外交防衛委員会

2016-10-20 参議院 全197発言

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会議録情報#0
平成二十八年十月二十日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         宇都 隆史君
    理 事
                阿達 雅志君
                堀井  巌君
                山田  宏君
                大野 元裕君
                浜田 昌良君
    委 員
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                山本 一太君
                小西 洋之君
                福山 哲郎君
                藤田 幸久君
                山口那津男君
                井上 哲士君
                浅田  均君
              アントニオ猪木君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     稲田 朋美君
   副大臣
       外務副大臣    岸  信夫君
       防衛副大臣    若宮 健嗣君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  滝沢  求君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣府国際平和
       協力本部事務局
       長        宮島 昭夫君
       外務大臣官房国
       際文化交流審議
       官        下川眞樹太君
       外務大臣官房審
       議官       水嶋 光一君
       外務大臣官房審
       議官       大菅 岳史君
       外務大臣官房審
       議官       相木 俊宏君
       外務大臣官房審
       議官       増島  稔君
       外務大臣官房審
       議官       森 美樹夫君
       外務大臣官房参
       事官       高橋 克彦君
       外務大臣官房参
       事官       宇山 智哉君
       外務大臣官房参
       事官       三上 正裕君
       外務省北米局長  森  健良君
       外務省中東アフ
       リカ局アフリカ
       部長       丸山 則夫君
       文化庁文化財部
       長        藤江 陽子君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       環境大臣官房審
       議官       深見 正仁君
       環境大臣官房審
       議官       正田  寛君
       防衛大臣官房長  豊田  硬君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省整備計画
       局長       高橋 憲一君
       防衛省地方協力
       局長       深山 延暁君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    辰己 昌良君
       防衛装備庁プロ
       ジェクト管理部
       長        田中  聡君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (北朝鮮情勢に関する件)
 (日露関係に関する件)
 (ユネスコ記憶遺産事業に関する件)
 (集団的自衛権と憲法との関係に関する件)
 (弾道ミサイル防衛に関する件)
 (南スーダンPKOにおける自衛隊の活動に関
 する件)
 (中南米諸国に対する支援に関する件)
 (沖縄における北部訓練場ヘリコプター着陸帯
 移設事業に関する件)
○パリ協定の締結について承認を求めるの件(内
 閣提出)
    ─────────────
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宇都隆史#1
○委員長(宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府国際平和協力本部事務局長宮島昭夫君外二十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宇都隆史#2
○委員長(宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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宇都隆史#3
○委員長(宇都隆史君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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阿達雅志#4
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。
 本日は、先般の参議院外交防衛委員会における岸田外務大臣挨拶、平成二十八年十月十八日で所信的挨拶をいただきましたので、その内容について何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、この所信的挨拶の中で、岸田外務大臣おっしゃられている、主要国並みの外交実施体制の実現を含む総合的な外交力を引き続き強化するように努めるということをおっしゃっておられます。
 今回の安倍内閣においては、岸田大臣ももう既に千四百日近い在任期間で、もう本当に世界中を飛び回り、また海外から来られた要人との面談をこなしていただいて、本当に総合的な外交力というのを今どんどん日本というのは高めているのではないかと思うんですが、ただその中で、この外交実施体制ということを考えたときに、やはり本省、在外公館の人員の問題、そしてまた在外公館の整備という問題が大事になってくるのではないかと。
 そういう点で見た場合に、現在の在外公館の人員数五千九百六十六名、それから在外公館というのが二百二十か所ということで、これについては順次増やしていっていただいているというふうには思うわけですけれども、そういう中で、やはり主要国と比較した場合にこの整備というのはまだまだしっかりと取り組んでいただく必要があるのではないかというふうにも思います。
 また、数の上では二百二十ということで、これはもうドイツ並みに近づいてきた、あるいはもうイギリスをほぼ抜くという数字にはなっているわけですけれども、ただ、どうもこの最近の増加の中身を見ると、どうもコンパクト・アンド・ミニマムというのですか、確かに数は増えているけれども、本当に数だけ増やせばいいものなのかどうか。やはり公館としての機能をしっかり果たすためには、それなりのしっかりした人員というのも必要なのではないかというふうに思うんですが、こういった外交実施体制を強化するということについての大臣の所見をお聞かせいただけますでしょうか。
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岸田文雄#5
○国務大臣(岸田文雄君) 昨今、我が国を取り巻く安全保障環境、ますます厳しさを増しています。また、外交における課題もますます多様化しているという現実があります。そういった中ですので、日本外交の基盤であります外交実施体制、より充実させていかなければいけない、こうした取組は不可欠であると認識をいたします。そして、その中で在外公館は、海外における活動の拠点として総合的外交力を強化する上で大変重要な役割を担っていると認識をします。
 そして、総合的な外交力の強化ですが、今後とも、政府全体の財政状況ですとか、あるいは主要国の設置状況なども踏まえつつ、人的体制そして在外公館等の物的体制両方においてしっかりと充実を図り、主要国並みの実施体制の実現を目指していく、こうした考え方に立っています。
 そして、委員の方から在外公館の規模、数だけではなくして規模、内容が大事ではないかという御指摘がありました。
 まず、基本的にはおっしゃるとおりだと思います。ただ、適正な在外公館の規模というものは、やはり相手国との関係において決まっていくものであると思います。
 その上で、一般論として申し上げるならば、安全保障ですとか戦略的な対外発信ですとか、あるいは資源獲得を含む経済上の利益、あるいは日本企業支援、そしてテロ対策及び邦人保護、さらには国際社会における我が国への支持獲得、こうした観点から、その相手国との関係においてどれだけの人員、体制を用意しなければならないのか、これを考えていかなければならないと思います。
 今申し上げましたような観点から、あるべき在外公館の規模というものをしっかり判断し、それぞれの国においてしっかりとした体制を充実するべく努力をしていきたい、このように思います。
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阿達雅志#6
○阿達雅志君 もちろん相手国との関係でその規模も決まるというのは非常によく分かる話でございますが、実は私、昔商社に勤めておりました。商社で海外にいると、日本大使館というのがやっぱり日本の一つの象徴なわけです。そういう意味では、やはり確かにその国とのいろんな関係というのもあると思うんですけれども、ただ、民間企業の駐在員事務所と比べた場合に、遜色がない、しっかりと、日本人が海外で日本大使館を見たときに、ああ、日本って誇りに思えるなというような、やっぱり格の問題というのもあると思うんです。ですから、是非そこは、それぞれの国において在外公館を増やす場合においては、しっかりとそういう国の、日本の国の格という部分も含めた御対応をいただきたいなというふうに思います。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 今北朝鮮の脅威ということが言われております。現に、今年に入りましてミサイル実験を十七回、核実験、本年に入って二回、通算で五回ということで、また拉致問題に関しても、ストックホルム合意を一方的に今破棄していると、こういう状態にあるわけですけれども、これに対して、今北朝鮮に対する実効性ある制裁措置をどうするかという議論の中で、今国連安保理事会、また日本独自での制裁ということでいろんな御検討をされていると思いますけれども、それに当たって、つい先日ですけれども、中国と北朝鮮との間での貿易取引をやっている中国の企業に対して、これはアメリカ政府からの示唆を受けて中国政府が取締りをするという、こういうことがございました。
 これ、いわゆるセカンダリーサンクションという、北朝鮮企業と取引をしている企業に対して何らかの制限を課すという、こういう制裁方法だと思うんですけれども、これは、アメリカなんかは今までもイランだとかキューバに対して、米国パトリオットアクトの三百十一条ですとか、今年の初めに出した大統領令なんかで実際にやっているわけですけれども、こういうセカンダリーサンクションも含めた日本の独自制裁、もちろんこれは海外ともしっかりと手を組んでいかないといけないわけですけれども、こういった議論について今どういう現状にあるのか、また国連安保理で今どういう現状にあるのか、その辺をお聞かせいただけますでしょうか。
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岸田文雄#7
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮ですが、今日の朝も、日本時間七時にムスダンと推定される弾道ミサイルが発射され、そして失敗したということが確認をされています。こうした北朝鮮の挑発行動は、累次の安保理決議、あるいは日朝平壌宣言にも違反するものでありますし、六者会合共同声明の趣旨にも反するものであります。これ、北朝鮮に対しましてしっかりと抗議をしなければいけないということで、既に我が国も北京の大使館ルートを通じまして抗議を行い、強く非難をしたところであります。
 今年に入って二度の核実験、そして二十発以上の弾道ミサイルが発射されています。こうした北朝鮮の対応、これは新たな段階の脅威であると認識をいたしますし、今までとは異なる断固たる対応をすべきであると考えます。そして、併せて拉致問題についても、北朝鮮に真剣に対話に応じるよう強い圧力を掛けていかなければならない、こういったことを感じます。
 その中で、今、安保理、国連安保理において新たな決議の議論が行われています。そして、我が国を含む関係国の中で独自の措置が検討されています。安保理の新たな制裁措置を含む新たなこの決議につきましては、今議論が引き続き行われていますので、今内容について何か触れるのは控えなければならないと思いますが、是非決議採択のためにしっかりと努力をしていきたいと思います。
 そして、あわせて、各国の独自の措置ですが、これも、安保理の決議の状況も見ながら、適切なタイミングを捉えてしっかり検討していかなければならないと思います。そして、その際に、ただいま委員の方から御指摘がありましたセカンダリーボイコットの制裁、要は第三国企業に対する措置も一つ参考にさせていただきながら是非検討を進めたいと思います。今現在も我が国は強い措置を独自で行っているわけでありますが、それらの措置の拡大強化を含めて是非可能性を検討していきたいと思います。その際に、御指摘の点、参考にさせていただきます。
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阿達雅志#8
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 新たな段階の北朝鮮の脅威に対してはやはり新たな対応、制裁措置をしっかりとやっていただく、また、そのためには国際的な協調がなければ実効性がありませんので、是非しっかりと議論を進めていただきたい、検討を進めていただきたいと思います。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 現在、ロシアとの関係において、領土問題を解決し平和条約を締結する方向に向けてのいろんな交渉をされているというふうに伺っております。もちろん、この交渉の内容については、今新しいアプローチということだけで、その詳細についてはなかなかオープンにできない、明らかにできない、交渉ですから、そういう段階にもあると思うんですけれども、ただ、この日ロ交渉を行う上での幾つかの前提について少しお聞きをしたいと思います。
 今まで日本は、特にロシアがクリミア半島に影響を及ぼして以来、従来の力による現状変更については、従来、非常に強く反対をしてまいりました。また、今回問題になっている北方領土の問題というのも、考え方によっては力による現状変更のはしりの事案であったのではないかというふうにも思われるわけですけれども、そういう中で、今までクリミア半島に関して力による現状変更に反対してきたこの日本の立場、そしてまた、それに対して国際社会が対ロ国際制裁ということを行ってきた、これとの整合性ですね、今交渉していることによって今までのその立場とどういうふうに整合性が取れるのか、この点についてお聞きをしたいと思います。
 また、さらに、最近、アメリカとロシアの関係が非常に緊迫をしているように思います。非常に、緊張関係、シリアをめぐって高まっている。こういう中で、今のような対ロ国際制裁もありますけれども、それとともに、その米国とロシアの関係が更に厳しくなってきたときに、やはり日本の外交の中心というのは本来日米関係ということで、先日の所信的御挨拶の中でもありましたけれども、その辺をどういうふうに考えられて整理をされているのか。
 その辺について、日ロで交渉に当たる前提の部分について所見をお聞かせいただければと思います。
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岸田文雄#9
○国務大臣(岸田文雄君) まず、法の支配を重視する我が国としては、力による一方的な現状変更は認められない、これは従来からもしっかり訴えてきたところでありますし、これからも変わりはないと考えます。
 そして、ウクライナ問題につきましては、ロシアに対してミンスク合意の履行、これに向けてしっかり努力を継続することが大事であるということ、これを強調し続けています。そして、ロシアにこうした平和的な解決に向けて建設的な行動を取るようにとしっかり働きかけを続けている、こうした対応を取っています。
 そして、ウクライナ自身に対してもG7の連携を重視しながら支援を行っているわけですが、こうした我が国の支援は、ウクライナからも、あるいはG7諸国からもこれは高く評価されています。我が国の対ロ措置については、これからもG7の連携を重視しつつ、今後の情勢を踏まえながら適切に対応していきたいと思います。
 そして、その一方で、我が国は、日ロ関係を国益に資するという形で進めてまいります。四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、こうした一貫した方針の下、粘り強く取り組んでいきたいと思います。
 このように、それぞれの課題について、我が国のスタンス、今まで大事にしてきたスタンス、これをしっかりとこれからも守りながら、国益に資する形でそれぞれの問題に対応していきたいと考えます。
 そしてもう一つ、日米関係について御質問がありました。
 委員御指摘のように、我が国外交にとりまして日米関係、これは基軸であります。日米の間においては、様々なレベルを通じて意思疎通を行っています。総理自身も、オバマ大統領あるいはバイデン副大統領とも、この日ロ政策をめぐってもしっかりと具体的な意見交換を行っているところであります。戦後七十一年たってもまだ平和条約を結ぶことができていない、この日ロ関係における異常な状態を打開するために政治的な対話を積み重ねていく、このことについては理解を得ているものであると思っています。
 是非、引き続き米国とも対ロ政策についてしっかりと意思疎通を図りながら、我が国の国益を進めて、増進させていかなければならない、このように考えます。
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阿達雅志#10
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 日ロ関係においても、やはりしっかりと言うべきところは言う、そしてまた、しっかりと協力するところはするということで、やはり対立アジェンダと協力アジェンダ、これをしっかりと、両方を使い分けながら日ロ関係をしっかり構築していくということも大事でしょうし、また、この外交の問題というのは、日ロの関係が今度はまた世界の勢力図にも大きく影響をしてくる部分があると思います。
 そういう意味でも、是非、全体を大きなピクチャーで見ながらしっかりと取組をお願いしたいと思いますし、また、今いろんなところで出てきています八項目の協力ということを見た場合に、例えば経済面での協力ということを考えたときに、民間企業が、本当にそういう協力に日本企業が付いていけるかどうかというのを考えた場合に、やはり今のような部分について、例えば国際制裁の可能性があるんじゃないかとか、そういう金融面で国際的にいろんなことが起こるんじゃないかというような懸念があると、やはりなかなか民間企業というのは付いていけない部分がございます。ですから、是非、やはり政府の方でしっかりとその辺りも方向性を示していただいて、そして民間企業が経済協力というときに実際に参加できるようなしっかりした大きな交渉を進めていただきたいというふうに思います。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 今回の大臣の御挨拶の中でも、海における法の支配という話がございました。これについては、今の南シナ海、東シナ海の問題において、やはり海においても法の支配というのをしっかりと進めていかないといけないということで今まで日本というのは主張してきたと思うんです。
 そういう中で、中国とフィリピンの間で領土問題、仲裁裁判の中ではちょっと領土という形は取りませんでしたけれども、そういう仲裁裁定がなされて、それに対して中国が従わないという、こういうことがございました。
 そういう中で、この南シナ海の問題、今フィリピンは中国と今度は二国間で議論を始めようとしているということで、どうもこの仲裁裁定が必ずしもそのままでは効果がなかったというようなことがあるように思います。
 また、その一方で、今、東シナ海において中国による一方的な天然ガス開発というのが進められている。これについては、二〇〇八年の中国と日本との間の合意、これから見ると、それ以降の彼らのいろんな開発というのは共同で開発しようといったところからは大きく後退する、むしろ、この合意をほごしたようにさえ思えるわけでございます。
 こういう中で、じゃ、これから日本が海における法の支配ということを世界に言っていく場合に、具体的にどういうふうに今後考えていけばいいんだろうかということをお聞きをしたいと思います。
 それは、やはりなかなか、ほかの国であれば、法による支配、これがもううまく利かなければ軍事力ということがすぐ出てくるわけですけれども、日本というのはそういうことを一切しないということで来ているわけですから、そういう中で、これ、法の支配というのをどういう形でこれから日本は考えて実効性あるものにしていけばいいということなのか、お考えをお聞かせください。
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岸田文雄#11
○国務大臣(岸田文雄君) 自由で、開かれ、そして安定した海、これは我が国を始めとする国際社会の平和や安定、そして繁栄にとって礎であると考えます。しかしながら、御指摘のように、近年緊張が高まるような事例が発生し懸念を深めている、これも事実であります。
 その中にあって、南シナ海ですが、この南シナ海の問題は、これは我が国を含めて国際社会全体の関心事であると考えます。そして、この国連海洋法条約に基づく仲裁判断、これは当事国を法的に拘束するものであり、比中仲裁判断に当事国が従うことによって今後南シナ海におけるこの紛争の平和的な解決につながっていく、これを期待したいと思います。
 そして、東シナ海につきましては一方的な開発が進められているということ。これは、関連の国際法及び東シナ海における日中間の協力に関する二〇〇八年合意の趣旨に反するものであり、これは極めて遺憾なことであると考えます。
 世界あるいは人類の公共財として、我々の海あるいは空、これを保ち続けていく、これは全ての関係者にとって共通の利益であると考えます。
 そういったことから、法の支配の貫徹という観点から、我が国は海における法の支配の三原則、すなわち、主張するときは国際法にのっとって主張するべきである、そして武力の威嚇や力によって現状変更は行ってはならない、そして三点目として問題を解決する際には平和的に国際法にのっとって解決するべきである、この三原則を繰り返し主張をしているところであり、このことについてはさきのG7伊勢志摩サミットにおいてもG7共通の認識として確認されたところでありますし、こうした我が国の海洋における法の支配の三原則、これは様々な国際会議においても多くの関係者から理解され、評価されているものと受け止めています。こうした我が国の考え方は、国際社会からも理解され得るものだと思いますし、是非、引き続き国際社会に対しまして、この海における法の支配の重要性、訴え続けていかなければならないと思います。
 こうした訴えと併せて、力による現状変更に強く反対する、こうした方針を今後とも国際社会に訴え続け、是非共有し、そうした輪を広げていくことによって、緊張を高める行動に対してメッセージを送り続けていかなければならない、このように思います。
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阿達雅志#12
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 力による現状変更を否定し、そして法の支配を徹底していく、これは国際社会においても非常に大事なことだと思います。ですが、実際にこの法の支配をどういうふうにして徹底するかというのは非常に難しいところもありますし、また、今の東シナ海の現状というのを見ると、なかなか、日本が法の支配というのを言っている間にどんどん力によって現状変更されていっているんじゃないかというふうにも思います。やはり、こういう中で法の支配を徹底するために何をすればいいか、これを考えていくことも大事なのではないかと。
 この中国とフィリピンとの間の紛争というのは、南シナ海をめぐっての紛争というのは、今両国が改めてテーブルに着いて議論をする形になった。やはりそのきっかけというのは、この国際仲裁裁判があってその判決が出たということが非常に大きいんだと思うんです。ですから、法律の議論をしっかりするために、相手をそこへ引っ張り出すためにこういう仲裁あるいは訴訟というのも使われるケース、これは民事裁判なんかでもよくあることですし、稲田防衛大臣、弁護士でいらっしゃいますけれども、こういう法律の世界では、やはり実際にまず訴訟を起こして、そして初めて相手がテーブルに着いて、その中でしっかり議論をするということは、いろんなところでなされているのではないかなというふうに思います。
 ですから、この東シナ海の問題についても、なかなか今、中国がテーブルに着いてこない、こういう状況の中で、やはり国連海洋法条約に基づいて、そして国際仲裁裁判所に対して日本が訴訟を提起するというぐらいのことをしても、やっぱり相手方としっかり協議を進める上では必要なのではないかと。そういう、相手と協議をするために訴訟を起こすということも、やはりこれから課題として是非考えていただきたいなというふうに思います。
 これについては多分いろんなまた議論もあると思いますし、また、それをやることによるプラスマイナス、あるいはほかへの影響、ほかのいろんな問題への影響というのもあると思いますけれども、やはり法の支配をどうすれば本当に国際社会で貫徹できるのかについては、是非外務省一体となって御検討をいただきたいというふうに思います。
 少し時間早いですが、これで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
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山田宏#13
○山田宏君 自由民主党の山田宏でございます。今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私からは、ユネスコにおける世界の記憶、いわゆる記憶遺産事業について何点かお聞きをしてみたいと思っております。
 まず、日本政府の今年の拠出金約四十四億円、これがまだユネスコに支払が留保されているということでございました。ユネスコのこういった分担金の支払留保ということがこれまであったのかどうか、お聞きをしておきたいと思います。
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岸田文雄#14
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のユネスコの分担金、そして任意拠出金の支払ですが、一年の中でこの時期まで支払が行われていないという例は、過去にはあったとは承知しておりません。
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山田宏#15
○山田宏君 過去に例のないことだということでございますが、まあ今、いわゆる南京事件の登録ということが二〇一五年に行われて、このことがいかに不透明で、また公平性を欠いたものではないかという議論が起こって、この登録事業については少し改定すべきだということでユネスコの方も決定をしたと聞いております。
 そのいわゆる世界の記憶の登録の改革というものが今進行中であるということを考えてみますと、今回のこの留保というもの、やはり私は適切な判断だと考えておりますけれども、なぜ留保をされているか、お聞きをしたいと思います。
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岸田文雄#16
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましては、あくまでもこの世界の記憶事業が加盟国間の友好と相互理解の促進というユネスコ設立の本来の趣旨そして目的を推進するものになるよう、同事業の制度改善に取り組んでいます。こうした取組は今しっかりと働きかけを行い、努力をしているところです。
 そして、一方、この分担金及び拠出金の支払のタイミングについては、我が国としまして総合的な判断をしてまいりたいと考えております。
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山田宏#17
○山田宏君 この世界の記憶遺産登録事業の制度改善が今行われている最中だということでございますけれども、また改めて、なぜこの改善が今行われているのかということを簡単に御説明いただければ有り難いと思います。
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岸田文雄#18
○国務大臣(岸田文雄君) そもそもユネスコの事業というのは、加盟国の友好と相互理解の促進ということを目指すというものであると認識をしています。その中にあって、今の制度においては関係国との意思疎通が十分図れないなど様々な指摘があります。是非このユネスコの本来の趣旨に沿うような形で制度が運用されるように改善をお願いするべきではないか、こういった問題意識の下に働きかけを行っているということであります。
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山田宏#19
○山田宏君 この制度改善のきっかけになったのは、いわゆる南京事件の中国による申請と、それが、登録がいつの間にかというか、我々の知らないところで全部決まっていったという、こういう経緯があったと思うんです。ですから、関係国の意見も聞いてということをするのはユネスコの精神から見れば当然のことだと、こういうふうに考えております。
 今後この制度改善というものがユネスコにおいてどのようなスケジュールで行われていくのか、その点についても御説明いただきたいと思います。
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岸田文雄#20
○国務大臣(岸田文雄君) 制度の見直しについては、明年四月に、各国や国際諮問委員会等の意見を踏まえた改正案がユネスコ執行委員会で審議される予定になると承知をしています。
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山田宏#21
○山田宏君 来年の四月にユネスコの意思決定をする執行委員会でこの改善案が議論となり、そして決定をされるかされないかということになるんだと、こういう御説明でございましたよね、はい。
 さて、九月十日の朝日新聞では、記事がありまして、このユネスコの世界遺産に、旧日本軍の慰安婦に関する資料の登録を申請した日中韓の民間団体が九日、九月の九日ですね、東京都内でシンポジウムを開いたと。来年の登録を目指している団体でございます。そして、このシンポジウムに、記憶遺産の登録の可否を決める国際諮問委員会の元委員で、現在は今のこの改善の見直し作業に関わっているレイ・エドモンドソンさんも出席と、参加と書いてあります。そして、この慰安婦の申請について、慰安婦の申請は今年行われているわけですけれども、現行のガイドライン、つまり改善前のガイドライン、南京事件を登録したときのガイドライン、このガイドラインに沿って判断する、これは公式指針に基づくと述べ、見直し後の判断基準は適用されないと明言されましたと、こういう記事が載っておりますけれども、この記事を外務省は把握をしておられるでしょうか。
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岸田文雄#22
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のシンポジウムについては承知しておりますし、このレイ・エドモンドソン氏がこのシンポジウムに出席をしたということ等、これについても情報を得ております。
 そして、その見直しとの関係で申し上げるならば、昨年十二月、ユネスコからは、既存のルールの下で新規申請案件を公募する旨、一旦発表はされました。しかしながら、これは、今年六月ですが、ユネスコが発表を行い、来年夏頃の国際諮問委員会の会合、先ほど申し上げました会合ですが、この会合においては、失礼、これは違った、この会合は要するに登録の申請について判断する委員会ですが、この委員会においては、来年四月の執行委員会、これが今申し上げました委員会ですが、この委員会においてのこの制度改善の決定に留意する、このように今年の六月発表されています。
 いずれにしましても、我が国としましては、新しい制度の下で審査が行われること、これが望ましいと考えており、引き続き働きかけを続けていきたいと考えています。
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山田宏#23
○山田宏君 ということは、この新聞内容、エドモンドソン氏の現行のガイドラインに沿って慰安婦の申請を判断するというのは、これはユネスコの公式の立場ではないというふうに認識してよろしいですか。
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岸田文雄#24
○国務大臣(岸田文雄君) このレイ・エドモンドソン氏ですが、御指摘のように、これは見直しグループ六名のメンバーのうちの一人であります。そして、今のこの発言の背景等についてはちょっと我々確認するすべはありませんが、いずれにせよ、ユネスコは公式的な発表を行って先ほどのような発言を明らかにしています。こうした留意をするということでありますので、今後の動きについては引き続きしっかりと注視していかなければならないと思いますが、我が国としましては、新しい制度での審査が行われることが望ましいと考えておりますので、その趣旨に従って働きかけは続けていきたいと考えます。
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山田宏#25
○山田宏君 この九月の九日の集会は、ユネスコ記憶遺産共同登録日本委員会というところが主催をしております。そして、ここは、日本軍性奴隷制を生き抜いた女性たちの証言を次の世代に残していきたいという思いの下、二〇一六年五月三十一日、韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダ、東ティモールと日本の民間団体によって構成される国際連帯委員会と大英帝国戦争博物館が共同で、慰安婦の声というタイトルで二千七百点余りを共同申請している日本側の団体です。
 このユネスコというのは、どういう申請がなされたか、どういうものが登録されているかというのはなるべく全員がアクセスできるようにしていかなきゃいけないという、こういう精神の下にあると思うんですけれども、日本政府としては、この五月に、この南京の、南京じゃない、ごめんなさい、日本軍慰安婦の声というこの資料について、どんなものが申請されたのか把握をしておられるでしょうか。
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下川眞樹太#26
○政府参考人(下川眞樹太君) ただいま委員から御指摘のございました共同委員会からの申請でございますが、彼らがこの申請を行う前に、五月三十一日にまさにこれから申請を行うという記者発表を行っておりまして、そこでおおむねその要点などは発表されているところでございます。
 他方、ユネスコの事務局に提出された後、まだ正式にそれが受理されたかどうかということについてはユネスコのホームページ上も発表されておりませんので、どういう文書がどういう形で申請、登録されたか、公式にはまだ確認されているところではございません。
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山田宏#27
○山田宏君 いや、一回載ったんですよ。ユネスコのホームページに八月三日、一回出たんです、これが。すぐ削除された。その出た内容、これを私は把握しているんですけれども、委員の皆様方にお配りをしております資料の二ページ目に幾つかの絵がございます。これ、かざしてよろしいでしょうか。資料。済みません。
 この資料の中で、こういう絵も出されているわけです。例えば、この右側のやつ。これは、「昭和天皇陛下を銃殺する絵」と。何で銃殺するのか。これは、慰安婦たちをレイプした罪だと、最高責任者だと。こんな絵を登録しようとしている。「私が拉致された日」、これは元慰安婦の人が描いた図です。それから、その下、慰安婦の方々をトラックに乗せて、日本軍が穴にこの人たちを入れて、生きたまま「焼かれる処女たち」と、こういったようなおぞましい絵数々を、南京と同じように慰安婦の声として登録をしようとしているということがネット上で私は把握をしております。
 そういったものを登録しようとする団体に、先ほどのレイ・エドモンドソン氏、この登録事業を改善をしていかなきゃいけないという中心メンバーの一人、六人のうちの一人、この人がこの日本側の申請団体の集会にて、かの発言をすると同時に、その前に、ここにも資料を付けましたけれども、これ挺対協です、挺対協というのは挺身隊対策協議会、もう反日団体ばりばり。もう全部、韓国の中にどんどん慰安婦の像を建てていって、日本大使館の前の慰安婦像についても毎週のごとくデモをやって絶対に撤去させないとやっている団体ですね。この挺対協の集会に出て、そしてこの集会何なのかというと、ユネスコ記憶遺産登録日本軍慰安婦共同申請書のための第三回国際会議ということで、これは三月のものですけれども、これ挺対協のホームページにアップされていた写真です。これ、ちょっと見にくくて申し訳ないんですが、女の人が背中向けていますが、その一番奥に、黒いチョッキみたいなのを着た赤い袖の、ちょっと顔が消えていますけれども、ひげの人がいるんです。これがレイ・エドモンドソンなんです、レイ・エドモンドソン氏。
 つまり、挺対協の集会にも出て、こういったことをやっていると。つまり、この人は、今これから、いわゆるユネスコの記憶遺産の登録をするためのルールブック作りをしている人なんです。ルールブックというのはやっぱり公平公正でなきゃならない。ルールブックを作っている人、又はレフリーが、私ラグビーやっていましたけど、一方のチームのコーチをやっているのと同じことじゃないですか、これ。これは不公平ですよ。どう見たって公正じゃない。
 私は、そういうことを見て、このレイ・エドモンドソン氏がこういったユネスコ改革の公平性といった点で非常に問題ではないかと考えておりまして、このことについては外務省としてどう御所見をお持ちでしょうか。
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岸田文雄#28
○国務大臣(岸田文雄君) まず一般論として申し上げるならば、世界記憶事業の関係者において、登録申請者の接触については慎重でなければならない、慎重さが求められると考えます。こうした考え方については、我が国からユネスコ側にもしっかり伝えております。
 そして、この制度改善につきましては、加盟国間の友好と相互理解の促進というユネスコ設立の本来の趣旨と目的を推進するものとなるようしっかり取り組んでいかなければならないと思いますし、この見直しのメンバー、他にもたくさんおられるわけですので、そういったメンバーも含めて、あるべき姿についてしっかり御理解いただいた上で、しかるべき制度がつくられていかなければならないと考えます。
 是非、本来の趣旨に沿った制度実現のために努力を続けていきたいと考えます。
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山田宏#29
○山田宏君 政府としては、大変センシティブな問題だし、関係者は多いので、なかなか多く御発言が難しいと思いますけれども、是非、日本の議会でそういう意見もあったんだということをユネスコ当局の方にお伝えいただきたいと、こう考えております。
 そして、その上で、改めてもう一回お聞きをしたいと思いますが、やはりこの南京、じゃない、ごめんなさい、何回も間違えて、慰安婦の歴史的資料というものについての登録は、やはり新しい改善、改定されたガイドラインの下でやるべきというふうに考えております。それは、配慮、考慮をするということで、テークノートすると、こういうことだったと思うんですけれども、是非、この二〇一五年に南京事件の、我々から見ればとんでもない資料が登録をされてしまったと。そして、それを基に、やはりちゃんと関係国の意見聞くべきだとやり始めたところに、どさくさに紛れてこの五月にこういう今度は慰安婦の登録までやると、こういったことになっていますので、去年の十二月、南京のそういうものがあって、そしてその後、ユネスコの経緯を見れば、これはやはり新しいガイドラインでやらなきゃいけないと考えております。
 是非、その辺、外務省としても留意をしていただきたいと。改めて御所見を伺います。
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