国際経済・外交に関する調査会

2018-02-07 参議院 全118発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三十年二月七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         鴻池 祥肇君
    理 事         三木  亨君
    理 事         宮本 周司君
    理 事         吉川ゆうみ君
    理 事         大島九州男君
    理 事        佐々木さやか君
    理 事         武田 良介君
    理 事         東   徹君
                猪口 邦子君
                今井絵理子君
                小野田紀美君
                尾辻 秀久君
                大野 泰正君
                酒井 庸行君
                藤川 政人君
                丸山 和也君
                宮島 喜文君
                小林 正夫君
                古賀 之士君
                杉尾 秀哉君
                鉢呂 吉雄君
                熊野 正士君
                里見 隆治君
                木戸口英司君
                伊波 洋一君
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     東   徹君     石井 苗子君
     古賀 之士君     江崎  孝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    理 事
                三木  亨君
                宮本 周司君
                吉川ゆうみ君
                大島九州男君
               佐々木さやか君
                武田 良介君
                石井 苗子君
    委 員
                猪口 邦子君
                今井絵理子君
                小野田紀美君
                尾辻 秀久君
                大野 泰正君
                酒井 庸行君
                藤川 政人君
                丸山 和也君
                宮島 喜文君
                小林 正夫君
                杉尾 秀哉君
                鉢呂 吉雄君
                熊野 正士君
                里見 隆治君
                木戸口英司君
                江崎  孝君
                伊波 洋一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
   参考人
       東海大学海洋学
       部教授      山田 吉彦君
       NGOピースボ
       ート共同代表
       核兵器廃絶国際
       キャンペーン(
       ICAN)国際
       運営委員     川崎  哲君
       東京海上日動リ
       スクコンサルテ
       ィング株式会社
       主任研究員    川口 貴久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国際経済・外交に関する調査
 (「アジア太平洋における平和の実現、地域協
 力及び日本外交の在り方」のうち、国境を越え
 る諸問題の現状と解決に向けた課題(国際平和
 実現への取組)について)
    ─────────────
   〔理事三木亨君会長席に着く〕
この発言だけを見る →
三木亨#1
○理事(三木亨君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
 本日、鴻池会長が都合により出席できませんので、会長の委託を受けました私が会長の職務を行います。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十二日までに、松村祥史君、古賀之士君及び東徹君が委員を辞任され、その補欠として猪口邦子君、江崎孝君及び石井苗子君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
三木亨#2
○理事(三木亨君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
三木亨#3
○理事(三木亨君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石井苗子君を指名いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
三木亨#4
○理事(三木亨君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際経済・外交に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
三木亨#5
○理事(三木亨君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
三木亨#6
○理事(三木亨君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
三木亨#7
○理事(三木亨君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際経済・外交に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
三木亨#8
○理事(三木亨君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
この発言だけを見る →
三木亨#9
○理事(三木亨君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
 本日は、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題」に関し、「国際平和実現への取組」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 本日は、東海大学海洋学部教授山田吉彦参考人、NGOピースボート共同代表・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員川崎哲参考人及び東京海上日動リスクコンサルティング株式会社主任研究員川口貴久参考人に御出席いただいております。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 各参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして本当にありがとうございます。
 各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、山田参考人、川崎参考人、川口参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、山田参考人から御意見をお述べいただきます。山田参考人。
この発言だけを見る →
山田吉彦#10
○参考人(山田吉彦君) よろしくお願いいたします。東海大学海洋学部の山田でございます。
 私、フィールドワークを常に行っておりまして、年間の大体半分近くは地域あるいは海外で研究活動、現地調査を行っております。特に昨年は中国三回、実際に中国の研究者と北京、南京、そして上海において意見交換を行うとともに、現実的な両国の抱えている問題についても議論してまいりました。
 また、尖閣諸島の問題もありますので、沖縄地域、特に石垣島、与那国島等、月に一度近く回りながら現状を確認し、そして地域の感じ方、考え方を入手してきているつもりでございます。
 まず初めに御報告させていただきますのは、かねてからの懸案になっております尖閣諸島周辺海域の中国公船の侵入。これは昨年来、徹底して月に三回、一回三隻から四隻のペースということは堅持されております。そしてまた、重要なのは、中国公船の活動が中国中央電視台を使いまして対外的に発信され、国際的に認知され始めているという事実がございます。
 一昨年、私のところにアル・ジャジーラの記者が尖閣諸島問題についての意見を聞きたいということで取材に参りました。その際に、私の方から逆に、今、尖閣諸島の問題についてどのような感じ方をしているのか、海外のメディアはどう感じているのかということを聞きましたところ、もう既に日本は尖閣諸島を必要としていないんじゃないかとすら感じるという強い意見がございました。
 私、日本海の問題あるいは尖閣諸島の問題等、あるいは北方領土の問題などで海外の取材を受けることも多いのですが、必ず、取材を受けた場合、私の方から尖閣諸島をどう見ているかということを逆に問うようにしております。昨年末、北朝鮮の船の件で私のところに取材に来たドイツの記者も、ほぼ同じような感じ方を受け止めているという中で、日本の戦略というのがなかなか海外に伝わっていない、しっかりとして実効支配しているという現状を伝え切れていないという問題が多分にあると思います。
 また、中国の戦略としてはエスカレートしてきているのは事実だと思います。それは、今年一月十一日、中国潜水艦の接続水域の通過。これ自体で直接国際法に触れるという問題ではありませんが、両国の関係上、非常に緊迫した事態にならざるを得ない。更に中国が一歩駒を進めてきたということが言えようかと思います。
 といいますのは、今まで尖閣諸島周辺海域は、あくまでも海上保安庁と中国の海警局がお互いににらみ合うような形でバランスを取ってまいりました。しかも、しっかりと日本が尖閣諸島を囲み込むような形で守り、その周辺を中国の公船が通過していくという流れでしたものが、今回、あえて軍事力を近くに置いてきたという問題は大きいと思います。
 さらに、昨年、中国軍用機の日本周辺の通過件数が極めて増えております。その中でも、紀伊半島沖まで侵入してきた事案。これは防衛的に非常に問題な海域まで侵入していると。そしてまた、対馬海峡を通過するという事案も起こっております。
 そしてまた、中国の船なんですが、中国漁船団の大量侵入という事件がほぼ二年置きの形で起こっております。
 二〇一二年七月には、五島列島、この写真なんですが、五島列島、玉之浦という入り江に百六隻の中国公船、百トンから五百トンクラスの中国公船が侵入しまして、一週間にわたって滞在したという事案がありました。
 このとき、台風の緊急避難という目的で侵入してきたのですが、台風の緊急避難と言われますと、海上保安庁、受け入れざるを得ない。ですが、この玉之浦、日本と中国の間の漁業境界線よりも百キロ以上離れているということで、通常であれば侵入してくることはあり得ない海域。この年、御記憶にあると思いますが、尖閣諸島の国有化へ向けた動きが始まった年でございました。同年三回、百隻単位の中国公船が侵入しております。
 このとき、この玉之浦の湾内にいた中国漁民の数は二千人、旧玉之浦町の人口は千八百人。旧玉之浦町、これ、もし、浅い入り江なので、上陸を始めた場合どう対応するかと。このとき対応できた海上保安庁は、巡視船が一隻、巡視艇、ボートが一隻で百六隻を管理すると。もしも上陸した場合どうなるかといいますと、五島列島の場合は警察が対応することになります。旧玉之浦町にいる警察官、駐在が一人です。命を懸けてもどうにもならないような状況でした。
 そして、二〇一四年十月には、小笠原諸島に二百隻を超えるサンゴの密漁船という船が侵入しております。そして、二〇一六年には、尖閣諸島沖に千隻近い船が入ってきている。また、二〇一六年には、日本海にも、大和堆ぎりぎりのラインまで千隻近い中国漁船が侵入しております。
 このように、実は日本の周辺海域、極めて多くの中国漁船が活動しております。これは安全保障上以外の問題も含めまして、例えば、北海道・東北沖、根室沖のサンマ漁、ここにも大量の中国船、台湾船、韓国船が入っております。また、太平洋、日本の排他的経済水域の外側、公海ではサバの漁が行われていて、そこにも千隻単位の中国漁船が入っております。また、東シナ海では、日中漁業協定に基づく形で中国漁船が千隻、そして、先ほどもお話ししましたように、日本海にも千隻単位の中国漁船が入っております。この日本海の中国漁船の問題、後ほどお話しさせていただきます。
 二番目としまして、シーレーンの安全確保の問題でございます。南シナ海における中国の人工島建設は着実に進んでおります。既に三か所。中国は、仲裁裁判の受入れを拒否した形で進んでおります。三つの人工島はほぼ完成し、軍事拠点が形成されていることは、一昨日改めて報道もされております。
 また、ASEAN諸国が目指しております南シナ海行動規範における法的拘束力も含めた案件の合意ということなんですが、なかなか中国の同意を取り付けることができないということで、今足踏みをしているような状況になっております。
 特に、ASEANの場合、十か国全てが合意をするという形で物が進みますものですから、特にカンボジアの反対を受ける、ラオスの反対を受けるというような形でこれがストップしてしまうということなんですが、実際にASEANの中を見ましても、南シナ海の問題ですと、ラオスは海がない。カンボジアの海といいますとタイランド湾で、実際には南シナ海には面していない。さらに、ミャンマーも直接的には南シナ海に関われないというところで、ASEAN諸国の中での温度差も激しいかと思います。
 また、中国の真珠の首飾り戦略、これが非常に進んでまいりまして、昨年報道されておりますが、スリランカ、ハンバントタ港は九十九年の租借。租借といいましても、実際には企業が借り受けるという形でこの港の管理を行っております。同じように、パキスタンにも拠点形成を行っているという形で、さらにジブチに中国海軍の拠点がつくられるという流れになっております。
 そして、ここに、シーレーンの確保の中に表を掲示させていただいております。マラッカ海峡の安全確保というところで、管理協力というので、あえて表を付けさせていただきました。マラッカ海峡、日本にとっても生命線と言われるほど非常に重要な海域、日本人が使う、輸入しております原油の八〇%以上はこのマラッカ海峡を通過していると。その中で、このマラッカ海峡、今どういう位置関係にあるか、誰が使っているのかということをあえて表にしてみました。
 二〇一二年のデータ、これは若干古いように思うのですが、実際にこのマラッカ海峡のデータを具体的に集めましたものでは、この二〇一二年のが最新のデータになっております。仕向け国といいまして、マラッカ海峡を通過した直後、最初に入港した港はどこなのかといいますと、シンガポール、マレーシア、インドネシアの沿岸三か国を抜きますと圧倒的に中国、既に日本は韓国の下、これは途中切れておりますが、十二位が日本になります。そして、仕出し国、マラッカ海峡を通過する直前に出港した港ということでも中国が圧倒的に多いと。
 実際に、日本の関係する船も、中国を経由してマラッカ海峡を通り、インド洋からヨーロッパへ向かっていく、あるいは中東へ向かっていくと。また、逆に、マラッカ海峡をヨーロッパあるいは中東から日本に向かう船も、一旦中国に寄ってから日本にやってくるという形で、シーレーンの安全確保といいますのは、矛盾している中で、あえて中国との連携というのも視野に入れなければいけないということが言えます。これは、逆に中国側も非常に意識し始めております。
 これは、先ほど申し上げました真珠の首飾り戦略、インド洋側あるいは南シナ海がつながりましても、このマラッカ海峡に影響力を及ぼせない限り真珠の首飾りはつながらないと。むしろこのマラッカ海峡といいますのは、日本が徹底して管理に協力してきたエリアでございます。
 特に、マラッカ海峡にあります五十数基の航路標識のうち、四十五基は日本の支援によって作られ、日本の支援によって今も管理されております。そして、人的な協力、航行安全を守る人の人材育成も日本が行ってきたという現実がありますので、今でもマラッカ海峡の管理には日本が大きな影響を及ぼしている。そして、日本の協力を受けた上で現在も管理しているという状況にあります。
 これが中国にとってはマラッカ・ジレンマと言われます。マラッカ海峡、強引に勢力を及ぼそうとし紛争となった場合、マラッカ海峡の通過が自由にならない、不便を来すということになりますと、マラッカ海峡を通れないイコール中国に対して積荷が滞ってしまうということになりますので、マラッカ海峡の管理におきましては、あくまでも平和裏に、そして力を誇示することなく中国は戦略を立てなければいけないという状況になっております。
 また、三番目に、先ほども若干話しましたが、日本近海における外国漁船の操業ということで、まず、日本海におけます中国、北朝鮮船の不法操業。二〇一六年には二百隻ほどの中国漁船が侵入しております。そして、それを取り巻くように北朝鮮船が侵入してきてイカを捕っていると。そのために、能登半島の漁師たちが大和堆と言われる日本海における好漁場に進入することができず、漁場を諦めるという事態になっております。
 そして、北海道・東北沖におけます台湾、中国、韓国漁船のサンマの乱獲。昨年、一昨年のサンマの水揚げ量の減少というのは実はこの乱獲とは直接的には関わっておりません。といいますのは、一個一個の個体が小さくなっております。漁獲量は少なくなっても、例えば二〇一四年、一五年のサンマ、釧路沖での大きなものは二百グラム以上ありました。二百二十グラムぐらいあったものが、昨年、一昨年は百四十グラムぐらいまで減っていると。それだけで三割減、ちょうど水揚げが減っている分はそのぐらいの数字であると。
 といいますのは、これは、今、地球温暖化という流れの中でも、大きくは氷河期に向かっていると言われるぐらいでありまして、数年に一度は北極海の氷が解けない年があります。それが四年ほど前にありまして、その影響でプランクトンが育っていないということが一つの理由に挙げられます。ただし、現在、このまま北海道沖におけます台湾、中国、韓国のサンマ漁が続きますと、いずれ資源量に影響を及ぼしてくるということになろうかと思います。
 ちなみに、二〇一六年、日本のサンマ水揚げ高は十一万トン、台湾が十六万トン、中国が五万六千トン、台湾、中国を合わせますと日本の倍サンマを捕っているという形になっております。これは、そろそろ警告をして国際ルールをしっかりと作っていきませんと、サンマの漁獲高に近い将来影響が出ていくことになろうかと思います。
 同じように、太平洋側のEEZ外では中国の漁船がサバ漁を行っております。そして、東シナ海の中国漁船の乱獲。これは、虎網漁という、極めて強い集魚灯を使いまして魚を集め、一網打尽にしてしまうと。そのために、五島半島の漁師たちは東シナ海の漁場へ出るのが怖くなる。
 私が直接話を聞きました漁師は、実際に中国漁船によって船の周りを網で囲まれてしまった、それ以降、東シナ海の漁場へは出ないということを言っておりました。ちなみに、東シナ海に一番近い五島ふくえ漁業協同組合、千人の漁業組合員で、水揚げは八億円しかございません。一人当たりは平均八十万円にしかならないと。何と高齢者の漁師たちは、自分の漁業の収入より年金の方が多い、我々は年金漁師というような言い方もするぐらい今実は危機的な状況に陥っております。
 また、オホーツク海におけるロシア漁船の密漁。これも、ロシアの協力要請によりまして、日本は密漁されたカニの受取をやめております。韓国も今極力警備を厳しくしておりまして、オホーツク海のロシア船による密漁のカニは、北朝鮮に入り、そこから中国に回っているということが言われております。
 ただ、この漁獲の問題は、外国船だけではなく、日本漁船の乱獲という問題も常にあります。沿岸での小型マグロ、あるいは外洋でのマグロ漁等、国際的に非難を浴びる状況になっておりますので、これも自発的に、自主的に何らかのルール作りが必要になってこようかと思います。
 そして、中国以外の隣国との問題にあえて触れておきますと、まだ北方領土問題、解決しておりません。特に北朝鮮の問題が起こりまして以降、安全保障上、アメリカの兵器が、ミサイル等が北朝鮮に向いている以上、ほぼ隣国であるロシア、非常に緊迫した情勢になっております。本日、北方領土の日でございますが、この北方領土の周辺にはロシアの地対艦ミサイルの拠点、造られております。防衛体制しっかりとなっていると。また、北方領土、国後と択捉の間の海域は実はロシアの潜水艦の通過路になっております。そう簡単には、現状、日本海が揺れている間、北方領土返還の話というのはなかなか進みづらいという事態になっていようかと思います。そのためには、まずは経済交流から、共同経済行為から始めていくのは有効であると考えます。
 そして、日本は、まず今、海洋資源の開発、非常に積極的にかつ順調に行われている段階であると考えております。
 メタンハイドレートの開発、二〇一七年、二回目の海洋生産試験が行われました。実は、この生産量二十万立米というのは、ほぼ同じレベル、中国が南シナ海でも成功しておるレベルと同じです。海底資源開発の動向に関してはアジア一体となって両国が協力するということも一つの視野に入ってこようかと思います。
 また、海底熱水鉱床と言われます一種の海底鉱山なんですが、昨年、これは沖縄の沖合です、伊是名、伊平屋の沖合、連続揚鉱試験に成功しております。これは世界で初めて海底熱水鉱床から鉱物資源を取ることができたということで、期待できるものだったと思います。
 海洋安全保障に係る国際協力としましては、海賊対策、これは日本が中心になって成功してまいりました。アジア海賊対策地域協力協定、二〇〇四年に採択し二〇〇六年に発効、既にアジアの国以外にも二十か国が加盟し、海賊に対する情報共有を進めていくということで、現在、かなり海賊は減ってまいりました。
 この延長線上でソマリア海賊対策が行われました。海上保安官の乗船した自衛隊の艦船が派遣され、そしてジブチを拠点に活動し、P3C哨戒機が派遣されるということで、これも非常に海賊対策には有効に機能しておりまして、私もジブチに行ってまいりましたが、現地でも最も貢献したのは海上自衛隊のP3Cではないのかという、空からの警戒が、そして中立的な立場で各国に情報提供できた日本の自衛隊の役割というのが実は非常に大きかったという報告を受けております。
 アジア各国の海上警備機関の育成ということでも日本はかなりかつてから力を注いでまいりました。そして、巡視船の供与という形で進めております。どうしても軍事的組織になりますと、各国の政治体制あるいは力関係等問題になりますが、国際法を守るということで海上警備機関の協力というのは、これは不可欠であると。そして、同じ海洋法を守るという視点でいきますと、海賊対策を始めとし、前例としまして、今後、有効に機能するんではないかと思います。
 この枠組みを使いますと、これから話題になってまいりますサイバー、特にマリタイムサイバー、海の上のサイバーテロに関しましては、この情報共有機関が海賊と同じようにサイバーに対しても情報を共有していくということで役立つのではないかと思います。この海賊対策地域協力協定、そこの事務局長は、情報共有センター長は日本の外務省OBが代々就任しておりますし、日本の海上保安官も出向しております。
 そして、隣の中国に関しまして、一帯一路戦略、非常に注目し推進しているところなんですが、中国にとって陸路、一帯は費用が掛かり過ぎるし、余り良いプランがないというところで、海路に今注目をしております。大量輸送が可能である海の利用、ただし先ほど言いましたように、まだ中国は主導権を持っておりません。この主導権を中国が持つ、あるいは中国が持たないでも、中国も他国と足並みをそろえて動くことができる関係づくりということを中国は求めております。
 特に、中国の主要輸出先はアメリカです。アメリカへの航路というのは、実は日本の沿岸を通過していくことが最も近い。対馬海峡、津軽海峡を通るのが最短であり、そして大隅海峡を通らなければなかなかアメリカに近づくことはできない。といいますと、これから先、中国はどうしても日本の沿岸を通過することということが必要になってきます。となると、日本がしっかりとした海洋管理体制を取るというところがもう一つのポイントになってこようかと思います。日本の海洋管理体制、これを確立することが実はアジア海域の平和に最も寄与する、そしてアジア海域のバランスを構成する上でも最も有効な手段であると考えております。
 そして、本年から北極海航路の商業航路が開発されます、運用されます。まず、そのために日本も、商船三井、三隻の北極海航路用LNGタンカーを造りまして、北極海から中国に向けた輸送を行うということになっております。
 まず、私、まとめとしまして、日本の沿岸管理体制の充実が何よりもこのアジアの海域の平和、安定に寄与するものであると考えております。そして、日本の海上保安庁をモデルとしました国際法に基づく海上機関の連携、各国のコーストガードが連携していく。既に、中国とも韓国とも十分に話し合うチャンネルを持っております。さらに、ロシアとも持っております。これを充実し、アジア全域に広げていく。航行安全、環境保全、水産資源の保護を一元化しまして海洋問題を連携していくことは有効であると思います。
 私、持論としておりますのは、まず、尖閣諸島の問題含めまして、この東シナ海、まずは海洋環境そして航行安全という視点から、日本、中国、韓国、台湾、あるいは利用国も含めた形での海洋調査、そして海域管理体制を取っていく必要があろうかと思います。環境という切り口から入った場合には、中国も表立って反対することはできない。しかも、日本としても絶対必要になってくることだと思います。
 そして、今、ちょうど現在、東シナ海でタンカーが一隻沈んでおります。この船、中国海域で事故を起こし、日本のEEZ内で沈没しました。現在は中国がこの対応に当たっておりますが、技術力的には、日本の方が近いですし、日本の力の方が高いと。いち早く日本と中国、これは話合いを行いまして、両国の最善の技術をもちまして今沈んでいる油の抜取りを行う必要があろうかと思います。
 もう少し時間がたちますと、船内にたまった超軽質原油、これは実は不純物をたくさん含みます。水銀等不純物を含んでおりますので、早く抜き取った方が賢明であると。これは、いずれ対馬海流に乗りまして日本海側に回る可能性があります。韓国沿岸にも流れ着くことになろうかと思いますので、いち早く両国、日中の協力の下、撤去する必要があろうかと思います。
 まず、このような事案から、国境を越えた海上警備、そして海上環境保全等、海洋管理の協力体制、進めていく必要があろうかと思います。
 御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →
三木亨#11
○理事(三木亨君) 山田参考人、ありがとうございました。
 次に、川崎参考人から御意見をお述べいただきます。川崎参考人。
この発言だけを見る →
川崎哲#12
○参考人(川崎哲君) この度は、意見を申し述べる機会をくださいまして誠にありがとうございます。
 核軍縮・不拡散、とりわけ昨年成立しました核兵器禁止条約に関連して、日本が果たすべき役割についてお話をさせていただきたいと思います。
 今日、北朝鮮による核兵器とミサイルの実験、開発が、日本はもちろん、国際社会に対して深刻な脅威をもたらしております。と同時に、これに対して米トランプ政権が軍事力行使も辞さないとの態度を取り、両国間で挑発の連鎖が続いているのは憂慮すべき事態であります。何らかの誤算で軍事的衝突が起これば、核兵器の使用にまで発展し得る現実の危険性があります。
 一九六二年のキューバ危機で核戦争の脅威を危機一髪で回避したラテンアメリカ及びカリブ諸国は、その直後に地域の非核化を宣言し、その五年後には世界で初の非核兵器地帯条約を成立させました。今日、北朝鮮の核の脅威を圧力のみによって除去することはできませんし、軍事的な抑止力だけで永続的な安全を得ることもできません。危機を回避した先の出口戦略を描かなければなりません。核兵器禁止条約はその出口を示しております。
 本日、配付資料一ページの下のスライドにありますように、今日の世界には約一万五千発の核兵器が存在します。かつて最大六万発を超えた冷戦期の一九八〇年代から見れば、確かに数は減りました。それでも、人類を何回も殺し尽くす数であることに変わりはありません。原子力科学者会報は、先月、人類の滅亡を午前零時に見立てた終末時計の針を二分前にまで進めました。一九八〇年代には針は三分前でありましたので、当時よりも私たちは終末に近づいたということになります。
 次のページを御覧ください。
 こうした核の脅威に対処するために、これまで要であるとされてきました核不拡散条約、NPTにも根本的な限界があります。五つの核兵器国の核保有を正当化しているために、周りの国もそれに続こうとするのです。実際、核拡散防止という名目とは裏腹に、NPTの下で核兵器は拡散してまいりました。一九九〇年代にはインドとパキスタンが、二〇〇〇年代に入りますと北朝鮮が核保有国となりました。とりわけアジアにおいて、核兵器の拡散は深刻化しております。
 このページの下にございますように、昨年七月に国連で百二十二か国の賛成により採択されました核兵器禁止条約は、こうしたNPTの不備を補強し、核兵器がいかなる国の手にあれ許されないものであるという国際法規範を形成したものであります。これは、二〇一〇年の赤十字国際委員会による声明以来、オーストリアやメキシコなどの諸国が推進してきた、いわゆる人道イニシアチブの成果として作られたものです。生物兵器や化学兵器が大量破壊兵器として禁止され、対人地雷やクラスター爆弾が非人道兵器として禁止されているのと同様に、核兵器も普遍的条約によって禁止し、そこから廃絶へつなげようという大きな運動の成果であります。
 これまでの経過を次のページの上半分にまとめてございます。核兵器廃絶国際キャンペーン、ICANは、市民社会としてのこの運動への貢献を評価されまして、昨年、ノーベル平和賞の受賞という光栄にあずかったところです。
 そのページの下半分にございますように、核兵器禁止条約は、その前文で、被爆者と核実験被害者に言及をし、いかなる核兵器の使用も国際人道法に違反するとしております。そして、核兵器に関わるあらゆる活動を例外なく禁止すると同時に、核兵器の完全廃絶への道筋を定めております。
 次のページの上にこの条約の制度的な取決めを並べてございますけれども、この条約は、五十か国が批准して九十日で発効をいたします。現在のところ、五十六か国が署名をし、五か国が批准をしております。
 条約が発効いたしますと、締約国会議が二年に一度開かれることになります。言わば、核兵器禁止条約プロセスが始まることになります。このことによって、近い将来、国際的な核軍縮の議論は、NPTプロセスと核兵器禁止条約プロセスという二本線で進むことになると言えます。この中で、日本が果たすべき役割を考えていきたいと思います。
 このページの下半分にございますように、これまでのところ日本政府は、核兵器禁止条約に対しては極めて後ろ向きな姿勢を取ってきました。核兵器禁止条約の交渉開始決議には反対し、条約交渉には参加せず、条約が採択されるとすぐに日本は署名、批准しない方針であると表明をいたしました。
 その理由としまして、政府は、核兵器廃絶の目標は共有するけれども、日本政府のアプローチは核兵器禁止条約のアプローチとは異なるものだからというふうに説明をしています。そして、国民の生命と財産を守るためには核抑止力が必要不可欠であり、核兵器禁止条約は核抑止力の正当性を損なうものであるとも述べております。さらに、核軍縮のためには核兵器国と非核兵器国の協力が重要であり、日本としては橋渡しの役割を果たしていくとしています。
 先月、ベアトリス・フィンICAN事務局長が来日した際、国会議員会館におきまして、外務副大臣及び与野党十党会派の代表によります討論集会が開催をされました。フィン事務局長は、米国との同盟関係を維持したままでも核兵器禁止条約に加入することは可能であると強調をいたしました。核兵器に関わることはしない、同盟による安全保障協力は核兵器以外で行うということを決めれば、加入はできるということであります。
 フィン事務局長は、日本が禁止条約に加入できるようになるための条件について国会で調査をしてほしいと述べました。それに対して、副大臣や各党代表が様々な見解を述べられましたけれども、日本が核兵器廃絶の目標を支持しているということ、そして核兵器禁止条約はその目標に向けた一定の価値を有するということを否定する意見は一つも出ませんでした。その上で、二つの論点が浮き彫りになりました。
 一つ目は、核抑止力についてであります。核抑止力は、安定と平和をもたらすものなのか、それとも危険と混乱を生み出すものなのか、意見は分かれました。二つ目は、日本が核兵器禁止条約に加入することの可能性、条件、影響を国会が調査することについてであります。与野党双方から、そのような調査をすることに前向きな関心が出されました。
 実際、日本政府も、将来、世界の核兵器の数が減って、いわゆる最小限ポイントに達成すれば、その後に核兵器禁止条約を構想し得るとしています。だとすれば、日本が禁止条約に参加し得る条件を調査するということは、政府のこの立場を補強し、一歩前進させるということにつながります。
 これらを踏まえまして、日本がこれから具体的に検討し行動すべき点について幾つかの提案を行いたいと思います。
 次のページを御覧ください。
 第一に、核抑止力を批判的に再検討することであります。
 日本は、国家安全保障戦略により、核兵器の脅威に対しては核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠としています。しかし、一方で、核兵器の使用は国際法の基盤となる人道主義の精神に反するという政府見解を維持しており、近年の核兵器の非人道性に関する共同声明や国際会議にも参加をしています。すなわち、日本は核兵器という非人道的な手段によって国家の安全を保障するという政策を取っていると言えます。日本のこのような政策が現状のままでよいのか、変更や制限を加える必要がないのかということが議論されるべきです。
 論点といたしまして、核抑止力に依存することの道徳性、有効性、必要性、そして核抑止が破れた場合の対応が挙げられます。
 まず、道徳性についてです。核抑止政策は、核兵器の使用を前提とした政策です。核兵器の非人道性に対する国際的な認識がここまで高まった今日、唯一の戦争被爆国である日本が核兵器の使用は正当な防衛手段であるとのメッセージを発し続けることがいかなる意味を持つのか。日本の道義的立場との関係でその是非が問われなければなりません。
 次に、有効性についてです。核兵器は大国間の戦争を抑止してきたと言われますけれども、実際には核戦争の引き金が引かれる寸前にまで行った事例は数多くあります。抑止のバランスというのは極めて脆弱なもので、人類は幸運に支えられてきたにすぎません。さらに、歴史上、核保有国や同盟国に対して戦争が仕掛けられたという例も数多くあります。また、米国の強大な核兵器は、北朝鮮が核兵器を開発することを抑止しませんでしたし、九・一一テロも抑止しませんでした。自爆を恐れない勢力は、核兵器に全く抑止されません。
 さらに、必要性についてです。日本が核抑止力を必要とする根拠として、よく北朝鮮の核の脅威が挙げられます。しかし、北朝鮮が核以外の通常戦力で抑止できないという合理的な根拠が十分に示されているとは言えません。政府は核による抑止力が必要不可欠であると述べていますけれども、その根拠は何でしょうか。
 そして、万が一、核抑止が破綻し、核兵器が使われた場合、何が起こるのかについても現実的に検討しなければなりません。甚大な破壊と放射能汚染により人道上の救援も不可能であるということは、広島、長崎の惨害の記憶からも、また今日の科学的研究成果からも明らかです。核戦争が地球規模の気候変動と飢饉、通信網の破壊と世界経済の破綻をもたらすとの報告もあります。偶発的な核使用や核兵器に関わる事故、テロやハッキングなどによって意図せずに核爆発が起きるというリスクも現実のものであります。こうした事態に対する責任の所在も明らかにされておりません。
 これら批判的な観点を踏まえ、今日の安全保障にとって核兵器が果たす役割を再検討する必要があります。検討の結果、核兵器の必要性を今すぐに完全否定できないという結論が仮に出たとしても、核兵器の先制不使用など一定の制限を掛ける措置は可能なはずであります。
 ところが、米国は、さきの核態勢見直し、NPRで核兵器の役割をむしろ拡大する路線を打ち出しています。通常兵器やサイバー攻撃にも核で反撃するといった内容が含まれておりまして、これは核のリスクをいたずらに高めるものであります。日本は本来、こうした動きに警告を発しなければなりません。
 政府は、核兵器禁止条約は核抑止力の正当性を否定するものだから参加できないと言います。確かに、この条約は核兵器を非正当化するために作られたものと言えます。しかし、日本がこれに対する反動として核兵器の正当性を発信するというような態度を取ることは、唯一の戦争被爆国の外交姿勢として大いに疑問であります。
 第二に、国会のイニシアチブにより、核兵器禁止条約への加入の可能性について調査する委員会を立ち上げることを提案したいと思います。
 ページの下半分にまとめましたように、既にノルウェー、イタリア、スウェーデンなどでこのような動きが出ております。とりわけ、米国との同盟国やそれに準ずる国々にとって、同盟上の政策と核兵器禁止との関係が問題となります。核兵器禁止条約は、第十八条で、この条約と矛盾しない限りにおいて他の条約上の権利義務を害さないと規定しております。
 次のページを御覧ください。
 禁止条約は、第一条で、核兵器の開発、保有、使用、威嚇、配備などを包括的に禁止しています。このうち、非核三原則を国是とする日本は、核兵器の開発、保有、配備はしないと国内外に約束をしています。禁止条約に加入すれば、これらが国際法上の義務になります。
 日本にとって恐らく問題となるのは、核兵器の使用とその威嚇、またそれらの援助、奨励、勧誘です。米国との同盟関係にある日本の政策は、米国による核兵器の使用またその威嚇を援助、奨励、勧誘するものに当たるのかということであります。
 ページの下半分にまとめましたように、国連憲章第二条四項は、加盟国による武力の威嚇や行使を一般的に禁止しています。さらに、日本は、憲法九条一項で、武力の威嚇や行使を永久に放棄しています。それゆえ、自衛隊による自衛権の発動には厳しい要件が課されており、米国による武力行使との一体化やその後方支援の解釈をめぐっては国会での議論が積み重ねられてきたところであります。これらとの関係で、日本のいかなる行為が米国の核兵器の使用また威嚇の援助、奨励、勧誘、あるいは一体化や後方支援に当たるのか、法的な議論が必要となります。
 政治的には、日本が米国との同盟関係を維持しながらも核兵器の使用については援助や奨励を一切しないという立場を取った場合に、それがもたらす影響を論じる必要があります。米国の選択肢を狭めることになるので日米関係に悪影響だというふうな見方もある一方で、非人道的な戦闘行為にはくみしないと表明することで日本の道義的地位を高めるとの見方もあります。また、核兵器が使用しにくくなれば戦争が起こりやすくなるのだという見方もあれば、逆に、通常兵器による戦闘が核戦争に至ることを予防する効果を持つのだという見方もあります。
 このような諸問題を調査する委員会は、日本が核兵器禁止条約に加入する場合の影響に加えて、加入しないままでいた場合の影響についても議論をすべきであります。すなわち、唯一の戦争被爆国が核兵器禁止条約を拒み続けることのもたらす国際的影響についてであります。
 次のページを御覧ください。
 仮に、日本がすぐに核兵器禁止条約に加入しないという場合であっても、禁止条約に定められた事項の中で日本が既に具体的な行動に移せる事項を二つ指摘したいと思います。それは、核廃棄の検証措置と核被害者の援助であります。これらを言わば核兵器禁止条約の部分的な履行として実施することができます。
 ページの下半分を御覧いただきますと、核廃棄の検証措置についてまとめてございます。核兵器禁止条約の第四条では、時間枠を伴った検証可能で不可逆的な核廃棄が定められております。
 かつて南アフリカは、核兵器を開発し保有に至りましたが、アパルトヘイトを廃止し国際社会の仲間入りをするに当たり、これらの核兵器を廃棄し国際的な検証を受け入れました。この経験を踏まえ、核兵器禁止条約は、現に核兵器を保有することでも、核兵器をなくすということを決めれば禁止条約に加入することができるというふうに定めています。国際機関が廃棄の検証を行い、再核武装を許さないよう保障することとされております。
 北朝鮮に対する圧力と対話を通じた外交が将来実を結び、同国が核の放棄を受け入れるような合意が生まれたとしましょう。そのとき、国際的な監視下で同国の核武装を解除していくプロセスが開始されなければなりません。そのような手続はNPTには規定されていません。NPTは、今核を保有していない国が今後も保有しないことを定めているだけであります。これに対して、核兵器禁止条約は、核保有国による核の廃棄を具体的に規定した初の多国間条約と言うことができます。
 北朝鮮が核を放棄するということを想定した場合、それが一定の時間枠の中で、国際的な監視の下で不可逆的に行われるということは、日本にはもちろんのこと、世界的な安全保障上の利益になります。そのような検証制度や保障措置の詳細は、今後、核兵器禁止条約の締約国会議で議論され、議定書として条約に附属されていくことが想定されています。
 既に日本は、核軍縮検証のための国際パートナーシップ、IPNDVを通じて、この分野での研究を進めております。これを発展させて、核兵器禁止条約の検証規定の強化に活用することができます。この分野で国際センターを日本に設置するというようなこともできるでしょう。禁止条約の締約国会議には非締約国でもオブザーバー参加できますので、そうした取組の成果を締約国会議に還元すれば、国際的にも歓迎されるでしょう。
 次のページを御覧ください。
 核兵器禁止条約は、第六条で、核兵器の使用、実験の被害者に援助を行うとともに、汚染された環境を回復する義務を締約国に課しています。これはまさに、広島、長崎の被爆者援護、福島の除染を経験してきた日本こそが行うべき課題だと言えます。
 日本政府は、二〇一四年に専門家委員会による核兵器使用の多方面における影響に関する調査研究を発表しています。同様の形で、広島、長崎の被爆者や世界の核実験被害者が受けている被害の実態や、援助や環境回復の在り方に関する研究を行い、指針を示すことができるでしょう。
 結論を申し上げます。
 ページの下半分にありますように、核兵器禁止条約について与野党での議論を深め、以下のことへの合意を目指していただきたいと思います。
 第一に、核兵器禁止条約への加入を、仮に長期的にであったとしても、目標として定め、その条件や影響を調査する委員会を設置すること。第二に、核兵器の非人道性を踏まえ、核抑止力の批判的な再検討とその役割縮小を進めること。第三に、核廃棄の検証措置や核被害者援助など、具体的に貢献できる分野では直ちに行動を開始することであります。
 御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →
三木亨#13
○理事(三木亨君) 川崎参考人、ありがとうございました。
 次に、川口参考人から御意見をお述べいただきます。川口参考人。
この発言だけを見る →
川口貴久#14
○参考人(川口貴久君) 皆様、こんにちは。東京海上日動リスクコンサルティングの川口と申します。委員の皆様、今日はよろしくお願いいたします。
 まず初めに、私はエンジニアではございません。元々、外交安全保障を専攻しながらサイバーリスクの分野に関する調査研究、提言を行ってまいりました。したがいまして、本日はこういった観点でサイバーセキュリティーをめぐる現状と課題について御報告を申し上げます。報告としましては、まずサイバー攻撃の現状、今どうなっているのか、次いで政策や国際協力を考える際の視点、最後に提言とさせていただければと思います。
 まず、サイバー攻撃に関する現状でございます。
 恐らく、国民の大半にとってサイバー攻撃というのは非常に難しいテーマだと考えております。理由は幾つかございまして、目に見えない、メカニズムが複雑である、難解な専門用語が出てくる、非常に難しいテーマであるというふうに認識をしております。しかしながら、サイバー攻撃の結果という観点で見れば、非常にシンプルなものでございます。サイバー攻撃の手法は様々、日進月歩ではございますが、結果という観点では、情報やデータを盗む、情報やプログラムを改ざんする、サービスや機能を停止させる、あるいはデータや物を壊す、これらの組合せでございます。
 皆様、お手元の別紙一を御覧ください。
 こちらは、過去十年間に非常に影響が大きかったサイバー攻撃の事例を列挙してございます。この中から二つの事例を御紹介させていただければと思います。
 一つは、盗むに分類されております米国民主党全国委員会へのハッキングでございます。
 これ、御記憶にあろうかと思いますが、二〇一六年、米国の大統領選挙期間中に民主党のいわゆる選対がハッキングを受けました。結果、民主党内の選挙事情、あるいはヒラリー・クリントンに関する情報がリークされ、これがウィキリークスというサイトにアップをされました。米国のインテリジェンス機関は、このサイバー攻撃とSNS上でのフェイクニュース、これらを組み合わせて反クリントン・キャンペーンが展開されたんだというふうに明言をしております。
 もちろん、このサイバー攻撃によって大統領選挙の結果が変わったかどうか、これは分かりません。ただ、二〇一六年の大統領選挙の正当性というものは非常に揺らいだのではないかというふうに思っております。
 もう一つの事例を御紹介しますと、壊すに分類されております二〇一〇年のイランの遠心分離機の破壊という事例を御紹介させていただきます。
 これは、非常に外交・安全保障分野では衝撃的な事件でございました。当時、イランはいわゆる遠心分離機、濃縮ウランを分離をしていくというプログラムを進めているというふうに考えられておりました。この遠心分離機システム自体は、インターネットにはつながっていない、いわゆるクローズドのシステムでございました。しかしながら、USBフラッシュメモリーでございますね、こちらを経由してマルウエアウイルスが感染をし、どうやらこの遠心分離機が通常よりも速く回転をした。したがいまして、遠心分離機自体は壊れてしまうといった事象に陥っております。通常であれば、監視員の方がこの遠心分離機の速度を監視しながら正常であるかどうかを確認しておるんですが、その監視モニターさえも偽装され、結果的に遠心分離機は破壊されたという事案であります。
 こちらの事案については、遠心分離機が少なくとも一千台、多く見積もれば八千台以上破壊されたという事案でございまして、サイバー空間にとどまらず現実世界のものが壊れたという事件で、非常に大きなインパクトがございました。
 このように、サイバー攻撃の影響という観点では、国策プロジェクトから選挙制度まで多岐にわたっております。また、金融やエネルギーといった重要インフラ、自動車や家電といったような生活機器、非常に多くのものがリスクにさらされております。こうした現実を踏まえまして、国際協力あるいはサイバーセキュリティー政策に関する議論を深めていく必要があろうかと思います。
 しかしながら、議論を行う上での前提や視点というものが異なっているというだけではなく、実際には現実が考慮されてない点が多々あるのではないか、このように思っております。
 一九九〇年代、情報技術分野、特にインターネットは劇的に発展をいたしました。この頃につくられた認識というのは、今日明らかに間違っているとは言えないまでも正しくはない、私はこれを神話あるいは幻想というふうに呼んでおります。そういった観点で、私はサイバーセキュリティーをめぐって五つの神話があるというふうに思っております。
 皆様、別紙の二を御参照いただけますでしょうか。
 サイバー空間はデジタル上の仮想空間である、サイバー空間は公共財である、国境がない自由な領域である、これらは実態を反映していないというふうに考えております。お時間の関係もございますので、かいつまんで御説明をさせていただければと思います。
 一つは、サイバー空間は仮想空間だという神話でございます。サイバーという言葉自体は、やはりデジタル、そういったイメージと結び付くものかと思います。しかしながら、サイバー空間というのは実際には物理インフラや地理に密接に依存をしております。
 例えば、国際的なインターネット通信の九五%以上は海底ケーブル、世界にある約二百本以上の海底ケーブルを通じて行われております。さらに、日本国内の海底ケーブルの陸揚げ拠点、こちらは千葉県あるいは三重県の志摩、こういったところに集中をしてございます。このように考えますと、韓国や中国についても特定の都市や場所に依存をしておるという状況でございまして、このサイバーセキュリティーという政策をつくっていく上では物理的な視点も必要である、こういうふうに考えております。
 二つ目は、サイバー空間は公共財ではない、そういった話でございます。よくサイバー空間は、海や宇宙と並びまして国際公共財だ、グローバルコモンズだと呼ばれることがございます。しかし、これは誤りでございます。サイバー空間は自然空間ではなく、人工的な空間でございます。我々がサイバー空間と呼ぶときに実際何を指しているのか。それは通信チャネルや通信デバイスや、あるいはデータストレージでございます。そして、これらは全て企業や個人の所有物であり、さらには企業が投資やコストを掛けて維持をしている、そういった実態がございます。
 かつて米国も、二〇一〇年頃、国家安全保障戦略や国防見直しの中で、サイバー空間はグローバルコモンズなんだ、そのように位置付けておりました。しかしながら、最近ではコモンズという言葉は消えまして、共有空間である、こういった言葉が使われております。これは、サイバー空間自体が民間のインフラストラクチャーや投資を前提に成り立っているんだ、そういった前提での認識変化というふうに考えております。
 昨年末、米国の連邦通信委員会は、ネットワークの中立性という原則を見直しました。この原則は何かといいますと、インターネット上のデータは、ユーザーはお金を払っているかどうか、政府のものなのか、あるいは私的なサイトなのか、それを問わず、インターネット上のデータは平等であるべきだという考え方でございます。
 これ自体はインターネットの黎明期から脈々と維持されていた、支持されていた原則でございますが、トランプ政権はこれを見直しました。その根拠というのは、やはりこのインターネットのインフラストラクチャー自体は民間が莫大な投資をしているんだ、その投資の上に成り立つインターネット上のデータは平等であっていいのか、そういった観点から見直しを決定をいたしました。
 私は、この見直し自体が妥当であるというふうには思いません。しかしながら、サイバー空間は民間のインフラと投資を前提に成り立っている、こういった観点でサイバーセキュリティー政策を構築する必要があろうかと思います。
 時間の関係でもう一点、四点目の神話についてお話をしたいと思います。
 かつてサイバー空間の広がりというものは、主権国家のパワーを相対化すると考えられてきました。サイバー空間では個人やテロリストが主権国家と同様にサイバー戦争やサイバー攻撃能力を持つんだ、そのように信じられてまいりました。実際にそういった小説や映画、数多く出ておりますが、しかしながら、洗練されたサイバー攻撃、これはほぼ全て地政学的な対立や国家による関与、これが背景にございます。先ほど御紹介しました別紙一の例、こちらの事例はほぼ全て国家による関与が強く疑われるものでございます。
 したがいまして、このサイバー攻撃のリスクを最小化する、極小化をする、すなわち国家間の対立を最小化する、地政学上の対立をマネジメントすることにほかならないというふうに思います。
 残念ながら、アジア太平洋地域は伝統的な国家間対立が色濃く残っております。こういった対立を前提としたビットコインの窃取、資金の窃取、知財の窃取が行われておりますので、あくまでも国家間の対立をいかにマネジメントするのか、そういった観点でサイバーセキュリティー政策を構築する必要があるというふうに思います。
 こうした視点を踏まえて、最後に提言を申し上げたいと思います。
 まさに日本外交が目指す姿は、中長期的にはサイバー空間に法の支配を確立し、自由で開放的な、かつ安全なサイバー空間を維持することでございます。こうした目標に対して、二つの国際協力のアプローチがあるというふうに考えております。
 一つは、国家が合意をして規範を作るもの、いわゆる条約や国際法の世界でございます。しかし、全ての主権国家が議論をして包括的なルールに合意するのは難しい状況でございます。現状では基本的な合意さえ議論の余地がございます。例えば、国連憲章を含む既存の国際法体系がサイバー空間に適用されるのかどうか、これさえ各国では議論がある、合意ができていない。そういった現状を踏まえますと、全ての国が合意をするルール作りではなく、あくまでも価値観を共有するような国々で、まずは先行してルールを作っていくことが重要だというふうに考えております。
 具体的には、北大西洋条約機構、NATOは、非公式文書でございますが、タリン・マニュアルというマニュアルを策定いたしました。これはサイバー戦争あるいは平時のサイバースパイ活動をルール化するというものでございます。これはあくまで非公式文書ではございますが、全くルールがないところにルールを作ろうとしていると、こういった取組でございます。あるいは、伊勢志摩サミットでは、日本が主導してG7各国がサイバー空間に国際法が適用されるんだ、こういったことを確認をしてまいりました。したがいまして、まずは価値観を共有する国々でルールを作っていくことが必要かと思います。
 また、ルールの内容という観点では、現実的なのはデジタル空間でのジュネーブ条約であると考えております。これはマイクロソフトのブラッド・スミスさんが提唱するものでございまして、国家による民間企業へのサイバー攻撃を禁止するものでございます。これは当然に、一九四九年の文民保護に関するジュネーブ条約からのアナロジーでございます。
 しかしながら、国連でのルール作り、あるいは有志国家でのルール作りは非常に時間が掛かることでございます。海洋法の分野ではグロティウス以来四百年、核軍縮や不拡散の分野では約六十年の歴史があってこその現状でございます。サイバーセキュリティー分野は時間を掛けられません。したがいまして、もう一つのアプローチが必要というふうに考えております。
 こちらのアプローチにつきましては、実践ベースの国際協力と呼んでおります。これは何かといいますと、ルールに先行して国家が、政府が、あるいは国会が行動を起こしていくデファクトな規範作りでございます。具体的に申し上げますと、全てのサイバー攻撃をゼロにすることはできません。しかし、国家や社会にとって許容できないサイバー攻撃、こちらについては、サイバー攻撃の発信源を特定をし、それを公開し、場合によっては制裁を行う、そういった行為を是非お願いしたいと思っております。
 こちら、制裁といっても、単に名指しで批判をする、経済制裁を行う、あるいはハッカー個人を刑事訴追をする、外交的な手段に訴える、様々なオプションがあろうかと思います。実際に、昨年五月、ワナクライ、いわゆる身の代金ウイルスが全世界的に流行いたしました。この事案の約七か月後、米国は実行犯である国として北朝鮮を名指しで批判をいたしました。その際に、日本、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドも同様の声明を発出しております。これは恐らく、事前にサイバー攻撃の発信源に関する技術的な情報共有、あるいは政策調整があったというふうに推察をしております。
 しかし、サイバー攻撃を特定するということも非常に大きな作業でございます。サイバー攻撃を特定することは、一般的にアトリビューションと呼ばれております。このアトリビューションというものは、技術的な証拠集めだけではございません。ネットワークあるいはこういったものを見るだけではなく、ハッカーの戦略的な意図は何なのか、そこに地政学的な対立はあるのか、こういったことを統合的に分析をし、サイバー攻撃の発信源を特定をする、これがアトリビューションでございます。実際に、このアトリビューションというものは、ほとんど諜報活動、インテリジェンス活動でございます。したがいまして、日本がインテリジェンス活動を行っていくのみならず、やはり有志諸国でのインテリジェンスでの協力というものが不可欠かというふうに思っております。
 最後にまとめますと、提言といたしましては、やはり、国際法や条約、こういったルールベースでの取組というものは不可欠でございます。ただ、時間を掛けていては、サイバーセキュリティー、現状のサイバー攻撃に対処はできません。したがいまして、許容できないサイバー攻撃については、発信源を特定をし、それを公開し、必要に応じて制裁を行っていくことが必要不可欠であるというふうに思っております。
 最後に、是非、調査会の皆様におかれましては、何が許容できないサイバー攻撃なのか、これを是非議論していただきたいと思っております。
 私としましては、国家によるサイバー攻撃のうち、民間セクターへのサイバー攻撃、営業秘密を盗む、知財を盗む、こういった攻撃、二つ目に重要インフラに対するサイバー攻撃、電力や通信、金融に対するサイバー攻撃、そして最後に国政選挙に対するサイバー攻撃、これ自体はやはり日本の民主制度の根幹を揺るがしかねないサイバー攻撃でございますので、こういったサイバー攻撃については、これは是非、国会として許容できないレッドラインである、したがいまして、国会としてのサイバー攻撃に関する調査、攻撃元の特定、さらには制裁といったオプションを是非整備していただきたいと思っております。
 私からは以上でございます。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →
三木亨#15
○理事(三木亨君) 川口参考人、ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 質疑及び答弁の際には、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただきたいと存じます。
 委員の一回の発言時間は答弁を含め十分以内となるよう、また、その都度答弁者を明示していただきますよう御協力をお願い申し上げます。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 吉川ゆうみ君。
この発言だけを見る →
吉川ゆうみ#16
○吉川ゆうみ君 自由民主党、三重県選出の吉川ゆうみでございます。
 三人の先生方、大変貴重なお話を賜りまして誠にありがとうございました。また、貴重なお時間を賜りましたことにも心から御礼を申し上げたいと思います。
 まず、私からは、少し漠とした大きな質問になってしまうかもしれませんけれども、ちょうど今予算の季節でございますので、防衛費について、皆様からの個人的な御意見で結構でございますので、お伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
 平成三十年度の防衛予算でございますけれども、五兆二千億ということで、昨年、二十九年度よりも少し上乗せということで、マスコミなどでも様々な報道されておりますけれども、私、絶対比で見てもGDP対比で見ても、我が国の防衛費というのは決して高いものではないと。今、先生方から様々なお話がございましたように、今我が国を取り巻く環境というものは非常にこれまでにない危機的なものがあるというふうに認識をいたしておりますので、私たち日本人が安心して、そして安全の下で暮らしていくためには、こういった部分の充実化ということは私は必須であろうかというふうに思っております。
 そういった中で、先生方の御専門の分野も含めて、この我が国の防衛、情報セキュリティー、サイバーセキュリティーの分野とか様々な御専門で違うかと思いますけれども、先生方の御専門の分野も含めて、我が国の安全を守るための費用、予算というものに対しての考えをお聞かせ願えればと。簡単で結構でございます。時間、一人十分ということになって、私の質問時間十分ということで、ほかにも少しお伺いしたいことありますので、簡単で結構でございますので、お教えを願えればと思います。
この発言だけを見る →
三木亨#17
○理事(三木亨君) 全ての参考人の方にですね。
 では、山田参考人から順にお答え願いたいと思います。
この発言だけを見る →
山田吉彦#18
○参考人(山田吉彦君) ちょうどこの防衛に関するものというのは、代替時期が来ているものもかなりあると思います。特に、急速な発展、技術の発展に伴いまして、新しいタイプの装備、特に専守防衛に関する装備というのは非常に重要になってきているということと、急速に展開しておりますグローバル化の中で、日本の海という価値観、例えば領海と排他的経済水域だけでも四百四十七万平方キロメートルと、世界で六番目に広いと言われる海を持っております。さらに、そのシーレーン、世界の海が連携しているというところから、海洋国家としてこの海全体を守っていくためにはやはり海上防衛、そして、海だけではなく空も含めまして、何よりも今問題となっておりますのは沿岸の警備。となると、陸上自衛隊のもの等含めましての防衛予算というのは、ある程度費用を掛けなければいけない時期に入っているんだと思います。
 そしてもう一つ、防衛予算ではないのですが、北朝鮮の漂流船の問題等踏まえまして、やはり何よりも海上保安庁の予算というのが、人員的にも装備的にも他国に比べましてまだまだ脆弱だと言わざるを得ない状況。これだけの海洋国家であれば、ダイナミックに海洋警備機関の充実を行っていただけたらと望んでおります。
この発言だけを見る →
川崎哲#19
○参考人(川崎哲君) ありがとうございます。
 日本の防衛費が年々、今ちょっとデータございませんけれども、例年伸びてきているということが周辺諸国に対して悪影響、つまり防衛費増強の連鎖をもたらすのではないかということを懸念をしております。
 世界の軍事費は、今世紀に入りましてずっとアメリカの対テロ戦争という政策によって右肩上がりで伸びてまいりまして、冷戦末期を超えたわけであります。二〇〇八年から一〇年ぐらいの間、リーマン・ショック等世界経済の影響があって世界の軍事費全体が横ばいから下降に向かう流れがあったんですが、ここ数年でまた微増になってきております。
 世界の地域で見ておりますと、これまではアメリカが半分、世界の軍事費の半分ぐらいはアメリカ合衆国のものだったわけですけれども、それがぐっと減ってきて、逆に中国が第二位でかなり大きなポジションを占めるようになったわけですけれども、地域で見ますと、東アジアがここ数年の間で軍事費増の非常に顕著な地域になってきていると。例えば、中東地域とかアフリカ地域、実際にいろんな紛争があるところに比べても東アジアが大きくなっていると、このような状況でありますので、日本や中国が軍事費増強の連鎖反応を起こしていくということに対して懸念をしております。
この発言だけを見る →
川口貴久#20
○参考人(川口貴久君) まず、サイバーセキュリティーに関する予算は、恐らく防衛費だけには限定されないと思っております。各省庁の予算も入ってくるかと思います。
 さらに、重要なのは、実は重要インフラ、こちらは民間企業の投資の対象でございます。したがいまして、サイバーセキュリティー、日本全体のサイバーセキュリティーを考える際に、これはコストではなく投資なんだという観点で、全省庁あるいは民間企業に対しても目を光らせていただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
吉川ゆうみ#21
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 今の川口先生のお話、まさに本当にそのとおりだと思っておりまして、コストではなくて投資というのは本当にそのとおりだと思います。
 済みません、そちらもお伺いしたいのですが、山田先生のタンカーの問題、私も、環境汚染の問題ですね、非常に危惧しておりまして、山田先生がおっしゃった、環境という分野であれば逆に様々な国家間の問題を超えて協力し合うことができるのではないかというふうに私も思っておりますので、ちょっとその辺りをお伺いしたいんですが。
 今回の問題も、二〇一〇年のメキシコ湾のディープウオーター・ホライズンよりも、あれが過去、史上最悪だなんて言われておりましたけれども、更に悪い、過去三十五年間でも史上最悪の影響を及ぼしていると言われておるところでございますが、実は、様々な他国からの応援要請をなかなか受けてもらえないうちに日本の海域にまで流れてきてしまったであるとか、そういった話も聞いておりますし、元々、例えば我が国と中国の、あるいは日中韓三か国環境大臣会合のような形で、そもそもこういったものが起きたときにしっかりと手当てをする仕組みというのをつくっていきましょうというものがあったかと思うのですが、それが、誤解を恐れずに言うと、少し形だけになってはいないかというところも大変危惧をしておるところでございます。
 そういった意味では、他国の事例も含めて、環境でありますとかダイレクトな問題の外からうまく国家間の問題を解決していく、そういった事例、あるいは、こういったやり方がいいのではないかという方策ございましたら、山田参考人に是非お伺いをできればというふうに思います。
この発言だけを見る →
山田吉彦#22
○参考人(山田吉彦君) メキシコ湾の事例もそうなんですが、基本的に油汚染の事故というのは原因者負担、起こした人間が対処するということで、一つは保険制度がかなり充実しております。費用をまずは心配することは余りない。
 なので、特に今回も、相手がイランの船会社、所有者がイランであるということもありますので、求償は十分にできるということも踏まえまして、いち早くこれは当事者も含めまして議題にしなければいけないところなんですが、今回の問題、実は日本も韓国も中国も十分に話合いできる環境なんですが、ここ、この沈没した海域というのは抜け落ちている海域なんです。日本の排他的経済水域、中間線をもって主張している部分と、中国が沖縄トラフまでの大陸棚延長理論において自国の管轄海域だと主張している、実は両国の管轄、特に油防除に関するものが抜け落ちた海域での事故だということで、当局も積極的に関与できていない場面だと思います。
 ただ、マラッカ海峡で起きる事故の場合には、マレーシア、インドネシア、シンガポール、そして利用国が全て被害を被るということで、これはもう国際的な協力体制の下、シンガポールに油防除の機関が置かれておりまして、具体的に実動隊として動いていくと。そして、国連国際海事機関、ロンドンに本部がある国連の海事専門機関を舞台として交渉が進められていくという流れになりますので、もういち早く国際的な枠組みをつくって対処しなければいけないという問題だと思います。特に、このコンデンセートの事故というのは極めてまれなので、実はどういう影響が出てくるのかまだ計り知れないものがあります。
 いち早く対処していかなければいけない、そのためには、もう早急に中国、韓国含め、あと、あるいは原因者であるイラン含めた形での対応、進めなければいけないところだと思います。
この発言だけを見る →
三木亨#23
○理事(三木亨君) もう時間になりました。
この発言だけを見る →
吉川ゆうみ#24
○吉川ゆうみ君 ありがとうございました。
 時間なので終わります。
この発言だけを見る →
三木亨#25
○理事(三木亨君) 大島九州男君。
この発言だけを見る →
大島九州男#26
○大島九州男君 今日はどうもありがとうございました。
 時間、簡潔に、それぞれの皆さんに一問御質問させていただいたら、共通の質問をさせていただきますので、答弁は一分ぐらいでお願いしたいと思います。
 まず、山田参考人。当然、日本は島国でございますので、やはり日本の国防は海またこの海岸線、ここが非常に重要だと認識をしておりまして、沿岸管理体制の充実ということで、具体的にどういうことをすればいいのかというのを先生から御指導いただければというふうに思います。
 それから、川崎参考人。先日、オバマ大統領の核戦略をうちの日本の外務大臣がもう熱烈に支持をするような発言をしたと聞き及んでいるんですが、それに対する……ヤジあっ、トランプですね、ごめんなさい。トランプでした、間違えました、トランプ大統領の。それのちょっと御意見をいただければというふうに思います。
 それから、川口参考人。サイバー攻撃というのはもう防ぎようがない、必ずやられるんだと。そのやられるのを分かっていながら、じゃそれをどういうふうに対応していけばいいのかという、そういうちょっと知恵があれば、それをお答えいただければと思います。
 お願いします。
この発言だけを見る →
三木亨#27
○理事(三木亨君) では、山田参考人からお願いいたします。
この発言だけを見る →
山田吉彦#28
○参考人(山田吉彦君) まず、沿岸警備体制、何よりも重要なのは機動力であると思っております。衛星、航空機、そして巡視船艇、あるいは防衛、海上自衛隊間の連携による対応。これは、海は広い、かなり広い分野ですので、衛星そして航空機からが不可欠になっております。ただし、もっと例えば北朝鮮の漂流漁船のような細かい案件になるとなかなか大所からでは見づらいというところで、これは日本の海洋で生活している方々、具体的に言うと漁師さんあるいは海運事業者との連携体制というのを確立していく中で、細かい情報と、そして大局から見た機動力をもって入手していく情報の連携、それを統括する組織を確立していくことが重要だと思います。
 今、警察、海上保安庁、自衛隊そして水産関係、これが情報連携はしていてもまだばらばらであり、統一した意思決定がなされないという状況ですので、海の安全を中心で監督できる機関というのが必要だと思います。
この発言だけを見る →
川崎哲#29
○参考人(川崎哲君) トランプ政権のNPRというのは、内容的には核兵器の役割の拡大、また小型核というようなより使いやすい核の追求といったような内容を含んでおりまして、その前のオバマ政権のときの核なき世界という目標を根本から否定するように読めるものであります。これに対して河野外務大臣が高く評価するというふうなメッセージを出したことは、非常に誤解を招く危険があるというふうに思われます。
 NPTで既にアメリカは核軍縮を行っていくということについてコミットしているはずであるにもかかわらず、今回の政策内容を見ると、これまでのコミットメントと明らかに異なる部分があるわけですね。少なくとも、それらの整合性はどうやって取るのかということの説明を求めないことには、これを手放しで評価するというのはちょっと理解に苦しむ対応だというふうに思います。
この発言だけを見る →
← 戻る