環境委員会
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会
会議録情報#0
平成二十九年五月十八日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
五月十七日
辞任 補欠選任
青木 一彦君 松山 政司君
佐藤 啓君 鴻池 祥肇君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 森 まさこ君
理 事
磯崎 仁彦君
高橋 克法君
芝 博一君
石井 苗子君
委 員
尾辻 秀久君
鴻池 祥肇君
佐藤 信秋君
中川 雅治君
二之湯武史君
松山 政司君
渡辺美知太郎君
榛葉賀津也君
浜野 喜史君
柳田 稔君
長沢 広明君
若松 謙維君
市田 忠義君
武田 良介君
事務局側
常任委員会専門
員 星 明君
参考人
東京大学総合研
究博物館・助教 矢後 勝也君
認定特定非営利
活動法人トラ・
ゾウ保護基金事
務局長理事
弁護士 坂元 雅行君
公益財団法人日
本自然保護協会
保護室室長 辻村 千尋君
─────────────
本日の会議に付した案件
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
五月十七日
辞任 補欠選任
青木 一彦君 松山 政司君
佐藤 啓君 鴻池 祥肇君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 森 まさこ君
理 事
磯崎 仁彦君
高橋 克法君
芝 博一君
石井 苗子君
委 員
尾辻 秀久君
鴻池 祥肇君
佐藤 信秋君
中川 雅治君
二之湯武史君
松山 政司君
渡辺美知太郎君
榛葉賀津也君
浜野 喜史君
柳田 稔君
長沢 広明君
若松 謙維君
市田 忠義君
武田 良介君
事務局側
常任委員会専門
員 星 明君
参考人
東京大学総合研
究博物館・助教 矢後 勝也君
認定特定非営利
活動法人トラ・
ゾウ保護基金事
務局長理事
弁護士 坂元 雅行君
公益財団法人日
本自然保護協会
保護室室長 辻村 千尋君
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本日の会議に付した案件
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
─────────────
森
森まさこ#1
○委員長(森まさこ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、佐藤啓君及び青木一彦君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君及び松山政司君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日、佐藤啓君及び青木一彦君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君及び松山政司君が選任されました。
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森
森まさこ#2
○委員長(森まさこ君) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、参考人として東京大学総合研究博物館・助教矢後勝也君、認定特定非営利活動法人トラ・ゾウ保護基金事務局長理事・弁護士坂元雅行君及び公益財団法人日本自然保護協会保護室室長辻村千尋君の三名に御出席いただいております。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜り、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
本日の議事の進め方でございますが、まず、矢後参考人、坂元参考人、辻村参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、参考人の皆様及び質疑者の発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず矢後参考人にお願いいたします。矢後参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、参考人として東京大学総合研究博物館・助教矢後勝也君、認定特定非営利活動法人トラ・ゾウ保護基金事務局長理事・弁護士坂元雅行君及び公益財団法人日本自然保護協会保護室室長辻村千尋君の三名に御出席いただいております。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜り、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
本日の議事の進め方でございますが、まず、矢後参考人、坂元参考人、辻村参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、参考人の皆様及び質疑者の発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず矢後参考人にお願いいたします。矢後参考人。
矢
矢後勝也#3
○参考人(矢後勝也君) ただいま御紹介にあずかりました東京大学総合研究博物館の矢後と申します。
本日は、こちらの資料ございますけれども、お手元にございますでしょうか。こちらのタイトルにあります「里地里山の生物の衰退と「種の保存法」の課題」というタイトルでちょっとお話しさせていただきたいと思います。
私の方の自己紹介は、簡単に触れますと、専門は昆虫、特にチョウとガの昆虫自然史学、それから保全生物学となっております。環境省のレッドリストの選定委員にもなっておりまして、あと日本蝶類学会の副会長、それから日本昆虫学会前自然保護委員長、それから鱗翅学会の自然保護委員長等を務めさせていただいております。
それでは、次のページに移らせていただきたいと思います。
こちらにいらっしゃる方はもう既に説明する必要ないかもしれませんが、生物多様性が減少する要因として、生物多様性国家戦略にもありますが、日本における生物多様性の四つの危機ということで、以下のようなものがあります。
一つは、開発など人間活動による危機、それから二つ目、自然に対する働きかけの縮小による危機、三つ目が、人間により持ち込まれたもの、外来種ですね、これによる危機、それから四つ目は、地球環境の変化、例えば温暖化ですとか海洋の酸性化とか、そういったものの危機ということが挙げられます。
今日特にお話ししたいのは、この二つ目の自然に対する働きかけの縮小による危機、つまり、雑木林や草原の管理放棄、こういういわゆる里地里山問題というものです。あと、これに付随する鹿などの害獣による悪影響であります。
次に移らせていただきたいと思います。
次のページ行きますと、まず、里地里山というのはどういうものがあるかといいますと、こちらの、ちょっと田舎の方に行けば、自然に慣れ親しんだような環境というのが、懐かしいような環境があると思います。例えば、水田があり、それからため池があったり、いわゆる農家、農地があって、それから重要なのが、その近くに採草地があって、その森林との間のところに、それからクヌギ林、昔は薪炭林というのを形成していたので、今は余り使われなくなったのですが、こういった環境、鎮守の森があったりとか、そういうようなのが、いわゆるこの景観全体を里山あるいは里地里山と呼ぶことが多いです。古くから人為的環境により維持されてきた二次的な自然というものがここで挙げられます。
特にこの中でも重要なのが、先ほども申しました薪炭林、いわゆるクヌギ林とか雑木林、それから採草地、こういうところに生息する生き物というのが徐々に今衰退しております。その原因というのは、最近は農地というのがやはり衰退していることによってその植生が単調化する、管理放棄によってその植生が単純化して里山環境の種が絶滅するということが起こっております。
あるいは、哺乳類とかに言い換えますと、こういうところが昔は人間と生き物、生物、哺乳類とのバッファーゾーンになっていたんですね。そういうのが今消失して、目の前に哺乳類が思い掛けず出てくるということにもつながっております。
次のページに行きたいと思います。
こちらは里山環境や半自然草原、こういったものの管理放棄によって実際に絶滅が危惧される種を取り上げています。私はチョウが専門なもので、ここにチョウを題材に取り上げましたが、危機的までに減少した草原性チョウ類ということで、ヒョウモンモドキ、オオウラギンヒョウモン、それからウスイロヒョウモンモドキ、オオルリシジミといった事例を挙げさせていただきました。このうち、ヒョウモンモドキとウスイロヒョウモンモドキについては既に種の保存法の国内希少野生動植物種になっております。
次のページに行きたいと思います。
こういったチョウを実際どういうふうに今現在、環境復元していくか、生息保全をやっているかというと、こちらが実例です。左が伐採前、右は伐採後なんですが、この伐採前と書かれている左側の写真を御覧ください。ここ、昔、湿地帯、休耕田だったんですね。それが管理放棄によってほぼ雑木林と化している、雑木林というか、もうほとんど林となっているんですね。こういったものを復元するには、昔の環境に戻すために木を伐採したり湿地を復元したりということをしなければならない。こういったものの例えば人員とかそれから予算というのもなかなか取れない状況で、こういった地元のシルバー人材センターからの派遣によって、こっちは広島の環境なんですけれども、徐々に、少しずつやっているというのが現状です。
次のページに行きたいと思います。
次は、鹿の分布域の変化ということですが、上の日本地図があります。右と左。左が一九七八年までの鹿の分布域、右の方が二〇一一年の鹿の分布拡大域、黄色のところが拡大域です。鹿の分布域というのが明らかに急速に広がっています。これによって、環境省や農水それから各地方自治体が一生懸命に駆除しているというのが実情なんですが、実際、鹿というのは農業被害も大きいですし林業被害も大きい。さらには、里地里山に生息する昆虫類を始めとした生物、こういったものにも非常に大きな影響を与えているということで、今、鹿の捕獲数の変遷というものを、こちらにグラフになっておりますが、一生懸命各自治体でやっているものの全く追い付いていないのが現状であります。
次に移らせていただきたいと思います。
これは具体的に対馬の例なんですけれども、今年、環境省、種の保存法のやはり国内希少種になりましたツシマウラボシシジミというチョウの生息環境です。これは、鹿害がやはり対馬というのは深刻で、実際に鹿防護柵があるところとないところを一枚の写真で表しているんですけれども、左は防護柵が掛かっていないところ、それから右が防護柵が掛かっているところです。実際、林床植生それから半自然草原というのはこれだけの違いがあると。実際に、チョウというのは、吸蜜植物とかそれからチョウの幼虫が食べる食草というのが必要になるので、こういったものが一斉にむしり取られてしまい、絶滅の寸前に陥っているというのが現状であります。
もう一つの事例を紹介します。次のページに行きます。
兵庫県で野生絶滅したウスイロヒョウモンモドキの報道ということで、これ、二〇一五年のものなんですが、実際、鹿の食害で、一時期このウスイロヒョウモンモドキというチョウが野生絶滅してしまいました。系統保存で担保しているものがあったので、鹿防護柵を立ててその中で草原をうまく管理して、何とか今、復元に至っているというのが現状であります。
次のページに行きたいと思います。
こちら、国内希少野生動植物種の指定状況ということですが、現在、国内希少野生動植物種というのは多く指定されていて、徐々に今、二〇二〇年までに三百種という目標があると思うんですけれども、こういうふうに指定へ向かっていると。昆虫に対して、私の専門のところでは指定割合は一一%となっていますね。
次に移らせていただきたいと思います。
こういった状況を踏まえて、現状の種の保存法に関する課題というのがあります。こちら四つ、身近な里地里山昆虫の採集規制というのが実際出てくるんですけれども、それによって、実は日本の学術文化や理科教育に影響を及ぼしているという点があります。二つ目が調査、研究、教育などを目的とした捕獲、これも含めて規制されて、許可手続が必要な点というのがあります。三つ目に、指定前の標本譲渡にも強い制限が加わることによって、教育、研究の場面にちょっと支障が出ている場面があると。四つ目が、保全を進めるための人員や予算、それからビジョン、展望というのが圧倒的に不足しているという点が挙げられます。
これらをそれぞれ簡単に一項目ずつ述べさせていただきたいと思います。
次のページお願いいたします。
一つ目の身近な里地里山昆虫の採集規制の問題なんですけれども、実際こういうものにどのような影響を及ぼしているかといいますと、実際、科学する心や環境への関心というものの育成にやはり支障が出てしまう。採集規制というのは余り強くやり過ぎると、特に里地里山の生き物というのはもう住んでいる真横に実は希少生物がいるというような状況がたくさんこの後起こり得る、どんどん指定していくとですね。
実際、その採集、じゃ、やめろやめろということによってもう関心がなくなるのが実は一番怖い。結局、昆虫採集というのは非常に理科教育に役立っている。例えば、昆虫採集から科学を学んだノーベル賞受賞者ということで、左の隅、下側に、こちら、湯川秀樹、福井謙一、白川英樹、赤崎さん、それから、この前受賞しました大隅先生と、こういった方々というのは実際昆虫というものから科学を学んだと公言しております。実際、昆虫採集をまだ今でもしている方々もいると。
意図せず実は犯罪者を出すおそれ、特に子供たちなどというのがいます。こういうのはやはり、実際虫好きでも、採集、捕って駄目ですとか、何か犯罪者扱いの、実際には犯罪者も、年齢が小さくて知らなかったと言うと犯罪者にならないかもしれないですけれども、意図せずにそういうことになったら、もう二度と虫なんか触らないという、こういう状況が起こり得るということであります。
三つ目、欧州での昆虫採集の規制というのが非常に強いのは御存じの方は多いかもしれないんですが、あちらはかなり早い段階から自然を壊してしまったということがあるんですが、それによって、実は日本ではファーブルというのはこれだけいろんな教育に役立っていると思うんですけれども、実はフランス人は、ファーブル、ほとんど知られていません。そういう現状というのが実はあるということですね。
次のページに行きます。ちょっと時間がなくなったので駆け足で行きますけれども。
次、調査、研究、教育などを目的とした捕獲の規制というのがあって、それに関して許可手続が必要となると、例えば今現在、種の保存法というのは、割と哺乳類とか鳥類とか、そういった大きな生き物を対象としてやっているんですが、昆虫が同じベースになると、いろいろ同じ基準ではなかなか測れないという問題があります。
二つ目に、昆虫の分類、保全の進展には、実はプロの実際の研究者よりも、むしろ過去からのアマチュアの研究者の協力というのが非常に大きいんです。ですので、例えばこの下にミヤマシジミというようなチョウの分布状況それから変遷がありますけれども、こういうものもアマチュアの情報の集積というのが非常に大きいと。これはやはり採集というのも含まれているということであります。
次のページに行きます。
指定前の標本譲渡にも強い制限が掛かるという点で、先ほどの話とちょっと通ずるところがあるんですが、アマチュアの研究教育活動の妨げになる。元々この種の保存法というのが取引規制から始まった法律なのでなかなか難しいところもあるんですが、現状で大事なのは、実は希少種そのものの研究や教育に時代がちょっと移っているんじゃないかなと思っています。
また、もう一つ大事なのが、過去の貴重な標本が死滅するおそれがあります。現状では公共機関への寄贈が推奨されていますが、私、公共機関に所属している者として必ずぶち当たるのが収蔵庫の限界があります。そういったもので、受け入れたくても受け入れられないものがある。すると、貴重なデータのその証拠標本というのが失われる可能性がある。つまり、それに当たっては何らかの法的措置か、あるいは博物館等の収蔵庫の拡充、これが非常に大事になってくるということであります。
次に行きます。
保全を進めるための人員や予算、展望が圧倒的に不足しているという点なんですが、これは指定種の保全を進めるためには、指定したら終わりではなくて、人員的にかつ金銭的にも含めて、効果的かつ計画的な保全対策が不可欠であります。
希少種保全に指定するのは非常に結構なことではあるんですが、数だけ増えて十分な保全が各種で行き渡らないという現状が起こる。さらに、特に里地里山の希少種というのは継続的な環境管理というのが必須なんですが、その辺りの人員、予算が全く不足している。本当は同一管理で複数種の保全が効果的にできるにもかかわらず、そういうことができないような状況にもなるということですね。ちょっとこの二つはまた飛ばさせていただきます。
次のページに行きたいと思います。
そこで、特定第二種国内希少野生動植物種の制度の創設について、現状の種の保存法に関する課題として、上の三つ、今日課題としてお話しさせていただいたこの三つについては、ある程度この制度の創設によりカバーできるのではないかと考えております。ただし、引き続き残る課題として、保全を進めるための人員や予算、展望というのが不足している点については、この制度をより効果的に機能させるためには人員と予算というのをやはりきちんと確保して活用する、さらにそれに伴って将来の展望を見据えるということが大事なのではないかというふうに思っております。
私からは以上になります。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、こちらの資料ございますけれども、お手元にございますでしょうか。こちらのタイトルにあります「里地里山の生物の衰退と「種の保存法」の課題」というタイトルでちょっとお話しさせていただきたいと思います。
私の方の自己紹介は、簡単に触れますと、専門は昆虫、特にチョウとガの昆虫自然史学、それから保全生物学となっております。環境省のレッドリストの選定委員にもなっておりまして、あと日本蝶類学会の副会長、それから日本昆虫学会前自然保護委員長、それから鱗翅学会の自然保護委員長等を務めさせていただいております。
それでは、次のページに移らせていただきたいと思います。
こちらにいらっしゃる方はもう既に説明する必要ないかもしれませんが、生物多様性が減少する要因として、生物多様性国家戦略にもありますが、日本における生物多様性の四つの危機ということで、以下のようなものがあります。
一つは、開発など人間活動による危機、それから二つ目、自然に対する働きかけの縮小による危機、三つ目が、人間により持ち込まれたもの、外来種ですね、これによる危機、それから四つ目は、地球環境の変化、例えば温暖化ですとか海洋の酸性化とか、そういったものの危機ということが挙げられます。
今日特にお話ししたいのは、この二つ目の自然に対する働きかけの縮小による危機、つまり、雑木林や草原の管理放棄、こういういわゆる里地里山問題というものです。あと、これに付随する鹿などの害獣による悪影響であります。
次に移らせていただきたいと思います。
次のページ行きますと、まず、里地里山というのはどういうものがあるかといいますと、こちらの、ちょっと田舎の方に行けば、自然に慣れ親しんだような環境というのが、懐かしいような環境があると思います。例えば、水田があり、それからため池があったり、いわゆる農家、農地があって、それから重要なのが、その近くに採草地があって、その森林との間のところに、それからクヌギ林、昔は薪炭林というのを形成していたので、今は余り使われなくなったのですが、こういった環境、鎮守の森があったりとか、そういうようなのが、いわゆるこの景観全体を里山あるいは里地里山と呼ぶことが多いです。古くから人為的環境により維持されてきた二次的な自然というものがここで挙げられます。
特にこの中でも重要なのが、先ほども申しました薪炭林、いわゆるクヌギ林とか雑木林、それから採草地、こういうところに生息する生き物というのが徐々に今衰退しております。その原因というのは、最近は農地というのがやはり衰退していることによってその植生が単調化する、管理放棄によってその植生が単純化して里山環境の種が絶滅するということが起こっております。
あるいは、哺乳類とかに言い換えますと、こういうところが昔は人間と生き物、生物、哺乳類とのバッファーゾーンになっていたんですね。そういうのが今消失して、目の前に哺乳類が思い掛けず出てくるということにもつながっております。
次のページに行きたいと思います。
こちらは里山環境や半自然草原、こういったものの管理放棄によって実際に絶滅が危惧される種を取り上げています。私はチョウが専門なもので、ここにチョウを題材に取り上げましたが、危機的までに減少した草原性チョウ類ということで、ヒョウモンモドキ、オオウラギンヒョウモン、それからウスイロヒョウモンモドキ、オオルリシジミといった事例を挙げさせていただきました。このうち、ヒョウモンモドキとウスイロヒョウモンモドキについては既に種の保存法の国内希少野生動植物種になっております。
次のページに行きたいと思います。
こういったチョウを実際どういうふうに今現在、環境復元していくか、生息保全をやっているかというと、こちらが実例です。左が伐採前、右は伐採後なんですが、この伐採前と書かれている左側の写真を御覧ください。ここ、昔、湿地帯、休耕田だったんですね。それが管理放棄によってほぼ雑木林と化している、雑木林というか、もうほとんど林となっているんですね。こういったものを復元するには、昔の環境に戻すために木を伐採したり湿地を復元したりということをしなければならない。こういったものの例えば人員とかそれから予算というのもなかなか取れない状況で、こういった地元のシルバー人材センターからの派遣によって、こっちは広島の環境なんですけれども、徐々に、少しずつやっているというのが現状です。
次のページに行きたいと思います。
次は、鹿の分布域の変化ということですが、上の日本地図があります。右と左。左が一九七八年までの鹿の分布域、右の方が二〇一一年の鹿の分布拡大域、黄色のところが拡大域です。鹿の分布域というのが明らかに急速に広がっています。これによって、環境省や農水それから各地方自治体が一生懸命に駆除しているというのが実情なんですが、実際、鹿というのは農業被害も大きいですし林業被害も大きい。さらには、里地里山に生息する昆虫類を始めとした生物、こういったものにも非常に大きな影響を与えているということで、今、鹿の捕獲数の変遷というものを、こちらにグラフになっておりますが、一生懸命各自治体でやっているものの全く追い付いていないのが現状であります。
次に移らせていただきたいと思います。
これは具体的に対馬の例なんですけれども、今年、環境省、種の保存法のやはり国内希少種になりましたツシマウラボシシジミというチョウの生息環境です。これは、鹿害がやはり対馬というのは深刻で、実際に鹿防護柵があるところとないところを一枚の写真で表しているんですけれども、左は防護柵が掛かっていないところ、それから右が防護柵が掛かっているところです。実際、林床植生それから半自然草原というのはこれだけの違いがあると。実際に、チョウというのは、吸蜜植物とかそれからチョウの幼虫が食べる食草というのが必要になるので、こういったものが一斉にむしり取られてしまい、絶滅の寸前に陥っているというのが現状であります。
もう一つの事例を紹介します。次のページに行きます。
兵庫県で野生絶滅したウスイロヒョウモンモドキの報道ということで、これ、二〇一五年のものなんですが、実際、鹿の食害で、一時期このウスイロヒョウモンモドキというチョウが野生絶滅してしまいました。系統保存で担保しているものがあったので、鹿防護柵を立ててその中で草原をうまく管理して、何とか今、復元に至っているというのが現状であります。
次のページに行きたいと思います。
こちら、国内希少野生動植物種の指定状況ということですが、現在、国内希少野生動植物種というのは多く指定されていて、徐々に今、二〇二〇年までに三百種という目標があると思うんですけれども、こういうふうに指定へ向かっていると。昆虫に対して、私の専門のところでは指定割合は一一%となっていますね。
次に移らせていただきたいと思います。
こういった状況を踏まえて、現状の種の保存法に関する課題というのがあります。こちら四つ、身近な里地里山昆虫の採集規制というのが実際出てくるんですけれども、それによって、実は日本の学術文化や理科教育に影響を及ぼしているという点があります。二つ目が調査、研究、教育などを目的とした捕獲、これも含めて規制されて、許可手続が必要な点というのがあります。三つ目に、指定前の標本譲渡にも強い制限が加わることによって、教育、研究の場面にちょっと支障が出ている場面があると。四つ目が、保全を進めるための人員や予算、それからビジョン、展望というのが圧倒的に不足しているという点が挙げられます。
これらをそれぞれ簡単に一項目ずつ述べさせていただきたいと思います。
次のページお願いいたします。
一つ目の身近な里地里山昆虫の採集規制の問題なんですけれども、実際こういうものにどのような影響を及ぼしているかといいますと、実際、科学する心や環境への関心というものの育成にやはり支障が出てしまう。採集規制というのは余り強くやり過ぎると、特に里地里山の生き物というのはもう住んでいる真横に実は希少生物がいるというような状況がたくさんこの後起こり得る、どんどん指定していくとですね。
実際、その採集、じゃ、やめろやめろということによってもう関心がなくなるのが実は一番怖い。結局、昆虫採集というのは非常に理科教育に役立っている。例えば、昆虫採集から科学を学んだノーベル賞受賞者ということで、左の隅、下側に、こちら、湯川秀樹、福井謙一、白川英樹、赤崎さん、それから、この前受賞しました大隅先生と、こういった方々というのは実際昆虫というものから科学を学んだと公言しております。実際、昆虫採集をまだ今でもしている方々もいると。
意図せず実は犯罪者を出すおそれ、特に子供たちなどというのがいます。こういうのはやはり、実際虫好きでも、採集、捕って駄目ですとか、何か犯罪者扱いの、実際には犯罪者も、年齢が小さくて知らなかったと言うと犯罪者にならないかもしれないですけれども、意図せずにそういうことになったら、もう二度と虫なんか触らないという、こういう状況が起こり得るということであります。
三つ目、欧州での昆虫採集の規制というのが非常に強いのは御存じの方は多いかもしれないんですが、あちらはかなり早い段階から自然を壊してしまったということがあるんですが、それによって、実は日本ではファーブルというのはこれだけいろんな教育に役立っていると思うんですけれども、実はフランス人は、ファーブル、ほとんど知られていません。そういう現状というのが実はあるということですね。
次のページに行きます。ちょっと時間がなくなったので駆け足で行きますけれども。
次、調査、研究、教育などを目的とした捕獲の規制というのがあって、それに関して許可手続が必要となると、例えば今現在、種の保存法というのは、割と哺乳類とか鳥類とか、そういった大きな生き物を対象としてやっているんですが、昆虫が同じベースになると、いろいろ同じ基準ではなかなか測れないという問題があります。
二つ目に、昆虫の分類、保全の進展には、実はプロの実際の研究者よりも、むしろ過去からのアマチュアの研究者の協力というのが非常に大きいんです。ですので、例えばこの下にミヤマシジミというようなチョウの分布状況それから変遷がありますけれども、こういうものもアマチュアの情報の集積というのが非常に大きいと。これはやはり採集というのも含まれているということであります。
次のページに行きます。
指定前の標本譲渡にも強い制限が掛かるという点で、先ほどの話とちょっと通ずるところがあるんですが、アマチュアの研究教育活動の妨げになる。元々この種の保存法というのが取引規制から始まった法律なのでなかなか難しいところもあるんですが、現状で大事なのは、実は希少種そのものの研究や教育に時代がちょっと移っているんじゃないかなと思っています。
また、もう一つ大事なのが、過去の貴重な標本が死滅するおそれがあります。現状では公共機関への寄贈が推奨されていますが、私、公共機関に所属している者として必ずぶち当たるのが収蔵庫の限界があります。そういったもので、受け入れたくても受け入れられないものがある。すると、貴重なデータのその証拠標本というのが失われる可能性がある。つまり、それに当たっては何らかの法的措置か、あるいは博物館等の収蔵庫の拡充、これが非常に大事になってくるということであります。
次に行きます。
保全を進めるための人員や予算、展望が圧倒的に不足しているという点なんですが、これは指定種の保全を進めるためには、指定したら終わりではなくて、人員的にかつ金銭的にも含めて、効果的かつ計画的な保全対策が不可欠であります。
希少種保全に指定するのは非常に結構なことではあるんですが、数だけ増えて十分な保全が各種で行き渡らないという現状が起こる。さらに、特に里地里山の希少種というのは継続的な環境管理というのが必須なんですが、その辺りの人員、予算が全く不足している。本当は同一管理で複数種の保全が効果的にできるにもかかわらず、そういうことができないような状況にもなるということですね。ちょっとこの二つはまた飛ばさせていただきます。
次のページに行きたいと思います。
そこで、特定第二種国内希少野生動植物種の制度の創設について、現状の種の保存法に関する課題として、上の三つ、今日課題としてお話しさせていただいたこの三つについては、ある程度この制度の創設によりカバーできるのではないかと考えております。ただし、引き続き残る課題として、保全を進めるための人員や予算、展望というのが不足している点については、この制度をより効果的に機能させるためには人員と予算というのをやはりきちんと確保して活用する、さらにそれに伴って将来の展望を見据えるということが大事なのではないかというふうに思っております。
私からは以上になります。御清聴ありがとうございました。
森
坂
坂元雅行#5
○参考人(坂元雅行君) 御紹介いただきましたトラ・ゾウ保護基金の坂元です。
私は、種の保存法の改正に当たっての課題のうち、国際的なコンセンサスに対応するという重責を担った部分、すなわち象牙の国内取引管理について意見を申し上げます。
現在、毎年二万頭から三万頭のアフリカゾウが象牙目的の密猟で殺され、結果、個体数が減少し始めました。昨年九月の国際自然保護連合、IUCNの発表によりますと、アフリカ大陸全体で二〇〇六年以来一万一千頭の個体数が減少し、二〇一五年時点で四十一万五千頭にとどまったということです。世界に象牙に対する需要がある限り、アフリカゾウの減少は加速し、遠くない将来絶滅するおそれがあると懸念される状況となっております。
かつて一九七〇年代から一九八〇年代にかけて象を襲った密猟の危機は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称ワシントン条約による象牙の国際取引禁止によって一旦は鎮静化いたしました。それが二〇〇六年頃から再び息を吹き返したという状況にあります。
この現在の密猟の危機をもたらす象牙需要の中心が中国にあることについて異論は聞かれません。しかし、二〇〇四年にワシントン条約会議で中国に追い抜かれたと言われるまでは、実は日本が世界最大の象牙消費国でありました。日本は、一九七〇年代の終わりに世界最大の象牙消費国になり、そして一九八二年には、当時世界一であった香港を輸入量でも追い越して世界一の輸入大国となりました。
カラー資料の三ページを御覧ください。
象牙取引禁止前の十年間に輸入された未加工象牙は、象の数にして十二万頭前後、約二千七百トンに上りました。青い部分、日本が輸入したものです。この量は、同じ期間にアフリカ大陸から輸出された象牙の量の約四〇%に当たります。赤い部分がアフリカ大陸から輸出された量です。しかも、日本についてワシントン条約が発効したのは一九八〇年十一月ですけれども、このときから一九八五年の三月までは、条約が求める輸出許可書の提出なしに輸入が許可されるという条約違反の状態が続いておりました。日本における主要な象牙製品は判こですが、当時の大量輸入の背景には象牙印のブームがございました。こうして一九八〇年代の僅か十年間にアフリカゾウの個体数は半減してしまいました。
以上のような経過を考えますと、日本は今もその象牙市場、象牙取引について国際的に特別な道義的責任を負っていると言えると思います。
アフリカゾウの現在の危機に話を戻しますが、事はアフリカゾウの絶滅だけの問題にとどまらないという国際的な認識が深まっております。どういうことかといいますと、野生生物犯罪、すなわち国境を越えた野生生物の違法取引、違法捕獲は人類の生存基盤である生態系に損失をもたらすだけではなく、国際的な安全保障をも危うくするということであります。
アフリカでは、アフリカゾウの生息国を中心とする三十か国がアフリカゾウ連合を結成いたしまして、世界の国内象牙市場閉鎖を訴え始めます。
先進国の中で国内象牙市場の閉鎖と野生生物犯罪の対策へと動いたのが米国です。世界最大の象牙市場を持つ中国と協議を行い、合法市場を隠れみのにした密猟象牙のロンダリングが現在の象の密猟を引き起こす原因となっているという懸念を共有するに至りました。そして、二〇一五年九月、米国と中国は両国の国内象牙市場を閉鎖することを合意いたします。これに続いて、二〇一六年には香港も国内象牙市場の閉鎖を決め、EU諸国の中ではフランスが象牙の国内取引を禁止する方針を打ち出しました。
このような状況の中で、アフリカゾウ連合を代表するアフリカ諸国等が、百八十三か国が加盟するワシントン条約締約国会議に対して国内象牙市場を閉鎖する提案を行いました。
カラー資料の六ページを御覧ください。
締約国会議は、この提案を検討し、昨年十月三日、この第三段落にありますように、密猟又は違法取引の一因となる合法化された国内象牙市場を有する締約国はこれを閉鎖するよう勧告するとの決議を全会一致で採択いたしました。これがいわゆる国内象牙市場閉鎖決議です。
この決議後、イギリスが象牙市場の閉鎖に向けて法整備に取り組み始めました。また、つい最近、象牙の主要な消費国の一つであるシンガポールが象牙市場の閉鎖を宣言しました。
やはりカラー資料の五ページを御覧ください。現在、このように各国が市場閉鎖に向けた取組を進めております。
象牙取引によってアフリカゾウが絶滅に瀕している問題については、日本国内でもマスメディアが大きく取り上げ、国民の関心が高まっています。報道記事のほとんどは、市場閉鎖の国際的動きに強い関心を寄せ、これに対する批判的な論調は皆無です。
日本は、ここで改めてほかの象牙消費国と足並みをそろえ、市場閉鎖決議を遵守するよう迫られることとなりました。その中で、今般の種の保存法改正法案が象牙の国内取引について何をしようとしているのかが問われるわけであります。
結論から申し上げますと、改正法案には、国内象牙市場閉鎖、つまり象牙の国内取引禁止に向けた規制強化は一切含まれておりません。むしろ、象牙市場をこれまでどおり維持し、象牙の製造、販売に制約を加えないようにしながら象牙を扱う業者への監督を強め、緊張感を持って業務に励んでもらおうというのがその内容であります。これでは到底国際的な理解は得られず、日本は条約決議の全会一致採択に参加しておきながらそれに違反しているというそしりを受けるおそれがあると言わざるを得ません。
では、種の保存法によって国際的要請に対応すべき内容とはどのようなものでしょうか。
国内象牙市場閉鎖決議においても、象牙の一切の国内取引を禁止せよとは言っておりません。例外も認められております。
再びカラー資料の六ページを御覧ください。決議文ですね。
この決議の第四段落は、何らかの品目についての狭い例外の設定は保障され得ることを認識すると定めています。これは、国内象牙市場を持つ国もそれぞれ事情があるので、例外的にごく一部の種類の象牙の取引を許容して、現実的な閉鎖を進めようという趣旨です。実際、市場閉鎖決議採択後に象牙取引の大幅な規制強化を進めているフランスやイギリスなどでは、いずれも市場閉鎖の勧告を受け入れた上で、狭い例外の範囲、すなわちアンティーク、家具の取っ手といった僅かな象牙を含む製品、こういったものを具体的に何を例外にするかを検討している状況です。その際、各国に共通するのは、新たに製品を製造するための原材料となる未加工象牙については禁止の例外は認めていないこと、また新たに製造される製品についても禁止の例外をほぼ認めていないということであります。
一方、日本の種の保存法上の国内取引規制の方式は、規制対象の取引を原則禁止しておいて、登録を受けた場合に限り取引を許すというものです。
したがって、市場閉鎖決議の趣旨に沿って種の保存法でなすべき象牙の国内取引に対する規制強化とは次のようなものになります。
カラー資料の七ページを御覧ください。
第一に、規制対象を象牙全般に広げてその取引を原則禁止にすることです。第二に、登録を条件に例外的に取引できる品目を厳正に絞り込むことです。もちろん、新しく製造される象牙印のように、単なる実用品で、しかも素材には象牙以外に豊富な種類のものがあるというような品目を例外にできないことは自明であります。念のためですが、現に所有している象牙印を所持し続けること、これは取引しない限りは規制の対象にはなりません。第三に、登録を許す品目について、品目ごとに登録要件、つまりどのような条件がそろえば登録できるかを定めることが必要です。第四に、象牙が登録申請されたら、登録機関などの公的機関が、象牙が本物かどうかの真贋鑑定を行い、登録要件が満たされているかどうかの客観的な証拠に基づく審査を行い、登録を行う場合は個体識別を行って象牙と登録票の両方に共通のマーキング、つまり印付けを行うことであります。このようにして、例外的に取引を許された象牙のトレーサビリティーが確保できます。
日本は一刻も早く市場閉鎖決議に従うことを宣言し、そこで許された例外的な取引を厳正に行うための法整備に着手すべきであります。その作業にはこれから何年もの期間を要し、その間にもアフリカゾウは殺され絶滅の危機が高まっていくからであります。
これらのことを提言させていただき、私の陳述を終了させていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、種の保存法の改正に当たっての課題のうち、国際的なコンセンサスに対応するという重責を担った部分、すなわち象牙の国内取引管理について意見を申し上げます。
現在、毎年二万頭から三万頭のアフリカゾウが象牙目的の密猟で殺され、結果、個体数が減少し始めました。昨年九月の国際自然保護連合、IUCNの発表によりますと、アフリカ大陸全体で二〇〇六年以来一万一千頭の個体数が減少し、二〇一五年時点で四十一万五千頭にとどまったということです。世界に象牙に対する需要がある限り、アフリカゾウの減少は加速し、遠くない将来絶滅するおそれがあると懸念される状況となっております。
かつて一九七〇年代から一九八〇年代にかけて象を襲った密猟の危機は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称ワシントン条約による象牙の国際取引禁止によって一旦は鎮静化いたしました。それが二〇〇六年頃から再び息を吹き返したという状況にあります。
この現在の密猟の危機をもたらす象牙需要の中心が中国にあることについて異論は聞かれません。しかし、二〇〇四年にワシントン条約会議で中国に追い抜かれたと言われるまでは、実は日本が世界最大の象牙消費国でありました。日本は、一九七〇年代の終わりに世界最大の象牙消費国になり、そして一九八二年には、当時世界一であった香港を輸入量でも追い越して世界一の輸入大国となりました。
カラー資料の三ページを御覧ください。
象牙取引禁止前の十年間に輸入された未加工象牙は、象の数にして十二万頭前後、約二千七百トンに上りました。青い部分、日本が輸入したものです。この量は、同じ期間にアフリカ大陸から輸出された象牙の量の約四〇%に当たります。赤い部分がアフリカ大陸から輸出された量です。しかも、日本についてワシントン条約が発効したのは一九八〇年十一月ですけれども、このときから一九八五年の三月までは、条約が求める輸出許可書の提出なしに輸入が許可されるという条約違反の状態が続いておりました。日本における主要な象牙製品は判こですが、当時の大量輸入の背景には象牙印のブームがございました。こうして一九八〇年代の僅か十年間にアフリカゾウの個体数は半減してしまいました。
以上のような経過を考えますと、日本は今もその象牙市場、象牙取引について国際的に特別な道義的責任を負っていると言えると思います。
アフリカゾウの現在の危機に話を戻しますが、事はアフリカゾウの絶滅だけの問題にとどまらないという国際的な認識が深まっております。どういうことかといいますと、野生生物犯罪、すなわち国境を越えた野生生物の違法取引、違法捕獲は人類の生存基盤である生態系に損失をもたらすだけではなく、国際的な安全保障をも危うくするということであります。
アフリカでは、アフリカゾウの生息国を中心とする三十か国がアフリカゾウ連合を結成いたしまして、世界の国内象牙市場閉鎖を訴え始めます。
先進国の中で国内象牙市場の閉鎖と野生生物犯罪の対策へと動いたのが米国です。世界最大の象牙市場を持つ中国と協議を行い、合法市場を隠れみのにした密猟象牙のロンダリングが現在の象の密猟を引き起こす原因となっているという懸念を共有するに至りました。そして、二〇一五年九月、米国と中国は両国の国内象牙市場を閉鎖することを合意いたします。これに続いて、二〇一六年には香港も国内象牙市場の閉鎖を決め、EU諸国の中ではフランスが象牙の国内取引を禁止する方針を打ち出しました。
このような状況の中で、アフリカゾウ連合を代表するアフリカ諸国等が、百八十三か国が加盟するワシントン条約締約国会議に対して国内象牙市場を閉鎖する提案を行いました。
カラー資料の六ページを御覧ください。
締約国会議は、この提案を検討し、昨年十月三日、この第三段落にありますように、密猟又は違法取引の一因となる合法化された国内象牙市場を有する締約国はこれを閉鎖するよう勧告するとの決議を全会一致で採択いたしました。これがいわゆる国内象牙市場閉鎖決議です。
この決議後、イギリスが象牙市場の閉鎖に向けて法整備に取り組み始めました。また、つい最近、象牙の主要な消費国の一つであるシンガポールが象牙市場の閉鎖を宣言しました。
やはりカラー資料の五ページを御覧ください。現在、このように各国が市場閉鎖に向けた取組を進めております。
象牙取引によってアフリカゾウが絶滅に瀕している問題については、日本国内でもマスメディアが大きく取り上げ、国民の関心が高まっています。報道記事のほとんどは、市場閉鎖の国際的動きに強い関心を寄せ、これに対する批判的な論調は皆無です。
日本は、ここで改めてほかの象牙消費国と足並みをそろえ、市場閉鎖決議を遵守するよう迫られることとなりました。その中で、今般の種の保存法改正法案が象牙の国内取引について何をしようとしているのかが問われるわけであります。
結論から申し上げますと、改正法案には、国内象牙市場閉鎖、つまり象牙の国内取引禁止に向けた規制強化は一切含まれておりません。むしろ、象牙市場をこれまでどおり維持し、象牙の製造、販売に制約を加えないようにしながら象牙を扱う業者への監督を強め、緊張感を持って業務に励んでもらおうというのがその内容であります。これでは到底国際的な理解は得られず、日本は条約決議の全会一致採択に参加しておきながらそれに違反しているというそしりを受けるおそれがあると言わざるを得ません。
では、種の保存法によって国際的要請に対応すべき内容とはどのようなものでしょうか。
国内象牙市場閉鎖決議においても、象牙の一切の国内取引を禁止せよとは言っておりません。例外も認められております。
再びカラー資料の六ページを御覧ください。決議文ですね。
この決議の第四段落は、何らかの品目についての狭い例外の設定は保障され得ることを認識すると定めています。これは、国内象牙市場を持つ国もそれぞれ事情があるので、例外的にごく一部の種類の象牙の取引を許容して、現実的な閉鎖を進めようという趣旨です。実際、市場閉鎖決議採択後に象牙取引の大幅な規制強化を進めているフランスやイギリスなどでは、いずれも市場閉鎖の勧告を受け入れた上で、狭い例外の範囲、すなわちアンティーク、家具の取っ手といった僅かな象牙を含む製品、こういったものを具体的に何を例外にするかを検討している状況です。その際、各国に共通するのは、新たに製品を製造するための原材料となる未加工象牙については禁止の例外は認めていないこと、また新たに製造される製品についても禁止の例外をほぼ認めていないということであります。
一方、日本の種の保存法上の国内取引規制の方式は、規制対象の取引を原則禁止しておいて、登録を受けた場合に限り取引を許すというものです。
したがって、市場閉鎖決議の趣旨に沿って種の保存法でなすべき象牙の国内取引に対する規制強化とは次のようなものになります。
カラー資料の七ページを御覧ください。
第一に、規制対象を象牙全般に広げてその取引を原則禁止にすることです。第二に、登録を条件に例外的に取引できる品目を厳正に絞り込むことです。もちろん、新しく製造される象牙印のように、単なる実用品で、しかも素材には象牙以外に豊富な種類のものがあるというような品目を例外にできないことは自明であります。念のためですが、現に所有している象牙印を所持し続けること、これは取引しない限りは規制の対象にはなりません。第三に、登録を許す品目について、品目ごとに登録要件、つまりどのような条件がそろえば登録できるかを定めることが必要です。第四に、象牙が登録申請されたら、登録機関などの公的機関が、象牙が本物かどうかの真贋鑑定を行い、登録要件が満たされているかどうかの客観的な証拠に基づく審査を行い、登録を行う場合は個体識別を行って象牙と登録票の両方に共通のマーキング、つまり印付けを行うことであります。このようにして、例外的に取引を許された象牙のトレーサビリティーが確保できます。
日本は一刻も早く市場閉鎖決議に従うことを宣言し、そこで許された例外的な取引を厳正に行うための法整備に着手すべきであります。その作業にはこれから何年もの期間を要し、その間にもアフリカゾウは殺され絶滅の危機が高まっていくからであります。
これらのことを提言させていただき、私の陳述を終了させていただきます。ありがとうございました。
森
辻
辻村千尋#7
○参考人(辻村千尋君) ありがとうございます。
本日は、貴重な機会を設けていただきまして、委員長を始め理事の皆様、委員会の皆様に感謝申し上げます。
私は、公益財団法人日本自然保護協会で保護室室長をしております辻村千尋と申します。
私が所属しております日本自然保護協会は、尾瀬ケ原のダム建設反対に端を発して設立され、七十年弱の歴史を持つ自然保護NGOでございます。人々に寄り添い、日本の生物多様性を守り、持続可能な社会を未来に引き継いでいきたいと考え、日々活動をしております。
本日は、同じような思いで活動されている自然保護NGOの公益財団法人世界自然保護基金ジャパンさん、公益財団法人日本野鳥の会さん、それからトラフィックさん、イルカ&クジラ・アクション・ネットワークさん、野生生物保全論研究会さんと、それから当協会の六団体を代表して、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律改正案に対して意見を述べたいと思います。
二〇一三年に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、以降は長うございますので種の保存法と略させていただきますが、制定後二十年たって、目的条項に生物の多様性の確保が明記され、罰則も強化され、罰金も大幅に引き上げられるなどの改正が行われました。一方で、当時、附則第七条で施行から三年後の見直しが規定され、十一項目の附帯決議が付けられました。今回の法改正は、これらを受けての改正と認識しています。
今回の種の保存法改正案で、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する専門家による常設の科学委員会の法定を検討したことや、希少野生動植物種等の指定に関して、国民による提案制度の法定を検討したことなど、評価できるものもあると考えています。しかしながら、二〇一三年の改正の際の附帯決議に対して全て対応できているかという観点では、不十分と思われます。そこで、六団体共同で、特に不十分と思われる点を意見書という形式で指摘させていただいたということになります。
本日は、十五分という時間の制約もありますので、絞ってお話をさせていただくとともに、意見書には書かなかった、そもそもなぜ種の保存が必要なのかという基本的事項を含めて意見陳述させていただきます。
資料は二種類お配りしておりますが、その一が意見書、その二が日本の自然の個性を文章にしたものになります。これらを、詳細はお配りした資料に、読んでいただければというふうに思います。
まず、我が国の生物多様性は、世界的視野に立つと、日本全体がホットスポットであるとされています。固有の生き物が多く存在し、そのつながりがあり、かつ絶滅の危機に瀕している状況であると認識されているということです。これはなぜかというところに日本の自然の個性、特異性があります。
今よりも気候が寒冷だった最終氷期に、欧州と北米は大陸氷河に覆われました。その結果、多くの植物が絶滅しています。一方、日本では、高山帯に山岳氷河が発達したのみで、多くの種が生き残りました。その結果、比較して種の多様性が高くなったということが言えます。例えば、東京の高尾山の植物種数は英国一国よりも多いということが分かっています。
また、日本は、同緯度で比較した場合、標高三千メーター程度の場所は世界有数の強風地帯になっています。そのことが、本来の気候環境では森林で覆われてしまうような条件が、森林限界を超えた高山植物地帯を育んでいます。また、世界的に有数の多雪地帯でもあります。このことが、偽高山帯という、標高が低くても高山植物地帯が存在する東北地方の山岳環境の理由になっています。本来の気候条件では森林に覆われるべき日本の自然環境に、元々草原に暮らすイヌワシという生き物が日本では生息できる理由の一つでもあります。
さらに、その後の日本人の自然との持続可能な関わりの中で、里地里山のような環境が維持されてきた結果、日本の生物多様性は世界に誇るべき豊かさを持つに至りました。残念ながら、こうした里地里山は常に開発の危機にさらされております。結果、そこに絶滅危惧種の約半数が集中するという事態が現状でございます。こうした現状を踏まえ、種の保存法改正について意見を述べます。
まず、第一点目ですが、科学委員会及び提案制度、生息地等保護区についてです。
今回の改正案に、種の保存法の指定種を国民から提案する制度が明記されたこと及びその選定を判定する科学委員会が法に位置付けられたことは評価します。ですが、生息地等保護区の設定や保護管理計画の制定は、これまでどおり中央環境審議会の答申を経るという仕組みが残されております。種の指定が科学的な議論を踏まえ目標の三百種指定に至ったとしても、保全の実効性を持たせるための生息地等保護区の指定や保護増殖計画の仕組みがこれまでと変わらなければ、指定だけされて実際の保全の取組が進まないということにはならないのかという懸念が生じています。
これまでも、環境省は最大限の御努力をなされてきたのだと思います。残念ながら、環境省の予算や人員には限りがございます。環境省予算が天井なしに増やせるのであればよいですが、私どもNGOはそれを求めたいのですが、そのようなことは現在の財政状況からは厳しいものと考えています。種の保存に関する予算を確保したためにそのほかの環境保全関係の予算が削減されて、かえって環境保全が進みませんでしたということは、本来許されません。
例えば、種の保存法の指定種であるアユモドキ、これは京都と岡山にしかおりません。開発の危機にさらされるという状況があったところ、現在は、京都府さん、亀岡市さん並びに地元の方々の保全の努力で、ぎりぎりのところで踏みとどまっています。今後、絶滅の危機から脱するために更なる保全活動の推進が必要です。関係の皆様の共通の認識にもなっております。
ただ、自治体の財源には限りがございますので、やはり国の関与というものが必要不可欠になってきています。法律の趣旨を鑑み、やはり環境省に必要不可欠な予算を十分に確保する必要があります。この点については、是非とも国会の皆様方におかれましては、環境省の予算と人員の拡充にも御努力いただきたいというふうに思っております。
それと併せて、生息地等保護区の設定や保護管理計画の立案についても、現場で実際に保全に取り組む自然保護団体等からの提案を受け入れる制度として、国と自然保護団体等や専門家が一体となって保全活動をしていくことも不可欠だと考えます。事実、地域で地道に保全活動を実践されている自然保護団体は数多く存在しています。ですので、生息地等保護区の指定及び保護増殖計画の立案についても、国民からの提案制度を法定化し、その判定を科学委員会において行うようにするべきだと考えます。
生息地等保護区については、環境省が土地所有者との交渉を行った上で、環境大臣の諮問に基づき中環審で答申する形でしか地域指定ができないことが進まない理由の一つでもあります。ですので、例えば、土地所有者や管理者の自発的な意思に基づき環境大臣が指定する認定生息地等保護区のような制度を創設して、保護地域の拡充を図る必要もございます。また、科学委員会には、科学者だけではなく保全団体の関係者を入れて議論を深める必要もあると考えております。
二点目、国際希少動植物の取引についてです。
この点は、先ほど坂元先生の方でお詳しく言っていただいていますのでかなり割愛いたしますが、やはりしっかりとした登録制度と規制制度がセットになる必要があると考えております。
例えば象牙、これは輸入が禁止されているにもかかわらず、現在でも新たな登録が認められているという状況がございます。これは本当にいかがなものかというふうに思います。本来、誰が何を持っており、どこでどう取引されているのか、この製品はどこから来たのかというトレーサビリティーがしっかりと明確になれば、これは犯罪の摘発は容易になり、例えばテロ等準備罪の対象犯罪にせずとも現行犯での取締りが十分できるものになります。この点はしっかりと法規制を強めていただきたいというふうに考えております。
三点目、海洋生物と海のレッドリストについてです。
前回の改正で付された附帯決議十に、レッドリスト掲載を積極的に進めることと書かれましたが、対応が不十分なままに今回の改正に至ったと私どもは考えています。
環境省は、レッドリスト策定に向けて二〇一二年に検討会を開催しています。その中で、レッドリストの選定は、環境省と水産庁がそれぞれ行うこととなりました。今年の三月二十一日公表された水産庁のレッドリストでは、対象となる種の九十四魚類、鯨類のうち、九十三種がランク外、すなわち、絶滅のおそれが考えられない、あるいは評価するに足る情報がないこととされました。
しかし、例えば鯨類を例に取れば、IUCNでは十七種が情報不足とされ、スナメリのように絶滅危惧Ⅱ類に分類されている種もあります。昨年に新種と科学誌に一部掲載された、北海道の漁民に元々カラスと呼ばれていた種についての言及はありません。
ちなみに、鯨類についての日本哺乳類学会の評価、一九九七年の段階ですが、地域個体群を含めると十一種が希少とされ、スジイルカの地域個体群は危急、スナメリの地域個体群には絶滅危惧が懸念されています。日本海域のみ絶滅の危険がないとするのであれば、その根拠を水産庁は明確に示していただきたいと思います。
さらに、国境を広い範囲で移動する大型魚種あるいは大型鯨類については、二国間、多国間の条約等によって既に評価されているとしてリストの選定外になっています。これは、同じように移動性の鳥類が国内レッドリストに含まれていることと矛盾しています。国内においてもレッドリストの評価を科学的に行うべきものと考えます。
以前は、水産庁と環境省との間で覚書があり、それぞれやるというふうなことがあったと聞いております。そういった条件を現状でもそんたくしているのではないかと思われるような結果になっているということであります。
そもそも、今回のレッドリストについては、環境省のレッドリスト、それからIUCNのレッドリスト、水産庁のレッドリストで、例えるならば、警報を発する基準も感度も同じなのに、こちらでは震度五の地震で警報が鳴るのに、こっちでは震度七でも警報が鳴りませんでしたという妙な状況になっています。これでは、レッドリストとしての信頼性にも大きく傷が付くことになります。国際的な評価基準、方法にのっとり評価をし直し、その結果を踏まえ、種の保存法での海域保全の在り方を議論した上での改正が必要だったというふうに考えています。少なくとも、環境省がしっかり水産庁からデータをいただき、環境省主導の下でレッドリストを作るべきだったというふうに考えております。
四点目は、浅海海域についてです。
レッドリストでは絶滅のおそれがあるとされた種の中で、沿岸の浅海域の干潟や砂泥地に生息する種が複数挙げられています。これらはかつて広く分布していましたが、埋立てや干拓、環境悪化で生息の場が失われてきた結果、数を減らしてしまったものです。
残された数少ない干潟や砂泥地を種の保存法の生息地等保護区で守ることができるのか、そういう懸念がございます。なぜならば、こうした場所は権利関係が複雑です。生息地等保護区で規制を掛けることが難しいと考えられるからです。陸域の里地里山に規制を掛けることが難しいのと同様でございます。本法律の改正や他の法令での対応、若しくは新たな法律での対応が必要なのか、更なる検討が必要なものと考えております。
最後に、種の保存法が一九九二年に制定されてから二十五年になります。この間で希少種を取り巻く状況も大きく変化しています。また、自然環境そのものも気候変動などの影響で大きく変化しています。残念ながら、絶滅の危険はなくなっていません。
我々の暮らしの利便性追求と希少種との関係は変化していないと言わざるを得ません。希少種をしっかり守り、生物多様性を保全していくことは、我々の暮らしを守ることと同一です。こうした公共の利益と財産権の尊重との調整は喫緊の課題だと考えています。種の保存法には財産権の尊重が規定されていますが、生物多様性基本法や外来生物法には規定されていません。このことの議論が必要です。
また、絶滅危惧種の保全で最も費用対効果が高いものは、絶滅危惧種をつくらないことです。絶滅危惧種を守るという目的とともに、絶滅危惧種をつくらないという目的も法に加えるべきだと考えています。そのためには、やはり抜本的な改正が必要です。今日の危機的状況を鑑み、できるだけ速やかに抜本的改正が行われるべきであると指摘させていただき、私の意見陳述を終わります。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、貴重な機会を設けていただきまして、委員長を始め理事の皆様、委員会の皆様に感謝申し上げます。
私は、公益財団法人日本自然保護協会で保護室室長をしております辻村千尋と申します。
私が所属しております日本自然保護協会は、尾瀬ケ原のダム建設反対に端を発して設立され、七十年弱の歴史を持つ自然保護NGOでございます。人々に寄り添い、日本の生物多様性を守り、持続可能な社会を未来に引き継いでいきたいと考え、日々活動をしております。
本日は、同じような思いで活動されている自然保護NGOの公益財団法人世界自然保護基金ジャパンさん、公益財団法人日本野鳥の会さん、それからトラフィックさん、イルカ&クジラ・アクション・ネットワークさん、野生生物保全論研究会さんと、それから当協会の六団体を代表して、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律改正案に対して意見を述べたいと思います。
二〇一三年に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、以降は長うございますので種の保存法と略させていただきますが、制定後二十年たって、目的条項に生物の多様性の確保が明記され、罰則も強化され、罰金も大幅に引き上げられるなどの改正が行われました。一方で、当時、附則第七条で施行から三年後の見直しが規定され、十一項目の附帯決議が付けられました。今回の法改正は、これらを受けての改正と認識しています。
今回の種の保存法改正案で、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する専門家による常設の科学委員会の法定を検討したことや、希少野生動植物種等の指定に関して、国民による提案制度の法定を検討したことなど、評価できるものもあると考えています。しかしながら、二〇一三年の改正の際の附帯決議に対して全て対応できているかという観点では、不十分と思われます。そこで、六団体共同で、特に不十分と思われる点を意見書という形式で指摘させていただいたということになります。
本日は、十五分という時間の制約もありますので、絞ってお話をさせていただくとともに、意見書には書かなかった、そもそもなぜ種の保存が必要なのかという基本的事項を含めて意見陳述させていただきます。
資料は二種類お配りしておりますが、その一が意見書、その二が日本の自然の個性を文章にしたものになります。これらを、詳細はお配りした資料に、読んでいただければというふうに思います。
まず、我が国の生物多様性は、世界的視野に立つと、日本全体がホットスポットであるとされています。固有の生き物が多く存在し、そのつながりがあり、かつ絶滅の危機に瀕している状況であると認識されているということです。これはなぜかというところに日本の自然の個性、特異性があります。
今よりも気候が寒冷だった最終氷期に、欧州と北米は大陸氷河に覆われました。その結果、多くの植物が絶滅しています。一方、日本では、高山帯に山岳氷河が発達したのみで、多くの種が生き残りました。その結果、比較して種の多様性が高くなったということが言えます。例えば、東京の高尾山の植物種数は英国一国よりも多いということが分かっています。
また、日本は、同緯度で比較した場合、標高三千メーター程度の場所は世界有数の強風地帯になっています。そのことが、本来の気候環境では森林で覆われてしまうような条件が、森林限界を超えた高山植物地帯を育んでいます。また、世界的に有数の多雪地帯でもあります。このことが、偽高山帯という、標高が低くても高山植物地帯が存在する東北地方の山岳環境の理由になっています。本来の気候条件では森林に覆われるべき日本の自然環境に、元々草原に暮らすイヌワシという生き物が日本では生息できる理由の一つでもあります。
さらに、その後の日本人の自然との持続可能な関わりの中で、里地里山のような環境が維持されてきた結果、日本の生物多様性は世界に誇るべき豊かさを持つに至りました。残念ながら、こうした里地里山は常に開発の危機にさらされております。結果、そこに絶滅危惧種の約半数が集中するという事態が現状でございます。こうした現状を踏まえ、種の保存法改正について意見を述べます。
まず、第一点目ですが、科学委員会及び提案制度、生息地等保護区についてです。
今回の改正案に、種の保存法の指定種を国民から提案する制度が明記されたこと及びその選定を判定する科学委員会が法に位置付けられたことは評価します。ですが、生息地等保護区の設定や保護管理計画の制定は、これまでどおり中央環境審議会の答申を経るという仕組みが残されております。種の指定が科学的な議論を踏まえ目標の三百種指定に至ったとしても、保全の実効性を持たせるための生息地等保護区の指定や保護増殖計画の仕組みがこれまでと変わらなければ、指定だけされて実際の保全の取組が進まないということにはならないのかという懸念が生じています。
これまでも、環境省は最大限の御努力をなされてきたのだと思います。残念ながら、環境省の予算や人員には限りがございます。環境省予算が天井なしに増やせるのであればよいですが、私どもNGOはそれを求めたいのですが、そのようなことは現在の財政状況からは厳しいものと考えています。種の保存に関する予算を確保したためにそのほかの環境保全関係の予算が削減されて、かえって環境保全が進みませんでしたということは、本来許されません。
例えば、種の保存法の指定種であるアユモドキ、これは京都と岡山にしかおりません。開発の危機にさらされるという状況があったところ、現在は、京都府さん、亀岡市さん並びに地元の方々の保全の努力で、ぎりぎりのところで踏みとどまっています。今後、絶滅の危機から脱するために更なる保全活動の推進が必要です。関係の皆様の共通の認識にもなっております。
ただ、自治体の財源には限りがございますので、やはり国の関与というものが必要不可欠になってきています。法律の趣旨を鑑み、やはり環境省に必要不可欠な予算を十分に確保する必要があります。この点については、是非とも国会の皆様方におかれましては、環境省の予算と人員の拡充にも御努力いただきたいというふうに思っております。
それと併せて、生息地等保護区の設定や保護管理計画の立案についても、現場で実際に保全に取り組む自然保護団体等からの提案を受け入れる制度として、国と自然保護団体等や専門家が一体となって保全活動をしていくことも不可欠だと考えます。事実、地域で地道に保全活動を実践されている自然保護団体は数多く存在しています。ですので、生息地等保護区の指定及び保護増殖計画の立案についても、国民からの提案制度を法定化し、その判定を科学委員会において行うようにするべきだと考えます。
生息地等保護区については、環境省が土地所有者との交渉を行った上で、環境大臣の諮問に基づき中環審で答申する形でしか地域指定ができないことが進まない理由の一つでもあります。ですので、例えば、土地所有者や管理者の自発的な意思に基づき環境大臣が指定する認定生息地等保護区のような制度を創設して、保護地域の拡充を図る必要もございます。また、科学委員会には、科学者だけではなく保全団体の関係者を入れて議論を深める必要もあると考えております。
二点目、国際希少動植物の取引についてです。
この点は、先ほど坂元先生の方でお詳しく言っていただいていますのでかなり割愛いたしますが、やはりしっかりとした登録制度と規制制度がセットになる必要があると考えております。
例えば象牙、これは輸入が禁止されているにもかかわらず、現在でも新たな登録が認められているという状況がございます。これは本当にいかがなものかというふうに思います。本来、誰が何を持っており、どこでどう取引されているのか、この製品はどこから来たのかというトレーサビリティーがしっかりと明確になれば、これは犯罪の摘発は容易になり、例えばテロ等準備罪の対象犯罪にせずとも現行犯での取締りが十分できるものになります。この点はしっかりと法規制を強めていただきたいというふうに考えております。
三点目、海洋生物と海のレッドリストについてです。
前回の改正で付された附帯決議十に、レッドリスト掲載を積極的に進めることと書かれましたが、対応が不十分なままに今回の改正に至ったと私どもは考えています。
環境省は、レッドリスト策定に向けて二〇一二年に検討会を開催しています。その中で、レッドリストの選定は、環境省と水産庁がそれぞれ行うこととなりました。今年の三月二十一日公表された水産庁のレッドリストでは、対象となる種の九十四魚類、鯨類のうち、九十三種がランク外、すなわち、絶滅のおそれが考えられない、あるいは評価するに足る情報がないこととされました。
しかし、例えば鯨類を例に取れば、IUCNでは十七種が情報不足とされ、スナメリのように絶滅危惧Ⅱ類に分類されている種もあります。昨年に新種と科学誌に一部掲載された、北海道の漁民に元々カラスと呼ばれていた種についての言及はありません。
ちなみに、鯨類についての日本哺乳類学会の評価、一九九七年の段階ですが、地域個体群を含めると十一種が希少とされ、スジイルカの地域個体群は危急、スナメリの地域個体群には絶滅危惧が懸念されています。日本海域のみ絶滅の危険がないとするのであれば、その根拠を水産庁は明確に示していただきたいと思います。
さらに、国境を広い範囲で移動する大型魚種あるいは大型鯨類については、二国間、多国間の条約等によって既に評価されているとしてリストの選定外になっています。これは、同じように移動性の鳥類が国内レッドリストに含まれていることと矛盾しています。国内においてもレッドリストの評価を科学的に行うべきものと考えます。
以前は、水産庁と環境省との間で覚書があり、それぞれやるというふうなことがあったと聞いております。そういった条件を現状でもそんたくしているのではないかと思われるような結果になっているということであります。
そもそも、今回のレッドリストについては、環境省のレッドリスト、それからIUCNのレッドリスト、水産庁のレッドリストで、例えるならば、警報を発する基準も感度も同じなのに、こちらでは震度五の地震で警報が鳴るのに、こっちでは震度七でも警報が鳴りませんでしたという妙な状況になっています。これでは、レッドリストとしての信頼性にも大きく傷が付くことになります。国際的な評価基準、方法にのっとり評価をし直し、その結果を踏まえ、種の保存法での海域保全の在り方を議論した上での改正が必要だったというふうに考えています。少なくとも、環境省がしっかり水産庁からデータをいただき、環境省主導の下でレッドリストを作るべきだったというふうに考えております。
四点目は、浅海海域についてです。
レッドリストでは絶滅のおそれがあるとされた種の中で、沿岸の浅海域の干潟や砂泥地に生息する種が複数挙げられています。これらはかつて広く分布していましたが、埋立てや干拓、環境悪化で生息の場が失われてきた結果、数を減らしてしまったものです。
残された数少ない干潟や砂泥地を種の保存法の生息地等保護区で守ることができるのか、そういう懸念がございます。なぜならば、こうした場所は権利関係が複雑です。生息地等保護区で規制を掛けることが難しいと考えられるからです。陸域の里地里山に規制を掛けることが難しいのと同様でございます。本法律の改正や他の法令での対応、若しくは新たな法律での対応が必要なのか、更なる検討が必要なものと考えております。
最後に、種の保存法が一九九二年に制定されてから二十五年になります。この間で希少種を取り巻く状況も大きく変化しています。また、自然環境そのものも気候変動などの影響で大きく変化しています。残念ながら、絶滅の危険はなくなっていません。
我々の暮らしの利便性追求と希少種との関係は変化していないと言わざるを得ません。希少種をしっかり守り、生物多様性を保全していくことは、我々の暮らしを守ることと同一です。こうした公共の利益と財産権の尊重との調整は喫緊の課題だと考えています。種の保存法には財産権の尊重が規定されていますが、生物多様性基本法や外来生物法には規定されていません。このことの議論が必要です。
また、絶滅危惧種の保全で最も費用対効果が高いものは、絶滅危惧種をつくらないことです。絶滅危惧種を守るという目的とともに、絶滅危惧種をつくらないという目的も法に加えるべきだと考えています。そのためには、やはり抜本的な改正が必要です。今日の危機的状況を鑑み、できるだけ速やかに抜本的改正が行われるべきであると指摘させていただき、私の意見陳述を終わります。
御清聴ありがとうございました。
森
森まさこ#8
○委員長(森まさこ君) ありがとうございました。
以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
渡
渡辺美知太郎#9
○渡辺美知太郎君 自由民主党の渡辺美知太郎です。
まずは、矢後参考人、坂元参考人、辻村参考人、本日は貴重な御意見賜りました。本当にありがとうございます。
このいわゆる種の保存法は、平成四年に制定をされまして、その後、三回の改正が行われたわけでありますが、今までの改正というのは国際希少野生動植物種の国内流通に関する制度の改定がほとんどだったと思います。今回は、国際希少野生動植物種だけではなくて国内希少野生動植物種に関する改正が入っておりまして、そこが大きな改正点の一つであるかなと思っております。
本法案では、特定第二種国内希少野生動植物種の制度の新設が提案をされておりまして、まず矢後参考人と辻村参考人に伺いたいんですが、今現在、実際の保全活動や環境教育、調査研究などの現場で捕獲等及び譲渡しなどの規制が活動の支障となっているような具体的な事例があれば是非とも御紹介いただきたいと思っておりますし、また、そうした状況も踏まえた上で、今回提案をされている特定第二種のこの制度の新設に対する評価を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →まずは、矢後参考人、坂元参考人、辻村参考人、本日は貴重な御意見賜りました。本当にありがとうございます。
このいわゆる種の保存法は、平成四年に制定をされまして、その後、三回の改正が行われたわけでありますが、今までの改正というのは国際希少野生動植物種の国内流通に関する制度の改定がほとんどだったと思います。今回は、国際希少野生動植物種だけではなくて国内希少野生動植物種に関する改正が入っておりまして、そこが大きな改正点の一つであるかなと思っております。
本法案では、特定第二種国内希少野生動植物種の制度の新設が提案をされておりまして、まず矢後参考人と辻村参考人に伺いたいんですが、今現在、実際の保全活動や環境教育、調査研究などの現場で捕獲等及び譲渡しなどの規制が活動の支障となっているような具体的な事例があれば是非とも御紹介いただきたいと思っておりますし、また、そうした状況も踏まえた上で、今回提案をされている特定第二種のこの制度の新設に対する評価を伺いたいと思います。
森
渡
矢
矢後勝也#12
○参考人(矢後勝也君) 意見述べさせていただきたいと思います。
まず、捕獲等、譲渡等の規制が活動に支障となっているという点につきましては、先ほども述べさせていただきましたけれども、まず環境への関心育成に支障が出る場合というのが十分考えられる。先ほどもノーベル賞受賞者の話をしましたけれども、子供の頃からそういった科学する心というのを虫から学ぶという機会は非常に多いわけです。それに当たって、その採集行為というのがもう全部全て悪というふうに見られてしまうとやはり大きな支障になるし、実際そういうトラブルも少しずつ出てきているような現状であります。
また、実際、その標本について、例えば標本そのものが、はいとあげる、要するに、標本、国内希少野生動植物種をそのままお渡しする、誰か例えばこれから研究を担っていく人とか、そういう子供たちとかに教育のために引き渡すということも今現状ではできなくて、今は公共機関に寄贈するかあるいは廃棄するしかないんですね、そういった標本を。
実際、私たち公共機関でも、収蔵庫があれば幾らでも受け入れられるんですけれども、収蔵庫の限界があって、やはり同じ種ばかり受けられるほどの収蔵庫に余裕はない。その点で、収蔵庫が本当にあれば、例えば今東京オリンピックでいろいろ議論もありますけれども、レガシーという点では、まさにそういった標本の遺産というものをきちんと考えて、その収蔵庫の拡充というのは非常に重要になるし、そうでなくてもその辺りの採集しても大丈夫なような状況をつくる第二種の指定というのは非常に考えられる状況だろうというふうに思っています。
もう一つが、そういった状況も踏まえた上で、その新設に対する評価ということなんですが、本当にそういう意味ではすばらしい点なんですが、本当の意味での効果的な活用というのはやはり人と予算の確保というのが重要になります。これはいわゆる現状の国内希少野生動植物種についても言えることでして、やはりその辺りの、例えば里地里山の希少種に関していえば、その生息地管理、環境の管理というのに膨大な人員と費用はやっぱりそこに投入しなければいけない、そういうのがなかなか今はできない現状になっているところがあり、問題点かなというふうに思っております。
この発言だけを見る →まず、捕獲等、譲渡等の規制が活動に支障となっているという点につきましては、先ほども述べさせていただきましたけれども、まず環境への関心育成に支障が出る場合というのが十分考えられる。先ほどもノーベル賞受賞者の話をしましたけれども、子供の頃からそういった科学する心というのを虫から学ぶという機会は非常に多いわけです。それに当たって、その採集行為というのがもう全部全て悪というふうに見られてしまうとやはり大きな支障になるし、実際そういうトラブルも少しずつ出てきているような現状であります。
また、実際、その標本について、例えば標本そのものが、はいとあげる、要するに、標本、国内希少野生動植物種をそのままお渡しする、誰か例えばこれから研究を担っていく人とか、そういう子供たちとかに教育のために引き渡すということも今現状ではできなくて、今は公共機関に寄贈するかあるいは廃棄するしかないんですね、そういった標本を。
実際、私たち公共機関でも、収蔵庫があれば幾らでも受け入れられるんですけれども、収蔵庫の限界があって、やはり同じ種ばかり受けられるほどの収蔵庫に余裕はない。その点で、収蔵庫が本当にあれば、例えば今東京オリンピックでいろいろ議論もありますけれども、レガシーという点では、まさにそういった標本の遺産というものをきちんと考えて、その収蔵庫の拡充というのは非常に重要になるし、そうでなくてもその辺りの採集しても大丈夫なような状況をつくる第二種の指定というのは非常に考えられる状況だろうというふうに思っています。
もう一つが、そういった状況も踏まえた上で、その新設に対する評価ということなんですが、本当にそういう意味ではすばらしい点なんですが、本当の意味での効果的な活用というのはやはり人と予算の確保というのが重要になります。これはいわゆる現状の国内希少野生動植物種についても言えることでして、やはりその辺りの、例えば里地里山の希少種に関していえば、その生息地管理、環境の管理というのに膨大な人員と費用はやっぱりそこに投入しなければいけない、そういうのがなかなか今はできない現状になっているところがあり、問題点かなというふうに思っております。
辻
辻村千尋#13
○参考人(辻村千尋君) 御質問ありがとうございます。
まず、その保全の現場で捕獲規制がバッティングする事例があるのかというのは、そんなに多くは私どもは逆に知りませんというのが結果です。どちらかといえば、捕獲というものが教育的なものであったり自然観察のような場面であれば事前にしっかりと許可を取っておけば今でもできる行為ではあるというふうには考えているので、それよりも逆にマイナスの面の方が怖いというふうに考えています。
例えば、販売若しくは購入、頒布の目的以外というところの線引きが、実際に怪しい行為を見付けたときに、これは教育活動のために捕っているのであるというふうに言い逃れられた場合に規制が事実上掛からないということが起きかねないのではないかというふうに考えていますので、この辺はやはり生息地等保護区の設定を進めるということとセットでなければいけないというふうに考えています。
もう一つは、先ほどの標本の問題は、今朝のNHKのニュースでも、博物館の予算が削減されて本当に修復ができないみたいな話がニュースに上がっていたので、この点については矢後先生と同様で、やはりしっかりとした予算と人材の確保というのを国として進めていくべきではないかなというふうに考えます。
この発言だけを見る →まず、その保全の現場で捕獲規制がバッティングする事例があるのかというのは、そんなに多くは私どもは逆に知りませんというのが結果です。どちらかといえば、捕獲というものが教育的なものであったり自然観察のような場面であれば事前にしっかりと許可を取っておけば今でもできる行為ではあるというふうには考えているので、それよりも逆にマイナスの面の方が怖いというふうに考えています。
例えば、販売若しくは購入、頒布の目的以外というところの線引きが、実際に怪しい行為を見付けたときに、これは教育活動のために捕っているのであるというふうに言い逃れられた場合に規制が事実上掛からないということが起きかねないのではないかというふうに考えていますので、この辺はやはり生息地等保護区の設定を進めるということとセットでなければいけないというふうに考えています。
もう一つは、先ほどの標本の問題は、今朝のNHKのニュースでも、博物館の予算が削減されて本当に修復ができないみたいな話がニュースに上がっていたので、この点については矢後先生と同様で、やはりしっかりとした予算と人材の確保というのを国として進めていくべきではないかなというふうに考えます。
渡
渡辺美知太郎#14
○渡辺美知太郎君 では、次に坂元参考人に伺いたいんですけど、象牙の取引についてなんですけど、国内における象牙取引、これは一つの認識ではあるんですけど、我が国の象牙というのは輸入が禁止される前のものが大半、ほとんどであるという認識はあるんですけれども、もし我が国における象牙の密輸ロンダリングであったりとか違法な象牙取引があるとするのであれば、坂元参考人が把握をされている範囲でよろしいんですけれども、密輸あるいは違法な象牙取引がどのぐらい行われているかというのと、もし英仏などと同じような規制をしいた場合に、象牙の取引、この大幅な規制強化によって市場経済にどのような影響があるのか、お答えできる範囲で結構でございますので、お願いします。
この発言だけを見る →坂
坂元雅行#15
○参考人(坂元雅行君) 御質問ありがとうございます。
まず、後の方の御質問からお答えしたいと思いますけれども、英仏のような厳しい国内取引規制をしいた場合に日本の市場経済にどのような影響を与えるかにつきましては、私は非常に軽微なものであろうと考えております。
日本の象牙、未加工象牙の約八割は判こに加工されていると言われております。つまり、主要製品は判こなんですね。判こにつきましては、もう御承知のとおり、現在でもその素材は非常に多様でありまして、ツゲなどの木、それから家畜である牛や水牛などの角、それからめのうですとか水晶ですとか様々な宝石印、最近ではチタンが非常に人気であります。このように非常に多様化しております。ですので、この象牙の印鑑の流通が仮に途絶えたとしましても、卸売業、小売業にはほぼ打撃はないのだろうと思っておりますし、製造業者ですね、象牙のストックを持っている製造業者はほんの一握りですので、それも影響としては非常に軽微であろうと考えております。
最初の御質問ですけれども、日本に入ってくる密輸象牙、これはまさに密輸ですのでその実態が分からないということになります。ただ、実際に私どもが調査をしたところ、これは税関に対して情報公開請求を掛けまして、郵便物に象牙を紛れさせて密輸されたものをどのぐらい発見したかということを調べました。そうしますと、やっぱり毎年定期的にそういった郵便物が到達しておりまして、特に一昨年、アフリカのジンバブエ、ナイジェリアといった国々からもう毎月のように象牙が入った郵便物が送られてきておりました。これはやはり継続的で組織的な密輸の一環なのかなと思っております。
最近、この国際郵便物を使った密輸の手口というのは非常に問題になっておりまして、大量の象牙が押収されることが相次いだものですから、密輸を行う者が発覚のリスクを減らすためにこういった国際郵便物を使うことが多くなっているようです。中国なども、郵政省が積極的にその対策に乗り出していると聞いております。
この発言だけを見る →まず、後の方の御質問からお答えしたいと思いますけれども、英仏のような厳しい国内取引規制をしいた場合に日本の市場経済にどのような影響を与えるかにつきましては、私は非常に軽微なものであろうと考えております。
日本の象牙、未加工象牙の約八割は判こに加工されていると言われております。つまり、主要製品は判こなんですね。判こにつきましては、もう御承知のとおり、現在でもその素材は非常に多様でありまして、ツゲなどの木、それから家畜である牛や水牛などの角、それからめのうですとか水晶ですとか様々な宝石印、最近ではチタンが非常に人気であります。このように非常に多様化しております。ですので、この象牙の印鑑の流通が仮に途絶えたとしましても、卸売業、小売業にはほぼ打撃はないのだろうと思っておりますし、製造業者ですね、象牙のストックを持っている製造業者はほんの一握りですので、それも影響としては非常に軽微であろうと考えております。
最初の御質問ですけれども、日本に入ってくる密輸象牙、これはまさに密輸ですのでその実態が分からないということになります。ただ、実際に私どもが調査をしたところ、これは税関に対して情報公開請求を掛けまして、郵便物に象牙を紛れさせて密輸されたものをどのぐらい発見したかということを調べました。そうしますと、やっぱり毎年定期的にそういった郵便物が到達しておりまして、特に一昨年、アフリカのジンバブエ、ナイジェリアといった国々からもう毎月のように象牙が入った郵便物が送られてきておりました。これはやはり継続的で組織的な密輸の一環なのかなと思っております。
最近、この国際郵便物を使った密輸の手口というのは非常に問題になっておりまして、大量の象牙が押収されることが相次いだものですから、密輸を行う者が発覚のリスクを減らすためにこういった国際郵便物を使うことが多くなっているようです。中国なども、郵政省が積極的にその対策に乗り出していると聞いております。
渡
渡辺美知太郎#16
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。
では、続きまして、矢後参考人に動物園についてちょっと伺いたいなと思っています。
今回の改正案に動植物園等の認定制度含まれておりますが、国内の動物園、植物園、水族館の施設はいわゆる希少野生動植物種の生息域外保全の取組が進められているとは思うんですが、矢後参考人に、この希少種の保全に当たって動植物園などがどのような役割を担っているかお伺いしたいとともに、今回提案をされている認定制度について御評価を伺いたいと思っております。
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今回の改正案に動植物園等の認定制度含まれておりますが、国内の動物園、植物園、水族館の施設はいわゆる希少野生動植物種の生息域外保全の取組が進められているとは思うんですが、矢後参考人に、この希少種の保全に当たって動植物園などがどのような役割を担っているかお伺いしたいとともに、今回提案をされている認定制度について御評価を伺いたいと思っております。
矢
矢後勝也#17
○参考人(矢後勝也君) 昆虫、特に、先ほども紹介しましたツシマウラボシシジミというチョウですとかオガサワラシジミといったチョウでは、動物園や昆虫園と我々専門家が共同で既に域外保全の取組を行っています。具体的には、累代飼育の確立ですとかあるいは系統保存というところで非常に重要な役割を担っております。また、生態展示というのを動物園、昆虫園で行うことで、一般にも保全の取組、仕組みというものを広く知っていただく機能も果たしていると考えます。
本制度の新設に当たって、このような取組に更なる拡充、拡大していく非常に良い機会になるのではないかと考えております。
この発言だけを見る →本制度の新設に当たって、このような取組に更なる拡充、拡大していく非常に良い機会になるのではないかと考えております。
渡
渡辺美知太郎#18
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。
今回のこの動物園の認定なんですけど、今回の取組はあくまでも動植物園の自主性に委ねられているということでありまして、動物園の希少種の保全に関する取組、これを例えば更に推進していくためには、今回の法改正に加えてどのような支援が必要であるか、矢後参考人のちょっと御意見も賜りたいんですけれども。
この発言だけを見る →今回のこの動物園の認定なんですけど、今回の取組はあくまでも動植物園の自主性に委ねられているということでありまして、動物園の希少種の保全に関する取組、これを例えば更に推進していくためには、今回の法改正に加えてどのような支援が必要であるか、矢後参考人のちょっと御意見も賜りたいんですけれども。
矢
矢後勝也#19
○参考人(矢後勝也君) 動物園ですとか昆虫園の現状を目の前で見ておりますけれども、やはり人員と予算というのが非常に厳しい状況になっております。そういったものをやはり確保、担保するということが重要であるとともに、更なる専門家との連携というのも重要ですし、実際そういう保全を行っているということを社会的評価としてきちんと、動物園、昆虫園というのが保全に重要な役割を果たしているんだという社会的認知というのが大事になってくるのではないかと思います。
この発言だけを見る →渡
渡辺美知太郎#20
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。
辻村参考人に伺いたいんですけど、辻村参考人の場合は国内外共に精通されていると思うので、今ちょっと私が坂元参考人と矢後参考人にお尋ねした象牙の問題あるいは動物園の問題で、もしお答えできる範囲があれば是非とも御意見を賜りたいんですけれども、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →辻村参考人に伺いたいんですけど、辻村参考人の場合は国内外共に精通されていると思うので、今ちょっと私が坂元参考人と矢後参考人にお尋ねした象牙の問題あるいは動物園の問題で、もしお答えできる範囲があれば是非とも御意見を賜りたいんですけれども、いかがでしょうか。
辻
辻村千尋#21
○参考人(辻村千尋君) ありがとうございます。
私、象牙の取引に関しては、もう本当に必須条件としては、市場を閉めるということが最も効果的だと考えているのが一つと、それから動物園、植物園に関しては、やはりきちっと動物園法みたいなものなどを作って業法としても位置付けていくことが必要なのではないかなというふうに考えております。
この発言だけを見る →私、象牙の取引に関しては、もう本当に必須条件としては、市場を閉めるということが最も効果的だと考えているのが一つと、それから動物園、植物園に関しては、やはりきちっと動物園法みたいなものなどを作って業法としても位置付けていくことが必要なのではないかなというふうに考えております。
渡
浜
浜野喜史#23
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。今日はどうもありがとうございます。
まず、矢後参考人にお伺いをしたいと思います。標本譲渡の制限の関係についてお伺いをしたいと思います。
アマチュア研究者の研究教育活動の妨げになっている、過去の貴重な標本が市場を移るおそれがある、その上に立って、何らかの法的対応措置及び標本が収納できる博物館等の収蔵庫の充実が必要であるということを先ほど来から強調しておられます。
この中で、何らかの法的対応措置ということは今回の法改正である程度カバーできているというふうな御認識なのか、いやいやそうじゃない、更なる法的な対応措置が必要なのだという御提言なのか、そこを御説明いただきたいのと、収蔵庫の充実というのは、私も全く素人ですので想像ですけれども、そんなに大きな多額の予算を要するものではないのかなというふうにも認識するんですけれども、それが進まない事情をどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →まず、矢後参考人にお伺いをしたいと思います。標本譲渡の制限の関係についてお伺いをしたいと思います。
アマチュア研究者の研究教育活動の妨げになっている、過去の貴重な標本が市場を移るおそれがある、その上に立って、何らかの法的対応措置及び標本が収納できる博物館等の収蔵庫の充実が必要であるということを先ほど来から強調しておられます。
この中で、何らかの法的対応措置ということは今回の法改正である程度カバーできているというふうな御認識なのか、いやいやそうじゃない、更なる法的な対応措置が必要なのだという御提言なのか、そこを御説明いただきたいのと、収蔵庫の充実というのは、私も全く素人ですので想像ですけれども、そんなに大きな多額の予算を要するものではないのかなというふうにも認識するんですけれども、それが進まない事情をどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
矢
矢後勝也#24
○参考人(矢後勝也君) まず、標本譲渡に関してこれで満たされているかどうか、そこの部分に関していえばということなのですが、今後、特定第二種の指定に当たってそこの部分には関わってこないので、この点については問題ないかと思っております。ただ、唯一課題が残っているとすれば、現状の国内希少野生動植物種のそれ以前の、指定する以前のものというものも規制が掛かってきているので、その点については、これはここの改正案には、改正というよりも、この中には、今回はそこの改正とはちょっと関わっていないところなので、そこの部分については何らかの対応が必要になってくるかなというふうに思っております。
標本について、その収蔵庫、おっしゃるとおりそんな膨大な金額ではないし、むしろその収蔵庫をつくることによってどれだけ日本のこれまでの財産がそこに収められるかと、これ非常に大事な問題なんです。今、日本の博物館、収蔵庫、本当に深刻な問題になっておりまして、現実、収蔵庫に収められなくて貴重な大事な資料というものが海外に流出しているような状況になっています。このままではやはりちょっと問題であるというのと、今後、生物多様性条約の発効、名古屋議定書ABS問題というのがあるんですが、それに伴って、今後、例えば今日本にある標本もそうですし、海外から今まで入っていた大事な貴重な標本類というのも今収蔵庫で受け入れられなくなっているんですね。そういったものもきちんと収められるような予算の確保というのは非常に大事であるというふうに考えていただけるとうれしいです。
以上です。
この発言だけを見る →標本について、その収蔵庫、おっしゃるとおりそんな膨大な金額ではないし、むしろその収蔵庫をつくることによってどれだけ日本のこれまでの財産がそこに収められるかと、これ非常に大事な問題なんです。今、日本の博物館、収蔵庫、本当に深刻な問題になっておりまして、現実、収蔵庫に収められなくて貴重な大事な資料というものが海外に流出しているような状況になっています。このままではやはりちょっと問題であるというのと、今後、生物多様性条約の発効、名古屋議定書ABS問題というのがあるんですが、それに伴って、今後、例えば今日本にある標本もそうですし、海外から今まで入っていた大事な貴重な標本類というのも今収蔵庫で受け入れられなくなっているんですね。そういったものもきちんと収められるような予算の確保というのは非常に大事であるというふうに考えていただけるとうれしいです。
以上です。
浜
浜野喜史#25
○浜野喜史君 ありがとうございました。
次に、坂元参考人に、象牙取引の関係、お伺いをしたいと思います。
今回の法改正、全く不十分であるという御主張だったかというふうに理解をいたしました。御提案としては、第一に、規制対象を象牙全般に広げる、二つ目に、例外的に取引できる品目を厳正に絞り込む、三つ目に、登録を許す品目ごとに登録の要件を定める、四つ目に、しっかりとしたその鑑定を行うという御提案でございます。
ある程度は今回の法改正でこの趣旨は不十分ながらも反映されているのかなというふうには私は理解するんですけれども、改めて見解をお伺いしたいのと、こういう御提案に沿うような対応がなされないというその事情をどのように坂元参考人は分析されておられるのか、御見解をお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →次に、坂元参考人に、象牙取引の関係、お伺いをしたいと思います。
今回の法改正、全く不十分であるという御主張だったかというふうに理解をいたしました。御提案としては、第一に、規制対象を象牙全般に広げる、二つ目に、例外的に取引できる品目を厳正に絞り込む、三つ目に、登録を許す品目ごとに登録の要件を定める、四つ目に、しっかりとしたその鑑定を行うという御提案でございます。
ある程度は今回の法改正でこの趣旨は不十分ながらも反映されているのかなというふうには私は理解するんですけれども、改めて見解をお伺いしたいのと、こういう御提案に沿うような対応がなされないというその事情をどのように坂元参考人は分析されておられるのか、御見解をお伺いできればと思います。
坂
坂元雅行#26
○参考人(坂元雅行君) 私が提案した点が今回の改正法案で反映されていないということは、これは実はかなりクリアなことでして、種の保存法が定める国内取引管理の仕組み、これは大きく三つの柱から成っておりまして、一つ目は、一つ一つの対象の取引を規制する、国内取引規制ですね、登録制度を使って登録していない者の取引を禁止すると、これが一つ目です。二つ目は、象牙を取り扱う業者の監督制度ですね。そして、三つ目の柱は、一定の製品に対してこれは合法に入手されたものから作ったものですよと製品を認定する制度、これは今回の改正の対象にはなっておりません。
私が提案いたしましたのは、まず、この第一の国内取引規制、これに手を加えなければいけないよと。条約の決議が言っているのもそれですし、各国が対応しているのもまさにその話なんですね。ところが、今回の改正は専ら第二の象牙取扱業者の監督制度の強化のみに絞っておりますので、今回の提案は残念ながら反映されていないということになります。
なぜそうなってしまったかということは、もちろんこれは政府の考えを臆測するしかないわけでありますが、基本的には、環境大臣の衆議院本会議の御答弁にもありましたように、日本はこの条約決議の言う市場閉鎖の対象ではないという見解を前提とされております。つまり、市場を維持して、現在の製造や販売には制約を加えずそのままにする、ただ、それを取り扱う業者は自ら適正に業務を行うようにもっとしっかりしてください、そこをやろうと、そういう御趣旨なんだろうなと思っております。
この発言だけを見る →私が提案いたしましたのは、まず、この第一の国内取引規制、これに手を加えなければいけないよと。条約の決議が言っているのもそれですし、各国が対応しているのもまさにその話なんですね。ところが、今回の改正は専ら第二の象牙取扱業者の監督制度の強化のみに絞っておりますので、今回の提案は残念ながら反映されていないということになります。
なぜそうなってしまったかということは、もちろんこれは政府の考えを臆測するしかないわけでありますが、基本的には、環境大臣の衆議院本会議の御答弁にもありましたように、日本はこの条約決議の言う市場閉鎖の対象ではないという見解を前提とされております。つまり、市場を維持して、現在の製造や販売には制約を加えずそのままにする、ただ、それを取り扱う業者は自ら適正に業務を行うようにもっとしっかりしてください、そこをやろうと、そういう御趣旨なんだろうなと思っております。
浜
浜野喜史#27
○浜野喜史君 ありがとうございました。
辻村参考人に次にお伺いをいたします。
今日配付されております意見書を見させていただき、さらに先ほどの御意見お伺いをいたしまして、この種の保全とか環境保全と財産権との関係がどうしても出てくる、それについて問題意識を持っておられるんではなかろうかなというふうに私なりに理解をしたんですけれども、種の保全、環境保全と財産権との関係、この整合をしっかり保っていく上において、何らかの御見解、それと、こういう施策をやったらどうだというような御提案があればお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →辻村参考人に次にお伺いをいたします。
今日配付されております意見書を見させていただき、さらに先ほどの御意見お伺いをいたしまして、この種の保全とか環境保全と財産権との関係がどうしても出てくる、それについて問題意識を持っておられるんではなかろうかなというふうに私なりに理解をしたんですけれども、種の保全、環境保全と財産権との関係、この整合をしっかり保っていく上において、何らかの御見解、それと、こういう施策をやったらどうだというような御提案があればお伺いをしたいと思います。
辻
辻村千尋#28
○参考人(辻村千尋君) 御質問ありがとうございます。
財産権の尊重というのはもう憲法にも位置付けられている基本的な権利でございますので、尊重するのは当然のことだというふうには思います。
ただ、結果、じゃ、種の保全に関して一体どういう事態が生まれてきたのかというふうに考えてみますと、希少な野生動植物が生息しているような場所、里地里山のようなところが、開発計画が持ち上がったときに、結果的にそれは土地所有者の意思の尊重、土地所有者の持つ財産権の尊重が優先され、種の保全が優先されなかったという過去のこれまでのいろんな経験がある。
だから、それを鑑みたときに、我々は生物多様性を守っていきましょうという基本法も持っているわけですから、そういう生物多様性というのを保全するという公共の利益と、それから個人の持つ財産の尊重という部分をどういうふうに折り合いを付けていくのか、この議論というのが実は今余りなされてきていなかったのではないかというふうに考えますので、まずはそこの議論を始めるべきであろうというふうに思います。
それから、個人的な意見にはなりますけれども、憲法に位置付けられている基本的な権利でございますので、わざわざ種の保存法に位置付ける必要性もないのではないかというふうに考えているところもございます。
この発言だけを見る →財産権の尊重というのはもう憲法にも位置付けられている基本的な権利でございますので、尊重するのは当然のことだというふうには思います。
ただ、結果、じゃ、種の保全に関して一体どういう事態が生まれてきたのかというふうに考えてみますと、希少な野生動植物が生息しているような場所、里地里山のようなところが、開発計画が持ち上がったときに、結果的にそれは土地所有者の意思の尊重、土地所有者の持つ財産権の尊重が優先され、種の保全が優先されなかったという過去のこれまでのいろんな経験がある。
だから、それを鑑みたときに、我々は生物多様性を守っていきましょうという基本法も持っているわけですから、そういう生物多様性というのを保全するという公共の利益と、それから個人の持つ財産の尊重という部分をどういうふうに折り合いを付けていくのか、この議論というのが実は今余りなされてきていなかったのではないかというふうに考えますので、まずはそこの議論を始めるべきであろうというふうに思います。
それから、個人的な意見にはなりますけれども、憲法に位置付けられている基本的な権利でございますので、わざわざ種の保存法に位置付ける必要性もないのではないかというふうに考えているところもございます。
浜
浜野喜史#29
○浜野喜史君 ありがとうございました。
もう一問、辻村参考人にお伺いしたいんですけれども、海洋生物の保全といいますか、について問題提起を強くされておられるように理解をいたしました。
海洋生物のうち、内海の保護について御見解をお伺いしたいんですけれども、私、兵庫県出身でございまして、兵庫県は、春はイカナゴのくぎ煮のシーズンになるところでございます。今年は不漁で、姫路の漁協も恒例のいかなご祭りを中止したということのようでございます。
先ほども、沿岸の干潟であるとか砂泥地の保護の重要性を指摘をされておられましたけれども、この内海の海洋生物の保護について御見解があればお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →もう一問、辻村参考人にお伺いしたいんですけれども、海洋生物の保全といいますか、について問題提起を強くされておられるように理解をいたしました。
海洋生物のうち、内海の保護について御見解をお伺いしたいんですけれども、私、兵庫県出身でございまして、兵庫県は、春はイカナゴのくぎ煮のシーズンになるところでございます。今年は不漁で、姫路の漁協も恒例のいかなご祭りを中止したということのようでございます。
先ほども、沿岸の干潟であるとか砂泥地の保護の重要性を指摘をされておられましたけれども、この内海の海洋生物の保護について御見解があればお伺いしたいと思います。