環境委員会
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会
会議録情報#0
平成二十八年四月二十二日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 赤澤 亮正君
理事 伊藤信太郎君 理事 石川 昭政君
理事 北川 知克君 理事 助田 重義君
理事 藤原 崇君 理事 福田 昭夫君
理事 松田 直久君
井林 辰憲君 小倉 將信君
鬼木 誠君 木村 弥生君
田中 和徳君 高橋ひなこ君
寺田 稔君 根本 幸典君
比嘉奈津美君 福山 守君
細田 健一君 前川 恵君
牧原 秀樹君 宮路 拓馬君
宗清 皇一君 吉野 正芳君
神山 洋介君 菅 直人君
田島 一成君 真山 祐一君
塩川 鉄也君 小沢 鋭仁君
河野 正美君 玉城デニー君
…………………………………
環境大臣政務官 鬼木 誠君
参考人
(福岡大学名誉教授) 浅野 直人君
参考人
(特定非営利活動法人気候ネットワーク理事) 平田 仁子君
参考人
(ジャーナリスト・環境カウンセラー) 崎田 裕子君
参考人
(東北大学教授) 明日香壽川君
環境委員会専門員 関 武志君
—————————————
委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 宮路 拓馬君
白石 徹君 比嘉奈津美君
堀井 学君 宗清 皇一君
前川 恵君 木村 弥生君
中島 克仁君 神山 洋介君
同日
辞任 補欠選任
木村 弥生君 前川 恵君
比嘉奈津美君 根本 幸典君
宮路 拓馬君 穴見 陽一君
宗清 皇一君 井林 辰憲君
神山 洋介君 中島 克仁君
同日
辞任 補欠選任
井林 辰憲君 細田 健一君
根本 幸典君 白石 徹君
同日
辞任 補欠選任
細田 健一君 堀井 学君
—————————————
本日の会議に付した案件
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 赤澤 亮正君
理事 伊藤信太郎君 理事 石川 昭政君
理事 北川 知克君 理事 助田 重義君
理事 藤原 崇君 理事 福田 昭夫君
理事 松田 直久君
井林 辰憲君 小倉 將信君
鬼木 誠君 木村 弥生君
田中 和徳君 高橋ひなこ君
寺田 稔君 根本 幸典君
比嘉奈津美君 福山 守君
細田 健一君 前川 恵君
牧原 秀樹君 宮路 拓馬君
宗清 皇一君 吉野 正芳君
神山 洋介君 菅 直人君
田島 一成君 真山 祐一君
塩川 鉄也君 小沢 鋭仁君
河野 正美君 玉城デニー君
…………………………………
環境大臣政務官 鬼木 誠君
参考人
(福岡大学名誉教授) 浅野 直人君
参考人
(特定非営利活動法人気候ネットワーク理事) 平田 仁子君
参考人
(ジャーナリスト・環境カウンセラー) 崎田 裕子君
参考人
(東北大学教授) 明日香壽川君
環境委員会専門員 関 武志君
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委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 宮路 拓馬君
白石 徹君 比嘉奈津美君
堀井 学君 宗清 皇一君
前川 恵君 木村 弥生君
中島 克仁君 神山 洋介君
同日
辞任 補欠選任
木村 弥生君 前川 恵君
比嘉奈津美君 根本 幸典君
宮路 拓馬君 穴見 陽一君
宗清 皇一君 井林 辰憲君
神山 洋介君 中島 克仁君
同日
辞任 補欠選任
井林 辰憲君 細田 健一君
根本 幸典君 白石 徹君
同日
辞任 補欠選任
細田 健一君 堀井 学君
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本日の会議に付した案件
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
————◇—————
赤
赤澤亮正#1
○赤澤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、福岡大学名誉教授浅野直人君、特定非営利活動法人気候ネットワーク理事平田仁子君、ジャーナリスト・環境カウンセラー崎田裕子君、東北大学教授明日香壽川君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、大変御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいというふうに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、浅野参考人、平田参考人、崎田参考人、明日香参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず浅野参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、福岡大学名誉教授浅野直人君、特定非営利活動法人気候ネットワーク理事平田仁子君、ジャーナリスト・環境カウンセラー崎田裕子君、東北大学教授明日香壽川君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、大変御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいというふうに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、浅野参考人、平田参考人、崎田参考人、明日香参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず浅野参考人にお願いいたします。
浅
浅野直人#2
○浅野参考人 本日は、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律の衆議院環境委員会での審議に際し、参考人として意見を述べる機会を与えていただきましたことを感謝いたします。
この温対法は、平成十年に、省エネ法改正によって規制をすれば十分、このような法律は不要との反対もあった中で制定されたものでございまして、当初は、国等各主体の責務、政府による基本方針と実行計画の策定、さらに、地球温暖化防止活動推進員や地球温暖化防止活動推進センターの設置、国による温室効果ガス総排出量の算定、公表を規定する十六カ条の簡潔なものでございました。
しかし、お配りした資料の二ページ後半以降にありますように、その後、平成十四年以降五回の改正を経まして、既に六十九カ条のかなり大きな法律に成長してまいりました。
平成十四年の改正では、京都議定書目標達成計画を法定計画とし、内閣に地球温暖化対策推進本部を設置、地球温暖化対策地域協議会を法定し、森林吸収源対策の強化が盛り込まれました。
続く十七年改正では、地球温暖化対策推進本部の所掌事務に長期的展望に立った地球温暖化対策の実施の推進に関する総合調整が追加され、事業者の排出量算定、報告、公表制度が新設されたほか、十八年改正では、京都メカニズムクレジット、割り当て量口座、管理口座制度が位置づけられました。
また、二十年改正では、地方公共団体の実行計画に区域施策編を追加する、事業者の排出抑制指針制度を新設、国民の日常生活での排出抑制への事業者の寄与の責務等を規定したほか、温暖化防止活動推進センターの政令市への拡大などが行われました。
直近の二十五年改正では、京都議定書の第一約束期間終了に伴う措置として、京都議定書目標達成計画にかえて地球温暖化対策計画制度が設けられましたほか、地球温暖化の定義を拡張し、温室効果ガスの追加が行われました。
今回の改正でこの法律の内容がさらに充実していくことは、大変喜ばしいことだと存じます。
今回の改正では、三条の国の責務に普及啓発を位置づける、また、八条の政府の地球温暖化対策計画に盛り込むべき内容として、啓発普及と国際協力が位置づけられております。
温暖化対策や循環型社会形成のような政策課題は、規制だけに頼ってその実現を図ることは困難で、各主体がその行動のあり方を変え、自主的な取り組みによって政策目的を達成させることが重要であります。このためには、さまざまな政策実現手法を統合させていくことが不可欠でございます。
情報的な政策実現手法としての啓発普及は、政策実現手法の基礎的、基盤的な位置にありますから、地球温暖化対策計画に盛り込むべき事項として啓発普及が加えられることは適切だと思います。
なお、温対法の制定当時から地球温暖化防止活動推進員の制度や中央及び各地域の地球温暖化防止活動推進センターが制度化され、また、さらに、十四年の改正で地球温暖化対策地域協議会の制度がつくられましたが、これらは普及啓発の施策の推進に多くの役割を果たしてきております。しかし、これらの組織の働きについての政府の理解が十分であったとは言えないように思われますし、環境省のこれらの組織の育成支援が十分組織的に行われてきたとは評価できません。
既存の組織を育成し活用することは、新たな組織をつくるような派手さがありませんので、とかく目新しい仕掛けをつくることに力が注がれがちでありますけれども、次々に新しい運動や組織をつくることだけに予算が配分されるのではなくて、地道な取り組みが着実に伸びていくということが必要であると思います。
我が国の温室効果ガスの排出量は世界の三%の割合であることを考えますと、日本の世界での役割として、着実な国内対策による国内での温室効果ガス排出量を国際約束どおり着実に実行することによって世界に範を示すことはもちろんでありますが、それだけではなく、国境の外での日本の貢献による地球全体の温室効果ガス削減への寄与を図ることにも大きな意義があります。国際協力推進に関する事項が温暖化対策計画に追加されることも適切だと評価いたします。
現在策定準備が進められております政府の地球温暖化対策計画は、大筋では適切な方向を示しておりますので、今後、計画に沿って着実に温室効果ガス排出削減への取り組みが進んでいくことを期待しておりますが、改正法案の内容も、その中に先取りしてしっかりと位置づけられることが必要だと思います。
さらに、現行二十条以下の改正によりまして、地方公共団体の実行計画については複数の地方公共団体の共同での策定、実施が可能なものとされること、実行計画の区域施策編に掲げられるべき施策の例示として、その利用に伴って排出される温室効果ガスの量がより少ない製品や役務の利用、あるいは都市機能の集約の促進が加えられます。これは、地域の実行計画にどのような内容を盛り込まなければならないかという点について、より具体的なメッセージを発信するものでありまして、これによって、地域での温暖化対策がより総合化されたものになることが期待できることになりますから、この点も評価されてよいと考えております。
地方公共団体の実行計画はこれから改定作業が進められる地域が多いと思われますので、今回の法改正は、より充実した地域の実行計画の策定に資することになろうと思います。
ところで、四月から電力の小売自由化が始まりまして、多くの電力小売事業者の新規参入が始まりました。さきにも述べましたように、温対法には平成十七年改正で事業者の排出量算定、報告、公表制度が新設されました。こういうような報告手続を義務づけるという仕組みは、手続を通じて、自分の活動による環境負荷の状況を把握させまして、自主的な負荷低減に向けての取り組みを促進させるという意義を持っております。また、報告のデータは、地域での温室効果ガス排出の状況を行政機関が把握して地域での施策の改善に資するという意義もあります。
現在の温対法は、特定排出者に政令で定める方法によって算定することを求めておりまして、これを受けた施行令では、他人から供給された電気については、環境省及び経済産業省の省令による係数の使用を定めております。そして、これについて定めた省令及びこれに基づく告示では、主要な電気事業者ごとに、電気一キロワット当たりのトンで表示した二酸化炭素の量としての係数が示されています。しかし、告示で示された供給事業者別の係数によることができない場合には、全国一律の係数で代替可能ということが、省令の二条四項三号、告示にも示されております。
現行の二十一条の十一、改正された後が三十五条でございますが、エネルギー供給事業者がエネルギー供給の相手方に二酸化炭素排出量の把握に必要な情報の提供に努めなければならないと規定はしておりますけれども、これは努力義務にとどまっておりまして、強制力がない点が少々気になる点でございます。
現行の二十一条の九、改正の三十三条でございますが、主務大臣が排出量算定の適正な実施のために特定排出者への技術的助言、情報の提供その他の援助を行うものとしておりますから、これらの規定が的確に執行されまして、報告制度による数値の信頼性が危うくならないように、制度運用上の努力が払われることを強く希望いたしております。
今後の課題としてこの際指摘しておきたいことの一つは、パリ協定を初めこれまでの国際的な合意の中でも、また、我が国のこれまでの環境基本計画の中でも、気候変動の対策は緩和と適応をその両輪として進めていくべきであるということが広く認められている点でございます。日本でも、この緩和と適応という二つの政策課題を気候変動対策の中で適切に体系化していくということが課題だろうと思います。
もっとも、適応の施策は、緩和のための施策以上に、例えば防災、減災でありますとか農作物の品種改良でありますとかいった関連する他の領域において、しかもしばしば既に先行して展開されている政策、施策との関連が深いものがございます。
現行の温対法は、平成十年の法制定時の温暖化問題への一般的な理解、あるいは法律制定当時の事情などもありまして、温室効果ガスの排出削減を中心課題とする、そして全ての者の自主的かつ積極的な取り組みの重要性を強調するという枠組みを持っております。この現行法の枠組みをそのままにいたしまして、ここに適応も必要であるという形で条文を付加するという対応だけでは、済まされない面もございます。
ですから、適応と緩和の全体をいかなる政策体系として整えていくべきか、また、これをどのような立法の形で対応すべきかということにつきましては、既に昨年十一月に閣議決定をされました気候変動の影響への適応計画の実施や評価についての知見を深めながら、丁寧な検討をする必要があると思われます。
ただし、余り長い時間をかけることなく、しかし関係者間では十分に議論を重ねた上で合意を形成して、必要な答えを出すべきであろうと思います。
なお、政府の温暖化対策計画案には、長期的に二〇五〇年に八〇%削減を目指すということが明記されております。このことは既に、平成二十四年に閣議決定されました第四次環境基本計画にも書かれていることでございまして、当然のことであると考えておりますが、その実現を目指してこれからどのように政策を進めていくのかということについては、より具体的な見通しを立てていくことも必要であろうかと思います。
日本学術会議の大西隆議長を座長といたしまして、伊藤元重経済財政諮問会議委員や川口順子元外務大臣もメンバーに加わられました懇談会が、この二月に既に、社会構造のイノベーションが必要であるという提言を丸川環境大臣に提出しております。
こういった提言などを踏まえた着実な検討も急がれるということを申し上げまして、私の意見の陳述を終えさせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →この温対法は、平成十年に、省エネ法改正によって規制をすれば十分、このような法律は不要との反対もあった中で制定されたものでございまして、当初は、国等各主体の責務、政府による基本方針と実行計画の策定、さらに、地球温暖化防止活動推進員や地球温暖化防止活動推進センターの設置、国による温室効果ガス総排出量の算定、公表を規定する十六カ条の簡潔なものでございました。
しかし、お配りした資料の二ページ後半以降にありますように、その後、平成十四年以降五回の改正を経まして、既に六十九カ条のかなり大きな法律に成長してまいりました。
平成十四年の改正では、京都議定書目標達成計画を法定計画とし、内閣に地球温暖化対策推進本部を設置、地球温暖化対策地域協議会を法定し、森林吸収源対策の強化が盛り込まれました。
続く十七年改正では、地球温暖化対策推進本部の所掌事務に長期的展望に立った地球温暖化対策の実施の推進に関する総合調整が追加され、事業者の排出量算定、報告、公表制度が新設されたほか、十八年改正では、京都メカニズムクレジット、割り当て量口座、管理口座制度が位置づけられました。
また、二十年改正では、地方公共団体の実行計画に区域施策編を追加する、事業者の排出抑制指針制度を新設、国民の日常生活での排出抑制への事業者の寄与の責務等を規定したほか、温暖化防止活動推進センターの政令市への拡大などが行われました。
直近の二十五年改正では、京都議定書の第一約束期間終了に伴う措置として、京都議定書目標達成計画にかえて地球温暖化対策計画制度が設けられましたほか、地球温暖化の定義を拡張し、温室効果ガスの追加が行われました。
今回の改正でこの法律の内容がさらに充実していくことは、大変喜ばしいことだと存じます。
今回の改正では、三条の国の責務に普及啓発を位置づける、また、八条の政府の地球温暖化対策計画に盛り込むべき内容として、啓発普及と国際協力が位置づけられております。
温暖化対策や循環型社会形成のような政策課題は、規制だけに頼ってその実現を図ることは困難で、各主体がその行動のあり方を変え、自主的な取り組みによって政策目的を達成させることが重要であります。このためには、さまざまな政策実現手法を統合させていくことが不可欠でございます。
情報的な政策実現手法としての啓発普及は、政策実現手法の基礎的、基盤的な位置にありますから、地球温暖化対策計画に盛り込むべき事項として啓発普及が加えられることは適切だと思います。
なお、温対法の制定当時から地球温暖化防止活動推進員の制度や中央及び各地域の地球温暖化防止活動推進センターが制度化され、また、さらに、十四年の改正で地球温暖化対策地域協議会の制度がつくられましたが、これらは普及啓発の施策の推進に多くの役割を果たしてきております。しかし、これらの組織の働きについての政府の理解が十分であったとは言えないように思われますし、環境省のこれらの組織の育成支援が十分組織的に行われてきたとは評価できません。
既存の組織を育成し活用することは、新たな組織をつくるような派手さがありませんので、とかく目新しい仕掛けをつくることに力が注がれがちでありますけれども、次々に新しい運動や組織をつくることだけに予算が配分されるのではなくて、地道な取り組みが着実に伸びていくということが必要であると思います。
我が国の温室効果ガスの排出量は世界の三%の割合であることを考えますと、日本の世界での役割として、着実な国内対策による国内での温室効果ガス排出量を国際約束どおり着実に実行することによって世界に範を示すことはもちろんでありますが、それだけではなく、国境の外での日本の貢献による地球全体の温室効果ガス削減への寄与を図ることにも大きな意義があります。国際協力推進に関する事項が温暖化対策計画に追加されることも適切だと評価いたします。
現在策定準備が進められております政府の地球温暖化対策計画は、大筋では適切な方向を示しておりますので、今後、計画に沿って着実に温室効果ガス排出削減への取り組みが進んでいくことを期待しておりますが、改正法案の内容も、その中に先取りしてしっかりと位置づけられることが必要だと思います。
さらに、現行二十条以下の改正によりまして、地方公共団体の実行計画については複数の地方公共団体の共同での策定、実施が可能なものとされること、実行計画の区域施策編に掲げられるべき施策の例示として、その利用に伴って排出される温室効果ガスの量がより少ない製品や役務の利用、あるいは都市機能の集約の促進が加えられます。これは、地域の実行計画にどのような内容を盛り込まなければならないかという点について、より具体的なメッセージを発信するものでありまして、これによって、地域での温暖化対策がより総合化されたものになることが期待できることになりますから、この点も評価されてよいと考えております。
地方公共団体の実行計画はこれから改定作業が進められる地域が多いと思われますので、今回の法改正は、より充実した地域の実行計画の策定に資することになろうと思います。
ところで、四月から電力の小売自由化が始まりまして、多くの電力小売事業者の新規参入が始まりました。さきにも述べましたように、温対法には平成十七年改正で事業者の排出量算定、報告、公表制度が新設されました。こういうような報告手続を義務づけるという仕組みは、手続を通じて、自分の活動による環境負荷の状況を把握させまして、自主的な負荷低減に向けての取り組みを促進させるという意義を持っております。また、報告のデータは、地域での温室効果ガス排出の状況を行政機関が把握して地域での施策の改善に資するという意義もあります。
現在の温対法は、特定排出者に政令で定める方法によって算定することを求めておりまして、これを受けた施行令では、他人から供給された電気については、環境省及び経済産業省の省令による係数の使用を定めております。そして、これについて定めた省令及びこれに基づく告示では、主要な電気事業者ごとに、電気一キロワット当たりのトンで表示した二酸化炭素の量としての係数が示されています。しかし、告示で示された供給事業者別の係数によることができない場合には、全国一律の係数で代替可能ということが、省令の二条四項三号、告示にも示されております。
現行の二十一条の十一、改正された後が三十五条でございますが、エネルギー供給事業者がエネルギー供給の相手方に二酸化炭素排出量の把握に必要な情報の提供に努めなければならないと規定はしておりますけれども、これは努力義務にとどまっておりまして、強制力がない点が少々気になる点でございます。
現行の二十一条の九、改正の三十三条でございますが、主務大臣が排出量算定の適正な実施のために特定排出者への技術的助言、情報の提供その他の援助を行うものとしておりますから、これらの規定が的確に執行されまして、報告制度による数値の信頼性が危うくならないように、制度運用上の努力が払われることを強く希望いたしております。
今後の課題としてこの際指摘しておきたいことの一つは、パリ協定を初めこれまでの国際的な合意の中でも、また、我が国のこれまでの環境基本計画の中でも、気候変動の対策は緩和と適応をその両輪として進めていくべきであるということが広く認められている点でございます。日本でも、この緩和と適応という二つの政策課題を気候変動対策の中で適切に体系化していくということが課題だろうと思います。
もっとも、適応の施策は、緩和のための施策以上に、例えば防災、減災でありますとか農作物の品種改良でありますとかいった関連する他の領域において、しかもしばしば既に先行して展開されている政策、施策との関連が深いものがございます。
現行の温対法は、平成十年の法制定時の温暖化問題への一般的な理解、あるいは法律制定当時の事情などもありまして、温室効果ガスの排出削減を中心課題とする、そして全ての者の自主的かつ積極的な取り組みの重要性を強調するという枠組みを持っております。この現行法の枠組みをそのままにいたしまして、ここに適応も必要であるという形で条文を付加するという対応だけでは、済まされない面もございます。
ですから、適応と緩和の全体をいかなる政策体系として整えていくべきか、また、これをどのような立法の形で対応すべきかということにつきましては、既に昨年十一月に閣議決定をされました気候変動の影響への適応計画の実施や評価についての知見を深めながら、丁寧な検討をする必要があると思われます。
ただし、余り長い時間をかけることなく、しかし関係者間では十分に議論を重ねた上で合意を形成して、必要な答えを出すべきであろうと思います。
なお、政府の温暖化対策計画案には、長期的に二〇五〇年に八〇%削減を目指すということが明記されております。このことは既に、平成二十四年に閣議決定されました第四次環境基本計画にも書かれていることでございまして、当然のことであると考えておりますが、その実現を目指してこれからどのように政策を進めていくのかということについては、より具体的な見通しを立てていくことも必要であろうかと思います。
日本学術会議の大西隆議長を座長といたしまして、伊藤元重経済財政諮問会議委員や川口順子元外務大臣もメンバーに加わられました懇談会が、この二月に既に、社会構造のイノベーションが必要であるという提言を丸川環境大臣に提出しております。
こういった提言などを踏まえた着実な検討も急がれるということを申し上げまして、私の意見の陳述を終えさせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
赤
平
平田仁子#4
○平田参考人 本日は、意見陳述の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
私の気候ネットワークという団体は、一九九八年、気候変動枠組み条約第三回締約国会議、COP3を機に設立されたNPO法人でして、地球温暖化、気候変動対策を市民の立場から進めるということで取り組んでおります。ここで審議されております地球温暖化対策推進法の制定も一九九八年ということで、京都議定書がきっかけで生み出されましたので、私たちも、そして私自身も、まさにこの法律と同じ年月を重ねて活動してきているというところでございます。
まず、審議に当たりまして、私たちがどのように立法に向けて市民の立場から取り組んできたのか、若干振り返らせていただければと思っております。
京都会議直後の九八年二月、地球温暖化防止活動推進法案というものを提出させていただきました。そのときには、図にありますように、短期のみならず中長期、超長期に向けて大幅削減を目指しながら重層的に削減計画をつくること、強力なリーダーシップがとれ、各セクターが参加する開かれた委員会を設置し、役所と審議会だけが主導する政策決定システムを変える必要があると提案いたしました。
しかし、ちょうどそのころ、この温対法の策定が環境庁によって進められておりまして、当時、国会議員の皆様と対話させていただく中では、市民案への支持をいただけたこともありましたけれども、政府法案は悪い法律ではないということで、市民案が日の目を見ることはありませんでした。
そして、この温暖化対策推進法は、京都議定書の実施のための最初の一歩を踏み出すためのものとして、中身はほとんどないまま、まずはスタートいたしました。二段ロケットの一段目と当時言われていたのが象徴的だと思っております。ただ、その後、今、浅野先生がおっしゃったように、幾度と改正を重ねて中身を備えてきたところです。
そして、二〇〇八年、国際的に中長期的な対策に向けた機運が高まっており、洞爺湖G8サミット前後のころ、メーク・ザ・ルール・キャンペーンというものを立ち上げまして、気候保護法案を提案いたしました。
レジュメの二ページの骨子案をごらんいただきますとおわかりいただけますが、二度未満に気温を抑制するため、短期の京都議定書の目標達成に加え、中長期の目標を設定し、国内排出量取引制度や炭素税などの炭素への価格づけをする仕組みの導入や、固定価格買い取り制度の導入、そして適応計画の策定、情報の開示や市民参加の仕組みなどを提案いたしました。
この法案には、登山家の三浦雄一郎さんを初め、たくさんの著名人が呼びかけ人となり、全国の百二十三の地方議会が同法案の提出を求めた決議、意見書を採択し、また百四十名を超える学識経験者がこれを支持いたしました。
これに呼応するように、政治の場でも、民主党が地球温暖化対策基本法を提案し、また、自民党、公明党も中長期的な目標を掲げた対案を提出いたしました。しかし、政治情勢の変化の中で、これらの法案の実現にはなりませんでした。
ここで言えますことは、私たちは、この十八年にわたって一貫して、長期を見据え、気候変動を防ぐことに資する国内法の整備を提言し続けたということであります。そして、きょう私が申し上げたいことも、それをさらに強調することにほかなりません。
といいますのも、今はパリ協定後の新しい脱炭素化時代に突入したからです。資料三枚目、参考資料をつけておりますのでそちらも御参照いただければと思いますが、パリ協定の幾つか重要だと思う点を改めてハイライトしたいと思います。
一つは、明確な長期目標を設定し、これを法的拘束力ある国際法の条文に記載したということです。一・五度ないし二度未満の気温目標、さらに世界の排出量の頭打ち、そして人為的な排出と人為的な吸収を均衡させるということを盛り込みました。実質排出ゼロを意味します。図で見ると、富士山の尾根を描くように、今を頂点に大幅な削減をしなければいけないという非常に意欲的な目標でございます。
この長期目標から言えることは、世界が向かうべきは脱炭素化、脱化石燃料の社会経済であるという明確なシグナルです。
パリ協定の合意には、この目標に向けた各国の二〇三〇年までの目標案は、全くその二度を達成する水準には足りないということも明記されています。これから、今計画しているよりもさらに行動を引き上げなくてはならないということです。
第二は、持続的な行動強化システムをビルトインしたことで、五年ごとに目標を設定し、それを国際的に公表、評価することで行動を引き上げていくということを狙うものです。
そして、その対象は、排出削減を指す緩和だけではなく、適応や技術移転、資金なども含まれ、包括的なものとなりました。
さらに、パリ協定は、前文や十二条に明らかなように、気候変動を防ぐということは、人権を保護し、先住民や子供、障害者など弱い立場にある人々を守り、また、女性の権利の向上を図り、世代間公平を尊重するということでもあり、市民参加と情報へのアクセスを拡大しなければならないとも規定しています。
パリ協定が、これからの未来に向けて、誰もが不平等に扱われず、包摂し、共生していく精神に立った社会的仕組みをつくるものであるということがここに指し示されていると思っています。
きょうは、ニューヨークでパリ協定の署名式が行われているという記念すべき日です。この歴史的合意を受け、日本はどのような法律を整備するべきなのか、これから述べさせていただきます。
さきに申し上げたように、日本にはまだ中長期を見据えた法律は存在しないと思っております。地球温暖化対策推進法は、京都議定書の実施を念頭にした法律としてスタートしたものであって、これから中長期に取り組んでいくパリ協定を踏まえた国内体制整備にふさわしい内容にはなっていません。
レジュメの三ページをごらんください。今回、法整備として提言したいことを六点書いております。パリ協定の実施を担保し、気候、エネルギー政策を統合する気候変動防止のための国内法の整備が私たちは必要だと考えています。
ただし、内容の詳細は改めて読み上げません。なぜなら、ここに書かれているのは、二度未満ないし一・五度の気温目標の明記、長期目標の明記、炭素の価格づけや再生可能エネルギーの拡大計画、適応計画の法定化、そして科学的知見の反映と市民参加の仕組みの導入といった項目でありまして、さきの気候保護法案とほぼ同じ内容だからです。
ただし、パリ協定後の今は、九八年とも二〇〇八年とも違い、今こうした議論が改めて必要だと考えています。まさに、長期を見据えた国際法ができたこと、そしてそこに向けて五年ごとに実施を促す仕組みが義務としてつくられたこと、こうした国際的な進展があったからです。二度目標の明記、長期目標の明記をすることは、パリ協定に準じた法制定の必要性を意味しており、その必要性はこれまで以上に高まっていると考えています。
こうした問題意識と照らしますと、今回の法改正項目である普及啓発、国際協力の推進、地方自治体の実行計画の共同策定という内容は、パリ協定を受け長期的に取り組んでいく足がかりとしては全く不十分ではないかと言わざるを得ません。パリで非常に大きなモメンタムと時代の変革の兆しを私自身感じましたが、この今回の改正内容との落差には正直落胆を隠せません。今がどのような時代の転換期にあるのか、見えていないのか、それとも見ようとしていないのかと疑問も抱きます。
しかし、今回の法改正も、もしかしたら大勢が、悪い改正ではないということで容認されていくのかもしれません。私自身も、可もなく不可もないと表現したいようなこの改正案ですが、悪いとは申しません。
しかし、今ここで御議論いただいていることが、これからの日本にとって、国際社会の中でいかにこの問題に行動していくのかということで必要とされていることと比べてどれだけのギャップがあるのか、どれだけの大きな宿題を残し、まだその宿題に取りかかっていないのかを的確に見据えた上で御議論いただけると幸いに思っております。
最後に、政府によってこの法案に基づいて策定が進められています地球温暖化対策計画案についても若干コメントさせていただきます。
私が申し上げました一・五度ないし二度未満の気温目標や日本の八〇%削減という長期目標は、法改正ではなく、この計画に記載されています。言うまでもありませんが、この計画にこれらを盛り込んでいくことは必要最低限であります。国連では長期の低炭素戦略をつくることも要請していますので、二〇五〇年の長期目標を点で示すだけではなく、さらにそこへの道筋を示すことも必要になってきます。ですから、八〇%削減の明記は最低限のことであります。
二〇二〇年、三〇年の目標は、エネルギー政策の見直しや大きな国民的な議論もなく、パリ協定採択前の目標がそのまま記載されることになりました。しかし、二〇三〇年目標については、正式に二〇二〇年までにもう一度提出しなくてはなりません。そのときに必ず再検討が必要と考えます。なぜならば、国際的に二〇三〇年目標は不十分であるという認識がなされており、日本を含めてどの国にも引き上げが要請されるからです。
削減目標はエネルギーミックスを所与としていますが、その中でも大きな懸案は、CO2を最も出す石炭火力発電の新設計画です。
参考資料の最後のページにグラフをつけておりますが、驚くほどのスピードで新規計画が進んでおります。先進国の中でもこのようなトレンドは日本唯一です。このままでは政府の二六%削減も危ぶませると思っておりますが、この問題への対応は電力小売事業者に対して自主的な取り組みに委ねることに寄りかかっており、この点は特に近々に見直しが必要です。
ここ数年、国際的な研究機関、そして論文で、高効率な石炭火力発電の新設は二度未満とは矛盾するということが指摘されるようになりました。化石燃料の八割は埋めておかなければならないとも指摘されるようになりました。このことと日本の石炭火力発電の新設は完全に矛盾していると思います。
進めるべき再生可能エネルギーも岐路に立たされています。足踏みをする再生可能エネルギー事業者の直面する障壁を取り除く仕事にも取りかからなくてはなりません。排出量取引制度や炭素税など、CO2を排出することには相応の責任を持たせ、一方、削減で努力することには優遇をするような仕組みも、まだまだこれから検討を深めるべき課題です。
このように、日本は課題山積です。気候とエネルギー政策は一体的に議論し、温室効果ガス削減を進める施策についてさらなる検討をしていく機会を改めてつくり出す必要があります。
以上のことを申し上げまして、今国会での法改正の審議におかれましては、改正内容の審議にとどまらず、これからの日本の気候変動対策のあるべき姿と長期展望に向けて着実に行動を実行させる仕組み、そして政策措置の強化について十分に御議論いただき、日本が脱炭素化に向けて世界をリードしていただけるよう、政治のイニシアチブを期待したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私の気候ネットワークという団体は、一九九八年、気候変動枠組み条約第三回締約国会議、COP3を機に設立されたNPO法人でして、地球温暖化、気候変動対策を市民の立場から進めるということで取り組んでおります。ここで審議されております地球温暖化対策推進法の制定も一九九八年ということで、京都議定書がきっかけで生み出されましたので、私たちも、そして私自身も、まさにこの法律と同じ年月を重ねて活動してきているというところでございます。
まず、審議に当たりまして、私たちがどのように立法に向けて市民の立場から取り組んできたのか、若干振り返らせていただければと思っております。
京都会議直後の九八年二月、地球温暖化防止活動推進法案というものを提出させていただきました。そのときには、図にありますように、短期のみならず中長期、超長期に向けて大幅削減を目指しながら重層的に削減計画をつくること、強力なリーダーシップがとれ、各セクターが参加する開かれた委員会を設置し、役所と審議会だけが主導する政策決定システムを変える必要があると提案いたしました。
しかし、ちょうどそのころ、この温対法の策定が環境庁によって進められておりまして、当時、国会議員の皆様と対話させていただく中では、市民案への支持をいただけたこともありましたけれども、政府法案は悪い法律ではないということで、市民案が日の目を見ることはありませんでした。
そして、この温暖化対策推進法は、京都議定書の実施のための最初の一歩を踏み出すためのものとして、中身はほとんどないまま、まずはスタートいたしました。二段ロケットの一段目と当時言われていたのが象徴的だと思っております。ただ、その後、今、浅野先生がおっしゃったように、幾度と改正を重ねて中身を備えてきたところです。
そして、二〇〇八年、国際的に中長期的な対策に向けた機運が高まっており、洞爺湖G8サミット前後のころ、メーク・ザ・ルール・キャンペーンというものを立ち上げまして、気候保護法案を提案いたしました。
レジュメの二ページの骨子案をごらんいただきますとおわかりいただけますが、二度未満に気温を抑制するため、短期の京都議定書の目標達成に加え、中長期の目標を設定し、国内排出量取引制度や炭素税などの炭素への価格づけをする仕組みの導入や、固定価格買い取り制度の導入、そして適応計画の策定、情報の開示や市民参加の仕組みなどを提案いたしました。
この法案には、登山家の三浦雄一郎さんを初め、たくさんの著名人が呼びかけ人となり、全国の百二十三の地方議会が同法案の提出を求めた決議、意見書を採択し、また百四十名を超える学識経験者がこれを支持いたしました。
これに呼応するように、政治の場でも、民主党が地球温暖化対策基本法を提案し、また、自民党、公明党も中長期的な目標を掲げた対案を提出いたしました。しかし、政治情勢の変化の中で、これらの法案の実現にはなりませんでした。
ここで言えますことは、私たちは、この十八年にわたって一貫して、長期を見据え、気候変動を防ぐことに資する国内法の整備を提言し続けたということであります。そして、きょう私が申し上げたいことも、それをさらに強調することにほかなりません。
といいますのも、今はパリ協定後の新しい脱炭素化時代に突入したからです。資料三枚目、参考資料をつけておりますのでそちらも御参照いただければと思いますが、パリ協定の幾つか重要だと思う点を改めてハイライトしたいと思います。
一つは、明確な長期目標を設定し、これを法的拘束力ある国際法の条文に記載したということです。一・五度ないし二度未満の気温目標、さらに世界の排出量の頭打ち、そして人為的な排出と人為的な吸収を均衡させるということを盛り込みました。実質排出ゼロを意味します。図で見ると、富士山の尾根を描くように、今を頂点に大幅な削減をしなければいけないという非常に意欲的な目標でございます。
この長期目標から言えることは、世界が向かうべきは脱炭素化、脱化石燃料の社会経済であるという明確なシグナルです。
パリ協定の合意には、この目標に向けた各国の二〇三〇年までの目標案は、全くその二度を達成する水準には足りないということも明記されています。これから、今計画しているよりもさらに行動を引き上げなくてはならないということです。
第二は、持続的な行動強化システムをビルトインしたことで、五年ごとに目標を設定し、それを国際的に公表、評価することで行動を引き上げていくということを狙うものです。
そして、その対象は、排出削減を指す緩和だけではなく、適応や技術移転、資金なども含まれ、包括的なものとなりました。
さらに、パリ協定は、前文や十二条に明らかなように、気候変動を防ぐということは、人権を保護し、先住民や子供、障害者など弱い立場にある人々を守り、また、女性の権利の向上を図り、世代間公平を尊重するということでもあり、市民参加と情報へのアクセスを拡大しなければならないとも規定しています。
パリ協定が、これからの未来に向けて、誰もが不平等に扱われず、包摂し、共生していく精神に立った社会的仕組みをつくるものであるということがここに指し示されていると思っています。
きょうは、ニューヨークでパリ協定の署名式が行われているという記念すべき日です。この歴史的合意を受け、日本はどのような法律を整備するべきなのか、これから述べさせていただきます。
さきに申し上げたように、日本にはまだ中長期を見据えた法律は存在しないと思っております。地球温暖化対策推進法は、京都議定書の実施を念頭にした法律としてスタートしたものであって、これから中長期に取り組んでいくパリ協定を踏まえた国内体制整備にふさわしい内容にはなっていません。
レジュメの三ページをごらんください。今回、法整備として提言したいことを六点書いております。パリ協定の実施を担保し、気候、エネルギー政策を統合する気候変動防止のための国内法の整備が私たちは必要だと考えています。
ただし、内容の詳細は改めて読み上げません。なぜなら、ここに書かれているのは、二度未満ないし一・五度の気温目標の明記、長期目標の明記、炭素の価格づけや再生可能エネルギーの拡大計画、適応計画の法定化、そして科学的知見の反映と市民参加の仕組みの導入といった項目でありまして、さきの気候保護法案とほぼ同じ内容だからです。
ただし、パリ協定後の今は、九八年とも二〇〇八年とも違い、今こうした議論が改めて必要だと考えています。まさに、長期を見据えた国際法ができたこと、そしてそこに向けて五年ごとに実施を促す仕組みが義務としてつくられたこと、こうした国際的な進展があったからです。二度目標の明記、長期目標の明記をすることは、パリ協定に準じた法制定の必要性を意味しており、その必要性はこれまで以上に高まっていると考えています。
こうした問題意識と照らしますと、今回の法改正項目である普及啓発、国際協力の推進、地方自治体の実行計画の共同策定という内容は、パリ協定を受け長期的に取り組んでいく足がかりとしては全く不十分ではないかと言わざるを得ません。パリで非常に大きなモメンタムと時代の変革の兆しを私自身感じましたが、この今回の改正内容との落差には正直落胆を隠せません。今がどのような時代の転換期にあるのか、見えていないのか、それとも見ようとしていないのかと疑問も抱きます。
しかし、今回の法改正も、もしかしたら大勢が、悪い改正ではないということで容認されていくのかもしれません。私自身も、可もなく不可もないと表現したいようなこの改正案ですが、悪いとは申しません。
しかし、今ここで御議論いただいていることが、これからの日本にとって、国際社会の中でいかにこの問題に行動していくのかということで必要とされていることと比べてどれだけのギャップがあるのか、どれだけの大きな宿題を残し、まだその宿題に取りかかっていないのかを的確に見据えた上で御議論いただけると幸いに思っております。
最後に、政府によってこの法案に基づいて策定が進められています地球温暖化対策計画案についても若干コメントさせていただきます。
私が申し上げました一・五度ないし二度未満の気温目標や日本の八〇%削減という長期目標は、法改正ではなく、この計画に記載されています。言うまでもありませんが、この計画にこれらを盛り込んでいくことは必要最低限であります。国連では長期の低炭素戦略をつくることも要請していますので、二〇五〇年の長期目標を点で示すだけではなく、さらにそこへの道筋を示すことも必要になってきます。ですから、八〇%削減の明記は最低限のことであります。
二〇二〇年、三〇年の目標は、エネルギー政策の見直しや大きな国民的な議論もなく、パリ協定採択前の目標がそのまま記載されることになりました。しかし、二〇三〇年目標については、正式に二〇二〇年までにもう一度提出しなくてはなりません。そのときに必ず再検討が必要と考えます。なぜならば、国際的に二〇三〇年目標は不十分であるという認識がなされており、日本を含めてどの国にも引き上げが要請されるからです。
削減目標はエネルギーミックスを所与としていますが、その中でも大きな懸案は、CO2を最も出す石炭火力発電の新設計画です。
参考資料の最後のページにグラフをつけておりますが、驚くほどのスピードで新規計画が進んでおります。先進国の中でもこのようなトレンドは日本唯一です。このままでは政府の二六%削減も危ぶませると思っておりますが、この問題への対応は電力小売事業者に対して自主的な取り組みに委ねることに寄りかかっており、この点は特に近々に見直しが必要です。
ここ数年、国際的な研究機関、そして論文で、高効率な石炭火力発電の新設は二度未満とは矛盾するということが指摘されるようになりました。化石燃料の八割は埋めておかなければならないとも指摘されるようになりました。このことと日本の石炭火力発電の新設は完全に矛盾していると思います。
進めるべき再生可能エネルギーも岐路に立たされています。足踏みをする再生可能エネルギー事業者の直面する障壁を取り除く仕事にも取りかからなくてはなりません。排出量取引制度や炭素税など、CO2を排出することには相応の責任を持たせ、一方、削減で努力することには優遇をするような仕組みも、まだまだこれから検討を深めるべき課題です。
このように、日本は課題山積です。気候とエネルギー政策は一体的に議論し、温室効果ガス削減を進める施策についてさらなる検討をしていく機会を改めてつくり出す必要があります。
以上のことを申し上げまして、今国会での法改正の審議におかれましては、改正内容の審議にとどまらず、これからの日本の気候変動対策のあるべき姿と長期展望に向けて着実に行動を実行させる仕組み、そして政策措置の強化について十分に御議論いただき、日本が脱炭素化に向けて世界をリードしていただけるよう、政治のイニシアチブを期待したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。拍手
赤
崎
崎田裕子#6
○崎田参考人 どうも、崎田裕子と申します。
今回、このような場で発言をさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
こういう流れにふなれで、私、今回資料を準備させていただいておりません。大変申しわけございません。きょう、これからのお話をじっくりと聞いていただければありがたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
私自身、ジャーナリストとして、二十五年ほど前から、環境・エネルギー分野で仕事をさせていただいております。その中で、環境課題の解決には一人一人の実践が大変重要ではないかというふうに感じまして、環境学習や多様な主体の参加、協働による持続可能な地域づくりの応援、こういうことに取り組んでまいりました。
具体的には、代表理事を務めておりますNPO法人新宿環境活動ネットというところでは、新宿区立環境学習情報センターの指定管理者として、ここ十二年ほど、地域の環境学習の推進に携わっております。そこでは、地域住民の方々や事業者を対象にした環境活動の交流拠点として、市民、事業者参加型で運営するという方法をとらせていただいております。
また、もう一つ、理事長を務めるNPO法人持続可能な社会をつくる元気ネットという団体がございます。これは循環型地域づくりに取り組む全国の団体のネットワークですが、スリーRに関する人材育成や、市民、事業者、行政の連携による対話の場づくりなどに取り組んでおります。
このような経験を踏まえて、これまでの地球温暖化に対する啓発活動や国民運動の課題を考えてみたいというふうに思っております。
京都議定書の目標に向けた取り組みを進めていた時期にかなり環境意識は高まってきたというふうに考えておりますが、暮らしの中での実践行動の定着やライフスタイルの変換には、まだまだ危機感が足りないのではないかという実感を持っております。
先ほどお話ししたNPO法人元気ネットで、二十六年の秋に全国約五百人を対象に、環境配慮商品と消費行動をテーマにアンケートを実施いたしました。この際、環境に関心がある、あるいは少しあるというふうに答えてくださった方は九四%という高い数字でした。ところが、買い物の際、環境配慮商品を選択しておられるか聞いたところ、グリーン購入を実施していると答えてくださったのは一七%という数字でした。
環境への関心は高いものの、効果的な行動にはまだまだ結びついていないという傾向は、この私どもの非常に小規模のアンケートだけではなく、環境省が毎年実施しておられる大規模な調査でも同様な結果が出ているというふうに考えております。
平成二十六年に全国二千六百人を対象に実施した、環境にやさしいライフスタイル実態調査というのがございます。ここで、関心ある環境問題として地球温暖化と答えた方は七〇%を超えて断トツでした。実際に行っている環境行動として省エネという項目を挙げた方は七三%もいらしたのですが、もっと具体的に、環境配慮商品を選択したことがあると答えた方の場合、省エネ家電では三八%、環境配慮型自動車は一四%、高効率給湯器は一三%と非常に少なくなっております。
日々の省エネ行動はもちろん大事ですけれども、環境への関心を、身近な実践だけではなく消費選択する際の視点にきちんとつなげていく、そして長期的にはライフスタイルの転換につなげていく、そういうことを考えれば、まだまだ道半ばであるというふうに考えております。
ただし、実践行動や消費選択、そしてライフスタイルの変革につながる普及啓発として、二〇〇五年に呼びかけが始まったクールビズ、これはかなり成功した例の一つではないかというふうに思っております。
それまでは、暑い季節にスーツとネクタイをしっかりと締めて仕事をする男性の方に合わせて、オフィスの中では薄着の女性がぶるぶる震えながら仕事をしていた、そういうときもありました。そういう呼びかけに対して、手軽に実践できることもあり、多くの国民が夏のオフィスでの軽装に賛同し、冷房設定も高くするというようなことが定着してきたというふうに思っております。
また、企業のトップの方にまず実践を働きかけるというような戦略も明確にありました。そして、ネクタイなしでもおしゃれなシャツを開発するような産業界、経済界にも大きな流れが生まれてきました。
こういうような流れがかなり定着してきたと思いますが、ただ、クールビズも、今のように世に知られ、普及するのにかなり年月がかかったというふうに感じております。
残念ながら、その後の普及啓発、もちろんしっかりといろいろなものに取り組んでいますが、ライフスタイルの転換ということを見据えたことを考えれば、まだまだ大きなうねりにはなっていないのではないかというふうに感じております。
私たち国民は、これまでの報道などに接して、世界全体の温室効果ガスの削減が大変重要で、日本も削減目標を設けてそれを達成していくこと、そして途上国に日本の技術を広げて国際貢献をしっかりすることが重要だということ、こういうことは理解しているというふうに考えております。
ただし、それが自分にとってどういうふうに関係があるのか、例えば、ここ十年の温室効果ガスの排出量が、家庭部門や身近な事業者部門が増加しており、私たちの暮らしや地域での大幅な削減こそが今回期待されているということまでイメージできていないのではないかというふうに考えております。
また、もし省エネ性能のいい機器を選んだ場合、購入費用は高いけれども、使用する電気代が減って、しかも長もちするというような、負担する費用とメリットの関係が短期的にはどうなるのかということとか、子供世代の将来など長期的にはどうなるのか、そういうようなことを具体的にまだまだイメージできていないのではないかというふうに考えております。
こういうふうな考えから、国民に対し、地球温暖化に対する危機意識、自分事として考える当事者意識の浸透を改めてここで強化すべきというふうに考えております。
先ほども申し上げたように、温室効果ガス削減目標の達成という国のメリットの説明だけでは不十分です。国民としてどういうメリットがあるのか、一人の市民としてどういうメリットがあるのかということを入り口に、しっかりと伝えていただきながら、国民一人一人と地球温暖化防止の関係を具体的に伝え、構築していくということを考える時期ではないでしょうか。
そのためには、物づくり、エネルギー、地域づくりもそうですが、いろいろなことに関係する、そういう各省庁と十分に連携、協働し、またエネルギーを使うような製品はもちろん、住宅、建築物にかかわる業界とも連携するということが重要だと思っております。
また、伝える方法にしても、パンフレット、ポスターの作成とかホームページによる情報提供ではなく、最近は動画を初めとするインターネットの技術も活用するなど、世代に応じて随分取り組み方が違ってきておりますので、このような対象に応じた、国民にわかりやすく伝えるツール、コンテンツを積極的につくり出していくということが大事ではないかというふうに思っております。
このような身近な取り組みがしっかりと効果を上げるのかというふうに疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。先ほど紹介した、私どものNPOが実施した消費行動アンケート調査の中に、環境のためならライフスタイルを変えてもいい、あるいは仕方がないと肯定的に答えてくださった方が合計八二%いらっしゃいました。これは大変うれしい材料だというふうに思っております。ライフスタイルを変える強いきっかけや明確な情報、実践できる仕組みや社会システムが暮らしの身近にあるという状況を整備することが重要だということを意味していると考えております。
普及啓発の課題という視点で今お話をしてまいりましたけれども、地球温暖化対策に関する今後の取り組みのポイントを整理させていただきます。
今まで申し上げた中で三つ挙げさせていただきますと、一つ目は、地球温暖化に関する危機意識、当事者意識を浸透させ、国民一人一人の自主的な行動を促すということ。その際、先ほどもお話ししましたが、国民にとってのメリット、光熱費のこと、暑さ寒さの影響が少なく快適な暮らしになるというようなこと、こういうことの積極的なアピールとか、国民をやる気にさせるような大きなムーブメントをつくっていく。国民運動というふうに今回いろいろ出ておりますが、こういうことが必要なのではないかと思っております。
二番目は、それに関係する業界や各省庁など、広く関係者との十分な連携、協働体制をつくっていく、そして、国民だけではなく、地域社会そして経済、こういうような方々を巻き込んで大きなうねりにしていくということが大事なのではないかと思っております。
三番目は、働きかける相手に合わせその内容などを考え、効果的な普及啓発手法の工夫、こういうようなのがやはり大事だというふうに思っております。
こういう視点から、今回の地球温暖化推進法改正案について若干意見を申し上げたいというふうに考えております。
二〇三〇年の削減目標達成に向けて、これまでなかなか削減できなかった家庭、業務部門の省エネ努力は非常に重要だというふうに思っております。
地球温暖化対策計画の検討に私も参加しておりましたが、家庭、業務部門はそれぞれ四割程度の削減が期待されており、これはかなり本格的に取り組まないと達成できないという数字だと考えております。もちろん、この四割という中には電力の低炭素化で達成される部分もありますが、省エネ努力などによる削減分が、家庭では一四%相当、業務で一五%相当であり、暮らしや地域での対策行動の見える化、そして定量化というのが大変重要になってくると考えております。
今回、啓発活動、国民運動にてこ入れをしてこれを強化していくというような内容になっておりますが、これは大変意義があるというふうに考えております。
環境省が、クールチョイスという呼び方を旗印にして低炭素製品への買いかえをまず呼びかける、こういうようなことを考えておるようですが、市民にとって、関心はあるけれども何を実行したらいいのかわからないというようなときの具体的な情報として、まずは意義ある呼びかけだというふうに感じております。
もちろん、省エネ家電だけでなく、二重窓で気密性を高めたり、自宅の改修をするときは断熱材を入れる、いろいろな分野を広げていくことで多様な分野で低炭素型の市場の拡大につながってくるというふうに考えております。
さらに、今後の長期大幅削減に向けては、ライフスタイルの変革や転換に向けることが重要だというふうに思っております。
低炭素市場の拡大、創出による技術の広範な定着と、一人一人の暮らしの知恵を合わせたハードとソフトの連携が進めば、公共交通や公共施設、自転車や車をシェアする、今クールシェアとも呼ばれていますが、こういうことを定着させたり、自然の恵みを大事にする暮らしなど、低炭素な暮らしと町づくりにつながる将来のライフスタイルの変換、転換にもつながっていくと期待しております。
最後になってまいりますが、このような一人一人の行動の変化を支える情報とか知恵、人材をしっかり確保し、地域戦略を立てるためにも、自治体がしっかりとした地域計画を立てる、そして実行するということが重要になってくると考えております。
今回の改正案の中には、地域における温暖化対策も明確に視野に入れ、地域によっては自治体が計画を共同して作成するなど、広域的な対応も視野に入れておられます。そういうことを強化している視点は大変重要だと考えております。
今、地域では、地球温暖化対策への思いと、地方創生、地域活性化を願って、地域の未利用資源を活用した再生可能エネルギーづくりとか、地域らしい取り組み、持続可能な未来に向けて個性ある地域をつくっていこうというような町もふえてまいりました。消費地らしい取り組みや自然豊かな地域の取り組み、そして自治体やNGO、事業者などの連携でそういうことをつないでいく、そういうことが大変重要になってきていると思っております。
こういう地域の広い面的な広がりを支える基本として、今回、温暖化推進法の改正案をきっかけにして、自治体や地域の事業者、国民、そして温暖化対策、適応する暮らしや町づくりに関係する企業の方々、そして多くの関係者が自主的な参加と連携による大きな場をつくっていく、こういうようなうねりをつくっていくことが重要なのではないかというふうに感じております。これをきっかけに、意識啓発から消費選択、実践行動、そしてライフスタイルの転換に続く道をつくっていく、それこそが本当に大事だというふうに心から期待しております。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今回、このような場で発言をさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
こういう流れにふなれで、私、今回資料を準備させていただいておりません。大変申しわけございません。きょう、これからのお話をじっくりと聞いていただければありがたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
私自身、ジャーナリストとして、二十五年ほど前から、環境・エネルギー分野で仕事をさせていただいております。その中で、環境課題の解決には一人一人の実践が大変重要ではないかというふうに感じまして、環境学習や多様な主体の参加、協働による持続可能な地域づくりの応援、こういうことに取り組んでまいりました。
具体的には、代表理事を務めておりますNPO法人新宿環境活動ネットというところでは、新宿区立環境学習情報センターの指定管理者として、ここ十二年ほど、地域の環境学習の推進に携わっております。そこでは、地域住民の方々や事業者を対象にした環境活動の交流拠点として、市民、事業者参加型で運営するという方法をとらせていただいております。
また、もう一つ、理事長を務めるNPO法人持続可能な社会をつくる元気ネットという団体がございます。これは循環型地域づくりに取り組む全国の団体のネットワークですが、スリーRに関する人材育成や、市民、事業者、行政の連携による対話の場づくりなどに取り組んでおります。
このような経験を踏まえて、これまでの地球温暖化に対する啓発活動や国民運動の課題を考えてみたいというふうに思っております。
京都議定書の目標に向けた取り組みを進めていた時期にかなり環境意識は高まってきたというふうに考えておりますが、暮らしの中での実践行動の定着やライフスタイルの変換には、まだまだ危機感が足りないのではないかという実感を持っております。
先ほどお話ししたNPO法人元気ネットで、二十六年の秋に全国約五百人を対象に、環境配慮商品と消費行動をテーマにアンケートを実施いたしました。この際、環境に関心がある、あるいは少しあるというふうに答えてくださった方は九四%という高い数字でした。ところが、買い物の際、環境配慮商品を選択しておられるか聞いたところ、グリーン購入を実施していると答えてくださったのは一七%という数字でした。
環境への関心は高いものの、効果的な行動にはまだまだ結びついていないという傾向は、この私どもの非常に小規模のアンケートだけではなく、環境省が毎年実施しておられる大規模な調査でも同様な結果が出ているというふうに考えております。
平成二十六年に全国二千六百人を対象に実施した、環境にやさしいライフスタイル実態調査というのがございます。ここで、関心ある環境問題として地球温暖化と答えた方は七〇%を超えて断トツでした。実際に行っている環境行動として省エネという項目を挙げた方は七三%もいらしたのですが、もっと具体的に、環境配慮商品を選択したことがあると答えた方の場合、省エネ家電では三八%、環境配慮型自動車は一四%、高効率給湯器は一三%と非常に少なくなっております。
日々の省エネ行動はもちろん大事ですけれども、環境への関心を、身近な実践だけではなく消費選択する際の視点にきちんとつなげていく、そして長期的にはライフスタイルの転換につなげていく、そういうことを考えれば、まだまだ道半ばであるというふうに考えております。
ただし、実践行動や消費選択、そしてライフスタイルの変革につながる普及啓発として、二〇〇五年に呼びかけが始まったクールビズ、これはかなり成功した例の一つではないかというふうに思っております。
それまでは、暑い季節にスーツとネクタイをしっかりと締めて仕事をする男性の方に合わせて、オフィスの中では薄着の女性がぶるぶる震えながら仕事をしていた、そういうときもありました。そういう呼びかけに対して、手軽に実践できることもあり、多くの国民が夏のオフィスでの軽装に賛同し、冷房設定も高くするというようなことが定着してきたというふうに思っております。
また、企業のトップの方にまず実践を働きかけるというような戦略も明確にありました。そして、ネクタイなしでもおしゃれなシャツを開発するような産業界、経済界にも大きな流れが生まれてきました。
こういうような流れがかなり定着してきたと思いますが、ただ、クールビズも、今のように世に知られ、普及するのにかなり年月がかかったというふうに感じております。
残念ながら、その後の普及啓発、もちろんしっかりといろいろなものに取り組んでいますが、ライフスタイルの転換ということを見据えたことを考えれば、まだまだ大きなうねりにはなっていないのではないかというふうに感じております。
私たち国民は、これまでの報道などに接して、世界全体の温室効果ガスの削減が大変重要で、日本も削減目標を設けてそれを達成していくこと、そして途上国に日本の技術を広げて国際貢献をしっかりすることが重要だということ、こういうことは理解しているというふうに考えております。
ただし、それが自分にとってどういうふうに関係があるのか、例えば、ここ十年の温室効果ガスの排出量が、家庭部門や身近な事業者部門が増加しており、私たちの暮らしや地域での大幅な削減こそが今回期待されているということまでイメージできていないのではないかというふうに考えております。
また、もし省エネ性能のいい機器を選んだ場合、購入費用は高いけれども、使用する電気代が減って、しかも長もちするというような、負担する費用とメリットの関係が短期的にはどうなるのかということとか、子供世代の将来など長期的にはどうなるのか、そういうようなことを具体的にまだまだイメージできていないのではないかというふうに考えております。
こういうふうな考えから、国民に対し、地球温暖化に対する危機意識、自分事として考える当事者意識の浸透を改めてここで強化すべきというふうに考えております。
先ほども申し上げたように、温室効果ガス削減目標の達成という国のメリットの説明だけでは不十分です。国民としてどういうメリットがあるのか、一人の市民としてどういうメリットがあるのかということを入り口に、しっかりと伝えていただきながら、国民一人一人と地球温暖化防止の関係を具体的に伝え、構築していくということを考える時期ではないでしょうか。
そのためには、物づくり、エネルギー、地域づくりもそうですが、いろいろなことに関係する、そういう各省庁と十分に連携、協働し、またエネルギーを使うような製品はもちろん、住宅、建築物にかかわる業界とも連携するということが重要だと思っております。
また、伝える方法にしても、パンフレット、ポスターの作成とかホームページによる情報提供ではなく、最近は動画を初めとするインターネットの技術も活用するなど、世代に応じて随分取り組み方が違ってきておりますので、このような対象に応じた、国民にわかりやすく伝えるツール、コンテンツを積極的につくり出していくということが大事ではないかというふうに思っております。
このような身近な取り組みがしっかりと効果を上げるのかというふうに疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。先ほど紹介した、私どものNPOが実施した消費行動アンケート調査の中に、環境のためならライフスタイルを変えてもいい、あるいは仕方がないと肯定的に答えてくださった方が合計八二%いらっしゃいました。これは大変うれしい材料だというふうに思っております。ライフスタイルを変える強いきっかけや明確な情報、実践できる仕組みや社会システムが暮らしの身近にあるという状況を整備することが重要だということを意味していると考えております。
普及啓発の課題という視点で今お話をしてまいりましたけれども、地球温暖化対策に関する今後の取り組みのポイントを整理させていただきます。
今まで申し上げた中で三つ挙げさせていただきますと、一つ目は、地球温暖化に関する危機意識、当事者意識を浸透させ、国民一人一人の自主的な行動を促すということ。その際、先ほどもお話ししましたが、国民にとってのメリット、光熱費のこと、暑さ寒さの影響が少なく快適な暮らしになるというようなこと、こういうことの積極的なアピールとか、国民をやる気にさせるような大きなムーブメントをつくっていく。国民運動というふうに今回いろいろ出ておりますが、こういうことが必要なのではないかと思っております。
二番目は、それに関係する業界や各省庁など、広く関係者との十分な連携、協働体制をつくっていく、そして、国民だけではなく、地域社会そして経済、こういうような方々を巻き込んで大きなうねりにしていくということが大事なのではないかと思っております。
三番目は、働きかける相手に合わせその内容などを考え、効果的な普及啓発手法の工夫、こういうようなのがやはり大事だというふうに思っております。
こういう視点から、今回の地球温暖化推進法改正案について若干意見を申し上げたいというふうに考えております。
二〇三〇年の削減目標達成に向けて、これまでなかなか削減できなかった家庭、業務部門の省エネ努力は非常に重要だというふうに思っております。
地球温暖化対策計画の検討に私も参加しておりましたが、家庭、業務部門はそれぞれ四割程度の削減が期待されており、これはかなり本格的に取り組まないと達成できないという数字だと考えております。もちろん、この四割という中には電力の低炭素化で達成される部分もありますが、省エネ努力などによる削減分が、家庭では一四%相当、業務で一五%相当であり、暮らしや地域での対策行動の見える化、そして定量化というのが大変重要になってくると考えております。
今回、啓発活動、国民運動にてこ入れをしてこれを強化していくというような内容になっておりますが、これは大変意義があるというふうに考えております。
環境省が、クールチョイスという呼び方を旗印にして低炭素製品への買いかえをまず呼びかける、こういうようなことを考えておるようですが、市民にとって、関心はあるけれども何を実行したらいいのかわからないというようなときの具体的な情報として、まずは意義ある呼びかけだというふうに感じております。
もちろん、省エネ家電だけでなく、二重窓で気密性を高めたり、自宅の改修をするときは断熱材を入れる、いろいろな分野を広げていくことで多様な分野で低炭素型の市場の拡大につながってくるというふうに考えております。
さらに、今後の長期大幅削減に向けては、ライフスタイルの変革や転換に向けることが重要だというふうに思っております。
低炭素市場の拡大、創出による技術の広範な定着と、一人一人の暮らしの知恵を合わせたハードとソフトの連携が進めば、公共交通や公共施設、自転車や車をシェアする、今クールシェアとも呼ばれていますが、こういうことを定着させたり、自然の恵みを大事にする暮らしなど、低炭素な暮らしと町づくりにつながる将来のライフスタイルの変換、転換にもつながっていくと期待しております。
最後になってまいりますが、このような一人一人の行動の変化を支える情報とか知恵、人材をしっかり確保し、地域戦略を立てるためにも、自治体がしっかりとした地域計画を立てる、そして実行するということが重要になってくると考えております。
今回の改正案の中には、地域における温暖化対策も明確に視野に入れ、地域によっては自治体が計画を共同して作成するなど、広域的な対応も視野に入れておられます。そういうことを強化している視点は大変重要だと考えております。
今、地域では、地球温暖化対策への思いと、地方創生、地域活性化を願って、地域の未利用資源を活用した再生可能エネルギーづくりとか、地域らしい取り組み、持続可能な未来に向けて個性ある地域をつくっていこうというような町もふえてまいりました。消費地らしい取り組みや自然豊かな地域の取り組み、そして自治体やNGO、事業者などの連携でそういうことをつないでいく、そういうことが大変重要になってきていると思っております。
こういう地域の広い面的な広がりを支える基本として、今回、温暖化推進法の改正案をきっかけにして、自治体や地域の事業者、国民、そして温暖化対策、適応する暮らしや町づくりに関係する企業の方々、そして多くの関係者が自主的な参加と連携による大きな場をつくっていく、こういうようなうねりをつくっていくことが重要なのではないかというふうに感じております。これをきっかけに、意識啓発から消費選択、実践行動、そしてライフスタイルの転換に続く道をつくっていく、それこそが本当に大事だというふうに心から期待しております。
どうもありがとうございました。拍手
赤
明
明日香壽川#8
○明日香参考人 きょうは、このような機会をいただき、どうもありがとうございます。東北大学の明日香と申します。
私は、パワーポイントを用意してきましたので、それをごらんになりながら、それに沿ってお話をさせていただきたいと思います。特に読む原稿は持ってきていないので、いろいろ自分の言葉でしゃべりたいと思っております。
先ほど、前の参考人のお話にもありましたように、今回の法案は可もなく不可もなく、私もそう思います。それはどうしてかというと、具体的なことが余り書いてないので、なかなかうまくコメントできないというところがあるかと思います。
なので、きょうは皆さんに、地球温暖化問題で世界で何が起きているか、日本でどうして地球温暖化対策に対する取り組みが弱くなるのか、そういう根本的なことについて、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
パワーポイントに沿ってお話をさせていただくので、ごらんになっていただければ幸いです。
タイトルは、「日本の温暖化問題(エネルギー問題)におけるガラパゴス化を憂う」というちょっと刺激的な言葉を選ばせていただきました。内容は、世界、日本、なぜ日本は温暖化問題でガラパゴス化するかということで、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
本日伝えたいメッセージとしましては、温暖化対策、エネルギー政策と全く同じです、において日本はガラパゴス化しており、それは現在、国際社会から非難を浴びていて、かつ日本の経済成長も損ねているということを私のメッセージとしてきょうお話をさせていただきます。
最初に、世界の動きについて、パワーポイントで写真がありますので、ごらんいただきたいと思います。
二週間ぐらい前の朝日新聞に、ベトナムで百年に一回の干ばつというニュースがありました。その下は、四日前なんですが、ロシアで大規模洪水、原因は急激な気温上昇というニュースが流れておりました。
次のページで、アメリカのヒューストンで洪水、五人死亡、数百人が避難とあります。その下は、オマリー・メリーランド州知事、民主党候補のナンバースリーであった方ですが、彼が、二〇一四年の段階で、シリア難民問題と気候変動問題の関連性についてテレビのインタビューで答えています。
その次は、サンダースさん、皆さん御存じだと思いますけれども、彼はインタビューで、アメリカの国家安全保障に対する最大の脅威は何かと問われて、気候変動というふうに答えています。最近でも、IS、イスラム国よりもクライメートチェンジの方が重要な問題なのか、悪いのかという質問で、アブソルートリー、もちろんだというふうに答えています。
なので、世界は温暖化の被害が激しくなっていることもありますし、それにかなり、特にアメリカの政治は、政治家が気候変動に関していろいろな場でコメントをしているというのが現在の流れです。
その背景にあるのが温暖化被害なんですが、どうしても日本では、温暖化被害というと、せいぜい百人、千人、万人ぐらいだというようなイメージを持っている方が多いかと思います。ですが、実際、温暖化で被害を受ける方は千万から一億人です。
実は、温暖化の被害というのは洪水、干ばつがほぼ七割、八割を占めるんですが、洪水で既に被害を受けている方が二千万人、毎年世界にはおります。その人たちが、二度Cだったらその二千万人ほども変わらないんですが、三度、四度、五度という世界になると、その人たちの数が五千万人、一億人、二億人になる、それが気候変動問題でありまして、だからこそ安全保障問題というふうに認識されています。
石炭の話を少ししたいと思います。
二度目標、一・五度目標、何となく頭では数字はわかるんですけれども、それは何を意味するかというのは、多くの方は御存じないかもしれません。例えば、一・五度目標というのは、石炭火力発電所は先進国ではもうほぼ使えず、途上国でも新設は無理だというようなことを示しています。それが科学的な事実です。
なので、今日本は、後でもお話ししますけれども、石炭火力発電所を新設しようとしているんですが、これは完全に一・五度Cなり二度Cというパリ協定の目標を無視しているというふうに国際社会からは認識されています。
そういう流れの中で、一つ、ダイベストメント運動というのが今起きています。そこにありますように、化石燃料企業からの投資撤退、たくさんの企業、都市、財団、年金が、五百ぐらいの組織が今あるんですが、そこがもう化石燃料会社の株とか債券を買わないということを宣言しています。ですが、日本で実はこういうダイベストメントを表明している組織はまだ一つもありません。これが現実です。
もう一つ特徴的なのは、裁判が今たくさん起きています。
一つ興味深いのは、オランダのNGOが、オランダ政府を数値目標が低過ぎるといって訴えて、オランダのNGOは一審は勝っています。
今、ニューヨーク州ほか幾つかの州がエクソン・モービルという会社を訴えようとしています。まさにこれはたばこ裁判と同じような展開になっています。
最近も、アメリカで若者たちがアメリカ政府を訴えています。それは、若い世代が温暖化の被害を受けるのはおかしい、憲法違反だというふうにアメリカ政府を訴えています。
フランスですが、フランスはエネルギー転換法というのを去年つくりました。そこでは、企業活動なり投資ポートフォリオが二度目標に適合しているかどうかを情報開示することを義務づけています。なので、これからビジネスの世界では、二度目標に整合性のある投資をしないといけない、しないと、非常に、逆に、インベストメントバンカーなりそういう人たちが責任を問われるというようになっています。
これは全てつながっていまして、いわゆる個人、企業、政府が持つ法的責任や損害賠償をめぐるさまざまな告発や訴訟が各地で増加すると予想され、これまでとは異なるレベルのリスク認識及び管理が必要となるとされています。
簡単に日本のエネルギーミックスの問題の話をしますが、基本的にこれは、原発、石炭火力重視で、省エネ、再エネ軽視のエネルギーミックスが日本の数値目標を非常に低いものにしています。
日本では、日本の数値目標は遜色ないというふうに思っている方が多いかと思うんですが、国際社会ではそういうふうに思っていません。国際社会、幾つかの研究機関が各国の数値目標を比較しています。その中で、日本の数値目標というのは米、中、EUよりも低いというふうにランクづけられています。なので、まさにこれも、日本が遜色がない、日本の数値目標はすばらしいと思っている人たちというのは、日本の本当に一部の人たちだけです。
では、何で数値目標がおかしいかというと、結局エネルギーミックスです。
一つは、長期エネルギー需給見通しでの省エネの量が非常に少ないということです。
十九枚目のスライドの写真がよくわかるんですが、これは、配管保温断熱材、工場にいろいろな配管の断熱材があるんですけれども、それがかなり今、剥がれていたり、壊れていたり、そういう状況です。これだけでも実は原発七基分相当のエネルギーがロスされています。
実は、こういう省エネポテンシャルはたくさんあるんですが、それを計算しないでエネルギーミックスをつくっていて、そのエネルギーミックスに基づいているので、日本の数値目標は非常に低いという構造になっています。
もう一つ、日本の温室効果ガスが減らないのは、石炭火力がふえているからです。これはもう明白です。
二十枚目のスライド、二十一枚目のスライド、全てそうなんですが、先進国の中で過去二十年間、震災前も含めまして、石炭火力をこれだけふやしてきた国は日本だけです。ほかの国は、フランスは原発をふやしましたり、ドイツは再生可能エネルギーをふやしましたし、天然ガスをふやしている国もあります。ですが、日本だけがふえた需要の分を石炭火力で賄っています。なので、CO2の排出量が減るはずはない状況です。
では、そういう日本は今、G7の中でどう評価されているかというと、二十二枚目のスライドですが、脱石炭火力という観点からは、一番下の七番目にランクされています。これが現状です。
もう一つ問題なのは、日本政府による海外石炭プロジェクトへの公的資金支援問題です。これも、日本、韓国、中国、この三つの国が圧倒的に多く、公的資金で石炭火力発電プロジェクトをファイナンスしています。
日本の技術はという話もあるんですが、少なくとも国際社会からは、日本は、ちょっと古い言葉ですけれども、エコノミックアニマルというふうに見られています。日本人は日本企業の利益と地球益が同じものだと自分で勝手に思い込んでいるというのは海外の人の声ですけれども、基本的にはこれは事実だと思います。
では、日本の技術は効率が高いから、技術は非常にすぐれているからいいのかという議論がありますが、実際、石炭火力発電所に関しては、日本のJBICが支援している石炭火力発電所の効率は、実は世界平均と同じくらい、または低いという調査結果が出ています。なので、日本の技術は効率が高いからいいんだというロジックは、世界には通じない状況になっています。
結局、政府の建前というのは、石炭火力も、多分まさに原発の問題も同じだと思うんですけれども、安全、高効率、クリーン、安い、あと中国もやっているからということで輸出に支援をしているんですが、結局は、海外からどう見られているかというと、単なる自国企業への輸出補助金なんじゃないかというふうに見られているのが日本の現状だと思います。
一つ、原発の話にちょっと触れましたので、原発がなくても温暖化対策と経済成長の両方が可能だということについて話をしたいと思います。
これは単純でして、ドイツがそれを示しています。ドイツの数値目標というのは日本よりも三七ポイント高いです。ですが、御存じのように、ドイツは原発をやめることを決めています。なので、原発がないと温暖化対策数値目標は高いものが持てないというのは全く、うそというのは言い方がよくないかもしれませんけれども、やり方次第では、ドイツのように数値目標、温暖化対策も高い目標を持つことができますし、かつ原発もなくてもそれが実現できるということはあります。
経済はどうかというと、御存じのように、ドイツの経済は今、ほぼひとり勝ち状況です。
なので、よく、脱原発と経済成長と温暖化対策というのは全てジレンマ、トリレンマにあるというふうに言われるんですが、そんなことはないです。
では、何で日本はガラパゴス化するか。簡単に、十二考えていたんですが、ちょっと十二全部お話しするのは難しいので、幾つかを選びたいと思います。
現在、やはり福島の原発事故の影響はあったと思います。原発事故の後、特に、温暖化対策の話をすると原発推進と思われるんじゃないかというような懸念を持つ人がいます。ですが、それも結局は、原発は温暖化対策に必要だという政府なり企業の方々の言説が、みんなそれを信じてしまっているということかと思います。
あとは、日本は環境立国だとか、日本は技術がすぐれているというような話があります。確かにそういう面はあるかと思うんですが、温暖化問題というのは技術の問題ではないです。技術はもう既にあります。それをどう普及するかの話でして、技術を革新するという話でなくて、技術をどう普及するか、どう制度をつくるかという話です。
三十一枚目に書きましたように、日本では、やはり、電力システム改革、再生可能エネルギー普及が欧米より、少なくともヨーロッパよりは二十年おくれています。
かつ、今の原発と石炭火力発電所に依存したシステムをやはり維持したい人たちがたくさんいまして、その人たちの勢力が強いということなんだと思います。基本的に、エネルギーミックスを決めますと一義的に温暖化対策数値目標というのは決まってしまいますので、エネルギー政策が一番重要なんですが、環境省も含めて、なかなかその政策立案にコミットできないというのが日本の政策決定プロセスの問題だと思います。
まとめたいと思います。
私は、楽観も悲観もしていません。温暖化問題というのは公平、責任の問題、モラルの問題で、なかなか難しい問題であることは確かだと思います。ですが、温暖化対策は、基本的には省エネと再エネです。やり方次第では国全体及び地域に経済的な利益を及ぼすことは、ドイツなりほかの国が証明しています。
そうはいっても、どこの国でもそうなんですけれども、いわゆる抵抗勢力の人たちはいます。その結果、日本の温暖化対策数値目標というのは非常に低い、国際的にも非常に低い評価しかもらえていない状況だと思います。
かつ、この前決まったパリ協定でも、実はそれほど強い内容ではなくて、多くの問題は先送りされています。
ですが、一方、冒頭にお話ししたように、いろいろな努力を市民社会が今行っています。一つは訴訟です。それは、企業が訴えられる場合もありますし、国が訴えられる場合もあります。いろいろな人たちがこれから、そういう訴訟を今用意しているのが現状だと思います。
そういう意味で、世界の状況も日本の状況も変化しつつあり、成功、失敗のお手本はあって、希望はあると思います。
希望のその一なんですが、三十六枚目のスライドを見ていただければと思います。これがある意味では一番希望をもたらすグラフかもしれません。
これは、アメリカですけれども、各発電技術の発電コストを比較したものです。これはラザードという、毎年発電コストを計算して発表しているんですが、ごらんのように、太陽光、風力が原子力、石炭よりもかなり安くなっています。いろいろあります。結局は、CO2の排出を削減するためには、太陽光、風力をふやして、省エネをふやすしかないです。国民運動といっても、結局、絵に描いた餅で終わる。
そのときに、ふやすのにどうすればいいかというと、結局、ビジネスでお金が回らなきゃいけない。ビジネスの上でお金が回るためには、やはり価格が安くなければなりません。アメリカの場合は、ヨーロッパもそうですが、太陽光、風力が原子力、石炭よりも安くなっています。日本はまだ実はいろいろな問題があって高いんですが、いずれ、コモディティー化していますので、太陽光、風力の値段は世界の価格に日本も近づいていくと思います。数年かかると思いますが、数年でそうなると思います。そうすると、原子力、石炭は、もうただ単純に高いということで要らなくなるということです。
希望その二ですが、三十七枚目、最後になります。
ドイツでは、約三十七万人の再生可能エネルギーによる雇用者が今います。一方、原子力は約四万人です。日本でも、再生可能エネルギーによる雇用者数は今二十二万人と言われています。これは六大CO2排出産業、鉄鋼、電力、セメント、製紙とか製油、六大CO2排出産業と原子力産業を合わせた数字よりも大きい。
なので、実はもう、産業という面から見ると、将来性という意味では、コストという意味でも雇用という意味でも、再生可能エネルギーが、そうではない、いわゆる重厚長大産業の雇用を凌駕しているというのが現状です。
最後になりますが、原発も石炭もそういう意味では世界では大きく、世界最大の石炭会社のピーボディーという会社が一週間ほど前に倒産しました。今、石炭会社の株価は一番高いときの一割ぐらいです。多くの会社が今倒産しようとしています、実際倒産しています。だから、世界はそういうふうに動いています。原発も同じように、今先進国で建てている国はほとんどない、御存じのようにない状況です。
そういう産業をどう考えるのか、再生可能エネルギーのような将来性がある産業をどう考えるか、それによってCO2をどんどん減らすことができるかどうか、雇用をどうするか、全て同じ、つながっている問題でして、日本の経済成長につながる問題だと思います。
なので、繰り返し言いますが、脱原発と経済成長と脱温暖化というのは、共存できますし、それを目指して、今回の法案では数値目標というのは特には触れられていませんが、一年後、二年後、三年後の日本での温暖化対策の数値目標、温暖化対策に関する議論に資するような議論をこれから活発にしていかなければと思っています。御協力をよろしくお願いしたいと思います。
きょうはどうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、パワーポイントを用意してきましたので、それをごらんになりながら、それに沿ってお話をさせていただきたいと思います。特に読む原稿は持ってきていないので、いろいろ自分の言葉でしゃべりたいと思っております。
先ほど、前の参考人のお話にもありましたように、今回の法案は可もなく不可もなく、私もそう思います。それはどうしてかというと、具体的なことが余り書いてないので、なかなかうまくコメントできないというところがあるかと思います。
なので、きょうは皆さんに、地球温暖化問題で世界で何が起きているか、日本でどうして地球温暖化対策に対する取り組みが弱くなるのか、そういう根本的なことについて、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
パワーポイントに沿ってお話をさせていただくので、ごらんになっていただければ幸いです。
タイトルは、「日本の温暖化問題(エネルギー問題)におけるガラパゴス化を憂う」というちょっと刺激的な言葉を選ばせていただきました。内容は、世界、日本、なぜ日本は温暖化問題でガラパゴス化するかということで、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
本日伝えたいメッセージとしましては、温暖化対策、エネルギー政策と全く同じです、において日本はガラパゴス化しており、それは現在、国際社会から非難を浴びていて、かつ日本の経済成長も損ねているということを私のメッセージとしてきょうお話をさせていただきます。
最初に、世界の動きについて、パワーポイントで写真がありますので、ごらんいただきたいと思います。
二週間ぐらい前の朝日新聞に、ベトナムで百年に一回の干ばつというニュースがありました。その下は、四日前なんですが、ロシアで大規模洪水、原因は急激な気温上昇というニュースが流れておりました。
次のページで、アメリカのヒューストンで洪水、五人死亡、数百人が避難とあります。その下は、オマリー・メリーランド州知事、民主党候補のナンバースリーであった方ですが、彼が、二〇一四年の段階で、シリア難民問題と気候変動問題の関連性についてテレビのインタビューで答えています。
その次は、サンダースさん、皆さん御存じだと思いますけれども、彼はインタビューで、アメリカの国家安全保障に対する最大の脅威は何かと問われて、気候変動というふうに答えています。最近でも、IS、イスラム国よりもクライメートチェンジの方が重要な問題なのか、悪いのかという質問で、アブソルートリー、もちろんだというふうに答えています。
なので、世界は温暖化の被害が激しくなっていることもありますし、それにかなり、特にアメリカの政治は、政治家が気候変動に関していろいろな場でコメントをしているというのが現在の流れです。
その背景にあるのが温暖化被害なんですが、どうしても日本では、温暖化被害というと、せいぜい百人、千人、万人ぐらいだというようなイメージを持っている方が多いかと思います。ですが、実際、温暖化で被害を受ける方は千万から一億人です。
実は、温暖化の被害というのは洪水、干ばつがほぼ七割、八割を占めるんですが、洪水で既に被害を受けている方が二千万人、毎年世界にはおります。その人たちが、二度Cだったらその二千万人ほども変わらないんですが、三度、四度、五度という世界になると、その人たちの数が五千万人、一億人、二億人になる、それが気候変動問題でありまして、だからこそ安全保障問題というふうに認識されています。
石炭の話を少ししたいと思います。
二度目標、一・五度目標、何となく頭では数字はわかるんですけれども、それは何を意味するかというのは、多くの方は御存じないかもしれません。例えば、一・五度目標というのは、石炭火力発電所は先進国ではもうほぼ使えず、途上国でも新設は無理だというようなことを示しています。それが科学的な事実です。
なので、今日本は、後でもお話ししますけれども、石炭火力発電所を新設しようとしているんですが、これは完全に一・五度Cなり二度Cというパリ協定の目標を無視しているというふうに国際社会からは認識されています。
そういう流れの中で、一つ、ダイベストメント運動というのが今起きています。そこにありますように、化石燃料企業からの投資撤退、たくさんの企業、都市、財団、年金が、五百ぐらいの組織が今あるんですが、そこがもう化石燃料会社の株とか債券を買わないということを宣言しています。ですが、日本で実はこういうダイベストメントを表明している組織はまだ一つもありません。これが現実です。
もう一つ特徴的なのは、裁判が今たくさん起きています。
一つ興味深いのは、オランダのNGOが、オランダ政府を数値目標が低過ぎるといって訴えて、オランダのNGOは一審は勝っています。
今、ニューヨーク州ほか幾つかの州がエクソン・モービルという会社を訴えようとしています。まさにこれはたばこ裁判と同じような展開になっています。
最近も、アメリカで若者たちがアメリカ政府を訴えています。それは、若い世代が温暖化の被害を受けるのはおかしい、憲法違反だというふうにアメリカ政府を訴えています。
フランスですが、フランスはエネルギー転換法というのを去年つくりました。そこでは、企業活動なり投資ポートフォリオが二度目標に適合しているかどうかを情報開示することを義務づけています。なので、これからビジネスの世界では、二度目標に整合性のある投資をしないといけない、しないと、非常に、逆に、インベストメントバンカーなりそういう人たちが責任を問われるというようになっています。
これは全てつながっていまして、いわゆる個人、企業、政府が持つ法的責任や損害賠償をめぐるさまざまな告発や訴訟が各地で増加すると予想され、これまでとは異なるレベルのリスク認識及び管理が必要となるとされています。
簡単に日本のエネルギーミックスの問題の話をしますが、基本的にこれは、原発、石炭火力重視で、省エネ、再エネ軽視のエネルギーミックスが日本の数値目標を非常に低いものにしています。
日本では、日本の数値目標は遜色ないというふうに思っている方が多いかと思うんですが、国際社会ではそういうふうに思っていません。国際社会、幾つかの研究機関が各国の数値目標を比較しています。その中で、日本の数値目標というのは米、中、EUよりも低いというふうにランクづけられています。なので、まさにこれも、日本が遜色がない、日本の数値目標はすばらしいと思っている人たちというのは、日本の本当に一部の人たちだけです。
では、何で数値目標がおかしいかというと、結局エネルギーミックスです。
一つは、長期エネルギー需給見通しでの省エネの量が非常に少ないということです。
十九枚目のスライドの写真がよくわかるんですが、これは、配管保温断熱材、工場にいろいろな配管の断熱材があるんですけれども、それがかなり今、剥がれていたり、壊れていたり、そういう状況です。これだけでも実は原発七基分相当のエネルギーがロスされています。
実は、こういう省エネポテンシャルはたくさんあるんですが、それを計算しないでエネルギーミックスをつくっていて、そのエネルギーミックスに基づいているので、日本の数値目標は非常に低いという構造になっています。
もう一つ、日本の温室効果ガスが減らないのは、石炭火力がふえているからです。これはもう明白です。
二十枚目のスライド、二十一枚目のスライド、全てそうなんですが、先進国の中で過去二十年間、震災前も含めまして、石炭火力をこれだけふやしてきた国は日本だけです。ほかの国は、フランスは原発をふやしましたり、ドイツは再生可能エネルギーをふやしましたし、天然ガスをふやしている国もあります。ですが、日本だけがふえた需要の分を石炭火力で賄っています。なので、CO2の排出量が減るはずはない状況です。
では、そういう日本は今、G7の中でどう評価されているかというと、二十二枚目のスライドですが、脱石炭火力という観点からは、一番下の七番目にランクされています。これが現状です。
もう一つ問題なのは、日本政府による海外石炭プロジェクトへの公的資金支援問題です。これも、日本、韓国、中国、この三つの国が圧倒的に多く、公的資金で石炭火力発電プロジェクトをファイナンスしています。
日本の技術はという話もあるんですが、少なくとも国際社会からは、日本は、ちょっと古い言葉ですけれども、エコノミックアニマルというふうに見られています。日本人は日本企業の利益と地球益が同じものだと自分で勝手に思い込んでいるというのは海外の人の声ですけれども、基本的にはこれは事実だと思います。
では、日本の技術は効率が高いから、技術は非常にすぐれているからいいのかという議論がありますが、実際、石炭火力発電所に関しては、日本のJBICが支援している石炭火力発電所の効率は、実は世界平均と同じくらい、または低いという調査結果が出ています。なので、日本の技術は効率が高いからいいんだというロジックは、世界には通じない状況になっています。
結局、政府の建前というのは、石炭火力も、多分まさに原発の問題も同じだと思うんですけれども、安全、高効率、クリーン、安い、あと中国もやっているからということで輸出に支援をしているんですが、結局は、海外からどう見られているかというと、単なる自国企業への輸出補助金なんじゃないかというふうに見られているのが日本の現状だと思います。
一つ、原発の話にちょっと触れましたので、原発がなくても温暖化対策と経済成長の両方が可能だということについて話をしたいと思います。
これは単純でして、ドイツがそれを示しています。ドイツの数値目標というのは日本よりも三七ポイント高いです。ですが、御存じのように、ドイツは原発をやめることを決めています。なので、原発がないと温暖化対策数値目標は高いものが持てないというのは全く、うそというのは言い方がよくないかもしれませんけれども、やり方次第では、ドイツのように数値目標、温暖化対策も高い目標を持つことができますし、かつ原発もなくてもそれが実現できるということはあります。
経済はどうかというと、御存じのように、ドイツの経済は今、ほぼひとり勝ち状況です。
なので、よく、脱原発と経済成長と温暖化対策というのは全てジレンマ、トリレンマにあるというふうに言われるんですが、そんなことはないです。
では、何で日本はガラパゴス化するか。簡単に、十二考えていたんですが、ちょっと十二全部お話しするのは難しいので、幾つかを選びたいと思います。
現在、やはり福島の原発事故の影響はあったと思います。原発事故の後、特に、温暖化対策の話をすると原発推進と思われるんじゃないかというような懸念を持つ人がいます。ですが、それも結局は、原発は温暖化対策に必要だという政府なり企業の方々の言説が、みんなそれを信じてしまっているということかと思います。
あとは、日本は環境立国だとか、日本は技術がすぐれているというような話があります。確かにそういう面はあるかと思うんですが、温暖化問題というのは技術の問題ではないです。技術はもう既にあります。それをどう普及するかの話でして、技術を革新するという話でなくて、技術をどう普及するか、どう制度をつくるかという話です。
三十一枚目に書きましたように、日本では、やはり、電力システム改革、再生可能エネルギー普及が欧米より、少なくともヨーロッパよりは二十年おくれています。
かつ、今の原発と石炭火力発電所に依存したシステムをやはり維持したい人たちがたくさんいまして、その人たちの勢力が強いということなんだと思います。基本的に、エネルギーミックスを決めますと一義的に温暖化対策数値目標というのは決まってしまいますので、エネルギー政策が一番重要なんですが、環境省も含めて、なかなかその政策立案にコミットできないというのが日本の政策決定プロセスの問題だと思います。
まとめたいと思います。
私は、楽観も悲観もしていません。温暖化問題というのは公平、責任の問題、モラルの問題で、なかなか難しい問題であることは確かだと思います。ですが、温暖化対策は、基本的には省エネと再エネです。やり方次第では国全体及び地域に経済的な利益を及ぼすことは、ドイツなりほかの国が証明しています。
そうはいっても、どこの国でもそうなんですけれども、いわゆる抵抗勢力の人たちはいます。その結果、日本の温暖化対策数値目標というのは非常に低い、国際的にも非常に低い評価しかもらえていない状況だと思います。
かつ、この前決まったパリ協定でも、実はそれほど強い内容ではなくて、多くの問題は先送りされています。
ですが、一方、冒頭にお話ししたように、いろいろな努力を市民社会が今行っています。一つは訴訟です。それは、企業が訴えられる場合もありますし、国が訴えられる場合もあります。いろいろな人たちがこれから、そういう訴訟を今用意しているのが現状だと思います。
そういう意味で、世界の状況も日本の状況も変化しつつあり、成功、失敗のお手本はあって、希望はあると思います。
希望のその一なんですが、三十六枚目のスライドを見ていただければと思います。これがある意味では一番希望をもたらすグラフかもしれません。
これは、アメリカですけれども、各発電技術の発電コストを比較したものです。これはラザードという、毎年発電コストを計算して発表しているんですが、ごらんのように、太陽光、風力が原子力、石炭よりもかなり安くなっています。いろいろあります。結局は、CO2の排出を削減するためには、太陽光、風力をふやして、省エネをふやすしかないです。国民運動といっても、結局、絵に描いた餅で終わる。
そのときに、ふやすのにどうすればいいかというと、結局、ビジネスでお金が回らなきゃいけない。ビジネスの上でお金が回るためには、やはり価格が安くなければなりません。アメリカの場合は、ヨーロッパもそうですが、太陽光、風力が原子力、石炭よりも安くなっています。日本はまだ実はいろいろな問題があって高いんですが、いずれ、コモディティー化していますので、太陽光、風力の値段は世界の価格に日本も近づいていくと思います。数年かかると思いますが、数年でそうなると思います。そうすると、原子力、石炭は、もうただ単純に高いということで要らなくなるということです。
希望その二ですが、三十七枚目、最後になります。
ドイツでは、約三十七万人の再生可能エネルギーによる雇用者が今います。一方、原子力は約四万人です。日本でも、再生可能エネルギーによる雇用者数は今二十二万人と言われています。これは六大CO2排出産業、鉄鋼、電力、セメント、製紙とか製油、六大CO2排出産業と原子力産業を合わせた数字よりも大きい。
なので、実はもう、産業という面から見ると、将来性という意味では、コストという意味でも雇用という意味でも、再生可能エネルギーが、そうではない、いわゆる重厚長大産業の雇用を凌駕しているというのが現状です。
最後になりますが、原発も石炭もそういう意味では世界では大きく、世界最大の石炭会社のピーボディーという会社が一週間ほど前に倒産しました。今、石炭会社の株価は一番高いときの一割ぐらいです。多くの会社が今倒産しようとしています、実際倒産しています。だから、世界はそういうふうに動いています。原発も同じように、今先進国で建てている国はほとんどない、御存じのようにない状況です。
そういう産業をどう考えるのか、再生可能エネルギーのような将来性がある産業をどう考えるか、それによってCO2をどんどん減らすことができるかどうか、雇用をどうするか、全て同じ、つながっている問題でして、日本の経済成長につながる問題だと思います。
なので、繰り返し言いますが、脱原発と経済成長と脱温暖化というのは、共存できますし、それを目指して、今回の法案では数値目標というのは特には触れられていませんが、一年後、二年後、三年後の日本での温暖化対策の数値目標、温暖化対策に関する議論に資するような議論をこれから活発にしていかなければと思っています。御協力をよろしくお願いしたいと思います。
きょうはどうもありがとうございました。拍手
赤
赤
吉
吉野正芳#11
○吉野委員 おはようございます。自民党の吉野正芳と申します。
参考人の皆様方、貴重な御意見をいただいて本当にありがとうございます。
パリ協定の評価をちょっと伺いたいと思います。
実は、私は、GLOBEインターナショナルという世界の環境を考える国会議員の集まりがあります、そこのGLOBEジャパンに所属をしておりまして、ある意味で議員外交という形でパリまで行ってまいりました。ここにおられる田中議員も、これはIPUという別な世界の国会議員の団体で、やはりパリに行ってきたわけです。
京都議定書とパリ協定をちょっと比べてみると、パリ協定で一番ここが違うんだというところは、全ての国が参加をしたということなんです。していない国は北朝鮮とシリアともう一カ国ぐらいだと聞いていますけれども、全ての国も、温暖化は人類共通の敵であって、それに戦っていくんだという。国はさまざまであります。ただ、できるだけ、自分でできる範囲のところを世界各国の国々が協調してパリ協定を結んだというところが、私は一番大きなところだと思います。
それで、平田参考人はもうパリ協定はこうだということをお述べいただいたんですけれども、ほかの三人の参考人の方々がパリ協定をどういう形で評価しているか、見ているか、お聞かせ願いたいと思います。
この発言だけを見る →参考人の皆様方、貴重な御意見をいただいて本当にありがとうございます。
パリ協定の評価をちょっと伺いたいと思います。
実は、私は、GLOBEインターナショナルという世界の環境を考える国会議員の集まりがあります、そこのGLOBEジャパンに所属をしておりまして、ある意味で議員外交という形でパリまで行ってまいりました。ここにおられる田中議員も、これはIPUという別な世界の国会議員の団体で、やはりパリに行ってきたわけです。
京都議定書とパリ協定をちょっと比べてみると、パリ協定で一番ここが違うんだというところは、全ての国が参加をしたということなんです。していない国は北朝鮮とシリアともう一カ国ぐらいだと聞いていますけれども、全ての国も、温暖化は人類共通の敵であって、それに戦っていくんだという。国はさまざまであります。ただ、できるだけ、自分でできる範囲のところを世界各国の国々が協調してパリ協定を結んだというところが、私は一番大きなところだと思います。
それで、平田参考人はもうパリ協定はこうだということをお述べいただいたんですけれども、ほかの三人の参考人の方々がパリ協定をどういう形で評価しているか、見ているか、お聞かせ願いたいと思います。
浅
浅野直人#12
○浅野参考人 ただいまの先生の御指摘の点でございます。
私も全く同じように考えておりまして、全ての国が参加したということが京都議定書に比べると格段の差であるというふうに思っていますし、さらに、現実的なアプローチをとっていますので、前のようにトップダウンで決めるのではなくて、各国が自分の状況に応じて目標を決めていくというアプローチは大変合理的だと思います。
それから、もう一つやはり強調しなきゃいけないのは、世界全体が目指すべき目標を明確にしたということだと思っておりまして、二度目標が明確になったということと、さらに、とかく日本ではちょっと、余り認識されない傾向があるんですが、累積的な排出量が問題だということがIPCCで出てきましたので、そのことがはっきりしてきた、これはもう少し我が国も真剣に認識しなければならないというふうに考えております。
この発言だけを見る →私も全く同じように考えておりまして、全ての国が参加したということが京都議定書に比べると格段の差であるというふうに思っていますし、さらに、現実的なアプローチをとっていますので、前のようにトップダウンで決めるのではなくて、各国が自分の状況に応じて目標を決めていくというアプローチは大変合理的だと思います。
それから、もう一つやはり強調しなきゃいけないのは、世界全体が目指すべき目標を明確にしたということだと思っておりまして、二度目標が明確になったということと、さらに、とかく日本ではちょっと、余り認識されない傾向があるんですが、累積的な排出量が問題だということがIPCCで出てきましたので、そのことがはっきりしてきた、これはもう少し我が国も真剣に認識しなければならないというふうに考えております。
崎
崎田裕子#13
○崎田参考人 御質問ありがとうございます。
私も、今御指摘いただいたように、今回のパリ協定は、世界全体が取り組む、やはりここが、何といっても、地球の将来に関してしっかりと責任を持つということが明確になったということが特徴だというふうに受けとめております。だからこそ、対策と適応策、そういう全体が非常に重要になっているのではないかなというふうに思っております。
なお、これを実行するというのがすごく大事だというふうに思っておりますので、どういうふうに世界全体がこれを評価していくのか、そして、五年ごとにそれを見直していく、こういう世界全体のPDCAサイクルをしっかり回していく、そういうやり方を明確にしていくというのがこれから大変重要なところだと考えております。
よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →私も、今御指摘いただいたように、今回のパリ協定は、世界全体が取り組む、やはりここが、何といっても、地球の将来に関してしっかりと責任を持つということが明確になったということが特徴だというふうに受けとめております。だからこそ、対策と適応策、そういう全体が非常に重要になっているのではないかなというふうに思っております。
なお、これを実行するというのがすごく大事だというふうに思っておりますので、どういうふうに世界全体がこれを評価していくのか、そして、五年ごとにそれを見直していく、こういう世界全体のPDCAサイクルをしっかり回していく、そういうやり方を明確にしていくというのがこれから大変重要なところだと考えております。
よろしくお願いいたします。
明
明日香壽川#14
○明日香参考人 私は、ちょっとあまのじゃくかもしれませんが、パリ協定は、いいところもあるんですけれども、問題もあるというふうに考えています。
先ほど全ての国が参加するというふうにお話がありましたけれども、京都議定書の場合も全ての国は参加していました。先進国だけが数値目標を持っていたんですが、京都議定書の場合も全ての国は参加しています。
参加すればいいというものではなくて、基本的に、数値目標をどれだけ厳しいものを持つかというのが一番大事です、二度目標達成のためには。なので、参加だけが強調されるのはちょっとおかしいかなと。
二度目標、一・五度目標という数字が出ましたけれども、では、今できるレベルでの温暖化対策、数値目標というのを各国がやるだけでは、今の状況だと四度、五度になります。二度と四度、五度のギャップというのをどういうふうに埋めるかというのは、国際社会は今ノーアイデアという状況だと思います。なので、そういう意味では、パリ協定ができたから頑張ろう、それで大丈夫だというふうにはとても思えないです。
ですが、一つポイント、いいことがあると思うのは、まさに先ほど、ビジネスとか司法とか、立法とか行政というのはなかなか動きにくいんですけれども、ビジネスとか司法を動かすきっかけにパリ協定がなる可能性があります。お金の流れというのは、そのような気候変動のリスク、裁判で訴えられるリスク、そういうものに非常に敏感ですので、お金の流れが非常に変わると思います。
実はさっき言わなかったんですが、金融安定理事会という世界の中央銀行総裁のグループがあるんですけれども、そこも、気候変動リスクと金融システムということで、企業により情報開示を求めようとしています。
そういうつながり、また裁判がつながってお金の流れが変わる、そういう意味では、私、パリ協定は漢方薬みたいなものかなと思っています。すぐに効くかどうかわかりませんし、誰に効くかよくわからないんですが、じわじわと社会を、体質を変える可能性はあると思っています。
以上です。
この発言だけを見る →先ほど全ての国が参加するというふうにお話がありましたけれども、京都議定書の場合も全ての国は参加していました。先進国だけが数値目標を持っていたんですが、京都議定書の場合も全ての国は参加しています。
参加すればいいというものではなくて、基本的に、数値目標をどれだけ厳しいものを持つかというのが一番大事です、二度目標達成のためには。なので、参加だけが強調されるのはちょっとおかしいかなと。
二度目標、一・五度目標という数字が出ましたけれども、では、今できるレベルでの温暖化対策、数値目標というのを各国がやるだけでは、今の状況だと四度、五度になります。二度と四度、五度のギャップというのをどういうふうに埋めるかというのは、国際社会は今ノーアイデアという状況だと思います。なので、そういう意味では、パリ協定ができたから頑張ろう、それで大丈夫だというふうにはとても思えないです。
ですが、一つポイント、いいことがあると思うのは、まさに先ほど、ビジネスとか司法とか、立法とか行政というのはなかなか動きにくいんですけれども、ビジネスとか司法を動かすきっかけにパリ協定がなる可能性があります。お金の流れというのは、そのような気候変動のリスク、裁判で訴えられるリスク、そういうものに非常に敏感ですので、お金の流れが非常に変わると思います。
実はさっき言わなかったんですが、金融安定理事会という世界の中央銀行総裁のグループがあるんですけれども、そこも、気候変動リスクと金融システムということで、企業により情報開示を求めようとしています。
そういうつながり、また裁判がつながってお金の流れが変わる、そういう意味では、私、パリ協定は漢方薬みたいなものかなと思っています。すぐに効くかどうかわかりませんし、誰に効くかよくわからないんですが、じわじわと社会を、体質を変える可能性はあると思っています。
以上です。
吉
吉野正芳#15
○吉野委員 ありがとうございます。
温暖化を防ぐということは、世界の、今六十億、七十億の一人一人がきちんと意識をしていくということが一番大事だと思うんです。
これはちょっと崎田先生にお伺いしたいんですけれども、我が国は日本国ですから、まず日本人の意識づけでありまして、実は私は福島県なんです。それで、京都議定書ができてしばらくたってから、福島議定書というのをつくったんです。
これは、まず子供たち、小学校、中学校の子供たちに、去年まで使っていた水道代と電気代、これを自分で、この学校はどれだけ下げますという形で約束をするんです。そして、その電気代と水道代が目標を達成すれば知事から表彰状一枚を渡していたんです。これがどんどん広まって、企業も参加するようになりました。企業はある意味でお金を寄附してくれて、今は子供たちには図書券も配れるくらいになりました。
ここで、水道を出すと、箸の太さで十分手が洗えるし、物が洗えるということを子供たちは学校で学びました。そして、それを家に帰ってから、おばあちゃんが洗い物をするときに、水をじゃあっと出すんです、おばあちゃん、箸の太さと言って、おばあちゃんも水道の節約をしていく、そういう運動が福島県の場合はかなり広まっております。ですから、意識づけというところが一番私は大事になろうかと思います。
今、私たちは温暖化対策税を払っているんです。誰も払っていると気がつきません。でも、温暖化対策税を払っているんです、プラス二千六百億。ことしから第三段階で二千六百億円を払っているんですけれども、誰も気がつかない。
やはり、自分は温暖化対策税を払っているんだということをきちんとわからせるためには、例えばガソリンを入れた場合、あれはリッター幾ら払っているんですから、リッター幾ら払っているということをきちんとガソリンを買った場合の領収書に書くべきだと思います。そして、自分は温暖化対策税を払っているんだという意識をきちんと持つこと、これがパリ協定の、各国が意識を持ったという最初の出発点でありますけれども、そういうことにつながろうかと思います。
そういう国民運動について、崎田先生の御意見をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →温暖化を防ぐということは、世界の、今六十億、七十億の一人一人がきちんと意識をしていくということが一番大事だと思うんです。
これはちょっと崎田先生にお伺いしたいんですけれども、我が国は日本国ですから、まず日本人の意識づけでありまして、実は私は福島県なんです。それで、京都議定書ができてしばらくたってから、福島議定書というのをつくったんです。
これは、まず子供たち、小学校、中学校の子供たちに、去年まで使っていた水道代と電気代、これを自分で、この学校はどれだけ下げますという形で約束をするんです。そして、その電気代と水道代が目標を達成すれば知事から表彰状一枚を渡していたんです。これがどんどん広まって、企業も参加するようになりました。企業はある意味でお金を寄附してくれて、今は子供たちには図書券も配れるくらいになりました。
ここで、水道を出すと、箸の太さで十分手が洗えるし、物が洗えるということを子供たちは学校で学びました。そして、それを家に帰ってから、おばあちゃんが洗い物をするときに、水をじゃあっと出すんです、おばあちゃん、箸の太さと言って、おばあちゃんも水道の節約をしていく、そういう運動が福島県の場合はかなり広まっております。ですから、意識づけというところが一番私は大事になろうかと思います。
今、私たちは温暖化対策税を払っているんです。誰も払っていると気がつきません。でも、温暖化対策税を払っているんです、プラス二千六百億。ことしから第三段階で二千六百億円を払っているんですけれども、誰も気がつかない。
やはり、自分は温暖化対策税を払っているんだということをきちんとわからせるためには、例えばガソリンを入れた場合、あれはリッター幾ら払っているんですから、リッター幾ら払っているということをきちんとガソリンを買った場合の領収書に書くべきだと思います。そして、自分は温暖化対策税を払っているんだという意識をきちんと持つこと、これがパリ協定の、各国が意識を持ったという最初の出発点でありますけれども、そういうことにつながろうかと思います。
そういう国民運動について、崎田先生の御意見をいただきたいと思います。
崎
崎田裕子#16
○崎田参考人 国民運動について御質問いただきまして、ありがとうございます。
今、福島の方で福島議定書という形で子供たちの取り組みを応援しているという話を伺いまして、やはりそういう動きが本当に大事だなと思って伺っておりました。
三つくらいすてきな、お話を伺って、いいなと思うところがあるんです。
まず一番目は、やはり子供たちにまず環境を伝えるということがすばらしいと思います。それに、家に帰ってこういうことを学んだよという、先ほどのおばあちゃんにお話ししたという話、やはり大人は子供とか孫から言われることではっと気づくということがありますので、子供に伝えるというのがまず一番いい作戦だというふうに思います。
二番目は、自主的にそれぞれの学校が目標を立てるという、やはり自主的に目標を立ててそれを取り組む、そこが自発性を広げるのには大変重要なところだと思いますし、それを褒め合う、最後にきちんとそういう場をつくるというところがまた効果的だというふうに思っております。
なお、こういう仕組みが事業者さんにも広がっているというふうに今お話がありましたが、事業者さんの中には、東京などでは一番CO2を出しているというかエネルギーを使っているのが大学だったりするんですが、研究施設もありますので、事業者さん、いろいろと広げて、同じように取り組んでいただくというのは大変重要だというふうに思っております。こういうやり方を全国で広げていくというのは、基本としては大変重要なところだと思います。
なお、ガソリンなどを買ったときのレシートにきちんと記載をするような、そうして国民、私たちみんなが温暖化対策税を払っているということを自覚するような形をした方がいいんじゃないかという御指摘がありました。これもなかなかすばらしい御指摘だなと思うんです。
最近の事例としては、レジ袋の削減という大きなムーブメントがありました。物を大切にするというきっかけで、私たちが買い物に行くときにマイバッグを持っていく。そして、レジ袋などは二枚目、三枚目をお断りするというときに、レジ袋を断ってくださってありがとうというふうに一言書いてくださるようなスーパーが出てきたり、有料化しているところは二円いただきましたと書いてあったり。そういうことが進んでくることで、かなりみんなに、地域全体、関心のある人だけではなくみんなに広がるということが、いい効果があったというふうに感じております。
ですから、温暖化対策税もガソリンを買ったときのレシートにきちんと書いてある、本当にそういうことは一つ一つ大事だと思っております。
御提案ありがとうございます。これから広げていければと思います。
この発言だけを見る →今、福島の方で福島議定書という形で子供たちの取り組みを応援しているという話を伺いまして、やはりそういう動きが本当に大事だなと思って伺っておりました。
三つくらいすてきな、お話を伺って、いいなと思うところがあるんです。
まず一番目は、やはり子供たちにまず環境を伝えるということがすばらしいと思います。それに、家に帰ってこういうことを学んだよという、先ほどのおばあちゃんにお話ししたという話、やはり大人は子供とか孫から言われることではっと気づくということがありますので、子供に伝えるというのがまず一番いい作戦だというふうに思います。
二番目は、自主的にそれぞれの学校が目標を立てるという、やはり自主的に目標を立ててそれを取り組む、そこが自発性を広げるのには大変重要なところだと思いますし、それを褒め合う、最後にきちんとそういう場をつくるというところがまた効果的だというふうに思っております。
なお、こういう仕組みが事業者さんにも広がっているというふうに今お話がありましたが、事業者さんの中には、東京などでは一番CO2を出しているというかエネルギーを使っているのが大学だったりするんですが、研究施設もありますので、事業者さん、いろいろと広げて、同じように取り組んでいただくというのは大変重要だというふうに思っております。こういうやり方を全国で広げていくというのは、基本としては大変重要なところだと思います。
なお、ガソリンなどを買ったときのレシートにきちんと記載をするような、そうして国民、私たちみんなが温暖化対策税を払っているということを自覚するような形をした方がいいんじゃないかという御指摘がありました。これもなかなかすばらしい御指摘だなと思うんです。
最近の事例としては、レジ袋の削減という大きなムーブメントがありました。物を大切にするというきっかけで、私たちが買い物に行くときにマイバッグを持っていく。そして、レジ袋などは二枚目、三枚目をお断りするというときに、レジ袋を断ってくださってありがとうというふうに一言書いてくださるようなスーパーが出てきたり、有料化しているところは二円いただきましたと書いてあったり。そういうことが進んでくることで、かなりみんなに、地域全体、関心のある人だけではなくみんなに広がるということが、いい効果があったというふうに感じております。
ですから、温暖化対策税もガソリンを買ったときのレシートにきちんと書いてある、本当にそういうことは一つ一つ大事だと思っております。
御提案ありがとうございます。これから広げていければと思います。
吉
吉野正芳#17
○吉野委員 ありがとうございます。
福島のやり方を全国に広めていきたいなというふうに思っているんですけれども、まずは文科省の方にお伝えをして、広めていきたいと思います。
浅野先生に、先ほど緩和と適応、適応という問題がいわゆる温暖化の中で余り議論されてきませんでした。でも、適応がやはり温暖化対策の中では重要な部分になってきました。
適応計画もやっと日本でも発表されるようになりましたけれども、農林水産省でつくった適応計画書を見ると、余り、今適地適作しか書いていないので、適応というと品種改良というくらいしか農林水産省はやっていないんです。でも、長期にわたって、品種改良くらいではやはり適地適作がきちんとなされなくなっちゃうというのが温暖化の恐ろしいところだと思います。
適応をもっと広めていくにはどういう方策というか方法があるのか。浅野先生、お願いしたいと思います。
この発言だけを見る →福島のやり方を全国に広めていきたいなというふうに思っているんですけれども、まずは文科省の方にお伝えをして、広めていきたいと思います。
浅野先生に、先ほど緩和と適応、適応という問題がいわゆる温暖化の中で余り議論されてきませんでした。でも、適応がやはり温暖化対策の中では重要な部分になってきました。
適応計画もやっと日本でも発表されるようになりましたけれども、農林水産省でつくった適応計画書を見ると、余り、今適地適作しか書いていないので、適応というと品種改良というくらいしか農林水産省はやっていないんです。でも、長期にわたって、品種改良くらいではやはり適地適作がきちんとなされなくなっちゃうというのが温暖化の恐ろしいところだと思います。
適応をもっと広めていくにはどういう方策というか方法があるのか。浅野先生、お願いしたいと思います。
浅
浅野直人#18
○浅野参考人 ただいまの先生の御質問、なかなか難しい御質問でございまして、分野が大変広うございますからそれぞれの分野ごとに考えなきゃいけないだろうと思いますが、何よりもやはり情報を的確に発信するということがそれぞれの領域ごとにきちっと行われなければなりません。
既に中央環境審議会には小委員会がございまして、作業をし、意見具申も出しましたが、この作業を中断させてはいけないと思いますので、こういう組織をしっかり維持して、今後も情報をそろえていくことが必要だと思います。
その上で大事なことは、やはり地域ごとに取り組みの仕方が当然違ってきますので、中央省庁が全国一律に何かこのようにやればいいといって発信しても、それでは実情に合わないと思います。やはり何としても、各地域ごとに、自分のところでは何が必要なのか、何をやればいいのかということを本気で考えなきゃいけないと思います。
例えば、宮崎県は台風が多いので、米から撤退してしまって別のものをつくるということもやってこられたわけですが、これなどはやはり地域をよく考えて政策を立てておられるわけですね。同じようなことは多分それぞれの地域ごとにあるだろうと思いますから、その点をもっと強調しなきゃいけないというふうに思っております。
この発言だけを見る →既に中央環境審議会には小委員会がございまして、作業をし、意見具申も出しましたが、この作業を中断させてはいけないと思いますので、こういう組織をしっかり維持して、今後も情報をそろえていくことが必要だと思います。
その上で大事なことは、やはり地域ごとに取り組みの仕方が当然違ってきますので、中央省庁が全国一律に何かこのようにやればいいといって発信しても、それでは実情に合わないと思います。やはり何としても、各地域ごとに、自分のところでは何が必要なのか、何をやればいいのかということを本気で考えなきゃいけないと思います。
例えば、宮崎県は台風が多いので、米から撤退してしまって別のものをつくるということもやってこられたわけですが、これなどはやはり地域をよく考えて政策を立てておられるわけですね。同じようなことは多分それぞれの地域ごとにあるだろうと思いますから、その点をもっと強調しなきゃいけないというふうに思っております。
吉
吉野正芳#19
○吉野委員 再度、浅野先生にお伺いします。
ノーベル賞をもらった天野博士の、全部LEDにすると日本の発電量の七%を削減できるというお話を伺いました。と同時に、窒化ガリウムという、これまた天野先生が研究しているんですけれども、充電器とか、インバーター、直流を交流に直すとか。いわゆる充電器をやると、あったかくなっちゃいますね。あの熱を出すことで電気がロスをしていく、こういう考え方なんですけれども、そのところを、窒化ガリウムという材料を使うと全く低減できるという素材なんですね。
そういうものを使えば、これで九・何%減って、合わせて一五、六%、全ての日本の発電量の一五、六%がこの窒化ガリウムだけで低減できる、そういう技術開発が今ある意味で実用化をされておりますので、これについて御意見を賜りたいと思います。
この発言だけを見る →ノーベル賞をもらった天野博士の、全部LEDにすると日本の発電量の七%を削減できるというお話を伺いました。と同時に、窒化ガリウムという、これまた天野先生が研究しているんですけれども、充電器とか、インバーター、直流を交流に直すとか。いわゆる充電器をやると、あったかくなっちゃいますね。あの熱を出すことで電気がロスをしていく、こういう考え方なんですけれども、そのところを、窒化ガリウムという材料を使うと全く低減できるという素材なんですね。
そういうものを使えば、これで九・何%減って、合わせて一五、六%、全ての日本の発電量の一五、六%がこの窒化ガリウムだけで低減できる、そういう技術開発が今ある意味で実用化をされておりますので、これについて御意見を賜りたいと思います。
浅
浅野直人#20
○浅野参考人 先生御指摘の窒化ガリウムの技術が大変すぐれたものであるということは、私も伺っております。こういう技術の開発をするとともに、それがいかに広く広がるかということが一番重要ではないかと思っています。当然、エネルギー消費量を削減するというのはまず対策の一番ポイントになりますので、その点でも寄与するだろうと思います。
とかくいろいろな形で予算を投入し、研究の支援もやっているんですが、残念ながらなかなかそれが広がらないですね。実用化されるというところにもっと力を注がなきゃいけませんので。今、窒化ガリウムについては、どうやってそれを本当に広げるかということ、これは政府も真剣になって考えていただかなければいけません。
先ほど言いましたように、二〇五〇年の八〇%という大きな目標がありますから、そのことは企業もしっかりお考えいただいて今から蓄積をしていくということが必要だろうと思いますから、先生のおっしゃるような技術についてはぜひ大事にしていく必要があるだろうと思っております。
この発言だけを見る →とかくいろいろな形で予算を投入し、研究の支援もやっているんですが、残念ながらなかなかそれが広がらないですね。実用化されるというところにもっと力を注がなきゃいけませんので。今、窒化ガリウムについては、どうやってそれを本当に広げるかということ、これは政府も真剣になって考えていただかなければいけません。
先ほど言いましたように、二〇五〇年の八〇%という大きな目標がありますから、そのことは企業もしっかりお考えいただいて今から蓄積をしていくということが必要だろうと思いますから、先生のおっしゃるような技術についてはぜひ大事にしていく必要があるだろうと思っております。
吉
赤
塩
塩川鉄也#23
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
きょうは、参考人の皆様、お忙しい中お越しいただき、審議に資する御意見を賜り、本当にありがとうございます。
早速質問をいたします。
最初に、浅野参考人と崎田参考人にお伺いをいたします。
今回の法案の中で、二〇三〇年度二六%削減目標達成に向けてということで、家庭、民生部門での四割の削減、特に家庭部門での四割の大幅削減というのは、もちろん電力の低炭素化や供給側の責任も大きいわけであります。
その際に、国民がこの国民運動という中でどれだけの負担を求められることになるのか、その点をお聞きしたいんですが、国民運動の強化ということで、低炭素製品への買いかえとか低炭素サービスの選択とか、こういうことがあります。もちろん、ライフスタイルの転換ということもあるわけですけれども、そういったクールチョイスを掲げております。
こういった中で、低炭素マーケットの拡大、創出というわけですけれども、これは当然、支払う側もあるわけで、実際、このクールチョイスと言われるような、こういう取り組みで国民の負担額というのはどのぐらい見積もられているのか。そういうものというのは、何かこれまで出されているもの、目安となるようなものがあれば教えていただけないでしょうか。
この発言だけを見る →きょうは、参考人の皆様、お忙しい中お越しいただき、審議に資する御意見を賜り、本当にありがとうございます。
早速質問をいたします。
最初に、浅野参考人と崎田参考人にお伺いをいたします。
今回の法案の中で、二〇三〇年度二六%削減目標達成に向けてということで、家庭、民生部門での四割の削減、特に家庭部門での四割の大幅削減というのは、もちろん電力の低炭素化や供給側の責任も大きいわけであります。
その際に、国民がこの国民運動という中でどれだけの負担を求められることになるのか、その点をお聞きしたいんですが、国民運動の強化ということで、低炭素製品への買いかえとか低炭素サービスの選択とか、こういうことがあります。もちろん、ライフスタイルの転換ということもあるわけですけれども、そういったクールチョイスを掲げております。
こういった中で、低炭素マーケットの拡大、創出というわけですけれども、これは当然、支払う側もあるわけで、実際、このクールチョイスと言われるような、こういう取り組みで国民の負担額というのはどのぐらい見積もられているのか。そういうものというのは、何かこれまで出されているもの、目安となるようなものがあれば教えていただけないでしょうか。
浅
浅野直人#24
○浅野参考人 実は、残念ながら、まだ明確に数字が幾らぐらいということについては考えていないというのが実情だと思います。何をどうすればいいのかというプログラムを先にしっかり立てませんと計算もできないだろうと思いますから、頭から幾らというような形の議論はなかなかやりづらいのではないかというふうに思っております。
しかし、必ず、最終的には、今先生がおっしゃるようなことを考えていかなきゃいけないことは事実だと思いますから、これから審議会でも話題にしていかなきゃいけないと思っております。
この発言だけを見る →しかし、必ず、最終的には、今先生がおっしゃるようなことを考えていかなきゃいけないことは事実だと思いますから、これから審議会でも話題にしていかなきゃいけないと思っております。
崎
崎田裕子#25
○崎田参考人 ありがとうございます。
実際のクールチョイスのときの費用負担に対してどのくらいになるか、全体的にどうなるかというのは、やはり国の方できちんと積み上げていただきたいというふうに思っておりますが、市民感覚からいうと、やはり本当にわずかな金額でも大変大きな影響を感じるというのが現実だというふうに考えております。
ですから、先ほどいろいろお話があった温暖化対策税というのがここ数年で徐々にふえてきて、ことしの四月からきちんと入っているというふうに理解をしておりますけれども、こういう温暖化対策税を、クールチョイスをするような消費者あるいは事業者にきちんと支援をする、そういう仕組みをつくっていただく、そういうような流れをつくっていくことが大変重要ではないかなというふうに感じております。
よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →実際のクールチョイスのときの費用負担に対してどのくらいになるか、全体的にどうなるかというのは、やはり国の方できちんと積み上げていただきたいというふうに思っておりますが、市民感覚からいうと、やはり本当にわずかな金額でも大変大きな影響を感じるというのが現実だというふうに考えております。
ですから、先ほどいろいろお話があった温暖化対策税というのがここ数年で徐々にふえてきて、ことしの四月からきちんと入っているというふうに理解をしておりますけれども、こういう温暖化対策税を、クールチョイスをするような消費者あるいは事業者にきちんと支援をする、そういう仕組みをつくっていただく、そういうような流れをつくっていくことが大変重要ではないかなというふうに感じております。
よろしくお願いいたします。
塩
塩川鉄也#26
○塩川委員 ありがとうございます。
次に、平田参考人にお伺いをいたします。
お話の中で、パリ協定では法的拘束力のあるものとして明確な長期目標を設定したとお述べになりました。地球温暖化対策推進法に長期目標を明記することを求めておられます。
しかしながら、政府が長期目標を国内法整備に位置づけていない。それはなぜなのか、何が障害なのか。その点についてお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
この発言だけを見る →次に、平田参考人にお伺いをいたします。
お話の中で、パリ協定では法的拘束力のあるものとして明確な長期目標を設定したとお述べになりました。地球温暖化対策推進法に長期目標を明記することを求めておられます。
しかしながら、政府が長期目標を国内法整備に位置づけていない。それはなぜなのか、何が障害なのか。その点についてお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
平
平田仁子#27
○平田参考人 ありがとうございます。
パリ協定から戻りまして、地球温暖化対策計画の議論を審議会等でされているのを拝聴してまいりましたけれども、私が驚いたのは、長期目標が明確に設定されたパリ協定ができた後、最も議論が活発に行われたのが八〇%という日本の目標を計画に記載するか否かという議論で、むしろそれを書かない方がいいというような、あるいは二度目標ということも含めて書かない方がいいというような意見を言う方がかなりおられるというのを見てまいりました。
私の立場ではないですけれども、そこに見られる理由としては、将来のことは約束できない、不確実性も伴うし、そこまでの技術的な裏づけもない中で、そうしたことを法律に書き込む、あるいは計画に書き込むということは適切ではないのではないかという議論があったのを受けております。
しかし、これは私は適切な問題の捉え方ではないのではないかと思っております。
長期目標というのは、確かに、数値目標のような、京都議定書のような義務として掲げよと私たちも申しているわけではありません。法律という形で、ルールということで、政治がこれから向かうべき社会の方向性を指し示し、そこに向かって、経済活動を行う人や社会活動を行う人たちに安定的な、制度的な仕組みを整えていくというためのものであります。これがないがために、今、石炭火力発電でいいのではないかといった将来展望のないことが容認されていくようなことを生み出しているのではないかと思います。
ですから、明確な義務として、不変のものとして書くというよりは、将来目指すべき二度、一・五度という目標、そして、日本が既に閣議決定している八〇%目標ということを、今計画では目指すという表現になっていると思いますが、私はその表現のままでいいと思いますが、日本のこれから向かっていく方向としてしっかり明記するということは非常に重要で、さきに申し上げたような理由は余り当たらないのではないかと思います。
また、これがあれば、ビジネスは、先ほど明日香先生がおっしゃったように、明確に、この脱炭素化の社会の中で、これから何を目指していくのか、どうやって利益を生み出していくのかということの知恵を大いに生み出すきっかけになるのではないかと思っています。
この発言だけを見る →パリ協定から戻りまして、地球温暖化対策計画の議論を審議会等でされているのを拝聴してまいりましたけれども、私が驚いたのは、長期目標が明確に設定されたパリ協定ができた後、最も議論が活発に行われたのが八〇%という日本の目標を計画に記載するか否かという議論で、むしろそれを書かない方がいいというような、あるいは二度目標ということも含めて書かない方がいいというような意見を言う方がかなりおられるというのを見てまいりました。
私の立場ではないですけれども、そこに見られる理由としては、将来のことは約束できない、不確実性も伴うし、そこまでの技術的な裏づけもない中で、そうしたことを法律に書き込む、あるいは計画に書き込むということは適切ではないのではないかという議論があったのを受けております。
しかし、これは私は適切な問題の捉え方ではないのではないかと思っております。
長期目標というのは、確かに、数値目標のような、京都議定書のような義務として掲げよと私たちも申しているわけではありません。法律という形で、ルールということで、政治がこれから向かうべき社会の方向性を指し示し、そこに向かって、経済活動を行う人や社会活動を行う人たちに安定的な、制度的な仕組みを整えていくというためのものであります。これがないがために、今、石炭火力発電でいいのではないかといった将来展望のないことが容認されていくようなことを生み出しているのではないかと思います。
ですから、明確な義務として、不変のものとして書くというよりは、将来目指すべき二度、一・五度という目標、そして、日本が既に閣議決定している八〇%目標ということを、今計画では目指すという表現になっていると思いますが、私はその表現のままでいいと思いますが、日本のこれから向かっていく方向としてしっかり明記するということは非常に重要で、さきに申し上げたような理由は余り当たらないのではないかと思います。
また、これがあれば、ビジネスは、先ほど明日香先生がおっしゃったように、明確に、この脱炭素化の社会の中で、これから何を目指していくのか、どうやって利益を生み出していくのかということの知恵を大いに生み出すきっかけになるのではないかと思っています。
塩
塩川鉄也#28
○塩川委員 ありがとうございます。
次に、平田参考人、それから明日香参考人にお伺いいたします。
石炭火力のことなんですけれども、主要国は、エネルギー対策、温暖化対策として、石炭火力抑制の方針を打ち出しておられます。このことについては、意見陳述の中でもお話を伺ったところです。
日本の石炭火力発電の新設計画がこのような世界の流れに逆行している、そういう点での世界の主要国と日本との違いは何なのか。この点についてお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
この発言だけを見る →次に、平田参考人、それから明日香参考人にお伺いいたします。
石炭火力のことなんですけれども、主要国は、エネルギー対策、温暖化対策として、石炭火力抑制の方針を打ち出しておられます。このことについては、意見陳述の中でもお話を伺ったところです。
日本の石炭火力発電の新設計画がこのような世界の流れに逆行している、そういう点での世界の主要国と日本との違いは何なのか。この点についてお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
平
平田仁子#29
○平田参考人 一つは、パリ協定を受けて、これから化石燃料依存から大きく脱却しなければ実現できないような目標を掲げた、そこに日本も含めて合意したということでありますが、この気候変動問題に対して世界が約束したことへの認識がまだ薄いのかなというふうに思います。つまり、気候変動問題への認識、そしてリスクとしての認識が、日本の政策あるいは日本の経済活動の中に十分落ちていないのではないかと思います。
高効率の石炭火力発電所を建てることは従来と比べて効率がいいのでCO2が減るというのは、確かに現状で比べればそうなんですけれども、むしろ、世界の認識としては、累積の排出量が気候に与える影響が気温上昇をもたらすということでありますので、むしろ、既存の古い発電所でも五年ぐらい動かしてそこから再生可能エネルギーに行った方が、高効率の発電所を建ててこれから四十年動かす方が圧倒的に累積の排出量が多いわけです。
このインパクトは見逃すことができないというのが世界のさまざまな研究者、そして国の認識になって、それが政策の変更を引き起こし、ここ数年では、五年ぐらいの間で、計画も撤退、それから既存の発電所も撤退、イギリスでは二〇二五年に既存の発電所も全部なくす、そうした政策変更が起こっています。
こうしたことが国内に響かないのは、やはり、長期的な展望がないということに加え、非常に短期的な利益、特に、原子力の再稼働のめどが立たない中で、いわゆるベースロード電源として安定的だと言われて当面安い電源に走っているという現状にあるのかなと思っておりまして、やはり先見性を持った判断というのが欠けているからではないかと思っております。
この発言だけを見る →高効率の石炭火力発電所を建てることは従来と比べて効率がいいのでCO2が減るというのは、確かに現状で比べればそうなんですけれども、むしろ、世界の認識としては、累積の排出量が気候に与える影響が気温上昇をもたらすということでありますので、むしろ、既存の古い発電所でも五年ぐらい動かしてそこから再生可能エネルギーに行った方が、高効率の発電所を建ててこれから四十年動かす方が圧倒的に累積の排出量が多いわけです。
このインパクトは見逃すことができないというのが世界のさまざまな研究者、そして国の認識になって、それが政策の変更を引き起こし、ここ数年では、五年ぐらいの間で、計画も撤退、それから既存の発電所も撤退、イギリスでは二〇二五年に既存の発電所も全部なくす、そうした政策変更が起こっています。
こうしたことが国内に響かないのは、やはり、長期的な展望がないということに加え、非常に短期的な利益、特に、原子力の再稼働のめどが立たない中で、いわゆるベースロード電源として安定的だと言われて当面安い電源に走っているという現状にあるのかなと思っておりまして、やはり先見性を持った判断というのが欠けているからではないかと思っております。