経済産業委員会

2017-12-01 衆議院 全195発言

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会議録情報#0
平成二十九年十二月一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 稲津  久君
   理事 城内  実君 理事 平  将明君
   理事 辻  清人君 理事 冨樫 博之君
   理事 吉川 貴盛君 理事 落合 貴之君
   理事 田嶋  要君 理事 富田 茂之君
      穴見 陽一君    石川 昭政君
      泉田 裕彦君    上野 宏史君
      尾身 朝子君    大串 正樹君
      大見  正君    岡下 昌平君
      勝俣 孝明君    神山 佐市君
      神田  裕君    国光あやの君
      小寺 裕雄君    小林 鷹之君
      國場幸之助君    佐々木 紀君
      佐藤ゆかり君    田畑  毅君
      穂坂  泰君    星野 剛士君
      松本 洋平君    三浦  靖君
      三原 朝彦君    八木 哲也君
      中谷 一馬君    松平 浩一君
      山崎  誠君    浅野  哲君
      吉良 州司君    斉木 武志君
      山岡 達丸君    太田 昌孝君
      國重  徹君    菊田真紀子君
      笠井  亮君    谷畑  孝君
    …………………………………
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   経済産業大臣政務官    大串 正樹君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局参事官)            井藤 英樹君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    福島  洋君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中石 斉孝君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           木村  聡君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中川  勉君
   政府参考人
   (経済産業省産業技術環境局長)          末松 広行君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局長)            多田 明弘君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局長)          寺澤 達也君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁次長) 保坂  伸君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            高科  淳君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        小野 洋太君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (特許庁長官)      宗像 直子君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    安藤 久佳君
   政府参考人
   (原子力規制庁原子力規制技監)          櫻田 道夫君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房審議官)          片岡  洋君
   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月一日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     小寺 裕雄君
  神田  裕君     泉田 裕彦君
  八木 哲也君     三浦  靖君
  國重  徹君     太田 昌孝君
同日
 辞任         補欠選任
  泉田 裕彦君     国光あやの君
  小寺 裕雄君     神山 佐市君
  三浦  靖君     八木 哲也君
  太田 昌孝君     國重  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  国光あやの君     神田  裕君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 経済産業の基本施策に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
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稲津久#1
○稲津委員長 これより会議を開きます。
 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局参事官井藤英樹君、経済産業省技術総括・保安審議官福島洋君、経済産業省大臣官房審議官中石斉孝君、経済産業省大臣官房審議官木村聡君、経済産業省大臣官房審議官中川勉君、経済産業省産業技術環境局長末松広行君、経済産業省製造産業局長多田明弘君、経済産業省商務情報政策局長寺澤達也君、資源エネルギー庁次長保坂伸君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長高科淳君、資源エネルギー庁資源・燃料部長小野洋太君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、特許庁長官宗像直子君、中小企業庁長官安藤久佳君、原子力規制庁原子力規制技監櫻田道夫君及び原子力規制庁長官官房審議官片岡洋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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稲津久#2
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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稲津久#3
○稲津委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。城内実君。
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城内実#4
○城内委員 自由民主党の城内実でございます。
 吉川筆頭理事のもと、自民党会派の理事を拝命いたしました。今後とも、稲津委員長初め与野党の委員各位の御指導、御鞭撻のもと頑張ってまいる所存でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 本日は、先般の世耕弘成経済産業大臣の所信的挨拶に関連する質問もさせていただきたいと思いますが、本題に入る前に、世耕大臣が、経済産業大臣だけでなく、産業競争力担当大臣、ロシア経済分野協力担当大臣、原子力経済被害担当大臣、原子力損害賠償及び廃炉等支援機構の内閣府担当大臣をされていることに、改めて敬意を表したいと思います。
 一人で五役という超人的な仕事をこなしていらっしゃるわけでありますので、また、海外出張も多いでしょうから、どうか、国家国民のために今後とも御自愛ください。
 それでは本題に入らせていただきたいと思います。
 名目GDPが過去最高となるなど、多くの経済指標が示すとおり、我が国の経済は、安倍内閣のアベノミクスによって確実に回復しております。このアベノミクスをさらにより確かなものにしていく上で目下最大の課題は、生産性革命と人づくり革命、これらを車の両輪として推し進めることであります。
 そのための政策パッケージの策定が現在進められていると伺っておりますが、やはり、その中で経済産業省がどのような施策を打ち出していくか、これが極めて重要であることは言うまでもございません。
 私は自民党の経済産業部会長として、今後とも野党の皆様のさまざまな御意見や各種団体の生の声もしっかり拝聴し、参考にさせていただきながら、我が国の経済産業政策に党の経済産業部会長として貢献していく考えであります。
 そこで、世耕大臣にお伺いしたいことがございます。
 生産性革命と人づくり革命を進めるため、経済産業省としてどのように取り組み、政府全体の施策に打ち込んでいくのか。マルチプレーヤーでいらっしゃる世耕大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
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世耕弘成#5
○世耕国務大臣 ありがとうございます。
 今御指摘の生産性革命と人づくり革命に関しては、第四次安倍内閣が発足するときの初めての閣議で総理の方から、生産性革命の実現に向けて、二〇二〇年までの三年間を生産性革命・集中投資期間と位置づけて、大胆な税制、予算、規制改革などあらゆる施策を総動員して、中小・小規模事業者も含めて、企業による設備や人材への投資を力強く促すようにという指示をいただいたところであります。
 この指示を受けて、まさに経済産業省というのは、生産性革命、そして人づくり革命の両方にまたがる仕事をやっているその担当閣僚として、まず一つは、企業による人材や設備への力強い投資を促すために、賃上げですとか、あるいは設備投資に積極的な企業に対して、しっかりと国際競争において十分に戦える税その他の環境の整備を進めるということ、そしてもう一点は、逆に、赤字など非常に厳しい経営環境の中でも、中小・小規模事業者の設備投資をしっかりと後押ししていくために、生産性向上のためのロボットやITツールなどの導入支援を、これも予算、税制で大胆に支援をしていくという点、そして三つ目は、日本企業は国内で競争し過ぎな面がありますから、協調領域などをしっかり決めて、そしてそういったところでは、データを企業を超えて共有をしていく仕組みなど、これまで進めてまいりましたコネクテッド・インダストリーズのさらなる具体化をしっかりと図っていきたいと思いますし、また、イノベーションの担い手になる有望なベンチャーに関しては、リスクマネーの供給ですとか、あるいは突出した人材を確保しやすくするとか、そういった支援策も集中投入していきたいと思います。
 さらに、人づくりという意味では、リカレント教育ですとか、あるいは兼業、副業の推進など、第四次産業革命に対応した人材の育成、活用にも取り組みたいと思っています。
 最後に、人の生産性について偉そうなことを言っているんですが、実は、企業の生産性の結構足を引っ張っているのは私は行政だと思っています。行政の手続が本当に面倒くさい。行政と仕事をすると、例えばテレビ会議もできないし、一々役所に足を運ばなきゃいけない。そういうことが結構ベンチャーの人たちを中心に言われております。ここを、まず隗より始めよということで改革をしたい。
 行政手続のデジタル化ですとか、あるいは、同じ情報についての、何度も入力をするようなことを求めない。これはワンスオンリーといいますが、これをしっかり実現していく。あるいは、役所が持っているデータは結構宝の山でありますから、こういう公共データをしっかりオープンにしていくというようなことも進めていきたいと思います。
 政府全体のシステムを統合的に変えるといったらまたいろいろと時間がかかりますので、それはそれでしっかりと我々も提言をしてやっていきますけれども、まず経産省単独でできることということで、中小企業向けの補助金申請、これは物すごい、年間何万という数があるわけですけれども、こういった手続から今申し上げたデジタル化、ワンスオンリー化を進めて、まさに、企業の生産性向上に役所としてもしっかり貢献をしていくということもやっていきたいと思います。
 こういった課題を中心に、新たな経済政策パッケージを十二月上旬に策定するべく、しっかりと貢献をしてまいりたいというふうに思います。
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城内実#6
○城内委員 今大臣がおっしゃった行政手続のデジタル化あるいは公共のデータベースの利活用、これは本当に大事なことだと思いますのでぜひ進めていきたいというふうに思っておりますが、また、企業による人材への投資あるいは設備投資、今海外にどんどん投資が向いていますが、しっかりと国内にそういった投資を進めていくことが雇用にもプラスの影響を与えますので、ぜひ予算、税制の面でしっかり後押ししていくと大臣の決意が述べられましたので、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。
 また、生産性革命を実現する上では、世界で動いている第四次産業革命、日本としてどう対応していくかということが重要であります。
 現在、私、日独議員連盟の事務局長をしておりますが、先日、衆議院議員会館の国際会議室、多目的ホールをお借りしまして、第一回日独デジタル化社会へ向けての対話というシンポジウムの開催のお手伝いをさせていただきました。このシンポジウムには、きょういらっしゃっている大串政務官も出席されて挨拶いただきました。この場をかりて改めて御礼申し上げたいと思います。
 このシンポジウムで私が感じたことは、日本は、ドイツを初めこの分野で、やはり、若干というか結構おくれているんじゃないかなということであります。安倍総理がことし、ドイツのハノーバーのCeBITに出席いたしましたが、ドイツの、インダストリー・フォー・ポイント・オーと言ったらドイツ人に怒られましたのでドイツ語で言いますと、インドゥストリー・フィア・プンクト・ヌルと言ってくれ、これはイギリスのものじゃなくてドイツだからと言われて怒られましたが、このドイツのインドゥストリー・フィア・プンクト・ヌルに負けないくらいの第四次産業革命を達成しなければなりません。
 こうした動きの中で、世耕大臣はさきの所信的挨拶の中で、「コネクテッド・インダストリーズの実現に向け、人、金、データの三方向から具体的施策を進めます。教育現場におけるテクノロジーの活用、いわゆるエドテックやリカレント教育を推進するなど、第四次産業革命を支える人材を育成します。」などと述べられました。
 ただ、正直に言ってこのコネクテッド・インダストリーズとはどういう考え方か、それによって世の中がどう変わるのかよくわからないという声が私の地元でも多々あります。
 例えば、コネクテッド・インダストリーズの五つの重点取り組み分野として、一つは自動走行・モビリティーサービス、二つ目はものづくり・ロボティクス、三つ目にバイオ・素材、四つ目にプラント・インフラ保安、五つ目にスマートライフということが述べられているんですが、全体が今後どうなっていくのかというイメージがなかなかつかないわけでありまして、IoT、ビッグデータ、AIの技術革新を踏まえてどのようにコネクテッド・インダストリーズの取り組みを推進し、日本社会をどう変革していくのかということについてお聞きしたいと思います。
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世耕弘成#7
○世耕国務大臣 ちょっとドイツ語で言えなくて済みません。ドイツのこのインダストリー四・〇というのは、これは非常に注目すべき政策だというふうに思っています。
 まさに日本とドイツはともにものづくり大国であるわけでありまして、ドイツとの連携は非常に重要でありまして、そういう意味で、安倍総理がことしのCeBITに参加をされ、日本がパートナー国として久々にCeBITに本格的に参加をして、多くの企業が出展してくれたというのは、非常に大きな動きだというふうに思っています。
 ドイツとは、今後も、ものづくりのIT化ということで、いろいろな連携をしていきたいと思います。特に、ドイツはEUの中の中心国でありますから、そういう意味で、国際標準化をとっていくとか、そういう面でドイツの役割は非常に大きいと思っています。
 ただ、日本は少しドイツとは違うアプローチをしたい。ドイツは、基本的には製造ラインのIT化というのは、一社のシステムで進んでいるわけであります。あるいは企業間の連携も、ある特定の一社のシステムに依存をしている。日本はそうはなっておりません。
 しかし、一方で日本は、中小企業の現場も含めてかなり製造の自動化というのは進んでいて、データがたくさんたまっています。それらのデータが、ただ、残念なことに工場に置いたままになっている。完全に置いてあるんです。
 例えば今、データ偽装が大変問題になっていますが、何で全部わかるかというと、正しいデータはちゃんと工場の中に残っているんですね。だから、こういう宝の山をしっかりとビッグデータとして活用していくということが重要だ。しかも、これは企業を超えてやっていかなければいけないということで、競争ばかりしているんじゃなくて、協調領域もしっかり特定をしていってほしいというふうに思っています。
 具体的には、例えば自動走行の分野では、各自動車メーカーでセンサーなどを全部共通化をさせて、そしてデータのフォーマットも共通化をさせれば、日本の自動車メーカーがつくっている自動車の数はこれはもう世界一なわけですから、この車のデータが全部集約をされて、そして自動走行にどんどんつながるデータを生かしていくことができる。
 あるいは、プラント・インフラ保安といった面では、例えば機械が、今までですと、壊れるとラインをとめて一旦製造をとめて修理をするという形になるんですが、例えばこれをビッグデータで、潤滑油がこういう温度になってきて、振動が、周波数がこうなってくるとこの部分が壊れるぞというのがわかれば、ラインをとめることなく、その日の夜とまっている間に修理をしてということで、日中の製造活動に影響を及ぼさないとか、そういうことも可能になると思っていますし、あるいは、これは今ちょっと省内に宿題を出しているんですけれども、いわゆるデータ偽装の問題も、一々ユーザー用のデータを書きかえて出しているからああいうことが起こるわけで、例えば、鉄鋼メーカーの製造ラインとそれを使う自動車メーカーのラインがしっかりもう連携をされていて、出てくる鉄鋼とかアルミのデータを自動車メーカーがそのまま自分のところのモニターでしっかり見られれば、こういうことも起こらないし、手間も省けて生産性も高まる。そういうことも考えていきたいというふうに思っています。
 中小企業は置いていかれるんじゃないかという心配の懸念の声も聞くんですが、日本の中小企業は何だかんだ言って、これまでのいろいろな投資減税とかの効果もあって、ものづくり、自動化された機械も結構入っていますし、あるいはそういう機械がないところでも、ちょっとした装置をつけるだけで、例えば温度とか周波数とかいったデータはしっかりとれるようになりますので、中小企業もしっかり参加をしてもらうようなコネクテッド・インダストリーズをしっかり実現をしていきたいというふうに思っています。
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城内実#8
○城内委員 今の大臣の御説明でかなりイメージがよくわかってまいりました。
 また、ドイツとの連携が重要という御発言をされました。私、ドイツに十年間生活して、日独議連、先ほど言いましたように事務局長をやっていますので、ぜひドイツにもしっかり目を向けて、お互い競争相手であると同時に、両国とも中小企業を非常に大事にしている国ですから、そういった意味でお互いが切磋琢磨していろいろな分野で協力していく、これが大事だというふうに思っております。
 さて、第四次産業革命やコネクテッド・インダストリーズが、私の子供のころ、今から四十年前でしたら、いずれも夢のような、鉄腕アトムの世界のような話であります。しかしながら、やはりこれまでも、そしてこれからも、日本の強みはものづくりであります。ロボットではなくて、生身の人間が汗とほこりと油にまみれて長い間ものづくりをしてきた、そういった経緯がございます。
 したがいまして、ものづくりの強みを生かしながら第四次産業革命の道筋をつくっていくのが、私はこのコネクテッド・インダストリーズの本来あるべき姿だと思っております。
 一方で、足元で起きている神戸製鋼や東レを初めとする製造業の不祥事があり、私は本当に心配でなりません。ものづくり産業は我が国を支える基幹産業である。そして、ものづくり産業の重要性をどのように経済産業省として認識しているのか。そして、ものづくり産業をめぐって、最近、今申しましたように頻繁に不祥事が起きておりますが、それに対します受けとめ方、及びそれに対する対応についてどのように考えているのか。お聞きしたいと思います。
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大串正樹#9
○大串大臣政務官 お答えいたします。
 ものづくりを基盤とする製造業は、我が国のGDPや雇用の約二割を占めまして、付加価値の波及効果が高い、重要な基幹産業であります。また、都会に集中しがちなサービス業と異なりまして、製造業は人口の少ない地域にも立地をしている。そういう貴重な雇用の場を提供できることからも、今後ともしっかりと取り組むべき分野であるというふうに認識をしております。
 これまでの製造業の現場を多く視察してまいりましたけれども、日本のものづくり産業が生み出す製品は非常に高品質であり、世界からも強い支持、評価を受けていると認識をしております。
 こうした中、御指摘のように、製造業のうち、とりわけ複数の素材メーカーの製品検査データの書きかえの不正事案が次々と判明しているということは極めて遺憾であります。
 こうした事案は、公正な取引の基盤を揺るがす不正な事案でありまして、経済産業省としては、関係する各社に対して、適切な顧客対応、再発防止策の実施等をしっかりと進めるよう指示をしているところであります。
 現在、産業界におきましては、みずからの会社で類似の事案がないかどうかを確認する動きがあると承知しております。万が一そうした事案が確認された場合には、速やかに公表し、社会からの信頼回復に全力を注ぐことを期待しているところでもあります。
 特に、これまでの事案で、公表が五月雨式に行われ、かつ時間がかかっていることは問題であります。産業界においては顧客との調整や安全確認が必要だという点は理解いたしますけれども、不正事案などのうみがあるならば、一日も早く全部出し切っていただきたいと呼びかけているところでございます。
 現在、コネクテッド・インダストリーズの推進を通じて、高い技術力や高度な現場力を生かした製造業のソリューション化を目指しているところでもありますので、人手不足の解消や技術の継承に加え、サプライチェーンをつないで部品などのトレーサビリティーを強化し、品質管理の向上を図ることも可能となるというふうに考えているところでもございます。
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城内実#10
○城内委員 こういった不祥事は、その会社だけの問題じゃなくて、日本の製造業全体のやはり信頼にかかわる問題ですので、その点、しっかりと指導というか、経済産業省を中心に指導していただいて、こういうことが二度と起こらないように、どこかの国と比べられたらたまったものじゃありませんので、それは想像に任せますけれども、日本企業というのはやはり信頼が世界からこれまであってやってきたということがございますので、ぜひともその点、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、ものづくりと並びまして、地域経済を支えているのが中小企業であります。中小企業の生産性向上などの課題にどのように取り組むのかが、日本経済、特に地方の経済の活性化、地方創生にとって極めて重要であります。
 そうした中、中小企業の経営者の高齢化が大きな課題であり、深刻な社会問題となっております。
 そこで、事業承継税制の問題について取り上げたいと思います。
 確かに現行の事業承継税制は、当初は大きな風穴をあけたという意味で、評価するにやぶさかではありません。ただ、時代の変遷とともにこの制度が使い勝手が悪くなっていることは、もうこれは明らかであります。
 現行の我が国の事業承継税制では幾つか問題点があります。
 一つは、自主廃業や要件不達成の際に、さかのぼって課税される納税猶予制度の減免割合が約五三%と、諸外国と比べても著しく低いことであります。先ほど、ドイツという話をしましたが、ドイツでは、賃金維持要件のもとで八五%もしくは一〇〇%の軽減割合であり、しかも、課税猶予ではなく、課税免除であります。
 二つ目に、我が国のこの制度、五年間で平均八割の雇用維持を達成させるというかなり厳しい要件であります。今現在、各企業、人手不足で悩んでいるのにこういった要件があるというのは、これは非現実的であります。
 さらに三つ目に、一人の現経営者から一人の後継者への相続及び贈与のみを対象にしているということであります。これに対しまして日本商工会議所初め各種団体が、例えば兄弟間など、複数承継が認められるようにしてくれないかという強い強い要望が私のところにも来ております。
 いずれにしましても、我が国でこの制度を利用している法人は年間たった五百件です。これでは、何のためにこの制度をつくったのかわからないと思います。
 今後十年の間に、平均引退年齢の七十歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約二百四十五万人となり、そのうち約半数の百二十七万、これは日本企業全体の三割でありますけれども、何と、後継者が未定であるということであります。
 さきの総選挙における自民党の公約の中にも、「中小企業・小規模事業者の円滑な世代交代・事業承継に資するよう、税制を含めた徹底した支援を講じます。」「徹底した」と書いてあります。
 事業承継税制については、もう今や待ったなしの抜本的な改革が必要であります。中小企業の後継者不足が喫緊の課題となる中、事業承継を支援するため抜本的な対策を講じるべきだと繰り返し申し上げますが、これについての政府の見解をお尋ねしたいと思います。
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大串正樹#11
○大串大臣政務官 事業が承継されずに、よい技術を持った企業や生産性の高い企業が廃業してしまうことは、我が国の競争力にとっても極めて深刻な問題であります。
 こうした問題に対応するために、事業承継税制については、事業承継を一層進めるために、対象となる株式上限の撤廃や優遇を受けられる対象者の拡大など、抜本的に見直し、真に使われる制度にしていきたいと考えております。
 加えて、事業承継の重要性についての気づきの機会の提供やMアンドAを通じた事業承継のマッチング支援などを行う、事業引継ぎ支援センター等の体制を強化してまいります。また、承継された後についても、新たな担い手となる後継者が経営革新や新事業展開を行うための支援も強化してまいりたいというふうに考えております。
 このような切れ目のない事業承継の支援を、今後編成する補正予算も活用し、今後十年間に集中して実施してまいりたいと考えております。
 城内委員におかれましては、自民党の経産部会長として、中小企業・小規模事業者の円滑な世代交代・事業承継に資する支援策の抜本拡充を求める決議を取りまとめいただき、連日、税調との議論をリードされていると伺っております。そうした与党の議論を踏まえながら、政府としてもしっかりと対応してまいりたいというふうに思います。
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城内実#12
○城内委員 実は私、注射が非常に大嫌いなんです。いつも国会で健康診断を受けるときも、横にならないとちょっとふらふらしてしまうぐらい注射針が、何かもう恐怖感で気を失いそうになるんです。私の唯一の弱点です、あとは余り怖いものはないんですけれども。
 そういう私が本当にびっくりしたのは、痛くない注射針を開発した日本の中小企業がございました。これは世界的に話題になりまして大変な反響があったそうですが、この会社が何と、この事業承継税制が非常にハードルが高いために承継ができなかった。そして、残念ながらそのすばらしい技術が、テルモという会社が買ってくれたようでありますけれども、そういった例があるんですよ。びっくりしました。
 ですから、この事業承継税制については、本当に抜本的に使い勝手をよくしないと、黒字企業であって、世界的な有名な技術を持っても、廃業するかどこかに買われちゃうというそういう話になったら、何のためのものづくりかわかりませんので、ぜひこの点はしっかり対応していただきたいというふうに思いますし、野党の皆さんも多分事業承継税制については同じ立場であると思いますので、野党の皆さんの声もしっかり聞いた上で対応していきたいなというふうに思っております。
 さて次に、経済産業省におきまして下請等中小企業の取引条件改善に取り組んでこられたというふうに承知しておりますし、いわゆる世耕プランというものがございます。
 そこには三つの基本方針が挙げられております。一つは、親事業者による不適正な行為に対して厳正に対処し、公正な取引環境を実現する。二つ目は、親事業者、下請事業者双方の適正取引や付加価値向上につながる望ましい取引慣行を普及、定着させる。三つ目が、サプライチェーン全体にわたる取引環境の改善や賃上げできる環境の整備に向けた取り組みを図る。この三点でありますし、さらに、三つの重点課題として、価格決定方法の適正化、コスト負担の適正化、支払い条件の改善、こういったものが挙げられました。
 下請中小企業の取引環境の改善は中小企業における働き方改革にとっても重要でありますので、ぜひしっかりとこれは進めていきたいというふうに思います。
 経済産業省としてどのように取り組んでおられるのか、お伺いしたいと思います。
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世耕弘成#13
○世耕国務大臣 私が就任以来、下請取引を適正化しない限り、地方にアベノミクスの果実は渡らないというそういう思いでこの下請取引の適正化にずっと取り組んでまいりました。私自身も各種業界団体に足を運んで、やはりサプライチェーン全体で取引慣行を適正化してほしいということを申し入れまして、今のところ、自動車、情報通信機器、そして繊維、運送業、建設業など、八業種二十一団体に自主行動計画を策定、公表をしていただいているところであります。
 今、決めるだけでは意味がありませんので、それがちゃんと浸透しているかどうかのフォローアップをしてもらっていまして、その結果は、取りまとめて、年内には公表をさせていただきたいというふうに思っています。
 そういった中で、今、働き方改革を進めているわけですけれども、中小企業の現場からは、大企業が働き方改革をしたら結局自分たちのところへしわ寄せが来るんじゃないか。何か納期が間に合わないというようなときに、自分たちのところでたくさん残業をさせられるような結果になるんじゃないか。あるいは、生産性革命が進んでいって、中小企業自身も一生懸命自動化、ロボット化を進めたら、では、もう生産性が上がったから単価を下げますよということになって、結局、大企業や発注元企業に全部吸い上げられてしまうんじゃないか。そういう不安の声も聞こえてくるわけであります。
 そういう意味で、現場の声をしっかり把握しなきゃいけないということで、今、下請Gメン、八十名規模で二千社の下請企業のいろいろなヒアリングをさせてもらっていますが、そのメニューの中に、働き方改革の影響についてもしっかり含めて聞いていきたいと思っています。
 今まで経産省は、中小企業の現場の声を吸い上げろと言うと、はい、商工会議所に聞きましたとかそういう形になるので、それはだめだと。必ず直接中小企業から聞け。そしてまた、中小企業の経営者の方はやはり忙しいので、政策の深い意味がなかなか御理解いただけていない場合があります。だから、簡単に聞くとああいいよとなっちゃうんですけれども、そうじゃなくて、働き方改革でこういうことが起こりますよ、生産性革命でこういうことが起こりますよということをしっかり説明した上で、中小企業経営者としてどう考えるかということを聞いてこい。今、きめ細やかなヒアリングを徹底をさせていきたい。
 それで、現場の声をしっかり吸い上げた上で、働き方改革を具体的に行っていく上でしっかりとそういった声を反映をしていきたいと思っています。
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城内実#14
○城内委員 今、大臣から、現場の声をしっかり直接聞いているというお話がありましたけれども、ぜひそれを進めていただきたいと思いますし、また、大企業が働き方改革を進めて、そのしわ寄せを中小企業が受けるというのは全く本末転倒でございますので、その点しっかり対応していただきたいと思いますし、また、優越的地位の濫用というものがまだまだ随所に見られるわけですから、中小企業庁におかれても、公正取引委員会と連携しながらしっかり対応していただきたいというふうに思います。
 また、これまで述べてきましたように、事業承継、下請中小企業に対する施策について今質問させていただきましたけれども、一方で、地元の中小企業・小規模事業者の皆さんとの意見交換の中で感じるのが、なかなか施策に関する情報が現場の、先ほど大臣もちょっと触れましたけれども、中小企業まで届いていないという、そういうことであります。都道府県や市町村など、自治体を通じた情報提供というのはなされているようでありますが、どうもタイムラグがあったりとか、いろいろな問題があると思います。
 全国の経産局、そういったものを活用するなどして、国の施策の情報が速やかに、そして全国津々浦々、隅々まで、これは私、行き渡ることが重要だと思っています。
 本当に、こういう何か助成措置があるよ、えっ知りませんでしたと。中小企業庁のホームページぐらいはやはり見てほしいというのもあるんですけれども、どんどんこれはやはり発信しないとなかなかそういう情報にたどり着けない方もいるということを踏まえて、政府のお考え方をお伺いしたいと思います。
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大串正樹#15
○大串大臣政務官 中小企業庁におきましては、中小企業庁のホームページや中小企業支援ポータルサイト、ミラサポへの情報掲載、さらに、メールマガジン、ツイッターなどによる情報発信、こういったものを行っております。また、よろず支援拠点や商工会、商工会議所、中小企業団体中央会等の関係機関の窓口へのパンフレットやチラシの配備などによって、適切なタイミングでわかりやすく施策情報の周知、広報を心がけて、引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。
 また、中小企業施策の相談体制につきましては、全国四十七都道府県によろず支援拠点、これを整備するとともに、商工会、商工会議所、金融機関、士業等の地域の支援機関の見える化や連携強化を図ることで、きめ細かな相談体制を構築してまいります。
 また、中小企業庁や各経済産業局に相談窓口を設置し、中小企業電話相談ナビダイヤルの開設なども行うことによって、中小企業者の皆様にとって親切丁寧で統一的な相談が受けられるように相談体制を構築しておりまして、引き続き親身な相談対応に心がけてまいりたいというふうに考えております。
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城内実#16
○城内委員 ぜひきめ細かい対応をしていただきたいと思います。
 最後に、目を転じまして、通商政策について取り上げたいと思います。
 この秋の外交では、日米、TPP11など、さまざまなフロントで成果がございました。特に日米では、トランプ大統領が来日し、首脳会談が行われたところであります。報道では北朝鮮問題が大きく取り上げられましたが、経済分野でも、首脳間で有意義な意見交換がなされたと承知しております。今や、日米経済を両首脳の信頼関係を軸に大きく動かしていくべきタイミングであると考えます。
 今後の日米経済関係の深化に向けて、例えば第三国の不公正な貿易慣行に対する通商法のエンフォースメントやインフラ分野の協力を初め、経済産業省として、日米協力に、経済分野の協力にどのように取り組むのか、お尋ねしたいと思います。
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大串正樹#17
○大串大臣政務官 先月六日の日米首脳会談では、アジア太平洋地域に広がる貿易・投資における高い基準づくりを主導し、法執行面での協力を進めることや、エネルギー、第三国のインフラ整備といった分野における協力を強化していくことで一致しております。
 御指摘の通商法のエンフォースメントに関しては、日米が共通の関心を有するWTO紛争案件について、法的主張の検討に当たって、緊密な連携を行ってきております。
 今後も、WTO紛争解決手続や貿易救済措置の担当当局間の連携強化を図るべく、米国商務省やUSTRとの議論を深めてまいりたいというふうに考えております。
 また、インフラに関しては、トランプ大統領の訪日にあわせまして、経済産業省と米国貿易開発庁との間で、また、日本貿易保険などと米国海外民間投資公社の間でそれぞれ協力覚書を署名したところでありまして、こうした当局間の連携を通じて、第三国におけるインフラ開発支援を進めてまいりたいと思います。
 今後も、日米経済対話を通じて両国の協力関係の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。
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城内実#18
○城内委員 安全保障分野での日米関係はますます重要になっておりますが、他方で、日米経済摩擦などが起きたら非常に困るわけでございますので、ぜひ日米が協力して経済分野でも協力を進めていくことが重要だと思いますので、この点を指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
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稲津久#19
○稲津委員長 次に、富田茂之君。
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富田茂之#20
○富田委員 公明党の富田茂之でございます。
 世耕大臣に御質問させていただきたいと思います。
 今、城内議員の方から事業承継税制について御質問がありました。私もまずこの点から取り上げたいと思うんですが、実は、十月二十六日に長野県の松本市で、全国中小企業団体の全国大会がありました。党を代表して行かせていただいて、この全国大会の大きなテーマが、やはり事業承継税制の抜本的改革ということでありました。
 昨日の参議院の予算委員会でも、世耕大臣の方からこの点について我が党の西田議員に丁寧な御説明をいただきましたけれども、やはり大変な状況にある。中小企業庁や中小企業団体の説明によりますと、先ほど城内議員からもありましたが、今後十年の間に、七十歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者が二百四十五万人だ、そのうちの半数、百二十七万人について後継者が決まっていない、このまま放置すると、中小企業廃業の急増により、今後十年間、累計で約六百五十万人の雇用、そして二十二兆円のGDPが失われるんじゃないか、これはきのう世耕大臣も言われていました。
 こういう現状を踏まえて、やはり今後十年間で集中的な取り組みが必要だと思うんですが、大臣はどのように認識されて、どのように取り組もうとされているのか、まず教えていただきたいと思います。
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世耕弘成#21
○世耕国務大臣 やはり、今御指摘のとおり、本当に危機的な状況だというふうに思います。単なる企業の後継ぎの問題ではなくて、やはり、二十二兆円のGDP、六百五十万人の雇用が失われるという、経済全体の問題として把握をしなければいけないと思っています。
 先ほど城内委員の御質問にもあったように、ああいういい技術を持っているのに継承できない。ただ、大企業にMアンドAされるというのは必ずしも悪いことではないとは思いますけれども、いい技術を持っているのにしっかり会社が継承されない。あるいは、黒字なのに廃業に追い込まれるというようなこと、これも本当に深刻だと思いますし、また、私の地元の和歌山のようなところでもそうですけれども、過疎地においては、例えば、そんな黒字ではないんだけれども、小さな町のスーパー、それが廃業してしまうと、その地域の生活そのものが成り立たなくなるというようなことも、事業承継がうまくいかないことによって、これから頻発してくるんではないかという危機感を持っております。
 そういう意味で、まず税の面からは、これはお答えしていいんですかね、今考えていることを。税の面からは、平成二十一年から事業承継税制というのを入れて、毎回毎回少しずつ改善しながらやってきているんですが、もう十年近くたっているのに、まだ利用した人は、相続、贈与、両方足して二千件程度という状況であります。これは、明らかに使い勝手が悪いわけであります。
 幾つかの視点があるんですけれども、まず、全額猶予されるわけではない、三分の二の八割までということですから、実質五〇%ちょっとしか猶予されないということ。あるいは、猶予されたとしても、その後いろいろなことが起こるわけですね、その条件が厳し過ぎる。例えば、同族で常に過半数持っていないと、それを割り込んだら直ちに税金を払ってもらいますよということになるわけですが、当然、第三者割り当て増資とか、いろいろな選択肢があるんですが、それが縛られてしまっている。
 あるいは、最終的に、先ほどの注射針の会社のように、十年頑張ってみたけれども、どこかに売却をする、そのときに、親から引き継いだときは一億円の価値のあった会社が、売却したときにはもう二千万円でしか売れなかったというときに、いきなり税務署がやってきて、はい、十年前の一億円分の相続税を払ってくださいね、これでは怖くて使えないとか、あるいは、雇用条件、八割を維持しなければいけない。これも、これからいろいろ、自動化とか生産性革命とかをやっていく中で、人手不足に対応して、退職した人を補充しないで機械化を進めるというような選択肢が縛られる。
 こういうやはり使い勝手の悪さがあって、二千件にとどまっています。
 毎回毎回建て増しのように改善はしてきていますが、ことし、来年度へ向けての税制改正では、抜本的な対策をぜひとりたいというふうに考えております。
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富田茂之#22
○富田委員 質問しようと思ったことを全部言われちゃったんですが、問題意識は全く同じだなというふうに思います。
 やはり、使い勝手が悪いという点で、何点か、今大臣が言われたように、承継後五年平均で雇用を八割維持しなきゃだめだと。先ほど城内議員も言われていましたけれども、これは小規模事業者にとっては本当に大変なことで、例えば、五人の従業員しかいないところ、二人やめちゃったらもう終わりなわけですから、そういったところを、やはりきちんとここを撤廃した方がいいんじゃないか。
 また、五年経過後も事業継続がこれは必要なんですね。免除となるのは破産や特別清算といった特別の場合のみだという、ここの部分がやはり大問題だと。
 先ほどお話しあったように、対象となるのが発行済み議決権株式の三分の二、これも問題で、しかも、代表者かつ筆頭株主の先代から代表者かつ筆頭株主の後継者への承継のみが対象だと。すごく限られている。三分の一が承継されない、あるいは、もとの親族がみんな株式を分散で持ってしまって、なかなか株式を集計していくということができなくなっている。
 こういったところを全部今回の税制改正でぜひ撤廃をしていきたいと思いますし、我が党の方も、財務省の主税局と一生懸命この点を詰めております。主税の理解もだんだんいただいていますので、何とかしていきたいなとは思うんですが、一番の問題は、先ほど大臣が言われた、猶予から、実際の相続、あるいは承継後の廃業、第三者への譲渡時に、承継時の事業資産の評価と異なる場合、今一億円が二千万と言われましたけれども、この評価がえを認めることができれば、事業を引き継ぐ方にとってかなりのインセンティブになるんじゃないか。ここが今回の肝だと思うんです。
 ここをぜひ財務省の方ともしっかり打ち合わせをした上で、この点をかち取っていきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
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世耕弘成#23
○世耕国務大臣 まさにそこが一番私も重要だというふうに思っております。
 一部団体の方ではもう完全に免除という声もありますけれども、やはり、売却したときの実際の売却価格に沿った形で納税をしてもらえるような形にするのが現実的ではないかというふうに思っております。
 これは今、政府内でも財務省と折衝をしておりますし、また、与党の税調でもいろいろ御議論をいただいているというふうに思いますが、ぜひこれは実現をしたい、経済産業省としてはそのように考えております。
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富田茂之#24
○富田委員 先ほどの城内議員の方から、ドイツにずっと暮らされていたのでドイツに詳しいということでお話しありましたが、ドイツの一〇〇%免除というのをいろいろ調べてみたんですが、やはり限定されている。かなり限定されていて、現預金の相当部分とか株などの金融資産、また、貸付不動産は猶予、免除の対象外になっているんです。これを日本にそのまま当てはめるというのはやはりなかなか難しいなと。
 中小企業団体からは免除を望む声が確かに我が党にも寄せられていますが、猶予からいきなり免除というのは、やはり一般の相続の納税者との公平性を考えたときにも、ちょっと難しいんじゃないか。みんなで集めれば、相続税を、脱法とは言いませんけれども、一切納めないで済むというような形ができることもありますので。
 今、評価がえをすれば、これは事実上、一部免除になるんです。一億円をもし二千万となれば八千万の免除になりますから、ここがやはり、大臣言われるように、本当に肝だというふうに思いますので、ぜひ経産省の方でもここを取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、会計の専門家団体から、事業承継税制の抜本的拡充に向けて、現在あります経営改善計画策定支援事業とか早期経営改善計画策定支援についても、新たな事業承継政策の中で活用できるようにしてもらえないか、自分たちの能力をきちんとその事業承継の面でも生かしてもらいたいというような提言がされております。この点については経産省はどのようにお考えでしょうか。
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安藤久佳#25
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
 大臣も御答弁させていただいておりますように、事業承継の前と、そしてまた、事業承継をした後の企業の磨き上げというものが大変大事だというふうに認識をさせていただいております。
 今委員御指摘のように、金融機関あるいは税理士、中小企業診断士、さまざまな支援にかかわっておられる方々がおられます。こういった方々に御協力をいただきまして、金融支援を伴いますような経営改善計画の策定支援、これはまだ今始めつつあるところでございますけれども、この事業承継に当たりましても集中的に実施をさせていただきたい、このように思っております。
 また、ことしの五月から、本格的な経営改善計画が必要となるさらにその早期の段階におきまして、資金繰り計画を中心とした、より簡易でスピーディーな経営改善計画を策定する、こういうことに対する御支援も始めております。
 このようなことも含めまして、総合的に企業を引き継ぎやすいような状況にさせていただく、こういった御支援を集中的に実施をさせていきたい、このように思っております。
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富田茂之#26
○富田委員 ぜひ集中的にやっていただきたいと思います。
 ある税理士さんから、経営改善計画と同じように、事業承継計画、十何年にわたって、やめていく方と新しく引き継ぐ方がどんなふうにやっていくかという計画書のサンプルを見せてもらいました。なかなかよく考えていらっしゃるなと。会社の資産がどういうふうに異動していくかとか、そういったものを全部含めて考えているというような御提言をいただきましたので、こういったものもぜひ中小企業庁の方で活用していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題について御質問をさせていただきます。
 大臣は、八月の二十三日から二十五日、フィンランドを訪問されて、オンカロの施設内にも入られ、また、立地自治体であるエウラヨキの関係者とも会談をしてきたというふうにお伺いをしております。
 実際にオンカロの地下施設に入ってみてどのような感想を抱かれたか。また、エウラヨキ自治体の皆さんと会談をされて、ここはポシヴァという会社が入ったんですが、四十年近く前からずっと関与してきて、今実際に始まっているというような状況だと思います。私も、今、民進党の幹事長をされております増子輝彦さんと二〇一三年の九月に二人で行ってきたんですが、大変感動しましたので、ぜひちょっと大臣の感想をお聞かせ願いたいと思います。
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世耕弘成#27
○世耕国務大臣 まさに最終処分施設になるオンカロの現場を見させていただきました。私は、地下四百二十メートルまで入れていただいて、まさに掘削が進んでいく最先端のところも見ましたし、すぐその横で、キャスクをどういう形で収納するかということ、いろいろなテストの穴が掘られて、ここへキャスクを入れるんですというようなところも実際の現場を見てまいりました。相当慎重に慎重を重ねて、そして、あらゆる事態を想定してつくられているということを改めて感じたわけであります。
 そしてまた、一つ穴を掘るといっても、穴それぞれによって地層の走り方とか水の出方が違って、そのデータを細かくとりながら調査研究を進めているという姿にも大変参考になる思いがいたしまして、やはり百聞は一見にしかずで、これから最終処分の問題を担当して進めていかなければいけない大臣として、この現場を見れたということは非常に大きかったと思います。
 それともう一つ私が非常に関心を持っておりましたのは、地元自治体がどういう気持ちでいるのかということを知りたかったわけであります。そういう意味で、立地自治体であるエウラヨキ市を訪問して、市長ですとか市議会の皆さんと懇談をさせていただきました。
 このエウラヨキ市というのは、原発の立地というか、最終処分場自体がほぼ原発のサイトのそばにつくられているものですから、長年原発とともに生きてきた町でもあるわけですが、そういった中でも、特に、地域の理解を得ていく上で、事業者が非常に丁寧なコミュニケーションを長年にわたって積み重ねて、そして、信頼関係を構築してきたということを痛感いたしました。
 日本においても、そういうことをこれから、今ようやく科学的特性マップというのを示して最初の一歩を踏み出したわけでありますが、そういうコミュニケーションの重要さということを改めて感じたわけでありまして、今ちょっとNUMOでお騒がせをする事態が起こっていますが、これも直ちに厳正に対処をしながら、フィンランドの経験にも学びながら、一歩ずつ着実に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
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富田茂之#28
○富田委員 今大臣言われたように、我々も見に行ったときに、オンカロについては、その前にスウェーデンのエスポ岩盤研究所の地下にも潜ってきたんですが、これはかなり大きな施設でした。このエスポと異なって、そのまま放射性廃棄物について処分するということで、将来の埋め戻しに向けて、トンネルの大きさとか壁面とか路面の処理についてもかなり考えながらやっている、必要最低限のことだけやっているんだというようなことでありました。
 実際に処分を行う予定の場所でさまざまな試験を行っており、こうした試験の積み重ねが信頼性や安全性につながっていくということを実感してきましたので、大臣も見ていただいて大変よかったと思います。
 また、エウラヨキの自治体、大臣が会った市長さんは多分我々のときとかわっているようですが、やはり同じ話をされていて、ポシヴァが入ってきて立地自治体としてどういうふうに感じたんだという質問をしましたら、一言で言うなら透明性だと。四十年前に初めてやってきたときから、透明性が重視されている、全部明らかにしてもらっていたということと、自治体のトップと事業者と規制機関のトップ、この三者が年に二、三回必ず会って、直接いろいろな話をしてきた、もし何か不祥事が生じた場合には自治体に必ずすぐ連絡する、そういう体制ができているので我々はうまくやっているんだと。
 こんなふうにも言っていました。一般住民が関心を持つのは経済的メリットと安全であり、安全については規制機関に依存している、規制機関に対する信頼がしっかりしていることが日本との大きな違いではないかと。規制機関は何でもきちんとやるんだということに対して、ここの自治体の住民の皆さんは物すごい信頼性がある、日本はそこがちょっとまだ心配だということで、なかなかうまくいかないのではないかというような提言もしていただきましたので、ぜひこういったことを参考にして、今後の最終処分場の設置に向けて活動をしていただきたいというふうに思います。
 今大臣言われた科学的特性マップ、この件でちょっとまた御質問をしたいんですが、七月に公表がされました。この科学的特性マップの公表について、どのような意義があるというふうに大臣は考えているでしょうか。
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世耕弘成#29
○世耕国務大臣 まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分は、今の世代の責任として解決をしていかなければいけない重要な課題だと思っています。しかし、今まで、処分地選定の最初の段階である文献調査にも入れていないという状況が長い間続いてきたわけであります。
 平成二十七年五月に最終処分法に基づく基本方針を改定しまして、最終処分の課題に国が前面に立って取り組むこととしました。それまでは自治体の手挙げ方式みたいな形になっていたわけですが。その具体的な取り組みの一つとして、専門家の検討や国際機関のレビューなどを経て、ことし七月に科学的特性マップを公表させてもらいました。
 このマップは、地層処分について広く国民の皆さんの関心と理解を深めていくことを目指しまして、地域の科学的特性について、全国一律の客観的で科学的な基準に基づいて、一般の方にもわかりやすいように、全国地図の形で示したものであります。
 今回の特性マップの提示というのは、あくまでも最終処分の実現に向けた長い長い道のりの最初の一歩ということになるわけでありますが、しかし、一方で、重要な一歩だというふうにも思っておりまして、このマップの提示を契機に、きめ細やかな対話活動を丁寧に行って、広く国民の皆さんの理解を得られるよう、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
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