内閣委員会

2014-04-04 衆議院 全118発言

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会議録情報#0
平成二十六年四月四日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 柴山 昌彦君
   理事 関  芳弘君 理事 平  将明君
   理事 橘 慶一郎君 理事 西川 公也君
   理事 平井たくや君 理事 近藤 洋介君
   理事 松田  学君 理事 高木美智代君
      秋葉 賢也君    大岡 敏孝君
      鬼木  誠君    勝俣 孝明君
      川田  隆君    菅家 一郎君
      小松  裕君    新谷 正義君
      田所 嘉徳君    田中 英之君
      高木 宏壽君    武部  新君
      豊田真由子君    中谷 真一君
      中山 展宏君    長島 忠美君
      福山  守君    山田 美樹君
      吉川  赳君    大島  敦君
      後藤 祐一君    津村 啓介君
      若井 康彦君    遠藤  敬君
      杉田 水脈君    中丸  啓君
      山之内 毅君    輿水 恵一君
      浜地 雅一君    大熊 利昭君
      赤嶺 政賢君    村上 史好君
    …………………………………
   参考人
   (東北大学大学院医学系研究科教授)        大隅 典子君
   参考人
   (慶應義塾大学医学部長) 末松  誠君
   参考人
   (公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団会長) 竹中 登一君
   参考人
   (京都大学iPS細胞研究所所長・教授)      山中 伸弥君
   内閣委員会専門員     室井 純子君
    —————————————
委員の異動
四月三日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     根本 幸典君
同日
 辞任         補欠選任
  根本 幸典君     宮崎 謙介君
同日
 辞任         補欠選任
  宮崎 謙介君     青山 周平君
同月四日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     武部  新君
同日
 辞任         補欠選任
  武部  新君     菅家 一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  菅家 一郎君     青山 周平君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 健康・医療戦略推進法案(内閣提出第二一号)
 独立行政法人日本医療研究開発機構法案(内閣提出第二二号)
     ————◇—————
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柴山昌彦#1
○柴山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、東北大学大学院医学系研究科教授大隅典子君、慶應義塾大学医学部長末松誠君、公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団会長竹中登一君、京都大学iPS細胞研究所所長・教授山中伸弥君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。両案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 大隅参考人、末松参考人、竹中参考人、山中参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、大隅参考人にお願いいたします。
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大隅典子#2
○大隅参考人 本日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございました。東北大学の大隅でございます。
 基礎医学研究を行っている立場からということで、意見を述べさせていただきたいと思います。
 お手元に配付させていただいております資料に基づいて進めたいと思いますが、二枚めくっていただきまして、パワーポイントを印刷したものの方からごらんいただければと思います。
 今般、この健康・医療戦略推進法案、そして新独法のことが進んできたわけですけれども、そちらにつきましては、私の理解するところでは、スライド番号の一、二、三のあたりのところというふうに思っております。
 それで、本日は、三つのことについて意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず第一に、研究費の制度ということなんですが、そもそも、スライドの四番のところですけれども、丸い円グラフ、それから表が下の方にありますが、我が国が健康・医療の研究開発を推進していくという上で、本当に予算というものがこれで十分なのかということにつきましては、今年度どうのこうのということではございませんが、長期的な視点からは、そこのところをぜひきちんと考えていただきたいというふうに思っております。
 中でも、シーズとなる基礎研究ということなんですけれども、こちらにつきまして十分な配慮がなされているかということもお考えいただきたいというふうに思っております。
 四番の右下の方の米国の例でございますけれども、NIHの予算の中にも基礎研究の予算というのは含まれております。また、そのほかに、NSF、DOEなどにおいても基礎系の予算というのが入っておりますので、これから先ずっと持続的な健康・医療研究の開発を行っていく上では、この種がなくなってしまっては元も子もないということでございますので、基礎研究というのは非常に重要であるということを強調しておきたいというふうに思います。
 その次ですけれども、では、そういったボトムアップ的な、研究者自身の方から芽が出てくるというところ、それを、スライドの一番の方に戻っていただきますと、発掘したシーズをシームレスに移行させて、国が定めた戦略に基づくトップダウンの研究としての健康・医療推進のための研究を行うというふうになっているんですが、ここの、要するに、どのようにしてシーズを発掘するのかということに関してどのように考えられているかということです。
 機構の中に、新独法の方の中にちゃんとした目ききというのがいるのかどうか、あるいは、私もいろいろ資料を今回調べたんですけれども、既存の組織の方から移管される方たちが新独法の方にあるというふうに見ましたけれども、そういった人材だけで足りるかどうか、そういったことがあるかと思っております。
 それから、その中身ですけれども、三番のところで、主な取り組みとして、これは既存の、これまで各省庁が行ってきたものからここの機構の方に移すというものが書いてあると思います。主には、再生医療、きょう山中先生もいらしていますけれども、ゲノム、そして、がん、脳、感染症、難病等々が書いてあるわけですけれども、これだけで本当に十分かということについて、一枚めくっていただきましたスライドの、消えていますけれども、五番のところになりますが、これは米国のNIHの組織図になっておりまして、要するに、このNIHの仕組みでは、このように満遍なくいろいろな健康・医療に関する研究というのが行われております。
 特に日本の場合は、米国よりも、より長寿、幸いなことに長寿なわけですから、より高齢者のところに関する研究というのは大事だと思います。具体的に申しますと、例えば高齢者におけるリハビリテーションでありますとか、顎口腔、口の中ですね、要するに、歯というのは年齢の齢という字でございまして、これが大事なのではないかなというふうに思っております。
 二番目に、では、これらの研究を行う人材ということですけれども、研究というのは、高額の最先端の機器を買ったら、そろえたら、それで何か進むかというと、そうでは全くありません。これは、人が研究を行うということが非常に重要です。研究を行う人材というのは、めくっていただきまして、七番のスライドのところになりますけれども、医学部出身、あるいは私、歯学部ですけれども、そういった医療側の研究医というような立場の方、そしてさらに、多分もっと大きな人口としては、理学部系ですね。PhD出身の方で医学研究を行う人たち、こういった方たちをどのように育成し、こういった研究の方に携わっていただくかという、ここが非常に重要だというふうに思います。
 この辺は、研修医制度の関係、あるいは現状の理学部や生命科学研究系の学部等々において人体に関する研究というのが不足しているということもありますので、この法案の中ということではありませんけれども、関連して、これは非常に重要なことかなというふうに思っています。また、労働契約法等の問題と人材の流動性ということの間にはコンフリクトがありますので、これも検討事項かなというふうに思っております。
 それから、研究を行うのは、いわゆる研究者だけではなくて、それを支える研究支援者というのが非常に大事です。特に、例えば非常に複雑な医学の研究、生命科学の研究を行う上で、具体的に、文字の方の紙の二枚目のところをちょっと見ていただきたいんですけれども、例えば細胞を培養する、それから組み換えDNAを取り扱う、それからいろいろなイメージングを行う、あるいは組織の切片を作製する、電子顕微鏡でそれを見る等々の、こういった基礎医学、生命科学の研究を行う支援者に対して、よりそういった方たちを育成し保護できるような、そういった仕組みというのが必要なのではないかというふうに思います。
 例えば、工学系でありますと、これはJABEEというシステムがありまして、そういった育成制度というのができ上がっているわけですけれども、これらの生命科学医学版のような、そういった資格認定などのコースというのもできれば、こういった研究を支援する方たちの人材の継続的な育成ということに非常に大きな役割があるのではないかと思います。
 また、いろいろな医学研究におきましては、治験コーディネーターでありますとか、それから生物学統計や、情報科学的なバイオインフォマティシャン、そして例えばゲノムメディカルリサーチコーディネーター、何かちょっと舌をかみそうですけれども、こういった新しい職種というのも非常に必要になっております。クリニカルクラーク、データマネジャー等もそうなんですけれども。
 また、ゲノム医療を推進する上では、遺伝カウンセラーというような方たちも非常に重要です。これは現在、二つの学会の認定ということで行われているんですけれども、こういったものが今後、国家資格などになって、もっと推薦されるということが必要じゃないかと思います。
 広報、アウトリーチの活動につきましても非常に重要だと思います。どのような人材が必要なのか、そして、過剰にではなく、適切に、正しく国民に対してそれを発信していくということは非常に重要だと思います。
 残り三つ目でございますけれども、機構において所掌する研究倫理等なんですけれども、最後の、スライドの八番のところになります。これはNIHの方で、下の方、緑色のところですけれども、どのような法、倫理、社会、このような対応の仕組みがあるかということを参考のために載せておりますけれども、こういったことが、医療の基礎医学そして臨床研究につなげていくときに非常に重要ではないかというふうに思っています。
 特に、ゲノムコホートなどは国内における前例に乏しいプロジェクトでありますし、また、J—ADNIなどがそうですが、大規模なネットワーク型の臨床研究を推進していくときに、精度の高いエビデンスというのが極めて重要だというふうに思われますので、こういった法令等々の指針遵守のための環境というのが必要だと思います。
 それから、最後でございますけれども、連日のように新聞をにぎわせておりますが、研究不正ということに対する対応、これが非常に重要だと思います。研究資金に関しましては、かなりの制度が整ってきていると思いますけれども、論文不正ということに関して、どのようにその対応をしていくか、起きてしまったことに対するその事例の取り扱い、そして、今後それらをどのようにして起きないようにするかということ、これは非常に重要な問題だと思いますので、この機構の新独法の中でも考えていただきたいことだと思います。
 以上でございます。拍手
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柴山昌彦#3
○柴山委員長 ありがとうございました。
 次に、末松参考人にお願いいたします。
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末松誠#4
○末松参考人 よろしくお願いいたします。
 私は、昭和五十八年に慶応の医学部を卒業いたしまして、九年間、内科学の診療に携わっておりました。その後、留学を経まして、現在の現職であります医学部の医化学、これは生化学というフィールドですけれども、そこの教授をしております。現在は、医育機関として、医療の人材育成に資するいろいろな取り組みをする立場におります。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料を一枚おめくりいただければと思います。
 二ページでございますが、医学研究、その成果を国民へ還元するというところに、御存じのように、三つのステップがあるかと思いますけれども、基礎研究、それから橋渡し研究、そして臨床研究。候補医薬品・医療機器が患者さんに安全で有効であるかを検討する、既存の治療薬との比較をまた行うというようなところであります。
 この研究成果の国民への還元というのは、より安全、有効で負担の少ない医療の提供を行う、あるいは国際的な医薬品、医療機器の提供を行う、こういった意味で非常に重要だと考えております。
 次のページをお願いいたします。
 しかしながら、なぜこの日本の臨床研究が劣勢かということには、いろいろなファクターがございます。後ほど竹中先生等もお話しになられると思いますが、もしこの臨床研究の劣勢がこのまま続いてしまいますと、医療の質の向上のおくれ、これは国民の不利益につながる可能性が高い。基礎研究の成果が海外に流出してしまう。
 わかりやすく申し上げますと、日本の基礎研究は非常に力は強くて、薬の大もとになるいろいろな開発力はあるんですけれども、つまり、生みの親にはなるんですが、それを育ての親として世界に広げていく、そこの仕組みがいまいちかなというところであります。
 医学研究で、特に国民の健康と福祉に還元できる研究の体制が十分に配慮されてこなかったのではないか。すぐれた基礎研究が日本で行われても、これを患者さんの役に立つ実用研究に結びつけられなかったというところ。そこにはたくさんの問題点がありますが、一つは、従来の省庁の縦割りの仕組みがあって、これを今回大きく改めて、いい方に向けていこうという取り組みではないかというふうに考えております。
 次のページをお願いいたします。
 私は、この新独法、日本医療研究開発機構の革新的医療開発のイメージということで一枚書かせていただきましたけれども、先ほどの、生みの親から育ての親、育ての親のプロセスのところは、この一番下に書いてある赤い矢印の部分です。そこにも大きな資金と的確なレフェリーシステムが必要であります。研究開発に必要なファンディングを一元化しまして、先見性のあるPD、PO、プログラムディレクター、プログラムオフィサーですが、このレフェリーシステムをどのように透明性の高いものにしていくかということが非常に重要だというふうに考えております。そして、今まで死の谷と呼ばれていたところにどういうふうにブリッジをかけていくかというところが、この新独法の大きな課題ではないかと思います。
 次のページをお願いします。
 まだこれからのスタートということではありますけれども、私は、創薬支援ネットワークという非常に斬新な仕組みがもう既にでき上がり始めていて、そこには多くの創薬のプロの方々、非常に情熱のあるスタッフの方々が集結し、多くのシーズが集積されつつあるというふうに考えています。
 そこのシーズの、最適化研究、非臨床研究、そして臨床研究、こういったプロセスをきちんとつないでいくために、この創薬支援ネットワークというのは一つのモデルになるのではないかというふうに私は考えています。ここをさらにブラッシュアップしていくということが必要なのではないかと思います。
 六ページをお願いします。
 もう一つ、この新しい法律によってぜひ配慮をしていただきたいと考えていますのが、難病や希少疾患に光を当てることであります。
 製薬企業も御努力はされていますけれども、患者さんの数の少ないところに対する投資というのは当然小さくなります。今回の新しい独法がこういったところにきちんと光を当てて、公費でこの患者さんたち、難病・希少疾患の患者さんたちは本当に一日一日が闘いだと思います、そういったところをしっかり支える仕組みが必要ではないかと思います。
 七ページをごらんください。少しビジーな資料ですけれども、そこに私が申し述べたいことがまとめてございます。
 予算の問題で、ことしはそれが四割ふえたということは大変喜ばしいことですけれども、以下に示したような仕組み、これは継続的な予算の確保が必要であるということです。
 それを簡単に申し上げますと、一貫した研究支援体制、それから研究テーマの選定、特に、先ほど申し上げましたアンダイアグノーズド・ペーシェント・ディジィーズの仕組み、こういったところに地道な研究を支えるような試みが必要であると考えます。
 さらに、研究費の配分に関しては、いわゆるピアレビュー、いい意味での専門家、仲間同士のレビュー、経験豊富な有識者だけではなくて、現場の研究開発に携わる若手中堅クラスのたくさんの数の方がレフェリーになっていただくことが非常に重要ではないか。他者の評価をできる資質を備えた研究者を機構と大学の連携によって育成することが極めて重要であると考えます。
 最後になりますけれども、参考資料、るる御説明申し上げませんが、参考資料の一は、私どもの大学、私学で貴重な私学助成をいただいておりますけれども、そのサポートは国立の大きな大学に比べて非常に小そうございます。恐らく、これは地方の国立大学も状況は同じではないかと思います。
 我々が今最もエネルギーを注入しておりますのは、大学そのものの診療形態、これも縦割りになっております。そこに横串を刺して、最初は特定の診療科から出身した若手でも、全体の診療科に目配りをできるような人材を大学がきちんと出していくということが極めて重要であるというふうに考えております。この詳細については、もし何か御質問がありましたらお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。
 以上をもって、私の発表にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。拍手
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柴山昌彦#5
○柴山委員長 ありがとうございました。
 次に、竹中参考人にお願いいたします。
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竹中登一#6
○竹中参考人 おはようございます。
 竹中より、創薬、すなわち医薬品の研究開発面から意見を述べさせていただきます。
 私の資料の二ページをごらんください。
 私自身、約五十年間、製薬企業で仕事をしてまいりまして、若いときは研究者として高血圧や前立腺肥大症の薬をつくりました。そして、二〇〇〇年に経営者となりまして、日本発の研究開発型グローバル企業を目指して、山之内と藤沢を合併させてアステラス製薬をつくってまいりました。退任後は会社を離れて、現在、大学や研究機関で創薬研究の活性化の支援をしております。こうした背景から、きょうの御意見をさせていただきます。
 三ページをごらんください。
 欧州では、十九世紀の半ばに、有機化学によって創薬が成功しまして、例えばアスピリンを創薬したバイエルなどがグローバル企業となりました。
 日本は、戦前及び戦後間もなくは、欧米企業から輸入しました、導入しました薬を国内で製造して販売していました。
 一九六一年の国民皆保険制度の導入以降、日本企業は創薬研究を本格的に開始しました。大学の科学技術を企業に取り入れまして、そうした結果、七〇年、八〇年代には数多くの日本発の新薬が出ています。
 当時の日本の企業というのは、海外での販売機能あるいは開発機能を持っていませんでしたので、こうした発明品を全部海外の企業にライセンスアウトしておりましたが、九〇年代になりまして、一部の企業は国際化を進行させまして、自分のつくった薬はグローバルに売るという格好になっております。
 さらに、二十一世紀になって、市場はグローバル化をますますしております。そこに対しまして、国内企業同士の合併や、あるいは海外企業の、バイオベンチャーの買収などをして、研究開発の充実を図っております。
 スライド四をお願いします。
 この図は、二〇〇六年、八年、一〇年に世界売り上げ百番以内にランクされた製品を創薬した企業を国籍別に集計したものでございます。
 日本は、アメリカに次いで、スイス、イギリスとともに世界第二位の新薬創出国となっております。ドイツに百年おくれてスタートしたんですが、五十年で追いつき、追い越しました。その理由と申しますのは、日本のアカデミアに、創薬に必要で、かつ応用できる高度な科学技術力が醸成されていたからでございます。
 五ページをごらんください。
 製薬企業は、大体、売り上げの一五から二〇%を研究開発投資しております。規模の大きい欧米企業では、年間七千億円の研究開発をしております。一方、日本の大手企業は約二千億円前後であり、四社を合計しますと七千億円前後になります。欧米企業の一社分の研究開発費に相当いたします。
 右のグラフを見ますと、欧米三社は七千億円の研究開発費で大体二十から三十個の新薬をつくっておりますが、日本の四社は、同じ七千億円くらいで三十五個の新薬を創出しています。こうしたクライテリアでいきますと、日本の創薬力は欧米に負けておらず、比較的効率がいいということになります。
 スライド六ページをごらんください。
 二〇〇七年にグローバル販売で十億ドル、すなわち、一千億円以上売れた薬には日本発が十五製品ございます。前立腺肥大症とか、高血圧とか、アルツハイマーとか、成人病の多くの薬を日本企業がつくっております。私が若いときにつくりましたハルナールという薬も、二千億円も売れていた時代がございます。
 しかし、これらの製品の特許は、二〇一〇年にほとんど満了しております。特許満了しますとジェネリック医薬品に変わりますので、企業は常に次の新しい新薬の創出に挑戦しております。
 七ページをごらんください。
 二〇一二年までの十年間で、日本には新しいタイプのがんの薬、がんの分子標的薬が二十製品販売されております。しかしながら、二十製品のうち一製品のみが日本発の創薬で、あとは欧米発の創薬であります。その結果、日本のがん市場の六千億円のうち、八〇%が輸入品になっております。
 日本が新しい分野でおくれました原因について考えてみました。
 八ページをごらんいただきます。
 一九六〇年から九〇年ごろの創薬は、実験動物を使って、薬理・生化学で得られた、そうした創薬標的に対する低分子化合物というものを有機化学でつくってまいりました。
 当時の日本の大学、企業は、こうした科学技術力に非常にたけており、そして創薬に成功したわけでございますが、一九九〇年代、アメリカでは、国家プロジェクトとしてヒトゲノム計画を推進し、新しいタイプの創薬、ゲノム創薬が開発されました。患者さんの御理解をいただき、ゲノム解析を行い、病気の原因分子を調べ、バイオ医薬品を開発しました。アメリカでは、ゲノム創薬を大学あるいは大学発のベンチャーがリスクをとって進めたわけでございます。
 残念ながら、日本はこの手法でちょっと乗りおくれてしまったわけでございます。
 九ページをごらんください。
 具体的な図ですが、アメリカの大学では、患者さんからいただきました、例えばがん細胞の遺伝子解析を行いまして、同時に、患者さんの医療情報を利用させていただき、がんの原因となる分子を個人レベルで解析しまして、これを制御する薬をつくったわけでございます。特に、薬をつくる段階においてはバイオベンチャーと共同し、そして、臨床開発の後期、販売は既存の製薬会社に委託しております。
 日本に欠けておりましたのは、患者さんの医療情報と生体試料を創薬に利用するための法整備が未熟であったこと、それから、既存製薬会社の強みであった低分子化合物の創薬に固執し、新しいバイオ医薬品の研究に力を入れることがなかった、さらには、リスクの高い研究領域にチャレンジするバイオベンチャーが成長しなかったことなどが挙げられます。
 十ページをごらんください。
 現在、日本のアカデミア創薬は大変活発になって、いろいろなシーズが出ております。しかし、これらを医薬品で開発するためには、さらに、薬効、毒性、工業化など、GLP、GMPと呼ばれる法規制に適合した応用研究を行わなければなりません。アカデミアではこうした研究ができませんので、創薬の死の谷と呼んでおります。
 十一ページをごらんください。
 FDAは、二〇〇七年までの十年間で、新たに二百五十の新薬を承認しております。アメリカからの製品が百十八、日本は二十三であります。
 興味あることは、アメリカの百十八製品のうち七十三製品、六二%は大学かあるいはバイオベンチャーでありまして、既存の製薬会社の製品より多いわけでございます。
 一方、日本は、大学、バイオベンチャーはわずか四製品でございまして、ほとんど企業から出ております。このことは、日本でも、大学、バイオベンチャーの創薬を支援すれば、国の創薬力の強化が可能だと思われることでございます。
 十二ページをごらんください。
 末松先生からも御紹介ありましたが、昨年五月に、大学のすぐれた基礎研究を医薬品として実用化する支援をする創薬支援ネットワークが発足しました。
 医薬基盤研究所、理化学研究所、産業技術総合研究所、大学、国の研究機関が連携して、オール・ジャパンでアカデミア創薬を支援し、死の谷を克服する組織であります。私、もう既にお手伝いしておりますが、大学から多くの、百以上の御相談が来て、順調に進んでおります。
 今回審議されております日本医療研究開発機構に、このネットワークで働いている企業から来た人材も移行される予定ですので、我が国の創薬力の強化を期待しているところでございます。
 十三ページをごらんください。
 日本の製薬企業の集まりである日本製薬工業協会、製薬協の手代木会長は、産業界におきまして、健康・医療政策に関する司令塔機能の充実強化並びに健康・医療予算の拡充、重点化を強く要望されており、革新的新薬の創出体制として、今回議論されております日本医療研究開発機構の創設、創薬支援ネットワークの強化、臨床研究中核病院の整備を期待しております。
 製薬企業は、こうした御支援を活用して、革新的新薬の創出をさらに促進するんだということを力強く表明されております。
 十四ページをごらんくださいませ。
 総合戦略策定に当たりましては、製薬企業より、臨床研究の推進、活性化、レギュラトリーサイエンスの啓発、推進、戦略的な知財対応が要望されております。これらは、総合戦略の中に既に織り込まれているところでございます。
 最後のページをごらんください。
 製薬企業にとりまして、健康・医療研究開発促進に関する本二法案は、大変重要かつ意義のある法案でございます。この政策により、革新的な新薬が創出されることによる健康で安心な社会に貢献できること、研究開発活動が活性されることによる科学技術の発展へ貢献できること、そして、新製品の収益による日本経済成長への貢献が可能になります。
 ぜひ前向きに御審議をしていただきたく、お願いを申し上げます。
 本日はありがとうございました。拍手
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柴山昌彦#7
○柴山委員長 ありがとうございました。
 次に、山中参考人、お願いいたします。
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山中伸弥#8
○山中参考人 皆様、おはようございます。
 早速でございますが、資料の二ページ目をごらんください。
 私たちは、iPS細胞という技術の研究をしております。この技術は、私たちのいわゆるボトムアップ型の自由な発想に基づいた研究で生まれた成果でございますが、これが現在は、目的がはっきりした、医療応用するというトップダウン型の研究に移行して、まさに臨床研究がことし始まるという段階に達している研究でございます。
 このiPS細胞研究開発に携わった経験から、今回の二法案に期待する点について簡単に御説明申し上げます。
 次のページをお願いします。
 三ページ目でございますが、このiPS細胞の研究は、私が、一九九九年でございますが、奈良先端科学技術大学院大学というところで、独立させていただいて自分の研究室を持たせていただいた、そのことによって始まりました。そのとき私は三十七歳でございましたが、三十代で独立して自分自身の研究を思う存分できたということが、iPS細胞というイノベーションにつながりました。
 次のスライドをお願いします。
 先ほどの竹中会長のお話でも明らかなように、今後、日本の新しい創薬や新しい治療というのは、企業からではなくて、多くは大学から出てこなければなりません。そのためには、大学でどうやって新たなイノベーションを導くかということが極めて大切です。
 イノベーションというのは、やはり自由な発想、柔軟な発想が必要でありまして、イノベーションを導くためには、私が与えられたように、若手、三十代、場合によっては二十代の若手に独立のチャンスを与える。そして、そういった若手に、欧米に匹敵するような研究環境、建物を含めた研究環境、また研究費。
 私が奈良にいたときは、自分自身の研究費というのは科研費の二百万円くらいがあっただけでございますが、奈良先端の方から支援をしていただいて、一千万円以上の研究費が当初から使えたわけであります。また、それだけでは人というのは雇えないんですが、大学から数名の技術員や学生をつけてもらった。それによって、小さいけれども、自分自身の独立した研究室を持てたというのが、こういったイノベーションにつながりました。
 しかし、この独立というのは非常に注意しなければならない点があります。独立させてほったらかしにするというのは非常に危険であります。私もそうでありましたが、三十代の研究者というのは、実験の方法については一生懸命それまでやってきて上手になっていると思うんですが、それ以外のさまざまな点についてはまだまだ未熟な人間であります。
 したがいまして、私も奈良でしていただきましたが、独立後も、シニアな研究者から、研究室の運営をどうするか、学生とか技術員、さまざまなトラブルもどうしても生じますので、どういった運営をするか、そして、生命倫理や研究倫理や利益相反等に対してきちっとした、独立後も継続した若手研究者の教育を行う、そういうシステムが必要であります。これを大学単位でやるのか国単位でやるのかということは、効率から考えると、国単位でやっていく方がいいんじゃないかという気もしております。
 次のスライドをお願いします。
 こういった、独立させていただいたことによってできた技術がiPS細胞技術であります。この技術は、患者さんの血液や皮膚の細胞をiPS細胞という万能細胞に変えて、そこから作製したさまざまな分化した細胞を再生医療や創薬に用いるということで、再生医療に関しては、ことし神戸で臨床研究が始まりますし、治療薬につきましても、幾つか有望な薬が既にiPS細胞創薬でできているわけであります。
 次の六ページ目をお願いします。
 このiPS細胞研究もまさにそうでありましたが、できた当時は、マウスでiPS細胞をつくった、そして、今度はそれをヒトで実現させたい、そういった基礎研究の段階ではお金もまだそれほどかかりません。一千万円くらいの年間予算でも何とかできる、数名の研究者がいればできる、そういう基礎研究の段階があります。
 その後、それが本当に人間の治療に使えるかという検討になっていきますと、前臨床研究、もしくは末松先生の橋渡し研究ということで、安全性であるとか効果を動物実験等で確かめる必要があります。その段階からだんだん費用も人材もウナギ登りになっていきまして、iPS細胞技術は、まさに臨床研究、実際の人間の患者さんで効果や安全性を検証する直前まで来ておりますが、臨床研究になると、さらにぐっと加速度的に費用も人材もかかるというのが研究に係るコストであります。
 次のページ、お願いします。
 このように、大学発のイノベーションを、前臨床研究を経て臨床研究まで持っていくためには、莫大な予算がどうしてもかかってしまいます。ただ、我が国の科学予算というのは、アメリカのNIHに比べ、アメリカ全体に比べると十分の一程度の予算であります。決められた枠の中でどう有効に予算を使っていくかということが非常に大切でありまして、私たちは、日ごろ研究していて、ここに書いてある幾つかのことを何とか柔軟にしていただきたいと。
 例えば、単年度執行という拘束があります。年度末になるとお金が使えない。私たちも今ネイチャーという雑誌に重要な成果を投稿しております。つい二週間くらい前に最初のレビューが返ってきて、追加実験をしなければなりませんが、私の部下に追加実験をしているのかと聞くと、いや、今、年度末で薬が買えないから四月にならないとできませんということで、僕は、いや、そんなの待っていられない、もう自分のお金で買うから注文せよと言いましたが、そういうことが本当に起こっています。これは、ぜひ何とかしていただきたいと思います。
 それから、府省をまたぐ複数のプロジェクトの相乗り、これもできません。同じiPS細胞関連の研究であっても、プロジェクトが違うとお金は分けなければならない。機械も原則的には分けなければならない、ネズミの餌も分けなければならないという、非常に事務手続も複雑になっております。
 また、特許侵害等、突発的に生じる場合に、なかなか国のお金では対応できないということで、私たちはiPS基金ということでマラソンを走ったりして寄附を集めておりますが、やはりこういったことも、国プロジェクトの場合は国からの支援をいただきたいというふうに考えております。
 次のスライドをお願いします。
 臨床研究を進めていくのは、あたかもジグソーパズルを組み立てている作業と同じだというふうに感じています。たくさんのピースがありまして、私たち基礎研究者ができる基礎研究も大切なピースですが、それだけでは全然だめでありまして、前臨床研究、臨床研究、治験、特許や倫理や許認可、また私たちの場合は日赤との連携も非常に大切ですし、産学連携、国際連携、広報、ファンドレージング、さまざま専門家が集まって初めてイノベーションの医療応用というのは実現します。私たち基礎研究者だけでは全くできません。
 こういった人材を私たちのiPS細胞研究所では雇用しているわけでございますが、次の九ページでございますが、その大部分は有期雇用、国プロジェクトの経費で一年任期、長くても五年任期で採用している不安定な身分の方々であります。国のこのiPS研究という最前線の研究を支えてくれている方々が、このような不安定な身分で頑張っていただいているというのが現状でございます。
 次のスライドをお願いします。
 十ページ目でございますが、イノベーションを研究開発していくためには、研究者だけではなく、研究支援人材の確保が必須であります。大隅先生も言われていたことでありますが、いかに優秀な研究支援人材を育成するか。
 公的な教育プログラムや資格認定制度が必要であると考えております。また、そういった方々がその後も大学で安定して、安心して働き続けられる処遇、キャリアパスを明確化しないと、優秀な方はどんどん民間に流れていくという結果に既になっております。
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 十一ページ目でございますが、末松先生も言っておられましたが、我が国は、基礎医学においては世界のトップファイブに入る高い地位を有しておりますが、臨床医学、これは発表をした論文数に基づいている結果でございますが、臨床医学では世界二十五位と、どんどんその地位が低下している。まさに、基礎は優秀だが、それを臨床応用する点でうまくいっていないというのが現状であります。
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 これが最後でございますが、では、いかにこの日本の優秀な基礎研究を臨床開発まで持っていくか。
 再生医療や創薬の推進に必要なこと、三点だけ挙げさせていただきましたが、まず、PMDA等の審査体制の強化、審査基準を明確にし、審査員も増員するという強化が必要であると思います。また、前臨床試験から治験までというのは十年以上かかる長丁場でございますので、その間、一貫した研究支援システムが必要であると考えております。さらには、一番最後の出口でございます臨床研究、治験を行うためには、国際共同治験にも対応できるような中核拠点の整備が急務であるというふうに考えております。
 今回の二つの法案によって、これらのことがよりよくなり、我が国の大学発のイノベーションがさらにふえて、そしてそのイノベーションによる新しい医療や創薬の推進が実現することを期待しております。
 ありがとうございます。拍手
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柴山昌彦#9
○柴山委員長 ありがとうございました。
 以上で各参考人からの御意見の開陳は終わりました。
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柴山昌彦#10
○柴山委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平将明君。
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平将明#11
○平委員 自由民主党の平将明でございます。
 本日は、参考人の皆様、大変お忙しい中、委員会にお越しをいただき、また大変示唆に富んだ貴重な御意見をいただきました。まことにありがとうございます。
 私の持ち時間は二十分でございまして、四名の参考人の皆様へ同じ質問をさせていただきたいというふうに思っております。ということになりますと、一回につきお一人様一分強ぐらいの質問時間になりますので、ぜひとも御了解をいただきたいと思います。
 まずは、今回の議題でございます二法案、政府は、世界最高水準の医療の提供に資する研究開発等により、健康長寿社会の形成に資することを目的とする健康・医療戦略推進法案、そして、医療分野の研究開発及びその環境整備の実施、助成を行うことを目的とする独立行政法人日本医療研究開発機構法案を提出させていただきました。
 この二法案につきまして、参考人の皆様から御所見を一人ずついただきたいと思います。
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大隅典子#12
○大隅参考人 ありがとうございます。
 このような法案ができるということ、これは本当に日本の中でも大事なことだと思います。
 ただ、そのときに、こういった医療に関係するところだけが着目されるということで本当によいのかと。シーズというのは、もう本当に最初は出口が医療かどうかということがわからずに始まるもの、それも、誰かが目ききとしてそれをピックアップして、後々、これはその医療につながっていくんじゃないかということがあると思いますので、こういった法案で補助、支援されるところだけではなく、もう少し広い基礎研究への支援ということは必要なのではないかなというふうに考えます。
 以上です。
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末松誠#13
○末松参考人 私は、この二法案がシナジスティックに働いて、先ほども申し上げましたけれども、育ての親の機能が、つまり、生みの親が生んだシーズを、育ての親がしっかりこれを育成していくという仕組みになる、大変大きい期待を持っております。
 この育ての親は非常に大変でありまして、一度特定の疾患の目的のためにつくられたシーズが脱落しても別の病気に使えるケースがある、敗者復活という言い方が適切かどうかわかりませんが、そういった機能を持った目ききの方々、情熱のある目ききの方々が集結することによって大変いい方向に動くであろうというふうに考えております。
 以上です。
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竹中登一#14
○竹中参考人 私も、報告に申し上げましたように、この二法案に対して大変期待している一人でございます。
 振り返ってみますと、二〇〇六年の九月に、安倍総理は、内閣総理大臣の所信表明でイノベーション25をお話しされまして、その中で、医薬は一丁目一番地と言われました。その後、これを受けて、二〇〇七年からは、内閣府、文科省、経産省、厚労省、この大臣並びに部門のトップの方、そして大学、それからナショセンの方、そして医療機器、医薬品の業界団体と官民対話というのもございました。そこでつくられたのが革新的医薬品・医療機器創出のための五か年戦略、今回の法案に盛り込まれているところが非常に共通しております。これが法制化されました。
 これによって私どもが期待することは、この研究に関しては、先ほど山中先生もおっしゃられたように、非常に長い年月がかかるものでございますので、長期にわたって継続的なる健康・医療分野の戦略が展開できる、この点から私は非常に期待しているところでございます。
 以上でございます。
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山中伸弥#15
○山中参考人 我が国におけるトップダウン研究を推進する上でこの二つの法案は非常に重要であり、私は賛成しております。
 トップダウン研究に持っていく新しいイノベーションというのはボトムアップ研究でございますので、ボトムアップ研究につきましても御支援を継続してお願いしたい。そうしないと、トップダウン研究にやってくる研究がなくなってしまう可能性がございますので、両方のバランスが非常に大切だと考えております。
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平将明#16
○平委員 ありがとうございます。
 参考人の皆さんからも指摘がありましたが、これまで、我が国が実施をする医療分野の研究開発は、各省及びその所管する独立行政法人等において、それぞれが支援を行っているため、基礎から実用化までの切れ目のない支援が十分なものになっていなかったという反省がございます。すぐれた基礎研究のシーズが必ずしも実用化に結びついていないのではないかという問題も指摘をされているわけであります。
 今回のこの二法案では、国が健康・医療戦略を策定し、これを推進するために、内閣に健康・医療戦略推進本部を新たに設置しようとしております。
 そこで、参考人の皆様にお尋ねをいたします。
 医療分野の研究開発について、基礎から実用化まで一貫して推進するため、健康・医療戦略推進本部にどのようなことを期待されるのか、お伺いをいたします。
 それでは、また四名の参考人に。
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大隅典子#17
○大隅参考人 先ほどもお話ししましたけれども、こういった事業を展開していく上では、今までの数倍、それぞれの省庁にいらっしゃるような方々のその専門性だけではなく、もっといろいろな、例えば特許について、あるいはいろいろな人材育成について、あるいは広報について、そういったところの専門性のある方というのが必要なのではないかというふうなことを考えます。
 以上です。
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末松誠#18
○末松参考人 私は、配付させていただいた七ページのところの研究費の配分の仕組み、ここにピアレビューのしっかりした仕組みを入れていただきたいというのが最も重要な要望であります。特に基礎研究のピアレビュー、それから橋渡しのレビューをする人、それから実用研究のところ、それぞれの専門で全く異なる人材が必要であって、そして全体を俯瞰するレフェリーも必要であります。
 その意味で、経験豊富な有識者のみならず、現場の研究開発に携わる若手が、自分がレフェリーに参加して、レフェリーとはどういうものなのかということを早いうちから教育をしていくということも極めて重要なポイントで、これを新しい機構でぜひ推進していただきたいというふうに考えております。
 以上です。
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竹中登一#19
○竹中参考人 総理を本部長とする推進本部は、ちょうど企業で申しますと最高経営執行会議の機能に相当するかと思います。こうした本部においては、日本及び世界の現在あるいは将来の医療環境を十分分析した上で、健康・医療分野でなすべき研究の課題を抽出して、五カ年ぐらいの戦略をきちっと立案することが重要かと思っております。その立案をトップダウンでおろすことにより、この新独法がその戦略に沿った医療研究開発に対して新しい研究を実施できるようなことが大切かと思っております。
 以上でございます。
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山中伸弥#20
○山中参考人 推進本部には、ぜひ省庁を超えた、シームレスな研究の御支援をお願いしたいと思っております。
 例えば、今、患者さんからiPS細胞をつくって、それを創薬につなげるということが非常に重要であると考えておりますが、現状では、患者さんからiPS細胞をつくるというところは御支援をいただいておりますが、できたiPS細胞で実際の創薬をする、そちらの方は十分なプロジェクトがないという現状で、つくれるけれども使えないという状況にもなっておりますので、このような途中でぶち切れになるのではなくて、最後まで一貫したシームレスな御支援をぜひというふうに期待しております。
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平将明#21
○平委員 ただいま、内閣に設置をいたします健康・医療戦略推進本部についての期待をすることということでお伺いをいたしました。
 続きまして、独立行政法人日本医療研究開発機構に求められる人材という観点からお伺いをしたいと思います。
 今回の法案では、政府は、健康・医療についての施策の大綱、つまり、我が国の健康・医療の施策についてのグランドデザインといえる健康・医療戦略を策定いたします。これに沿った具体的な計画の枢要については、新しく設立される機構が中核的な役割を担うこととしております。具体的には、機構が、本部の決定する医療分野研究開発推進計画に基づいて、個別の研究費の分配を行うことになります。
 つまり、この機構の行う個別の研究費の分配は、健康・医療戦略の成否に大きく影響するものでございます。同時に、将来の治療方法や創薬にも影響を与える可能性が大きいということになります。
 そのため、政府は、機構の行う研究費の配分について、研究マネジメントに秀でたプログラムディレクターのもとで、専門家の評価を得ながら、研究費の配分を行っていく考えを示しております。
 そこで、参考人の皆様にお伺いをいたします。
 機構のプログラムディレクターに期待をする人材像、また、機構が行う研究費の配分等において留意すべき点をお聞かせいただきたいと思います。
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大隅典子#22
○大隅参考人 プログラムディレクター、プログラムオフィサーの役割というのは、この機構がうまくワークするかということにおいて、非常に重要であるというふうに思います。
 中でも、その一番トップに立つプログラムディレクターは、全体で一人でいいかというようなことでは、ちょっと足りないかなというふうに思います。それは、先ほどもNIHの例でいろいろな部署があるというお話をしましたけれども、健康を支えるようないろいろな医療の研究というのは、非常に多岐にわたっております。一人の方が十分にその全部のところを見るということは難しいように思います。
 あともう一つ大事な点は、こういったプログラムディレクターをされる方が、自分の既存のところに我田引水になるような研究費の流し方をしていただきたくはないと思いますので、そういった方、現場で自分の研究室があるような方というのは不適切ではないかなというふうに思います。それは大きな利益相反を生むのではないかと思います。
 以上です。
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末松誠#23
○末松参考人 私の方からは、三点、簡略に申し上げたいと思います。
 研究マネジメントについて、研究費には、直接経費と間接経費というのがございます。間接経費というのは、特定の研究の目的だけではなくて、その研究機関を支えるインフラ、基本的な仕組み、あるいは倫理教育、そういったものに使われるお金であります。この間接経費の充当というのをしっかり勘案していただきたいというふうに考えております。
 それから、二番目は、このPO、PD、あるいは、その下にたくさん設けるべきと考えておりますレフェリー、こういった人たちの資質でありますけれども、これは先ほど申し上げました横串の人材、つまり、組織も横串の改革をして、人材もそういう方にぜひ来ていただきたい、こういうふうに考えております。
 具体的には、参考資料の一で、私がお示しした資料を見ていただくとわかるんですが、これは医学部のケースですけれども、卒業した学生が、それぞれの診療科で専門を決めて、卒後十年ぐらいで、自分の専門のところだけは非常に見える、そういう人材が育ってきます。でも、その中に、まれに、自分の科だけではなくて、横串で、自分のアイデアを横に広げることのできる人材というのがそれなりの数おります。こういう人たちを大学でしっかりとインキュベートして、支えて、そして、こういう機構の中でお役に立つように、我々の方も、カリキュラムですとか組織を改革して、新法人とシナジスティックに動いていくということが極めて重要かと思います。
 三番目は、その意味で、研究マネジメントは、つまり大学側の改革がパラレルに動かなければいけない、このように我々も決意を新たにしているところであります。
 以上です。
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竹中登一#24
○竹中参考人 新独法で行われるプログラムの目的は、基礎研究の実用化を一貫して推進することでございます。したがって、プログラムディレクターの要件としては、先ほど末松先生がおっしゃられた生みの親でございますね、入り口である基礎研究、それから、出口の育ての親、応用研究、この両方を理解または遂行できる人材が必要でございます。
 恐らく、基礎研究あるいは臨床研究、両方御理解する方はたくさんいらっしゃるわけですが、それまでの一貫した研究開発のプロセスを経験した方は、アカデミアでは余りいらっしゃらないのではないかと思います。
 そこで、私が思うことは、特に、こういうPDになられた場合に、医薬、医療機器におきましては規制を非常に理解しなければなりませんので、レギュラトリーサイエンスというものをPMDAなどと協力してまず学んでいただけたらな、こんなふうに思います。
 それから、例えば先ほど御紹介しました創薬支援ネットワークには、今、約二、三十人の製薬企業で研究開発を一貫して経験してきた五十代から六十代の人が入っております。こういう方々が、今度、新独法に移りますので、そういう方々と協働してPDの方は一貫した体制、研究の中の助言をいただいたりすることが、非常にうまくいく方法ではないかと思っております。
 以上でございます。
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山中伸弥#25
○山中参考人 私が奈良先端で独立した後、数年間は私はいわゆる一千万円プレーヤーでありました、民間の研究費が合計一千万円程度であると。これでは十分な思い切った研究ができなかったんですが、二〇〇三年に一気に一億円プレーヤーにしていただきました。年間予算が合計一億近い、しかも、一年、二年ではなくて五年間。CRESTという研究、JSTの研究費を二〇〇三年にいただきました。
 そのときに私を選んでいただいたプログラムディレクターといいますか、総括が、免疫の大家の岸本忠三先生でございます。私の申請は分化した細胞から万能細胞をつくるということで、免疫とは関係なかったんですが、岸本先生は、専門とは違うから細かいことはわからぬ、しかも、どう考えてもうまくいくわけはないと。しかし、非常におもしろい発想であるし、またその戦略も理詰めである、うまくいくかどうかは別にして理詰めであるということから私を採択していただきました。それがなかったら、間違いなくiPS細胞は私のところではできていませんので。
 ということで、プログラムディレクターに私が期待するというのは、やはり岸本先生のような、専門外のことであっても、また非常にリスクが高いことであっても、何でもかんでもというわけではないですが、戦略が理詰めであるかどうか等の判断で、いわゆる目ききがきく方が求められているんじゃないかというふうに考えております。
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平将明#26
○平委員 ありがとうございました。
 本当に御協力いただいて、時間内に全て終わりました。一分ほど時間を残しておりますが、終わりたいと思います。ありがとうございました。
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柴山昌彦#27
○柴山委員長 次に、浜地雅一君。
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浜地雅一#28
○浜地委員 おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。
 きょうは、参考人の先生方にお集まりいただきまして、基礎研究の分野の方々、そしてその後の臨床研究に携わる方々、そして最後には実用化に携わる方々ということで、まさに各分野に分かれての、またつながってのお話を聞くことができまして、私も先ほど、四十分だったわけでございますけれども、十分ずつお聞きいたしまして、それだけでも非常に理解が深まりまして、本当に改めて感謝を申し上げたいと思います。
 まず一問目に、私は、本会議で政府に対してこの法案の質問をさせていただきました。
 当初、こちらの法案ができるときは、いわゆる日本版のNIHということだったんですが、いろいろなマスコミ各社等の報道によって、予算が少ないとか、アメリカでは二十七も施設があるのに一つしかないじゃないかとか、さまざまありまして、政府の方はこの日本版NIHという言葉を使うことはやめておるんですが、私の問題意識としましては、決してアメリカのまねをする必要はないと思っております。日本人の国民性や日本人の社会構造等、さまざまアメリカとは違います。
 ただし、やはり、そうはいっても日本独自のもの、予算は恐らく小さく始まってだんだん大きくなるとは思うんですが、この日本の現在の状況において、いわゆる日本版と呼ぶには、専門家の皆様から見てどういったところに日本はこれから方向性を持っていくべきかということ、少し大きな質問になりますけれども、各参考人の方に、ここは大事なところでございますので、思いのたけを語っていただいて構いませんので、長目でも結構です、一人ずつ日本の目指すべきこの法案の方向性ということをお聞かせいただければと思っています。
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大隅典子#29
○大隅参考人 トップバッターだと時間が有利かもしれませんけれども。
 お配りさせていただきました資料の方にも書かせていただきました。一枚目のところの一ポツの一番最後の黒丸のところですけれども、既に予定されているものというのを、手元にある資料で拝見する限りにおきましては、充当されているのが、一番大きいところで、がん、ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト、その次が再生医療、そしてその後、ゲノム医療、感染症、難病等々が続いていくわけなんです。
 こういったところで始まる、これは当然ながらそれで構わないと思うんですけれども、先ほども申しましたが、日本は世界にまれに見る、幸いなことに長寿な国ということがあります。長寿でさらに健康でいるためにはどうしたらいいかということに関して、そこの医療につながる研究を行うということは非常に重要ではないかと思います。
 具体的に申しますと、例えば高齢者においては、どうやって寝たきりにならないようにするか。例えば脳卒中の後にどうやってリハビリテーションをするかとか、あるいは口腔の状況をどんなふうによくすると、例えばよくかめればこれは認知症の予防につながるとか、そういったことがございます。
 それから、高齢者になる前の段階、これも非常に重要で、実際には成人期のいわゆるメタボ、代謝病、糖尿病でありますとか高血圧、高脂血症、こういったものも未然に防ぐというようなところが非常に重要ではないかと思いますので、今後そういったことに関する予算の充当ということが考えられるべきかなというふうに、資料を拝見する限りではそんなふうに思いました。
 以上です。
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