程度までカバー可能なのか、これをまず伺いたいと思います。
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山田正彦#10
○国務大臣(山田正彦君) 六十キロ当たり千二百円まで可能です。
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主濱了#11
○主濱了君 そこで、続けてお伺いしたいんですが、この想定した予算の枠をオーバーした場合ですね、想定した予算の枠、今一俵当たり一千二百円と、こう聞きましたけれども、その想定した枠をオーバーした場合に果たしてどうなるのか。足切りになっちゃうのか、あるいは財源を寄せ集めてきちっと対応されるのかどうか。この辺につきまして、今年度、平成二十二年度につきましてはモデル事業の中で変動部分というのがあります。同じ考え方だろうというふうに、こう思いますので、ここのところを併せて、二十三年度といいますか二十四年度の対応と、それから今年度の対応を併せてお伺いをいたします。
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山田正彦#12
○国務大臣(山田正彦君) 戸別所得補償の対象になるのは二十二年産米、今年のモデル事業の対象になるのは、今年の、今、出来秋からの米になってまいります。その米については、六十キロ、過去相対取引で一番安かったときが一万四千二十六円なんですが、それをかなり下がっても十分補てんできる金額だと、そう考えております。
 今年、このままでいきますと作柄は平年作だと考えておりまして、今年十分に補てんできると考えているところです。今年、どういうことになるかはこれからの作柄が、早場米じゃない、遅場米の作柄は平年並み若しくはやや不良となっておりますし、これから先それをしっかり見ていかなきゃなりませんが、十分できると考えております。
 今年の二十二年産米の支払は、来年の三月、四月までの価格を見て、五月、六月に変動分の支払はする予定です。で、来年の、再来年のになるのか──そうだね、ちょっと一年、今年の、はい、三月までに払うことになると思いますが、予算の要求については、次の年度の分は今年度の、二十三年度の予算の要求ではなく二十四年度の予算で、やはり千三百九十何億でしたか、九十一億円、させていただきたいと思っているところです。
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主濱了#13
○主濱了君 大変恐縮ですが、ちょっと通告なしで質問をさせていただきたいなというふうに、こう思います。
 話が若干今のところから飛ぶわけですけれども、結局、過剰米対策は取らない、過剰米対策は取らなくても農家の所得対策は十分だと、こういうふうなことで今伺ったわけですが、この点につきましてもうちょっと詳しく御説明をいただければいいなというふうに思います。
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山田正彦#14
○国務大臣(山田正彦君) 過剰米対策は取らない。何となればというと、生産費の補償を農家に直接支払するわけですから、仮に過剰米が生じたとしても、その生産者は、米を作った十アール当たり何俵ちょっと余分に仮に取れたとしても、その分の生産費は補てんされますし、余分なものはその人にとってはそれだけ、何に、売るにしろメリットになっていくわけですから、生産者にとっては過剰米が生じても一切困らないと考えております。
 逆にここで過剰米について政府が買い入れたりしますと、戸別所得補償に入っていない人たちにしてみても米価がそれだけ上がって利益を得ることになったり、何とか早く一生懸命売った人たちと売れ残った人たち、売れ残った人たちの利益を取ったり、もう一つは、生産者に対して直接、米作りを安心してこれからもできるように支払っていきますよと、生産費だけの岩盤部分は補償しますよと言いながら、更に過剰米にお金を掛けるというのは、税金を使うというのは国民の理解が得られるかどうか、そう考えますと過剰米対策はこれ以上取れないと、そうはっきり申し上げておきます。
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小川敏夫#15
○委員長(小川敏夫君) もう時間ですから、主濱君。
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主濱了#16
○主濱了君 終わります。
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山田俊男#17
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
 八月四日の日に予算委員会で山田大臣とは質疑をさせていただきました。しかし、それ以降もう一か月たつわけで、作物は育つわけでありまして、とりわけ米はもう既に収穫しているところもあります。全国の生産者は本当に米価水準がこの過剰下の中でどんなふうに推移するのか大変心配しているわけであります。
 今、主濱委員の質問に対しまして大臣は、過剰対策は何としても取れないというふうにおっしゃったわけでありますけれども、私は到底納得がいかないし、全国の生産者もそれには納得がいかないという怒りの声が出てこようかというふうに思います。本日は、大臣、率直に意見交換をさせていただきたい、こんなふうにお願いします。
 また、本当に久しぶりに委員会にこうして出てまいりますと、これだけ全体として委員がそろいますと、それこそ数の力というのは物すごくでかいなというふうに思うわけでありまして、大臣、今後ともこの農林水産委員会で大事なことを質疑して審議していくわけですから、是非精力的な審議をお願いしたいというふうに思います。
 いずれにしても、今回、閉会中審査をこの時期にちゃんとやれたということについては、民主党の一川筆頭理事それから委員長に対しまして御礼を申し上げるところであります。
 さて、大臣は八月四日の予算委員会のときに、そもそも昨年の在庫がもう多かったんだと、五十一万トン多かったんだということで、いかにも前政権のときの責任と言われかねないような言い方をされていたわけであります。
 確かに一昨年来、御案内のとおり穀物の価格が高騰して、麦も高騰しました。ですから、その分だけ米の需要が増えたものですから、そういう面でもっと米の需要は増えるという見通しもあって少し甘めの生産数量目標を設定してきた経緯があるんじゃないかということは、私もそう思います。
 ところが、大臣、前政権の結果だというふうにおっしゃったように聞こえたわけでありますけれども、昨年の十一月に決められました、大臣が副大臣のときにお決めになりました生産数量目標、二十二年の生産数量目標も実は甘かったというふうに言わざるを得ないわけであります。
 この点についての、大臣、事実と認識はいかがですか、お聞きします。
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山田正彦#18
○国務大臣(山田正彦君) 私が副大臣のときに決めた今年の二十二年産の生産数量目標については、当時、私の記憶では、需要と供給との過去の指数というか、それをトレンドしていったグラフの、それのそのまま落ち着く先で、ここで、じゃ、今年この数量に決めようという形で八百何万トンだったか、そういう形で決めさせていただいたという経緯がありまして、殊更に、例えば米の場合には作柄が九〇になったり一〇〇になったりしますので、意図的に、在庫量がすごく多いから、本当は昨年の私が副大臣のときに生産数量目標をもっと下げればよかったじゃないかという山田委員の趣旨かもしれませんけれども、在庫量そのものもずっと見ていきますと、全体の量としては二百万トン前後から最近では百八十万トン前後とか大体その辺の推移で、在庫量から見ても二十二年産の生産数量目標はそんなに多かったり少なかったりしなかったんじゃないかと、そう思っておりますが。
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山田俊男#19
○山田俊男君 大臣、大臣は、一昨年の在庫に比べて昨年の在庫がもう既に五十一万トン多かったんだというふうにちゃんとおっしゃっているんです。だから、在庫は一昨年、昨年、持ち越してきているんですよ、多めに。その上で生産数量目標を昨年決めるわけですから、当然そういうこともひっくるめて、そして需要見通しに沿ったしっかりした生産数量目標を決定していくべきじゃないですか。
 ところで、二十二年産の今の全体としての需要の動向を見てみますと、生産数量目標八百十三万トンに対して需要はそれよりもおよそ八万トンぐらい減るという見通しにならざるを得ないんです。もはやそこで八万トンの在庫が出ているわけじゃないですか。
 さらに、二十一年産米については、二十年産米の在庫が残っていたということもあって、二十一年産米については三十五万トンほどこのままでいくと十月末には売れ残るんではないかと、こういう見通しであります。
 大臣は先ほど、今年の作柄についてはほぼ平年作だというふうにおっしゃっておられる。まだ分かりません。言うところによれば、一ポイント、二ポイント上がるんじゃないかと。一ポイント、二ポイント上がったって、八万トンないしは十六万トンの出回りが出てくるんですよ。トータルで見てみたら、それこそ五十万トンほど出回りが多くなる、需要に対しても、在庫に対しても。こうなりますと、必ず米価は下がっていくことになるわけです。
 一体、大臣、改めて聞きますけど、この過剰だ、過剰在庫だという認識が大臣の中にはあるのかどうかと、それを聞きたいと思います。
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山田正彦#20
○国務大臣(山田正彦君) 過剰在庫であるかどうかというか、過去のをずっと見ていますと、大体まあ六月の統計でいくと百八十万から二百万トンを超える在庫が普通ですから、そういう意味でどこを過剰と言うのか。僕は五十万トンというのを過剰だと言ったわけじゃないんで、今年の六万トンが、去年に比べれば今年の六万トンが過剰とは言えないんじゃないかと答弁したつもりだったんですが、五十万トンそのものを過剰だと言ったつもりじゃなかったんです。
 いずれにしても、山田委員が、今年は在庫が三十五万トンぐらいあるじゃないか、これをどうしてくれるんだと、さらに豊作になったらもっと増えるじゃないかと。じゃ前の前の年、じゃその前の年というふうになっていきますと、やはりその都度いろんな過剰とか、過剰と言えるかどうか分かりませんが、それなりの在庫の推移はあるものだと思っておりまして、その中で当然、今回もいろんな意味で、最終的な作柄は見てみなきゃいけませんが、価格等にもやはり反映していくものではないかとは思っております。
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山田俊男#21
○山田俊男君 大臣、確かに在庫は変動するんですよ、間違いなく、大臣おっしゃるように。そして、過剰の場合もあれば、それから不足の場合もあるという事実の繰り返しであります。その過剰在庫を、苦労して苦労しながら、様々な手だてを講じながら解消する努力を、それこそ、国の努力もありますが、生産者自らの努力も、さらに集荷団体、販売団体の努力も含めてその対策を取ってきているんじゃないんですか。大臣は今度は一切やらないと一等最初からそれを明言されているから、これは大変なことになりますよと、大臣、こう私は申し上げているんです。
 大臣、大臣は、八月四日の予算委員会のときもそうでした。だって、大臣、あのときは戸別所得補償にこうして取り組んだと、そして、ちゃんと生産数量目標の達成に取り組めばメリットがあると、そのためにその制度へ加入する者が増えてきている、こうおっしゃっている。私も否定しません。確かに、今度の戸別所得補償の取組の中で多くの加入があった。農業者並びに農業団体の大変な努力も、私は、大臣、あったと思うんです。ちゃんと認めてもらわなきゃいかぬのですが、あったんです。その取組の中で進んできた。
 ところが、進んだんだけれど、大臣、まだ四万ヘクタール程度過剰作付けがあるというふうに言われている。それ、トータルで計算してみると二十万トンですよ。その米が表へ出てくるんだから、どうします、大臣。これはどんなふうにお考えになります。
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山田正彦#22
○国務大臣(山田正彦君) それは昨年も同じことでして、昨年は五万ヘクタール過剰作付けがあったんです。今年は一万ヘクタール過剰作付けだけでも少なくなっていますから、五万トンは市場に出回る量が去年より減っているということなんです、これは。それだけ、二十二年産は五万トン分は需給が締まるということなんです。実際に作柄を見てみなきゃどうなっていくか分かりませんよ、それはね。
 確かに、今回、戸別所得補償はペナルティーを廃止したのに百三十二万戸入っていただけたのは、農業団体の皆さん方が一生懸命やってくれたおかげ、いろんな方々がやってくれたおかげ、そして、今までもいろんな集荷団体、農業団体等が米価の安定について非常に努力されてきたということも私もよく承知しております、それは。
 ところが、我々、政権交代して、今回はその生産者に対して直接支払をする、生産者の生産費の岩盤部分をこれから十年も二十年、安心して米作りができるように、いわゆるきちんと所得補償していきますよと、その代わり生産数量目標に従って作ってくださいという政策ですから、戸別所得補償制度ですから、それを是非御理解いただいて、価格の変動がどうなっていくかはそのときの作柄でやむを得ないものだと、そう考えております。
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山田俊男#23
○山田俊男君 大臣、それじゃお聞きしますけれども、大臣、戸別所得補償を一生懸命やりましょう。一生懸命にやって、そして、それじゃこの四万ヘクタールの過剰作付け、今後とも、来年解消できますか、再来年解消できますか、三年後に解消できますか。大臣、現実を見てくださいよ。
 近くにいて、そして小規模の農家で、大変水の多い湿田地帯でやっぱり米どうしても作りたいということだったら米作る、制度に加わらないで米作ることは大いにあり得るわけでしょう。大いにあり得るんですよ。しかし、一方で、ちゃんと制度に乗っかって取り組もうという多くの、圧倒的多くの農業者の努力はあるんです。どうしてもやはり過剰作付けは出てきます。
 とすると、この過剰作付け部分について手を打たない限り、毎年過剰になって出てくるんですよ。その事実を、大臣、ちゃんと認めなきゃ駄目なんです。
 ところで、大臣、昨年の十二月に、私は総理に対しまして質問主意書をやりました。そして、過剰米対策について質問をしたんです、資料を出しています。そのときの質問主意書の答弁は、「過剰米が生じた場合には、その販売分は、当該販売農家の利益となるものであり、当該販売農家において、様々な用途に適切に販売を行うことが重要であると考えている。」、大臣、こういう答弁書でありました。総理が答弁したといったって、大臣がお書きになったか農林水産省のだれかが書いた、閣議で決定していただいた内容のものであります。
 ところで、こうなってくると、過剰になって出てきたのはどうぞ自由に売ってくださいという話でしょう、そうでしょう。そうしたときに、生産数量目標に従って努力しているにもかかわらず上回る部分があってその部分が世の中に出てくる、米価下がるのは当たり前じゃないですか。この事実をどんなふうに受け止められますか。
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山田正彦#24
○国務大臣(山田正彦君) 今までは五万ヘクタールもそういう過剰米があったんです、自民党政権下において。それで、二十五万トンそういう米が出ていたんです。ところが、今回はそれが、ペナルティーを廃止したにかかわらず一万ヘクタール減って五万トン減ったんです。今年、戸別所得補償に入った方がメリットだと、あるいは水田においては、麦、大豆を作れないところは米粉とか飼料米を作った方がメリットだと、そう思ったときに、私は、今年の価格は仮に下がったとしたら、やはり戸別所得補償に入らざるを得ないという過剰米農家が格段に増える可能性は出てくると。あるいは、今でも既にそういうお話も聞いているところはありますが、来年は戸別所得補償に入ってくれる農家も今の過剰米の中で出てくるんではなかろうか。
 それともう一つ、今回この戸別所得補償制度で集落は千五百ぐらい増えました。いわゆる四十戸ぐらいの集落、まあ三反とか、三十アールとか四十アールとかわずかな田んぼしか作っていないところも、みんなで集落でやれば、いわゆる販売農家として十アールを引けばいいですよということは効果を奏したと思うんですが、そういった意味で、小さな農家も集落営農としてどんどんこの戸別所得補償制度に参加していただけるんじゃないか。そうなっていけば、ペナルティーを課していったり特別に税金を使って過剰米対策をやらなくても、戸別所得補償制度の中でともあれ生産者に直接支払をし、生産費をちゃんと補償することによって米の需給制度の安定は保たれていくであろうと、そう考えているところです。
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山田俊男#25
○山田俊男君 大臣、やっぱり大臣はきれいに考え過ぎておられるんだよ。もっとやっぱりこの現実をちゃんと見てもらわなきゃいかぬと思うんです。
 現に、大臣、二十一年産米は千円下がっているんです、当初の価格に比べて一年間で、六十キロ。かつ、二十二年産米の価格の交渉がもう始まって、現に値段も決まっています。その際どんな議論がなされているかといったら、下がった分は補てんされる仕組みに戸別所得補償でなっているだろうと、だったら下がったっていいじゃないか、補てんされるからと。こういう議論のやり取りで価格の水準が、千円、千五百円、場合によったら二千円、六十キロ当たり、そういう形での価格の引下げが進んでいるんじゃないんですか。この事実をちゃんと見てみなきゃいかぬ。
 大臣、補てんされればいいじゃないかという、補てんされればいいじゃないかといったって、それで財源は用意してありますよといったってだ、全国の生産者からとってみると、補てんすると言ってきたって、こんな形で下がって補てんして、元気出ないぞと。補てんしてもらったって、その後の財源はちゃんと準備できる話なのか。だって、そうですよ。世間中、財源問題がある、財源問題がある、財政再建だとおっしゃっているわけじゃないですか。その中で、この仕組みは本当に安定した仕組みとしていけるのかという、みんな疑問と不安を持っているんです。
 ここにね、大臣、ちゃんと事実を見てどんな手があるかということを考えない限り駄目なんだよ。是非、その件についての見解を聞きたい。私は、ここ、差額補てんの仕組みを少なくともどんな形でか検討し直さない限り、ないしは徹底して検証しない限り、私は戸別所得補償は破綻すると思うんだよ。
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山田正彦#26
○国務大臣(山田正彦君) 山田委員が心配していることはよく分かります。
 一つもう一回山田委員にお聞きしておきたいんですが、戸別所得補償があるからそれだけ下げろと。現に、実際に、山田委員、そういう取引の現場であるのは間違いないんですか。
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山田俊男#27
○山田俊男君 あのね、大臣ね、あのね……
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山田正彦#28
○国務大臣(山田正彦君) 具体的にお話しいただけますか。
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山田俊男#29
○山田俊男君 はい、いいですよ。具体的にといったって、あの農協だ、この農協でこの生産者と言うわけにはいきません。いきませんが、現に千円、千五百円引きが前提になって、そして価格交渉が始まっているというふうに具体的な声がちゃんと伝わってきている。
 だから、そこは、大臣に言ったら、いやいや、公正取引委員会を通じてちゃんと指導している、集荷団体指導している、買入れ団体指導している。そんな話じゃないんだよ。そんな話じゃなくて、具体的に値段の交渉が始まるわけでしょう。だって、販売価格は、販売基準価格はどこで決まります。相対の価格をベースにして決まることになっているんですよ。だから、相対の価格形成の中で、そういう具体的なやり方が始まっているじゃないですか。
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