法務委員会

2014-06-06 衆議院 全162発言

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会議録情報#0
平成二十六年六月六日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 江崎 鐵磨君
   理事 大塚  拓君 理事 土屋 正忠君
   理事 ふくだ峰之君 理事 盛山 正仁君
   理事 吉野 正芳君 理事 階   猛君
   理事 西田  譲君 理事 遠山 清彦君
      赤枝 恒雄君    安藤  裕君
      井野 俊郎君    池田 道孝君
      小田原 潔君    大見  正君
      門  博文君    神山 佐市君
      菅家 一郎君    黄川田仁志君
      小島 敏文君    古賀  篤君
      今野 智博君    橋本  岳君
      鳩山 邦夫君    平口  洋君
      福山  守君    三ッ林裕巳君
      宮澤 博行君    八木 哲也君
      湯川 一行君    郡  和子君
      田嶋  要君    横路 孝弘君
      高橋 みほ君    大口 善徳君
      井坂 信彦君    椎名  毅君
      鈴木 貴子君    西村 眞悟君
    …………………………………
   法務大臣         谷垣 禎一君
   内閣官房副長官      加藤 勝信君
   法務副大臣        奥野 信亮君
   法務大臣政務官      平口  洋君
   最高裁判所事務総局人事局長            安浪 亮介君
   政府参考人
   (内閣官房法曹養成制度改革推進室長)       大塲亮太郎君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 荻野  徹君
   政府参考人
   (総務省行政評価局長)  渡会  修君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          小川 秀樹君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    深山 卓也君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    西田  博君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  榊原 一夫君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 星野 次彦君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           中岡  司君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           佐野  太君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           高島  泉君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君
   法務委員会専門員     矢部 明宏君
    —————————————
委員の異動
六月六日
 辞任         補欠選任
  安藤  裕君     井野 俊郎君
  小田原 潔君     赤枝 恒雄君
  神山 佐市君     八木 哲也君
  末吉 光徳君     湯川 一行君
  三ッ林裕巳君     福山  守君
  椎名  毅君     井坂 信彦君
同日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     小田原 潔君
  井野 俊郎君     安藤  裕君
  福山  守君     三ッ林裕巳君
  八木 哲也君     神山 佐市君
  湯川 一行君     末吉 光徳君
  井坂 信彦君     椎名  毅君
    —————————————
六月五日
 法務局・更生保護官署・入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願(田嶋要君紹介)(第一一七三号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一二三八号)
 同(笠井亮君紹介)(第一二三九号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一二四〇号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一二四一号)
 同(志位和夫君紹介)(第一二四二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一二四三号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一二四四号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一二四五号)
 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(穀田恵二君紹介)(第一一七四号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一七五号)
 同(辻元清美君紹介)(第一一七六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一二〇七号)
 同(小川淳也君紹介)(第一二九五号)
 裁判所の人的・物的充実に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一二二九号)
 同(大口善徳君紹介)(第一二三〇号)
 同(笠井亮君紹介)(第一二三一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一二三二号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一二三三号)
 同(志位和夫君紹介)(第一二三四号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一二三五号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一二三六号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一二三七号)
 同(階猛君紹介)(第一二九六号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十三回国会閣法第三〇号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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江崎鐵磨#1
○江崎委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房法曹養成制度改革推進室長大塲亮太郎君、警察庁長官官房審議官荻野徹君、総務省行政評価局長渡会修君、法務省大臣官房司法法制部長小川秀樹君、法務省民事局長深山卓也君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省矯正局長西田博君、法務省入国管理局長榊原一夫君、財務省大臣官房審議官星野次彦君、文部科学省大臣官房審議官中岡司君、文部科学省大臣官房審議官佐野太君、厚生労働省大臣官房審議官高島泉君及び厚生労働省大臣官房審議官神田裕二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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江崎鐵磨#2
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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江崎鐵磨#3
○江崎委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局安浪人事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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江崎鐵磨#4
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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江崎鐵磨#5
○江崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井野俊郎君。
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井野俊郎#6
○井野委員 おはようございます。自由民主党群馬二区選出の衆議院議員の井野でございます。
 本来、私、法務委員会ではないんですけれども、このように質問の機会をいただきました理事の皆様また委員の皆様に、本当に感謝申し上げます。
 今回は、この委員会においても何度か議論されておりますが、司法制度改革についてお伺いさせていただきたいと思います。
 私も、弁護士出身の議員として、司法制度改革については大変関心を持っており、また、弁護士仲間もいますから、直接現場の声を聞くことができる者として、今回、質問させていただきたいと思っております。
 まず、お手元に配付させていただきました資料一、日経新聞の朝刊の記事になりますけれども、これは、予備試験の志願者が法科大学院の志願者を超えたという記事でございます。この記事によりますと、法科大学院の志願者離れが進んでいるように思いますが、まず、このことについて大臣の率直な意見、御感想をお伺いさせていただきたいと思います。
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谷垣禎一#7
○谷垣国務大臣 今、予備試験についてはいろいろな議論があるわけですね。予備試験というのは非常に大事な試験だという方もあれば、ちょっと本来の趣旨を超えてきているんじゃないかというような御議論もあって、私どもも、今、法曹養成制度改革の中でいろいろ議論をしているわけですが、今の、法科大学院の志願者の数を超えたということで、ではそれをどう評価するかというのは、予備試験受験者の中には法科大学院生もかなり含まれているものですから、評価は、単純な比較というのはなかなか難しいなと思っております。
 いずれにせよ、法曹養成制度改革、今各種の施策を検討中でございますので、そこでしっかり議論して、やはり将来ある人がこの分野に入ってきてくれるような対応をきちっと考えていくということが一番大事なことではないかと思います。
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井野俊郎#8
○井野委員 この点について、少しこれから法科大学院の状況等について議論を深めていきたいというふうに思っております。
 続いて、二枚目の資料をごらんいただければと思います。これは、文科省からいただいた法科大学院の入学定員、また設置状況についての資料でございます。
 この法科大学院、全国各地にございますけれども、今年度の入学定員、いっぱい記載されておりますけれども、この記載されている法科大学院のうち、入学定員を充足した学校は幾つあり、それはどの学校か、まず教えてください。
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中岡司#9
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 平成二十六年度の法科大学院の入学者選抜におきまして入学定員充足率が一〇〇%に達した法科大学院は、当該年度の学生募集を行った六十七校中六校でございます。
 その内容でございますけれども、筑波大学、千葉大学、京都大学、大阪大学、一橋大学、それと首都大学東京でございます。以上、六校でございます。
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井野俊郎#10
○井野委員 これだけ入学定員、平成二十六年度、記載されている大学があって、六校だけ入学定員を充足したということであります。もちろん、志願者数はこの記載されている定員よりも多いのはこれは私も認識はしておりますけれども、しかしながら、はっきり言って、六校、いずれも国公立大学になるかと思いますけれども、東大の二百四十人ですら入学定員を充足しないということに関して私も本当に衝撃を受けたわけであります。
 これはどういうことかといいますと、単純に言えば、やはりロースクール試験を受験する人の、悪く言えば、法科大学院入学に見合うような学生がもう来なくなってしまった、法科大学院を目指さなくなってしまった。これはすなわち、先ほどの新聞記事にもありますように、優秀な学生はもう法科大学院よりも予備試験に行こうというふうに考えているんじゃないかな、私はそういったふうに、ある意味、危機感、この制度自体の危うさをすごく感じております。
 この学生の法科大学院離れについては本当に早急に対策を打たなければ、先ほど大臣は検討とおっしゃっていましたけれども、余り検討する時間はないのではないかなと思っています。この法科大学院離れが進んでいる現象については、文科省の方としてはどう考えているんですか。
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中岡司#11
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 法科大学院の入学定員が充足していない状況の原因といたしましては、司法試験合格率の低迷や弁護士の就職難等に伴いまして法曹志願者が減少する中で、各法科大学院において入学者の質の確保に努めている結果というふうに考えております。
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井野俊郎#12
○井野委員 いや、ですから、志願者を選抜して、でも結局、優秀な人だったら当然法科大学院としては採りたいわけですよね。これだけの定員を設けているということは、それだけの受け入れ体制がある教育、教員を正直言ってそろえて、うちはこれだけ、東大でしたら二百四十人募集して、来てくださいよと。でも、実はそこには、試験をした結果、優秀な学生は来なかったということだと思うんですよ。その優秀な学生が来ない原因についてどう考えるんですかということを聞いております。
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中岡司#13
○中岡政府参考人 再度お答え申し上げますけれども、法科大学院に優秀な学生がなかなか来ないという御指摘でございます。
 先ほども申し上げましたけれども、やはり、各法科大学院の方で、司法試験の合格率が非常に低いというようなことで、そういったところがございますし、また、養成期間あるいは経済的負担だとかそういったものもかかるというようなこともございますし、先ほども申し上げましたような出口の部分でございますけれども、就職難というようなところも念頭にあるのではないかというふうに考えております。
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井野俊郎#14
○井野委員 先に議論を進めさせていただきますけれども、法曹養成制度については、この委員会においても何度も議論されているのは私も議事録において確認させていただいております。大臣も本当に意見対立が厳しいということをお話しされていて、答弁も苦しいんだなというふうなことは存じております。しかしながら、この問題についていつまでも検討、検討ということを言っている状況にはないと思っております。
 大臣は、その五月十四日の法務委員会において、法科大学院の問題点について、今までの日本の制度にロースクール制度という接ぎ木をした、接ぎ木をした点がうまくいっていない面が多々問題として出てきているんじゃないかというような御答弁をされております。この接ぎ木と表現された具体的な問題点というのは、大臣としては具体的にどういうところにあるのか、お伺いさせていただきたいと思います。
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谷垣禎一#15
○谷垣国務大臣 この司法制度改革をやってロースクールを導入するまでは、日本の大学はアンダーグラデュエートの法学部があって、そして司法試験を受ける者は、大学院等々に進んだ方もいますけれども、制度としては、そこで試験を受けて、司法試験になって、法律家になっていくという道が想定されていた。
 それから、大学法学部というのは、必ずしもいわゆる法曹三者の養成ということだけではなくて、幅広く、いわば文科系といいますか、社会に法律の素養を持った人を送り出すことを使命としていたと思うんですね。そういう制度のところにアメリカのロースクール、つまり、卒業後にポストグラデュエートでプロの法律家を養成するという制度を取り入れたけれども、そこに新しい制度を取り入れるとどういう問題点が出てくるかということを十分意識しないでやってしまったことがある。
 それで、幾つか問題点があると思います。それは、美しく言えば、大学法学部があって、その上にロースクールがあって、その上にさらに日本の制度では司法修習もある。これだけ、美しく言えば手厚くですが、悪く言えば屋上屋を架してプロの法律家を養成しているような制度がどこにあるんだろうか。それはやはり、では、例えばそういう制度をつくったときに、学部は何を教育するのかということを十分詰めていたのか。それから、これだけ積み重ねれば当然金銭的にも時間的にも手間がかかるというか、コストが、負担が大きい。そういうことが、例えば予備試験にこれだけ、先ほどおっしゃったような、予備試験に行くという問題も生じているかもしれない。
 それから、従前、やはり学部と研修所という体制をとったときは、ポストグラデュエートは、どちらかというと研究者の養成というところにあったと思います。それが、実務家を養成するというロースクールをつくる。それで、一挙に数をふやしたものですから、従来、司法研修所は実務家の教員がたくさんおられまして、極めて優秀な方がプロの養成に当たっていた。しかし、実務の現場としても、優秀な方を現場から割いて人材養成に充てるというのは相当な負担といいますか、相当なエネルギーをそこに割いていた。実務家の数がそれだけまだふえていない中で、一挙に、では、ロースクールに従来の司法研修所の機能もある程度代替させようとすると、本当に教育に必要な人材というものが十分確保できていたのかどうかとか、ちょっとまだ、私、言い出すと、これは切りがありませんので、余り答弁はだらだらしてはいけません。
 そういったさまざまな問題点が、今ある意味では顕在化しているのではないかというふうに私は思っております。
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井野俊郎#16
○井野委員 本当にこの問題に関しては、例えば法務省とか文科省だとか、連携の問題であったり、いろいろな省庁間であったり、そういうさまざまな、これは法務委員会だけの問題ではないというふうに私も存じておりますし、大臣の所掌だけではいかんともしがたい面があるというのも、本当にそのとおりだと思っております。そういった中でも、やはりもうこれはスタートをしてしまったものでありますから、この問題点はやはり一つ一つクリアにしていかなければならないというふうに思っております。
 私も、先日、ある意味、今の司法試験制度のユーザーともいいましょうか受ける側、受験生であったり修習生、いわゆる法科大学院生、そういう方々と意見交換させていただきました。
 彼らの中には、確かに、法科大学院という制度ができてから、そこへ行って司法試験にチャレンジしてみようというふうにあったから、まだその方は受かっていないんですけれども、私は受けることができたという者もいれば、逆に、法科大学院は、あくまでも司法試験を目指す者の一つの手段にしかすぎない、受験勉強というのはあくまでも一人一人で勉強すればいいことだから、僕にとっては法科大学院は時間をとられるのでちょっと煩わしい制度であったというようなことを言う、その方は修習生でありましたけれども、そういう方もいらっしゃいました。
 ただ、私が話してみて感じたのは、いずれの学生においても共通しているのは、まずは試験に合格すること、試験に合格しなきゃ法科大学院の存在意義はないんだというような話は、やはり全受験生に共通していることではないかなというふうに感じました。
 どんなにすばらしい教育、法科大学院ですばらしい教育をやっているかもしれませんけれども、このすばらしい教育を受けられたとしても、やはり最終的には司法試験に合格する、つまり弁護士になれる資格をもらうという最終目的に達しなければ、時間と費用をかけた意味はどこにあったのかということだと思います。
 ある修習生は、法科大学院のカリキュラムをできるだけとって、レポートなど全て課題をこなした。他方、私の友人は、法科大学院の授業というのは本当に最低限のものしか受けなかった。結果、どうなったかというと、その友人の方が早く司法試験に受かって、私の方が試験合格からはちょっと一歩二歩おくれてしまったということは、やはりその修習生も言っていました。
 私は、本当にここに法科大学院の大きな矛盾があるんだなというふうに感じました。つまり、学生のニーズというものは、やはりあくまでも司法試験に合格するということなんです。しかしながら、法科大学院の出発点からして、予備校とは違うんだ、単なる受験指導をやるところではなくて、もっと幅広い法曹を養成していく、この出発点が法科大学院にありますから、いわゆる学生側のニーズと、需要と供給、法科大学院側の教育という供給部分、この大きな、最終的な目的、到達点、向いている方向の違いが、やはり大きな矛盾点というか、うまくいっていない制度の矛盾点にあるんじゃないかなというふうに考えております。
 そこでお伺いしますけれども、こういった学生のニーズに対応しない限り、やはり法科大学院離れというのはこれからも進んでいくんじゃないかなと思います。今六校だけ定員充足していますと言っていましたけれども、これもそのうち、こういった学生のニーズに対応しない限りは、法科大学院離れ、定員充足しない学校はますますふえていくんだと思いますけれども、こういった問題点についてはどう考えていらっしゃいますか。
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中岡司#17
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 法科大学院につきましては、平成十三年の司法制度改革審議会の意見書の中で、二十一世紀の司法を担う法曹に必要な資質ということで、法理論教育を中心としつつ、実務教育の導入部分もあわせて実施して、実務との架橋を強く意識した教育を行うという方向性が示されたわけでございます。
 法科大学院は、そういったことを踏まえまして、法曹養成に特化した専門職の大学院ということでございますので、司法試験で問われているような将来の実務に必要な学識及び応用能力等を学生に身につけさせ、司法試験の合格に資するような教育を行うことは、法科大学院の本来の役割であると考えております。
 法科大学院における授業、教育方法につきましては、平成十九年に中教審の法科大学院特別委員会におきまして具体的な取り扱いなどが提示されておりまして、文部科学省といたしましても、全ての法科大学院に対しましてその内容を周知してきたところでございます。
 具体的には、司法試験の解答の作成方法に過度に傾斜した技術的教育や理解を伴わない機械的な暗記をさせるなどの教育は不適当である一方で、司法試験の問題やそれに類する形式の事案が教材の一つとして使われることをもって直ちに受験指導に偏った指導であるということは適当でないこと、個々の指導が本来あるべき法科大学院教育として適当であるか否かは、その目的と形式及び態様との組み合わせにより総合的に判断すべきものなどについて周知してきたところでございます。
 しかしながら、例えば司法試験の過去問等を教材として使用することが一律に禁止されているとの誤解が一部の大学の教育現場に見られるとの指摘もございます。
 そういうことから、法科大学院における司法試験に関連する指導方法等の適切なあり方につきまして、現在、中央教育審議会におきまして、具体的な取り扱いがより明確になるよう議論をいただいているところでございます。文部科学省としても、その議論を踏まえて適切に対応したいと思っています。
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井野俊郎#18
○井野委員 一つ確認させていただきたいんですが、法科大学院、教育内容について改革を進めていくということなんですけれども、そういう改革を進めていくに当たって、いわゆる実際の現場の学生さんたちからの意見といいましょうか、そういったものは聞いているんでしょうか。
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中岡司#19
○中岡政府参考人 基本的に、そういった受験に関しましてかなり学生さんが意識されているということにつきましては、先ほどもお話が出ておりましたけれども、予備試験に関しまして法科大学院の学生さんにアンケート調査をさせていただきましたところ、予備試験の方をかなり意識されているということがございますので、やはり、そういったところからしても、そちらのニーズといったところにかなり目が行っているのではないかというふうに考えております。
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井野俊郎#20
○井野委員 学生のニーズに応えない限りは、法科大学院はやはりうまくいかないと私は思っていますので、そこら辺の御配慮も引き続きよろしくお願いいたします。
 それで、私も、学生や修習生から先日お話を聞いていて感じたのは、昔の司法試験制度に比べて時間的また経済的負担がやはり大きくなっているのかなと。特に私が実感したのは経済的負担でありました。
 私立の法科大学院に入学しますと、年間授業料として約百五十万円ぐらいですね。さらに入学金等も入れたら三年間で約五百万円払うわけですね。この上にさらに生活費が上乗せされ、かつ、修習の一年間の生活費も上乗せされる。恐らく、法科大学院三年プラス一年の修習を入れたら、一千万の借金を背負って、これは親が出してくれれば話は別ですよ、一千万の借金を背負って法律家、弁護士としてスタートしなきゃならないということになります。
 正直言って、私が司法試験受験を始めたときは、予備校に百万円払えば二年間のカリキュラムを受けられる。あとは答練とかをちょろちょろ、ちょろちょろと言ったらおかしいんですけれども、受ければ大丈夫です。恐らく、かかっても授業料だけでは百五十万もいったかいかないかぐらいだと思います、予備校に払った授業料としては。かつ、それでいて、当然時間も、法科大学院、未修だったら三年間は通わなきゃならない。こういった時間的、経済的負担の削減なくして魅力的な法科大学院にしていくというのはやはり難しいんだと思いますね。
 だから、例えば法科大学院生は予備試験を受けていますけれども、それは当然ですよ、やはり一年でも早く予備試験を通って、一年でも早く法科大学院から離れれば百五十万浮いちゃうわけですからね。それは、時間的、経済的負担、やはり法科大学院もなるべく早く、親に負担をかけたくないという学生の気持ち、わかるんですよね。こういった時間的、経済的負担軽減策についてどう考えていらっしゃるんですか。
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中岡司#21
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 昨年六月の政府の法曹養成制度検討会議の取りまとめでは、法曹志願者が減少する原因の一つといたしまして、「大学を卒業した後の数年にわたる法科大学院での就学やそのための相当額の金銭的負担を要することから、法曹を志願して法科大学院に入学することにリスクがあるととらえられている状況にある」と指摘されてございまして、この時間的、経済的負担の軽減に向けて取り組むことが必要と考えてございます。
 このため、文部科学省では、時間的負担の軽減策といたしまして、昨年十一月に公表いたしました公的支援の見直しのさらなる強化策の中で、早期卒業などを活用した優秀者養成コースの設定が加算される可能性を示しておりまして、大学の取り組みを促すとともに、中教審の法科大学院特別委員会におきましても、飛び入学等を活用した法曹養成のための教育期間短縮に関しまして、入学者の質の担保等が前提ではございますけれども、その円滑な運用を促進する方向で議論されているところでございます。
 また、経済的負担の軽減策の方でございますけれども、日本学生支援機構の大学等奨学金事業の中で対応しているとともに、国立大学、私立大学それぞれの授業料減免の充実を図っているところでございます。
 今後とも、意欲と能力のある学生が経済的理由により修学を断念することのないよう、引き続き奨学金事業等や授業料減免の充実に努めてまいりたいと考えております。
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井野俊郎#22
○井野委員 飛び級だとかいろいろなことを考えていらっしゃるのはわかるんですけれども、一つ奨学金について私言わせてもらうと、これはおもしろいことで、奨学金というのはやはり優秀な学生さんが得られるんですね。すなわち、どういうことかというと、司法試験、最終的に、法科大学院の中でも上の方にいる優秀な学生が、当然、法科大学院を卒業して、実績をつくりたいわけですから、そういう人に奨学金が行くわけですね。逆に言えば、法科大学院の中でも合格から遠い下の方の人間は奨学金制度を受けられない。そういった本当に経済的負担も多くて、かつ、合格から、勉強しないやつが悪いんだと言えばそれまでかもしれませんけれども、よりそういう下層の人に厳しいような制度になっているんじゃないかなということをちょっと指摘させていただきます。
 もう一つ、法科大学院に対する補助金、約五十八億円投入されているという答弁で、私も拝見させていただいていますけれども、定員を充足しなくても法科大学院に対して補助金は満額支給されるというふうな答弁もございました。
 果たして、それで本当に国民の理解というのは得られるんでしょうか。何か逆に、教員を食べさせることだけの補助金になっているというふうに私は感じてなりません。そうであれば、少なくとも、そういう苦労して法曹になろうとする学生に対して、司法修習生で給費制を復活させるとか、はるかにその方が若い人に対する援助といいましょうか、投資という意味ではメリットがあると思うんですけれども、この点についてはどう考えていらっしゃるんですか。
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中岡司#23
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 文部科学省といたしましても、入学定員の充足状況が著しく悪く、成果を上げていない法科大学院は入学定員を削減するなどの改善が必要と考えておりまして、既に現行の公的支援の見直しの中でも、入学定員充足率を指標の一つとして、その数値が著しく悪いなど、入学者選抜や司法試験の合格状況において深刻な課題を抱える法科大学院から公的支援の一部を減額する措置を講じているところでございます。
 さらに、昨年十一月に公表いたしました公的支援の見直しのさらなる強化策につきましては、これは政府の平成二十五年の七月の法曹養成制度関係閣僚会議の決定を踏まえたものでございますけれども、公的支援の見直しの強化策など入学定員の削減方策を検討するというようなことが方向性として出されております。
 それは、全ての法科大学院を対象にいたしまして、入学定員の充足率など多様な指標に基づき三類型に分類をいたしまして、現在の入学定員の充足率を参考に、類型に応じて、減額された公的支援の基礎額を設定するなどの仕組みとしております。入学定員の削減など、抜本的な組織見直しを促進しているところでございます。
 これらの取り組みを通じまして、現在までに学生募集を停止した法科大学院は、これまでに設置されました全七十四校中十八校に上ってございます。
 なお、統廃合を含めた抜本的な組織見直しが行われることによりまして、法科大学院に係る所要の経費を減額することとなると考えております。
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井野俊郎#24
○井野委員 済みません、時間ですので、最後にちょっと一つだけ大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
 私、いろいろな話を聞いてきて思いましたけれども、先ほど答弁でも、弁護士になる、先行きが、就職できるかどうかわからないから法科大学院離れだとかが進んでいるというふうに答弁もございました。
 私、この法科大学院制度、全て悪い面ではないなと思っておりますけれども、この制度を維持しながら法科大学院をよりよいものにしていくとなったら、やはり最終的には入学定員ないしは合格者を減らすしかもう道はないんだというふうに思っています。それだけ時間とお金をかけてでも、将来、弁護士になっていい仕事ができて、そして収入もあるんだということの実感というか、そういうものが見えない限りは、やはりこれから先、ますます志願者離れが進んでいくんだと思いますが、大臣の御意見をお聞かせください。
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谷垣禎一#25
○谷垣国務大臣 私の公式な立場からしますと、今、法曹需要がどれだけあるのかきちっと調査をして、その調査を待って解決しようということになっておりますので、それを踏み越えて、今こうだというのは、公式にはなかなか難しゅうございます。
 ただ、今までの法曹養成改革、改革議論がかつてからずっとありまして、一番最初、ロースクールの設計のときに、当時、規制改革論者の御意見も大変強かった。やたらにロースクールの定員等をきつく管理すると、参入障壁をそこにつくることになってよくないという御議論が当時は強かった。しかし、では全部規制を撤廃したら自動的に自由競争で、それは勝者が残って、いいところが残って淘汰されていくんだといえばそれまででしょうけれども、ちょっとそこに飛躍があったなというのは当時の議論を顧みて大きな反省点だと思っております。
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井野俊郎#26
○井野委員 本日は本当にありがとうございました。
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江崎鐵磨#27
○江崎委員長 次に、横路孝弘委員。
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横路孝弘#28
○横路委員 本日は、一つは、総務省の行政評価局が平成二十六年の三月に、刑務所出所者等の社会復帰支援対策に関する行政評価・監視結果報告書というのを出されました。
 この中身というのは、大体四点になっておりまして、一つは、就労支援で、刑務所、保護観察所と公共職業安定所の連携が不十分である、それから、住居の確保というところでは、更生保護施設等への受け入れが不十分である、それから、高齢者と障害者への福祉的な支援については、これは地域生活定着支援センターがやっているわけですが、そことの連携が不十分である、それから、釈放前、満期釈放者、この人たちへの指導が不十分であるという指摘をいただきました。
 個々具体的なことは後で議論しますのでいいんですが、法務省は各省の協力も得ながら、主に出所者対策、再犯防止ということを重点的に進めてこられたわけですね。しかしながら、こういう評価を受けた。しかも、この評価の中身は、基本的なやるべきことをやっていないよというのがベースになっているような報告書でございまして、読んで少しがっかりしたんですが、法務大臣として、この勧告をどのように受けとめますか。
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谷垣禎一#29
○谷垣国務大臣 まず最初に、横路先生が、矯正や保護の問題、今エネルギッシュに研究されて、いろいろ御議論を賜り、また御提言もいただいていること、大変ありがたく思っております。
 そして、今御指摘がございましたけれども、総務省の方で、四点というふうに要約されましたけれども、御指摘をいただいたわけです。
 私ども、確かに、再犯防止、これを法務省の重点政策として進めてまいりましたけれども、御指摘を受けた点、まさに取り組んでいるんだけれどもまだ努力が足らないと御指摘を受けたわけでありまして、どれも重要な項目でございますので、重く受けとめております。
 こういった勧告も踏まえまして、今挙げられた四点、いろいろなことがございますが、一つは、法務省だけでひとりよがりに踊ってもだめだ、関係機関との連携をさらに深めろということでございます。これは、必要な指示等もかなり丁寧に私どもの傘下のところにはいたしまして、実効性のある社会復帰支援ができるように力を入れて取り組んでいきたいと思っております。また横路先生からもいろいろ御指導をいただきたいと思っております。
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