農林水産委員会

2015-07-30 参議院 全188発言

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会議録情報#0
平成二十七年七月三十日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月二十九日
    辞任         補欠選任
     馬場 成志君     太田 房江君
     堀井  巌君     大野 泰正君
     小川 勝也君     礒崎 哲史君
     柳田  稔君     野田 国義君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     石井 正弘君
     太田 房江君     井原  巧君
     礒崎 哲史君     小川 勝也君
     野田 国義君     柳田  稔君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                野村 哲郎君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                井原  巧君
                石井 正弘君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                金子原二郎君
                小泉 昭男君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                礒崎 哲史君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                野田 国義君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                山口那津男君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       農林水産副大臣  小泉 昭男君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       中川 郁子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       高田  潔君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        新井  毅君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      松尾  勝君
       外務大臣官房審
       議官       伊藤 直樹君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省生産
       局長       松島 浩道君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       農林水産省農村
       振興局長     三浦  進君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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山田俊男#1
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、馬場成志君、堀井巌君、小川勝也君及び柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、大野泰正君、礒崎哲史君及び野田国義君が選任されました。
    ─────────────
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山田俊男#2
○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官高田潔君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山田俊男#3
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山田俊男#4
○委員長(山田俊男君) 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古賀友一郎#5
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。
 農協法改正案の審議ということでございまして、前回から少し間が空いてしまいましたけれども、衆議院を含めたこれまでの国会審議も踏まえながら更に議論を深めていきたいと思っております。
 まず、准組合員の利用制限の問題についてです。これについては、前回の当委員会でも答弁がありましたように、今後五年間、事業ごとの准組合員の利用量や地域ごとの代替サービスの供給状況を調査するとともに、農協改革の成果も見極めた上で利用制限の在り方について検討をするということで、現時点で制限するかどうかは全く決まっていないということでありました。
 利用制限ありきのこの形式的な議論から脱却をしてより実質的に見ていこうという転換が図られたことは、これは私は大いに評価をさせていただきますけれども、一方では、ではどういう方向に向かっていくのか、どういう状態になれば利用制限が導入されるのかという判断基準が不明確であるために、全国の関係者が大変不安に感じているところでございますので、今日はその辺りについて質問をさせていただきたいと思います。
 私は、この問題についてはあくまでも農協法の目的に従って考えていくべきと思っております。農協法の目的は、今日お配りした資料にも載せておりますが、第一条によりますと、農業生産力の増進と農業者の経済的社会的地位の向上とされておりまして、農協の発達はあくまでもその手段としての位置付けでございます。したがいまして、准組合員が増えて、その農協の性格がどうこう言うよりも、より大きな価値観といいますか、そういう農業生産力の増進でありますとかあるいは農業者の経済的社会的地位が向上したかどうかといった観点から判断されていくべき、そういう問題だと思っております。そうした意味から、前回の当委員会で林大臣が、准組合員の人数のみを基準にして規制することにはならないと、こう答弁されたのはもっともな御見識だと思っております。
 そこで、まずこの規制の在り方の議論に入る前に、一つ確認をしておきたいことがございます。それは、昨年六月二十四日に閣議決定されております政府の規制改革実施計画についてであります。
 この計画は、配付資料の二ページ目に載せておりますけれども、そこでは、准組合員の事業利用について一定のルールを導入する方向で検討するとなっておりまして、これは前回の当委員会での政府答弁とは明らかに違うわけでございまして、その点をはっきりさせておきたいと思うわけでございますが、私のこれは見るところ、何も決まっていないという、そのことを内容とする農協法改正案がこれは今年の四月三日に閣議決定されておりますので、その決定によってこの規制改革実施計画の当該箇所は言わば上書きをされたと。したがいまして、その矛盾、抵触する部分についてはそこが変わったんだと、そういうふうに理解するのがこれは至極妥当な解釈だと、こう思うわけでありますけれども、今日は内閣府から赤澤副大臣にお越しをいただいておりますので、その辺の見解をお伺いしたいと思います。
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赤澤亮正#6
○副大臣(赤澤亮正君) 規制改革を担当する内閣府副大臣の立場でお答えをいたします。
 今の古賀委員の御質問のとおりと基本的に考えていただいてよろしいと思います。政府は、社会経済情勢に応じて様々な、その時点でベストと思う意思決定をいたします。その中で、御指摘の閣議決定は一番格の高い意思決定であるというふうに理解をいたします。そして、規制改革実施計画は平成二十六年六月二十四日に閣議決定されております。その時点では、委員御指摘のとおり、准組合員の事業利用について、正組合員の事業利用との関係で一定のルールを導入する方向で検討するとなっておりました。
 この准組合員の事業利用についての政府の新たな意思決定、最新のものはいつかといえば、これは、平成二十七年、今年の四月三日の農業協同組合法改正案の国会提出の際の閣議決定でございまして、その中では、政府は、准組合員の組合の事業の利用に関する規制の在り方について、施行日から五年を経過する日までの間、調査を行い、検討を加えて、結論を得るものとするとなっております。その限りにおいて、委員御指摘のとおり、この最新のものに書き換えられていると、それが最新の政府の意思であるということだと理解をしております。
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古賀友一郎#7
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今、本当に明快に赤澤副大臣から御答弁をいただきまして、私もそこは安堵をいたしました。今の答弁で、政府として、全体としての解釈ははっきりしたんだと、このように思います。
 赤澤副大臣の答弁は以上でございますので、もしよろしければ委員長の差配にお任せいたしますけれども。
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山田俊男#8
○委員長(山田俊男君) 赤澤副大臣、お残りいただければそれでも結構でございますけれども、お仕事があればどうぞ御退出ください。
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古賀友一郎#9
○古賀友一郎君 それでは、具体的にこの規制の在り方について質問していきたいと思うわけでございますが、まず、この問題を考える上では、そもそもどうして准組合員が増えることが問題なのかというところからやっぱり出発すべきだと、このように考えておりますが、その点、これまでの農水省の答弁によりますと、准組合員へのサービスが主眼になって正組合員へのサービスがおろそかになってはいけないと、そういうことだからという御説明でございました。そうした認識は、農協法一条の目的に照らして、私も全く同感でございます。
 しかし、それは裏を返しますと、正組合員へのサービスがおろそかになっていなければ問題はないということでもあると思いまして、更に申し上げれば、准組合員の利用する事業をやることによって正組合員へのサービスが維持されている、あるいは更に向上をしていくということになるとすれば、これは、農協法の精神としては規制されるどころかむしろ奨励してもいいぐらいではないかと私は思うわけであります。
 そこで、配付資料の三ページを御覧いただきたいと思うわけでありますけれども、農協の事業の中で主に准組合員が利用している事業、いろいろあると思うんですけれども、そういった事業を私なりにベン図で整理をしてみた概念図であります。
 その事業の中で、採算性のある事業の集合、これは青で着色している部分でありますけれども、この集合の中に、農業生産や農家所得の向上につながる営農指導あるいは共同販売、共同購入といった事業を財政的に支えている事業の集合、この黄色で着色している部分の集合でありますけれども、それが完全に包含をされているということで、さらに、それぞれの集合が、この赤の集合、赤で着色した集合ですね、地域インフラとして不可欠な事業の集合とそれぞれ交わっているという概念図であります。
 恐らく、私の考えるところ、こういった頭の整理で当たらずとも遠からずじゃないのかなと、このように思っているわけでございますけれども、それを前提にして考えていったときに、まずこの黄色の集合でありますけれども、この集合については、准組合員が主に利用している事業とはいえ、そこで得られた利益で正組合員へのサービスを支え、農業生産や農家所得を支えているわけでありますから、まさに農協法の趣旨にかなっている事業と言えると思うわけであります。
 したがいまして、私に言わせれば、むしろこういった事業は拡大していっていいんじゃないかというふうに思うぐらいでありますけれども、少なくとも、この黄色の事業については准組合員の利用制限をする必要は私はないんじゃないかと、このように考えておりますけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
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奥原正明#10
○政府参考人(奥原正明君) 現在の農協経営の平均的な姿見てみますと、経済事業部門が赤字で、これを信用、共済といった金融事業の黒字で補填をするという構造が平均的な姿になっております。この補填をすること自体が法律に触れるとかそういうことではもちろんございませんけれども、農協によりましては、この経済事業を改善することがもうできないというふうに諦めてしまって、准組合員等への金融業務に注力をしている農協も見られるところでございます。
 農業者の中には、これは衆議院の農林水産委員会の参考人の質疑でもございましたけれども、農業者の中からは、担い手を中心とする方からは、自分のところの農協が農産物の販売等を余りやってくれないで、准組合員等の金融業務の方にどうしても注力が行ってしまっていると、ここを何とかしてほしいという御意見もございました。これも実態上の事実だというふうに思っております。
 このために、今回の農協改革におきましては、この信用、共済事業中心の事業運営ではなくて、それぞれの地域農協が地域の特性を生かして、創意工夫で自由に経済活動を行って、農産物の有利販売などに全力を挙げられる、そういう環境整備をすることを基本的な考え方としているわけでございます。こういった問題意識との関係で、この准組合員の利用規制の在り方についても議論されてきたわけでございますが、先ほど赤澤副大臣の方からもございましたけれども、これにつきましては五年間の調査を行った上で決定するということになっておりますので、現時点では何も決まっているわけではございません。
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古賀友一郎#11
○古賀友一郎君 なかなか答えづらそうな答弁でありましたけれども、もちろんその経済事業の収支を改善していく取組、これはこれで当然頑張っていただくべき問題だと思うんですね。私もそう思います。全く異存はございません。
 ただ、今議論をしているのは、その経済事業以外に収益を上げている、准組合員利用によって収益を上げている事業、この事業を制限するかどうかと、これが議論なわけでありますから、まさに私はそういう観点から伺ったんですね。もちろん、その結果をどうするかというのは、それはもう五年後の調査を踏まえてということで、それは私は否定をしていないんですけれども、要するに考え方なんです。どういう考え方で取り組んでいくのかという考え方の問題でありますから、今の答弁だとちょっと何もお答えいただいていないような感じでありますので、もう一回、奥原局長、何かありませんでしょうか。
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奥原正明#12
○政府参考人(奥原正明君) やっぱり問題点がどこにあるかということでございますけれども、農協は農協法上いろんな仕事できるようになっているわけですね。農協自身の判断でいろんな事業をやってもちろんいいわけでございます。その収益が出たときに、それをほかの事業に回すことも、一つの法人ですから当然できてしまいますし、それが悪いということでもございません。
 ただ、問題は、農業の振興のための事業、農産物の販売を一生懸命やる、あるいはその生産資材を有利に調達する、このことに本当にどれだけ力を入れていただいて、農家の方々がメリットを感じられるかという、まさにそこにあるというふうに思っております。
 そのときに、確かに、補填財源を得るために、例えば、信用事業、共済事業、准組合員の方を含めて広めていくということも当然あり得るわけですけれども、そこに力を入れる余りに結局農業の方がなかなか販売の振興ができないということになっては困るという、そこが問題意識の一番根幹にあるところだと思っております。
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古賀友一郎#13
○古賀友一郎君 いや、そうなんですよ。私も、そこは全く異存はないんです。そこは頑張っていただいていいんですよ。ただ、私が言っているのは、今議論しているのは、まさにその准組合員が主に利用している事業をどうするかという議論なので、これは繰り返しになってしまいますけれども、そういうことを申し上げているわけですね。
 局長は、お分かりだと思う中で、なかなか答弁しづらいんだという事情もひょっとしたらあるかもしれないけれども、要するに、さっきおっしゃったように、現状、信用事業とか共済事業で出した黒字で経済事業の赤を埋めているという状況で、そこに甘んじてはいけないということを言いたいのは分かるんですね。それはそれで経済事業の赤を改善していこうというのは分かるんです。ただ、おろそかになっちゃいけないというだけの話でありますから、それはそれで、ちゃんと上がった利益をそっちの方の経済事業に回してやるというのは、これは私は、それは否定されるべきじゃなくて、むしろ奨励してもいいと思うんです、おろそかになっていなければ、本業の方が。
 だから、そういうことなので、これは農家の方の実需としても、これは一昨年ですか、十二月の農水省の調査によりますと、農家が最も強化してほしいと思っている農協の事業は、第一位、営農指導で、第二位が販売事業、第三位が購買ということでありますから、まさにそこに資する、その財源を生み出す事業として位置付けることによって、私は、何もその黒字を出している事業をあえてそういった制約を掛けて財源を細らせる必要はないと思うんです。むしろ、そういった財源をしっかりと経済事業の方に回す、ため込むんじゃなくて、そっちの方に回してもらうということをやっぱりやっていくべきじゃないかなと、こういうふうに思っているわけですね。だから、政府においても、しっかりとそういった考えの下で調査をしていって、検討していっていただきたいなと、そういう思いであります。
 その点について、もし、林大臣、今、手が挙がりましたので、お考えあれば。
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林芳正#14
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な議論だと思っております。今局長から答弁いたしましたように、どういう基準でやっていくかというのは、まさに政府・与党で今から調査をしながら決めていくということでございます。
 党内でも随分、私、この間、党に戻っておりましたので一緒に議論をいたしましたけれども、まさに今の話は、この先生がお使いになっているところであれば、この青いところ、このところを使って、いろんななかなか青くなりにくいような、しかしやってくれという、営農やこういうものをやっていこう、大変いい話だと、こういうふうに思いますが、全体として見た場合にイコールフッティングという論点も党内の議論で出ておったというふうに記憶をしております。
 ほかの同じことをやっている方がもしいらっしゃって、その方が株式会社として法人税やほかの税も負担しながらやっている、一方で、これは協同組合ということでございますので、いろんな比較優位があると。そういう中で、全く同じ条件のもので同じことをやっているといかがなものかと、こういう議論も党内ではあったところでございますので、我々の農林水産省の中の検討では余りそういうことは出てこないかもしれませんが、先ほど規制改革会議等の政府全体の議論ということになってまいりますと、こういうところが特に我々の党内の議論では比較的都会の方の議論としてそういうこともあったということでございますので、そういういろんな論点をしっかりと踏まえて、党内、政府・与党でしっかりと調査の状況も見ながら検討していきたいと、こういうふうに思っております。
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古賀友一郎#15
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 そういう観点ももちろんあると思うんですね。ただ、私が言いたいのは、今せっかく財源を生み出しているこの事業について、下手な規制を掛けて、まさしく角を矯めて牛を殺すことがないように、これを留意していただきたいんです。
 次にちょっと質問を移りますけれども、今大臣が触れられましたこの青い部分ですね、ドーナツ状の青い部分です。これは、採算性はあるのに、営農指導とか共同販売、共同購入には貢献できていない事業ですね。これはまさに、これこそ正組合員へのサービスをおろそかにしている事業の典型じゃないかと、青がですね。先ほど私が議論していたのは黄色の部分なんです。まさに青は、これやっぱり問題をはらんでいると思うんですね。
 確かにこの部分については、株式会社化を考えたりあるいは准組合員の利用を制限したりする、そういう余地は私もあるとは思うんです。しかし、私たちはその前に、せっかく利益を上げている事業なんですから、わざわざこれを切り離したり制限するよりも、その前にこの黄色の方に取り込んでいくと。営農指導とか共同販売、共同購入に貢献する事業の方に移行させる、こういう指導を行っていく方が先決ではないかと思うわけです。その点についてちょっとお考えを伺いたいと思います。
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奥原正明#16
○政府参考人(奥原正明君) 今のこの青い部分でございます。採算性のある事業ということでございますが、採算性があればその仕事をどんどん農協としてやっていくかどうかというのは、これはちょっと考えなきゃいけないところはやはりあるんじゃないかなというふうに思っております。
 といいますのは、やっぱり農協としては人員もそれから資金も限られておりますから、それを一体どこに投入をしていくのかということはやっぱり一つの判断でございます。採算のある事業の方にどんどん投入してそこで収益を上げて、経済事業はそのままでその赤字を補填するというやり方もそれはあるかもしれませんけれども、やっぱり一番期待されているのは、経済事業、特に農産物の販売、資材の購買のところについて、本当に農家がメリット出るように、人的にもそれから資金的にもきちんとした対応を取ってほしいというのが担い手農業者の大きな声だというふうに我々は思っておりますので、そのこととの関係で、採算性のある事業につきましてもどこまでやるかということはやっぱり一つの判断を農協としてしていただく必要はあるんじゃないかなというふうに考えております。
 その上で、准組合員の利用規制の在り方、これにつきましてはこれから白紙で検討するわけでございますし、それから株式会社化の話もあくまでも農協における選択肢でございますので、そうやった方が農協として仕事がやりやすいという場合には考えていただくと、そういうものとして位置付けられているということでございます。
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古賀友一郎#17
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 いや、黒字を生み出すこの事業を余り熱心にやるが余りに経済事業がおろそかになれば別なんですよ。いや、それはそれで頑張ってもらうんです。収支も改善してもらうんです。でも、せっかく財源を生み出している貴重な事業を、無用な制限を掛ける必要はないんじゃないですかということなんですね。利益は上がっているわけですから、例えば人員を増やしてそこに事業を集中してやって、あっ、集中したらいけませんね、おろそかになりますからね、事業を展開していくことによって利益がまた増えるんであればそれでいいんじゃないでしょうか。地域の雇用も増えるわけですね。だから、そういった観点から考えていくべきじゃないのかなと。
 要するに、この青の事業は確かに問題なんですよ。だから、それを黄色の方にどんどん取り込んでいくと。それを今後五年間掛けてやっていくというのが私は妥当なんじゃないかなと思うわけです。よろしくその辺をお願いしたいと思うんですが、次に進みたいと思います。
 三つ目の問題がこの赤の着色部分ですが、これはほかに代替サービスもないということで、地域インフラとして不可欠な事業ではあるけれども採算性はないと。これが赤の斜線の部分であります、三日月状の。この部分についてなんですけれども、これは農水省も今後地域インフラとしての側面をきちんと調査をするということのようでありますけれども、そうした事業については、私も、少なくともほかの事業の利益でカバーし得る限りは、農協経営に甚大な影響を及ぼすような状況でない限り、これは存続させるべく准組合員の利用についても制限を掛けないようにしていくのが妥当ではないかと、このように思うんですけれども、見解をお伺いしたいと思います。
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奥原正明#18
○政府参考人(奥原正明君) この赤の部分でございます。地域のインフラとしての事業ということになりますが、特に農協の生活関連の事業につきまして、これが地域のインフラとしての事業かどうかというのはその地域によっても、あるいは事業によってもこれは違いがあるんだろうなというふうに思っております。
 これまでも農協の経営の中でこの生活関連の事業が採算が取れない、赤字であるという話が結構ございました。これにつきましては、累次の農協改革の中で行政的にもいろいろな指導をしてきておりますけれども、まずはこの収益の改善の努力をいろいろやっていただく、コストの削減を含めましていろいろな改善努力をしていただくと、これが基本でございますけれども、これをやってもなおこの赤字が解消できないという場合には、今御指摘ございましたように、ほかの収益の上がっている事業でもって補填をするというのも一つの考え方ですし、それから、この際これについては撤退をするということも、これも一つの選択肢になります。そこについては農協御自身が、特に正組合員が議決して決めるということになりますけれども、農協御自身がその事業について今後どうするかということをやっぱりきちんと判断をしていただく、こういうふうにこれまでも指導してきたところでございます。
 そういう意味では、その地域の方々、特に正組合員の方々が、その事業はもう地域のインフラであって、赤字であっても続けていく必要があるというふうに御判断いただければ、当然それは赤字であっても続けていくということになるわけだというふうに思っております。
 こういった、その地域のインフラとしての仕事が本当に役に立っている、なければ困る仕事が、これができなくなるようなことがないようにしなければいけないという思いは持っておりますので、今後この准組合員の利用規制の在り方の関係で調査をするときにも、そういったことがきちんと分かるような調査をきちんとしていきたいというふうに考えております。
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古賀友一郎#19
○古賀友一郎君 伺っていて、大体お気持ちは共通しているなという感じはありましたので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それを踏まえまして今後調査を行っていくということになるわけでありますけれども、これまでの答弁では、准組合員の利用実態、それから代替サービスの存在、それから農協改革への取組状況といったことを調査をするという答弁がなされておりますけれども、私は、今申し上げたようなことを判断していくためには、それ以外にも、例えば事業ごとの採算性、あるいは営農指導、共同販売、共同購入の維持強化について財政的な貢献度がどの程度あるのかと、こういったことも私は調査をしていくべきだと思うんですけれども、これについてのお考えを。
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奥原正明#20
○政府参考人(奥原正明君) 今御指摘いただきました事業ごとの採算性ですとか他事業による営農関連事業への財政的な貢献度、こういった点につきましては、現在の農協の中でも総会に報告を求めております部門別の損益の計算書、こういったものである程度把握することはできるわけでございますけれども、例えば部門の中を構成しております個別の事業の採算性まではこの報告書ではなかなか分かりませんので、現状のあれではある程度できますけれども限界もあるという状況でございます。
 いずれにいたしましても、この調査の内容につきましては、今後いろんな角度から検討していくことになりますので、今の御指摘も踏まえた上で、現実的な選択肢をよく考えた上で実行していきたいというふうに考えております。
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古賀友一郎#21
○古賀友一郎君 ありがとうございました。是非よろしくお願いします。
 今日私は、この問題で一番問いたかったのは判断基準なんですね。冒頭申し上げたとおり、それが分からないのでやっぱり現場の不安というのは非常に大きいというふうに見ております。
 もちろん、結果はその調査次第でありますから、結果をどうこう言うことはできませんけれども、こういう考えに基づいて調査をしていくんだと。こういう状態になればマルになって、こういう状態になればバツになるという。普通、調査というのは、やみくもに調べるんじゃなくてある程度判断基準を持って、それに必要な判断材料を収集するというのが調査だと思うんですね。
 しかも、今回の農協改革も、この利用制限を掛けることが別に問題ではなくて、そういう方向に農協を誘導することによって農家所得を増やしていくということがこれは目的なわけでありますから、そういった意味でも、判断基準を示してあげて、こういう方向に農協変わっていってねというふうなアナウンスをして誘導する方が私は良いように思うんです。
 それは現場の不安の解消にもつながると思うわけでありまして、そういう意味で、この調査を実施する前に、こういう考え方で調査をしていくんですと。結果がどうこうじゃなくて、結果は調査次第ですから、マルになるかバツになるかは別問題ですから。そうじゃなくて、判断基準はこういうものですよというふうなことを示しながら調査をしていくというのが重要だと思うんですけれども、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
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林芳正#22
○国務大臣(林芳正君) まさに先ほど規制改革の方から御答弁がありましたように、今回新たな上書きをしたという考え方には、規制の導入の方向でということを規制の在り方についてと、こういうふうに書き換えさせていただいたわけでございますので、まさに今お話のあったような、こういう判断基準でやるので調査をしますと、その数字に当てはまるかどうかを調査しますというのは、まさにこの在り方に含まれるところだと、こういうふうに考えております。
 我々が党で議論したときも、地方での今の必要なインフラという御議論もありましたし、都市部で主にほかの民業圧迫という議論もあったので、果たして同じところを見て議論をしているのかと、こういうことがございました。今までこういうことが、規制というのがなかったものですから、この実態の数字もないということで、まず実態をそれぞれ地域に応じて、そしてその地域で類似のサービスが提供されているか否か、どういう主体によって提供されているか、こういうことも幅広くまずは調査をしなければならないと思っております。
 その上で、どういうふうに規制をするのかしないのかということも含めて政府・与党で検討していくと、これがこの間決めたことでございますので、今の段階で我々だけで何かこういう数値基準を作って、ここに入ったらしますよ、ここに入ったらしませんよということは、まだその一歩手前のところに我々はいると、こういうふうに考えておるところでございます。
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古賀友一郎#23
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 全くちょっと見方、価値観の違う人の顔も思い浮かべながらやらなきゃいけないと、こういった事情もあるとは思います。なかなか、そこは奥歯に物が挟まるとは思いますけれども、少なくとも今私が申し上げたようなことを頭の中で、これを紙にして表に表現するというのはなかなかはばかられるんじゃないかと思いますが、そういったことを頭の中に置いて調査をしていくということは少なくともお願いしたいと思うんですね。恐らくは気持ちは伝わっていると思います。皆さんの気持ちも伝わってきます。是非その点を意識して、今後取り組んでいただきたいと思います。
 次に移りたいと思います。
 私は、今回のこの農協改革、准組合員問題と併せてもう一つ、農協の株式会社化と独禁法の問題、これ非常に大きなポイントだと思っております。それは、何となれば農協の本質に関わる問題をはらんでいるからでございます。
 そもそもなぜ農協をつくるかというと、これはもう林大臣も何度も答弁されておられますが、要するに弱い農家が集まって共同販売、共同購入を行うことで大きな企業と渡り合うようなバーゲニングパワーを発揮するためなんだというわけで、私も全く同感であります。しかしながら、そこに株式会社化ということが入ってきて独禁法が全面適用されることで、その中核的な機能にどのような影響を及ぼすのかということが大変気掛かりというわけであります。
 これまでの政府答弁によりますと、単位農協レベルの問題については、例えば生活購買であるとかガソリンスタンドのような地域インフラ的な事業の株式会社化を想定しておられるようでございますので、今日は全農の株式会社化を想定してちょっとお尋ねしていきたいと思うわけでありますが。
 まず私が腑に落ちていないのは、全農に対する現行の独禁法適用除外の実質的な意味についてであります。これは裏を返せば、全農が株式会社化をして独禁法を全面適用された場合に、全農は一体何を失うことになるのかという問いでもあるわけであります。
 この点、奥原局長は衆議院の方で、独禁法の適用除外によって、農産物を集めてまとめて販売するとか、資材をまとめて買ってくるといった共同行為が合法的にできるといった答弁をされておられますけれども、一方で、前回の当委員会では、全農が株式会社化して独禁法が全面適用されても、これまでやっている委託販売や注文に応じた仕入れといった事業は今後とも実施可能だと、このように答弁をされておられます。これは一体どういうことなのかということです。
 独禁法が全面適用されてもこれまでどおりの事業ができるということは、今の適用除外に一体何の意味があるんだろうかというわけでございまして、この点について、ちょっとこれは分かりにくいので、今日は公正取引委員会にお越しいただいておりますので、この辺のちょっと解説をお願いしたいと思います。
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松尾勝#24
○政府参考人(松尾勝君) 今お尋ねのありました、全農に対して独占禁止法の適用が除外されているその意義についてでございますが、小規模事業者でございます農業者が相互扶助を目的とした協同組合を組織いたしまして市場において有効な競争単位として競争すること、これが独占禁止法が目的とする公正かつ自由な競争秩序の維持の観点から問題ないと考えられるところでございます。
 このような観点から、全農が農業協同組合法に基づいて行う共同販売事業、共同購入事業といった行為につきましては、原則として独占禁止法の適用が除外されているということでございます。
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古賀友一郎#25
○古賀友一郎君 制度趣旨としてはそういうことなんですけれども、じゃ、その制度の適用を、制度を踏まえて今の全農が一体どういうメリットを受けているのか、その点について、どういうことなんでしょうか、もう一回ちょっとお伺いしたいと思います。
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松尾勝#26
○政府参考人(松尾勝君) 適用除外があることによって全農がどのようなメリットを受けているのかという御質問でございますが、この点につきましては、先ほどからもございましたように、全農が協同組合法に基づいて行う行為につきましては、独禁法の二十二条によって、組合の行為として原則として独占禁止法の適用が除外されておるところでございます。
 仮にこのような独占禁止法の適用除外制度がなかったと考えた場合でございますが、現在、全農が行っている共同販売事業、共同購買事業につきましては、これら共同事業が実施される中で商品の価格、数量、取引先等の重要な競争手段が決定されることになりますことから、独禁法違反となるか否かについて検討を行うということが必要になると考えられます。
 現状におきましては適用除外が設けられてございますので、このような検討は行ってございませんが、繰り返しになりますが、独占禁止法適用除外制度がなかったとした場合には、個別具体的な事案に即して全農が行っております共同販売事業、共同購買事業が独禁法上どう位置付けられるのか、これを判断していくということになります。
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古賀友一郎#27
○古賀友一郎君 今は適用除外されているので、共同購入、共同販売については判断する必要がないということですね。
 そういたしますと、この共同購入、共同販売とは一体じゃ何を意味しているのかということです。普通の販売、購入と違う、共同購入、共同販売と普通の販売、購入を分けているその分水嶺というのは一体何でしょうか、その共同というのは何を意味しているかということです。その共同の意味をちょっとお伺いしたいと思います。
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松尾勝#28
○政府参考人(松尾勝君) 共同経済事業のその共同という意味でございますが、これは事業者であります単協が全農という組織の中で商品の価格、数量、取引先等の重要な競争手段についてどうするかということについて決定を行いまして、それを全農という組織として一体として行っているというところで共同経済事業というふうに位置付けられるというふうに考えております。
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古賀友一郎#29
○古賀友一郎君 私の理解では、その共同というのは、横の意思の連携といいますか談合といいますか、それが共同という意味だと。それがカルテル、まさにカルテルということで、それが規制されているということだと私は理解しているんです。
 実際に農協がやっているのは、そういった横の意思連携ではなくて、縦といいますか、縦の取引活動であるということだから、現実的に今農協が受けている特に恩恵というものは余りないんじゃないかというような、だからこそ奥原局長は、たとえ全面適用されても今までやっていることはできますよと、そういうふうに答弁されたんじゃないのかなと、こう思うわけです。そういう理解で、違うんでしょうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
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