環境委員会
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会
会議録情報#0
平成三十年五月十五日(火曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 松島みどり君
理事 金子万寿夫君 理事 北川 知克君
理事 関 芳弘君 理事 高橋ひなこ君
理事 武村 展英君 理事 生方 幸夫君
理事 西岡 秀子君 理事 江田 康幸君
井上 貴博君 大隈 和英君
河井 克行君 木村 弥生君
笹川 博義君 武部 新君
中村 裕之君 百武 公親君
福山 守君 古田 圭一君
細田 健一君 三浦 靖君
務台 俊介君 近藤 昭一君
堀越 啓仁君 山崎 誠君
横光 克彦君 下条 みつ君
鰐淵 洋子君 田村 貴昭君
玉城デニー君 細野 豪志君
…………………………………
環境大臣 中川 雅治君
環境副大臣 とかしきなおみ君
環境大臣政務官 笹川 博義君
環境大臣政務官 武部 新君
政府参考人
(農林水産技術会議事務局研究総務官) 大角 亨君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 首藤 祐司君
政府参考人
(環境省大臣官房環境保健部長) 梅田 珠実君
政府参考人
(環境省地球環境局長) 森下 哲君
政府参考人
(環境省総合環境政策統括官) 中井徳太郎君
参考人
(WWFジャパン自然保護室室次長) 小西 雅子君
参考人
(認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長) 桃井 貴子君
環境委員会専門員 関 武志君
—————————————
委員の異動
五月十五日
辞任 補欠選任
木村 弥生君 大隈 和英君
同日
辞任 補欠選任
大隈 和英君 木村 弥生君
—————————————
五月十五日
動物愛護法の改正に関する請願(源馬謙太郎君紹介)(第一一〇五号)
同(木村弥生君紹介)(第一一九九号)
同(川内博史君紹介)(第一二三一号)
同(もとむら賢太郎君紹介)(第一二四九号)
動物虐待事犯を厳正に処罰するために法の厳罰化とアニマルポリスの設置を求めることに関する請願(馬場伸幸君紹介)(第一一〇六号)
同(浮島智子君紹介)(第一一五七号)
同(木村弥生君紹介)(第一二〇〇号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
気候変動適応法案(内閣提出第二七号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 松島みどり君
理事 金子万寿夫君 理事 北川 知克君
理事 関 芳弘君 理事 高橋ひなこ君
理事 武村 展英君 理事 生方 幸夫君
理事 西岡 秀子君 理事 江田 康幸君
井上 貴博君 大隈 和英君
河井 克行君 木村 弥生君
笹川 博義君 武部 新君
中村 裕之君 百武 公親君
福山 守君 古田 圭一君
細田 健一君 三浦 靖君
務台 俊介君 近藤 昭一君
堀越 啓仁君 山崎 誠君
横光 克彦君 下条 みつ君
鰐淵 洋子君 田村 貴昭君
玉城デニー君 細野 豪志君
…………………………………
環境大臣 中川 雅治君
環境副大臣 とかしきなおみ君
環境大臣政務官 笹川 博義君
環境大臣政務官 武部 新君
政府参考人
(農林水産技術会議事務局研究総務官) 大角 亨君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 首藤 祐司君
政府参考人
(環境省大臣官房環境保健部長) 梅田 珠実君
政府参考人
(環境省地球環境局長) 森下 哲君
政府参考人
(環境省総合環境政策統括官) 中井徳太郎君
参考人
(WWFジャパン自然保護室室次長) 小西 雅子君
参考人
(認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長) 桃井 貴子君
環境委員会専門員 関 武志君
—————————————
委員の異動
五月十五日
辞任 補欠選任
木村 弥生君 大隈 和英君
同日
辞任 補欠選任
大隈 和英君 木村 弥生君
—————————————
五月十五日
動物愛護法の改正に関する請願(源馬謙太郎君紹介)(第一一〇五号)
同(木村弥生君紹介)(第一一九九号)
同(川内博史君紹介)(第一二三一号)
同(もとむら賢太郎君紹介)(第一二四九号)
動物虐待事犯を厳正に処罰するために法の厳罰化とアニマルポリスの設置を求めることに関する請願(馬場伸幸君紹介)(第一一〇六号)
同(浮島智子君紹介)(第一一五七号)
同(木村弥生君紹介)(第一二〇〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
気候変動適応法案(内閣提出第二七号)
————◇—————
松
松島みどり#1
○松島委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、気候変動適応法案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、WWFジャパン自然保護室室次長小西雅子さん及び認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長桃井貴子さん、以上二名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、小西参考人、桃井参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず小西参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、気候変動適応法案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、WWFジャパン自然保護室室次長小西雅子さん及び認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長桃井貴子さん、以上二名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、小西参考人、桃井参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず小西参考人にお願いいたします。
小
小西雅子#2
○小西参考人 皆様おはようございます。WWFジャパンの自然保護室室次長をしております小西雅子と申します。
本日は、WWFにこのような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
WWFというのは、百カ国で活動している世界最大級の自然保護団体で、私のような専門オフィサーが、五千人が活動しております。
本日の気候変動の適応法案の意見としまして、本法案の重要性をまず述べさせていただいた後に、改善案としまして、まず、緩和策が大前提であること、そして、PDCAサイクルを回すときにやはり第三者機関の評価が必要ではないかという意見、その二点について述べさせていただきます。
最初に、きょうも暑くなっているんですけれども、ここのところのこの暑さ、国民の皆様もひしひしとこの温暖化の影響による異常気象のことは感じていらっしゃるんじゃないかと思います。お手元にあるパワーポイントに沿って説明させていただきますが、例えばアメリカでは、去年、過去最大の気象被害額、三百ビリオン、約三兆円の被害が出ております。
被害額はこれからふえる一方なんですが、今世紀末の気温変化として、このままでは四度上昇するという予測がIPCCからされております。これを二度未満に抑えるということが今パリ協定の中で各国の長期目標として共有されているわけですが、温暖化の主な影響としましては、日本を含めたアジアでは、洪水ですとか熱中症のリスク、干ばつによる水、食料不足が挙げられております。
このときに大事なのは、気温上昇は、四度上昇した場合と二度上昇した場合においては非常に大きな差があるということです。と同時に、たとえ二度の上昇でもこれは被害がかなり深刻でして、例えば洪水被害ですと、リスクは中程度の上となっております。
つまり、この温暖化の被害に対して軽減する努力をする適応努力というのは、緩和と同時にもうやっていかなければならない非常に喫緊の課題であるということです。
続いての次のページ。パリ協定、御存じのように、気温の上昇を二度に抑えるために、今世紀後半に人間活動による排出をゼロを目指す目標を持つ初めての国際協定です。
その中の第七条、適応において、適応のグローバルゴール、世界目標を設定すること、そして、全ての国は適応計画のプロセスに従事して、実施することが義務となっております。このように、パリ協定から要請されているわけですね。
あともう一つ、パリ協定の大きな特徴として、第八条に、損失と被害という項目が入りました。これは、気候変動の悪影響によって、適応をしたとしても既に防ぐことができないような、発生してしまう損失や被害に対して、国際的な対応の仕組みを強化していく、こういった新しい項目も入っております。これについては、ちょっと後でまた述べさせていただければと思います。
続いて九ページ。このパリ協定の大きな特徴として、五年ごとにこの目標を見直すということが決まっております。パリ協定で言う国別の目標というのは、緩和の目標だけではなく、適応の目標も入ることになっております。つまり、緩和と同時に、適応についても、五年ごとに実施計画を立て、進捗を評価し、そして改善点を見て、そして改善していくといった、PDCAサイクルを回すことになっております。
ということで、本法案、適応法案は、まさにパリ協定からの、国際社会からの要請を受けた時宜を得た法案ということが言えます。長期目標の設定ですとか、適応計画の実施、報告、そして定期的な更新、こういったものが含まれている本法案は、実に時宜を得た的確な法案であるということが言えると思います。
あともう一つ、この法案の重要なところは、国が率先して地方自治体の適応計画を方向づけるということが決められていることです。
次、めくっていただきますと、今まで、主に適応の主体というのは、地方自治体さんが大きな役割を果たします。
というのは、基本的には、異常気象に対する防災計画、治水計画、そして、各地の農業とか漁業とか、そういった産業の適応計画を進めるということは、既に、既存に行われている施策の中にこの適応の視点を入れていく、これを国際社会では適応の主流化と呼んでいますが、地方自治体さんに今までは適応の計画を立てましょうと私たちも申し上げてきても、ああ、でも、今、国もまだやっていないしということで、かなり二の足を踏む自治体さんが多かったんですが、二〇一五年に適応計画ができて、地方自治体さんに非常に弾みがつきました。
さらに、本法案によって法的根拠がここにできますので、主体化として、地方自治体さんにとって、非常に適応計画を立てるという重要性とともにその推進が図られることが期待されます。
自治体さんにとってやはり大きな課題は、適応計画を理解して、それを進める能力のある人材、この人材の不足といったことも挙げられますが、その点では、この法案において、例えば、この十一ページにありますように、情報収集が一カ所でできるような環境省さんの気候変動適応情報プラットフォームとか、あと、隣の自治体さんはどうしているかなということが日本の自治体さんとしては気になるところだと思いますが、適応計画をどういうふうに持っているかという自治体のこともすぐわかりますし、また、これからは日本の産業界にとっては適応技術が非常に大きなニーズとなってきます。その適応ビジネスというもののグッドプラクティスも一カ所でわかるようになっております。
また、気象庁によって、気象災害への備え、私も気象予報士なんですが、気象予報士を自治体に派遣して、こういった防災計画になるべく視点を入れて防災の強化を図っていこうといった、こういったことも進められていますが、こういったことが全て法的根拠を持ってできるようになりますので、非常に時宜を得た法案だと言えると思います。
ただ、その中でも、改善案としまして二つ申し述べさせていただきたいと思います。
というのは、本当は、この気候変動の対策というのは、皆様よく御存じのように、まず温室効果ガスの排出削減を行う緩和策が第一前提です。ただ、この緩和策の方は、まだ日本の中においては、パリ協定に沿った緩和策の法案というのは残念ながらございません。
ですので、この適応の法案が今回成立することは非常に喜ばしいことなんですが、本法案の第一条に、緩和と適応が温暖化対策の車の両輪であるということをぜひ明示していただいて、後々に緩和の対策について、なるべく早く法案ができるような形で、ここにうたっていただければありがたいなと思っております。
あともう一つ重要なことは、今まで御説明申し上げたように、これからの気温上昇が、四度になるのか、それとも、国際協力をなして二度未満に抑えることができるかによって、随分適応の必要性が変わってきます。四度上昇する世界にまっしぐらになるのか、それとも、二度に抑えられるのか。
パリ協定では二度未満ということをうたっていますので、本当でしたら、本法案の中にも、パリ協定に沿って二度未満に対策を強化していき、二度未満になっても、それでも起こってしまう対策に対して適応をやっていかなければならないといったような、本当はそういう形で目指すべき気温上昇の幅というものも書かれるべきなんですけれども、そこがないというのが非常に残念に思っております。
そこから考えますと、現状の日本がパリ協定に出している目標は、国際社会からは著しく不十分だとの評価を受けています。
本来は、気候変動対策の基本法を制定して、その中に緩和と適応法を位置づけるというのが本来の姿ではないかと思っております。
といいますのは、もし四度上昇した場合、日本は、世界が平均気温で四度上昇した場合は、緯度三十度にありますので四・五度ぐらい上昇する予測ですが、その場合、東京は大体、現在の屋久島の気候になると言われています。これは、気象庁が出した温暖化予測情報、これまで九回出しているんですが、この第九巻目に出された知見なんです。
ここで、気象庁は、今まで実は、ずっとこの温暖化の予測というのは中程度の予測を使用していました。ところが、今回初めて、四度上昇するRCP八・五と言われるシナリオに基づいた影響予測を出したんですね。といいますのは、次の十八ページにありますように、現実の世界の排出量というのは四度上昇するシナリオに沿っているんです。ですので、このままだと四度上昇してしまうということになります。
次のページへめくっていただいて、環境省さんも、もし四度上昇した場合と、そして二度未満に抑えた場合の、これは熱中症の患者の搬送数の例で持ってきましたけれども、その倍率も、例えば東京で厳しい温暖化対策をとった場合には二倍ぐらいなんだけれども、もし四度上昇した場合には四倍から八倍にふえるといった予測が出されています。つまり、気温上昇の予測によって準備するべき適応も変わってくるわけですね。
ですので、やはりここは適応法案としては、緩和法案と両輪で、しかも、どのレベルを日本として目指すのかということがぜひ本当は入ってほしいなと思っております。
パリ協定の主要な決定事項としては、二度未満に抑える、できるならば一・五度未満にと入っております。そのためには、今世紀末に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにということがうたわれております。しかし、今パリ協定に世界各国が出している目標では、気温上昇は大体二・八度、三度ぐらいになると予測されております。
ということで、本来は、緩和と適応の両方を含む気候変動の基本法があって、その上でこの適応法案が位置づけられるといいなと思っております。
そして、最後に、PDCAサイクルを回していくという、パリ協定に沿った非常にいい内容を持った適応法案なんですが、本当は、独立した第三者機関の評価が、今回の適応の進捗状況ですとか評価がどうであったということが入ってほしいなと思っております。
といいますのは、パリ協定に出す国別目標の中でも、こういった適応計画の評価の国際的妥当性というものも提出する必要がありますので、それのためにも、日本の適応法案の中にもこうした独立した第三者機関の評価と勧告の仕組みというものが入ったらいいなと思っております。
そのほか、御参考までにいろいろな資料も持ってまいりましたので、もしよろしければ、また質疑応答のときにでも聞いていただければと存じます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、WWFにこのような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
WWFというのは、百カ国で活動している世界最大級の自然保護団体で、私のような専門オフィサーが、五千人が活動しております。
本日の気候変動の適応法案の意見としまして、本法案の重要性をまず述べさせていただいた後に、改善案としまして、まず、緩和策が大前提であること、そして、PDCAサイクルを回すときにやはり第三者機関の評価が必要ではないかという意見、その二点について述べさせていただきます。
最初に、きょうも暑くなっているんですけれども、ここのところのこの暑さ、国民の皆様もひしひしとこの温暖化の影響による異常気象のことは感じていらっしゃるんじゃないかと思います。お手元にあるパワーポイントに沿って説明させていただきますが、例えばアメリカでは、去年、過去最大の気象被害額、三百ビリオン、約三兆円の被害が出ております。
被害額はこれからふえる一方なんですが、今世紀末の気温変化として、このままでは四度上昇するという予測がIPCCからされております。これを二度未満に抑えるということが今パリ協定の中で各国の長期目標として共有されているわけですが、温暖化の主な影響としましては、日本を含めたアジアでは、洪水ですとか熱中症のリスク、干ばつによる水、食料不足が挙げられております。
このときに大事なのは、気温上昇は、四度上昇した場合と二度上昇した場合においては非常に大きな差があるということです。と同時に、たとえ二度の上昇でもこれは被害がかなり深刻でして、例えば洪水被害ですと、リスクは中程度の上となっております。
つまり、この温暖化の被害に対して軽減する努力をする適応努力というのは、緩和と同時にもうやっていかなければならない非常に喫緊の課題であるということです。
続いての次のページ。パリ協定、御存じのように、気温の上昇を二度に抑えるために、今世紀後半に人間活動による排出をゼロを目指す目標を持つ初めての国際協定です。
その中の第七条、適応において、適応のグローバルゴール、世界目標を設定すること、そして、全ての国は適応計画のプロセスに従事して、実施することが義務となっております。このように、パリ協定から要請されているわけですね。
あともう一つ、パリ協定の大きな特徴として、第八条に、損失と被害という項目が入りました。これは、気候変動の悪影響によって、適応をしたとしても既に防ぐことができないような、発生してしまう損失や被害に対して、国際的な対応の仕組みを強化していく、こういった新しい項目も入っております。これについては、ちょっと後でまた述べさせていただければと思います。
続いて九ページ。このパリ協定の大きな特徴として、五年ごとにこの目標を見直すということが決まっております。パリ協定で言う国別の目標というのは、緩和の目標だけではなく、適応の目標も入ることになっております。つまり、緩和と同時に、適応についても、五年ごとに実施計画を立て、進捗を評価し、そして改善点を見て、そして改善していくといった、PDCAサイクルを回すことになっております。
ということで、本法案、適応法案は、まさにパリ協定からの、国際社会からの要請を受けた時宜を得た法案ということが言えます。長期目標の設定ですとか、適応計画の実施、報告、そして定期的な更新、こういったものが含まれている本法案は、実に時宜を得た的確な法案であるということが言えると思います。
あともう一つ、この法案の重要なところは、国が率先して地方自治体の適応計画を方向づけるということが決められていることです。
次、めくっていただきますと、今まで、主に適応の主体というのは、地方自治体さんが大きな役割を果たします。
というのは、基本的には、異常気象に対する防災計画、治水計画、そして、各地の農業とか漁業とか、そういった産業の適応計画を進めるということは、既に、既存に行われている施策の中にこの適応の視点を入れていく、これを国際社会では適応の主流化と呼んでいますが、地方自治体さんに今までは適応の計画を立てましょうと私たちも申し上げてきても、ああ、でも、今、国もまだやっていないしということで、かなり二の足を踏む自治体さんが多かったんですが、二〇一五年に適応計画ができて、地方自治体さんに非常に弾みがつきました。
さらに、本法案によって法的根拠がここにできますので、主体化として、地方自治体さんにとって、非常に適応計画を立てるという重要性とともにその推進が図られることが期待されます。
自治体さんにとってやはり大きな課題は、適応計画を理解して、それを進める能力のある人材、この人材の不足といったことも挙げられますが、その点では、この法案において、例えば、この十一ページにありますように、情報収集が一カ所でできるような環境省さんの気候変動適応情報プラットフォームとか、あと、隣の自治体さんはどうしているかなということが日本の自治体さんとしては気になるところだと思いますが、適応計画をどういうふうに持っているかという自治体のこともすぐわかりますし、また、これからは日本の産業界にとっては適応技術が非常に大きなニーズとなってきます。その適応ビジネスというもののグッドプラクティスも一カ所でわかるようになっております。
また、気象庁によって、気象災害への備え、私も気象予報士なんですが、気象予報士を自治体に派遣して、こういった防災計画になるべく視点を入れて防災の強化を図っていこうといった、こういったことも進められていますが、こういったことが全て法的根拠を持ってできるようになりますので、非常に時宜を得た法案だと言えると思います。
ただ、その中でも、改善案としまして二つ申し述べさせていただきたいと思います。
というのは、本当は、この気候変動の対策というのは、皆様よく御存じのように、まず温室効果ガスの排出削減を行う緩和策が第一前提です。ただ、この緩和策の方は、まだ日本の中においては、パリ協定に沿った緩和策の法案というのは残念ながらございません。
ですので、この適応の法案が今回成立することは非常に喜ばしいことなんですが、本法案の第一条に、緩和と適応が温暖化対策の車の両輪であるということをぜひ明示していただいて、後々に緩和の対策について、なるべく早く法案ができるような形で、ここにうたっていただければありがたいなと思っております。
あともう一つ重要なことは、今まで御説明申し上げたように、これからの気温上昇が、四度になるのか、それとも、国際協力をなして二度未満に抑えることができるかによって、随分適応の必要性が変わってきます。四度上昇する世界にまっしぐらになるのか、それとも、二度に抑えられるのか。
パリ協定では二度未満ということをうたっていますので、本当でしたら、本法案の中にも、パリ協定に沿って二度未満に対策を強化していき、二度未満になっても、それでも起こってしまう対策に対して適応をやっていかなければならないといったような、本当はそういう形で目指すべき気温上昇の幅というものも書かれるべきなんですけれども、そこがないというのが非常に残念に思っております。
そこから考えますと、現状の日本がパリ協定に出している目標は、国際社会からは著しく不十分だとの評価を受けています。
本来は、気候変動対策の基本法を制定して、その中に緩和と適応法を位置づけるというのが本来の姿ではないかと思っております。
といいますのは、もし四度上昇した場合、日本は、世界が平均気温で四度上昇した場合は、緯度三十度にありますので四・五度ぐらい上昇する予測ですが、その場合、東京は大体、現在の屋久島の気候になると言われています。これは、気象庁が出した温暖化予測情報、これまで九回出しているんですが、この第九巻目に出された知見なんです。
ここで、気象庁は、今まで実は、ずっとこの温暖化の予測というのは中程度の予測を使用していました。ところが、今回初めて、四度上昇するRCP八・五と言われるシナリオに基づいた影響予測を出したんですね。といいますのは、次の十八ページにありますように、現実の世界の排出量というのは四度上昇するシナリオに沿っているんです。ですので、このままだと四度上昇してしまうということになります。
次のページへめくっていただいて、環境省さんも、もし四度上昇した場合と、そして二度未満に抑えた場合の、これは熱中症の患者の搬送数の例で持ってきましたけれども、その倍率も、例えば東京で厳しい温暖化対策をとった場合には二倍ぐらいなんだけれども、もし四度上昇した場合には四倍から八倍にふえるといった予測が出されています。つまり、気温上昇の予測によって準備するべき適応も変わってくるわけですね。
ですので、やはりここは適応法案としては、緩和法案と両輪で、しかも、どのレベルを日本として目指すのかということがぜひ本当は入ってほしいなと思っております。
パリ協定の主要な決定事項としては、二度未満に抑える、できるならば一・五度未満にと入っております。そのためには、今世紀末に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにということがうたわれております。しかし、今パリ協定に世界各国が出している目標では、気温上昇は大体二・八度、三度ぐらいになると予測されております。
ということで、本来は、緩和と適応の両方を含む気候変動の基本法があって、その上でこの適応法案が位置づけられるといいなと思っております。
そして、最後に、PDCAサイクルを回していくという、パリ協定に沿った非常にいい内容を持った適応法案なんですが、本当は、独立した第三者機関の評価が、今回の適応の進捗状況ですとか評価がどうであったということが入ってほしいなと思っております。
といいますのは、パリ協定に出す国別目標の中でも、こういった適応計画の評価の国際的妥当性というものも提出する必要がありますので、それのためにも、日本の適応法案の中にもこうした独立した第三者機関の評価と勧告の仕組みというものが入ったらいいなと思っております。
そのほか、御参考までにいろいろな資料も持ってまいりましたので、もしよろしければ、また質疑応答のときにでも聞いていただければと存じます。
ありがとうございました。拍手
松
桃
桃井貴子#4
○桃井参考人 気候ネットワークの東京事務所、桃井と申します。
本日は、このような貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
私が所属します気候ネットワークは、一九九七年京都議定書が採択された気候変動枠組み条約第三回締約国会合の開催された翌年、一九九八年に設立され、ことしでちょうど二十周年を迎えます。市民の立場から、気候変動の解決に向けて専門的に取り組み、国際交渉への参加、政策提言、地域レベルでの草の根活動や子供たちへの環境教育などを行ってまいりました。そして、人類にとってリスクの大きな原発には頼らず、化石燃料による温暖化もない、持続可能な社会を構築することをミッションに、活動を展開してまいりました。
今回、気候変動適応法案が上程されるに当たり、二月二十八日、私たちの立場を示したプレスリリースを発表しましたので、そのコピーをお手元にお配りさせていただいております。
今回申し上げたいことは、大きく二点ございます。一つは気候変動対策のかなめである緩和策について、そしてもう一つは適応法案に対してです。
まず第一に、気候変動対策において、適応策は最大限の緩和策の実施が大前提であるということです。
パリ協定では、一・五度から二度未満の目標が明記され、温室効果ガスの排出を早期に削減し、実質的に人為的な温室効果ガスの排出をゼロとする脱炭素社会の構築が決められました。
本年四月二十四日の環境委員会の参考人質疑で、茨城大学の三村先生や国立環境研究所の原澤先生が御出席され、その際にも御発言されていましたが、一・五度から二度未満に抑えたとしても適応策が必要であるということをおっしゃっていたと思います。つまり、適応策をとる上で一・五度から二度の上昇に抑えるということが大前提になるということです。
しかし、今、日本は一・五度から二度未満に抑えるための最大限の緩和策が実施できている状況にあるとはとても言いがたい状況です。パリ協定が発効し、世界が脱炭素社会を目指す中、日本はいまだに二十年前と変わらず進歩がないということを指摘しておきたいと思います。
クライメート・アクション・トラッカーという環境NGOが、毎年各国の気候変動政策評価を行っています。今月発表された評価では、日本の削減目標が極めて不十分であることを改めて指摘しています。そして、気温上昇を四度上昇させるレベルだというふうに評価しました。
いわゆる適応策だけ前に進めても、四度も上昇するような、人類生存に危険なレベルになっては意味をなしません。現在、日本の温室効果ガス削減目標は、二〇三〇年に二〇一三年度比二六%とされていますが、その見直しを含めて、日本の気候変動政策、エネルギー政策全体をパリ協定に合致させることが必要であると考えています。
とりわけ日本において気候変動政策に逆行しているのが、石炭火力発電所の扱いです。
パリ協定の一・五度から二度未満の目標達成には、新たな石炭火力はもちろん、先進国は二〇三〇年にも既存の石炭火力も全廃しなければならないとされています。そのため、先進諸国はもとより、途上国でも石炭火力発電所から脱却する動きが加速化しています。再生可能エネルギーを優先的に系統接続して主力電源とし、石炭などCO2排出量の多いものはカーボンプライシングなどのインセンティブで削減するなどの、石炭火力を廃止していく政策対応もさまざまにとられています。日本の気候変動対策を考えるとき、まず考えるべきは、緩和策が全く不十分で、むしろ真逆の状況にあるということです。
気候ネットワークでは、国内の石炭火力発電所の新増設計画をウオッチしてきましたが、二〇一二年以降の計画は五十基に上りました。そのうち、計画が中止になったのはわずか六基です。そのほか四十四基に関しては、もし全て動けば設備容量は約二千万キロワット、CO2排出量は年間約一億千三百七十三万トンに上ります。
環境省は、ことし三月に行った、電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価において、石炭火力発電所の計画が全て実行され、稼働率七〇%で稼働し、かつ、老朽石炭火力発電が稼働開始後四十五年で廃止されると仮定すると、石炭火力発電からのCO2排出量は、二〇三〇年度の削減目標や電源構成と整合する排出量を六千八百万トン程度超過することを発表しました。
今の計画が今後のCO2排出量の増加を招くことがわかっていながら、政府は何も手を打たずに、計画が進められることを容認しています。本法案で検討する適応策は、緩和策を十分に講じないことの埋め合わせや口実にすることであってはなりません。
次に、本法案に対しての意見を申し上げたいと思います。
まず第一に、基本方針についてです。
緩和策の強化は、未然に影響と被害を回避する最大の適応策であるとも言え、緩和策と適応策を総合した国全体の気候変動対策の基本方針を位置づけることが必要です。本法案の説明では、環境省は緩和策と適応策は車の両輪だとしていますが、緩和策が先ほど申し上げたような状況で、適応策のみしか扱わないということでは、車が片輪あるいは脱輪の状態だと言えるでしょう。これでは車は走りません。本法案においても、包括的な気候変動対策方針を描くことができていません。
まず、本法案が緩和策を弱体化させることなく、緩和策を更に強化して影響を最小化させる必要があることを明示し、気候変動リスクを回避するためにとるべき緩和策についてフィードバックすることを法に位置づけるべきだと考えます。
次に、企業や自治体、市民など、各主体の気候変動影響評価のあり方についてです。
本法案の第十条で、政府が中央環境審議会の意見を聞き、気候変動影響評価報告書を策定することとされています。しかし、気候変動の影響やリスクは幅広い分野にまたがり、まだ把握や証拠が不十分な領域も多々あります。適切な適応策を講じるためには、適切に評価できる影響やリスクの把握が大前提となりますが、そのための仕組みが本法案では極めて不十分です。
参考に、イギリスの仕組みを見ますと、イギリスでは、適応計画をつくる前に影響評価を行いますが、その際に証拠レポートというものを作成しています。そして、リスクが十分把握できるだけの証拠がそろっていない領域がどこにあるかについても詳細に把握し、そのギャップを埋めるような対応が検討されています。
イギリスでも、まだ把握できていないことは多くあるようです。たまたま研究が充実しているですとか、又は影響が測定できるということだけで評価報告をすると、研究が行き届いていないけれども重大な影響があるということについて見落とされ、適応計画は重要な要素を欠くことにもなりかねません。
そのため、イギリスの証拠レポートでは、証拠を集めるためにステークホルダーや企業の深い関与があります。二年にわたりワークショップを開き、ステークホルダーも百から二百団体がレビューをしており、どこが緊急領域かなどについて意見を述べています。適応策を講じるには、まず評価報告書をつくるまでの過程が重要です。
しかし、日本の法案では、中央環境審議会の意見のみのプロセスだけで、深みのない影響評価を行おうとしています。ここは、企業、自治体、市民団体の積極的な関与を位置づけることが非常に重要だと考えています。
地方自治体に対しては、地域の適応計画の策定が奨励されていますが、計画の策定の前に、十分な影響評価を行うことを求めることがまず重要だと言えます。
特に影響が大きい事業分野に携わる業種の企業に対しては、政府が定期的に情報の提出を義務づけることも必要です。その上で、各省庁が情報提供に協力し、全省庁挙げて横断的に推進することを明記すべきだと考えています。
第三に、適応対策の名のもとの無駄な公共事業のチェックと排除を行う必要があるという点です。
これまでも、気候変動適応策の名のもとに、さまざまな事業の必要性が論じられてきました。例えば、無駄な公共事業と言われてきたような治水ダムや防波堤設置などに代表される事業、あるいは、熱に強い遺伝子組み換え農作物などの研究、周囲の生態系に影響を与えかねないような事業です。
こうした事業が適応策として妥当か厳しく事業評価が行われるよう、計画に基づいて実施された適応事業を報告し、真の適応策か、ほかに環境負荷の少ない方策や費用の少ない方策で代替が可能かなどを評価する透明性の高い仕組みを導入することで、適切性を欠く事業に国家予算を無駄遣いすることのないようにすることが不可欠です。
第四に、第三者の評価の仕組みの導入です。
評価情報の的確性、計画の内容の妥当性を確保するためには、独立した第三者機関の評価と勧告の仕組みが必要であり、これを法に位置づけるべきです。
法案では、影響評価報告書の策定に関する中央環境審議会における検討と意見を踏まえることとされている以外には、客観的な検証のプロセスや場もありません。各主体の参加による影響評価の必要性は前に述べましたが、適応計画の内容の妥当性、そのもとで実施される事業の的確性などについては、新たな研究を踏まえた、専門家による第三者機関による評価が必要だと考えます。そのためには、環境省のもとの中央環境審議会よりも独立性の高い第三者機関を設置し、当該機関における勧告、助言を行い、適応計画の見直しが実施される仕組みが必要だと考えます。
第五に、市民の幅広いリスクの共有とソフト面での適応策の強化についてです。
国内でもさまざまな気候変動と関連する影響が起こり始めているにもかかわらず、一般の市民にとって、さまざまな場所でさまざまな形で起こる気候変動リスクは、まだ実感が伴うものとはなっていないと思います。また、地域の環境の変化のみならず、グローバルな気候変動がもたらす経済への影響やインフラへの影響、食料や資源供給に対する影響などの、私たちの安定した社会や基盤を脅かすリスクについては、理解しがたいものです。
気候変動を横断的に理解し、起こり得る被害や影響に対して迅速かつ適切に備えることのできる強靱な社会をつくるためには、ハード面だけではなく、市民や自治体、企業の人々や組織のネットワークや連携化が重要です。法案では、十三条、十四条で地域の適応センターや協議会の設置を位置づけていますが、単に組織の設立を促すのではなく、ソフト面での対応強化を図る拠点として位置づけるべきだと考えます。
最後になりますが、日本は、気候変動のリスクに対しては、私たちの生活や経済基盤を脅かす問題であるという理解は十分に市民に行き渡っていない面があると思います。遠い島国や将来世代に影響があるかもしれないから、できることをやっていこうというレベルを超えていないと言えるかもしれません。あるいは、日本は資金力や技術力があるから対応可能だと、たかをくくっているところもあるかもしれません。
しかし、食料や資源の多くを他国に依存し、周りを海に囲まれた島国である日本は、実は極めて脆弱な国の一つと言えます。スイスの再保険会社は、世界の六百以上の都市の中で、最も自然災害のリスクの高いトップテンをランキングしていますが、その中には東京、大阪、名古屋の三大都市が入っています。日本にいる私たちこそが、みずからの極めて深刻な気候変動のリスクを理解していないのではないでしょうか。だからこそ、政治の中でもほとんど重要視されず、脇に置かれた課題になっているのかもしれません。
ですから、今申し上げた点を改善した上で、法案の成立を望みます。また、同法案が、日本の各主体に対し、気候変動リスクを広く共有し、緩和策の必要性と緊急性に改めて気づき、緩和対策が大きく進展することも、同時に強く期待します。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
私が所属します気候ネットワークは、一九九七年京都議定書が採択された気候変動枠組み条約第三回締約国会合の開催された翌年、一九九八年に設立され、ことしでちょうど二十周年を迎えます。市民の立場から、気候変動の解決に向けて専門的に取り組み、国際交渉への参加、政策提言、地域レベルでの草の根活動や子供たちへの環境教育などを行ってまいりました。そして、人類にとってリスクの大きな原発には頼らず、化石燃料による温暖化もない、持続可能な社会を構築することをミッションに、活動を展開してまいりました。
今回、気候変動適応法案が上程されるに当たり、二月二十八日、私たちの立場を示したプレスリリースを発表しましたので、そのコピーをお手元にお配りさせていただいております。
今回申し上げたいことは、大きく二点ございます。一つは気候変動対策のかなめである緩和策について、そしてもう一つは適応法案に対してです。
まず第一に、気候変動対策において、適応策は最大限の緩和策の実施が大前提であるということです。
パリ協定では、一・五度から二度未満の目標が明記され、温室効果ガスの排出を早期に削減し、実質的に人為的な温室効果ガスの排出をゼロとする脱炭素社会の構築が決められました。
本年四月二十四日の環境委員会の参考人質疑で、茨城大学の三村先生や国立環境研究所の原澤先生が御出席され、その際にも御発言されていましたが、一・五度から二度未満に抑えたとしても適応策が必要であるということをおっしゃっていたと思います。つまり、適応策をとる上で一・五度から二度の上昇に抑えるということが大前提になるということです。
しかし、今、日本は一・五度から二度未満に抑えるための最大限の緩和策が実施できている状況にあるとはとても言いがたい状況です。パリ協定が発効し、世界が脱炭素社会を目指す中、日本はいまだに二十年前と変わらず進歩がないということを指摘しておきたいと思います。
クライメート・アクション・トラッカーという環境NGOが、毎年各国の気候変動政策評価を行っています。今月発表された評価では、日本の削減目標が極めて不十分であることを改めて指摘しています。そして、気温上昇を四度上昇させるレベルだというふうに評価しました。
いわゆる適応策だけ前に進めても、四度も上昇するような、人類生存に危険なレベルになっては意味をなしません。現在、日本の温室効果ガス削減目標は、二〇三〇年に二〇一三年度比二六%とされていますが、その見直しを含めて、日本の気候変動政策、エネルギー政策全体をパリ協定に合致させることが必要であると考えています。
とりわけ日本において気候変動政策に逆行しているのが、石炭火力発電所の扱いです。
パリ協定の一・五度から二度未満の目標達成には、新たな石炭火力はもちろん、先進国は二〇三〇年にも既存の石炭火力も全廃しなければならないとされています。そのため、先進諸国はもとより、途上国でも石炭火力発電所から脱却する動きが加速化しています。再生可能エネルギーを優先的に系統接続して主力電源とし、石炭などCO2排出量の多いものはカーボンプライシングなどのインセンティブで削減するなどの、石炭火力を廃止していく政策対応もさまざまにとられています。日本の気候変動対策を考えるとき、まず考えるべきは、緩和策が全く不十分で、むしろ真逆の状況にあるということです。
気候ネットワークでは、国内の石炭火力発電所の新増設計画をウオッチしてきましたが、二〇一二年以降の計画は五十基に上りました。そのうち、計画が中止になったのはわずか六基です。そのほか四十四基に関しては、もし全て動けば設備容量は約二千万キロワット、CO2排出量は年間約一億千三百七十三万トンに上ります。
環境省は、ことし三月に行った、電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価において、石炭火力発電所の計画が全て実行され、稼働率七〇%で稼働し、かつ、老朽石炭火力発電が稼働開始後四十五年で廃止されると仮定すると、石炭火力発電からのCO2排出量は、二〇三〇年度の削減目標や電源構成と整合する排出量を六千八百万トン程度超過することを発表しました。
今の計画が今後のCO2排出量の増加を招くことがわかっていながら、政府は何も手を打たずに、計画が進められることを容認しています。本法案で検討する適応策は、緩和策を十分に講じないことの埋め合わせや口実にすることであってはなりません。
次に、本法案に対しての意見を申し上げたいと思います。
まず第一に、基本方針についてです。
緩和策の強化は、未然に影響と被害を回避する最大の適応策であるとも言え、緩和策と適応策を総合した国全体の気候変動対策の基本方針を位置づけることが必要です。本法案の説明では、環境省は緩和策と適応策は車の両輪だとしていますが、緩和策が先ほど申し上げたような状況で、適応策のみしか扱わないということでは、車が片輪あるいは脱輪の状態だと言えるでしょう。これでは車は走りません。本法案においても、包括的な気候変動対策方針を描くことができていません。
まず、本法案が緩和策を弱体化させることなく、緩和策を更に強化して影響を最小化させる必要があることを明示し、気候変動リスクを回避するためにとるべき緩和策についてフィードバックすることを法に位置づけるべきだと考えます。
次に、企業や自治体、市民など、各主体の気候変動影響評価のあり方についてです。
本法案の第十条で、政府が中央環境審議会の意見を聞き、気候変動影響評価報告書を策定することとされています。しかし、気候変動の影響やリスクは幅広い分野にまたがり、まだ把握や証拠が不十分な領域も多々あります。適切な適応策を講じるためには、適切に評価できる影響やリスクの把握が大前提となりますが、そのための仕組みが本法案では極めて不十分です。
参考に、イギリスの仕組みを見ますと、イギリスでは、適応計画をつくる前に影響評価を行いますが、その際に証拠レポートというものを作成しています。そして、リスクが十分把握できるだけの証拠がそろっていない領域がどこにあるかについても詳細に把握し、そのギャップを埋めるような対応が検討されています。
イギリスでも、まだ把握できていないことは多くあるようです。たまたま研究が充実しているですとか、又は影響が測定できるということだけで評価報告をすると、研究が行き届いていないけれども重大な影響があるということについて見落とされ、適応計画は重要な要素を欠くことにもなりかねません。
そのため、イギリスの証拠レポートでは、証拠を集めるためにステークホルダーや企業の深い関与があります。二年にわたりワークショップを開き、ステークホルダーも百から二百団体がレビューをしており、どこが緊急領域かなどについて意見を述べています。適応策を講じるには、まず評価報告書をつくるまでの過程が重要です。
しかし、日本の法案では、中央環境審議会の意見のみのプロセスだけで、深みのない影響評価を行おうとしています。ここは、企業、自治体、市民団体の積極的な関与を位置づけることが非常に重要だと考えています。
地方自治体に対しては、地域の適応計画の策定が奨励されていますが、計画の策定の前に、十分な影響評価を行うことを求めることがまず重要だと言えます。
特に影響が大きい事業分野に携わる業種の企業に対しては、政府が定期的に情報の提出を義務づけることも必要です。その上で、各省庁が情報提供に協力し、全省庁挙げて横断的に推進することを明記すべきだと考えています。
第三に、適応対策の名のもとの無駄な公共事業のチェックと排除を行う必要があるという点です。
これまでも、気候変動適応策の名のもとに、さまざまな事業の必要性が論じられてきました。例えば、無駄な公共事業と言われてきたような治水ダムや防波堤設置などに代表される事業、あるいは、熱に強い遺伝子組み換え農作物などの研究、周囲の生態系に影響を与えかねないような事業です。
こうした事業が適応策として妥当か厳しく事業評価が行われるよう、計画に基づいて実施された適応事業を報告し、真の適応策か、ほかに環境負荷の少ない方策や費用の少ない方策で代替が可能かなどを評価する透明性の高い仕組みを導入することで、適切性を欠く事業に国家予算を無駄遣いすることのないようにすることが不可欠です。
第四に、第三者の評価の仕組みの導入です。
評価情報の的確性、計画の内容の妥当性を確保するためには、独立した第三者機関の評価と勧告の仕組みが必要であり、これを法に位置づけるべきです。
法案では、影響評価報告書の策定に関する中央環境審議会における検討と意見を踏まえることとされている以外には、客観的な検証のプロセスや場もありません。各主体の参加による影響評価の必要性は前に述べましたが、適応計画の内容の妥当性、そのもとで実施される事業の的確性などについては、新たな研究を踏まえた、専門家による第三者機関による評価が必要だと考えます。そのためには、環境省のもとの中央環境審議会よりも独立性の高い第三者機関を設置し、当該機関における勧告、助言を行い、適応計画の見直しが実施される仕組みが必要だと考えます。
第五に、市民の幅広いリスクの共有とソフト面での適応策の強化についてです。
国内でもさまざまな気候変動と関連する影響が起こり始めているにもかかわらず、一般の市民にとって、さまざまな場所でさまざまな形で起こる気候変動リスクは、まだ実感が伴うものとはなっていないと思います。また、地域の環境の変化のみならず、グローバルな気候変動がもたらす経済への影響やインフラへの影響、食料や資源供給に対する影響などの、私たちの安定した社会や基盤を脅かすリスクについては、理解しがたいものです。
気候変動を横断的に理解し、起こり得る被害や影響に対して迅速かつ適切に備えることのできる強靱な社会をつくるためには、ハード面だけではなく、市民や自治体、企業の人々や組織のネットワークや連携化が重要です。法案では、十三条、十四条で地域の適応センターや協議会の設置を位置づけていますが、単に組織の設立を促すのではなく、ソフト面での対応強化を図る拠点として位置づけるべきだと考えます。
最後になりますが、日本は、気候変動のリスクに対しては、私たちの生活や経済基盤を脅かす問題であるという理解は十分に市民に行き渡っていない面があると思います。遠い島国や将来世代に影響があるかもしれないから、できることをやっていこうというレベルを超えていないと言えるかもしれません。あるいは、日本は資金力や技術力があるから対応可能だと、たかをくくっているところもあるかもしれません。
しかし、食料や資源の多くを他国に依存し、周りを海に囲まれた島国である日本は、実は極めて脆弱な国の一つと言えます。スイスの再保険会社は、世界の六百以上の都市の中で、最も自然災害のリスクの高いトップテンをランキングしていますが、その中には東京、大阪、名古屋の三大都市が入っています。日本にいる私たちこそが、みずからの極めて深刻な気候変動のリスクを理解していないのではないでしょうか。だからこそ、政治の中でもほとんど重要視されず、脇に置かれた課題になっているのかもしれません。
ですから、今申し上げた点を改善した上で、法案の成立を望みます。また、同法案が、日本の各主体に対し、気候変動リスクを広く共有し、緩和策の必要性と緊急性に改めて気づき、緩和対策が大きく進展することも、同時に強く期待します。
どうもありがとうございました。拍手
松
松
福
福山守#7
○福山委員 おはようございます。ただいま質問させていただきます、自由民主党の福山でございます。どうかよろしくお願いいたします。
ただいま、気候変動適応法案についての、小西、桃井両参考人の方からいろいろ御意見を賜りました。非常に参考になる御意見、そして、この地球温暖化という問題につきましては、考えていることは皆さん一緒だなというふうに思っております。
近年、この地球温暖化、高温ということが非常に言われておりまして、特にサンゴの白化、これは、沖縄周辺のきれいな海、この底でも、もう既にサンゴの白化が始まっております。
また、いろいろ、米あるいは果物、そういうものについても、米の白濁化、あるいはオレンジの皮が浮く浮き皮とか、そういう問題も出てきております。
また、魚の方に関しても、今、北海道の方でブリがたくさんとれる。
そしてまた、サワラという魚があるんですね。このサワラという魚は瀬戸内海の魚である、私は徳島でございますので、そういう意識がありました。ところが、去年の夏に、連休に東北の方に視察に参りましたときに、気仙沼漁港という非常に大きなところです、そこに行ったときに、サワラがあるんですね。ああ、珍しいですねと言うと、ああ、先生、サワラを知っているんですねと言うから、いや、それはもう四国ですからと言ったら、今、たしか宮城県のまだ上の上の青森県、ここがサワラを非常に売り物にして出すということを聞きまして、そういう事実もあるわけなんです。ということは、やはりこの温暖化によって海流変化、いろんな形の中で本当に変わっているのだな、そういうことも思います。
そしてまた、ゲリラ豪雨、これも、私どもの地元で平成十六年、大きな災害があって、そのとき、今でも記憶しておりますけれども、もう大変な思いで、それから全国至るところに入っております。
そしてまた、台風の被害、この被害というのは、我々四国あるいは九州というのは、台風銀座と言われるような、毎年来ておるところでございました。しかし、今では、東北そして北海道、かつて上陸しなかった、そういう地域に直接台風が上陸するというふうな現状もございます。そういう意味では、だんだん北上していっているのかなと、改めて痛感するところでございます。
そういう中で、国民の安心、安全とか、事業者の事業をしっかり守る中で国が安定するわけでございますけれども、そういうことも含めた中で、この適応策の充実強化を進めていくということが非常に大事なものでございます。
それでは、お伺いをいたしますけれども、気候変動適応計画の実効性を高めていくために何を留意していくべきか、両参考人にお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →ただいま、気候変動適応法案についての、小西、桃井両参考人の方からいろいろ御意見を賜りました。非常に参考になる御意見、そして、この地球温暖化という問題につきましては、考えていることは皆さん一緒だなというふうに思っております。
近年、この地球温暖化、高温ということが非常に言われておりまして、特にサンゴの白化、これは、沖縄周辺のきれいな海、この底でも、もう既にサンゴの白化が始まっております。
また、いろいろ、米あるいは果物、そういうものについても、米の白濁化、あるいはオレンジの皮が浮く浮き皮とか、そういう問題も出てきております。
また、魚の方に関しても、今、北海道の方でブリがたくさんとれる。
そしてまた、サワラという魚があるんですね。このサワラという魚は瀬戸内海の魚である、私は徳島でございますので、そういう意識がありました。ところが、去年の夏に、連休に東北の方に視察に参りましたときに、気仙沼漁港という非常に大きなところです、そこに行ったときに、サワラがあるんですね。ああ、珍しいですねと言うと、ああ、先生、サワラを知っているんですねと言うから、いや、それはもう四国ですからと言ったら、今、たしか宮城県のまだ上の上の青森県、ここがサワラを非常に売り物にして出すということを聞きまして、そういう事実もあるわけなんです。ということは、やはりこの温暖化によって海流変化、いろんな形の中で本当に変わっているのだな、そういうことも思います。
そしてまた、ゲリラ豪雨、これも、私どもの地元で平成十六年、大きな災害があって、そのとき、今でも記憶しておりますけれども、もう大変な思いで、それから全国至るところに入っております。
そしてまた、台風の被害、この被害というのは、我々四国あるいは九州というのは、台風銀座と言われるような、毎年来ておるところでございました。しかし、今では、東北そして北海道、かつて上陸しなかった、そういう地域に直接台風が上陸するというふうな現状もございます。そういう意味では、だんだん北上していっているのかなと、改めて痛感するところでございます。
そういう中で、国民の安心、安全とか、事業者の事業をしっかり守る中で国が安定するわけでございますけれども、そういうことも含めた中で、この適応策の充実強化を進めていくということが非常に大事なものでございます。
それでは、お伺いをいたしますけれども、気候変動適応計画の実効性を高めていくために何を留意していくべきか、両参考人にお伺いをしたいと思います。
小
小西雅子#8
○小西参考人 御質問ありがとうございます。
この実行計画を進めていくに当たっては、私は連携が一番重要だと思っております。
というのは、適応というのは、結局は主体が大勢なんですね。政府だけではなく、地方自治体、そして各事業者、そして国民、全てがかかわることになってきますので、この法案で私が一つ残念だなと思うのは、連携というものをもっと強くするべきというふうになったらよかったなと思っております。
というのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば同じ政府でも、省庁間で、環境省、国土交通省、農林水産省、いろんな省庁がそれぞれの分野において全て適応をやはりやっていかなければならないんですね。それに横串を通すというのが、皆さん御存じのように一番難しいことになりますので、それをした上で、さらに、地方自治体におけるそれぞれの局の連携も含めたところでやっていくというのが非常に重要になってきますので。
今回、情報プラットフォームとかいろいろな地域のセンターとか、あと一つ、広域で、つまり一つの市町村だけじゃなくて、場合によってはほかの市町村も含めた形で広域で協議してもいいですよといった、いろんな場が用意されています。これは全て場ですので、そこをいかに生きた血を通わせていくか、本当にそこで連携する血を通わせていくかということが非常に重要なんじゃないかなと思っております。
この発言だけを見る →この実行計画を進めていくに当たっては、私は連携が一番重要だと思っております。
というのは、適応というのは、結局は主体が大勢なんですね。政府だけではなく、地方自治体、そして各事業者、そして国民、全てがかかわることになってきますので、この法案で私が一つ残念だなと思うのは、連携というものをもっと強くするべきというふうになったらよかったなと思っております。
というのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば同じ政府でも、省庁間で、環境省、国土交通省、農林水産省、いろんな省庁がそれぞれの分野において全て適応をやはりやっていかなければならないんですね。それに横串を通すというのが、皆さん御存じのように一番難しいことになりますので、それをした上で、さらに、地方自治体におけるそれぞれの局の連携も含めたところでやっていくというのが非常に重要になってきますので。
今回、情報プラットフォームとかいろいろな地域のセンターとか、あと一つ、広域で、つまり一つの市町村だけじゃなくて、場合によってはほかの市町村も含めた形で広域で協議してもいいですよといった、いろんな場が用意されています。これは全て場ですので、そこをいかに生きた血を通わせていくか、本当にそこで連携する血を通わせていくかということが非常に重要なんじゃないかなと思っております。
桃
桃井貴子#9
○桃井参考人 御質問ありがとうございます。
実効性を高めるために何が一番必要かというような御質問だったと思いますが、私は、評価をきちんとしていくということが重要だと思っています。
気候変動の影響に対して、先生がおっしゃられたように、現状でも既にさまざまな影響が出ているわけですけれども、こうした影響に対して、一体その影響がどんなことがほかにもあるのかということを、やはり情報を集約し、それを徹底的に評価するという仕組みが必要なのではないかと思っています。そのためには、今提案されているだけではなくて、企業の情報、企業自身にもリスクをしっかり評価をしていただくような仕組みが必要なのではないかと考えています。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →実効性を高めるために何が一番必要かというような御質問だったと思いますが、私は、評価をきちんとしていくということが重要だと思っています。
気候変動の影響に対して、先生がおっしゃられたように、現状でも既にさまざまな影響が出ているわけですけれども、こうした影響に対して、一体その影響がどんなことがほかにもあるのかということを、やはり情報を集約し、それを徹底的に評価するという仕組みが必要なのではないかと思っています。そのためには、今提案されているだけではなくて、企業の情報、企業自身にもリスクをしっかり評価をしていただくような仕組みが必要なのではないかと考えています。
ありがとうございます。
福
福山守#10
○福山委員 それぞれ御答弁をいただきました。今御答弁いただいた中で、小西参考人の方は、それぞれの各地域地域、いわゆる都道府県単位、あるいは市町村単位、それとあるいは広域、そういうことが、その連携をとるのが非常に大事だということですね。私も、それは当然そういうことが非常に大事なことと思っております。
また、桃井参考人さんの方には、また違う角度から、企業の方の連携とか、そういうふうなお話も出ました。
それぞれの立場、行政がやる立場、あるいは企業がやる立場、それぞれ私はあると思います。そういう中で、例えば、先ほど桃井参考人さんの方のお話の中に、そういう各地域地域で一つ何かをやっていくときに、新しい組織を構築するべきだと。
例えば、私ども田舎の方で、徳島県で鳴門わかめというのがあります。地球温暖化に合わせた、海洋温度の上昇に合わせた、これを、上がってもいけるようなものに改良をしようということで、今そういう改良をやっております。また、愛媛県の宇和島の方では、ブラッドオレンジという、これはコルシカ島が原産地で、そういう非常に温暖化に強いものを、約十年ぐらい前からそういうふうに始めております。また、米についてもしかり。
そういうところで、いろんな行政体、そしてまた企業の方もやられておると思うんですね。こういう連携の仕方、それぞれが違う形で今、私は御答弁いただいたと思っておるんですけれども、具体的に、では、どういうふうに地域の実情に応じて適応策を推進していくというアドバイスがあれば、小西参考人にお伺いしたい。
また、桃井参考人さんの方には、またそういう自治体とは違った企業の方の形の発言が多かったように思うんですけれども、やはり、そういう方についてのアドバイス、それイコール、自治体についてどういうふうになるか、そういうことについてちょっとお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →また、桃井参考人さんの方には、また違う角度から、企業の方の連携とか、そういうふうなお話も出ました。
それぞれの立場、行政がやる立場、あるいは企業がやる立場、それぞれ私はあると思います。そういう中で、例えば、先ほど桃井参考人さんの方のお話の中に、そういう各地域地域で一つ何かをやっていくときに、新しい組織を構築するべきだと。
例えば、私ども田舎の方で、徳島県で鳴門わかめというのがあります。地球温暖化に合わせた、海洋温度の上昇に合わせた、これを、上がってもいけるようなものに改良をしようということで、今そういう改良をやっております。また、愛媛県の宇和島の方では、ブラッドオレンジという、これはコルシカ島が原産地で、そういう非常に温暖化に強いものを、約十年ぐらい前からそういうふうに始めております。また、米についてもしかり。
そういうところで、いろんな行政体、そしてまた企業の方もやられておると思うんですね。こういう連携の仕方、それぞれが違う形で今、私は御答弁いただいたと思っておるんですけれども、具体的に、では、どういうふうに地域の実情に応じて適応策を推進していくというアドバイスがあれば、小西参考人にお伺いしたい。
また、桃井参考人さんの方には、またそういう自治体とは違った企業の方の形の発言が多かったように思うんですけれども、やはり、そういう方についてのアドバイス、それイコール、自治体についてどういうふうになるか、そういうことについてちょっとお伺いしたいと思います。
桃
桃井貴子#11
○桃井参考人 御質問ありがとうございます。
具体的にということなんですけれども、まず、企業に関しましては、それぞれ気候変動のリスクということをどれぐらい現時点で把握しているのかというのがまだ十分ではないのではないかと思っています。
ですので、気候変動のリスクよりも、むしろ対策をする方がリスクが大きいのではないかというふうに感じているようなところがあるのではないかと思っていまして、それを、今私が申し上げたように、気候変動が及ぼしている、また、これから及ぼしかねぬ影響というのをしっかりと認識して、気候変動のリスクというものの気づきを与えていくという意味でも、この法案の中でしっかりと企業の情報を把握していくということが必要なのではないかと思っています。
それによって、企業も気候変動に対しての適応策というのをみずからつくっていくということにもつながると思いますし、その情報を積極的に開示していくということにつながっていくのではないかと思っています。
自治体に関しても、同様のことが言えると思います。今は、それぞれ、農業の分野ですとか漁業の分野ですとか、できることをできる範囲でいろいろやっているところは多いと思います。これがグッドプラクティスとして、事例としていろいろな形で出てきていると思いますけれども、それだけではなくて、もう少しさまざまな影響評価というのを多角的に集めていくというような作業が、地域レベルでも必要なのではないかというふうに考えています。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →具体的にということなんですけれども、まず、企業に関しましては、それぞれ気候変動のリスクということをどれぐらい現時点で把握しているのかというのがまだ十分ではないのではないかと思っています。
ですので、気候変動のリスクよりも、むしろ対策をする方がリスクが大きいのではないかというふうに感じているようなところがあるのではないかと思っていまして、それを、今私が申し上げたように、気候変動が及ぼしている、また、これから及ぼしかねぬ影響というのをしっかりと認識して、気候変動のリスクというものの気づきを与えていくという意味でも、この法案の中でしっかりと企業の情報を把握していくということが必要なのではないかと思っています。
それによって、企業も気候変動に対しての適応策というのをみずからつくっていくということにもつながると思いますし、その情報を積極的に開示していくということにつながっていくのではないかと思っています。
自治体に関しても、同様のことが言えると思います。今は、それぞれ、農業の分野ですとか漁業の分野ですとか、できることをできる範囲でいろいろやっているところは多いと思います。これがグッドプラクティスとして、事例としていろいろな形で出てきていると思いますけれども、それだけではなくて、もう少しさまざまな影響評価というのを多角的に集めていくというような作業が、地域レベルでも必要なのではないかというふうに考えています。
ありがとうございます。
小
小西雅子#12
○小西参考人 御質問ありがとうございます。
具体的にということなんですけれども、私は、まず、自治体の場合は、私も自治体の環境基本計画をつくる委員会の場とかに時々、よく出させていただいているんですけれども、なかなか、適応というのは、今ある例えば治水対策とかに、降水量、例えば百ミリを超える集中豪雨までというようなそれぞれの単位があるんですね。そこに適応の視点を入れると、より、本当はもっとそれが高い数値で備えなければならないかもしれない。特に都市の場合とかだったら、内水対策とかですね。
ですので、今やっている防災とか、先生がおっしゃったような農業の品種改良とかの今やっていらっしゃることに、適応でこれからどのような影響が更に日本にあるのかということをまず知ってもらって、その適応の視点の策をそこのところに一つ一つ入れていくという作業が実は一番重要なのかなと思っております。
とすると、ちょっとつまらない話に聞こえるかもしれないんですけれども、適応の科学の影響評価というのは、実は、温暖化の科学の中では、前も三村先生もおっしゃっていたと思いますけれども、まだ進んでいないところと進んでいるところとがあるんですね。ですので、その科学的知見をいかにそれぞれの農家の方まで、あるいはその防災担当の方まで行って、その視点を入れた上で計画を立てられるようにするということを推進するのが重要なんじゃないかなと思っております。
あと、もう一つ、企業の場合は、今桃井さんがおっしゃったように、まだなかなか適応の視点までいっていないと思うんですね。経産省さんも環境省さんも、今、一生懸命適応のグッドプラクティスを広める活動とかをされていますけれども、実は、ある意味、温暖化の影響は深刻化する一方ですので、これは、世界からすごくニーズのある、一つのビジネスチャンスではあると思うんですね。
ですので、そういった企業さんが新たにそういった適応の視点を持っていくということを推進していく、それは啓発と言ってしまえばそれだけかもしれないんですけれども、その推進ということも非常に一つ重要なことじゃないかなと思っております。
この発言だけを見る →具体的にということなんですけれども、私は、まず、自治体の場合は、私も自治体の環境基本計画をつくる委員会の場とかに時々、よく出させていただいているんですけれども、なかなか、適応というのは、今ある例えば治水対策とかに、降水量、例えば百ミリを超える集中豪雨までというようなそれぞれの単位があるんですね。そこに適応の視点を入れると、より、本当はもっとそれが高い数値で備えなければならないかもしれない。特に都市の場合とかだったら、内水対策とかですね。
ですので、今やっている防災とか、先生がおっしゃったような農業の品種改良とかの今やっていらっしゃることに、適応でこれからどのような影響が更に日本にあるのかということをまず知ってもらって、その適応の視点の策をそこのところに一つ一つ入れていくという作業が実は一番重要なのかなと思っております。
とすると、ちょっとつまらない話に聞こえるかもしれないんですけれども、適応の科学の影響評価というのは、実は、温暖化の科学の中では、前も三村先生もおっしゃっていたと思いますけれども、まだ進んでいないところと進んでいるところとがあるんですね。ですので、その科学的知見をいかにそれぞれの農家の方まで、あるいはその防災担当の方まで行って、その視点を入れた上で計画を立てられるようにするということを推進するのが重要なんじゃないかなと思っております。
あと、もう一つ、企業の場合は、今桃井さんがおっしゃったように、まだなかなか適応の視点までいっていないと思うんですね。経産省さんも環境省さんも、今、一生懸命適応のグッドプラクティスを広める活動とかをされていますけれども、実は、ある意味、温暖化の影響は深刻化する一方ですので、これは、世界からすごくニーズのある、一つのビジネスチャンスではあると思うんですね。
ですので、そういった企業さんが新たにそういった適応の視点を持っていくということを推進していく、それは啓発と言ってしまえばそれだけかもしれないんですけれども、その推進ということも非常に一つ重要なことじゃないかなと思っております。
福
福山守#13
○福山委員 済みません、いろいろ勉強になりました。ありがとうございました。
もう時間がございますけれども、簡単で御答弁は結構ですから、もう一点だけ。
先ほど、それぞれ説明の中にありました適応策の国民の理解を深めていくために、今後、政府としてどのように取り組めばいいかということをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
この発言だけを見る →もう時間がございますけれども、簡単で御答弁は結構ですから、もう一点だけ。
先ほど、それぞれ説明の中にありました適応策の国民の理解を深めていくために、今後、政府としてどのように取り組めばいいかということをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
小
小西雅子#14
○小西参考人 国民理解は非常に重要だと思っております。
一つ、全体的な国民の理解ということも重要なんですけれども、私、まず、自治体さん、企業さん、そういった、動くと、行政側と、それから実際に適応のビジネスができる側、そこにやはり最初は集中して普及していくことが実は重要じゃないかなと思っているんです。
もちろん、国民全体というのもすごく重要なんですけれども、どうしても、普及啓発というと、普及啓発によって、例えば、温暖化対策を進めましょうとか、適応をやっていきましょうとかいうような全体的な話になると、非常にちょっと漠然としてしまうので、どちらかというと、まさに今回の法案の中にあるような、そういった情報プラットフォームの中において、ターゲットを決めて伝えていく。なるべく多くそこの協議会の場にいかに参加してもらうかということを考えていくとか、本法案に沿ってそこを進めて、ターゲットを決めて進めていくということが、まず最初は重要なんじゃないかなと思っております。
この発言だけを見る →一つ、全体的な国民の理解ということも重要なんですけれども、私、まず、自治体さん、企業さん、そういった、動くと、行政側と、それから実際に適応のビジネスができる側、そこにやはり最初は集中して普及していくことが実は重要じゃないかなと思っているんです。
もちろん、国民全体というのもすごく重要なんですけれども、どうしても、普及啓発というと、普及啓発によって、例えば、温暖化対策を進めましょうとか、適応をやっていきましょうとかいうような全体的な話になると、非常にちょっと漠然としてしまうので、どちらかというと、まさに今回の法案の中にあるような、そういった情報プラットフォームの中において、ターゲットを決めて伝えていく。なるべく多くそこの協議会の場にいかに参加してもらうかということを考えていくとか、本法案に沿ってそこを進めて、ターゲットを決めて進めていくということが、まず最初は重要なんじゃないかなと思っております。
桃
桃井貴子#15
○桃井参考人 ありがとうございます。
政府の役割ということだと思いますけれども、まずは、気候変動問題に対して政府が本気になってやっていくということが重要だと思っています。
今は、先ほど申し上げたように、国際社会からも非難されるぐらい逆行している状況だと言えます。そこを、やはりもっと大きく、今グローバルに動いているような展開を日本もして、政府が率先して気候変動の緩和策に取り組み、そして適応策にも取り組んでいくという本気度を示せば、国民もそこに、もちろん、全体的に底上げするような環境が整っていくのではないかというふうに思います。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →政府の役割ということだと思いますけれども、まずは、気候変動問題に対して政府が本気になってやっていくということが重要だと思っています。
今は、先ほど申し上げたように、国際社会からも非難されるぐらい逆行している状況だと言えます。そこを、やはりもっと大きく、今グローバルに動いているような展開を日本もして、政府が率先して気候変動の緩和策に取り組み、そして適応策にも取り組んでいくという本気度を示せば、国民もそこに、もちろん、全体的に底上げするような環境が整っていくのではないかというふうに思います。
ありがとうございます。
福
松
堀
堀越啓仁#18
○堀越委員 立憲民主党・市民クラブ、自然系国会議員の堀越啓仁でございます。
本日は、本当に、お忙しいところ、お二人の参考人においでいただきまして、まず心より御礼を申し上げたいと思います。そして、貴重な御意見を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げたいと思います。
限られた時間になります。両参考人の皆さんにお話をしていただく時間を多くとりたいものですので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。
まず、先ほど御意見をいただく中で、本法案の全般的な評価に関しては、さまざまな御意見があったかと思います。まず一つは、緩和策、これがもう大前提であるということ、それから、連携の重要性、このことについてもあったと思いますし、やはり無駄な公共事業を展開していかないように第三者機関の設立等々が必要なのではないかという御提言をいただいたということと承知しております。
その中で、法案の提出の時期について、このあたりについての御所見があれば、両参考人から伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →本日は、本当に、お忙しいところ、お二人の参考人においでいただきまして、まず心より御礼を申し上げたいと思います。そして、貴重な御意見を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げたいと思います。
限られた時間になります。両参考人の皆さんにお話をしていただく時間を多くとりたいものですので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。
まず、先ほど御意見をいただく中で、本法案の全般的な評価に関しては、さまざまな御意見があったかと思います。まず一つは、緩和策、これがもう大前提であるということ、それから、連携の重要性、このことについてもあったと思いますし、やはり無駄な公共事業を展開していかないように第三者機関の設立等々が必要なのではないかという御提言をいただいたということと承知しております。
その中で、法案の提出の時期について、このあたりについての御所見があれば、両参考人から伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
桃
桃井貴子#19
○桃井参考人 本来であれば、提出というのはもっと早い段階で行われているべきだったと思います。しかも、これは、気候変動対策、例えばイギリスですと、気候変動法という法律があって、その中に緩和策、適応策という位置づけがなされていますけれども、そのような形で上位法があり、それが基本法であるということを、我々は昔、提案していましたけれども、そういう中で適応法というのも位置づけられておくべきだったのではないかというふうに思っています。
時期というのは、そういう意味でよろしかったですか。(堀越委員「そういうことです」と呼ぶ)はい。
以上です。
この発言だけを見る →時期というのは、そういう意味でよろしかったですか。(堀越委員「そういうことです」と呼ぶ)はい。
以上です。
小
小西雅子#20
○小西参考人 私も同じです。本来は、本当は、二〇一〇年のころに基本法の案が三つ出てきて、そのときにいろいろ、排出量取引制度とかいろいろな実効力のある政策も含めて、さらに適応という形でありましたので、本当はその形が一番だと思います。
ただ、今、この法案は、もちろん、遅過ぎるということはないので、ぜひここに、次、基本法あるいは緩和法が今後すぐにできてくるんだよということのフックが入った上で成立してもらえることを望んでおります。
この発言だけを見る →ただ、今、この法案は、もちろん、遅過ぎるということはないので、ぜひここに、次、基本法あるいは緩和法が今後すぐにできてくるんだよということのフックが入った上で成立してもらえることを望んでおります。
堀
堀越啓仁#21
○堀越委員 ありがとうございます。
まさしくそのとおりだなというふうに私も感じておりまして、イギリスであれば、二〇〇八年に気候変動法が制定されていることと承知しています。
日本も、気候変動の影響を大きく受けていく中で、やはりとにかく早目に適応策というものを講じなければいけないということが求められていたわけでございますが、今回提出されたことについては私も非常に評価をしておりますし、だからこそ、この法案の厳格化を求めていかなければいけないということだというふうに考えております。
そのイギリスの気候変動法について、日本の、今回、本国会に提出されています適応法と比較をしていただいたときに、もし御存じであれば、こういった点がイギリスの気候変動法は非常にすぐれていて、逆に、日本のこういったところは足りない、あるいは、こういったところを盛り込んであるのは日本の法案の方が進んでいるんじゃないかというような点がもしあれば、苦笑されておりますけれども、お答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →まさしくそのとおりだなというふうに私も感じておりまして、イギリスであれば、二〇〇八年に気候変動法が制定されていることと承知しています。
日本も、気候変動の影響を大きく受けていく中で、やはりとにかく早目に適応策というものを講じなければいけないということが求められていたわけでございますが、今回提出されたことについては私も非常に評価をしておりますし、だからこそ、この法案の厳格化を求めていかなければいけないということだというふうに考えております。
そのイギリスの気候変動法について、日本の、今回、本国会に提出されています適応法と比較をしていただいたときに、もし御存じであれば、こういった点がイギリスの気候変動法は非常にすぐれていて、逆に、日本のこういったところは足りない、あるいは、こういったところを盛り込んであるのは日本の法案の方が進んでいるんじゃないかというような点がもしあれば、苦笑されておりますけれども、お答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
桃
桃井貴子#22
○桃井参考人 イギリスの気候変動法は、基本的には、気候変動対策、全般的なものなので、緩和策を重視しているところもあると思いますけれども、最もすぐれているというふうに私が感じている部分は、やはり、カーボンバジェットというのを取り入れて、いわゆる炭素予算ですね、排出していい量というのを決めて、将来、二〇八〇年までの排出量というのを的確に、それを達成させるようにまずはつくられているということ。そこに向けてしっかりと評価をしていくような気候変動委員会という委員会をつくって、そこも第三者の客観的な評価を導入して、五年置きに見直しをしているというような点がすぐれているというふうに思っています。
適応に関してもその中に位置づけられているというふうに認識しておりまして、そこでも五年置きの見直しというような形で、徹底した評価を行う。リスク評価を行って、計画を立てて、またそれをきちんと評価していくというようなサイクルで動かしているというところに非常に重要性があるというふうに思っていまして、そういう客観的な評価を取り入れているというところが、逆に、日本の今の法案には足りない部分ではないかというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →適応に関してもその中に位置づけられているというふうに認識しておりまして、そこでも五年置きの見直しというような形で、徹底した評価を行う。リスク評価を行って、計画を立てて、またそれをきちんと評価していくというようなサイクルで動かしているというところに非常に重要性があるというふうに思っていまして、そういう客観的な評価を取り入れているというところが、逆に、日本の今の法案には足りない部分ではないかというふうに思っております。
以上です。
小
小西雅子#23
○小西参考人 ほんの追加ですけれども、やはり、イギリスの気候変動法の場合は、カーボンバジェット、今、桃井参考人が御説明されたものがあって、明確に気温目標があるわけですね。ですので、この気温上昇に、目指していくためのカーボンバジェットの形で、残りの炭素予算の割当てで目標を決めて、そうしますと、適応の方も気温上昇のレベルに応じた定量的な影響評価というのができますので、研究のためにもよりこの方がやりやすいですね。
日本のこの適応法案だったら、一体何度の上昇の影響の定量的な評価をしていけばいいのかということが今の段階ではばくっとしていますので、そこがやはり、緩和と適応の連携がとりにくいというところが日本の法案の今後のすごく大きな課題だと思っております。
この発言だけを見る →日本のこの適応法案だったら、一体何度の上昇の影響の定量的な評価をしていけばいいのかということが今の段階ではばくっとしていますので、そこがやはり、緩和と適応の連携がとりにくいというところが日本の法案の今後のすごく大きな課題だと思っております。
堀
堀越啓仁#24
○堀越委員 ありがとうございます。
気候変動法、イギリスの法律について、御提案というか御意見いただいた点というのは、先ほど御意見いただいた点に大きく影響しているものだというふうに考えています。
ですので、そういった、一番最初に伺った提言を含めた法案が、まさしく厳格化されることによって日本の適応法というのも大きく進むのではないかなというふうに私も非常に考えております。
そして、今度はWWFの小西さんにお伺いしたいんですが、WWFといえばかわいいパンダのアイコンが有名でございますけれども……(小西参考人「これも」と呼ぶ)あ、ピンバッジもあるんですね。後で下さい。
まず、小西さんといえば、先ほど御紹介の中にもありましたとおり、気象予報士でございますので、そういった観点から、最近に見られる気候変動、気象の現象に関する変動の御所見等々をお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。気象予報士としての、もしあれば。
この発言だけを見る →気候変動法、イギリスの法律について、御提案というか御意見いただいた点というのは、先ほど御意見いただいた点に大きく影響しているものだというふうに考えています。
ですので、そういった、一番最初に伺った提言を含めた法案が、まさしく厳格化されることによって日本の適応法というのも大きく進むのではないかなというふうに私も非常に考えております。
そして、今度はWWFの小西さんにお伺いしたいんですが、WWFといえばかわいいパンダのアイコンが有名でございますけれども……(小西参考人「これも」と呼ぶ)あ、ピンバッジもあるんですね。後で下さい。
まず、小西さんといえば、先ほど御紹介の中にもありましたとおり、気象予報士でございますので、そういった観点から、最近に見られる気候変動、気象の現象に関する変動の御所見等々をお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。気象予報士としての、もしあれば。
小
小西雅子#25
○小西参考人 ありがとうございます。パンダのマークがあります。
気象予報士ということなんですけれども、今までは、実は今起きている、例えば暑い日がずっと、今回、桜も早く咲きまして、ありますよね、こういったものがどれぐらい温暖化に影響しているかということは、直接は語ることはできなかったんですね、一つ一つの気象というのは揺らぐものですから。ただ、長期的に見ると高温傾向が続いている、あるいは雨の量がふえてきているとか、そういった長期的な傾向では見れるけれども、一つ一つの現象では言えないというのが今までの気象の立場だったんです。
でも、今はイベントアトリビューションという新しい科学ができてきておりまして、一つ一つの温暖化の影響に対して、特に気温関係ですけれども、これはどれぐらい温暖化の寄与度があるといった、そういったこともわかるような形の科学が進んできております。
これから第六次評価報告書が出てまいりますけれども、そのときの中にもイベントアトリビューションと言われるものが一つの分野として出てきますので、これからこういった影響の定量的な評価という科学は進んでいくんだと思います。
そうすると、一般の方々にも肌感覚として何かいろいろ起きているなというのがわかったとしても、これがやはり温暖化が進むことによってこれぐらいふえてくるんだよということがより明確になってくるという時代が来ると思っております。
この発言だけを見る →気象予報士ということなんですけれども、今までは、実は今起きている、例えば暑い日がずっと、今回、桜も早く咲きまして、ありますよね、こういったものがどれぐらい温暖化に影響しているかということは、直接は語ることはできなかったんですね、一つ一つの気象というのは揺らぐものですから。ただ、長期的に見ると高温傾向が続いている、あるいは雨の量がふえてきているとか、そういった長期的な傾向では見れるけれども、一つ一つの現象では言えないというのが今までの気象の立場だったんです。
でも、今はイベントアトリビューションという新しい科学ができてきておりまして、一つ一つの温暖化の影響に対して、特に気温関係ですけれども、これはどれぐらい温暖化の寄与度があるといった、そういったこともわかるような形の科学が進んできております。
これから第六次評価報告書が出てまいりますけれども、そのときの中にもイベントアトリビューションと言われるものが一つの分野として出てきますので、これからこういった影響の定量的な評価という科学は進んでいくんだと思います。
そうすると、一般の方々にも肌感覚として何かいろいろ起きているなというのがわかったとしても、これがやはり温暖化が進むことによってこれぐらいふえてくるんだよということがより明確になってくるという時代が来ると思っております。
堀
堀越啓仁#26
○堀越委員 ありがとうございます。
やはり肌感覚というところにおいては、国民の皆さんも認識されている部分が非常に多いと思います。今、桜の開花時期も、入学式のときにはもう散っているという状況が当たり前のような形、私も地元で桜祭り等々に行くと、大体もう桜は散っているというようなのが非常に多くなってきている中で、やはり国民の皆さんもそういうのが気候変動の影響によるものなんだということについては御認識をいただけるのではないかなというふうに思います。
さらに、気候変動の適応、これはやはり緩和策、ここが大前提である、そして、それらに対して取組をしていかなければ大きな経済損失を招いてしまうんだということは御意見の中でもいただいたことだと思います。
その反面、適応策を講じることによるビジネス展開、適応ビジネスというところについても一言触れていただいたと思いますが、このあたりについて、こちらにWWFさんの資料でいただいているもので一部ちょっとあるんですが、このことについてもそうなんですけれども、それ以外に適応ビジネスというところで何か情報がありましたらばお伝えをいただきたいと思いますが、両参考人の方で結構です。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →やはり肌感覚というところにおいては、国民の皆さんも認識されている部分が非常に多いと思います。今、桜の開花時期も、入学式のときにはもう散っているという状況が当たり前のような形、私も地元で桜祭り等々に行くと、大体もう桜は散っているというようなのが非常に多くなってきている中で、やはり国民の皆さんもそういうのが気候変動の影響によるものなんだということについては御認識をいただけるのではないかなというふうに思います。
さらに、気候変動の適応、これはやはり緩和策、ここが大前提である、そして、それらに対して取組をしていかなければ大きな経済損失を招いてしまうんだということは御意見の中でもいただいたことだと思います。
その反面、適応策を講じることによるビジネス展開、適応ビジネスというところについても一言触れていただいたと思いますが、このあたりについて、こちらにWWFさんの資料でいただいているもので一部ちょっとあるんですが、このことについてもそうなんですけれども、それ以外に適応ビジネスというところで何か情報がありましたらばお伝えをいただきたいと思いますが、両参考人の方で結構です。よろしくお願いします。
小
小西雅子#27
○小西参考人 ありがとうございます。
適応ビジネスですが、これからアジアで影響が非常に深刻化すると言われているのは、実は水不足なんですね。ヒマラヤの氷河がどんどん融解していまして、短期的には水の量がふえて地元に土石流とかの被害が起きますけれども、長期的に見ると、いずれはアジアの国際河川の水量は減ってくるのではないかと予測されています。そうした場合、例えば日本の企業が持つ淡水化の技術ですとか、そういった、今既に多く行われている企業さんもありますけれども、適応のビジネスというものに日本の企業が持っている技術力が非常に生かせる場面がこれからふえてくると思います。
ここのところに例として出させていただいているのは、これはある化学会社さんなんですけれども、日本の昔からある蚊帳ですね。この蚊帳に、いわゆる殺虫効果のある蚊帳を持たせて、それでアフリカでマラリアを媒介する蚊を防ぐといった、こういったビジネスを展開されています。
つまり、日本企業がこれまで持っていた技術で、日本だけではなく、世界に役立つビジネスが多く生まれるということになりますので、やはりここは、むしろ日本の中で緩和の政策そして適応のこういった法案の中で、どんどん先取りするぐらいの勢いで入れていくことによって日本企業の競争力が増すことにもなると思うんですね。やはり先んじてということになりますので、それをするには国内でまずそれを醸成してからということになりますので、ぜひ適応のビジネスというものについても日本企業が更に海外で競争力を増すような状況になっていけばいいんじゃないかなと思っております。
この発言だけを見る →適応ビジネスですが、これからアジアで影響が非常に深刻化すると言われているのは、実は水不足なんですね。ヒマラヤの氷河がどんどん融解していまして、短期的には水の量がふえて地元に土石流とかの被害が起きますけれども、長期的に見ると、いずれはアジアの国際河川の水量は減ってくるのではないかと予測されています。そうした場合、例えば日本の企業が持つ淡水化の技術ですとか、そういった、今既に多く行われている企業さんもありますけれども、適応のビジネスというものに日本の企業が持っている技術力が非常に生かせる場面がこれからふえてくると思います。
ここのところに例として出させていただいているのは、これはある化学会社さんなんですけれども、日本の昔からある蚊帳ですね。この蚊帳に、いわゆる殺虫効果のある蚊帳を持たせて、それでアフリカでマラリアを媒介する蚊を防ぐといった、こういったビジネスを展開されています。
つまり、日本企業がこれまで持っていた技術で、日本だけではなく、世界に役立つビジネスが多く生まれるということになりますので、やはりここは、むしろ日本の中で緩和の政策そして適応のこういった法案の中で、どんどん先取りするぐらいの勢いで入れていくことによって日本企業の競争力が増すことにもなると思うんですね。やはり先んじてということになりますので、それをするには国内でまずそれを醸成してからということになりますので、ぜひ適応のビジネスというものについても日本企業が更に海外で競争力を増すような状況になっていけばいいんじゃないかなと思っております。
桃
桃井貴子#28
○桃井参考人 済みません、専門外ですのでビジネスのことは余りわからないんですが、具体的な例が今、日本では少ないという話は伺っております。その少ない要因としては、やはり気候変動のリスクをしっかりと企業の中で評価するということができていないからではないかというふうに思っています。
それを、きちんと今回の適応法を通じて事業者がリスクを評価することによって、またビジネスの機会というのが生まれてくるのではないかというふうに思っているところです。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →それを、きちんと今回の適応法を通じて事業者がリスクを評価することによって、またビジネスの機会というのが生まれてくるのではないかというふうに思っているところです。
ありがとうございます。
堀
堀越啓仁#29
○堀越委員 先ほどお答えいただいた桃井さんの、本当にそのとおりだなというふうに私も思っておりまして、企業が、やはりどれぐらいこの気候変動が起こることによって経済的損失を招いてしまうのかということについての評価がまだなされていないというのが大きなことだと思います。
先日も、気候変動適応法案の法案審議の際に私も質問させていただきましたが、伊勢湾で一メーター例えば海面が上昇することによっての経済損失が二十兆円に上るという試算があります。これは日本全体で見れば更に大きくなっていってしまうものでありますので、企業がやはりビジネスモデルとしても適応策を、適応ビジネスを展開していくということそのものももちろん重要なことだと思います。それとあわせて、緩和策を企業側がしっかり取り組んでいくことというのが私も大前提であるというふうに思っております。
先ほどお話しいただいた淡水化の技術等々について、非常に高い技術力を持った日本だからこそそれが実現可能ですし、また、気候正義という概念からも、我々、温室効果ガスを排出する国々が、いわゆる第三世界というようなところに、その気候変動の影響を大きく受けていってしまうのは、私たちはそれは先進国としてあってはならない姿であるというふうに私は考えておりますので、今後とも、皆さんから御意見いただいたそのことをしっかり法案に盛り込めるように、与野党問わず、全力で取組をさせていただきたいということを申し上げさせていただいて、私の質問時間を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →先日も、気候変動適応法案の法案審議の際に私も質問させていただきましたが、伊勢湾で一メーター例えば海面が上昇することによっての経済損失が二十兆円に上るという試算があります。これは日本全体で見れば更に大きくなっていってしまうものでありますので、企業がやはりビジネスモデルとしても適応策を、適応ビジネスを展開していくということそのものももちろん重要なことだと思います。それとあわせて、緩和策を企業側がしっかり取り組んでいくことというのが私も大前提であるというふうに思っております。
先ほどお話しいただいた淡水化の技術等々について、非常に高い技術力を持った日本だからこそそれが実現可能ですし、また、気候正義という概念からも、我々、温室効果ガスを排出する国々が、いわゆる第三世界というようなところに、その気候変動の影響を大きく受けていってしまうのは、私たちはそれは先進国としてあってはならない姿であるというふうに私は考えておりますので、今後とも、皆さんから御意見いただいたそのことをしっかり法案に盛り込めるように、与野党問わず、全力で取組をさせていただきたいということを申し上げさせていただいて、私の質問時間を終わらせていただきます。
ありがとうございました。