環境委員会

2018-05-11 衆議院 全98発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三十年五月十一日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 松島みどり君
   理事 金子万寿夫君 理事 北川 知克君
   理事 関  芳弘君 理事 高橋ひなこ君
   理事 武村 展英君 理事 生方 幸夫君
   理事 西岡 秀子君 理事 江田 康幸君
      井上 貴博君    河井 克行君
      木村 弥生君    笹川 博義君
      武部  新君    中村 裕之君
      百武 公親君    福山  守君
      古田 圭一君    細田 健一君
      三浦  靖君    務台 俊介君
      近藤 昭一君    福田 昭夫君
      堀越 啓仁君    横光 克彦君
      下条 みつ君    鰐淵 洋子君
      田村 貴昭君    玉城デニー君
      細野 豪志君
    …………………………………
   環境大臣         中川 雅治君
   環境副大臣      とかしきなおみ君
   環境大臣政務官      笹川 博義君
   環境大臣政務官      武部  新君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  森下  哲君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策統括官)           中井徳太郎君
   環境委員会専門員     関  武志君
    —————————————
委員の異動
五月七日
 辞任         補欠選任
  柿沢 未途君     今井 雅人君
同月八日
 辞任         補欠選任
  今井 雅人君     西岡 秀子君
同月十一日
 辞任         補欠選任
  福田 昭夫君     山崎  誠君
同日
 理事柿沢未途君同月七日委員辞任につき、その補欠として西岡秀子君が理事に当選した。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 気候変動適応法案(内閣提出第二七号)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
松島みどり#1
○松島委員長 これより会議を開きます。
 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
松島みどり#2
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に西岡秀子さんを指名いたします。
     ————◇—————
この発言だけを見る →
松島みどり#3
○松島委員長 内閣提出、気候変動適応法案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る十五日火曜日午前十時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
松島みどり#4
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として環境省地球環境局長森下哲さん、環境省総合環境政策統括官中井徳太郎さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
松島みどり#5
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
松島みどり#6
○松島委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。百武公親さん。
この発言だけを見る →
百武公親#7
○百武委員 おはようございます。自由民主党の百武公親でございます。
 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 それでは、気候変動適応法案について御質問をさせていただきます。
 近年、我が国を含む世界じゅうで、気候変動によるものと考えられるさまざまな影響が起きています。例えば、二〇〇五年に発生した米国のハリケーン・カトリーナによる被害では、死者・行方不明者二千五百人以上、被害総額一千億ドルを超える米国史上最大の気象災害となりました。また、二〇一一年のタイの洪水では、日系企業が多くを占める七大工業団地が浸水し、八百名以上の死者と四百億ドル以上の経済被害が発生するなど、世界経済に大きな影響を及ぼしました。
 一方、我が国では、私の出身地である埼玉県について触れさせていただきますが、夏の異常高温による、埼玉県の代表的水稲品種である彩のかがやきを始めとした農産物への著しい被害の発生や、時間雨量五十ミリメートルを超えるような集中豪雨の増加、また、多数の県民が熱中症で搬送されるなど、温暖化の影響と考えられる現象が既にあらわれています。
 我が国を含む世界じゅうで顕在化する気候変動の影響について、IPCC第五次評価報告書では、国際的に合意された、産業革命以前と比べ世界の平均気温上昇を二度以内にとどめるとのパリ協定の目標を達成したとしても、気候の変化、海洋の酸性化などの影響が生ずるおそれがあると指摘をしています。
 このような背景のもと、我が党では、昨年六月に、適応策の充実強化を図るための法制度の必要性を内容とする「気候変動の影響への適応策の充実・強化に向けた提言」を発表させていただきました。地球温暖化の原因となる温室効果ガスの濃度を下げる緩和策とともに、気候変動の影響に適切に対応する適応策に積極的に取り組むことが必要であり、気候変動適応法案の成立は必要不可欠であるとまず述べさせていただきます。
 それでは、まず最初に、中川環境大臣に、本法案に込めた意気込みをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
中川雅治#8
○中川国務大臣 気候変動の影響は、さまざまな分野におきまして全国各地であらわれております。今後更に深刻化するおそれがあるわけでございます。こうした気候変動の影響に対処し、国民の生命財産を将来にわたって守るためには、関係省庁等と連携しつつ、適応策の一層の充実強化に取り組むことが重要でございます。
 こうした認識のもとで、本法案により、国、地方公共団体、事業者、国民の役割を明確化し、新しい法定の気候変動適応計画のもとで、関係者が一丸となって適応策を強力に推進したいと考えております。
 また、国立環境研究所を中核とした情報基盤の整備を図り、精度の高い気候変動影響の予測情報に基づく適応策を展開してまいります。さらに、広域協議会による国と地方公共団体の連携の促進等を通じて、地域レベルでの適応策についても強化してまいります。
 本法案のもと、国を挙げて適応策の充実強化を進めてまいる決意でございます。
この発言だけを見る →
百武公親#9
○百武委員 大臣、ありがとうございました。
 それでは次に、本法案についての具体的な質問をさせていただきます。
 まず、地域気候変動適応計画の策定を努力義務とした理由です。
 埼玉県は、地球温暖化対策に積極的に取り組んでおり、政府が適応計画を閣議決定した平成二十七年の六年前である平成二十一年に、既に県の地球温暖化対策実行計画に適応政策を盛り込んでおります。
 地球温暖化の影響は、一部の地域のみならず、日本全国に及んでいます。例えば、水稲では、気温の上昇による白未熟粒の発生や一等米の比率の低下などの影響が全国で確認をされております。
 これらのことから、国が定めた方針のもとで地方公共団体が策定した計画に基づき、気候変動の影響に対応していかなければならないと考えますが、この計画策定が努力義務に至った考え方について、政府の見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
笹川博義#10
○笹川大臣政務官 御質問ありがとうございます。
 地方公共団体がこの計画を策定するに当たっては、地域レベルの気候変動影響の科学的知見の充実、そしてまた、今委員が御指摘をいただきましたけれども、埼玉県の積極的な取組も含めての適応策の優良事例、これについて共有をするということも大事な観点でありますので、こうした取組は、現在、環境省そして農林水産省、国土交通省とも連携をしつつ実施しております地域適応コンソーシアム事業等によって支援をしているところでもございます。
 こうした中、現在、地方公共団体においては、既存計画に適応策の重要性を記載するなど自主的な計画策定が進んでいるところもありますが、一方で、具体的な適応策の検討についてはまだまだこれからという段階の自治体もございますので、計画策定を一律に義務づけるのではなく、現時点では努力義務とさせていただいたところでございます。
 環境省としては、今後、本法案のもと、国立環境研究所による技術的なサポート、それからまた、広域協議会を通じた地域の関係者の取組共有を推進してまいりたいというふうに思っております。
 また、特に、環境省としては、それぞれの地域に積極的に足を運びながら、本法案に関する説明会を開催して、そしてまた地方公共団体の計画策定を促し、同時にまた支援をしてまいりたいという思いでございます。
この発言だけを見る →
百武公親#11
○百武委員 ありがとうございました。
 次に、地方公共団体が得た気候変動の影響予測及びモニタリング情報の活用方策についてです。
 埼玉県では、ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション二〇五〇を踏まえ、県内への気候変動影響評価や既存の施策等の点検など、今後の取組の方向性を整理した報告書である「地球温暖化への適応に向けて」を平成二十八年三月に取りまとめています。同報告書では、今後、埼玉県の各部局において分野別の適応策の取組を推進していくために、将来の気候変動の影響予測やモニタリング結果の情報提供を行い、各部局の適応策の取組を支援していくこととしています。
 このような各地方公共団体で行われているモニタリングで得られた気候変動影響の情報は、気候変動の影響が似ている他の地域の気候変動の影響を評価する上でも重要なデータとなると考えます。
 そこで、各地方公共団体で得られた情報が本法案のスキームでどのように活用されていくのか、政府に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
森下哲#12
○森下政府参考人 お答え申し上げます。
 気候変動影響に関するモニタリングあるいは調査研究でございますけれども、国の研究機関のみならず、地方公共団体の研究機関やあるいは地域の大学などにおいて実施されておりまして、それらの科学的知見を集約、活用することは、地域における気候変動への適応を推進していく上で非常に重要であるというふうに考えております。
 先ほど御紹介のありました埼玉県のお取組でございますけれども、非常に先進的なお取組として我々も注目させていただいておりますし、日ごろから連携もさせていただいております。特に、モニタリングをしっかり実行して、さらには気候変動の影響評価というところまで踏み込んで実施をされているという例は、非常に我が国の自治体の中でも先進的な事例だというふうな認識でおります。そういったところとしっかり連携していくことが非常に重要であると思っております。
 こうした考えのもと、この法案におきましては、地方公共団体の地域気候変動適応センターと国立環境研究所とが気候変動影響に関する情報を共有いたしまして、連携をしながら地方公共団体の適応策を支えていく仕組みを規定しているというところでございます。
 この規定に基づきまして、地域の研究機関が有するモニタリングデータ等を、国立環境研究所が中核となる適応の情報基盤に集約をいたしまして、それを分析をした上で地方公共団体にもフィードバックをさせていただいて、広く発信していきたいというふうに考えております。
 このような仕組みの構築を通じまして、モニタリングデータ等を活用いたしまして、各地域における適応策を、きめ細かなデータに裏づけられた実効性の高いものにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
百武公親#13
○百武委員 ありがとうございました。
 次に、本法案の気候変動適応計画と、現行の政府の適応計画との関係性についてです。
 本法案では、政府は、気候変動適応に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、気候変動計画を定めなければならないこととされています。
 適応にかかわる計画については、既に平成二十七年十一月に政府の適応計画が策定をされておりますが、本法案に基づき策定されることとなる気候変動適応計画は、現行の政府適応計画とは具体的に何が変わるのか伺います。また、埼玉県を始めとして、既に適応にかかわる計画を策定し、先進的な取組を進めている自治体の適応計画の取扱いについても政府に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
とかしきなおみ#14
○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。
 百武委員のおっしゃるとおり、平成二十七年の閣議決定では、現行の適応計画、これは法的には根拠がないものであるということで、主として関係省庁の取組をまとめた計画となっておりました。
 しかし、新たに策定する適応計画におきましては、現行の計画の内容を大幅に見直す内容となっております。
 具体的にどこを見直したと申しますと、三点ございまして、まず一つ目が、関係省庁の取組について充実強化を図るということ、そして二つ目が、国立環境研究所を中核とした情報基盤の整備を整えていくこと、そして三つ目は、地方公共団体、事業者、国民等の幅広い主体の連携協力による取組を幅広く取り込むこと、この三点を組み合わせまして、適応策を強力に展開していくことが可能となっているところが特徴でございます。
 また、お尋ねのありました地方公共団体の取扱いにつきまして、本法案に基づきまして適応計画を策定することが求められることとなりますが、既に適応に関する、例えば埼玉のように、計画を既に策定している地方公共団体の計画につきましては、本法案に基づく計画として取り扱うものとなっております。
 環境省といたしましては、既に計画を策定済みの地方公共団体につきましても、計画策定マニュアルの作成や提供、さらに、国立環境研究所の技術的サポートの充実等を通じまして、計画のより一層の充実強化を後押ししていきたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
百武公親#15
○百武委員 ありがとうございました。
 次に、気候変動適応情報プラットフォームのポータルサイトの充実化等についてです。
 政府の適応計画の基本戦略の一つとして掲げられている、気候リスク情報等の共有と提供を通じた理解と協力の促進に基づき、地方公共団体、事業者そして国民が適応策を検討するための行動を支援する情報基盤として、平成二十八年八月に、ポータルサイト、気候変動適応情報プラットフォームが構築をされております。
 このプラットフォームは、気候変動の影響への適応に関する情報を一元的に発信するためのポータルサイトであり、必要な科学的知見や関連情報が提供をされており、国立環境研究所が科学的な知見をもとに同プラットフォームを運営していると承知をいたしております。そして、本法案により、ステークホルダーに情報を提供するという国立環境研究所のこれまでの取組が法定化され、法律上の根拠に基づいて行うことが可能となり、今後の適応策を進めていく上で重要なファクターになると思います。
 私もこのサイトを拝見いたしましたが、各県の米の収量の将来予測や熱中症搬送者数の将来予測など、最新の科学的知見に基づいた情報が提供をされており、これらの情報をうまく活用することで、地方公共団体が適応策を検討するための行動支援に役立つものと思っております。しかしながら、事業者の適応ビジネスの取組事例については紹介されている事例が限定をされており、適応ビジネスの展開に対する機運はまだ十分には高まっていない感じがいたしました。
 そこで、気候変動適応情報プラットフォームの今後のさらなる充実化に向けた取組について政府に伺います。
 また、二〇一六年に開催されたCOP22において、当時の山本環境大臣は、途上国による適応策の実施をサポートするために、二〇二〇年をめどに、気候変動情報プラットフォームを発展させ、アジア太平洋地域に拡大したアジア太平洋適応情報プラットフォームを構築することを発表いたしましたが、その構築状況についてもあわせてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
森下哲#16
○森下政府参考人 お答え申し上げます。
 環境省は、平成二十八年から、関係省庁と連携をいたしまして、適応の情報基盤であります気候変動適応情報プラットフォームを構築いたしまして、地域ごとの気候変動影響の将来予測ですとか、あるいは適応策の優良事例など、さまざまな情報を発信してきてございます。
 御紹介もいただきましたけれども、例えば、都道府県別にクリックする場所がウエブサイト上にございまして、そこをクリックすると、例えばお米の収量あるいは果樹の収量、それが中長期的にどうなっていくのか、そういった情報も得ることができますし、さらには、ではどういった取組をしていけばいいのかということも共有ができるような、そういうプラットフォームが既に構築をされておりまして、それを充実強化させていきたいというふうに思っております。
 この法案におきましては、適応の情報基盤の中核となります国立環境研究所が、国や地域の研究機関等との連携していく規定というものを盛り込んでございます。今後は、この規定に基づきまして、さまざまな研究機関が有する気候変動の影響や適応策に関する情報をこのプラットフォームのポータルサイトに集約をして発信してまいりたいというふうに考えております。
 それから、御指摘のございました、事業者の、特に適応ビジネスに関する情報でございますけれども、これについても、更に今後情報を集積していきたいというふうに考えております。
 国内の事業者の方々も、例えば保険業あるいはIT関係の方々、さまざまな方々が、クライメート・リスク・インフォメーション、これを使ったビジネスの展開というのを国内そして海外に広げていくということを考えてございます。今、こういった方々と一緒に、シンポジウムを開催させていただく、あるいは勉強会を開催させていただくというようなことを進めてございます。そういったところの活動を通じまして得られた知見というものを、この中に充実、蓄積をしていきたいというふうに考えております。
 それから、後段で御指摘のありましたアジア太平洋適応情報プラットフォームでございます。これは、国際的な適応の情報基盤といたしまして、開発途上国が科学的知見に基づきまして適応策を立案、実施できるよう、二〇二〇年までに構築をすべく、各国との調整を進めているというところでございます。
 これは、COP22で当時の山本大臣が、国際的にもこのプラットフォームというのを立ち上げますということを宣言されてございます。そして、昨年のCOP23、中川大臣が御出席をされました気候変動枠組み条約締約国会議、COP23では、サイドイベントを開催いたしておりまして、このプラットフォームの暫定版の紹介をさせていただいたということでございますけれども、開発途上国からは強い期待を寄せていただきました。
 既に、実は、インドネシアやフィリピンというところから日本に対して、ぜひ技術的な支援をしてくれないかという問合せが来て、私どもも対応を開始しているというところでございます。
 インドネシアにつきましては、非常にお米のお好きなお国柄でございますけれども、お米の収量が中長期的にどうなっていくのか非常に心配だということで、国立環境研究所に将来予測をしてほしいという御依頼が来ております。これには既に対応を開始させていただいております。
 それから、フィリピンからは、洪水予測をやってくれないか、そういう御依頼が来ております。フィリピンのある地域の三次元の情報と、それから今後の気候変動の影響というものを掛け合わせまして、その地域のどこに脆弱なエリアがあるのかということを判断したいんだということで、こういった防災の面からもアプローチが来ておりまして、これについても対応を開始しているというところでございます。
 こういった途上国の大きな期待にも応えられるように、しっかりと取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
この発言だけを見る →
百武公親#17
○百武委員 ありがとうございました。
 次に、地域適応コンソーシアムの取組状況についてです。
 政府の適応計画の基本戦略の一つとして掲げられている、地域での適応の推進に基づき、環境省では、国土交通省及び農林水産省と連携して、平成二十九年度より三カ年の計画で、全国事業と六つの地域における地域事業で構成する地域適応コンソーシアム事業を開始しております。
 この事業は、地域の関係者との連携体制を構築し、各地域のニーズに沿った気候変動に関する情報の収集、整理を行い、また、気候変動による影響調査を実施することにより、具体的な適応策の検討が進められていると承知をいたしております。
 そして、本法案により、地域適応コンソーシアム事業の六つの地域の地域協議会を念頭に置いた気候変動適応広域協議会を組織することができる規定を設けることで、広域的な連携による気候変動適応の推進が図られることとなります。
 気候変動の影響への適応は、地域の生活基盤を守ることや地域振興にもつながることから、気候変動適応広域協議会を通して、長年にわたっての地域での生活や社会貢献活動を通じて得られた身近な自然環境の状況等に関する情報を広く共有していくことは、大変有益であると考えております。
 そこで、現在三カ年計画で取り組んでいる六つの地域協議会の主な気候変動影響に関する調査の内容と、その進捗状況についてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
森下哲#18
○森下政府参考人 地域適応コンソーシアム事業の取組についての御質問でございます。
 御指摘のこの事業におきましては、都道府県等の地域のニーズを踏まえながら、農林水産省さん、国交省さんと連携をいたしまして、農業、水産業、自然災害、水環境、生態系、健康等、さまざまな分野を対象といたしまして、将来の気候変動影響に関する全三十五項目の調査を実施しているところでございます。
 例えば、関東地域におきましては、都道府県等の研究機関と連携をいたしまして、夏季の高温あるいは少雨によるお茶の栽培への影響調査ですとか、降水量の増加等を考慮した都市圏の内水氾濫リスク評価等を実施してございます。
 それから、御指摘のございましたように、集中豪雨といったようなことも、自治体の方から、これは大きな課題だということで御提案をいただいておりまして、例えば、先ほどの内水氾濫リスクの評価ということで実施をさせていただいているということでございます。
 また、熱中症関係につきましても、気候変動によるその影響という、熱中症リスクの評価手法の整理、構築ということで、これも関東地方の一つの課題として現在取組をさせていただいているということでございます。
 ちなみに、この課題は、自治体の方から御提案をいただきまして、その地域地域に応じたニーズに応じまして、それに対する対応策というのを検討していくという形で進めさせていただいているということでございます。
 昨年度は、主に気候変動影響の将来予測に必要なデータの収集等を行ってまいりました。今後は、この法案のもと、広域協議会を通じまして、関係府省庁や関係研究機関との連携協力体制の強化を図りながら、シミュレーションモデルを活用した将来予測計算や、その結果を踏まえた適応策の検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
この発言だけを見る →
百武公親#19
○百武委員 ありがとうございました。
 まだ時間がございますので、もう一問、最後に、最近の研究に関し質問をさせていただきます。
 昨年の十月に、国立環境研究所を始めとしたグループは、産業管理外来種に指定されているモウソウチクとマダケの生育に適した環境が、東日本で温暖化の進行とともに拡大することを予測モデルによって明らかにしたと発表をいたしました。発表では、気候変動そして温暖化を抑制する緩和策と同時に、外来種予防三原則に基づいた生態系管理などの適応策を進めることも重要であると指摘をしています。この研究は、竹林の分布を広域の現地調査に基づいて予測するとともに、気候変動の影響を推定した日本で初めての報告とのことで、このような最新の科学的知見も踏まえ、気候変動の影響を評価していかなければなりません。
 そこで、このモウソウチクとマダケについての現時点における国の気候変動影響評価と、その適応策の対応状況を簡潔にお教えいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
森下哲#20
○森下政府参考人 モウソウチクとマダケなどの放棄竹林は、現在西日本で問題となってございますけれども、昨年十月に国立環境研究所等が公表しました研究成果では、気候変動によりまして東日本や北日本においても分布地域が拡大し、地域の生態系や里山の管理に悪影響を及ぼす影響があるという指摘がなされてございます。
 環境省は、ことしの二月に、関係省庁とともに、我が国の気候変動及びその影響に関する最新の科学的知見を、報告書、気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート二〇一八という名称でございますが、取りまとめてございます。その中にも、先ほど御紹介にもありましたが、この竹に関する研究成果が盛り込まれたところでございます。
 環境省といたしましては、これまで、地方公共団体等が生物多様性の保全のために行う竹林対策の支援を行ってまいりましたが、今後は、これらの新しい科学的知見を踏まえつつ、この法案に基づき気候変動適応計画を策定する中で、生態系分野における適応策についても取り組んで、検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
この発言だけを見る →
百武公親#21
○百武委員 ありがとうございました。
 もうそろそろ時間でございますので、以上、本日は気候変動適応法案の基本的な部分について私なりに質問をさせていただきましたが、中川環境大臣を始め、とかしき副大臣そして笹川政務官など環境省の皆様の答弁を改めて拝聴させていただいた結果、冒頭で述べさせていただきましたとおり、地球環境を将来にわたって守っていくためには本法案の成立が絶対必要不可欠であるということを再認識させていただきました。
 今後とも、環境省を中心として、各関係省庁や各地方自治体等との連携を図りながら、これらの適応策に積極的に取り組んでいっていただきたい旨を強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
松島みどり#22
○松島委員長 次に、堀越啓仁さん。
この発言だけを見る →
堀越啓仁#23
○堀越委員 立憲民主党・市民クラブの堀越啓仁でございます。
 先月の十日に初めて本会議場で登壇させていただきまして、中川環境大臣に気候変動適応法案について質問させていただきまして、まことにありがとうございました。
 本日は、その件について更に深掘りをさせていただくとともに、質問事項にかかわることを、再確認も含め、更に質問させていただければというふうに思っております。
 それから、本会議場の登壇のときに、自然系国会議員を目指しますということを言わせていただきました。このことについて、与野党を超えてさまざまな先生から、いや、自然系国会議員、いいんじゃないかということで声をかけていただきまして、ありがたいなと思っておりますけれども、私は、冗談ではなく本当に自然系国会議員をまず目指していきたいというところでありますし、あとは、やはり自然環境の問題に関しては、これは日本国内だけではなく世界規模で取り組んでいかなければいけない大問題であると思います。ですので、そういった意味で、本当に自然環境に全力で向き合っていくんだという議員の皆様がふえていくといいなという希望も含めて、自然系国会議員というふうにこれからも名乗らせていただきたいと思っております。
 まず、委員の皆様にとりましても、御地元へ戻られましたらば、自然系国会議員でございますということを言っていただけるとありがたいなと思っております。とりわけ、同じ群馬県であります笹川政務官、ぜひ、群馬県で自然系国会議員をふやしていくために、お願い申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
 私の地元であります群馬県も、本当に、館林、前橋等々で、日々、夏になりますと気温がどんどん上昇しているという状況であります。地球温暖化等の影響により平均気温は長期的に上昇しているという状況がもう可視化できているという状況だと思います。今後も更にこれらが上昇することが予想されますし、また、近年では、地球温暖化の影響と見られる短時間の豪雨の発生回数も非常にふえております。こうした環境の変化による水害や土砂災害等の発生リスクは年々増加しているわけでございまして、県内でも大規模な土砂災害の発生が懸念をされております。
 先日、環境省の方からレクを受けさせていただいたんですが、デング熱を媒介するヒトスジシマカの生息域は、もともと戦前は群馬県が北限だったところ、今は青森県まで、かなり上に上がってきているという状況であります。改めて気候変動対策は待ったなしの状況でありまして、緩和と気候変動の影響への適応が喫緊の課題である、再確認しているところであります。
 そういった意味で、この気候変動適応法、先ほど百武議員の方からもお話ありました、私も非常に重要な法案だと思っています。
 そういった意味で、この気候変動対策は、最大限の緩和策の実施、これがやはり大前提であるという私の考え方は既に本会議の方でも述べさせていただいたとおりでございます。
 適応策は気候変動の影響に対応して実施されるものですが、温室効果ガスの削減を最大限行うことにより、その影響を極力抑えることが期待できるわけであります。つまり、緩和策を強化することは、気候変動の影響と被害を未然に回避する最大の適応策であると言えると考えております。
 この点について、再度ではありますが、大臣の御所見をお伺いするとともに、こうした考えを踏まえ、気候変動対策は緩和策の最大限の実施が大前提であるということを本法案に私は明記する必要があると考えておりますが、その点について伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
中川雅治#24
○中川国務大臣 気候変動の脅威に対応するためには、御指摘のとおり、緩和策と適応策の二つを車の両輪として進める必要がございます。
 世界各国が合意したパリ協定や、気候変動の科学に関する国際的な組織であるIPCCも、緩和策と適応策の両方を推進することの重要性を強調しております。
 緩和策の重要性につきましては、既に地球温暖化対策推進法に明記しておりまして、同法第一条においては、「地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼすものであり、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止することが人類共通の課題」とされております。
 本法案のもとで適応策を充実強化させるとともに、地球温暖化対策推進法のもとで緩和策に全力で取り組んでまいります。
 地球温暖化対策推進法と今回御審議いただく本法案の二つを礎に、緩和策と適応策をしっかりと推進してまいります。
この発言だけを見る →
堀越啓仁#25
○堀越委員 ありがとうございます。
 まさしく何度か質問させていただいておりまして、中川環境大臣の方から心強い答弁をいただいているわけでございますけれども、やはり、私はこれは、車の両輪とおっしゃっておりました、そのとおりだと思っておりますし、やはり緩和策というのを講じることが大前提であるという認識は常に持ちつつ、適応策についても今後も注視をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 それから、次に移りますけれども、次に、パリ協定に関する削減目標の件についてです。
 パリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命以前より二度以下に抑えることを目標とし、さらには一・五度以下に抑えることを努力目標としております。この目標の達成のためには、世界第五位の温室効果ガス排出国である日本の、二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%削減するという目標では、責任と能力を踏まえた十分な貢献はできないというふうに考えております。
 極めて不十分な目標であるということについては本会議で指摘をさせていただきましたが、これと同様に、経済協力開発機構、OECDが、このままではパリ協定の目標達成は困難であり、日本の削減目標について、各国が示している数値を念頭に、不十分だとした上で、削減の野心を高めるべきだと報告書をまとめております。
 このOECDの報告書が、先月の十三日、グリア事務総長から中川環境大臣に手渡されたものと承知しておりますが、この提言について、大臣、どのように受けとめておられますのか、まずお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →
中川雅治#26
○中川国務大臣 OECDの対日政策提言書、受け取ったわけでございますが、拝読いたしまして、まず、御指摘のように、二〇三〇年度二六%削減目標について、その達成に向けた取組を加速化させる必要があることや、現行の削減目標を超えて野心の向上に努めていくべきだ、こういったことが書かれております。また、二〇五〇年八〇%削減目標に向けた戦略を確立すること、革新的な低炭素技術に関する研究開発を促進、普及させること、それから、グリーンファイナンス・投資の活動の奨励、こういった点につきまして御提言をいただきました。
 いずれも重要な御指摘であると考えておりまして、今後、気候変動対策を進めていくに当たって大いに参考にさせていただきたいと考えております。
この発言だけを見る →
堀越啓仁#27
○堀越委員 ありがとうございます。
 これとあわせて、この提言を受けて、国際社会に対して十分に貢献していくためにも、緩和策は最大の適応策であるという観点からも、やはり日本の削減目標を引き上げる必要があると考えますが、その点について改めてお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →
中川雅治#28
○中川国務大臣 パリ協定は、二度目標の達成のため、今世紀後半に温室効果ガスの実質排出ゼロを目指して各国の取組を前進させていく歴史的な枠組みでございまして、この趣旨を十分に考慮し、全ての国が脱炭素化に向けて取り組んでいくべきと考えております。
 我が国におきましては、平成二十八年五月に閣議決定いたしました地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施し、まずは二〇三〇年度二六%削減目標を達成するということが重要でございます。
 また、この計画では、対策、施策の進捗状況を毎年厳格に点検するとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すこととしております。
 パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向け、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
堀越啓仁#29
○堀越委員 ありがとうございます。
 これは、本当に世界レベルで削減目標を掲げているところであって、その影響がやはり、先ほど御答弁の中にありましたけれども、アジア諸国から、いわゆる米がどれぐらいとれるのか、あるいは水害の被害がどれぐらいになるのか調査をしてくれ、この調査の依頼があることに関しては、高い技術力を持った日本にこそ委ねられているというところに関しては非常にすばらしいことだなと思いますけれども、やはり、我々が日々享受している豊かさというものが、そういう、アジアの、本来CO2を、温室効果ガスを排出していない国々に押しつけるというようなことがあってはならないという観点からも、やはり先進国として野心的な目標を更に掲げていかなければいけないのではないかなというふうに述べさせていただきたいと思います。
 COP23でも、環境NGOの方から化石賞というものを受賞してしまいましたので、この汚名を返上するためにも、更に野心的に削減目標を掲げていく必要があるというふうに考えております。
 また、代表質問で、適応策の名のもとに無駄な公共事業が行われてはいけないということを指摘させていただきました。これに対して、中川環境大臣の方から、本法案では、科学的な情報基盤を構築し、将来の気候変動影響に関する精度の高い情報を提供していくこととしており、適応策の観点から、効果的かつ効率的な事業の推進を図っていくこと、また、本法案では、気候変動適応計画に基づく施策の進展の状況を的確に把握し、評価する手法の開発に努める旨規定するとともに、気候変動適応計画を必要に応じて見直していくこと、そして、これらの仕組みにより、適応策を具体的に実施するそれぞれの府省庁において、必要性や緊急性を踏まえ、適応策の効果的かつ効率的な実施が図られるものと考えておりますというふうに御答弁いただきました。
 つまり、気候変動適応計画の見直し等の仕組みによって、各府省庁が適応策の効率的な実施を図っていくことを期待されていると理解をさせていただきましたが、かつての公共事業の巨額な伸び、それからゼネコン汚職や談合事件などの摘発を契機として、公共事業のあり方に対し批判が今広がっているというふうに思います。本当に適応に係る事業なのか、あるいは、これが本当に環境の負荷の少ない事業なのか。もともと環境保全も含めてこういった取組をしていかなければいけない部分ではありますが、それと真逆の方向に進んでいってしまってはいけないというところも懸念されます。
 さらに、もっと費用の少ない事業に代替できるのではないかなどの視点から、第三者、つまり市民がこれを評価する仕組みを設ける必要があるというふうに考えますが、再度、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
← 戻る